JP2002234979A - 樹脂組成物及びその使用方法 - Google Patents

樹脂組成物及びその使用方法

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JP2002234979A
JP2002234979A JP2001034816A JP2001034816A JP2002234979A JP 2002234979 A JP2002234979 A JP 2002234979A JP 2001034816 A JP2001034816 A JP 2001034816A JP 2001034816 A JP2001034816 A JP 2001034816A JP 2002234979 A JP2002234979 A JP 2002234979A
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laminate
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Application number
JP2001034816A
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English (en)
Inventor
Kenji Nimiya
賢二 仁宮
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リグライド層を含む多層構造物の成形性や性
能を向上させるために、該リグラインド層に配合する改
質用の樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
層を含む積層体を再使用する時の該積層体の粉砕物に配
合する樹脂組成物であって、オレフィン−不飽和カルボ
ン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸
−不飽和カルボン酸エステル共重合体(A)、脂肪酸金
属塩(B)及び/又は金属酸化物、金属水酸化物、金属
炭酸塩、金属硫酸塩、金属ケイ酸塩から選ばれる1種以
上の金属化合物(C)を含有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物層を含む積層体を再使用する時の
該積層体の粉砕物に配合するための改質用の樹脂組成物
及びその使用方法に関し、更に詳しくは、かかる積層体
の粉砕物を溶融成形する時のロングラン成形性、相分離
異物(目ヤニ)の発生防止、成形物の耐層間剥離性、機
械的特性を大幅に改善することが可能な改質用の樹脂組
成物及びその使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンを始めとするポリオレフィン系樹脂に代表される熱可
塑性樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以
下、EVOHと略記する)との混合物を溶融成形して各
種の成形物が得られているが、該技術の目的は、各々
単独では得られない物性を得ること、熱可塑性樹脂と
EVOHとの積層構造物の製造時に発生する製品のクズ
や端部、或いは不良品の回収による再利用(スクラップ
リターン或いはリグラインド)の2つに大別され、の
再利用は、工業廃材のリサイクルや地球環境を考慮する
と産業上の有用性は顕著である。
【0003】しかしながら、上記の如き熱可塑性樹脂と
EVOHからなるフィルムやシート、カップ、ボトル等
の積層構造物を成形し、その成形時に生じるスクラップ
からなる組成物(スクラップ組成物)をリグラインド層
として溶融成形によって再びフィルム、シート、カッ
プ、ボトル等の積層構造物の1層又はそれ以上の層に用
いる場合、該組成物が成形時にゲル化を起したり、又焼
けと呼ばれる熱着色した樹脂や炭化した樹脂が押出機内
に付着して長期間にわたって連続して溶融成形が行えな
い、いわゆるロングラン成形性が低下するという問題が
生じる。又、該溶融成形時のゲル化物や熱劣化物が成形
物中にしばしば混入するため、例えばフィルム成形にお
いてはフィシュアイの発生をはじめとする成形物の欠陥
の大きな原因となり、製品の品質低下を免れない。
【0004】かかる問題は、前述した如く熱可塑性樹脂
とEVOHとの積層構造物の製造時の廃品の再利用に当
って特に大きな問題点となる。即ち、最近では包装用の
フィルム、シート、カップ、ボトル等の用途において熱
可塑性樹脂やEVOHがそれぞれ単独(単層)で用いら
れることは少なく、より多機能性の包装材が市場から要
求されていることから、熱可塑性樹脂とEVOHを、必
要に応じて接着性樹脂層を介在させて、2層、3層或い
は4層以上の積層構造物として用いることが多く、かか
る積層構造物を製造する際には、通常多量の該構造物の
クズや端部の不要部分、更には不良品の発生が伴うこと
もあり、業界ではこれらをリサイクル使用する必要があ
る。
【0005】更に、前述のロングラン成形性に加えて、
熱可塑性樹脂とEVOHとの溶融粘度差や非相溶性に起
因すると思われる、両者の相分離異物(目ヤニ)の成形
品中への混入や、リグラインド(スクラップ組成物)層
と隣接層との層間剥離現象や、かかるリグラインド層の
耐衝撃性等の機械的特性の低下のような不都合も認めら
れている。
【0006】上記の欠点を改善する試みとして特開昭6
0−199040号公報には、ポリオレフィン系樹脂と
EVOHの混合物中に周期律表I族、II族及びIII族か
ら選ばれる少なくとも一つの元素を含む塩或いは酸化物
を共存させることが示されている。同公報の実施例等の
記載によれば、まずEVOHに上記の塩又は酸化物を予
め配合し、充分混練した後でポリオレフィン系樹脂を配
合して溶融成形することが推奨されているが、上記方法
では必ずしも満足する成果は得難く、ロングラン成形性
の改善効果はせいぜい48時間程度の連続溶融成形が可
能になるに過ぎず、工業的規模での溶融成形に当っては
更に長期間にわたって連続運転が出来ればそれだけ有利
であることは言うまでもない。
【0007】そこで、本出願人は上記の問題点を解決す
べく、特定のポリオレフィン系樹脂に予めハイドロタル
サイト系化合物を特定量溶融配合した後、EVOHを溶
融配合する成形物の製造方法(特開昭62−17953
0号公報)や、ポリオレフィン系樹脂とEVOHの混合
物を溶融成形するに当たり、特定のハイドロタルサイト
系固溶体を共存せしめる成形物の製造方法(特開平1−
308439号公報)を提案した。
【0008】また、得られる成形品の外観性(デラミネ
ーションや波模様の発生)向上を目的として、特開平1
1−140244号公報には、ポリオレフィンやポリス
チレンなどの熱可塑性樹脂とEVOHを主成分とする成
形物のスクラップを回収するにあたり、ポリアミドとエ
チレン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体又はその金
属塩を相溶化剤として使用することが示されており、一
方、得られる成形品の耐衝撃性の向上を目的として、特
開平9−302170号公報には、不飽和カルボン酸又
はその誘導体でグラフト変性した変性ポリエチレン樹脂
と酸化防止剤と金属化合物からなる接着剤及びポリオレ
フィン樹脂、EVOHとからなるリサイクル層を含む多
層積層体が示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、特開
昭62−179530号公報や特開平1−308439
号公報に記載の技術では、ロングラン成形性については
充分改良が認められるものの、上記のスクラップリター
ン時における度重なる熱履歴による相分離異物(目ヤ
ニ)の発生や、リグラインド層と隣接層との耐層間剥離
性や、リグラインド層の耐衝撃性等の機械的特性の低下
等については充分に考慮はされておらず、改善の余地が
残るものであり、特開平11−140244号公報に記
載の技術でも、ロングラン成形性や成形品の外観につい
ては改善が認められるものの、同様に度重なる熱履歴に
よる相分離異物(目ヤニ)の発生、耐層間剥離性、機械
的特性の低下等については充分に考慮はされておらず、
改善の余地が残るものである。
【0010】また、特開平9−302170号公報に記
載の技術では、成形品の外観やリグラインド層の機械的
特性の低下の抑制については改善が認められるものの、
その改善効果を大きくしようとすると接着剤層の厚みを
必要以上に厚くせねばならず、工業的に不利であり、そ
の自由度も低く、更に度重なる過酷な熱履歴を受ける環
境下では、上記と同様の不都合が認められ、かかる熱履
歴の影響を受けることの少ない樹脂組成物が望まれてい
るのである。
【0011】本発明ではこのような背景下において、ロ
ングラン成形性に優れるとともに、度重なる過酷なスク
ラップリターンや長時間の連続運転下においても、熱可
塑性樹脂とEVOHの相分離異物(目ヤニ)の成形品中
への混入がなく、リグラインド層と隣接層との耐層間剥
離性に優れ、リグラインド層の耐衝撃性等の機械的特性
の低下のない、EVOH層を含有する積層体の粉砕物に
配合するための改質用の樹脂組成物及びその使用方法を
提供することを目的とするものである。
【0012】
【問題点を解決するための手段】そこで、本発明者は、
上記の事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、EVOH層
を含む積層体を再使用する時の該積層体の粉砕物に配合
する樹脂組成物であって、オレフィン−不飽和カルボン
酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−
不飽和カルボン酸エステル共重合体(A)、脂肪酸金属
塩(B)及び/又は金属酸化物、金属水酸化物、金属炭
酸塩、金属硫酸塩、金属ケイ酸塩から選ばれる1種以上
の金属化合物(C)を含有してなる樹脂組成物が、上記
目的と合致することを見出し、本発明を完成した。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。
【0014】本発明の改質用の樹脂組成物に用いられる
オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体及び/又はオレ
フィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル
共重合体(A)(単に、共重合体(A)と記すことがあ
る)とは、オレフィンを主成分として不飽和カルボン酸
及び/又は不飽和カルボン酸エステルを共重合した重合
体のことであり、更にカルボン酸成分が金属イオンによ
り(部分)中和された、いわゆるアイオノマーであって
もよい。共重合体(A)中のオレフィンとしては、例え
ばエチレン、プロピレン、ブチレン、スチレン等が挙げ
られ、このうちエチレンが最も好適に用いられる。
【0015】共重合体(A)中の不飽和カルボン酸とし
ては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル
酸、クロトン酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸
や、フマール酸、イタコン酸、マレイン酸、マレイン酸
モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸な
どのエチレン性不飽和ジカルボン酸やその無水物、ハー
フエステル等が挙げられ、このうちアクリル酸又はメタ
クリル酸が最も好適に用いられる。
【0016】共重合体(A)中の不飽和カルボン酸の含
有量は、1〜30重量%(更には2〜25重量%、特に
は3〜20重量%)が好ましく、該含有量が1重量%未
満では、本発明の効果(ロングラン成形性、目ヤニ抑
制、耐層間剥離性、機械的特性等)が不充分となること
があり、逆に30重量%を越えると、得られる樹脂組成
物の熱安定性が低下する傾向にあり、成形性が悪くなる
ことがあり好ましくない。
【0017】また、オレフィン−不飽和カルボン酸−不
飽和カルボン酸エステル共重合体(A)中の不飽和カル
ボン酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、フマール酸モノメチルエステル、フマール酸モノエ
チルエステル等が挙げられ、このうちアクリル酸及び/
又はメタクリル酸のC3以上のアルキルエステルが最も
好適に用いられる。オレフィン−不飽和カルボン酸−不
飽和カルボン酸エステル共重合体(A)中の不飽和カル
ボン酸エステルの含有量は、2〜50重量%(更には4
〜40重量%、特には5〜30重量%)であることが、
本発明の効果をより効率的に得られる点で好ましい。
【0018】共重合体(A)のメルトフローレート(M
FR)は、0.3〜100g/10分(190℃、21
60g荷重)、更には0.5〜50g/10分(同
左)、特には0.7〜25g/10分(同左)が、本発
明の効果に特に優れる点で好ましい。
【0019】更に、上記のアイオノマーとしては、共重
合体(A)のカルボン酸成分が金属イオンにより(部
分)中和されたものであり、金属イオンとしては、具体
的には亜鉛、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カ
ルシウム、バリウム、リチウム等が挙げられ、このうち
亜鉛、ナトリウム、カリウムが最も好適に用いられる。
カルボン酸成分の金属イオンによる中和度は、5〜10
0%(更には10〜90%、特には30〜70%)が好
ましい。該アイオノマーのメルトフローレート(MF
R)は、0.3〜100g/10分(210℃、216
0g荷重)、更には0.5〜50g/10分(同左)、
