JP2002226703A - 車両用外装部品 - Google Patents

車両用外装部品

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JP2002226703A
JP2002226703A JP2001028946A JP2001028946A JP2002226703A JP 2002226703 A JP2002226703 A JP 2002226703A JP 2001028946 A JP2001028946 A JP 2001028946A JP 2001028946 A JP2001028946 A JP 2001028946A JP 2002226703 A JP2002226703 A JP 2002226703A
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fiber
molded article
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acid
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JP2001028946A
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Nobuo Osanawa
信夫 長縄
Motonobu Yamada
元伸 山田
Kazuhiko Kobayashi
和彦 小林
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐衝撃性、寸法安定性を保持しかつ
成形品表面外観性に優れる繊維強化ポリアミド樹脂組成
物車両用外装部品を提供する。 【解決手段】 (A)ポリアミド樹脂90〜50重量
%、(B)耐衝撃性改良剤10〜50重量%からなる熱
可塑性樹脂組成物100重量部に対して(C)繊維強化
材1〜20重量部添加してなる繊維強化熱可塑性樹脂組
成物を成形して得られ、該成形品中の炭素繊維の重量平
均繊維長(Lw)を繊維径(d)で除した値(Lw/
d)が20〜70にある成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に車両用外装部
品への適用に好適な耐熱性、耐衝撃性、寸法安定性に優
れ、かつ成形品表面外観に優れた繊維強化ポリアミド樹
脂組成物製の成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、その優れた成形性、
耐熱性、強靱性、耐オイル・ガソリン性、耐摩耗性など
を利用して、例えば自動車、電気・電子部品などの分野
で広範に使用されている。特に自動車分野では、軽量化
による燃費向上などを目的として外装部品を金属材料か
ら樹脂材料に代替する検討が行われている。外装部品に
必要な特性としては、オンライン塗装やインライン塗装
に耐える耐熱性、衝突時の衝撃に耐える耐衝撃性、熱や
吸水による寸法変化の小さい寸法安定性、および成形品
表面良外観が挙げられる。耐熱性や寸法安定性を向上さ
せる目的で繊維強化材を用いる方法や、衝撃性、耐熱
性、寸法安定性、耐衝撃性を改良する目的で繊維強化材
と耐衝撃性改良材を併用する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、いず
れも耐熱性、寸法安定性、耐衝撃性の面においては良好
な結果を与えているが、自動車のフェンダー、ドアパネ
ル、バンパなど車両用外装部品への使用を想定した場
合、繊維強化材が成形品表面に浮き出て外観を悪化させ
るため、車両用外装部品としての実用は難しいのが現状
であり、この成形品表面外観の向上が望まれているのが
現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記車両用外装部品に必要な耐熱性、耐衝撃性、寸法安定
性の特性を保持しかつ成形品の表面外観を改良すること
により、真に有用性の高い車両用外装部品を得るべく鋭
意検討した結果、ポリアミドと耐衝撃性改良材からなる
組成物に特定の繊維強化材を組み合わせることにより、
諸要求特性をバランス化させた車両用外装部品を見出し
本発明に至った。
【0005】すなわち本発明の本旨とするところは、
(1)(A)ポリアミド樹脂90〜50重量%、(B)
耐衝撃性改良剤10〜50重量%からなる熱可塑性樹脂
組成物100重量部に対して(C)繊維状強化材1〜2
0重量部を含有してなる繊維強化熱可塑性樹脂組成物を
成形して得られ、該成形品中の繊維状強化材の重量平均
繊維長(Lw)を繊維径(d)で除した値(Lw/d)
が10〜70であることを特徴とする成形品、(2)成
形品表面の中心線平均粗さが0.15μm以下である前
記(1)記載の成形品、(3)室温におけるノッチ付き
Izod衝撃強度が100J/m以上である前記(1)
または(2)記載の成形品、(4)0.46MPa荷重
における熱変形温度が170℃以上である前記(1)〜
(3)いずれかに記載の成形品、(5)30℃〜80℃
における樹脂流動方向の線膨張係数と流動方向に対して
垂直な方向の線膨張係数との平均値が6×10-5cm/
cm・℃以下である前記(1)〜(4)いずれかに記載
の成形品、(6)(C)繊維状強化材が炭素繊維である
前記(1)〜(5)いずれかに記載の成形品、(7)前
記(1)〜(6)いずれかに記載の成形品を用いた車両
用外装部品、である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いるポリアミド樹脂
は、アミノ酸、ラクタム、あるいはジアミンとジカルボ
ン酸を主たる構成成分とするポリアミドであり、その主
要構成成分の代表例としては、6−アミノカプロン酸、
11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、
パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロ
ラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラ
メチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチ
ルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウ
ンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、
2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレン
ジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシ
リレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビ
ス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ア
ミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノ
メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス
(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチ
ル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス
(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノ
プロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの
脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフ
タル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタ
ル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒド
ロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪
族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられる。本発
明においては、これらの構成成分から誘導されるポリア
ミド単独重合体もしくは共重合体を各々単独で用いても
よいし、または、複数種を混合して用いてもよい。
【0007】本発明においては、耐熱性や強度に優れる
という点から、200℃以上の融点を有するポリアミド
樹脂が特に有用である。その具体的な例としては、ポリ
カプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジ
パミド(ナイロン66)、ポリカプロアミド/ポリヘキ
サメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/6
6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4
6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン61
0)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン61
