JP2002208741A - 熱電半導体デバイス、熱電半導体デバイスを用いた冷暖装置、および、製造方法 - Google Patents

熱電半導体デバイス、熱電半導体デバイスを用いた冷暖装置、および、製造方法

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JP2002208741A
JP2002208741A JP2001003714A JP2001003714A JP2002208741A JP 2002208741 A JP2002208741 A JP 2002208741A JP 2001003714 A JP2001003714 A JP 2001003714A JP 2001003714 A JP2001003714 A JP 2001003714A JP 2002208741 A JP2002208741 A JP 2002208741A
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thermoelectric semiconductor
electrode
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semiconductor device
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Ichiro Takatsu
一郎 高津
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Nok Corp
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  • Devices For Blowing Cold Air, Devices For Blowing Warm Air, And Means For Preventing Water Condensation In Air Conditioning Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 充分な電流容量を確保しながら、導体の厚さ
を薄くして可撓性を維持できる電極を有するペルチェ効
果を用いた、冷暖房などに使用可能な熱電半導体デバイ
スを提供する。 【解決手段】 熱電半導体デバイスは、可撓性を有する
熱的かつ電気的な絶縁板(11)と、該絶縁板に形成さ
れた複数の開口部(111)に交互に隣接して嵌め込ま
れたp形熱電半導体結晶およびn形熱電半導体結晶(1
2、13)と、隣接するp形熱電半導体結晶とn形熱電
半導体結晶とに順次電流が流れるようにp形熱電半導体
結晶とn形熱電半導体結晶とを順番に接続する電極膜
(14)と、該電極が被着されているポリイミド、また
はアラミド系樹脂の可撓性のある樹脂フィルム(15)
とを有する電極基板(16)とを有する。好ましくは、
可撓性を有する電極基板(16)は、可撓性を有する電
子回路基板(フレキシブルサーキット)として形成され
る。電極基板(16)の製造方法は種々の方法がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体におけるペ
ルチェ効果を用いた熱電半導体デバイス(ペルチェ半導
体デバイス、熱電化合物半導体結晶、または、電子冷却
デバイス)、熱電半導体デバイスを用いた冷暖装置、お
よび、その製造方法に関する。特に本発明は、可撓性を
高め、電流容量を高めた熱電半導体デバイス、熱電半導
体デバイスを用いた冷暖装置、および、その製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】空調機に使用するフロンガス等の冷媒に
よるオゾン層の破壊や地球温暖化といった環境問題が指
摘されて以来、フロンガス等の冷媒を使用しない地球環
境に優しい冷却方式として、ペルチェ効果を用いたペル
チェ素子、特に、半導体におけるペルチェ効果を示す熱
電半導体デバイス(ペルチェ半導体デバイス)を用いた
冷暖装置が注目を集めている。
【0003】半導体におけるペルチェ効果とは、異種の
半導体、たとえば、n形半導体とp形半導体との接点に
電流を流すと、その接点でジュール熱以外に熱の発生ま
たは吸収が起きる現象をいう。電流の向きを逆にする
と、熱の発生と吸収とは逆になる。このようなペルチェ
効果は熱電冷却に応用できる。
【0004】本明細書において、ペルチェ効果を示す半
導体デバイスを熱電半導体デバイスと呼ぶ。また本明細
書において、熱電半導体デバイスを冷暖房使用した装置
を、熱電半導体デバイスを用いた冷暖装置と言う。冷暖
装置は冷房のみ、暖房のみ、または、その両者に用いる
ことを意味する。熱電半導体デバイスは冷房と暖房の両
方に使用できるが、主として冷却を目的として使用する
場合、本明細書において、熱電半導体デバイスを電子冷
却デバイスとも言う。
【0005】このようなペルチェ効果を利用した熱電半
導体デバイスを用いて冷暖装置を製造すると種々の利点
と特徴がある。そのような利点と特徴としては、たとえ
ば、(a)フロンガス等の冷媒を用いないので地球の温
暖化を招かない、(b)冷媒を用いないので熱交換機な
どが不要であり小型・軽量になる、(c)ファンなどの
機械的駆動部がなく騒音が無く寿命も長い、(d)電極
に印加する電圧の極性の切り換えによって冷却/加熱の
切替えが容易にできる等である。
【0006】図5を参照して熱電半導体素子(熱電化合
