JP2002251801A - ディスク状記録媒体の製造方法及び信号転写装置 - Google Patents

ディスク状記録媒体の製造方法及び信号転写装置

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JP2002251801A
JP2002251801A JP2001049269A JP2001049269A JP2002251801A JP 2002251801 A JP2002251801 A JP 2002251801A JP 2001049269 A JP2001049269 A JP 2001049269A JP 2001049269 A JP2001049269 A JP 2001049269A JP 2002251801 A JP2002251801 A JP 2002251801A
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JP
Japan
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film
transfer device
signal transfer
stamper
light
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Application number
JP2001049269A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Arakawa
宣之 荒川
Toshiyuki Kashiwagi
俊行 柏木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定して確実な再生を行うことができ、多層
構造を有するディスク状記録媒体を提供する。 【解決手段】 信号転写装置101におけるハンドリン
グ部材108に対してフィルム7を備え付け、スタンパ
104上にUV樹脂8aを滴下する。この状態でハンド
リング部材108と下金型105とを突き合わせ、キャ
ビティ内に充填されたUV樹脂8aに対して、加圧しな
がらUV光を照射して、UV樹脂8aを硬化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層構造を有する
ディスク状記録媒体の製造方法及び信号転写装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、基板の少なくとも一主面上
に、情報信号に応じた凹凸パターンが形成されて情報信
号層となされているディスク状記録媒体(以下、光ディ
スクと称する。)が普及している。この光ディスクは、
基板に形成された情報信号層上に、反射層や、光透過層
などが積層されている。そして、当該情報信号層上に光
が照射され、入射光と戻り光の反射率の差によって情報
信号を検出する。この光ディスクにおいては、できるだ
け多くの情報を記録可能とすべく、記録密度の高密度化
が盛んに検討されている。
【0003】この光ディスクを高密度化するために、複
数の信号記録層を積層して、記録再生装置の光源から出
射される光の焦点位置を変えることにより、それぞれの
信号記録層に対して記録及び/又は再生(以下記録再生
と称する。)を行う手法が、いわゆるDVD規格の光デ
ィスク(以下、DVDと称する。)等に採用され、特開
平9−212917号公報、及び特開平8−21259
7号公報で報告されている。
【0004】このDVDは、片面から光を照射して2層
の信号記録層に対して記録再生を行う片面2層構造を有
している。この2層の信号記録層の間には、中間層と呼
ばれる光学的に透明な層を形成することが必要とされて
おり、この中間層は、紫外線硬化樹脂(以下、UV樹脂
と称する。)によって形成されている。
【0005】ところで、複数の信号記録層を有するDV
Dの製造方法としては、以下に示すようないくつかの方
法が挙げられる。
【0006】第1の方法では、先ず、射出成形によって
情報信号に応じた凹凸パターンが形成された基板を2枚
作製し、このうち一方の基板上には反射層を形成し、他
方の基板上には半透明層を形成する。次に、UV樹脂
を、2枚の基板の中心に近い部分にリング状に塗布して
2枚の基板を積層し、高速回転させてUV樹脂を中間層
に相当する厚さとした後、半透明層側から紫外線(以
下、UV光と称する。)を照射して硬化することで、片
面2層構造の光ディスクを製造する。
【0007】第2の方法では、先ず、射出成形などによ
って情報信号に応じた凹凸パターンが形成された基板を
作製し、この基板上に半透明層を形成する。次に、この
半透明層上にUV樹脂をリング状に塗布してこのUV樹
脂上にスタンパを載置し、スピンコート法によってUV
樹脂層を形成し、このUV樹脂に対してUV光を照射し
て中間層に信号情報に応じた凹凸パターンを形成する。
更に、中間層上にUV樹脂をスピンコートして光透過層
を形成することで、片面2層構造の光ディスクを製造す
る。
【0008】第3の方法では、先ず、光ディスク一般に
使用されるポリカーボネート製基板上に半透明層を成膜
後、スピンコート法によってUV樹脂層を形成する。ま
た、アクリル製基板上にAlなどによる反射層を形成す
る。次に、UV樹脂層を形成したポリカーボネート製基
板上に、反射層を形成したアクリル製基板を貼り合わ
せ、ポリカーボネート製基板側からUV光を照射してU
V樹脂を硬化する。次に、アクリル製基板を剥離する
と、ポリカーボネート製基板側に反射層が接着した2層
構造のディスクが得られる。そして、これらのディスク
を貼り合わせることによって片面2層構造の光ディスク
を製造する。
【0009】ところで、上述した第1の方法乃至第3の
方法によって製造されたDVDは、射出成形によって得
られた基板を使用している。射出成形においては、スタ
ンパを備えた金型内部に樹脂などを充填させることによ
って、基板を形成するが、当該スタンパはこれらの基板
の偏芯対策のために中心にガイド用の中心穴を有してお
り、金型のガイドピンによって位置決めされている。こ
のため、射出成形によって得られた基板は、中心穴を有
している。
【0010】この基板上にUV樹脂を塗布したときに、
基板やスタンパの中心穴からUV樹脂がはみ出すと、ス
タンパの裏面や基板の読みとり面にUV樹脂がまわりこ
んでしまう。
【0011】そこで、この基板上にUV樹脂を塗布する
ときには、中心穴から離れた位置にUV樹脂をリング状
に塗布し、高速回転させて、遠心力によりUV樹脂を基
板の外周へ延伸させるとともに、余分なUV樹脂を振り
切る方法が一般的に行われている。このとき、更に基板
やスタンパの中心穴からUV樹脂がはみ出すことを防止
するために、射出成形によって得られたディスクの中心
穴近くにUV樹脂溜まりとなる凹部を設けることや、U
V樹脂を塗布する位置を精度良くコントロールすること
を行っている。
【0012】しかしながら、上述した方法によってUV
樹脂を塗布したときにも、UV樹脂は、部分的にはみ出
しやすい。
【0013】また、UV樹脂を基板上にスピンコートに
よって塗布するときには、内周と外周とにおけるUV樹
脂の厚さのムラを、数μm以内に制御することが非常に
困難になる。
【0014】一方、複数の信号記録層を有するディスク
状記録媒体の製造方法としては、上述した第1の方法乃
至第3の方法以外に、射出成形によって得られた0.6
mm又は1.2mmの厚さの2枚の基板の信号面同士を
対向させ、ホットメルト接着剤をロールコータなどの手
段でそれぞれの基板上に塗布して、それぞれの基板を加
圧接着する方法が挙げられる。
【0015】しかしながら、この方法によって得られた
ディスク状記録媒体は、接着剤に空気などの泡を巻き込
みやすいことや、接着剤が不透明であることなどが原因
となり、片面から照射される光の焦点位置を変えること
によって、それぞれの信号記録層に対して記録再生を行
うことが不可能となる。このため、このディスク状記録
媒体に対して記録再生を行うときは、ディスク状記録媒
体を反転させることによって、それぞれの信号記録層に
対する記録再生を行う。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本願発明者
等は、対物レンズの開口数(以下、NAと称する。)を
0.85と大きくして記録再生を行うことで、高密度記
録化を達成した次世代光ディスクを提案している。この
次世代光ディスクも、上述したDVDと同様に、情報信
号に応じた凹凸パターンが形成されており、射出成形に
よって得られた基板上に、UV樹脂層や粘着層を介して
光透過層が形成された構造を有している。そして、この
次世代光ディスクでは、光透過層側から光が照射され、
情報信号を記録再生する。この次世代光ディスクについ
ても、高密度記録化を達成するために、複数の信号記録
層を積層することが検討されている。
【0017】しかしながら、この次世代光ディスクは、
光透過層の厚さが例えば0.1mmと薄い。このように
