JP2002265412A - 新規シクロペンテノン誘導体 - Google Patents

新規シクロペンテノン誘導体

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JP2002265412A
JP2002265412A JP2001110603A JP2001110603A JP2002265412A JP 2002265412 A JP2002265412 A JP 2002265412A JP 2001110603 A JP2001110603 A JP 2001110603A JP 2001110603 A JP2001110603 A JP 2001110603A JP 2002265412 A JP2002265412 A JP 2002265412A
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JP2001110603A
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Inventor
Takashi Takahashi
孝志 高橋
Makoto Kitade
誠 北出
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Tokyo Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Kasei Kogyo Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は,抗腫瘍作用などの生理活性が
知られているクラブロン類を簡便に合成するための合成
中間体を提供することである。 【解決手段】上記課題解決のため,本発明化合物を提供
した。本発明化合物はシクロペンテノン骨格,ω−鎖の
一部として3−ハロゲノアリル基あるいはプロパルギル
基,クラブロンIIの12−位に相当する位置に天然型
クラブロンと同じ絶対配置の水酸基を有するもので,ク
ラブロン類を簡便に合成するための極めて有用な合成中
間体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規シクロペンテノ
ン誘導体に関するもので,医薬等の属する分野および他
の分野において要求されているプロスタノイドを合成す
るための有用な中間体を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】近年,海洋生物が生産する生理活性物質
が注目されている。ことに日本珊瑚のクラブラリア・ビ
リディスから抽出されるクラブロン類は抗腫瘍作用およ
び抗炎症作用を有しており,大いに注目されている。そ
して,クラブロン類の構造決定や生理活性の解明が盛ん
に行われ,有機合成の分野ではクラブロン類の合成法が
盛んに研究されている。
【0003】クラブロン類の中でも,クラブロンIIは
強い抗腫瘍作用が知られている。クラブロンはプロスタ
ノイドの一種であるが,下記構造式に示すようにその構
造的特徴として12−位に酸素官能基を有すること,そ
して交差共役系が存在する点で従来から知られているプ
ロスタノイドと異なる。また,4−位と12−位は不斉
炭素であり,立体選択的な合成が求められている。
【0004】
【化2】
【0005】従って,このクラブロンIIの合成は複雑
な工程を必要とされる。例えば,長岡らは(S)−4−
ヒドロキシシクロペンテノンを酢酸t−ブチルのエノラ
ートと反応させ,1,4−ジヒドロキシ−2−シクロペ
ンテニル酢酸t−ブチルとし,水酸基を保護した後,L
iAlHでエステルを水酸基に還元,次いでSwer
n酸化によりアルデヒドとした後,Wittig反応に
よりω−鎖を構築している。その後,PCCで酸化して
シクロペンテノン骨格を形成,次いでα−鎖を導入する
方法を報告している[Tetrahedron Let
t.,25,3621(1984)]。柴崎らは1,2
−ビス(トリメチルシリルオキシ)シクロペンテンをメ
チルリチウムでリチオ化し,2−オクチニルブロミドを
反応させ,2−(2−オクチニル)−2−ヒドロキシシ
クロペンテノンとし,これをLindlar触媒の存在
下Hで還元してω−鎖を構築している。その後,TM
Sトリフラートで2−位の水酸基のTMSエーテルに,
そして1−位のケトンをシリルエノールエーテルとし,
次いでPd(OAc)でシリルエノールエーテルをエ
ノンに変換して5−(トリメチルシリルオキシ)−5−
(2−オクテニル)−2−シクロペンテノンとしてい
る。この2−シクロペンテノンのケトンをNaBH
還元,次いでメタンスルホン酸無水物でメタンスルホナ
ートとし,このスルホン酸エステルを加水分解した後,
Collin酸化,次いで脱TMS化を行なうことで4
−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン骨格を形成してい
る。その後,α−鎖を導入し,クロマトグラフィーでジ
アステレオマーを分割するクラブロンIIの合成方法を
