JP2002257241A - 三面合わせ部用ガスケット - Google Patents
三面合わせ部用ガスケットInfo
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Abstract
固体状ガスケットの端縁部に塗布し,三面合わせ部に充
填する液状ガスケットとの接着性,密着性を向上させ
る。 【解決手段】 この三面合わせ部用ガスケットは,シリ
ンダヘッド5の端面13,シリンダブロック6の端面1
4及びチェーンケース7の端面16を突き合わせによっ
て構成される三面合わせ部27のシールを行なう。三面
合わせ部27に充填された液状ガスケット2は,固体状
ガスケット1の端縁部4に塗布された接着剤3を介して
固体状ガスケット1に接着されている。固体状ガスケッ
ト1の端縁部4は,シリンダヘッド5とシリンダブロッ
ク6との面取り部11,12に位置する三面合わせ部2
7への露出部を形成している。
Description
ン等のエンジンを構成するシリンダブロック,シリンダ
ヘッド及びチェーンケースから成る構造品,シリンダブ
ロック,フロントカバー及びオイルパンから成る構造品
等の3部材が突き合わされて形成される三面合わせ部を
シールするため該三面合わせ部に配設して適用される三
面合わせ部用ガスケットに関する。
ついて,シリンダヘッドとシリンダブロックに対してチ
ェーンケースを取り付けたタイプのエンジンでは,シリ
ンダヘッドとシリンダブロックとチェーンケースとが突
き当たる部分には三面合わせ部が形成される。また,シ
リンダブロックにオイルパンを取り付ける部分には,フ
ロントカバー又はフライホイールハウジングとシリンダ
ブロックとオイルパンとが突き当たる部分には三面合わ
せ部が形成される。従来,これらの三面合わせ部のシー
ルを行なうため,特殊な構造を有するガスケットが使用
されている。例えば,三面合わせ部のシールを強化する
ために,何らかの形状を有する固体状ガスケットと共
に,液状ガスケットを併用するガスケットが知られてい
る。
開示されたシール装置は,第1の部材と第2の部材との
間に板状ガスケットを挟持し,これらの部材と第3の部
材との間の三面合わせ部に液状ガスケットを設けたもの
であり,板状ガスケットの液状ガスケット側の段付き
状,傾斜状又は波状の輪郭を液状ガスケットの厚さ方向
に第3の部材に対して進退する形状に形成したものであ
る。
開示された三面合わせ部のガスケットは,第1の部材と
第2の部材との間にビードを有するガスケットを挟持
し,これらの部材と第3の部材との間の三面合わせ部に
液状シール剤を介装し,三面合わせ部におけるガスケッ
ト端部のビード部に,液状シール剤とは別のシール部材
を充填したものである。
開示された内燃機関におけるシール装置は,ヘッドガス
ケットを挟んで締結されるシリンダブロック及びシリン
ダヘッドの側面にタイミングカバーを締結したものにお
いて,シリンダブロックとシリンダヘッドとの側面を凹
ませ,ヘッドガスケットを組み込む以前に,ヘッドガス
ケットに液状シール材を予め塗布し,凹み部に液状シー
ル材が位置するように詰め込んだものである。
開示されたタイミングチェーンケースのシール装置は,
シリンダブロックの一端面とシリンダヘッドの一端面の
両方に跨がって取り付けられたタイミングチェーンケー
スのシール装置であり,タイミングチェーンケースの側
壁と,シリンダブロックとシリンダヘッドとの境界部と
の間に液体ガスケット等のシール材が配置されているも
のである。
構造品における三面合わせ部に充填される液状ガスケッ
トとしては,シリコン系材料が使用されていることが多
いが,この種の液状ガスケットは元来接着性を備えてい
ないものであり,また,接着性を備えていたとしても,
その接着性・密着性は極めて弱く,シール性能を十分に