特には0.7〜25g/10分(同左)が、本発明の効
果に特に優れる点で好ましい。
【0020】更に、共重合体(A)は、不飽和カルボン
酸又はその無水物を付加反応やグラフト反応等により化
学的に結合させて得られるカルボキシル基を含有する変
性体であってもよく、かかる不飽和カルボン酸又はその
無水物としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル
酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン
酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げ
られ、中でも、無水マレイン酸が好適に用いられる。こ
のときの、該共重合体(A)に含有される不飽和カルボ
ン酸又はその無水物の量は、0.001〜5重量%(更
には0.01〜3重量%、特には0.03〜1重量%)
が好ましく、該変性物中の変性量が少ないとその効果に
乏しく、逆に多いと得られる樹脂組成物の熱安定性が低
下する傾向にあり、成形性が悪くなることがあり好まし
くない。
【0021】本発明においては、更に、共重合体(A)
にポリアミド系樹脂を配合することも、本発明の効果を
より顕著に発現できうる点で特に好ましく、特に該共重
合体(A)がアイオノマーの場合にはより好ましい。
【0022】かかるポリアミド系樹脂としては、ポリカ
プラミド(ナイロン6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸
(ナイロン7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン
9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラ
ウリルラクタム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミ
ンアジパミド(ナイロン26)、ポリテトラメチレンア
ジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパ
ミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド
(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド
(ナイロン612)、ポリオクタメチレンアジパミド
(ナイロン86)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイ
ロン108)、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重
合体(ナイロン6/12)、カプロラクタム/ω−アミ
ノノナン酸共重合体(ナイロン6/9)、カプロラクタ
ム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体
(ナイロン6/66)、ラウリルラクタム/ヘキサメチ
レンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン12
/66)、エチレンジアミンアジパミド/ヘキサメチレ
ンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン26/
66)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウ
ムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケー
ト共重合体(ナイロン66/610)、エチレンアンモ
ニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジ
ペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重
合体(ナイロン6/66/610)、ポリヘキサメチレ
ンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルア
ミド、ヘキサメチレンイソフタルアミド/テレフタルア
ミド共重合体あるいはこれらのポリアミド系樹脂をメチ
レンベンジルアミン、メタキシレンジアミン等の芳香族
アミンで変性したものやメタキシリレンジアンモニウム
アジペート等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が
用いられ、更にはこれらの中でも、融点が240℃以
下、特に融点が110〜230℃のポリアミド系樹脂
が、本発明の効果に特に優れる点で好ましく、具体的に
はポリカプラミド(ナイロン6)、ポリラウリルラクタ
ム(ナイロン12)、カプロラクタム/ラウリルラクタ
ム共重合体(ナイロン6/12)、カプロラクタム/ヘ
キサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイ
ロン6/66)等が好適に用いられる。
【0023】これらのポリアミド系樹脂は、分子末端の
カルボキシル基及び/又はアミノ基が、アルキルモノカ
ルボン酸、アルキルジカルボン酸、アルキルモノアミ
ン、アルキルジアミン等で調整(変性)されたものであ
ってもよい。
【0024】かかるポリアミド系樹脂を含有させるにあ
たっては、(A)成分と(B)及び/又は(C)成分の
溶融混練等の混合時に同時に加えたり、予め(A)成分
に溶融混練等により混合しておくこともできる。また、
かかるポリアミド系樹脂の含有量は特に限定されない
が、共重合体(A)100重量部に対して1〜100重
量部(更には5〜80重量部、特に20〜50重量部)
であることが好ましく、かかる含有量が1重量部未満で
は、その配合効果に乏しく、逆に100重量部を越える
と、得られる樹脂組成物の熱安定性が低下する傾向にあ
り、成形性が悪くなることがあり好ましくない。
【0025】また(A)成分として、オレフィン種、カ
ルボン酸種、カルボン酸エステル種等が異なる2種以上
の化合物を併用して用いてもよく、さらには、これらが
同じでも、分子量、MFR、アイオノマーの金属種、変
性量などの異なる化合物を2種以上併用して用いること
も可能であり、また、一般のポリオレフィン系樹脂や他
の熱可塑性樹脂と該(A)成分とを混合したものも使用
できる。
【0026】本発明の改質用の樹脂組成物に用いられる
脂肪酸金属塩(B)とは、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
ラウリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン
酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、
ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ノナデカン
酸、オレイン酸、カプリン酸、ベヘニン酸、リノール
酸、アジピン酸等の有機酸の、リチウム、ナトリウム、
カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜
鉛、銅、コバルト、鉄、マンガン等の金属塩を挙げるこ
とができ、特に限定されないが、炭素数8以上(更には
炭素数12〜30)の高級脂肪酸金属塩である場合、本
発明の効果をより顕著に得られる点で好ましく、かかる
中でもステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイ
ン酸、ラウリン酸の金属塩がロングラン成形性や相分離
により発生する異物の抑制効果の点で特に好ましく、ま
た金属種としては、上記の中でもマグネシウム、カルシ
ウム、亜鉛が同様の理由で特に好ましい。
【0027】本発明の改質用の樹脂組成物中の脂肪酸金
属塩(B)の含有量は、特に限定されないが、好ましく
は0.1〜30重量%(更には1〜20重量%、特には
2〜10重量%)であり、かかる肪酸金属塩(B)の含
有量が0.1重量%未満では、本発明の効果が十分に得
られないことがあり、逆に30重量%を越えると、得ら
れる成形物の外観が悪化したり、成形時の臭気が大きく
なる傾向にあり好ましくない。また、かかる脂肪酸金属
塩(B)は2種以上を併用することも可能であり、2種
以上を併用する場合はその総計が上記の範囲内にあるこ
とが好ましい。
【0028】本発明の改質用の樹脂組成物に用いられる
金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、
金属ケイ酸塩から選ばれる1種以上の金属化合物(C)
の金属としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、カ
ドミウム、アルミニウム、ケイ素、スズ、鉛、チタン等
が挙げられ、特に限定されないが、好適にはマグネシウ
ム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、ケイ素である。
かかる金属化合物(C)の好適な具体例としては、酸化
マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミ
ニウム、二酸化ケイ素、水酸化マグネシウム、水酸化カ
ルシウム、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、炭酸マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ
酸カルシウムなどが挙げられ、これらは天然品でも合成
品でもよく、またこれら2種以上の複合体や混合物を用
いることも可能である。これらの中でもハイドロタルサ
イト系化合物及び/又はハイドロタルサイト系固溶体が
ロングラン成形性や相分離により発生する異物(目ヤ
ニ)の抑制効果の点で特に好ましい。
【0029】かかるハイドロタルサイト系化合物として
は、例えば、一般式、 MxAly(OH)2x+3y-2z(E)z・aH2O (式中MはMg,Ca又はZn、EはCO3又はHPO4、x,
y,zは正数、aは0又は正数)で示される化合物で、具
体的には、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、Mg
5Al2(OH)14CO3・4H2O,Mg6Al2(OH)16CO3
・4H2O、Mg8Al2(OH)20CO3・5H2O,Mg10
l2(OH)22(CO3)2・4H2O、Mg6Al2(OH)16HP
4・4H2O,Ca6Al2(OH)16CO3・4H2O、Zn6
Al6(OH) 16CO3・4H2O等が挙げられる。又、以上
に限らず、例えば、Mg2Al(OH)9・3H2O中のOH
の一部がCO3又はHPO4に置換された如き化学式の明
確に示されないものや更には結晶水の除去されたもの(a
=0)であっても同等の効果が期待できる。特にこれら
のうちMがMgで、EがCO3である化合物が最も顕著な
ロングラン成形性や相分離により発生する異物(目ヤ
ニ)の抑制効果を示す。
【0030】更に、ハイドロタルサイト系固溶体として
は、例えば、一般式、 [〔(M1 2+y1(M2 2+y21-xx 3+(OH)2n- x/n
・mH2O] (式中M1 2+はMg,Ca,Sr及びBaから選ばれる金
属の少なくとも1種、M2 2+はZn,Cd,Pb,Sn
から選ばれる金属、Mx 3+は3価金属、An-はn価のア
ニオン、x,y1,y2,mはそれぞれ0<x≦0.5、
0.5<y1<1、y1+y2=1、0≦m<2で示され
る正数)で示される化合物で、上記の一般式において、
1 2+としてはMg,Caが好ましく、M2 2+としてはZ
n,Cdが好ましく、更にMx 3+としてはAl,Bi,
In,Sb,B,Ga,Ti等が例示できるが、Alが
実用的である。又、An-としては、CO3 2-,OH-,H
CO3 -,サリチル酸イオン,クエン酸イオン,酒石酸イ
オン,NO3 -,I-、(OOC−COO)2-、Cl
4-,CH3COO-,CO3 2-,(OOCHC=CHC
OO)2-,〔Fe(CN)64-が挙げられ、CO3 2-やO
-が有用である。
【0031】かかるハイドロタルサイト系固溶体の具体
的実例としては、[Mg0.75 Zn0 .250.67 Al0.33
(OH)2(CO30.165・0.45H2O、[Mg0.79
Zn0 .210.7 Al0.3(OH)2(CO30.15、[Mg
1/7 Ca3/7 Zn3/70.7 Al0.3(OH)2(OOCH
C=CHCOO)0.15・0.41H2O、[Mg6/7 Cd
1/70.7 Al0.3(OH)2(CH3COO)0.3・0.3
4H2O、[Mg5/7 Pd2/70.7 Al0.30(OH)
2(CO30.15・0.52H2O、[Mg0.74
0. 260.68 Al0.32(OH)2(CO30.16、[Mg
0.56 Zn0.440.68 Al0. 32(OH)2(CO30.16
・0.2H2O、[Mg0.81 Zn0.190.74 Al
0.26(OH)2(CO30.13、[Mg0.75 Zn0.25
0.8 Al0.20(OH)2(CO30.10・0.16H2O、
[Mg0.71 Zn0.290.7 Al0.30(OH)2(NO3
0.30、[Mg0.71 Zn0.290.7 Al0.30(OH)
2(OOCHC=CHCOO)0.15、[Mg0.14 Ca
0.57 Zn0.280.7 Al0.30(OH)2.3・0.25H2
等が挙げられ、[Mg0.75 Zn0.250.67 Al
0.33(OH)2(CO30.165・0.45H2O、[Mg0.