2)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリカプ
ロアミドコポリマー(ナイロン6T/6)、ポリヘキサ
メチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルア
ミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメ
チレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミ
ドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチ
レンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド
/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナ
イロン66/6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフ
タルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポ
リマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテ
レフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイ
ロン6T/12)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミ
ド/ポリ(2−メチルペンタメチレン)テレフタルアミ
ドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリキシリレ
ンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリノナメチレンテ
レフタルアミド(ナイロン9T)、およびこれらの混合
物ないしは共重合体などが挙げられる。
【0008】とりわけ好ましいポリアミド樹脂として
は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイ
ロン6/66コポリマー、ナイロン6T/66コポリマ
ー、ナイロン6T/6Iコポリマー、ナイロン6T/1
2コポリマー、およびナイロン6T/6コポリマーなど
を挙げることができ、更にこれらのポリアミド樹脂を耐
衝撃性、成形加工性、相溶性などの必要特性に応じて混
合物として用いることも実用上好適である。
【0009】これらポリアミド樹脂の重合度には特に制
限がなく、成形性を考慮して適宜選択すればよい。本発
明においては98%濃硫酸25mlにポリアミド樹脂
0.25gを溶解した溶液の25℃で測定した相対粘度
が1.5〜5.0の範囲、特に2.0〜4.0の範囲の
ポリアミド樹脂が好ましい。
【0010】本発明の樹脂組成物中に占めるポリアミド
樹脂の含有量は90〜50重量%、好ましくは80〜5
0重量%である。90重量%以上では衝撃性が不足し、
50重量%未満では耐熱性が不足するので好ましくな
い。
【0011】本発明で用いる耐衝撃性改良材とは、ポリ
アミド樹脂とアロイ化した際に耐衝撃性を改良するもの
であり、オレフィン系重合弾性体および/または不飽和
カルボン酸および/またはその誘導体やビニル単量体を
グラフト反応あるいは共重合して得られるオレフィン系
重合弾性体および/または共役ジエン−芳香族ビニル炭
化水素ブロック重合体の共役ジエンブロック部の一部又
は全部が水素添加された水素添加ブロック共重合弾性体
が好ましく、グラフト反応あるいは共重合されている不
飽和カルボン酸および/またはその誘導体やビニル単量
体の量は0.01〜20重量%が好ましい。グラフト反
応あるいは共重合に用いる不飽和カルボン酸としてはア
クリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ブ
テンジカルボン酸などが挙げられる。また、それらの誘
導体としては、アルキルエステル、グリシジルエステ
ル、ジ−またはトリ−アルコキシシリル基を有するエス
テル、酸無水物またはイミドなどが挙げられ、中では、
グリシジルエステル、ジ−またはトリ−アルコキシシリ
ル基を有する不飽和カルボン酸エステル、酸無水物、イ
ミドが好ましい。
【0012】不飽和カルボン酸およびその誘導体の好ま
しい例としては、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸グ
リシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸ジグリ
シジルエステル、シトラコン酸ジグリシジルエステル、
ブテンジカルボン酸ジグリシジルエステル、ブテンジカ
ルボン酸モノグリシジルエステル、無水マレイン酸、無
水イタコン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸イミド、
イタコン酸イミド、シトラコン酸イミドなどであり、特
にメタクリル酸グリシジル、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸、マレイン酸イミドが好ましく使用できる。ま
た、ビニル単量体の例としてはスチレンなどの芳香族ビ
ニル化合物、アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化
合物、ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン化
合物を例示することができ、これらの不飽和カルボン酸
またはその誘導体あるいはビニル単量体は2種以上を併
用してもよい。なお、これら不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体あるいはビニル単量体をグラフトさせる方法に
ついては公知の手法を用いることができる。これらの耐
衝撃性改良材は2種以上併用することも可能である。
【0013】このような耐衝撃性改良材の具体例として
は、エチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重
合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウ
ム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩とし
たもの、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイ
ン酸共重合体、(「g」はグラフトを表わす、以下同
じ)、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−マレ
イミド共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−N
−フェニルマレイミド共重合体およびこれら共重合体の
部分ケン化物、エチレン/グリシジルメタクリレート共
重合体、エチレン/ビニルアセテート/グリシジルメタ
クリレート共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/
グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/グリシ
ジルアクリレート共重合体、エチレン/ビニルアセテー
ト/グリシジルアクリレート共重合体、エチレン/グリ
シジルエーテル共重合体、エチレン/プロピレン−g−
無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−
無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/1,
4−ヘキサジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチ
レン/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g−無水マ
レイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/2,5−ノ
ルボルナジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン/プロピレン−g−N−フェニルマレイミド共重合
体、エチレン/ブテン−1−g−N−フェニルマレイミ
ド共重合体、水素化スチレン/ブタジエン/スチレン−
g−無水マレイン酸共重合体、水素化スチレン/イソプ
レン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン/プロピレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合
体、エチレン/ブテン−1−g−メタクリル酸グリシジ
ル共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジ
エン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン
/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g−メタクリル
