JP2002213206A - ガスタービンにおける翼構造 - Google Patents
ガスタービンにおける翼構造Info
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Abstract
せることを目的とする。 【解決手段】 前縁インクルーディング角θc1、θs
1を大きくする。この結果、インシデンス角ic1、i
s1と圧力損失との相対関係の曲線が緩やかになる。入
口メタル角βc1、βs1を小さくする。この結果、イ
ンシデンス角ic1、is1を小さくすることができ
る。動翼5のチップ部18のコード長26を大きくす
る。この結果、動翼5のチップ部18の背面における減
速が小さくすることができる。よって、圧力損失を小さ
くすることができるので、タービン効率を向上させるこ
とができる。
Description
おける翼構造に係り、特に、圧力損失を小さく抑えるこ
とにより、タービン効率の向上が図られるガスタービン
における翼構造に関するものである。
て説明する。ガスタービンは、一般に、ケーシング(翼
環ないし車室など)1に円環に配列された複数段の静翼
2、3と、ロータ(ハブないしベースなど)4に円環に
配列された複数段の動翼5とを備える。なお、図16
は、ある段の動翼5と、その動翼5と同段(燃焼ガス6
の流入側)の静翼2と、その動翼5の次段(燃焼ガス6
の流出側)の静翼3とが図示されている。
力損失が大きいと、タービン効率が低下するので、圧力
損失を小さく抑えて、タービン効率を向上させることが
重要である。
グ動翼における次段静翼のチップ部の課題)ところが、
図16に示すように、ある段の動翼5においては、その
動翼5のチップ7とケーシング1との間にクリアランス
8を有する、いわゆる、フリースタンディング動翼の場
合がある。このフリースタンディング動翼5の場合に
は、下記の課題がある。
6の主流(図17中、実線矢印にて示す)は、動翼5と
動翼5との間を通過して、次段の静翼3側に流れる。一
方、動翼5のチップ7とケーシング1との間のクリアラ
ンス8においては、燃焼ガス6の主流と別個の漏れ流れ
9(図17中、破線矢印にて示す)が発生している。
動翼5の腹面10側の圧力が動翼5の背面11側の圧力
よりも高いので、この圧力差により、腹面10側から背
面11側への漏れ流れ9が発生するのである。
次段の静翼3のチップ部前縁12において背面13側に
インシデンス角icで流れる。この漏れ流れ9は、静翼
3の腹面14側に流れる燃焼ガス6の主流と逆の流れと
なる。
腹面14側においては、渦流15(図17中、実線螺旋
矢印にて示す)が発生する。この渦流15が発生する
と、圧力損失となる。燃焼ガス6の主流が静翼3の腹面
14側から剥離する場合もある。なお、図17中におい
て、符号βcは静翼3のチップ部における入口メタル角
である。同じく、符号θcは静翼3のチップ部における
前縁インクルーディング角である。同じく、符号22は
静翼3のチップ部前縁12とチップ部後縁23を結ぶキ
ャンバー線である。
力損失とは、図18中の実線の曲線で示す相対関係にあ
る。なお、図18中の実線の曲線は、図17に示す静翼
3のチップ部の前縁インクルーディング角θcの場合に
おけるものである。
1を参照)となるように、静翼3のチップ部の前縁イン
クルーディング角θcが設計されている。しかしなが
ら、上記のように、漏れ流れ9が発生し、その漏れ流れ
9のインシデンス角icが大きいと、圧力損失も大きく
なる(図18中の点P2を参照)。この圧力損失が大き
くなると、その分、タービン効率が低下することとな
る。
すように、ある段の動翼5の上流側のロータ4側からシ
ールエア16(図16中、二点鎖線矢印にて示す)が流
出している。このシールエア16が流出していると、下
記の課題がある。
などにより絞られずに、ただ単に動翼5の高さ方向(タ
