JP2002244517A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002244517A
JP2002244517A JP2001036140A JP2001036140A JP2002244517A JP 2002244517 A JP2002244517 A JP 2002244517A JP 2001036140 A JP2001036140 A JP 2001036140A JP 2001036140 A JP2001036140 A JP 2001036140A JP 2002244517 A JP2002244517 A JP 2002244517A
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Takeshi Menjo
健 校條
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長寿命化が可能な高硬度ブレードを使用して
いるにもかかわらず、特に、柔らかいトナーと硬いトナ
ーを組み合わせて使用する場合にも良好なクリーニング
性が達成でき、しかも、ドラムに傷がつき、スジ画像を
生じるといった不具合が発生することがなく、より優れ
た耐久性を達成でき、経済性に優れ、高品位画像を長期
間にわたって安定して形成可能な画像形成装置の提供。 【解決手段】 画像又は転写材を担持するための担持体
と、該担持体表面に当接して配置されたブレードによっ
て担持体上のトナー粉を除去するためのクリーニング装
置とを有する画像形成装置において、上記ブレードは、
硬度(JIS−A)が70度以上の材料からなり、且
つ、担持体に当接する側のみに固体潤滑剤含有樹脂層が
形成されていることを特徴とする画像形成装置

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属するの技術分野】本発明は、画像形成装置に
関し、更に詳しくは、電子写真方式を用いて像担持体上
に画像形成を行い、該像形成後に、画像を担持するため
の像担持体上に、或いは転写材(特に、中間転写体等)
を担持するための担持体上に残留する残トナーを、該担
持体に当接するブリードタイプのクリーニング装置にて
回収を行う構成の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真方式を用いたフルカ
ラー画像形成装置としては、電子写真方式による複数の
画像形成部を備え、各画像形成部で、感光体ドラム等の
像担持体上の静電潜像をそれぞれ色の異なったトナー
(現像剤)で現像して顕画像であるトナー像を形成し、
これらのトナー像を、転写ベルト等の搬送材上の同一の
記録材(紙等)上に順次重ね合わせて転写し、その後、
定着してカラー画像を形成する多重転写方式の画像形成
装置、又は、中間転写体を用い、該中間転写体上に、一
旦、上記のようにして各画像形成部で形成した像担持体
上の各色トナー像を重ね合わせた像を形成し、最後に、
被転写材に一括転写させる中間体構成の画像形成装置
等、種々の提案がある。
【0003】これらの装置においては、高品位画像を安
定して得るべく、画像形成後に、像担持体又は中間転写
体上に転写されずに残留した残トナーをクリーニング装
置にて回収することが行われている。クリーニング装置
としては、通常、ウレタンゴム等の弾性体からなるクリ
ーニングブレードを有するものが用いられ、該ブレード
を、像担持体又は中間転写体に当接させることで残トナ
ーを掻き落とし、回収している。
【0004】一方、画像形成に使用されるトナーとして
は、カラー画像形成装置が普及してきた近年において
は、白黒画像形成とカラー画像形成との両立のために、
色トナーは柔らかく、黒トナーは硬くと、トナーの軟化
点を変えて使用するのが一般的になってきている。ここ
で、トナーの軟化点は、従来公知の測定法によるが、見
かけの溶融粘度が10Pa・sを示す時の温度をT1、
見かけの溶融粘度が50Pa・sを示す時の温度をT2
とした時、下記の条件を満たすものをシャープメルトト
ナーと呼んでいる。 T1=90〜150℃ |ΔT|=|T1−T2|=5〜20℃ これに対し、上記の条件を満足するシャープメルトトナ
ーよりも、T1温度、又、ΔT温度が大きいものを硬い
トナーと呼んでいる。上記条件を満たすシャープメルト
トナーとしては、トナーを構成する結着樹脂としてポリ
エステル樹脂等を用いたものが挙げられる。
【0005】以上のような、柔らかい色トナーと、硬い
黒トナーとを組み合わせたトナーを画像形成に使用する
場合においては、クリーニング装置のブレードには、従
来は、カラー用途のみのトナー、即ち、軟化点が低いト
ナーの画像形成装置に対し使用していたのと同じ低硬度
のウレタンゴムブレードを使用してきた。これは、例え
ば、像担持体上の残トナーをクリーニングする場合に、
軟化点の低い、即ち、クリーニングしにくい柔らかいト
ナーに対しては、クリーニングブレードの硬度を低く抑
え、像担持体とのブレードニップを広くとることで、良
好なクリーニングを可能となることによる。本来、クリ
ーニングブレードとしては、反発弾性が高いものの方が
好ましいが、硬度が高いと反発弾性が高いものが作れな
いため、柔らかい色トナーを良好にクリーニングすると
いう観点から、低硬度のブレードを使用しているのであ
る。
【0006】しかしながら、このように、クリーニング
ブレードに低硬度の形成材料を使用することは、勢い、
クリーニングブレードの寿命が、短寿命にならざるをえ
ないことを意味する。
【0007】一方、従来、硬いトナーを使用する場合
は、クリーニングブレードに、硬度の高いゴムを使用し
てきた。これは、硬いトナーは、クリーニング性がよい
ため、柔らかいトナーを使用する場合と比べて、反発弾
性が低いブレードであっても良好なクリーニングが可能
であるため、ブレード材料として、欠け等を生じ難く、