薄い光透過層を、射出成形によって形成することは困難
である。したがって、この次世代光ディスクを、上述し
た第1の方法や第3の方法を採用して作製することは困
難となる。
【0018】一方、上述した第2の方法と同様に、中間
層上に、UV樹脂をスピンコートすることによって塗布
して光透過層を形成したときには、厚さが薄い光透過層
を形成することが可能となる。
【0019】しかしながら、UV樹脂をスピンコートに
よって塗布するときには、光ディスクの内周と外周とに
おけるUV樹脂の厚さのムラを数μm以内に制御するこ
とが困難になる。次世代光ディスクは、上述したように
0.85という高NAの対物レンズを通過した光を照射
することによって記録再生がなされる光ディスクであ
り、光透過層が薄く形成されている。高NAの対物レン
ズを用いて記録再生を行う次世代光ディスクにおいて
は、厚さのムラが数μm以上となると、焦点深度が大き
くなり、フォーカスエラーが起こり易く、記録再生を安
定して確実に行うことができなくなる。
【0020】また、この次世代光ディスクにおいても、
射出成形によって得られた基板は中心穴を有する。この
ため、上述した第1の方法乃至第3の方法によって次世
代光ディスクを形成したときには、UV樹脂が一部はみ
出すことが問題となる。また、貼り合わせが不十分な部
位が生じること、気泡が入りやすいことなども問題とし
て生じる。
【0021】本発明は、このような従来の実情を鑑みて
提案されたものであり、多層構造を有し、且つ、高開口
数の対物レンズを用いたときに良好な再生を行うことが
可能であるディスク状記録媒体の製造方法を提供するこ
とを目的とする。また、当該ディスク状記録媒体におけ
る凹凸パターンを、精度良く形成することができる信号
転写装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1のディ
スク状記録媒体の製造方法は、凹凸パターンを有する基
板上に凹凸パターンを有する光透過層を重ね、多層構造
を有するディスク状記録媒体を製造するに際し、信号転
写装置内に、厚さ25μm〜100μmのフィルムと、
表面に凹凸パターンが形成されたスタンパとを対向配置
し、これらの間隙に感光性樹脂を供給するとともに、信
号転写装置内に、信号転写装置外の光源から出射された
光を導入し、加圧下、上記導入された光を感光性樹脂に
照射してこれを硬化することにより、上記フィルム上に
スタンパの凹凸パターンが転写形成された感光性樹脂層
を形成し、上記光透過層とすることを特徴とする。
【0023】また、本発明に係る第1の信号転写装置
は、フィルムをキャビティと対向する面に装着する機構
を有するとともに、キャビティ内に光を透過可能な構造
とされた上型と、上記上型とともに上記キャビティを構
成する下型と、上記下型に装着され、上記凹凸パターン
に対応した凹凸パターンが形成されたスタンパと、上記
上型の外部から、上記上型を介して上記キャビティ内に
光を照射する光源と、上記キャビティ内を加圧する加圧
手段とを有し、上記フィルム上に、凹凸パターンが形成
された光硬化性樹脂層を形成することで、光透過層を作
製することを特徴とする。
【0024】本発明に係る第1のディスク状記録媒体の
製造方法、及び本発明に係る第1の信号転写装置によれ
ば、フィルム上の光硬化性樹脂に対して加圧しながら光
を照射し、スタンパの凹凸パターンが転写された光硬化
性樹脂層を形成することによって、フィルム上に凹凸パ
ターンが形成されている光透過層を作製することができ
る。
【0025】したがって、本発明に係る第1のディスク
状記録媒体の製造方法、及び本発明に係る第1の信号転
写装置によれば、スピンコート法を採用することなく、
多層構造を有するディスク状記録媒体を製造することが
可能となる。このため、本発明に係る第1のディスク状
記録媒体の製造方法、及び本発明に係る第1の信号転写
装置によれば、上型及び下型の精度に合ったディスク状
記録媒体の厚み精度を良好にすること、及び光透過層に
凹凸パターンを精度良く形成することが可能となる。
【0026】本発明に係る第2のディスク状記録媒体の
製造方法は、凹凸パターンを有する基板上に凹凸パター
ンを有する光透過層を重ね、多層構造を有するディスク
状記録媒体を製造するに際し、厚さ25μm〜100μ
mのフィルムに対して、予め外部加熱手段により加熱さ
れ表面に凹凸パターンが形成されたスタンパを、信号転
写装置内で圧着し、上記フィルムに上記スタンパの凹凸
パターンを転写形成して上記光透過層とすることを特徴
とする。
【0027】また、本発明に係る第2の信号転写装置
は、キャビティを構成する上型及び下型と、上記キャビ
ティ内に装着され、上記凹凸パターンに対応した凹凸パ
ターンが形成されているスタンパと、少なくとも上記ス
タンパを加熱する加熱手段と、上記キャビティ内を加圧
する加圧手段とを有し、上記キャビティに装着されたフ
ィルム上に凹凸パターンが形成された光透過層を作製す
ることを特徴とする。
【0028】本発明に係る第2のディスク状記録媒体の
製造方法、及び本発明に係る第2の信号転写装置によれ
ば、加熱した上型及び下型上のスタンパをフィルムに対
して押圧し、スタンパに形成された凹凸パターンをフィ
ルムに転写することで、凹凸パターンが形成された光透
過層を作製することができる。
【0029】したがって、本発明に係る第2のディスク
状記録媒体の製造方法、及び本発明に係る第2の信号転
写装置によれば、スピンコート法を採用することなく、
多層構造を有するディスク状記録媒体を製造することが
可能となる。このため、本発明に係る第2のディスク状
記録媒体の製造方法、及び本発明に係る第2の信号転写
装置によれば、ディスク状記録媒体の厚み精度を良好に
すること、及び光透過層に凹凸パターンを精度良く形成
することが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用したディスク
状記録媒体の製造方法及び信号転写装置について、図面
を参照しながら詳細に説明する。ここでは、本発明を適
用したディスク状記録媒体の製造方法及び信号転写装置
によって、情報記録層が複数形成されている光ディスク
を製造した。
【0031】なお、本発明は以下の例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変
更可能であることは言うまでもない。
【0032】第1の実施の形態 まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。第
1の実施の形態では、フィルム上に凹凸パターンを有す
るUV樹脂層が形成されて光透過層とされている光ディ
スクの製造方法、及び当該光ディスクを作製する信号転
写装置について説明する。
【0033】最初に、当該光ディスクの構成について説
明する。
【0034】図1に示すように、光ディスク1は、基板
2上に、反射層3と、中間層4と、半透明層5と、光透
過層6とが順次積層された構造を有している。
【0035】基板2は、例えば、ポリカーボネート樹
脂、及びアモルファスポリオレフィン樹脂などの樹脂を
射出成形することによって円盤状に形成されており、そ
の一主面2a上に、情報信号に応じた凹凸パターンが形
成されて、情報信号層となされている。
【0036】反射層3は、基板2の凹凸パターン上に形
成される。この反射層3は、Al、Auなどをスパッタ
することや、蒸着することによって形成され、その反射
率は例えば80%以上とされている。
【0037】中間層4は、反射層3が形成された基板2
と、半透明層5が形成された光透過層6とを接着すると
きに形成される層である。この中間層4は、透明粘着シ
ート(以下、PSAと称する。)や紫外線硬化樹脂(以
下、UV樹脂と称する。)によって形成されている。
【0038】半透明層5は、後述する光透過層6の凹凸
パターン上に形成される。この半透明層5は、Al、A
g、及びこれらの化合物などをスパッタすることによっ
て形成され、その反射率は、例えば15%とされてい
る。
【0039】光透過層6は、その一主面6a上に情報信
号に応じた凹凸パターンが形成されて、情報信号層とな
されている。この光透過層6は、フィルム7上に凹凸パ
ターンを有するUV樹脂層8が形成された構造を有して
いる。
【0040】このフィルム7は、例えば、ポリカーボネ
ート樹脂などよりなる透明フィルムによって形成されて
いる。この透明フィルムの厚さは、25μm〜100μ
mとされることが望ましい。本実施の形態では、70μ
mの厚さを有するポリカーボネート樹脂キャストフィル
ム(帝人製)を使用した。また、UV樹脂層8は、UV
樹脂によって形成されている。本実施の形態では、UV
樹脂としてダイキュアーSTM401(大日本インキ
製;商品名)を使用した。
【0041】この光ディスク1を再生するには、光透過
層6側から再生装置の対物レンズ9を介して、焦点深度
を変えることにより、図中矢印L1,L2で示すような
再生光を、光透過層6及び基板2上に形成された凹凸パ
ターンに対して照射する。そして、入射光と戻り光との