報告している[Tetrahedron Lett.,
26,3841(1985)]。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記クラブロンIIの
合成法はいずれも天然クラブロンIIと同じ立体配置の
ものを得ることができる優れた合成法である。しかしな
がら,長岡らの方法はω−鎖の構築に多数の工程を必要
とし,また,柴崎らの方法は4−ヒドロキシシクロペン
テノン骨格の形成に多数の工程を必要としており,いず
れの方法も簡便な方法と言い難く,とても満足できるも
のでない。クラブロンIIあるいはその類縁体を簡便
に,しかも立体選択性を持って合成することが強く求め
られている。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで,発明者は鋭意研
究を重ねた結果,本発明を完成するに至った。すなわ
ち,本発明は下記構造式で示される光学活性シクロペン
テノン誘導体に関するもので,クラブロン誘導体を合成
するための有用な中間体として供されるものである。
【0008】
【化3】
【0009】(ただし,Rは水素,アシル基,テトラ
ヒドロピラニル基,メトキシメチル基,トリアルキルシ
リル基から選ばれ,Rは3−ヨードアリル基,3−ブ
ロモアリル基,3−クロロアリル基,プロパルギル基か
ら選ばれる) 本発明に係る上記式で表される化合物は文献未載の新規
化合物であり,その製造法としては,例えば,本発明化
合物の一つである(4R)−4−ヒドロキシ−4−(3
−ヨードアリル)−2−シクロペンテノンは,下記反応
式1に従って(4S)−4−ヒドロキシ−2−シクロペ
ンテノンから6工程で得ることができる。
【0010】
【化4】
【0011】上記反応式において,第I工程で使用しう
る溶媒はテトラヒドロフラン,エーテル,ジオキサン
等,あるいはこれらの混合溶媒が挙げられる。第II工
程は塩化メチレン,クロロホルム,トルエン,テトラヒ
ドロフラン,エーテル等のごとき有機溶媒が挙げられ,
第III工程はアセトン,アセトニトリル,テトラヒド
ロフラン,エーテル,ジオキサン等が挙げられ,第IV
工程はテトラヒドロフラン,エーテル,ジオキサン等が
あげられる。第V工程はメタノール,エタノール,テト
ラヒドロフラン,エーテル,ジオキサン等が挙げられる
が,好ましくはアルコール類である。第VI工程は塩化
メチレン,クロロホルム等とトルエン,ベンゼン等の混
合溶媒が挙げられる。反応温度は各工程それぞれ通常−
100℃〜100℃の範囲内で行なうことができるが,
好ましくは第I工程が−78℃付近,第II工程,第I
II工程,第IV工程,第V工程,第VI工程は0℃〜
室温である。反応に要する時間は使用する溶媒,塩基,
反応温度により異なる。第I工程から第V工程は通常1
分〜12時間の範囲内であるが,好ましくは1分〜3時
間の範囲内で適宜選択される。第VI工程は1時間〜2
4時間の範囲内で適宜選択される。反応混合物からの目
的物の単離,精製は,常法に従って容易に行なうことが
できる。例えば,ろ過,あるいはエーテル,ベンゼン,
トルエン,塩化メチレン,クロロホルム,酢酸エチルの
ごとき有機溶媒による抽出,またはシリカゲル,活性炭
素,デキストラン架橋重合体,スチレン,アクリル酸エ
ステルの多孔質重合体等を用いた各種クロマトグラフィ
ーを行なうことにより,単離,精製することができる。
【0012】また,上記以外の本発明化合物である(4
R)−4−ヒドロキシ−4−プロパルギル−2−シクロ
ペンテノンは,下記反応式に従って(4S)−4−ヒド
ロキシ−2−シクロペンテノンから2工程で合成するこ
とができる。
【0013】
【化5】
【0014】第1工程は4−位の水酸基を保護した後,
プロパルギル基を導入する工程である。この工程で用い
る保護基はテトラヒドロピラニル基,メトキシメチル
基,ベンジル基,p−メトキシベンジル基,トリチル
基,2−トリメチルシリルエチル基,アリル基などから
選ばれる。プロパルギル基の導入にはプロパルギルマグ
ネシウムブロミド,プロパルギルマグネシウムクロリド
などが選ばれる。このプロパルギル化の際,充分なジア
ステレオ選択性が得られない場合はHPLCなどで,ジ
アステレオマーを分離することができる。第2工程は脱
保護と酸化の工程である。脱保護の条件は使用する保護
基により最適な条件が選ばれるが,保護基がテトラヒド
ロピラニル基の場合は酢酸酸性条件などが用いられる。
【0015】上記のごとく合成できる本発明化合物はク
ラブロン誘導体を合成するための有用な中間体として供
される。例えば,本発明化合物,(4R)−4−ヒドロ
キシ−4−(3−ヨードアリル)−2−シクロペンテノ
ンは,その水酸基を保護した後,B−アルキル−9−ボ
ラビシクロ[3.3.1]ノナンをPd(0)の存在下
で反応させることにより,ω−鎖を延長することができ
る。次いで,塩基の存在下,α,β−不飽和アルデヒド
を反応させることによりα−鎖を導入し,クラブロン誘
導体を合成することができる。また,(4R)−4−ヒ