発揮できないのが現状である。従って,液状ガスケット
は,固体状ガスケットとの接着性,密着性が悪く,その
ため熱膨張収縮の繰り返しの熱負荷や振動によって両者
の接着面が剥離し易い傾向にある。その結果,構造品の
三面合わせ部において油漏れなどが発生し,三面合わせ
部のシール性能という観点からみると,信頼性に乏しい
ものとなる。このことは,液状ガスケットを固体状ガス
ケットに単に併用するのみでは,組み付け時に液状ガス
ケットを三面合わせ部に充填或いは塗布するというやや
繁雑な工程を新たに付加したにもかかわらず,その工数
やコストの増大に見合うだけのシール効果や信頼性が得
られ難いことになる。
ジン等の構造品における3部材の突き合わせによって構
成される三面合わせ部において,三面合わせ部のシール
構造に固体状ガスケットのみでなく,液状ガスケットを
併用する場合に,液状ガスケットと固体状ガスケットと
の接着性,密着性を向上させることにより,シール性を
向上させ,信頼性の富んだ三面合わせ部用ガスケットを
提供することである。
状ガスケットを介在して対向した第2部材,及び前記第
1部材と前記第2部材との端面に対向した第3部材の突
き合わせによって構成される三面合わせ部を備えた構造
品に適用される三面合わせ部用ガスケットにおいて,前
記三面合わせ部に充填された液状ガスケットは,前記三
面合わせ部に位置する前記固体状ガスケットの端縁部に
塗布された接着剤を介して前記固体状ガスケットに接着
されていることを特徴とする三面合わせ部用ガスケット
に関する。
ットの前記端縁部は,前記第1部材と前記第2部材との
対向面から露呈した前記三面合わせ部への露出部を形成
している。
された前記接着剤は,前記固体状ガスケットの前記端縁
部の端面,又は前記端面と少なくとも一方の縁部面に塗
布されている。
面からの前記固体状ガスケットの前記露出部は,前記第
1部材と前記第2部材との角部が面取りされた面取り部
の対向領域に位置している。
スケットを組み付けるのに先立って前記固体状ガスケッ
トの前記端縁部に予め塗布される。
トに塗布されるプライマーは,浸漬法又は印刷法によっ
て塗布される。
1部材がシリンダブロック,前記第2部材が前記シリン
ダブロックに固定されるシリンダヘッド,及び前記第3
部材が前記シリンダヘッドと前記シリンダブロックに取
り付けられるチェーンケースから成る前記構造品に適用
される。或いは,三面合わせ部用ガスケットは,前記第
1部材がシリンダブロック,前記第2部材が前記シリン
ダブロックに固定されるフロントカバー,及び前記第3
部材が前記シリンダブロックに取り付けられるオイルパ
ンから成る前記構造品に適用される。
ように構成されているので,構造品を構成する3部材の
突き合わせ固定で形成される三面合わせ部において,液
状ガスケットが固体状ガスケットから剥離や遊離状態が
発生せず,両者間の接着性,密着性を向上でき,三面合
わせ部におけるシール性能を向上させることができる。
また,固体状ガスケットの端縁部の塗布する接着剤は,
露出した端縁部の全面或いは部分的な面に塗布してよい
ものである。また,接着剤を固体状ガスケットに塗布す
るのに先立って下地材としてのプライマーを塗布しても
良く,また,プライマーが接着性を有するのであれば,
接着剤に代えてプライマーだけで済ますこともできる。
による三面合わせ部用ガスケットの実施例を説明する。
まず,図1,図2及び図3を参照して,この発明による
三面合わせ部用ガスケットの一実施例を説明する。図1
はこの発明による三面合わせ部用ガスケットがシリンダ
ヘッドガスケットとして構成された一実施例を示す平面
図,図2は図1の三面合わせ部用ガスケットの符号Aで
示す三面合わせ部における構造の詳細を示す拡大平面
図,及び図3は図2の三面合わせ部のI−I断面に相当
