JP2002255478A - ラッフィングジブクレーン及びその組立方法 - Google Patents

ラッフィングジブクレーン及びその組立方法

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JP2002255478A
JP2002255478A JP2001048823A JP2001048823A JP2002255478A JP 2002255478 A JP2002255478 A JP 2002255478A JP 2001048823 A JP2001048823 A JP 2001048823A JP 2001048823 A JP2001048823 A JP 2001048823A JP 2002255478 A JP2002255478 A JP 2002255478A
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joint
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crane
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Koichi Madarame
弘一 斑目
Sumio Morita
純男 森田
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長いジブを設けて抱込み式組立方法で組み立
て可能で、組立空間を要しないで伸長式組立方法で組み
立て得るラッフィングジブクレーンを提供する。 【解決手段】 ブーム2と、ブーム2に揺動可能に取り
付けられる下ジブ3a、下ジブ3aに継ぎ足される複数
の継ぎジブ3b及び継ぎジブ3bに取り付けられる上ジ
ブで構成されるジブとを備え、下ジブ3aを、ブーム2
の下側に折り畳むように揺動させたりブーム2の延長線
上に伸長するように揺動させたりすることができるラッ
フィングジブクレーンにおいて、継ぎジブ3bの後側端
部に取り付けるためのブラケット10aと、これに軸着
したブラケット10bに回転可能に軸支したローラ10
cとを備えた回転滑動具10を付属品として設けて、こ
の回転滑動具10のブラケット10bを継ぎジブ3bの
後側端部に着脱可能に取り付け得るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、ジブを、
倒したブームの下側に接近して配置したりブームの前方
に伸長するように配置したりすることができるラッフィ
ングジブクレーンと、このラッフィングジブクレーンを
使用する方法の一種であるラッフィングジブクレーンの
組立方法に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】クレーンとして、クローラ等により走行
する走行体に傾動可能に設置されたブームとこのブーム
に揺動可能に取り付けられたジブとを備えたクレーンが
従来から一般に知られている。この種のクレーンには、
ジブを、ブームに揺動可能に取り付けられた下ジブとこ
の下ジブに継ぎ足される複数の継ぎジブと下ジブに継ぎ
足される最後の継ぎジブに取り付けられる上ジブとで構
成して、下ジブを、ブームの下側に折り畳むように揺動
させたりブームの延長線上に伸長するように揺動させた
りすることが可能になるように、大きく揺動させ得るよ
うにしたものがあり、こうしたクレーンをラッフィング
ジブクレーンと称する。
【0003】この出願の発明は、従来のラッフィングジ
ブクレーンに関する技術に対し、その組立の便を良くす
るように改良を加えたものである。そこで、従来のラッ
フィングジブクレーンの一例を図9及び図10に基づい
て説明する。図9は、従来例のラッフィングジブクレー
ンの側面図で、抱込み式の組立方法を実施するときの状
態を示す図、図9は、伸長式の組立方法を実施するとき
の状態を示す図9と同様の図である。
【0004】これらの図において、1はクローラを駆動
することにより走行する走行体、2はこの走行体1に傾
動可能に設置されたブーム、3はこのブーム2に揺動可
能に取り付けられたジブ、3aはブーム2の頂部に揺動
可能に取り付けられジブ3の下方部(ジブ3を起こした
ときの下方部)をなす下ジブ、3bはこの下ジブ3aに
継ぎ足される継ぎジブ、3cは下ジブ3aに継ぎ足され
る最後の継ぎジブ3bに取り付けられてジブ3の上方部
(ジブ3を起こしたときの上方部)をなす上ジブ、4は
この上ジブ3cの後側端部に回転可能に取り付けられた
ローラである。
【0005】継ぎジブ3bは、複数本備え付けられてお
り、クレーンの作業内容に応じて下ジブ3aに適宜の本
数継ぎ足すことができ、継ぎ足される最後の継ぎジブ3
bに上ジブ3cを取り付けて所望の長さのジブ3を構成
する。ジブ3は、通常、下ジブ3aの後側端部と継ぎジ
ブ3bの前側端部との間、複数の継ぎジブ3b同士の端
部間及び継ぎジブ3bの後側端部と上ジブ3cの前側端
部との間を同一構造のジブ連結用継手で着脱可能に連結
するように構成されている。この明細書では、これらの
ジブ3a,3b,3cについて、ブーム2に向けて先に
連結される側を前側、後に連結される側を後側とする。
ローラ4は、ラッフィングジブクレーンを図9及び図1
0に示すように設置したクレーン組立の初期の姿勢から
クレーン作業開始時の正規の姿勢に変えるときに、ジブ
3を地面と接触させて前後方向に移動させながら起すこ
とができるようにする必要上、不可欠のものである。
【0006】5はブーム2の頂部に連結されブーム2を
起こしたり倒したりするブーム起伏ロープ、6aはブー
ム2の頂部に揺動可能に取り付けられた前ジブマスト、
6bは図示しないストッパにより所定量以上の後傾を不
可能にした状態でブーム2の頂部に揺動可能に取り付け
られた後ジブマスト、7aは前ジブマスト6aとジブ3
の先端部とに連結された前ジブマスト用ペンダントロー
プ、7bは後ジブマスト6bとブーム2の下部とに連結
