JP2002233038A - 配線用クリップ - Google Patents

配線用クリップ

Info

Publication number
JP2002233038A
JP2002233038A JP2001024038A JP2001024038A JP2002233038A JP 2002233038 A JP2002233038 A JP 2002233038A JP 2001024038 A JP2001024038 A JP 2001024038A JP 2001024038 A JP2001024038 A JP 2001024038A JP 2002233038 A JP2002233038 A JP 2002233038A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
locking
pair
wiring clip
movable plate
plate portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001024038A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3828752B2 (ja
Inventor
Tomio Sugiyama
富雄 杉山
Akira Suzuki
鈴木  朗
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yazaki Corp filed Critical Yazaki Corp
Priority to JP2001024038A priority Critical patent/JP3828752B2/ja
Publication of JP2002233038A publication Critical patent/JP2002233038A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3828752B2 publication Critical patent/JP3828752B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Supports For Pipes And Cables (AREA)
  • Clamps And Clips (AREA)
  • Insertion Pins And Rivets (AREA)
  • Installation Of Indoor Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイヤハーネスを固定するための取付母材か
ら係止羽根を閉じた状態で作業性良く抜き取れるように
する。 【解決手段】 ワイヤハーネスWに対する固定板部27
に支柱25を介して可撓性の係止羽根26と着座部32
と係止片33を設け、固定板部に可動板部29を設け、
可動板部に駆動爪30を設けた配線用クリップで、固定
板部24と係止片33とに、係止羽根の閉じ状態を維持
する閉じ状態維持手段を設け、ハーネスの屈曲等による
外力で可動板部29が屈曲変位し、駆動爪30で係止羽
根が閉止して係止孔22から抜脱可能となり、外力を除
荷した後も閉じ状態維持手段で抜脱状態を維持するよう
にした。閉じ状態維持手段は係止リブ34と係合爪38
とを含み、駆動爪30が係合爪38を内向きに押圧す
る。可動板部29を作業者の手指等で係止羽根の閉じ方
向に屈曲させてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車体パ
ネルやインストルメントパネル等に電線や複数本の電線
を結束したワイヤハーネスといったハーネスを取り付け
る配線用クリップに関し、特に一旦ハーネスをパネルに
取り付けた後に、専用の治具を使用することなく容易に
取り外すことができるようにした配線用クリップに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等に搭載される電装品はそ
の機能の進展に伴って、使用される電線の本数も多くな
る。したがって、自動車組立ラインにおいては、これら
ワイヤハーネスを車体パネルやインストルメントパネル
といったパネルに取り付ける際に、組付工数低減の観点
から特殊な配線用クリップを用いて短時間に組み付ける
工夫がなされている。しかし、一旦組み付けられたワイ
ヤハーネスは、その後において電装品の修理点検や部品
交換の必要がある場合に、効率的に脱着作業が行えるこ
とが必要である。
【0003】従来の配線用クリップとして例えば実公昭
64−1259号公報記載の技術(以下「第一の従来技
術」という)がある。これを図16〜図18について説
明すると、符号1は合成樹脂製の配線用クリップ、2
は、クリップ本体1の一部であるクリップ本体である。
クリップ2は支柱2aとその先端から末広がりの一対の
係止羽根2bとで構成されている。パネル3の係止孔
(図示せず)にクリップ2が圧入嵌合される。
【0004】配線用クリップ1には、電線保持手段とし
てのバンド4及びワイヤハーネスCを受容する受け台5
が一体成形されている。バンド4には、複数の凸部6が
形成され、凸部6でハーネスCが固定される。受け台5
には、V字状のハーネス受け7が形成され、このハーネ
ス受け7の上にワイヤハーネスCが載置される。また、
受け台5の側面に、バンド4を位置決め固定してハーネ
スCを緊締するためのロック部8が設けられている。こ
のロック部8は、バンド4を挿入する挿入孔9と、挿入
されたバンド4の外側に刻設した複数のロック溝10の
いずれかと係合するように形成されたロック爪11とを
有している。
【0005】上記配線用クリップ1をパネル3に組み付
けるには、先ずハーネスCをハーネス受け7に載置し、
バンド4で巻き込み、ロック部8の挿入孔9にバンド4
を挿入する。図16のようにハーネスCをバンド4で締
め付けると共に、バンド4のロック溝10にロック爪1
1を係合させることで、ハーネスCが配線用クリップ1
に固定される。この状態で図17のようにパネル3の係
止孔にクリップ2の先端から圧入し、係止羽根2bの先
端の嵌合突起2cを係止孔に嵌合係止させることで、ハ
ーネスCが配線用クリップ1を介してパネル3に位置決
め固定される。
【0006】次に、特開平9−126356号公報記載
の第二の従来技術を図19〜図21を用いて説明する。
この配線用クリップ12は合成樹脂製の電線保持板13