ービンの半径方向)にそのまま流出している。一方、動
翼5は、ロータ4と共に、白抜き矢印方向に回転してい
る。このために、シールエア16の流出と動翼5の回転
との相対関係により、シールエア16は、図17に示す
ように、動翼5のハブ部前縁17において背面11側に
インシデンス角isで流れる。
いても、前記静翼3のチップ部前縁12と同様に、図1
7および図18に示すように、シールエア16のインシ
デンス角isが大きくなると、圧力損失が大きくなっ
て、その分、タービン効率が低下することとなる。
のフリースタンディング動翼以外にシュラウド動翼など
にもある。また、図17中において、符号βsは動翼5
のハブ部における入口メタル角である。同じく、符号θ
sは動翼5のハブ部における前縁インクルーディング角
である。同じく、符号24は動翼5のハブ部前縁17と
ハブ部後縁25を結ぶキャンバー線である。
課題)さらに、ある段の動翼5がフリースタンディング
動翼の場合には、下記の課題がある。
リースタンディング動翼5のチップ7とケーシング1と
の間のクリアランス8においては、動翼5の腹面10側
から背面11側への漏れ流れ9が発生している。
の曲線にて示す設計上のマッハ数分布が破線の曲線にて
示す実際のマッハ数分布となる。このために、動翼5の
チップ部18の背面11において、中間部から後縁19
にかけての減速は、設計上のマッハ分布G1に比較し
て、実際のマッハ分布G2の方が大きい。
に、動翼5のチップ部18の背面11において、中間部
から後縁19にかけての部分の境界層(斜線が施されて
いる部分)20は、肥大する。このために、圧力損失が
大きくなって、その分、タービン効率が低下することと
なる。なお、図19中において、符号21は動翼5のチ
ップ部18の前縁である。
により、タービン効率の向上が図られるガスタービンに
おける翼構造を提供することを目的とする。
めに、請求項1にかかる発明は、チップクリアランスを
有する動翼の後段側の静翼であって、その静翼のチップ
部の前縁インクルーディング角を、その静翼のチップ部
以外の部分の前縁インクルーディング角よりも大きくし
た、ことを特徴とする。
インクルーディング角を大きくすることにより、インシ
デンス角と圧力損失との相対関係の曲線が緩やかになる
(図18中の破線の曲線を参照)。その分、圧力損失を
小さくすることができる(図18中の点P3を参照)の
で、タービン効率を向上させることができる。
リアランスを有する動翼の後段側の静翼であって、その
静翼のチップ部の入口メタル角を、その静翼のチップ部
以外の部分の入口メタル角よりも小さくした、ことを特
徴とする。
メタル角を小さくすることにより、インシデンス角を小
さくすることができる(図18中の点P4を参照)。そ
の分、圧力損失を小さくすることができるので、タービ
ン効率を向上させることができる。
リアランスを有する動翼の後段側の静翼であって、その
静翼のチップ部の前縁インクルーディング角を、その静
翼のチップ部以外の部分の前縁インクルーディング角よ
りも大きくし、また、その静翼のチップ部の入口メタル
角を、その静翼のチップ部以外の部分の入口メタル角よ
りも小さくした、ことを特徴とする。
インクルーディング角を大きくすることにより、請求項
1にかかる発明と同様に、インシデンス角と圧力損失と
の相対関係の曲線が緩やかになる。その分、圧力損失を
小さくすることができるので、タービン効率を向上させ
ることができる。
ル角を小さくすることにより、請求項2にかかる発明と
同様に、インシデンス角を小さくすることができる。そ
の分、圧力損失を小さくすることができるので、タービ
ン効率を向上させることができる。
ンシデンス角と圧力損失の相対関係の曲線が緩やかにな
る作用と、インシデンス角を小さくすることができる作
用との相乗作用により、さらに、圧力損失を小さくする