酸グリシジル共重合体、水素化スチレン/ブタジエン/
スチレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体などを
挙げることができる。この中で、エチレン/メタクリル
酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の
一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜
鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/プロピレ
ン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−
1−g−無水マレイン酸共重合体、水素化スチレン/ブ
タジエン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体が好
ましく、更にエチレン/メタクリル酸共重合体およびこ
れら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナ
トリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの
塩としたもの、エチレン/プロピレン−g−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイ
ン酸共重合体が特に好ましい。
【0014】本発明のポリアミド樹脂組成物に含まれる
耐衝撃性改良材の含有量は、10〜50重量%である。
好ましくは15〜50重量%である。10重量%未満で
は衝撃性が不足し、50重量%を超えると耐熱性や流動
性が低下するので好ましくない。
【0015】本発明で用いる繊維状強化材としては、ガ
ラス繊維、アルミナ繊維、酸化珪素繊維、セラミック繊
維、石膏繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウィスカ、
酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ等を挙げ
ることができるが、車両用部品に求められる軽量化に効
果が高い炭素繊維が特に好ましい。繊維状強化材の含有
量は、熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して1〜2
0重量部、好ましくは2〜18重量部である。繊維状強
化材が1重量部未満では耐熱性、寸法安定性が不足し、
20重量部以上では成形品表面外観の悪化や流動性が低
下するので好ましくない。
【0016】本発明の成形品中の繊維強化材の重量平均
繊維長(Lw)を繊維径(d)で除した値(Lw/d)
は10〜70の範囲であることが必要であり、好ましく
は15〜65の範囲である。Lw/d値が10未満では
成形品表面外観は良好であるが、耐熱性や寸法安定性が
不足する。またLw/d値が70以上では耐熱性や寸法
安定性は良好であるが、成形品表面外観が損なわれるの
で好ましくない。
【0017】本発明で用いる繊維状強化材はイソシアネ
ート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系
化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカ
ップリング剤で予備処理して使用してもよい。
【0018】本発明の成形品は、成形品表面の中心線粗
さが0.15μm以下が好ましく、特に0.13以下が
好ましい。この成形品表面の中心線粗さをかかる範囲と
することにより、車両用外装部品として好ましい表面平
滑性が得られる。かかる成形品表面性状を得るために
は、ポリアミド樹脂、耐衝撃性改良材、強化材を特定の
組成ないしは形状で含有する組成物を十分な保温能力を
有する金型を用い、かつ、十分な射出速度を有する射出
成形機を用いて成形することが重要である。
【0019】本発明の成形体は、室温におけるノッチ付
きIzod衝撃強度が100J/m以上であることが好
ましく、より好ましくは110J/m以上である。この
ノッチ付Izod衝撃強度は本発明の成形体を構成する
繊維強化熱可塑性樹脂組成物を下記実施例の項に記載す
る方法により測定して求められる。このノッチ付Izo
d衝撃強度をかかる範囲とすることにより、車両用外装
部品として好ましい耐衝撃性が得られる。
【0020】本発明の成形体は、0.46MPa荷重に
おける熱変形温度が170℃以上であることが好まし
く、より好ましくは175℃以上である。この熱変形温
度は本発明の成形体を構成する繊維強化熱可塑性樹脂組
成物を下記実施例の項に記載する方法により測定して求
められる。この熱変形温度をかかる範囲とすることによ
り、車両用外装部品をインライン塗装する際の塗装焼き
付け温度に耐えることが可能となる。
【0021】本発明の成形体は、30〜80℃における
樹脂流動方向の線膨張係数と流動方向に対して垂直な方
向の線膨張係数との平均値が6×10-5cm/cm・℃
以下であることが好ましく、より好ましくは5.5×1
-5cm/cm・℃以下である。この線膨張係数は本発
明の成形体を構成する繊維強化熱可塑性樹脂組成物を下
記実施例の項に記載する方法により測定して求められ
る。この線膨張係数をかかる範囲とすることにより、車
両用外装部品として必要な寸法安定性が得られる。ま
た、かかる範囲とするためには繊維強化材の添加量およ
びその繊維長をポリアミド樹脂、耐衝撃性改良材からな
る樹脂組成物の特性に合わせて適宜選択し、制御するこ
とが必要である。
【0022】本発明において繊維強化熱可塑性樹脂組成
物には、本発明の効果を損なわない範囲で他の樹脂成分
を含有しても構わない。他の樹脂成分としては、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ABS樹脂、ポリフェニレン
エーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
テレフタレート、液晶ポリエステル、ポリフェニレンス
ルフィド、ポリアセタール、ポリカーボネートなどが挙
げられる。
【0023】また、本発明において繊維強化熱可塑性樹
脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で非繊維
状強化材を含有しても構わない。それらの非繊維状強化
材の具体例としては、タルク、ワラステナイト、ゼオラ
イト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロ
フィライト、ベントナイト、モンモリロナイト、アスベ
スト、アルミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸
化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チ
タン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化マグネシウム、
水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化
物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭
化珪素およびシリカなどが挙げられる。これらは中空で
あってもよく、さらにはこれら非繊維強化材を2種類以
上併用することも可能である。また、これら非繊維状強
化材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、
有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキ
シ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用して
もよい。また、モンモリロナイトについては、有機アン
モニウム塩でカチオン交換した有機モンモリロナイトを
用いてもよい。
【0024】本発明において繊維強化熱可塑性樹脂組成
物には、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分、例
えば酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール
系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの誘
導体等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート
系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダ
ードアミン系等)、離型剤及び滑剤(モンタン酸及びそ
の金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステア
リルアルコール、ステアラミド、各種ビスアミド、ビス
尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミ
ウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料
(ニグロシン等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリ
ン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチ
ル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止
剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4
級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン
系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、制電性
樹脂(ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルイミ
ド、4級アンモニウム塩基含有マレイミド、ポリスルホ
ン酸ソーダ等)、難燃剤(例えば、赤燐、メラミンシア
ヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等
の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチ
レン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカー
ボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系
難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、着色防
止剤(次亜リン酸塩等)、導電性付与剤(カーボンブラ
ック、カーボンナノチューブ、グラファイト、フィブリ
ル状炭素、金属微粒子等)、他の重合体を含有しても構
わない。
【0025】次に本発明における繊維強化熱可塑性樹脂
組成物を得る方法について説明する。本発明の繊維強化
熱可塑性樹脂組成物は、例えば、ポリアミド樹脂、耐衝
撃性改良材、繊維強化材を溶融混練して得ることができ
る。また、その他公知の混練方法が採用できる。その処
理方式としてもバッチ式または連続式のいずれも採用で
きるが、連続式の方が生産性の面で好ましい。混練装置
としては、単軸および二軸押出機、混練機、ニーダーな
どが挙げられ特に限定するものではないが、二軸押出機
が生産性などの面で好ましい。二軸押出機を用いる場合
には、ポリアミド樹脂、耐衝撃性改良材、炭素繊維を一
括して押出機に供給する方法や、任意の2成分をあらか
じめ溶融混合し、押出機のサイドから残りの1成分を供
給する方法などが挙げられるが特に限定されない。
【0026】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物成形
品は該繊維強化熱可塑性樹脂組成物を公知の方法により
成形し得ることができる。成形品を得る方法には、例え
ば、押出成形、射出成形、射出圧縮成形、ブロー成形、
プレス成形などが挙げられ、特に限定されないが、生産
性などの点から射出成形や射出圧縮成形が好ましい。
【0027】また、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成
物成形品表面の中心線平均粗さは0.15μm以下であ
るが、かかる成形品を得るためには例えば金型の表面に
鏡面加工(研磨、メッキ処理)を施して成形を実施する
ことにより得ることができる。
【0028】また、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成
物車両用外装部品の具体例としては、バンパー、フロン
トフェンダー、リアフェンダー、ヒューエルリッド、ド
アパネル、テールゲートパネル、ライセンスガーニッシ
ュ、ボンネット、トランクリッドなどが挙げられる。特
に、フロントフェンダー、リアフェンダー、ドアパネ
ル、テールゲートパネルなどが好ましい。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるも
のではない。
【0030】なお、実施例および比較例に記した諸特性
は次の方法により評価した。 (1)引張特性 繊維強化熱可塑性樹脂組成物をASTM1号ダンベル型
に成形し、ASTM D638に従って測定した。 (2)曲げ特性 繊維強化熱可塑性樹脂組成物を高さ1/4インチ、幅1
/2インチ、長さ5インチの成形品に成形し、ASTM
D790に従って測定した。 (3)Izod衝撃強度 繊維強化熱可塑性樹脂組成物を厚さ1/8インチの成形
品に成形し、ASTM D256に従って測定した。 (4)熱変形温度 繊維強化熱可塑性樹脂組成物を高さ1/4インチ、幅1
/2インチ、長さ5インチの成形品に成形し、ASTM
D648に従って測定した。 (5)線膨張係数 繊維強化熱可塑性樹脂組成物を縦80mm、横80m
m、厚み3mmの成形品もしくはフューエルリッド成形
品の中央付近から切り出して縦3mm、横3mm、高さ
10mmの大きさに調整した試験片を30℃から80℃
まで2℃/minの速度で昇温させた時の寸法変化から
求めた。 (6)繊維長および繊維径 繊維強化熱可塑性樹脂組成物を厚さ1/8インチ、幅1
4mm、高さ65mmの成形品に成形し、該成形品を電
気炉で500℃×5時間、アルゴン雰囲気下で燃焼さ
せ、残余の灰分を顕微鏡撮影して求めた。 (7)成形品表面粗さ 繊維強化熱可塑性樹脂組成物を鏡面仕上げ(研磨、メッ
キ処理)した縦80mm、横80mm、厚み3mmの金
型を用いて成形し、該成形品の中央付近の中心線平均粗
さをMITSUTOYO社製SURFTEST−500
を使用して測定した。
【0031】次に、実施例および比較例に用いた材料を
示す。 (1)ポリアミド ナイロン6(東レ社製”アミラン”CM1010) (2)耐衝撃改良材−1 ”ハイミラン”1706(三井・デュポンポリケミカル
社製) (3)耐衝撃改良材−2 ”Nタフマー”MH5020(三井化学社製) (4)炭素繊維−1 繊維径7μm、繊維長6mmのチョップド炭素繊維(東
レ社製T−600) (5)炭素繊維−2 繊維径7μm、繊維長30μmのチョップド炭素繊維
(東レ社製ミルドトレカ)。
【0032】実施例1 各材料を表1に示す割合で全材料ドライブレンドした
後、日本製鋼所製二軸押出機TEX−30を用いて押出
機の元込めホッパーから供給し、シリンダー温度260
℃、スクリュー回転数200rpm、時間当たり20k
gの処理量の条件で溶融混練ペレット化した。得られた
ペレットを80℃で16時間真空乾燥した後、住友重機
械工業社製射出成形機SG75H−MIVを用いて、シリ
ンダー温度260℃、金型温度80℃の条件で特性評価
成形品を射出成形して得た。成形品の特性は表1に示す
通りであり、ここで得られた成形品中の炭素繊維の重量
平均繊維長(Lw)を繊維径(d)で除した値(Lw/
d)が55であり、優れた強度、耐衝撃性、耐熱性、寸
法安定性に加え成形品表面の中心線平均粗さは0.13
μmと表面外観性に優れた材料であることが判明した。
【0033】比較例1 表2に示す割合でポリアミド、耐衝撃改良材をドライブ
レンドした後、実施例1と同じ押出機を用いて、ドライ
ブレンドした物を押出機の元込めホッパーから、炭素繊
維を押出機の途中からサイドフィード供給した以外は実
施例1と同じ条件で溶融混練ペレット化、射出成形、成
形品特性評価を行った。結果は表2に示す通りであり、
ここで得られた成形品中の炭素繊維は重量平均繊維長
(Lw)を繊維径(d)で除した値(Lw/d)が85
であり、強度、耐熱性、寸法安定性は優れるが成形品表
面の中心線平均粗さは0.26μmと表面外観性に劣
る。
【0034】比較例2 炭素繊維−2を用いて表2に示す割合とした以外は実施
例1と全く同様に溶融混練、射出成形、成形品特性評価
を行った。結果は表2に示す通りであり、ここで得られ
た成形品中の炭素繊維は重量平均繊維長(Lw)を繊維
径(d)で除した値(Lw/d)が7であり、耐衝撃
性、成形品表面外観性は優れるが線膨張係数が大きく寸
法安定性に劣る。
【0035】実施例2〜5 表1に示したように耐衝撃改良材の種類および配合量を
種々変更した以外実施例1と全く同様に溶融混練、射出
成形、成形品特性評価を行った。得られた成形品の特性
を表1にまとめて示した。ここで得られた成形品はいず
れも強度、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性、表面外観性
に優れることが判明した。
【0036】実施例6 実施例1で得られた繊維強化樹脂組成物をKOMATS
U社製射出圧縮成形機IP1050を用いて厚さ3mm
のヒューエルリッドを成形した。得られたヒューエルリ
ッドから切り出した試験片の線膨張係数、表面中心線平
均粗さの評価を行った。結果は表1に示す通りであり、
寸法安定性、表面外観性に優れる。
【0037】比較例3〜5 表2に示したように配合量を変更した以外実施例1と全
く同様に溶融混練、射出成形、成形品特性評価を行っ
た。得られた成形品の特性は表2に示す通りであり、こ
こで得られた成形品は比較例3においては寸法安定性に
劣り、比較例4においては表面外観性に劣り、比較例5
においては耐熱性に劣る結果である。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明は、車両用外装部品への適用に好
適な耐熱性、耐衝撃性、寸法安定性を保持しかつ成形品
表面外観に優れるポリアミド樹脂組成物車両用外装部品
を提供することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年11月28日(2001.11.