とクリップ14とから成る。電線保持板13は、固定板
部13aとヒンジ13bを介して延在する可動板部13
cとを有する。可動板部13cはヒンジ13bから屈曲
変位する。クリップ14は、固定板部13aに立設され
た支柱14aと、支柱14aの先端から末広がりに形成
された一対の弾性変位可能な係止羽根14bと、係止羽
根14bの先端に設けられた嵌合突起14cと、嵌合突
起14cから延長形成された係止解除爪14dとから成
る。可動板部13cには、係止解除爪14dに係合可能
な駆動爪13dが設けられている。
【0007】係る構成の配線用クリップ12をパネル1
5に組み付ける方法は次の通りである。先ず、配線用ク
リップ12の可動板部13cをテープTの巻き付けによ
りワイヤハーネスWに結束する。この状態で図20のよ
うに、車内ブラケットの如きパネル15の係止孔16に
クリップ14を圧入する。係止羽根14bが係止孔16
をくぐり抜けることで、係止羽根14bが復元して広が
り、係止羽根14bの端面14eと嵌合突起14cとが
係止孔16とその孔縁とに係合する。こうして、ワイヤ
ハーネスWは、パネル15に懸垂した状態でガタ付きな
く固定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記第一の
従来技術では、メインテナンス等において配線用クリッ
プ1をパネル3から取り外す必要が生じた場合に、クリ
ップ2の嵌合突起2cが、パネル3の係止孔に嵌入して
固定されているために、クリップの支柱2aを破断させ
て取り外すか、あるいは特殊な治具を使用して係止羽根
2bの広がりを小さくし、係止孔をくぐり抜くようにし
て取り外すしかなかった。配線用クリップ1を破断する
場合には、配線用クリップ1の再利用を行うことができ
ないため、それだけコストが高くつき、また、再利用を
行うためには治具を使用して取り外そうとしても、パネ
ル3裏側へ手を入れることができないため、予めバンド
4のロック溝11に対するロック爪10の係合を解除し
てワイヤハーネスWをロック機構8から解放してから行
わなければならず、そのため取り外し作業に多くの手間
を要してしまうといった問題があった。
【0009】また、上記第二の従来技術における配線用
クリップ12の取り外しは次のようにして行っていた。
すなわち、図21のようにワイヤハーネスWの両側を曲
げて持ち上げる。すると、可動板部13cはヒンジ13
bを支点として矢印P方向に回動する。このため、駆動
爪13dの先端が、係止解除爪14dに突き当てられ、
これにより、嵌合突起14cが強制的に支柱14a側に
弾性変形し、一対の係止羽根14bがその末広がり角度
が小さくなって閉じるように弾性変形する。こうして係
止羽根14bが係止孔16の内径よりも小さく変形し、
係止孔16を通過させることでパネル15から配線用ク
リップ12を離脱させることができる。
【0010】ところが、この第二の従来技術では、ワイ
ヤハーネスWと配線用クリップ12とを一体化した状態
でパネル15から取り外すことができる点、特殊な治具
を用いないでワイヤハーネスWを持ち上げて曲げるだけ
で取り外せる点、さらには配線用クリップを破壊しない
で取り外せる点等において上記第一の従来技術が有して
いた問題を克服することができたものの、次のような問
題を有している。
【0011】すなわち、ワイヤハーネスWを持ち上げて
曲げた状態を維持しておかないと、係止羽根14bの復
元力により係止羽根14bが広がり、係止孔16よりも
大きくなる。このため、ワイヤハーネスWを曲げた状態
を維持しておかなければならず、この状態で図21のよ
うに曲げ方向Pとは反対方向であるQ方向に瞬時に力を
作用させて係止孔16から係止羽根14bを引き抜く必
要があった。このため、取り外し作業に熟練を要し、か
つそれだけ作業手間がかかるといった問題があった。ま
た、この配線用クリップ12では、板状をなす可動板部
13cをテープTで巻き付ける作業が必要であったた
め、テープ巻き作業に要する時間を要してしまい、配線
用クリップ12に対するワイヤハーネスWの取付作業に
手間取るという問題もあった。
【0012】本発明は、上記した点に鑑み、自動車等の
パネルに一旦取り付けられたクリップ本体をパネルやク
リップ本体等を損傷させることなく、容易に取り外すこ
とができ、取り外した後のクリップ本体を再びそのまま
利用できて電線やワイヤハーネス等を簡便に取り付けら
れる配線用クリップを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、ワイヤハーネスに対する固
定板部に支柱を介して可撓性の一対の係止羽根が設けら
れ、該一対の係止羽根の先端に、取付母材の係止孔に係
合する着座部と、該係止孔を貫通する係止片とが設けら
れ、該固定板部の両側に一対の可動板部が設けられ、該
一対の可動板部から前記支柱に向けて一対の駆動爪が設
けられた配線用クリップであって、前記固定板部と一対
の前記係止片とに、前記一対の係止羽根の閉じ状態を維
持させる閉じ状態維持手段が設けられ、ハーネスの屈曲
等による外力で該一対の可動板部が屈曲変位し、前記一
対の駆動爪で該一対の係止羽根が閉止方向に変位して前
記係止孔から抜脱可能になると共に、前記外力を除荷し
た後も該閉じ状態維持手段により該抜脱状態を維持する
ように構成されたことを特徴とする。請求項2に係る発
明は、請求項1記載の配線用クリップにおいて、前記閉
じ状態維持手段が、前記固定板部に設けられた係止リブ
と、前記一対の係止片の先端に設けられ、該係止リブに
乗り越えて係合する係合爪とを含み、前記一対の駆動爪
が一対の該係合爪を内向きに押圧可能であることを特徴
とする。請求項3に係る発明は、請求項1記載の配線用
クリップにおいて、前記一対の係止片に代えて前記一対
の駆動爪に前記閉じ状態維持手段が設けられたことを特
徴とする。請求項4に係る発明は、請求項3記載の配線
用クリップにおいて、前記閉じ状態維持手段が、前記係
止リブと、前記一対の駆動爪の先端に設けられ、該係止
リブに乗り越えて係合する係合爪とを含み、該一対の駆
動爪が前記一対の係止片を内向きに押圧可能であること
を特徴とする。請求項5に係る発明は、請求項1〜4の
何れか記載の配線用クリップにおいて、ワイヤハーネス
に固定された状態で前記一対の可動板部が作業者の手指
等で前記一対の係止羽根の閉じ方向に屈曲可能に形成さ
れていることを特徴とする。請求項6に係る発明は、請
求項1〜5の何れか記載の配線用クリップにおいて、前