ことができ(図18中の点P5を参照)、タービン効率
を向上させることができる。
ブ部の前縁インクルーディング角を、その動翼のハブ部
以外の部分の前縁インクルーディング角よりも大きくし
た、ことを特徴とする。
インクルーディング角を大きくすることにより、インシ
デンス角と圧力損失との相対関係の曲線が緩やかになる
(図18中の破線の曲線を参照)。その分、圧力損失を
小さくすることができる(図18中の点P3を参照)の
で、タービン効率を向上させることができる。
ブ部の入口メタル角を、その動翼のハブ部以外の部分の
入口メタル角よりも小さくした、ことを特徴とする。
メタル角を小さくすることにより、インシデンス角を小
さくすることができる(図18中の点P4を参照)。そ
の分、圧力損失を小さくすることができるので、タービ
ン効率を向上させることができる。
ブ部の前縁インクルーディング角を、その動翼のハブ部
以外の部分の前縁インクルーディング角よりも大きく
し、また、動翼のハブ部の入口メタル角を、その動翼の
ハブ部以外の部分の入口メタル角よりも小さくした、こ
とを特徴とする。
インクルーディング角を大きくすることにより、請求項
4にかかる発明と同様に、インシデンス角と圧力損失と
の相対関係の曲線が緩やかになる。その分、圧力損失を
小さくすることができるので、タービン効率を向上させ
ることができる。
ル角を小さくすることにより、請求項5にかかる発明と
同様に、インシデンス角を小さくすることができる。そ
の分、圧力損失を小さくすることができるので、タービ
ン効率を向上させることができる。
ンシデンス角と圧力損失の相対関係の曲線が緩やかにな
る作用と、インシデンス角を小さくすることができる作
用との相乗作用により、さらに、圧力損失を小さくする
ことができ(図18中の点P5を参照)、タービン効率
を向上させることができる。
リアランスを有する動翼のチップ部のコード長を、その
動翼のチップ部以外の部分の最小コード長よりも大きく
した、ことを特徴とする。
のチップ部のコード長を大きくすることにより、動翼の
チップ部の背面において、中間部から後縁にかけての減
速が小さくすることができる(図12(B)中のG4を
参照)。すると、境界層の肥大化を抑えることができる
ので、圧力損失を小さくすることができ、その分、ター
ビン効率を向上させることができる。
ップ部に、動翼のチップ部との干渉を避けるための逃げ
部を、設けたことを特徴とする。
のチップ部のコード長を大きくしても、相互に隣り合う
動翼のチップ部と静翼のチップ部とが相互に干渉する虞
がない。
ップ部の逃げ部として、静翼のチップ部の入口メタル角
を、静翼のチップ部以外の部分の入口メタル角よりも小
さくして、静翼のチップ部の入口メタル角を、静翼の背
面側に向けた、ことを特徴とする。
のチップ部の入口メタル角が静翼の背面側に向いている
ので、動翼のチップ部のコード長を大きくしても、相互
に隣り合う動翼のチップ部と静翼のチップ部とが相互に
干渉する虞がない。
ップ部の入口メタル角が静翼のチップ部以外の部分の入
口メタル角よりも小さいので、インシデンス角を小さく
することができる(図18中の点P4を参照)。その
分、圧力損失を小さくすることができるので、タービン
効率を向上させることができる。
ビンにおける翼構造の実施の形態の7例を図1〜図15
を参照して説明する。なお、この実施の形態によりこの
ガスタービンにおける翼構造が限定されるものではな
い。
にかかるガスタービンにおける翼構造の実施の形態1を
示す説明図である。図中、図16〜図19と同符号は同
一のものを示す。
プクリアランスを有する動翼の後段側の静翼3にかかる
ものである。この静翼3のチップ部(チップ部断面)の
前縁インクルーディング角θc1を、その静翼3のチッ
プ部以外の部分(ハブ〜ミーン部断面)の前縁インクル
ーディング角よりも大きくする。たとえば、約5°以上
大きくする。
