JP2002262835A - スープおよびその製造方法 - Google Patents

スープおよびその製造方法

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JP2002262835A JP2001072379A JP2001072379A JP2002262835A JP 2002262835 A JP2002262835 A JP 2002262835A JP 2001072379 A JP2001072379 A JP 2001072379A JP 2001072379 A JP2001072379 A JP 2001072379A JP 2002262835 A JP2002262835 A JP 2002262835A
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Kiyoshi Toma
潔 当麻
Koichi Miyazaki
浩一 宮崎
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別な設備を必要とせずに、短時間で、効率
よく、動物性原材料から旨味成分を抽出して美味しいス
ープおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 動物性原材料を、たんぱく分解酵素であ
るプロテアーゼなどの酵素を用いて酵素分解し、ついで
常圧または加圧下に、加熱して酵素を失活させるととも
に、熱水抽出を行い、原材料の含有する旨味成分を抽出
して、スープを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動物性原材料から
旨味成分を抽出して製造するスープの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】鶏ガラや豚骨などの旨味成分を含有する
動物性原材料(以下、単に「原材料」という)から旨味
成分を抽出して得られた抽出液が、中華料理や洋風料理
のスープとして、また和風料理のだしなどとして使用さ
れている。ここで、スープとは、ラーメンスープや清湯
(チンタン)などの中華スープ、肉水(ユッス)のよう
な朝鮮スープおよびブイヨンのような洋風スープなどの
動物性の原材料から旨味成分を抽出した抽出液をいう。
【0003】鶏、豚、牛などに由来する原材料から旨味
成分を抽出してスープを製造する方法としては、原材料
を香味野菜と一緒に沸騰水に入れて煮込む常圧熱水抽出
法が一般的である。また、加圧釜を用いる加圧抽出法も
用いられている。これらの抽出法において、旨味成分の
抽出効率を改善するために、たとえば特開平11−32
729号公報には、原材料を焼成処理した後、加圧抽出
する方法が開示されている。しかしこの方法では、原材
料を焼成するための特殊な設備が必要であり、また焼成
によりロースト臭が発生して、得られたスープを使用す
ることができる範囲が限定され、最も多く用いられてい
るラーメンスープには適さないという問題がある。また
特開平2−42955号公報には、鶏ガラを常圧熱水抽
出したチキンエキスとその残差に水を加え、加圧熱水抽
出したチキンエキスを混合する方法が開示されている。
しかしこの方法では、別々の方法で抽出したエキスをブ
レンドするため、設備が倍必要であり、作業効率が悪
く、また得られたスープは旨味が弱いという問題があ
る。さらに特開昭55−138374号公報には、原材
料を凍結、粉砕した後、熱水抽出する方法が開示されて
いる。しかしこの方法では、原材料を粉砕するために粉
砕装置が必要であり、また作業効率も悪く、抽出所要時
間を少しは短縮できるが、大幅な時間短縮は望めない。
さらに残渣が小さすぎるため、その処理が煩雑になると
いう問題がある。また特開平6−165654号公報に
は、原材料を熱水抽出した後、酵素分解して抽出する方
法が開示されているが、この方法では処理工程が多く、
また抽出効率はある程度改善されているものの、まだ充
分ではない。
【0004】一般的に使用されている常圧熱水抽出法
は、簡易な設備で旨味成分を抽出できるという利点はあ
るが、旨味成分の抽出効率が悪いため、その抽出には数
時間〜一昼夜という非常に長い時間を要する。さらに長
時間の加熱によって、旨味成分の一部が分解したり、フ
レーバーの一部が消失したり、また水の蒸発によって抽
出の歩留が低下するといったことなどの問題がある。
【0005】また加圧釜を用いた加圧抽出法では、常圧
熱水抽出法と比較すると、旨味成分の抽出効率は高い
が、これも抽出時間が長くなると抽出温度が高温になる
ため、旨味成分が分解したり、フレーバーが消失する可
能性が高く、かつ、不要な成分も抽出されてしまい、異
味や異臭が生じたりする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みてなされたものであり、特別な設備を必要とせず
に、短時間で、効率よく、安いコストで動物性原材料か
ら旨味成分を抽出して美味しいスープおよびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、動物性原材料
を酵素分解する酵素分解工程と、酵素分解した動物性原
材料を熱水抽出して旨味成分を抽出する抽出工程とを含
むことを特徴とするスープの製造方法である。
【0008】本発明に従えば、スープは、酵素分解工程
で原材料を酵素分解した後、抽出工程で旨味成分を熱水
抽出して製造する。旨味成分とは、原材料のたんぱく質
に含まれているアミノ酸、ペプチド、ゼラチンなどであ
るが、予め酵素を用いて原材料のたんぱく質を分解する
ことにより、15分〜3時間程度の短時間で原材料から
旨味成分を効率良く抽出して美味しいスープを製造する
ことができる。すなわち、酵素を用いてたんぱく質を分
解し、旨味成分を取り出した後、さらに熱水抽出するこ
とによって、原材料中に残った旨味成分および酵素分解
では抽出できなかった旨味成分が効率良く抽出され、従
来の酵素を使用しない熱水抽出法に比べ、大幅に抽出時
間の短縮ができる。また本発明の製造方法によれば、従
来の常圧熱水抽出法と比べて、多くのアミノ酸やペプチ
ド類などが抽出されるので、より旨味の強いスープを得
ることができる。なお原材料の分解に用いる酵素として
は、蛋白分解酵素であるプロテアーゼなどを用いる。
【0009】また本発明は、前記抽出工程を加圧下で行
うことを特徴とする。本発明に従えば、原材料を酵素分
解した後の抽出工程は、加圧下に行う。加圧熱水抽出す
ることにより、酵素分解後に原材料中に残っている旨味
成分の抽出をより早く行うことができ、より抽出時間の
短縮を図ることができる。
【0010】また本発明は、前記酵素分解工程に使用す
る酵素が、プロテアーゼであることを特徴とする。
【0011】本発明に従えば、酵素分解工程に使用する
酵素として、蛋白分解酵素であるプロテアーゼを使用す
る。これにより、原材料のたんぱく質を分解し、原材料
から効率良く、アミノ酸、ペプチドおよびゼラチンなど
の旨味成分を取り出すことができる。
【0012】また本発明は、動物性原材料を酵素分解し
た後、旨味成分を熱水抽出して製造することを特徴とす
るスープである。
【0013】本発明に従えば、原材料を酵素分解した
後、旨味成分を熱水抽出して製造されたスープは、原材
料から効率よく抽出された旨味成分を含有しており、抽
出液をそのまま用いることにより、コク、旨味および風
味に優れたスープを提供することができる。また前記ス
ープは、冷凍保存し、必要なときに必要な量だけ解凍し
て、そのまま又は他の調味料や添加物を加えてスープと
して使用することができる。さらに、前記スープは、水
分を留去して濃縮スープとし又はスプレードライ法など
の常法により粉末状にしてスープの素とし、使用時に水
分を補給することによってもスープとして使用すること
ができる。
【0014】また本発明のスープは、旨味成分として、
遊離アミノ酸0.03〜0.30重量%、粗たんぱく
0.05〜3.00重量%およびゼラチン0.10〜
2.00重量%を含有することを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、前記スープは旨味成分で
ある遊離アミノ酸を0.03〜0.30重量%、粗たん
ぱくを0.05〜3.00重量%およびゼラチンを0.