記固定板部に、バンドクランプ体で構成された電線保持
手段が設けられたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る配線用クリッ
プの第一の実施形態を図1〜図6に基づいて詳細に説明
する。図1(a) は、取付母材の一形態としての車体構成
部材であるビーム20の外観斜視図、図1(b) は、配線
用クリップ21をビーム20の係止孔22に取り付けた
状態を示す取付外観斜視図、図2は、配線用クリップ2
1をバンドクランプ体23を介してワイヤハーネスWに
取り付けた状態を示す外観斜視図、図3は、ワイヤハー
ネスWに曲げモーメントを作用させた状態を示す外観斜
視図である。
【0015】符号21(図2)で示す配線用クリップ
は、合成樹脂材で形成され、電線保持基板部24と、係
止孔22に向かって延びた支柱25と、係止羽根26と
を一体成型して成るものである。電線保持基板部24の
裏面側には従来と同様の電線保持手段としてのバンドク
ランプ体23が設けられている。このバンドクランプ体
23は、電線保持基板部24と一体的に成型されること
が好ましいが、別体にして取り付けるように構成しても
よい。
【0016】電線保持基板部24は、支柱25を立設し
た固定板部27と、固定板部27の両端寄りの中間部に
刻設された切欠ヒンジ28と、切欠ヒンジ28を介して
屈曲変形可能に連接された可動板部29と、可動板部2
9から湾曲して支柱25に向かって対向するように延び
る一対の駆動爪30とから構成されている。固定板部2
7と可動板部29とは、ワイヤハーネスWの配索される
方向に沿って延びており、これら両板部27,29の間
に切欠ヒンジ28を設けることで、ワイヤハーネスWの
曲げ動作で可動板部29に曲げ力が作用したとき、可動
板部29が切欠ヒンジ28を支点として屈曲変形し易く
なっている。図2の本形態で切欠ヒンジ28は裏面側に
のみ設けているが、表裏両面に設けることも可能であ
る。
【0017】支柱25の先端には、可撓性を有する山形
の係止羽根26が設けられている。係止羽根26は固定
板部27に向かって末広がりに延び、その下端には係止
孔22の周縁に係合して着座する着座部32と、着座部
32からさらに下方に延長され、取付母材20(図1)
の係止孔22に嵌合するように形成された薄肉の係止片
33と、係止片の先端において外向きに突出して設けら
れた係合爪(係合部)38とが位置している。一対の薄
肉の係止片33は、支柱25に対して互いに近接する方
向に弾圧されることで、係止羽根26全体を支柱25の
先端を支点として撓み変形させる。
【0018】図6にも示すように、係止羽根26と固定
板部27との間において係止羽根26に対する閉じ状態
維持手段Aが設けられている。閉じ状態維持手段Aは、
係止片33と、係止片33の先端に形成された外向きの
係合爪38と、固定板部27の幅方向に形成された係止
リブ34とで構成されている。係止リブ34は、支柱2
5(図2)と駆動爪30の立ち上がり基部301との間
において切欠ヒンジ28近傍で固定板部27の上面(表
面)に設けられ、略半円形の先端面を有している。係止
リブ34の先端面に沿って係合爪38が外側から内向き
にスムーズに乗り越え可能である。係止リブ34の形状
は断面矩形状等、適宜変更可能である。
【0019】駆動爪30(図2)は可動板から鋭角的に
立ち上げられた傾斜部30aと、自由状態で傾斜部30
aからワイヤハーネスWと平行に内向きに延びる水平部
30bとで構成されている。駆動爪30の先端面30c
(図6)は図4の如く可動板部29の水平状態で垂直な
自由端面となっており、係合爪38の外端面に近接し
て、係合爪38を内方向に押圧可能である。係合爪38
は係止リブ34の内側に係合可能である。係合爪38の
内側面は係止リブ34に対するスムーズな乗り越えを可
能とする傾斜面38a(図6)あるいは湾曲面(図示せ
ず)となっていることが好ましい。係合爪38の外側面
は係止リブ34に対するほぼ垂直な係止面38bとなっ
ていることが好ましい。
【0020】電線保持手段としてのバンドクランプ体2
3(図2)には、上記第一の従来技術と同様にロック部
が設けられているが、図1〜図6の何れにおいてもワイ
ヤハーネスWの裏側に隠れた位置に設けられているの
で、図示されていない。バンド231(図3)には、ロ
ック爪(図示されない)に係合するロック溝232が刻
設されている。ワイヤハーネスWに配線用クリップ21
を取り付けるには、バンド231でワイヤハーネスWを
巻き付け、ロック機構の挿入孔(図示せず)にバンド2
31を挿入し、ロック溝232にロック爪を係合させる
ことで緊締され、配線用クリップ21とワイヤハーネス
Wとが一体に組み込まれる。
【0021】以下に上記構成の配線用クリップ21を取
付母材であるビーム20(図1)に取り付ける方法を説
明する。先ず、バンドクランプ体23を介してワイヤハ
ーネスWを配線用クリップ21に一体に取り付ける(図
2)。この状態で係合羽根31を係合孔22(図4)に
向けて圧入する。係止羽根26は係止孔22を通過する
とき、末広がりの角度が小さくなり、強制的に弾性変形
されながら係止孔22に押し込まれる。着座部32が係
止孔22の裏側に入り込み、係止孔22の周縁に着座す
る(図4)一方で、係止片33は係合孔22に嵌合す
る。すなわち、係止羽根26の復元力により、配線用ク
リップ21が係止孔22の周縁および係止孔22に係合
ないしは嵌合することにより、ワイヤハーネス一体の配
線用クリップ21がビーム20に緩みの存しない状態で
強固に固定される。
【0022】この状態(図4)においては、係合爪38
と、駆動爪30の先端面30cとは、近接ないしはわず
かに接触する程度の位置関係にあって、不用意に係合爪
38に力が作用しないようにしている。また、係合爪3
8は係止リブ34の外側から上側にかけて位置し、係止
リブ34を乗り越える前の状態となっている。
【0023】図4のように、係止羽根26を係止孔22
に押し込むだけで、ワイヤハーネスWは配線用クリップ
21を介してビーム20にガタ付きなく安定的に固定さ
れる。これと同時に、ビーム20に懸垂されたワイヤハ
ーネスWの自重は、着座部32が係止孔22の周縁に係
合することで支持される。
【0024】次に、図3,図5,図6に基づいて、配線
用クリップ21をビーム20から取り外す方法を説明す
る。先ずワイヤハーネスWを配線用クリップ21に向け
て矢印P方向に屈曲させ、曲げ力を可動板部29の端部
に作用させる。すると、切欠ヒンジ28を支点として可