79 Zn0.210.7 Al0.3(OH)2(CO30.15
[Mg6/7 Cd1/70.7 Al0.3(OH)2(CH3CO
O)0.3・0.34H2O、[Mg5/7 Pd2/70.7 Al
0.30(OH)2(CO30.15・0.52H2Oがロングラ
ン成形性や相分離により発生する異物(目ヤニ)の抑制
効果を示して好適に使用される。
【0032】本発明の改質用の樹脂組成物中の金属化合
物(C)の含有量は、特に限定されないが、好ましくは
0.5〜40重量%(更には1〜30重量%、特には3
〜20重量%)であり、かかる金属化合物(C)の含有
量が0.5重量%未満では、本発明の効果を十分に得ら
れないことがあり、逆に40重量%を越えると、得られ
る成形物の外観が悪化したり、機械的特性が低下する傾
向にあり好ましくない。また、かかる金属化合物(C)
は2種以上を併用することも可能であり、2種以上を併
用する場合はその総計が上記の範囲内にあることが好ま
しい。
【0033】かかる金属化合物(C)の粒子径について
は、特に限定されないが、好ましくは平均粒子径が10
μm以下(更には5μm以下、特には1μm以下)であ
り、該平均粒子径が10μmを越えると、本発明の効果
を十分に得られないことがあり好ましくない。尚、ここ
で言う平均粒子径とは公知の測定法、例えば光透過遠心
沈降法等によって測定される値である。
【0034】本発明の改質用の樹脂組成物は、上記の通
り、共重合体(A)、脂肪酸金属塩(B)及び/又は金
属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金
属ケイ酸塩から選ばれる1種以上の金属化合物(C)か
らなるものであるが、かかる(A)と(B)及び/又は
(C)を含有する改質用の樹脂組成物を得るに当たって
は、特に限定されず、(A)成分と(B)及び/又は
(C)成分を溶融混練して混合する方法、(A)成分
を溶解可能な溶剤中で均一に溶解してから(B)及び/
又は(C)成分を混合した後に該溶剤を除去する方法等
を挙げることができ、工業上好適にはの方法が用いら
れ、かかる方法について更に詳細に説明するが、これに
限定されるものではない。
【0035】(A)成分と(B)及び/又は(C)成分
を溶融混練して混合するのであるが、その手段として
は、例えば、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロ
ール、バンバリーミキサー、プラストミルなどの公知の
溶融混練装置を使用して行うことができ、通常は150
〜300℃(更には170〜280℃)で、1分〜20
分間程度溶融混練することが好ましく、特に単軸又は二
軸の押出機を用いることが容易に樹脂組成物のペレット
が得られる点で工業上有利であり、また必要に応じて、
ベント吸引装置、ギヤポンプ装置、スクリーン装置等を
設けることも好ましい。特に、水分や副生成物(熱分解
低分子量物等)を除去するために、押出機に1個以上の
ベント孔を設けて減圧下に吸引したり、押出機中への酸
素の混入を防ぐために、ホッパー内に窒素等の不活性ガ
スを連続的に供給したりすることにより、熱着色や熱劣
化が軽減された品質の優れた改質用の樹脂組成物を得る
ことができる。
【0036】また、溶融混練に際して、押出機等の溶融
混練装置に(A)〜(C)成分を供給する方法について
も特に限定されず、1)(A)成分と(B)及び/又は
(C)成分をドライブレンドして一括して押出機等に供
給する方法、2)(A)成分を押出機等に供給して溶融
させたところに固体状の(B)及び/又は(C)成分を
供給する方法(ソリッドサイドフィード法)等を挙げる
ことができる。
【0037】かくして本発明の改質用の樹脂組成物が得
られるのであるが、かかる樹脂組成物には、更に、必要
に応じて、可塑剤、滑剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性
剤、抗菌剤、乾燥剤などの添加剤を配合したり、他の熱
可塑性樹脂をブレンドすることも可能である。
【0038】特に、該樹脂組成物の熱安定性の向上を目
的として、フェノール系、リン系、硫黄系等の公知の酸
化防止剤を配合することが好ましく、かかる酸化防止剤
の具体例としては、例えば、2,5−ジ−t−ブチルハ
イドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、テトラキス−[メチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]メタン、N,N’−ヘキサメチ
レン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキ
シ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−
2,4,6トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリチル−テト
ラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコール
−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサン
ジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス
−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,
5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジ
ン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネ
ート−ジエチルエステル、ビス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシ
ウム、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)−イソシアヌレイト、2,4−ビス
[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、イソオ
クチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチ
ル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチ
ルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ
−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,
6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、4,4’
−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、3,9−ビス{2−[3−(3−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プ
ロピオニロキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ(5・5)ウンデカ
ンなどのヒンダードフェノール系化合物。
【0039】トリフェニルホスファイト、トリス(p−
ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスファイト等のトリアリールホ
スファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジ
フェニルイソデシルホスファイトの如きモノアルキルジ
フェニルホスファイトや、フェニルジイソオクチルホス
ファイト、フェニルジイソデシルホスファイトの如きジ
アルキルモノフェニルホスファイト等のアルキルアリー
ルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリ
ステアリルホスファイト等のトリアルキルホスファイ
ト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエ
リスリトール−ジ−ホスファイトなどのフォスファイト
系化合物。
【0040】ペンタエリスリトール−テトラキス−(β
−ラウリルチオプロピオネート)、テトラキス〔メチレ
ン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート〕メタン、ビ
ス〔2−メチル−4−{3−n−アルキルチオプロピオ
ニルオキシ}−5−t−ブチルフェニル〕スルフィド、
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミス
チリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリ
ル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリ
ル−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、
ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−
メルカプトベンズイミダゾールなどのチオエーテル系化
合物。
【0041】コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシ
エチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメ
チルペピリジン重縮合物、ポリ{[6−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリア
ジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン
[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ]}、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エ
チレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮
合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n
−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)などのヒンダードアミン系化合
物。
【0042】2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,
5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2
H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5
−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミ
ル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−t−ブチル−
5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒ
ドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリ
コール縮合物、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール
誘導体、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6
−テトラ−ヒドロフタリミド−メチル)−5−メチルフ
ェニル]ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール
系化合物。
【0043】2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノ
ン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェ
ノン)等のベンゾフェノン系化合物などを挙げることが
できる。また、かかる酸化防止剤は2種以上を併用する
ことも可能であり、特にフェノール系酸化防止剤とリン
系酸化防止剤の組み合わせが好適である。
【0044】該酸化防止剤の性状としては、粉末状、顆
粒状、液体状、ペースト状、エマルジョン状等任意の形
態のものが使用可能である。
【0045】かくして本発明の改質用の樹脂組成物が得
られるのであるが、本発明においては、かかる改質用の
樹脂組成物を、EVOH層を含有する積層体、例えば少
なくとも熱可塑性樹脂層/EVOH層からなる積層体を
再使用する時の該積層体の粉砕物に配合することを特徴
とするものであり、以下この点について詳細に説明す
る。
【0046】少なくとも熱可塑性樹脂層/EVOH層か
らなる積層体に用いられる熱可塑性樹脂としては、特に
限定されず、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、共重合ポリアミド、ポリスチレ
ン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデ
ン、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエス
テルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、塩素化
ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、芳香族および脂
肪族ポリケトン、脂肪族ポリアルコール等が挙げられ、
好適にはポリオレフィン系樹脂が用いられる。
【0047】かかるポリオレフィン系樹脂としては、具
体的に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密
度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン
(VLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高
密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)、アイオノマー、エチレン−プロピ
レン(ブロック又はランダム)共重合体、エチレン−ア
クリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重
合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メ
タクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン(P
