JP2000060496A - 魚骨粉の製造方法 - Google Patents

魚骨粉の製造方法

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JP2000060496A
JP2000060496A JP10241688A JP24168898A JP2000060496A JP 2000060496 A JP2000060496 A JP 2000060496A JP 10241688 A JP10241688 A JP 10241688A JP 24168898 A JP24168898 A JP 24168898A JP 2000060496 A JP2000060496 A JP 2000060496A
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fish
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bone
residual
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Yoshifusa Morita
芳房 森田
Haruo Miyasaka
春生 宮坂
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SEA QUEEN SHOKUHIN KK
Cosmo Foods Corp
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SEA QUEEN SHOKUHIN KK
Cosmo Foods Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 完全な採肉が困難であり、かなりの肉が付着
している鮭等の魚類の中骨や該中骨から落し身を採った
後の残骨を有効利用するため、魚類の中骨や残骨をプロ
テアーゼで処理し、カルシウム源栄養食品として適した
魚骨粉を提供すること。 【解決手段】 鮭等の魚類の中骨及び/又は残骨に、そ
の長節が節ごとにバラバラになり且つ節中心部の髄肉が
消失した節骨となるようにエンド型プロテアーゼ処理を
行い、処理液から該節骨を分離・回収する。回収した節
骨から魚骨粉を得るには、回収した節骨を水洗後磨砕し
次いで冷凍するか、回収した節骨を水洗後油分を除去し
次いで乾燥した後粉砕するか、回収した節骨を水洗後灰
化し次いで粉砕する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鮭等の魚類の中骨
や残骨から、幼児用のカルシウム補給や老人の骨粗しょ
う症の予防等、カルシウム剤として有用なカルシウム純
度の高い魚骨粉を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、魚類を原料として魚骨粉を製造す
ることはよく知られている。例えば、特公昭58−54
790号公報には、スケトウダラの頭部又は頭部と中骨
部を攪拌下温水により繰返し洗滌し、解体処理して骨を
選別し、この選別された骨に攪拌下温水中で蛋白分解酵
素を作用せしめてのち、さらにこの骨を沸騰水中で加熱
して素原料を採取し、次いでこの素原料を粉砕処理して
粉末状ないしはペースト状の骨粉を得る魚骨粉の製造法
や、骨粉の素原料を乾燥後粉砕処理して乾燥粉末状の骨
粉を得る上記魚骨粉の製造法や、骨粉の素原料を高温加
熱後ミキサーにかけ、冷凍保存用又は缶、びん詰め保存
用のペースト状の骨粉を得る上記魚骨粉の製造法が記載
されている。
【0003】また、特公昭59−53818号公報に
は、骨を含む魚屑残滓を蛋白分解酵素0.5〜1.0%
を加え、最初55〜60℃にて30分間処理し、最後8
