JP5326201B2 - アルミキルド鋼の溶製方法 - Google Patents

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本発明は、アルミキルド処理を行った鋼の溶製方法に係り、更に詳しくは、例えば、連続鋳造で使用する各種ノズル(例えば、溶鋼鍋のスライディングノズル、ロングノズル、タンディッシュの上ノズル、スライディングノズル、または浸漬ノズル)内壁へのAl介在物の付着によるノズル閉塞を防止することに有効なアルミキルド鋼の溶製方法に関する。
一般的に、Al脱酸を行った溶鋼の連続鋳造においては、ノズル内壁へのAl介在物の付着によるノズルの閉塞が問題となっている。従来、このノズル閉塞の防止方法として、精錬工程においては、Caを用いた以下のような閉塞防止技術があった。
例えば、特許文献1には、溶鋼中のCa含有量を、0.0015質量%以上、かつ、{0.004−0.11×溶鋼中S含有量(質量%)}質量%以下の範囲とすることにより、ノズルの閉塞を防止する技術が開示されている。この技術は、溶鋼中に十分な量のCaが存在することで、Al介在物が、図4(A)中に示す「○」で囲まれた部分の低融点のカルシウムアルミネートに改質されて液相化し、ノズル内壁へ付着することを抑制するものである。
また、特許文献2には、溶鋼へCa合金を添加し、溶鋼中のCa含有量を1〜5ppmに調整することにより、ノズルの閉塞を防止する技術が開示されている。
そして、特許文献3には、Caの添加によりAl介在物の改質を行った後、真空処理を行うことによって、溶存するCaを蒸発させて除去する技術が開示されている。
特開2002−66702号公報 特開平9−192799号公報 特開平9−41022号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、ノズルを構成する耐火物が、生成する液相介在物によって溶損される問題があった。また、目的とする合金成分を有する溶鋼を製造するために必要な成分以外に、Ca合金を添加する必要があるため、合金のコストが余分にかかり経済的でなかった。そして、生成する液相介在物は、一部の鋼種において、凝固した際に球状の介在物となって内部欠陥となり、製品品質が低下する問題があった。
また、特許文献2に開示された方法では、溶鋼に添加する合金の種類によっては、不純物であるCaを多く含む場合があるため、Caを溶鋼中へ意図的に添加しなくても、溶鋼中のCa含有量が5ppm以上、かつ0.0015質量%(15ppm:特許文献1)以下の範囲内となり、結果的にノズルが急速に閉塞する場合があった。これは、Caが図4(B)中に示す「○」で囲まれた部分の化合物となり、比較的融点が高いカルシウムアルミネートが生成し、固液共存の介在物となってノズル内壁への付着が促進されるためである。
上記した理由により、溶鋼へCa合金を添加し溶鋼中のCa含有量を1〜5ppmに調整することは困難であり、この技術の場合、合金に混入した不純物であるCaを除去する必要がある。
更に、特許文献3に開示された方法を応用することで、溶鋼中のCaを除去してノズル閉塞を防止できるが、この処理を実施するためには真空処理設備が必須であり、一般的であるとはいえず、また新たに設備を導入する場合は設備コストがかかり経済的でない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、溶鋼中へCaを添加する必要がなく、しかも溶鋼中からCaを除去するために大規模な設備投資を行う必要がないため、低コストで簡易にノズル閉塞を防止できるアルミキルド鋼の溶製方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係るアルミキルド鋼の溶製方法は、不純物であるCaを含む合金鉄を溶鋼に添加して、目的とする合金成分を有するAlキルド鋼またはAl−Siキルド鋼を溶製する方法において、
