JP2002299265A - 多結晶性半導体薄膜の形成方法及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

多結晶性半導体薄膜の形成方法及び半導体装置の製造方法

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JP2002299265A
JP2002299265A JP2001105812A JP2001105812A JP2002299265A JP 2002299265 A JP2002299265 A JP 2002299265A JP 2001105812 A JP2001105812 A JP 2001105812A JP 2001105812 A JP2001105812 A JP 2001105812A JP 2002299265 A JP2002299265 A JP 2002299265A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高結晶化率で高品質の多結晶性シリコン等の
多結晶性半導体薄膜を容易かつ低コストに、しかも大面
積に形成可能な方法と、この方法を実施する装置を提供
すること。 【解決手段】 基体1上に高結晶化率、大粒径の多結晶
性シリコン薄膜等の多結晶性半導体薄膜7を形成するに
際し、或いは基体1上に多結晶性半導体薄膜7を有する
半導体装置を製造するに際し、基体1上に所定形状及び
寸法の段差を有する凹部190を形成し、この凹部内に
シリコン又はカーボン超微粒子100Aを付着後、バイ
アス触媒AHA処理でクリーニングし、このクリーニン
グされたシリコン又は/及びダイヤモンド構造のカーボ
ンの超微粒子100Bをシードにバイアス触媒CVD法
等により多結晶性半導体薄膜を成長させる気相成長工程
(更にバイアス触媒AHA処理とバイアス触媒CVD等
とを繰り返すこと)によって多結晶性半導体薄膜7を得
る、多結晶性半導体薄膜の形成方法、又は半導体装置の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基体上に多結晶性
シリコンなどの多結晶性半導体薄膜を形成する方法、及
びこの多結晶性半導体薄膜を基体上に有する半導体装置
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、MOSFET(Metal-Oxide-Semi
conductor Field Effect Transistor)である例えばM
OSTFT(Thin Film Transistor=薄膜絶縁ゲート型
電界効果トランジスタ)のソース、ドレイン及びチャン
ネル領域を多結晶シリコン膜で形成するに際し、プラズ
マCVD(CVD:Chemical Vapor Deposition=化学
的気相成長法)又はPVD(PVD:Physical Vapor Depo
sition=物理的気相成長法)や減圧CVD法等が用いら
れている。
【0003】例えば特開平5−283726号によれ
ば、シリコンパウダーにより研磨された基板上に、この
基板に付着したシリコンパウダーの微粒子を核として、
プラズマCVD又はPVD法によりアモルファスシリコ
ン膜を形成した後に、永久磁石を用いたECR放電の水
素プラズマにて一定時間暴露する工程の繰り返しによ
り、多結晶シリコンを成膜する方法が提案されている。
【0004】また、プラズマCVD法、減圧CVD法等
により形成したアモルファス又は多結晶シリコンは、特
開平7−131030号、特開平9−116156号、
特公平7−118443号にみられるように、単に高温
アニール又はエキシマレーザーアニール(ELA:Exci
mer Laser Anneal)処理することにより、多結晶シリコ
ン膜のキャリア移動度の改善を図ってきたが、この方法
では80〜120cm 2/V・sec程度のキャリア移
動度を得るのが限界であった。しかし、プラズマCVD
法によるアモルファスシリコン薄膜のELAで得られた
多結晶シリコン薄膜を用いるMOSTFTの電子移動度
は、100cm2/V・sec前後であり、高精細化に
も対応できるので、最近は駆動回路一体型の多結晶シリ
コンMOSTFTを用いたLCD(Liquid Crystal Dis
play=液晶表示装置)が注目されている(特開平6−2
42433号参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た方法はいずれも、次に示す欠点を回避できない。
【0006】(1)上記のシリコンパウダーを用いる方
法では、その粒径をコントロールするために、シリコン
パウダー又はシリコンパウダーを含むペーストにて研磨
したり、或いはシリコンパウダーを有機溶媒中に分散
し、超音波洗浄機を用いてその時間を管理することによ
り行っているが、基板上の任意の指定場所に付着させる
コントロールができない。このために、例えば基板上の
TFT形成領域を指定できないので、高性能/高品質な
TFTの形成およびその集積回路基板を自由に形成でき
ない。
【0007】(2)この方法のシリコン粒径のコントロ
ールは十分でなく、基板上の多結晶シリコンの膜質がば
らつくので、特性ばらつきとなり、歩留及び品質の問題
がある。又、シリコンパウダーの付着分散中に、その表
面に酸化膜及び有機汚れ被膜等が形成されやすいので、
多結晶シリコン結晶成長のシードになりにくい。
【0008】(3)永久磁石を用いたECR放電の水素
プラズマは、RF/VHFプラズマの水素プラズマに比
べて強いエネルギーなので、効果は高いが、有効処理面
積が狭いので、特性がばらつき易く、大面積の基板処理
の生産性が低く、しかもECR装置は高価であり、汎用
性が低い。
【0009】また、エキシマレーザーを用いると、その
出力の安定性や、生産性、大型化による装置価格の上
昇、歩留/品質低下等の問題が山積しており、特に、1
m×1mの大型ガラス基板になると、前記の問題が拡大
して性能/品質向上とコストダウンが一層難しくなる。
【0010】また、固相成長法による多結晶シリコンM
OSTFTの製法では、600℃以上での十数時間のア
ニールと、約1000℃での熱酸化のゲートSiO2
形成が必要なために、半導体製造装置を採用せざるを得
ない。このために、基板サイズは、ウエーハサイズ8〜
12インチφが限界であり、また高耐熱性で高価な石英
ガラスを採用しなければならず、コストダウンが難し
く、EVFやデータ/AVプロジェクタに用途が限定さ
れている。
【0011】近時、ガラス基板のような絶縁性基板上
に、多結晶シリコン膜、窒化シリコン膜等を低温で作製
し得る優れた熱CVDである触媒CVD法が開発され
(特公昭63−40314号、特公平8−250438
号参照)、実用化の検討が推進されている。触媒CVD
法においては、結晶化アニールなしで、30cm2/V
・sec程度のキャリア移動度を得ているが、良質なM
OSTFTデバイスを作製するにはまだ不十分である。
そして、ガラス基板上に多結晶シリコン膜を形成する
と、成膜条件次第では初期のアモルファスシリコンの遷
移層(厚さ5〜10nm)が形成されやすいので、ボト
ムゲート型MOSTFTとした場合は所望のキャリア移
動度は得にくい。一般に駆動回路一体型の多結晶シリコ
ンMOSTFTを用いたLCDは、ボトムゲート型MO
STFTが歩留及び生産性の面で製造しやすいが、この
問題がネックとなってくる。
【0012】本発明の目的は、高結晶化率で高品質の多
結晶性シリコン等の多結晶性半導体薄膜を容易かつ低コ
ストに、しかも大面積に形成可能な方法を提供すること
にある。
【0013】本発明の他の目的は、こうした多結晶性半
導体薄膜を構成部分として有するMOSTFT等の半導
体装置の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、基体上
に多結晶性半導体薄膜を形成するに際し、或いは基体上
に多結晶性半導体薄膜を有する半導体装置を製造するに
際し、前記基体上に適当な形状/寸法の段差を有する凹
部を形成する工程と、少なくとも前記凹部内にシリコン
及び/又はカーボンからなる超微粒子を付着させる工程
と、水素又は水素含有ガスを加熱された触媒体に接触さ
せ、これによって生成した水素系活性種をグロー放電開
始電圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で前記超微粒
子に作用させてクリーニングを行う工程と、原料ガス及
び水素又は水素含有ガスの少なくとも一部を加熱された
触媒体に接触させて触媒的に分解させ、少なくともこれ
によって生成したラジカル、イオン等の反応種をグロー
放電開始電圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で前記
超微粒子をシードに結晶成長させて、半導体材料薄膜を
気相成長させる工程とを経て前記多結晶性半導体薄膜を
得る、多結晶性半導体薄膜の形成方法、又は半導体装置
の製造方法に係るものである。
【0015】本発明によれば、基体上に多結晶性半導体
薄膜を形成するに際し、前記基体上に適当な形状/寸法
の段差を有する凹部を形成し、少なくともこの凹部内に
シリコン及び/又はカーボンからなる超微粒子を付着さ
せ、水素又は水素含有ガスを加熱された触媒体に接触さ
せ、これによって生成した水素系活性種をグロー放電開
始電圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で前記超微粒
子に作用させてクリーニングを行い、この超微粒子をシ
ードに結晶成長させて前記半導体材料薄膜を気相成長さ
せているので、次の(1)〜(7)に示すような顕著な
作用効果が得られる。
【0016】(1)基板の任意の指定場所に適当な形状
及び寸法の段差を有する凹部を形成し、そこにシリコン
パウダー等の超微粒子を付着分散させ、バイアス触媒A
HA処理での水素系活性種の作用により、この超微粒子
のアモルファス成分を選択的にエッチング除去し、更に
この超微粒子の表面の酸化膜及び有機汚れ等を除去でき
るので、この超微粒子を結晶成長の核(シード)として
バイアス又は非バイアス触媒CVD、高密度バイアス触
媒CVD法等により、ばらつきの少ない大きな粒径の多
結晶性シリコン薄膜等を指定された領域に形成できる。
ECR放電の水素プラズマ処理に比べ、バイアス触媒A
HA処理は強いエネルギーの有効面積が広く(触媒体の
大きさで自由に設定できる。)、そのばらつきが小さい
ので、大面積の基板処理の生産性が高く、また安価なた
めに汎用性が高い。ここで、加熱された触媒体に水素又
は水素含有ガスを接触させて生成した水素系活性種(高
温の水素系分子、水素系原子、活性化水素イオン等)を
グロー放電開始電圧以下(即ち、パッシェンの法則によ
るプラズマ発生電圧以下)の電界又は/及び磁界の作用
下で作用させる処理をバイアス触媒AHA(Atomic Hyd
rogen Anneal)処理と称するが、このバイアス触媒AH
A処理により、高温の水素系分子、水素系原子、活性水
素イオン等の水素系活性種を前記超微粒子に対し吹き付
け等で作用させているので、高温の加熱触媒体の輻射熱
による加熱も加わって、超微粒子表面の有機物や酸化被
膜を除去し、多結晶性半導体薄膜の結晶成長のシードと
して有効に作用させることができる。
【0017】(2)絶縁性基板の任意の指定場所に高性
能、高品質のTFTを形成でき、その集積回路基板を自
由に形成できる。そして、必要に応じて、絶縁性基板上
のTFT形成領域の適当な寸法及び形状の段差を有する
凹部内に大粒径多結晶性シリコン膜が埋め込まれた面を
研磨して、平坦な大粒径多結晶性シリコン膜面の基板が
得られるので、高性能、高品質の多結晶性シリコン半導
体装置、電気光学装置等の製造が可能となる。
【0018】(3)このバイアス触媒AHA処理は、減
圧下(例えば10〜50Paの水素系キャリアガス圧)
で、水素を高温の触媒体(融点未満の800〜2000
℃、例えばタングステンでは1500〜2000℃)に
接触させて、大量の高温の水素系活性種(水素系分子、
水素系原子、活性化水素イオン等)を生成し、これを基
板上に形成したシリコン及び/又はカーボン超微粒子に
吹き付けると(但し、基板温度は特に300〜400
℃)、大量の高温の水素系活性種(水素系分子、水素系
原子、活性化水素イオン等)が有する熱エネルギーに加
えて上記電界による加速電界又は/及び磁界での十分な
指向性運動エネルギーにより超微粒子に移動して、その
温度を局部的に上昇させ、水素系活性種の作用により超
微粒子表面の有機物や酸化被膜をエッチングしてクリー
ニング除去し、超微粒子(クラスタ)を確実に安定して
点在させることができ、これを次の多結晶性シリコン等
の結晶成長の核(シード)として有効に働かせることが
できる。
【0019】(4)こうしてバイアス触媒AHA処理さ
れて得られる超微粒子をシードとして、この上に半導体
材料薄膜がグロー放電開始電圧以下の電界又は/及び磁
界の作用下でのバイアス触媒CVD又は高密度バイアス
触媒CVD(高密度プラズマCVDとバイアス触媒CV
Dを組み合せたもの)により多結晶化され易い状態で
(多結晶性半導体薄膜として)成長し易くなり、特に次
のバイアス触媒AHA処理及びバイアス触媒CVD等に
より、上記多結晶性半導体薄膜上に気相成長されたシリ
コン膜等はこの多結晶性半導体薄膜をシードとして結晶
化が促進されるので、目的とする高結晶化率、高品質の
多結晶性半導体薄膜を得ることができる。即ち、バイア
ス触媒AHA処理により、超微粒子上に気相成長するシ
リコン膜は下地の超微粒子を結晶成長のシード(核)に
してより多結晶性シリコン膜化し易く、大量の高温の水
素系活性種などが有する熱エネルギーが加速電界又は/
及び磁界による十分な指向性運動エネルギーによりその
膜等に移動して、その膜等の温度を局部的に上昇させ、
アモルファスシリコン薄膜や微結晶シリコン薄膜は多結
晶化し、多結晶性シリコン薄膜は高結晶化して、高結晶
化率、大粒径の多結晶性シリコン薄膜を形成することが
できる。そして、例えばバイアス触媒CVDで成膜され
たシリコン薄膜にアモルファス構造のシリコンが存在し
ていると、これがバイアス触媒AHA処理で、エッチン
グ除去されて、その上にシリコンが多結晶化されて成長
し易くなり、更には、同様のバイアス触媒AHA処理と
バイアス触媒CVDとを繰り返すと、より多結晶化され
た高結晶化率で大粒径の多結晶性シリコン薄膜を形成す
ることができる。この結果、トップゲート型のみなら
ず、ボトムゲート型、デュアルゲート型MOSTFTで
も、高いキャリア(電子/正孔)移動度の高結晶化率で
大粒径の多結晶性シリコン薄膜等が得られるために、こ
の高性能の多結晶性シリコン等の半導体薄膜を使用した
高速、高電流密度の半導体装置、電気光学装置、更には
高効率の太陽電池等の製造が可能となる。
【0020】(5)従来のRF/VHFプラズマCVD
に比べ、バイアス触媒CVDは高いエネルギーで原料ガ
スを効率良く熱分解及び触媒反応を作用させるので、原
料ガスの利用効率が高く、成膜速度が大きいので、生産
性が高く、コストダウンが図れる。
【0021】(6)バイアス触媒CVD及びバイアス触
媒AHA処理等は、プラズマの発生なしに行えるので、
プラズマによるダメージがなく、またプラズマAHA処
理に比べ、シンプルで安価な装置を実現できる。
【0022】(7)バイアス触媒AHA処理は基体温度
を低温化しても上記水素系活性種のエネルギーが大きい
ために、目的とするシリコン及び/又はダイヤモンド構
造のカーボンの超微粒子が確実に安定して得られること
から、基体温度を特に300〜400℃と低温化して
も、多結晶性半導体薄膜が超微粒子をシードに効率良く
成長し、従って大型で安価な低歪点の絶縁基板(ガラス
基板、耐熱性樹脂基板等)を使用でき、この点でもコス
トダウンが可能となる。
【0023】なお、本発明において、上記のバイアス触
媒AHA処理で形成されるシリコン及び/又はカーボン
の超微粒子は、粒径1nm以上(好ましくは10〜10
0nm)で1個/μm2以上(好ましくは1〜100個
/μm2)の面積比率で点在していることが望ましい。
また、上記の多結晶性半導体薄膜は、アモルファス成分
が除去された或いは微量存在してよい大粒径(グレイン
サイズでは通常、数100nm以上)の多結晶をベース
としたものであり、微結晶も含有する構造からなる。な
お、この多結晶性半導体薄膜となる上記の半導体材料薄
膜は、多結晶以外にも、低級結晶性半導体薄膜であっ
て、アモルファス成分を含有する微結晶をベースとした
構造を例えば微結晶シリコン薄膜、微結晶カーボン薄膜
と称し、又は微結晶を含有するアモルファス(非晶質)
をベースとした構造を例えばアモルファスシリコン薄
膜、アモルファスカーボン薄膜と称する。これは、上記
のカーボン微粒子がバイアス触媒AHA処理での水素系
活性種等の作用によりダイヤモンド構造のカーボンにな
り、これが結晶成長のシードとなって多結晶性シリコン
薄膜が形成されることになる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の方法においては、ガラス
基板等の基板上に、適当な寸法及び段差を有する凹部を
形成するには、汎用フォトリソグラフィ及びエッチング
技術を採用するのがよく、これによって段差(深さ)5
0〜500nm、縦10μm×横30μmの凹部を形成
するのがよい。この場合、RIE(Reactive Ion Etchi
ng)、CF4ガスのプラズマエッチング、フッ酸系エッ
チング液でのウエットエッチングを行なってもよい。
【0025】そして、この凹部内に、シリコンパウダー
又はカーボンパウダー又はこれらが混在した微粒子を付
着分散させるには、シリコンパウダー又はカーボンパウ
ダー又はシリコンパウダー及びカーボンパウダーを含む
ペーストでの研磨により、凹部内にシリコンパウダー又
はカーボンパウダー又はシリコンパウダー及びカーボン
パウダーの微粒子を付着分散させてもよい。また、シリ
コンパウダー又はカーボンパウダー又はこれらが混在し
たパウダーを有機溶媒(アセトン、エチルアルコール、
エチルアルコール/アセトン等)中に分散し、超音波洗
浄機のパワー及び時間管理で凹部内にシリコンパウダー
又はカーボンパウダー又はこれらが混在した微粒子を付
着分散させてもよい。これらのパウダー粒径は、10n
m〜10μm、例えば50〜200nm、特に10〜5
0nmが望ましい。尚、研磨しない場合は、凹部段差の
寸法よりも小さい粒径が望ましい。
【0026】バイアス触媒AHA処理により、上記の凹
部内に付着したシリコンパウダー及び/又はカーボンパ
ウダーの表面をクリーニングして、酸化膜、有機汚れ等
の異質膜を除去すると同時に、アモルファス構造のシリ
コン及びカーボンを選択的にエッチングしてシリコン微
粒子及びダイヤモンド構造のカーボン微粒子を形成し、
多結晶成長のシードとする。このバイアス触媒AHA処
理は、次のバイアス触媒CVD、又は高密度バイアス触
媒CVD法等での多結晶性半導体薄膜の成膜前に、連続
作業の一貫として実施してもよい。
【0027】この多結晶性半導体薄膜は、気相成長法
(バイアス又は非バイアス触媒CVD法、高密度バイア
スCVD法等:以下、同様)によって形成するのがよ
い。この場合、望ましくは融点未満の温度(800〜2
000℃、例えば1600〜1800℃)に加熱された
前記触媒体に、原料ガス及び水素又は水素含有ガスの少
なくとも一部を接触させて触媒的に分解させ、これによ
って生成したラジカル、イオン等の反応種をグロー放電
開始電圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で加熱され
た前記基体上に堆積させて前記薄膜をバイアス触媒CV
Dにより気相成長させるのがよい。この際、基板に設け
た凹部内のシリコンパウダー又はカーボンパウダー(特
に、ダイヤモンド構造のカーボン微粒子:以下、同様)
又はシリコンパウダー及びカーボンパウダー混在の微粒
子を結晶成長の核(シード)として、例えば錫を1018
〜1020atoms/cc含有の大粒径の多結晶性シリ
コン薄膜を成膜することができる。そして、必要に応じ
てこの半導体材料薄膜を研磨してこの薄膜面を含む表面
を平坦化するのがよく、また基板のTFT領域の凹部内
に多結晶性シリコン薄膜を埋め込むことができる。
【0028】また、この気相成長後に、連続して前記原
料ガスの供給を停止し、望ましくは、融点未満の温度に
加熱された触媒体(これは前記触媒体と同一物であるの
がよいが、別のものであってもよい。)に前記水素又は
水素含有ガスの少なくとも一部を接触させ、これによっ
て生成した高温の水素系分子、水素系原子、活性化水素
イオン等の水素系活性種をグロー放電開始電圧以下の電
界又は/及び磁界の作用下で前記半導体材料薄膜に作用
させてバイアス触媒AHA処理によるアニールを行うの
がよい。
【0029】この場合、前記気相成長時の水素又は水素
含有ガス供給量よりも前記アニール時の水素又は水素含
有ガス供給量を多くする。例えば、気相成長時に用いる
水素系キャリアガスは水素又は水素と不活性ガス(熱伝
導性が良好であって反応性向上に寄与するアルゴン、ヘ
リウム、キセノン、クリプトン、ラドン等)との混合ガ
スであり、混合ガスの場合は水素含有比率は50モル%
以上とすることによって触媒体の酸化劣化を防止でき
る。また、バイアス触媒AHA処理時に用いる水素又は
水素含有ガスは、気相成長時の水素系キャリアガスと同
様であってよいが、例えばガス流量300〜1000S
CCM(Standard cc per minute)、ガス圧10〜50
Paと大きくし(バイアス又は非バイアス触媒CVDの
ときのガス圧は0.1〜数Pa)、ガスによる熱伝導の
増大と水素系活性種の発生量の増大を図るのがよい。
【0030】また、前記半導体材料薄膜の気相成長後
に、連続して水素又は水素含有ガスを加熱された触媒体
に接触させ、これによって生成した高温の水素系分子、
水素系原子、活性化水素イオン等の水素系活性種をグロ
ー放電開始電圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で前
記半導体材料薄膜に作用させてアニールを行い、必要あ
れば、前記半導体材料薄膜と同様の半導体材料薄膜の気
相成長と前記アニールとを繰り返すのが望ましい。この
ためには、前記原料ガス供給手段と前記水素又は水素含
有ガス供給手段とを制御する制御手段を有するのがよ
い。
【0031】即ち、バイアス触媒AHA処理されて得ら
れる多結晶性半導体薄膜上に更に半導体材料薄膜を気相
成長させる工程とアニール工程とを目的とする膜厚とな
るまで繰り返す、いわば2ステップ又はそれ以上のマル
チ触媒バイアスAHA処理により、この半導体材料薄膜
は既にバイアス触媒AHA処理で多結晶化された下地膜
上に、これをシードとして多結晶化され易い状態で成長
し易くなり、目的とする高結晶化率、高品質の多結晶性
半導体膜を所定の膜厚で得ることができる。即ち、バイ
アス触媒CVDとバイアス触媒AHA処理を繰り返すマ
ルチバイアス触媒AHA処理により、例えばバイアス触
媒CVDでシリコン又はダイヤモンド構造のカーボン超
微粒子上に成膜された多結晶性シリコンをバイアス触媒
AHA処理でシード化し、この上にバイアス触媒CVD
で半導体材料薄膜を気相成長させ、更にバイアス触媒A
HA処理することにより、高結晶化率、大粒径の多結晶
性シリコン膜等を形成することができる。
【0032】具体的には、シリコン膜においては、大量
の高温の水素系活性種などが有する熱エネルギーが上記
電界による加速電界又は/及び磁界での十分な指向性エ
ネルギーで移動して、その膜の温度を局部的に上昇さ
せ、水素系活性種の還元作用によりアモルファス成分を
エッチングして微結晶シリコン薄膜等は多結晶化し、多
結晶性シリコン薄膜は高結晶化して大粒径の多結晶性シ
リコン薄膜が形成され易くなると共に、この上に気相成
長させる多結晶性シリコン薄膜はより高結晶化、大粒径
化され、キャリア移動度の向上が図れる。
【0033】しかも、多結晶性シリコン薄膜上又は膜内
又は粒界にシリコン酸化物が存在したとき、水素系活性
種がこれと反応してSiOを生成して蒸発除去させるの
で、多結晶性シリコン薄膜上又は膜内のシリコン酸化物
を減少/除去させることができ、キャリア移動度の向上
を図ることができる。
【0034】また、このバイアス触媒CVDや高密度バ
イアス触媒CVD、更にはその後のバイアス触媒AHA
処理の場合、電界又は/及び磁界のバイアス条件、触媒
体の種類及び温度、基板加熱温度、気相成膜条件、原料
ガスの種類、添加するn又はp型不純物濃度等により、