する三面合わせ部の断面構造の一実施例を示す拡大断面
図である。
は,第1部材,第1部材に固体状ガスケット1を介在し
て対向した第2部材,及び第1部材と第2部材との端面
に対向した第3部材の突き合わせによって構成される三
面合わせ部27を備えた構造品に適用されるものであ
り,三面合わせ部27に充填された液状ガスケット2
は,三面合わせ部27に位置する固体状ガスケット1の
端縁部4に塗布された接着剤3を介して固体状ガスケッ
ト1に接着されていることを特徴とするものである。こ
の三面合わせ部用ガスケットは,例えば,図1〜図5に
示すように,第1部材がシリンダブロック6,第2部材
が前記シリンダブロック6に固定されるシリンダヘッド
5,及び第3部材がシリンダヘッド5とシリンダブロッ
ク6の側方に取り付けられるチェーンケース7から成る
構造品に適用することができる。或いは,図示していな
いが,この三面合わせ部用ガスケットは,第1部材がシ
リンダブロック,第2部材がシリンダブロックに固定さ
れるフロントカバー,及び第3部材がシリンダブロック
に取り付けられるオイルパンから成る前記構造品に適用
することができる。
は,特に,三面合わせ部27を含むエンジン等の構造品
に適用され,三面合わせ部27のシールに液状ガスケッ
ト2を併用する固体状ガスケット1に関し,三面合わせ
部27における固体状ガスケット1の端縁部4に接着剤
3が塗布されていることを特徴とするものである。
用ガスケットは,基本的に外周部が2枚のビード基板1
7,18の金属板から成り,シリンダボア孔25の周り
が更に1枚のシム板33が加わった3枚の積層構造を有
するチェーンケース付きエンジン用のヘッドガスケット
の実施例が示されている。この三面合わせ部用ガスケッ
トは,シリンダヘッド5,シリンダブロック6及びチェ
ーンケース7との突き合わせによって形成される三面合
わせ部27に配設されるガスケットに適用されている。
この三面合わせ部用ガスケットは,シリンダヘッド5と
シリンダブロック6との対向面9,10の間でボルトに
よって締結されたヘッドガスケットの固体状ガスケット
1と,シリンダヘッド5の端面13,シリンダブロック
6の端面14及びタイミングチェーンケース7の端面1
6が互いに突き合わせによって形成される三面合わせ部
27に配設された液状ガスケット2とを有する。
わせ部27のうちの固体状ガスケット1の部分を示す拡
大平面図である。図1及び図2に示すように,この実施
例では,固体状ガスケット1の三面合わせ部27は,ガ
スケット本体部から端縁部4が若干張り出した形状に形
成されている。図3は図2のI−I線に対応する領域の
部分断面図を示している。この実施例は,シリンダヘッ
ド5の対向面9,シリンダブロック6の対向面10及び
チェーンケース7の端面16の突き合わせて形成される
隙間,即ち,チェーンケースの端面16に対してシリン
ダヘッド5の対向面9とシリンダブロック6の対向面1
0とが垂直に延びる形状の隙間(略ト字状)の三面合わ
せ部27に適用されているタイプである。なお,図3,
図4及び図5では,対向面9,10と固体状ガスケット
1との間及びビード基板17,18間の各隙間は,誇張
して図示されているが,シリンダヘッド5とシリンダブ
ロック6との実際の締め付け状態ではほとんど存在しな
いものである。
状ガスケット1は,エンジンの各シリンダボアに対応し
た複数のシリンダボア孔25が形成されているビード基
板17,18から構成されている。固体状ガスケット1
を構成するビード基板17,18には,燃焼室孔のシリ
ンダボア孔25の他に,油孔24,ボルト孔26,水孔
30,識別孔31等の各種の孔が形成されている。ま
た,固体状ガスケット1を構成するビード基板17,1
8には,シリンダボア孔25に沿ってフルビード等のビ