動板部29がP方向に回動して屈曲変形し、駆動爪30
が係合爪38に向かって変位して、係合爪38を内向き
に押圧する。そして、係合爪38と一体に係止片33が
内向きに変位し、一対の係止羽根26が閉じ方向に弾性
変形する。係合爪38は、係止リブ34を乗り越えた位
置に移動して、係止リブ34の内側面に当接して係止さ
れる(図6)。この時、係止羽根26は係止孔22の内
径よりも小さく閉じるので、係止孔22から引き抜く力
を作用させることにより、ビーム20からスムーズ且つ
簡単に取り外すことができる。
【0025】この状態においては、係止羽根26と、駆
動爪30すなわち可動板部29とに復元力が作用してい
る。係止片33には図6の矢印R方向に復元しようとす
る復元力が作用しており、この復元力に抗して係合爪3
8が係止リブ34に引っ掛かっている。駆動爪30と可
動板部29はワイヤハーネスWから手を離してワイヤハ
ーネスWの屈曲を解除することで、水平方向に復帰す
る。ワイヤハーネスWの屈曲を解除しても、係止羽根2
6の屈曲変形すなわち閉じ状態は維持される。
【0026】このように、本形態の配線用クリップ21
によれば、係止羽根26の閉じ状態を維持する係止リブ
34と係止片33と係合爪38とを含む閉じ状態維持手
段Aを設けたから、配線用クリップ21を摘んで係止孔
22から係止羽根26を抜脱するだけで、簡単に配線用
クリップ21をビーム20から取り外すことができる。
このように、特殊な治具を用いることなく、しかも大き
な労力を要することなくワイヤハーネスWと一体の配線
用クリップ21を容易に取り外すことができ、取り外し
作業の効率化を図れ、ひいては自動車製造組立ラインに
おける組み付け、取り外し、さらには再組み込みの作業
の効率向上を図ることができる。
【0027】また、配線用クリップ21やビーム20に
何ら損傷を与えることもなく、容易に配線用クリップ2
1を取り外すことができるので、配線用クリップ21の
再利用が可能となり、コスト低減が図られる。さらに、
配線用クリップ21へのワイヤハーネスWの固定は、バ
ンドクランプ体23を使用して行うので、テープ巻きで
行っていた従来と異なり大幅にワイヤハーネスWの取付
作業に要する時間を短縮することができ、取付作業を向
上できる。勿論、かかる配線用クリップ21を使用すれ
ば、係止孔22へ係止羽根26を押し込むだけで取付作
業を行えるので、ワイヤハーネスWの配索を容易に行え
ることは言うまでもない。
【0028】以上、本実施の形態を具体的に詳述してき
たが、具体的な構成はこの形態に限られるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっ
ても本発明に含まれるものである。例えば、上記ではビ
ーム20の係止孔22に配線用クリップ21を取り付け
る場合を例にあげて説明したが、車体構成部材やその要
素であるインストルメントパネルといった各種のパネル
にも適用できる。
【0029】また、切欠ヒンジ29は固定板部27の下
面側に設けた場合を示したが、図6のように上面側にも
切欠ヒンジ28を設けてもよい。これにより、駆動爪3
0の動きを容易にすることができる。また、可動板部2
9のワイヤハーネスW方向への長さを図2よりも図4,
図5の鎖線29′に示すように適宜延長させて形成して
もよい。これにより、可動板部29の屈曲変形の大きさ
をワイヤハーネスWの曲げ力に応じて適宜調整すること
ができる。可動板部29′が外側に突出していればいる
ほど、ワイヤハーネスWの屈曲角度は小さくて済む。
【0030】また、ワイヤハーネスWの配索される方
向、ビーム20の設けられる位置、あるいはこれらの相
対位置関係によっては、適宜ワイヤハーネスWをビーム
20に対して90度に捻って引っ張ることで可動板部に
曲げ力を与えるようにすることが可能であることは勿論
である。
【0031】また、上記実施形態ではワイヤハーネスを
屈曲させることで可動板部29を切欠ヒンジ28から屈
曲させているが、ワイヤハーネスWを屈曲させずに、作
業者が直接、可動板部29を手指や治具等で屈曲駆動さ
せることも可能である。また、ヒンジの形態は断面三角
形状の切欠空部を有する切欠ヒンジ28に限らず、断面
矩形状の切欠空部を有する薄肉ヒンジ等であってもよ
い。また、上記では自動車等のパネルに取り付けられる
場合を説明したが、自動車等に限定される必要はなく、
その他一般産業分野にも適用できることは言うまでもな
い。
【0032】以下に本発明に係る配線用クリップの第二
の実施形態を図7〜図11に基づいて詳細に説明する。
前記第一の実施形態と同様の構成部分には同一の符号を
用いて説明する。本形態の配線用クリップ21′は、合
成樹脂材で形成され、電線保持基板部24と、係止孔2
2に向かって延びた支柱25と、係止羽根26とを一体
成型して成り、電線保持基板部24の可動板部29の先
端に、係止リブ34に対する係合爪38′が設けられた
ことを特徴とするものである。電線保持基板部24には
電線保持手段としてのバンドクランプ体23が設けられ
ている。
【0033】電線保持基板部24は、支柱25を立設し
た固定板部27と、固定板部27の両端に刻設された切
欠ヒンジ28と、切欠ヒンジ28を介して屈曲変形可能
に連接された可動板部29と、可動板部29から湾曲し
て支柱25に向かって対向するように延びる一対の駆動
爪30とから構成されている。固定板部27と可動板部
29とは、ワイヤハーネスWの配索される方向に沿って
延びており、これら両板部27,29の間に切欠ヒンジ
28を設けることで、ワイヤハーネスWの曲げ動作で可
動板部29に曲げ力が作用したとき、可動板部29が切
欠ヒンジ28を支点として屈曲変形し易くなっている。
【0034】支柱25の先端には、可撓性を有する山形
の係止羽根26が設けられている。係止羽根26は固定
板部27に向かって末広がりに延び、その下端には係止
孔22の周縁に係合して着座する着座部32と、着座部
32からさらに下方に延在した係止孔22に嵌合するよ
うに形成された係止片33とが設けられている。一対の
係止片33は、支柱27に対して互いに近接する方向に
弾圧されることで係止羽根26全体を支柱25の先端を
支点として撓み変形する。
【0035】図11に示されるように、電線保持基板部
24と係止片33との間には、閉じ状態維持手段A′が
設けられている。閉じ状態維持手段A′は、係止片33
と、駆動爪30と、固定板部27に形成した係止リブ3
4とで構成されている。係止リブ34は、切欠ヒンジ2