プクリアランスを有する動翼の後段側の静翼3のチップ
部において、前縁インクルーディング角θc1を大きく
することにより、図18中の破線の曲線に示すように、
インシデンス角と圧力損失との相対関係の曲線が緩やか
になる。その結果、図18中の点P3に示すように、圧
力損失を小さくすることができるので、タービン効率を
向上させることができる。
にかかるガスタービンにおける翼構造の実施の形態2を
示す説明図である。図中、図1、図16〜図19と同符
号は同一のものを示す。
プクリアランスを有する動翼の後段側の静翼3にかかる
ものである。この静翼3のチップ部(チップ部断面)の
入口メタル角βc1を、その静翼3のチップ部以外の部
分(ハブ〜ミーン部断面)の入口メタル角よりも小さく
する。すなわち、前記静翼3のチップ部断面の入口メタ
ル角βc1を、ハブ〜ミーン部断面の入口メタル角と比
較して、たとえば約10°背面13側に向ける。
プクリアランスを有する動翼の後段側の静翼3のチップ
部において、入口メタル角βc1を小さくすることによ
り、図18中の点P4に示すように、インシデンス角i
c1を小さくすることができる。この結果、圧力損失を
小さくすることができるので、タービン効率を向上させ
ることができる。
は、この発明にかかるガスタービンにおける翼構造の実
施の形態3を示す説明図である。図中、図1、図2、図
16〜図19と同符号は同一のものを示す。
プクリアランスを有する動翼の後段側の静翼3にかかる
ものである。この静翼3のチップ部(チップ部断面)の
前縁インクルーディング角θc1を、その静翼3のチッ
プ部以外の部分(ハブ〜ミーン部断面)の前縁インクル
ーディング角よりも大きくする。たとえば、約5°以上
大きくする。
面)の入口メタル角βc1を、その静翼3のチップ部以
外の部分(ハブ〜ミーン部断面)の入口メタル角よりも
小さくする。すなわち、前記静翼3のチップ部断面の入
口メタル角βc1を、ハブ〜ミーン部断面の入口メタル
角と比較して、たとえば約10°背面13側に向ける。
プクリアランスを有する動翼の後段側の静翼3のチップ
部において、前縁インクルーディング角θc1を大きく
することにより、図18中の破線の曲線に示すように、
インシデンス角と圧力損失との相対関係の曲線が緩やか
になる。その結果、図18中の点P3に示すように、圧
力損失を小さくすることができるので、タービン効率を
向上させることができる。
は、チップクリアランスを有する動翼の後段側の静翼3
のチップ部において、入口メタル角βc1を小さくする
ことにより、図18中の点P4に示すように、インシデ
ンス角ic1を小さくすることができる。この結果、圧
力損失を小さくすることができるので、タービン効率を
向上させることができる。
は、図18中の破線の曲線に示すように、インシデンス
角と圧力損失の相対関係の曲線が緩やかになる作用と、
インシデンス角ic1を小さくすることができる作用と
の相乗作用により、図18中の点P5に示すように、さ
らに、圧力損失を小さくすることができ、タービン効率
を向上させることができる。
にかかるガスタービンにおける翼構造の実施の形態1を
示す説明図である。図中、図1〜図4、図16〜図19
と同符号は同一のものを示す。
ースタンディング動翼やシュラウド動翼などの動翼5に
かかるものである。この動翼5のハブ部(ハブ部断面)
の前縁インクルーディング角θs1を、その動翼5のハ
ブ部以外の部分(チップ〜ミーン部断面)の前縁インク
ルーディング角よりも大きくする。たとえば、約5°以
上大きくする。
5のハブ部において、前縁インクルーディング角θs1
を大きくすることにより、図18中の破線の曲線に示す
ように、インシデンス角と圧力損失との相対関係の曲線
が緩やかになる。その結果、図18中の点P3に示すよ
うに、圧力損失を小さくすることができるので、タービ
ン効率を向上させることができる。