P)、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20の
α−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテ
ン、ポリメチルペンテン等のオレフィンの単独又は共重
合体、或いはこれらのブレンド物などの広義のポリオレ
フィン系樹脂を挙げることができ、なかでも、直鎖状低
密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン
(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、
高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(EVA)、エチレン−プロピレン(ブロッ
ク又はランダム)共重合体、ポリプロピレン(PP)及
びこれらのブレンド物が、本発明の効果が好適に得られ
る点で好ましい。
【0048】少なくとも熱可塑性樹脂層/EVOH層か
らなる積層体に用いられるEVOHとしては、特に限定
されないが、エチレン含量10〜70モル%(更には1
5〜60モル%、特には20〜50モル%)で、酢酸ビ
ニル成分のケン化度が90モル%以上(更には95モル
%以上、特には99モル%以上)のものが用いられ、該
エチレン含有量が10モル%未満では高湿時のガスバリ
ア性、溶融成形性が低下し、逆に70モル%を越えると
充分なガスバリア性が得られず、更にケン化度が90モ
ル%未満ではガスバリア性、熱安定性、耐湿性等が低下
して好ましくない。
【0049】また、EVOHのメルトフローレート(M
FR)は、0.5〜50g/10分(210℃、216
0g荷重)が好ましく、更には1〜35g/10分(同
上)が好ましい。かかるMFRが0.5g/10分(同
上)未満では、粘度が高くなり過ぎて溶融押出しが困難
となることがあり、逆に50g/10分(同上)を越え
ると、製膜性が不安定となることがあり好ましくない。
【0050】該EVOHは、エチレン−酢酸ビニル共重
合体をケン化することによって得られ、該エチレン−酢
酸ビニル共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶
液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造さ
れ、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化も公知の方
法で行い得る。
【0051】また、本発明では、本発明の効果を阻害し
ない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重
合していてもよく、かかる単量体としては、プロピレ
ン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、
(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸
類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたは
ジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素数1〜1
8のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルア
クリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸
あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミ
ンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルア
ミド類、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アル
キルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルア
ミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるい
はその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあ
るいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミ
ド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、
アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビ
ニル類、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒ
ドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキル
ビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化
ビニル等のハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシ
ラン等のビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、ア
リルアルコール、ジメチルアリルアルコール、トリメチ
ル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−
アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸等が挙げられる。又、本発明の趣旨を
損なわない範囲で、ウレタン化、アセタール化、シアノ
エチル化等、後変性されても差し支えない。
【0052】本発明では、かかるEVOHがホウ素化合
物、リン酸又はその化合物、脂肪酸塩から選ばれる少な
くとも1種を含有してなるとき、本発明の効果に特に優
れる点で好ましく、かかるホウ素化合物としては、ホウ
酸またはその金属塩、例えばホウ酸カルシウム、ホウ酸
コバルト、ホウ酸亜鉛(四ホウ酸亜鉛,メタホウ酸亜鉛
等)、ホウ酸アルミニウム・カリウム、ホウ酸アンモニ
ウム(メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウ
ム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム
等)、ホウ酸カドミウム(オルトホウ酸カドミウム、四
ホウ酸カドミウム等)、ホウ酸カリウム(メタホウ酸カ
リウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六ホウ
酸カリウム、八ホウ酸カリウム等)、ホウ酸銀(メタホ
ウ酸銀、四ホウ酸銀等)、ホウ酸銅(ホウ酸第2銅、メ
タホウ酸銅、四ホウ酸銅等)、ホウ酸ナトリウム(メタ
ホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナト
リウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八
ホウ酸ナトリウム等)、ホウ酸鉛(メタホウ酸鉛、六ホ
ウ酸鉛等)、ホウ酸ニッケル(オルトホウ酸ニッケル、
二ホウ酸ニッケル、四ホウ酸ニッケル、八ホウ酸ニッケ
ル等)、ホウ酸バリウム(オルトホウ酸バリウム、メタ
ホウ酸バリウム、二ホウ酸バリウム、四ホウ酸バリウム
等)、ホウ酸ビスマス、ホウ酸マグネシウム(オルトホ
ウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、メタホウ酸
マグネシウム、四ホウ酸三マグネシウム、四ホウ酸五マ
グネシウム等)、ホウ酸マンガン(ホウ酸第1マンガ
ン、メタホウ酸マンガン、四ホウ酸マンガン等)、ホウ
酸リチウム(メタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、
五ホウ酸リチウム等)などの他、ホウ砂、カーナイト、
インヨーアイト、コトウ石、スイアン石、ザイベリ石等
のホウ酸塩鉱物などが挙げられ、好適にはホウ砂、ホウ
酸、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ
酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウ
ム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)が用
いられる。
【0053】また、リン酸又はその化合物としては、リ
ン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウ
ム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リ
ン酸三カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水
素カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウ
ム、リン酸水素マグネシウム、リン酸二水素マグネシウ
ム、リン酸水素亜鉛、リン酸水素バリウム、リン酸水素
マンガン等を挙げることができ、好適にはリン酸、リン
酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二
水素カルシウム、リン酸二水素マグネシウムが用いられ
る。更に、脂肪酸塩としては、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、ラウリル酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン
酸等のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)
やアルカリ土類塩(マグネシウム塩、カルシウム塩、バ
リウム塩等)や亜鉛金属塩、マンガン金属塩などを挙げ
ることができ、好適には酢酸ナトリウム、酢酸カルシウ
ム、酢酸マグネシウム等の炭素数5以下の脂肪酸のアル
カリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が用いられる。
【0054】上記成分の含有量としては、特に限定され
ないが、かかる成分がホウ素化合物の場合は、EVOH
中にホウ素換算で0.001〜1重量%(更には0.0
02〜0.5重量%、特に0.002〜0.1重量%)
とすることが好ましく、かかる成分がリン酸又はその化
合物の場合は、EVOH中にリン酸根換算で0.000
5〜0.1重量%(更には0.001〜0.05重量
%、特に0.002〜0.03重量%)とすることが好
ましく、かかる成分が脂肪酸塩の場合は、EVOH中に
金属換算で0.001〜0.05重量%(更には0.0
015〜0.04重量%、特に0.002〜0.03重
量%)とすることが好ましく、かかる成分の含有量が上
記量未満では、ロングラン成形性と耐層間剥離性の相乗
効果の発現が乏しくなり、上記量を越えると、得られる
成形物の外観が悪化することがあり好ましくない。かか
る成分として、ホウ素化合物、リン酸又はその化合物、
脂肪酸塩の中から2種以上を併用する場合は、それぞれ
の含有量が上記の条件を満足することが好ましい。
【0055】これらの成分をEVOHに含有させるに当
たっては、特に限定されず、公知の方法を採用すること
ができ、例えば、ア)含水率20〜80重量%のEVO
Hの多孔性析出物を、上記成分の水溶液と接触させて、
上記成分を含有させてから乾燥する方法、イ)EVOH
の均一溶液(水/アルコール溶液等)に上記成分を含有
させた後、凝固液中にストランド状に押し出し、次いで
得られたストランドを切断してペレットとして、更に乾
燥処理をする方法、ウ)EVOHと上記成分を一括して
混合してから押出機等で溶融混練する方法、エ)EVO
Hの製造時において、ケン化工程で使用したアルカリ
(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)を酢酸等の酸
類で中和して、残存する酢酸等の酸類や副生成する酢酸
ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属塩の量を水
洗処理により調整したりする方法等を挙げることができ
る。その効果をより顕著に得るためには、酸類やその金
属塩の分散性に優れるア)、イ)またはエ)の方法が好
ましい。
【0056】更に、本発明においては、かかるEVOH
に本発明の目的を阻害しない範囲において、飽和脂肪族
アミド(例えばステアリン酸アミド等)、不飽和脂肪酸
アミド(例えばオレイン酸アミド等)、ビス脂肪酸アミ
ド(例えばエチレンビスステアリン酸アミド等)、低分
子量ポリオレフィン(例えば分子量500〜10,00
0程度の低分子量ポリエチレン、又は低分子量ポリプロ
ピレン等)などの滑剤、無機塩(例えばハイドロタルサ
イト等)、可塑剤(例えばエチレングリコール、グリセ
リン、ヘキサンジオール等の脂肪族多価アルコールな
ど)、酸素吸収剤(例えば還元鉄粉類、亜硫酸カリウ
ム、アスコルビン酸類、ハイドロキノン等)、熱安定
剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯
電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、アンチブロッキング剤
(例えばタルク微粒子等)、スリップ剤(例えば無定形
シリカ等)、充填材(例えば無機フィラー等)、他樹脂
(例えばポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル
等)などを配合しても良い。
【0057】また、EVOHとして、異なる2種以上の
EVOHを用いることも可能で、このときは、エチレン
含有量が5モル%以上異なり、及び/又はケン化度が1
モル%以上異なり、及び/又はMFRの比が2以上であ
るEVOHのブレンド物を用いることにより、ガスバリ
ア性や耐屈曲疲労性を保持したまま、更に柔軟性、熱成
形性(高延伸時の延伸性、真空圧空成形や深絞り成形な
どの2次加工性)、製膜安定性等が向上するので有用で
ある。異なる2種以上のEVOHの製造方法は特に限定
されず、例えばケン化前のEVAの各ペーストを混合後
ケン化する方法、ケン化後の各EVOHのアルコール又
は水とアルコールの混合溶液を混合後ペレット化する方
法、各EVOHペレットを混合後溶融混練する方法など
が挙げられる。
【0058】上記の積層体は、少なくとも熱可塑性樹脂
層/EVOH層からなるものであるが、その層間には、
必要に応じて接着性樹脂層を設けることができ、かかる
接着性樹脂としては、種々のものを使用することがで