ドロキシ−4−プロパルギル−2−シクロペンテノンを
利用する場合,まず,水酸基を保護し,その後,芳香族
ヨージド,あるいはアルキルヨージドを反応させ,次い
でアルデヒドを反応させることによりクラブロン類縁体
を合成することができる。即ち,本発明化合物は3成分
連結法を用いてクラブロン誘導体,あるいは類縁体を合
成するために必要なシクロペンテノンで,4−位に水酸
基を有し,その絶対配位置はRである。また,ω−鎖の
一部として3−ハロゲノアリル基,あるいはプロパルギ
ル基を有している。そして,このハロゲンは容易にアル
キル基などに変換でき,また,プロパルギル基も容易に
延長することができる。
【0016】
【実施例】以下に本発明の好ましい実施例を記載する
が,これは例示の目的であり,本発明を制限するもので
はない。本発明の範囲内では変形が可能なことは当業者
には明らかであろう。
【0017】実施例1(3R,5S)−3,5−ジヒド
ロキシ−3−(3−トリメチルシリルプロパルギル)シ
クロペンテンの合成 テトラヒドロフラン40mlにジイソプロピルアミン2
4.5mmolを加え,0℃に冷却,アルゴン気流下,
1.59Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液14.2
mlを加え,20分間攪拌を続けた後,−20℃に冷
却,次いで1−トリメチルシリルプロピン22.5mm
olを含むテトラヒドロフラン5mlを加え,−78℃
に冷却,この溶液に(R)−4−ヒドロキシ−2−シク
ロペンテノン9.79mmolを含むテトラヒドロフラ
ン10mlを加え,−78℃で10分間攪拌した。この
反応溶液をエーテルで希釈し,0℃にて飽和塩化アンモ
ニウム水溶液50mlに注ぎ,エーテル50ml(X
3)で抽出し,抽出液をブリンで洗浄し,硫酸マグネシ
ウムを加え,ろ過,減圧下エーテルを留去した。残渣を
カラム精製し,減圧下溶媒を留去し,収率85%で,
(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−3−(3−ト
リメチルシリルプロパルギル)シクロペンテンの白色結
晶8.29mmolを得た。
【0018】以下に主な物性値を示す。 融点:98−100℃,[α]−93.1°(c=
1.0,CHCl),IR(KBr):3724cm
−1,2180cm−1,1353cm−1,1306
cm−1,1248cm−1,1082cm−1
NMR(270MHz,CDCl):δ6.00
(1H,dd,J=2.0,5.6Hz),5.93
(1H,d,J=5.6Hz),4.72(1H,
m),2.56(1H,dd,J=6.9,14.2H
z),2.54(2H,s),1.81(1H,dd,
J=3.6,14.2Hz),0.17(9H,s),
13C NMR(67.8MHz,CDCl):δ1
38.4,136.2,102.3,82.5,81.
4,75.5,48.0,32.4,0.002
【0019】実施例2(3R,5S)−3,5−ビス
(トリエチルシリルオキシ)−3−(3−トリメチルシ
リルプロパルギル)シクロペンテンの合成 ジクロロメタン50mlに(3R,5S)−3,5−ジ
ヒドロキシ−3−(3−トリメチルシリルプロパルギ
ル)シクロペンテン9.79mmolを溶解させ,アル
ゴン気流下,0℃にてイミダゾール43.1mmol,
t−ブチルジメチルシリルクロリド21.5mmolを
加え,次いで,エーテル30ml,飽和塩化アンモニウ
ム水溶液50mlを加え分液した。水層をエーテル50
ml(X3)で抽出し,有機層を合わせブリンで洗浄
後,硫酸マグネシウムを加え,ろ過,減圧下有機溶媒を
留去した。残渣をアセトン40mlに溶解し,0℃に冷
却した。この溶液にアルゴン気流下,N−ヨードスクシ
ンイミド10.6mmol,硝酸銀8.80mmolを
加え,3.5時間攪拌を続けた。この反応液にエーテル
20ml,飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液30ml,飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液30mlを加え,有機層を
分離した。水層をエーテル50ml(X3)で抽出し,
抽出液と先に分離した有機層を合わせ,ブリンで洗浄
後,硫酸マグネシウムを加え,ろ過,減圧下有機溶媒を
留去した。残渣をカラム精製し,減圧下溶媒を留去し,
収率83%で,(3R,5S)−3,5−ビス(トリエ
チルシリルオキシ)−3−(3−トリメチルシリルプロ
パルギル)シクロペンテンの黄色液体4.0gを得た。
【0020】以下に主な物性値を示す。 [α]−56.8°(c=1.0,CHCl),I
R:3314cm−1,2912cm−1,1459c
−1,1425cm−1,1367cm−1
NMR(270MHz,CDCl):δ5.82(1
H,dd,J=5.3,7.6Hz),5.80(1
H,d,J=7.6Hz),4.69(1H,dt,J
=5.3,7.6Hz),2.59(2H,s),2.