28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】両用外装部品
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に車両用外装部
品への適用に好適な耐熱性、耐衝撃性、寸法安定性に優
れ、かつ成形品表面外観に優れた繊維強化ポリアミド樹
脂組成物製車両用外装部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、その優れた成形性、
耐熱性、強靱性、耐オイル・ガソリン性、耐摩耗性など
を利用して、例えば自動車、電気・電子部品などの分野
で広範に使用されている。特に自動車分野では、軽量化
による燃費向上などを目的として外装部品を金属材料か
ら樹脂材料に代替する検討が行われている。外装部品に
必要な特性としては、オンライン塗装やインライン塗装
に耐える耐熱性、衝突時の衝撃に耐える耐衝撃性、熱や
吸水による寸法変化の小さい寸法安定性、および成形品
表面良外観が挙げられる。耐熱性や寸法安定性を向上さ
せる目的で繊維強化材を用いる方法や、衝撃性、耐熱
性、寸法安定性、耐衝撃性を改良する目的で繊維強化材
と耐衝撃性改良材を併用する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、いず
れも耐熱性、寸法安定性、耐衝撃性の面においては良好
な結果を与えているが、自動車のフェンダー、ドアパネ
、など車両用外装部品への使用を想定した場合、繊維
強化材が成形品表面に浮き出て外観を悪化させるため、
車両用外装部品としての実用は難しいのが現状であり、
この成形品表面外観の向上が望まれているのが現状であ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記車両用外装部品に必要な耐熱性、耐衝撃性、寸法安定
性の特性を保持しかつ成形品の表面外観を改良すること
により、真に有用性の高い車両用外装部品を得るべく鋭
意検討した結果、ポリアミドと耐衝撃性改良材からなる
組成物に特定の繊維強化材を組み合わせることにより、
諸要求特性をバランス化させた車両用外装部品を見出し
本発明に至った。
【0005】すなわち本発明の本旨とするところは、
(1)(A)ポリアミド樹脂90〜50重量%、(B)
耐衝撃性改良剤10〜50重量%からなる熱可塑性樹脂
組成物100重量部に対して(C)繊維状強化材1〜2
0重量部を含有してなる繊維強化熱可塑性樹脂組成物を
成形して得られ、該成形品中の繊維状強化材の重量平均
繊維長(Lw)を繊維径(d)で除した値(Lw/d)
が10〜70であることを特徴とする車両用外装部品
(2)成形品表面の中心線平均粗さが0.15μm以下
である前記(1)記載の車両用外装部品、(3)室温に
おけるノッチ付きIzod衝撃強度が100J/m以上
である前記(1)または(2)記載の車両用外装部品
(4)0.46MPa荷重における熱変形温度が170
℃以上である前記(1)〜(3)いずれかに記載の車両
用外装部品、(5)30℃〜80℃における樹脂流動方
向の線膨張係数と流動方向に対して垂直な方向の線膨張
係数との平均値が6×10-5cm/cm・℃以下である
前記(1)〜(4)いずれかに記載の車両用外装部品
(6)(C)繊維状強化材が炭素繊維である前記(1)
〜(5)いずれかに記載の車両用外装部品、である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いるポリアミド樹脂
は、アミノ酸、ラクタム、あるいはジアミンとジカルボ
ン酸を主たる構成成分とするポリアミドであり、その主
要構成成分の代表例としては、6−アミノカプロン酸、
11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、
パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロ
ラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラ
メチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチ
ルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウ
ンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、
2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレン
ジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシ
リレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビ
ス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ア
ミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノ
メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス
(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチ
ル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス
(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノ
プロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの
脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフ
タル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタ
ル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒド
ロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪
族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられる。本発
明においては、これらの構成成分から誘導されるポリア
ミド単独重合体もしくは共重合体を各々単独で用いても
よいし、または、複数種を混合して用いてもよい。
【0007】本発明においては、耐熱性や強度に優れる
という点から、200℃以上の融点を有するポリアミド
樹脂が特に有用である。その具体的な例としては、ポリ
カプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジ
パミド(ナイロン66)、ポリカプロアミド/ポリヘキ
サメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/6
6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4
6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン61
0)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン61
2)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリカプ
ロアミドコポリマー(ナイロン6T/6)、ポリヘキサ
メチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルア
ミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメ
チレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミ
ドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチ
レンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド
/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナ
イロン66/6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフ
タルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポ
リマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテ
レフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイ
ロン6T/12)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミ
ド/ポリ(2−メチルペンタメチレン)テレフタルアミ
ドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリキシリレ
ンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリノナメチレンテ
レフタルアミド(ナイロン9T)、およびこれらの混合
物ないしは共重合体などが挙げられる。
【0008】とりわけ好ましいポリアミド樹脂として
は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイ
ロン6/66コポリマー、ナイロン6T/66コポリマ
ー、ナイロン6T/6Iコポリマー、ナイロン6T/1
2コポリマー、およびナイロン6T/6コポリマーなど
を挙げることができ、更にこれらのポリアミド樹脂を耐
衝撃性、成形加工性、相溶性などの必要特性に応じて混
合物として用いることも実用上好適である。
【0009】これらポリアミド樹脂の重合度には特に制
限がなく、成形性を考慮して適宜選択すればよい。本発
明においては98%濃硫酸25mlにポリアミド樹脂
0.25gを溶解した溶液の25℃で測定した相対粘度
が1.5〜5.0の範囲、特に2.0〜4.0の範囲の
ポリアミド樹脂が好ましい。
【0010】本発明の樹脂組成物中に占めるポリアミド
樹脂の含有量は90〜50重量%、好ましくは80〜5
0重量%である。90重量%以上では衝撃性が不足し、
50重量%未満では耐熱性が不足するので好ましくな
い。
【0011】本発明で用いる耐衝撃性改良材とは、ポリ
アミド樹脂とアロイ化した際に耐衝撃性を改良するもの
であり、オレフィン系重合弾性体および/または不飽和
カルボン酸および/またはその誘導体やビニル単量体を
グラフト反応あるいは共重合して得られるオレフィン系
重合弾性体および/または共役ジエン−芳香族ビニル炭
化水素ブロック重合体の共役ジエンブロック部の一部又
は全部が水素添加された水素添加ブロック共重合弾性体
が好ましく、グラフト反応あるいは共重合されている不
飽和カルボン酸および/またはその誘導体やビニル単量
体の量は0.01〜20重量%が好ましい。グラフト反
応あるいは共重合に用いる不飽和カルボン酸としてはア
クリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ブ
テンジカルボン酸などが挙げられる。また、それらの誘
導体としては、アルキルエステル、グリシジルエステ
ル、ジ−またはトリ−アルコキシシリル基を有するエス
テル、酸無水物またはイミドなどが挙げられ、中では、
グリシジルエステル、ジ−またはトリ−アルコキシシリ
ル基を有する不飽和カルボン酸エステル、酸無水物、イ
ミドが好ましい。
【0012】不飽和カルボン酸およびその誘導体の好ま
しい例としては、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸グ
リシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸ジグリ
シジルエステル、シトラコン酸ジグリシジルエステル、
ブテンジカルボン酸ジグリシジルエステル、ブテンジカ
ルボン酸モノグリシジルエステル、無水マレイン酸、無
水イタコン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸イミド、
イタコン酸イミド、シトラコン酸イミドなどであり、特
にメタクリル酸グリシジル、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸、マレイン酸イミドが好ましく使用できる。ま
た、ビニル単量体の例としてはスチレンなどの芳香族ビ
ニル化合物、アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化
合物、ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン化
合物を例示することができ、これらの不飽和カルボン酸
またはその誘導体あるいはビニル単量体は2種以上を併
用してもよい。なお、これら不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体あるいはビニル単量体をグラフトさせる方法に
ついては公知の手法を用いることができる。これらの耐
衝撃性改良材は2種以上併用することも可能である。
【0013】このような耐衝撃性改良材の具体例として
は、エチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重
合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウ
ム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩とし
たもの、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイ
ン酸共重合体、(「g」はグラフトを表わす、以下同
じ)、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−マレ
イミド共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−N
−フェニルマレイミド共重合体およびこれら共重合体の
部分ケン化物、エチレン/グリシジルメタクリレート共
重合体、エチレン/ビニルアセテート/グリシジルメタ
クリレート共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/
グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/グリシ
ジルアクリレート共重合体、エチレン/ビニルアセテー
ト/グリシジルアクリレート共重合体、エチレン/グリ
シジルエーテル共重合体、エチレン/プロピレン−g−
無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−
無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/1,
4−ヘキサジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチ
レン/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g−無水マ
レイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/2,5−ノ
ルボルナジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン/プロピレン−g−N−フェニルマレイミド共重合
体、エチレン/ブテン−1−g−N−フェニルマレイミ
ド共重合体、水素化スチレン/ブタジエン/スチレン−
g−無水マレイン酸共重合体、水素化スチレン/イソプ
レン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン/プロピレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合
体、エチレン/ブテン−1−g−メタクリル酸グリシジ
ル共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジ
エン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン
/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g−メタクリル
酸グリシジル共重合体、水素化スチレン/ブタジエン/
スチレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体などを
挙げることができる。この中で、エチレン/メタクリル
酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の
一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜
鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/プロピレ
ン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−
1−g−無水マレイン酸共重合体、水素化スチレン/ブ
タジエン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体が好
ましく、更にエチレン/メタクリル酸共重合体およびこ
れら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナ
トリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの
塩としたもの、エチレン/プロピレン−g−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイ
ン酸共重合体が特に好ましい。
【0014】本発明のポリアミド樹脂組成物に含まれる
耐衝撃性改良材の含有量は、10〜50重量%である。
好ましくは15〜50重量%である。10重量%未満で
は衝撃性が不足し、50重量%を超えると耐熱性が低下
するので好ましくない。
【0015】本発明で用いる繊維状強化材としては、ガ
ラス繊維、アルミナ繊維、酸化珪素繊維、セラミック繊
維、石膏繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウィスカ、
酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ等を挙げ
ることができるが、車両用部品に求められる軽量化に効
果が高い炭素繊維が特に好ましい。繊維状強化材の含有
量は、熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して1〜2
0重量部、好ましくは2〜18重量部である。繊維状強
化材が1重量部未満では耐熱性、寸法安定性が不足し、
20重量部以上では成形品表面外観が悪化するので好ま