き、熱可塑性樹脂の種類によって異なり一概に言えない
が、不飽和カルボン酸又はその無水物をオレフィン系重
合体(前述の広義のポリオレフィン系樹脂)に付加反応
やグラフト反応等により化学的に結合させて得られるカ
ルボキシル基を含有する変性オレフィン系重合体を挙げ
ることができ、具体的には、無水マレイン酸グラフト変
性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロ
ピレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−プロピ
レン(ブロック又はランダム)共重合体、無水マレイン
酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合
体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル
共重合体等から選ばれた1種または2種以上の混合物が
好適なものとして挙げられる。このときの、オレフィン
系重合体に含有される不飽和カルボン酸又はその無水物
の量は、0.001〜3重量%が好ましく、更に好まし
くは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.03〜
0.5重量%である。該変性物中の変性量が少ないと、
層間接着性が不充分となることがあり、逆に多いと接着
性樹脂が架橋反応を起こし、成形性が悪くなることがあ
り好ましくない。また、これらの接着性樹脂には、ポリ
イソブチレン、エチレン−プロピレンゴム等のゴム・エ
ラストマー成分、更には他の熱可塑性樹脂等をブレンド
することも可能である。特に、接着性樹脂の母体のポリ
オレフィン系樹脂と異なるポリオレフィン系樹脂をブレ
ンドすることにより、接着性が向上することがあり有用
である。
【0059】かかる積層体の各層の厚みは、層構成、熱
可塑性樹脂の種類、用途や容器形態、要求される物性な
どにより一概に言えないが、通常は、熱可塑性樹脂層は
5〜5000μm(更には30〜1000μm)、EV
OH層は5〜500μm(更には10〜200μm)、
接着性樹脂層は5〜400μm(更には10〜150μ
m)程度の範囲から選択される。
【0060】かかる積層体を製造するに当たっては、特
に限定されず、積層方法としては、例えばEVOHのフ
ィルム、シート等に熱可塑性樹脂を溶融押出ラミネート
する方法、逆に熱可塑性樹脂からなる基材にEVOHを
溶融押出ラミネートする方法、EVOHと熱可塑性樹脂
とを共押出する方法、EVOH(層)と熱可塑性樹脂
(層)とを有機チタン化合物、イソシアネート化合物、
ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等の公知の
接着剤を用いてドライラミネートする方法等が挙げられ
る。上記の溶融押出時の溶融成形温度は、150〜30
0℃の範囲から選ぶことが多い。
【0061】該積層体は、そのまま各種形状のものに使
用されるが、更に該積層体の物性を改善したり目的とす
る任意の容器形状に成形するためには、加熱延伸処理が
施されることも多い。ここで加熱延伸処理とは、熱的に
均一に加熱されたフィルム、シート、パリソン状の積層
体をチャック、プラグ、真空力、圧空力、ブローなどに
より、カップ、トレイ、チューブ、ボトル、フィルム状
に均一に成形する操作を意味し、かかる延伸について
は、一軸延伸、二軸延伸のいずれであってもよい。
【0062】延伸方法としては、ロール延伸法、テンタ
ー延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法、真空成
形、圧空成形、真空圧空成形等が挙げられる。二軸延伸
の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のいずれ
の方式も採用できる。延伸温度は60〜170℃、好ま
しくは80〜160℃程度の範囲から選ばれる。
【0063】得られる積層体の形状としては任意のもの
であってよく、フィルム、シート、テープ、カップ、ト
レイ、チューブ、ボトル、パイプ、フィラメント、異型
断面押出物等が例示される。又、得られる積層体は必要
に応じ、熱処理、冷却処理、圧延処理、印刷処理、ドラ
イラミネート処理、溶液又は溶融コート処理、製袋加
工、深絞り加工、箱加工、チューブ加工、スプリット加
工等を行うことができる。
【0064】本発明の改質用の樹脂組成物は、上記の如
き、少なくとも熱可塑性樹脂層/EVOH層からなる積
層体の製造時に発生する、製品のクズや端部の不要部
分、或いは不良品を回収して再利用(スクラップリター
ン或いはリグラインド)する際に用いるもので、スクラ
ップやバリが大量に発生するダイレクトブロー成形(連
続式、アキュムレーター式)方法や、多層シートの二次
加工成形(真空成形、圧空成形、真空圧空成形等)方法
等に特に有用で、例えば、EVOHと熱可塑性樹脂を共
押出して得られたパリソンを金型で挟んで空気を吹き込
んでブロー成形して、ボトルやチューブを作成したり、
任意の方法で得たEVOHと熱可塑性樹脂からなる多層
シートを真空力や圧空力により絞り成形して、カップや
トレイを作製したりする方法である。
【0065】上記の如く得られる積層体(製品)の製造
時に発生する製品のクズや端部の不要部分或いは不良品
(スクラップ組成物)を再利用するに当たっては、これ
らを粉砕した後、再び押出機等で溶融成形に供する必要
がある。かかるスクラップ組成物の粉砕に当たっては、
公知の粉砕機を使用することにより行うことができる。
かかる粉砕品の形状や粒径については特に限定されない
が、その見掛け密度が0.25〜0.85g/cc(更
には0.3〜0.7g/cc、特には0.35〜0.6
g/cc)であることが好ましく、かかる見掛け密度が
0.25g/cc未満では、リグラインド層中のEVO
Hの分散が不良となり、得られる成形品のリグラインド
層の溶融成形性や機械的特性が低下することがあり、逆
に0.85g/ccを越えると、押出機での供給不良の
発生によって得られる成形品のリグラインド層の溶融成
形性が低下することがあり好ましくない。
【0066】かかる見掛け密度については、粉砕機の粉
砕刃の形状、粉砕刃の回転数、粉砕の処理速度、使用す
るメッシュの目開きの大きさなどを任意に調整すること
により、コントロールすることが可能である。尚、ここ
で言う見かけ密度とは、JIS−K6891の「5.3
見かけ密度」試験方法に準拠して測定される値である。
【0067】更に本発明では、かかる粉砕物(スクラッ
プ組成物)中のEVOHの含有量が、0.1〜30重量
%(更には0.3〜25重量%、特には0.5〜20重
量%)であるとき、本発明の効果に特に優れる点で好ま
しく、かかるEVOHの含有量が0.1未満では、積層
体粉砕物の溶融成形時のロングラン成形性の低下や相分
離異物(目ヤニ)の発生、得られる成形物の層間剥離の
発生や機械的特性の低下といった問題が発生しないこと
があり、その改善の必要性に乏しく、逆に30重量%を
越えると、本発明の効果を得ることが困難になることが
あり好ましくない。かかるEVOHの含有量について
は、積層体中のEVOH層の厚みに依存するものである
が、その含有量が30重量%を越える場合は、未使用の
同じ熱可塑性樹脂や異なる熱可塑性樹脂を適当量混合し
て、その含有量を30重量%以下にすることが好まし
い。
【0068】かくして、積層体の粉砕物が得られるので
あるが、本発明においては、かかる粉砕物に前述の
(A)成分と(B)及び/又は(C)成分からなる改質
用の樹脂組成物を配合して溶融成形するのである。かか
る粉砕物に改質用の樹脂組成物を配合するに当たって
は、ロッキングミキサー、リボンブレンダー、スーパー
ミキサー、ラインミキサー等の公知の混合装置を用いて
配合させることが出来る。かかる粉砕物と改質用の樹脂
組成物の混合物(以下、ブレンド物と称す)は、直接成
形品用の押出機に供給することもできるし、事前に1軸
押出機や2軸押出機等の溶融混練機を用いて再ペレット
化を行ってから、成形品用の押出機に供給することも可
能である。また、本発明においては、該ブレンド物を直
接成形品用の押出機に供給しても、その溶融成形性や機
械的特性に優れるため、生産性(経済性)を重要視する
ときは直接成形品用の押出機に供給することも好まし
い。
【0069】また、かかるブレンド物は、そのまま成形
品用の押出機に供給することもできるし、未使用の同じ
熱可塑性樹脂や異なる熱可塑性樹脂を適当量混合して押
出機に供給することも可能であるが、本発明において
は、粉砕物中のEVOHの含有量が30重量%を越えな
ければ、かかるブレンド物をそのまま成形品用の押出機
に供給しても、その溶融成形性や機械的特性に優れ、生
産性(経済性)の点で有利であるため好ましい。
【0070】かかる粉砕物に対する改質用の樹脂組成物
の配合量は、層構成、熱可塑性樹脂の種類、粉砕物中の
EVOHの含有量、用途や容器形態、要求される物性な
どにより一概に言えないが、粉砕物100重量部に対し
て0.5〜50重量部(更には1〜30重量部、特には
2〜10重量部)とすることが好ましく、かかる改質用
の樹脂組成物の配合量が0.5重量部未満では、本発明
の効果を得ることが困難になることがあり、逆に50重
量部を越えると、得られる成形物の外観が悪化したり、
成形時の臭気が大きくなったり、機械的特性が低下する
傾向にあり好ましくない。
【0071】かかるブレンド物を溶融成形して得られる
成形品については、特に限定されず、その形状としては
任意のものであってよく、フィルム、シート、テープ、
カップ、トレイ、チューブ、ボトル、パイプ、フィラメ
ント、異型断面押出物、各種不定形成形物等が例示され
るが、通常は前述の通り多層構造物のリグラインド層と
して有効利用されるのである。
【0072】尚、リグラインド層に用いる粉砕物を得る
ための積層体とかかる多層構造物は、同じ樹脂を原料と
して同じ方法により成形される。即ち、該多層構造物の
粉砕物を再びかかる多層構造物のリグライド層に用いる
ことが一般的であるが、それに限定されるものではな
い。異なるEVOHや熱可塑性樹脂を用いた積層体から
なる別の成形物(2種類以上の成形物を使用してもよ
い)の粉砕物を、かかる多層構造物のリグライド層に用
いることや、かかる粉砕物と該多層構造物の粉砕物の混
合物をリグラインド層に用いることも可能である。
【0073】具体的な多層構造物の層構成としては、熱
可塑性樹脂層/ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH
層、熱可塑性樹脂層/ブレンド物層/接着性樹脂層/E
VOH層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹
脂層/ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH層/接着
性樹脂層/ブレンド物層/熱可塑性樹脂層や、更にはブ
レンド物層/EVOH層、ブレンド物層/接着性樹脂層
/EVOH層、ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH
層/接着性樹脂層/EVOH層、ブレンド物層/接着性
樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層、
ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂
層/ブレンド物層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/
接着性樹脂層/EVOH層/ブレンド物層/EVOH層
/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層等が挙げられる。
【0074】かかる熱可塑性樹脂層に用いられる熱可塑
性樹脂、EVOH層に用いられるEVOH、接着性樹脂
層に用いられる接着性樹脂としては、特に限定されず、
前述の積層体に例示されるものを用いることができる。
また、本発明で得られる多層構造物の各層には、成形加
工性、物性等の向上のために酸化防止剤、滑剤、帯電防
止剤、可塑剤、着色剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、無機・
有機充填材等を本発明の効果を阻害しない範囲で添加す
ることもできる。
【0075】上記の多層構造物は、シートやフィルム状
だけでなく、上記の共押出成形法、共射出成形法、共押
出インフレ成形法やブロー成形法等により、パイプ・チ
ューブ状やタンク・ボトル等の容器等に成形することが
でき、更には該多層構造物を100〜150℃程度に再
度加熱して、ブロー延伸法や絞り成形法(真空成形、圧
空成形、真空圧空成形等)等により延伸して、ボトル、
チューブ、カップ、トレイ等の容器等に成形することも
可能である。
【0076】かくして得られた多層構造物は、一般的な
食品の他、マヨネーズ、ドレッシング等の調味料、味噌
等の発酵食品、サラダ油等の油脂食品、飲料、化粧品、
医薬品、洗剤、香粧品、工業薬品、農薬、燃料等各種の
容器として有用であるが、特に、マヨネーズ、ケチャッ
プ、ソース、味噌、わさび、からし、焼肉等のたれ等の
半固形状食品・調味料、サラダ油、みりん、清酒、ビー
ル、ワイン、ジュース、紅茶、スポーツドリンク、ミネ
ラルウォーター等の液体状飲料・調味料用のボトル状容
器やチューブ状容器、ゼリー、プリン、ヨーグルト、マ
ヨネーズ、味噌等の半固形状食品・調味料用のカップ状
容器や、生肉、畜肉加工品(ハム、ベーコン、ウインナ
ー等)用のトレー状容器の用途に有用である。
【0077】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは、特に
断わりのない限り、重量基準を意味する。また、EVO
H中の各成分の含有量の測定にあたっては、以下の方法
によって測定した。
【0078】ホウ素化合物:樹脂組成物をアルカリ溶融
して、IPC発光分光分析により、ホウ素量を定量 リン酸化合物:樹脂組成物を温希硫酸抽出して、吸光光
度法(モリブデン青)により、リン酸根を定量(JIS
K 0102に準拠) 脂肪酸塩 :樹脂組成物を灰化後、塩酸水溶液に溶解
して、原子吸光分析により、それぞれの金属量を定量 以下の樹脂や化合物等を用意した。
【0079】[共重合体(A)] A1;エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー
とポリアミドの混合物(三井デュポンポリケミカル社製
『ハイミランAM79261』、イオン種Zn2+、密度
1.0g/cm3、MFR1.3(210℃、2160
g荷重)) A2;エチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共
重合体のアイオノマー(三井デュポンポリケミカル社製
『ハイミランS1856』、イオン種Na+、密度0.