前記溶鋼に添加する前記合金鉄中の前記Caの総重量が、前記合金鉄が添加された前記溶鋼の総重量の5ppmを超える場合、前記溶鋼を転炉から溶鋼鍋へ出鋼する際に、該溶鋼が前記合金成分となるまで該溶鋼に前記合金鉄を添加し、該溶鋼中の溶存酸素と前記Caとを反応させて該溶鋼中から該Caを除去し、前記合金鉄が添加された前記溶鋼中の前記Ca量を5ppm以下とすると共に、前記転炉から前記溶鋼鍋への前記溶鋼の出鋼開始から出鋼終了までの時間を100%とした場合、前記溶鋼への前記合金鉄の添加時期を出鋼開始から50%までの間とする
第1の発明に係るアルミキルド鋼の溶製方法において、前記溶鋼中の溶存酸素量と該溶鋼への前記Caの混入量が以下の式を満足するように、前記溶鋼に前記合金鉄を添加することが好ましい。
F.O≧(I/P・Ca−5)×16/40
ここで、F.Oは溶鋼の溶存酸素量(ppm)、I/P・Caは溶鋼へのCaの混入量(ppm)を示す
前記目的に沿う第2の発明に係るアルミキルド鋼の溶製方法は、不純物であるCaを含む合金鉄を溶鋼に添加して、目的とする合金成分を有するAlキルド鋼またはAl−Siキルド鋼を溶製する方法において、
前記溶鋼に添加する前記合金鉄中の前記Caの総重量が、前記合金鉄が添加された前記溶鋼の総重量の5ppmを超える場合、前記溶鋼中の炭素量と該溶鋼への前記Caの混入量が以下の式を満足するまで吹酸した前記溶鋼を転炉から溶鋼鍋へ出鋼する際に、該溶鋼が前記合金成分となるまで該溶鋼に前記合金鉄を添加すると共に、前記転炉から前記溶鋼鍋への前記溶鋼の出鋼開始から出鋼終了までの時間を100%とした場合、前記溶鋼への前記合金鉄の添加時期を出鋼開始から50%までの間とする
[mass%C]≦11.3×{(I/P・Ca−5)×16/40}−0.865
ここで、[mass%C]は溶鋼中の炭素量(質量%)、I/P・Caは溶鋼へのCaの混入量(ppm)を示す。
請求項1〜記載のアルミキルド鋼の溶製方法は、溶鋼中の溶存酸素とCaとを反応させ、溶鋼中からCaを除去しているので、従来のように、溶鋼へCaを添加して低融点化合物を生成させる必要がない。これにより、ノズルを構成する耐火物の溶損を防止でき、またCa合金を添加する必要がないので、経済的である。また、従来のように、真空処理設備を用いることなく、溶鋼中のCa含有量をノズル閉塞が発生し難い5ppm以下の濃度まで低減して、溶鋼を溶製することができる。
また、溶鋼を転炉から溶鋼鍋へ出鋼する際に、溶鋼鍋へ合金鉄を添加するので、溶鋼における合金鉄の撹拌効果が得られ、溶鋼への合金鉄の溶解を円滑に実施できる。更にまた、溶鋼の出鋼時に溶鋼鍋へ合金鉄を添加することで、溶鋼の表面を覆っているスラグに妨害されることなく、合金鉄を溶鋼中へ分散させることができる。これにより、例えば、脱酸後に溶け残った合金が溶鋼中へ溶解し、溶鋼中に合金鉄中のCaが混入するという問題を防止でき、より品質のよい成品を製造できる。
加えて、溶鋼への合金鉄の添加時期を規定することで、溶鋼中の溶存酸素とCaとの反応時間を十分に確保でき、溶鋼中のCa量を十分に低減できる。
このように、低コストで簡易にノズル閉塞を防止できる。
特に、請求項2記載のアルミキルド鋼の溶製方法は、溶鋼中の溶存酸素量と溶鋼へのCaの混入量とが、規定した式を満足するように、溶鋼に合金鉄を添加するので、溶鋼中のCa含有量をノズル閉塞を防止できる範囲内に容易に維持できる
請求項記載のアルミキルド鋼の溶製方法は、溶鋼中のCa量を溶鋼中の炭素量で規定しているので、溶鋼中の溶存酸素量を測定することなく、吹酸の時期によって調整できる。これにより、例えば、酸素センサーを使用することなく、溶鋼中のCa濃度をノズル閉塞が発生しない量まで低減できるので、作業性が良好であるとともに、酸素センサーが不要となって経済的である。また、溶鋼への合金鉄の添加時期を規定することで、溶鋼中の溶存酸素とCaとの反応時間を十分に確保でき、溶鋼中のCa量を十分に低減できる