しくない。
【0016】本発明の車両用外装部品中の繊維強化材の
重量平均繊維長(Lw)を繊維径(d)で除した値(L
w/d)は10〜70の範囲であることが必要であり、
好ましくは15〜65の範囲である。Lw/d値が10
未満では成形品表面外観は良好であるが、耐熱性や寸法
安定性が不足する。またLw/d値が70以上では耐熱
性や寸法安定性は良好であるが、成形品表面外観が損な
われるので好ましくない。
【0017】本発明で用いる繊維状強化材はイソシアネ
ート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系
化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカ
ップリング剤で予備処理して使用してもよい。
【0018】本発明の車両用外装部品は、表面の中心線
粗さが0.15μm以下が好ましく、特に0.13以下
が好ましい。この成形品表面の中心線粗さをかかる範囲
とすることにより、車両用外装部品として好ましい表面
平滑性が得られる。かかる成形品表面性状を得るために
は、ポリアミド樹脂、耐衝撃性改良材、強化材を特定の
組成ないしは形状で含有する組成物を十分な保温能力を
有する金型を用い、かつ十分な射出速度を有する射出成
形機を用いて成形することが重要である。
【0019】本発明の車両用外装部品は、室温における
ノッチ付きIzod衝撃強度が100J/m以上である
ことが好ましく、より好ましくは110J/m以上であ
る。このノッチ付Izod衝撃強度は本発明の車両用外
装部品を構成する繊維強化熱可塑性樹脂組成物を下記実
施例の項に記載する方法により測定して求められる。こ
のノッチ付Izod衝撃強度をかかる範囲とすることに
より、車両用外装部品として好ましい耐衝撃性が得られ
る。
【0020】本発明の車両用外装部品は、0.46MP
a荷重における熱変形温度が170℃以上であることが
好ましく、より好ましくは175℃以上である。この熱
変形温度は本発明の車両用外装部品を構成する繊維強化
熱可塑性樹脂組成物を下記実施例の項に記載する方法に
より測定して求められる。この熱変形温度をかかる範囲
とすることにより、車両用外装部品をインライン塗装す
る際の塗装焼き付け温度に耐えることが可能となる。
【0021】本発明の車両用外装部品は、30〜80℃
における樹脂流動方向の線膨張係数と流動方向に対して
垂直な方向の線膨張係数との平均値が6×10-5cm/
cm・℃以下であることが好ましく、より好ましくは
5.5×10-5cm/cm・℃以下である。この線膨張
係数は本発明の車両用外装部品を構成する繊維強化熱可
塑性樹脂組成物を下記実施例の項に記載する方法により
測定して求められる。この線膨張係数をかかる範囲とす
ることにより、車両用外装部品として必要な寸法安定性
が得られる。また、かかる範囲とするためには繊維強化
材の添加量およびその繊維長をポリアミド樹脂、耐衝撃
性改良材からなる樹脂組成物の特性に合わせて適宜選択
し、制御することが必要である。
【0022】本発明において車両用外装部品を構成する
繊維強化熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効果を損な
わない範囲で他の樹脂成分を含有しても構わない。他の
樹脂成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、A
BS樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリエ
ステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアセタール、
ポリカーボネートなどが挙げられる。
【0023】また、本発明において車両用外装部品を構
成する繊維強化熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効果
を損なわない範囲で非繊維状強化材を含有しても構わな
い。それらの非繊維状強化材の具体例としては、タル
ク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリ
ン、マイカ、クレー、パイロフィライト、ベントナイ
ト、モンモリロナイト、アスベスト、アルミナシリケー
トなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属
化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイ
トなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの
硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸
化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、セラミ
ックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素およびシリカなどが
挙げられる。これらは中空であってもよく、さらにはこ
れら非繊維強化材を2種類以上併用することも可能であ
る。また、これら非繊維状強化材をイソシアネート系化
合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、
有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリン
グ剤で予備処理して使用してもよい。また、モンモリロ
ナイトについては、有機アンモニウム塩でカチオン交換
した有機モンモリロナイトを用いてもよい。
【0024】本発明において繊維強化熱可塑性樹脂組成
物には、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分、例
えば酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール
系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの誘
導体等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート
系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダ
ードアミン系等)、離型剤及び滑剤(モンタン酸及びそ
の金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステア
リルアルコール、ステアラミド、各種ビスアミド、ビス
尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミ
ウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料
(ニグロシン等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリ
ン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチ
ル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止
剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4
級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン
系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、制電性
樹脂(ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルイミ
ド、4級アンモニウム塩基含有マレイミド、ポリスルホ
ン酸ソーダ等)、難燃剤(例えば、赤燐、メラミンシア
ヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等
の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチ
レン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカー
ボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系
難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、着色防
止剤(次亜リン酸塩等)、導電性付与剤(カーボンブラ
ック、カーボンナノチューブ、グラファイト、フィブリ
ル状炭素、金属微粒子等)、他の重合体を含有しても構
わない。
【0025】次に本発明における車両用外装部品を構成
する繊維強化熱可塑性樹脂組成物を得る方法について説
明する。本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、例え
ば、ポリアミド樹脂、耐衝撃性改良材、繊維強化材を溶
融混練して得ることができる。また、その他公知の混練
方法が採用できる。その処理方式としてもバッチ式また
は連続式のいずれも採用できるが、連続式の方が生産性
の面で好ましい。混練装置としては、単軸および二軸押
出機、混練機、ニーダーなどが挙げられ特に限定するも
のではないが、二軸押出機が生産性などの面で好まし
い。二軸押出機を用いる場合には、ポリアミド樹脂、耐
衝撃性改良材、炭素繊維を一括して押出機に供給する方
法や、任意の2成分をあらかじめ溶融混合し、押出機の
サイドから残りの1成分を供給する方法などが挙げられ