にかかるガスタービンにおける翼構造の実施の形態5を
示す説明図である。図中、図1〜図5、図16〜図19
と同符号は同一のものを示す。
ースタンディング動翼やシュラウド動翼などの動翼5に
かかるものである。この動翼5のハブ部(ハブ部断面)
の入口メタル角βs1を、その動翼5のハブ部以外の部
分(チップ〜ミーン部断面)の入口メタル角よりも小さ
くする。すなわち、前記動翼5のハブ部断面の入口メタ
ル角βs1を、チップ〜ミーン部断面の入口メタル角と
比較して、たとえば約10°背面11側に向ける。
5のハブ部において、入口メタル角βs1を小さくする
ことにより、図18中の点P4に示すように、インシデ
ンス角is1を小さくすることができる。この結果、圧
力損失を小さくすることができるので、タービン効率を
向上させることができる。
は、この発明にかかるガスタービンにおける翼構造の実
施の形態6を示す説明図である。図中、図1〜図6、図
16〜図19と同符号は同一のものを示す。
ースタンディング動翼やシュラウド動翼などの動翼5に
かかるものである。この動翼5のハブ部(ハブ部断面)
の前縁インクルーディング角θs1を、その動翼5のハ
ブ部以外の部分(チップ〜ミーン部断面)の前縁インク
ルーディング角よりも大きくする。たとえば、約5°以
上大きくする。
の入口メタル角βs1を、その動翼5のハブ部以外の部
分(チップ〜ミーン部断面)の入口メタル角よりも小さ
くする。すなわち、前記動翼5のハブ部断面の入口メタ
ル角βs1を、チップ〜ミーン部断面の入口メタル角と
比較して、たとえば約10°背面11側に向ける。
5のハブ部において、前縁インクルーディング角θs1
を大きくすることにより、図18中の破線の曲線に示す
ように、インシデンス角と圧力損失との相対関係の曲線
が緩やかになる。その結果、図18中の点P3に示すよ
うに、圧力損失を小さくすることができるので、タービ
ン効率を向上させることができる。
は、動翼5のハブ部において、入口メタル角βs1を小
さくすることにより、図18中の点P4に示すように、
インシデンス角is1を小さくすることができる。この
結果、圧力損失を小さくすることができるので、タービ
ン効率を向上させることができる。
は、図18中の破線の曲線に示すように、インシデンス
角と圧力損失の相対関係の曲線が緩やかになる作用と、
インシデンス角is1を小さくすることができる作用と
の相乗作用により、図18中の点P5に示すように、さ
らに、圧力損失を小さくすることができ、タービン効率
を向上させることができる。
この発明にかかるガスタービンにおける翼構造の実施の
形態7を示す説明図である。図中、図1〜図8、図16
〜図19と同符号は同一のものを示す。
ースタンディング動翼5にかかるものである。この動翼
5のチップ部18(チップ部18断面)のコード長26
を、その動翼5のチップ部以外の部分(ハブ〜ミーン部
断面)の最小コード長よりも大きくする。すなわち、チ
ップ部18断面のコード長26を、ミーン断面のコード
長と同等以上とする(従来と比べて、ピッチ/コード比
を大きくする)。
た断面の説明図である。この図9〜図11において、符
号50および実線にて示すスタッキング形状は、チップ
を示す。また、符号51および一点鎖線にて示すスタッ
キング形状は、ハブから高さ75%の位置のものを示
す。さらに、符号52および二点鎖線にて示すスタッキ
ング形状は、ミーンを示す。さらにまた、符号53およ
び三点鎖線にて示すスタッキング形状は、ハブから高さ
25%の位置のものを示す。最後に、符号54および破
線にて示すスタッキング形状は、ハブを示す。
5のチップ部18のコード長26を大きくすることによ
り、図12(B)中のG4に示すように、動翼5のチッ
プ部18の背面11において、中間部から後縁19にか
けての減速が小さくすることができる。
