JP2002285220A - 鋳鉄溶湯からの脱リン方法 - Google Patents

鋳鉄溶湯からの脱リン方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数回に分けて添加する酸化剤の添加回数を
少なくして作業を容易にするとともに処理時間を短くし
て、更には、酸化剤の添加量を減少させてコスト高にな
ることなく脱リン処理を行なうことができるようにす
る。 【解決手段】 球状黒鉛鋳鉄溶湯中に硫黄及び硫黄化合
物の少なくともいずれか一方を含む硫黄添加剤としての
硫化鉄(FeS)を添加し、硫黄添加剤を添加した後に
酸化剤としての酸化第一鉄(FeO)及び石灰系フラッ
クスとしての貝殻を添加して脱リンを行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳鉄溶湯からの脱
リン方法に係り、特に、鋳鉄溶湯中に酸化剤及び石灰系
フラックスを添加してリンを除去する鋳鉄溶湯からの脱
リン方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋳鉄の鉄源として、鋳物用銑
鉄,鋼スクラップ及び鋳鉄戻り材等が用いられている。
この鉄源のうち、約60%を鋼スクラップが占めてい
て、鋼スクラップの品質が鋳鉄の品質に大きな影響を及
ぼしている。また、近年、鉄鋼や鋳物の機械及び部品の
多種多様化により種々の表面処理や合金化・複合化利用
されるものが多く、それに伴い鋳鉄にとって有害な元素
を含有する鉄系スクラップが大量に出まわっている。そ
の有害元素の一つにリンがある。リンは、鋳物に耐摩耗
性を付与する場合には有用であるが、球状黒鉛鋳鉄にお
いてリンの含有量が0.05質量%以上になると鋳鉄の
基地に硬くて先のとがった組織であるステダイト(リン
化鉄とγ鉄の共晶組織)が晶出することから切削性が悪
く、切削面の仕上がりが不良となり、引け巣欠陥が生じ
易くなり、また硬くて伸びや衝撃値が悪くもろい性質に
なる。このため、切削面の仕上がりが良好で引け巣欠陥
が生じ難く伸びや衝撃に強い性質の球状黒鉛鋳鉄を製造
するには、鋳鉄からリンを除去する脱リンが必要となっ
ている。
【0003】従来、脱リン方法として、製鉄プロセスの
中で製鋼前の溶銑予備処理技術として開発されているも
のがある。しかし、これはすべて酸化精錬であるので、
リンを除去するだけでなく鋳鉄に大切な必要元素である
炭素やシリコンまでも除去してしまうため鋳鉄溶湯への
適用については問題がある。また、炭素の減少を抑制し
ながらリンを除く脱リン技術として、図3に示すよう
に、鋳鉄溶湯中に石灰系フラックス(貝殻)を添加して
攪拌した後にリンを酸化する酸化剤(酸化第一鉄、圧延
酸化スケール)を復リン防止のため数回に分けて添加・
攪拌して、リンを五酸化リンにして結晶化させて浮上し
たものを石灰とともにリン含有スラグとして除去するこ
とにより脱リンを行なう方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鋳鉄溶
湯中にリンの含有量が多い場合には、鋳鉄溶湯中に石灰
系フラックスを添加した後の酸化剤の添加を複数回に分
けて何度も行なわなければならず、作業が煩雑であり、
また、処理時間も長くなるという問題がある。更に、酸
化剤の酸化第一鉄や圧延酸化スケールの入手が困難であ
るという問題がある。これは、酸化第一鉄や圧延酸化ス
ケールが限られた地域でのみ入手可能であり、供給量に
より遠方地域では運送コスト等がかかり、大量の酸化剤
が必要となる大量の鋳鉄を脱リン処理することが困難と
なっている。
【0005】このような現状において、本願発明者ら