寿命が長い利点を生かし、例えば、硬度が70度以上と
高い、しかし反発弾性は低いゴムを使用していた。これ
は、クリーニングブレードの寿命を長期化させる観点か
らは、硬度が70度未満のウレタンゴムブレード等を使
用するよりも、硬度が70度以上のウレタンゴムブレー
ド等を使用した場合の方が、感光体ドラムとの摩擦によ
る負けが少なく、ブレードの欠け等を生じ難いため、好
ましいからである。
【0008】以上のような状況下、先に述べた軟化点の
低い柔らかい色トナー(カラートナー)と、軟化点の高
い硬い白黒用の黒トナーを組み合わせて使用する画像形
成装置においては、取り敢えずは、カラートナーのクリ
ーニング性を優先させるため、低硬度のゴムを使用し、
それに、感光体ドラム等との滑り性を向上させるために
ナイロンでコートを行って、クリーニングブレードの寿
命は短いものとして使用していた。例えば、クリーニン
グブレードとして硬度61度、反発弾性9の比較的低硬
度のウレタンゴムを用い、その表面を、後述するような
ナイロンコートをしたものを使用していた。この場合、
その寿命は、対感光体ドラム走行距離にて62kmでブ
レード交換という短いものであった。これは、上記で説
明したように、クリーニングブレードの寿命の長期化よ
りも、クリーニング性を重視する観点から行なっていた
ことによる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の状況に対し、近
年、ウレタンゴムブレードの材料の処方に、ラクトン系
材料を使用することによって、高硬度でありながら、反
発弾性が高い材質のブレードの提供が可能となってき
た。こうなってくると、クリーニングブレードの寿命を
長期化させるため、必然的に、使用する材料の硬度を高
くしたい、特に、先に述べたように、硬度70度以上の
材料を用いたいとする要望がなされてくる。しかしなが
ら、本発明者らの検討によれば、このような高い硬度を
有するブレードを用いた場合に、従来のように、滑り性
向上を目的としてブレードの両面をナイロンコートする
と、硬くなり過ぎて、ドラムに傷がつくという不具合が
発生してしまうことが分かった。ドラムに傷がつくと、
例えば、特に、ハーフトーン画像を形成した場合に、進
行方向に傷が入った画像となってしまい、高品位の画像
形成ができなくなるという問題を生じる。
【0010】従って、本発明の目的は、長寿命化が可能
な高硬度ブレードを使用しているにもかかわらず、特
に、柔らかいトナーと硬いトナーを組み合わせて使用す
る場合にも良好なクリーニング性が達成でき、しかも、
ドラムに傷がつき、スジ画像を生じるといった不具合が
発生することがなく、より優れた耐久性を達成でき、経
済性に優れ、高品位画像を長期間にわたって安定して形
成することが可能な画像形成装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成することができる。即ち、本発明は、
画像又は転写材を担持するための担持体と、該担持体表
面に当接して配置されたブレードによって担持体上のト
ナー粉を除去するためのクリーニング装置とを有する画
像形成装置において、上記ブレードは、硬度(JIS−
A)が70度以上の材料からなり、且つ、担持体に当接
する側のみに固体潤滑剤含有樹脂層が形成されているこ
とを特徴とする画像形成装置である。
【0012】本発明の好ましい形態は、固体潤滑剤含有
樹脂層が、結着樹脂中にフッ化黒鉛粒子を分散させた塗
工液を、ブレードの担持体に当接する側の面の少なくと
も担持体と当接する部分に塗布して形成されたものが挙
げられる。又、その際に結着樹脂として、ナイロンを使
用することが好ましい。本発明の好ましい形態は、画像
形成装置が、色トナー及び黒トナーを有する複数の色の
トナーによってカラー画像を形成するカラー画像形成装
置であるものが挙げられる。更に、その際に使用するト
ナーが、色トナーに軟化点が低いものを用い、黒トナー
にこれよりも軟化点の高いものを使用する形態が挙げら
れる。又、上記クリーニング装置が、像担持体上の残ト
ナーを除去するためのもの、或いは、中間転写体上の残
トナーを除去するためのものである形態が挙げられる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好ましい形態を
挙げて本発明を詳細に説明する。本発明者らは、上記し
た従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、クリー
ニングブレードの寿命を長期化させるため、使用する材
料の硬度を70度以上と高くする場合には、滑り性を向
上させるために行う樹脂コートを従来のようにブレード
の全面に施すのではなく、感光体ドラム等の担持体と当
接する面のみに施すことが、クリーニングブレードの長
寿命化を図り、しかも、担持体に傷が付くことを抑制で
きるので、従来のようなスジ画像が発生することがなく
なり、更なる長寿命化の達成に有効であることを知見し
て本発明に至った。即ち、硬度70度以上の、高反発弾
性を有する高硬度ゴムを使用することでクリーニングブ
レードの本来の寿命を長くでき、且つ、固体潤滑剤を分
散含有する樹脂層をブレードの片面のみに形成すれば、
担持体との滑り性の向上に十分な効果が得られ、しか
も、従来のように両面にナイロンコートをした場合と比
べて圧接する感光体ドラム等へのあたりを柔らかくでき
るので、ドラム等に傷がつくことが抑制され、これによ
って画質が損なわれることが生じないため、クリーニン
グブレードを良好な状態で更に長持ちさせることができ
ることがわかった。
【0014】図面に基づいて、本発明の画像形成装置に
ついて説明する。図1に、本発明の画像形成装置の一例
のクリーニング装置の部分の断面図を示した。即ち、図
1は、画像担持体である感光体ドラムに当接された状態
のクリーニング装置(クリーニングユニット4a)を示
している。図1において、4a1は、硬度70以上のウ