された後ジブマスト用ペンダントロープ、8はジブ3を
揺動させて起伏するためのジブ起伏ロープである。な
お、図示はしていないが、このラッフィングジブクレー
ンには、吊り荷を吊るための巻上げロープがブーム2や
ジブ3の頂部に滑車を介して掛け回されている。
【0007】ブーム起伏ロープ5は、走行体1内の図示
しないブーム起伏ウインチで巻き取ったり繰り出したり
することにより、ブーム2を起したり倒したりする。前
ジブマスト6a及び後ジブマスト6bには、それぞれ、
左右方向(紙面直角方向)に向けて所定間隔で図示しな
い多数のジブ起伏ロープ用のシーブが取り付けられてい
る。ジブ起伏ロープ8は、一端部を後ジブマスト6bに
取り付けた後、前ジブマスト6aと後ジブマスト6bと
に、それらのシーブを介してジブマスト6a,6b間を
往復させるように幾重にも掛け回されている。また、こ
うして掛け回されたジブ起伏ロープ8の他端部は、ブー
ム2に沿わせるようにして下方に引き出してブーム2の
下部に設置したジブ起伏ウインチ(図示せず。)に取り
付けている。したがって、このジブ起伏ロープ8は、ジ
ブマスト6a,6b間に掛け回された部分しか図に表れ
ていない。
【0008】前ジブマスト6aは揺動可能に取り付けら
れ、後ジブマスト6bは、前傾が後ジブマスト用ペンダ
ントロープ7bにより阻止され、後傾が図示しないスト
ッパにより阻止されているため、ジブ起伏ロープ8をジ
ブ起伏ウインチで巻き取ると、前ジブマスト6aは、後
ジブマスト6b側に揺動し、そのため、ジブ3は、前ジ
ブマスト用ペンダントロープ7aにより牽引されて上方
に揺動し、起こされる。逆に、ジブ起伏ロープ8を繰り
出すと、前ジブマスト6aを後ジブマスト6bから離す
ように揺動させてジブ3を下方に揺動させ、倒すことが
できる。
【0009】このように構成されたラッフィングジブク
レーンを組み立てる場合において、ブーム2にジブ3を
組付けるときには、地面近くまで倒したブーム2の下方
位置で、予め下ジブ3a、1本又は複数本の継ぎジブ3
b、上ジブ3cを継ぎ合わせてジブ3を完成させた後、
別途準備される補助クレーンによりジブ3を吊り上げて
下ジブ3aとブーム2の頂部とを連結して取り付ける
と、図9に示すように、ジブ3をブーム2で抱き込むよ
うな姿で配置することができる。こうしたクレーンの組
立の初期工程を経た後、上ジブ3cのローラ4を滑動さ
せながら、クレーン作業が行える姿勢にブーム2とジブ
3を変位させることにより、ラッフィングジブクレーン
を組み立てる方法を抱込み式の組立方法と称する。
【0010】また、この抱込み式の組立方法とは別のジ
ブ3の組付け方法として、ブーム2を地面近くまで倒
し、ブーム2の頂部に、ブーム2の延長線上に伸長する
ように下ジブ3a、1本又は複数本の継ぎジブ3b、上
ジブ3cを順次継ぎ合わせて、図10に示すように、ジ
ブ3をブーム2の前方に伸長させるように配置する方法
がある。こうしたクレーンの組立の初期工程を経た後、
上ジブ3cのローラ4を滑動させながら、ブーム2とジ
ブ3をクレーン作業が行える姿勢に変位させることによ
りラッフィングジブクレーンを組み立てる方法を伸長式
の組立方法と称する。この伸長式の組立方法は、組立作
業が地面上で行えるため、抱込み式の組立方法に比べて
組立作業は楽であるが、抱込み式の組立方法よりも広い
組立空間を必要とする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このラッフィングジブ
クレーンは、例えば老人ホームのような階床が少なく床
面積の広い、低くて広い構築物を建造するときに使用さ
れるが、そのためには、ブーム2は長さを必要としない
ものの、ジブ3は、広い範囲でクレーン作業が行えるよ
うに長いジブを使用できるようにしなけれならない。こ
うしたことから、ラッフィングジブクレーンでは、これ
を作業現場に設置する際に長いジブ3を設けて組み立て
られるようにすることが必要である。
【0012】しかしながら、従来のラッフィングジブク
レーンでは、抱込み式の組立方法でこれを組み立てる場
合、図9から分かるように、ブーム2よりも長いジブ3
を設けて組み立てることはできない。そして、ブーム2
は、それほど長くする必要はないため、ジブ3の長さを
長くするにしても限界がある。一方、伸長式の組立方法
でこれを組み立てる場合は、広い組立空間さえ得られれ
ば、長いジブ3を設けて組み立てることができるが、ブ
ーム2の長さにジブ3の長さを加えた以上の奥行きのあ
るきわめて広い組立空間を必要とする。そのため、特
に、長いジブ3を設けなければならない場合、組立作業
に必要な組立空間を常時確保することは、我が国の土地
事情ではきわめて困難である。
【0013】この出願の各発明は、こうした従来の技術
の問題に鑑みて創作されたものであり、この出願の発明
の第1の技術課題は、ブームより長いジブを設けるとき
でも抱込み式の組立方法で組み立てることができるとと
もに、従来より組立空間を必要としないで伸長式の組立
方法で組み立てることができるラッフィングジブクレー
ンを提供することにある。
【0014】この出願の発明の第2の技術課題は、こう
したラッフィングジブクレーンを使用してブームより長
いジブを設けるときでも抱込み式の組立方法により組み
立てることができるラッフィングジブクレーンの組立方
法を提供することにある。
【0015】この出願の発明の第3の技術課題は、こう
したラッフィングジブクレーンを使用して従来より組立
空間を必要としないで伸長式の組立方法で組み立てるこ
とができるラッフィングジブクレーンの組立方法を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記の第1の技術課題
は、特許請求の範囲の請求項1に係るラッフィングジブ
クレーンの発明により達成され、本発明では、その技術
課題を達成するため、次の1)に示す手段を採用した。
【0017】1)傾動可能に設置されたブームと、この
ブームに揺動可能に取り付けられた下ジブ、この下ジブ