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係るアルミキルド鋼の溶製方法の説明図、図2は出鋼時の合金鉄添加のタイミングと出鋼中合金鉄の未溶解発生頻度との関係を示す説明図、図3は本発明の変形例に係るアルミキルド鋼の溶製方法の説明図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るアルミキルド鋼の溶製方法は、不純物であるCaを含む合金鉄を溶鋼に添加して、目的とする合金成分を有するAlキルド鋼またはAl−Siキルド鋼を溶製する方法であり、溶鋼中の溶存酸素とCaとを反応させて溶鋼中からCaを除去してCa量を5ppm以下とする方法である。なお、溶鋼は、転炉10で吹酸された後、転炉10から溶鋼鍋11へ出鋼される。以下、詳しく説明する。
溶鋼に添加する合金鉄とは、例えば、Fe−Si、Fe−Cr、Fe−Ni、およびFe−Mnである。この合金鉄を溶鋼に添加することにより、目的とする合金成分を有するAlキルド鋼またはAl−Siキルド鋼を溶製できる。
この合金鉄中には、不純物であるCaが含まれているが、このCaは溶鋼中で酸化されてCaOになる。ここで、合金鉄が添加された溶鋼中のCa(以下、Caともいう)と溶鋼中の酸素(以下、ともいう)との反応を、以下に示す。
Ca=CaO
この反応により、Caを酸化させ、溶鋼中から浮上させて除去する。
なお、上記平衡反応は、ほとんど右へ進むため、化学量論的に必要な酸素量があれば、溶鋼中にCaが残存しなくなる。
そこで、本願発明においては、溶鋼に添加する合金鉄中のCaの総重量が、合金鉄が添加された溶鋼の総重量の5ppmを超える場合、溶鋼が目的とする合金成分となるまで溶鋼に合金鉄を添加する。このとき、溶鋼中の溶存酸素とCaとを反応させて、溶鋼中からCaを除去し、合金鉄が添加された溶鋼中のCa量を5ppm以下とする。
なお、溶鋼中のCa量を5ppm以下としたのは、5ppmを超える場合、前記した従来技術の特許文献2で示したように、比較的融点が高いカルシウムアルミネートが生成し、固液共存の介在物となってノズル内壁へ付着し、ノズル詰まりが発生するからである。
一方、溶鋼中のCa量が少なければ少ないほど、ノズル詰まりの発生を無くすことができるため、溶鋼中のCa量の下限については規定していないが、例えば、前記した反応の進行時間に影響される溶製効率を考慮すれば1ppm程度である。
以上に示した内容から、ノズル詰まりが発生しない条件を、溶鋼中の溶存酸素量と溶鋼へのCaの混入量との関係を用いて、以下に示す。
F.O≧(I/P・Ca−5)×16/40
ここで、F.Oは溶鋼の溶存酸素量(ppm)、I/P・Caは溶鋼へのCaの混入量(ppm)を示す。なお、F.Oは、O吹き(吹酸ともいう)により溶鋼へ供給することができ、Oセンサーで測定可能である。また、I/P・Caは、Σ{(合金鉄i中のCa濃度)×(合金鉄iの添加量)}/(溶鋼重量)(ppm)により求まる。ここで、iは合金鉄の数(i=1、2、3、・・・)を意味する。従って、I/P・Caは、事前に合金鉄中のCa濃度を分析して算出する。
上記した式は、(I/P・Ca−5)ppmのCaと反応してCaOを生成する化学量論的なF.O量を超える量のF.Oがあれば、Ca濃度をノズル閉塞が防止できるところまで低減できることを意味している。
従って、溶鋼への合金鉄の添加は、溶鋼中の溶存酸素量と溶鋼へのCaの混入量が、上記式を満足するように、徐々にまたは一度に行う。
なお、溶鋼への合金鉄の添加時期は、転炉10から溶鋼鍋11への溶鋼の出鋼開始から出鋼終了までの時間を100%とした場合、出鋼開始から50%(好ましくは40%)までの間であることが好ましい。
ここで、図2に、溶鋼の出鋼開始から出鋼終了までの間に合金鉄を添加した場合の合金鉄の溶解状況を、目視により観察した結果を示す。なお、図2の縦軸は、出鋼終了時に溶鋼へ合金鉄を添加した場合の合金鉄の未溶解発生頻度を1としたときの各添加時期毎の指数を示している。