は、金属材料のリサイクルの観点から鋳鉄の鉄源として
鋼スクラップを用いて鋳物を製造するにあたり、コスト
高になることなく作業の容易な脱リン方法を研究し、溶
湯中でリンの酸化を促進させてリンを除去する脱リン方
法を検討した。
【0006】本発明は、上述した問題点に鑑みてなされ
たもので、複数回に分けて添加する酸化剤の添加回数を
少なくして作業を容易にするとともに処理時間を短くし
て、更には、酸化剤の添加量を減少させてコスト高にな
ることなく脱リン処理を行なうことができる鋳鉄溶湯か
らの脱リン方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明の技術的手段は、鋳鉄溶湯中に酸化剤及
び石灰系フラックスを添加してリンを除去する鋳鉄溶湯
からの脱リン方法において、硫黄及び硫黄化合物の少な
くともいずれか一方を含む硫黄添加剤を添加した構成と
した。これにより、硫黄添加剤に含まれている硫黄が鋳
鉄溶湯中のリンの酸化反応を促進させるので、複数回に
分けて添加する酸化剤の添加の回数を少なくして作業を
容易にするとともに処理時間を短くして、更には、酸化
剤の添加量を減少させるのでコスト高になることなく脱
リン処理を行なうことができる。
【0008】そして、必要に応じ、上記硫黄添加剤を上
記酸化剤を添加する前に添加する構成とした。リンが酸
化剤と反応する前なので硫黄添加剤の無駄がなく、酸化
反応の機能を充分に発揮させることができる。そしてま
た、必要に応じ、上記硫黄添加剤を溶湯中の硫黄含有量
が0.05質量%〜0.5質量%になるように添加する
構成とした。鋳鉄溶湯中の硫黄含有量が0.05質量%
より少ないと酸化反応の促進効果が顕著に現れることな
く、鋳鉄溶湯中の硫黄含有量が0.5質量%より多いと
後で硫黄を取り除かなくてはならず好ましくない。更
に、必要に応じ、上記硫黄添加剤を溶湯中の硫黄含有量
が0.4質量%〜0.5質量%になるように添加する構
成とした。効率よく、酸化反応を促進させることができ
る。
【0009】更にまた、必要に応じ、上記酸化剤をFe
Oとした構成とした。鉄を有した酸化剤を用いることに
より、容易に入手でき取扱が容易になる。そして、必要
に応じ、上記硫黄添加剤を、FeSとした構成とした。
鉄を有した酸化剤を用いることにより、容易に入手でき
取扱が容易になる。また、必要に応じ、上記硫黄添加剤
を、切削屑であって硫黄化合物を含有するダライ粉で構
成した。入手が容易で安価なダライ粉を添加することに
より製造コストを抑えることができる。更に、必要に応
じ、上記鋳鉄を球状黒鉛鋳鉄とした構成とした。球状黒
鉛鋳鉄は、クランクシャフト等の自動車部品、金属圧延
用ロール類、大型ギア類、鋳鉄管、街路灯等のエクステ
リア等に用いられ、その特徴は、強度があり、延性があ
り、衝撃に強く、減衰能が良く、切削性が良いというこ
とである。そして、球状黒鉛鋳鉄の化学成分は、例え
ば、炭素3.0〜4.5質量%,シリコン1.0〜3.
0質量%,マンガン0.4質量%以下,リン0.08質
量%以下(望ましくは0.05質量%以下),硫黄0.
02質量%以下であり、その材質に影響を及ぼす主な要
因として基地組織中のマンガンとリンの含有量がある。
そのため、球状黒鉛鋳鉄の製造においては、マンガンと
リンの含有量の調整が必要であるが、本発明の脱リン方
法により容易に脱リンを行なってリンの含有量を0.0
8質量%以下(望ましくは0.05質量%以下)にする
ことができ、伸びや粘りや強さのある高品質の球状黒鉛
鋳鉄を製造することができる。
【0010】更に、必要に応じ、上記硫黄添加剤の添加
後所要時期に溶湯中に脱硫剤を添加した構成とした。溶
