JPH11335553A - 熱可塑性樹脂組成物および成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物および成形品

Info

Publication number
JPH11335553A
JPH11335553A JP16138498A JP16138498A JPH11335553A JP H11335553 A JPH11335553 A JP H11335553A JP 16138498 A JP16138498 A JP 16138498A JP 16138498 A JP16138498 A JP 16138498A JP H11335553 A JPH11335553 A JP H11335553A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
copolymer
olefin
resin composition
thermoplastic resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16138498A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Todo
昭 藤堂
Shinya Matsunaga
松永  慎也
Kazuki Miyamoto
和樹 宮本
Shigeru Okita
茂 沖田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Toray Industries Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc, Toray Industries Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP16138498A priority Critical patent/JPH11335553A/ja
Publication of JPH11335553A publication Critical patent/JPH11335553A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリアミド樹脂と特定の複数のポリオレフィン
樹脂を組み合わせることによって得られる、強度や耐衝
撃性等の機械的性質、成形加工性、相溶性、および耐薬
品性に優れた熱可塑性樹脂組成物と成形品を提供する。 【解決手段】(a)ポリアミド樹脂100重量部と、
(b)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)により算出される重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.0以下であ
るエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとか
らなるエチレン・α−オレフィン系共重合体および/ま
たは該エチレン・α−オレフィン系共重合体をカルボン
酸誘導体で変性して得られる変性エチレン・α−オレフ
ィン系共重合体5〜100重量部、および(c)前記
(b)成分として用いられる共重合体以外の変性ポリオ
レフィン樹脂5〜100重量部とからなる熱可塑性樹脂
組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強度、耐衝撃性等
の機械的性質、成形加工性および耐薬品性に優れた熱可
塑性樹脂組成物に関するものであり、特にポリアミド樹
脂と特定の複数のポリオレフィン樹脂を組み合わせるこ
とによって得られる機械的性質、成形加工性および耐薬
品性に優れた熱ポリアミド系樹脂組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、剛性や強靭性等の機
械的性質、耐油性等の耐薬品性に優れた特徴を有してい
る。そのため自動車部品、電気・電子部品等種々の機能
部品への用途展開がなされている。しかしながら、ポリ
アミド樹脂は、特に絶乾状態においては耐衝撃性、柔軟
性などの性能が市場の要求を満足するには十分とはいえ
ず、種々の改良検討が行なわれている。
【0003】従来、ポリアミド樹脂の耐衝撃性を改良す
る方法として、例えばポリアミド樹脂に、α,β−不飽
和カルボン酸をグラフトしたエチレンプロピレン共重合
体またはエチレン1−ブテン共重合体をポリアミド樹脂
の2/3を超えて添加する方法が試みられている(特公
昭62−13379号公報)。この方法により耐衝撃性
と柔軟性に優れたポリアミド樹脂組成物は得られるが、
成形加工性が著しく低下するという問題がある。
【0004】また、ポリアミド樹脂を始めとする極性熱
可塑性重合体と、特定の構造を有する基幹オレフィン系
重合体に、エチレン性不飽和基含有カルボン酸またはそ
の誘導体が特定量結合した変性オレフィン系重合体とを
組み合わせて用いることにより耐衝撃性を改良する試み
がなされている(特開平9−87476号公報)。しか
しながら、これら従来に提案されている熱可塑性樹脂組
成物でも材料に対する要求が厳しくなり、極めて高度な
耐衝撃性、成形加工性、相溶性全てを同時に満足すると
いう点においては未だ完全ではないという問題点があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来のポリアミド樹脂における問題点であった優れた耐衝
撃性と成形加工性、相溶性の高度なバランスの実現を課
題とし、更に耐衝撃性以外の機械的性質、耐油性等の耐
薬品性といったポリアミド樹脂本来の特性にも均衡して
優れ、工業生産性にも優れたポリアミド樹脂組成物を得
ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは上記
の課題を解決すべく検討した結果、(a)ポリアミド樹
脂と(b)特定の構造と分子量分布を有するエチレンと
炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレ
ン・α−オレフィン系共重合体と(c)前記(b)成分
として用いられる共重合体以外の変性ポリオレフィン樹
脂を選択的に組み合わせて使用することにより上記課題
が解決されることを見出し本発明に到達した。
【0007】すなわち本発明は、 1.「(a)ポリアミド樹脂100重量部と、(b)ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によ
り算出される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn)が3.0以下であるエチ
レンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなる
エチレン・α−オレフィン系共重合体および/または該
エチレン・α−オレフィン系共重合体をカルボン酸誘導
体で変性して得られる変性エチレン・α−オレフィン系
共重合体5〜100重量部、および(c)前記(b)成
分として用いられる共重合体以外の変性ポリオレフィン
樹脂5〜100重量部とからなることを特徴とする熱可
塑性樹脂組成物。」、 2.「(b)成分のエチレン・α−オレフィン系共重合
体または変性エチレン・α−オレフィン系共重合体に含
まれる炭素原子数3〜20のα−オレフィン含有量が6
〜25モル%であることを特徴とする前記の熱可塑性樹
脂組成物。」、 3.「(b)成分のエチレン・α−オレフィン系共重合
体または変性エチレン・α−オレフィン系共重合体がメ