95g/cm3、MFR1.0(190℃、2160g
荷重)) A3;エチレン−メタクリル酸共重合体(三井デュポン
ポリケミカル社製『ニュクレルN0908C』、メタク
リル酸含有量9重量%、密度0.93g/cm3、MF
R8g/10分(190℃、荷重2160g))
【0080】[脂肪酸金属塩(B)] B1;ステアリン酸カルシウム(日本油脂社製『ニッサ
ンカルシウムステアレートS』) B2;ステアリン酸マグネシウム(栄伸化成社製『EM
−100』) B3;塩基性12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウ
ム(栄伸化成社製『EMS−6』)
【0081】[金属化合物(C)] C1;Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O(協和
化学工業社製『DHT−4A』、平均粒径0.4μm) C2;Mg3ZnAl2(OH)12CO3・3H2O(協和
化学工業社製『ZHT−4A』、平均粒径0.4μm)
【0082】実施例1 共重合体(A)としてA1を、及び脂肪酸金属塩(B)
としてB1を、A1/B1=92/8(重量比)の割合
で混合して、同方向2軸押出機にて溶融混練して、改質
用の樹脂組成物のペレットを得た。尚、溶融混練成形条
件は以下の通りである。
【0083】 [溶融混練条件] スクリュー内径 30mm L/D 30 押出温度 C1:180℃ C5:230℃ C2:210℃ D :230℃ C3:230℃ C4:230℃ スクリュー回転数 130rpm
【0084】別途、EVOH[エチレン含有量32モル
%、ケン化度99.6モル%、MFR3.5g/10m
in(210℃、荷重2160g)、ホウ酸をホウ素換
算で0.03%含有]、熱可塑性樹脂[高密度ポリエチ
レン、日本ポリケム社製『ノバテックHD HB43
1』、MFR0.35g/10min(190℃、荷重
2160g)]、接着性樹脂[無水マレイン酸変性高密
度ポリエチレン、三菱化学社製『モディックAP H5
21』]を用いて、共押出多層ダイレクトブロー成形機
(プラコー社製)に供給して、[内側]熱可塑性樹脂層
/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/熱可塑性
樹脂層[外側]の構成の多層パリソン(外径15mm)
を押出した後、金型で挟み込み空気を吹き込んで膨らま
せ、金型に密着させて、内容積約500cc、胴部の径
80mm、高さ165mmの多層ボトル(積層体)を得
た。かかる多層ボトルの各層厚みは、[内側]熱可塑性
樹脂層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/熱
可塑性樹脂層[外側]=400/25/50/25/5
00(μm)であった。尚、上記のパリソン成形から吹
き込み成形時の条件は、以下の通りであった。
【0085】 [EVOHの単軸押出機の条件] スクリュー内径 30mm L/D 30 押出温度 C1:180℃ H:210℃ C2:200℃ N:210℃ C3:210℃ C4:210℃
【0086】 [熱可塑性樹脂の単軸押出機の条件] スクリュー内径 30mm L/D 30 押出温度 C1:180℃ H:220℃ C2:200℃ N:220℃ C3:220℃ C4:220℃
【0087】 [接着性樹脂の単軸押出機の条件] スクリュー内径 30mm L/D 30 押出温度 C1:180℃ H:220℃ C2:200℃ N:220℃ C3:220℃ C4:220℃
【0088】 [ダイの設定条件] ダイ 円筒状 設定温度 220℃ [吹き込み成形の条件] 冷却時間 20sec
【0089】続いて、得られた多層ボトルや成形時に発
生したバリやスクラップを粉砕機(径8mmφメッシ
ュ)で粉砕して、該積層体の粉砕物(見掛け密度0.4
2g/cc)を得た。尚、かかる積層体の粉砕物中のE
VOHの含有量は6.1%であった。かかる積層体の粉
砕物100部に対して、上記で得られた改質用の樹脂組
成物のペレット5部を添加して、タンブラーにてドライ
ブレンドして得られたブレンド物を共押出多層ダイレク
トブロー成形機のリグラインド層用の押出機に供給し、
同様にして、[内側]熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/
EVOH層/接着性樹脂層/リグラインド(ブレンド
物)層/熱可塑性樹脂層[外側]=400/25/50
/25/400/100(μm)の構成の多層ボトル
(多層構造物)を作製し、発生したバリやスクラップを
同様に粉砕して改質用の樹脂組成物のペレット5部を添
加して、同様に多層ボトルを得る操作を20回繰り返し
て、以下の評価を行った。尚、かかる多層構造物の粉砕
物(ブレンド物)中のEVOHの含有量は、1回目にお
いて8.4%であり、20回目において9.8%で、か
かる全ての操作中における該EVOHの含有量は6.1
〜9.8%の範囲内であった。
【0090】上記の工程において、以下の要領で評価を
行った。 (ロングラン成形性)上記の操作を20回繰り返した後
の多層ボトルの外観を目視で観察し、以下の通り評価し
た。 表面平滑性 多層ボトル側面のリグラインド層を目視で観察し、下記
の基準で評価した。 ○・・・スジ・波状の模様や透明性の低下が殆ど認めら
れない。 △・・・スジ・波状の模様や透明性の低下が若干認めら
れる。 ×・・・スジ・波状の模様や透明性の低下が著しく認め
られる。 フィッシュアイ 多層ボトル側面のリグラインド層中の100cm2当た
りの直径が0.4mm以上のフィッシュアイの個数を測
定し、下記の基準で評価した。 ○・・・2個未満 △・・・2〜4個 ×・・・5個以上
【0091】(相分離異物−目ヤニ−の抑制)上記の2
0回の成形操作中における、リグラインド層/熱可塑性
樹脂層の層間及びリグラインド層/接着性樹脂層の層間
への目ヤニの混入の頻度を観察し、下記の基準で評価し
た。 ○・・・目ヤニの混入が2回未満 △・・・目ヤニの混入が2〜10回 ×・・・目ヤニの混入が10回を越える
【0092】(耐層間剥離性)上記の成形操作を10回
繰り返した後の多層ボトルに水を充填し、該ボトルを水
平(横向き)に保ち、1.2mの高さから地面に設置し
た金属製の三角錐の上に自由落下させる操作を10個の
ボトルについて行って、該三角錐で衝撃を受けたボトル
側面部のリグラインド層と隣接層の層間剥離の有無を目
視で観察し、下記の基準で評価した。 ○・・・10個のボトル全てに層間剥離は認められなか
った △・・・1〜3個のボトルに層間剥離が認められた ×・・・4個以上のボトルに層間剥離が認められた
【0093】(機械的特性)上記の成形操作を10回繰
り返した後の多層ボトルに水を充填し、上記と同様の落
下操作を行い、ボトル側面部のリグラインド層のクラッ
クの発生の有無を目視で観察し、下記の基準で評価し
た。 ○・・・10個のボトル全てにクラックの発生は認めら
れなかった △・・・1〜3個のボトルにクラックの発生が認められ
た ×・・・4個以上のボトルにクラックの発生が認められ
【0094】実施例2 実施例1において、共重合体(A)としてA1を、金属
化合物(C)としてC1を、A1/C1=90/10
(重量比)の割合で混合した以外は同様に行って、改質
用の樹脂組成物のペレットを得て同様に多層ボトルを得
る操作を繰り返して、同様に評価を行った。尚、積層体
の粉砕物の見掛け密度は0.42g/ccであった。
【0095】実施例3 実施例1において、共重合体(A)としてA1を、脂肪
酸金属塩(B)としてB2を、金属化合物(C)として
C2を、A1/B2/C2=84/6/10(重量比)
の割合で混合した以外は同様に行って、改質用の樹脂組
成物のペレットを得て同様に多層ボトルを得る操作を繰
り返して、同様に評価を行った。但し、改質用の樹脂組
成物のペレットの添加量は、積層体の粉砕物100部に
対して一律3部とした。尚、積層体の粉砕物の見掛け密
度は0.42g/ccで、多層構造物の粉砕物(ブレン
ド物)中のEVOHの含有量は、1回目において8.4
%であり、20回目において9.9%で、かかる全ての
操作中における該EVOHの含有量は6.1〜9.9%
の範囲内であった。
【0096】実施例4 実施例1において、共重合体(A)としてA2を、脂肪
酸金属塩(B)としてB3を、A2/B3=94/6
(重量比)の割合で混合した以外は同様に行って、改質
用の樹脂組成物のペレットを得て同様に多層ボトルを得
る操作を繰り返して、同様に評価を行った。但し、改質
用の樹脂組成物のペレットの添加量は、積層体の粉砕物
100部に対して一律8部とした。尚、積層体の粉砕物
の見掛け密度は0.42g/ccで、多層構造物の粉砕
物(ブレンド物)中のEVOHの含有量は、1回目にお
いて8.3%であり、20回目において9.6%で、か
かる全ての操作中における該EVOHの含有量は6.1
〜9.6%の範囲内であった。
【0097】実施例5 実施例1において、共重合体(A)としてA2を、金属
化合物(C)としてC2を、A2/C2=88/12
(重量比)の割合で混合した以外は同様に行って、改質
用の樹脂組成物のペレットを得て同様に多層ボトルを得
る操作を繰り返して、同様に評価を行った。但し、改質
用の樹脂組成物のペレットの添加量は、積層体の粉砕物
100部に対して一律3部とした。尚、積層体の粉砕物