湯中のリンの含有量が少なく添加した硫黄が残った場合
に硫黄を容易に取り除くことができる。そして、必要に
応じ、上記石灰系フラックスを、貝殻で構成した。これ
により、現在、北海道・東北沿岸部において問題となっ
ている大量に発生している廃棄貝殻を石灰系フラックス
として利用することができる。また、溶湯中の硫黄含有
量が多くなった場合には、硫黄と反応して硫化カルシウ
ムとなりスラグ中に含まれるので、硫黄の除去を容易に
することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の実施の形態に係る鋳鉄溶湯からの脱リン方法を説明す
る。本発明の鋳鉄溶湯からの脱リン方法は、図1に示す
ように、鋳鉄溶湯中に硫黄及び硫黄化合物の少なくとも
いずれか一方を含む硫黄添加剤を添加した後に酸化剤及
び石灰系フラックスを添加して脱リンを行なう方法であ
る。ここで、鉄源として鉄系スクラップを用い、鋳鉄は
球状黒鉛鋳鉄としている。
【0012】硫黄添加剤としては、硫化鉄(FeS)を
用いた。この硫化鉄を溶湯中の硫黄含有量が0.05質
量%〜0.5質量%になるように添加して攪拌する。こ
の場合、溶湯中の硫黄含有量が0.4質量%〜0.5質
量%になるように添加することが望ましい。そして、酸
化剤としては、酸化第一鉄(FeO)を用いた。酸化第
一鉄を硫黄添加剤を添加した後に複数回(2〜3回)に
分けて添加して攪拌する。次に、石灰系フラックスとし
て、廃棄貝殻を添加する。この場合、北海道・東北沿岸
部において、大量に発生した廃棄貝殻が問題になってい
るが、廃棄貝殻の新たな用途とすることができる。そし
て、リンを五酸化リンにして結晶化させて浮上したもの
を石灰とともにリン含有スラグとして除去することによ
り脱リンを行なう。このとき、溶湯中の硫黄含有量が高
くなった場合には、脱リン後に脱硫剤及び貝殻を添加す
る。その後、溶湯を鋳型に鋳込み脱型して鋳鉄製品を製
造する。
【0013】このような脱リン方法によれば、溶湯中に
硫黄(硫化鉄)を添加することにより、リンの酸化反応
を促進させて五酸化リンを生成させて脱リン反応を促進
させることができるので、複数回に分けて添加する酸化
剤の添加回数を少なくすることができる。そのため脱リ
ン作業を容易にするとともに処理時間を短くすることが
できる。また、酸化剤の添加量を少なくすることができ
るのでコスト高になることもない。そして、このような
脱リン方法により、鋳鉄溶湯からの脱リン処理の技術の
普及がより容易となる。
【0014】次に、鋳鉄溶湯からの脱リン方法に係る実
施例1,2及び比較例を説明する。 [実施例1]高周波溶解炉において、0.125質量%
のリンを含んだ3kgの鋳鉄溶湯に、初めに、溶湯中の
硫黄含有量が0.45質量%になるように硫黄添加剤の
FeSを添加して攪拌する。その後、石灰系フラックス
として貝殻を240g添加する。次に、酸化剤として酸
化第一鉄(FeO)を2回に分けて添加する。酸化剤の
添加は、貝殻を添加した10分後にFeOを30g添加
して攪拌する。その10分後に1回目と同様にFeOを
30g添加して攪拌し、合計60gの酸化剤を添加す
る。図2には、硫黄を含有した溶湯に酸化剤を添加した
ときの溶湯中のリンの含有量を測定した結果を示す。そ
して、リンを五酸化リンにして結晶化させて浮上したも
のを石灰とともにリン含有スラグとして除去することに
より脱リンを行なう。ここで、溶湯中の温度は、135
0℃(1623K)であり、また、鋳鉄溶湯中には1質
量%のシリコンが含まれている。その後、溶湯を鋳型に
鋳込み脱型して鋳鉄製品を製造する。
【0015】[実施例2]高周波溶解炉において、0.