物半導体結晶)を用いた冷暖装置の基本構造とその動作
について述べる。図5に図解した熱電半導体素子を用い
た冷暖装置は、特開平8−228027号公報の図24
において従来技術として開示されているものと実質的に
同じである。図5に図解した冷暖装置は、ペルチェ効果
を示すn形半導体結晶とペルチェ効果を示すp形半導体
結晶とを同数π型に隣接して配設し、これらの隣接する
n形半導体結晶とp形半導体結晶との両端側を対向する
金属電極で順次接続し、金属電極を対向するセラミック
基板で挟んで構成されている。
【0007】冷暖装置の金属電極に直流電源から、たと
えば、n形半導体結晶からp形半導体結晶に向かって電
流を流すとペルチェ効果によってπ形の上部で吸熱が起
こり、π型の下部で放熱が起こり、熱が上部から下部に
向かってポンピングされる。金属電極に流す電流の向き
を逆にすると、π形の下部で吸熱が起こり、π型の上部
で放熱が起こり、熱が下部から上部に向かってポンピン
グされる。このような原理を用いると、図5に図解した
熱電半導体素子を用いた冷暖装置を、加熱装置、および
/または、冷却装置として使用することができる。
【0008】特開平8−228027号公報は、図5に
図解した熱電半導体素子を用いた冷暖装置には下記の問
題があると指摘している。 (1)金属電極を固いセラミック基板で挟んだ剛体構造
をしているので、吸熱面と放熱面が固い平面に限定され
る。さらに、動作中の温度差や、冷温の繰返しによる熱
応力が発生し、熱電半導体素子(熱電化合物半導体結
晶)の劣化・破壊が生じ易くなる。 (2)ペルチェ効果を示すn形半導体結晶およびp形半
導体結晶を単結晶として製造する際、小片がヘキ開面で
分割されやすいので不良品が発生しやすく、加工歩留り
が悪い。 (3)スライスとダイシングとの2工程が必要なので製
造価格が高くなり、量産に向かない。 (4)ペルチェ効果を示すn形半導体結晶およびp形半
導体結晶を単結晶に代えて、単結晶より性能が劣る多結
晶にした場合、加工歩留りは改善されるが、製造価格が
高くなる。 (5)熱電半導体素子の製造方法は、熱電半導体ブロッ
クを格子状に並べるので、組立に時間と手間を要し、製
造価格が高い。 (6)熱電半導体ブロックをインゴット状の多結晶や焼
結体から切り出すため、材料収率が50%以下と低い。
【0009】そこで、特開平8−228027号公報は
上述した問題を克服した方法と装置とを開示している。
すなわち、特開平8−228027号公報は、熱電半導
体素子に柔軟性を付与し、熱電半導体素子を低価格で製
造する技術を開示している。特開平8−228027号
公報に開示されている熱電半導体素子の1例を図6
(A)〜(B)に図解する。
【0010】図6(A)〜(B)に図解した熱電半導体
素子は下記のごとく構成されている。(a)同数だけ交
互に配設されるペルチェ効果を示すp形とn形の熱電化
合物半導体結晶を熱伝導性の低いゴム、プラスチック、
シリコーン樹脂などの柔軟な(可撓性のある)絶縁物で
架橋し、(b)熱電化合物半導体結晶の架橋に必要な部
分以外の柔軟な絶縁物の部分に多数の孔を形成して熱電
化合物半導体結晶の表面と裏面を熱的に絶縁し、(c)
p形とn形との熱電化合物半導体結晶を導電性プラスチ
ック電極で接続し、(d)その両端をゴム、プラスチッ
クなどの柔軟な絶縁物の基板で挟みこんで柔軟性のある
サーモ(熱電)モジュールとして構成している。
【0011】また特開平8−228027号公報に開示
されている熱電半導体素子は、可撓性を有する絶縁板に
熱電化合物半導体結晶を固定しており、針状のp型、n
型の熱電化合物半導体結晶を同数ずつ複数の絶縁基板を
貫通するように固定した後、まとめてスライスして製造
している。そのため、量産性に優れ、かつ、熱電半導体
素子自身が可撓性をもつことから、熱応力の影響を受け
難いという特徴を示す。
【0012】ペルチェ効果を示す熱電化合物半導体結晶
としては、たとえば、ビスマス・テルル系化合物半導
体、鉄・シリコン系化合物半導体、コバルト・アンチモ
ン系化合物半導体などである。特開平8−228027
号公報は、そのような熱電化合物半導体結晶の製造方法
も開示している。
【0013】しかしながら、図6(A)〜(B)を参照
して述べた特開平8−228027号公報に開示された
熱電半導体素子は下記に述べる問題がある。 (1)p形とn形の熱電化合物半導体結晶を熱伝導性の
低い柔軟な絶縁物で架橋し、熱電化合物半導体結晶の表
面と裏面を熱的に絶縁するため、熱電化合物半導体結晶
の架橋に必要な部分以外の熱伝導性の低い柔軟な絶縁物
の部分に多数の孔を形成しなければならず、多数の孔形
成のための作業が負担になっている。さらに、多数の孔
を熱伝導性の低い柔軟な絶縁物に形成しているので、熱
伝導性の低い柔軟な絶縁物の強度が低下する。 (2)熱伝導性の低い柔軟な絶縁物に熱電化合物半導体
結晶を全面的に固定しているので、動作中の温度差や、
冷温の繰返しによる熱応力が発生し、熱電化合物半導体
結晶の劣化・破壊が生じ易くなる。
【0014】特開平9−181362号公報は、上述し
た特開平8−228027号公報に開示された熱電半導
体素子の問題を克服することを意図して、図7に断面図
を例示した冷却・加熱装置に適用するペルチェ効果によ
る熱電半導体素子を開示している。図7に図解した熱電
半導体素子は、可撓性を有する熱電半導体素子として構
成するため、可撓性絶縁基板109を挟んで2つの熱電
半導体ブロックを構成し、それぞれの熱電半導体ブロッ
クをペルチェ効果を示す半導体素子102と、可撓性電