に継ぎ足される複数の継ぎジブ及び下ジブに継ぎ足され
る最後の継ぎジブに取り付けられる上ジブで構成される
ジブとを備え、下ジブを、ブームの下側に折り畳むよう
に揺動させたりブームの延長線上に伸長するように揺動
させたりすることができるラッフィングジブクレーンに
おいて、継ぎジブの後側端部に取り付けるためのブラケ
ットとこのブラケットに回転可能に軸支したローラとを
備えた回転滑動具を付属品として設け、この回転滑動具
のブラケットを継ぎジブの後側端部に着脱可能に取り付
け得るようにする。
【0018】こうした手段を採用した本発明のラッフィ
ングジブクレーンにおいて、ブームよりも長いジブを抱
込み式の組立方法により設けるときには、下ジブをブー
ムの下側に折り畳むように揺動させるとともにブームを
倒して、地面近く倒したブームの下側に下ジブを位置さ
せる。しかる後、この下ジブに継ぎジブを、ブームの下
側に無理なく納まる範囲で適当本数継ぎ足してこれらの
ジブをブームの下側に近接して配置するとともに、継ぎ
足される最後の継ぎジブに回転滑動具を取り付ける。次
いで、それらの下ジブ及び継ぎジブを、回転滑動具を滑
動させながら起立させ、起立させたら、継ぎジブに取り
付けられている回転滑動具を取り外す。ここで、新たな
継ぎジブを継ぎ足さなくても所望の長さのジブが組み立
てられる場合には、この回転滑動具を取り外した継ぎジ
ブに上ジブを取り付ける。
【0019】また、新たな継ぎジブを継ぎ足さなけれ
ば、所望の長さのジブが組み立てられない場合には、前
記の回転滑動具を取り外した継ぎジブに新たな継ぎジブ
を連結するとともに新たな継ぎジブに回転滑動具を取り
付けてこの新たな継ぎジブを、回転滑動具を滑動させな
がら起立させて継ぎ足すとともに、この起立させた継ぎ
ジブに取り付けられている回転滑動具を取り外す。そし
て、こうした工程を、所望の長さのジブが組み立てられ
まで適当回数実施した後、最後に回転滑動具を取り外し
た継ぎジブに上ジブを取り付ける。
【0020】一方、ブームの長さにジブの長さを加えた
以上の奥行きのある組立空間が得られない場合において
伸長式の組立方法で組み立てるときには、ブーム及び下
ジブを操作して、地面近く倒したブームの前方に伸長す
るように下ジブを位置させた後、この下ジブに継ぎジブ
を、組立空間の広さを考えて適当本数継ぎ足すととも
に、継ぎ足される最後の継ぎジブに回転滑動具を取り付
ける。次いで、これらの下ジブ及び継ぎジブを、回転滑
動具を滑動させながら起立させ、起立させたら、この起
立させた継ぎジブに取り付けられている回転滑動具を取
り外す。以下、抱込み式の組立方法で組み立てるときと
同様の過程を経て、最後に回転滑動具を取り外した継ぎ
ジブに上ジブを取り付ける。
【0021】本発明のラッフィングジブクレーンでは、
特に継ぎジブの後側端部に着脱可能に取り付けることが
できる回転滑動具を付属品として設けているので、継ぎ
ジブを滑動させながら起立させことが可能となって、ク
レーンの組立の初期工程で、ローラを有する上ジブを取
り付けなくても、地上の継ぎジブを起す作業を支障なく
行うことができる。そのため、継ぎジブを、場所を取ら
ないように起した状態でこの継ぎジブに上ジブを取り付
け、さらには、必要に応じて新たな継ぎジブを継ぎ足し
てから上ジブを取り付けることも可能になるので、本発
明のラッフィングジブクレーンによれば、ブームより長
いジブを設けるときでも、抱込み式の組立方法で組み立
てることができるとともに、従来より組立空間を必要と
しないで伸長式の組立方法で組み立てることができる。
【0022】前記の第2の技術課題は、特許請求の範囲
の請求項3に係るラッフィングジブクレーンの組立方法
に関する第1番目の発明により達成され、本発明では、
その技術課題を達成するため、次の2)に示す方法を採
用した。
【0023】2)前記1)のラッフィングジブクレーン
を組み立てる場合、下ジブとこの下ジブに連結し回転滑
動具を取り付けた継ぎジブとを、倒したブームの下側に
近接して配置する初期工程と、これら下ジブと継ぎジブ
とを、回転滑動具を滑動させながら起立させるジブ起立
工程と、起立させた継ぎジブに取り付けられている回転
滑動具を取り外す回転滑動具取外し工程と、回転滑動具
を取り外した継ぎジブに上ジブを取り付ける上ジブ取付
工程とを経て、ラッフィングジブクレーンを組み立てる
ようにする。
【0024】本発明のラッフィングジブクレーンの組立
方法では、クレーンの組立の初期工程で、従来とは異な
り、上ジブを取り付けることなく回転滑動具を取り付け
た継ぎジブと下ジブとをブームの下側に配置し、ジブ起
立工程で回転滑動具を滑動させながらそれらの下ジブ及
び継ぎジブを起立させるようにしているので、ジブを従
来より短縮した状態でブームの下側にセットして下ジブ
及び継ぎジブを支障なく起すことができる。そして、回
転滑動具取外し工程から上ジブ取付工程を通じて、継ぎ
ジブを、場所を取らないように起した状態で回転滑動具
を取り外して上ジブを継ぎジブに取り付けるので、本発
明のラッフィングジブクレーンの組立方法では、ラッフ
ィングジブクレーンにブームより長いジブを設けるとき
でも、抱込み式の組立方法により組み立てることができ
る。
【0025】前記の第3の技術課題は、特許請求の範囲
の請求項4に係るラッフィングジブクレーンの組立方法
に関する第2番目の発明により達成され、本発明では、
その技術課題を達成するため、次の3)に示す方法を採
用した。
【0026】3)前記1)のラッフィングジブクレーン
を組み立てる場合、下ジブとこの下ジブに連結し回転滑
動具を取り付けた継ぎジブとを、倒したブームの前方に
伸長するように配置する初期工程と、これら下ジブと継
ぎジブとを、回転滑動具を滑動させながら起立させるジ
ブ起立工程と、起立させた継ぎジブに取り付けられてい
る回転滑動具を取り外す回転滑動具取外し工程と、回転
滑動具を取り外した継ぎジブに上ジブを取り付ける上ジ
ブ取付工程とを経て、ラッフィングジブクレーンを組み
立てるようにする。
