JP2000143688A - ゼアキサンチンモノ−β−グルコシドの製造方法 - Google Patents

ゼアキサンチンモノ−β−グルコシドの製造方法

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JP2000143688A
JP2000143688A JP32745698A JP32745698A JP2000143688A JP 2000143688 A JP2000143688 A JP 2000143688A JP 32745698 A JP32745698 A JP 32745698A JP 32745698 A JP32745698 A JP 32745698A JP 2000143688 A JP2000143688 A JP 2000143688A
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JP32745698A
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Masayoshi Itou
允好 伊藤
Yumiko Yamano
由美子 山野
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゼアキサンチンモノ−β−グルコシドを選択
的に得ることができる方法を提供する。 【解決手段】 下記の反応スキームに従い、3−ヒドロ
キシ−β−イオノンをグリコシル化し、得られた化合物
の側鎖を延長してカロテノイド骨格を形成することから
なる、式(1)で示されるゼアキサンチンモノ−β−グ
ルコシドの製造方法。 【化1】 (上記式中、X1、X2およびX3はそれぞれハロゲン原
子を表し、Zはホルミル基またはアセタール型に保護さ
れたホルミル基を表す。また、Yはアシル基を表し、Y
1、Y2、Y3およびY4は、それぞれアシル基または水素
原子を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体細胞膜の安定
化に寄与するとされている、下記の式(1)
【0002】
【化9】
【0003】で示されるゼアキサンチンモノ−β−グル
コシドの製造方法に関する。
【0004】
【従来の技術】ゼアキサンチンモノ−β−グルコシドの
製造方法としては、ゼアキサンチンとグルコースを原料
として製造する方法が知られている〔Helv. Chim. Act
a, 57,1641 (1974) 参照〕。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記の方法で
は、ゼアキサンチンの水酸基が2つともグリコシド化さ
れた化合物が副生し、選択的に目的とするモノグルコシ
ド体を得ることは困難である。本発明は、このような従
来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、選択的
にゼアキサンチンモノ−β−グルコシドを製造すること
のできる方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、水酸基を1つ有する化
合物である3−ヒドロキシ−β−イオノンをグリコシル
化し、得られた化合物の側鎖を延長してカロテノイド骨
格を形成するという方法により、選択的に目的化合物が
得られることを見出し、さらに検討した結果、本発明を
完成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明は、以下の工程1〜4か
らなる、上記の式(1)で示されるゼアキサンチンモノ
−β−グルコシドの製造方法である。
【0008】工程1:3−ヒドロキシ−β−イオノンと
下記の式(2)
【0009】
【化10】
【0010】(式中、X1はハロゲン原子を表し、Yは
アシル基を表す)で示されるグルコース誘導体を反応さ
せて、下記の式(3)
【0011】
【化11】
【0012】(式中、Yは上記定義のとおりである)で
示される化合物を製造する工程、
【0013】工程2:工程1で得られた式(3)で示さ
れる化合物に、下記の式(4)
【0014】
【化12】
【0015】で示されるイミン塩を反応させる(ただ
し、該反応の副反応としてアシル基で保護された水酸基
の脱保護反応が起きた場合には、所望により、該脱保護
反応によって生成した水酸基を保護してもよい)ことに
よって、下記の式(5)
【0016】
【化13】
【0017】(式中、Y1、Y2、Y3およびY4は、それ
ぞれアシル基または水素原子を表す)で示される化合物
を製造する工程、
【0018】工程3: i)工程2で得られた化合物を示す上記の式(5)にお
いてY1、Y2、Y3およびY4の少なくとも1つがアシル
基である場合、該式(5)で示される化合物に塩基性物
質を作用させることによってアシル基で保護された水酸
基を脱保護し、さらにアルカリ金属アルコキシドの存在
下、下記の式(6)
【0019】
【化14】
【0020】(式中、X2はハロゲン原子を表し、Zは
ホルミル基またはアセタール型に保護されたホルミル基
を表す)で示されるホスホニウム塩Iを作用させること
によって、 また、ii)工程2で得られた化合物を示す上記の式
(5)においてY1、Y2、Y3およびY4がすべて水酸基
である場合、該式(5)で示される化合物にアルカリ金
属アルコキシドの存在下、上記の式(6)で示されるホ
スホニウム塩Iを作用させることによって、下記の式
(7)
【0021】
【化15】
【0022】で示される化合物を製造する工程、
【0023】工程4:工程3で得られた式(7)で示さ
れる化合物に、アルカリ金属アルコキシドの存在下、下
記の式(8)
【0024】
【化16】
【0025】(式中、X3はハロゲン原子を表す)で示
されるホスホニウム塩IIを作用させて、上記の式
(1)で示されるゼアキサンチンモノ−β−グルコシド
を製造する工程。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を工程順に説明す
る。
【0027】工程1 この工程では、3−ヒドロキシ−β−イオノンに、上記