ード28が形成され,ガスケットの周縁部にはハーフビ
ード等のビード29が形成されている。また,固体状ガ
スケット1を構成するビード基板17,18には,シリ
ンダヘッド5及びシリンダブロック6と,チェーンケー
ス7との間にはハーフビード19,22が形成されてい
る。また,固体状ガスケット1に形成されたシリンダボ
ア孔25,油孔24,ボルト孔26,水孔30の各種の
孔に沿ってハーフビード等のビード23が形成されてい
る。
は,固体状ガスケット1の端縁部4は,シリンダヘッド
5とシリンダブロック6と組み付け状態において,それ
らの対向面9,10からの露出部となり,シリンダヘッ
ド5の角部が面取りされた面取り部11とシリンダブロ
ック6の角部が面取りされた面取り部12との対向領域
に位置している。言い換えれば,固体状ガスケット1の
露出部は,三面合わせ部27における固体状ガスケット
1の端面15及びその両側の縁部面20,21から成る
端縁部4を構成している。固体状ガスケット1の端縁部
4は,シリンダヘッド5とシリンダブロック6との角部
の面取り部11,12に位置し,対向面9,10から突
き出た突出部分を構成している。
面16に比較的浅い凹部8が形成され,凹部8は三面合
わせ部27の一部を構成しており,液状ガスケット2の
充填部の隙間を構成している。従って,シリンダヘッド
5とシリンダブロック6との対してチェーンケース7の
端面16のシール面及び三面合わせ部27において,液
状ガスケット2を所定の幅及び高さになるように,固体
状ガスケット1の端縁部4に接着剤3を介して塗布する
ことによって液状ガスケット2が三面合わせ部27に充
填され,チェーンケース7をシリンダブロック6とシリ
ンダヘッド5に対して最終的に締め付けると,液状ガス
ケット2が露出部の三面合わせ部27の方向へ押され,
三面合わせ部27の隙間を良好に埋めるとともに,予め
塗布された接着剤3と接着し密着することになり,三面
合わせ部27のシール構造が形成される。
体状ガスケット1の端縁部4は,シリンダヘッド5とシ
リンダブロック6との対向面9,10から露呈した三面
合わせ部27への露出部を形成している。また,固体状
ガスケット1の端縁部4に塗布された接着剤3は,図3
に示すように,端縁部4の端面15と少なくとも一方の
縁部面20,21(図3では両方の縁部面20,21)
に塗布されている。
ように構成されており,基本的には,固体状ガスケット
1をシリンダヘッド5(第2部材)とシリンダブロック
6(第1部材)との間に組み付け時に又はその前段階に
おいて,三面合わせ部27の固体状ガスケット1の端縁
部4のうちの適切な箇所に接着剤3を塗布し,次いで,
接着剤3に液状ガスケット2を接着させた状態にする。
そこで,その端縁部4が三面合わせ部27に位置するよ
うに,シリンダヘッド5(第2部材)とシリンダブロッ
ク6(第1部材)との間に固体状ガスケット1を配設
し,次いで,最終組み付けとして,シリンダブロック6
とシリンダヘッド5とに対してチェーンケース7(第3
部材)を組み付け,それによって,液状ガスケット2が
三面合わせ部27に配設即ち充填されるようにし,固体
状ガスケット1と液状ガスケット2との双方が接着剤3
を介して接着性,密着性を有する構造に組み付ける。
ように構造品に組み付けることによって,最終組み付け
状態において,接着剤3によって固体状ガスケット1と
液状ガスケット2との接着性,密着性を向上させること
により,三面合わせ部27のシール性を確実にし,三面
合わせ部27からの油漏れ等を完全に防止することがで
きる。接着剤3の固体状ガスケット1への塗布は,浸漬
法または印刷法によって達成される。接着剤3は,構造
品に固体状ガスケット1を組み付けるのに先立って,固
体状ガスケット1の端縁部4に予め塗布される。また,
固体状ガスケット1に塗布されるプライマー(図示せ