57(1H,dd,J:9.6,16.5Hz),1.
84(1H,ddt,J=2.6,7.6,16.5H
z),0.97,0.94(18H,2t,J=7.
9,8.2Hz),0.61,0.60(12H,2
q,J=7.9,8.2Hz),13C NMR(6
7.8MHz,CDCl):δ137.1,139.
4,91.6,84.6,74.9,69.1,35.
3,6.9,6.8,4.8
【0021】実施例3(3R,5S)−3,5−ビス
(トリエチルシリルオキシ)−3−(ヨードアリル)シ
クロペンテンの合成 エーテル20mlにシクロヘキセン34.8mmolを
加え,0℃に冷却し,アルゴン気流下,ジメチルスルフ
ィドボラン17.4mmolを加え,室温で1時間攪拌
した。その後,0℃に冷却し,エーテル10mlに(3
R,5S)−3,5−ビス(トリエチルシリルオキシ)
−3−(3−トリメチルシリルプロパルギル)シクロペ
ンテン5.80mmolを溶解した溶液を加えた。1時
間後,この反応液に氷酢酸4mlを加えて30分間攪拌
した後,エーテル20mlと飽和炭酸水素ナトリウム4
0mlを加え,有機層を分離した。水層をエーテル40
ml(X3)で抽出し,抽出液と先に分離した有機層を
合わせ,ブリン40ml(X3)で洗浄し,その後,硫
酸マグネシウムで加え,ろ過,減圧下有機溶媒を留去し
た。残渣をカラム精製し,減圧下,溶媒を留去し,収率
82%で,(3R,5S)−3,5−ビス(トリエチル
シリルオキシ)−3−(3−ヨードアリル)シクロペン
テンの黄色液体2.36gを得た。
【0022】以下に主な物性値を示す。 [α]−37.0°(c=1.0,CHCl),I
R:2912cm−1,1459cm−1,1415c
−1,1367cm−1H NMR(270MH
z,CDCl):δ6.26(1H,dt,J=6.
3,12.9Hz),6.24(1H,d,J=12.
9Hz),5.77(1H,dt,J=5.6,7.3
Hz),5.77(1H,d,J=7.3Hz),4.
63(1H,ddd,J=1.3,5.3,5.6H
z),2.45(1H,dd,J=6.9,13.2H
z),2.36(1H,d,J=6.3Hz),2.2
6(1H,dd,J=6.3,14.5Hz),1.7
5(1H,dd,J=5.3,13.2Hz),0.9
6,0.94(18H,2t,J=7.9,8.3H
z),0.60(12H,q,J=8.3Hz),13
C NMR(67.8MHz,CDCl):δ13
8.3,137.8,135.5,84.4,84.
2,74.6,49.2,47.9,7.0,6.8,
6.5,4.8
【0023】実施例4(R)−4−ヒドロキシ−4−
(3−ヨードアリル)−2−シクロペンテノンの合成 メタノール10mlに(3R,5S)−3,5−ビス
(トリエチルシリルオキシ)−3−(3−ヨードアリ
ル)シクロペンテン4.77mmolを溶解させ,0℃
に冷却し,(1S)−(+)−10−カンファースルホ
ン酸0.13mmolを加え,2時間攪拌した。この反
応液をトリエチルアミン20μlで中和し,減圧下,溶
媒を留去した。残渣をジクロロメタン60mlに溶解さ
せ,アルゴン気流下,MnO47.7mmolを加
え,室温で14時間攪拌した。その後,セライトでろ過
し,減圧下有機溶媒を留去した。残渣をカラム精製し,
減圧下,溶媒を留去し,収率75%で,(R)−4−ヒ
ドロキシ−4−(3−ヨードアリル)−2−シクロペン
テノンの黄色液体948.4mgを得た。
【0024】以下に主な物性値を示す。 [α]−74.4°(c=0.5,CHCl),I
R:3356cm−1,2926cm−1,1716c
−1,1609cm−1,1590cm−1
NMR(270MHz,CDCl):δ7.45(1
H,d,J=5.6Hz),6.53(1H,dt,J
=13,7.3Hz),6.28(1H,dt,J=
6.9,7.3Hz),6.17(1H,d,J=5.