(B)のマッハ数分布において、実線曲線にて囲まれた
部分の面積(斜線が施された部分の面積であって、圧力
差)Sを一定とした場合。この場合において、動翼5の
チップ部18のコード長26を大きくすると、マッハ数
分布の面積Sが図19(B)に示す縦長から図12
(B)に示す横長となる。この結果、減速が図19
(B)に示すG2から図12(B)に示すG4と小さく
なる。これにより、境界層の肥大化を抑えることができ
るので、圧力損失を小さくすることができ、その分、タ
ービン効率を向上させることができる。
発明にかかるガスタービンにおける翼構造の変形例を示
す。図中、図1〜図12、図16〜図19と同符号は同
一のものを示す。
形態7の変形例であって、静翼2、3のチップ部に、動
翼5のチップ部18との干渉を避けるための逃げ部27
を、設ける。
プ部18のコード長26を大きくしても、相互に隣り合
う動翼5のチップ部18と静翼2、3のチップ部とが相
互に干渉する虞がない。なお、図13中の二点鎖線は、
従来の翼構造を示す。
記実施の形態7の変形例であって、静翼3のチップ部の
逃げ部として、静翼3のチップ部の入口メタル角βc1
を、静翼3のチップ部以外の部分(ハブ〜ミーン部)の
入口メタル角よりも小さくする。すなわち、図2、図3
および図4に示すように、静翼3のチップ部の入口メタ
ル角βc1を、静翼3の背面13側に向ける。なお、動
翼5と同段の静翼2についても同様に構成しても良い。
のチップ部の入口メタル角βc1が静翼3の背面13側
に向いているので、静翼3の軸方向の幅W1が図14
(A)に示す従来の翼構造の幅W2よりも小さくするこ
とができる。この結果、動翼5のチップ部18のコード
長26を大きくして、動翼5の軸方向の幅W3が従来の
幅W4よりも大きくなったとしても、動翼5と静翼3と
の幅W5が従来の幅W6とさほど変わらない。これによ
り、動翼5のチップ部18のコード長26を大きくして
も、相互に隣り合う動翼5のチップ部18と静翼3のチ
ップ部とが相互に干渉する虞がない。
静翼3のチップ部の入口メタル角βc1が静翼3のチッ
プ部以外のハブ〜ミーン部の入口メタル角よりも小さい
ので、図18中の点P4に示すように、インシデンス角
ic1を小さくすることができる。その分、圧力損失を
小さくすることができるので、タービン効率を向上させ
ることができる。
5(A)に示すように、チップ部18に中空部28を有
する冷却動翼29にも適用できる。また、この発明にか
かる翼構造は、図15(B)に示すように、チップ部1
8がケーシング1のテーパに沿ったテーパ30を有する
動翼31にも適用できる。
かるガスタービンにおける翼構造(請求項1)は、チッ
プクリアランスを有する動翼の後段側の静翼のチップ部
において、前縁インクルーディング角を大きくすること
により、インシデンス角と圧力損失との相対関係の曲線
が緩やかになる。その分、圧力損失を小さくすることが
できるので、タービン効率を向上させることができる。
ける翼構造(請求項2)は、チップクリアランスを有す
る動翼の後段側の静翼のチップ部において、入口メタル
角を小さくすることにより、インシデンス角を小さくす
ることができる。その分、圧力損失を小さくすることが
できるので、タービン効率を向上させることができる。
ける翼構造(請求項3)は、チップクリアランスを有す
る動翼の後段側の静翼のチップ部において、前縁インク
ルーディング角を大きくすることにより、請求項1にか
かる発明と同様に、インシデンス角と圧力損失との相対
関係の曲線が緩やかになる。その分、圧力損失を小さく
することができるので、タービン効率を向上させること
ができる。
ける翼構造(請求項3)は、チップクリアランスを有す
る動翼の後段側の静翼のチップ部において、入口メタル
角を小さくすることにより、請求項2にかかる発明と同
様に、インシデンス角を小さくすることができる。その