0〜85℃にて10分間煮熱し、水を切り後食塩濃度1
0%の水槽に30分間浸漬した後、他の水槽に移し流水
中にて完全に水洗いしたる後水を切り、55〜60℃の
温風乾燥機にて水分5%以下に乾燥し、これを粉砕機に
て200乃至250メッシュに粉砕し骨粉を製造し、次
いで骨粉重量に対し0.1〜0.2%の無水エチルアル
コールを噴***製する骨粉の製造法が記載されている。
【0004】また、特公平4−3934号公報には、魚
体又はその加工残滓を切断、破砕又は/及び磨砕後、こ
れに蛋白質を分離する、酵素又は/及び微生物を作用さ
せ、スラリー化し、しかる後、このスラリー状物を濾過
してその中に含まれる魚骨の細片を分離し、得られる濾
過後のスラリー状物に蛋白質を凝集する物質を添加後、
魚蛋白質からなる固形物を分離し、残りの液状成分から
魚油を分離する魚体等からの魚油、魚骨及び魚蛋白質の
分離方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】魚類、とりわけ鮭は食
用として肉部が利用されるだけではなく、卵がいくら、
すじこ等に加工され利用されている。しかし、骨部はそ
のままでは食用になりにくく、利用範囲も限られてお
り、特に鮭等の生魚体から内臓を取り出し、頭部、尾、
及びヒレを除去して、切り身として利用される両面の半
身を切り取った残りの肉が付着している体骨の部分とし
て知られている中骨は、わずかに付着する皮、血合肉等
の異物を除いた後に採肉機に供され、落し身(肉部)を
鮭フレークにしたり、ハム、ソーセージに混合したりし
て利用されているが、さらにその残渣である残骨の部分
は、大部分が多種の魚類廃棄物と混合され、乾燥粉末と
され、フィッシュミールとして飼料あるいは肥料に利用
されており、食用原料としての利用は極めて少ないのが
現状である。また、鮭等の魚卵を利用する魚類は、疲弊
して食味が著しく低下するため採卵した後は、食用とし
て利用されることが少なく、有用な食用資源であるにも
かかわらず、大部分がフィッシュミールとして飼料ある
いは肥料など付加価値の少ない製品として利用されてい
るに過ぎないのが現状である。
【0006】上記のように、従来より魚類を原料としプ
ロテアーゼを利用して魚骨粉を製造することはよく知ら
れていたが、鮭等の魚類の中骨や残骨を用い、その長節
が節ごとにバラバラになり且つ節中心部の髄肉が消失し
た節骨となるまでプロテアーゼを作用させて得られる節
骨から魚骨粉を製造することは知られていなかった。本
発明の課題は、完全な採肉が困難であり、かなりの肉が
付着している鮭等の魚類の中骨や該中骨から落し身を採
った後の残骨を有効利用するため、魚類の中骨や残骨を
プロテアーゼで処理し、カルシウム源栄養食品として適
した魚骨粉を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鮭等の魚
類を有効利用するための研究や魚類個体当たりの生産性
を向上させる研究の過程で、従来有効利用することが困
難とされてきた魚類の中骨や残骨に注目し、魚類の中骨
や残骨を特定の条件でプロテアーゼ処理することによ
り、カルシウム源栄養食品として適した魚骨粉と風味に
優れた濃縮調味エキスが得られることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、鮭等の魚類の中骨及び
/又は残骨に、その長節が節ごとにバラバラになり且つ
節中心部の髄肉が消失した節骨となるようにエンド型プ
ロテアーゼ処理を行い、処理液から該節骨を分離・回収
し、回収した節骨を水洗後、粉砕又は磨砕することを特
徴とする魚骨粉の製造方法や、回収した節骨を水洗後磨
砕し、次いで冷凍する上記魚骨粉の製造方法や、回収し