広範囲のn又はp型不純物濃度の多結晶性シリコン薄膜
が容易に得られ、かつ、バイアス触媒AHA処理により
大きな粒径の多結晶性シリコン薄膜を形成できるので、
高キャリア移動度でVth(しきい値)調整が容易であ
り、低抵抗での高速動作が可能となる。
【0035】このCVDを上記電界又は/及び磁界の作
用下でのバイアス触媒CVDで行うと(更には、バイア
ス触媒AHA処理とバイアス触媒CVDとを繰り返す
と)、触媒体により原料ガスが分解されて生成する反応
種(堆積種又はその前駆体及びラジカルイオン)に触媒
体の触媒作用とその熱エネルギーに加えて上記電圧によ
る加速電界又は/及び磁界を与えるため、指向性運動エ
ネルギーが大きくなって基体上に効率良く導けると共
に、基体上での泳動及び生成過程の膜中での拡散が十分
となり、生成膜の基体との密着性向上、生成膜密度の向
上、生成膜均一性又は平滑性の向上、ビアホールなどへ
の埋め込み性とステップカバレージの向上、基体温度の
更なる低温化、生成膜のストレスコントロール等が可能
となる。その他、バイアス触媒AHA処理による上記し
た効果(6)、(7)を併せて得ることができる。従っ
て、従来の触媒CVD法に比べて、触媒体で生成された
反応種の運動エネルギーを電界又は/及び磁界で独立し
てコントロールできるため、上記した効果を向上させる
ことができ、かつ反応ガスの利用効率が高く、生成速度
を早め、コストダウンを図れる。
【0036】前記バイアス触媒CVDによる上記の気相
成長は、具体的には、前記触媒体を800〜2000℃
の範囲であってその融点未満の温度に加熱し(例えば触
媒体に通電してそれ自体の抵抗加熱によって加熱し)、
この加熱された触媒体により前記原料ガス及び/又は前
記水素系キャリアガス(水素又は水素含有ガス等)の少
なくとも一部を触媒反応又は熱分解反応させて生成した
前記反応種を、グロー放電開始電圧以下の電界又は/及
び磁界の作用下で基体の歪点以下の温度、例えば200
〜800℃、特に300〜400℃に加熱した基板上に
薄膜を堆積させることができる。このような触媒体温度
や下記の触媒体材質はバイアス触媒AHA処理時も同様
である。
【0037】ここで、触媒体の加熱温度が800℃未満
であると、原料ガスの触媒反応又は熱分解反応が不十分
となって堆積速度が低下し易く、また2000℃を超え
ると触媒体の構成材料が堆積膜中に混入して膜の電気的
特性を阻害し、膜質低下を生じ、また、触媒体の融点以
上の加熱は、その形態安定性が失われるので、回避する
のがよい。触媒体の加熱温度は、その構成材料の融点未
満であって1100℃〜1800℃であるのが好まし
い。
【0038】触媒体は、タングステン、トリア含有タン
グステン、モリブデン、白金、パラジウム、バナジウ
ム、シリコン、アルミナ、金属を付着したセラミック
ス、及び炭化ケイ素からなる群より選ばれた少なくとも
1種の材料によって形成することができる。
【0039】そして、この触媒体及びこれを支持する支
持体の純度を99.99wt%(4N)以上、好ましく
は99.999wt%(5N)又はそれ以上とすること
によって、形成される多結晶性半導体薄膜の重金属汚染
を低減することができる。
【0040】また、基板温度は、基板の歪点以下の温
度、例えば200〜800℃が好ましく、より好ましく
は300〜400℃とすれば、効率的で高品質の成膜を
行なえる。基板温度が高いと、安価なほうけい酸ガラ
ス、アルミノけい酸ガラスが使用できなくなり、また熱
の影響によって不純物のドーピング濃度分布が変化し易
くなる。
【0041】前記バイアス触媒AHA処理(又はバイア
ス触媒CVD)における前記電界として、グロー放電開
始電圧以下の直流電圧(即ち、パッシェンの法則により
決まるプラズマ発生電圧以下、例えば1kV以下、数1
0V以上)を印加し、前記反応種又は水素系活性種等を
前記基体の側へ指向させることが望ましい。
【0042】そして、前記電界として、グロー放電開始
電圧以下であって直流電圧(DC)に交流電圧(高周波
電圧及び/又は低周波電圧)を重畳させた電圧(即ち、
パッシェンの法則により決まるプラズマ発生電圧以下、
例えば1kV以下、数10V以上)を印加すると、直流
電圧に重畳させた交流電圧により微妙な電界変化での指
向性運動エネルギーを水素系活性種(又は反応種)に与
えることができるため、上記した作用効果に加えて、種
々の形状の膜を効果的に十二分にアニールすることがで
き、或いは複雑な形状を有する基体表面(凹凸段差や高
アスペクト比のビアホール等)にステップカバレージが
良く、均一で密着性及び密度の高い膜を形成できる。こ
れと同様の作用効果は、前記電界を形成する電圧(但
し、その絶対値はグロー放電開始電圧以下である。)と
して、交流電圧(高周波電圧及び/又は低周波電圧)を
印加するときにも得られる。なお、上記において交流電
圧とは、高周波電圧のみ、又は低周波電圧のみ、又は低
周波電圧に高周波電圧を重畳させた電圧を意味する。
【0043】上記の場合、前記交流電圧を高周波電圧
(RF/VHF)及び/又は低周波電圧(AC/LF)
としてよいが、高周波電圧の周波数を1〜100MH
z、低周波電圧の周波数を1MHz未満とするのがよ
い。
【0044】電界印加は、電極に直流の正電圧又は低周
波(又は高周波)電圧又は直流の正電圧に低周波(又は
高周波)電圧を重畳させた電圧、サセプタ(基板)に直
流の負(又はアース)電圧を印加する方法、又は、電極
にアース電位、サセプタ(基板)に直流の負電圧又は低
周波(又は高周波)電圧又は直流の負電圧に低周波(又
は高周波)電圧を重畳させた電圧を印加する方法等のい
ずれでもよい。これは、装置構造、電源の種類、バイア
ス効果等に応じて決めればよい。
【0045】そして、前記基体又は前記サセプタと前記
電界又は/及び磁界印加用の電極又は/及び磁極との間
に前記触媒体を設置することができる。この場合、前記
水素系キャリアガス及び原料ガスを導出するガス供給口
を前記電極又は/及び磁極に形成するのがよい。
【0046】また、前記基体又は前記サセプタと前記ガ
ス供給手段との間に前記触媒体と前記電界印加用の電極
又は/及び磁極とを設置してよい。この電極は又は/及
び磁極は高耐熱性材料、例えば触媒体と同じか、または
それ以上の融点をもつ材料で形成されるのが望ましい
(以下、同様)。
【0047】前記触媒体又は前記電界印加用の電極又は
/及び磁極はコイル状、ワイヤー状、メッシュ状又は多
孔板状に形成してよく、またガス流に沿って複数個又は
複数枚配設してよい。これによってガス流を効果的に形
成しつつ、触媒体とガスとの接触面積を増大させ、触媒
反応を十分に生ぜしめることができる。ガス流に沿って
複数個又は複数枚配設する場合は、互いに同じ材質又は
互いに異なる材質の触媒体又は電極又は/及び磁極とし
てもよい。又、複数個又は複数枚配設した触媒体のそれ
ぞれに同じ電界を印加しても良いし、又互いに異なる電
界、例えばDCとAC/DC、DCとRF/DC、AC
/DCとRF/DC等を印加して、それぞれを独立して
コントロールしてもよい。
【0048】上記のバイアス触媒AHA処理は、以下の
(1)〜(3)の方法で行うことができる。 (1)電界印加 グロー放電開始電圧以下の適当な電界の作用下で触媒A
HA処理、いわゆる電界バイアス触媒AHA処理を行う
と、水素ガス又は水素系ガス(水素+不活性ガス)を触
媒体の触媒反応又は接触分解反応させて発生させた水素
系活性種等が、電界と相互作用して一定の方向に向き、
指向性の運動エネルギーが付与されて基板上の微粒子又
は半導体薄膜等に作用する。
【0049】(2)磁界印加 適当な磁界の作用下で触媒AHA処理、いわゆる磁界バ
イアス触媒AHA処理を行うと、水素ガス又は水素系ガ
ス(水素+不活性ガス)を触媒体の触媒反応又は接触分
解反応させて発生させた水素系活性種等が磁界と相互作
用して一定の方向に向き、指向性の運動エネルギーが付
与されて基板上の微粒子又は半導体薄膜等に作用する。
【0050】(3)電界と磁界印加 グロー放電開始電圧以下の適当な電界と、適当な磁界と
を同時に印加して触媒AHA処理、いわゆる電界/磁界
バイアス触媒AHA処理を行うと、水素ガス又は水素系
ガス(水素+不活性ガス)を触媒体の触媒反応又は接触
分解反応させて発生させた水素系活性種等が電界と磁界
の相互作用により更に一定の方向に向き、指向性の運動
エネルギーが付与されて基板上の微粒子又は半導体薄膜
等に作用する。
【0051】以上のようなバイアス効果により、大量の
高温の水素系活性種(水素系分子、水素系原子、活性化
水素イオン)等により低級結晶性半導体薄膜中のアモル
ファス成分が効率良く選択的にエッチングされて、例え
ばアモルファスシリコン含有微結晶シリコンや微結晶シ
リコン含有アモルファスシリコンはアモルファス成分が
エッチングされて多結晶化し、アモルファスシリコン及
び微結晶シリコン含有多結晶シリコンは高結晶化して、
多結晶性シリコン膜が効率良く形成される。
【0052】また、上記のバイアス触媒CVD法は、以
下の(1)〜(3)の方法で行うことができる。 (1)電界印加 グロー放電開始電圧以下の電界の作用下で触媒CVD、
いわゆる電界バイアス触媒CVDを行うと、触媒体の触
媒反応又は接触分解反応により発生させた堆積種、例え
ばシリコン原子の電子スピンが電界と相互作用して一定
の方向に向き、この状態で基板上に堆積する多結晶性シ
リコンの結晶方位が揃うことになる。
【0053】(2)磁界印加 適当な磁界の作用下で触媒CVD、いわゆる磁界バイア
ス触媒CVDを行うと、触媒体の触媒反応又は接触分解
反応により発生させた堆積種、例えばシリコン原子の電
子スピンが磁界と相互作用して一定の方向に向き、この
状態で基板上に堆積する多結晶性シリコンの結晶方位が
揃うことになる。
【0054】(3)電界と磁界印加 グロー放電開始電圧以下の適当な電界と、適当な磁界と
を同時に印加して触媒CVD、いわゆる電界/磁界バイ
アス触媒CVDを行うと、触媒体の触媒反応又は接触分
解反応により発生させた堆積種、例えばシリコン原子の
電子スピンが電界と磁界の相互作用により更に一定の方
向に向き、この状態で基板上に堆積する多結晶性シリコ
ンの結晶方位が揃うことになる。
【0055】以上のようなバイアス効果により、 (1)結晶化された膜の結晶方位がほぼ揃うために、粒
界の持つ電子ポテンシャルバリアが低くなり、キャリア
移動度が大きくなる。 (2)結晶粒が揃うことにより、多結晶性シリコン薄膜
の表面の凹凸がなくなって薄膜表面が平坦化されるの
で、これに接して形成されるゲート絶縁膜等との間の界
面状態が良好となり、キャリア移動度が改善され、耐圧
が向上してTFT特性が改善される。という効果が得ら
れる。
【0056】通常の熱CVD法で多結晶性シリコン膜を
形成する場合には、基板温度を約600〜900℃とす
る必要があるが、本発明に基づく成膜では、プラズマや
光励起を必要とせずに、上記のような低温での熱CVD
が可能となることが極めて有利である。本発明に基づく
バイアス触媒CVD時の基板温度が上記したように低い
ため、基板、例えばガラス基板として、歪点が470〜
670℃と低いほうけい酸ガラスやアルミノけい酸ガラ
ス等のガラスや耐熱性樹脂基板等を用いることができ
る。これは、安価で、薄板化が容易であり、大型化(1
m×1m以上)が可能であり、また長尺ロール化された
ガラス板を作製できる。例えば、長尺ロール化ガラス板
上に、上記手法を用いて、薄膜を連続して又は非連続に
作製することができる。
【0057】本発明によるバイアス又は非バイアス触媒
CVDによる気相成長での低級結晶性半導体薄膜の形成
に使用する原料ガスは、水素化ケイ素又はその誘導体、
水素化ケイ素又はその誘導体と水素、ゲルマニウム、炭
素又はスズを含有するガスとの混合物、水素化ケイ素又
はその誘導体と周期表第III族又は第V族元素からなる
不純物を含有するガスとの混合物、水素化ケイ素又はそ
の誘導体と水素、ゲルマニウム、炭素又はスズを含有す
るガスと周期表第III族又は第V族元素からなる不純物
を含有するガスとの混合物等が挙げられる。
【0058】上記の如き原料ガスを使用することによっ
て、多結晶性半導体薄膜として、多結晶性シリコン膜、
多結晶性ゲルマニウム膜、多結晶性シリコン−ゲルマニ
ウム膜又は多結晶性炭化ケイ素膜を形成することができ
る。
【0059】そして、半導体材料薄膜の成長時又は成長
後に、錫、ゲルマニウム、鉛等のIV族元素の少なくとも
1種を合計が適量(1015atoms/cc以上、例え
ば1018〜1020atoms/cc)含有させる(更に
この状態で触媒AHA処理による前記アニール工程を行
う)と、多結晶性半導体薄膜の結晶粒界に存在する不整
を低減し、その膜ストレスを低減して高キャリア移動
度、高品質の多結晶性半導体が得られ易くなる。これら
のIV族元素は、シリコン膜中で電子又は正孔を発生させ
ないのでTFT特性を損わず、ゲッタリングする必要が
ない。また、結晶核成長の促進による大粒径多結晶性シ
リコン膜化のために、例えば30keV、1015ato
ms/cm2(原料はSiF4)でシリコンイオンを低級
結晶性シリコン膜に注入した後に、バイアス触媒AHA
処理してもよい。このIV族元素は、原料ガス中にガス成
分として混合したり、或いはイオン注入又はイオンドー
ピングにより、半導体材料薄膜中に含有させることがで
きる。また、本発明により形成した多結晶性半導体膜中
の酸素、窒素、炭素濃度はそれぞれ1×1019atom
s/cc以下、好ましくは5×1018atoms/cc
以下がよく、水素濃度は0.01原子%以上が好まし
い。又、ナトリウム(Na)濃度はSIMS最低濃度領
域で1×1018atoms/cc以下が好ましい。
【0060】なお、前記触媒CVD(又はバイアス触媒
CVD)する前に、前記触媒体を水素系ガス雰囲気中で
加熱(空焼き)処理することが望ましい。これは、触媒
体の熱処理が不十分な場合に、触媒体の構成材料が放出
され、これが成膜された膜中に混入することがあるが、
触媒体を水素系ガス雰囲気中で成膜前の空焼き加熱する
ことによってそのような混入を解消することができる。
従って、成膜室内を水素系ガスで充たした状態で触媒体
を成膜時よりも高い温度(例えばタングステンでは22
00〜2500℃)で所定時間の空焼きを行った後に、
通常の成膜時の温度(例えばタングステンでは1700
℃)に戻すように加熱し、次いで水素系ガスをキャリア
ガスとして原料ガス(いわゆる反応ガス)を供給するこ
とがよい。尚、触媒体の純度、材料によっては、この空
焼き処理は最初のみ実施し、必ずしも成膜毎に実施する
必要はない。
【0061】前記バイアス触媒AHA処理は、高温の水
素系活性種により前記多結晶性半導体薄膜中の特にアモ
ルファス成分を選択的にエッチングする作用があり、高
結晶化率、大粒径(特にグレインサイズが数100nm
以上)の多結晶をベースとする薄膜を形成し得、かつ膜
中のキャリア不純物を活性化する処理であるが、その
際、触媒体温度は1600〜1800℃、基板−触媒体
間の距離は20〜50mmとし、バイアス又は非バイア
ス触媒CVDよりも水素系キャリアガス流量を多く(ガ
ス圧を高く)して水素系活性種等の増大化等を図ること
により、処理時間を短縮する等、処理効果向上のため、
任意に変更してもよい。
【0062】本発明の処理で得られた前記多結晶性半導
体薄膜によって、MOSTFTのチャンネル、ソース及
びドレイン領域、又は配線、抵抗、容量又は電子放出体
等を形成することができる。この場合、前記チャンネ
ル、ソース及びドレイン領域の形成後に、これらの領域
に対し、必要あればバイアス触媒AHA処理を施すと、
上記のn型又はp型不純物のイオン活性化を行える。
【0063】また、多結晶性シリコン等の前記多結晶性
半導体薄膜中への外部からの酸素侵入を低減するため
に、例えば多結晶性シリコン薄膜等内においてゲート絶
縁膜側から外部に向って結晶粒径を小さくして高密度化
するか、或いはアモルファスシリコン薄膜又は微結晶シ
リコン含有アモルファスシリコン薄膜等で前記多結晶性
シリコン薄膜を被覆するのがよい。この場合、汎用フォ
トリソグラフィ及びエッチング技術により、微結晶シリ
コン又はアモルファスシリコン薄膜を除去し、前記多結
晶性シリコン薄膜とコンタクトしたソース、ドレイン電
極を形成することができる。
【0064】本発明は、シリコン半導体装置、シリコン
半導体集積回路装置、シリコン−ゲルマニウム半導体装
置、シリコン−ゲルマニウム半導体集積回路装置、化合
物半導体装置、化合物半導体集積回路装置、炭化ケイ素
半導体装置、炭化ケイ素半導体集積回路装置、液晶表示
装置、有機又は無機エレクトロルミネセンス(EL)表
示装置、フィールドエミッションディスプレイ(FE
D)装置、発光ポリマー表示装置、発光ダイオード表示
装置、CCDエリア/リニアセンサ装置、MOSセンサ
装置、太陽電池装置用の薄膜を形成するのに好適であ
る。
【0065】この場合、内部回路及び周辺回路を有する
半導体装置、固体撮像装置、電気光学装置等の製造に際
し、これらの少なくとも一部を構成するMOSTFTの
チャンネル、ソース及びドレイン領域を前記多結晶性半
導体薄膜によって形成してよく、また駆動回路、映像信
号処理回路及びメモリー回路等の周辺回路一体型の構成
とすることもできる。
【0066】また、各色用の有機又は無機エレクトロル
ミネセンス層(EL層)の下層にそれぞれ、前記MOS
TFTのドレイン又はソースと接続された陰極又は陽極
を有するEL素子構造とするのがよい。
【0067】この場合、前記MOSTFT及びダイオー
ド等の能動素子上も前記陰極が覆うようにすれば、陽極
が上部にある構造では発光面積が増大すると共に、陰極
の遮光作用で発光光が前記能動素子に入射してリーク電
流を発生させることを防止できる。また、前記各色用の
有機又は無機EL層の各層上及び各層間の全面に前記陰
極又は陽極が被着されるようにすれば、全面が陰極又は
陽極で覆われることにより、湿気に弱い有機EL層の劣
化や電極の酸化を防止して、長寿命、高品質、高信頼性
が可能となり、また陰極で覆われると放熱効果が高まる
ので、発熱による薄膜の構造変化(融解あるいは再結晶
化)が低減し、長寿命、高品質、高信頼性が可能とな
り、更にこれにより、高精度、高品質のフルカラーの有
機EL層を生産性良く形成できるので、コストダウンが
可能となる。
【0068】また、前記各色用の前記有機又は無機EL
層間にクロム、二酸化クロム等のブラックマスク層を形
成すると、各色間又は画素間での光漏れを防ぎ、コント
ラストが向上する。
【0069】本発明をフィールドエミッションディスプ
レイ(FED)装置に適用するときは、そのエミッタ
(電界放出カソード)を、前記多結晶性半導体薄膜を介
して前記MOSTFTのドレインに接続すると共に前記
多結晶性半導体薄膜上に成長されたn型多結晶性半導体
膜又は多結晶性ダイヤモンド膜又は窒素含有又は非含有
の炭素薄膜又は窒素含有又は非含有の炭素薄膜表面に形
成した多数の微細突起構造(例えばカーボンナノチュー
ブ)などによって形成するのがよい。
【0070】この場合、前記MOSTFT、ダイオード
等の能動素子上にアース電位の金属遮蔽膜(これは、前
記FED装置のゲート引き出し電極と同一材料で同一工
程により形成すると、工程簡略化等の点で有利であ
る。)を形成すると、気密容器内にあるガスがエミッタ
から放出された電子により正イオン化されて絶縁層上に
チャージアップし、この正電荷が絶縁層下にある能動素
子に不要な反転層を形成したり、この反転層を介して余
分な電流が流れるために生じるエミッタ電流の暴走を防
止することができる。また、エミッタから放出された電
子の衝突により蛍光体が発光する際、この光によりTF
Tのゲートチャンネル内に電子、正孔が発生してリーク
電流が生じることも防止できる。
【0071】次に、本発明を好ましい実施の形態につい
て更に詳細に説明する。
【0072】第1の実施の形態 図1〜図12について、本発明の第1の実施の形態を説
明する。
【0073】本実施の形態は、本発明をトップゲート型
の多結晶性シリコンCMOS(Complementary MOS)T
FTに適用したものである。
【0074】<バイアス触媒CVD法及びバイアス触媒
AHA処理とその装置>まず、本実施の形態に用いるバ
イアス触媒CVD法及びバイアス触媒AHA処理につい
て説明する。バイアス触媒CVD法においては水素系キ
ャリアガスとシランガス等の原料ガスとからなる反応ガ
スを加熱されたタングステン等の触媒体に接触させ、こ
れによって生成したラジカルな堆積種又はその前駆体及
び活性化水素イオン等の水素系活性種にグロー放電開始
電圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で高い指向性の
エネルギーを与え、基板上に多結晶性シリコン等の多結
晶性半導体薄膜を気相成長させる。そして、この成膜後
に原料ガスの供給を停止し、或いは水素系キャリアガス
のみを供給することによって、多結晶性半導体薄膜、又
は基板上のシリコン超微粒子等のバイアス触媒AHA処
理を行い(つまり、高温の水素系分子、水素系原子、活
性化水素イオン等の水素系活性種によりグロー放電開始
電圧以下の電界又は/及び磁界の作用下でアモルファス
成分のシリコン等を選択的に還元エッチングし、或いは
シリコン超微粒子等の表面の酸化膜、有機汚れ等の異質
膜を除去し、更にダイヤモンド構造のカーボン超微粒子
を形成する。これらのシリコン超微粒子等をシード
(核)にして大粒径の多結晶性シリコン薄膜を形成さ
せ、或いはシリコン超微粒子等の表面の酸化膜、有機汚
れ等の異質膜を除去し、更にダイヤモンド構造のカーボ
ン超微粒子を形成する。これらのバイアス触媒AHA処
理とバイアス触媒CVDとを繰り返して、より大粒径で
所定膜厚の多結晶性シリコン薄膜等の多結晶性半導体薄
膜を得る。
【0075】このバイアス触媒AHA処理、バイアス触
媒CVDにおいては、基板と対向電極との間にグロー放
電開始電圧以下の直流電圧(パッシェンの法則で決まる
直流電圧、例えば、1kV以下の電圧)を印加し、前記
水素系活性種、又は前記ラジカルな堆積種又はその前駆
体及びラジカル水素イオンを基板の側へ指向させる。以
下、本実施の形態によるAHA処理、CVD法をDCバ
イアス触媒AHA処理、DCバイアス触媒CVD法と称
するが、例えば交流バイアス(RF)又は交流と直流の
重畳バイアス(RF/DC)による場合も同様である。
【0076】このバイアス触媒CVD及びバイアス触媒
AHA処理は、図5〜図7に示す如き真空装置を用いて
実施される。
【0077】この装置によれば、水素系キャリアガスと
水素化ケイ素(例えばモノシラン、ジシラン、トリシラ
ン)等の原料ガス40(及び必要に応じてB26やPH
3などのドーピングガスも含む。)からなるガスは、供
給導管41からシャワーヘッド42の供給口(図示せ
ず)を通して成膜又はアニール用の室44へ導入され
る。成膜室44の内部には、ガラス等の基板1を支持す
るためのサセプタ45と、耐熱性の良い(望ましくは触
媒体46と同じか或いはそれ以上の融点を有する材質
の)シャワーヘッド42と、例えばコイル状のタングス
テン等の触媒体46と、更には開閉可能なシャッター4
7とがそれぞれ配されている。なお、図示はしないが、
サセプタ45と成膜室44との間には磁気シール52が
施され、また、成膜室44は前工程を行なう前室53に
後続され、ターボ分子ポンプ等でバルブ55を介して排
気される。
【0078】そして、基板1はサセプタ45内のヒータ
ー線等の加熱手段で加熱され、また触媒体46は例えば
抵抗線として融点以下(特に800〜2000℃、タン
グステンの場合は約1600〜1800℃)に加熱され
て活性化される。触媒体46の両端子は直流又は交流の
触媒体電源48に接続され、この電源からの通電により
所定温度に加熱される。
【0079】そして、基板1はサセプタ45内のヒータ
ー線51等の加熱手段で加熱され、また触媒体46は例
えば抵抗線として融点以下(特に800〜2000℃、
タングステンの場合は約1600〜1800℃)に加熱
されて活性化される。触媒体46の両端子は直流又は交
流の触媒体電源48に接続され、この電源からの通電に
より所定温度に加熱される。また、シャワーヘッド42
は加速電極として、導管41を介して可変の直流電源
(1kV以下、例えば500V)49の正極側に接続さ
れ、負極側のサセプタ45(従って、基板1)との間に
1kV以下の直流バイアス電圧が印加されるようになっ
ている。
【0080】バイアス触媒CVD法を実施するには、図
5の状態で、成膜室44内の真空度を1.33×10-4
〜1.33×10-6Paとし、例えば水素系キャリアガ