タロセン系触媒を用いて重合された共重合体であること
を特徴とする前記いずれかの熱可塑性樹脂組成物。」、 4.「(b)成分が未変性のエチレン・α−オレフィン
系共重合体であることを特徴とする前記いずれかの熱可
塑性樹脂組成物。」、 5.「(b)成分が不飽和カルボン酸、その酸無水物ま
たはその誘導体から選ばれる少なくとも1種類の化合物
によって変性された変性エチレン・α−オレフィン系共
重合体であることを特徴とする前記1〜3いずれかの熱
可塑性樹脂組成物。」、 6.「(a)成分のポリアミド樹脂がナイロン6樹脂で
ある前記いずれかの熱可塑性樹脂組成物。」、 7.「(a)成分のポリアミド樹脂がナイロン66樹脂
である前記1〜5いずれかの熱可塑性樹脂組成物。」、 8.「(a)成分のポリアミド樹脂がナイロン66/ナ
イロン6の共重合ナイロンであり、その共重合比が9
9.5/0.5〜95/5モル%である前記1〜5いず
れかの熱可塑性樹脂組成物。」、 9.「(a)成分のポリアミド樹脂が脂肪族ジアミンと
テレフタル酸から誘導される構造単位70〜30モル%
を含有する共重合ポリアミドである前記1〜5いずれか
の熱可塑性樹脂組成物。」、 10.「(a)成分のポリアミド樹脂がヘキサメチレン
テレフタルアミド単位70〜30モル%を含有する共重
合ポリアミドである前記9の熱可塑性樹脂組成物。」、 11.「(c)成分の変性ポリオレフィン樹脂がα、β
−不飽和カルボン酸および/またはその誘導体の共重合
によって変性されたポリオレフィンである前記1〜10
いずれかの熱可塑性樹脂組成物。」、 12.「(c)成分の変性ポリオレフィン樹脂がα、β
−不飽和カルボン酸および/またはその誘導体の共重合
によって変性されたエチレン・α−オレフィンランダム
共重合体である前記1〜11いずれかの熱可塑性樹脂組
成物。」、 13.「(a)ポリアミド樹脂100重量部と、(b)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
より算出される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn)が3.0以下であるエチ
レンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなる
エチレン・α−オレフィン系共重合体および/または該
エチレン・α−オレフィン系共重合体をカルボン酸誘導
体で変性して得られる変性エチレン・α−オレフィン系
共重合体5〜100重量部および、(c)前記(b)成
分として用いられる共重合体以外の変性ポリオレフィン
樹脂5〜100重量部を溶融混練することを特徴とする
熱可塑性樹脂組成物の製造方法。」、 14.「前記1〜12いずれかの熱可塑性樹脂組成物か
ら成る成形品。」および 15.「成形品が機械機構部品、電気電子部品または自
動車部品である前記14の成形品。」を提供するもので
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明において「重量」とは「質量」を意味す
る。
【0009】本発明の(a)成分として用いられるポリ
アミド樹脂とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミン
とジカルボン酸を主たる構成成分とするポリアミドであ
る。その主要構成成分の代表例としては、6−アミノカ
プロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノド
デカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、
ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタ
ム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメレンジアミン、
2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジア
ミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジア
ミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメ
チレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メ
タキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,
3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビ
ス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−
アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス
(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、
2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、
ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペ
ラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およ
びアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−
クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メ
チルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテ
レフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、
脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明にお
いては、これらの原料から誘導されるナイロンホモポリ
マーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用
いることができる。
【0010】本発明において、特に有用なポリアミド樹
脂は、150℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れ
たポリアミド樹脂であり、具体的な例としてはポリカプ
ロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミ
ド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド
(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナ
イロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイ
ロン612)、ポリウンデカンアミド(ナイロン1
1)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプ
ロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリ
マー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパ
ミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー
(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミ
ド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー
(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミ
ド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサ
メチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/
6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンX
D6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−
2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー
(ナイロン6T/M5T)およびこれらの混合物などが
挙げられる。
【0011】とりわけ好ましいポリアミド樹脂として
は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイ
ロン6/66コポリマー、またナイロン6T/66コポ
リマー、ナイロン6T/6Iコポリマー、およびナイロ
ン6T/6コポリマーなどのヘキサメチレテレフタルア
ミド単位を有する共重合体を挙げることができ、更にこ
れらのポリアミド樹脂を耐衝撃性、成形加工性、相溶性
などの必要特性に応じて混合物として用いることも実用
上好適である。
【0012】これらポリアミド樹脂の重合度には特に制
限がなく、1%の濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対
粘度が、1.5〜5.0の範囲、特に2.0〜4.0の
範囲のポリアミド樹脂が好ましい。
【0013】また、本発明の(b)成分として用いられ
る 特定のエチレン・α−オレフィン系共重合体は、エ
チレンおよび炭素数3〜20を有する少なくとも1種以
上のα−オレフィンを構成成分とし、下記の要件によっ
て規定される共重合体である。上記の炭素数3〜20の
α−オレフィンとして、具体的にはプロピレン、1−ブ
テン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1
−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセ
ン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセ
ン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタ
デセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイ
コセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペ
ンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−
ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチ
ル−1−ヘキセン、 4,4−ジメチル−1−ペンテ
ン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキ
セン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ド
デセン、12−エチル−1−テトラデセンおよびこれら
の組み合わせが挙げられる。これらα−オレフィンの中
でも炭素数6から12であるα−オレフィンを用いた共
重合体が機械強度の向上、改質効果の一層の向上が見ら
れるためより好ましい。
【0014】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン系共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)により算出される重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が
3.0以下であることが必要であり、好ましくは2.9
以下、更に好ましくは2.8以下である。分子量分布が
3.0以下と極めて狭い範囲に限定された共重合体は低
分子量成分が少なく、機械特性と成形加工性に優れるた
め、このものの使用により本発明の組成物の優れた特性
をもたらすことが可能となるのである。
【0015】該エチレン・α−オレフィン系共重合体
は、α−オレフィン含量が好ましくは6〜25モル%、
より好ましくは8〜22モル%、さらに好ましくは10
〜20モル%である。上記の範囲にα−オレフィン含量
があるエチレン・α−オレフィン系共重合体を用いるこ
とにより、柔軟性および耐衝撃性に優れた成形体を提供
し得るポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
【0016】かかるエチレン・α−オレフィン系共重合
体は、メタロセン系触媒を用いて重合することにより製
造できる。メタロセン系触媒は、チタン、ジルコニウム
等のIV族金属のシクロペンタジエニル誘導体と助触媒
とで構成されている。メタロセン系触媒は高活性であ
り、チーグラー系触媒に代表される従来の触媒に比べ、
得られる重合体の分子量分布が狭く、共重合体のコモノ
マー成分であるα−オレフィンの分布が均一であるため
に柔軟性、耐衝撃性に優れるという特長を有する。
【0017】本発明において上記エチレン・α−オレフ
ィン系共重合体は、未変性の状態で用いた場合には耐衝
撃性と成形加工性において極めて優れた性能を兼備する
材料が得られる。
【0018】また、本発明において、前記エチレン・α
−オレフィン系共重合体は、不飽和カルボン酸、その酸
無水物またはその誘導体から選ばれる少なくとも1種類
の化合物で変性をして用いることもできる。このように
変性した変性エチレン・α−オレフィン系共重合体を用
いることにより、相溶性が一層向上し、成形加工性を保
持しつつ耐衝撃性に極めて優れるという特徴を有する。
変性剤として使用される不飽和カルボン酸、その酸無水
物またはその誘導体から選ばれる化合物の例を挙げる
と、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、クロトン酸、メチルマレイン酸、メチ
ルフマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸
およびこれらカルボン酸の金属塩、マレイン酸水素メチ
ル、イタコン酸水素メチル、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル
酸メチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタア
クリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸アミノエチ
ル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、無水マ
レイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンド
ビシクロ−(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジ
カルボン酸、エンドビシクロ−(2,2,1)−5−ヘ
プテン−2,3−ジカルボン酸無水物、マレイミド、N
−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸
グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリ
シジル、シトラコン酸グリシジル、および5−ノルボル
ネン−2,3−ジカルボン酸などである。
【0019】これらの中では、不飽和ジカルボン酸およ
びその酸無水物が好適であり、特にマレイン酸、5−ノ
ルボルネン−2,3−ジカルボン酸またはこれらの酸無
水物が好適である。
【0020】また、本発明の(c)成分として用いられ
る変性ポリオレフィン樹脂としては、カルボン酸および
/またはその誘導体で変性された変性ポリオレフィンが
好ましく使用される。このような成分は、ポリアミド樹
脂に対して親和性を有する官能性基をその分子中に含む
ポリオレフィンであり、特にカルボン酸基、カルボン酸
無水物基、カルボン酸エステル基、およびカルボン酸金
属塩基の中から選ばれた少なくとも1種をポリマー分子
鎖中に含むα−オレフィンのホモポリマーまたはコポリ
マーが好ましい。
【0021】α−オレフィンのホモポリマーまたはコポ
リマーの具体的な例としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブテンー1、ポリペンテンー1、ポリメチ
ルペンテンなどのホモポリマー、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘキセンー1、オクテンー1、イソブチレンなどの
α−オレフィン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペン
タジエン、2,5−ノルボルナジエン、5−エチリデン
ノルボルネン、5−エチル−2,5−ノルボルナジエ
ン、5−(1´−プロベニル)−2−ノルボルネンなど
の非共役ジエンの少なくとも1種を通常の金属触媒を用
いてラジカル重合して得られるポリオレフィンを挙げる
ことができる。
【0022】また、ジエン系エラストマとしては、ビニ
ル系芳香族炭化水素と共役ジエンとからなるA−B型ま
たはA−B−A´型のブロック共重合弾性体であり、末
端ブロックAおよびA´は同一でも異なってもよく、か
つ芳香族部分が単環でも多環でもよいビニル系芳香族炭
化水素から誘導された熱可塑性単独重合体または共重合
体が挙げられ、かかるビニル系芳香族炭化水素の例とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、ビニルキシレン、エチルビニルキシレン、ビニルナ
フタレンおよびそれらの混合物などが挙げられる。中間
重合体ブロックBは共役ジエン系炭化水素からなり、例
えば、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエ
ン、イソプレン、1,3−ペンタジエンおよびそれらの
混合物から誘導された重合体などが挙げられる。本発明
では、上記ブロック共重合体の中間重合体ブロックBが
水添処理を受けたものも含まれる。
【0023】ポリオレフィンコポリマーの具体例として
は、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン
−1共重合体、エチレン/ヘキセンー1共重合体、エチ
レン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体、エ
チレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン共重合体、未水添または水添ポリブタジエン、未水添
または水添スチレン/イソプレン/スチレントリブロッ
ク共重合体、未水添または水添スチレン/ブタジエン/
スチレントリブロック共重合体などが挙げられる。
【0024】これらポリオレフィンを変性する官能基と
しては、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン
酸エステル基、カルボン酸金属塩基カルボン酸イミド
基、カルボン酸アミド基などが挙げられ、これらの官能
基を含む化合物の例を挙げると、アクリル酸、メタアク
リル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン
酸、メチルマレイン酸、メチルフマル酸、メサコン酸、
シトラコン酸、グルタコン酸およびこれらカルボン酸の
金属塩、マレイン酸水素メチル、イタコン酸水素メチ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒ
ドロキシエチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル
酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ヒドロキシエチ
ル、メタアクリル酸アミノエチル、マレイン酸ジメチ
ル、イタコン酸ジメチル、無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ−(2,2,
1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸、エンドビ
シクロ−(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカ
ルボン酸無水物、マレイミド、N−エチルマレイミド、
N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、アク
リル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリ
ル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸
グリシジル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸
などである。
【0025】これらの官能基含有成分をオレフィン化合
物に導入する方法は特に制限なく、予め主成分であるオ
レフィン化合物と官能基含有オレフィン化合物を共重合
せしめたり、未変性ポリオレフィンに官能基含有オレフ
ィン化合物をラジカル開始剤を用いてグラフト導入する
などの方法を用いることができる。官能基含有成分の導
入量は変性ポリオレフィン中のオレフィンモノマ全体に
対して好ましくは0.001〜40モル%、より好まし
くは0.01〜35モル%の範囲内であることが適当で
ある。
【0026】本発明で(c)成分として特に有用な変性
ポリオレフィンの具体例としては、無水マレイン酸変性
ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、エ
チレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸
共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一
部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜
鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/アクリル
酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合
体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン
/メタクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸
エチル−g−無水マレイン酸共重合体、(“g”はグラ
フトを表わす、以下同じ)、エチレン/メタクリル酸メ
チル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリ
ル酸エチル−g−マレイミド共重合体、エチレン/アク
リル酸エチル−g−N−フェニルマレイミド共重合体お
よびこれら共重合体の部分ケン化物、エチレン/グリシ
ジルメタクリレート共重合体、エチレン/ビニルアセテ
ート/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/
メタクリル酸メチル/グリシジルメタクリレート共重合
体、エチレン/グリシジルアクリレート共重合体、エチ
レン/ビニルアセテート/グリシジルアクリレート共重
合体、エチレン/グリシジルエーテル共重合体、エチレ
ン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン−g−無水マレ
イン酸共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペン
タジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プ
ロピレン/2,5−ノルボルナジエン−g−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン/プロピレン−g−N−フェニ
ルマレイミド共重合体、エチレン/ブテン−1−g−N
−フェニルマレイミド共重合体、水添スチレン/ブタジ
エン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体、水添ス
チレン/イソプレン/スチレン−g−無水マレイン酸共
重合体、エチレン/プロピレン−g−メタクリル酸グリ
シジル共重合体、エチレン/ブテン−1−g−メタクリ
ル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレン/1,
4−ヘキサジエン−g−メタクリル酸グリシジル共重合
体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g
−メタクリル酸グリシジル共重合体、水添スチレン/ブ
タジエン/スチレン−g−メタクリル酸グリシジル共重
合体などを挙げることができる。
【0027】さらに本発明の熱可塑性樹脂組成物には、
目的、用途に応じて繊維状および/または非繊維状充填
材を配合しても良い。かかる繊維状および/または非繊
維状充填材の具体例としては、ガラス繊維、ガラスミル
ドファイバー、炭素繊維、チタン酸カリウィスカ、酸化
亜鉛ウィスカ、硼酸アルミウィスカ、アラミド繊維、ア
ルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベス
ト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填剤、ワ
ラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マ
イカ、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アス
ベスト、アルミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、
酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化
チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸
化物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、
炭化珪素およびシリカなどの非繊維状充填剤が挙げら
れ、これらは中空であってもよく、さらにはこれら充填
剤を2種類以上併用することも可能である。
【0028】また、これら繊維状および/または非繊維
状充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合
物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、お
よびエポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理し
て使用することは、より優れた機械的強度を得る意味に
おいて好ましい。かかる繊維状および/または非繊維状
充填材を用いる場合、その配合量は通常全組成物に対
し、5〜80重量部の範囲である。
【0029】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、
得られる樹脂組成物の特性を損なわない範囲において、
タルク、カオリン、有機リン化合物、ポリエーテルエー
テルケトンなどの結晶核剤、次亜リン酸塩などの着色防
止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミンなどの
酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、
などの添加剤を添加することができる。
【0030】本発明の熱可塑性樹脂組成物の調製方法は
特定の方法に限定されないが、具体的且つ効率的な例と
して、原料のポリアミド樹脂、エチレン・α−オレフィ
ン系共重合体および/または変性エチレン・α−オレフ
ィン系共重合体、および変性ポリオレフィンの混合物を
単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニー
ダーおよびミキシングロールなど公知の溶融混練機に供
給し、用いられるポリアミド樹脂の融点に応じて180
〜330℃の温度で溶融混練する方法などを挙げること
ができる。
【0031】かくして得られる熱可塑性樹脂組成物は、
通常公知の方法で成形することができ、射出成形、押出
成形、圧縮成形などの成形品、シート、フィルムなどの
成形物品とすることができる。本発明の熱可塑性樹脂組
成物はなかでも射出成形用途に特に好適であり、その特
徴を活かして機械機構部品、電気電子部品、および自動
車部品として有用に用いることができる。
【0032】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定される
ものではない。また、以下の実施例において材料強度、
流動性、および相溶性の評価は、次の方法により行なっ
た。
【0033】[材料強度]以下の標準方法に従って測定
した。 引張強度 :ASTM D638 曲げ弾性率 :ASTM D790 アイゾット衝撃強度 :ASTM D256 [流動性]幅10mm、厚さ2mm、全長600mmの
渦巻き形状を有するスパイラルフロー測定金型を用い、
射出成形温度ポリアミド樹脂の融点+20℃、射出成形
圧力450kgf/cm 2、金型温度80℃の条件下で材
料を射出成形した際に金型内を流れた距離を測定して流
動性の指標とした。流動長が長いほど流動性が良好であ
ることを示す。
【0034】[相溶性]ピンゲートタイプの箱型成形品
用金型を用いて各材料の成形を行ない、得られた成形品