レタンゴムよりなるクリーニングブレードであり、厚さ
2mm、自由長(即ちブレードの長さ。板金4a2より
出ているゴム4a1の長さ)8mmの弾性ブレードであ
り、該ブレードは、感光体ドラム3aに対してバネ(不
図示)により加重1200gで圧接している。このウレ
タンゴム製のブレードは、接着剤で、取り付け板金4a
2に取り付けられている。従って、クリーニングブレー
ドを交換する際には、この板金4a2ごと外して交換す
ることになる。
【0015】更に、上記構成の弾性ブレード4a1が接
着されている取り付け板金4a2は、図1に示したよう
に、コの字形状の板金4a3に取り付けられており、該
板金4a3は、更にクリーニングユニット枠4a4に取
り付けられている。図1に示したように、取り付け板金
4a3は、図中矢印4a5の方向に、バネ(不図示)に
よって付勢されており、上記したように、感光体ドラム
に1200gの圧力で当接されている。
【0016】又、クリーニングブレード4a1は、コの
字状の板金4a3がクリーニングユニット枠4a4に、
スラスト方向中央、即ち、このクリーニングユニットの
中央にある軸4a6で取り付けられているため、感光体
ドラム3aに対しては、イコライズ可能なように取り付
けられている。このような構造としたのは、感光体ドラ
ム3aの軸と、クリーニングユニット4aの取り付けの
平行度が完全には一致しないので、ブレード4a1の先
端の感光体ドラムへの接触状態を良好な状態に維持でき
るようにするためである。
【0017】又、ブレード4a1自体は、図1中、奥手
前へ動く、いわゆるレシプロ機構を持っている(不図
示)。上記のような構成のクリーニングブレードで掻き
落とされた、いわゆる転写残トナーは、クリーナーユニ
ット4a中のスクリュー4a6によって図中奥へと送ら
れ、回収される。
【0018】更に、クリーニングブレードの構成に関し
て、図4を参照しながら詳細に説明する。図4は、本発
明の画像形成装置を構成するクリーニングブレードを説
明するための模式図であり、図5は、従来のクリーニン
グブレードを説明するための模式図である。従来は、図
5に示したように、ウレタンゴム等の弾性体からなるブ
レード4a1の、担持体と当接する側の両面に、いわゆ
るナイロンコート4a51及び4a52が施されてい
た。かかるナイロンコートの構成については、例えば、
特開平5−66698号公報、特開平6−11856号
公報、特開平6−195010号公報、特開平6−34
2253号公報及び特開2000−147972公報等
に詳述されている。例えば、ウレタンゴムからなる基材
上に、先ず、接着層としてアルコール可溶性のナイロン
を塗布し、その上に、ナイロン等の結着樹脂からなる液
状材料にフッ化黒鉛粉末を分散させた分散液中に、クリ
ーニングブレードの担持体に当接される側の先端部分を
浸漬し、ディッピング塗布し、乾燥、過熱、硬化させる
ことで、クリーニングブレードの両面にナイロンコート
層4a51及び4a52を形成していた(図5参照)。
【0019】上記したようにしてクリーニングブレード
の表面にナイロンコート層を形成さると、感光体ドラム
との滑り性が向上する。特に、先に説明した色トナーに
通常用いられている軟化点が低いトナーを画像形成に使
用する場合には、トナーを構成している結着樹脂が感光
体ドラムに塗り付けられるので、これら残トナーを掻き
落とすためのクリーニングブレードとの摩擦力が増大
し、クリーニングブレードのめくれが発生する。このた
め、特に、色トナーを使用する画像形成装置において
は、クリーニングブレードに対するナイロンコートは必
要不可欠なものとなっている。
【0020】本発明では、クリーニングブレードの基材
として、JIS−Aに準じて測定した硬度が70以上の
材料を用い、且つ、図4に示したように、担持体に当接
する側のみに固体潤滑剤含有樹脂層4a31が形成され
ていることを特徴とする。固体潤滑剤としては、従来と
同様に、フッ化黒鉛を使用することができる。上記フッ
化黒鉛として使用できるものは、例えば、(C2F)n
であるセフボンDM(セントラル硝子社製)、(CF)n
型であるセフボンCMA、セフボンCMF(セントラル
硝子社製)、フッ化炭素#2065、#1030、#1
000(旭硝子社製)、CF−100(日本カーボ
ン)、又、(CF)n型でフッ素化率を変えたフッ化炭素
#2028、#2010(旭硝子社製)、−(CH2
2)n−で表されるPVDF(ポリフッ化ビニリデン、
例えば、カイナー、ホラフロン等)、更には、上記フッ
化黒鉛をアミン等の塩基で処理し、表面のフッ素を除去
したもの等が挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。又、本発明で使用するフッ化黒鉛の平均粒子径
は、トナーのクリーニング性能を損なわないために20
μm以下、特に、1μm〜8μmの範囲のものを使用す
ることが好ましい。
【0021】クリーニングブレードの表面に、これらの
固体潤滑剤を保持するために必要な結着樹脂としては、
従来と同様にナイロンを用いることが好ましい。この際
に使用するナイロンとしては、フッ化黒鉛等の固体潤滑
剤をクリーニングブレードの表面に均一な状態で保持す
ることができ、クリーニングブレードを感光体ドラム等
の担持体表面に圧接して、転写残トナーを掻き落とした
場合に、固体潤滑剤が脱落したり、樹脂層が剥離するこ
とがなく、更には、クリーニングブレードの一部に容易
に固体潤滑剤含有樹脂層を形成できる塗工性のよいもの
であればいずれのものでもよい。例えば、このコーティ
ング剤は、製造の簡便さの観点から溶剤に可溶であるの
が好ましく、市販されているものとしてはプラタミドM
1276、M995(プラーテ・ボン社製)、CM40
00(東レ社製)或いは架橋可能であるトレンジンF3
0、MF30、EF30T(帝国化学産業社製)等を使
用することが好ましい。
【0022】上記した材料によって形成する固体潤滑剤
含有樹脂層の厚みは、10〜35μm、好ましくは、1