ス50〜100SCCMを供給して、触媒体を所定温度
に加熱して活性化した後に、水素化ケイ素(例えばモノ
シラン)ガス1〜20SCCM(及び必要に応じてB 2
6や、PH3等のドーピングガスも適量含む。)からな
る原料ガス40を供給導管41からシャワーヘッド42
の供給口43を通して導入して、ガス圧を0.133〜
13.3Pa、例えば1.33Paとする。ここで、水
素系キャリアガスは、水素、水素+アルゴン、水素+ヘ
リウム、水素+ネオン、水素+キセノン、水素+クリプ
トン等の、水素に不活性ガスを適量混合させたガスであ
れば、いずれでもよい(以下、同様)。尚、原料ガスの
種類又は触媒体の材質によっては、必ずしも水素系キャ
リアガスは必要ではない。
【0081】そして、図6のようにシャッター47を開
ける。水素系キャリアガス及び原料ガス40又は水素系
キャリアガスの少なくとも一部は触媒体46と接触して
触媒的に分解し、触媒分解反応または熱分解反応によっ
て、高エネルギーをもつシリコン等のイオン、ラジカル
等の反応種の集団(即ち、堆積種又はその前駆体及びラ
ジカル水素イオン)を形成し、又は高温の水素系分子、
水素系原子、活性化水素イオン等の水素系活性種を形成
し、こうして生成したイオン、ラジカル等の反応種50
にグロー放電開始電圧(約1kV)以下、例えば500
Vの直流電源49による直流電界を作用させて指向性運
動エネルギーを与え、基板1の側へ指向させて、基板の
歪点以下の温度、例えば300〜400℃に保持された
基板1上に低級結晶性シリコン等の所定の薄膜をDCバ
イアス触媒CVDで気相成長させる。或いは、上記水素
系活性種に指向性運動エネルギーを与え、基板の歪点以
下の温度、例えば300〜400℃に保持された基板1
上の上記薄膜に作用させてDCバイアス触媒AHA処理
を行う。
【0082】こうして、プラズマを発生することなく、
反応種又は水素系活性種に対し、触媒体46の触媒作用
とその熱エネルギーに直流電界による加速エネルギーを
与えた指向性の運動エネルギーを与えるので、原料ガス
を効率良く反応種に変えて、基板1上に均一に熱CVD
で堆積することができる。この堆積種56は基板1上で
泳動し、薄膜中で拡散するので、緻密でステップカバレ
ージの良い平坦かつ均一な薄膜を形成できる。或いは、
水素系キャリアガスから生成した水素系活性種等を熱C
VD膜に対し高いエネルギーで効率良く作用させること
ができる。
【0083】本実施の形態においてDCバイアス触媒C
VDを適用すると、これは、従来の触媒CVDのコント
ロールファクタである基板温度、触媒体温度、ガス圧
(反応ガス流量)、原料ガス種類等に比べ、独立した任
意の直流電界で薄膜生成をコントロールすることを追加
するのが特長である。このため、生成膜の基板との密着
性をはじめ、生成膜密度、生成膜均一性又は平滑性、ビ
アホールなどへの生め込み性とステップカバレージを向
上させ、基板温度を一層低温化し、生成膜のストレスコ
ントロール等が可能となり、高品質膜(例えばバルクに
近い物性のシリコン膜や金属膜)が得られる。しかも、
触媒体46で生成された反応種を直流電界で独立してコ
ントロールし、効率良く基板上に堆積できるので、反応
ガスの利用効率が高く、生成速度を早め、生産性向上と
反応ガス削減によるコストダウンを図れる。尚、直流電
圧のみならず、交流電圧等の電界のバイアス触媒CV
D、更に磁界によるバイアス触媒CVD又は電界と磁界
によるバイアス触媒CVDにおいても、上記と同様の効
果が得られる。
【0084】また、DCバイアス触媒AHA処理におい
ても、上記と同様に独立した任意の直流電界でアニール
をコントロールすることができ、基板温度の低温化、膜
ストレスの減少等がガス利用効率の向上、処理速度の向
上、コストダウンを実現しながら可能となる。尚、直流
電圧のみならず、交流電圧等の電界のバイアス触媒AH
A処理、更に磁界によるバイアス触媒AHA処理、又は
電界と磁界によるバイアス触媒AHA処理においても、
上記と同様の効果が得られる。
【0085】また、基板温度を低温化しても堆積種のエ
ネルギーが大きいために、目的とする良質の膜が得られ
ることから、基板温度を上記のように更に低温化でき、
大型で安価な絶縁基板(ほうけい酸ガラス、アルミノけ
い酸ガラス等のガラス基板、ポリイミド等の耐熱性樹脂
基板等)を使用でき、この点でもコストダウンが可能と
なる。しかも、上記した反応種及び水素系活性種などの
指向的加速のための電極として、ガス供給用のシャワー
ヘッド42を兼用できるので、構造が簡略となる。
【0086】また、勿論のことであるが、プラズマの発
生がないので、プラズマによるダメージがなく、低スト
レスの生成膜が得られると共に、プラズマCVD法に比
べ、はるかにシンプルで安価な装置が実現する。
【0087】この場合、減圧下(例えば0.133〜
1.33Pa)又は常圧下で操作を行なえるが、減圧タ
イプよりも常圧タイプの方がよりシンプルで安価な装置
が実現する。そして、常圧タイプでも従来の常圧CVD
と比べて密度、均一性、密着性のよい高品質膜が得られ
る。この場合も、減圧タイプよりも常圧タイプの方がス
ループットが大であり、生産性が高く、コストダウンが
可能である。
【0088】減圧タイプの場合は、直流電圧はガス圧
(ガス流量)やガス種等によって左右されるが、いずれ
にしても、グロー放電開始電圧以下の任意の電圧に調整
する必要がある。常圧タイプの場合は、放電はしない
が、原料ガス及び反応種又は活性種の流れが膜厚及び膜
質に悪影響を及ぼさないように、基板上に排ガス流が接
しないように排気を調整することが望ましい。
【0089】上記のバイアス又は非バイアス触媒CVD
又はバイアス触媒AHA処理において、触媒体46によ
る副射熱のために、基板温度は上昇するが、上記のよう
に、必要に応じて基板加熱用ヒーター51を設置してよ
い。また、触媒体46はコイル状(これ以外にメッシ
ュ、ワイヤー、多孔板状もよい。)としているが、更に
ガス流方向に複数段(例えば2〜3段)として、ガスと
の接触面積を増やすのがよい。なお、このCVDにおい
て、基板1をサセプタ45の下面においてシャワーヘッ
ド42の上方に配しているので、成膜室44内で生じた
パーティクルが落下して基板1又はその上の膜に付着す
ることがない。
【0090】<バイアス触媒AHA処理とその装置>そ
して、本実施の形態においては、上記の装置をそのまま
用い、バイアス触媒CVDによる気相成長後に、原料ガ
スの供給を停止し、バイアス触媒CVD時よりも多い流
量で水素系キャリアガスのみを成膜室44内に供給し、
或いは同様の水素系キャリアガスにより、半導体材料薄
膜又は微粒子に対してバイアス触媒AHA処理を行い、
大量の高温の水素系活性種の選択的な還元作用により、
アモルファス構造のシリコンのエッチング、より多結晶
化のためのアニール、又は有機物等のクリーニングを施
し、かつ、半導体材料薄膜に対しバイアス触媒CVDと
バイアス触媒AHA処理とを所定回数繰り返して、目的
とする膜厚の多結晶性シリコン薄膜等の多結晶性半導体
薄膜を形成する。
【0091】このバイアス触媒AHA処理は、水素系キ
ャリアガスが加熱触媒体により触媒的に分解されて生成
した大量の高温の水素系活性種等に電界又は/及び磁界
の作用により指向性運動エネルギーを付与し、シリコン
又はカーボン超微粒子表面の有機物や酸化物をクリーニ
ング除去し、半導体材料薄膜をシードとして多結晶化し
易くして、高結晶化率、大粒径(特にグレインサイズが
数100nm以上)の多結晶をベースとする薄膜を形成
し得、また半導体材料薄膜に対してはそのアモルファス
成分をエッチングしてこの上に更に結晶化され易い状態
で多結晶性半導体薄膜を成膜することができ、かつ膜中
のキャリア不純物を活性化する処理である。その際、触
媒体温度1600〜1800℃、基板−触媒体間の距離
20〜50mm、基板温度300〜400℃とし、また
水素系キャリアガスは上記したと同様に水素又は水素と
不活性ガス(アルゴン、ヘリウム、キセノン、クリプト
ン、ラドン等)との混合ガスであり、混合ガスの場合は
水素含有比率は50モル%以上とすることによって触媒
体の酸化劣化を防止できる。また、バイアス触媒AHA
処理時に用いる水素又は水素含有ガスは、バイアス又は
非バイアス触媒CVDの気相成長時の水素系キャリアガ
スと同様であってよいが、ガス流量300〜1000S
CCM、ガス圧10〜50Paと大きくし(バイアス又
は非バイアス触媒CVDのときは0.1〜数Pa)、ガ
スによる熱伝導の増大と水素系活性種等の発生量の増大
を図るのがよい。
【0092】本発明に基づいて、バイアスの作用下での
半導体薄膜の結晶化処理等によれば、電界又は磁界、又
はこれらの双方を印加し、この作用下で水素系活性種に
よるアニール(バイアス触媒AHA処理)又は堆積種の
気相成長(バイアス触媒CVD)を行う為に、結晶粒の
結晶方位を揃えることができるので、粒界の持つ電子ポ
テンシャルバリアが低くなり、キャリア移動度が大きく
なる。又、多結晶性シリコン薄膜の表面凹凸もなくな
り、平坦化されるので、これに接して形成されるゲート
絶縁膜との界面状態が良好となり、キャリア移動度を向
上させることができる。以下に、上記したDCバイアス
触媒AHA処理及びDCバイアス触媒CVDも含めてま
とめると、次のようになる。
【0093】まず、図8は、上記した電界の作用下で触
媒CVD、いわゆるバイアス触媒CVDを行う場合を示
すが、基板1を収容した真空容器44の周囲に高周波電
圧(又は直流電圧、或いはこれらの双方)を印加する電
極200、201を設け、これによる電界を作用させ
る。
【0094】この時に、バイアス触媒CVDの場合、触
媒体46の触媒反応又は接触分解反応で発生させた堆積
種のシリコン原子の電子スピンが電界と相互作用して一
定の方向に向き、この状態から基板上に堆積する際に、
一定の方向性をもって結晶化し、シリコンの結晶方位が
揃うことになる。こうして結晶化された薄膜は結晶方位
がほぼ揃うため、粒界のもつ電子ポテンシャルバリアが
低くなり、キャリア移動度が大きくなる。この際、結晶
方位を一定方向に揃えることが重要であり、シリコン原
子の外殻軌道の構造に応じて、得られた多結晶性シリコ
ン薄膜7の垂直方向に結晶が揃う場合もあり或いは水平
方向に結晶方位が揃う場合もある。結晶粒が一定の方向
に揃うことにより、多結晶性シリコン薄膜の表面の凹凸
もなくなり、薄膜の表面が平坦化されることになり、こ
れに接して形成されるゲート絶縁膜等との間の界面状態
が良好となり、キャリア移動度が向上する。
【0095】図9は、電界に代えて、磁界を印加する場
合であり、基板1を収容した真空容器44の周囲に永久
磁石202及び203、又は電磁石204を設け、これ
による磁界を作用させる。
【0096】こうして、上記した電界の場合と同様に、
磁界の作用で一定の方向に結晶粒が揃い、キャリア移動
度が向上し、また表面の凹凸も減少する。
【0097】図10は、上記の電界と共に磁界も同時に
印加する例であるが、基板1を収容した真空容器44の
周囲の永久磁石202、203(これは電磁石でもよ
い。)による磁界と同時に、高周波電圧(または直流電
圧、或いはこれらの双方)49を印加する電極200、
201による電界を同時に作用させる。
【0098】この時に、シリコン原子の電子スピンが磁
場と電場の相互作用で一定の方向に向き、この状態から
基板上に堆積する際に、磁界と電界の相乗作用により更
に十分な方向性をもって結晶化することになる。従っ
て、一定の方向に結晶粒が更に揃い易くなり、キャリア
移動度が一層向上し、また表面の凹凸も一層減少する。
【0099】図8〜図10に示したバイアス方式は、バ
イアス触媒AHA処理においても同様に適用され、電界
又は/及び磁界の作用によって、微粒子やシリコン薄膜
に対して水素系活性種が効率的に十分なエネルギーで作
用し、AHA処理効果が向上し、アモルファス成分を十
二分にエッチングして多結晶性シリコン膜化を促進させ
ることができる。
【0100】図11は、上記のバイアス触媒CVDとバ
イアス触媒AHA処理における上記水素系キャリアガス
及び原料ガスの導入時間及びタイミングを多結晶性シリ
コン薄膜形成の場合について示し、また図12は、流量
計(MFC)や調整弁などを組み込んだガス導入系を示
す。
【0101】まず、成膜を行う前に、ゲートバルブを通
してチャンバ(成膜室)44内に基板1を搬入し、サセ
プタ45に載置し、次いで、排気系を作動させてチャン
バ44内を所定圧力まで排気するとともに、サセプタ4
5に内蔵されたヒーターを作動させて基板1を所定温度
まで加熱する。
【0102】そして、ガス導入系によって、まず水素系
キャリアガス300〜1000SCCM、例えば500
SCCMをチャンバ1内に導入する。導入された水素ガ
スの一部は、加熱触媒体46による接触分解反応により
活性化水素イオン等の水素系活性種となり、基板表面に
到達して、基板1の表面クリーニングを行う。その後に
水素系キャリアガスを150SCCMにする。
【0103】このように、チャンバ44内に水素系キャ
リアガスが供給されている状態で、ガス導入系を作動さ
せ、原料ガス(メタン又はモノシラン15SCCM)を
チャンバ44内に導入する。導入された原料ガス等は、
加熱触媒体46の熱触媒反応及び熱分解反応により堆積
種が生成され、多結晶性シリコン薄膜等として基板表面
に気相成長する。
【0104】その後、原料ガスの導入を停止して、チャ
ンバ44内から原料ガスを排出し、更に水素系キャリア
ガスのみを300〜1000SCCM、例えば500S
CCMの流量で導入する、これによって、加熱触媒体に
よる接触分解反応で生じた活性化水素イオン等の水素系
活性種が上記の多結晶性シリコン薄膜等に作用してその
アモルファス成分をエッチングし、アモルファス成分が
除去された多結晶性シリコン粒を形成し得、またこれを
シードとして結晶化が促進された高結晶化率、大粒径の
多結晶性シリコン薄膜を得る。
【0105】こうして得られた多結晶性シリコン薄膜を
更にバイアス触媒AHA処理し、この上に、再び上記の
バイアス触媒CVDを施し、多結晶性シリコン薄膜をシ
ードとしてその上に多結晶性シリコン薄膜を成長させ、
更にバイアス触媒AHA処理、バイアス触媒CVDを繰
り返して行うことにより、多結晶性シリコン薄膜の膜厚
をコントロールしつつ最終的には目的とする膜厚で高結
晶化率、大粒径の多結晶性シリコン薄膜を形成すること
ができる。
【0106】このように、上記のバイアス電界又は/及
び磁界で加速された十分なエネルギーの水素系活性種の
ラジカル作用により、熱エネルギーが膜に移動して局部
的に温度上昇させ、半導体薄膜は、アモルファス成分が
エッチングされて結晶化が促進され、大粒径の多結晶性
膜化し、高キャリア移動度、高品質の多結晶性半導体薄
膜を得ることができ、しかも、多結晶性シリコン薄膜上
又は膜内にシリコン酸化物が存在したときに、これと還
元反応してSiO等を生成して蒸発させるので、その薄
膜上又は膜内のシリコン酸化物を減少/除去させること
ができ、高キャリア移動度、高品質の多結晶性シリコン
薄膜等を得ることができる。
【0107】また、微結晶シリコン含有アモルファスシ
リコン又はアモルファスシリコン含有微結晶シリコン薄
膜などは、下地の超微粒子をシードとして結晶化し、多
結晶性シリコン薄膜は高結晶率化が促進され、大粒径の
多結晶性シリコン膜化する。しかも、その膜に含有され
るアモルファス構造のシリコンが水素系活性種の作用で
エッチングされるので、高結晶化率で大粒径の多結晶性
シリコン薄膜が形成される。
【0108】そして、このバイアス触媒AHA処理時
に、半導体薄膜中に存在するキャリア不純物は高温で活
性化され、各領域において最適なキャリア不純物濃度を
得ることができ、また大量の高温の水素系活性種(水素
分子、水素原子及び活性化水素イオン)などによるクリ
ーニング(基板等への吸着ガス及び有機物残渣等の還元
除去)が可能であり、触媒体も酸化劣化し難しくなり、
更に水素化により、半導体膜中の例えばシリコンダング
リングボンドをなくし、特性が向上する。
【0109】こうしたバイアス触媒AHA処理によるア
ニールと半導体薄膜のバイアス又は非バイアス触媒CV
Dによる気相成長とを目的とする膜厚となるまで繰り返
すことにより、この半導体薄膜は既にバイアス触媒AH
A処理で多結晶化された下地膜上に多結晶化され易い状
態で成長し易くなり、目的とする高結晶化率、高品質の
多結晶性半導体薄膜を所定の膜厚で得ることができる。
即ち、バイアス触媒CVDとバイアス触媒AHA処理を
繰り返すマルチバイアス触媒AHA処理により、例えば
バイアス又は非バイアス触媒CVDで成膜された微結晶
シリコン含有アモルファスシリコン又はアモルファスシ
リコン及び微結晶シリコン含有多結晶シリコン薄膜等を
バイアス触媒AHA処理で多結晶性シリコン薄膜化し、
多結晶性シリコン薄膜は高結晶率化し、更にこの多結晶
性シリコン薄膜をシードとしたバイアス触媒CVDで多
結晶性シリコン薄膜の気相成長、更にはバイアス触媒A
HA処理を繰り返すので、高結晶化率、大粒径の多結晶
性シリコン薄膜を形成することができる。
【0110】なお、上記のバイアス触媒CVD及びバイ
アス触媒AHA処理はいずれも、プラズマの発生なしに
行えるので、プラズマによるダメージがなく、低ストレ
スの生成膜が得られ、またプラズマCVD法に比べ、シ
ンプルで安価な装置を実現できる。
【0111】図13は、本実施の形態による上記のマル
チバイアス触媒AHA処理(バイアス触媒CVDとバイ
アス触媒AHA処理の繰り返し)で得られた多結晶性シ
リコン薄膜のラマンスペクトルをその繰り返し回数等に
応じて示すものである。この結果によれば、触媒CVD
によるシリコンの堆積(depo)時のガス流量をSi
4:H2=5:500SCCM、触媒温度=1800〜
2000℃、基板温度=400℃とし、バイアス触媒A
HA処理の条件を各種とし、繰り返し回数も変えたとこ
ろ、この繰り返し回数を多くし、かつ処理時間を長く
し、処理時の水素流量を増加させると、サンプル#1→
#2→#3→#4の順に、アモルファス(非晶質)シリ
コンや微結晶シリコンが減少し、多結晶シリコンが増加
すること(即ち、大粒径化、高結晶化すること)が明ら
かである。尚、ここで、AHA1は成膜前の基板表面の
シリコン及び/又はカーボン微粒子のクリーニング処理
であってよく、本来のバイアス触媒AHA処理はAHA
2〜4である。
【0112】また、図14は、各サンプルについての結
晶化率を多結晶性シリコン薄膜中の多結晶の有無につい
て比較して示すものである。これによれば、結晶化率は
サンプル#1→#2→#3→#4の順に高くなり、かつ
微結晶(Im)を含む方が高くなることが分かる。
【0113】これらの結果は、本発明に基づく処理が高
結晶化率、大粒径の多結晶性半導体薄膜の形成にとって
非常に優れた方法であることを示すものである。
【0114】なお、本実施の形態において、上記のバイ
アス触媒CVDでは、例えば0.4mmφタングステン
ワイヤーの触媒体及びこれを支持している例えば0.8
mmφモリブデンワイヤーの支持体(図示せず)の純度
が問題となるが、従来の純度:3N(99.9wt%)
を4N(99.99wt%)以上、好ましくは5N(9
9.999wt%)又はそれ以上に純度を上げることに
より、バイアス触媒CVDによる多結晶性シリコン薄膜
中の鉄、ニッケル、クロム等の重金属汚染を低減できる
ことが実証されている。図15(A)は純度3Nでの膜
中の鉄、ニッケル、クロム等の重金属濃度を示すが、こ
れを5Nに高めることによって図15(B)に示すよう
に鉄、ニッケル、クロム等の重金属濃度を大幅に減らせ
ることが判明した。これにより、TFT特性の向上が可
能となる。
【0115】<トップゲート型CMOSTFTの製造>
次に、本実施の形態によるトップゲート型CMOSTF
Tの製造例を示す。
【0116】まず、図1の(1)に示す石英ガラス、結
晶化ガラス、ほうけい酸ガラス、アルミノけい酸ガラス
などの絶縁基板1上に、バイアス又は非バイアス触媒C
VD等により、窒化シリコン膜100〜200nm厚、
酸化シリコン膜100〜200nm厚の下地保護膜を形
成し、少なくともTFT形成領域に、汎用フォトリソグ
ラフィ及びエッチング技術により深さ(段差)50〜2
00nm、縦10μm×横30μmの凹部190を形成
する。この時に、凹部の底面にはガラス基板からの不純
物(Na+など)侵入防止の為に少なくとも窒化シリコ
ン膜を残しておくのがよい。この時にCF4ガスのプラ
ズマエッチング又はRIE(Reactive Ion Etching)、
フッ酸系エッチング液でのウエットエッチングを行って
もよい。
【0117】基板1として耐熱性樹脂基板を用いる場
合、ポリイミド等の耐熱性樹脂基板の、少なくともTF
T形成領域に所定形状及び寸法の段差を有する凹部を形
成するには、例えば100μm厚のポリイミド基板に、
例えば高さ50〜200nm、縦10μm×横30μm
の所定形状及び寸法の金型をスタンピングして金型と同
じ形状及び寸法の段差を有する凹部を形成する。或い
は、補強材としてのステンレス等の金属板に、コーティ
ング、スクリーン印刷等の寸法によりポリイミド等の耐
熱性樹脂膜5〜10μm厚を形成し、この膜に例えば高
さ50〜200nm、縦10μm×横30μmの所定形
状及び寸法の金型をスタンピングして、少なくともTF
T形成領域に金型と同じ形状及び寸法の段差を有する凹
部を形成してもよい。或いは、ステンレス等の金属板の
少なくともTFT形成領域に、深さ1〜2μm、縦10
μm×横30μmの所定形状及び寸法の段差をエッチン
グで形成し、ポリイミド等の耐熱性樹脂膜をコーティン
グして所定形状及び寸法の段差を有する凹部を形成して
もよい。
【0118】なお、この場合、TFT形成のプロセス温
度によって基板1のガラス材質を使い分ける。 200〜500℃の低温の場合:ほうけい酸、アルミノ
けい酸ガラス等のガラス基板(500×600×0.5
〜1.1μm厚)、耐熱性樹脂基板を用いてもよい。 600〜1000℃の高温の場合:石英ガラス、結晶化
ガラス等の耐熱性ガラス基板(6〜12インチφ、70
0〜800μm厚)を用いてもよい。
【0119】次いで、図1の(2)に示すように、凹部
190内に、シリコンパウダー又はカーボンパウダー又
はこれらが混在した超微粒子100Aを付着分散させ
る。例えば、シリコンパウダー又はカーボンパウダー又
はシリコンパウダー及びカーボンパウダーを含むペース
トでの研磨により、凹部内にシリコンパウダー又はカー
ボンパウダー又はシリコンパウダー及びカーボンパウダ
ーの超微粒子を付着分散させてもよい。或いはシリコン
パウダー又はカーボンパウダー又はこれらが混在したパ
ウダーを有機溶媒(アセトン、エチルアルコール、エチ
ルアルコール/アセトン等)中に分散し、超音波洗浄機
のパワー及び時間管理で凹部内にシリコンパウダー又は
カーボンパウダー又はこれらが混在した超微粒子を付着
分散させてもよい。これらのパウダー100Aは、凹部
190よりも小さい大きさ、例えば50〜200nmが
望ましい。
【0120】次いで、図1の(3)に示すように、バイ
アス触媒AHA処理での水素系活性種等の作用により、
シリコンパウダー及び/又はカーボンパウダー100A
の表面をクリーニングして、酸化膜、有機汚れ等の異質
膜を除去し、クリーニングされたシリコン又はダイヤモ
ンド構造のカーボン超微粒子100Bとする。このバイ
アス触媒AHA処理は、次のバイアス触媒CVD又は高
密度バイアス触媒CVD法等での成膜前に、連続作業の
一貫として実施してもよい。
【0121】このバイアス触媒AHA処理は、バイアス
触媒CVD法において原料ガスを供給しないで処理する
方法であり、具体的には、減圧下で、水素系キャリアガ
スを供給して触媒体を所定温度(約1600〜1800
℃、例えば約1700℃設定)に加熱し、例えば300
〜1000SCCMの水素系キャリアガスを供給して1
0〜50Paのガス圧とし、大量の高温の水素系活性種
(活性化水素イオンなど)を発生させて、これらを超微
粒子100Aに吹き付ける。これにより大量の高温の水
素系活性種(活性化水素イオンなど)がバイアス電界又
は/及び磁界による指向性運動エネルギーの作用下で移
動して、温度を局部的に上昇させ、水素系活性種等の作
用により超微粒子表面の有機物等をエッチングでクリー
ニングし、更に、アモルファス成分の選択的エッチング
によりシリコン超微粒子又は(ダイヤモンド構造の)カ
ーボン超微粒子100Bを形成し、多結晶性シリコン成
長の核とする。
【0122】次いで、図1の(4)に示すように、連続
してバイアス触媒CVD法(或いはマルチバイアス触媒
AHA処理)によって、例えば周期表IV族元素、例えば
錫を1018〜1020atoms/ccドープした(これ
はCVD時又は成膜後のイオン注入によってドープして
よい。)多結晶性シリコン薄膜7を上記超微粒子100
Bをシードに50〜100nm厚、例えば50nm厚に
気相成長させる。但し、この錫のドーピングは必ずしも
必要ではない(以下、同様)。このバイアス触媒CVD
を行うとき、触媒体の酸化劣化防止のため、水素系キャ
リアガスを供給して触媒体を所定温度(約1600〜1
800℃、例えば1700℃設定)に加熱し、成膜後は
触媒体を問題ない温度まで冷却して水素系キャリアガス
をカットする必要がある。
【0123】このとき、必要に応じて、モノシランにn
型不純物(燐、ひ素、アンチモン)又はp型不純物(ボ
ロン等)を適量添加、例えば1015〜1018atoms
/cc含有させて、n型又はp型の多結晶性シリコン薄
膜を形成してもよい。また、上記超微粒子100B上
に、バイアス触媒CVDにより微結晶シリコン又は多結
晶性シリコン薄膜を10〜30nm厚に成長させた後、
バイアス触媒AHA処理し、更にその上にバイアス触媒
CVDにより多結晶性シリコン薄膜を10〜30nm厚
に成長させ、更にバイアス触媒AHA処理し、更にその
上にバイアス触媒CVDにより多結晶性シリコン薄膜を
10〜30nm厚に成長させ、更にバイアス触媒AHA
処理してもよい。この方法によって、より大きい粒径の
より厚い膜の多結晶性シリコン薄膜を形成できる。
【0124】この場合、図5〜図7に示した装置を用
い、上記のバイアス触媒CVDにより下記の条件で例え
ば錫ドープの多結晶性シリコン薄膜を気相成長させ、し
かる後に下記の条件でバイアス触媒AHA処理を行って
アニールし、多結晶性シリコン薄膜をより多結晶化し、
これらのバイアス触媒CVDとバイアス触媒AHA処理
とを繰り返して50nm厚の多結晶性シリコン薄膜7を
形成してよい。例えば、バイアス触媒CVDで10〜3
0nm厚の膜を成長させ、バイアス触媒AHA処理した
後、バイアス触媒CVDで10〜30nm厚の膜を成長
させ、更にバイアス触媒AHA処理した後に、バイアス
触媒CVDで10〜30nm厚の膜を成長させて、最終
的に目的とする膜厚の多結晶性シリコン薄膜を得る。
【0125】バイアス触媒CVDによる錫含有多結晶性
シリコンの成膜:水素(H2)をキャリアガス、原料ガ
スとしてモノシラン(SiH4)、水素化錫(SnH4
を適量比率で混合して形成。H2流量:50〜150S
CCM、SiH4流量:1〜20SCCM、SnH4
量:1〜20SCCM。これらの原料ガスの少なくとも
一部は触媒体と接触して触媒的に分解し、触媒分解反応
または熱分解反応によって、高エネルギーをもつシリコ
ン等のイオン、ラジカル等の反応種の集団(即ち、堆積
種又はその前駆体及びラジカル水素イオン)を形成し、
こうして生成したイオン、ラジカル等の反応種にグロー
放電開始電圧(約1kV)以下、例えば500Vの直流
電源による直流電界又は/及び磁界を作用させて指向性
運動エネルギーを与え、基板の側へ指向させて、基板の
歪点以下の温度、例えば300〜400℃に保持された
基板1上に低級結晶性シリコン等の所定の薄膜をDCバ
イアス触媒CVDで気相成長させる。この時、原料ガス
のシラン系ガス(シラン又はジシラン又はトリシラン
等)に、n型のリン又はひ素又はアンチモン等を適量混
入したり、又はp型のボロン等を適量混入することによ
り、任意のn又はp型不純物キャリア濃度の錫含有多結
晶性シリコン薄膜を形成してもよい。 n型化の場合:ホスフィン(PH3)、アルシン(As
3)、スチビン(SbH3) p型化の場合:ジボラン(B26
【0126】バイアス触媒AHA処理:バイアス触媒A
HA処理は、バイアス触媒CVDにおいて原料ガスを供
給しない方法であり、具体的には、減圧下で、水素系キ
ャリアガスをガス流量300〜1000SCCM、ガス
圧10〜50Paで供給して触媒体を所定温度(約16
00〜1800℃、例えば約1700℃)に加熱し、大
量の高温の水素系活性種を発生させ、これらをグロー放
電開始電圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で基板上
に形成した例えば多結晶性シリコン薄膜に吹き付ける。
これにより、大量の高温の水素系活性種が有する熱エネ
ルギーがそれらの膜に移動して、それらの膜温度を上昇
させ、アモルファスシリコンや微結晶シリコンを含有す
るときには水素系活性種の還元作用によりアモルファス
成分が選択的にエッチングされてこれらは多結晶化し、
多結晶性シリコン薄膜は高結晶化して、大粒径の錫含有
多結晶性シリコン膜化し、錫等のIV族元素の効果により
その結晶粒界に存在する不整及びストレスを低減し、高
キャリア移動度及び高品質の錫含有多結晶性シリコン薄
膜を形成することができる。
【0127】また、上記の水素系活性種は、多結晶性シ
リコン等の薄膜上又は膜内にシリコン酸化物が存在した
ときにこれと還元反応してSiO等を生成し、蒸発除去
させるので、それらの膜上又は膜内のシリコン酸化物を
減少/除去させることができ、高キャリア移動度及び高
品質の多結晶性シリコン薄膜を形成できる。このバイア
ス触媒AHA処理を後述のゲートチャンネル/ソース/
ドレイン形成後に行うと、大量の高温の水素系活性種が
有する熱エネルギーがそれらの膜に移動して、それらの
膜温度を上昇させ、結晶化促進と同時にゲートチャンネ
ル/ソース/ドレインに注入され、キャリア不純物
(燐、ひ素、ボロン等)がイオン活性化される。
【0128】上記のバイアス触媒AHA処理(又はバイ
アス触媒CVD)時のバイアス電界は、次のいずれかの
電圧印加によって形成できる。 1)直流電圧(例えば500V) 2)低周波電圧(例えば500VP-P/26kHz) 3)高周波電圧(例えば500VP-P/13.56MH
z) 4)低周波電圧に高周波電圧を重畳させた電圧(例えば
500VP-P/26kHz+200VP-P/13.56M
Hz) 5)直流電圧に低周波電圧を重畳させた電圧(例えば5
00V+200VP-P/26kHz) 6)直流電圧に高周波電圧を重畳させた電圧(例えば5
00V+200VP-P/13.56MHz) 7)直流電圧に低周波電圧と高周波電圧を重畳させた電
圧(例えば500V+100VP-P/26kHz+10
0VP-P/13.56MHz)
【0129】電界バイアス触媒CVDにより、窒化シリ
コン膜、酸化シリコン膜、錫含有多結晶性シリコン薄膜
を連続成膜する一例を示す。まず、上記の各膜を同一の
チャンバで形成する場合は、水素系キャリアガスを常時
供給し、触媒体を所定温度に加熱し、更に所定の電界を
印加してスタンバイをしておき、次のように処理してよ
い。
【0130】モノシランにアンモニアを適当比率で混合
して所定膜厚の窒化シリコン膜を形成し、前の原料ガス
を十分に排出した後に、連続してモノシランとHe希釈
2を適当比率で混合して所定膜厚の酸化シリコン膜を
形成し、前の原料ガス等を十分に排出した後に、モノシ
ランとSnH4を適当比率で混合してバイアス触媒CV
Dにより所定膜厚の錫含有多結晶性シリコン薄膜を形成
する。成膜後は原料ガスをカットし、触媒体を問題ない
温度まで冷却して水素系キャリアガスをカットする。な
お、絶縁膜形成時の原料ガスは傾斜減少又は傾斜増加さ
せて、傾斜接合の絶縁膜としてもよい。
【0131】或いは、それぞれ独立したチャンバで形成
する場合は、各チャンバ内に水素系キャリアガスを常時
供給し、触媒体を所定温度に加熱し、更に所定の電界を
印加してスタンバイしておき、次のように処理してよ
い。Aチャンバに移し、モノシランにアンモニアを適量
比率で混合して所定膜厚の窒化シリコン膜を形成する。
次にBチャンバに移し、モノシランにHe希釈O2を適
量比率で混合して酸化シリコン膜を形成する。次にCチ
ャンバに移し、モノシランとSnH4を適量比率で混合
して、錫含有の多結晶性シリコン薄膜を形成する。必要
に応じて次にBチャンバに移し、モノシランにHe希釈
2を適量比率で混合して酸化シリコン膜を形成する。
成膜後は原料ガスをカットし、触媒体を問題ない温度ま
で冷却して水素系キャリアガスをカットする。この時
に、それぞれのチャンバ内に水素系キャリアガスとそれ
ぞれの原料ガスを常時供給して、スタンバイの状態にし
ておいてもよい。
【0132】ここで、各膜の成膜条件としては(但し、
多結晶性シリコン薄膜の成膜条件は上述したので省
略)、チャンバ内に水素系キャリアガス(水素、アルゴ
ン+水素、ヘリウム+水素、ネオン+水素等)を常時流
し、流量と圧力、サセプタ温度を下記の所定の値に制御
する。 チャンバ内圧力:1〜15Pa程度、例えば10Pa サセプタ温度 :300〜400℃ 水素系キャリアガス流量(混合ガスの場合、水素は70
〜80モル%以上):50〜150SCCM
【0133】また、窒化シリコン膜は、次の条件で50
〜200nmの厚みに形成する。水素(H2)をキャリ
アガスとし、原料ガスとしてモノシラン(SiH4)に
アンモニア(NH3)を適量比率で混合して形成。 水素(H2)流量:50〜150SCCM、 SiH4流量:1〜20SCCM、NH3流量:5〜60
SCCM
【0134】また、酸化シリコン膜は、次の条件で10
0〜200nmの厚みに形成する。水素(H2)をキャ
リアガス、原料ガスとしてモノシラン(SiH4)にH
e希釈O2を適量比率で混合して形成。 水素(H2)流量:50〜150SCCM、 SiH4流量:1〜20SCCM、He希釈O2流量:1
〜2SCCM
【0135】上記のようにして、凹部190内において
超微粒子100Bをシードに多結晶性シリコン薄膜7を
成長させた後、基板表面を光学研磨して、凹部以外の領
域の多結晶性シリコン薄膜を除去してもよい。これによ
って錫含有又は非含有大粒径多結晶性シリコン薄膜が凹
部内に埋め込まれた平坦な表面の基板が形成される。但
し、この時には、光学研磨された錫含有又は非含有の大
粒径多結晶性シリコン薄膜表面には、酸化膜及び有機汚
れ被膜が形成されるので、バイアス触媒AHA処理して
クリーニングした後に、以降の処理を行うのがよい。
【0136】そして次に、多結晶性シリコン薄膜7をソ
ース、チャンネル及びドレイン領域とするMOSTFT
の作製を行なう。
【0137】即ち、図2の(5)に示すように、汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチングにより多結晶性シリコ
ン薄膜7をアイランド化した後、nMOSTFT用のチ
ャンネル領域の不純物濃度制御によるしきい値(Vth
の最適化のために、pMOSTFT部をフォトレジスト
9でマスクし、イオン注入又はイオンドーピングにより
p型不純物イオン(例えばボロンイオン)10を例えば
5×1011atoms/cm2のドーズ量でドーピング
し、1×1017atoms/ccのアクセプタ濃度に設
定し、多結晶性シリコン薄膜7の導電型をp型化した多
結晶性シリコン薄膜11とする。
【0138】次いで、図2の(6)に示すように、pM
OSTFT用のチャンネル領域の不純物濃度制御による
thの最適化のために、今度はnMOSTFT部をフォ
トレジスト12でマスクし、イオン注入又はイオンドー
ピングによりn型不純物イオン(例えば燐イオン)13
を例えば1×1012atoms/cm2のドーズ量でド
ーピングし、2×1017atoms/ccのドナー濃度
に設定し、多結晶性シリコン薄膜7の導電型をn型化し
た多結晶性シリコン薄膜14とする。尚、多結晶性シリ
コン薄膜7の上に酸化シリコン膜がある場合は除去し
て、しきい値(V th)の最適化のイオン注入又はイオン
ドーピングしてもよい。
【0139】次いで、図3の(7)に示すように、必要
あれば結晶化促進と膜中の不純物の活性化のために上記
のバイアス触媒AHA処理を行なった後、バイアス触媒
CVD等によりゲート絶縁膜の酸化シリコン膜50nm
厚8を形成した後、ゲート電極材料としてのリンドープ
ド多結晶シリコン膜15を例えば2〜20SCCMのP
3及び20SCCMのモノシランの供給下での上記と
同様の触媒CVD法によって厚さ例えば400nm厚に
堆積させる。
【0140】次いで、図3の(8)に示すように、フォ
トレジスト16を所定パターンに形成し、これをマスク
にしてリンドープド多結晶シリコン膜15をゲート電極
形状にパターニングし、更に、必要に応じてフォトレジ
スト16の除去後に図3の(9)に示すように、例えば
触媒CVD等によりゲート電極用保護膜の酸化シリコン
膜17を20〜30nm厚に形成する。
【0141】次いで、図3の(10)に示すように、p
MOSTFT部をフォトレジスト18でマスクし、イオ
ン注入又はイオンドーピングによりn型不純物である例
えば燐イオン19を例えば1×1015atoms/cm
2のドーズ量でドーピングし、2×1020atoms/
ccのドナー濃度に設定し、nMOSTFTのn+型ソ
ース領域20及びドレイン領域21をそれぞれ形成す
る。
【0142】次いで、図4の(11)に示すように、n
MOSTFT部をフォトレジスト22でマスクし、イオ
ン注入又はイオンドーピングによりp型不純物である例
えばボロンイオン23を例えば1×1015atoms/
cm2のドーズ量でドーピングし、2×1020atom
s/ccのアクセプタ濃度に設定し、pMOSTFTの
+型ソース領域24及びドレイン領域25をそれぞれ
形成する。
【0143】こうしてゲート、ソース及びドレインを形
成するが、これらは上記したプロセス以外の方法で形成
することが可能である。
【0144】即ち、図1の(4)の工程後に、多結晶性
シリコン薄膜7をpMOSTFTとnMOSTFT領域
にアイランド化し、pMOSTFT領域にイオン注入又
はイオンドーピングでn型不純物、例えば燐イオンを1
×1012atoms/cm2のドーズ量でドーピング
し、2×1017atoms/ccのドナー濃度に設定
し、nMOSTFT領域にp型不純物、例えばボロンイ
オンを5×1011atoms/cm2のドーズ量でドー
ピングし、1×1017atoms/ccのアクセプタ濃
度に設定し、各チャンネル領域の不純物濃度を制御し、
thを最適化する。
【0145】そして、次に、汎用フォトリソグラフィ技
術により、フォトレジストマスクで各ソース/ドレイン
領域を形成する。nMOSTFTの場合、イオン注入又
はイオンドーピング法によりn型不純物、例えばひ素、
燐イオンを1×1015atoms/cm2のドーズ量で
ドーピングし、2×1020atoms/ccのドナー濃
度に設定し、pMOSTFTの場合、イオン注入又はイ
オンドーピング法によりp型不純物、例えばボロンイオ
ンを1×1015atoms/cm2のドーズ量でドーピ
ングし、2×1020atoms/ccのアクセプタ濃度
に設定する。
【0146】しかる後、必要あれば膜中の不純物の活性
化のためにバイアス触媒AHA処理を行った後、ゲート
絶縁膜として酸化シリコン膜を形成するが、必要に応じ
て連続して窒化シリコン膜と酸化シリコン膜を形成す
る。即ち、必要に応じて、バイアス触媒AHA処理後に
連続してバイアス触媒CVD法により、水素系キャリア
ガスとモノシランにHe希釈O2を適量比率で混合して
酸化シリコン膜8を20〜30nm厚に形成し、必要に
応じて水素系キャリアガスとモノシランにNH3を適量
比率で混合して窒化シリコン膜を10〜20nm厚に形
成し、更に前記の条件で酸化シリコン膜を20〜30n
m厚に形成する。この後は、上記と同様のバイアス触媒
CVD法、フォトリソグラフィ技術によりゲート電極を
形成する。
【0147】ゲート、ソース及びドレイン形成後は、図
4の(12)に示すように、全面に上記したと同様のバ
イアス触媒CVD法等によって、水素系キャリアガス1
50SCCMを共通として、1〜2SCCMのヘリウム
ガス希釈のO2、15〜20SCCMのモノシラン供給
下で酸化シリコン膜26を例えば100〜200nm厚
に、1〜20SCCMのPH3、1〜2SCCMのヘリ
ウム希釈のO2、15〜20SCCMのモノシラン供給
下でフォスフィンシリケートガラス(PSG)膜27を
300〜400nm厚に形成し、50〜60SCCMの
NH3、15〜20SCCMのモノシラン供給下で窒化
シリコン膜28を例えば100〜200nm厚に形成
し、積層絶縁膜を形成する。その後に、例えば約100
0℃で20〜30秒のRTA(Rapid Thermal Anneal)
処理でイオン活性化させ、各領域に設定したキャリア不
純物濃度とする。
【0148】次いで、図4の(13)に示すように、上
記の絶縁膜の所定位置にコンタクト窓開けを行い、各コ
ンタクトホールを含む全面に1%Si入りアルミニウム
等の電極材料をスパッタ法等で1μmの厚みに堆積し、
これをパターニングして、pMOSTFT及びnMOS
TFTのそれぞれのソース又はドレイン電極29(S又
はD)とゲート取出し電極又は配線30(G)を形成
し、トップゲート型の各CMOSTFTを形成する。こ
の後に、フォーミングガス中で400℃、1hの水素化
及びシンター処理する。
【0149】なお、上記のゲート電極の形成に代えて、
全面にMo−Ta合金等の耐熱性金属のスパッタ膜40
0〜500nm厚を形成し、汎用フォトリソグラフィ及
びエッチング技術により、nMOSTFT及びpMOS
TFTのゲート電極を形成してよい。
【0150】上述したように、本実施の形態によれば、
下記(a)〜(l)の優れた作用効果を得ることができ
る。
【0151】(a)基板の任意の指定場所に適当な形状
及び寸法の段差を有する凹部を形成し、そこにシリコン
パウダー等の超微粒子を付着分散させ、この超微粒子の
表面の酸化膜及び有機汚れ等を除去できるので、この超
微粒子を結晶成長の核(シード)としてバイアス又は非
バイアス触媒CVD、高密度バイアス触媒CVD法等に
より、ばらつきの少ない大きな粒径の多結晶性シリコン
膜等を指定された領域に形成できる。
【0152】(b)絶縁性基板の任意の指定場所に高性
能、高品質のTFTを形成でき、その集積回路基板を自
由に形成できる。
【0153】(c)必要に応じて、絶縁性基板上のTF
T形成領域の適当な寸法及び形状の段差を有する凹部内
に大粒径多結晶性シリコン膜が埋め込まれた面を研磨し
て、平坦な大粒径多結晶性シリコン膜面の基板が得られ
るので、高性能、高品質の多結晶性シリコン半導体装
置、電気光学装置等の製造が可能となる。
【0154】(d)超微粒子を結晶成長のシードとして
基板上に形成した多結晶性半導体薄膜にバイアス触媒A
HA処理を行うと、高温の水素系活性種等が有する大量
の熱エネルギーがグロー放電開始電圧以下の電界又は/
及び磁界の作用下でその膜等に移動して、その膜等の温
度を局部的に上昇させる。これによって、アモルファス
成分がエッチングされるため、アモルファスシリコンや
微結晶シリコン薄膜は多結晶化し、多結晶性シリコン薄
膜は高結晶率化して、大粒径で高結晶化率の多結晶性シ
リコン薄膜が形成され、キャリア移動度向上が図れる。
また、この薄膜上に更に同様の半導体薄膜を気相成長さ
せ、これらのバイアス触媒AHA処理と気相成長とを繰
り返すと多結晶性シリコン等は高結晶化して、高結晶化
率、大粒径の多結晶性シリコン薄膜等を形成することが
できる。この結果、トップゲート型のみならず、ボトム
ゲート型、デュアルゲート型MOSTFTでも、高いキ
ャリア(電子/正孔)移動度の高結晶化率で大粒径の多
結晶性シリコン薄膜等が得られるために、この高性能の
多結晶性シリコン等の半導体薄膜を使用した高速、高電
流密度の半導体装置、電気光学装置、更には高効率の太
陽電池等の製造が可能となる。
【0155】(e)更に、多結晶性シリコン薄膜等の膜
上又は膜内又は粒界にシリコン酸化物が存在したとき、
これと反応してSiOを形成して蒸発させるので、多結
晶性シリコン膜内のシリコン酸化物を減少、除去させる
ことができ、移動度の向上を図ることができる。
【0156】(f)バイアス触媒CVD、高密度バイア
ス触媒CVD法による成膜を行う場合、触媒体の種類及
び温度、基板加熱温度、気相成膜条件、原料ガスの種
類、添加するn又はp型不純物濃度等により、広範囲の
n又はp型不純物濃度の多結晶性シリコン膜が容易容易
得られ、かつ更にバイアス触媒AHA処理により大きな
粒径で高結晶化率の多結晶性シリコン膜を形成できるの
で、高キャリア移動度でV th調整が容易で低抵抗での高
速動作が可能となる。
【0157】(g)触媒CVD、高密度触媒CVD法等
により、錫又は他のIV族元素(鉛、ゲルマニウムな
ど)、例えば錫を1018〜1020atoms/cc含有
のアモルファス又は微結晶又は多結晶シリコン膜を形成
し、その後に触媒AHA処理で大きな粒径の多結晶性シ
リコン膜を形成できるので、錫含有の効果により多結晶
性シリコン粒界に存在する結晶不整を減少させて内部応
力を減少させ、大きな移動度の多結晶性シリコン薄膜形
成が可能となる。
【0158】(h)ECR放電の水素プラズマ処理に比
べ、バイアス触媒AHA処理は強いエネルギーの有効面
積が広く(触媒体の大きさで自由に設定できる。)、そ
のばらつきが小さいので、大面積の基板処理の生産性が
高く、また安価であるので、汎用性が高い。
【0159】(i)従来のRF/VHFプラズマCVD
に比べて、バイアス触媒CVDは高いエネルギーで原料
ガスを効率良く熱分解及び触媒反応させるので、原料ガ
スの利用効率が高く、また低温(300〜400℃)形
成であるので、安価で大型化が容易な低歪点ガラス、耐
熱性樹脂基板等を採用でき、コストダウンできる。
【0160】(j)バイアス触媒CVD及びバイアス触
媒AHA処理は、プラズマの発生なしに行えるので、プ
ラズマによるダメージがなく、またプラズマAHA処理
に比べ、シンプルで安価な装置を実現できる。
【0161】(k)バイアス触媒AHA処理は基体温度
を低温化しても上記水素系活性種のエネルギーが大きい
ために、目的とするシリコン及び/又はダイヤモンド構
造のカーボンの超微粒子が確実に安定して得られること
から、基体温度を特に300〜400℃と低温化して
も、多結晶性半導体薄膜が超微粒子をシードに効率良く
成長し、従って大型で安価な低歪点の絶縁基板(ガラス
基板、耐熱性樹脂基板等)を使用でき、この点でもコス
トダウンが可能となる。
【0162】(l)ゲートチャンネル/ソース/ドレイ
ン領域に添加されたn又はp型不純物のバイアス触媒A
HA処理でのイオン活性化に、条件によってはバイアス
触媒CVD装置が兼用できるので、設備投資の削減、生
産性向上でのコストダウンが可能となる。
【0163】第2の実施の形態 <LCDの製造例1>本実施の形態は、高温プロセスに
よる多結晶性シリコンMOSTFTを用いたLCD(液
晶表示装置)に本発明を適用したものであり、以下にそ
の製造例を示す(この製造例は、後述する有機ELやF
ED等の表示装置等にも同様に適用可能である)。
【0164】まず、図16の(1)に示すように、画素
部及び周辺回路部において、石英ガラス、結晶化ガラス
などの耐熱性絶縁基板61(歪点約800〜1100
℃、厚さ50ミクロン〜数mm)の一主面に、上述した
バイアス触媒CVD法等により下地保護膜(図示せず)
の形成後に上述したと同様にして凹部190(ここでは
図示せず:以下、同様)を形成し、更にシリコン及び/
又はカーボン超微粒子100Aを付着させる。
【0165】次いで、図16の(2)に示すように、上
述のバイアス触媒AHA処理により超微粒子100Aを
クリーニングし、有機物等が除去されたシリコン又は/
及びダイヤモンド構造のカーボンの超微粒子層100B
に改質させる。
【0166】次いで、図16の(3)に示すように、上
述したバイアス触媒CVD法等によって超微粒子層10
0Bをシードに多結晶性シリコン薄膜67を凹部内に例
えば50nm厚に形成する。この多結晶性シリコン薄膜
は、上述のマルチバイアス触媒AHA処理により形成し
てよい。
【0167】次いで、図17の(4)に示すように、フ
ォトレジストマスクを用いて多結晶性シリコン薄膜67
をパターニング(アイランド化)し、例えば、表示領域
のnMOSTFT部と周辺駆動回路領域のnMOSTF
T部及びpMOSTFT部などのトランジスタ、ダイオ
ード等の能動素子、抵抗、容量、インダクタンス等の受
動素子の活性層を形成する。
【0168】次いで、トランジスタ活性層67のチャン
ネル領域の不純物濃度制御によるV thの最適化のために
前記と同様のボロン又は燐等の所定の不純物のイオン注
入を行なった後、図17の(5)に示すように、例えば
上記と同様の触媒CVD法等によって多結晶性シリコン
薄膜67の表面に厚さ例えば50nm厚のゲート絶縁膜
用の酸化シリコン膜68を形成する。触媒CVD法等で
ゲート絶縁膜用の酸化シリコン膜68を形成する場合、
基板温度及び触媒体温度は上記したものと同様である
が、酸素ガス流量は1〜2SCCM、モノシランガス流
量は15〜20SCCM、水素系キャリアガスは150
SCCMとしてよい。尚、チャンネル領域の不純物濃度
制御する前又は後に、例えば、約1000℃、30分の
高温熱酸化により、ゲート絶縁膜用の酸化シリコン膜6
8を形成してもよい。
【0169】次いで、図17の(6)に示すように、ゲ
ート電極及びゲートライン用材料として、例えばMo−
Ta合金をスパッタリングで厚さ例えば400nm厚に
堆積させるか、或いは、リンドープド多結晶性シリコン
膜を例えば水素系キャリアガス150SCCM、2〜2
0SCCMのフォスフィン(PH3)及び20SCCM
のモノシランガスの供給下での上記と同様の触媒CVD
法等によって厚さ例えば400nm厚に堆積させる。そ
して、汎用フォトリソグラフィー及びエッチング技術に
より、ゲート電極材料層をゲート電極75及びゲートラ
インの形状にパターニングする。尚、リンドープド多結
晶性シリコン膜の場合は、触媒CVD等により、その表
面に保護用酸化シリコン膜(10〜20nm厚)を形成
してもよい。
【0170】次いで、図18の(7)に示すように、p
MOSTFT部をフォトレジスト78でマスクし、イオ
ン注入又はイオンドーピング法によりn型不純物である
例えばヒ素(又は燐)イオン79を例えば1×1015
toms/cm2のドーズ量でドーピングし、2×10
20atoms/ccのドナー濃度に設定し、nMOST
FTのn+型ソース領域80及びドレイン領域81をそ
れぞれ形成する。
【0171】次いで、図18の(8)に示すように、n
MOSTFT部をフォトレジスト82でマスクし、イオ
ン注入又はイオンドーピング法によりp型不純物である
例えばボロンイオン83を例えば1×1015atoms
/cm2のドーズ量でドーピングし、2×1020ato
ms/ccのアクセプタ濃度に設定し、pMOSTFT
のp+型ソース領域84及びドレイン領域85をそれぞ
れ形成する。
【0172】次いで、図18の(9)に示すように、全
面に上記したと同様のバイアス触媒CVD法等によっ
て、水素系キャリアガス150〜200SCCMを共通
として、1〜2SCCMのHe希釈O2、15〜20S
CCMのモノシラン供給下で酸化シリコン膜を例えば1
00〜200nm厚に、更に、1〜20SCCMのフォ
スフィン(PH3)、1〜2SCCMのHe希釈O2、1
5〜20SCCMのモノシラン供給下でフォスフィンシ
リケートガラス(PSG)膜を300〜400nm厚に
形成し、50〜60SCCMのアンモニア(NH3)、
15〜20SCCMのモノシラン供給下で窒化シリコン
膜を例えば100〜200nm厚に形成する。これらの
絶縁膜の積層によって層間絶縁膜86を形成する。な
お、このような層間絶縁膜は、上記とは別の通常の方法
で形成してもよい。この後に、例えば900℃、5分間
のN2中のアニール又は1000℃、20〜30秒のN2
中のRTA処理によりイオン活性化し、各領域に設定し
たキャリア不純物濃度とする。
【0173】次いで、図19の(10)に示すように、
上記の絶縁膜86の所定位置にコンタクト窓開けを行
い、各コンタクトホールを含む全面にアルミニウムなど
の電極材料をスパッタ法等で1μmの厚みに堆積し、こ
れをパターニングして、画素部のnMOSTFTのソー
ス電極87及びデータライン、周辺回路部のpMOST
FT及びnMOSTFTのソース電極88、90とドレ
イン電極89、91及び配線をそれぞれ形成する。この
後に、例えばフォーミングガス中、400℃、1hの水
素化及びシンター処理して界面準位の改善とオーミック
コンタクトの改善を図る。
【0174】次いで、表面上に酸化シリコン膜等の層間
絶縁膜92をCVD法等で形成した後、図19の(1
1)に示すように、画素部のnMOSTFTドレイン領
域において層間絶縁膜92及び86にコンタクトホール
を開け、例えば130〜150nm厚のITO(Indium
tin oxide:インジウム酸化物にスズをドープした透明
電極材料)膜を真空蒸着法等で全面に堆積させ、パター
ニングしてnMOSTFTのドレイン領域81に接続さ
れた透明画素電極93を形成する。この後に、例えばフ
ォーミングガス中、250℃、1h、アニールして、I
TO膜とのオーミックコンタクトを改善し、ITO膜の
透明度を向上させる。
【0175】こうしてアクティブマトリクス基板(以
後、TFT基板と称する)を作製し、透過型のLCDを
作製することができる。この透過型LCDは、図19の
(12)に示すように、透明画素電極93上に配向膜9
4、液晶95、配向膜96、透明電極97、対向基板9
8が積層された構造からなっている。
【0176】なお、上記した工程は、反射型のLCDの
製造にも同様に適用可能である。図24(A)には、こ
の反射型のLCDの一例が示されているが、図中の10
1は粗面化された絶縁膜92上に被着された反射膜であ
り、MOSTFTのドレインと接続されている。
【0177】このLCDの液晶セルを面面組立で作製す
る場合(2インチサイズ以上の中/大型液晶パネルに適
している。)、まずTFT基板61と、全面ベタのIT
O(Indium Tin Oxide)電極97を設けた対向基板98
の素子形成面に、ポリイミド配向膜94、96を形成す
る。このポリイミド配向膜はロールコート、スピンコー
ト等により50〜100nm厚に形成し、180℃/2
hで硬化キュアする。
【0178】次いで、TFT基板61と対向基板98を
ラビング、又は光配向処理する。ラビングバフ材にはコ
ットンやレーヨン等があるが、バフかす(ゴミ)やリタ
デーション等の面からはコットンの方が安定している。
光配向は非接触の線型偏光紫外線照射による液晶分子の
配向技術である。なお、配向には、ラビング以外にも、
偏光又は非偏光を斜め入射させることによって高分子配
向膜を形成することができる(このような高分子化合物
は、例えばアゾベンゼンを有するポリメチルメタクリレ
ート系高分子等がある)。
【0179】次いで、洗浄後に、TFT基板61側には
コモン剤塗布、対向基板98側にはシール剤塗布する。
ラビングバフかす除去のために、水、又はIPA(イソ
プロピルアルコール)洗浄する。コモン剤は導電性フィ
ラーを含有したアクリル、又はエポキシアクリレート、
又はエポキシ系接着剤であってよく、シール剤はアクリ
ル、又はエポキシアクリレート、又はエポキシ系接着剤
であってよい。加熱硬化、紫外線照射硬化、紫外線照射
硬化+加熱硬化のいずれも使用できるが、重ね合せの精
度と作業性からは紫外線照射硬化+加熱硬化タイプが良
い。
【0180】次いで、対向基板98側に所定のギャップ
を得るためのスペーサを散布し、TFT基板61と所定
の位置で重ね合せる。対向基板98側のアライメントマ
ークとTFT基板61側のアライメントマークとを精度
よく合わせた後に、紫外線照射してシール剤を仮硬化さ
せ、その後に一括して加熱硬化する。
【0181】次いで、スクライブブレークして、TFT
基板61と対向基板98を重ね合せた単個の液晶パネル
を作成する。
【0182】次いで、液晶95を両基板61−98間の
ギャップ内に注入し、注入口を紫外線接着剤で封止後
に、IPA洗浄する。液晶の種類は何れでも良いが、例
えばネマティック液晶を用いる高速応答のTN(ツイス
トネマティック)モードが一般的である。
【0183】次いで、加熱急冷処理して、液晶95を配
向させる。
【0184】次いで、TFT基板61のパネル電極取り
出し部にフレキシブル配線を異方性導電膜の熱圧着で接
続し、更に対向基板98に偏光板を貼合わせる。
【0185】また、液晶パネルの面単組立の場合(2イ
ンチサイズ以下の小型液晶パネルに適している。)、上
記と同様、TFT基板61と対向基板98の素子形成面
に、ポリイミド配向膜94、96を形成し、両基板をラ
ビング、又は非接触の線型偏光紫外線光の配向処理す
る。
【0186】次いで、TFT基板61と対向基板98を
ダイシング又はスクライブブレークで単個に分割し、水
又はIPA洗浄する。TFT基板61にはコモン剤塗
布、対向基板98にはスペーサ含有のシール剤塗布し、
両基板を重ね合せる。これ以降のプロセスは上記に準ず
る。
【0187】上記したLCDにおいて、対向基板98は
CF(カラーフィルタ)基板であって、カラーフィルタ
層(図示せず)をITO電極97下に設けたものであ
る。対向基板98側からの入射光は例えば反射膜93で
効率良く反射されて対向基板98側から出射してよい。
【0188】他方、TFT基板61として、TFT基板
61にカラーフィルタを設けたオンチップカラーフィル
タ(OCCF)構造のTFT基板とするときには、対向
基板98にはITO電極がベタ付け(又はブラックマス
ク付きのITO電極がベタ付け)される。
【0189】透過型LCDの場合、次のようにしてオン
チップカラーフィルタ(OCCF)構造とオンチップブ
ラック(OCB)構造を作製することができる。
【0190】即ち、図19の(13)に示すように、フ
ォスフィンシリケートガラス/酸化シリコンの絶縁膜8
6のドレイン部も窓開けしてドレイン電極用のアルミニ
ウム埋込み層を形成した後、R、G、Bの各色を各セグ
メント毎に顔料分散したフォトレジスト99を所定厚さ
(1〜1.5μm)で形成した後、汎用フォトリソグラ
フィ技術で所定位置(各画素部)のみを残すパターニン
グで各カラーフィルタ層99(R)、99(G)、99
(B)を形成する(オンチップカラーフィルタ構造)。
この際、ドレイン部の窓開けも行う。なお、不透明なセ
ラミック基板や低透過率のガラス及び耐熱性樹脂基板は
使用できない。
【0191】次いで、表示用TFTのドレインに連通す
るコンタクトホールに、カラーフィルタ層上にかけてブ
ラックマスク層となる遮光層100’を金属のパターニ
ングで形成する。例えば、スパッタ法により、モリブデ
ンを200〜250nm厚で成膜し、表示用MOSTF
Tを覆って遮光する所定の形状にパターニングする(オ
ンチップブラック構造)。
【0192】次いで、透明樹脂の平坦化膜92を形成
し、更にこの平坦化膜に設けたスルーホールにITO透
明電極93を遮光層100’に接続するように形成す
る。
【0193】このように、表示アレイ部上に、カラーフ
ィルタ99やブラックマスク100’を作り込むことに
より、液晶表示パネルの開口率を改善し、またバックラ
イトも含めたディスプレイモジュールの低消費電力化が
実現する。
【0194】図20は、上述のトップゲート型MOST
FTを組み込んで駆動回路一体型に構成したアクティブ
マトリクス液晶表示装置(LCD)の全体を概略的に示
すものである。このアクティブマトリクスLCDは、主
基板61(これはアクティブマトリクス基板を構成す
る。)と対向基板98とをスペーサ(図示せず)を介し
て貼り合わせたフラットパネル構造からなり、両基板6
1−98間に液晶(ここでは図示せず)が封入されてい
る。主基板61の表面には、マトリクス状に配列した画
素電極93と、この画素電極を駆動するスイッチング素
子とからなる表示部、及びこの表示部に接続される周辺
駆動回路部とが設けられている。
【0195】表示部のスイッチング素子は、上記したn
MOS又はpMOS又はCMOSでLDD構造のトップ
ゲート型MOSTFTで構成される。また、周辺駆動回
路部にも、回路要素として、上記したトップゲート型M
OSTFTのCMOS又はnMOS又はpMOSTFT
又はこれらの混在が形成されている。なお、一方の周辺
駆動回路部はデータ信号を供給して各画素のTFTを水
平ライン毎に駆動する水平駆動回路であり、また他方の
周辺駆動回路部は各画素のTFTのゲートを走査ライン
毎に駆動する垂直駆動回路であり、通常は表示部の両辺
にそれぞれ設けられる。これらの駆動回路は、点順次ア
ナログ方式、線順次デジタル方式のいずれも構成でき
る。
【0196】図21に示すように、直交するゲートバス
ラインとデータバスラインの交差部に上記のMOSTF
Tが配置され、このMOSTFTを介して液晶容量(C
LC)に画像情報を書き込み、次の情報がくるまで電荷を
保持する。この場合、TFTのチャンネル抵抗だけで保
持させるには十分ではないので、それを補うため液晶容
量と並列に蓄積容量(補助容量)(CS)を付加し、リ
ーク電流による液晶電圧の低下を補ってよい。こうした
LCD用MOSTFTでは、画素部(表示部)に使用す
るTFTの特性と周辺駆動回路に使用するTFTの特性
とでは要求性能が異なり、特に画素部のTFTではオフ
電流の制御、オン電流の確保が重要な問題となる。この
ため、表示部には、後述の如きLDD構造のTFTを設
けることによって、ゲート−ドレイン間に電界がかかり
にくい構造としてチャンネル領域にかかる実効的な電界
を低減させ、オフ電流を低減し、特性の変化も小さくで
きる。しかし、プロセス的には複雑になり、素子サイズ
も大きくなり、かつオン電流が低下するなどの問題も発
生するため、それぞれの使用目的に合わせた最適設計が
必要である。
【0197】なお、使用可能な液晶としては、TN液晶
(アクティブマトリクス駆動のTNモード用に用いられ
るネマチック液晶)をはじめ、STN(スーパーツイス
テッドネマチック)、GH(ゲスト・ホスト)、PC
(フェーズ・チェンジ)、FLC(強誘電性液晶)、A
FLC(反強誘電性液晶)、PDLC(ポリマー分散型
液晶)等の各種モード用の液晶を採用してよい。
【0198】<LCDの製造例2>次に、本実施の形態
による低温プロセスの多結晶性シリコンMOSTFTを
用いたLCD(液晶表示装置)の製造例を示す(この製
造例は後述する有機ELやFEDの表示装置等にも同様
に適用可能である)。
【0199】この製造例では、上述の製造例1におい
て、基板61としてアルミノけい酸ガラス、ホウケイ酸
ガラス等を使用し、図16の(1)、(2)及び(3)
の工程を同様に行う。即ち、基板61上にバイアス触媒
CVDとバイアス触媒AHA処理により錫含有(又は非
含有)の多結晶性シリコン薄膜67を形成してこれをア
イランド化し、表示領域のnMOSTFT部と周辺駆動
回路領域のnMOSTFT部及びpMOSTFT部を形
成する。この場合、同時に、ダイオード、コンデンサ、
インダクタンス、抵抗等の領域を形成する。
【0200】次いで、図22の(1)に示すように(但
し、下地保護膜及び凹部190は図示省略:以下、同
様)、各MOSTFTゲートチャンネル領域のキャリア
不純物濃度を制御してVthを最適化するために、表示領
域のnMOSTFT部と周辺駆動回路領域のnMOST
FT部をフォトレジスト82でカバーし、周辺駆動回路
領域のpMOSTFT部に、イオン注入又はイオンドー
ピング法により例えば燐、ひ素等のn型不純物79を1
×1012atoms/cm2のドーズ量でドーピング
し、2×1017atoms/ccのドナー濃度に設定
し、更に図22の(2)に示すように、周辺駆動回路領
域のpMOSTFT部をフォトレジスト82でカバー
し、表示領域のnMOSTFT部と周辺駆動回路領域の
nMOSTFT部に、イオン注入又はイオンドーピング
法により例えばボロン等のp型不純物83を5×1011
atoms/cm2のドーズ量でドーピングし、1×1
17atoms/ccのアクセプタ濃度を設定する。
【0201】次いで、図22の(3)に示すように、表
示領域のnMOSTFT部にn-型のLDD(Lightly D
oped Drain)部を形成するために、汎用フォトリソグラ
フィ技術により、表示領域のnMOSTFTのゲート部
と周辺駆動領域のpMOSTFT及びnMOSTFT全
部をフォトレジスト82で覆い、露出した表示領域のn
MOSTFTのソース/ドレイン領域に、イオン注入又
はイオンドーピング法により例えば燐等のn型不純物7
9を1×1013atoms/cm2のドーズ量でドーピ
ングし、2×1018atoms/ccのドナー濃度に設
定して、n-型のLDD部を形成する。
【0202】次いで、図23の(4)に示すように、表
示領域のnMOSTFT部及び周辺駆動回路領域のnM
OSTFT部の全部をフォトレジスト82でカバーし、
周辺駆動回路領域のpMOSTFT部のゲート部をフォ
トレジスト82でカバーして露出したソース、ドレイン
領域に、イオン注入又はイオンドーピング法により例え
ばボロン等のp型不純物83を1×1015atoms/
cm2のドーズ量でドーピングし、2×1020atom
s/ccのアクセプタ濃度に設定してp+型のソース部
84、ドレイン部85を形成する。
【0203】次いで、図23の(5)に示すように、周
辺駆動回路領域のpMOSTFT部をフォトレジスト8
2でカバーし、表示領域のnMOSTFTのゲート及び
LDD部と周辺駆動回路領域のnMOSTFT部のゲー
ト部をフォトレジスト82でカバーし、露出した表示領
域及び周辺駆動領域のnMOSTFTのソース、ドレイ
ン領域に、イオン注入又はイオンドーピング法により例
えば燐、ひ素等のn型不純物79を1×1015atom
s/cm2のドーズ量でイオンドーピングし、2×10
20atoms/ccのドナー濃度に設定し、n+型のソ
ース部80、ドレイン部81を形成する。
【0204】次いで、図23の(6)に示すように、プ
ラズマCVD、TEOS系プラズマCVD、触媒CVD
法等により、ゲート絶縁膜68として、酸化シリコン膜
40〜50nm厚、窒化シリコン膜10〜20nm厚、
酸化シリコン膜40〜50nm厚の積層膜を形成する。
そして、ハロゲンランプ等でのRTA処理を例えば、約
1000℃、10〜30秒行い、添加したn又はp型不
純物をイオン活性化することにより、設定した各々のキ
ャリア不純物濃度を得る。
【0205】この後に、全面に400〜500nm厚の
1%Si入りアルミニウムスパッタ膜を形成し、汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチングにより、全TFTのゲ
ート電極75及びゲートラインを形成する。更にこの後
に、プラズマCVD、触媒CVD法等により、酸化シリ
コン膜100〜200nm厚、フォスフィンシリケート
ガラス(PSG)膜200〜300nm厚、窒化シリコ
ン膜100〜200nm厚の積層膜からなる絶縁膜86
を形成する。
【0206】次いで、汎用フォトリソグラフィ及びエッ
チング技術により、周辺駆動回路の全TFT部のソース
/ドレイン部及び表示用nMOSTFT部のソース部の
窓開けを行う。窒化シリコン膜はCF4のプラズマエッ
チング、酸化シリコン膜及びリンシリケートガラス膜は
フッ酸系エッチング液でエッチング処理する。
【0207】次いで、図23の(7)に示すように、全
面に400〜500nm厚の1%Si入りアルミニウム
スパッタ膜を形成し、汎用フォトリソグラフィ及びエッ
チング技術により、周辺駆動回路の全TFTのソース、
ドレイン電極88、89、90、91を形成すると同時
に、表示用nMOSTFTのソース電極87及びデータ
ラインを形成する。
【0208】次いで、図示は省略したが、プラズマCV
D、触媒CVD法等により、酸化シリコン膜100〜2
00nm厚、フォスフィンシリケートガラス膜(PSG
膜)200〜300nm厚、窒化シリコン膜100〜3
00nm厚を層間絶縁膜(上述の92)として全面に形
成し、フォーミングガス中で約400℃、1時間、水素
化及びシンター処理する。その後に、表示用nMOST
FTのドレイン部コンタクト用窓開けを行う。
【0209】ここで、LCDが透過型の場合は、画素開
口部の酸化シリコン膜、フォスフィンシリケートガラス
膜及び窒化シリコン膜は除去し、また反射型の場合は、
画素開口部等の酸化シリコン膜、フォスフィンシリケー
トガラス膜及び窒化シリコン膜は除去する必要はない
(これは上述又は後述のLCDにおいても同様であ
る)。
【0210】透過型の場合、図19の(10)と同様
に、全面に、スピンコート等で2〜3μm厚のアクリル
系透明樹脂平坦化膜を形成し、汎用フォトリソグラフィ
及びエッチング技術により、表示用TFTのドレイン側
の透明樹脂窓開けを形成した後、全面に130〜150
nm厚のITOスパッタ膜を形成し、汎用フォトリソグ
ラフィ及びエッチング技術により、表示用nMOSTF
Tのドレイン部とコンタクトしたITO透明電極を形成
する。更に熱処理(フォーミングガス中で200〜25
0℃、1時間)により、コンタクト抵抗の低減化とIT
O透明度向上を図る。
【0211】反射型の場合は、全面に、スピンコート等
で2〜3μm厚の感光性樹脂膜を形成し、汎用フォトリ
ソグラフィ及びエッチング技術により、少なくとも画素
部に凹凸形状パターンを形成し、リフローさせて凹凸反
射下部を形成する。同時に、表示用nMOSTFTのド
レイン部の感光性樹脂窓開けを形成する。しかる後、全
面に、300〜400nm厚の1%Si入りアルミニウ
ムスパッタ膜を形成し、汎用フォトリソグラフィ及びエ
ッチング技術により、画素部以外のアルミニウム膜を除
去し、表示用nMOSTFTのドレイン電極と接続した
凹凸形状のアルミニウム反射部を形成する。その後に、
フォーミングガス中で300℃、1時間シンター処理す
る。
【0212】なお、上記において、nMOSTFTのソ
ース、ドレインを形成した後に、バイアス触媒AHA処
理すれば、多結晶性シリコン薄膜の膜温度を局部的に上
昇させ、結晶化が更に促進され、高移動度及び高品質の
多結晶性シリコン薄膜を形成する。同時に、高温の水素
分子、水素原子、活性化水素イオン等が有する熱エネル
ギーが膜に移動して、膜温度を局部的に上昇させるの
で、ゲートチャンネル/ソース/ドレイン領域に注入さ
れた燐、ひ素、ボロンイオン等が活性化される。
【0213】なお、プラズマCVD法によってアモルフ
ァスシリコン含有微結晶シリコン薄膜を形成した場合、
膜中に10〜20%の水素が含有されるが、バイアス触
媒AHA処理によって減少/除去することができて多結
晶性シリコン膜化し、高移動度及び高品質の多結晶性シ
リコン薄膜を形成する。又、多結晶性シリコン薄膜上又
は膜内にシリコン酸化物が存在するときに、これと還元
反応してSiOを生成し、蒸発除去させるので、それら
の膜上又は膜内のシリコン酸化物を減少/除去させるこ
とができ、高移動度及び高品質の多結晶性シリコン薄膜
を形成できる。
【0214】<ボトムゲート型又はデュアルゲート型M
OSTFT>MOSTFTを組み込んだ例えばLCDに
おいて、上述のトップゲート型に代えて、ボトムゲート
型、デュアルゲート型のMOSTFTからなる透過型L
CDを製造した例を述べる(但し、反射型LCDも同様
である)。
【0215】図24(B)に示すように、表示部及び周
辺部にはボトムゲート型のnMOSTFTが設けられ、
或いは図24(C)に示すように、表示部及び周辺部に
はデュアルゲート型のnMOSTFTがそれぞれ設けら
れている。これらのボトムゲート型、デュアルゲート型
MOSTFTのうち、特にデュアルゲート型の場合には
上下のゲート部によって駆動能力が向上し、高速スイッ
チングに適し、また上下のゲート部のいずれかを選択的
に用いて場合に応じてトップゲート型又はボトムゲート
型として動作させることもできる。
【0216】図24(B)のボトムゲート型MOSTF
Tにおいて、図中の102はMo−Ta合金等のゲート
電極であり、103は窒化シリコン膜及び104は酸化
シリコン膜であってゲート絶縁膜を形成し、このゲート
絶縁膜上にはトップゲート型MOSTFTと同様の多結
晶性シリコン薄膜67を用いたチャンネル領域等が形成
されている。また、図24(C)のデュアルゲート型M
OSTFTにおいて、下部ゲート部はボトムゲート型M
OSTFTと同様であるが、上部ゲート部は、ゲート絶
縁膜106を酸化シリコン膜と窒化シリコン膜、必要に
応じて更に酸化シリコン膜の積層膜で形成し、この上に
上部ゲート電極75を設けている。
【0217】<ボトムゲート型MOSTFTの製造>ま
ず、ガラス基板61上の全面に、Mo−Ta合金のスパ
ッタ膜を300〜400nm厚に形成し、これを汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチング技術により20〜45
度のテーパーエッチングし、少なくともTFT形成領域
に、ボトムゲート電極102を形成すると同時に、ゲー
トラインを形成する。ガラス材質の使い分けは上述した
トップゲート型に準ずる。
【0218】次いで、プラズマCVD、TEOS系プラ
ズマCVD、触媒CVD、減圧CVD等の気相成長法に
より、ゲート絶縁膜及び保護膜用の窒化シリコン膜10
3及び酸化シリコン膜104を形成し、少なくともTF
T形成領域内に適当な形状/寸法の段差を有する凹部を
形成し、シリコン又は/及びカーボン超微粒子を付着さ
せ、バイアス触媒AHA処理によりクリーニングされた
シリコン又は/及びダイヤモンド構造のカーボンの超微
粒子を形成する。これをシードにバイアス触媒CVD等
により錫含有又は非含有の多結晶性シリコン薄膜を凹部
内に形成し、更にバイアス触媒AHA処理を繰り返して
高結晶化率の大粒径多結晶性シリコン薄膜67を形成す
る。これらの気相成膜条件は上述したトップゲート型に
準ずる。なお、ボトムゲート絶縁膜及び保護膜用の窒化
シリコン膜はガラス基板からのNaイオンストッパ作用
を期待して設けるものであるが、合成石英ガラスの場合
は不要である。
【0219】これ以降のプロセスは上述したものに準ず
るが、すでに上記の工程でゲート電極を形成しているの
で、ここではゲート電極用多結晶シリコン膜形成、ゲー
ト電極形成、ゲート多結晶シリコン酸化工程は不要であ
る。
【0220】そして次に、上述したと同様に、pMOS
TFT、nMOSTFT領域をアイランド化し(但し、
一方の領域のみを図示:以下、同様)、各チャンネル領
域のキャリア不純物濃度を制御してVthを最適化するた
めに、イオン注入又はイオンドーピング法によりn型又
はp型不純物を適当量混入した後、更に、各MOSTF
Tのソース、ドレイン領域を形成するためにイオン注入
又はイオンドーピング法によりn型又はp型不純物を適
当量混入させる。この後に、不純物活性化のためにバイ
アス触媒AHA処理又はRTA処理のアニールをする。
【0221】これ以降のプロセスは、上述したものに準
ずる。
【0222】<デュアルゲート型MOSTFTの製造>
上記のボトムゲート型と同様に、ボトムゲート電極10
2、ゲート絶縁膜103及び104、シリコン又は/及
びダイヤモンド構造のカーボンの超微粒子をシードとし
て凹部内に形成した高結晶化率で大粒径の多結晶性シリ
コン薄膜67をそれぞれ形成する。但し、ボトムゲート
絶縁膜及び保護膜用の窒化シリコン膜103はガラス基
板からのNaイオンストッパ作用を期待して設けるもの
であるが、合成石英ガラスの場合は不要である。
【0223】そして次に、上述したと同様に、pMOS
TFT、nMOSTFT領域をアイランド化し、各チャ
ンネル領域のキャリア不純物濃度を制御してVthを最適
化するために、イオン注入又はイオンドーピング法によ
りn型又はp型不純物を適当量混入した後、更に、各M
OSTFTのソース、ドレイン領域を形成するためにイ
オン注入又はイオンドーピング法によりn型又はp型不
純物を適当量混入させる。
【0224】次いで、トップゲート絶縁膜106用の酸
化シリコン膜及び窒化シリコン膜、必要に応じて更に酸
化シリコン膜の積層膜を成膜する。気相成長条件は上述
したトップゲート型に準ずる。尚、この後に不純物活性
化のためにRTA処理のアニールをする。
【0225】この後に、全面に400〜500nm厚の
1%Si入りアルミニウムスパッタ膜を形成し、汎用フ
ォトリグラフィ及びエッチング技術により、全TFTの
トップゲート電極75及びゲートラインを形成する。こ
の後に、プラズマCVD、触媒CVD法等により、酸化
シリコン膜100〜200nm厚、フォスフィンシリケ
ートガラス(PSG)膜200〜300nm厚等からな
る絶縁膜86を形成する。次に、汎用フォトリソグラフ
ィ及びエッチング技術により、周辺駆動回路の全MOS
TFTのソース、ドレイン電極部、さらに表示部nMO
STFTのソース電極部の窓開けを行う。
【0226】次いで、全面に400〜500nm厚の1
%Si入りアルミニウムスパッタ膜を形成し、汎用フォ
トリソグラフィ及びエッチング技術により、ソース及び
ドレインの各アルミニウム電極87、88及び89、ソ
ースライン及び配線等を形成する。次いで、プラズマC
VD、触媒CVD法等により、酸化シリコン膜100〜
200nm厚、フォスフィンシリケートガラス膜(PS
G膜)200〜300nm厚、窒化シリコン膜100〜
300nm厚を層間絶縁膜92として全面に形成し、フ
ォーミングガス中で約400℃、1時間、水素化及びシ
ンター処理する。その後に、表示用nMOSTFTのド
レイン部コンタクト用窓開けを行い、ITO等の画素電
極93を形成する。
【0227】上述したように、本実施の形態によれば、
上述の第1の実施の形態と同様に、バイアス触媒CVD
とバイアス触媒AHA処理により、LCDの表示部及び
周辺駆動回路部のMOSTFTのゲートチャンネル、ソ
ース及びドレイン領域となる、高キャリア移動度でVth
調整が容易であり、低抵抗での高速動作が可能な高結晶
化率で大粒径の多結晶性シリコン膜を形成することがで
きる。この多結晶性シリコン薄膜によるトップゲート、
ボトムゲート又はデュアルゲート型MOSTFTを用い
た液晶表示装置は、高いスイッチング特性と低リーク電
流のLDD構造を有する表示部と、高い駆動能力のCM
OS、又はnMOS、又はpMOS周辺駆動回路、映像
信号処理回路、メモリー回路等を一体化した構成が可能
となり、高画質、高精細、狭額縁、高効率、安価な液晶
パネルの実現が可能である。
【0228】そして、低温(300〜400℃)で形成
できるので、安価で、大型化が容易な低歪点ガラスを採
用でき、コストダウンが可能となる。しかも、アレイ部
上にカラーフィルタやブラックマスクを作り込むことに
より、液晶表示パネルの開口率、輝度等を改善し、カラ
ーフィルタ基板を不要とし、生産性改善等によるコスト
ダウンが実現する。
【0229】第3の実施の形態 本実施の形態は、本発明を有機又は無機のエレクトロル
ミネセンス(EL)表示装置、例えば有機EL表示装置
に適用したものである。以下にその構造例と製造例を示
す。
【0230】<有機EL素子の構造例I>図25
(A)、(B)に示すように、この構造例Iによれば、
ガラス等の基板111上に、本発明に基づいて上述した
方法で段差190内に形成された高結晶化率、大粒径の
多結晶性シリコン薄膜によって、スイッチング用MOS
TFT1と電流駆動用MOSTFT2のゲートチャンネ
ル117、ソース領域120及びドレイン領域121が
形成されている。そして、ゲート絶縁膜118上にゲー
ト電極115、ソース及びドレイン領域上にソース電極
127及びドレイン電極128、131が形成されてい
る。MOSTFT1のドレインとMOSTFT2のゲー
トとはドレイン電極128を介して接続されていると共
に、MOSTFT2のソース電極127との間に絶縁膜
136を介してキャパシタCが形成され、かつ、MOS
TFT2のドレイン電極131は有機EL素子の陰極1
38にまで延設されている。
【0231】各MOSTFTは絶縁膜130で覆われ、
この絶縁膜上には陰極を覆うように有機EL素子の例え
ば緑色有機発光層132(又は青色有機発光層133、
更には図示しない赤色有機発光層)が形成され、この有
機発光層を覆うように陽極(1層目)134が形成さ
れ、更に共通の陽極(2層目)135が全面に形成され
ている。なお、CMOSTFTからなる周辺駆動回路、
映像信号処理回路、メモリー回路等の製法は、上述した
液晶表示装置に準ずる(以下、同様)。
【0232】この構造の有機EL表示部は、有機EL発
光層が電流駆動用MOSTFT2のドレインに接続さ
れ、陰極(Li−Al、Mg−Agなど)138がガラ
ス等の基板111の面に被着され、陽極(ITO膜な
ど)134、135がその上部に設けられており、従っ
て、上面発光136’となる。また、陰極がMOSTF
T上を覆っている場合は発光面積が大きくなり、このと
きには陰極が遮光膜となり、発光光等がMOSTFTに
入射しないのでリーク電流発生がなく、TFT特性の悪
化がない。
【0233】また、各画素部周辺に図25(C)のよう
にブラックマスク部(クロム、二酸化クロム等)140
を形成すれば、光漏れ(クロストーク等)を防止し、コ
ントラストの向上が図れる。
【0234】なお、画素表示部に緑色、青色、赤色の3
色発光層を使用する方法、色変換層を使用する方法、白
色発光層にカラーフィルターを使用する方法のいずれで
も、良好なフルカラーのEL表示装置が実現でき、ま
た、各色発光材料である高分子化合物のスピンコーティ
ング法、又は金属錯体の真空加熱蒸着法においても、長
寿命、高精度、高品質、高信頼性のフルカラー有機EL
部を生産性良く作成できるので、コストダウンが可能と
なる(以下、同様)。
【0235】従来のこの種の有機ELは、アモルファス
又は微結晶シリコンMOSTFTを用いているので、V
thが変動しても電流値が変わり易く、画質に変動が起き
易い。しかも、移動度が小さいため、高速応答でドライ
ブできる電流にも限界があり、またpチャンネルの形成
が困難であり、小規模なCMOS回路構成さえも困難で
ある。そこで、比較的大面積化が容易であって高信頼性
でキャリア移動度も高く、CMOS回路構成も可能な多
結晶性シリコンMOSTFTを用いることが望ましい
が、従来の多結晶シリコン膜は、1)アモルファスシリ
コン膜を300〜400℃のプラズマCVD法で成膜
し、エキシマレーザーアニールして多結晶シリコン膜化
する。2)アモルファスシリコン膜を430〜500℃
のLPCVD法で成膜し、窒素ガス中で600℃/5〜
20hrと850℃/0.5〜3hrで固相成長させて
多結晶シリコン膜化する。
【0236】しかし、1)は、高価なエキシマレーザー
装置の採用、エキシマレーザーの不安定性起因のTFT
特性むらと品質問題、生産性低下等によるコストアップ
となる。2)は、600℃以上、15〜20hrsの長
時間の熱処理のために、汎用ガラス基板を使用できず、
石英ガラス採用となるので、コストアップとなる。ま
た、フルカラー有機EL層では、その微細加工プロセス
において、電極の酸化や有機EL材料が酸素、水分にさ
らされたり、加熱で構造変化(溶解あるいは再結晶化)
して劣化しやすいので、各色発光領域を高精度に形成す
るのが難しい。
【0237】次に、本実施の形態による有機EL素子の
製造プロセスを説明すると、まず、図26の(1)に示
すように、上述した工程を経て多結晶性シリコン薄膜か
らなるソース領域120、チャンネル領域117及びド
レイン領域121を形成した後、ゲート絶縁膜118を
形成し、この上にMOSTFT1、2のゲート電極11
5をMo−Ta合金等のスパッタリング成膜とフォトリ
ソグラフィ及びエッチング技術により形成し、またMO
STFT1のゲート電極に接続されるゲートラインをス
パッタリング成膜とフォトリソグラフィ及びエッチング
技術により(以下、同様)形成する。そして、オーバー
コート膜(酸化シリコン等)137を触媒CVD等の気
相成長法により(以下、同様)形成後、1000℃、1
0〜30秒等のRTA処理によりイオン活性化する。そ
して、MOSTFT2のソース電極127及びアースラ
インを形成し、更にオーバーコート膜(酸化シリコン/
窒化シリコン積層膜など)136を形成する。
【0238】次いで、図26の(2)に示すように、M
OSTFT1のソース/ドレイン部、MOSTFT2の
ゲート部の窓開けを行った後、図26の(3)に示すよ
うに、1%Si入りAlのスパッタリングと汎用フォト
リソグラフィ及びエッチング技術によりMOSTFT1
のドレイン電極とMOSTFT2のゲート電極を1%S
i入りAl配線128で接続し、同時にMOSTFT1
のソース電極と、この電極に接続される1%Si入りA
lからなるソースラインを形成する。そして、オーバー
コート膜(酸化シリコン/フォスフィンシリケートガラ
ス/窒化シリコン積層膜など)130を形成し、MOS
TFT2のドレイン部の窓開けを行い、MOSTFT2
のドレイン部と接続した発光部の陰極138を形成す
る。
【0239】次いで、図26の(4)に示すように、有
機発光層132等及び陽極134、135を形成する。
【0240】なお、上記において、緑色(G)発光有機
EL層、青色(B)発光有機EL層、赤色(R)発光有
機EL層はそれぞれ、100〜200nm厚に形成する
が、これらの有機EL層は、低分子化合物の場合は真空
加熱蒸着法で形成され、高分子化合物の場合はディッピ
ングコーティング、スピンコーティングなどの塗布法や
インクジェット法によりR、G、B発光ポリマーを配列
する方法が用いられる。金属錯体の場合は、昇華可能な
材料を真空加熱蒸着法で形成される。
【0241】有機EL層には、単層型、二層型、三層型
等があるが、ここでは低分子化合物の三層型の例を示
す。 単層型;陽極/バイポーラー発光層/陰極、 二層型;陽極/ホール輸送層/電子輸送性発光層/陰
極、又は陽極/ホール輸送性発光層/電子輸送層/陰
極、 三層型;陽極/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰
極、又は陽極/ホール輸送性発光層/キャリアブロック
層/電子輸送性発光層/陰極
【0242】なお、図25(B)の素子において、有機
発光層の代わりに公知の発光ポリマーを用いれば、パッ
シブマトリクス又はアクティブマトリクス駆動の発光ポ
リマー表示装置(LEPD)として構成することができ
る(以下、同様)。
【0243】<有機EL素子の構造例II>図27
(A)、(B)に示すように、この構造例IIによれば、
ガラス等の基板111上に、上記の構造例Iと同様に、
本発明に基づいて上述した方法で形成された高結晶化
率、大粒径の多結晶性シリコン薄膜によって、スイッチ
ング用MOSTFT1と電流駆動用MOSTFT2のゲ
ートチャンネル117、ソース領域120及びドレイン
領域121が形成されている。そして、ゲート絶縁膜1
18上にゲート電極115、ソース及びドレイン領域上
にソース電極127及びドレイン電極128、131が
形成されている。MOSTFT1のドレインとMOST
FT2のゲートとはドレイン電極128を介して接続さ
れていると共に、MOSTFT2のドレイン電極131
との間に絶縁膜136を介してキャパシタCが形成さ
れ、かつ、MOSTFT2のソース電極127は有機E
L素子の陽極144にまで延設されている。
【0244】各MOSTFTは絶縁膜130で覆われ、
この絶縁膜上には陽極を覆うように有機EL素子の例え
ば緑色有機発光層132(又は青色有機発光層133、
更には図示しない赤色有機発光層)が形成され、この有
機発光層を覆うように陰極(1層目)141が形成さ
れ、更に共通の陰極(2層目)142が全面に形成され
ている。
【0245】この構造の有機EL表示部は、有機EL発
光層が電流駆動用MOSTFT2のソースに接続され、
ガラス等の基板111の面に被着された陽極144を覆
うように有機EL発光層を形成し、その有機EL発光層
を覆うように陰極141を形成し、全面に陰極142を
形成しており、従って、下面発光136’となる。ま
た、陰極が有機EL発光層間及びMOSTFT上を覆っ
ている。即ち、全面に、例えば緑色発光有機EL層を真
空加熱蒸着法等により形成した後に、緑色発光有機EL
部をフォトリソグラフィ及びドライエッチングで形成
し、連続して同様に、青色、赤色発光有機EL部を形成
し、最後に全面に陰極(電子注入層)141をマグネシ
ウム:銀合金又はアルミニウム:リチウム合金により形
成する。この全面に更に形成した陰極(電子注入層)で
密封するので、外部から有機EL層間に湿気が侵入する
ことを特に全面被着の陰極142により防止して湿気に
弱い有機EL層の劣化や電極の酸化を防止し、長寿命、
高品質、高信頼性が可能となる(これは、図25の構造
例Iでも陽極で全面被覆されているため、同様であ
る)。また、陰極141及び142により放熱効果が高
まるので、発熱による薄膜の構造変化(融解又は再結晶
化)が低減し、長寿命、高品質、高信頼性が可能とな
る。しかも、これによって、高精度、高品質のフルカラ
ーの有機EL層を生産性良く作成できるので、コストダ
ウンが可能となる。
【0246】また、各画素部周辺に図27(C)のよう
にブラックマスク部(クロム、二酸化クロム等)140
を形成すれば、光漏れ(クロストーク等)を防止し、コ
ントラストの向上が図れる。なお、このブラックマスク
部140は、酸化シリコン膜143(これはゲート絶縁
膜118と同時に同一材料で形成してよい。)によって
覆われている。
【0247】次に、この有機EL素子の製造プロセスを
説明すると、まず、図28の(1)に示すように、上述
した工程を経て高結晶化率で大粒径の多結晶性シリコン
薄膜からなるソース領域120、チャンネル領域117
及びドレイン領域121を形成した後、バイアス触媒C
VD等の気相成長法によりゲート絶縁膜118を形成
し、Mo−Ta合金等のスパッタリング成膜及び汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチング技術によりこの上にM
OSTFT1、2のゲート電極115を形成し、またM
o−Ta合金等のスパッタリング成膜及び汎用フォトリ
ソグラフィ及びエッチング技術によりMOSTFT1の
ゲート電極に接続されるゲートラインを形成する。そし
て、バイアス触媒CVD等の気相成長法によりオーバー
コート膜(酸化シリコン等)137を形成後、1000
℃、10〜30秒のRTA処理によりイオン活性化す
る。そして、1%Si入りAlのスパッタリング成膜及
び汎用フォトリソグラフィ及びエッチング技術によりM
OSTFT2のドレイン電極131及びVddラインを形
成し、更にバイアス触媒CVD等の気相成長法によりオ
ーバーコート膜(酸化シリコン/窒化シリコン積層膜
等)136を形成する。
【0248】次いで、図28の(2)に示すように、汎
用フォトリソグラフィ及びエッチング技術によりMOS
TFT1のソース/ドレイン部、MOSTFT2のゲー
ト部の窓開けを行った後、図28の(3)に示すよう
に、1%Si入りAlのスパッタリング成膜及び汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチング技術により、MOST
FT1のドレインとMOSTFT2のゲートを1%Si
入りAl配線128で接続し、同時にMOSTFT1の
ソースに接続される1%Si入りAlからなるソースラ
インを形成する。そして、オーバーコート膜(酸化シリ
コン/フォスフィンシリケートガラス/窒化シリコン積
層膜など)130を形成し、汎用フォトリソグラフィ及
びエッチング技術によりMOSTFT2のソース部の窓
開けを行い、ITO等のスパッタリング及び汎用フォト
リソグラフィ及びエッチング技術によりMOSTFT2
のソース部と接続した発光部の陽極144を形成する。
【0249】次いで、図28の(4)に示すように、上
記のように有機発光層132等及び陰極141、142
を形成する。
【0250】なお、以下に述べる有機ELの各層の構成
材料や形成方法は図27の例に適用されるが、図25の
例にも同様に適用されてよい。
【0251】緑色発光有機EL層に低分子化合物を用い
る場合は、ガラス基板上の陽極(ホール注入層)である
電流駆動用MOSTFTのソース部とコンタクトしたI
TO透明電極上に、連続した真空加熱蒸着法により形成
する。 1)ホール輸送層は、アミン系化合物(例えば、トリア
リールアミン誘導体、アリールアミンオリゴマー、芳香
族第三アミン等)等 2)発光層は、緑色発光材料であるトリス(8−ヒドロ
キシキシリノ)Al錯体(Alq)等 3)電子輸送層は、1,3,4−オキサジアゾール誘導
体(OXD)、1,2,4−トリアゾール誘導体(TA
Z)等 4)陰極である電子注入層は、4eV以下の仕事関数を
有する材料で作られるのが好ましい。 例えば、10:1(原子比)のマグネシウム:銀合金の
10〜30nm厚 アルミニウム:リチウム(濃度は0.5〜1%)合金の
10〜30nm厚 ここで、銀は有機界面との接着性を増すためにマグネシ
ウム中に1〜10原子%添加され、リチウムは安定化の
ためにアルミニウム中に濃度は0.5〜1%添加され
る。
【0252】緑色画素部を形成するには、緑色画素部を
フォトレジストでマスクし、CCl 4ガスのプラズマエ
ッチングにより陰極である電子注入層のアルミニウム:
リチウム合金を除去し、連続して電子輸送層、発光層、
ホール輸送層の低分子系化合物及びフォトレジストを酸
素プラズマエッチングで除去し、緑色画素部を形成す
る。この時に、フォトレジストの下にはアルミニウム:
リチウム合金があるので、フォトレジストがエッチング
されても問題ない。又、この時に、電子輸送層、発光
層、ホール輸送層の低分子系化合物層は、ホール注入層
のITO透明電極よりも大きい面積とし、後工程で全面
に形成する陰極142の電子注入層(マグネシウム:銀
合金等)と電気的ショートしないようにする。
【0253】次に、青色発光有機EL層を低分子化合物
で形成する場合は、ガラス基板上の陽極(ホール注入
層)である電流駆動用TFTのソース部とコンタクトし
たITO透明電極上に、連続して真空加熱蒸着により形
成する。 1)ホール輸送層は、アミン系化合物(例えば、トリア
リールアミン誘導体、アリールアミンオリゴマー、芳香
族第三アミン等)等 2)発光層は、青色発光材料であるDTVBiのような
ジスチリル誘導体等 3)電子輸送層は、1,3,4−オキサジアゾール誘導
体(TAZ)、1,2,4−トリアゾール誘導体(TA
Z)等 4)陰極である電子注入層は、4eV以下の仕事関数を
有する材料で作られるのが好ましい。 例えば、10:1(原子比)のマグネシウム:銀合金の
10〜30nm厚 アルミニウム:リチウム(濃度は0.5〜1%)合金の
10〜30nm厚 ここで、銀は有機界面との接着性を増すためにマグネシ
ウム中に1〜10原子%添加され、リチウムは安定化の
ためにアルミニウム中に濃度は0.5〜1%添加され
る。
【0254】青色画素部を形成するには、青色画素部を
フォトレジストでマスクし、CCl 4ガスのプラズマエ
ッチングで陰極である電子注入層のアルミニウム:リチ
ウム合金を除去し、連続して電子輸送層、発光層、ホー
ル輸送層の低分子系化合物及びフォトレジストを酸素プ
ラズマエッチングで除去し、青色画素部を形成する。こ
の時に、フォトレジストの下にはアルミニウム:リチウ
ム合金があるので、フォトレジストがエッチングされて
も問題ない。又、この時に、電子輸送層、発光層、ホー
ル輸送層の低分子系化合物層は、ホール注入層のITO
透明電極よりも大きい面積とし、後工程で全面に形成す
る陰極142の電子注入層(マグネシウム:銀合金等)
と電気的ショートしないようにする。
【0255】また、赤色発光有機EL層を低分子化合物
で形成する場合は、ガラス基板上の陽極(ホール注入
層)である電流駆動用TFTのソース部とコンタクトし
たITO透明電極上に、連続して真空加熱蒸着により形
成する。 1)ホール輸送層は、アミン系化合物(例えば、トリア
リールアミン誘導体、アリールアミンオリゴマー、芳香
族第三アミン等)等 2)発光層は、赤色発光材料であるEu(Eu(DBM)
3(Phen))等 3)電子輸送層は、1,3,4−オキサジアゾール誘導
体(OXD)、1,2,4−トリアゾール誘導体(TA
Z)等 4)陰極である電子注入層は、4eV以下の仕事関数を
有する材料で作られるのが好ましい。 例えば、10:1(原子比)のマグネシウム:銀合金の
10〜30nm厚 アルミニウム:リチウム(濃度は0.5〜1%)合金の
10〜30nm厚 銀は有機界面との接着性を増すためにマグネシウム中に
1〜10原子%添加され、リチウムは安定化のためにア
ルミニウム中に濃度は0.5〜1%添加される。
【0256】赤色画素部を形成するには、赤色画素部を
フォトレジストでマスクし、CCl 4ガスのプラズマエ
ッチングで陰極である電子注入層のアルミニウム:リチ
ウム合金を除去し、連続して電子輸送層、発光層、ホー
ル輸送層の低分子系化合物及びフォトレジストを酸素プ
ラズマエッチングで除去し、赤色画素部を形成する。こ
の時に、フォトレジストの下にはアルミニウム:リチウ
ム合金があるので、フォトレジストがエッチングされて
も問題ない。又、この時に、電子輸送層、発光層、ホー
ル輸送層の低分子系化合物層は、ホール注入層のITO
透明電極よりも大きい面積とし、後工程で全面に形成す
る陰極142の電子注入層(マグネシウム:銀合金等)
と電気的ショートしないようにする。この後に、共通の
陰極142の電子注入層(マグネシウム:銀合金等)を
全面に形成する。
【0257】陰極である電子注入層は、4eV以下の仕
事関数を有する材料で作られるのが好ましい。例えば、
10:1(原子比)のマグネシウム:銀合金の10〜3
0nm厚、又はアルミニウム:リチウム(濃度は0.5
〜1%)合金の10〜30nm厚とする。ここで、銀は
有機界面との接着性を増すためにマグネシウム中に1〜
10原子%添加され、リチウムは安定化のためにアルミ