の式(2)で示されるグルコース誘導体を反応させて、
上記の式(3)で示される化合物を製造する。
【0028】式(2)において、X1が表すハロゲン原
子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子などが挙げられる。また、式(2)にお
いて、Yが表すアシル基としては、例えば、アセチル
基、プロピオニル基、イソブチリル基、イソバレリル
基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−メチルベンゾイ
ル基などが挙げられるが、炭素数が8以下のものが好ま
しい。
【0029】一方、式(2)で示されるグルコース誘導
体と反応させる、3−ヒドロキシ−β−イオノンは公知
物質であり、例えば、文献〔Helv. Chim. Acta., 63, 1
377(1980)〕などに記載された方法によって製造するこ
とができる。また、文献〔J.Chem. Soc., Perkin Trans
1, 2569 (1998)〕に記載された方法に従って、水酸基
がトリアルキルシリル基で保護された3−ヒドロキシ−
β−イオノンを製造し、該化合物におけるトリアルキル
シリル基を常法(フッ化水素で処理する方法など)に従
って脱保護することによって製造することも可能であ
る。なお、3−ヒドロキシ−β−イオノンとしては、
(3R)−3−ヒドロキシ−β−イオノンや(3S)−
3−ヒドロキシ−β−イオノンなどの光学活性体を使用
してもよい。以下、本明細書では、このような光学活性
体を包含して、「3−ヒドロキシ−β−イオノン」とい
う名称を使用する。
【0030】本工程において、式(2)で示されるグル
コース誘導体の使用量は、3−ヒドロキシ−β−イオノ
ン1モルに対し、通常、1〜3モルの範囲である。
【0031】式(2)で示されるグルコース誘導体と3
−ヒドロキシ−β−イオノンの反応は、通常、溶媒の存
在下に実施される。使用可能な溶媒としては、例えば、
ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハ
ロゲン化炭化水素溶媒などが挙げられる。溶媒の使用量
は、特に制限されるものではないが、一般に、3−ヒド
ロキシ−β−イオノンに対し、0.5〜1000倍重量
である。
【0032】式(2)で示されるグルコース誘導体と3
−ヒドロキシ−β−イオノンの反応は、通常、−30〜
50℃、好ましくは−20〜20℃の温度範囲で行われ
る。また、式(2)で示されるグルコース誘導体と3−
ヒドロキシ−β−イオノンの反応は、窒素、アルゴン等
の不活性ガス雰囲気下に実施することが好ましい。
【0033】式(2)で示されるグルコース誘導体と3
−ヒドロキシ−β−イオノンの反応に際しては、銀化合
物または水銀化合物を併用することにより、目的化合物
の収率を向上させ、しかも反応時間を短縮させることが
できる。銀化合物としては、例えば、塩化銀、臭化銀、
トリフルオロ酢酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀
(銀トリフレート)などが挙げられ、また、水銀化合物
としては、例えば、塩化水銀(I)、塩化水銀(I
I)、臭化水銀(I)、ヨウ化水銀(I)などが挙げら
れるが、いずれもハロゲン原子を含有する化合物が好ま
しい。銀化合物または水銀化合物の使用量は、式(2)
で示されるグルコース誘導体1モルに対して、1〜4グ
ラム当量であることが好ましい。
【0034】また、式(2)で示されるグルコース誘導
体と3−ヒドロキシ−β−イオノンの反応は、各種のモ
レキュラーシーブの存在下に実施してもよい。
【0035】反応終了後、生成物である式(3)で示さ
れる化合物は、常法に従って、反応混合物を処理するこ
とによって分離取得することができる。反応混合物の処
理方法としては、例えば、反応混合物に水を加え、遊離
した有機層を取得する方法が挙げられる。この際、例え
ば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等
のハロゲン化炭化水素溶媒;酢酸エチル等のエステル系
溶剤などを利用して抽出してもよい。なお、不溶物によ
って有機層の分離が困難となった場合には、セライトな
どを用いて不溶物を濾別するとよい。このようにして得
られた有機層から、必要に応じて、重曹水、食塩水など
による洗浄操作を施した後、溶剤を留去することによ
り、式(3)で示される化合物を得ることができる。
【0036】このようにして得られた、式(3)で示さ
れる化合物は、そのまま次の工程2における原料として
使用することができるが、所望により、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィ−等の手段により純度を高めてから
次の工程2における原料として使用してもよい。
【0037】工程2 この工程では、工程1で得られた式(3)で示される化
合物に、上記の式(4)で示されるイミン塩を反応させ
て、上記の式(5)で示される化合物を製造する。ここ
で、生成物を表す式(5)において、Y1、Y2、Y3
よびY4が表すアシル基としては、Yと同様に、アセチ
ル基、プロピオニル基、イソブチリル基、イソバレリル
基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−メチルベンゾイ
ル基などが挙げられるが、炭素数が8以下のものが好ま
しい。
【0038】本工程で使用する式(4)で示されるイミ
ン塩は、例えば、アセトアルデヒドのα−トリエチルシ
リル−t−ブチルイミン〔すなわち、2−メチル−N−
[2−(トリエチルシリル)エチニリデン]−2−プロ
パンアミン〕を、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶
媒中で、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t
−ブチルリチウム等の有機リチウムと反応させることに
よって調製することができる。この際、有機リチウムの