るが特に限定されない。
【0026】本発明の車両用外装部品は該繊維強化熱可
塑性樹脂組成物を公知の方法により成形し得ることが
できる。成形品を得る方法には、例えば、押出成形、射
出成形、射出圧縮成形、ブロー成形、プレス成形などが
挙げられ、特に限定されないが、生産性などの点から射
出成形や射出圧縮成形が好ましい。
【0027】また、本発明の車両用外装部品表面の中心
線平均粗さ0.15μm以下とするためには例えば金
型の表面に鏡面加工(研磨、メッキ処理)を施して成形
を実施することにより得ることができる。
【0028】また、本発明の車両用外装部品の具体例と
しては、フロントフェンダー、リアフェンダー、ヒュー
エルリッド、ドアパネル、テールゲートパネル、ライセ
ンスガーニッシュ、トランクリッドなどが挙げられる。
特に、フロントフェンダー、リアフェンダー、ドアパネ
ル、テールゲートパネルなどが好ましい。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるも
のではない。
【0030】なお、実施例および比較例に記した諸特性
は次の方法により評価した。
【0031】(1)引張特性 繊維強化熱可塑性樹脂組成物をASTM1号ダンベル型
に成形し、ASTM D638に従って測定した。
【0032】(2)曲げ特性 繊維強化熱可塑性樹脂組成物を高さ1/4インチ、幅1
/2インチ、長さ5インチの成形品に成形し、ASTM
D790に従って測定した。
【0033】(3)Izod衝撃強度 繊維強化熱可塑性樹脂組成物を厚さ1/8インチの成形
品に成形し、ASTM D256に従って測定した。
【0034】(4)熱変形温度 繊維強化熱可塑性樹脂組成物を高さ1/4インチ、幅1
/2インチ、長さ5インチの成形品に成形し、ASTM
D648に従って測定した。
【0035】(5)線膨張係数 繊維強化熱可塑性樹脂組成物を縦80mm、横80m
m、厚み3mmの成形品もしくはフューエルリッド成形
品の中央付近から切り出して縦3mm、横3mm、高さ
10mmの大きさに調整した試験片を30℃から80℃
まで2℃/minの速度で昇温させた時の寸法変化から
求めた。
【0036】(6)繊維長 繊維強化熱可塑性樹脂組成物を厚さ1/8インチ、幅1
4mm、高さ65mmの成形品に成形し、該成形品を電
気炉で500℃×5時間、アルゴン雰囲気下で燃焼さ
せ、残余の灰分を顕微鏡撮影して求めた。
【0037】(7)成形品表面粗さ 繊維強化熱可塑性樹脂組成物を鏡面仕上げ(研磨、メッ
キ処理)した縦80mm、横80mm、厚み3mmの金
型を用いて成形し、該成形品の中央付近の中心線平均粗
さをMITSUTOYO社製SURFTEST−500
を使用して測定した。
【0038】次に、実施例および比較例に用いた材料を
示す。
【0039】(1)ポリアミド ナイロン6(東レ社製”アミラン”CM101) (2)耐衝撃改良材−1 ”ハイミラン”1706(三井・デュポンポリケミカル
社製) (3)耐衝撃改良材−2 ”Nタフマー”MH5020(三井化学社製) (4)炭素繊維−1 繊維径7μm、繊維長6mmのチョップド炭素繊維(東
レ社製T−600) (5)炭素繊維−2 繊維径7μm、繊維長30μmのチョップド炭素繊維
(東レ社製ミルドトレカ)。
【0040】実施例1 各材料を表1に示す割合で全材料ドライブレンドした
後、日本製鋼所製二軸押出機TEX−30を用いて押出
機の元込めホッパーから供給し、シリンダー温度260
℃、スクリュー回転数200rpm、時間当たり20k
gの処理量の条件で溶融混練ペレット化した。得られた
ペレットを80℃で16時間真空乾燥した後、住友重機
械工業社製射出成形機SG75H−MIVを用いて、シリ
ンダー温度260℃、金型温度80℃の条件で特性評価
成形品を射出成形して得た。成形品の特性は表1に示す
通りであり、ここで得られた成形品中の炭素繊維の重量
平均繊維長(Lw)を繊維径(d)で除した値(Lw/
d)が55であり、優れた強度、耐衝撃性、耐熱性、寸
法安定性に加え成形品表面の中心線平均粗さは0.13
μmと表面外観性に優れた材料であることが判明した。
【0041】比較例1 表2に示す割合でポリアミド、耐衝撃改良材をドライブ
レンドした後、実施例1と同じ押出機を用いて、ドライ
ブレンドした物を押出機の元込めホッパーから、炭素繊
維を押出機の途中からサイドフィード供給した以外は実
施例1と同じ条件で溶融混練ペレット化、射出成形、成
形品特性評価を行った。結果は表2に示す通りであり、
ここで得られた成形品中の炭素繊維は重量平均繊維長
(Lw)を繊維径(d)で除した値(Lw/d)が85
であり、強度、耐熱性、寸法安定性は優れるが成形品表
面の中心線平均粗さは0.26μmと表面外観性に劣
る。
【0042】比較例2 炭素繊維−2を用いて表2に示す割合とした以外は実施
例1と全く同様に溶融混練、射出成形、成形品特性評価
を行った。結果は表2に示す通りであり、ここで得られ
た成形品中の炭素繊維は重量平均繊維長(Lw)を繊維
径(d)で除した値(Lw/d)が7であり、耐衝撃
性、成形品表面外観性は優れるが線膨張係数が大きく寸
法安定性に劣る。
【0043】実施例2〜5 表1に示したように耐衝撃改良材の種類および配合量を
種々変更した以外実施例1と全く同様に溶融混練、射出
成形、成形品特性評価を行った。得られた成形品の特性
を表1にまとめて示した。ここで得られた成形品はいず
れも強度、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性、表面外観性
に優れることが判明した。
【0044】実施例6 実施例1で得られた繊維強化樹脂組成物を厚さ3mmの
ヒューエルリッド成形した。得られたヒューエルリッ
ドから切り出した試験片の線膨張係数、表面中心線平均
粗さの評価を行った。結果は表1に示す通りであり、寸
法安定性、表面外観性に優れる。
【0045】比較例3〜5 表2に示したように配合量を変更した以外実施例1と全
く同様に溶融混練、射出成形、成形品特性評価を行っ
た。得られた成形品の特性は表2に示す通りであり、こ
こで得られた成形品は比較例3においては寸法安定性に
劣り、比較例4においては表面外観性に劣り、比較例5
においては耐熱性に劣る結果である。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明は、車両用外装部品への適用に好
適な耐熱性、耐衝撃性、寸法安定性を保持しかつ成形品
表面外観に優れるポリアミド樹脂組成物車両用外装部
品を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 77/00 (C08L 77/00 101:00) 101:00) Fターム(参考) 3D023 AA01 AB01 AC02 AC04 AC05 AC25 AD02 AD22 4F072 AA02 AA08 AB10 AB13 AB14 AB15 AD02 AD44 AK15 AL02 4J002 BB082 BB232 BN032 BN052 BN212 CD192 CL001 CL011 CL031 CL051 DA016 DE106 DE146 DE186 DG046 DJ006 DK006 DL006 DM006 FA046 FA066 FD016 GN00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアミド90〜50重量%(B)
    耐衝撃性改良材10〜50重量%からなる熱可塑性樹脂
    組成物100重量部に対して(C)繊維状強化材1〜2
    0重量部を含有してなる繊維強化熱可塑性樹脂組成物を
    成形して得られ、該成形品中の繊維状強化材の重量平均
    繊維長(Lw)を繊維径(d)で除した値(Lw/d)
    が10〜70であることを特徴とする成形品。
  2. 【請求項2】成形品表面の中心線平均粗さが0.15μ
    m以下である請求項1記載の成形品。
  3. 【請求項3】室温におけるノッチ付きIzod衝撃強度
    が100J/m以上である請求項1または2記載の成形
    品。
  4. 【請求項4】0.46MPa荷重における熱変形温度が
    170℃以上である請求項1〜3いずれかに記載の成形
    品。
  5. 【請求項5】30℃〜80℃における樹脂流動方向の線
    膨張係数と流動方向に対して垂直な方向の線膨張係数と
    の平均値が6×10-5cm/cm・℃以下である請求項
    1〜4いずれかに記載の成形品。
  6. 【請求項6】(C)繊維状強化材が炭素繊維である請求
    項1〜5いずれかに記載の成形品。
  7. 【請求項7】請求項1〜6いずれかに記載の成形品を用
    いた車両用外装部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006083227A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 長繊維強化ポリアミド樹脂製外装成形体
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CN100372885C (zh) * 2006-02-23 2008-03-05 广州金发科技股份有限公司 一种连续长纤维增强尼龙/聚烯烃复合材料及其制备方法
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WO2015174488A1 (ja) * 2014-05-16 2015-11-19 東洋紡株式会社 結晶性ポリアミド系樹脂組成物

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