のピンゲート部分の剥離の度合いを光学顕微鏡により観
察し、剥離の程度の良好な方から○、△、×の3段階で
評価を行なった。
【0035】(実施例1)エチレン・αオレフィン系共
重合体として、Mw/Mn=2.8、α−オレフィン含
有量=6モル%のエチレン・1−ヘキセン共重合体10
重量部と、相対粘度2.70のナイロン66を100重
量部および無水マレイン酸で0.8重量%変性されたエ
チレン・1−ブテン共重合体10量部を均一混合した
後、φ30mmの2軸押出機で溶融混練、ペレタイズ化
し、80℃で一晩真空乾燥を行なった。ここで得られた
熱可塑性樹脂組成物を種々の試験片に射出成形して材料
強度などを測定した結果は表1に示すとおりであり、相
溶性、特に耐衝撃性、および成形加工性に優れた組成物
であることがわかった。
【0036】(実施例2)ポリアミド樹脂としてナイロ
ン6、エチレン・α−オレフィン系共重合体として、M
w/Mn=2.6、α−オレフィン含有量=モル%の
エチレン・1−ヘキセン共重合体、そして変性ポリオレ
フィン樹脂として無水マレイン酸で0.8重量%変性さ
れたエチレン・1−ヘキセン共重合体を用いた以外は実
施例1に記載した方法と全く同様に混練、ペレット化、
射出成形、および物性測定を行なった。その結果は表1
に示すとおりであり、耐衝撃性、成形加工性、および相
溶性に優れた組成物であることがわかる。
【0037】(実施例3)ポリアミド樹脂として、ε−
カプロラクタム3モル%およびヘキサメチレンジアミン
とアジピン酸の等モル塩97モル%の共重合体(融点2
55℃)、変性ポリオレフィン樹脂として無水マレイン
酸で0.8重量%変性されたエチレン・1−ヘキセン共
重合体を用いた以外は実施例1に記載した方法と全く同
様に混練、ペレット化、射出成形、物性測定を行なっ
た。その結果は表1に示すとおりであり、耐衝撃性、成
形加工性、相溶性に優れた組成物であることがわかる。
【0038】(実施例4)ポリアミド樹脂として、ヘキ
サメチレンジアンモニウムテレフタレート50モル%お
よびヘキサメチレンジアンモニウムセバケート50モル
%の共重合体(融点280℃)、エチレン・α−オレフ
ィン系共重合体として、Mw/Mn=2.8、α−オレ
フィン含有量=モル%のエチレン・1−ヘキセン共重
合体を用いた以外は実施例1に記載した方法と全く同様
に混練、ペレット化、射出成形、物性測定を行なった。
その結果は表1に示すとおりであり、耐衝撃性、成形加
工性、相溶性に優れた組成物であることがわかる。
【0039】(実施例5)変性エチレン・α−オレフィ
ン系共重合体として、無水マレイン酸で0.8重量%変
性されたMw/Mn=2.8、α−オレフィン含有量=
6モル%の変性エチレン・1−ヘキセン共重合体を用い
た以外は実施例1に記載した方法と全く同様に混練、ペ
レット化、射出成形、物性測定を行なった。その結果は
表1に示すとおりであり、成形加工性、相溶性、特に変
性エチレン・α−オレフィン系共重合体を用いたことに
より耐衝撃性に優れた組成物であることがわかる。
【0040】(実施例6)変性ポリオレフィン樹脂とし
てポリプロピレンを用いた以外は実施例1に記載した方
法と全く同様に混練、ペレット化、射出成形、物性測定
を行なった。ここで得られた組成物は表1に示すとおり
耐衝撃性、成形加工性、相溶性、特に成形加工性の優れ
た実用価値の高いものであった。
【0041】(実施例7)エチレン・αオレフィン系共
重合体として、Mw/Mn=2.9、α−オレフィン含
有量=6モル%のエチレン・1−ブテン共重合体10重
量部と、相対粘度2.70のナイロン66を100重量
部および無水マレイン酸で0.8重量%変性されたエチ
レン・1−ブテン共重合体10量部を用いた以外は実施
例1に記載した方法と全く同様に混練、ペレット化、射
出成形、物性測定を行なった。ここで得られた組成物は
表2に示すとおり、相溶性、特に耐衝撃性、および成形
加工性に優れた組成物であることがわかった。
【0042】(実施例8)エチレン・αオレフィン系共
重合体として、Mw/Mn=2.8、α−オレフィン含
有量=6モル%のエチレン・1−オクテン共重合体10
重量部と、相対粘度2.70のナイロン66を100重
量部および無水マレイン酸で0.8重量%変性されたエ
チレン・1−ブテン共重合体10量部を用いた以外は実
施例1に記載した方法と全く同様に混練、ペレット化、
射出成形、物性測定を行なった。ここで得られた組成物
は表2に示すとおり、相溶性、特に耐衝撃性、および成
形加工性に優れた組成物であることがわかった。
【0043】(比較例1)特定のエチレン・α−オレフ
ィン系共重合体は使用せずに、無水マレイン酸で0.8
重量%変性されたエチレン・1−ブテン共重合体20重
量部を用いた以外は実施例1に記載した方法と全く同様
に混練、ペレット化、射出成形、物性測定を行なった。
その結果は表2に示すとおりであり、得られた組成物は
耐衝撃性は高いレベルにあるが、成形加工性が著しく悪
いことがわかる。
【0044】(比較例2)変性ポリオレフィン樹脂は使
用せずに、変性エチレン・α−オレフィン系共重合体と
して無水マレイン酸で0.8重量%変性されたMw/M
n=2.8、α−オレフィン含有量=6モル%の変性エ
チレン・1−ヘキセン共重合体20重量部を用いた以外
は実施例1に記載した方法と全く同様に混練、ペレット
化、射出成形、物性測定を行なった。その結果は表2に
示すとおりであり、得られた組成物は成形加工性は良好
であるが、耐衝撃性、特に相溶性が著しく悪いことがわ
かる。
【0045】(比較例3)特定のエチレン・α−オレフ
ィン共重合体の代わりに、メタロセン系触媒を使用して
いない、Mw/Mn=3.8の線状低密度ポリエチレン
(LLDPE)10重量部を用いた以外は実施例1に記
載した方法と全く同様に混練、ペレット化、射出成形、
物性測定を行なった。その結果は表2に示すとおりであ
り、得られた組成物は成形加工性は高いレベルにある
が、相溶性、特に耐衝撃性が不十分であることがわか
る。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱可塑性
樹脂組成物によれば、耐衝撃性、成形加工性、および相
溶性が優れた成形品が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 和樹 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内 (72)発明者 沖田 茂 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリアミド樹脂100重量部と、
    (b)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
    C)により算出される重量平均分子量(Mw)と数平均
    分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.0以下であ
    るエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとか
    らなるエチレン・α−オレフィン系共重合体および/ま
    たは該エチレン・α−オレフィン系共重合体をカルボン
    酸誘導体で変性して得られる変性エチレン・α−オレフ
    ィン系共重合体5〜100重量部、および(c)前記
    (b)成分として用いられる共重合体以外の変性ポリオ
    レフィン樹脂5〜100重量部とからなることを特徴と