極104と、伝熱性絶縁体111と、可撓性カバー11
0とで構成している。
【0015】特開平9−181362号公報において、
可撓性絶縁基板109として、図6(A)、(B)に図
解した可撓性のある絶縁物と同様、プラスチック、プラ
スチック弾性体、ゴム、各種エラストマーを材料とする
ことができると記載されている。可撓性電極104とし
ては、銅板、燐青銅板などの薄い導電性金属板、熱電素
子に比較して充分抵抗の小さな導電性のゴムやプラスチ
ック、金属性の金網などを用いることができる。可撓性
・伝熱性絶縁体111、可撓性カバー110としては、
たとえば、伝熱性シリコーンをシート状にして用いるこ
とができる。
【0016】図7の熱電半導体素子の製造方法の概要を
下記に述べる。 (a)可撓性絶縁基板109に事前に孔を開けて、孔に
半導体素子102を嵌め込んでポリイミド樹脂などの接
着剤を用いて固定して、熱電チップユニットとして構成
する。このような状態まで製造された物を熱電チップユ
ニットと称して、商品として販売することも可能として
いる。 (b)可撓性絶縁基板109の孔に嵌め込まれた半導体
素子102の両側は孔からはみ出ており、その両側に可
撓性を有する電極104を半田づけなどで接着する。 (c)さらに、対向する2枚の電極104,104の両
側に対向する位置に可撓性・伝熱性絶縁体111,11
1を設け、さらに可撓性・伝熱性絶縁体111,111
の上に、可撓性カバー110,110を設ける。伝熱性
シリコーン・シートを用いた場合、可撓性・伝熱性絶縁
体111と可撓性カバー110との役目を果たすことも
できる。
【0017】図7に図解した熱電半導体素子は、可撓性
を有する構造をしており、冷却加熱効率が良く、複雑な
形状の物にも容易に取り付けることができ、この熱電半
導体素子を用いて冷暖装置が容易に製造できると記載さ
れている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】特開平9−18136
2号公報に開示された熱電半導体素子においては、熱電
半導体素子として可撓性を持たせるため、熱電半導体素
子を可撓性絶縁基板109と、可撓性電極104と、可
撓性のある伝熱性絶縁体111と、可撓性カバー110
とで構成している。特に、可撓性絶縁基板109の可撓
性を損なわせないため可撓性電極104を用いている。
しかしながら、ペルチェ効果を示す半導体素子102に
は相当な電流を流す必要があるため、電極104は可撓
性を持つだけでなく、相当の電流を流すだけの電流容量
が必要となる。このため、電極としては、可撓性のある
絶縁基板上に、厚さ100μmを超える厚膜電極を形成
しなければならない。特開平9−181362号公報に
はそのような配慮が講じられていない。
【0019】さらに、特開平9−181362号公報に
開示された熱電半導体素子の製造方法は、手間がかか
り、製造価格が高い。
【0020】そこで本発明の目的は、高い信頼性を維持
し、かつ、充分な電流容量を確保できる厚さの導体を、
可撓性樹脂フィルム基板上に形成した電極を有する熱電
半導体デバイス、および、そのような熱電半導体デバイ
スを用いた実用的な冷暖装置を提供することにある。
【0021】さらに本発明の目的は、そのような熱電半
導体デバイスを容易かつ低価格で製造できる方法と、そ
のようにして製造された熱電半導体デバイスを用いて容
易かつ低価格で製造できる冷暖装置を製造する方法を提
供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の熱電半導体デバ
イスは、可撓性を有する熱的かつ電気的な絶縁板(1
1)と;該絶縁板に所定間隔で形成された複数の開口部
(111)に、交互に隣接して嵌め込まれた第1導電形
熱電半導体結晶および第2導電形熱電半導体結晶(1
2、13)と;前記隣接する第1導電形熱電半導体結晶
と第2導電形熱電半導体結晶とに順次電流が流れるよう
に前記隣接する第1導電形熱電半導体結晶と第2導電形
熱電半導体結晶とを順番に接続する複数の電極膜(1
4)と、該複数の電極が被着されている可撓性のある樹
脂フィルム基板(15)とを有し、可撓性を有する電子
回路基板として形成されている電極基板(16)とを有
する。
【0023】可撓性を有する絶縁基板に熱電化合物半導
体結晶を固定してなる熱電半導体デバイス(ペルチェ半
導体デバイス)において、各熱電化合物半導体結晶を電
気的に接続させるための電極基板として、可撓性を有す
る電子回路基板(フレキシブルサーキット)を用いる。
これにより、熱電化合物半導体結晶を固定している絶縁
基板の可撓性を損なうことなく、熱電化合物半導体結晶
の電気的接続が可能となる。このような構造とすること
で、本発明の熱電半導体デバイスは、従来型の熱電半導
体デバイスが抱える温度サイクルに対する耐久性不足と
いった問題が発生せず、信頼性の高い動作を得ることが
可能である。また、可撓性を有する電子回路基板を用い
ることにより、可撓性を保ちながら電流容量が十分にと
れ、製造も容易である。
【0024】本発明の熱電半導体デバイスを用いた冷暖
装置は、上記熱電半導体デバイスに、前記2つの電極基
板(16)の一方に装着された吸熱手段と、前記2つの
電極基板(16)の他方に装着された放熱手段と、前記
電極基板の電極膜に電流を供給する電源とを設けたもの
である。
【0025】本発明の熱電半導体デバイスは、(a)可
撓性があり熱的かつ電気的な絶縁基板(11)を製造