反射率の差によって情報を検出する。
【0042】つぎに、本発明を適用した信号転写装置、
すなわち、光透過層6を作製する装置について、図2乃
至図5を用いて説明する。
【0043】図2に示すように、本発明を適用した信号
転写装置101は、フィルム7が装着される透明支持体
103と、スタンパ104が固定された下金型105
と、透明支持体103及び下金型105を突き合わせる
加圧機106と、透明支持体103及び下金型105に
よって形成されるキャビティ内にUV光を照射するUV
照射機107とが備えられている。
【0044】透明支持体103は上型であり、光透過性
を有する材料によって作製されている。透明支持体10
3は、例えばガラスやアクリル樹脂によって作製されて
おり、直径150mm、厚さ20mmとされている。
【0045】透明支持体103は、UV照射機107か
ら出射されたUV光を透過し、キャビティ内にUV光を
照射する。すなわち、信号転写装置101では、キャビ
ティに充填されたUV樹脂に対して、透明支持体103
を介してUV光が照射され、当該UV樹脂が硬化され
る。
【0046】透明支持体103には、ハンドリング部材
108を介して、フィルム7が装着される。
【0047】ハンドリング部材108は、例えばアクリ
ル樹脂からなり、所望とするディスクと比較して外径が
大きく内径が小さいことが望ましい。例えば、所望とす
るディスクの外径が120mmであり内径が15mmで
ある場合には、ハンドリング部材は、外径122mm、
内径13mmとされる。このハンドリング部材108
は、アクリル樹脂やガラスなどの面精度に優れた材料に
よって形成されていることが好ましい。
【0048】ハンドリング部材108は、透明支持体1
03と接触していない主面108a上に、例えば真空吸
引によってフィルム7を装着する。
【0049】このとき、フィルム7は、ハンドリング部
材108の、所望のディスク径に対して更に内周域及び
外周域に設けられている複数の連通孔やスリットを通じ
て吸引することによって真空吸引され、ハンドリング部
材108上に装着されても良い。また、フィルム7は、
内径を、ハンドリング部材108と後述するセンター位
置決めピン111とのクリアランス、又はセンター位置
決めピン111に内設された連通孔(図示せず。)から
吸引することによってハンドリング部材108上に装着
されても良く、外径を、ハンドリング部材108と透明
支持体103とのクリアランス、又は透明支持体103
に設けられた複数の連通孔(図示せず。)から吸引する
ことによって、ハンドリング部材108上に装着されて
も良い。
【0050】ハンドリング部材108は、透明支持体1
03に設けられたセンター位置決めピン111をガイド
として、透明支持体103上に装着されている。ハンド
リング部材108は、例えば、透明支持体103に設け
られた穴部(図示せず。)から真空吸引され、透明支持
体103上に固定されている。このとき、センター位置
決めピン111は、ハンドリング部材108が透明支持
体103上に装着されたときに、ハンドリング部材10
8の表面から突き出ないサイズとされることが望まし
い。
【0051】また、透明支持体103においてハンドリ
ング部材108と接触していない主面103a、透明支
持体側面103b、及びハンドリング部材側面108c
は、光が入射する部位を除いて鏡面加工が施されている
ことが好ましい。このように鏡面加工が施されているこ
とにより、UV照射機107から出射された紫外線(以
下、UV光と称する。)がキャビティ内においてUV樹
脂に対して効率良く照射され、UV樹脂が十分に硬化す
る。
【0052】なお、図3に示すように、透明支持体10
3には、加圧機106との接触面103aに、反射面に
凹凸を有する多重反射鏡112が配設されていることが
好ましい。多重反射鏡112が配設されることにより、
UV光がキャビティ内を複数回往復し、UV樹脂に対し
て効率良く照射され、UV樹脂が十分に硬化する。
【0053】スタンパ104には凹凸パターンが形成さ
れており、この凹凸パターンが加圧時にUV樹脂に転写
されることによって、情報信号に応じた凹凸パターンを
有するUV樹脂層8が形成される。このスタンパ104
は、下金型105に対して、例えばマグネットの吸引力
や真空吸引などによって固定される。
【0054】このスタンパ104は、光ディスク1より
も大きいサイズとなるように、中心穴を形成することな
く加工される。スタンパ104に中心穴を形成しないこ
とにより、UV樹脂をスタンパ104の中心部に滴下す
ることが可能となる。また、センター位置決めピン11
1やスタンパ104の裏面などにUV樹脂がまわりこむ
ことや、空気が巻き込まれることなどを防ぐことが可能
となる。
【0055】スタンパ104は、中心から外周にかけて
薄くなる構造(テーパ構造)とされていることが望まし
い。このことにより、スタンパ104内部で加圧されて
凹凸パターンが転写されたUV樹脂は、厚さが均一なも
のとなる。また、スタンパ104の代わりに、下金型1
05におけるキャビティとの対向面がテーパ構造とされ
ていても良い。
【0056】下金型105は、スタンパ104の外径を
基準にして作製されており、上述したように、スタンパ
104を例えばマグネットの吸引力や真空吸引などによ
って固定する構造とされている。
【0057】加圧機106は、上盤106aと下盤10
6bとを有している。この上盤106aには透明支持体
103が装着されており、下盤106bには下金型10
5が装着されている。そして、透明支持体103と下金
型105とを突き合わせ、キャビティ内に充填されたU
V樹脂を加圧する。ここで、下盤106bは、油圧ラム
113と一体化されている。この油圧ラム113が駆動
することによって、透明支持体103と下金型105と
が突き合わされる。この加圧機106としては、例えば
30トン自動油圧プレス機が使用される。なお、加圧機
106は、油圧ラム113以外の加圧機構を備えていて
も良く、例えばエアシリンダと一体化されていても良
い。
【0058】UV照射機107は、キャビティ内に充填
されたUV樹脂にUV光を照射する。UV照射機107
としては、光強度が20000mW/cmであり、照
射出力が250nm〜450nmであり、フィルタ後の
光強度が24600mW/cmである高出力水銀灯を
使用した。
【0059】なお、ここでは、上型として透明支持体1
03を使用しているが、上型は光を透過する構造とされ
ていれば良く、例えば、図4に示すように、光ファイバ
ーによる導光路120及び反射鏡120aが配設されて
いる上金型121を使用しても良い。上金型121に導
光路120が配設されていることによって、UV照射機
107から出射されたUV光が導光路120を介してキ
ャビティ内に導かれ、キャビティ内に充填されたUV樹
脂に対してUV光が効率良く照射される。そして、キャ
ビティ内に充填されたUV樹脂が十分に硬化される。
【0060】上金型121を使用したときには、図5に
示すように、上金型121とハンドリング部材108と
の接触面に、反射膜122が形成されることが望まし
い。また、ハンドリング部材108において、上金型1
21との接触面108a上には鏡面加工が施されること
が好ましい。このことによって、UV光が上金型121
とスタンパ104との間で反射し、UV樹脂に対して効
率良く照射され、UV樹脂が十分に硬化される。なお、
反射膜122を形成するときには、導光路120が配設
されている面を除いた面に形成する。
【0061】つぎに、本発明を適用したディスク状記録
媒体の製造方法によって光ディスク1を製造する方法に
ついて、図6乃至図15を参照して説明する。
【0062】最初に、本発明を適用した信号転写装置1
01を使用して、光透過層6上に半透明層5が形成され
た第1の積層体を作製する。
【0063】このとき、先ず、図6に示すように、透明
支持体に備えられたハンドリング部材108上に、例え
ば真空吸引することによって、フィルム7を装着する。
【0064】次に、図7に示すように、スタンパ104
上に、ディスペンサーなどの手段によって適量のUV樹
脂8aを滴下する。
【0065】次に、図8に示すように、油圧ラム113
を駆動して透明支持体103と下型105とを突き合わ
せ、UV樹脂8aに対して加圧しながら、UV照射機1
07から出射されたUV光を照射して、UV樹脂8aを
硬化させる。そして、図9に示すように、フィルム7上
に、スタンパ104の凹凸パターンが転写されたUV樹
脂層8を形成する。
【0066】なお、UV樹脂8aの硬化時間を短縮する
ために、UV樹脂8aの硬化が進み凹凸パターンが変形
しなくなった状態で、このUV樹脂8a、フィルム7、
及びスタンパ104を信号転写装置101から取り出し
て別のUV硬化装置に装着し、UV樹脂8aを完全に硬
化しても良い。
【0067】次に、図10に示すように、フィルム7を
スタンパ104から剥離し、スタンパ104に刻まれた
打ち抜きマーカを基に、所望のディスク形状となるよう
にフィルム7及びUV樹脂層8の中心部と周辺部とを打