【0027】本発明のラッフィングジブクレーンの組立
方法では、クレーンの組立の初期工程で、従来とは異な
り、上ジブを取り付けることなく回転滑動具を取り付け
た継ぎジブと下ジブとをブームの前方に配置し、ジブ起
立工程で回転滑動具を滑動させながらそれらの下ジブ及
び継ぎジブを起立させるようにしているので、ジブを従
来より短縮した状態でブームの前方にセットして下ジブ
及び継ぎジブを支障なく起すことができる。そして、前
記第1番目の発明の組立方法と同様、回転滑動具取外し
工程から上ジブ取付工程を通じて、継ぎジブを、場所を
取らないように起した状態で回転滑動具を取り外して上
ジブを継ぎジブに取り付けるので、本発明のラッフィン
グジブクレーンの組立方法では、従来より組立空間を必
要としないで伸長式の組立方法で組み立てることができ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、この出願のラッフィングジ
ブクレーン及びその組立方法の発明が実際上どのように
具体化されるのかを示す具体化例を図1乃至図8に基づ
いて説明することにより、これらの発明の実施の形態を
明らかにする。図1は、この出願のラッフィングジブク
レーンの発明の具体化例を示す側面図で、抱込み式の組
立方法を実施するときの組立の初期工程を示す図、図2
は、ジブ起立工程を示す図1と同様の図、図3は、回転
滑動具取外し工程を示す図1と同様の図、図4は、上ジ
ブ取付工程の第1段階を示す図1と同様の図、図5は、
上ジブ取付工程の第2段階を示す図1と同様の図、図6
は、組立完了時の状態を示す図1と同様の図、図7は、
この出願のラッフィングジブクレーンの発明の具体化例
を示す側面図で、伸長式の組立方法を実施するときの組
立の初期工程を示す図、図8は、この出願のラッフィン
グジブクレーンの発明の具体化例を示す側面図で、抱込
み式及び伸長式の組立方法を実施するときの継ぎジブ付
加工程を示す図である。これらの図において図9及び図
10と同一の符号を付けた部分は、両図と同等の部分を
表すので、詳述しない。
【0029】この出願のラッフィングジブクレーンの発
明の具体化例は、図9及び図10に図示の従来例と同
様、走行体1に傾動可能に設置されたブーム2と、この
ブーム2の頂部に揺動可能に取り付けられた下ジブ3
a、この下ジブ3aに継ぎ足される複数の継ぎジブ3b
及び下ジブ3aに継ぎ足される最後の継ぎジブ3cに取
り付けられる上ジブ3cで構成されるジブ3とを備え、
下ジブ3aを、ブーム2の下側に折り畳むように揺動さ
せたりブーム2の延長線上に伸長するように揺動させた
りし得るようにしており、この点で従来例と変わらな
い。また、ブーム2を起伏させるブーム起伏ロープ5
と、ブーム2の頂部に揺動可能に取り付けられた前ジブ
マスト6a及びブーム2の頂部に固着された後ジブマス
ト6bと、両ジブマスト6a,6bにそれぞれ連結され
たペンダントロープ7a,7bと、両ジブマスト6a,
6b間に掛け回されたジブ起伏ロープ8とを備え、ジブ
起伏ロープ8でジブ3を揺動させ得るようにしており、
この点でも従来例と変わらない。
【0030】そこで、本具体化例のラッフィングジブク
レーンの特徴的な構造について述べると、本ラッフィン
グジブクレーンは、継ぎジブの後側端部に取り付けるた
めのブラケット10a,10bとブラケット10aに回
転可能に軸支したローラ10cとを備えた回転滑動具1
0を付属品として設け、この回転滑動具10のブラケ1
0bを継ぎジブ3bの後側端部に着脱可能に取り付け得
るようにしている。ここに示す例では、ローラ10cを
複数設けているため、継ぎジブ3bが傾斜しても、複数
のローラ10cを継ぎジブ3bに対し揺動させて地面に
接触させるようにするため、特に二つのブラケット10
a,10bを設けて、ブラケット10aを10dの個所
でブラケット10bに揺動可能に軸着しているが、ロー
ラ10cを軸支するためのブラケットだけを設けて、こ
のブラケットを継ぎジブ3bに直接揺動可能に取り付け
るようにしてもよい。また、ローラ10cを一つしか設
けない場合には、ローラ10cを揺動可能にする手段を
省略することもできる。
【0031】ジブ3を構成する下ジブ3a、複数の継ぎ
ジブ3b及び上ジブ3cは、これらの横断面が方形状に
なるように、4本の長尺の鋼材を方形の四隅に配して長
手方向に骨組みして構成している。このうち、継ぎジブ
3bは、角柱状をなすように形成され、下ジブ3a及び
上ジブ3cは、特にクレーンの側面方向からみた形状が
略二等辺三角形になるように先細りに形成されている。
そして、下ジブ3aの後側端部と継ぎジブ3bの前側端
部との間、複数の継ぎジブ3b同士の端部間及び継ぎジ
ブ3bの後側端部と上ジブ3cの前側端部との間を、方
形状の横断面の四隅に配した前記鋼材の個所において、
それぞれ同一構造のジブ連結用継手により着脱可能に連
結できるように構成している。したがって、複数の継ぎ
ジブ3bは、下ジブ3aに対して任意の順序で継ぎ足す
ことができる。
【0032】前記ジブ連結用継手は、下ジブ3a及び継
ぎジブ3bの後側端部にそれぞれ設けた凹状の継手と、
継ぎジブ3b及び上ジブ3cの前側端部にそれぞれ設け
た凸状の継手とからなり、凸状の継手を凹状の継手に嵌
入して軸着することにより連結するように構成してい
る。こうした凹状の継手と凸状の継手とからなる一対の
ジブ連結用継手は、紙面右側及び紙面左側に、それぞれ
紙面直角方向に向けて二個所ずつ設けられており、紙面
右側の二個所のジブ連結用継手は、それぞれジョイント
ピン9aにより軸着し、紙面左側の二個所のジブ連結用
継手は、それぞれジョイントピン9bにより軸着して取
り付ける。したがって、例えば図4に示すように、継ぎ
ジブ3bと上ジブ3cの右側同士をジョイントピン9a
により二個所で軸着する一方、両ジブ3b,3cの左側
をジョイントピン9bで連結していないときには、上ジ
ブ3cを継ぎジブ3bに対し、ジョイントピン9aを支
点にして図4に示すように揺動させることができる。