8近傍で、支柱25と駆動爪30の立ち上がり基部30
1との間における固定板部27の上面に設けられてい
る。
【0036】駆動爪30の先端には、くびれ部35が設
けられている。くびれ部35の上側面に段差が形成さ
れ、この段差は係止片33が復元するのを阻止する嵌合
突起復元拘束部36と、可動板部29の復元を阻止する
可動板部復元拘束部37とで形成されている。また、く
びれ部35の下側面には、係止リブ34に係合可能な係
合部(爪部本体)38′が形成されている。
【0037】電線保持手段としてのバンドクランプ体2
3の構成は上記第一の実施形態と同様であるので、同一
の符号を付して説明を省略する。
【0038】以下に上記構成の配線用クリップ21′を
ビーム20に取り付ける方法を説明する。先ず、バンド
クランプ体23を介してワイヤハーネスWを配線用クリ
ップ21′に一体に取り付ける(図7)。この状態で係
合羽根31を係合孔22に向けて圧入する。係止羽根2
6は係止孔22を通過するとき、末広がりの角度が小さ
くなり、強制的に弾性変形されながら係止孔22に押し
込まれる。着座部32が係止孔22の裏側に入り込み、
係止孔22の周縁に着座する(図9)一方で、係止片3
3は、係合孔22に嵌合する。すなわち、係止羽根26
の復元力により、配線用クリップ21′が係止孔22の
周縁および係止孔22に係合ないしは嵌合することによ
り、ワイヤハーネス一体の配線用クリップ21′がビー
ム20に緩みの存しない状態で強固に固定される。
【0039】この状態においては、係止片33と、駆動
爪30のくびれ部35を形成する嵌合突起復元拘束部3
6とは、近接ないしはわずかに接触する程度の位置関係
にあって、不用意に嵌合突起35に力が作用しないよう
にしている。また、くびれ部35の係合部38′は、係
止リブ34を完全には乗り越えない位置にある。
【0040】こうして、図9のように、係止羽根26を
係止孔22に押し込むだけで、ワイヤハーネスWは配線
用クリップ21′を介してビーム20にガタ付きなく安
定的に固定される。これと同時に、ビーム20に懸垂さ
れたワイヤハーネスWの自重は、着座部32が係止孔2
2の周縁に係合することで支持される。
【0041】次に、図8,図10,図11に基づいて、
配線用クリップ21′をビーム20から取り外す方法を
説明する。
【0042】先ずワイヤハーネスWをP方向に引っ張
り、引っ張り力を可動板部29の端部に作用させる。す
ると、切欠ヒンジ28を支点として可動板部29がP方
向に回動して屈曲変形し、駆動爪30が係止片33に向
かって変位する。係止片33は、嵌合突起復元拘束部3
6を弾圧し、強制的に一対の係止羽根26を閉じるよう
に弾性変形させる。くびれ部35の係合部38′は、係
止リブ34を乗り越えた位置に移動する(図11)。こ
うして、駆動爪30のくびれ部35は係止片33と係止
リブ27との間に挟持される。このとき、係止羽根26
は係止孔20の内径よりも小さく閉じるので、係止孔2
0から引き抜く力を作用させることによりビーム20か
ら取り外すことができる。
【0043】一方、この状態においては係止羽根26
と、駆動爪30すなわち可動板部29とに復元力が作用
しているため、右側にある係止片33には図11の矢印
R方向に復元しようとする復元力が作用する。また、駆
動爪30先端には上方への復元力が作用する。ところ
が、可動板部復元拘束部37は係止片33の下端に係合
するので、上方への復元は阻止されること、及び係止片
33が嵌合突起復元拘束部36に係合するので、R方向
への復元を阻止されることとの相乗効果により、可動板
部29への曲げ力を除荷してもかかる係合状態が維持さ
れることとなる。すなわち、ワイヤハーネスWから手を
離して引っ張る力をなくしても、可動板部29の屈曲変
形が維持されることになる。
【0044】このように、本形態の配線用クリップ2
1′によれば、可動板部の屈曲変形を維持する閉じ状態
維持手段A′を設けたから、配線用クリップ21′を摘
んで係止孔22から係止羽根26を抜脱するだけで、簡
単に配線用クリップ21′をビーム20から取り外すこ
とができる。このように、特殊な治具を用いることな
く、しかも大きな労力を要することなくワイヤハーネス
Wと一体の配線用クリップ21′を容易に取り外すこと
ができ、取り外し作業の効率化を図れ、ひいては自動車
製造組立ラインにおける組み付け、取り外し、さらには
再組み込みの作業の効率向上を図ることができる。
【0045】また、配線用クリップ21′やビーム20
に何ら損傷を与えることもなく、容易に配線用クリップ
21′を取り外すことができるので、配線用クリップ2
1′の再利用を図れ、コスト低減に有利となる。さら
に、配線用クリップ21′へのワイヤハーネスWの固定
は、バンドクランプ体23を使用して行うので、テープ
巻きで行っていた従来と異なり大幅にワイヤハーネスW
の取付作業に要する時間を短縮することができ、取付作
業を向上できる。もちろん、かかる配線用クリップ2
1′を使用すれば、係止孔22へ係止羽根26を押し込
むだけで取付作業を行えるので、ワイヤハーネスWの配
索を容易に行えることは言うまでもない。
【0046】以下に、本発明に係る配線用クリップの第
三の実施形態を図12〜図15に基づいて詳細に説明す
る。この配線用クリップ41は第一の実施形態と類似し
たものであり、一対の係止羽根42に続く薄肉の係止片
43から外側に向けて傾斜状に係合爪片(係合爪)44
が突出形成され、係止羽根42を支持する中央の支柱4
5を立設した固定板部46に、係合爪片44を係止させ
る一対の係止リブ47が突設され、固定板部46に切欠
ヒンジ48を介して屈曲可能に続く可動板部49に、係
合爪片44に対する略L字状の駆動爪50が設けられた
ものである。少なくとも係止リブ47と係合爪片44と
で係止羽根42に対する閉じ状態維持手段が構成され
る。
【0047】一対の可動板部49は作業者が手指あるい
は治具等で図15の如く係止羽根42の方向に容易に屈
曲させ得るものである。図14の如く一対の可動板部4
9は固定板部46の幅よりもワイヤハーネスW(図1
5)の径方向に長く突出形成され、固定板部46を中心
に回転対称に形成されている。これにより、作業者が可
動板部49を手指等で屈曲操作しやすくなっている。
【0048】勿論、ワイヤハーネスWを屈曲させること
で、可動板部49を屈曲させることも可能である。ワイ
ヤハーネスWを屈曲させにくい場合に、作業者が可動板