使用量は、アセトアルデヒドのα−トリエチルシリル−
t−ブチルイミン1モルに対して、通常1〜1.2モ
ル、好ましくは1〜1.05モルである。また、溶媒の
使用量は、通常、アセトアルデヒドのα−トリエチルシ
リル−t−ブチルイミンに対して、1〜100倍重量で
ある。式(4)で示されるイミン塩の調製は、一般に−
80〜0℃の温度で実施される。また、式(4)で示さ
れるイミン塩の調製は、窒素、アルゴン等の不活性ガス
雰囲気下で実施することが好ましい。
【0039】式(4)で示されるイミン塩の使用量は、
式(3)で示される化合物1モルに対し、通常0.9〜
10モルの範囲である。
【0040】式(4)で示されるイミン塩と式(3)で
示される化合物の反応は、通常、テトラヒドロフラン等
のエーテル系溶媒の存在下に実施される。溶媒の使用量
は、特に制限されるものではないが、一般に、式(3)
で示される化合物に対し、0.5〜1000倍重量であ
る。なお、式(4)で示されるイミン塩と式(3)で示
される化合物の反応は、上記の方法等によって調製した
式(4)で示されるイミン塩の溶液に、式(3)で示さ
れる化合物を添加するという手法で実施することが好ま
しい。
【0041】式(4)で示されるイミン塩と式(3)で
示される化合物の反応は、通常、−80〜0℃の温度範
囲で行われる。反応時間は、通常、5分〜5時間程度で
ある。また、式(4)で示されるイミン塩と式(3)で
示される化合物の反応は、窒素、アルゴン等の不活性ガ
ス雰囲気下に実施することが好ましい。
【0042】反応終了後、生成物である式(5)で示さ
れる化合物は、常法に従って、反応混合物を処理するこ
とによって分離取得することができる。反応混合物の処
理方法としては、例えば、反応混合物に、酢酸、シュウ
酸、クエン酸などの有機酸の水溶液を加えて反応を停止
させた後、酢酸エチル等のエステル系溶媒;ジエチルエ
ーテル等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳
香族炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等
のハロゲン化炭化水素系溶媒などの有機溶媒を用いて式
(5)で示される化合物を有機層に抽出する方法が挙げ
られる。このようにして得られた有機層から、必要に応
じて、重曹水、食塩水などによる洗浄操作を施した後、
有機溶媒を留去することにより、式(5)で示される化
合物を得ることができる。
【0043】このようにして得られた、式(5)で示さ
れる化合物は、そのまま次の工程3における原料として
使用することができるが、所望により、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィ−等の手段により純度を高めてから
次の工程3における原料として使用してもよい。
【0044】なお、本工程において、グルコシド部分に
含まれる保護された水酸基の少なくとも一部が加水分解
されて水酸基となっている場合がある。この場合には、
必要に応じて、該水酸基を常法に従って再度エステル化
することも可能である。エステル化の方法としては、例
えば、塩化ベンゾイル、塩化アセチル、臭化アセチル等
の酸ハロゲン化物を、ピリジン、トリエチルアミンなど
の塩基性物質の存在下に反応させる方法が挙げられる。
【0045】工程3 この工程では、i)工程2で得られた化合物を示す上記
の式(5)においてY1、Y2、Y3およびY4の少なくと
も1つがアシル基である場合、該式(5)で示される化
合物に塩基性物質を作用させることによってアシル基で
保護された水酸基を脱保護し、さらにアルカリ金属アル
コキシドの存在下、上記の式(6)で示されるホスホニ
ウム塩Iを作用させることによって、また、ii)工程
2で得られた化合物を示す上記の式(5)において
1、Y2、Y3およびY4がすべて水酸基である場合、該
式(5)で示される化合物にアルカリ金属アルコキシド
の存在下、上記の式(6)で示されるホスホニウム塩I
を作用させることによって、上記の式(7)で示される
化合物を製造する。
【0046】なお、本工程において、水酸基の脱保護に
際して塩基性物質としてアルカリ金属アルコキシドを使
用することができるが、その場合には、水酸基の脱保護
とホスホニウム塩Iとの反応を同時に行うことも可能で
ある。
【0047】以下、水酸基の脱保護を行った後にホスホ
ニウム塩Iとの反応を行う方法について説明する。式
(5)で示される化合物の水酸基の脱保護(以下、「脱
保護反応」と略称する)において、使用する塩基性物質
としては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウム
エトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムメト
キシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド
等のアルカリ金属アルコキシド;水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩などが挙
げられる。塩基性物質の使用量は、式(5)で示される
化合物1モルに対して、通常、0.01〜20モル、好
ましくは0.1〜15モルの範囲である。
【0048】脱保護反応は、通常溶媒の存在下に実施さ
れる。使用可能な溶媒としては、例えば、メタノール、
エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブ
タノール、2−ブタノール、t−ブタノール等のアルコ
ール;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエー
テル類などが挙げられる。溶媒の使用量は、特に制限さ
れるものではないが、一般に、式(5)で示される化合
物に対し、0.5〜1000倍重量である。
【0049】脱保護反応は、通常、0〜100℃、好ま
しくは10〜30℃の温度範囲で実施される。反応時間
は、通常、10分〜5時間程度である。また、脱保護反