ち抜き、光透過層6を得る。
【0068】次に、図11に示すように、スパッタリン
グなどの薄膜形成技術を用いて、光透過層6の信号転写
面上に半透明層5を形成し、第1の積層体135を得
る。
【0069】また、基板2上に反射層3が形成された第
2の積層体を作製する。
【0070】このとき、先ず、射出成形によって基板2
を形成する。
【0071】次に、図12に示すように、スパッタリン
グなどの薄膜形成技術を用いて、基板2上に反射層3を
形成し、第2の積層体136を得る。
【0072】最後に、図13に示すように、第1の積層
体135と、第2の積層体136とを透明な中間層4を
介して、以下に説明する方法で貼り合わせることによっ
て、光ディスク1が完成する。
【0073】第1の積層体135と、第2の積層体13
6とを貼り合わせる方法としては、以下に説明する2つ
の方法が挙げられる。
【0074】第1の方法は、図14に示すような弾性体
を備える貼り合わせ装置151によって、PSAを使用
して貼り合わせる方法である。
【0075】この貼り合わせ装置151は、図14に示
すように、上金型152と、下金型153と、上金型1
52及び下金型153を突き合わせる加圧機154とを
備えている。
【0076】上金型152には弾性体156が備えられ
ている。上金型152に弾性体156が備えられること
で、上金型152と下金型153とが突き合わされたと
きに、十分な圧力をかけることが可能となる。
【0077】また、下金型153には、センター位置決
めピン157が備えられている。センター位置決めピン
157は、下金型153に載置する第1の積層体13
5、PSA160、及び第2の積層体136を載置する
ときの中心位置を決定する。
【0078】加圧機154は、上盤154a及び下盤1
54bからなる。上盤154aには上金型152が装着
されており、下盤154bには下金型153が装着され
ている。
【0079】貼り合わせ装置151を使用するときに
は、先ず、第2の積層体136と、20μm〜40μm
の厚さを有するPSA160と、第1の積層体135と
を順次積層した後に下金型153に装着し、上盤154
aと下盤154bとを突き合わせて加圧する。上盤15
4aと下盤154bとを突き合わせて加圧することによ
り、第1の積層体135と、第2の積層体136とが貼
り合わせられ、光ディスク1が得られる。
【0080】なお、この加圧時に、キャビティを真空に
して真空下で弾性体156を加圧すると、気泡が入らず
更に良好な光ディスクが得られる。
【0081】第2の方法は、図15に示すような透明支
持体170を備える貼り合わせ装置171によって、U
V樹脂を使用して貼り合わせる方法である。
【0082】この貼り合わせ装置171は、図15に示
すように、透明支持体170と下金型172と、透明支
持体170及び下金型172を突き合わせる加圧機17
3と、UV照射機174とを備えている。そして、透明
支持体170には、センター位置決めピン175が備え
られ、下金型173にもセンター位置決めピン176が
備えられる。
【0083】貼り合わせ装置171を使用するときに
は、先ず、図15に示すように、第2の積層体136を
下金型172に装着し、第1の積層体135を透明支持
体170に装着する。そして、第2の積層体136上に
最終的に中間層4となるUV樹脂177を滴下し、上盤
173aと下盤173bとを突き合わせて、加圧した状
態でUV照射機174から出射されたUV光を照射す
る。このUV光は、透明支持体170を透過してキャビ
ティ内へ照射され、UV樹脂177を硬化する。UV樹
脂177が硬化することで、第1の積層体135と、第
2の積層体136とが貼り合わせられ、光ディスク1が
得られる。
【0084】以上説明したように、本発明を適用した信
号転写装置101及びディスク状記録媒体の製造方法に
よれば、UV樹脂に対して加圧しながらUV光を照射し
てUV樹脂を硬化させ、フィルム7上に、第1のスタン
パ104に形成された凹凸パターンが転写されたUV樹
脂層8を形成することで、光透過層6を作製する。次
に、この光透過層6上に半透明層5を形成して第1の積
層体135を作製するとともに、基板2畳に反射層3を
形成して第2の積層体136を作製する。そして、第1
の積層体135と第2の積層体136とを中間層4を介
して貼り合わせることによって、情報信号に応じた凹凸
パターンが2層形成されている光ディスク1を得る。
【0085】したがって、本発明を適用した金型装置1
00及びディスク状記録媒体の製造方法によれば、情報
信号に応じた凹凸パターンが形成されている光透過層6
を、スピンコート法を採用することなくUV樹脂のみを
使用して作製することが可能となる。そして、光透過層
6が薄く、情報信号に応じた凹凸パターンが複数形成さ
れている光ディスク1の厚み精度を、例えば2μmと良
好にすることが可能となる。また、情報信号に応じた凹
凸パターンが高精度に形成された光ディスク1を得るこ
とが可能となる。
【0086】このため、本発明を適用した金型装置10
0及びディスク状記録媒体の製造方法によって製造され
た光ディスク1は、高密度記録化に対応しており、安定
して確実な再生を行うことができるものとなる。
【0087】また、本発明を適用したディスク状記録媒
体の製造方法によれば、第1の積層体135と第2の積
層体136とを貼り合わせることによって、情報信号に
応じた凹凸パターンが複数形成された光ディスク1を製
造することができる。
【0088】したがって、本発明を適用したディスク状
記録媒体の製造方法によって形成された光ディスク1に
おける中間層4は、膜厚が均一なものとなる。
【0089】第2の実施の形態 次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明
する。第2の実施の形態では、フィルム上に凹凸パター
ンが形成されて光透過層となされている光ディスクの製
造方法、及び当該光ディスクを作製する信号転写装置に
ついて説明する。
【0090】最初に、当該光ディスクの構成について説
明する。
【0091】図16に示すように、本発明を適用した製
造方法によって製造された光ディスク201は、基板2
02上に、反射層203と、中間層204と、半透明層
205と、光透過層206とが順次積層された構造をと
されている。なお、基板202、反射層203、中間層
204、及び半透明層205については、光ディスク1
における基板2、反射層3、中間層4、及び半透明層5
とそれぞれ同じであるので、説明を省略する。
【0092】光透過層206は、その一主面206a上
に、情報信号に応じた凹凸パターンが形成されて情報信
号層となされている。光透過層206は、例えばゼオネ
ックス樹脂などよりなる透明フィルムによって形成され
ている。この凹凸パターンは、後述する信号転写装置に
よって、加熱されたスタンパの凹凸パターンが透明フィ
ルム上に転写されることで形成される。本実施の形態で
は、75μmの厚さを有し、熱変形温度が136℃、ガ
ラス転移点が145℃であるゼオネックス樹脂キャスト
フィルムを使用した。
【0093】この光ディスク201を再生するには、光
透過層206側から記録再生装置の対物レンズ208を
介して、図中矢印L3,L4で示すような再生光を、光
透過層206及び基板202上に形成された凹凸パター
ンに対して照射する。そして、入射光と戻り光との反射
率の差によって情報を検出する。
【0094】つぎに、本発明を適用した信号転写装置、
すなわち、情報信号に応じた凹凸パターンが形成されて
いる光透過層206を作製する装置について、図17及
び図18を用いて説明する。
【0095】図17に示すように、本発明を適用した信
号転写装置301は、上金型302と、スタンパ303
が固定されている下金型304と、上金型302及び下
金型304を突き合わせる加圧機構305と、信号転写
装置301への導入及び導出が自在である近赤外線ラン
プ306とを備える。
【0096】上金型302には、最終的に光透過層20
6となるフィルム307が装着される。この上金型30
2は、フィルム307を真空吸引によって装着するため
の複数の穴やスリットを有している。
【0097】下金型304には、スタンパ303が備え
られている。スタンパ303上には凹凸パターンが形成
されており、この凹凸パターンが転写されることによっ
て、フィルム307上に情報信号に応じた凹凸パターン
が形成される。スタンパ303は、図17に示すよう
に、近赤外線ランプ306によって加熱される。この近
赤外線ランプ306としては、例えば1kWの近赤外線
ランプを、ランプピッチ20mmで11本並べたものが
使用される。
【0098】また、図18に示すように、下金型304
とスタンパ303との間には断熱材311が備えられる
ことが好ましい。このことにより、赤外線ランプ306
で加熱されたスタンパ303の温度が保持され、スタン
パ303をフィルム307に対して押圧したときに、ス
タンパ303からフィルム307に凹凸パターンを転写
することが容易になる。加圧時のスタンパ303の温度
は、フィルム307のガラス転移点より10〜40℃以
上高い温度に対して耐熱性を有する材料によって形成さ
れることが好ましい。この断熱材311の具体的な材料
としては、Al 、Cr、ZrO、ホトベ
ール(住金ホトンセラミック株式会社製)などが挙げら
れる。これらの材料は、以下の表1に示すように、上金
型302、下金型304、スタンパ303を形成してい
る材料と比較して、熱伝導率が10分の1以下とされて
いる。
【0099】
【表1】
【0100】加圧機305は、上盤305aと下盤30
5bとを有している。この上盤305aには上金型30
2が装着されており、下盤305bには下金型304が
装着されている。そして、加圧機305は、上金型30
2と下金型304とを突き合わせ、フィルム307を加
圧する。この下盤305bは、油圧ラム312と一体化
されている。そして、油圧ラム312が駆動することに
よって、上盤305aと下盤305bとが突き合わされ
る。なお、加圧機305は油圧ラム312以外の加圧機
構と一体化されていても良く、例えばエアシリンダと一
体化されていても良い。
【0101】また、上盤305a及び下盤305bに
は、ヒータが内蔵されていることが好ましい。このヒー
タによって、上盤305a及び下盤305bを加熱し、
フィルムのガラス転移点以下の温度に温調することによ
り、近赤外線ランプ306の照射時間を短くでき、光デ
ィスク201を製造するサイクルを短縮することができ
る。
【0102】また、上盤305a及び下盤305bは、
2つの温度調節機構を交互に切り換えることによって加
熱されても良い。具体的には、フィルム307の熱変形
温度以下の温度とされている第1の温度調節機構と、フ
ィルム307のガラス転移点より10℃高い温度とされ
ている第2の温度調節機構とを切り換えて加熱する。こ
のとき、フィルムの加圧時はガラス転移点より高温とさ
れている第2の温調水によりフィルムを加熱する。そし
て、冷却時には、熱変形温度以下とされている第1の温
調水に切り替える。
【0103】なお、スタンパ303は、赤外線ランプ
や、遠赤外線ランプによる加熱を併用しても良い。ま
た、スタンパ303の加熱は、電磁誘導加熱を併用して
も良い。
【0104】つぎに、本発明を適用したディスク状記録
媒体の製造方法によって光ディスク201を製造する方
法について、図19乃至図23を参照して説明する。
【0105】最初に、上述した信号転写装置301を使
用して、フィルム307上に情報信号に応じた凹凸パタ
ーンを形成することによって光透過層206を作製し、
この光透過層206の凹凸パターン上に半透明層205
が形成された第1の積層体を作製する。
【0106】先ず、図19に示すように、上金型302
上に、例えば真空吸引することによって、最終的に光透
過層206となるフィルム307を装着する。なお、こ
のとき、上金型302はフィルム307の熱変形温度以
下に加熱されていることが好ましい。本実施の形態で
は、上金型302を120℃に加熱した。
【0107】次に、図17に示すように、近赤外線ラン
プ306によって、スタンパ303をフィルム307の
ガラス転移点以上の温度となるまで加熱する。このと
き、例えば、近赤外線ランプ306をスタンパ303か
ら20mm離れた位置に備え、スタンパ303に対して
3秒間照射し、スタンパ303の温度を210℃とす
る。そして、スタンパ303がフィルム307のガラス
転移点以上となった後に、近赤外線ランプ306を信号
転写装置301から待避させる。
【0108】次に、油圧ラム312を上昇させ、上金型
302と下金型304とを突き合わせて、図20に示す
ようにスタンパ303をフィルム307に押圧する。そ
して、スタンパ303の凹凸パターンをフィルム307
に転写し、フィルム307上に情報信号に応じた凹凸パ
ターンを形成する。このときの加圧力は例えば20kN
で、1〜2秒間保持する。そして、上金型302とフィ
ルム307の真空を解除後、信号転写装置301を下降
させて、フィルム307にスタンパ303の凹凸パター
ンを転写する。ここで信号転写装置301を下降させて
いる最中に、空気などの補助冷却手段を利用して、スタ
ンパ303をフィルム307の熱変形温度以下となるま
で冷却する。
【0109】スタンパ303の冷却が終了した後に、図
21に示すように、真空を解除してスタンパ303から
フィルム307を剥離し、フィルム307の中心部と周
辺部とを打ち抜き、光透過層206とする。
【0110】次に、図22に示すように、スパッタリン
グなどの薄膜形成技術により、光透過層206上に、半
透明層205を形成する。これによって、第1の積層体
352を得る。
【0111】また、基板202上に、反射層203が形
成された第2の積層体を作製する。
【0112】このとき、先ず、第1の実施の形態と同様
に射出成形によって基板202を作製する。
【0113】次に、スパッタリングなどの薄膜形成技術
により、図23に示すように、基板202上に反射層2
03を形成し、第2の積層体353を得る。
【0114】最後に、第1の積層体352と、第2の積
層体353とを、中間層204を介して貼り合わせるこ
とによって、図24に示すような光ディスク201が完
成する。
【0115】なお、第1の積層体352と、第2の積層
体353とを貼り合わせる方法については、第1の実施
の形態で説明した方法、すなわち、第1の積層体135
と、第2の積層体136とを貼り合わせる方法と同じで
あるので、説明を省略する。
【0116】以上説明したように、本発明を適用した信
号転写装置301及びディスク状記録媒体の製造方法に
よれば、信号転写装置301への導入及び導出が自在で
ある近赤外線ランプ306によって加熱したスタンパ3
04をフィルム307に押圧して、スタンパ304に形
成された凹凸パターンをフィルム307に転写すること
で、フィルム307上に情報信号に応じた凹凸パターン
を形成し、光透過層206を作製することができる。次
に、この光透過層206上に半透明層205を形成して
第1の積層体352を作製するとともに、基板202上
に反射層203を形成して第2の積層体353を作製す
る。そして、第1の積層体352と第2の積層体353
とを中間層204を介して貼り合わせることによって、
情報信号に応じた凹凸パターンが2層形成された光ディ
スク201を得る。
【0117】したがって、本発明を適用した信号転写装
置301及びディスク状記録媒体の製造方法によれば、
情報信号に応じた凹凸パターンが形成されている光透過
層206を、スピンコート法を採用することなく作製す
ることが可能となる。そして、光透過層206が薄く、
情報信号に応じた凹凸パターンが複数形成されている光
ディスク201の厚み精度を、例えば2μmと良好にす
ることが可能となる。また、情報信号に応じた凹凸パタ
ーンが高精度に形成された光ディスク201を得ること
が可能となる。
【0118】このため、本発明を適用した信号転写装置
301及びディスク状記録媒体の製造方法によって製造
された光ディスク201は、高密度記録化に対応してお
り、安定して確実な再生を行うことができるものとな
る。
【0119】また、本発明を適用したディスク状記録媒
体の製造方法によれば、第1の積層体352と、第2の
積層体353とを貼り合わせることによって、情報信号
に応じた凹凸パターンが複数形成された光ディスク20
1を製造することができる。
【0120】したがって、本発明を適用したディスク状
記録媒体の製造方法によって形成された光ディスク20
1における中間層204は、膜厚が均一なものとなる。
【0121】また、本発明を適用した信号転写装置30
1及び本発明を適用したディスク状記録媒体の製造方法
によれば、信号記録層206を構成するフィルム307
の厚さを変えることによって光ディスク201全体の厚
さを変えることができ、例えばハードディスクメディア
に応用することも可能となる。
【0122】また、本発明を適用した信号転写装置30
1及び本発明を適用したディスク状記録媒体の製造方法
によれば、下金型304とともに上金型302にもスタ
ンパを備えることによって、フィルム307の両面に凹
凸パターンを形成することが可能となり、情報信号に応
じた凹凸パターンが3層形成された光ディスクを形成す
ることも可能となる。
【0123】第3の実施の形態 次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0124】ここでは、図16に示すような光ディスク
201において、光透過層206上の凹凸パターンを連
続して形成する信号転写装置、及び当該信号転写装置を
使用した光ディスクの製造方法について、図25乃至図
29を参照して説明する。
【0125】当該信号転写装置は、図25に示すような
インデックステーブル400と、挿入取り出し部401
と、予備加熱部402と、加熱加圧部403と、冷却部
404とを備えている。
【0126】インデックステーブル400には、挿入取