10〜2.00重量%含有しているので、コク、旨味お
よび風味に優れたスープを提供することができる。とく
に粗たんぱくおよびゼラチンの含有量が高いので、ラー
メンスープなどとして好適に用いることができる。ここ
で「粗たんぱく」とは、原材料のたんぱく質が酵素分解
で生成した、あるいは熱水抽出で取り出されたペプチド
類やたんぱく質をいう。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の実施の一形態によるスープの製造方法は、酵素
分解工程で原材料を酵素分解した後、抽出工程で熱水抽
出して原材料から旨味成分を抽出する。
【0017】酵素分解に用いる動物性の原材料として
は、たとえば豚ガラ(豚関節(ゲンコツ)、アバラ骨、
背骨)、豚の頭、豚正肉、豚足などの豚の部材、鶏ガ
ラ、モミジ(鶏の足先)、丸鶏などの鶏の部材および牛
骨等の牛の部材などを挙げることができる。これらの原
材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して
使用してもよい。また原材料によっては、予め熱水でア
ク取りを施してもよい。原材料の大きさは、そのままで
使用してもよいし、小さくカットして使用してもよい。
【0018】酵素分解に用いる酵素は、たんぱく分解酵
素であるプロテアーゼが好ましい。プロテアーゼには、
たんぱく質分子の内部のペプチド結合を加水分解して、
たんぱく質や高分子ペプチドをいくつかのペプチドに分
解するエンドタイプと、基質のアミノ末端またはカルボ
キシル末端から逐次切断してアミノ酸を遊離するエキソ
タイプがある。本発明の製造方法に用いるプロテアーゼ
は、いずれのタイプであってもよく、単独で、または両
方のタイプを混合して使用してもよい。
【0019】原材料のたんぱく質に含まれているアミノ
酸、ペプチド、ゼラチンなどの旨味成分のうち,遊離ア
ミノ酸は,約1時間常圧下に熱水抽出すれば、ほとんど
が抽出されるが、ペプチド類やゼラチン類は抽出するの
に時間を要する。したがって短時間の抽出で、ペプチド
類やゼラチン類の抽出量を多くするためには、エンドタ
イプのプロテアーゼを使用するか、または両者を併用す
る場合はエンドタイプの比率を多くすることが好まし
い。
【0020】プロテアーゼとしては、たとえばアミノペ
プチダーゼ、ジペプチダーゼ、ジペプチジルアミノペプ
チダーゼ、ジペプチジルカルボキシペプチダーゼ、セリ
ンカルボキシペプチダーゼ、セリン プロテイナーゼ、
システイン プロテイナーゼ、アスパルティックプロテ
イナーゼおよびメタロプロテイナーゼなどを挙げること
ができる。市販品としては、エンドタイプのプロテアー
ゼとしてプロテアーゼNやプロテアーゼS(ともに天野
エンザイム社製)など、エキソタイプのプロテアーゼと
してプロテアーゼM(天野エンザイム社製)などを挙げ
ることができる。
【0021】使用する酵素の添加量は、原材料100重
量部に対して、0.01〜2.0重量部、好ましくは
0.1〜0.2重量部である。0.01重量部未満で
は、原材料の充分な酵素分解が得られず、また2重量部
を超えると使用する酵素量が多くなるのでスープの製造
コストが高くなり、好ましくない。
【0022】原材料の酵素分解反応および旨味成分の抽
出は、水を溶媒として行う。使用する水の量は、原材料
の種類によって異なるが、通常、原材料1重量部に対し
て、水2〜10重量部である。2重量部未満では溶解度
の関係で旨味成分を充分に抽出しきれず、原材料が無駄
になり、また10重量部を超えると抽出液中の旨味成分
の含有量が少なくなるので、スープとして使用する場合
は別途調味料等の添加が必要になる。
【0023】原材料の酵素分解反応は、40〜75℃、
好ましくは50℃に調整しておこなう。40℃未満では
原材料の酵素分解反応が遅く、時間がかかりすぎる。ま
た75℃を超えると酵素が変成し、失活する可能性があ
る。
【0024】酵素分解の反応時間は、15分〜2時間、