    する熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記(b)成分のエチレン・α−オレフ
    ィン系共重合体または変性エチレン・α−オレフィン系
    共重合体に含まれる炭素原子数3〜20のα−オレフィ
    ン含有量が6〜25モル%であることを特徴とする請求
    項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記(b)成分のエチレン・α−オレフ
    ィン系共重合体または変性エチレン・α−オレフィン系
    共重合体がメタロセン系触媒を用いて重合された共重合
    体であることを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記(b)成分が未変性のエチレン・α
    −オレフィン系共重合体であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (b)成分が不飽和カルボン酸、その酸
    無水物またはその誘導体から選ばれる少なくとも1種類
    の化合物によって変性された変性エチレン・α−オレフ
    ィン系共重合体であることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記(a)成分のポリアミド樹脂がナイ
    ロン6樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の熱可
    塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記(a)成分のポリアミド樹脂がナイ
    ロン66樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 前記(a)成分のポリアミド樹脂がナイ
    ロン66/ナイロン6の共重合ナイロンであり、その共
    重合比が99.5/0.5〜95/5モル%である請求
    項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 前記(a)成分のポリアミド樹脂が脂肪
    族ジアミンとテレフタル酸から誘導される構造単位70
    〜30モル%を含有する共重合ポリアミドである請求項
    1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 前記(a)成分のポリアミド樹脂がヘ
    キサメチレンテレフタルアミド単位70〜30モル%を
    含有する共重合ポリアミドである請求項9記載の熱可塑
    性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 前記(c)成分の変性ポリオレフィン
    樹脂がα、β−不飽和カルボン酸および/またはその誘
    導体の共重合によって変性されたポリオレフィンである
    請求項1〜10のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  12. 【請求項12】 前記(c)成分の変性ポリオレフィン
    樹脂がα、β−不飽和カルボン酸および/またはその誘
    導体の共重合によって変性されたエチレン・α−オレフ
    ィンランダム共重合体である請求項1〜11のいずれか
    に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 (a)ポリアミド樹脂100重量部
    と、(b)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
    (GPC)により算出される重量平均分子量(Mw)と
    数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.0
    であるエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィ
    ンとからなるエチレン・α−オレフィン系共重合体およ
    び/または該エチレン・α−オレフィン系共重合体をカ
    ルボン酸誘導体で変性して得られる変性エチレン・α−
    オレフィン系共重合体5〜100重量部および、(c)
    前記(b)成分として用いられる共重合体以外の変性ポ
    リオレフィン樹脂5〜100重量部を溶融混練すること
    を特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜12いずれかに記載の熱可
    塑性樹脂組成物から成る成形品。
  15. 【請求項15】 前記成形品が機械機構部品、電気電子
    部品または自動車部品である請求項14記載の成形品。
JP16138498A 1998-05-26 1998-05-26 熱可塑性樹脂組成物および成形品 Pending JPH11335553A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16138498A JPH11335553A (ja) 1998-05-26 1998-05-26 熱可塑性樹脂組成物および成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16138498A JPH11335553A (ja) 1998-05-26 1998-05-26 熱可塑性樹脂組成物および成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11335553A true JPH11335553A (ja) 1999-12-07

Family

ID=15734077

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16138498A Pending JPH11335553A (ja) 1998-05-26 1998-05-26 熱可塑性樹脂組成物および成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11335553A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7511086B2 (en) 2004-12-07 2009-03-31 Mazda Motor Corporation Thermoplastic resin composition, molded product therefrom and outside plate part for vehicle using the molded product
JP2009074082A (ja) * 2007-08-31 2009-04-09 Unitika Ltd 環境配慮型熱可塑性樹脂組成物
JP2009074081A (ja) * 2007-08-31 2009-04-09 Unitika Ltd 難燃性環境配慮型熱可塑性樹脂組成物
JP2014231603A (ja) * 2013-04-30 2014-12-11 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリアミド樹脂組成物及び成形品
JP2015059221A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 エボニック インダストリーズ アクチエンゲゼルシャフトEvonik Industries AG 半芳香族コポリアミドをベースとする成形材料