【0033】以上のようなジブ連結用継手の構造や配置
に関連して、ここに示す回転滑動具10は、継ぎジブ3
bの後側端部のジブ連結用継手と連結し合えるような継
手をブラケット10bにも設けて、両継手によりブラケ
ット10bを継ぎジブ3bの後側端部に着脱可能に取り
付け得るように構成している。すなわち、ブラケット1
0bを、上ジブ3cと同様、前側端部が横断面方形状に
なるように4本の鋼材を骨組みして構成するとともに、
各鋼材の個所に、継ぎジブ3bの後側端部の凹状のジブ
連結用継手に嵌入可能な凸状のジブ連結用継手をそれぞ
れ設け、この凸状の継手を継ぎジブ3bの凹状の継手に
嵌入して両継手をジョイントピン9a,9bで連結し得
るようにしている。ブラケット10bの継手は、このよ
うに継ぎジブ3bや上ジブ3cの前側端部のジブ連結用
継手と同様の構造を備えているので、複数の継ぎジブ3
bをどのような順序で継ぎ足したときでも、回転滑動具
10を継ぎジブ3bに取り付けることができる。
【0034】ブラケット10bの立体形状は、図には明
示されていないが、あたかも、上ジブ3cを長手方向に
著しく短縮したような立体形状をしている。すなわち、
ブラケット10bは、紙面の直角方向から見ると、前面
及び背面とも、図2に示すように高さの低い二等辺三角
形状の枠体をなし、紙面に平行に見ると、左右の面とも
方形状の枠体をなしている。そして、前面側及び背面側
の各二等辺三角形状の枠体の頂部同士をロッド10dで
連結して、このロッド10dに、ローラ10cを軸支す
るためのブラケット10aを揺動可能に取り付けてい
る。本ラッフィングジブクレーンは、以上のような特徴
を有するほか、前ジブマスト用ペンダントロープ7a
は、上ジブ3cの頂部に連結できるだけではなく、必要
に応じて継ぎジブ3bの後側端部にも連結して付け換え
ることができるようになっている。
【0035】本ラッフィングジブクレーンは以上の手段
を採用しているので、ブーム2よりも長いジブ3を設け
る場合において抱込み式の組立方法で組み立てようとす
るときには、地面近く倒したブーム2の頂部に、ブーム
2の下側に近接するように位置させた下ジブ3aを連結
する。しかる後、図1に示すように、この下ジブ3aに
継ぎジブ3bを、ブーム2の下側に無理なく納まる範囲
で適当本数継ぎ足して、これらのジブ3a,3bをブー
ム2で抱え込むような姿で配置するとともに、継ぎ足さ
れる最後の継ぎジブ3bに回転滑動具10を取り付け
る。この回転滑動具10は、継ぎジブ3bを継ぎ足す前
に所定の継ぎジブ3bに予め取り付けておいてもよい
し、継ぎジブ3bを継ぎ足した後に最後の継ぎジブ3b
に取り付けるようにしてもよい。継ぎジブ3bを継ぎ足
した後は、図1に示すように、前ジブマスト用ペンダン
トロープ7aを、最後に継ぎ足された継ぎジブ3bの後
側端部に連結する。こうしてクレーンの組立の初期工程
を終了する。
【0036】次いで、ブーム2を起伏させ、これらの下
ジブ3a及び継ぎジブ3bを回転滑動具10を滑動させ
ながら起立させるジブ起立工程を実施する。そして、図
2に示すようにこれらのジブ3a,3bを起立させた
ら、回転滑動具取外し工程を実施して、図3に示すよう
に、継ぎジブ3bに取り付けられている回転滑動具10
を取り外す。次いで、回転滑動具10を取り外した継ぎ
ジブ3bに上ジブ3cを取り付ける上ジブ取付工程を実
施する。その場合、ここに示す例では、こうした継ぎジ
ブ3bへの上ジブ3cの取付を、以下に述べるように二
段階で行う。
【0037】まず、図4に示すように、上ジブ3cのジ
ブ連結用継手を上方に向けた状態で上ジブ3cを地上に
横たえるとともに、その上ジブ3cのジブ連結用継手と
連結し合う継ぎジブ3bのジブ連結用継手すなわち継ぎ
ジブ3bの図右側の継手に近接させて両継手をジョイン
トピン9aで軸着し、これにより、上ジブ3cをジョイ
ントピン9aを中心に揺動できるように連結する。こう
して上ジブ3cの前段の連結過程を終了する。
【0038】次に、下ジブ3aを上方に揺動させるよう
に操作して継ぎジブ3bを上昇させることにより、上ジ
ブ3cを上昇させながらジョイントピン9aを支点にし
て揺動させ、上ジブ3cの端部を継ぎジブ3bの端部に
合わせるように接近させる。次いで、上ジブ3c及び継
ぎジブ3bの残りのジブ連結用継手同士すなわち図左側
の継手同士をジョイントピン9bで軸着して連結する。
こうして上ジブ3cの後段の連結過程を終了し、かく
て、上ジブ3cを継ぎジブ3bに取り付けるための上ジ
ブ取付工程を完了する。図5には、この後段の連結過程
を経て、上ジブ3cを継ぎジブ3bに取り付けた状態を
図示している。
【0039】こうした方法により、上ジブ3cを継ぎジ
ブ3bに取り付けると、上ジブ3cの前段の連結工程で
は、上ジブ3cを人力でほとんど支持することなく地面
で支持した状態で、上ジブ3cを継ぎジブ3bの一方の
側に連結することができる。また、上ジブ3cの後段の
連結工程では、継ぎジブ3bを上昇させる過程で上ジブ
3cの端部を、人力をほとんど要することなく、継ぎジ
ブ3bの端部に合わせるように接近させることができ
る。そして、こうした上ジブ3cの連結作業に好都合な
状態を、人力をほとんど要することなく保持しながら、
上ジブ3cを継ぎジブ3bの他方の側に連結することが
できて上ジブ3cの取付作業を簡便に行うことができ
る。そのため、上ジブ取付工程を実施するときに労力を
軽減することができるとともに円滑に実施することがで
きる。
【0040】こうした上ジブ取付工程では、もし可能で
あるならば、予め継ぎジブ3bと接続して一本化した上
ジブ3cを、回転滑動具10を取り外した継ぎジブ3b
に取り付けるようにすることもできる。上ジブ取付工程
を完了した後は、これまで継ぎジブ3bに連結していた
前ジブマスト用ペンダントロープ7aを、図6に示すよ
うに上ジブ3cの頂部に付け換える。本ラッフィングジ
ブクレーンは、以上の過程を経て、抱込み式の組立方法
により組み立てることができる。