135質量%のリンを含んだ3kgの鋳鉄溶湯に初め
に、溶湯中の硫黄含有量が0.1質量%になるように硫
黄添加剤のFeSを添加して攪拌する。その後、石灰系
フラックスとして貝殻を240g添加する。次に酸化剤
として酸化第一鉄(FeO)を3回に分けて添加する。
酸化剤の添加は、貝殻を添加した10分後にFeOを3
0g添加して攪拌する。その10分後に1回目と同様に
FeOを30g添加して攪拌し、更に、その10分後に
1回目と同様にFeOを30g添加して攪拌して、合計
90gの酸化剤を添加する。図2には、硫黄を含有した
溶湯に酸化剤を添加したときの溶湯中のリンの含有量を
測定した結果を示す。そして、リンを五酸化リンにして
結晶化させて浮上したものを石灰とともにリン含有スラ
グとして除去することにより脱リンを行なう。ここで、
溶湯中の温度は、1350℃(1623K)であり、ま
た、鋳鉄溶湯中には1質量%のシリコンが含まれてい
る。その後、溶湯を鋳型に鋳込み脱型して鋳鉄製品を製
造する。
【0016】[比較例1]比較例としては、硫黄添加剤
を添加することがない従来の方法に従った脱リン方法を
行なった。高周波溶解炉において、0.125質量%の
リンを含んだ3kgの鋳鉄溶湯に、石灰系フラックスと
して貝殻を240g添加する。次に酸化剤として酸化第
一鉄(FeO)を3回に分けて添加する。酸化剤の添加
は、貝殻を添加した10分後にFeOを30g添加して
攪拌する。その10分後に1回目と同様にFeOを30
g添加して攪拌し、更に、その5分後にFeOを15g
添加して攪拌して、合計75gの酸化剤を添加する。図
2には、硫黄を含有した溶湯に酸化剤を添加したときの
溶湯中のリンの含有量を測定した結果を示す。そして、
リンを五酸化リンにして結晶化させて浮上したものを石
灰とともにリン含有スラグとして除去することにより脱
リンを行なう。ここで、溶湯中の温度は、1350℃
(1623K)であり、また、鋳鉄溶湯中には1質量%
のシリコンが含まれている。尚、比較例として硫黄添加
剤は添加されていないが、溶湯中には0.02質量%の
硫黄が含まれている。その後、溶湯を鋳型に鋳込み脱型
して鋳鉄製品を製造する。
【0017】図2に示すように、硫黄を含有した溶湯に
酸化剤を添加したときの溶湯中のリンの含有量を測定し
た結果により、実施例1(硫黄含有量0.45質量%)
と実施例2(硫黄含有量0.10質量%)の溶湯中のリ
ンの含有量の減少率は、比較例1(硫黄含有量0.02
質量%)より急激であり、硫黄添加剤を添加することに
より、溶湯中のリンの酸化反応が促進され、取り除き易
くなる。
【0018】尚、上記実施の形態に係る鋳鉄溶湯からの
脱リン方法において、硫黄添加剤として、FeSを用い
たが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例え
ば、硫黄添加剤を、切削屑であって硫黄化合物を含有す
るダライ粉で構成しても良い。これによれば、ダライ粉
は硫黄化合物を含有するので、硫黄添加剤として働くの
みならず、酸化作用を有する酸化剤としても働く。その
ため、硫黄含有量の高いダライ粉を添加すれば、リンの
酸化反応を促進させて五酸化リンを生成させて脱リン反
応を促進させることができるので、複数回に分けて添加
する酸化剤の添加回数を少なくすることができる。ま
た、ダライ粉の使用により、安価な原材料で高品質な銑
鉄鋳物を製造できるばかりでなく、廃棄物の再利用促進
にもつながる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の鋳鉄溶湯
からの脱リン方法によれば、鋳鉄溶湯中に酸化剤及び石
灰系フラックスを添加してリンを除去する鋳鉄溶湯から
の脱リン方法において、硫黄及び硫黄化合物の少なくと
もいずれか一方を含む硫黄添加剤を添加した構成とした
ことから、硫黄添加剤に含まれている硫黄が鋳鉄溶湯中
のリンの酸化反応を促進させるので、複数回に分けて添
加する酸化剤の添加の回数を少なくして作業を容易にす
るとともに処理時間を短くして、更には、酸化剤の添加
量を減少させてコスト高になることなく脱リン処理を行
なうことができる。
【0020】そして、硫黄添加剤を酸化剤を添加する前
に添加する場合には、リンが酸化剤と反応する前なので
硫黄添加剤の無駄がなく、酸化反応の機能を充分に発揮
させることができる。そしてまた、硫黄添加剤を溶湯中
の硫黄含有量が0.05質量%〜0.5質量%になるよ
うに添加する場合には、酸化反応の促進効果を有しつ
つ、鋳鉄溶湯中の硫黄含有量が多くなり後で取り除く必
要がない。この場合、硫黄添加剤を溶湯中の硫黄含有量
が0.4質量%〜0.5質量%になるように添加するこ
とが有効である。
【0021】更にまた、酸化剤をFeOとした構成とし
た場合には、容易に入手でき取扱が容易になる。そし
て、硫黄添加剤をFeSとした構成とした場合には、容
易に入手でき取扱が容易になる。また、硫黄添加剤を、
切削屑であって硫黄化合物を含有するダライ粉で構成し
た場合には、入手が容易で安価なダライ粉を添加するこ
とにより製造コストを抑えることができる。更にまた、
鋳鉄を球状黒鉛鋳鉄とした場合には、球状黒鉛鋳鉄の材
質に影響を及ぼす主な要因として基地組織中のマンガン
とリンの含有量があるため、その製造において、マンガ
ンとリンの含有量の調整が必要であるが、本発明の脱リ
ン方法により容易に脱リンを行なってリン含有量を0.