し、(b)前記絶縁基板(11)に複数の開口部(11
1)を形成し、(c)前記複数の開口部(111)に、
交互に第1導電形および第2導電形のペルチェ効果を示
す熱電半導体結晶を嵌め込んで固定し、(d)前記絶縁
基板(11)に嵌め込まれた前記第1導電形および第2
導電形の熱電半導体結晶の両側に、前記第1導電形およ
び第2導電形の熱電半導体結晶に順次電流が流れるよう
に配置される電極膜(14)と、該電極膜を被着させた
樹脂フィルム(15)からなり、可撓性電子回路として
構成される電極基板(16)を形成し、(e)前記絶縁
基板(11)の孔に嵌め込まれた前記第1導電形熱電半
導体結晶と第2導電形熱電半導体結晶との両端部に、2
つの前記電極基板(16)を、前記隣接する第1導電形
熱電半導体結晶と第2導電形熱電半導体結晶とを順番に
電流が印加されるように、前記電極基板(16)の電極
膜(14)を接続して製造される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明のペルチェ効果を示
す熱電半導体デバイス(ペルチェ半導体デバイス)、熱
電半導体デバイスを用いた冷暖装置および製造方法の実
施の形態について述べる。
【0027】熱電半導体デバイスの実施の形態 図1は本発明のペルチェ効果を利用した熱電半導体デバ
イス(ペルチェ半導体デバイス)の第1実施の形態の断
面図である。
【0028】図1に図解した熱電半導体デバイス1の構
成について述べる。図1に図解した熱電半導体デバイス
1は、可撓性を有し熱的かつ電気的な絶縁基板11と、
絶縁基板11に一定間隔で規則的に設けられた複数の開
口部111に交互に同数だけ嵌め込まれたp型熱電半導
体結晶(熱電化合物半導体結晶)121 〜12n (総称
してp型熱電半導体結晶12と表す)とn型熱電半導体
結晶131 〜13n (総称してn型熱電半導体結晶13
と表す)とを有する。
【0029】熱電半導体デバイス1はさらに、絶縁基板
11の開口部111に嵌め込まれた隣接するn型熱電半
導体結晶13とp型熱電半導体結晶12、たとえば、n
型熱電半導体結晶131 とp型熱電半導体結晶121
次いでp型熱電半導体結晶121 とn型熱電半導体結晶
132 に順番に電流が流れるように、隣接するn型熱電
半導体結晶13とp型熱電半導体結晶12とを順番に接
続している、対向する面に配設された導電電極膜(電極
膜)141 〜14n (総称して電極膜14と表し、上側
の導電電極膜を14aと総称し、下側の導電電極膜を1
4bと総称する)を有する。これら対向する導電電極膜
14a,14bはそれぞれ、対向する位置に配設された
樹脂フィルム基板15a,15b(総称して樹脂フィル
ム基板15と表し、上側の樹脂フィルム基板を15aと
総称し、下側の樹脂フィルム基板を15bと総称する)
に被着されている。
【0030】本実施の形態の熱電半導体デバイス1を構
成する材質および材料について例示する。可撓性があ
り、熱的かつ電気的な絶縁基板11としては、たとえ
ば、図7を参照して述べた特開平9−181362号公
報における可撓性絶縁基板109の材料と同様、プラス
チック(樹脂)、プラスチック弾性体、ゴム、各種エラ
ストマーを材料など、熱的に絶縁する性能を有し可撓性
のある材料を用いることができる。
【0031】p型熱電半導体結晶12およびn型熱電半
導体結晶13としては、たとえば、ビスマス・テルル系
化合物半導体を用いる。もちろん、p型熱電半導体結晶
12およびn型熱電半導体結晶13としては他の熱電半
導体結晶、たとえば、鉄・シリコン系化合物半導体、コ
バルト・アンチモン系化合物半導体などを用いることが
できる。本実施の形態においては、p型熱電半導体結晶
12およびn型熱電半導体結晶13としてビスマス・テ
ルル系化合物半導体を用いた。
【0032】本発明の熱電半導体デバイスの実施に際し
ては、p型熱電半導体結晶12およびn型熱電半導体結
晶13としては、単結晶でも多結晶でもよい。もちろ
ん、性能的には単結晶がよいので、本実施の形態におい
てはp型熱電半導体結晶12およびn型熱電半導体結晶
13として単結晶を用いた。
【0033】図示上側の電極膜14aと樹脂フィルム基
板15a、および、図示下側の電極膜14bと樹脂フィ
ルム基板15bとはそれぞれ一体的に形成されており、
このように一体構成されたものを、電極基板16a,1
6b(総称して電極基板16と表す)という。すなわ
ち、電極基板16は、樹脂フィルム基板15に電極膜1
4の電極パターンが形成された、電極膜と樹脂フィルム
とを接着してなる導体基板に対し、該導体を電極パター
ン形状にエッチングしてなる可撓性を有する電子回路基
板である。このような可撓性電子回路基板は、フレキシ
ブルサーキットと呼ばれ、種々の分野に適用されてい
る。たとえば可撓性電子回路基板は、プリンタ装置にお
いて可動ヘッドと固定部とを接続する可撓性配線パター
ンとして用いられている。
【0034】電極基板16の製造方法の第1実施の形態 電極基板16の材料および製造方法の第1実施の形態を
述べる。樹脂フィルム基板15としては、厚さが薄くて
も、耐熱性、強度に優れた樹脂、たとえば、ポリイミ
ド、または、アラミド系の樹脂フィルムを用いることが
好ましい。電極膜14としては、導電性のある薄膜、た
とえば、銅薄膜、アルミニウム薄膜、導電性樹脂薄膜な
どを用いることができる。さらに特定的には、電極膜1
4を、通常の可撓性を有する電子回路基板(フレキシブ
ルサーキット)を製造する場合の製造方法を適用して、
たとえば、ポリイミド、または、アラミド系の樹脂フィ