り出し部401と、予備加熱部402と、加熱加圧部4
03と、冷却部404とに相当する部位に、それぞれ図
26に示すようなフィルム装着部410が備えられてい
る。インデックステーブル400は矢印Aの方向に回転
可能とされており、このインデックステーブル400が
回転操作されることによって、各フィルム装着部410
が、挿入取り出し部401と、予備加熱部402と、加
熱加圧部403と、冷却部404との間を移動し、フィ
ルム上に効率良く凹凸パターンが形成される。
【0127】フィルム装着部410には、最終的に光透
過層6となるフィルム307を挟み込むための上平板4
12及び下平板413と、このフィルム307上に凹凸
パターンを形成するためのスタンパ414と、上平板4
12及び下平板413間の空間を密閉するためのシリコ
ンゴム415とが備えられている。上平板412は、下
平板413に対して開閉できる構造とされており、鏡面
加工が施されている。また、下平板413はインデック
ステーブル400と一体化している。また、シリコンゴ
ム415は、上平板412及び下平板413間の空間を
密閉して真空にするために備えられている。なお、上平
板412及び下平板413間の空間を密閉して真空にす
るためには、シリコンゴム415の代わりに、例えばO
リングを備え付けても良い。
【0128】挿入取り出し部401では、フィルム装着
部410へのフィルム307の装着や、フィルム装着部
410からのフィルム307の取り出しが行われる。
【0129】予備加熱部402では、フィルム307に
対する予備加熱が行われる。予備加熱部402には、図
27に示すように、複数の近赤外線ランプ420が配さ
れている一対のランプハウジング421が、加熱体とし
て上下に対向して設けられている。一対のランプハウジ
ング421は、上平板412及び下平板413と接触し
ない位置に備えられている。本実施の形態では、1本あ
たり1kWの近赤外線ランプを20mmピッチで11本
並べたランプハウジング421を使用し、当該ランプハ
ウジング421を、上平板412及び下平板413から
20mm離した位置に備え、フィルム装着部410が均
一加熱されるようにした。
【0130】なお、加熱体としては、上平板412及び
下平板413と接触していない一対のランプハウジング
421を設ける代わりに、下平板413とインデックス
テーブル400が回転静止する毎に接触する熱板を設け
ても良い。また、近赤外線ランプ420の代わりに遠赤
外線ランプを備えても良い。
【0131】加熱加圧部413には、図28に示すよう
に、一対の熱板423が備えられている。そして、加熱
加圧部403では、一対の熱板423によって上平板4
12及び下平板413を加熱加圧することによって、ス
タンパ414とフィルム307とを加熱圧着して、スタ
ンパ414上に形成された凹凸パターンをフィルム30
7に転写する。本実施の形態では、熱板423として、
最大圧力が30tである油圧プレスを使用し、フィルム
307のガラス転移点より5〜40℃高温となるよう
に、温度調節機によって常時加熱した。
【0132】冷却部404には、図29に示すように、
一対の冷却プレス424が備えられている。そして、冷
却部404では、一対の冷却プレス424によって、上
平板412及び下平板413を冷却しながら加圧し、フ
ィルム307を冷却する。本実施の形態では、冷却プレ
ス424として、最大圧力が30tである油圧プレスを
使用し、フィルム307のガラス転移点より低い温度と
なるように、常時水などで冷却した。
【0133】以上説明した信号転写装置によって、光デ
ィスク201における光透過層206上に凹凸パターン
を形成するときには、先ず、インデックステーブル40
0上の挿入取り出し部401において、図26に示すよ
うに、上平板412及び下平板413の間に備えられた
スタンパ414上にフィルム307を装着する。そし
て、上平板412を閉じ、上平板412及び下平板41
3の間を真空として、スタンパ414及びフィルム30
7間と、フィルム307及び上平板412間を真空密着
させる。
【0134】次に、インデックステーブル400を回転
させ、上平板412及び下平板413に挟持されたフィ
ルム307及びスタンパ414を、真空を保持した状態
で予備加熱部402へ移送し、図27に示すように、近
赤外線ランプ420によってスタンパ414及びフィル
ム307に対して予備加熱を行う。このとき、例えば2
0mm離れた位置に備えられた近赤外線ランプ420
を、上平板412及び下平板413に対して3秒間照射
することによって、予備加熱を行う。なお、本実施の形
態においては、上平板412及び下平板413の温度
を、フィルム307のガラス転移点より高温である18
0℃とした。
【0135】なお、本実施の形態においては、フィルム
307として、熱変形温度が136℃であり、ガラス転
移点が145℃であるゼオネックス樹脂キャストフィル
ム(日本ゼオン製)を使用した。
【0136】次に、インデックステーブル400を回転
させ、上平板412及び下平板413に挟持されたフィ
ルム307及びスタンパ414を、真空を保持した状態
で加熱加圧部403へ移送し、図28に示すように、加
熱された一対の熱板423によって上平板412及び下
平板413を挟み込んでスタンパ414とフィルム30
7とを加熱圧着し、スタンパ414の凹凸パターンをフ
ィルム307上へ転写した。なお、本実施の形態におい
ては、熱板423を180℃に加熱し、0.5kg/c
で3秒間保持することによって、スタンパ414と
フィルム307とを加熱圧着した。
【0137】次に、熱板423による加圧を解除し、イ
ンデックステーブル400を回転させ、上平板412及
び下平板413に挟持されたフィルム307及びスタン
パ414を、真空を保持した状態で冷却部404へ移送
する。そして、図29に示すように、冷却プレス424
によって上平板412及び下平板413を挟み込んで、
スタンパ414とフィルム307とを加圧し、フィルム
307の温度を熱変位温度以下まで冷却する。なお、本
実施の形態においては、冷却プレス424の温度を16
℃の冷却水によって冷却し、0.1kg/cmで3秒
間保持することによって、フィルム307をガラス転移
点以下の120℃まで冷却した。
【0138】最後に、インデックステーブル400を回
転させ、上平板412及び下平板413に挟持されたフ
ィルム307及びスタンパ414を挿入取り出し部40
1へ移送し、真空を解除して上平板412を開け、スタ
ンパ414及びフィルム307を取り出して、フィルム
307をスタンパ414から離型することによって、凹
凸パターンが転写されたフィルム307を得た。このフ
ィルム307が、最終的に光透過層206となる。
【0139】以上説明したインデックステーブル400
を備える信号転写装置を使用することによって、光透過
層206を効率良く製造することが可能となり、例え
ば、タクトタイム3秒で製造することが可能となる。
【0140】なお、当該信号転写装置において、図30
に示すように、上平板412及び下平板413の間に一
対のスタンパ430a,430bを備え付け、この一対
のスタンパ430a,430bの間にフィルム440を
挟むことによって、フィルム440上に情報信号に応じ
た凹凸パターンが両主面上に形成される。当該フィルム
440を用いて、情報信号に応じた凹凸パターンが3層
形成された光ディスク(以下、3層構造の光ディスクと
称する。)を製造することができる。以下では、この3
層構造の光ディスクの製造方法について図31乃至図3
6を用いて説明する。
【0141】図31に示すように、3層構造の光ディス
ク500は、基板501上に、反射層502と、中間層
503と、第1の半透明層504と、第1の光透過層5
05と、第2の半透明層506と、第2の光透過層50
7とが順次積層された構造とされている。
【0142】ここで、第2の光透過層507は、例えば
30〜70μmの厚さを有する光学的に透明なフィルム
508を、接着層509を介して第2の半透明層507
上に貼り付けることによって形成されている。第2の光
透過層507は、第2の半透明層506を保護すると共
に、記録再生装置からの光を透過する。
【0143】なお、基板501、反射層502、中間層
503、第1の半透明層504及び第2の半透明層50
6は、それぞれ光ディスク1における基板2、反射層
3、中間層4と、半透明層5と同じ材料によって形成さ
れる。
【0144】また、第1の光透過層505は、光ディス
ク201における光透過層206と同じ材料によって作
製される。本実施の形態では、35μmの厚さを有する
ゼオネックス樹脂キャストフィルム(日本ゼオン製)を
使用した。
【0145】この光ディスク500を再生するには、光
透過層507側から記録再生装置の対物レンズ510を
介して、図中矢印L5,L6,L7で示すような再生光
を、光透過層505及び基板501上に形成された凹凸
パターンに対して照射する。そして、入射光と戻り光と
の反射率の差によって情報を検出する。
【0146】以下では、この3層構造の光ディスク50