08質量%以下にすることができ、伸びや粘りや強さの
ある高品質の球状黒鉛鋳鉄を製造することができる。
【0022】更に、硫黄添加剤の添加後所要時期に溶湯
中に脱硫剤を添加した構成とした場合には、溶湯中のリ
ンの含有量が少なく添加した硫黄が残った場合に硫黄を
容易に取り除くことができる。そして、石灰系フラック
スを、貝殻で構成した場合には、問題となっている大量
に発生している廃棄貝殻をフラックスとして利用するこ
とができる。また、溶湯中の硫黄含有量が多くなった場
合には、硫黄と反応して硫化カルシウムとなりスラグ中
に含まれるので、硫黄の除去を容易にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る鋳鉄溶湯からの脱リ
ン方法を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る鋳鉄溶湯からの脱リ
ン方法において、脱リンに及ぼす初期硫黄含有量の影響
を示す表図である。
【図3】従来の鋳鉄溶湯からの脱リン方法を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 33/08 C22C 33/08 // C22C 37/04 37/04 Z (72)発明者 茨島 明 岩手県盛岡市飯岡新田3地割35番2 岩手 県工業技術センター内 (72)発明者 池 浩之 岩手県盛岡市飯岡新田3地割35番2 岩手 県工業技術センター内 Fターム(参考) 4K014 AA03 AB00 AB04 AC03 AC08 BA01 BB03 BC01 BC04 BD00 BD02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳鉄溶湯中に酸化剤及び石灰系フラック
    スを添加してリンを除去する鋳鉄溶湯からの脱リン方法
    において、 硫黄及び硫黄化合物の少なくともいずれか一方を含む硫
    黄添加剤を添加したことを特徴とする鋳鉄溶湯からの脱
    リン方法。
  2. 【請求項2】 上記硫黄添加剤を上記酸化剤を添加する
    前に添加することを特徴とする請求項1記載の鋳鉄溶湯
    からの脱リン方法。
  3. 【請求項3】 上記硫黄添加剤を溶湯中の硫黄含有量が
    0.05質量%〜0.5質量%になるように添加するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の鋳鉄溶湯からの
    脱リン方法。
  4. 【請求項4】 上記硫黄添加剤を溶湯中の硫黄含有量が
    0.4質量%〜0.5質量%になるように添加すること
    を特徴とする請求項3記載の鋳鉄溶湯からの脱リン方
    法。
  5. 【請求項5】 上記酸化剤をFeOとしたことを特徴と
    する請求項1,2,3または4記載の鋳鉄溶湯からの脱
    リン方法。
  6. 【請求項6】 上記硫黄添加剤を、FeSとしたことを
    特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の鋳鉄溶
    湯からの脱リン方法。
  7. 【請求項7】 上記硫黄添加剤を、切削屑であって硫黄
    化合物を含有するダライ粉で構成したことを特徴とする
    請求項1,2,3,4または5記載の鋳鉄溶湯からの脱
    リン方法。
  8. 【請求項8】 上記鋳鉄を球状黒鉛鋳鉄としたことを特
    徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7記載の
    鋳鉄溶湯からの脱リン方法。
  9. 【請求項9】 上記硫黄添加剤の添加後所要時期に溶湯
    中に脱硫剤を添加したことを特徴とする請求項1,2,
    3,4,5,6,7または8記載の鋳鉄溶湯からの脱リ
    ン方法。
  10. 【請求項10】 上記石灰系フラックスを、貝殻で構成
    したことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,
    7,8または9記載の鋳鉄溶湯からの脱リン方法。
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