【0041】以上述べた抱込み式によるラッフィングジ
ブクレーンの組立方法では、クレーンの組立の初期工程
で、従来とは異なり、上ジブ3cを取り付けることなく
回転滑動具10を取り付けた継ぎジブ10bと下ジブ3
aとをブーム2の下側に配置し、ジブ起立工程で回転滑
動具10を滑動させながら両ジブ3a,3bを起立させ
るようにしているので、ジブ3を従来より短縮した状態
でブーム2の下側にセットして下ジブ3a及び継ぎジブ
3bを支障なく起すことができる。そして、回転滑動具
取外し工程から上ジブ取付工程を通じて、継ぎジブ3b
を、場所を取らないように起した状態で回転滑動具10
を取り外して上ジブ3cを継ぎジブ3bに取り付けるの
で、このラッフィングジブクレーンの組立方法では、ラ
ッフィングジブクレーンにブーム2より長いジブ3を設
けるときでも、抱込み式の組立方法により組み立てるこ
とができる。
【0042】一方、ブーム2の長さにジブ3の長さを加
えた以上の奥行きのある組立空間が得られない場合にお
いて伸長式の組立方法で組み立てるときには、下ジブ3
aをブーム2の延長線上に伸長するよう揺動させるとと
もにブーム2を倒すことにより、地面近くに倒したブー
ム2の前方に下ジブ3aを位置させる。しかる後、図7
に示すように、下ジブ3aに継ぎジブ3bを、組立空間
の広さを考えて適当本数継ぎ足して下ジブ3aと継ぎジ
ブ3bを倒したブームの前方に伸長するように配置する
とともに、継ぎ足される最後の継ぎジブ3bに回転滑動
具10を取り付ける。その際、図7に示すように、前ジ
ブマスト用ペンダントロープ7aを、最後に継ぎ足され
た継ぎジブ3bの後側端部に連結する。こうしてクレー
ンの組立の初期工程を終了する。
【0043】次いで、ブーム2を起伏させ、これらの下
ジブ3a及び継ぎジブ3bを、回転滑動具10を滑動さ
せながら起立させるジブ起立工程を実施して、これらの
ジブ3a,3bを起立させる。このとき、ラッフィング
ジブクレーンは、前記抱込み式の組立方法でジブ起立工
程を実施した場合と同様、図3に示すような状態になる
ので、以下、抱込み式の組立方法で組み立てたときと同
様の各工程を経て、伸長式の組立方法により組み立てる
ことができる。
【0044】この伸長式によるラッフィングジブクレー
ンの組立方法では、クレーンの組立の初期工程で、従来
とは異なり、上ジブ3cを取り付けることなく回転滑動
具10を取り付けた継ぎジブ3bと下ジブ3aとをブー
ム2の前方に配置し、ジブ起立工程で回転滑動具10を
滑動させながらそれらの両ジブ3a,3bを起立させる
ようにしているので、ジブ3を従来より短縮した状態で
ブーム2の前方にセットして下ジブ3a及び継ぎジブ3
bを支障なく起すことができる。そして、前記の抱込み
式の組立方法と同様、回転滑動具取外し工程から上ジブ
取付工程を通じて、継ぎジブ3bを、場所を取らないよ
うに起した状態で回転滑動具10を取り外して上ジブ3
cを継ぎジブ3bに取り付けるので、このラッフィング
ジブクレーンの組立方法では、従来より組立空間を必要
としないで伸長式の組立方法で組み立てることができ
る。
【0045】本ラッフィングジブクレーンを抱込み式や
伸長式の組立方法により組み立てる場合、以上述べた例
では、起立させた継ぎジブ3bに取り付けられている回
転滑動具10を取り外す回転滑動具取外し工程の実施後
に、その継ぎジブ3bに直ちに上ジブ3cを取り付ける
ようにしているが、こうした方法では、所望の長さのジ
ブ3を組み立てることができないこともある。このよう
な場合には、回転滑動具取外し工程の実施後に、図8に
示すように、回転滑動具10を取り外した既設の継ぎジ
ブ3bに新たな継ぎジブ3bを連結するとともに新たな
継ぎジブ3bに回転滑動具10を取り付けて、この新た
な継ぎジブ3bを、回転滑動具10を滑動させながら起
立させる過程を経て新たな継ぎジブ3bを継ぎ足す。
【0046】こうして新たな継ぎジブ3bを継ぎ足す継
ぎジブ付加工程を実施する場合、新たな継ぎジブ3bを
起立させる前に、全てのジブ連結用継手を連結し合うこ
とにより新たな継ぎジブ3bを既設の継ぎジブ3bに完
全に取り付けてもよいが、ここに示す例では、継ぎジブ
3bに上ジブ3cを取り付けるときと同様、継ぎジブ3
bへの新たな継ぎジブ3bの取付を二段階で行う。すな
わち、まず、図8に示すように、前ジブマスト用ペンダ
ントロープ7aを、最後に継ぎ足された既設の継ぎジブ
3bの後側端部に連結した後、新たな継ぎジブ3bのジ
ブ連結用継手を上方に向けた状態で、その継ぎジブ3b
の継手と連結し合う既設の継ぎジブ3bのジブ連結用継
手に近接させて両継手3b,3bをジョイントピン9a
で軸着することにより揺動可能に連結する。
【0047】こうした前段の連結過程が終了した後は、
既設の継ぎジブ3bを上昇させることにより、新たな継
ぎジブ3bを上昇させながら揺動させて新たな継ぎジブ
3bの端部を既設の継ぎジブ3bの端部に接近させ、次
いで、両継ぎジブ3b,3bの残りのジブ連結用継手同
士をジョイントピン9bで連結して新たな継ぎジブ3b
を既設の継ぎジブ3bに完全に取り付け、後段の連結過
程を終了する。
【0048】ここに示す例では、継ぎジブ付加工程で継
ぎジブ3bを継ぎ足す場合、このように前段の連結過程
と後段の連結過程とを経て新たな継ぎジブ3bを二段階
で継ぎ足すようにしているので、上ジブ取付工程を二段
階で実施する場合と同様、継ぎジブ付加工程を実施する
ときに労力を軽減することができるとともに円滑に実施
することができる。こうした継ぎジブ付加工程では、も
し可能であるならば、予め複数本接続して一本化した新
たな継ぎジブ3bを、回転滑動具10を取り外した既設
の継ぎジブ3bに継ぎ足すようにすることもできる。
【0049】この継ぎジブ付加工程で新たな継ぎジブ3
bに取り付けられた回転滑動具10は、同継ぎジブ3b
を起立させた後、これを取り外すための回転滑動具取外
し工程を実施して取り外す。そして、こうした継ぎジブ
付加工程や回転滑動具取外し工程を所望の長さのジブ3