0の製造方法について説明する。
【0147】最初に、フィルムの両主面上に情報信号に
応じた凹凸パターンを形成して光透過層505とし、光
透過層505のそれぞれの主面上に、第1の半透明層5
04と第2の半透明層506とを形成した第1の積層体
を作製する。
【0148】このとき、先ず、図30に示すように、上
平板412及び下平板413の間に2つのスタンパ43
0a,430bを備え付け、この2つのスタンパ430
a,430bの間に、最終的に光透過層505となるフ
ィルム440を挟むことによって、フィルム440の両
主面に凹凸パターンを形成する。そして、フィルム44
0の中心部と周辺部とを、センター基準マーカ及び信号
などを基準として打ち抜き、図32に示すような光透過
層505を得る。
【0149】次に、図33に示すように、光透過層50
5の両主面上にAgやAl合金などを成膜することで、
第1の半透明層504と、第2の半透明層506とを形
成し、第1の積層体523を得る。
【0150】このとき、第1の半透明層504を、反射
率が例えば30%となるように成膜し、第2の半透明層
506を、反射率が例えば19%となるように成膜す
る。ここで、それぞれの半透明層の反射率は、AgやA
l合金などの厚さを調整することによって変えることが
できる。
【0151】また、基板501上に反射層502が形成
されている第2の積層体を作製する。
【0152】このとき、先ず、第1の実施の形態と同様
に、射出成形によって基板501を形成した。
【0153】次に、スパッタリングなどの薄膜形成技術
によって基板501上に反射層502を形成し、図34
に示すような第2の積層体526を得る。このとき、反
射層502の反射率を90%以上とした。
【0154】そして、図35に示すように、第1の積層
体523と、第2の積層体526とを、中間層503を
介して貼り合わせる。
【0155】最後に、図36に示すように、第2の半透
明層506上に、接着層509を介してフィルム508
を貼り合わせ、光ディスク500が完成する。
【0156】なお、両主面上に凹凸パターンが形成され
たフィルム440を複数枚貼り合わせることによって、
凹凸パターンが4層以上形成された光ディスクを製造す
ることも可能となる。
【0157】また、両主面上に凹凸パターンが形成され
たフィルム440は、単体で光フロッピー(登録商標)
ディスクに使用することも可能となる。
【0158】
【発明の効果】本発明に係る第1の信号転写装置及び第
1のディスク状記録媒体の製造方法によれば、感光性樹
脂に対して加圧しながら光を照射し、フィルム上に情報
信号に応じた凹凸パターンが形成された感光性樹脂層を
作製し、光透過層とする。そして、この光透過層と、当
該凹凸パターンが形成された基板とを貼り合わせること
によって、多層構造を有するディスク状記録媒体を得
る。
【0159】したがって、本発明に係る第1の信号転写
装置及び第1のディスク状記録媒体の製造方法によれ
ば、情報信号に応じた凹凸パターンが形成されている光
透過層を、スピンコート法を採用することなく作製する
ことが可能となる。そして、光透過層が薄く、多層構造
を有するディスク状記録媒体の厚み精度を良好にするこ
とが可能となる。また、当該凹凸パターンが高精度に形
成されたディスク状記録媒体を得ることが可能となる。
【0160】このため、本発明に係る第1の信号転写装
置及び第1のディスク状記録媒体の製造方法によって製
造されたディスク状記録媒体は、高密度記録化に対応し
ており、安定して確実な再生を行うことが可能なものと
なる。
【0161】また、本発明に係る第2の信号転写装置及
び第2のディスク状記録媒体の製造方法によれば、信号
転写装置への導入及び導出が自在である加熱手段によっ
て加熱したスタンパをフィルムに押圧して、スタンパの
凹凸パターンをフィルムに転写することで、フィルム上
に情報信号に応じた凹凸パターンを形成し、光透過層を
作製する。そして、この光透過層と、当該凹凸パターン
が形成された基板とを貼り合わせることによって、多層
構造を有するディスク状記録媒体を得る。
【0162】したがって、本発明に係る第2の信号転写
装置及び第2のディスク状記録媒体の製造方法によれ
ば、情報信号に応じた凹凸パターンが形成されている光
透過層を、スピンコート法を採用することなく作製する
ことが可能となる。そして、光透過層が薄く、多層構造
を有するディスク状記録媒体の厚み精度を良好にするこ
とが可能となる。また、当該凹凸パターンが高精度に形
成されたディスク状記録媒体を得ることが可能となる。
【0163】このため、本発明に係る第2の信号転写装
置及び第2のディスク状記録媒体の製造方法によって製
造されたディスク状記録媒体は、高密度記録化に対応し
ており、安定して確実な再生を行うことが可能なものと
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した製造方法によって製造された
光ディスクの断面図であり、フィルム上にUV樹脂層を
形成することによって光透過層を作製した光ディスクの
断面図である。
【図2】本発明を適用した第1の信号転写装置であり、
透明支持体上にハンドリング部材が装着されている信号
転写装置を示す断面図である。
【図3】同信号転写装置における透明支持体及びハンド
リング部材の詳細を示しており、透明支持体における上
盤との接触面に、多重反射鏡が備えられている状態を示
す拡大図である。
【図4】本発明を適用した第1の信号転写装置であり、
導光路が配設されている上金型を介して、ハンドリング
部材が備えられている光ディスク装置を示す断面図であ
る。
【図5】同信号転写装置における透明支持体及びハンド
リング部材の詳細を示しており、上金型とハンドリング
部材との接触面に、反射膜が形成されている状態を示す
拡大図である。
【図6】本発明を適用した光ディスクの製造方法を説明
するための図であり、ハンドリング部材にフィルムを装
着した状態を示す断面図である。
【図7】同光ディスクの製造方法を説明するための図で
あり、スタンパ上にUV樹脂を滴下した状態を示す断面
図である。
【図8】同光ディスクの製造方法を説明するための図で
あり、キャビティ内に充填したUV樹脂に対して加圧し
ながらUV光を照射している状態を示す模式図である。
【図9】同光ディスクの製造方法を説明するための図で
あり、フィルム上にUV樹脂層を作製した状態を示す断
面図である。
【図10】同光ディスクの製造方法を説明するための図
であり、光透過層からスタンパを剥離した状態を示す断
面図である。
【図11】同光ディスクの製造方法を説明するための図
であり、光透過層上に半透明層を形成した状態を示す断
面図である。
【図12】同光ディスクの製造方法を説明するための図
であり、基板上に反射層を形成した状態を示す断面図で
ある。
【図13】同光ディスクの製造方法を説明するための図
であり、中間層を介して第1の積層体と第2の積層体と
を貼り合わせた状態を示す断面図である。
【図14】同光ディスクの製造方法を説明するための図
であり、第1の積層体と第2の積層体とを、粘着シート
を介して貼り合わせる様子を示した断面図である。
【図15】同光ディスクの製造方法を説明するための図
であり、第1の積層体と第2の積層体とを、UV樹脂を
介して貼り合わせる様子を示した断面図である。
【図16】本発明を適用した製造方法によって製造され
た光ディスクの断面図であり、フィルム上に凹凸パター
ンを形成することによって製造された光ディスクの断面
図である。
【図17】本発明を適用した第2の信号転写装置であ
り、フィルムを加熱することによって、フィルム上に凹
凸パターンを形成する信号転写装置を示す断面図であ
る。
【図18】同信号転写装置において、下金型とスタンパ
との間に断熱材が形成されている様子を示す断面図であ
る。
【図19】本発明を適用した光ディスクの製造方法を説
明するための図であり、上金型にフィルムを装着した状
態を示す断面図である。
【図20】同光ディスクの製造方法を説明するための図
であり、フィルムに対して加熱したスタンパを押圧して
いる状態を示す断面図である。
【図21】同光ディスクの製造方法を説明するための図
であり、フィルム上に凹凸パターンが形成されて光透過
層となされた状態を示す断面図である。
【図22】同光ディスクの製造方法を説明するための図
であり、フィルム上に半透明層が形成された状態を示す
断面図である。
【図23】同光ディスクの製造方法を説明するための図
であり、基板上に反射層を形成した状態を示す断面図で
ある。
【図24】同光ディスクの製造方法を説明するための図
であり、中間層を介して第1の積層体と第2の積層体と
を貼り合わせた状態を示す断面図である。
【図25】フィルム上に凹凸パターンを連続的に形成す
る信号転写装置に備えられるインデックステーブルを示
す模式図である。
【図26】同インデックステーブルに備えられる上平
板、下平板、及びスタンパを示す模式図である。
【図27】同インデックステーブルに備えられる加熱体
を示す模式図である。