JP2018199762A (ja) * 2017-05-26 2018-12-20 東レ株式会社 嵌合部品またはチューブ用ポリアミド樹脂組成物および嵌合部品またはチューブ
JPWO2021153532A1 (ja) * 2020-01-30 2021-08-05
WO2022130728A1 (ja) * 2020-12-18 2022-06-23 株式会社ブリヂストン 炭素繊維複合体、及び炭素繊維複合体の製造方法
JP2022141872A (ja) * 2015-09-29 2022-09-29 アセンド・パフォーマンス・マテリアルズ・オペレーションズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー 結晶化速度を低下させたコポリアミド組成物
WO2023243672A1 (ja) * 2022-06-14 2023-12-21 Ube株式会社 ポリアミド樹脂組成物、並びにそれを含むフィルム及びフィルム積層体
WO2024024329A1 (ja) * 2022-07-25 2024-02-01 三菱瓦斯化学株式会社 樹脂組成物、および、成形品

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7511086B2 (en) 2004-12-07 2009-03-31 Mazda Motor Corporation Thermoplastic resin composition, molded product therefrom and outside plate part for vehicle using the molded product
JP2009074082A (ja) * 2007-08-31 2009-04-09 Unitika Ltd 環境配慮型熱可塑性樹脂組成物
JP2009074081A (ja) * 2007-08-31 2009-04-09 Unitika Ltd 難燃性環境配慮型熱可塑性樹脂組成物
JP2014231603A (ja) * 2013-04-30 2014-12-11 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリアミド樹脂組成物及び成形品
JP2015059221A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 エボニック インダストリーズ アクチエンゲゼルシャフトEvonik Industries AG 半芳香族コポリアミドをベースとする成形材料
US10040938B2 (en) 2013-09-20 2018-08-07 Evonik Degussa Gmbh Moulding compound based on a partially aromatic copolyamide
JP2022141872A (ja) * 2015-09-29 2022-09-29 アセンド・パフォーマンス・マテリアルズ・オペレーションズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー 結晶化速度を低下させたコポリアミド組成物
JP2018199762A (ja) * 2017-05-26 2018-12-20 東レ株式会社 嵌合部品またはチューブ用ポリアミド樹脂組成物および嵌合部品またはチューブ
WO2021153532A1 (ja) * 2020-01-30 2021-08-05 三井化学株式会社 ポリアミド組成物
JPWO2021153532A1 (ja) * 2020-01-30 2021-08-05
WO2022130728A1 (ja) * 2020-12-18 2022-06-23 株式会社ブリヂストン 炭素繊維複合体、及び炭素繊維複合体の製造方法
WO2023243672A1 (ja) * 2022-06-14 2023-12-21 Ube株式会社 ポリアミド樹脂組成物、並びにそれを含むフィルム及びフィルム積層体
WO2024024329A1 (ja) * 2022-07-25 2024-02-01 三菱瓦斯化学株式会社 樹脂組成物、および、成形品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0997496B1 (en) Weldable polyamide resin compositions production thereof, and moulded products thereof
US5278231A (en) Impact-resistant compatibilized polymer blends of olefin polymers and polyamides
EP0444058A1 (en) Polymer compositions compatibilized with styrene block copolymers and articles produced therefrom
US6077906A (en) Nylon modifiers hauling enhanced flow properties
JPH11335553A (ja) 熱可塑性樹脂組成物および成形品
JP4281165B2 (ja) 溶着用樹脂組成物、及び溶着樹脂成形体
JPH0258543A (ja) 耐衝撃性ポリアミド樹脂組成物の製造法
JP2003238800A (ja) ポリアミド樹脂組成物
JPH11343407A (ja) 溶着用導電性熱可塑性樹脂組成物および導電性樹脂成形体
JPH07316428A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH09272780A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP5060004B2 (ja) 車両用外装部品およびその製造方法
JP4238382B2 (ja) 自動車燃料系溶着部品用導電性ポリアミド樹脂組成物および導電性成形体
JP2002220531A (ja) 車両用外装部品
JPH1143542A (ja) ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂組成物および成形体
JP2000327912A (ja) 熱可塑性樹脂構造体およびその製造法
JPH11269378A (ja) コネクタ―用ポリアミド樹脂組成物及びコネクタ―
JP2000063666A (ja) 自動車電装部品ハウジング用ポリアミド樹脂組成物
JP2008280392A (ja) 熱可塑性樹脂組成物および積層成形体
JP3460792B2 (ja) ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂組成物および成形体
JP2004359966A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP4253946B2 (ja) 振動溶着用樹脂組成物及び成形品
JPH054986B2 (ja)
JP3389652B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3330398B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060411

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060804