ず)は,接着剤3の塗布と同様に,浸漬法,或いは印刷
法によって塗布することができる。
は,例えば,図6の(a)に示すように,ビード基板1
7,18の端縁部4に接着剤3をパッド印刷機32によ
って繰り返し塗布する。ビード基板17,18に塗布し
た後に,接着剤3を塗布したビード基板17,18を乾
燥炉に入れて接着剤3を乾燥させる。次いで,ビード基
板17,18を積層し,ビード基板17,18の予め決
められた所定の位置をかしめ機によって互いにかしめる
ことによってビード基板17,18を互いに固定する。
或いは,接着剤3の固体状ガスケット1への塗布は,例
えば,図6の(b)に示すように,ビード基板17,1
8を積層し,予め決められた所定の位置をかしめ機によ
って互いにかしめることによってビード基板17,18
を互いに固定する。次いで,ビード基板17,18の端
縁部4に接着剤3をパッド印刷機32によって繰り返し
塗布する。ビード基板17,18の端縁部4に接着剤3
を塗布した後に,接着剤3を塗布したビード基板17,
18を乾燥炉に入れて接着剤3を乾燥させる。
は,マスキング処理,スクリーン,ステンシル板等を使
用する必要がない。パッド印刷機32のパッド34の塗
布部位への押しつけ回数は,1回〜複数回の範囲で選択
することができ,また,押しつけ時間は,合計で15秒
以下であることが好ましい。図6の(a)の場合には,
固体状ガスケット1を構成するビード基板17,18の
片側面20又は21及び端面15に塗布する。固体状ガ
スケット1に対してパッド印刷機32を用いて接着剤3
を塗布する場合には,パッド印刷機32のパッド34は
2つのパッド34を有する構造のものを用いてもよいこ
とは勿論である。また,固体状ガスケット1の端縁部4
に接着剤3を塗布する時に,接着剤3の極く少量がもう
一方の面側にはみ出すことがあってもよいものである。
固体状ガスケット1への接着剤3の塗布後は,常温〜1
50℃で10分間以内の範囲で乾燥させる。
用ガスケットの別の実施例を説明する。この実施例で
は,固体状ガスケット1の端縁部4に塗布された接着剤
3は,固体状ガスケット1の端縁部4の端面15に塗布
され,端縁部4の縁部面20,21には塗布されていな
いものである。この実施例では,三面合わせ部27に位
置する固体状ガスケット1の端縁部4の端面15は,シ
リンダヘッド5とシリンダブロック6との面取り部1
1,12まで突き出ることなく,端縁部4の露出部は,
固体状ガスケット1の端面15のみになった状態であ
る。接着剤3は,固体状ガスケット1の端面15に塗布
されている。この実施例では,固体状ガスケット1の露
出部即ち端面15はやや奥に窪んだ配置状態になってい
るため,液状ガスケット2は,シリンダヘッド5とシリ
ンダブロック6との対向面9と対向面10との間に形成
された隙間にまで入り込んで充填された状態であり,液
状ガスケット2が量的に比較的多くなっている。従っ
て,この実施例は,液状ガスケット2によるシール面積
及び容積は,図3の実施例の場合よりも大きくなるの
で,接着剤3の塗布は三面合わせ部27に位置する固体
状ガスケット1の端面15のみとすることで完全なシー
ル性が達成される。
用ガスケットの更に別の実施例を説明する。この実施例
では,チェーンケース7の端面16には凹部が形成され
ておらず,平らな面に形成されている。チェーンケース
7の端面16に凹部が形成されない場合には,図3の実
施例のように,固体状ガスケット1の端縁部4を面取り
部11,12まで突出させることができないので,図4
の実施例のように,固体状ガスケット1の露出部即ち端
面15はやや奥に窪んだ配置状態になり,必然的に,液
状ガスケット2はシリンダヘッド5とシリンダブロック
6との対向面9と10との間に形成された隙間にまで入