ルム15に、銅などの導電性金属箔を接着する、または
メッキにより成長させた後、電極形状にエッチングして
形成することができる。
【0035】すなわち、本実施の形態の可撓性を有する
電極基板16は、電極膜14と樹脂フィルム基板15と
を接着してなる基板に対し、電極膜14を隣接するp型
熱電半導体結晶12とn型熱電半導体結晶13とを接続
する電極パターン形状にエッチングして形成される。
【0036】電極膜14の電流容量は、たとえば、6A
であり、1つの電極膜14は、厚さが0.3mm、幅が
2〜5mmである。
【0037】電極基板16の製造方法の1実施の形態を
述べたが、その他の製造方法については、後述する。
【0038】図1に図解した熱電半導体デバイス1の製
造方法(組み立て方法)の概要について述べる。 (a)まず、絶縁基板11を製造し、絶縁基板11に一
定間隔で規則的に複数の開口部111を形成する。 (b)次いで、複数の開口部111に、交互にp型熱電
半導体結晶12とn型熱電半導体結晶13とを嵌め込ん
で、接着剤を用いて固定する。この接着剤としては、た
とえば、エポキシ系、またはアクリル系の接着剤を用い
る。 (c)その後、絶縁基板11に嵌め込まれたp型熱電半
導体結晶12とn型熱電半導体結晶13の両側に、p型
結晶からn型結晶、そのn型結晶から次のp型結晶へ
と、互いに異なる伝導系結晶を順番に電流が流れるよう
に、個々の電極膜14が位置するように、樹脂フィルム
基板15に電極膜14が被着されている電極基板16を
接続する。ここで、樹脂フィルム基板15に電極膜14
を固定する方法としては、エポキシ系、アクリル系樹脂
または熱可塑性ポリイミド樹脂などの接着剤を用いる方
法、あるいは、図4を参照して述べるクロムと銅との2
重スパッタリング層52を用いる方法などがある。特
に、ポリイミド基板に直接スパッタリングした膜上に、
メッキ膜を成長させてなる電極基板は、基板と導体との
間に接着剤が不要で、電極基板としての熱抵抗の低減が
図られる。この結果、ペルチェ素子としての性能が向上
する。また、従来の接着剤(エポキシ系、またはアクリ
ル系)の耐熱性はポリイミドやアラミドよりも劣るた
め、接着層がなくなることで、さらなる耐熱性の向上、
アウトガスの解消が可能となる。なお、接着剤として、
熱可塑性ポリイミドを用いても、同様の効果が期待でき
る。
【0039】こうして作製した本発明の実施の形態の熱
電半導体デバイス1は、絶縁基板11、および、電極膜
14と樹脂フィルム15からなる電極基板16ともに柔
軟な樹脂基板を用いているので、熱電半導体デバイス1
として、可撓性に優れる。その結果として、本発明の実
施の形態の熱電半導体デバイス1のオン・オフ動作、電
流反転に等に伴う膨張・収縮による繰返し応力を、この
可撓性により吸収することが可能で、温度サイクルに対
し、耐久性に優れるといった特徴を有する。
【0040】さらに、本実施の形態の熱電半導体デバイ
ス1は、可撓性電子回路(フレキシブルサーキット)の
構造による充分な電流容量を持つ電極基板16を用いて
いるので、電極基板16を介してp型熱電半導体結晶1
2とn型熱電半導体結晶13とに充分な電流を流すこと
ができる。
【0041】実験例 本発明の実施の形態の熱電半導体デバイス1の実験例と
して、上述した方法で実際に作製したペルチェ素子に対
し、定格電流6Aを通電し、これを一定時間毎に電流の
流れる方向を反転させることで、室温〜85°Cにおけ
る温度サイクル試験を課したところ、40,000サイ
クルを経ても熱電半導体デバイス1には破壊、誤動作な
どの異常の無いことが確認された。すなわち、本発明の
実施の形態による熱電半導体デバイス1は長期間の熱サ
イクルの印加にも耐久性に優れており、信頼性が高いこ
とは確認できた。
【0042】さらに、本実施の形態の熱電半導体デバイ
ス1の製造方法は、特開平9−181362号公報と同
様、(a)絶縁基板11を製造し、絶縁基板11に一定
間隔で規則的に複数の開口部111を形成し、(b)複
数の開口部111に、交互にp型熱電半導体結晶12と
n型熱電半導体結晶13とを嵌め込んで固定しており、
p型熱電半導体結晶12およびn型熱電半導体結晶13
を単結晶のものを用いても、へき面破損などが起きず、
信頼性が高く、歩留りも高い。したがって、熱電半導体
デバイスを用いた冷暖装置などの製造において量産に向
いており、低価格で製造できる。
【0043】熱電半導体デバイスを用いた冷暖装置の実
施の形態 本発明の実施の形態の熱電半導体デバイスを用いた冷暖
装置は、図1に図解した熱電半導体デバイス1に対し
て、図5に図解した吸熱手段(コールドジャンクショ
ン)と、放熱手段(ホットジャンクション)とを装着
し、電極に直流電源を接続することによって製造でき
る。このようにして製造された熱電半導体デバイスを用
いた冷暖装置は、上述した熱電半導体デバイスの特徴お
よび利点を示す。
【0044】図1に図解した電極基板16の製造方法
は、上述した第1実施の形態に限定されず、その他種々
の方法で製造することができる。その例を下記に述べ
る。
【0045】第2実施の形態 図2(A)〜(E)を参照して電極基板16の製造方
法、および、熱電半導体デバイス1の組み立て方法の第
2実施の形態について述べる。電極基板16の製造方
法、および、熱電半導体デバイス1の組み立て方法の第
1の実施例として、電極基板16として、樹脂フィルム
15に導電性金属箔を接着した後、電極形状にエッチン
グした導体電極パターンを電極膜14として形成した例
を述べたが、第2実施の形態においては、図2(A)〜
(E)に図解したように、樹脂フィルム基板15として
の樹脂フィルム基板25に、電極膜14としてのメッキ
膜24を転写して可撓性電子回路の電極基板16を製造
する。以下、そのような電極基板16の製造方法を図2
(A)〜(E)を参照して述べる。
【0046】図2(A):導電パターンのレジスト膜形
成工程 平板電極21上に目的とする銅パターンのレジスト膜2
2を形成し、レジスト膜22の開口部23にメッキ膜2
4を成長させる。平板電極21とレジスト膜22は、図
2(D)における工程で除去されるものであり、メッキ
膜24の成長に使用する一時的なものである。平板電極
21の材料は、たとえば、アルミニウム、銅を用いる。
レジスト膜22の材料は、たとえば、OMR(東京応化
(株))、アクリレートを用いる。レジスト膜22の開
口部23の寸法は、電極膜14に相当する隣接するp型
熱電半導体結晶12とn型熱電半導体結晶13とを接続
する寸法によって規定される大きさである。メッキ膜2
4は図1の電極膜14に該当するものであり、導電性を
示し、下記の工程に適したもの、たとえば、銅、アルミ
ニウム、金、銀などを用いることができる。
【0047】図2(B):メッキ膜の成長速度に異方性
をもたせる工程 この時、メッキ浴成分や電流の流し方を工夫すること
で、メッキ膜24の成長速度に異方性をもたせる。これ
により、メッキ膜厚方向の成長速度を高め、アスペクト
比の高い厚膜メッキパターンを得る。
【0048】図2(C):基板接着工程 その後、メッキ膜24上に樹脂フィルム基板25を接着
剤26を用いて接着する。樹脂フィルム基板25は、図
1の樹脂フィルム基板15に該当しており、第1の製造
方法として述べたと同様の材料、すなわち、厚さが薄く
ても、耐熱性、強度に優れた樹脂、たとえば、ポリイミ
ド、または、アラミド系の樹脂フィルムを用いることが
好ましい。接着剤26は、樹脂フィルム基板25と導電
性のメッキ膜24とを接着させるのに適した材料、たと
えば、エポキシ系、アクリル系樹脂または熱可塑性ポリ
イミド樹脂を用いることができる。
【0049】図2(D):レジスト膜除去工程 電極基板25の反対側の平板電極21とレジスト層22
を除去する。それにより、図2(D)に図解したよう
に、図1に図解した電極膜14に対応するメッキ膜24
と、樹脂フィルム基板15に対応する樹脂フィルム基板
25が、接着剤26で接着された、図1に図解した電極
基板16が形成される。
【0050】図2(E):組み立て工程 こうして作製した2枚の電極基板を、第1実施の形態と
同様、p型熱電半導体結晶12とn型熱電半導体結晶1
3とが固定された可撓性のある絶縁基板11の両側に配
置し、隣接するn型熱電半導体結晶13とp型熱電半導
体結晶12に順番に電流が流れるように、隣接するn型
熱電半導体結晶13とp型熱電半導体結晶12との両端
部を順番に電極膜14としてのメッキ膜24に位置合わ
せをして接続して、固定していく。p型熱電半導体結晶
12とn型熱電半導体結晶13とメッキ膜24との接続
には、たとえば、通常のハンダを用いる。
【0051】以上のようにして形成されたメッキ膜24
は、第1の製造方法による電極基板16における電極膜
14と同様、充分な電流容量を有している。
【0052】第2実施の形態の熱電半導体デバイス1
も、絶縁基板11、電極基板16とも柔軟な樹脂基板を
用いていることから、可撓性に優れる。その結果とし
て、本発明の第2実施の形態の熱電半導体デバイス1
も、オン・オフ動作、電流反転に等に伴う膨張・収縮に
よる繰返し応力を、この可撓性により吸収することが可
能で、温度サイクルに対し、耐久性に優れるといった特
徴を有する。
【0053】第3実施の形態 図3(A)〜(E)を参照して電極基板16の製造方
法、および、熱電半導体デバイス1の組み立て方法の第
3実施の形態について述べる。電極基板16の製造方
法、および、熱電半導体デバイス1の組み立て方法の第
1の実施例として、電極基板16として、樹脂フィルム
15に導電性金属箔を接着した後、電極形状にエッチン
グした導体電極パターンを電極膜14として形成した例
を述べたが、第3実施の形態においては、図3(A)〜
(E)に図解したように、電極膜14に該当する電極膜
32を打ち抜いて形成した回路基板を用いる。以下、そ
のような電極基板16の製造方法を図3(A)〜(E)
を参照して述べる。
【0054】図3(A)、(B):電極打ち抜き工程 電極パターン形状の上金型41と下金型42からなる金
型40を用いて、薄膜の導体基板31を打ち抜いて、図
1に図解した電極膜14に該当する電極膜32と、残り
の電極膜33とに分離する。打ち抜かれた電極膜32
が、図1の電極膜14に該当する。
【0055】導体基板31は、第1実施の形態および第
2実施の形態のようにメッキには無関係なので、打ち抜
きに適した導電性基板であれば、導電性金属に制限され
ず、導電性樹脂などを用いることもできる。本実施の形
態における導体基板31は、打ち抜きに適した導電性
板、たとえば、銅、アルミニウム、白金などの板を用い
た。
【0056】上金型41は、下金型42の突出部(パン
チ)42aが挿入されて電極膜32を打ち抜く寸法の孔
41aが形成されている。孔41aの寸法は、図1の電
極膜14の各々に寸法に相当している。すなわち、孔4
1aの寸法は、隣接するp型熱電半導体結晶12とn型
熱電半導体結晶13とを同時に接続する大きさである。