好ましくは30分〜1時間である。15分未満では、原
材料の酵素分解が不充分で、旨味成分の抽出率の改善効
果が少なく、2時間を超えると酵素分解によって抽出さ
れてくる旨味成分の増加量が少なくなり、また全体の抽
出時間が長くなるので好ましくない。
【0025】原材料からの旨味成分の抽出工程は、原材
料の酵素分解反応を行った後、反応液をさらに加熱し
て、熱水抽出することによって行う。抽出温度は、常圧
抽出の場合80〜100℃で、好ましくは水の沸騰温度
で行う。80℃未満では、原材料中の旨味成分を高い抽
出率で抽出することができない。なお、反応液中の酵素
は、80℃以上の温度に加熱することにより失活する。
【0026】抽出時間は、15分〜3時間、好ましくは
30分〜1時間程度である。15分未満では、旨味成分
が充分抽出されず、3時間を超えると旨味成分の抽出率
の改善があまり見られなくなる。
【0027】また前記旨味成分の抽出工程は、加圧釜を
用いて加圧下に行ってもよい。加圧下で行うことによ
り、常圧抽出で抽出されなかった旨味成分が抽出され、
また抽出時間のより一層の短縮化を図ることができる。
抽出時の圧力は、ゲージ圧で0.1〜2.0kg/c
2、好ましくは0.5〜1.0kg/cm2である。
0、1kg/cm2未満の場合は常圧で行う場合と抽出率
に大差はなく、また2.0kg/cm2を超えると抽出温
度が上がりすぎ、不要な成分まで抽出される。抽出時間
は、15分〜2時間程度,好ましくは30分〜1時間程
度である。
【0028】抽出終了後は、残った原材料を取り出し、
抽出液中の細かな残渣を濾過で除去することにより、旨
味成分を含有する抽出液が得られる。得られた抽出液
は、旨味成分として遊離アミノ酸を0.03〜0.30
重量%程度、粗たんぱく0.05〜3.00重量%程度
およびゼラチンを0.10〜2.00重量%程度含有し
ているので、そのままコク、旨味および風味に優れたス
−プとして用いることができる。遊離アミノ酸、粗たん
ぱくおよびゼラチンの含有量が前記範囲よりも少ない場
合は、スープとしてのコク、旨味および風味が弱く、他
の調味料の添加が必要になる。また遊離アミノ酸、粗た
んぱくおよびゼラチンの含有量が前記範囲よりも多い場
合は、スープとしてのコク、旨味および風味の改善にお
いて特に効果が見られない。
【0029】また前記抽出液は、冷凍保存し、必要なと
きに必要な量だけ解凍して、そのまま又は他の調味料や
添加物を加えてスープとして使用することができる。さ
らに、前記抽出液は、水分を留去して濃縮スープとし又
はスプレードライ法などの常法により粉末状にしてスー
プの素とし、使用時に水分を補給することによってもス
ープとして使用することができる。
【0030】図1は、本発明の実施の一形態によるラー
メンスープの製造方法を示すフロー図である。図1のフ
ローに示すように、容器に水を入れ、ガスレンジで加熱
して、水温が50℃に達すると、動物性原材料である原
材料1を投入する。50℃に水温を維持し、温度が安定
してから酵素としてたんぱく分解酵素であるプロテアー
ゼを添加する。温度を50℃に一定に保ち、充分に攪拌
しながら所定時間、酵素反応を行う。この間、酵素によ
り原材料1のたんぱく質が分解され、旨味成分が抽出さ
れてくる。所定時間の酵素反応が終了すれば、加熱して
反応液を沸騰させ、次いで香味野菜などの原材料2を投
入し、そのまま沸騰を継続しながら所定時間、熱水抽出
を続ける。抽出終了後、消火し、原材料を取出し、細か
い残渣を濾過により除去すれば、ラーメンスープ(ブイ
ヨン)が得られる。これにより、ラーメンスープ中に
は、酵素分解のみでは抽出されなかった旨味成分がさら
に抽出される。
【0031】前記原材料2は、動物性の原材料以外のス
ープ素材であり、たとえば昆布、煮干、かつお節、そう
だ節などの水産物や椎茸、きのこ類、その他玉ねぎ、長
ねぎ、人参、生姜、ニンニク、キャベツ、ジャガイモ、
月桂樹の葉などの香味野菜などを挙げることができる。
【0032】図2は、本発明の実施の他の形態によるラ
ーメンスープの製造方法を示すフロー図である。図2の
フローに示すように、加圧釜(圧力釜)に水を入れ、ガ
スレンジで加熱して、水温が50℃に達すると、動物性
原材料である原材料1を投入する。50℃に水温を維持
し、温度が安定してから酵素としてたんぱく分解酵素で
あるプロテアーゼを添加する。温度を50℃に一定に保
ち、充分に攪拌しながら所定時間、酵素反応を行う。こ
の間、酵素により原材料1のたんぱく質が分解され、旨
味成分が抽出されてくる。所定時間の酵素反応が終了す
れば、香味野菜などの原材料2を投入し、加圧釜の蓋を
して加熱し、加圧下に抽出を行う。抽出は、ゲージ圧で
0.1〜2.0kg/cm2、好ましくは0.5〜1.0
kg/cm2の圧力下で、30分〜2時間程度、好ましく
は1時間程度行う。抽出終了後は、圧力を常圧に戻して
原材料を取りだし、細かい残渣を濾過により除去するこ
とにより、ラーメンスープが得られる。これにより、酵
素分解だけでは抽出されなかった旨味成分がさらに抽出
されるため、常圧熱水抽出の場合よりも短時間で、たと
えば30分程度の抽出時間で美味しいスープを製造する
ことができる。
【0033】(実施例)以下、実施例により本発明をさ
らに詳細に説明する。
【0034】(実施例1)図3は、本実施例1のラーメ
ンスープの製造方法を示すフロー図である。図3のフロ
ーに示すように、原材料である廃鶏、モミジ(鶏の足
先)およびゲンコツ(豚の関節)を熱水で4分間加熱し
てアク取りを行い、水冷した。寸胴(容器)に水10L
を入れてガスレンジで50℃に加熱し、前述のアク取り
を行った廃鶏、モミジ、ゲンコツ各々1kgおよび鶏ミ
ンチ1kgを投入した。温度を50℃に保ちながら、た
んぱく分解酵素(プロテアーゼN、天野エンザイム社
製)4gを添加して1時間酵素反応を行った。次いで、
昆布5gを入れ、加熱して反応液を沸騰させてから香味
野菜として玉ねぎ150g、長ねぎ200g、ニンニク
100gおよび生姜60gを加え、常圧下に弱火で加熱
しながら沸騰させて1時間抽出を行った。抽出終了後、
原材料を取り出し、抽出液中の細かな残渣を濾過により
除去して、ラーメンスープを得た。
【0035】(実施例2)図4は、本実施例2のラーメ
ンスープの製造方法を示すフロー図である。図4のフロ
ーに示すように、原材料として実施例1と同様のアク取
りをした廃鶏、モミジ(鶏の足先)およびゲンコツ(豚
の関節)を用いた。圧力鍋(セーフ2ステンレス、T−
FAL社製)に水10Lを入れてガスレンジで50℃に
加熱し、前述のアク取りを行った廃鶏、モミジ、ゲンコ
ツ各々1kgおよび鶏ミンチ1kgを投入した。温度を
50℃に保ちながら、たんぱく分解酵素(プロテアーゼ
N、天野エンザイム社製)4gを添加して1時間酵素反
応を行った。次いで、昆布5gおよび香味野菜として玉
ねぎ150g、長ねぎ200g、ニンニク100g、生
姜60gを入れ、蓋をした後、加熱してゲージ圧0.9
kg/cm2の下で1時間抽出を行った。
【0036】次いで、消火し、圧力を常圧に戻して原材
料を取りだし、抽出液中の細かい残渣を濾過により除去
して、ラーメンスープを得た。
【0037】(比較例1)図5は、本比較例1のラーメ
ンスープの製造方法を示すフロー図である。図5のフロ
ーに示すように、原材料として実施例1と同様のアク取
りをした廃鶏、モミジ(鶏の足先)およびゲンコツ(豚
の関節)を用いた。寸胴(容器)に水10Lおよび昆布
5gを入れ、ガスレンジで加熱して沸騰させてから、ア
ク取りを行った廃鶏、モミジ、ゲンコツ各々1kgと鶏
ミンチ1kg、および香味野菜として玉ねぎ150g、
長ねぎ200g、ニンニク100g、生姜60gを投入
した。ついで、加熱して沸騰させながら常圧下で1時間
抽出を行った後、原材料を取りだし、抽出液中の細かい
残渣を濾過により除去して、ラーメンスープを得た。