応は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下に実施す
ることが好ましい。
【0050】脱保護反応によって得られた化合物(以
下、「脱保護体」と略称する)は、常法に従って、反応
混合物を処理することによって分離取得することができ
る。反応混合物の処理方法としては、例えば、反応に使
用した式(5)で示される化合物に対して1〜10倍重
量の酸性型イオン交換樹脂を反応混合物に加え、10〜
50℃で5分〜2時間程度撹拌した後、固体状物をろ過
などの方法により分離し、得られたろ液を濃縮すること
によって、脱保護体を取得する方法が挙げられる。この
ようにして得られた、脱保護体は、そのままホスホニウ
ム塩Iとの反応に使用することができるが、所望によ
り、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−等の手段によ
り純度を高めてからホスホニウム塩Iとの反応に使用し
てもよい。
【0051】脱保護体と反応させるホスホニウム塩Iを
表す式(6)において、X2が表すハロゲン原子として
は、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙
げられる。また、同式において、Zがアセタール型に保
護されたホルミル基を表す場合、Zは式 −CH(O
R)2〔式中Rはアルキル基を示す〕で表すことができ
る。ここで、Rが表す炭化水素基としては、例えば、メ
チル基、エチル基、イソプロピル基などが挙げられる
が、炭素数が6以下のものが好ましい。
【0052】ホスホニウム塩Iのうち、式(6)におい
てZがホルミル基である場合に対応する化合物は、文献
〔Helv. CHim. Acta., 63, 1473 (1980) 参照〕記載の
方法に従って調製することができる。また、ホスホニウ
ム塩Iのうち、式(6)においてZがアセタール型に保
護されたホルミル基である場合に対応する化合物は、上
記の式(6)においてZがホルミル基である場合に対応
する化合物のホルミル基を常法に従ってアセタール化す
ることによって調製することができる。アセタール化の
方法としては、メタノール、エタノール等のアルコール
中で、p−トルエンスルホン酸およびリン酸の存在下、
トリメチルオルトフォルメートあるいはトリエチルオル
トフォルメートなどを反応させる方法が挙げられる。な
お、ホスホニウム塩Iとしては、式(6)においてZが
アセタール型に保護されたホルミル基である場合に対応
する化合物を使用することが、式(7)で示される化合
物の収率の観点から好ましい。
【0053】ホスホニウム塩Iの使用量は、脱保護体の
前駆体である式(5)で示される化合物に換算して示せ
ば、式(5)で示される化合物1モルに対し、通常0.
8〜10モル、好ましくは1〜10モルの範囲である。
【0054】ホスホニウム塩Iとの反応に際して使用さ
れるアルカリ金属アルコキシドは、上記した脱保護反応
において例示したものと同様のものを例示することがで
きる。アルカリ金属アルコキシドの使用量は、式(6)
で示されるホスホニウム塩Iの1モルに対して、通常、
1〜3モル、好ましくは1〜1.5モルの範囲である。
【0055】脱保護体と式(6)で示されるホスホニウ
ム塩Iとの反応は、通常溶媒の存在下に実施される。使
用可能な溶媒としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノー
ル、2−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール;
テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類
などが挙げられる。溶媒の使用量は、特に制限されるも
のではないが、一般に、式(6)で示されるホスホニウ
ム塩Iに対し、0.5〜1000倍重量である。
【0056】脱保護体と式(6)で示されるホスホニウ
ム塩Iの反応は、ホスホニウム塩Iの溶液に、脱保護体
およびアルカリ金属アルコキシドを添加するという手法
で実施することが好ましい。なお、式(6)で示される
ホスホニウム塩Iとして、式(6)におけるZがアセタ
ール型に保護されたホルミル基である化合物を使用する
場合、ホルミル基をアセタール型に保護する際に使用し
た酸が残存していることがあるので、脱保護体およびア
ルカリ金属アルコキシドを添加する前に、該残存する酸
を中和できる程度にアルカリ金属アルコキシドを添加す
ることが望ましい。
【0057】脱保護体と式(6)で示されるホスホニウ
ム塩Iの反応は、通常、−10〜20℃の範囲の温度で
10分〜1時間程度実施される。その後、反応を完結さ
せるために、反応混合物の温度を20〜50℃に昇温
し、10分〜5時間程度撹拌することが好ましい。な
お、脱保護体とホスホニウム塩Iの反応は、窒素、アル
ゴン等の不活性ガス雰囲気下に実施することが好まし
い。
【0058】反応終了後、生成物である式(7)で示さ
れる化合物は、常法に従って、反応混合物を処理するこ
とによって分離取得することができる。反応混合物の処
理方法としては、例えば、反応に使用したアルカリ金属
アルコキシドの1〜100倍重量の酸性型イオン交換樹
脂を反応混合物に加え、10〜50℃で5分〜2時間程
度撹拌した後、固体状物を濾過などの方法により分離
し、得られた濾液を濃縮することによって、式(7)で
示される化合物を取得する方法が挙げられる。
【0059】このようにして得られた、式(7)で示さ
れる化合物は、そのまま次の工程4における原料として
使用することができるが、所望により、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィ−等の手段により純度を高めてから
工程4における原料として使用してもよい。
【0060】また、本工程では、工程2で得られた化合
物を示す上記の式(5)においてY1、Y2、Y3および
4がすべて水酸基である場合、該式(5)で示される
化合物にアルカリ金属アルコキシドの存在下、上記の式
(6)で示されるホスホニウム塩Iを作用させることに
よって、上記の式(7)で示される化合物を製造する。