が組み立てられまで一度以上適当回数実施し、最終段階
で前述した上ジブ取付工程を実施して、回転滑動具10
を取り外した継ぎジブ3bに上ジブ3cを取り付ける。
このように、回転滑動具取外し工程の実施後に直ちに上
ジブ取付工程を実施しないで、継ぎジブ付加工程や回転
滑動具取外し工程を一度以上実施してから上ジブ取付工
程を実施するようにすれば、ラッフィングジブクレーン
において特別に長いジブ3を設けなければならない場合
であっても、必要以上に長いブーム2や広大な組立空間
を要しないで、抱込み式や伸長式の組立方法により所望
の長さのジブ3を組み立てることができる。
【0050】以上説明したラッフィングジブクレーンで
は、特に継ぎジブ3bの後側端部に着脱可能に取り付け
ることができる回転滑動具10を付属品として設けてい
るので、継ぎジブ3bを滑動させながら起立させことが
可能となって、クレーンの組立の初期工程で、ローラを
有する上ジブ3cを取り付けなくても、地上の継ぎジブ
3bを起す作業を支障なく行うことができる。そのた
め、継ぎジブ3bを、場所を取らないように起した状態
でこの継ぎジブ3bに上ジブ3cを取り付け、さらに
は、必要に応じて新たな継ぎジブ3bを継ぎ足してから
上ジブ3cを取り付けることも可能になるので、このラ
ッフィングジブクレーンによれば、ブーム2より長いジ
ブ3を設けるときでも、抱込み式の組立方法で組み立て
ることができるとともに、従来より組立空間を必要とし
ないで伸長式の組立方法で組み立てることができる。そ
の結果、低くて広い構築物の建造作業に使用するとき
に、従来のように必要以上に長いブーム2を設置するこ
とは、行う必要がなくなる。
【0051】本ラッフィングジブクレーンでは、複数の
継ぎジブ3b同士及び継ぎジブ3bと下ジブ3aとを同
一構造のジブ連結用継手で着脱可能に連結するようにし
ていることに加え、継ぎジブ3bの後側端部のジブ連結
用継手と連結し合えるような継手を回転滑動具10のブ
ラケット10bに設けて、両継手により回転滑動具10
のブラケット10bを継ぎジブ3bの後側端部に着脱可
能に取り付け得るようにしているので、回転滑動具10
を継ぎジブ3bに着脱可能に取り付け得るようにする場
合、継ぎジブ3b同士及び継ぎジブ3bと下ジブ3cと
を連結するための既存のジブ連結用継手を有効に活用す
ることができて、これらのジブ3b,3cに、回転滑動
具10を取り付けるための特別の連結手段や加工を施す
ことを要しない。また、複数の継ぎジブ3bを下ジブ3
aにどのような順序で継ぎ足したときでも、回転滑動具
10を継ぎジブ3bに取り付けることができる。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この出
願のラッフィングジブクレーンの発明では、課題を解決
するための手段の項に示した1)の手段を採用している
ので、本発明によれば、ブームより長いジブを設けると
きでも抱込み式の組立方法で組み立てることができると
ともに、従来より組立空間を必要としないで伸長式の組
立方法で組み立てることができるラッフィングジブクレ
ーンが得られる。その結果、低くて広い構築物の建造作
業に使用するときに、従来のように必要以上に長いブー
ムを設置することは、行う必要がなくなる。
【0053】ラッフィングジブクレーンの組立方法に係
るこの出願の第1番目の発明では、課題を解決するため
の手段の項に示した2)の手段を採用しているので、本
発明によれば、ラッフィングジブクレーンを使用してブ
ームより長いジブを設けるときでも、抱込み式の組立方
法により組み立てることができるラッフィングジブクレ
ーンの組立方法が得られる。ラッフィングジブクレーン
の組立方法に係るこの出願の第2番目の発明では、課題
を解決するための手段の項に示した3)の手段を採用し
ているので、本発明によれば、ラッフィングジブクレー
ンを使用して従来より組立空間を必要としないで伸長式
の組立方法で組み立てることができるラッフィングジブ
クレーンの組立方法が得られる。
【0054】この出願のラッフィングジブクレーンの発
明を具体化する場合、特に、特許請求の範囲の請求項2
に記載のように具体化すれば、回転滑動具を継ぎジブに
着脱可能に取り付け得るようにする場合、継ぎジブ同士
及び継ぎジブと下ジブとを連結するための既存のジブ連
結用継手を有効に活用することができて、これらのジブ
に、回転滑動具を取り付けるための特別の連結手段や加
工を施すことを要しない。また、複数の継ぎジブを下ジ
ブにどのような順序で継ぎ足したときでも、回転滑動具
を継ぎジブに取り付けることができる。
【0055】ラッフィングジブクレーンの組立方法に係
るこの出願の第1番目の発明及び第2番目の発明を具体
化する場合、特に、特許請求の範囲の請求項5に記載の
ように具体化すれば、継ぎジブに上ジブを取り付ける上
ジブ取付工程を実施するときに労力を軽減することがで
きるとともに円滑に実施することができる。ラッフィン
グジブクレーンの組立方法に係るこの出願の第1番目の
発明及び第2番目の発明を具体化する場合、特に、特許
請求の範囲の請求項6に記載のように具体化すれば、ラ
ッフィングジブクレーンにおいて特別に長いジブを設け
なければならない場合であっても、必要以上に長いブー
ムや広大な組立空間を要しないで、抱込み式や伸長式の
組立方法により所望の長さのジブを組み立てることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願のラッフィングジブクレーンの発明の
具体化例を示す側面図で、抱込み式の組立方法を実施す
るときの組立の初期工程を示す図である。
【図2】ジブ起立工程を示す図1と同様の図である。
【図3】回転滑動具取外し工程を示す図1と同様の図で
ある。
【図4】上ジブ取付工程の第1段階を示す図1と同様の
図である。
【図5】上ジブ取付工程の第2段階を示す図1と同様の
図である。
【図6】組立完了時の状態を示す図1と同様の図であ
る。
【図7】この出願のラッフィングジブクレーンの発明の