ニウム中に濃度は0.5〜1%添加される。なお、スパ
ッタリングで成膜してもよい。
【0258】第4の実施の形態 本実施の形態は、本発明を電界放出型(フィールドエミ
ッション)ディスプレイ装置(FED:Field Emission
Display)に適用したものである。以下にその構造例と
製造例を示す。
【0259】<FEDの構造例I>図29(A)、
(B)、(C)に示すように、この構造例Iによれば、
ガラス等の基板111上に、本発明に基づいて上述した
方法で段差内に形成された高結晶化率、大粒径の多結晶
性シリコン薄膜によって、スイッチング用MOSTFT
1と電流駆動用MOSTFT2のゲートチャンネル11
7、ソース領域120及びドレイン領域121が形成さ
れている。そして、ゲート絶縁膜118上にゲート電極
115、ソース及びドレイン領域上にソース電極127
及びドレイン電極128が形成されている。MOSTF
T1のドレインとMOSTFT2のゲートとはドレイン
電極128を介して接続されていると共に、MOSTF
T2のソース電極127との間に絶縁膜136を介して
キャパシタCが形成され、かつ、MOSTFT2のドレ
イン領域121はそのままFED素子のFEC(電界放
出カソード)にまで延設され、エミッタ領域152とし
て機能している。
【0260】各MOSTFTは絶縁膜130で覆われ、
この絶縁膜上には、FECのゲート引き出し電極150
と同一材料にて同一工程で接地用の金属遮蔽膜151が
形成され、各MOSTFT上を覆っている。FECにお
いては、多結晶性シリコン薄膜からなるエミッタ領域1
52上に電界放出エミッタとなるn型多結晶性シリコン
膜153が形成され、更にm×n個の各エミッタに区画
するための開口を有するように、絶縁膜118、13
7、136及び130がパターニングされ、この上面に
はゲート引き出し電極150が被着されている。
【0261】また、このFECに対向して、バックメタ
ル155付きの蛍光体156をアノードとして形成した
ガラス基板等の基板157が設けられており、FECと
の間は高真空に保持されている。
【0262】この構造のFECにおいては、ゲート引き
出し電極150の開口下には、本発明に基づいて形成さ
れた多結晶性シリコン薄膜152上に成長されたn型多
結晶性シリコン膜153が露出し、これがそれぞれ電子
154を放出する薄膜型のエミッタとして機能する。即
ち、エミッタの下地となる多結晶性シリコン薄膜152
は、大粒径(グレインサイズ数100nm以上)のグレ
インからなっているため、これをシードとしてその上に
n型多結晶性シリコン膜153をバイアス触媒CVD等
によって成長させると、この多結晶性シリコン膜153
はさらに大きな粒径で成長し、表面が電子放出にとって
有利な微細な凹凸158を生じるように形成されるので
ある。尚、この時に、多結晶性ダイヤモンド膜、窒素含
有又は非含有の炭素薄膜、窒素含有又は非含有の炭素薄
膜表面に多数の微細突起構造(例えばカーボンナノチュ
ーブ)を有する電子放出体(エミッタ)としてもよい。
【0263】従って、エミッタが薄膜からなる面放出型
であるために、その形成が容易であると共に、エミッタ
性能も安定し、長寿命化が可能となる。
【0264】また、すべての能動素子(これには周辺駆
動回路及び画素表示部のMOSTFTとダイオードが含
まれる。)の上部にアース電位の金属遮蔽膜151(こ
の金属遮蔽膜は、ゲート引き出し電極150と同じ材料
(Nb、Ti/Mo等)、同じ工程で形成すると工程上
都合がよい。)が形成されているので、次の(1)、
(2)の利点を得ることができる。
【0265】(1)気密容器内にあるガスがエミッタ1
53から放出された電子により正イオン化されて絶縁層
上にチャージアップし、この正電荷が絶縁層下にあるM
OSTFTに不要な反転層を形成し、この反転層からな
る不要な電流経路を介して余分な電流が流れるために、
エミッタ電流の暴走が起きる。しかし、MOSTFT上
の絶縁層に金属遮蔽膜151を形成してアース電位に落
としているので、チャージアップ防止が可能となり、エ
ミッタ電流の暴走を防止できる。
【0266】(2)エミッタ153から放出された電子
の衝突により蛍光体156が発光するが、この光により
MOSTFTのゲートチャンネル内に電子、正孔が発生
し、リーク電流となる。しかし、MOSTFT上の絶縁
層に金属遮蔽膜151が形成されているので、MOST
FTへの光入射が防止され、MOSTFTの動作不良は
生じない。
【0267】また、バイアス触媒CVD等により、少な
くとも多結晶性シリコンMOSTFTのドレイン領域に
連続してn型多結晶性シリコン膜等の電子放出体(エミ
ッタ)が形成されているので、その接合性が良好であ
り、高効率のエミッタ特性が可能となる。
【0268】また、1つの画素表示部の電子放出体(エ
ミッタ)領域を複数に分割し、それぞれにスイッチング
素子のMOSTFTを接続すれば、たとえ1つのMOS
TFTが故障しても、他のMOSTFTが動作するの
で、1つの画素表示部は必ず電子放出する構成となって
おり、高品質で歩留が高く、コストダウンできる。又、
これらのMOSTFTにおいて、電気的オープン不良の
MOSTFTは問題ないが、電気的ショートしたMOS
TFTはレーザーリペアで分離できるので、高品質で歩
留が高く、コストダウンできる。
【0269】これに比べて、従来のFEDでは、シリコ
ン単結晶基板を用いるために、基板コストが高く、ウエ
ーハサイズ以上の大面積化が困難である。そして、カソ
ード電極表面に減圧CVD等により導電性の多結晶シリ
コン膜を形成し、その表面にプラズマCVD等により結
晶性ダイヤモンド膜を形成して電子放出体を構成するこ
とが提案されているが、減圧CVD時の成膜温度が63
0℃と高く、ガラス基板を採用できないので、コストダ
ウンが難しい。そして、その減圧CVDによる多結晶シ
リコン膜は粒径が小さく、その上の結晶性ダイヤモンド
膜も粒径が小さく、電子放出体の特性が良くない。更
に、プラズマCVDのために、反応エネルギーが不足し
ているので、良い結晶性ダイヤモンド膜は得にくい。
又、透明電極又はAl、Ti、Cr等の金属のカソード
電極と導電性の多結晶シリコン膜の接合性が悪いので、
良好な電子放出特性は得られない。
【0270】次に、本実施の形態によるFEDの製造プ
ロセスを説明すると、まず、図30の(1)に示すよう
に、上述した工程を経て全面に多結晶性シリコン薄膜1
17を形成した後、汎用フォトリソグラフィ及びエッチ
ング技術によりMOSTFT1とMOSTFT2及びエ
ミッタ領域にアイランド化し、プラズマCVD、触媒C
VD法等により全面に保護用酸化シリコン膜159を形
成する。
【0271】次いで、MOSTFT1、2のゲートチャ
ンネル不純物濃度の制御によるVthの最適化のために、
イオン注入又はイオンドーピング法により全面にボロン
イオン83を5×1011atoms/cm2のドーズ量
でドーピングし、1×1017atoms/ccのアクセ
プタ濃度に設定する。
【0272】次いで、図30の(2)に示すように、フ
ォトレジスト82をマスクにして、イオン注入又はイオ
ンドーピング法によりMOSTFT1、2のソース/ド
レイン部及びエミッタ領域に燐イオン79を1×1015
atoms/cm2のドーズ量でドーピングし、2×1
20atoms/ccのドナー濃度に設定し、ソース領
域120、ドレイン領域121、エミッタ領域152を
それぞれ形成した後、汎用フォトリソグラフィ及びエッ
チング技術によりエミッタ領域の保護用酸化シリコン膜
を除去する。
【0273】次いで、図30の(3)に示すように、バ
イアス又は非バイアス触媒CVDによりエミッタ領域を
形成する多結晶性シリコン薄膜152をシードに、モノ
シランとPH3等のドーパントを適量比率で混合し、表
面に微細凹凸158を有し、ドーパントを例えば5×1
20〜1×1021atoms/cc含有するn型多結晶
性シリコン膜153を1〜5μm厚にエミッタ領域に形
成し、同時に他の酸化シリコン膜159及びガラス基板
111上にはn型アモルファスシリコン膜160を1〜
5μm厚に形成する。
【0274】次いで、図30の(4)に示すように、上
述したバイアス触媒AHA処理時の水素系活性種などの
作用により、アモルファスシリコン膜160を選択的に
エッチング除去し、酸化シリコン膜159のエッチング
除去後に触媒CVD等によりゲート絶縁膜(酸化シリコ
ン膜等)118を形成する。
【0275】次いで、図30の(5)に示すように、ス
パッタリング法によるMo−Ta合金等の耐熱性金属に
よりMOSTFT1、2のゲート電極115、MOST
FT1のゲート電極に接続されるゲートラインを形成
し、オーバーコート膜(酸化シリコン膜等)137を形
成した後、1000℃、10〜20秒のRTA処理等で
イオン活性化を行う。その後に、MOSTFT2のソー
ス部窓開け後にスパッタリング法によるMo−Ta合金
等の耐熱性金属でMOSTFT2のソース電極127及
びアースラインを形成する。更に、プラズマCVD、触
媒CVD等によりオーバーコート膜(酸化シリコン/窒
化シリコン積層膜等)136を形成する。
【0276】次いで、図31の(6)に示すように、M
OSTFT1のソース/ドレイン部及びMOSTFT2
のゲート部の窓開けを行い、MOSTFT1のドレイン
とMOSTFT2のゲートを1%Si入りAl配線12
8で接続し、同時にMOSTFT1のソース電極とその
ソースに接続されるソースライン127を形成する。
【0277】次いで、図31の(7)に示すように、オ
ーバーコート膜(酸化シリコン/フォスフィンシリケー
トガラス/窒化シリコン積層膜など)130を形成した
後、GNDラインの窓開けし、図27の(8)に示すよ
うに、ゲート引き出し電極150や金属遮蔽膜151を
Nb蒸着後のエッチングで形成し、更に電界放出カソー
ド部を窓開けしてエミッタ153を露出させ、上述した
バイアス触媒AHA処理での水素系活性種等でクリーニ
ングすると同時に、水素系活性種等の選択的エッチング
作用により微細な凹凸を顕著化させる。
【0278】<FEDの構造例II>図32(A)、
(B)、(C)に示すように、この構造例IIによれば、
ガラス等の基板111上に、上記の構造例Iと同様に、
本発明に基づいて上述した方法で段差内に形成された高
結晶化率、大粒径の多結晶性シリコン薄膜によって、ス
イッチング用MOSTFT1と電流駆動用MOSTFT
2のゲートチャンネル117、ソース領域120及びド
レイン領域121が形成されている。そして、ゲート絶
縁膜118上にゲート電極115、ソース及びドレイン
領域上にソース電極127及びドレイン電極128が形
成されている。MOSTFT1のドレインとMOSTF
T2のゲートとはドレイン電極128を介して接続され
ていると共に、MOSTFT2のソース電極127との
間に絶縁膜136を介してキャパシタCが形成され、か
つ、MOSTFT2のドレイン領域121はそのままF
ED素子のFEC(電界放出カソード)にまで延設さ
れ、エミッタ領域152として機能している。
【0279】各MOSTFTは絶縁膜130で覆われ、
この絶縁膜上には、FECのゲート引き出し電極150
と同一材料にて同一工程で接地用の金属遮蔽膜151が
形成され、各MOSTFT上を覆っている。FECにお
いては、多結晶性シリコン薄膜からなるエミッタ領域1
52上に電界放出エミッタとなるn型多結晶性ダイヤモ
ンド膜163が形成され、更にm×n個の各エミッタに
区画するための開口を有するように、絶縁膜118、1
37、136及び130がパターニングされ、この上面
にはゲート引き出し電極150が被着されている。
【0280】また、このFECに対向して、バックメタ
ル155付きの蛍光体156をアノードとして形成した
ガラス基板等の基板157が設けられており、FECと
の間は高真空に保持されている。
【0281】この構造のFECは、ゲート引き出し電極
150の開口下には、本発明に基づいて形成された多結
晶性シリコン薄膜152上に成長されたn型多結晶ダイ
ヤモンド膜163が露出し、これがそれぞれ電子154
を放出する薄膜型のエミッタとして機能する。即ち、エ
ミッタの下地となる多結晶性シリコン膜152は、大粒
径(グレインサイズ数100nm以上)のグレインから
なっているため、これをシードとしてその上にn型多結
晶性ダイヤモンド膜163を触媒CVD等によって成長
させると、この多結晶性ダイヤモンド膜163はやはり
大粒径で成長し、表面が電子放出にとって有利な微細な
凹凸168を生じるように形成されるのである。尚、こ
の時に、窒素含有又は非含有の炭素薄膜、窒素含有又は
非含有の炭素薄膜表面に多数の微細突起構造(例えばカ
ーボンナノチューブ)を有する電子放出体(エミッタ)
としてもよい。
【0282】従って、エミッタが薄膜からなる面放出型
であるために、その形成が容易であると共に、エミッタ
性能も安定し、長寿命化が可能となる。
【0283】また、すべての能動素子(これには周辺駆
動回路及び画素表示部のMOSTFTとダイオードが含
まれる。)の上部にアース電位の金属遮蔽膜151(こ
の金属遮蔽膜は、ゲート引き出し電極150と同じ材料
(Nb、Ti/Mo等)、同じ工程で形成すると工程上
都合がよい。)が形成されているので、上述したと同様
に、MOSTFT上の絶縁層に金属遮蔽膜151を形成
してアース電位に落とし、チャージアップ防止が可能と
なり、エミッタ電流の暴走を防止でき、また、MOST
FT上の絶縁層に金属遮蔽膜151が形成されているの
で、MOSTFTへの光入射が防止され、MOSTFT
の動作不良は生じない。
【0284】次に、このFEDの製造プロセスを説明す
ると、まず、図33の(1)に示すように、上述した工
程を経て全面に多結晶性シリコン薄膜117を形成した
後、汎用フォトリソグラフィ及びエッチング技術により
MOSTFT1とMOSTFT2及びエミッタ領域にア
イランド化し、プラズマCVD、触媒CVD法等により
全面に保護用酸化シリコン膜159を形成する。
【0285】次いで、MOSTFT1、2のゲートチャ
ンネル不純物濃度の制御によるVthの最適化のために、
イオン注入又はイオンドーピング法により全面にボロン
イオン83を5×1011atoms/cm2のドーズ量
でドーピングし、1×1017atoms/ccのアクセ
プタ濃度に設定する。
【0286】次いで、図33の(2)に示すように、フ
ォトレジスト82をマスクにして、イオン注入又はイオ
ンドーピング法によりMOSTFT1、2のソース/ド
レイン部及びエミッタ領域に燐イオン79を1×1015
atoms/cm2のドーズ量でドーピングし、2×1
20atoms/ccのドナー濃度に設定し、ソース領
域120、ドレイン領域121、エミッタ領域152を
それぞれ形成した後、汎用フォトリソグラフィ及びエッ
チング技術によりエミッタ領域の保護用酸化シリコン膜
を除去する。
【0287】次いで、図33の(3)に示すように、バ
イアス又は非バイアス触媒CVDによりエミッタ領域を
形成する多結晶性シリコン薄膜152をシードに、モノ
シランとメタン(CH4)及びドーパントを適量比率混
合し、表面に微細凹凸168を有するn型多結晶性ダイ
ヤモンド膜163をエミッタ領域に形成し、同時に他の
酸化シリコン膜159及びガラス基板111上にはn型
アモルファスダイヤモンド膜170を形成する。
【0288】次いで、図33の(4)に示すように、上
述したバイアス触媒AHA処理時の水素系活性種等の作
用により、アモルファスダイヤモンド膜170を選択的
にエッチング除去し、酸化シリコン膜159のエッチン
グ除去後に触媒CVD等によりゲート絶縁膜(酸化シリ
コン膜等)118を形成する。
【0289】次いで、図34の(5)に示すように、ス
パッタリング法によるMo−Ta合金等の耐熱性金属に
よりMOSTFT1、2のゲート電極115、MOST
FT1のゲート電極に接続されるゲートラインを形成
し、オーバーコート膜(酸化シリコン膜等)137を形
成した後、RTA等の1000℃、10〜20秒のイオ
ン活性化処理を行う。この後に、MOSTFT2のソー
ス部窓開け後にスパッタリング法によるMo−Ta合金
等の耐熱性金属でMOSTFT2のソース電極127及
びアースラインを形成する。更に、プラズマCVD、触
媒CVD等によりオーバーコート膜(酸化シリコン/窒
化シリコン積層膜など)136を形成する。
【0290】次いで、図34の(6)に示すように、M
OSTFT1のソース/ドレイン部及びMOSTFT2
のゲート部の窓開けを行い、MOSTFT1のドレイン
とMOSTFT2のゲートを1%Si入りAl配線12
8で接続し、同時にMOSTFT1のソース電極とその
ソースに接続されるソースライン127を形成する。
【0291】次いで、図34の(7)に示すように、オ
ーバーコート膜(酸化シリコン/フォスフィンシリケー
トガラス/窒化シリコン積層膜など)130を形成した
後、GNDラインの窓開けし、図34の(8)に示すよ
うに、ゲート引き出し電極150や金属遮蔽膜151を
Nb蒸着後のエッチングで形成し、更に電界放出カソー
ド部を窓開けしてエミッタ163を露出させ、上述した
バイアス触媒AHA処理での水素系活性種でクリーニン
グすると同時に、水素系活性種等の選択的エッチング作
用により微細な凹凸を顕著化させる。
【0292】なお、上記において、多結晶性ダイヤモン
ド膜163を成膜する際、使用する原料ガスとしての炭
素含有化合物は、例えば 1)メタン、エタン、プロパン、ブタン等のパラフィン
系炭化水素 2)アセチレン、アリレン系のアセチレン系炭化水素 3)エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン系
炭化水素 4)ブタジエン等のジオレフィン系炭化水素 5)シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、
シクロヘキサン等の脂環式炭化水素 6)シクロブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ナフタリン等の芳香族炭化水素 7)アセトン、ジエチルケトン、ベンゾフェノン等のケ
トン類 8)メタノール、エタノール等のアルコール類 9)トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類 10)グラファイト、石炭、コークス等の炭素原子のみ
からなる物質 であってよく、これらは、1種を単独で用いることもで
きるし、2種以上を併用することもできる。
【0293】また、使用可能な不活性ガスは、例えばア
ルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、ラ
ドンである。ドーパントとしては、例えばホウ素、リチ
ウム、窒素、リン、硫黄、塩素、ひ素、セレン、ベリリ
ウム等を含む化合物又は単体が使用可能であり、そのド
ーピング量は1016atoms/cc以上であってよ
い。
【0294】第5の実施の形態 本実施の形態は、本発明を光電変換装置としての太陽電
池に適用したものである。以下にその製造例を示す。
【0295】まず、図35の(1)に示すように、ステ
ンレス等の金属基板111上に、所定の形状/寸法の段
差を有する凹部を形成し、シリコン又は/及びカーボン
超微粒子を付着させて、上述したバイアス触媒AHA処
理、バイアス触媒CVD法等によって、シリコン又は/
及びダイヤモンド構造のカーボンの超微粒子層をシード
にn型多結晶性シリコン膜7を凹部内に形成する。この
多結晶性シリコン膜7は、上述のマルチバイアス触媒A
HA処理により形成してよく、高結晶化率、大粒径の錫
又は他のIV族元素(Ge、Pb)の単独又は混合物含有
のn型多結晶性シリコン膜として100〜200nm厚
に形成する。この多結晶性シリコン膜7には、リン等の
n型不純物をPH3等としてモノシランと共に供給して
例えば1×1017〜1×1018atoms/cc含有さ
せる。
【0296】次いで、図35の(2)に示すように、多
結晶性シリコン膜7上に、これをシードにしてバイアス
触媒CVD等により錫又は他のIV族元素(Ge、Pb)
の単独又は混合物含有のi型多結晶性シリコン膜18
0、錫又は他のIV族元素(Ge、Pb)の単独又は混合
物含有のp型多結晶性シリコン膜181等を成長させ、
光電変換層を形成する。
【0297】例えば、バイアス触媒CVDにより、モノ
シランに水素化錫(SnH4)を適量比率で混合してi
型の大粒径の錫含有多結晶性シリコン膜180を2〜5
μm厚に成長させ、この上に、モノシランにp型不純物
ボロン(B26など)と水素化錫(SnH4)を適量比
率混合して、例えば1×1017〜1×1018atoms
/cc含有させたp型の大粒径の錫含有多結晶性シリコ
ン膜181を100〜200nm厚に形成する。この時
にそれぞれの膜中に錫又は他のIV族元素(Ge、Pb)
の単独又は混合物、例えば錫を1×1016atoms/
cc以上、好ましくは1×1018〜1×1020atom
s/cc含有させることにより、結晶粒界に存在する結
晶不整及び応力を低減させるので、キャリア移動度向上
を図ることができる(これは、n型又はp型多結晶性シ
リコン膜7、181を形成する場合も同様である)。
【0298】また、上述したマルチバイアス触媒AHA
処理を行ってよい。例えば、バイアス触媒CVDでn型
又はp型の錫含有多結晶性シリコン薄膜を20〜50n
m厚に成長させた後、バイアス触媒AHA処理を行い、
バイアス触媒CVDでn型又はp型の錫含有多結晶性シ
リコン薄膜を20〜50nm厚に成長させ、バイアス触
媒AHA処理後、更にバイアス触媒CVDでn型又はp
型の錫含有多結晶性シリコン薄膜を20〜50nmに成
長させた後、バイアス触媒AHA処理を行うように、各
処理を必要回数繰り返す方法で成膜してもよい(これは
i型多結晶性シリコン膜180の場合も同様である)。
この方法によって、より高結晶化率でより大きい粒径の
錫含有多結晶性シリコン膜を形成できる。また、成膜途
中で原料ガス供給量を増加して、高速成膜としてもよ
い。
【0299】次いで、図35の(3)に示すように、上
記の方法で形成したn−i−p接合の高結晶化率で大粒
径の錫含有多結晶性シリコン膜の全面に、透明電極18
2を形成する。例えば、汎用スパッタリング技術によ
り、無反射コート用の130〜150nm厚のITO
(Indium Tin Oxide)又はIZO(Indium Zinc Oxid
e)膜等の透明電極182を形成する。そして、この上
に、汎用スパッタリング技術により、メタルマスクを用
いて、所定領域に銀等のくし型電極183を100〜1
50nm厚に形成する。
【0300】なお、上記の膜は錫又は他のIV族元素を必
ずしも含有していなくてもよいが、この場合も上記と同
様に製造することができる。また、上記のn−i−p接
合構造以外にも、p−i−n接合、p−n接合、n−p
接合等の構造も同様に作製することができる。
【0301】本実施の形態による太陽電池は、本発明に
基づく高結晶化率で大粒径の多結晶性シリコン膜によっ
て、高キャリア移動度で変換効率の大きい光電変換薄膜
を形成でき、良好な表面テクスチャ構造と裏面テクスチ
ャ構造が形成されるので、光封じ込め効果が高く、変換
効率の大きい光電変換薄膜を形成できる。これはまた、
太陽電池に限らず、電子写真用の感光体ドラム等の薄膜
光電変換装置にも有利に利用することができる。
【0302】これに比べて、従来のこの種の光電変換装
置では、RFプラズマCVD、VHFプラズマCVD等
によりアモルファスカーボン薄膜を形成し、プラズマ水
素処理でカーボン超微粒子を形成してこれを多結晶シリ
コン結晶成長の核として大粒径多結晶シリコン膜を形成
しており、n型多結晶シリコン層とi型多結晶シリコン
活性層及びp型多結晶シリコン層を連続成膜し、その全
面にITO膜を積層し、最後にくし型電極を形成して、
2μm厚程度の薄膜多結晶性シリコン太陽電池を得てい
る。
【0303】ところが、この従来法では、次のような欠
点を回避できない。 1)RFプラズマCVD、VHFプラズマCVD法等に
よる低温形成の結晶質シリコン系薄膜は、そのエネルギ
ーが低いので、原料ガスの化学的分解反応やプラズマ水
素処理が不十分になりやすく、結晶粒径が小さいので、
移動度が小さく、しかも粒界の多さやピンホール等のた
めに局部的な電気的ショート又はリークによる過剰電流
が発生しやすく、光電変換層として必要な数μmの膜厚
に堆積させたときに膜の内部応力や歪が大きくなって、
最悪の場合には膜が剥離してしまうという問題がある。
これによって、光電変換層の製造歩留や信頼性を著しく