部49を直接屈曲させることで、あらゆる取付場所等に
適用可能である。ワイヤハーネスWを屈曲させなくて済
むから、取付母材49からの配線用クリップ41の離脱
作業が作業が楽である。
【0049】図12の如く可動板部49の初期状態(水
平状態)で略L字状の駆動爪50はやや内向きに傾斜し
て位置し、駆動爪50の先端はクリップ本体51の係合
爪片44の先端に近接してないしは軽く接して対向して
位置している。駆動爪50は、可動板部49に立設され
た長辺部50aと、長辺部50aとほぼ直交する短辺部
50bとで構成されている。長辺部50aを傾斜状では
なく直角に可動板部49に立設することも可能である。
可動板部49の長さ方向中間部に駆動爪50が立設され
ている。可動板部49がワイヤハーネス長手方向に長い
から、手動による屈曲操作が容易である。可動板部49
は切欠ヒンジ48を支点に回動するから、可動板部49
の長手方向中間部に位置する駆動爪50に梃子の原理で
大きな力が作用し、係合爪片44すなわち係止羽根42
を容易に内側に撓ませることができる。ヒンジは切欠ヒ
ンジ48に限らず、薄肉ヒンジ等でもよい。
【0050】係合爪片44はほぼ垂直な係止片43と同
等ないしはそれ以上の板厚で形成され、係止片43の延
長方向に対して外向きに鋭角的に折曲されている。係止
片43は取付母材20の板厚と同等ないしはそれ以上の
長さに形成され、係合爪片44は取付母材20から傾斜
状に下方に突出する。係止爪片44の下側に係止リブ4
7が近接して位置している。係止リブ47は先端に外向
きの傾斜面47aを有し、傾斜面47aは係止爪片44
の傾斜状の下面に沿ってほぼ平行に位置している。係止
リブ47の先端の傾斜面47aは鋭角的に係止リブ47
の内側面47bに続いている。係止リブ47の内側面4
7bは係合爪片44に対する係止面として作用する。
【0051】固定板部46の下側にはバンドクランプ体
52が一体に設けられている。バンドクランプ体52の
構成は第一の実施形態と同様であり、複数の凹部54な
いし孔部を有するバンド53と、バンド53に対する挿
通孔55と、挿通孔内でバンド53を係止する係止爪5
6とを備えている。バンドクランプ体52で配線用クリ
ップ41をワイヤハーネスWに固定するから、可動板部
49を面倒なテープ巻きする必要がない。
【0052】図15の如く、ワイヤハーネスWに配線用
クリップ41を固定し、係止羽根42を取付母材20の
孔22に挿入し、係止羽根42の着座部57を係止させ
る。メンテナンス等でワイヤハーネスWを取付母材20
から離脱させる際に、作業者が一対の可動板部49を矢
印Pの如く取付母材20に向けて屈曲させることで、可
動板部49と一体に駆動爪50が回動し、駆動爪50の
先端が係合爪片44の先端ないしは外側面を内向きに押
圧し、係合爪片44が係止リブ47の先端の傾斜面47
aに沿ってスムーズに摺接して係止リブ47を乗り越
え、係止リブ47の内側に係合する。これにより、作業
者が可動板部49から手を離しても、係合爪片44が自
らの弾性(復元力)に抗して係止リブ47の内側に引っ
掛かって留まり、係合爪片44に続く係止羽根42が閉
じた状態に保持され、係止羽根42がスムーズ且つ容易
に取付母材20の孔部22から抜き出される。
【0053】
【発明の効果】以上の如く、請求項1又は3記載の発明
によれば、取付母材から配線用クリップを取り外す際
に、例えば固定板部の両側に延びたワイヤハーネスを係
止羽根に向けて屈曲させて、可動板部の端部に曲げモー
メントを作用させることで、可動板部がヒンジを支点と
して外力の作用する方向に屈曲変位するが、その際、閉
じ状態維持手段により、駆動爪で係止羽根が閉じ方向に
付勢されたままとなるから、作業者がハーネスから手を
離しても、係止羽根が閉じられた状態、すなわち係止羽
根を係止孔から抜脱させる状態が自動的に維持され、簡
単に配線用クリップを取付母材から取り外すことができ
る。このため、特殊な取り外し治具を用いることなく、
配線用クリップを取付母材から取り外すことができ、ワ
イヤハーネスや配線用クリップや取付母材を何ら損傷等
させることなく、配線用クリップを取り外しでき、且つ
再使用することができるので、配線用クリップの脱着作
業性の向上とハーネスの取り外し作業の能率化及び部品
コストの低減を大幅に図ることができる。また、電装品
の修理点検、部品交換する必要がある場合にも、本発明
に係る配線用クリップを用いることで、これらの作業を
効率的に行うことができる。
【0054】また、請求項2記載の発明によれば、閉じ
状態維持手段である一対の係合爪が一対の駆動爪で内向
きに押圧され、それにより一対の係止片を介して一対の
係止羽根が閉じ方向に押圧付勢され、係合爪が閉じ状態
維持手段である係止リブを乗り越えて係止リブの内側に
当接係合する。これにより、ワイヤハーネスの屈曲を解
除しても、一対の係止羽根が閉じた状態に維持され、請
求項1記載の効果と同様に作業者がハーネスから手を離
しても、係止羽根が拡がることがなく、係止羽根を係止
孔から容易に離脱させることができる。また、係止リブ
と係合爪という簡単な構造で係止羽根の閉止状態を維持
できるから、部品コストの上昇が防止される。
【0055】また、請求項4記載の発明によれば、一対
の駆動爪に設けられた閉じ状態維持手段である一対の係
合爪が、一対の係止羽根に続く一対の係止片を内向きに
押圧変位させつつ、閉じ状態維持手段である一対の係止
リブを乗り越えて係止リブの内側に係合する。これによ
り、ワイヤハーネスの屈曲を解除しても、一対の係止羽
根が閉じた状態に維持され、請求項3記載の効果と同様
に作業者がハーネスから手を離しても、係止羽根が拡が
ることがなく、係止羽根を係止孔から容易に離脱させる
ことができる。また、係止リブと係合爪という簡単な構
造で係止羽根の閉止状態を維持できるから、部品コスト
の上昇が防止される。
【0056】また、請求項5記載の発明によれば、作業
者がワイヤハーネスを一々屈曲させることなく、一対の
可動板部を直接屈曲させることで、取付母材から配線用
クリップを簡単に外すことができ、取付母材からのワイ
ヤハーネスの離脱作業が容易化、効率化する。
【0057】また、請求項6記載の発明によれば、固定
板部にバンドクランプ体を設けたことで、バンドクラン
プ体を電線に巻き付けるだけの操作で配線用クリップを
ハーネスに簡単に取り付けることができ、ハーネスへの
配線用クリップの取付作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は本発明に係る配線用クリップに対する取