た節骨を水洗後油分を除去し、次いで乾燥した後粉砕す
る上記魚骨粉の製造方法や、回収した節骨を水洗後灰化
し、次いで粉砕する上記魚骨粉の製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる魚類と
しては、食用に供されている魚類であればどのようなも
のでもよいが、鮭、鰤、鰹、鯉、鮪、鯖、鱈、鰊、鯛、
鰺、ひらめ等を例示することができる。そして、これら
魚類の中でも、両面の半身が切り身として利用された後
の中骨が入手しやすい魚類や、食用として利用されるこ
とが少ない魚卵を利用する魚類を用いることが、中骨の
加工面や中骨の入手コスト面から好ましく、これらの点
からして鮭が特に好ましく用いられる。
【0010】本発明において魚類の中骨とは、魚体から
内臓を取り出し、頭部、尾、及びヒレを除去して、切り
身として利用される両面の半身を切り取った残りの肉が
付着している体骨の部分をいい、また同じく残骨とは、
上記中骨から採肉機等により採肉した後の残渣をいう。
本発明においては、中骨をそのまま用いてもよく、ある
いは中骨から採肉機等により採肉した後の残骨を用いて
もよい。そして、本発明においては、中骨や残骨をそれ
ぞれ単独で使用してもよく、また併用してもよいが、中
骨から採肉機等により得られる落とし身が必要とされる
場合など、残骨が低コストで得られるときは、残骨を用
いる方がコスト面で有利である。
【0011】本発明において用いられるエンド型プロテ
アーゼとしては、エンドプロティナーゼ、エンドペプチ
ダーゼ等のタンパク質・ペプチド基質のペプチド鎖の中
程から切断する作用を有する酵素であればどのようなも
のでもよいが、残骨や中骨は腐敗し易いため、反応性が
高く、容易に肉片が体骨から離れて液化しうる高エンド
プロテイナーゼ活性や高エンドペプチダーゼ活性を有す
るプロテアーゼが好ましい。かかるエンド型プロテアー
ゼとしては、例えばアルカラーゼ(ノボノルディスク社
製)等のバチルス(Bacillus)属由来のズブチリシン・
カールスベルグ(Subtilisin Carlsberg)や、オリエン
ターゼ(阪急バイオインダストリー社製)等のアスペル
ギラス・ニガー(Aspergillus niger)由来のプロテア
ーゼを挙げることがでる。
【0012】本発明の魚骨粉砕物の製造方法において
は、中骨や残骨に、その長節が節ごとにバラバラになり
且つ節中心部の髄肉が消失した節骨となるようにエンド
型プロテアーゼ処理を行い、処理液から長節が節ごとに
バラバラになり且つ節中心部の髄肉が消失した節骨を分
離・回収し、回収した節骨を水洗後、粉砕又は磨砕する
ことが必要である。そして、このようなエンド型プロテ
アーゼ処理は水の存在下で行われ、中骨や残骨に加える
水の量は特に制限されないが、多すぎると多量のプロテ
アーゼが必要となり、反対に少なすぎるとプロテアーゼ
と中骨や残骨との接触が充分でなくなることから、中骨
や残骨が完全に漬かる程度の水量(中骨や残骨の約2倍
重量)を用いてプロテアーゼ処理することが望ましい。
【0013】本発明におけるエンド型プロテアーゼ処理
は通常緩慢な攪拌下に行うことが好ましく、また、加水
された中骨や残骨からなる反応液のpHや温度は、使用
するエンド型プロテアーゼの至適pH、至適温度に合わ
せておくことが望ましい。加水された中骨や残骨をエン
ド型プロテアーゼで処理すると、用いるプロテアーゼの
活性の強弱や反応条件にもよるが、通常、2時間程度で
殆どの肉片が体骨から分離して節骨が3〜4節つながっ
た状態となり、3時間程度で体骨に付着した肉が可溶化
して節骨が節ごとにバラバラとなり、3時間半程度で節
骨の中心部の髄肉が消失する。本発明におけるエンド型
プロテアーゼ処理は、中骨や残骨の長節が節ごとにバラ