【0057】図3(C)、(D):樹脂フィルムの接着
工程 図3(B)に図解した第1の電極32を打ち抜いたまま
の状態で、電極膜32に樹脂フィルム基板34を接着剤
を用いて接着する。樹脂フィルム基板34は図1の樹脂
フィルム基板15に該当しており、樹脂フィルム基板3
4の材料は、第1実施の形態に示したように、厚さが薄
くても、耐熱性、強度に優れた樹脂、たとえば、ポリイ
ミド、または、アラミド系の樹脂フィルムを用いること
が好ましい。第1の電極32と樹脂フィルム34との接
着に使用する接着剤としては、たとえば、エポキシ系、
アクリル系樹脂または熱可塑性ポリイミド樹脂を用い
る。以上により、図3(D)に示したように、樹脂フィ
ルム基板34に電極膜32が被着された、図1に図解し
た電極基板16に対応する電極基板36が形成される。
【0058】図3(E):組み立て工程 こうして作製した2枚の電極基板36を、第1および第
2実施の形態と同様、p型熱電半導体結晶12とn型熱
電半導体結晶13とが固定された可撓性のある絶縁基板
11の両側に配置し、隣接するn型熱電半導体結晶13
とp型熱電半導体結晶12に順番に電流が流れるよう
に、隣接するn型熱電半導体結晶13とp型熱電半導体
結晶12との両端部を順番に電極膜32に位置合わせを
して接続して、固定していく。p型熱電半導体結晶12
とn型熱電半導体結晶13と第1の電極32との接続と
固定には、たとえば、通常のハンダを用いる。
【0059】以上のようにして形成された電極膜32
は、第1実施の形態による電極膜14および第2実施の
形態によるメッキ膜24と同様、充分な電流容量を有し
ている。
【0060】第3実施の形態の熱電半導体デバイス1
も、絶縁基板11、電極基板36とも柔軟な樹脂基板を
用いていることから、可撓性に優れる。その結果とし
て、本発明の第3実施の形態の熱電半導体デバイス1
も、オン・オフ動作、電流反転に等に伴う膨張・収縮に
よる繰返し応力を、この可撓性により吸収することが可
能で、温度サイクルに対し、耐久性に優れるといった特
徴を有する。
【0061】第4実施の形態 図4(A)〜(E)を参照して本発明の第4実施の形態
として、電極基板16の他の製造方法について述べる。
【0062】図4(A):クロム/銅スパッタリング工
平板樹脂基板51にクロム/銅のスパッタリングを行
い、クロムと銅との2重スパッタリング層52を形成す
る。平板樹脂基板51は、図1の樹脂フィルム基板15
に該当する。したがって、平板樹脂基板51としては、
第1実施の形態の樹脂フィルム基板15と同様、厚さが
薄くても、耐熱性、強度に優れた樹脂であって、クロム
と銅とのスパッタリングに適した樹脂、たとえば、ポリ
イミド、または、アラミド系の樹脂フィルムを用いるこ
とが好ましい。
【0063】図4(B):レジスト膜形成工程 銅スパッタ表面52に、銅パターンのレジスト膜53を
形成する。なお、レジスト膜53は、次の工程において
図1の電極膜14に該当する隣接するメッキ膜54を形
成する間隔(開口)55を隔てて形成する。
【0064】図4(C)、(D):メッキ膜の成長工程 図4(C)に図解したように、メッキ膜54の開口55
にメッキ膜54を成長させる。この時、図4(D)に図
解したように、図2(B)に図解した工程と同様、メッ
キ浴成分や電流の流し方を工夫することで、メッキ膜5
4の成長速度に異方性をもたせる。これにより、メッキ
膜厚方向の成長速度を高め、アスペクト比の高い厚膜メ
ッキパターンを得る。メッキ膜54は、図2を参照して
述べたメッキ膜24と同じ材料を用いることができる。
【0065】図4(E):レジスト膜の除去、電極間の
分離工程 レジスト膜53を剥離して除去する。その後、メッキ膜
54およびクロムと銅との2重スパッタリング層52全
体を浅くエッチングする。これにより、クロムと銅との
2重スパッタリング層52が除去され、電極を構成して
いるメッキ膜54相互が分離される。メッキ膜54は図
1の電極膜14に該当する。これにより、図1の電極膜
14に該当するメッキ膜54と、樹脂フィルム基板15
に該当する平板電極51とがスパッタリング層52によ
って接着されて固定されている、図1の電極基板16に
該当する電極基板56が形成される。
【0066】図4(F):組み立て工程 こうして作製した2枚の電極基板56を、第1〜第3実
施の形態と同様、p型熱電半導体結晶12とn型熱電半
導体結晶13とが固定された可撓性のある絶縁基板11
の両側に配置し、隣接するn型熱電半導体結晶13とp
型熱電半導体結晶12に順番に電流が流れるように、隣
接するn型熱電半導体結晶13とp型熱電半導体結晶1
2との両端部を順番に図1の電極膜14としてのメッキ
膜54に位置合わせをして接続して、固定していく。p
型熱電半導体結晶12とn型熱電半導体結晶13と電極
膜32との接続と固定には、第1および第2実施の形態
と同様、たとえば、通常のハンダを用いる。
【0067】以上のようにして形成されたメッキ膜54
は、第1〜第3実施の形態と同様、充分な電流容量を有
している。
【0068】第4実施の形態の熱電半導体デバイス1
も、絶縁基板11、電極基板56とも柔軟な樹脂基板を
用いていることから、可撓性に優れる。その結果とし
て、本発明の第4実施の形態の熱電半導体デバイス1
も、オン・オフ動作、電流反転に等に伴う膨張・収縮に
よる繰返し応力を、この可撓性により吸収することが可
能で、温度サイクルに対し、耐久性に優れるといった特
徴を有する。
【0069】以上、図1に図解した可撓性電子回路とし