り込んで充填された状態であり,液状ガスケット2が量
的に比較的多くなり,接着剤3の塗布は三面合わせ部2
7に位置する固体状ガスケット1の端面15のみとする
ことで完全なシール性が達成される。
ト1を構成する金属板の表面には,通常ゴム質等のコー
ティングが施されているが,接着剤3は,この種のコー
ティングの有無にかかわらず,接着性,密着性の作用効
果を発揮するものであり,例えば,メタル,ゴム及び液
状ガスケット2のいずれとも接着性,密着性を有するも
のである。接着剤3としては,例えば,アクリル系の接
着剤が好適であり,接着剤3の塗布前に適切なプライマ
ーを塗布することは任意である。また,図示していない
が,接着剤3の塗布範囲は,図3又は図4の実施例のよ
うに,組み付け時の露出部の範囲に厳密に限られる必要
はなく,ハーフビード側へ拡大した端縁部までとなって
もよいものである。固体状ガスケット1へのプライマー
及び接着剤3の塗布には,接着部分の浸漬法又は印刷法
によることができ,中でも押しつけ印刷法が簡便であ
り,特に,図6に示すように,パッド印刷機を用いる方
法が好適である。
ガスケット1の端縁部4の端面15への接着剤3の塗布
は,図6に示すように,パッド印刷法によって達成する
ことができる。また,固体状ガスケット1へのプライマ
ーの塗布が必要な場合には,別の専用パッド印刷機を用
いる工程を適宜組み込むことができる。もし,設計条件
が許容すれば,プライマーのみを用い,これを接着剤の
代替とすることもできる。また,上記実施例では,固体
状ガスケット1が金属板のビード基板17,18の場合
について説明したが,ソフトシリンダヘッドガスケッ
ト,又はゴム質材固体状ガスケットにも適用できること
は勿論である。
固体状ガスケット1をビード基板17,18として説明
したが,固体状ガスケット1の種類や材質についてはビ
ード基板17,18に限るものではない。また,固体状
ガスケット1は,メタル材,ゴム質材,ゴム質以外の軟
質材から成る複合材を用いて作製されたガスケットでも
よい。また,固体状ガスケット1は,上記実施例ではビ
ード基板17,18の積層タイプのガスケットである
が,単層ガスケットで構成することもできる。上記実施
例では,固体状ガスケット1がヘッドガスケットに適用
した実施例であるが,その他に,エンジンのオイルパン
に適用したり,或いは,密閉容器等に適用することもで
きる。
状ガスケット1及び液状ガスケット2によって選定され
るものであり,特に,その種類や性状が限定されるもの
ではない。即ち,液状ガスケット2と固体状ガスケット
1との接着性,密着性にすぐれた接着剤3であればよい
ものであり,例えば,アクリル系接着剤を使用すること
ができる。接着剤3の固体状ガスケット1への塗布は,
ガスケットの構造品への組み付け工程で行ってもよいも
のであるが,最も望ましいのは,ガスケットの製造工程
において接着剤3が固体状ガスケット1へ予め塗布され
た状態に作製されていることである。また,固体状ガス
ケット1の構成板ごとに,接着剤3を塗布してもよい
し,構成板の積層状態,又は結合した後に塗布してもよ
いものである。更に,図示していないが,固体状ガスケ
ット1に接着剤3を塗布前に,接着剤3を塗布する領域
の塗布部に下地材のプライマーを塗布することも任意で
ある。場合によっては,プライマーが比較的に弱い接着
性,密着性を有する場合には,プライマーを接着剤3に
代用させることができる。プライマー及び接着剤3の固
体状ガスケット1への塗布は,印刷法の中でもパッドを
用いる方法が最も望ましい方法である。
トは,上記のように構成されているので,三面合わせ部
のシール構造として,固体状ガスケットに接着剤を塗布
し,接着剤を介して液状ガスケットを固体状ガスケット
に接合して三面合わせ部に充填することによって,従来