付母材としてのビーム単体を示す外観斜視図、(b) は配
線用クリップをビームに取り付けた状態を示す外観斜視
図である。
【図2】本発明に係る配線用クリップの第一の実施形態
を示し、配線用クリップをバンドクランプ体を介してワ
イヤハーネスに取り付けた状態を示す外観斜視図であ
る。
【図3】ワイヤハーネスに曲げモーメントを作用させる
ことで配線用クリップを取付母材から脱抜させる状態を
示す外観斜視図である。
【図4】配線用クリップと取付母材であるビームとの取
付位置の相対関係を説明する図であり、配線用クリップ
をビームに取り付けた状態の側面図である。
【図5】ワイヤハーネスに曲げ力を作用させて係止羽根
を係止孔から抜脱する状態を示す側面図である。
【図6】図5のB部の拡大図である。
【図7】本発明に係る配線用クリップの第二の実施形態
を示す外観斜視図である。
【図8】同じく配線用クリップを取付母材から脱抜させ
る状態を示す外観斜視図である。
【図9】同じく配線用クリップをビームに取り付けた状
態の側面図である。
【図10】同じく係止羽根を係止孔から抜脱する状態を
示す側面図である。
【図11】図10のB′部の拡大図である。
【図12】本発明に係る配線用クリップの第三の実施形
態を示す側面図である。
【図13】同じく配線用クリップを示す正面図である。
【図14】同じく配線用クリップを示す平面図(下面
図)である。
【図15】同じく可動板部を直接屈曲させて係止羽根を
係止孔から抜脱する状態を示す側面図である。
【図16】第一の従来技術としてバンドクランプ体と一
体に形成された配線用クリップを示す外観斜視図であ
る。
【図17】同じく配線用クリップにハーネスを結束した
状態を示す断面図である。
【図18】同じく配線用クリップにハーネスを結束した
状態を示し、(a) は外観斜視図、(b) は断面図である。
【図19】第二の従来技術における配線用クリップを示
す外観斜視図である。
【図20】同じく配線用クリップの使用状態を示す断面
図である。
【図21】同じく配線用クリップの取り外し状態を示す
断面図である。
【符号の説明】
20 ビーム(取付母材) 21,21′,41 配線用クリップ 22 係止孔 23,52 バンドクランプ体 25,45 支柱 26,42 係止羽根 27,46 固定板部 28,48 切欠ヒンジ(ヒンジ) 29,29′,49 可動板部 30,50 駆動爪 32,57 着座部 33,43 係止片 34,47 係止リブ 38,38′ 係合爪 44 係合爪片(係合爪) A,A′ 閉じ状態維持手段 W ワイヤハーネス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H023 AA04 AB01 AC21 AD08 AD54 AE06 3J022 DA03 EA15 EB06 EB14 EC02 EC14 EC22 ED03 FA05 FB08 FB13 FB16 HA03 HB02 3J036 AA03 BA01 DA14 DB04 5G363 AA16 BA02 DA13 DA16 DC02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤハーネスに対する固定板部に支柱
    を介して可撓性の一対の係止羽根が設けられ、該一対の
    係止羽根の先端に、取付母材の係止孔に係合する着座部
    と、該係止孔を貫通する係止片とが設けられ、該固定板
    部の両側に一対の可動板部が設けられ、該一対の可動板
    部から前記支柱に向けて一対の駆動爪が設けられた配線
    用クリップであって、 前記固定板部と一対の前記係止片とに、前記一対の係止
    羽根の閉じ状態を維持させる閉じ状態維持手段が設けら
    れ、ハーネスの屈曲等による外力で該一対の可動板部が
    屈曲変位し、前記一対の駆動爪で該一対の係止羽根が閉
    止方向に変位して前記係止孔から抜脱可能になると共
    に、前記外力を除荷した後も該閉じ状態維持手段により
    該抜脱状態を維持するように構成されたことを特徴とす
    る配線用クリップ。
  2. 【請求項2】 前記閉じ状態維持手段が、前記固定板部
    に設けられた係止リブと、前記一対の係止片の先端に設
    けられ、該係止リブに乗り越えて係合する係合爪とを含
    み、前記一対の駆動爪が一対の該係合爪を内向きに押圧
    可能であることを特徴とする請求項1記載の配線用クリ
    ップ。
  3. 【請求項3】 前記一対の係止片に代えて前記一対の駆
    動爪に前記閉じ状態維持手段が設けられたことを特徴と
    する請求項1記載の配線用クリップ。
  4. 【請求項4】 前記閉じ状態維持手段が、前記係止リブ
    と、前記一対の駆動爪の先端に設けられ、該係止リブに
    乗り越えて係合する係合爪とを含み、該一対の駆動爪が
    前記一対の係止片を内向きに押圧可能であることを特徴
    とする請求項3記載の配線用クリップ。
  5. 【請求項5】 ワイヤハーネスに固定された状態で前記
    一対の可動板部が作業者の手指等で前記一対の係止羽根
    の閉じ方向に屈曲可能に形成されていることを特徴とす
    る請求項1〜4の何れか記載の配線用クリップ。
  6. 【請求項6】 前記固定板部に、バンドクランプ体で構
    成された電線保持手段が設けられたことを特徴とする請
    求項1〜5の何れか記載の配線用クリップ。
JP2001024038A 2001-01-31 2001-01-31 配線用クリップ Expired - Fee Related JP3828752B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001024038A JP3828752B2 (ja) 2001-01-31 2001-01-31 配線用クリップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001024038A JP3828752B2 (ja) 2001-01-31 2001-01-31 配線用クリップ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002233038A true JP2002233038A (ja) 2002-08-16
JP3828752B2 JP3828752B2 (ja) 2006-10-04