バラになり且つ中心部の髄肉が消失するまで行うこと
が、得られる魚骨粉のカルシウム純度を高めたり、着色
を少なくする上で必要である。
【0014】本発明においては、節ごとにバラバラとな
り且つ中心部の髄肉が消失した節骨は、1回のエンド型
プロテアーゼ処理を行った後の処理液からその都度分離
回収することもできるが、エンド型プロテアーゼ処理が
終了した処理液から節骨を分離回収した後、再度未酵素
処理の残骨や中骨を入れ、必要に応じてエンド型プロテ
アーゼを添加し、エンド型プロテアーゼ反応を継続する
というエンド型プロテアーゼ処理工程を1回もしくは2
回以上繰り返す度に回収することもできる。この工程に
おける2回目以降のエンド型プロテアーゼによる処理
は、最初のエンド型プロテアーゼ処理液から、節ごとに
バラバラとなり、中心部の髄肉が消失するまでエンド型
プロテアーゼ反応が継続された後の液中から節骨を分離
除去したものに、さらに未酵素処理の残骨や中骨を入
れ、エンド型プロテアーゼ反応を継続することにより行
われる。
【0015】そして、エンド型プロテアーゼ処理を複数
回繰り返す場合等、前記のように、残骨や中骨に混在す
る微生物や作業中に混入する微生物により反応液が腐敗
してしまうことがないように、反応速度が速いエンド型
プロテアーゼを用いることが好ましい。
【0016】エンド型プロテアーゼ処理により得られ
る、中骨や残骨の長節が節ごとにバラバラになり且つ中
心部の髄肉が消失した節骨は、回収した後水洗される。
水洗処理は、例えば流水中に該節骨を浸漬しておき、浮
遊物を除去する方法等公知の水洗方法であればどのよう
な方法をも適用できる。そして、水洗後の節骨を粉砕又
は磨砕することにより、本発明の魚骨粉を得ることがで
きる。なお、本発明においては、節骨を磨砕したペース
ト状のものも、便宜上骨粉ということにする。
【0017】水洗後の節骨を粉砕又は磨砕する方法とし
ては、従来公知の方法であればどのような粉砕又は磨砕
方法をも用いることができる。そして、水洗後の節骨を
粉砕又は磨砕して本発明の魚骨粉を製造する好ましい方
法として、以下〜の3つの方法を例示することがで
きる。
【0018】水洗後の節骨を一夜風乾するか、もしく
は105℃〜120℃で数時間乾燥し、乾燥した節骨を
650〜700℃で加熱して灰化し、節骨に含まれてい
た微量の油分やタンパク質等の有機物を完全に燃焼させ
た後粉砕することにより、本発明の魚骨粉を製造する。
こうして得られる焼成魚骨粉は油やタンパク質が全く含
まれておらず、これを健康補助食品製剤等として用いる
と、加工性が良好な上に、無味・無臭の製品が得られ
る。
【0019】水洗後の節骨に希苛性ソーダ溶液等の希
アルカリ溶液を添加して煮沸し、節骨から油分を流水中
等で水洗除去し、水切り後、希リン酸水素二ナトリウム
溶液等の希酸性溶液中で微量に残存するアルカリを中和
し、再度水洗した後、一夜風乾するか、もしくは105
〜120℃で数時間乾燥し、乾燥した節骨を粉砕するこ
とにより、本発明の魚骨粉を製造する。油分の除去に例
えば希苛性ソーダ溶液用いる場合、希苛性ソーダ溶液の
濃度は0.1〜0.5 w/v%が望ましく、1 w/v%程度
のものを使用すると、煮沸中に節骨の一部が崩壊して粉
分が多くなる結果、収量が低下する。こうして得られる
魚骨粉を種々の食品のカルシウム栄養源として用いる
と、加工性が良好な上に、食品の食感を損なうことがな
い。
【0020】水洗後の節骨を乾燥することなく、その
まま磨砕し、次いで冷凍することにより本発明のペース
ト状の魚骨粉を製造する。得られるペースト状の魚骨粉
は、水分含量が高く、腐敗しやすいことから、冷凍状態
で保存され、主として、魚肉ハム・ソーセージやかまぼ
こ等の練製品に用いられる。このペースト状の魚骨粉は