のような固体状ガスケットに対して接着剤を塗布せずに
液状ガスケットのみを配設するものに比較して,液状ガ
スケットの固体状ガスケットへの接着性,密着性を向上
させることができる。また,三面合わせ部の完全なシー
ルを達成でき,特に,三面合わせ部からの油漏れ等を防
止することができる。また,この三面合わせ部用ガスケ
ットは,従来の接着剤を用いないものに比較して,シー
ル性の信頼性が高く,しかも,密封構造として種々の構
造品に適用でき,広範な用途に適用することができる。
実施例を示す平面図である。
す三面合わせ部における構造の詳細を示す拡大平面図で
ある。
面合わせ部の断面構造の一実施例を示す拡大断面図であ
る。
面合わせ部の断面構造の別の実施例を示す拡大断面図で
ある。
面合わせ部の断面構造の更に別の実施例を示す拡大断面
図である。
状ガスケットに接着剤又はプライマーの塗布状態を示す
説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 第1部材,該第1部材に固体状ガスケッ
トを介在して対向した第2部材,及び前記第1部材と前
記第2部材との端面に対向した第3部材の突き合わせに
よって構成される三面合わせ部を備えた構造品に適用さ
れる三面合わせ部用ガスケットにおいて,前記三面合わ
せ部に充填された液状ガスケットは,前記三面合わせ部
に位置する前記固体状ガスケットの端縁部に塗布された
接着剤を介して前記固体状ガスケットに接着されている
ことを特徴とする三面合わせ部用ガスケット。 - 【請求項2】 前記接着剤が塗布された前記固体状ガス
ケットの前記端縁部は,前記第1部材と前記第2部材と
の対向面から露呈した前記三面合わせ部への露出部を形
成していることを特徴とする請求項1に記載の三面合わ
せ部用ガスケット。 - 【請求項3】 前記固体状ガスケットの前記端縁部に塗
布された前記接着剤は,前記固体状ガスケットの前記端
縁部の端面,又は前記端面と少なくとも一方の縁部面に
塗布されていることを特徴とする請求項2に記載の三面
合わせ部用ガスケット。 - 【請求項4】 前記第1部材と前記第2部材との前記対
向面からの前記固体状ガスケットの前記露出部は,前記
第1部材と前記第2部材との角部が面取りされた面取り
部の対向領域に位置していることを特徴とする請求項2
又は3に記載の三面合わせ部用ガスケット。 - 【請求項5】 前記接着剤は,前記構造品に前記固体状
ガスケットを組み付けるのに先立って前記固体状ガスケ
ットの前記端縁部に予め塗布されることを特徴とする請
求項1〜4のいずれか1項に記載の三面合わせ部用ガス
ケット。 - 【請求項6】 前記接着剤及び/又は前記固体状ガスケ
ットに塗布されるプライマーは,浸漬法又は印刷法によ
って塗布されることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
か1項に記載の三面合わせ部用ガスケット。 - 【請求項7】 前記第1部材がシリンダブロック,前記
第2部材が前記シリンダブロックに固定されるシリンダ
ヘッド,及び前記第3部材が前記シリンダヘッドと前記
シリンダブロックに取り付けられるチェーンケースから
成る前記構造品に適用されることを特徴とする請求項1
〜6のいずれか1項に記載の三面合わせ部用ガスケッ
ト。 - 【請求項8】 前記第1部材がシリンダブロック,前記
第2部材が前記シリンダブロックに固定されるフロント
カバー,及び前記第3部材が前記シリンダブロックに取
り付けられるオイルパンから成る前記構造品に適用され
ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載
の三面合わせ部用ガスケット。
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