6Hz),2.65(2H,dd,J=1.3,6.9
Hz),2.54(2H,dd ABsyst,J=1
8.5Hz),13C NMR(67.8MHz,CD
Cl):δ164.5,134.9,134.1,8
7.3,78.6,48.6,45.1,MS(ESI
−TOF):m/z[CIO+Na]の理論
値;264.9726,実測値;264.9726
【0025】実施例5(3R,5S)−3−ヒドロキシ
−3−プロパルギル−5−(2−テトラヒドロピラニル
オキシ)シクロペンテンの合成 アルゴン気流下,テトラヒドロフラン100mlに
(S)−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン30
g,ジヒドロピラン50mlを加え,氷冷し,カンファ
ースルホン酸1gを加え,室温で1時間攪拌した。その
後,トリエチルアミン0.6mlを加え,減圧濃縮し
た。残渣をカラム精製し,減圧下溶媒を留去して(S)
−4−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−2−シク
ロペンテノン36gを得た。アルゴン気流下,エーテル
150mlにマグネシウム2.6g,塩化第二水銀10
mgを懸濁させ,プロパルギルブロミドを滴下し,グリ
ニヤール試薬を調製した。このグリニヤール試薬を−7
8℃に冷却し,4−(2−テトラヒドロピラニルオキ
シ)−2−シクロペンテノン10gを含むテトラヒドロ
フラン50mlを滴下し,その後,1時間攪拌した。反
応液を飽和塩化アンモニウム水溶液中に注ぎ,酢酸エチ
ルで3回抽出した。酢酸エチルを合わせ,飽和食塩水で
洗浄後,硫酸マグネシウムを加え,ろ過後,減圧下濃縮
した。残渣をカラム精製し,減圧下溶媒を留去して(3
R,5S)−3−ヒドロキシ−3−プロパルギル−5−
(2−テトラヒドロピラニルオキシ)シクロペンテン7
gを得た。
【0026】以下に主な物性を示す。 H NMR(270MHz,CDCl):δ6.0
1(1H,m),4.73(1H,m),4.70(1
H,m),3.88(1H,m),3.54(1H,
m),2.50(1H,s),2.40(2H,m),
2.01(2H,m),1.26−1.86(6H,
m)
【0027】実施例6(R)−4−ヒドロキシ−4−プ
ロパルギル−2−シクロペンテノンの合成 (3R,5S)−3−ヒドロキシ−3−プロパルギル−
5−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)シクロペンテ
ン1.1gを含むテトラヒドロフラン10mlに酢酸−
水(4:1)25mlを加え,室温で3時間攪拌後,減
圧下濃縮した。残渣をカラム精製し,減圧下溶媒を留去
して3,5−ジヒドロキシ−3−プロパルギルシクロペ
ンテン0.44gを得た。この3,5−ジヒドロキシ−
3−プロパルギルシクロペンテン0.44gを塩化メチ
レン20mlに溶解させ,次いで,活性二酸化マンガン
5gを加え,37時間攪拌した。その後,セライトろ過
し,ろ液を減圧濃縮して残渣を得る。得られた残渣をカ
ラム精製し,減圧下溶媒を留去して(R)−4−ヒドロ
キシ−4−プロパルギル−2−シクロペンテノン0.3
gを得た。
【0028】以下に主な物性を示す。 H NMR(270MHz,CDCl):δ7.4
9(1H,d,J=5.6Hz),6.20(1H,
d,J=5.6Hz),2.52−2.68(4H,
m),2.14(1H,s)
【0029】
【発明の効果】本発明に係る化合物はクラブロンIIの
シクルペンテノン骨格,ω−鎖の一部として3−ハロゲ
ノアリル基あるいはプロパルギル基を有しており,ω−
鎖を極めて容易に構築することができる。また,クラブ
ロンIIの12−位に相当する位置に水酸基を有してお
り,しかもその絶対配置は天然クラブロンIIと同じで
ある。そのため,本発明に係る化合物はクラブロン類合
成のための極めて有用な化合物と言える。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造式 【化1】 (ただし,Rは水素,アシル基,テトラヒドロピラニ
    ル基,メトキシメチル基,トリアルキルシリル基から選
    ばれ,Rは3−ヨードアリル基,3−ブロモアリル
    基,3−クロロアリル基,プロパルギル基から選ばれ
    る)で示される新規シクロペンテノン誘導体。
JP2001110603A 2001-03-06 2001-03-06 新規シクロペンテノン誘導体 Withdrawn JP2002265412A (ja)

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