Family

ID=18889240

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001024038A Expired - Fee Related JP3828752B2 (ja) 2001-01-31 2001-01-31 配線用クリップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3828752B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007325326A (ja) * 2006-05-30 2007-12-13 Piolax Inc ハーネスクリップ
CN100466407C (zh) * 2005-03-03 2009-03-04 本田技研工业株式会社 卡子
CN102290755A (zh) * 2010-05-06 2011-12-21 矢崎总业株式会社 线束夹具
US10634256B2 (en) 2015-08-11 2020-04-28 Spicer Gelenkwellenbau Gmbh Protective ring, sealing arrangement and journal cross assembly

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100466407C (zh) * 2005-03-03 2009-03-04 本田技研工业株式会社 卡子
JP2007325326A (ja) * 2006-05-30 2007-12-13 Piolax Inc ハーネスクリップ
CN102290755A (zh) * 2010-05-06 2011-12-21 矢崎总业株式会社 线束夹具
CN102290755B (zh) * 2010-05-06 2015-01-14 矢崎总业株式会社 线束夹具
US10634256B2 (en) 2015-08-11 2020-04-28 Spicer Gelenkwellenbau Gmbh Protective ring, sealing arrangement and journal cross assembly

Also Published As

Publication number Publication date
JP3828752B2 (ja) 2006-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7188393B2 (en) Fastener device
JP4870488B2 (ja) 高固定強度の固定具
JP4839365B2 (ja) 車両用のルーフラックおよびその固定方法
JP2980587B1 (ja) 固定具
JP5108500B2 (ja) ケーブルの締結装置
JP2005308221A (ja) 多段組み立て補助ファスナ
JP2002233038A (ja) 配線用クリップ
US20230118668A1 (en) Fastening strap clamp assembly
JP2003220905A (ja) スライドドア用ハーネスプロテクタの取付構造
JP4005010B2 (ja) 固定具
JP5312253B2 (ja) クリップ及びクリップ付きワイヤハーネス
JP3459769B2 (ja) フットレスト装置
JP4790493B2 (ja) ハーネスクリップ
JP6127474B2 (ja) インストルメントパネルのボトムカバー取付け構造
JP2004278703A (ja) 固定具
JP5533192B2 (ja) ワイヤハーネスを支持体に取り付ける方法
JP2002036915A (ja) インストルメントパネルのワイヤーハーネス固定構造
JP4259702B2 (ja) 車内部品の取付構造
JP2007181363A (ja) 取付具
JPH11275743A (ja) ワイヤハーネス用クランプ
JP2010052731A (ja) 特に、エアバッグ装置のアレスタストラップを固定するためのファスナ
JPH08121435A (ja) 錨脚クリップ
JPH1141744A (ja) ワイヤハーネス用プロテクタ
JP2002339929A (ja) クリップ
JPS61248910A (ja) 二物体の取付構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060404

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060602

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060627

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060707

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090714

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100714

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110714

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110714

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120714

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130714

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees