JP2002235052A - 粘着シート及び該粘着シートの製造方法 - Google Patents

粘着シート及び該粘着シートの製造方法

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JP2002235052A
JP2002235052A JP2001034773A JP2001034773A JP2002235052A JP 2002235052 A JP2002235052 A JP 2002235052A JP 2001034773 A JP2001034773 A JP 2001034773A JP 2001034773 A JP2001034773 A JP 2001034773A JP 2002235052 A JP2002235052 A JP 2002235052A
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Japan
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sensitive adhesive
resin layer
pressure
compound
isocyanate
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Withdrawn
Application number
JP2001034773A
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English (en)
Inventor
Akifumi Kuwabara
章史 桑原
Yoshinori Kano
美紀 鹿野
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 強靱で且つ伸張性を有し、カッティング適
性、耐候性、耐汚染性に優れた装飾用粘着シートを提供
する。 【解決手段】 イソシアネート基と反応可能な官能基を
2個以上有するアクリルポリマー(A)及びイソシアネート
基と反応可能な官能基を2個以上有する、ポリエーテ
ル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリブタジエン
から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)と、2個以上の
イソシアネート基を有するイソシアネート化合物(C)と
の反応生成物を含有し、厚みが20〜100μmである樹脂
層、25℃の条件下で降伏値0.7〜2.2kg/mm2、引裂き強度
300〜900g、厚み30〜90μmのオレフィンフィルム、粘
着剤層、離型シートが順次積層されてなる粘着シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋外及び屋内の装
飾またはマーキングに使用する粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、自動車、二輪車、モーターボー
ト、スノーモービル、家電、電子機器等の成形体や外装
板、内装材、建材、各種案内板、交通標識、屋内・屋外
広告、看板、シャッター、ウインドウなどに、着色、装
飾、表示を施し、さらには、耐候性や、防汚性、各種耐
性等の様々な表面機能を付与する、いわゆるマーキング
シートの分野に様々なプラスチックシートが使用されて
いる。以下、マーキングシートの利用について説明す
る。着色されたプラスチックシートの一方の面に粘着加
工を施し(粘着剤層及び剥離シートを設け)、カッティ
ングプロッターで裏面の粘着剤層ごと着色されたプラス
チックシート上に所望の図柄や文字の切れ目を入れる
(カッティングする)。不要な部分のカス取りを行った
上でアプリケーションフィルムと呼ばれる微粘着のフィ
ルムに図柄・文字部分を貼着し、裏面の粘着剤層ごと図
柄・文字部分を着色プラスチックシート側からアプリケ
ーションフィルムに転移させる。次いで、粘着剤層を被
着体に貼着し、アプリケーションフィルムをはがすこと
によって、被着体に図柄・文字等を簡便に形成すること
ができる。あるいは、無色透明もしくは着色されたプラ
スチックシートの片面に粘着剤層及び剥離シートを設
け、他方の面に種々の印刷方法等で図柄や文字を形成し
た後、カッティングプロッターでその図柄の周囲を粘着
剤層ごと切り、以下同様にアプリケーションフィルムを
用いて被着体に図柄を貼着することもできる。
【0003】このようなマーキングシート分野では、多
くの場合、(着色)プラスチックシート用の材料に、半
硬質もしくは軟質の塩化ビニル樹脂組成物が用いられて
いる。しかし、これらの半硬質もしくは軟質の塩化ビニ
ル樹脂組成物には、成形加工性、伸張性等の物性を付与
するために、低分子量化合物、例えば、フタル酸系の可
塑剤などが多量に添加されている。これらの可塑剤は移
行性が大きいため、経時的にシート表面に移行して外観
を損ねたり、被着体に移行して接着力を低下させたり、
基材の膨張によるふくれ、しわを発生させたりするとい
う問題があった。また、可塑剤が表面や被着体に移行す
ることにより、塩化ビニル樹脂組成物の伸張性が失わ
れ、成形加工時の状態が保持できなくなるという問題も
あった。また、軟質の塩化ビニル樹脂は、硬度が低く、
耐摩耗性、耐擦傷性に劣るという問題も有していた。
【0004】(着色)プラスチックシート用材料として
は、その他に、ポリメチルメタクリレートなどのアクリ
ル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、
ポリプロピレン等が一般に知られている。しかし、ポリ
メチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレートは、強靱性は有しているが、伸張性に
劣るため、シートにした場合、特に常温では成形加工が
しにくく、軟質化するためには塩化ビニル樹脂と同様
に、低分子量の可塑剤を添加しなければならない。ま
た、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピ
レンは、高分子量の場合には、顔料などの着色剤の分散
性が低く、着色が困難となり、装飾性が著しく損なわれ
るという問題があり、低分子量の場合には、シートにし
た時の強靱性に劣るという問題があった。また、伸張性
を有する(着色)プラスチックシート用材料としては、
ポリエステルジオールとイソシアネート化合物の硬化物
であるウレタン樹脂などが知られているが、これは、強
靱性に劣ったり、耐候性が低い等の問題を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、強靱
で且つ伸張性を有し、カッティング適性、耐候性、耐汚
染性に優れた装飾用粘着シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の物
性を有するオレフィンフィルムの片面に、イソシアネー
ト基と反応可能な官能基を2個以上有するアクリルポリ
マー(A)、イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以
上有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネ
ート、ポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種の化
合物(B)を2個以上のイソシアネート基を有するイソシア
ネート化合物(C)で架橋させてなる20〜100μmの樹脂層
を設けることにより、従来の塩化ビニル系の装飾用粘着
シートよりも耐候性に優れたシートを作成し得ることを
見出し、本発明に至った。すなわち、第1の発明は、樹
脂層、オレフィンフィルム、粘着剤層、離型シートが順
次積層されてなる粘着シートであって、前記オレフィン
フィルムが、25℃の条件下で降伏値0.7〜2.2kg/mm2、引
裂き強度300〜900g、厚み30〜90μmであり、前記樹脂
層が、イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上
有するアクリルポリマー(A)及びイソシアネート基と反
応可能な官能基を2個以上有する、ポリエーテル、ポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリブタジエンから選ば
れる少なくとも1種の化合物(B)と、2個以上のイソシア
ネート基を有するイソシアネート化合物(C)との反応生
成物を含有し、ガラス転移温度が50〜120℃であり、0℃
における貯蔵弾性率Er7.5×108〜5.0×109Pa、tanδ
が7.0×10-2〜2.5×10-1であり、50℃における貯蔵弾性
率Erが1.0×108〜2.0×109Pa、tanδが1.0×10-1〜6.
0×10-1であり、かつ80℃における貯蔵弾性率Erが8.0
×106〜1.3×108Paであり、前記樹脂層の厚みが20〜100
μmであることを特徴とする粘着シートであり、第2の
発明は、樹脂層が、さらに着色剤を含有する着色樹脂層
であることを特徴とする第1の発明記載の粘着シートで
ある。
【0007】さらに第3の発明は、25℃における降伏値
0.7〜2.2kg/mm2、引裂き強度300〜900g、厚みが30〜90
μmのオレフィンフィルムの一方の面に、イソシアネー
ト基と反応可能な官能基を2個以上有するアクリルポリ
マー(A)、イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以
上有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネ
ート、ポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種の化
合物(B)、及び2個以上のイソシアネート基を有するイソ
シアネート化合物(C)を含有する樹脂組成物を塗布し、
加熱硬化させ、ガラス転移温度が50〜120℃であり、0℃
における貯蔵弾性率Erが7.5×108〜5.0×109Pa、tan
δが7.0×10-2〜2.5×10-1であり、50℃における貯蔵弾
性率Erが1.0×108〜2.0×109Pa、tanδが1.0×10-1
6.0×10-1であり、かつ80℃における貯蔵弾性率Erが
8.0×106〜1.3×108Paであり、前記樹脂層の厚みが20〜
100μmの樹脂層を形成し、次いで前記オレフィンフィ
ルムの他方の面に、粘着剤層及び剥離シートが順次積層
することを特徴とする粘着シートの製造方法であり、第
4の発明は、樹脂層を積層してなるオレフィンフィルム
の他方の面に、別途剥離シートの片面に形成した粘着剤
層を積層することを特徴とする第3の発明記載の粘着シ
ートの製造方法であり、第5の発明は、樹脂組成物が、
着色剤を含有することを特徴とする第3又は第4の発明
に記載される粘着シートの製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の粘着シートは、マーキン
グシートとして好適に使用することができる。即ち、本
発明の粘着シートの樹脂層が着色剤を含有する場合に
は、カッティングプロッター用い、本発明の粘着シート
に粘着剤層ごと所望の図柄・文字等の切れ目を入れ(カ
ッティングする)、不要な部分のカス取りを行った上で
アプリケーションフィルムと呼ばれる微粘着のフィルム
に図柄・文字部分を貼着し、裏面の粘着剤層ごと図柄・
文字部分を粘着シート側からアプリケーションフィルム
に転移させ、次いで、粘着剤層を被着体に貼着し、アプ
リケーションフィルムをはがすことによって、被着体に
図柄・文字等を簡便に形成することができる。あるい
は、本発明の粘着シートの樹脂層が着色剤を含有しない
場合には、粘着シートの樹脂層表面にシルクスクリーン
印刷等の方法で所望の図柄や文字を形成した後、カッテ
ィングプロッターでその図柄の周囲を粘着剤層ごと切
り、以下同様にアプリケーションフィルムを用いて被着
体に図柄を貼着することもできる。
【0009】オレフィンフィルム 本発明を構成するオレフィンフィルムは、例えば低密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン等のポリエチレンフィルム、ポリプロピレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレー
ト共重合体、エチレン-α-オレフィン共重合体等のエチ
レン系共重合体等が挙げられる。さらにこれらのオレフ
ィン系樹脂にゴム系あるいはスチレン系のエラストマー
を混合したもの等が用いられるが、耐久性、耐熱性等の
点からポリプロピレンフィルムまたはポリプロピレンに
エラストマーを混合したフィルムが望ましい。
【0010】このオレフィンフィルムは、25℃における
JIS K7113の1号形試験片による引張速度300mm/minのと
きの降伏値が0.7〜2.2kg/mm2であり、JIS K6732の直角
形引裂法による速度30mm/minの引裂き強度が300〜900g
である。降伏値が0.7kg/mm2未満では、カッティングプ
ロッターで図柄部分を切り抜く際、フィルムが捲れてし
まい図柄を作成できないのみならず、被着体に貼付し、
長期間放置した場合にフィルムの収縮を生ずる。一方、
降伏値が2.2kg/mm2を超えると、カッティングプロッタ
ーの刃による切り口がギザギザになるばかりでなく、伸
長性も得られず、二次あるいは三次曲面への貼着施工が
困難になる。引裂き強度が300g未満であると、カッティ
ング後のカス取りの際に、フィルムが裂けやすく必要な
図柄を損なう可能性がある。また、900gを超えるとカッ
ティングプロッターの刃による切れが悪くなるので、よ
り好ましい範囲は500〜800gである。
【0011】オレフィンフィルムは、通常押し出し成型
により製造され、その厚さが薄くなると貼付作業性が低
下することがあり、厚くなると剛性が高くなり、二次あ
るいは三次曲面への貼着施工が困難になるので、30〜90
μmであることが望ましく、より望ましくは40〜80μm
である。
【0012】オレフィンフィルムには、諸物性を損なわ
ない範囲で従来公知の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン
系光安定剤、熱安定剤、難燃剤、顔料等を含んでも差し
支えない。また、オレフィンフィルムには、後述する樹
脂層との接着性、または必要に応じて前記樹脂層との界
面に積層する接着剤層との接着性を向上させる目的で、
プラズマ処理、コロナ処理、フレーム処理、電子線照射
処理、粗面化処理、オゾン処理等の表面処理、真空蒸
着、スパッタリング、イオンプレーティング等のドライ
プレーティング処理が施されていてもよい。また、オレ
フィンフィルムには、後述する樹脂層、粘着剤層に応
じ、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体などを無水マレイン酸などの酸含
有化合物で変性したもの、アクリル樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ヒドラジン系化合
物などにより変性したもの、シランカップリング剤、チ
タンカップリング剤、フォスファイトカップリング剤等
のカップリング剤、水酸基を有するポリエステル樹脂、
ポリウレタン樹脂、もしくはアクリル樹脂と多官能イソ
シアネート化合物とを組み合わせたもの、合成ゴム系化
合物、ポリエチレンイミン等の少なくとも1種からなる
接着層を1層、もしくは2層以上設けてもよい。
【0013】樹脂層 本発明の粘着シートを構成する樹脂層は、ガラス転移温
度(以下、Tgという)が50〜120℃であり、0℃における
貯蔵弾性率Erが7.5×108〜5.0×109Pa、及びtanδが
7.0×10-2〜2.5×10-1であり、50℃における貯蔵弾性率
Erが1.0×108〜2.0×109Pa、及びtanδが1.0×10-1
6.0×10-1であり、かつ80℃における貯蔵弾性率Erが
8.0×106〜1.3×108Paであり、膜厚が20〜100μmであ
ることが重要である。
【0014】樹脂層のTgは、動的粘弾性測定におけるta
nδの極大値の温度より求めることができ、粘着シート
が使用される環境温度において風合いの変化がなるべく
少ないものが望ましいので、Tgは、50〜120℃であるこ
とが望ましく、より好ましくは70℃〜100℃である。Tg
を50〜120℃にもつ樹脂層は、0〜50℃の範囲内において
温度の上昇と共にErは単調に減少し、tanδは単調に
増加する。
【0015】0℃及び50℃における樹脂層の貯蔵弾性率
Erが、それぞれ下限値未満では樹脂層が柔らかすぎ
て、カッティング及び貼着施工がしにくくなるだけでな
く、使用温度において、貼着後の図柄表面にタックを生
じ屋外に長期間暴露した際に汚れが付着しやすくなる。
一方、0℃及び50℃における樹脂層の貯蔵弾性率Er
が、それぞれ上限値を超えると、貼着後の図柄表面に汚
れは付かなくなるものの、その反面樹脂層が硬くなりす
ぎるので、粘着シート自体の伸長性が十分に得られず、
オレフィンフィルムより樹脂層が先に破断したりして、
オレフィンフィルムに追随しなくなる。その結果二次あ
るいは三次曲面への貼着施工が困難になる。
【0016】また0℃及び50℃における樹脂層のtanδ
が、それぞれ下限値未満であると硬すぎて十分な伸長性
が発現せず、一方、0℃及び50℃における樹脂層のtanδ
が、それぞれ上限値を超えると樹脂層が柔らかすぎて、
ブロッキングを起こしたり、耐汚染性に劣る。
【0017】さらに80℃における樹脂層の貯蔵弾性率E
rが、8.0×106Pa未満であると屋外暴露される場合に汚
れが著しく付着しやすくなる。一方、80℃における樹脂
層のErが、1.3×108Paを超えると耐汚染性は改善され
るものの、二次または三次曲面に施工する際にドライヤ
ー等でフィルムを過熱しながら伸長させるときに伸ばし
にくくなる。
【0018】このような樹脂層は、イソシアネート基と
反応可能な官能基を2個以上有するアクリルポリマー
(A)、及びイソシアネート基と反応可能な官能基を2個以
上有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネ
ート、ポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種の化
合物(B)と、2個以上のイソシアネート基を有するイソシ
アネート化合物(C)との反応生成物から得ることができ
る。
【0019】ここで用いられるアクリルポリマー(A)
とは、イソシアネート基と反応可能な官能基を有するラ
ジカル重合性単量体と、その他のラジカル重合性単量体
とを共重合させて得られ、ラジカル重合性単量体の一部
が(メタ)アクリル系単量体である共重合体をいう。ア
クリルポリマーを構成する単量体中の(メタ)アクリル
系単量体の比率は、得られるシートの強靱性、加工性お
よびポリマーの製造の容易さの点から、単量体の全量を
基準として30重量%以上、特に50〜80重量%であ
ることが好ましい。ラジカル重合性単量体としては、
(メタ)アクリル系単量体、芳香族ビニル単量体、オレ
フィン系炭化水素単量体、ビニルエステル単量体、ビニ
ルエーテル単量体等が挙げられる。イソシアネート基と
反応可能な官能基としては、水酸基、アミノ基、カルボ
キシル基、エポキシ基、N−メチロール基、N−アルコ
キシメチル基等が挙げられるが、反応性の点で水酸基が
好適である。
【0020】水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体
の例としては、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、1ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4ーヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシス
チレン等が挙げられる。
【0021】また、アミノ基を有する(メタ)アクリル
系単量体の例としては、メチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、エチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート等のモノアルキ
ルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエ
チルアミノ(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート等のN,N−ジアルキ
ルアミノアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。
【0022】また、カルボキシル基を有する(メタ)ア
クリル系単量体の例としては、アクリル酸、メタクリル
酸が挙げられ、カルボキシル基を有する他のラジカル重
合性単量体の例としては、クロトン酸、イタコン酸、マ
レイン酸等が挙げられる。また、エポキシ基を有する
(メタ)アクリル系単量体の例としては、グリシジル
(メタ)アクリレートが挙げられ、エポキシ基を有する
他のラジカル重合性単量体の例としては、グリシジルシ
ンナメート、グリシジルアリルエーテル、グリシジルビ
ニルエーテル、ビニルシクロヘキサンモノエポキサイ
ド、1、3−ブタジエンモノエポキサイドなどが挙げら
れる。また、N−メチロール基を有する(メタ)アクリ
ル系単量体の例としては、N−メチロール(メタ)アク
リルアミドが挙げられる。
【0023】また、N−アルコキシメチル基を有する
(メタ)アクリル系単量体の例としては、N−メトキシ
メチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミドなどのN−モノアルコキシメチル基を有する
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチ
ル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシ
メチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(ブトキ
シメチル)(メタ)アクリルアミドなどのN,N−ジア
ルコキシメチル基を有する(メタ)アクリルアミドが挙
げられる。イソシアネート基と反応可能な官能基を有す
るラジカル重合性単量体は、要求性能に応じて、1種、
または2種以上を混合して用いることができる。
【0024】イソシアネート基と反応可能な官能基を有
するラジカル重合性単量体以外のその他のラジカル重合
性単量体のうち、(メタ)アクリル系単量体の例として
は、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステ
アリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アク
リレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−パーフ
ルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パ
ーフルオロノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パ
ーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート、2−パ
ーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフ
ルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオ
ロエチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブ
チルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチ
ルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロデシルメ
チル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルプロ
ピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルプロ
ピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルアミ
ル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルウンデ
シル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜20のパーフ
ルオロアルキル基を有するパーフルオロアルキルアルキ
ル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロオクチル(メ
タ)アクリレート、オクタフルオロデシル(メタ)アク
リレート、オクタフルオロノニル(メタ)アクリレート
などの部分フッ素化アルキルアルキル(メタ)アクリレ
ート、片末端(メタ)アクリロキシ基含有ポリオルガノ
シロキサン化合物等が挙げられる。
【0025】その他のラジカル重合性単量体のうち、オ
レフィン系炭化水素単量体の例としては、エチレン、プ
ロピレン、ブタジエン、イソブチレン、イソプレン、
1、4−ペンタジエン、およびこれらの単量体の水素原
子の一部がハロゲン原子で置換されたビニルハライド単
量体が挙げられる。ビニルハライド単量体の具体例とし
ては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、モノフルオロエチ
レン、ジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン等が
挙げられる。その他のラジカル重合性単量体のうち、芳
香族ビニル単量体の例としては、スチレン、メチルスチ
レン、エチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられ
る。ビニルエステル単量体の例としては、酢酸ビニルが
挙げられる。ビニルエーテル単量体の例としては、ビニ
ルメチルエーテルが挙げられる。その他のラジカル重合
性単量体は、要求性能に応じて、1種、または2種以上
を混合して用いることができる。
【0026】アクリルポリマー(A)は、公知の方法、
例えば、溶液重合で得ることができる。溶剤としては、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、
エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールメチルエーテルなどのアルコール類、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族類、酢酸
エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などの使用が可能
である。溶剤は2種以上の混合物でもよい。合成時の単
量体の仕込み濃度は、0〜80重量%が好ましい。
【0027】重合開始剤としては、通常の過酸化物また
はアゾ化合物、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾイソブ
チルバレノニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジ
−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエー
ト、t−ブチルペルオクトエート、クメンヒドロキシペ
ルオキシドなどが用いられ、重合温度は、50〜200
℃、特に70〜140℃が好ましい。
【0028】アクリルポリマー(A)としては、市販品
を用いても構わない。市販の水酸基を2個以上有するア
クリルポリマー(アクリルポリオール)として具体的に
は、例えば、三井化学株式会社製のオレスターQ16
4、Q167−40、Q174、Q171、Q602、
Q602、Q185、Q177、Q166、Q193、
Q182、Q187、Q189、Q186や、住友バイ
エルウレタン株式会社製のデスモフェンA160X、A
160SN、A165BA/X、A265BA、A36
5BA/X、A450MPA/X、A450BA、A5
65X、A575X、A665BA/X、大成化工株式
会社製のアクリット6519MB、6TH−419、6
KR−404T、6614MA、6416MA、6BS
−309L、6AN−303、6BF−203、6LQ
−724、6KW−713、6KW−720、6KW−
801等が挙げられる。
【0029】アクリルポリマー(A)のポリスチレン換
算の重量平均分子量は、好ましくは5,000〜50
0,000、更に好ましくは10,000〜200,0
00である。この上限を越えた場合にはシートの伸張性
が低下し、下限を越えた場合にはシートの強靱性、耐薬
品性が低くなる。アクリルポリマー(A)は、要求性能
に応じて、2種以上を混合して用いることができる。特
に、重量平均分子量10,000〜50,000のアク
リルポリマーと、重量平均分子量60,000〜20
0,000のアクリルポリマーとを混合して用いること
が好ましい。分子量の異なる2種以上のアクリルポリマ
ーを混合して用いた場合、シートに伸張性と強靱性をよ
りバランスよく付与することができる。
【0030】アクリルポリマー(A)が水酸基を有する
場合、その水酸基価は、好ましくは固形分換算で10〜
300、更に好ましくは固形分換算で20〜150であ
る。この上限を越えた場合にはシートの伸張性が低下
し、下限を越えた場合には基材との密着性、顔料分散性
やシートの耐薬品性が低くなる。アクリルポリマー
(A)のガラス転移温度は、好ましくは0〜150℃、
更に好ましくは10〜100℃である。この上限を越え
た場合には伸張性が低下し、下限を越えた場合にはシー
ト表面にタックが残り、シートの耐薬品性、表面硬度が
低下する。
【0031】本発明の粘着シートを構成する樹脂層を形
成するために用いられる、イソシアネート基と反応可能
な官能基を2個以上有する、ポリエーテル、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ば
れる少なくとも1種の化合物(B)は、シートに柔軟
性、伸張性、着色樹脂層に顔料分散性を付与するために
用いられる。化合物(B)は、例えば、直鎖の末端、ま
たは分岐した末端にイソシアネート基と反応可能な官能
基を2個以上有するポリエステル、ポリエーテル、ポリ
カーボネート、またはポリブタジエンである。中でも、
得られるシートの伸張性、強靱性のバランスおよび成形
加工性の点からポリエステルが好適である。
【0032】イソシアネート基と反応可能な官能基とし
ては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、N−メチロ
ール基、N−アルコキシメチル基等が挙げられるが、反
応性および得られるシートの成形加工性の点で水酸基が
好適である。また、イソシアネート基と反応可能な官能
基数は、3個が特に好ましく、2個の場合と比べ、少量
で伸張性が得られ、塗膜の強靱性も損なわれない。
【0033】ポリエステルとして具体的には、ジカルボ
ン酸の少なくとも1種と、多価アルコール、多価フェノ
ール、またはこれらのアルコキシ変性物等のポリオール
の少なくとも1種とをエステル化して得られる末端水酸
基含有エステル化合物、及び末端の水酸基をアミノ基、
カルボキシル基、N−メチロール基または、N−アルコ
キシメチル基に変性したエステル化合物などが挙げられ
る。ジカルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、オルトフタル酸、1,5- ナフタル酸、p−オ
キシ安息香酸、p−(ヒドロキシ)安息香酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、
アゼライ酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等のジ
カルボン酸等が挙げられる。
【0034】多価アルコールの例としては、1,3−プ
ロパンジオール、2−メチルー1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブ
タンジオール、1,2−ジメチル−1,4−ブタンジオ
ール、2−エチル−1,4−ブタンジオール、1,5-
ペンタンジオール、2−メチルー1,5−ペンタンジオ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3−
エチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオール、3
−メチル−1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタ
ンジオール、2−メチル−1,7−ヘプタンジオール、
3−メチル−1,7−ヘプタンジオール、4−メチル−
1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−エチ
ル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,8−
オクタンジオール、4−メチル−1,8−オクタンジオ
ール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘ
キサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、
トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロール
プロパンエチレングリコール、グリセリン、エリスリト
ール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等が
挙げられる。
【0035】多価フェノールの例としては、カテコー
ル、レゾルシン、ヒドロキノン、ヘキシルレゾルシン、
トリヒドロキシベンゼン、ジメチロールフェノール等が
挙げられる。市販品の水酸基を2個以上有するポリエス
テル(ポリエステルポリオール)としては、例えば、株
式会社クラレ製のクラレポリオールP−510、P−1
010、P−1510、P−2010、P−3010、
P−4010、P−5010、P−6010、P−20
11、P−2013、P−520、P−1020、P−
2020、P−1012、P−2012、P−530、
P−1030、P−2030、PMSA−1000、P
MSA−2000、PMSA−3000、PMSA−4
000、F−2010、F−3010、N−2010、
PNOA−1010、PNOA−2014、O−201
0、住友バイエルウレタン株式会社製のデスモフェン6
50MPA、651MPA/X、670、670BA、
680X、680MPA、800、800MPA、85
0、1100、1140、1145、1150、115
5、1200、1300X、1652、1700、18
00、RD181、RD181X、C200等が挙げら
れる。
【0036】また、ポリエーテルの例としては、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール等のポリアルキレングリコー
ル、及び末端の水酸基をアミノ基、カルボキシル基、N
−メチロール基またはN−アルコキシメチル基に変性し
たエーテル化合物が挙げられる。市販の水酸基を2個以
上有するポリエーテル(ポリエーテルポリオール)とし
ては、例えば、住友バイエルウレタン株式会社製のデス
モフェン250U、550U、1600U、1900
U、1915U、1920D等が挙げられる。
【0037】また、ポリカーボネートの例としては、下
記一般式で表されるポリカーボネートジオール、及び末
端の水酸基をアミノ基、カルボキシル基、N−メチロー
ル基またはN−アルコキシメチル基に変性したカーボネ
ート化合物が挙げられる。 H−(O−R−OCO−)n−ROH (R:アルキル鎖、ジエチレングリコール等) 市販の水酸基を2個以上有するポリカーボネートとして
は、例えば、株式会社クラレ製のクラレポリオールPN
OC−1000、PNOC−2000、PMHC−20
50、PMHC−2050R、PMHC−2070、P
MHC−2070R、PMHC−2090R、C−20
90等が挙げられる。
【0038】また、ポリブタジエンの例としては、α,
ω−ポリブタジエングリコール、α、β- ポリブタジエ
ングリコール、及び末端の水酸基をアミノ基、カルボキ
シル基、N−メチロール基またはN−アルコキシメチル
基に変性したブタジエン化合物が挙げられる。市販の水
酸基を2個以上有するポリブタジエンとしては、例え
ば、日本曹達株式会社製のNISSO−PB G−10
00、G−2000、G−3000、GI−1000、
GI−2000、GI−3000、GQ−1000、G
Q−2000等が挙げられる。
【0039】化合物(B)のポリスチレン換算の平均重
量分子量は、好ましくは100〜10,000、更に好
ましくは1000〜5,000である。この上限を越え
た場合には、溶剤への溶解性が低下し、またシートの伸
張性が低下する。この下限を越えた場合には、他の成分
との相溶性が低下し、均一かつ平滑なシートの作成が困
難となり、またシートの強靱性が低下する。化合物
(B)は、要求性能に応じて、1種、または2種以上を
混合して用いることができる。外装用途に用いる場合に
は、黄変性の点から、脂環族または脂肪族の化合物を用
いることが好ましい。
【0040】アクリルポリマー(A)と化合物(B)の
混合比(重量比)は、好ましくは、(A):(B)=9
5:5〜20:80、更に好ましくは、(A):(B)
=90:10〜40:60である。アクリルポリマー
(A)の比率がこの上限を越えた場合には、顔料分散
性、シートの伸張性、柔軟性、成形加工性が低下し、下
限を越えた場合にはシートの強靱性、耐薬品性が低くな
る。
【0041】本発明を構成する、2個以上のイソシアネ
ート基を有するポリイソシアネート化合物(C)は、ア
クリルポリマー(A)と化合物(B)、アクリルポリマ
ー(A)とアクリルポリマー(A)、化合物(B)と化
合物(B)をそれぞれ架橋させて、強靱で且つ伸張性を
有するシートを形成するために用いられる。得られるシ
ートを外装用途に用いる場合には、シートが経時で黄色
から褐色に変色することを防ぐために、脂環族または脂
肪族の化合物のみを用いることが好ましい。
【0042】脂環族ポリイソシアネート化合物として
は、例えば、イソホロンジイソシアネート、水添トリレ
ンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネートなどの多価イソシアネートなどが挙げ
られる。脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例
えば、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートな
どが挙げられる。
【0043】芳香族ポリイソシアネート化合物として
は、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トル
イレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソ
シアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシ
レンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチ
レンポリフェニルイソシアネートなどが挙げられる。ポ
リイソシアネート化合物としては、上記化合物とグリコ
ール類またはジアミン類との両末端イソシアネートアダ
クト体、ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体を
用いても構わない。
【0044】特に、ポリイソシアネート化合物(C)が
イソシアヌレート変性体、特にイソシアヌレート環含有
トリイソシアネートを含む場合には、より強靱、且つ伸
張性を有するシートを得ることができるため好ましい。
イソシアヌレート環含有トリイソシアネートとして具体
的には、イソシアヌレート変性イソホロンジイソシアネ
ート(例えば、住友バイエルウレタン株式会社製のデス
モジュールZ4470)、イソシアヌレート変性ヘキサ
メチレンジイソシアネート(例えば、住友バイエルウレ
タン株式会社製のスミジュール3300)、イソシアヌ
レート変性トルイレンジイソシアネート(例えば、住友
バイエルウレタン株式会社製のスミジュールFL−2、
FL−3、FL−4、HL BA)が挙げられる。
【0045】また、上記ポリイソシアネート化合物のイ
ソシアネート基を、例えば、メタノール、エタノール、
n−ペンタノール、エチレンクロルヒドリン、イソプロ
ピルアルコール、フェノール、p−ニトロフェノール、
m−クレゾール、アセチルアセトン、アセト酢酸エチ
ル、ε- カプロラクタムなどのブロック剤と反応させて
ブロック化した、ブロック変性体を用いても構わない。
【0046】更に、化合物(C)として、イソシアネー
ト基と反応可能な官能基を2個以上有するポリエーテ
ル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタ
ジエンから選ばれる少なくとも1種の化合物(a)と両
末端にイソシアネート基を有するジイソシアネート化合
物(b)とを反応させてなる、両末端イソシアネートプ
レポリマーを用いても構わない。化合物(C)が上記両
末端イソシアネートプレポリマーを含む場合には、少量
で伸張性が得られ、塗膜の強靱性も損なわれない。ま
た、アクリルポリマー(A)と化合物(B)の相溶性を
向上させる効果も有している。両末端イソシアネートプ
レポリマーは、そのイソシアネート基の量が、組成物中
のイソシアネート基の総量を基準として、好ましくは1
%〜50%、特に好ましくは5%〜30%の範囲となる
ような量で用いられる。この上限を越えた場合には、溶
剤への溶解性、他成分との相溶性が低下し、均一且つ平
滑なシートを得ることが困難となり、またシートの表面
にタックが残る。この下限を越えた場合には、シートの
伸張性を向上させる効果が充分に発揮されない。
【0047】化合物(a)としては、化合物(B)と同
様の化合物を用いることができる。化合物(b)として
は、例えば、トルイレンジイソシアネート、ナフチレン
−1,5−ジイソシアネート、o−トルイレンジイソシ
アネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−キシレ
ンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、
リジンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート
等が挙げられる。
【0048】両末端イソシアネートプレポリマーは、化
合物(a)のイソシアネート基と反応可能な官能基1に
対して、化合物(b)のイソシアネート基が1より大き
くなるような比率で化合物(a)と化合物(b)を混合
し、加熱撹拌して反応させることにより得られる。プレ
ポリマーのポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ま
しくは1 000〜50,000、更に好ましくは100
0〜10,000である。この上限を越えた場合には溶
剤への溶解性、他成分との相溶性が低下し、この下限を
越えた場合には、シートの強靱性、及び伸張性が不充分
となる。
【0049】化合物(C)は、要求性能に応じて、アク
リルポリマー(A)の官能基と化合物(B)の官能基と
の総量に対して、イソシアネート基の総量が、好ましく
は0.1倍〜3.0倍、更に好ましくは0.5倍〜2.
0倍となるような比率で、1種、または2種以上を混合
して用いることができる。なお、上記化合物(B)と化
合物(C)とは、あらかじめ反応させて末端イソシアネ
ートプレポリマーとしてもよい。この場合、着色樹脂層
は、上記アクリルポリマー(A)、及び化合物(B)と
化合物(C)とを反応させてなる末端イソシアネートプ
レポリマーを含む組成物となる。
【0050】本発明の粘着シートを構成する樹脂層に
は、アクリルポリマー(A)及び化合物(B)と化合物
(C)との架橋反応を促進させるために、それぞれの官
能基に応じて、種々の架橋触媒を含有させることができ
る。代表的な架橋触媒としては、有機金属化合物、酸及
びそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属
塩、アミン類、有機過酸化物などが挙げられる。有機金
属化合物として具体的には、酢酸ナトリウム、オクチル
酸錫、オクチル酸鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸
亜鉛、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸鉛、ナフテン
酸コバルト、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラ
ウレート、ジブチル錫マレートジブチル錫ジ(2−エチ
ルヘキソエート)、ジエチル亜鉛、テトラ(n−ブトキ
シ)チタンなどが挙げられる。
【0051】酸として具体的には、トリクロロ酢酸、リ
ン酸、モノアルキルリン酸、ジアルキルリン酸、β−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートのリン酸エステ
ル、モノアルキル亜リン酸、ジアルキル亜リン酸、p−
トルエンスルホン酸、無水フタル酸、安息香酸、ベンゼ
ンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、イタコン酸、シュウ酸、マレイン酸
などが挙げられる。アミン類として具体的には、ジシク
ロヘキシルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチ
ルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル
−1,3−ブタンジアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、シクロヘキシルエチルアミンなどが
挙げられる。
【0052】有機過酸化物としては、ヒドロペルオキシ
ド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼ
ンヒドロペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシ
ド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシ
ド、ジアセチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシ
ド、t−ブチルペルオキシ-2- エチルヘキサノエート、
t- ブチルペルオキシラウレートなどが挙げられる。
【0053】これらの架橋触媒の中で、アクリルポリマ
ー(A)ないし化合物(B)の官能基が水酸基の場合
は、酸及びそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多
価金属塩などの使用が好ましい。アミノ基の場合は、有
機過酸化物、酸無水物、カルボン酸、酸化亜鉛−マグネ
シウムなどの使用が好ましい。カルボキシル基の場合
は、酸及びそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多
価金属塩などの使用が好ましい。エポキシ基の場合は、
有機金属化合物、アミン類などの使用が好ましい。N−
メチロール基または、N−アルコキシメチル基の場合
は、酸、そのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属
塩などの使用が好ましい。これらの架橋触媒は2種類以
上使用してもよく、その総使用量はアクリルポリマー
(A)、化合物(B)及び化合物(C)の総量100重
量%に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1
〜5重量%の範囲である。
【0054】本発明の粘着シートを構成する樹脂層に
は、着色を目的として顔料や染料等の各種の着色剤を含
有させることができるが、透明なフィルムを目的とする
場合には含まなくても一向に差し支えない。顔料として
は、従来公知のものを用いることができるが、なかで
も、耐光性、耐候性の高いものが好ましい。具体的に
は、例えば、キナクリドン系、アンスラキノン系、ペリ
レン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソイ
ンドリノン系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、モ
ノアゾ系、不溶性アゾ系、ナフトール系、フラバンスロ
ン系、アンスラピリミジン系、キノフタロン系、ピラン
スロン系、ピラゾロン系、チオインジゴ系、アンスアン
スロン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系、インダ
ンスロン系等の有機顔料や、ニッケルジオキシンイエロ
ー、銅アゾメチンイエロー等の金属錯体、酸化チタン、
酸化鉄、酸化亜鉛等の金属酸化物、硫酸バリウム、炭酸
カルシウムなどの金属塩、カーボンブラック、アルミニ
ウム、雲母などの無機顔料、アルミニウムなどの金属微
粉やマイカ微粉等が挙げられる。染料としては、例え
ば、アゾ系、キノリン系、スチルベン系、チアゾール
系、インジゴイド系、アントラキノン系、オキサジン系
等が挙げられる。着色剤は、粉体をそのまま用いても構
わないし、あらかじめ着色ペースト、着色ペレット等に
加工してから用いても構わない。
【0055】また、本発明の粘着シートを構成する樹脂
層には、シートの強度を上げるために、本発明の効果を
妨げない範囲で、アクリルポリマー(A)及び化合物
(B)以外の各種の熱可塑性樹脂を含有させてもよい。
かかる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リイソブチレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリ
カーボネート、ポリメチルペンテン、アイオノマー、ア
クリルニトリル−ブタジエン−スチレン、アクリル系樹
脂、ポリビニルアルコール、ポリアミド樹脂、ポリアセ
タール、ポリエステル等が挙げられる。
【0056】アクリルポリマー(A)及び化合物(B)
以外の熱可塑性樹脂の含有量は、アクリルポリマー
(A)及び化合物(B)の合計100重量部に対して5
0重量部以下が好ましく、30重量部以下が更に好まし
い。この上限を越えると、他成分との相溶性、オレフィ
ンフィルムとの密着性が低下する。また、上記樹脂層に
は、必要に応じて、本発明による効果を妨げない範囲
で、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、ラジカル補足剤、充
填剤、チクソトロピー付与剤、老化防止剤、酸化防止
剤、帯電防止剤、難燃剤、熱伝導性改良剤、可塑剤、ダ
レ防止剤、防汚剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、レベリン
グ剤、ブロッキング防止剤、硬化剤、増粘剤、顔料分散
剤、シランカップリング剤等の各種の添加剤を含有させ
てもよい。
【0057】次に本発明の粘着シートの製造方法につい
て説明する。まず、上記したアクリルポリマー(A)、
化合物(B)、化合物(C)、必要に応じて着色剤、架
橋触媒、添加剤、及び溶剤を混合して得られる樹脂組成
物を得、次いで、(1)上記オレフィンフィルム上に上
記樹脂組成物を直接塗布し、加熱硬化して成膜させる、
(2)一旦工程剥離処理シート上に上記樹脂組成物を塗
布し、加熱硬化して成膜した後、硬化樹脂組成物層とオ
レフィンフィルムとを40〜120℃の温度でラミネートし
て密着させる、等の方法によりオレフィンフィルムと樹
脂層との積層体を得、次いで、該積層体のオレフィンフ
ィルム面に粘着剤層及び剥離シートを順次積層すること
によって得ることができる。
【0058】まず、アクリルポリマー(A)、化合物
(B)、化合物(C)、必要に応じて着色剤等を含有し
てなる樹脂組成物について説明する。アクリルポリマー
(A)、化合物(B)、化合物(C)、必要に応じて着
色剤等を混合する方法に特に限定はないが、通常は、重
合によって得られたアクリルポリマー(A)の溶液に、
化合物(B)、化合物(C)及び他の成分を混合し、攪
拌羽根、振とう攪拌機、回転攪拌機などで攪拌すればよ
い。また、サンドミル、3本ロール、2本ロールなどを
用いて混合してもよい。塗工性などの向上のために、さ
らに溶剤を追加したり、濃縮してもよい。
【0059】また、着色剤、特に顔料を添加する場合
は、まず、着色剤、分散樹脂、必要に応じて分散剤、及
び溶剤を混合した顔料ペーストを作成した後、他の成分
と混合するのが好ましい。分散樹脂としては、化合物
(B)を用いるのが好ましいが、特に限定はなく、顔料
分散性に優れた極性基、例えば水酸基、カルボキシル
基、チオール基、アミノ基、アミド基、ケトン基等を有
する、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹
脂、ポリエステル樹脂等を用いることができる。分散剤
としては、例えば、顔料誘導体、アニオン系界面活性
剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、チタンカ
ップリング剤、シランカップリング剤等が挙げられる。
また、金属キレート、樹脂コートなどにより、顔料表面
の改質を行うこともできる。
【0060】上記樹脂組成物に用いられる溶剤は、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチ
レングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコール
メチルエーテル等のアルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン等の炭化水素類、ベンゼン、トルエン、
キシレン、クメン等の芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等のエステル類などの内から着色樹脂層の組成に応じ
適当なものを使用する。溶剤は2種以上用いてもよい。
【0061】上記樹脂組成物を、オレフィンフィルム又
は工程剥離シートに塗布する方法としては、従来公知の
方法、例えば、グラビアコート方式、キスコート方式、
ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方
式、ブレードコート方式、ロールコート方式、ナイフコ
ート方式、カーテンコート方式、スロットオリフィス方
式、スプレーコート方式、バーコート方式等を挙げるこ
とができる。上記樹脂組成物は、数回に分けて塗布して
もよいし、1回で塗布してもよい。また、異なる塗布方
式を複数組み合わせてもよい。上記樹脂組成物は、加熱
硬化後の樹脂層の膜厚が、20〜100μmになるように塗
布する。着色剤を含有する場合に樹脂層の膜厚が20μm
未満では着色力に劣る。一方樹脂層の膜厚が100μmよ
り大きいと伸長性に欠ける。さらに乾燥性、塗工安定性
から好ましい膜厚は20〜50μmである。樹脂組成物の加
熱硬化は、樹脂組成物の種類、剥離シート、オレフィン
フィルムの耐熱性、膜厚、及び用途に応じた加熱温度、
加熱時間で行えばよく、通常、室温〜350℃で行うこ
とができる。
【0062】本発明の粘着シートは、上記のようにして
得られるオレフィンフィルムと樹脂層との積層体のオレ
フィンフィルム面に、粘着剤層及び剥離シートが順次積
層されてなるものである。粘着剤層及び剥離シートは、
例えば以下のようにして積層することができる。 (1) 剥離シート上に粘着剤を塗布し、加熱硬化し、
粘着剤層と剥離シートとのを積層体を形成し、該積層体
の粘着剤層面と別途得ておいたオレフィンフィルムと樹
脂層との積層体のオレフィンフィルム面とを対向接触せ
しめ、積層(ラミネート)する。 (2) 工程剥離シート上に粘着剤を塗布し、加熱硬化
し、粘着剤層と工程剥離シートとのを積層体を形成し、
該積層体の粘着剤層面と別途得ておいたオレフィンフィ
ルムと樹脂層との積層体のオレフィンフィルム面とを対
向接触せしめ、積層(ラミネート)する。次いで、工程
剥離シートを剥離し、剥離シートを粘着剤層に対向接触
せしめ、積層(ラミネート)する。 (3) オレフィンフィルムと樹脂層との積層体のオレ
フィンフィルム面に、粘着剤を塗布し、加熱硬化し、粘
着剤層を形成し、該粘着剤層に剥離シートを対向接触せ
しめ、積層(ラミネート)する。
【0063】ここで用いられる粘着剤としては、例え
ば、一般的な天然ゴム、合成イソプレンゴム、再生ゴ
ム、スチレン- ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、
スチレン- イソプレン- スチレンゴム等を主成分とする
ゴム系粘着剤や、(メタ)アクリル酸エステル(C 2〜
C 12)を主体にアクリル酸、メタクリル酸、アクリル
アミド、酢酸ビニル、スチレン等の単量体を共重合した
重合体を主成分とするアクリル系粘着剤、ウレタン系粘
着剤、シリコン系粘着剤等を用いることができ、用途、
被着体の材質に応じた適当な接着力を有する物を選択す
ることができる。
【0064】粘着剤は、粘着剤の種類、塗工適性に応
じ、従来公知の方法、例えば、キスコート方式、ダイコ
ート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレ
ードコート方式、バーコート方式等の種々の方式を利用
して、上記したように剥離シート、工程剥離シート、又
はオレフィンフィルムに塗布することができる。
【0065】本発明の粘着シートを構成する剥離シー
ト、又粘着シートの製造に供される工程剥離シートとし
ては、従来公知のものを使用することができる。
【0066】こうして得られた粘着シートは、外装板、
内装材、建材、各種案内板、交通標識、屋内・屋外広
告、看板、シャッター、ウインドウなどの、各種装飾、
着色、表示材料として、さらには、耐候性や、防汚性、
各種耐性等の様々な表面機能を付与するシートとして使
用される。
【0067】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
る。なお、実施例中の部および%は、すべて重量部およ
び重量%を示している。 (合成例A1〜A3)冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導
入管を備えた4つ口フラスコに、表1に示した単量体お
よび溶媒を配合比(重量比)に基づいて仕込み、窒素雰
囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソ
ブチロニトリルを表1に示した配合比の80%加えて2
時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリ
ルを表1に示した配合比(重量比)の20%加えてさら
に2時間重合反応を行い、アクリルポリマー溶液を得
た。得られたアクリルポリマーの重量平均分子量、ガラ
ス転移温度、水酸基価(官能基が水酸基のもののみ)を
表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】(合成例C1)冷却管、撹拌装置、温度
計、窒素導入管、滴下ロートを備えた4つ口フラスコ
に、水酸基を2個以上有するポリエステル(株式会社ク
ラレ製「クラレポリオールP−2010」)100部、
イソホロンジイソシアネート22部、メチルエチルケト
ン(MEK)122部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌し
ながら80℃まで昇温した後、1時間加熱撹拌を行い、
重量平均分子量2500の両末端イソシアネートプレポ
リマーC1を得た。
【0070】(樹脂組成物塗液の製造)表2に示す市販
の、または合成したアクリルポリマー(A)、化合物
(B)、化合物(C)及び顔料を、固形分換算で表2に
示す割合となるように混合し、トルエン/酢酸ブチル=
50/50(重量比)の混合溶媒で固形分濃度が60%
となるように希釈して塗液を作成した。
【0071】実施例1〜6、比較例1〜6 (オレフィンフィルム等と樹脂層との積層体の製造)表
3に示す組あわせで、得られた樹脂組成物塗液を、両面
コロナ処理した膜厚60μmの種々の物性のオレフィン
フィルムまたはポリエチレンテレフタレートフィルム
(以下PETフィルム)上に、コンマコーターを用い
て、乾燥・硬化後の膜厚が約30〜50μmとなるよう
に塗布し、80℃のオーブン中で2分間加熱して乾燥、
硬化させ、さらに1週間40℃でエージングさせて、オレ
フィンフィルム等と樹脂層との積層シートを作成した。
【0072】(粘着シートの製造)粘着剤溶液(2液硬
化型アクリル系粘着剤/硬化剤=100/8.7)を、
膜厚100μmの剥離シート(カイト化学株式会社製
「TSM−110K」)上に、コンマコーターを用い
て、乾燥・硬化後の膜厚が約30μmとなるように塗布
し、80℃のオーブン中で2分間加熱して乾燥、硬化さ
せ、得られた粘着剤層と、オレフィンフィルム等と樹脂
層との積層体シートのオレフィンフィルム面とを貼り合
わせることによりラミネート接着して、粘着シートを作
成した。得られた粘着シートについて、伸長性、カッテ
ィング適性、耐候性、耐汚染性を評価し、結果を表3に
示す。
【0073】[オレフィンフィルム及びPETフィルム
の物性] <降伏値> オレフィンフィルム又はPETフィルムか
らJIS K7113の1号形試験片を打ち抜き、引張試験機(不
動工業株式会社製「REO METER NRM−20
10J−CW」)に取り付け、レンジ10kg、速度30
0mm/minの条件で引っ張り、降伏値を求めた。 <引裂強度>:オレフィンフィルム又はPETフィルム
からJIS K6301引裂B型で試験片を打ち抜き、
引張試験機(不動工業株式会社製「REO METER
NRM−2010J−CW」)に取り付け、レンジ1
0kg、速度300mm/minの条件で引っ張り、試験片の引
裂時の最大荷重から引裂強度(破断応力×レンジ)を測
定した。
【0074】[樹脂層の物性]アクリルポリマー
(A)、化合物(B)、化合物(C)及び顔料を含有し
固形分濃度60%に調整してなる樹脂組成物塗液を、膜
厚100μmの剥離シート(リンテック株式会社製「P
ET100X」)上に、コンマコーターを用いて、乾燥
時の膜厚が約30〜50μmとなるように塗布し、80
℃のガスオーブン中で2分間加熱して乾燥、硬化させ、
さらに1週間25℃でエージングさせて、剥離シートを剥
がし、物性評価用の樹脂層シートとした。 <貯蔵弾性率Er、及びtanδ(損失弾性率Ei/貯蔵弾
性率Er)>動的粘弾性測定装置(島津製作所製DVA
300)を用い、10Hzの振動を上記のようにして得られ
た樹脂層シートに引張で与えながら、温度を-150℃から
150℃まで5℃/minで上昇させ、1℃上昇する毎に貯蔵弾
性率Er及びtanδ(損失弾性率Ei/貯蔵弾性率Er)
を測定し、0℃及び50℃における貯蔵弾性率Er及びtan
δ、並びに80℃における貯蔵弾性率Erを求めた。
【0075】[粘着シートの評価] <伸張性>:粘着シートから、幅1cm×長さ5cmの
試験片を切り抜き、引張試験機(不動工業株式会社製
「REO METER NRM−2010J−CW」)
に取り付け、レンジ10kg、速度300mm/minの条件で
引っ張り、試験片を形成する基材のオレフィンフィルム
等又は樹脂層の少なくともいずれか一方が破断に至るま
での伸張率(元の試験片の長さに対する伸びた長さ)を
測定した。
【0076】<カッティング適性試験>:カッティング
試験機(ローランド社製「CM24」)を用いて、粘着
シートを各種パターンの形状にカッティングし、カッテ
ィングの精度を目視にて5段階(5:優、4:良、3:
可、2:不良、1:著しく不良)で評価した。
【0077】<耐候性試験>:粘着シートについてJI
S B7750規定の紫外線カーボンアーク燈式耐候性
試験機(スガ試験機株式会社製)で、JIS K540
0 6.17に準拠した試験を行い、1000時間経過
後の外観の変化を目視にて5段階(5:変化無し、4:
僅かに変化有り、3:変化有り、2:劣化、1:著しく
劣化)で評価した。
【0078】<耐汚染性試験>:粘着シートの剥離シー
トを剥がし、ステンレス板に貼り付け、南向きに勾配45
°の斜面に固定し、屋外で1ヶ月間暴露した。暴露した
粘着シートの汚れ具合を目視にて5段階(5:優、4:
良、3:可、2:不良、1:著しく不良)で評価した。
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【発明の効果】本発明により、強靱で且つ伸張性を有
し、カッティング適性、耐候性、耐汚染性に優れたシー
トを得ることができた。
【0082】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた樹脂層シートの動的粘弾性測
定の結果
【図2】比較例3で用いた樹脂層シートの動的粘弾性測
定の結果
【図3】比較例4で用いた樹脂層シートの動的粘弾性測
定の結果

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂層、オレフィンフィルム、粘着剤
    層、離型シートが順次積層されてなる粘着シートであっ
    て、 前記オレフィンフィルムが、25℃における降伏値0.7〜
    2.2kg/mm2、引裂き強度300〜900g、厚み30〜90μmであ
    り、 前記樹脂層が、イソシアネート基と反応可能な官能基を
    2個以上有するアクリルポリマー(A)及びイソシアネート
    基と反応可能な官能基を2個以上有する、ポリエーテ
    ル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリブタジエン
    から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)と、2個以上の
    イソシアネート基を有するイソシアネート化合物(C)と
    の反応生成物を含有し、ガラス転移温度が50〜120℃で
    あり、0℃における貯蔵弾性率Erが7.5×108〜5.0×10
    9Pa、tanδが7.0×10-2〜2.5×10-1であり、50℃におけ
    る貯蔵弾性率Erが1.0×108〜2.0×109Pa、tanδが1.0
    ×10 -1〜6.0×10-1であり、かつ80℃における貯蔵弾性
    率Erが8.0×106〜1.3×108Paであり、前記樹脂層の厚
    みが20〜100μmであることを特徴とする粘着シート。
  2. 【請求項2】 樹脂層が、さらに着色剤を含有する着色
    樹脂層であることを特徴とする請求項1記載の粘着シー
    ト。
  3. 【請求項3】 25℃における降伏値0.7〜2.2kg/mm2、引
    裂き強度300〜900g、厚みが30〜90μmのオレフィンフ
    ィルムの一方の面に、 イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上有する
    アクリルポリマー(A)、イソシアネート基と反応可能な
    官能基を2個以上有する、ポリエーテル、ポリエステ
    ル、ポリカーボネート、ポリブタジエンから選ばれる少
    なくとも1種の化合物(B)、及び2個以上のイソシアネー
    ト基を有するイソシアネート化合物(C)を含有する樹脂
    組成物を塗布し、加熱硬化させ、ガラス転移温度が50〜
    120℃であり、0℃における貯蔵弾性率Erが7.5×108
    5.0×109Pa、tanδが7.0×10-2〜2.5×10-1であり、50
    ℃における貯蔵弾性率Erが1.0×108〜2.0×109Pa、ta
    nδが1.0×10-1〜6.0×10-1であり、かつ80℃における
    貯蔵弾性率Erが8.0×106〜1.3×108Paであり、前記樹
    脂層の厚みが20〜100μmの樹脂層を形成し、 次いで前記オレフィンフィルムの他方の面に、粘着剤層
    及び剥離シートを順次積層することを特徴とする粘着シ
    ートの製造方法。
  4. 【請求項4】 樹脂層を積層してなるオレフィンフィル
    ムの他方の面に、別途剥離シートの片面に形成した粘着
    剤層を積層することを特徴とする請求項3記載の粘着シ
    ートの製造方法。
  5. 【請求項5】 樹脂組成物が、着色剤を含有することを
    特徴とする請求項3又は4記載の粘着シートの製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004040055A1 (ja) * 2002-10-31 2004-05-13 Toho Tenax Co., Ltd. 炭素繊維ストランド
WO2007094163A1 (ja) * 2006-02-14 2007-08-23 Lintec Corporation 自動車マーキング用粘着シート
US8501315B2 (en) * 2006-03-30 2013-08-06 Linetec Corporation High-gloss pressure-sensitive adhesive sheet

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