この場合、上記説明における「脱保護体」を「式(5)
で示される化合物」と読み替えればよく、反応条件、生
成物の分離取得等は上記説明と同様である。
【0061】工程4 この工程では、工程3で得られた式(7)で示される化
合物に、アルカリ金属アルコキシドの存在下、上記の式
(8)で示されるホスホニウム塩IIを作用させて、上
記の式(1)で示されるゼアキサンチンモノ−β−グル
コシドを製造する。
【0062】本工程において使用するホスホニウム塩I
Iを表す式(8)において、X3が表すハロゲン原子と
しては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など
が挙げられる。
【0063】ホスホニウム塩IIは、例えば、文献〔He
lv. Chim. Acta., 63, 1377 (1980)〕などに記載された
方法によって製造することができる。ホスホニウム塩I
Iの使用量は、式(7)で示される化合物1モルに対
し、通常0.8〜5モル、好ましくは2〜5モルの範囲
である。
【0064】式(7)で示される化合物と式(8)で示
されるホスホニウム塩IIとの反応に際して使用される
アルカリ金属アルコキシドは、工程3の説明において例
示したものと同様のものを例示することができる。アル
カリ金属アルコキシドの使用量は、式(8)で示される
ホスホニウム塩IIの1モルに対して、通常、1〜4モ
ル、好ましくは1〜2モルの範囲である。
【0065】式(7)で示される化合物と式(8)で示
されるホスホニウム塩IIとの反応は、通常溶媒の存在
下に実施される。使用可能な溶媒としては、例えば、メ
タノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパ
ノール、ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール
等のアルコール;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル等のエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム等の
ハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。溶媒の使用量
は、特に制限されるものではないが、一般に、式(8)
で示されるホスホニウム塩IIに対し、0.5〜100
0倍重量である。
【0066】なお、式(7)で示される化合物と式
(8)で示されるホスホニウム塩IIとの反応は、ホス
ホニウム塩IIの溶液に、式(7)で示される化合物お
よびアルカリ金属アルコキシドを添加するという手法で
実施することが好ましい。
【0067】式(7)で示される化合物と式(8)で示
されるホスホニウム塩IIとの反応は、通常、−10〜
5℃の範囲の温度で10分〜1時間程度実施される。そ
の後、反応を完結させるために、反応混合物の温度を1
0〜50℃に昇温し、10分〜7時間程度撹拌すること
が好ましい。なお、式(7)で示される化合物と式
(8)で示されるホスホニウム塩IIとの反応は、窒
素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下に実施することが
好ましい。
【0068】反応終了後、生成物であるゼアキサンチン
モノ−β−グルコシドは、常法に従って、反応混合物を
処理することによって分離取得することができる。反応
混合物の処理方法としては、例えば、反応に使用したア
ルカリ金属アルコキシドの1〜100倍重量の酸性型イ
オン交換樹脂を反応混合物に加え、10〜50℃で5分
〜2時間程度撹拌した後、固体状物をろ過などの方法に
より分離し、得られたろ液を濃縮することによって、ゼ
アキサンチンモノ−β−グルコシドを取得する方法が挙
げられる。
【0069】このようにして得られた、ゼアキサンチン
モノ−β−グルコシドは、所望により、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィ−等の手段によりさらに純度を高め
ることができる。
【0070】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0071】実施例1 工程1 内容積200mlの三口フラスコに、2,3,4,6−
テトラ−O−ベンゾイル−α−D−グルコピラノシルブ
ロミドの8.08g(12.26ミリモル)および(3
R)−3−ヒドロキシ−β−イオノン 1.50g(7.
21ミリモル)を十分に乾燥した1,2−ジクロロエタ
ン75mlに溶解してなる溶液を仕込み、窒素雰囲気
下、モレキュラーシーブズ4Aを25g添加し、得られ
た混合物に、氷冷下、銀トリフレート3.70g(1
4.4ミリモル)を加え、氷冷下で2時間攪拌した。得
られた反応混合物を酢酸エチルで希釈し、セライトを用
いて濾過した。得られた濾液を飽和重曹水、飽和食塩水
で順次洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、溶
媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー〔展開溶媒:塩化メチレンとn−ヘキサン
とジエチルエーテルの混合溶媒(体積比;塩化メチレ
ン:n−ヘキサン:ジエチルエーテル=5:4:0.
7)〕で精製して、(3R)−3−(2,3,4,6−
テトラ−O−ベンゾイル−β−D−グルコピラノシルオ
キシ)−β−イオノン3.74g(収率:66%)を無
色あわ状物質として得た。
【0072】得られた化合物の物性値を以下に示す。IR νmax(cm-1):1732、1668、1603 1H−NMR δ(ppm、CDCl3、300MHz): 0.99
(3H,s;1−gem−Me)、1.00(3H,
s;1−gem−Me)、1.56(1H,t,J=1
2Hz;2ax−H)、1.58(3H,s;5−M
e)、1.88(1H,ddd,J=12Hz,3.5
Hz,2Hz;2eq−H)、2.00(1H,br
dd,J=17.5Hz,9Hz;4ax−H)、2.