分、圧力損失を小さくすることができるので、タービン
効率を向上させることができる。
おける翼構造(請求項3)は、インシデンス角と圧力損
失の相対関係の曲線が緩やかになる作用と、インシデン
ス角を小さくすることができる作用との相乗作用によ
り、さらに、圧力損失を小さくすることができ、タービ
ン効率を向上させることができる。
ける翼構造(請求項4)は、動翼のハブ部において、前
縁インクルーディング角を大きくすることにより、イン
シデンス角と圧力損失との相対関係の曲線が緩やかにな
る。その分、圧力損失を小さくすることができるので、
タービン効率を向上させることができる。
ける翼構造(請求項5)は、動翼のハブ部において、入
口メタル角を小さくすることにより、インシデンス角を
小さくすることができる。その分、圧力損失を小さくす
ることができるので、タービン効率を向上させることが
できる。
ける翼構造(請求項6)は、動翼のハブ部において、前
縁インクルーディング角を大きくすることにより、請求
項4にかかる発明と同様に、インシデンス角と圧力損失
との相対関係の曲線が緩やかになる。その分、圧力損失
を小さくすることができるので、タービン効率を向上さ
せることができる。
ける翼構造(請求項6)は、動翼のハブ部において、入
口メタル角を小さくすることにより、請求項5にかかる
発明と同様に、インシデンス角を小さくすることができ
る。その分、圧力損失を小さくすることができるので、
タービン効率を向上させることができる。
おける翼構造(請求項6)は、インシデンス角と圧力損
失の相対関係の曲線が緩やかになる作用と、インシデン
ス角を小さくすることができる作用との相乗作用によ
り、さらに、圧力損失を小さくすることができ、タービ
ン効率を向上させることができる。
ける翼構造(請求項7)は、動翼のチップ部のコード長
を大きくすることにより、動翼のチップ部の背面におい
て、中間部から後縁にかけての減速が小さくすることが
できる。すると、境界層の肥大化を抑えることができる
ので、圧力損失を小さくすることができ、その分、ター
ビン効率を向上させることができる。
ける翼構造(請求項8)は、静翼のチップ部に、動翼の
チップ部との干渉を避けるための逃げ部を、設けたもの
である。このために、請求項8にかかる発明は、動翼の
チップ部のコード長を大きくしても、相互に隣り合う動
翼のチップ部と静翼のチップ部とが相互に干渉する虞が
ない。
ける翼構造(請求項9)は、静翼のチップ部の入口メタ
ル角が静翼の背面側に向いているので、動翼のチップ部
のコード長を大きくしても、相互に隣り合う動翼のチッ
プ部と静翼のチップ部とが相互に干渉する虞がない。
ける翼構造(請求項9)は、静翼のチップ部の入口メタ
ル角が静翼のチップ部以外の部分の入口メタル角よりも
小さいので、インシデンス角を小さくすることができ
る。その分、圧力損失を小さくすることができるので、
タービン効率を向上させることができる。
の形態1を示す静翼のチップ部断面の説明図である。
の形態2を示す静翼のチップ部断面の説明図である。
の形態3を示す静翼のチップ部断面の説明図である。
の形態4を示す動翼のハブ部断面の説明図である。
の形態5を示す動翼のハブ部断面の説明図である。
の形態6を示す動翼のハブ部断面の説明図である。
の形態7を示す動翼のスタッキング形状の断面説明図で
ある。
説明図、(B)は(A)の動翼によるマッハ数分布の説
明図である。
施の形態7の変形例を示す説明図である。
の断面の説明図、(B)はこの発明のガスタービンにお
ける翼構造の実施の形態7の変形例を示す動翼および静
翼の断面の説明図である。
構造の実施の形態7の変形例を示す冷却動翼の説明図、
(B)は同じくテーパを有する動翼の説明図である。
である。
説明図である。
した説明図である。
面の説明図、(B)は(A)の動翼によるマッハ数分布