分散性に優れており、例えば練製品に用いた場合、カル
シウム源の補給のみならず、練製品の食感を損なうこと
がない。
【0021】
【実施例】以下に、実施例を揚げてこの発明のを更に具
体的に説明するが、この発明の範囲はこれらの例示に限
定されるものではない。 実施例1 鮭の採肉後の残骨(水分59.5%、骨分17.4%、
油分2.3%、粗タンパク17.8%)250gに水5
00mlを加えてゆるく攪拌した。この懸濁液のpHは
6.35だった。懸濁液に炭酸水素ナトリウム3gを加
えてpHを7.48に調整した後、55℃に加温し、エ
ンド型プロテアーゼとして1.25gのアルカラーゼ
0.6L(ノボノルディスク社製)を加え、53〜55
℃で3.5時間処理した後、中心部の髄肉が消失し且つ
長節が節ごとにバラバラになった節骨を60メッシュの
網で分離採取し、処理残液を回収した。この処理残液
に、未酵素処理の上記残骨250gと0.75gの上記
アルカラーゼ0.6Lを加えて前回と同様にエンド型プ
ロテアーゼ反応を行った。前回同様に中心部の髄肉が消
失し且つ長節が節ごとにバラバラになった節骨を分離採
取し、得られた処理残液にさらに残骨250gと0.5
gのアルカラーゼ0.6Lを追加して同様にエンド型プ
ロテアーゼ反応を行った後、同様に中心部の髄肉が消失
し且つ長節が節ごとにバラバラになった節骨を分離回収
した。回収した節骨は、流水で浮遊物が完全になくなる
まで洗浄し、水洗後の節骨695gを得た。
【0022】水洗後の節骨360gを60メッシュの篩
上にとり、薄く展延して一夜風乾し、風乾後の節骨21
2gを電気炉中に入れて、油分やタンパク質等の有機物
が完全に灰化するまで650〜700℃に加熱・灰化し
た後、常温まで冷却した。その後通常の粉砕機を用いて
粉砕し、白色の焼成鮭骨粉105gを得た。この白色の
鮭骨粉を分析したところ、水分0.2重量%、カルシウ
ム16.9重量%、リン26.2重量%、タンパク質
0.0重量%であった。
【0023】実施例2 実施例1と同様にして得られた水洗後の節骨100gに
0.4 w/v%の希苛性ソーダ溶液500mlを加え、3
0分間煮沸した。煮沸した後、流水中で油分を除去し、
60メッシュの篩上で水切りし、1 w/v%の希リン酸水
素二ナトリウム溶液500mlを加え、微量残存する苛
性ソーダを中和後、流水中で洗浄し、60メッシュの篩
上で水切りした後、110℃で4時間乾燥し、乾燥した
節骨を通常の粉砕機を用いて粉砕し、乳白色の精製鮭骨
粉48gを得た。この乳白色の精製鮭骨粉を分析したと
ころ、水分1.8重量%、カルシウム16.0重量%、
リン24.8重量%、タンパク質0.9重量%、油分
0.8重量%であった。
【0024】また、油分除去に使用する希苛性ソーダ溶
液の濃度についても検討した。希苛性ソーダ溶液の濃度
を、それぞれ0.2 w/v%、0.5 w/v%、1.0 w/v
%とする他は実施例2と同様に行った。0.2 w/v%希
苛性ソーダ溶液を用いた場合、煮沸中節骨の崩れは少な
く、収量51gで淡褐色の骨粉が得られた。0.5 w/v
%希苛性ソーダ溶液を用いた場合、煮沸中少量の節骨が
粉化し、収量46gで乳白色の骨粉が得られた。また、
1.0 w/v%希苛性ソーダ溶液を用いた場合、煮沸中節
骨の一部が崩れて粉分が多く、収量21gで白色の骨粉
が得られた。
【0025】(参考例1)上記残骨を添加してエンド型
プロテアーゼ反応を継続するというエンド型プロテアー
ゼ処理工程を2回繰り返して得られた処理残液880m
lを、95℃まで加熱して90℃以上で30分間保持し
て殺菌した後、60℃まで冷却し、分液ロート中で2時
間放置し、上部から、油層、懸濁層及び透明液層に分か
れた処理液から、油分17.3gを残して、懸濁層と透
明液層とを分取した。得られた液は914g(比重1.