25(3H,s;COMe)、2.29(1H;4eq
−H)、4.03(1H,m;3−H)、4.21(1
H,m;5’−H)、4.53(1H,dd,J=12
Hz,6Hz;6’−H)、4.64(1H,dd,J
=12Hz,3Hz;6’−H)、4.99(1H,
d,J=8Hz;1’−H)、5.52(1H,dd,
J=10Hz,8Hz;2’−H)、5.64(1H,
t,J=10Hz;4’−H)、5.93(1H,t,
J=10Hz;3’−H)、6.00(1H,d,J=
16.5Hz;8−H)、7.11(1H,br d,
J=16.5Hz;7−H)、7.2−8.1(20
H,m;Ar−H)高分解能マススペクトル 測定値:〔M+Na〕+ 809.295 計算値:(C474611Na) m/z:809.29
【0073】工程2 内容積200mlの三口フラスコに2−メチル−N−
[2−(トリエチルシリル)エチニリデン]−2−プロ
パンアミン(21.5ミリモル)を十分に乾燥したテト
ラヒドロフラン30mlに溶解してなる溶液を仕込み、
窒素雰囲気下、−78℃で、s−ブチルリチウムをシク
ロヘキサンとヘキサンの混合溶媒に溶解してなる溶液
(濃度:0.97M)22.4ml(s−ブチルリチウ
ムとして21.7ミリモル)を滴下した。得られた混合
物を−78℃で20分間攪拌した後、同温度で、工程1
で得られた(3R)−3−(2,3,4,6−テトラ−
O−ベンゾイル−β−D−グルコピラノシルオキシ)−
β−イオノン2.11g(2.68ミリモル)を十分に
乾燥したテトラヒドロフラン20mlに溶解してなる溶
液を滴下し、得られた混合物を同温度で20分間攪拌し
た。得られた反応混合物に飽和シュウ酸水溶液を加えて
酸性とした後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和重
曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥
した後、溶媒を留去した。得られた残渣をピリジン25
mlに溶解し、塩化ベンゾイル6mlを加えて室温で2
時間攪拌した。得られた反応混合物を酢酸エチルで希釈
し、次いで5%塩酸、飽和重曹水および飽和食塩水で順
次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー〔展開溶媒:塩化メチレンとn−ヘキサンとジエチル
エーテルの混合溶媒(体積比;塩化メチレン:n−ヘキ
サン:ジエチルエーテル=5:4:1)〕で精製して
(3R)−3−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンゾ
イル−β−D−グルコピラノシルオキシ)−β−イオニ
リデンアセトアルデヒド1.65g(収率:76%)を
淡黄色あわ状物質として得た。1H−NMR分析の結
果、得られた化合物は、アルデヒドのα位の二重結合の
立体配置がシス型とトランス型である化合物の混合物
(比率:シス型/トランス型=55/1)であることが
分かった。
【0074】得られた化合物の物性値を以下に示す。UV λmax(nm、溶媒:エタノール):230、273、
317IR νmax(cm-1):1735、1657、1603 1H−NMR(トランス体) δ(ppm、CDCl3、300MHz): 0.98
(6H,s;1−gem−Me)、1.57(3H,
s;5−Me)、4.03(1H,m;3−H)、4.
20(1H,m;5’−H)、4.52(1H,dd,
J=12Hz,6Hz;6’−H)、4.64(1H,
dd,J=12Hz,3.5Hz;6’−H)、4.9
9(1H,d,J=8Hz;1’−H)、5.51(1
H,dd,J=10Hz,8Hz;2’−H)、5.6
3(1H,t,J=10Hz;4’−H)、5.90
(1H,br d、J=8Hz;10−H)、5.92
(1H,t,J=10Hz;3’−H)、6.09(1
H,d,J=16.5Hz;8−H)、6.58(1
H,br d,J=16Hz;7−H)、7.25−
8.04(20H,m;Ar−H)、10.12(1
H,d,J=8Hz;CHO) 1H−NMR(シス体) δ(ppm、CDCl3、300MHz): 2.09
(s,9−Me)、5.87(br d,J=8Hz;
10−H)、6.48(br d,J=16Hz;7−
H)、6.98(d、J=16Hz;8−H)、10.