7μm±3μm程度とする。これは、樹脂層の厚みが薄
すぎると、クリーニングブレードに、固体潤滑剤によっ
て滑べり性を付与する目的が達成されなくなるからであ
る。特に、固体潤滑剤であるフッ化黒鉛を15重量%添
加したナイロンコートでは、10μm以上とすることが
好ましい。このフッ化黒鉛の結着樹脂中の含有量は、被
膜形成能を考慮した場合には20重量%程度とするのが
限界であり、この点からも、ナイロンコートを薄くし
て、且つ悪くなる滑り性を確保するためにフッ化黒鉛を
多く入れようとしても出来ず、よって膜厚としては10
μm以下にはできない。一方、樹脂層の厚みが35μm
を超えると、コートが不安定になり、ひび割れ、乾燥不
良等を発生するので好ましくない。
【0023】先に挙げた公報等に開示されているよう
に、従来より、クリーニングブレードの表面にナイロン
コートすることは知られている。しかしながら、製法
上、クリーニングブレードの片面にコート可能であると
の記載はあるものの、本発明で使用するクリーニングブ
レードの構成のように、硬度70度以上の硬い材料を用
いることで反発弾性を高くしたクリーニングブレードの
寿命を十分に長くできる系において、クリーニングブレ
ードにナイロンコートをする場合に、クリーニングブレ
ードの片面のみにコートを施すことについては知られて
いない。更に、上記構成により、ブレードが硬くなり過
ぎないようにできる結果、カラー画像の形成の際に特に
必要な、軟化点が低い結着樹脂を用いた柔らかいトナー
を使用する場合においても、転写残トナーの良好なクリ
ーニングができ、クリーニングブレードのより長寿化が
達成できるという顕著な効果についても知られていな
い。特に、スジ画像の原因が、硬度70度以上の硬いク
リーニングブレードの表面に形成するナイロンコートが
硬過ぎることにあり、これが当接することで担持体を傷
つけ、画質の低下を生じるが、ナイロンコートする部位
をクリーニングブレードの片面とすることで、担持体と
クリーニングブレードとの接触をソフトにでき、上記の
課題を解決できるという効果は、新規なものである。
【0024】又、上記効果は、特に、後述する、複数の
色のトナーを使用する、例えば、Y(イエロー)、M
(マゼンタ)、C(シアン)及びBk(黒)の各画像形
成部を有する4ドラム方式の画像形成装置にて使用する
場合に顕著な効果が得られる。勿論、これに限らず、従
来公知の、画像形成部が1個である1ドラム方式等の画
像形成装置についても上記効果が得られるが、4ドラム
方式画像形成装置の方が本発明の効果は大きい。なぜな
ら、4ドラム方式画像形成装置の方が、感光体ドラムと
クリーニングブレードとの摩擦力アップが起こり易く、
ブレードの寿命を縮める傾向があるからである。
【0025】即ち、4ドラム方式画像形成装置において
は、例えば、黒のみの文字原稿のような時は、Y、M、
Cの各画像形成部では白画像形成が行なわれているた
め、クリーニングブレードの感光体ドラムとの摩擦力は
上昇する。これに対し、クリーニングブレード表面にナ
イロンコートすると、当接される感光体ドラム等の担持
体に対するクリーニングブレードの滑り性を向上できる
ので、摩擦力の上昇を回避することができる。本発明者
らの検討によれば、クリーニングブレードに対し、担持
体に当接する側のみの片面コートによっても滑り性が向
上し、十分に摩擦力の上昇を抑制することができ、しか
も、片面コートであれば、ナイロンコートを施していな
がら、両面コートした場合のようにクリーニングブレー
ドが硬くなり過ぎないため、担持体に傷を付けることが
ない。一方、中くらいの硬度、例えば、硬度67度位で
両面にナイロンコートするとの考え方もある。しかし、
本発明者らの検討によれば、かかる構成では、長寿命化
と、担持体に生じる傷の発生の抑制との両立が難しく、
長寿命化の観点から、硬度70度以上の材料を用い、且
つ、担持体に当接する側のみに固体潤滑剤含有樹脂層を
形成する片面コートをする本発明の構成が最適であるこ
とがわかった。
【0026】次に、上記したような構成のクリーニング
ブレードを有する本発明の画像形成装置について説明す
る。先ず、多重転写方式の画像形成装置について説明す
るが、上記したクリーニングブレードが使用される以外
は、従来の多重転写方式の画像形成装置と同様である。
図2は、従来より知られている多重転写方式の4ドラム
画像形成装置の一例を示したものである。かかる装置で
は、例えば、Y、M、C及びBk(黒)の4個の画像形
成部を備え、これらの画像形成部で、感光体ドラム上の
静電潜像をそれぞれ色の異なったトナー(現像剤)で現
像して顕画像であるトナー像を形成し、これらのトナー
像を、同一の被転写材(紙等)上に順次重ね合わせて転
写し、その後、定着してカラー画像が形成される。
【0027】図2において、3a、3b、3c及び3d
は、4個の感光体ドラムを示しているが、回転可能であ
り、それらの外周には、それぞれ、帯電器2a、2b、
2c及び2d、電位センサー113a、113b、11
3c及び113d、現像器1a、1b、1c及び1d、
転写帯電器24a、24b、24c及び24dが設けら
れており、それぞれが画像形成部を構成している。更
に、3a、3b、3c及び3dの各感光ドラムに当接し
た状態で、クリーナー4a、4b、4c及び4dが設け
られているが、本発明の画像形成装置においては、これ
らのクリーナーとして、図1に示したような構成のクリ
ーニング装置が用いられる。この際、4個の全てに図1
に示した構成のクリーニング装置を用いることが好まし
いが、少なくとも、通常、軟化点の低い結着樹脂が用い
られる色トナー用の画像形成部のクリーナーに使用する
ことが好ましい。画像形成部の上方部には、更に図示し
ない光源装置、及びポリゴンミラー117が設置されて
いる。
【0028】上記の画像形成装置においては、下記のよ
うにして画像形成が行われる。像担持体としての感光体
ドラム3a、3b、3c及び3dは、帯電器2a、2
b、2c及び2dで所定電位に帯電された後、光源装置
から発せられたレーザー光を、ポリゴンミラー117を
回転して走査し、その走査光の光束を反射ミラーによっ
て偏向し、不図示のfθレンズにより感光体ドラム3
a、3b、3c及び3dの母線上に集光して露光するこ
とによって、感光体ドラム3a、3b、3c及び3d上
に画像信号に応じた静電潜像が形成される。
【0029】現像器1a、1b、1c及び1dには、現
像剤としてキャリアとトナーよりなる2成分現像剤が収
納されているが、図1に示した装置では、かかる現像剤
を構成するトナーとして、シアン、マゼンタ、イエロー
及びブラックの4色のトナーが、それぞれ図示しない供
給装置によって所定量充填される。尚、現像剤を構成す
るキャリアは、フェライト等よりなる磁性体であり、そ
の粒径は、約35ミクロンである。
【0030】本発明においては、現像剤を構成するトナ
ーとして、例えば、シャープメルト性に優れる低融点ポ
リエステルよりなる結着樹脂と、それぞれの色よりなる
着色材とからなるトナー粒子と、更に、トナーに電荷と
流動性を付与するため、トナー粒子の表面に外添付与さ
れたアルミナ約1重量%と、酸化チタン0.3重量%の
外添剤とからなるものを使用することが好ましい。
【0031】上記で説明した現像器1a、1b、1c及
び1dでは、それぞれの感光体ドラム3a、3b、3c
及び3d上の静電潜像が現像され、シアントナー像、マ
ゼンタトナー像、イエロートナー像及びブラックトナー
像として可視化される。記録材Pは、記録材カセット1
0に収容され、そこから複数の搬送ローラにより搬送路
65を通り、レジストローラ12を経て転写ベルト1上
に供給され、転写ベルト1により搬送されて感光体ドラ
ム3a、3b、3c及び3dと対向した転写部に順次送
られる。
【0032】転写ベルト1は、ポリイミド、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリフッ化ビニリデン及
びポリウレタン等の誘電体樹脂シートからなっており、
その両端部を互いに重ね合わせて接合し、エンドレス形
状にしたものか、或いは、継ぎ目を有しない(シームレ
ス)ベルトが用いられる。このような転写ベルトの体積
抵抗は1013〜1018Ωcmのものが一般的である。図
2に示した装置では、ポリイミド樹脂シートを用いた。
【0033】さて、駆動ローラ13及び張架ローラ15
で支持された転写ベルト1は、駆動ローラ13の駆動に
より回転し、所定の位置にあることが確認されると、記
録材Pがレジストローラ12から転写ベルト1に送り出
され、記録材Pが、第1画像形成部Paの転写部へ向け
て搬送される。これと同期して、感光体ドラムに一次帯
電器より均一マイナス帯電が施される。更に、画像書き
出し信号がオンとなり、それを基準としてあるタイミン
グで第1画像形成部(以下、第一ステーション)Paの
感光体ドラム3aに対し画像形成が行われる。
【0034】現像部9においては、現像スリーブが回転
して、感光体ドラムに対し現像剤が供給され、現像バイ
アスが印加される。図2に示した装置では、一次帯電が
約−700Vの時、現像バイアスは、AC2kVpp、D
C−550Vである。この場合、一次帯電と、現像バイ
アスとの差の絶対値150Vはブイバックと呼ばれる
が、いわゆるかぶりとり電位である。
【0035】感光体ドラムへのレーザーの照射は、デジ
タル信号で行われ、00hの時は、レーザーは殆どオフ
で、感光体ドラム上へはトナーは載らない。FFhとい
う高い信号をレーザーに与えると、この時はレーザーは
フル点灯状態となり、感光体ドラムの電位が0Vに近く
なり、トナーが多量に載る、いわゆるべた現像である。
その中間、例えば、20hや30hは、中程度のレーザ
ー点灯で、トナーが薄く感光体ドラムへ載る状態とな
る。
【0036】引き続き、感光体ドラム3aの下側にある
転写部で転写帯電器24aが電界又は電荷を付与するこ
とにより、感光体ドラム3a上に形成された第1色目の
トナー像が記録材P上に転写される。この転写により記
録材Pは転写ベルト1上に静電吸着力でしっかりと保持
され、第2画像形成部(以下第二ステーション)Pb以
降に搬送される。又、転写と同時に記録材Pを転写ベル
ト1上に静電吸着するのではなく、転写前に吸着帯電器
5を設ける場合もある。吸着帯電器は、コロナ放電のよ
うな非接触帯電器、又はブレード、ローラ、ブラシのよ
うな帯電部材を用いた接触帯電器を用いる。
【0037】転写帯電器24も同様に、コロナ放電のよ
うな非接触帯電器、又はブレード、ローラ、ブラシのよ
うな転写帯電部材を用いた接触帯電器を用いる。非接触
帯電器では、オゾンが発生してしまうこと、空気を介し
て帯電するため大気の温湿度環境変動に弱く、画像が安
定的に形成されない等の問題点がある。一方、接触帯電
器では、オゾンレス、温湿度環境変動に強い、高画質が
得られる等のメリットがある。又、転写性の安定のため
に、除電針7a、7b、7c及び7dを設ける場合もあ
る。これらの除電針は転写ベルト1には非接触である
が、転写電流の一部を放電して逃がす役割を果たしてい
る。この構成により、感光体ドラムと記録紙が剥離する
ときの剥離放電に伴うトナー像の乱れを防止することが
できる。
【0038】第2〜第4画像形成部(第2〜第4ステー
ション)Pb〜Pdでの画像形成、転写も第1ステーシ
ョンPaと同様に行われる。次いで4色のトナー像を転
写された記録材Pは、転写ベルト1の搬送方向下流部で
分離帯電器32により除電して静電吸着力を減衰させる
ことによって、転写ベルト1の末端から離脱する。特
に、低湿環境では記録材も乾燥して電気抵抗が高くなる
ため、転写ベルトとの静電吸着力が大きくなり、分離帯
電器が必要である。通常、分離帯電器は、トナー像未定
着の状態で記録材Pに帯電するため、非接触帯電器が用
いられる。離脱した記録材Pは、ガイド部材64に支持
され、更に搬送部62により定着装置9へ搬送される。
【0039】定着装置9は、定着ローラ51、加圧ロー
ラ52と、その各々をクリーニングする耐熱性クリーニ
ング部材54、55とローラ51、52内に設置された
ローラ加熱ヒータ56、57と、定着ローラ51にジメ
チルシリコーンオイル等の離型剤オイルを塗布する塗布
ローラ50と、そのオイルを溜めておくオイル溜めトレ
イ53と、加圧ローラ52の表面の温度を検知して定着
温度を制御するサーミスタ58とから構成されている。
図2に示した定着装置では、従来公知の測定方法にて、
A4一枚あたり、約20mg、オイルが前記塗布ローラ
ー50から塗布される。
【0040】4色のトナー像を転写された記録材Pは、
上記の定着装置9による定着によって、トナー像の混色
及び記録材Pへの固定が行われ、フルカラーのコピー画
像に形成され、排紙トレイ63に排出される。
【0041】転写が終了した感光体ドラム3a、3b、
3c及び3dは、それぞれの感光体ドラム用のクリーナ
ー4a、4b、4c及び4dによって転写残トナーをク
リーニング、除去され、引き続き、次の、静電潜像の形
成以下の過程に備える。転写ベルト1上に残留したトナ
ー及びその他の汚れは、転写ベルト1に当接したウレタ
ンゴムからなるクリーニングブレード8aで除去し、回
収容器8bに回収する。更に、クリーニングを終えた転
写ベルト1は、除電ローラ21、22により表面の残留
電荷が除去され、次の転写工程に備える。
【0042】転写帯電手段24は、転写時に寄与する電
流を適正電流で一定にすると画像が安定することが知ら
れている。そこで、記録材の種類(厚さ、材質等)や吸
湿条件等により、体積抵抗値が変化した場合にも一定電
流が得られる様に定電流制御を行うことが一般的であ
る。
【0043】片面プリント工程では、記録材カセット1
0から搬送された記録材Pにトナー像を転写、定着し
て、直ちに排紙トレイ63に排出する。一方、両面プリ
ント工程では、片面プリント工程で定着を終えた記録材
Pを排出せずに搬送路67に送り、スイッチバックさせ
て両面搬送路66に送り、続いて、搬送路65を経て再
び転写ベルト1上に搬送する。このとき記録材Pのトナ
ー像が定着した面が転写ベルト1に接するように置か
れ、以後、片面プリント工程と同様にして、記録材Pの
裏面にトナー像が転写、定着されて排出される。記録材
Pは片面の定着時に定着オイルが塗布された定着ローラ
51に接するため、記録材Pの表面に定着オイルが付着
する。このため、裏面への転写時に転写ベルト1上に置
かれた記録材Pから、転写ベルト1に定着オイルが転移
し、転写ベルト1に定着オイルが付着する。記録材とし
て紙を使用した場合、紙上でトナー像がない白地部に付
着した定着オイルは、ほぼ紙中に吸収され、紙の表面に
残存するオイル量は少ない。しかし、トナー像がある部
分では付着したオイルの一部がトナー像に吸収される
が、殆どがトナー像表面に残るため、転写ベルト1に転
移するオイルが多くなる。従って、トナー像の占有面積
が高く、高濃度画像ほど、転写ベルト1へのオイル付着
量が増える傾向がある。
【0044】次に、本発明の画像形成装置の別の形態で
ある中間転写体を用い、該中間転写体上に、一旦、上記
のようにして各画像形成部で形成した像担持体上の各色
トナー像を重ね合わせた像を形成し、最後に、被転写材
に一括転写させる中間体構成の本発明の画像形成装置に
ついて、図3を参照しながら説明する。図3に示した装
置は、中間体構成の、例えば、Y、M、C及びBk
(黒)の4色の画像形成が可能な4ドラム画像形成装置
の例である。
【0045】図3の中間体構成の画像形成装置において
は、担持体としての中間転写体140は、先に説明した
図2の多重転写方式の画像形成装置における転写ベルト
1と同様に、ポリイミド樹脂等からなるエンドレスのベ
ルト体で、図中の矢印方向に回転するように構成されて
いる。先に説明したと同様にして、各感光体ドラム3
a、3b、3c及び3d上に形成された4色のトナー像
は、1次転写帯電手段24a、24b、24c及び24
dによって中間転写体140上に順次重ねて転写された
後、中間転写体140の回転によって2次転写位置70
に運ばれる。記録材カセット10から搬送された記録材
Pは、中間転写体上のトナー像の移動にタイミングを合
わせて2次転写位置70に送られ、記録材Pにトナー像
を接すると同時に、2次転写帯電手段80に転写バイア
スを印加して、トナー像を記録材Pに転写する。2次転
写帯電手段80には、導電若しくは半導電性ゴムからな
る転写ローラを用いた。転写を終えた記録材P上のトナ
ー像は、搬送部62、定着装置9を経て、記録材P上に
定着される。又、両面プリント時には、片面の定着を終
えた記録材Pを、搬送路67、66を経て再び2次転写
位置70に送り、記録材の裏面にトナー像を転写する。
【0046】この構成において、2次転写手段80は、
定着オイルが付着した記録材Pに接するため、2次転写
手段80の表面に定着オイルが付着する。又、2次転写
手段80は中間転写体140に接するため、中間転写体
上のかぶりトナーが2次転写手段80に転写する。この
ため、2次転写手段に付着したオイルとかぶりトナーを
除去するため、2次転写手段にクリーニングブレード8
1を当接してある。
【0047】更に、2次転写後に中間転写体140上に
残留した転写残トナーを除去するため、中間転写体14
0にクリーニングブレード90が当接してある。このよ
うな中間体構成の装置では、中間体ベルトを、画像間に
て確実に清掃する必要があり、特に、先に述べた多重方
式の画像形成装置における転写ベルトでは、適度な転写
ベルトクリーニングでよかったのに対し、より確実にベ
ルト又は転写手段をクリーニングする必要がある。これ
は、中間体構成の画像形成装置においては、次の画像形
成時、転写ベルト140の上や、転写手段80上に先の
画像のトナーが残留していると、次の画像が汚くなるの
に対し、多重方式の画像形成装置では、紙の裏が汚れる
程度で、中間体方式よりは、その性能が厳しく要求され
ないからである。
【0048】このような中間体の中間転写体である転写
ベルト140及び/又は転写手段80へのクリーニング
においては、特に、厳しい当接条件が要求される。詳し
くは、クリーニングブレードの中間体への圧力が高く
又、接触角度θが立っているため(例えば、転写ベルト
140に対して当接角度θ=35度)、中間体用のクリ
ーニングブレードと中間体ベルトとの間の摩擦力が上昇
し易い。本発明においては、このようなクリーニングブ
レードに、先に説明した本発明で使用する、硬度が70
以上と高硬度で、高反発弾性の弾性体材料を用い、且
つ、その片面に固体潤滑剤含有樹脂層が形成されている
クリーニングブレードを採用する。この結果、高硬度の
材料でありながら、中間転写体とクリーニングブレード
との接触がソフトになるので、摩擦力を低下し、中間転
写体に傷を付けることが生じないので、良好な状態のク
リーニングができる。
【0049】以上説明したように、本発明の画像形成装
置は、担持体上に画像又は転写材を担持し、該担持体上
に残留する転写トナー粉を除去するためのブレードタイ
プのクリーニング装置を設けた画像形成装置であり、該
ブレードとして、硬度が70度(JIS−A)以上で、
且つ、担持体側の面のみに固体潤滑剤含有樹脂層を形成
したブレードを使用することで、軟化点の低い柔らかい
トナーを使用した場合においても、良好な状態でのクリ
ーニングが可能で、且つ、画像品位が損なわれることな
く、長寿命化を達成されるクリーニング装置が得られ
る。
【0050】
【実施例】以下に、実施例及び従来例を挙げて本発明を
更に詳細に説明する。 <実施例1>実施例1では、図1に示した構成のクリー
ニングブレードを有する図2に示した多重転写方式の画
像形成装置を提供する。本実施例で使用するクリーニン
グブレードは、硬度78度、反発弾性39のウレタンゴ
ムからなるベースゴムを使用し、該ベースゴムの使用す
る面、即ち、感光体ドラムと当接する面のみに固体潤滑
剤含有樹脂層の形成を行った。該固体潤滑剤含有樹脂層
の形成は、下記のようにして行った。先ず、ベースゴム
の感光体ドラムと当接する側の面に、アルコール可溶性
のナイロン(一般市販品)を塗布して接着層を形成し
た。その上に、予め調製した液状のナイロン プラタミ
ドM995(商品名)に、15重量%のフッ化黒鉛粉末
セフボン−DM(商品名、セントラル硝子社製、平均
粒子径3μm)を分散した分散液を塗布し、乾燥、過
熱、硬化させることで、片面にナイロンコート層を形成
した本実施例の像担持体用のクリーニングブレードを形
成した。この際の塗工方法としては、スプレー法を用い
た。
【0051】上記で得られた本実施例のクリーニングブ
レードを、図2に示した多重転写方式のフルカラー画像
形成装置の像担持体用のクリーニングブレードとして使
用し、該装置にポリエステル樹脂を各色顔料にて着色し
たシャープメルトトナーを用いて画出しを行い、耐久試
験を行なった。その結果、寿命が100km以上と長持
ちした。ここで寿命とは、ブレードのエッジが欠け、ト
ナーが、そこからすりぬける状態になった時点をいう。
一方、耐久試験後、感光体ドラムを観察したところ、傷
も殆どなく、従来のようなすじ画像が発生することがな
かった。これは、高反発弾性、高硬度のゴムを使用した
ことにより、クリーニングブレードの元来の寿命が長く
なったことに加え、更に、ナイロンコートを片面のみに
したため、ドラムへのクリーニングブレードのあたりが
柔らかくなり、この結果、ドラムに傷がつくことがな
く、より長持ちするようになったためと考えられる。
【0052】これに対し、ベース材料であるゴム硬度を
低くすることは、ブレードエッジの欠け等を生じ易く、
クリーニングブレードの寿命が短くなることに繋がる。
上記した構成の本実施例のクリーニングブレードでは、
ベースゴム硬度を78と高く保ったまま、反発弾性が高
いことを利用して長寿命化を図り、且つ、その片面にナ
イロンコートすることで、両面にナイロンコートした場
合よりも柔らかくすることを実現し、良好なクリーニン
グ性を保ったまま、当接する相手の像担持体に傷を生じ
させないという効果が得られる。
【0053】<比較例1>ブレード硬度62度、反発弾
性9のウレタンゴムからなるベースゴムを使用し、その
両面に実施例1と同様の材料で接着層を形成し、その
後、実施例1で使用したと同様の分散液を用いて、ディ
ッピング塗布し、同様に、乾燥、過熱、硬化させること
で、両面にナイロンコートを施した。得られたクリーニ
ングブレードを用いて、実施例1と同様の方法で耐久試
験を行なったところ、寿命は約60kmであり、この時
点で、ブレードエッジの欠けが発生し、クリーニング不
良が発生した。
【0054】<実施例2>実施例1で用いたと同様の多
重転写方式の画像形成装置に、先に説明したトナーの軟
化点の測定において、T1=110℃、ΔT=15℃の
柔らかい色トナーと、T1=160℃、ΔT=25℃の
硬い黒トナーとを組み合わせて搭載して使用した。本実
施例では、硬度82度、反発弾性35のウレタン製のベ
ースゴムを用い、実施例1と同様にして、片面にナイロ
ンコートを施した感光体ドラム用のクリーニングブレー
ドを用いた。そして、実施例1と同様の方法で耐久試験
を行ったところ、本実施例の場合も、軟化点の低い、柔
らかいカラートナーのクリーニング性を確保しつつ、先
述様に、クリーニング性の有利な黒トナーのクリーニン
グも行なえ、しかも、実施例1と同様に、寿命が100
km以上と長く、良好なクリーニング性と長寿命化を達
成することができた。
【0055】<実施例3及び比較例2>本実施例は、図
3に示した構成の中間体構成の4ドラム画像形成装置の
中間転写体用のクリーニングブレードに、本発明で使用
する構成のクリーニングブレードを適用したものであ
る。即ち、本実施例では、担持体としての中間転写体
に、ポリイミド樹脂からなるエンドレスのベルトからな
る中間転写体140を用いた。本実施例では、該中間転
写体140上に残留した転写残トナーを除去するため
に、中間転写体140にクリーニングブレード90が当
接されたものを使用した。本実施例では、クリーニング
ブレードに、実施例1で用いたと同じ、高硬度、高反発
弾性のベースゴムを用い、その片面にナイロンコートし
たブレードを用いた。
【0056】これに対し、比較例1で、感光体ドラム用
のクリーニングブレードに使用したと同様の、低硬度
で、低反発弾性のベースゴムを用い、その両面にナイロ
ンコートしたクリーニングブレードを、図3に示した装
置の中間転写体用のクリーニングブレードとしたものを
比較例2とした。
【0057】上記で得られたそれぞれのクリーニングブ
レードが、中間転写体用のものに適用されている画像装
置で、実施例1と同様の方法でクリーニングを行なっ
た。そして、実施例1及び2と同様の条件で、それぞれ
画出し耐久試験を行った。その結果、低硬度で、低反発
弾性のベースゴムを用い、両面をナイロンコートしたブ
レードでクリーニングを行なう比較例2の装置と比べ、
実施例3の装置では、寿命が倍以上となり、ブレードエ
ッジの欠けや、トナーのすりぬけ、即ち、画像汚れが発
生せず、長期間にわたって良好にクリーニングを行なう
ことが可能であった。
【0058】<実施例4>更に、実施例3で使用したと
同様の中間体構成の4ドラム画像形成装置の中間転写体
用のクリーニングブレードに、実施例2で使用したと同
様のクリーニングブレードを用い、更に、実施例2で使
用したと同様のトナーを用いて耐久試験を行ったとこ
ろ、実施例3と同様に良好な結果が得られた。
【0059】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、担持体上に画像又は転写材を担持する担持体上の残
トナー粉を除去するためのブレードタイプのクリーニン
グ装置を設けた画像形成装置において、シャープメルト
トナーを用いた場合にも、又、軟化点の違うトナーが組
み合わされて用された場合にも、クリーニングブレード
の寿命を長くでき、しかも、クリーニングブレードが当
接される相手である像担持体や中間転写体等を傷つける
ことがなく、これによって生じるすじ画像等の画質低下
が生じることのない、経済性に優れ、高品位画像を長期
間にわたって安定して形成できる画像形成装置が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するクリーニング装置の構成図で
ある。
【図2】本発明の画像形成装置の一例の全体断面図であ
る。
【図3】本発明の画像形成装置の別の例の部分断面図で
ある。
【図4】本発明で使用するクリーニング装置に使用する
クリーニングブレードを示す概略図である。
【図5】従来の画像形成装置に使用されているクリーニ
ングブレードの両面にナイロンコートが施されているブ
レードを示す概略図である。
【符号の説明】
1:転写ベルト 4a1:クリーニングブレード 8a:クリーニングブレード 9:定着装置 24a、24b、24c、24d:転写帯電手段 64:ガイド部材 140:中間転写体 80:2次転写手段 81:クリーニングブレード 90:クリーニングブレード
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/01 C10N 20:06 Z 15/16 40:06 // C10N 20:06 50:02 40:06 50:08 50:02 G03G 21/00 318 50:08 9/08 361 Fターム(参考) 2H005 AA21 EA03 2H030 AB02 AD01 AD03 BB02 BB42 BB44 2H032 BA05 BA09 BA18 BA30 2H034 AA07 BF01 BF03 BF05 BF06 4H104 AA05A CE13C EA08A PA04 QA08 QA12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像又は転写材を担持するための担持体
    と、該担持体表面に当接して配置されたブレードによっ
    て担持体上のトナー粉を除去するためのクリーニング装
    置とを有する画像形成装置において、上記ブレードは、
    硬度(JIS−A)が70度以上の材料からなり、且
    つ、担持体に当接する側のみに固体潤滑剤含有樹脂層が
    形成されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 固体潤滑剤含有樹脂層が、結着樹脂中に
    フッ化黒鉛粒子を分散させた塗工液を、ブレードの担持
    体に当接する側の面の少なくとも担持体と当接する部分
    に塗布して形成される請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 結着樹脂が、ナイロンである請求項2に
    記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 画像形成装置が、色トナー及び黒トナー
    を有する複数の色のトナーによってカラー画像を形成す
    るカラー画像形成装置である請求項1に記載の画像形成
    装置。
  5. 【請求項5】 トナーが、軟化点が低い色トナーと、軟
    化点が高い黒トナーの組み合わせである請求項4に記載
    の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 クリーニング装置が、像担持体用のクリ
    ーニング装置である請求項1に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 クリーニング装置が、中間転写体用のク
    リーニング装置である請求項1に記載の画像形成装置。
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