【図28】同インデックステーブルに備えられる熱板を
示す模式図である。
【図29】同インデックステーブルに備えられる冷却プ
レスを示す模式図である。
【図30】3層構造の光ディスクを製造するときに、同
インデックステーブルに備えられる上平板、下平板、及
び2つのスタンパを示す模式図である。
【図31】3層構造の光ディスクを示す断面図である。
【図32】本発明を適用した光ディスクの製造方法によ
って、3層構造の光ディスクを製造する工程を示す図で
あり、両主面上に凹凸パターンが形成されたフィルムを
示す断面図である。
【図33】同光ディスクを製造する工程を示す図であ
り、両主面上に第1の半透明層と第2の半透明層とが形
成されたフィルムを示す断面図である。
【図34】同光ディスクを製造する工程を示す図であ
り、反射層が形成された基板を示す断面図である。
【図35】同光ディスクを製造する工程を示す図であ
り、第1の積層体と第2の積層体とを、第1の中間層を
介して貼り合わせた状態を示す断面図である。
【図36】同光ディスクを製造する工程を示す図であ
り、第2の半透明層上に、第2の中間層を介してフィル
ムを貼り合わせた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
7 フィルム、8a UV樹脂、101 信号転写装
置、103 透明支持体、104 スタンパ、105
下金型、106a 上盤、106b 下盤、107 U
V照射機、108 ハンドリング部材、111 センタ
ー位置決めピン、113 油圧ラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D029 JA04 JB01 JB02 JB05 JB33 JC01 JC02 JC04 5D121 AA01 AA03 AA07 DD01 DD04 DD06 DD17 EE27 FF11

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹凸パターンを有する基板上に凹凸パタ
    ーンを有する光透過層を重ね、多層構造を有するディス
    ク状記録媒体を製造するに際し、 信号転写装置内に、厚さ25μm〜100μmのフィル
    ムと、表面に凹凸パターンが形成されたスタンパとを対
    向配置し、これらの間隙に感光性樹脂を供給するととも
    に、信号転写装置内に、信号転写装置外の光源から出射
    された光を導入し、 加圧下で、上記導入された光を感光性樹脂に照射してこ
    れを硬化することにより、上記フィルム上にスタンパの
    凹凸パターンが転写形成された感光性樹脂層を形成し、
    上記光透過層とすることを特徴とするディスク状記録媒
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記フィルムを、真空吸引することによ
    って上記信号転写装置に装着することを特徴とする請求
    項1記載のディスク状記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 フィルムをキャビティと対向する面に装
    着する機構を有するとともに、キャビティ内に光を透過
    可能な構造とされた上型と、 上記上型とともに上記キャビティを構成する下型と、 上記下型に装着され、上記凹凸パターンに対応した凹凸
    パターンが形成されたスタンパと、 上記上型の外部から、上記上型を介して上記キャビティ
    内に光を照射する光源と、 上記キャビティ内を加圧する加圧手段とを有し、 上記フィルム上に、凹凸パターンが形成された感光性樹
    脂層を形成することで、光透過層を作製することを特徴
    とする信号転写装置。
  4. 【請求項4】 上記上型は、ハンドリング部材を介して
    上記フィルムを装着することを特徴とする請求項3記載
    の信号転写装置。
  5. 【請求項5】 上記ハンドリング部材は、上記上型に対
    して着脱自在に固定されていることを特徴とする請求項
    4記載の信号転写装置。
  6. 【請求項6】 上記ハンドリング部材は、上記上型に対
    して真空吸引によって着脱自在に固定されていることを
    特徴とする請求項5記載の信号転写装置。
  7. 【請求項7】 上記上型は、光透過性を有する材料によ
    って形成されており、全体として光透過性を有すること
    を特徴とする請求項3記載の信号転写装置。
  8. 【請求項8】 上記上型は、上記フィルムを装着しない
    側の主面に多重反射鏡を備えることを特徴とする請求項
    7記載の信号転写装置。
  9. 【請求項9】 上記上型は、上記光源から出射された光
    を上記キャビティ内へ導く導光路が配設されていること
    を特徴とする請求項3記載の信号転写装置。
  10. 【請求項10】 上記ハンドリング部材と上記上型との
    接触面には、上記導光路が配設されている部分を除いて
    光反射膜が形成されていることを特徴とする請求項9記
    載の信号転写装置。
  11. 【請求項11】 上記上型と上記ハンドリング部材との
    接触面は、鏡面加工されていることを特徴とする請求項
    4記載の信号転写装置。
  12. 【請求項12】 上記ハンドリング部材は、側面及び両
    主面が鏡面加工されていることを特徴とする請求項4記
    載の信号転写装置。
  13. 【請求項13】 上記スタンパは、中心に穴部が形成さ
    れていないことを特徴とする請求項3記載の信号転写装
    置。
  14. 【請求項14】 凹凸パターンを有する基板上に凹凸パ
    ターンを有する光透過層を重ね、多層構造を有するディ
    スク状記録媒体を製造するに際し、 厚さ25μm〜100μmのフィルムに対して、予め外
    部加熱手段により加熱され表面に凹凸パターンが形成さ
    れたスタンパを、信号転写装置内で圧着し、上記フィル
    ムに上記スタンパの凹凸パターンを転写形成して上記光
    透過層とすることを特徴とするディスク状記録媒体の製
    造方法。
  15. 【請求項15】 上記スタンパを、上記加熱手段によ
    り、上記フィルムのガラス転移点よりも5℃以上高い温
    度となるように加熱することを特徴とする請求項14記
    載のディスク状記録媒体の製造方法。
  16. 【請求項16】 上記信号転写装置内への導入及び導出
    が自在とされている加熱手段によって、上記スタンパを
    加熱することを特徴とする請求項14記載のディスク状
    記録媒体の製造方法。
  17. 【請求項17】 上記フィルムを装着する前に、上記信
    号転写装置を、上記フィルムのガラス転移点よりも5℃
    以上高い温度に予め加熱することを特徴とする請求項1
    4記載のディスク状記録媒体の製造方法。
  18. 【請求項18】 上記光透過層を作製するに際し、 上記信号転写装置に対して上記フィルムを装着する装着
    工程と、 第1の加熱手段によって、上記フィルムに対して予め加
    熱を施す予備加熱工程と、 第2の加熱手段によって上記スタンパ及び上記フィルム
    を加熱しながら圧着して、上記フィルム上に上記スタン
    パの凹凸パターンを形成する加熱加圧工程と、 上記スタンパ及び上記フィルムを冷却する冷却工程と、 上記フィルムを取り出す取り出し工程とを有し、 上記装着工程、上記予備加熱工程、上記加熱加圧工程、
    上記冷却工程、及び上記取り出し工程を同一のインデッ
    クステーブル上で連続して行うことを特徴とする請求項
    14記載のディスク状記録媒体の製造方法。
  19. 【請求項19】 キャビティを構成する上型及び下型
    と、 上記キャビティ内に装着され、上記凹凸パターンに対応
    した凹凸パターンが形成されているスタンパと、 少なくとも上記スタンパを加熱する加熱手段と、 上記キャビティ内を加圧する加圧手段とを有し、 上記キャビティに装着されたフィルム上に凹凸パターン
    が形成された光透過層を作製することを特徴とする信号
    転写装置。
  20. 【請求項20】 上記加熱手段は、上記上型と上記下型
    との間への導入及び導出が自在とされていることを特徴
    とする請求項19記載の信号転写装置。
  21. 【請求項21】 上記加熱手段は、近赤外線或いは遠赤
    外線ランプであることを特徴とする請求項19記載の信
    号転写装置。
  22. 【請求項22】 上記上型及び上記下型と、上記スタン
    パとの接触面には、断熱性を有する被膜が配設されてい
    ることを特徴とする請求項19記載の信号転写装置。
  23. 【請求項23】 上記被膜は、上記フィルムのガラス転
    移点よりも5℃以上高い温度に対して耐熱性を有するこ
    とを特徴とする請求項22記載の信号転写装置。
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