10(d,J=8Hz;CHO)
【0075】工程3 (a)脱保護反応 内容積200mlの三口フラスコに工程2で得られた
(3R)−3−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンゾ
イル−β−D−グルコピラノシルオキシ)−β−イオニ
リデンアセトアルデヒド923mg(1.14ミリモ
ル)をメタノール50mlに溶解してなる溶液を仕込
み、窒素雰囲気下、ナトリウムメトキシドのメタノール
溶液(濃度:1N)1.5ml(ナトリウムメトキシド
として1.5ミリモル)を加え、室温で2時間攪拌し
た。得られた反応混合物に陽イオン交換樹脂〔Dowe
x(登録商標) 50W(H型)〕3gを加え、室温で
30分間攪拌した後、不溶物を濾別した。得られた濾液
を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー〔展開溶媒:塩化メチレンとメタノー
ルの混合溶媒(体積比;塩化メチレン:メタノール=
9:1)〕で精製して、(3R)−3−(β−D−グル
コピラノシルオキシ)−β−イオニリデンアセトアルデ
ヒド420mg(収率:93%)を淡黄色あわ状物質と
して得た。
【0076】得られた化合物の物性値を以下に示す。UV λmax(nm、溶媒:エタノール):231、275、
316IR νmax(cm-1):3407、1660、1609 1H−NMR δ(ppm、CDCl3、300MHz): 1.07
(6H,s;1−gem−Me)、1.71(s,;E
−5−Me)、1.74(s;Z−5−Me)、2.1
1(s,Z−9−Me)、2.30(s;E−9−M
e)、3.37(1H,m;5’−H)、3.46(1
H,br t−like,J=7.5hz;2’−
H)、3.61(1H,br t,J=9Hz;4’−
H)、3.71(1H,t,J=9Hz;3’−H)、
3.82−3.95(2H,m;6’−H2)、4.0
5(1H,m;3−H)、4.51(1H,br d,
J=7.5Hz;1’−H)、5.89(br d,J
=8Hz;Z−10−H)、5.91(br d,J=
8Hz;E−10−H)、6.16(d,J=16H
z;E−8−H)、6.53(br d,J=16H
z;Z−7−H)、6.63(br d,J=16H
z;E−7−H)、7.07(d,J=16Hz;Z−
8−H)、10.10(d,J=8Hz;Z−CH
O)、10.12(d,J=8Hz;E−CHO)
【0077】(b)ホスホニウム塩Iとの反応 内容積200mlの三口フラスコに(2,7−ジメチル
−8−オキソ−2,4,6−オクタトリエニル)トリフ
ェニルホスホニウムクロリド790mg(1.77ミリ
モル)およびトリメチルオルトフォルメート0.8ml
をメタノール溶液5mlに溶解してなる溶液を仕込み、
窒素雰囲気下に、p−トルエンスルホン酸500mgお
よびリン酸725mgをメタノール37.5mlに溶解
してなる溶液0.8mlを加え、室温で2時間攪拌して
(8,8−ジメトキシ−2,7−ジメチル−2,4,6
−オクタトリエニル)トリフェニルホスホニウムクロリ
ドのメタノール溶液を調製した。得られた溶液に、氷冷
下、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(濃度:1
N)を、イリドの生成によって反応混合物が赤色を呈す
る直前まで加え、得られた混合物に上記(a)で得られ
た(3R)−3−(β−D−グルコピラノシルオキシ)
−β−イオニリデンアセトアルデヒド140mg(0.
35ミリモル)を塩化メチレン4mlに溶解してなる溶
液およびナトリウムメトキシドのメタノール溶液(濃
度:1N)2.0ml(ナトリウムメトキシドとして
2.0ミリモル)を加えた。得られた混合物を氷冷下で
30分間、さらに室温に昇温して30分間攪拌した。得
られた反応混合物に陽イオン交換樹脂〔Dowex(登
録商標) 50W(H型)〕4gを加え、室温で15分
間攪拌した後、不溶物を濾別した。得られた濾液を減圧
下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー〔展開溶媒:塩化メチレンとジエチルエーテ
ルとメタノールの混合溶媒(体積比;塩化メチレン:ジ
エチルエーテル:メタノール=5:4:1)〕で精製し
て、(3R)−3−(β−D−グルコピラノシルオキ
シ)−12’−アポ−β−カロテン−12’−ア−ル1
28mg(収率:69%)を橙色あわ状物質として得
た。
【0078】得られた化合物の物性値を以下に示す。UV λmax(nm、溶媒:エタノール):423IR νmax(cm-1):3408、1660、1610、1
548高分解能マススペクトル 測定値:〔M〕+ 528.308 計算値:(C31447) m/z:528.309
【0079】工程4 内容積200mlの三口フラスコに(3−ヒドロキシ−
β−イオニリデンエチル)トリフェニルホスホニウムク
ロリド383mg(0.68ミリモル)および工程3で
得られた(3R)−3−(β−D−グルコピラノシルオ
キシ)−12’−アポ−β−カロテン−12’−ア−ル
120mg(0.23ミリモル)を塩化メチレン5ml
に溶解してなる溶液を仕込み、窒素雰囲気下、ナトリウ
ムメトキシドのメタノール溶液(濃度:1N)1.0m
l(ナトリウムメトキシドとして1.0ミリモル)を加
え、得られた混合物を氷冷下で30分間、さらに室温で
3時間攪拌した。得られた混合物に、メタノール10m
lおよび陽イオン交換樹脂〔Dowex(登録商標)
50W(H型)〕3gを加え、室温で30分間攪拌した
後、不溶物を濾別した。得られた濾液を減圧下に濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー〔展開溶媒:塩化メチレンとジエチルエーテルとメタ
ノールの混合溶媒(体積比;塩化メチレン:ジエチルエ
ーテル:メタノール=4:5:1)〕で精製した後、高
速液体クロマトグラフィー〔固定相:CHEMCOSO
RB 7−ODS−H (商品名)、カラム径:1.0
cm、カラム長さ:30cm;移動相:メタノールと水
の混合溶媒(体積比;メタノール:水=96:4);検
出波長:400nm〕で異性体を分離して、ゼアキサン
チンモノ−β−グルコシド71mg(収率:43%) を
赤色固体として得た。
【0080】得られた化合物の物性値を以下に示す。UV λmax(nm、溶媒:エタノール):277、427(s
houlder)、450、476 λmax(nm、溶媒:アセトン):427(shoulde
r)、453、479 1H−NMR δ(ppm、CDCl3とCD3ODの混合溶媒、300
MHz):1.08(12H,s;1,1’−gem−
Me)、1.46(1H,t,J=12Hz;2’ax
−H)、1.57(1H,t,J=11.5Hz;2a
x−H)、1.74(6H,s;5,5’−Me)、約
1.76(2’eq−H)、約1.85(2eq−
H)、1.97および1.98(各6H,s;9,
9’,13,13’−Me)、2.04(1H,br
dd、J=17Hz,8Hz;4’ax−H)、2.1
1(1H,br dd、J=17Hz,9.5Hz;4
ax−H)、2.36(1H,br dd、J=17H
z,4.5Hz;4’eq−H)、2.46(1H,b
r dd、J=17Hz,5Hz;4eq−H)、3.