図2に示すように、合金鉄の添加のタイミングが遅くなると、合金鉄の未溶解による影響が出易くなる。特に、出鋼時間に対して50%を超えると影響が出始め(50%までは合金鉄が全て溶解している)、出鋼が終わってしまうと、溶鋼を覆うスラグの上に合金鉄が載って、溶鋼中に合金鉄が混入しづらくなる。このとき、例えば、合金鉄の溶鋼への溶解と溶鋼の撹拌ができなければ、合金鉄の未溶解が発生し、脱酸後に溶け残った合金鉄が溶鋼中に溶解して、Caが混入する可能性がある。また、脱酸後の溶鋼に合金鉄が混入すると、Caが十分に酸化除去されず、前記した5ppmを超える原因となるため、ノズル閉塞の危険性が増大する。
以上のことから、合金鉄の溶解を円滑に完了させ、前記した反応式の反応時間を十分に確保するためには、合金鉄の撹拌効果がある出鋼中、特に出鋼時間の前半が望ましい。
また、溶鋼への合金鉄の添加は、溶鋼中の溶存酸素量を確認しながら行うことなく、溶鋼中の炭素量を確認して行うこともできる。
この場合、溶鋼中の炭素量と溶鋼へのCaの混入量が、以下の式を満足するまで吹酸した溶鋼を転炉10から溶鋼鍋11へ出鋼する際に、溶鋼が目的とする合金成分となるまで、溶鋼に合金鉄を添加する。
[mass%C]≦11.3×{(I/P・Ca−5)×16/40}−0.865
ここで、[mass%C]は溶鋼中の炭素量(質量%)、I/P・Caは溶鋼へのCaの混入量(ppm)を示す。
これは、図3に示すグラフに基づいて得られた関係式である。なお、図3は、日本学術振興会の発行する製鋼反応の推奨平衡値を用いて得られた結果であり、溶鋼温度1670℃で算出した転炉吹止時の溶鋼中の炭素量[mass%C]とF.Oとの関係を示している。この図3中のプロット点は、算出した平衡濃度であり、実線は近似曲線である。
図3から明らかなように、平衡濃度は、図中の式[mass%C]=11.27×(F.O)−0.865で、よく近似されている(相関係数:R=0.9985)。
従って、上記した関係式を満たす量のF.Oを確保するためには、この関係式を満足するまで吹酸を行えばよいこととなる。これにより、F.O量を直接測定しなくても、吹酸の吹止時期、即ち[mass%C]で、溶鋼中のCa量を管理できる。
以上に示した方法により、溶鋼中のCa量を、5ppm以下まで低減できる。
なお、合金鉄は、前記した出鋼中に全量添加することができるが、図1に示すように、その合金鉄の一部を、溶鋼鍋11に出鋼された溶鋼の二次精錬(真空処理を伴わない精錬)にて溶鋼へ添加することもできる。
この二次精錬にて添加される合金鉄の量は、例えば、使用する全合金鉄量の30質量%以下程度である。なお、下限については規定していないが、二次精錬にて合金鉄を添加する効果が得られることを考慮すれば、例えば、0.5質量%(更には10質量%)程度である。
以上の方法で溶製したAlキルド鋼またはAl−Siキルド鋼を、タンディッシュ(図示しない)に供給することで、ノズル詰まりを抑制、更には防止しながら、安定して鋳片を製造できる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
溶製した350トンのAl−Siキルド鋼を使用して、連続鋳造を行った結果を表1に示す。なお、溶鋼に添加した合金鉄は、Fe−Si、Fe−Mn、およびFe−Crである。また、表1において、吹止[mass%C]とは吹酸を停止したときの溶鋼中の炭素量であり、推定F.Oとはこの炭素量を前記した関係式に代入して得られた値であり、Ca混入量とは出鋼中と二次精錬にて溶鋼に添加した合金鉄中のCa量である。そして、T.[Ca]分析値の処理終とは、二次精錬が終了したときの溶鋼中のCa濃度であり、成品とは連続鋳造時のタンディッシュ内溶鋼のCa濃度である。
Figure 0005326201
合金鉄を、溶鋼の出鋼中に全量添加した実施例1および2では、処理終の[Ca]濃度を1ppmで溶製することができ、その全量を連続鋳造(完鋳)できた。