低下させ、それを含む光電変換装置の実用化を目指す上
で大きな支障となる。 2)RFプラズマCVD、VHFプラズマCVD等のプ
ラズマCVD法はエネルギーが低いので、原料ガスの利
用効率が5〜10%と低い。このために、生産性が低
く、コストダウンしにくい。
【0304】以上に述べた本発明の実施の形態は、本発
明の技術的思想に基づいて種々変形が可能である。
【0305】例えば、上述したバイアス触媒CVD法と
バイアス触媒AHA処理の繰り返し回数や各条件は種々
変更してよく、用いる基板等の材質も上述したものに限
定されることはない。
【0306】また、本発明は、表示部等の内部回路や周
辺駆動回路及び映像信号処理回路及びメモリー回路等の
MOSTFTに好適なものであるが、それ以外にもダイ
オードなどの素子の能動領域や、抵抗、キャパシタンス
(容量)、配線、インダクタンス等の受動領域を本発明
による多結晶性シリコン薄膜で形成することも可能であ
る。
【0307】
【発明の作用効果】本発明は上述したように、基体上に
多結晶性半導体薄膜を形成するに際し、前記基体上に所
定の形状/寸法の段差を有する凹部を形成し、少なくと
もこの凹部内にシリコン及び/又はカーボンからなる超
微粒子を付着させ、水素又は水素含有ガスを加熱された
触媒体に接触させ、これによって生成した水素系活性種
をグロー放電開始電圧以下の電界又は/及び磁界の作用
下で前記超微粒子に作用させてクリーニングを行い、シ
リコン又は/及びダイヤモンド構造のカーボン超微粒子
をシードにバイアス触媒CVD等により前記半導体材料
薄膜を気相成長させているので、次の(1)〜(7)に
示すような顕著な作用効果が得られる。
【0308】(1)基板の任意の指定場所に適当な形状
及び寸法の段差を有する凹部を形成し、そこにシリコン
パウダー等の超微粒子を付着分散させ、バイアス触媒A
HA処理での水素系活性種の作用により、この超微粒子
のアモルファス成分を選択的にエッチング除去し、更に
この超微粒子の表面の酸化膜及び有機汚れ等を除去でき
るので、この超微粒子を結晶成長の核(シード)として
バイアス又は非バイアス触媒CVD、高密度バイアス触
媒CVD法等により、ばらつきの少ない大きな粒径の多
結晶性シリコン膜等を指定された領域に形成できる。E
CR放電の水素プラズマ処理に比べ、バイアス触媒AH
A処理は強いエネルギーの有効面積が広く(触媒体の大
きさで自由に設定できる。)、そのばらつきが小さいの
で、大面積の基板処理の生産性が高く、また安価なため
に汎用性が高い。
【0309】(2)絶縁性基板の任意の指定場所に高性
能、高品質のTFTを形成でき、その集積回路基板を自
由に形成できる。そして、必要に応じて、絶縁性基板上
のTFT形成領域の適当な寸法及び形状の段差を有する
凹部内に大粒径多結晶性シリコン膜が埋め込まれた面を
研磨して、平坦な大粒径多結晶性シリコン膜面の基板が
得られるので、高性能、高品質の多結晶性シリコン半導
体装置、電気光学装置等の製造が可能となる。
【0310】(3)このバイアス触媒AHA処理は、減
圧下(例えば10〜50Paの水素系キャリアガス)
で、水素を高温の触媒体(融点未満の800〜2000
℃、例えばタングステンでは1500〜2000℃)に
接触させて、大量の高温の水素系活性種(水素系分子、
水素系原子、活性化水素イオン等)を生成し、これを基
板上に形成したシリコン及び/又はカーボン超微粒子に
吹き付けると(但し、基板温度は特に300〜400
℃)、大量の高温の水素系活性種(水素系分子、水素系
原子、活性化水素イオン等)が有する熱エネルギーに加
えて上記電界による加速電界又は/及び磁界での十分な
指向性運動エネルギーにより超微粒子に移動して、その
温度を局部的に上昇させ、水素系活性種の作用により超
微粒子表面の有機物や酸化被膜をエッチングしてクリー
ニング除去し、超微粒子(クラスタ)を確実に安定して
点在させることができ、これを次の多結晶性シリコン等
の結晶成長の核(シード)として有効に働かせることが
できる。
【0311】(4)こうしてバイアス触媒AHA処理さ
れて得られる超微粒子をシードとして、この上に半導体
材料薄膜がグロー放電開始電圧以下の電界又は/及び磁
界の作用下でのバイアス触媒CVD又は高密度バイアス
触媒CVDにより多結晶化され易い状態で(多結晶性半
導体薄膜として)成長し易くなり、特に次のバイアス触
媒AHA処理及びバイアス触媒CVD等により、上記多
結晶性半導体薄膜上に気相成長されたシリコン膜等はこ
の多結晶性半導体薄膜をシードとして結晶化が促進され
るので、目的とする高結晶化率、高品質の多結晶性半導
体薄膜を得ることができる。この結果、トップゲート型
のみならず、ボトムゲート型、デュアルゲート型MOS
TFTでも、高いキャリア(電子/正孔)移動度の高結
晶化率で大粒径の多結晶性シリコン薄膜等が得られるた
めに、この高性能の多結晶性シリコン等の半導体を使用
した高速、高電流密度の半導体薄膜装置、電気光学装
置、更には高効率の太陽電池等の製造が可能となる。
【0312】(5)従来のRF/VHFプラズマCVD
に比べ、バイアス触媒CVDは高いエネルギーで原料ガ
スを効率良く熱分解及び触媒反応させるので、原料ガス
の利用効率が高く、成膜速度が大きいので、生産性が高
く、コストダウンが図れる。
【0313】(6)バイアス触媒CVD及びバイアス触
媒AHA処理は、プラズマの発生なしに行えるので、プ
ラズマによるダメージがなく、またプラズマAHA処理
に比べ、シンプルで安価な装置を実現できる。
【0314】(7)バイアス触媒AHA処理は基体温度
を低温化しても上記水素系活性種のエネルギーが大きい
ために、目的とするシリコン及び/又はダイヤモンド構
造のカーボンの超微粒子が確実に安定して得られること
から、基体温度を特に300〜400℃と低温化して
も、多結晶性半導体薄膜が超微粒子をシードに効率良く
成長し、従って大型で安価な低歪点の絶縁基板(ガラス
基板、耐熱性樹脂基板等)を使用でき、この点でもコス
トダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるMOSTFT
の製造プロセスを工程順に示す断面図である。
【図2】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図3】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図4】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図5】同、製造に用いる触媒CVD及び触媒AHA処
理用の装置の一状態での概略断面図である。
【図6】同、この装置の他の状態での概略断面図であ
る。
【図7】同、この装置をより詳細に示す概略断面図であ
る。
【図8】同、バイアス方式による装置の概略断面図であ
る。
【図9】同、バイアス方式による他の装置の概略断面図
である。
【図10】同、バイアス方式による他の装置の概略断面
図である。
【図11】同、この装置を用いた処理時のガス流量のタ
イミングチャートである。
【図12】同、この装置のガス供給系の概略図である。
【図13】同、この処理により得られた半導体膜のラマ
ンスペクトルを比較して示すグラフである。
【図14】同、半導体薄膜の結晶化率を比較して示すグ
ラフである。
【図15】同、触媒体及びこの支持体の純度による膜中
の重金属濃度を比較して示すグラフである。
【図16】本発明の第2の実施の形態によるLCDの製
造プロセスを工程順に示す断面図である。
【図17】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図18】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図19】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図20】同、LCDの全体の概略レイアウトを示す斜
視図である。
【図21】同、LCDの等価回路図である。
【図22】同、LCDの他の製造プロセスを工程順に示
す断面図である。
【図23】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図24】同、LCDのMOSTFTを各種示す断面図
である。
【図25】本発明の第3の実施の形態による有機EL表
示装置の要部の等価回路図(A)、同要部の拡大断面図
(B)及び同画素周辺部の断面図(C)である。
【図26】同、有機EL表示装置の製造プロセスを工程
順に示す断面図である。
【図27】同、他の有機EL表示装置の要部の等価回路
図(A)、同要部の拡大断面図(B)及び同画素周辺部
の断面図(C)である。
【図28】同、有機EL表示装置の製造プロセスを工程
順に示す断面図である。
【図29】本発明の第4の実施の形態によるFEDの要
部の等価回路図(A)、同要部の拡大断面図(B)及び
同要部の概略平面図(C)である。
【図30】同、FEDの製造プロセスを工程順に示す断
面図である。
【図31】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図32】同、他のFEDの要部の等価回路図(A)、
同要部の拡大断面図(B)及び同要部の平面図(C)で
ある。
【図33】同、FEDの製造プロセスを工程順に示す断
面図である。
【図34】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図35】本発明の第5の実施の形態による太陽電池の
製造プロセスを工程順に示す断面図である。
【符号の説明】
1、61、98、111、157…基板、7、67…多
結晶性シリコン薄膜、14、67、117…チャンネ
ル、15、75、102、105、115…ゲート電
極、8、68、103、104、106、118…ゲー
ト絶縁膜、20、21、80、81、120、121…
+型ソース又はドレイン領域、24、25、84、8
5…p+型ソース又はドレイン領域、27、28、8
6、92、130、136、137…絶縁膜、29、3
0、87、88、89、90、91、93、97、12
7、128、131…電極、40…原料ガス、42…シ
ャワーヘッド、44…成膜室、45…サセプタ、46…
触媒体、47…シャッター、48…触媒体電源、49…
バイアス電源、94、96…配向膜、95…液晶、99
…カラーフィルタ層、100A…シリコン又はカーボン
微粒子、100B…クリーニングされたシリコン又はカ
ーボン微粒子、100’、140…ブラックマスク層、
132、133…有機発光層、134、135、144
…陽極、138、141、142、171…陰極、15
0…ゲート引き出し電極(ゲートライン)、151…遮
蔽膜、152…エミッタ、153…n型多結晶性シリコ
ン膜、155…バックメタル、156…蛍光体、15
8、168…微細凹凸、163…n型多結晶性ダイヤモ
ンド膜、180…i型多結晶性シリコン膜、181…p
型多結晶性シリコン膜、182…透明電極、183…く
し型電極、190…凹部、200、201…電極、20
2、203…磁極(永久磁石)、204…電磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/30 365 G09F 9/30 365Z 5F052 9/35 9/35 5F110 H01J 9/02 H01J 9/02 B 5G435 H01L 21/20 H01L 21/20 21/336 27/08 331E 27/08 331 29/06 601N 29/06 601 29/66 E 29/66 H05B 33/10 29/786 33/12 B H05B 33/10 33/14 A 33/12 33/22 Z 33/14 H01L 29/78 618A 33/22 626C 618B 618G 627A 627G 627F 623Z 612B Fターム(参考) 2H092 HA06 JA24 JA25 JA26 JB58 KA04 KA18 KB04 KB22 MA05 MA07 MA13 MA19 MA27 MA29 NA25 NA29 QA07 3K007 AB04 AB11 AB18 BA06 BB07 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 FA01 GA04 5C094 AA07 AA08 AA31 AA43 AA44 BA03 BA12 BA27 BA32 BA34 BA43 CA19 CA24 DA09 DA13 DB01 DB04 EA04 EA05 EA06 EA10 EB02 ED03 ED11 ED15 FA01 FA02 FB01 FB02 FB12 FB14 FB15 GB10 JA01 JA02 5F045 AA00 AB03 AB40 BB02 BB08 BB14 DP05 EB02 EB03 EE13 EF18 HA16 5F048 AA07 AC04 AC10 BA16 BB01 BC06 BC16 BD04 5F052 AA11 DA02 DA03 DB01 FA01 JA01 JA06 JA07 JA09 JA10 5F110 AA01 AA08 AA16 AA17 AA21 AA28 BB02 BB04 BB05 BB10 CC02 CC08 DD01 DD02 DD03 DD13 DD14 DD21 DD25 EE06 EE09 EE23 EE30 EE44 EE45 FF02 FF03 FF09 FF10 FF23 FF29 FF30 FF32 GG01 GG02 GG03 GG13 GG16 GG25 GG32 GG33 GG34 GG44 GG51 GG52 GG57 GG58 GG60 HJ01 HJ04 HJ12 HJ13 HJ23 HL03 HL06 HL07 HL23 HM15 NN03 NN04 NN23 NN24 NN25 NN35 NN44 NN46 NN54 NN72 NN73 PP22 PP23 PP40 QQ03 QQ09 QQ11 QQ19 QQ24 5G435 AA04 AA16 AA17 BB02 BB05 BB12 BB15 BB16 CC09 CC12 GG12 HH12 HH13 HH14 KK05

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に多結晶性半導体薄膜を形成する
    に際し、 前記基体上に適当な形状/寸法の段差を有する凹部を形
    成する工程と、 少なくとも前記凹部内にシリコン及び/又はカーボンか
    らなる超微粒子を付着させる工程と、 水素又は水素含有ガスを加熱された触媒体に接触させ、
    これによって生成した水素系活性種をグロー放電開始電
    圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で前記超微粒子に
    作用させてクリーニングを行う工程と、 原料ガス及び水素又は水素含有ガスの少なくとも一部を
    加熱された触媒体に接触させて触媒的に分解させ、少な
    くともこれによって生成したラジカル、イオン等の反応
    種をグロー放電開始電圧以下の電界又は/及び磁界の作
    用下で前記超微粒子をシードに結晶成長させて、半導体
    材料薄膜を気相成長させる工程とを経て前記多結晶性半
    導体薄膜を得る、多結晶性半導体薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 基体上に多結晶性半導体薄膜を有する半
    導体装置を製造するに際し、 前記基体上に適当な形状/寸法の段差を有する凹部を形
    成する工程と、 少なくとも前記凹部内にシリコン及び/又はカーボンか
    らなる超微粒子を付着させる工程と、 水素又は水素含有ガスを加熱された触媒体に接触させ、
    これによって生成した水素系活性種をグロー放電開始電
    圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で前記超微粒子に
    作用させてクリーニングを行う工程と、 原料ガス及び水素又は水素含有ガスの少なくとも一部を
    加熱された触媒体に接触させて触媒的に分解させ、少な
    くともこれによって生成したラジカル、イオン等の反応
    種をグロー放電開始電圧以下の電界又は/及び磁界の作
    用下で前記超微粒子をシードに結晶成長させて、前記半
    導体材料薄膜を気相成長させる工程とを経て前記多結晶
    性半導体薄膜を得る、半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記超微粒子をペースト状態又は分散液
    状態から付着させ、前記半導体材料薄膜の気相成長後
    に、必要に応じてこの半導体材料薄膜を研磨してこの薄
    膜面を含む表面を平坦化する、請求項1又は2に記載し
    た方法。
  4. 【請求項4】 前記半導体材料薄膜の気相成長後に、水
    素又は水素含有ガスを加熱された触媒体に接触させ、こ
    れによって生成した高温の水素系分子、水素系原子、活
    性化水素イオン等の水素系活性種をグロー放電開始電圧
    以下の電界又は/及び磁界の作用下で前記半導体材料薄
    膜に作用させてアニールを行い、必要あれば、前記半導
    体材料薄膜と同様の半導体材料薄膜の気相成長と前記ア
    ニールとを繰り返す、請求項1又は2に記載した方法。
  5. 【請求項5】 加熱された前記触媒体に、原料ガス及び
    水素系キャリアガスの少なくとも一部を接触させて触媒
    的に分解させ、これによって生成したラジカル、イオン
    等の反応種をグロー放電開始電圧以下の電界又は/及び
    磁界の作用下で加熱された前記基体上に堆積させて前記
    半導体材料薄膜を気相成長させた後、前記原料ガスの供
    給を停止し、加熱された触媒体に前記水素系キャリアガ
    スの少なくとも一部を接触させ、これによって生成した
    高温の水素系分子、水素系原子、活性化水素イオン等の
    水素系活性種をグロー放電開始電圧以下の電界又は/及
    び磁界の作用下で前記半導体材料薄膜に作用させてアニ
    ールを行う、請求項4に記載した方法。
  6. 【請求項6】 前記気相成長時の水素又は水素含有ガス
    供給量よりも前記アニール時の水素又は水素含有ガス供
    給量を多くする、請求項5に記載した方法。
  7. 【請求項7】 タングステン、トリア含有タングステ
    ン、モリブデン、白金、パラジウム、バナジウム、シリ
    コン、アルミナ、金属を付着したセラミックス、及び炭
    化ケイ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の材料
    によって、前記触媒体を形成する、請求項1又は2に記
    載した方法。
  8. 【請求項8】 前記触媒体及びこれを支持する支持体の
    純度を99.99wt%(4N)以上、好ましくは9
    9.999wt%(5N)又はそれ以上とする、請求項
    1又は2に記載した方法。
  9. 【請求項9】 前記多結晶性半導体薄膜が多結晶性シリ
    コン薄膜、多結晶性ゲルマニウム薄膜、多結晶性シリコ
    ン−ゲルマニウム膜、多結晶性炭化ケイ素薄膜からな
    り、かつ、前記水素又は水素含有ガスが水素又は水素と
    不活性なガスとの混合ガスからなる、請求項1又は2に
    記載した方法。
  10. 【請求項10】 前記半導体材料薄膜に錫等のIV族元素
    の少なくとも1種を適量含有させる、請求項9に記載し
    た方法。
  11. 【請求項11】 前記グロー放電開始電圧以下の電圧と
    して、直流電圧、交流電圧(高周波電圧及び/又は低周
    波電圧)、又は直流電圧に交流電圧(高周波電圧及び/
    又は低周波電圧)を重畳させた電圧を印加する、請求項
    1又は2に記載した方法。
  12. 【請求項12】 前記高周波電圧の周波数を1〜100
    MHz、前記低周波電圧の周波数を1MHz未満とす
    る、請求項11に記載した方法。
  13. 【請求項13】 前記多結晶性半導体薄膜によって、薄
    膜絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャンネル、ソ
    ース及びドレイン領域、又は配線、抵抗、容量又は電子
    放出体等を形成する、請求項1又は2に記載した方法。
  14. 【請求項14】 前記チャンネル、ソース及びドレイン
    領域の形成後に、これらの領域に対し、水素又は水素含
    有ガスを加熱された触媒体に接触させることによって生
    成した水素系活性種を必要あればグロー放電開始電圧以
    下の電界又は/及び磁界の作用下で作用させる、請求項
    13に記載した方法。
  15. 【請求項15】 前記多結晶性半導体薄膜内においてゲ
    ート絶縁膜側から外部に向って結晶粒径を小さくして高
    密度化するか、或いはアモルファス半導体薄膜又は微結
    晶含有アモルファス半導体薄膜で前記多結晶性半導体薄
    膜を被覆する、請求項1又は2に記載した方法。
  16. 【請求項16】 前記アモルファス半導体薄膜又は微結
    晶アモルファス半導体薄膜を除去し、前記多結晶性半導
    体薄膜とコンタクトしたソース、ドレイン電極を形成す
    る、請求項15に記載した方法。
  17. 【請求項17】 シリコン半導体装置、シリコン半導体
    集積回路装置、シリコン−ゲルマニウム半導体装置、シ
    リコン−ゲルマニウム半導体集積回路装置、化合物半導
    体装置、化合物半導体集積回路装置、炭化ケイ素半導体
    装置、炭化ケイ素半導体集積回路装置、液晶表示装置、
    有機又は無機エレクトロルミネセンス表示装置、フィー
    ルドエミッションディスプレイ(FED)装置、発光ポ
    リマー表示装置、発光ダイオード表示装置、CCDエリ
    ア/リニアセンサ装置、MOSセンサ装置、太陽電池装
    置用の薄膜を製造する、請求項1又は2に記載した方
    法。
  18. 【請求項18】 内部回路及び周辺回路を有する半導体
    装置、固体撮像装置、電気光学装置等の製造に際し、こ
    れらの少なくとも一部を構成する薄膜絶縁ゲート型電界
    効果トランジスタのチャンネル、ソース及びドレイン領
    域を前記多結晶性半導体薄膜によって形成する、請求項
    17に記載した方法。
  19. 【請求項19】 各色用の有機又は無機エレクトロルミ
    ネセンス層の下層にそれぞれ、前記薄膜絶縁ゲート型電
    界効果トランジスタのドレイン又はソースと接続された
    陰極又は陽極を有する、請求項18に記載した方法。
  20. 【請求項20】 前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上も前記陰極が覆い、或いは前記
    各色用の有機又は無機エレクトロルミネセンス層の各層
    上及び各層間の全面に前記陰極又は陽極が被着されてい
    る装置を製造する、請求項19に記載した方法。
  21. 【請求項21】 前記各色用の前記有機又は無機エレク
    トロルミネセンス層間にブラックマスク層を形成する、
    請求項19に記載した方法。
  22. 【請求項22】 フィールドエミッションディスプレイ
    装置のエミッタを、前記多結晶性半導体薄膜を介して前
    記薄膜絶縁ゲート型電界効果トランジスタのドレインに
    接続すると共に前記多結晶性半導体薄膜上に成長された
    n型多結晶性半導体膜又は多結晶性ダイヤモンド膜又は
    窒素含有又は非含有の炭素薄膜又は窒素含有又は非含有
    の炭素薄膜表面に形成した多数の微細突起構造(例えば
    カーボンナノチューブ)などによって形成する、請求項
    18に記載した方法。
  23. 【請求項23】 前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上にアース電位の金属遮蔽膜を形
    成する、請求項22に記載した方法。
  24. 【請求項24】 前記金属遮蔽膜を前記フィールドエミ
    ッションディスプレイ装置のゲート引き出し電極と同一
    材料で同一工程により形成する、請求項23に記載した
    方法。
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