具体化例を示す側面図で、伸長式の組立方法を実施する
ときの組立の初期工程を示す図である。
【図8】この出願のラッフィングジブクレーンの発明の
具体化例を示す側面図で、抱込み式及び伸長式の組立方
法を実施するときの継ぎジブ付加工程を示す図である。
【図9】従来例のラッフィングジブクレーンの側面図
で、抱込み式の組立方法を実施するときの状態を示す図
である。
【図10】伸長式の組立方法を実施するときの状態を示
す図9と同様の図である。
【符号の説明】
1 走行体 2 ブーム 3 ジブ 3a 下ジブ 3b 継ぎジブ 3c 上ジブ 4 ローラ 5 ブーム起伏ロープ 6a 前ジブマスト 6b 後ジブマスト 7a 前ジブマスト用ペンダントロープ 7b 後ジブマスト用ペンダントロープ 8 ジブ起伏ロープ 9a,9b ジョイントピン 10 回転滑動具 10a,10b ブラケット 10c ローラ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 傾動可能に設置されたブームと、このブ
    ームに揺動可能に取り付けられた下ジブ、この下ジブに
    継ぎ足される複数の継ぎジブ及び下ジブに継ぎ足される
    最後の継ぎジブに取り付けられる上ジブで構成されるジ
    ブとを備え、下ジブを、ブームの下側に折り畳むように
    揺動させたりブームの延長線上に伸長するように揺動さ
    せたりすることができるラッフィングジブクレーンにお
    いて、継ぎジブの後側端部に取り付けるためのブラケッ
    トとこのブラケットに回転可能に軸支したローラとを備
    えた回転滑動具を付属品として設け、この回転滑動具の
    ブラケットを継ぎジブの後側端部に着脱可能に取り付け
    得るようにしたことを特徴とするラッフィングジブクレ
    ーン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のラッフィングジブクレ
    ーンにおいて、複数の継ぎジブ同士及び継ぎジブと下ジ
    ブとを同一構造のジブ連結用継手で着脱可能に連結する
    ようにするとともに、継ぎジブの後側端部のジブ連結用
    継手と連結し合えるような継手を回転滑動具のブラケッ
    トに設けて、両継手により回転滑動具のブラケットを継
    ぎジブの後側端部に着脱可能に取り付け得るようにした
    ことを特徴とするラッフィングジブクレーン。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のラッフィングジブクレ
    ーンを組み立てるラッフィングジブクレーンの組立方法
    であって、下ジブとこの下ジブに継ぎ足し回転滑動具を
    取り付けた継ぎジブとを、倒したブームの下側に近接し
    て配置する初期工程と、これら下ジブと継ぎジブとを、
    回転滑動具を滑動させながら起立させるジブ起立工程
    と、起立させた継ぎジブに取り付けられている回転滑動
    具を取り外す回転滑動具取外し工程と、回転滑動具を取
    り外した継ぎジブに上ジブを取り付ける上ジブ取付工程
    とを経て、ラッフィングジブクレーンを組み立てるよう
    にしたことを特徴とするラッフィングジブクレーンの組
    立方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のラッフィングジブクレ
    ーンを組み立てるラッフィングジブクレーンの組立方法
    であって、下ジブとこの下ジブに継ぎ足し回転滑動具を
    取り付けた継ぎジブとを、倒したブームの前方に伸長す
    るように配置する初期工程と、これら下ジブと継ぎジブ
    とを、回転滑動具を滑動させながら起立させるジブ起立
    工程と、起立させた継ぎジブに取り付けられている回転
    滑動具を取り外す回転滑動具取外し工程と、回転滑動具
    を取り外した継ぎジブに上ジブを取り付ける上ジブ取付
    工程とを経て、ラッフィングジブクレーンを組み立てる
    ようにしたことを特徴とするラッフィングジブクレーン
    の組立方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載のラッフィ
    ングジブクレーンの組立方法の上ジブ取付工程におい
    て、継ぎジブに上ジブを取り付ける場合、上ジブのジブ
    連結用継手を上方に向けた状態で、このジブ連結用継手
    と連結し合う継ぎジブのジブ連結用継手に近接させて両
    継手を揺動可能に連結する前段の連結過程と、継ぎジブ
    を上昇させることにより上ジブを上昇させながら揺動さ
    せて上ジブの端部を継ぎジブの端部に接近させ、次い
    で、上ジブ及び継ぎジブの残りのジブ連結用継手同士を
    連結する後段の連結過程とを経て、継ぎジブに上ジブを
    取り付けるようにしたことを特徴とするラッフィングジ
    ブクレーンの組立方法。
  6. 【請求項6】 請求項3又は請求項4に記載のラッフィ
    ングジブクレーンの組立方法において、起立させた継ぎ
    ジブに取り付けられている回転滑動具を取り外す回転滑
    動具取外し工程の実施後に、回転滑動具を取り外した継
    ぎジブに新たな継ぎジブを連結するとともに新たな継ぎ
    ジブに回転滑動具を取り付けて、この新たな継ぎジブ
    を、回転滑動具を滑動させながら起立させる過程を経て
    新たな継ぎジブを継ぎ足す継ぎジブ付加工程と、この新
    たな継ぎジブに取り付けられている回転滑動具を取り外
    す回転滑動具取外し工程とを一度以上実施し、しかる
    後、回転滑動具を取り外した継ぎジブに上ジブを取り付
    ける上ジブ取付工程を実施するようにしたことを特徴と
    するラッフィングジブクレーンの組立方法。
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