06)、水分81.6%、総固形分量は168g、pH
は7.12だった。この懸濁層と透明液層とを合わせた
液に、6N塩酸12mlを加えてpH6.0に調節し、
液温を50℃に調節して、エキソ型プロテアーゼとして
2gのフレーバーザイムL(ノボノルディスク社製)を
加え、48〜50℃で16時間攪拌しながら反応させた
後、90℃に加熱して酵素を失活させて室温まで冷却し
た。冷却後、精製ケイソウ土(昭和化学株式会社製「ラ
ジオライトFNF−A」)を35g加えて攪拌・混合し
た後減圧濾過し、残渣を水で洗浄して淡黄褐色濾液98
0gを得た。この濾液を減圧濃縮して250gの次の組
成からなる鮭調味エキス濃縮液を得た。この鮭調味エキ
ス濃縮液は、わずかに鮭特有の香りがある甘味をともな
った旨味を有する調味エキスであった。
【0026】実施例3 実施例1と同じ残骨250gに水500mlを加えて、
50℃に加温し、エンド型プロテアーゼとしてオリエン
ターゼONS(阪急バイオインダストリー社製)0.1
8gを加え、50〜53℃で3.5時間処理した後、中
心部の髄肉が消失し且つ長節が節ごとにバラバラになっ
た節骨を60メッシュの網で分離除去して処理液を回収
した。この処理液に、未酵素処理の上記残骨250gと
0.09gの上記オリエンターゼONSを加えて前回と
同様にエンド型プロテアーゼ反応を行った。前回同様に
中心部の髄肉が消失し且つ長節が節ごとにバラバラにな
った節骨を分離採取し、得られた処理残液にさらに残骨
250gと0.05gのオリエンターゼONSを追加し
て同様にエンド型プロテアーゼ反応を行った後、同様に
中心部の髄肉が消失し且つ長節が節ごとにバラバラにな
った節骨を分離回収し、回収した節骨は流水で浮遊物が
完全になくなるまで洗浄した。
【0027】水洗後の節骨のうち、その390gを超微
細粉砕機(増幸産業株式会社製「マスコロイダー」)で
磨砕した後冷凍し、本発明のペースト状骨粉325gを
得た。このペースト状の鮭骨粉を分析したところ、水分
41.4重量%、カルシウム8.9重量%、リン13.
8重量%、タンパク質1.2重量%、油分4.5重量%
であった。
【0028】(参考例2)上記残骨を添加してエンド型
プロテアーゼ反応を継続するというエンド型プロテアー
ゼ処理工程を2回繰り返して得られた処理液870ml
を 実施例1と同様に、加熱殺菌、冷却、油分除去操作
を行い、懸濁層と透明液層を分取した。得られた液は9
02g(比重1.058)、水分80.9%、総固形分
量は172g、pHは6.68だった。この懸濁層と透
明液層とを合わせた液に、6N塩酸5.8mlを加えて
pH5.2に調節し、液温を49℃に調節して、エキソ
型プロテアーゼとして2gのプロテアーゼM「アマノ」
(天野製薬株式会社製)を加えて48〜50℃で16時
間攪拌しながら反応した後、90℃に加熱して酵素を失
活させて室温まで冷却した。冷却後、精製ケイソウ土
(昭和化学株式会社製「ラジオライトFNF−A」)を
35g加えて攪拌・混合した後減圧濾過し、残渣を水で
洗浄して淡黄褐色濾液950gを得た。この濾液を減圧
濃縮して250gの次の組成からなる鮭調味エキス濃縮
液を得た。この鮭調味エキス濃縮液は、わずかに鮭特有
の香りがある甘味をともなった旨味を有する調味エキス
であった。
【0029】
【発明の効果】本発明によると、完全な採肉が困難であ
り、かなりの肉が付着している鮭等の魚類の中骨や該中
骨から落し身を採った後の残骨を有効に利用することが
でき、中骨や残骨の節骨から、幼児用のカルシウム補給
や老人の骨粗しょう症の予防等、カルシウム剤として有
用なカルシウム純度の高い骨粉を得ることができる。ま
た、副生成物として風味に優れた調味エキスを得ること
ができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚類の中骨及び/又は残骨に、その長節
    が節ごとにバラバラになり且つ節中心部の髄肉が消失し
    た節骨となるようにエンド型プロテアーゼ処理を行い、
    処理液から該節骨を分離・回収し、回収した節骨を水洗
    後、粉砕又は磨砕することを特徴とする魚骨粉の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 回収した節骨を水洗後磨砕し、次いで冷
    凍することを特徴とする請求項1記載の魚骨粉の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 回収した節骨を水洗後油分を除去し、次
    いで乾燥した後粉砕することを特徴とする請求項1記載
    の魚骨粉の製造方法。
  4. 【請求項4】 回収した節骨を水洗後灰化し、次いで粉
    砕することを特徴とする請求項1記載の魚骨粉の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 魚類が、鮭であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか記載の魚骨粉の製造方法。
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Cited By (7)

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