また、溶鋼の出鋼中と二次精錬において合金鉄を添加し、二次精錬でのCa混入量が5ppm以下の参考例1〜3においても、処理終の[Ca]濃度を1ppm以上3ppm以下で溶製することができ、その全量を連続鋳造できた。
そして、Ca含有量の少ない合金鉄を、溶鋼の出鋼中に全量添加した参考例4(出鋼中のCa混入量が0.7ppm)では、処理終の[Ca]濃度を1ppmで溶製することができ、その全量を連続鋳造できた。
一方、比較例1〜4では、出鋼中のF.Oは十分であったと考えられるが、二次精錬において、5ppmを超えるCaが混入しており、ノズル詰まりによる返送が発生している。なお、比較例1〜4の返送は、タンディッシュから流れ出る溶鋼の流出速度が遅くなり、鋳型への溶鋼の供給速度が、鋳片の鋳造速度に追いつかなくなった時点の未鋳造溶鋼の量をさす。
以上のことから、本願発明を適用することで、低コストで簡易にノズル閉塞を防止できることを確認できた。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部または全部を組合せて本発明のアルミキルド鋼の溶製方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
本発明の一実施の形態に係るアルミキルド鋼の溶製方法の説明図である。 出鋼時の合金鉄添加のタイミングと出鋼中合金鉄の未溶解発生頻度との関係を示す説明図である。 本発明の変形例に係るアルミキルド鋼の溶製方法の説明図である。 (A)、(B)はそれぞれ従来例に係るノズル閉塞の防止方法で使用するCaO−Al二元系状態図である。
符号の説明
10:転炉、11:溶鋼鍋

Claims (3)

  1. 不純物であるCaを含む合金鉄を溶鋼に添加して、目的とする合金成分を有するAlキルド鋼またはAl−Siキルド鋼を溶製する方法において、
    前記溶鋼に添加する前記合金鉄中の前記Caの総重量が、前記合金鉄が添加された前記溶鋼の総重量の5ppmを超える場合、前記溶鋼を転炉から溶鋼鍋へ出鋼する際に、該溶鋼が前記合金成分となるまで該溶鋼に前記合金鉄を添加し、該溶鋼中の溶存酸素と前記Caとを反応させて該溶鋼中から該Caを除去し、前記合金鉄が添加された前記溶鋼中の前記Ca量を5ppm以下とすると共に、前記転炉から前記溶鋼鍋への前記溶鋼の出鋼開始から出鋼終了までの時間を100%とした場合、前記溶鋼への前記合金鉄の添加時期を出鋼開始から50%までの間とすることを特徴とするアルミキルド鋼の溶製方法。
  2. 請求項1記載のアルミキルド鋼の溶製方法において、前記溶鋼中の溶存酸素量と該溶鋼への前記Caの混入量が以下の式を満足するように、前記溶鋼に前記合金鉄を添加することを特徴とするアルミキルド鋼の溶製方法。
    F.O≧(I/P・Ca−5)×16/40
    ここで、F.Oは溶鋼の溶存酸素量(ppm)、I/P・Caは溶鋼へのCaの混入量(ppm)を示す。
  3. 不純物であるCaを含む合金鉄を溶鋼に添加して、目的とする合金成分を有するAlキルド鋼またはAl−Siキルド鋼を溶製する方法において、
    前記溶鋼に添加する前記合金鉄中の前記Caの総重量が、前記合金鉄が添加された前記溶鋼の総重量の5ppmを超える場合、前記溶鋼中の炭素量と該溶鋼への前記Caの混入量が以下の式を満足するまで吹酸した前記溶鋼を転炉から溶鋼鍋へ出鋼する際に、該溶鋼が前記合金成分となるまで該溶鋼に前記合金鉄を添加すると共に、前記転炉から前記溶鋼鍋への前記溶鋼の出鋼開始から出鋼終了までの時間を100%とした場合、前記溶鋼への前記合金鉄の添加時期を出鋼開始から50%までの間とすることを特徴とするアルミキルド鋼の溶製方法。
    [mass%C]≦11.3×{(I/P・Ca−5)×16/40}−0.865
    ここで、[mass%C]は溶鋼中の炭素量(質量%)、I/P・Caは溶鋼へのCaの混入量(ppm)を示す。
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