の見掛け密度は0.42g/ccで、多層構造物の粉砕
物(ブレンド物)中のEVOHの含有量は、1回目にお
いて8.4%であり、20回目において9.9%で、か
かる全ての操作中における該EVOHの含有量は6.1
〜9.9%の範囲内であった。
【0098】実施例6 実施例1において、共重合体(A)としてA3を、金属
化合物(C)としてC2を、A2/C2=93/7(重
量比)の割合で混合した以外は同様に行って、改質用の
樹脂組成物のペレットを得て同様に多層ボトルを得る操
作を繰り返して、同様に評価を行った。但し、改質用の
樹脂組成物のペレットの添加量は、積層体の粉砕物10
0部に対して一律3部とした。尚、積層体の粉砕物の見
掛け密度は0.42g/ccで、多層構造物の粉砕物
(ブレンド物)中のEVOHの含有量は、1回目におい
て8.4%であり、20回目において9.9%で、かか
る全ての操作中における該EVOHの含有量は6.1〜
9.9%の範囲内であった。
【0099】実施例7 実施例1において、共重合体(A)としてA2を、脂肪
酸金属塩(B)としてB1を、金属化合物(C)として
C1を、A2/B1/C1=89/4/7(重量比)の
割合で混合した以外は同様に行って、改質用の樹脂組成
物のペレットを得て同様に多層ボトルを得る操作を繰り
返して、同様に評価を行った。尚、積層体の粉砕物の見
掛け密度は0.42g/ccであった。
【0100】実施例8 実施例1において、EVOHとして、エチレン含有量3
8モル%、ケン化度99.6モル%、MFR3.0g/
10min(210℃、荷重2160g)で、リン酸二
水素カルシウムをリン酸根換算で0.01%含有したも
のを用いた以外は同様に行って、改質用の樹脂組成物の
ペレットを得て同様に多層ボトルを得る操作を繰り返し
て、同様に評価を行った。尚、積層体の粉砕物の見掛け
密度は0.42g/ccであった。
【0101】実施例9 実施例2において、EVOHとして、エチレン含有量3
4モル%、ケン化度99.7モル%、MFR4.0g/
10min(210℃、荷重2160g)で、酢酸カル
シウムをカルシウム換算で0.005%及び酢酸マグネ
シウムをマグネシウム換算で0.003%含有したもの
を用いた以外は実施例2と同様に行って、改質用の樹脂
組成物のペレットを得て同様に多層ボトルを得る操作を
繰り返して、同様に評価を行った。尚、積層体の粉砕物
の見掛け密度は0.42g/ccであった。
【0102】実施例10 実施例1において、最初の多層ボトルの各層厚みを、
[内側]熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH層/
接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層[外側]=400/35
/80/35/600(μm)として(かかる積層体の
粉砕物中のEVOHの含有量は8.5%)、これ以降の
多層ボトルの各層厚みを、[内側]熱可塑性樹脂層/接
着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/リグラインド
層/熱可塑性樹脂層[外側]=400/35/80/3
5/350/250(μm)(かかる多層構造物の粉砕
物中のEVOHの含有量は、1回目において10.9%
であり、20回目において11.9%で、かかる全ての
操作中における該EVOHの含有量は8.5〜11.9
%の範囲内とした以外は実施例1と同様に多層ボトルを
得る操作を繰り返して、同様に評価を行った。
【0103】実施例11 実施例3において、最初の多層ボトルの各層厚みを、
[内側]熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH層/
接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層[外側]=350/20
/35/20/350(μm)として(かかる積層体の
粉砕物中のEVOHの含有量は5.6%)、これ以降の
多層ボトルの各層厚みを、[内側]熱可塑性樹脂層/リ
グラインド層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂
層/リグラインド層/熱可塑性樹脂層[外側]=200
/150/20/35/20/150/200(μm)
(かかる多層構造物の粉砕物中のEVOHの含有量は、
1回目において7.6%であり、20回目において8.
8%で、かかる全ての操作中における該EVOHの含有
量は5.6〜8.8%の範囲内とした以外は実施例3と
同様に多層ボトルを得る操作を繰り返して、同様に評価
を行った。
【0104】実施例12 共重合体(A)としてA1を、脂肪酸金属塩(B)とし
てB2を、A1/B2=90/10(重量比)の割合で
混合した以外は実施例1と同様に行って、改質用の樹脂
組成物のペレットを得た。更に、実施例1の多層ボトル
の作製以降において、熱可塑性樹脂として、低密度ポリ
エチレン[日本ポリケム社製『ノバテックLD LF2
41E』、MFR0.7g/10min(190℃、荷
重2160g)]を、接着性樹脂として、無水マレイン
酸変性低密度ポリエチレン[三菱化学社製『モディック
AP L502』]を用いて、最初の多層ボトルの各層
厚みを、[内側]熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EV
OH層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層[外側]=15
0/10/20/10/180(μm)として(かかる
積層体の粉砕物中のEVOHの含有量は6.8%)、こ
れ以降の多層ボトルの各層厚みを、[内側]熱可塑性樹
脂層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/リグ
ラインド層/熱可塑性樹脂層[外側]=150/10/
20/10/100/80(μm)(かかる多層構造物
の粉砕物中のEVOHの含有量は、1回目において8.
5%であり、20回目において9.1%で、かかる全て
の操作中における該EVOHの含有量は6.8〜9.1
%の範囲内とした以外は同様に多層ボトルを得る操作を
繰り返して、同様に評価を行った。但し、改質用の樹脂
組成物のペレットの添加量は、積層体の粉砕物100部
に対して一律8部とした。尚、積層体の粉砕物の見掛け
密度は0.41g/ccであった。
【0105】実施例13 実施例12において、共重合体(A)としてA2を、金
属化合物(C)としてC2を、A2/C2=90/10
(重量比)の割合で混合した以外は同様に行って、改質
用の樹脂組成物のペレットを得て同様に多層ボトルを得
る操作を繰り返して、同様に評価を行った。但し、改質
用の樹脂組成物のペレットの添加量は、積層体の粉砕物
100部に対して一律5部とした。尚、積層体の粉砕物
の見掛け密度は0.41g/ccで、多層構造物の粉砕
物(ブレンド物)中のEVOHの含有量は、1回目にお
いて8.6%であり、20回目において9.2%で、か
かる全ての操作中における該EVOHの含有量は6.8
〜9.2%の範囲内であった。
【0106】実施例14 実施例12において、共重合体(A)としてA1を、脂
肪酸金属塩(B)としてB1を、金属化合物(C)とし
てC1を、A1/B1/C1=84/6/10(重量
比)の割合で混合した以外は同様に行って、改質用の樹
脂組成物もペレットを得て同様に多層ボトルを得る操作
を繰り返して、同様に評価を行った。但し、改質用樹脂
組成物ペレットの添加量は、積層体の粉砕物100部に
対して一律3部とした。尚、積層体の粉砕物の見掛け密
度は0.41g/ccで、多層構造物の粉砕物(ブレン
ド物)中のEVOHの含有量は、1回目において8.6
%であり、20回目において9.2%で、かかる全ての
操作中における該EVOHの含有量は6.8〜9.2%
の範囲内であった。
【0107】実施例15 実施例12において、EVOHとして、エチレン含有量
38モル%、ケン化度99.6モル%、MFR3.0g
/10min(210℃、荷重2160g)で、リン酸
二水素カルシウムをリン酸根換算で0.01%含有した
ものを用いた以外は実施例12と同様に行って、改質用
の樹脂組成物のペレットを得て同様に多層ボトルを得る
操作を繰り返して、同様に評価を行った。尚、積層体の
粉砕物の見掛け密度は0.41g/ccであった。
【0108】実施例16 実施例12において、最初の多層ボトルの各層厚みを、
[内側]熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH層/
接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層[外側]=150/10
/20/10/180(μm)として(かかる積層体の
粉砕物中のEVOHの含有量は6.8%)、これ以降の
多層ボトルの各層厚みを、[内側]熱可塑性樹脂層/リ
グラインド層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂
層/リグラインド層/熱可塑性樹脂層[外側]=50/
100/10/20/10/130/50(μm)(か
かる多層構造物の粉砕物中のEVOHの含有量は、1回
目において10.7%であり、20回目において15.