26(1H,dd,J=9Hz,8Hz;2”−H)、
3.32(1H,m;5”−H)、3.43−3.50
(2H,m;3”,4”−H)、3.79(1H,d
d,J=12Hz,4.5Hz;6”−H)、3.87
(1H,dd,J=12Hz,3Hz;6”−H)、
3.96(1H,m;3’−H)、4.08(1H,
m;3−H)、4.47(1H,d,J=8Hz;1”
−H)、6.05−6.16(4H,m;7,7’,
8,8’−H)、6.16(2H,br d,J=1
1.5Hz;10,10’−H) 6.26(2H,d,J=9.5Hz;14,14’−
H)、6.37(2H,d,J=15Hz;12,1
2’−H)、6.59−6.70(4H,m;11,1
1’,15,15’−H)高分解能マススペクトル 測定値:〔M〕+ 730.480 計算値:(C46667) m/z:730.480
【0081】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、ゼアキサン
チンモノ−β−グルコシドを選択的に得ることができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程1〜4からなる、下記の式
    (1) 【化1】 で示されるゼアキサンチンモノ−β−グルコシドの製造
    方法。 工程1:3−ヒドロキシ−β−イオノンと下記の式
    (2) 【化2】 (式中、X1はハロゲン原子を表し、Yはアシル基を表
    す)で示されるグルコース誘導体を反応させて、下記の
    式(3) 【化3】 (式中、Yは上記定義のとおりである)で示される化合
    物を製造する工程、 工程2:工程1で得られた式(3)で示される化合物
    に、下記の式(4) 【化4】 で示されるイミン塩を反応させる(ただし、該反応の副
    反応としてアシル基で保護された水酸基の脱保護反応が
    起きた場合には、所望により、該脱保護反応によって生
    成した水酸基を保護してもよい)ことによって下記の式
    (5) 【化5】 (式中、Y1、Y2、Y3およびY4は、それぞれアシル基
    または水素原子を表す)で示される化合物を製造する工
    程、 工程3:i)工程2で得られた化合物を示す上記の式
    (5)においてY1、Y2、Y3およびY4の少なくとも1
    つがアシル基である場合、該式(5)で示される化合物
    に塩基性物質を作用させることによってアシル基で保護
    された水酸基を脱保護し、さらにアルカリ金属アルコキ
    シドの存在下、下記の式(6) 【化6】 (式中、X2はハロゲン原子を表し、Zはホルミル基ま
    たはアセタール型に保護されたホルミル基を表す)で示
    されるホスホニウム塩Iを作用させることによって、ま
    た、ii)工程2で得られた化合物を示す上記の式
    (5)においてY1、Y2、Y3およびY4がすべて水酸基
    である場合、該式(5)で示される化合物にアルカリ金
    属アルコキシドの存在下、上記の式(6)で示されるホ
    スホニウム塩Iを作用させることによって、下記の式
    (7) 【化7】 で示される化合物を製造する工程、 工程4:工程3で得られた式(7)で示される化合物
    に、アルカリ金属アルコキシドの存在下、下記の式
    (8) 【化8】 (式中、X3はハロゲン原子を表す)で示されるホスホ
    ニウム塩IIを作用させて、上記の式(1)で示される
    ゼアキサンチンモノ−β−グルコシドを製造する工程。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006102576A1 (en) * 2005-03-23 2006-09-28 Cardax Pharmaceuticals, Inc. Water-dispersible carotenoids, including analogs and derivatives
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US7763649B2 (en) 2002-07-29 2010-07-27 Cardax Pharmaceuticals, Inc. Carotenoid analogs or derivatives for controlling connexin 43 expression
US8063101B2 (en) 2007-03-23 2011-11-22 Cardax Pharmaceuticals, Inc. Carotenoid analogs and derivatives for the prevention of platelet aggregation

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