【0038】(比較例2)図6は、本比較例2のラーメ
ンスープの製造方法を示すフロー図である。図6のフロ
ーに示すように、抽出時間を3時間とした以外は比較例
1と同様にして、ラーメンスープを得た。
【0039】実施例1、2および比較例1、2で得られ
たラーメンスープの旨味成分の分析結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】ラーメンスープの旨味成分は、アミノ酸、
ゼラチンおよびペプチドなどのたんぱく質であり、特に
ゼラチンやたんぱく質が多いほど旨味の改善効果が大き
い。表1より、従来の熱水抽出法では、1時間では、ア
ミノ酸はそこそこ抽出されるが、たんぱく質およびゼラ
チンの抽出量が少なく(比較例1)、抽出を3時間行う
ことによって、ラーメンスープとして使用することがで
きる程度の旨味成分が抽出される(比較例2)。これに
対し、原材料を酵素分解して、常圧で熱水抽出を行った
場合は、全体の処理時間が2時間と短いにもかかわら
ず、アミノ酸、たんぱく質およびゼラチンの抽出量は大
幅に増加しており(実施例1)、従来の常圧熱水抽出を
3時間行ったラーメンスープ(比較例2)と同程度のラ
ーメンスープが得られ、なかでもアミノ酸の抽出量は非
常に増加していることが判る。さらに酵素処理後、加圧
下に熱水抽出を行った場合は、各旨味成分の抽出量は著
しく増大し(実施例2)、コクのある美味しいラーメン
スープが得られることが判る。
【0042】(実施例3)寸胴(容器)に水2Lを入れ
てガスレンジで50℃に加熱し、鶏ミンチ0.4kgを
投入した。温度を50℃に保ちながら、たんぱく分解酵
素(プロテアーゼM、天野エンザイム社製)0.4gを
添加して1時間酵素反応を行った。次いで、加熱して反
応液を沸騰させた後、弱火で加熱して沸騰させながら1
時間抽出を行った。抽出終了後、原材料を取り出し、抽
出液中の細かな残渣を濾過により除去して、スープを得
た。
【0043】(比較例3)寸胴(容器)に水2Lを入れ
てガスレンジで加熱して沸騰させた後、鶏ミンチ0.4
kgを投入し、弱火で加熱して沸騰させながら1時間抽
出を行った。次いで、抽出温度を50℃に下げ、温度を
50℃に保ちながら、たんぱく分解酵素(プロテアーゼ
M、天野エンザイム社製)0.4gを添加して1時間酵
素反応を行った後、再度反応液を80℃に加熱して酵素
を失活させた。抽出終了後、原材料を取り出し、抽出液
中の細かな残渣を濾過により除去して、スープを得た。
【0044】(比較例4)寸胴(容器)に水2Lを入れ
てガスレンジで加熱して沸騰させた後、鶏ミンチ0.4
kgを投入し、弱火で加熱して沸騰させながら1時間抽
出を行った。次いで、抽出温度を50℃に下げ、温度を
50℃に保ちながら、たんぱく分解酵素(プロテアーゼ
M、天野エンザイム社製)0.4gを添加して1時間酵
素反応を行った後、再度反応液を加熱して沸騰させ、弱
火で沸騰を継続しながら1時間抽出を行った。抽出終了
後、原材料を取り出し、抽出液中の細かな残渣を濾過に
より除去して、スープを得た。
【0045】実施例3および比較例3、4で得られたラ
ーメンスープの旨味成分の分析結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】表2より、原材料をたんぱく分解酵素を用
いて酵素分解した後、旨味成分を熱水抽出した場合(実
施例3)は、熱水抽出した後に酵素分解を行った場合(比
較例3)に比べて、旨味成分のアミノ酸および粗たんぱ
くは、多く抽出することができ、特に総アミノ酸は5割
以上も多量に抽出できることが判った。これは、最初に
熱水抽出した場合、鶏ミンチのたんぱく質が熱により変
成し、酵素反応の効率が低下したものと考えられる。ま
た原材料の熱水抽出後に酵素分解し、さらに熱水抽出を
行った場合(比較例4)は、実施例3および比較例3に
比べ、アミノ酸および粗たんぱくの抽出量が少なくな
り、特に総アミノ酸量は実施例3の半分程度で、2回目