の説明図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 ケーシングに円環に配列された静翼と、
ロータに円環に配列された動翼とを備え、前記動翼のチ
ップと前記ケーシングとの間にはクリアランスを有する
ガスタービンにおいて、 チップクリアランスを有する前記動翼の後段側の前記静
翼であって、前記静翼のチップ部の前縁インクルーディ
ング角が前記静翼のチップ部以外の部分の前縁インクル
ーディング角よりも大である、ことを特徴とするガスタ
ービンにおける翼構造。 - 【請求項2】 ケーシングに円環に配列された静翼と、
ロータに円環に配列された動翼とを備え、前記動翼のチ
ップと前記ケーシングとの間にはクリアランスを有する
ガスタービンにおいて、 チップクリアランスを有する前記動翼の後段側の前記静
翼であって、前記静翼のチップ部の入口メタル角が前記
静翼のチップ部以外の部分の入口メタル角よりも小であ
る、ことを特徴とするガスタービンにおける翼構造。 - 【請求項3】 ケーシングに円環に配列された静翼と、
ロータに円環に配列された動翼とを備え、前記動翼のチ
ップと前記ケーシングとの間にはクリアランスを有する
ガスタービンにおいて、 チップクリアランスを有する前記動翼の後段側の前記静
翼であって、前記静翼のチップ部の前縁インクルーディ
ング角が前記静翼のチップ部以外の部分の前縁インクル
ーディング角よりも大であり、また、前記静翼のチップ
部の入口メタル角が前記静翼のチップ部以外の部分の入
口メタル角よりも小である、ことを特徴とするガスター
ビンにおける翼構造。 - 【請求項4】 ケーシングに円環に配列された静翼と、
ロータに円環に配列された動翼とを備え、前記動翼の上
流側の前記ロータ側からシールエアが流出しているガス
タービンにおいて、 前記動翼のハブ部の前縁インクルーディング角が前記動
翼のハブ部以外の部分の前縁インクルーディング角より
も大である、ことを特徴とするガスタービンにおける翼
構造。 - 【請求項5】 ケーシングに円環に配列された静翼と、
ロータに円環に配列された動翼とを備え、前記動翼の上
流側の前記ロータ側からシールエアが流出しているガス
タービンにおいて、 前記動翼のハブ部の入口メタル角が前記動翼のハブ部以
外の部分の入口メタル角よりも小である、ことを特徴と
するガスタービンにおける翼構造。 - 【請求項6】 ケーシングに円環に配列された静翼と、
ロータに円環に配列された動翼とを備え、前記動翼の上
流側の前記ロータ側からシールエアが流出しているガス
タービンにおいて、 前記動翼のハブ部の前縁インクルーディング角が前記動
翼のハブ部以外の部分の前縁インクルーディング角より
も大であり、また、前記動翼のハブ部の入口メタル角が
前記動翼のハブ部以外の部分の入口メタル角よりも小で
ある、ことを特徴とするガスタービンにおける翼構造。 - 【請求項7】 ケーシングに円環に配列された静翼と、
ロータに円環に配列された動翼とを備え、前記動翼のチ
ップと前記ケーシングとの間にはクリアランスを有する
ガスタービンにおいて、 チップクリアランスを有する前記動翼のチップ部のコー
ド長が前記動翼のチップ部以外の部分の最小コード長よ
りも大である、ことを特徴とするガスタービンにおける
翼構造。 - 【請求項8】 前記静翼のチップ部には、前記動翼のチ
ップ部との干渉を避けるための逃げ部が設けられてい
る、ことを特徴とする請求項7に記載のガスタービンに
おける翼構造。 - 【請求項9】 前記静翼のチップ部の逃げ部は、前記静
翼のチップ部の入口メタル角が前記静翼のチップ部以外
の部分の入口メタル角よりも小であって、前記静翼のチ
ップ部の入口メタル角が前記静翼の背面側に向いてい
る、ことを特徴とする請求項8に記載のガスタービンに
おける翼構造。
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