7%で、かかる全ての操作中における該EVOHの含有
量は6.8〜15.7%の範囲内とした以外は実施例1
2と同様に多層ボトルを得る操作を繰り返して、同様に
評価を行った。尚、積層体の粉砕物の見掛け密度は0.
41g/ccであった。
【0109】実施例17 共重合体(A)としてA2を、脂肪酸金属塩(B)とし
てB3を、A2/B3=92/8(重量比)の割合で混
合した以外は実施例1と同様に行って、改質用の樹脂組
成物のペレットを得た。更に、実施例1の多層ボトル作
製以降において、熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン
[日本ポリケム社製『ノバテックPP EA9』、MF
R0.5g/10min(230℃、荷重2160
g)]を、接着性樹脂として、無水マレイン酸変性ポリ
プロピレン[三菱化学社製『モディックAP P513
V』]を用いた以外は実施例1と同様に多層ボトルを得
る操作を繰り返して、同様に評価を行った。但し、改質
用の樹脂組成物のペレットの添加量は、積層体の粉砕物
100部に対して一律8部とした。尚、積層体の粉砕物
の見掛け密度は0.40g/ccで、多層構造物の粉砕
物(ブレンド物)中のEVOHの含有量は、1回目にお
いて8.8%であり、20回目において10.2%で、
かかる全ての操作中における該EVOHの含有量は6.
5〜10.2%の範囲内であった。
【0110】実施例18 実施例17において、共重合体(A)としてA2を、金
属化合物(C)としてC1を、A2/C1=90/10
(重量比)の割合で混合した以外は同様に行って、改質
用の樹脂組成物のペレットを得て同様に多層ボトルを得
る操作を繰り返して、同様に評価を行った。但し、改質
用樹脂組成物ペレットの添加量は、積層体の粉砕物10
0部に対して一律5部とした。尚、積層体の粉砕物の見
掛け密度は0.40g/ccで、多層構造物の粉砕物
(ブレンド物)中のEVOHの含有量は、1回目におい
て8.9%であり、20回目において10.4%で、か
かる全ての操作中における該EVOHの含有量は6.5
〜10.4%の範囲内であった。
【0111】実施例19 実施例17において、共重合体(A)としてA1を、脂
肪酸金属塩(B)としてB1を、金属化合物(C)とし
てC2を、A1/B1/C2=84/6/10(重量
比)の割合で混合した以外は同様に行って、改質用の樹
脂組成物のペレットを得て同様に多層ボトルを得る操作
を繰り返して、同様に評価を行った。但し、改質用樹脂
組成物ペレットの添加量は、積層体の粉砕物100部に
対して一律3部とした。尚、積層体の粉砕物の見掛け密
度は0.40g/ccで、多層構造物の粉砕物(ブレン
ド物)中のEVOHの含有量は、1回目において8.9
%であり、20回目において10.5%で、かかる全て
の操作中における該EVOHの含有量は6.5〜10.
5%の範囲内であった。
【0112】実施例20 実施例17において、EVOHとして、エチレン含有量
34モル%、ケン化度99.7モル%、MFR4.0g
/10min(210℃、荷重2160g)で、酢酸カ
ルシウムをカルシウム換算で0.005%及び酢酸マグ
ネシウムをマグネシウム換算で0.003%含有したも
のを用いた以外は実施例17と同様に行って、改質用の
樹脂組成物のペレットを得て同様に多層ボトルを得る操
作を繰り返して、同様に評価を行った。尚、積層体の粉
砕物の見掛け密度は0.40g/ccであった。
【0113】実施例21 実施例17において、最初の多層ボトルの各層厚みを、
[内側]熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH層/
接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層[外側]=350/20
/35/20/350(μm)として(かかる積層体の
粉砕物中のEVOHの含有量は5.6%)、これ以降の
多層ボトルの各層厚みを、[内側]熱可塑性樹脂層/リ
グラインド層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂
層/リグラインド層/熱可塑性樹脂層[外側]=200
/150/20/35/20/150/200(μm)
(かかる多層構造物の粉砕物中のEVOHの含有量は、
1回目において7.9%であり、20回目において9.
1%で、かかる全ての操作中における該EVOHの含有
量は5.9〜9.1%の範囲内とした以外は実施例17
と同様に多層ボトルを得る操作を繰り返して、同様に評
価を行った。尚、積層体の粉砕物の見掛け密度は0.4
0g/ccであった。
【0114】比較例1 実施例1において、リグライド層に改質用の樹脂組成物
のペレットを配合せずに多層ボトルの製造を繰り返し
て、同様に評価を行った。実施例及び比較例の評価結果
を表1に示す。
【0115】 〔表1〕 ロングラン成形性 目ヤニの抑制 耐層間剥離性 機械的物性 実施例1 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 2 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 3 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 4 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 5 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 6 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 7 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 8 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 9 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 10 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 11 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 12 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 13 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 14 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 15 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 16 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 17 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 18 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 19 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 20 ○ ○ ○ ○ ○ 〃 21 ○ ○ ○ ○ ○ 比較例1 × × × × ×
【0116】
【発明の効果】本発明の改質用の樹脂組成物は、リグラ
インド層を有する多層構造物の成形時に該リグラインド
層に配合することにより、ロングラン成形性に優れ、目
ヤニの成形物への混入を防ぎ、リグラインド層と隣接層
の層間接着力を高め、更にはリグラインド層の耐衝撃性
等の機械的強度を高めることができ、各種多層構造物の
成形時に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 3/20 CES C08J 3/20 CESZ C08K 3/00 C08K 3/00 5/098 5/098 C08L 23/02 C08L 23/02 29/04 29/04 S 101/00 101/00 // B29K 31:00 B29K 31:00 Fターム(参考) 4F070 AA13 AB01 AC13 AC14 AC15 AC22 AC23 AC40 FA01 4F100 AA03B AA03E AA07B AA07E AA08B AA08E AA17B AA17E AA31B AA31E AK01A AK01D AK05 AK69B AK69C AK69E AK70B AK70E AL05B AL05E BA04 BA05 BA07 BA10A BA10E EH20 GB15 GB90 JB16A JB16D JL01 4F301 AA13 AA20 AB02 BC13 BC26 BF12 BF15 BF32 4J002 AA00X BB083 BB22W BB233 BE03W DE057 DE077 DE087 DE097 DE107 DE137 DE147 DE157 DE287 DJ007 DJ017 EG026 EG036 EG046 EG056

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    層を含む積層体を再使用する時の該積層体の粉砕物に配
    合する樹脂組成物であって、オレフィン−不飽和カルボ
    ン酸共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸
    −不飽和カルボン酸エステル共重合体(A)、脂肪酸金
    属塩(B)及び/又は金属酸化物、金属水酸化物、金属
    炭酸塩、金属硫酸塩、金属ケイ酸塩から選ばれる1種以
    上の金属化合物(C)を含有してなることを特徴とする
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 脂肪酸金属塩(B)が炭素数8以上の高
    級脂肪酸の金属塩であることを特徴とする請求項1記載
    の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸
    塩、金属硫酸塩、金属ケイ酸塩から選ばれる1種以上の
    金属化合物(C)がハイドロタルサイト系化合物及び/
    又はハイドロタルサイト系固溶体であることを特徴とす
    る請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体
    (A)が、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体又は
    エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー
    であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和
    カルボン酸エステル共重合体(A)が、エチレン−(メ
    タ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体
    又はエチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル
    酸エステル共重合体のアイオノマーであることを特徴と
    する請求項1〜3いずれか記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれか記載の樹脂組成物
    を、少なくとも熱可塑性樹脂層及びエチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体ケン化物層の2層を有する積層体を再使用す
    る時の該積層体の粉砕物に配合して、ブレンド物を得た
    後、該ブレンド物を溶融成形物の製造に供することを特
    徴とする樹脂組成物の使用方法。
  7. 【請求項7】 ブレンド物中の樹脂組成物の配合量が、
    積層体の粉砕物100重量部に対して0.5〜50重量
    部であることを特徴とする請求項6記載の樹脂組成物の
    使用方法。
  8. 【請求項8】 積層体の粉砕物中のエチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体ケン化物の含有量が0.1〜30重量%であ
    ることを特徴とする請求項6または7記載の樹脂組成物
    の使用方法。
  9. 【請求項9】 積層体の粉砕物中のエチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体ケン化物が、ホウ素化合物、リン酸又はその
    化合物、脂肪酸塩から選ばれる少なくとも1種を含有し
    てなることを特徴とする請求項6〜8いずれか記載の樹
    脂組成物の使用方法。
  10. 【請求項10】 溶融成形物が、少なくとも熱可塑性樹
    脂層/ブレンド物層/接着性樹脂層/エチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体ケン化物層の層構成を有する多層構造物で
    あることを特徴とする請求項6〜9いずれか記載の樹脂
    組成物の使用方法。
  11. 【請求項11】 溶融成形物が、少なくとも熱可塑性樹
    脂層/ブレンド物層/接着性樹脂層/エチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体ケン化物層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂
    層の層構成を有する多層構造物であることを特徴とする
    請求項6〜9いずれか記載の樹脂組成物の使用方法。
  12. 【請求項12】 溶融成形物が、少なくとも熱可塑性樹
    脂層/ブレンド物層/接着性樹脂層/エチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体ケン化物層/接着性樹脂層/ブレンド物層
    /熱可塑性樹脂層の層構成を有する多層構造物であるこ
    とを特徴とする請求項6〜9いずれか記載の樹脂組成物
    の使用方法。
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