の熱水抽出を行う前(比較例3)より却って少なくなっ
ていることが判った。これは、最初の熱水抽出および酵
素分解で抽出されていたアミノ酸が、2回目の熱水抽出
の際に分解されて減少したものと考えられる。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、動物性の
原材料からの旨味成分の抽出に際して、原材料をたんぱ
く分解酵素であるプロテアーゼなどの酵素を用いて酵素
分解した後、常圧または加圧下に熱水抽出することによ
り、従来の長時間を要する熱水抽出法や原材料を熱水抽
出した後に酵素分解を行う抽出法に比べ、はるかに短時
間で、原材料の有する旨味成分を著しく大量に抽出する
ことができる。これにより、抽出時間を大幅に短縮でき
るので、急な需要の増大に即応できるだけでなく、光熱
費や人件費の削減ができ、さらに特別の設備を必要とし
ないため、安価なコストでコク、風味のある美味しいス
ープおよびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態によるラーメンスープの
製造方法を示すフロー図である。
【図2】本発明の実施の他の形態によるラーメンスープ
の製造方法を示すフロー図である。
【図3】実施例1のラーメンスープの製造方法を示すフ
ロー図である。
【図4】実施例2のラーメンスープの製造方法を示すフ
ロー図である。
【図5】比較例1のラーメンスープの製造方法を示すフ
ロー図である。
【図6】比較例2のラーメンスープの製造方法を示すフ
ロー図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B036 LC01 LE02 LF01 LH38 LH49 LP07 LP21 LP24 4B042 AC10 AD23 AE08 AH03 AK20 AP06 AP25 AP27 4B047 LB03 LB06 LE01 LF08 LG50 LG57 LP01 LP05 LP18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物性原材料を酵素分解する酵素分解工
    程と、 酵素分解した動物性原材料を熱水抽出して旨味成分を抽
    出する抽出工程とを含むことを特徴とするスープの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記抽出工程を加圧下で行うことを特徴
    とする請求項1記載のスープの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記酵素分解工程に使用する酵素が、プ
    ロテアーゼであることを特徴とする請求項1または2記
    載のスープの製造方法。
  4. 【請求項4】 動物性原材料を酵素分解した後、旨味成
    分を熱水抽出して製造することを特徴とするスープ。
  5. 【請求項5】 前記旨味成分として、遊離アミノ酸0.
    03〜0.30重量%、粗たんぱく0.05〜3.00
    重量%およびゼラチン0.10〜2.00重量%を含有
    することを特徴とする請求項4記載のスープ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012139186A (ja) * 2010-12-30 2012-07-26 Asari Sasuke Shoten:Kk 高濃度地鶏ガラスープの製造方法
JP2016106539A (ja) * 2014-12-03 2016-06-20 株式会社Mizkan Holdings ガラエキス含有液体調味料
JP2016182104A (ja) * 2015-03-27 2016-10-20 日清食品ホールディングス株式会社 エキスの抽出方法

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