ての電極基板16の製造方法の実施の形態として、図2
〜図4を参照して述べたが、電極基板16の製造方法は
上述した方法に限定されない。
【0070】
【発明の効果】可撓性を有する絶縁基板に第1導電性
(たとえば、p形)および第2導電性(たとえば、n
形)の異種のペルチェ効果を示す熱電半導体結晶を固定
し、各熱電半導体結晶を電気的に接続させるための電極
基板として可撓性を有する電子回路基板(フレキシブル
サーキット)を用いた本発明の熱電半導体デバイス(ま
たは、熱電半導体デバイスを用いた冷暖装置)は、熱電
半導体結晶を固定している絶縁基板の可撓性を損なうこ
となく、充分な電流容量を確保して熱電半導体結晶の電
気的接続が可能となる。
【0071】また、本発明の熱電半導体デバイスは、温
度サイクルに対する耐久性不足といった問題が発生せ
ず、信頼性の高い動作を得ることができた。
【0072】また本発明の熱電半導体デバイスの製造方
法は簡単容易であり、低価格で、しかも信頼性高く、熱
電半導体デバイスおよび熱電半導体デバイスを用いた冷
暖装置を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態として熱電半導体デ
バイス(ペルチェ半導体デバイス)の断面図である。
【図2】図2(A)〜(E)は図1に図解した電極基板
の製造方法の第2実施の形態を示す工程図である。
【図3】図3(A)〜(E)は図1に図解した電極基板
の製造方法の第3実施の形態を示す工程図である。
【図4】図4(A)〜(F)は図1に図解した電極基板
の製造方法の第4実施の形態を示す工程図である。
【図5】図5は従来の熱電半導体素子を用いた冷暖装置
の断面構成図である。
【図6】図6は特開平8−228027号公報に開示さ
れた熱電半導体素子を図解した図である。
【図7】図7は特開平9−181362号公報に開示さ
れた熱電半導体素子を図解した図である。
【符号の説明】
1・・熱電半導体デバイス(ペルチェ半導体デバイス) 11・・絶縁基板、111・・開口部 12・・p型熱電半導体結晶、13・・n型熱電半導体
結晶 14・・電極膜、15・・樹脂フィルム基板、16・・
電極基板 21・・平板電極、22・・レジスト膜、23・・開口
部、24・・メッキ膜、25・・樹脂フィルム基板、2
6・・接着剤26 31・・導体基板、32・・電極膜、33・・薄膜基
板、34・・樹脂フィルム基板、35・・接着剤、36
・・電極基板 40・・金型、41・・上金型、41a・・孔、42・
・下金型、42a・・突出部(パンチ) 51・・平板樹脂基板、52・・クロムと銅との2重ス
パッタリング層、53・・レジスト膜、54・・メッキ
膜、55・・間隔(開口)、56・・電極基板

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可撓性を有する熱的かつ電気的な絶縁板
    (11)と、 該絶縁板に所定間隔で形成された複数の開口部(11
    1)に、交互に隣接して嵌め込まれた第1導電形熱電半
    導体結晶および第2導電形熱電半導体結晶(12、1
    3)と、 前記隣接する第1導電形熱電半導体結晶と第2導電形熱
    電半導体結晶とに順次電流が流れるように前記隣接する
    第1導電形熱電半導体結晶と第2導電形熱電半導体結晶
    とを順番に接続する複数の電極膜(14)と、該複数の
    電極が被着されている可撓性のある樹脂フィルム基板
    (15)とを有する可撓性を有し、可撓性を有する電子
    回路基板として形成されている電極基板(16)とを有
    する熱電半導体デバイス。
  2. 【請求項2】前記可撓性を有する電極基板(16)は、
    電極膜(14)と樹脂フィルム基板(15)とを接着し
    てなる基板に対し、前記電極膜(14)を前記隣接する
    第1導電形熱電半導体結晶と第2導電形熱電半導体結晶
    を接続する電極パターン形状にエッチングしてなる回路
    基板である請求項1記載の熱電半導体デバイス。
  3. 【請求項3】前記可撓性を有する電極基板(16)が、
    メッキにより成長させた導体電極パターン(24)を樹
    脂フィルム基板(25)に転写してなる回路基板である
    請求項1記載の熱電半導体デバイス。
  4. 【請求項4】前記可撓性を有する電極基板(16)が、
    電極パターン形状に打ち抜き加工した電極膜(32)を
    樹脂フィルム基板(34)に接着してなる回路基板であ
    る請求項1記載の熱電半導体デバイス。
  5. 【請求項5】前記可撓性を有する電極基板(16)が、
    樹脂基板(51)に導電性金属をスパッタリングして形
    成されたスパッタリング層(52)を接着剤としてその
    上に形成されたメッキ膜(54)を有する回路基板であ
    る請求項1記載の熱電半導体デバイス。
  6. 【請求項6】前記可撓性を有する電極基板(16)の樹
    脂基板が、ポリイミド、またはアラミド系樹脂である請
    求項1〜5いずれかに記載の熱電半導体デバイス。
  7. 【請求項7】前記電極膜と前記樹脂フィルム基板とを接
    着する前記接着剤が、樹脂フィルム表面に形成された熱
    可塑性ポリイミドである請求項1〜5いずれかに記載の
    熱電半導体デバイス。
  8. 【請求項8】可撓性を有する熱絶縁板(11)と、 該絶縁板に所定間隔で形成された複数の開口部(11
    1)に、交互に隣接して嵌め込まれた第1導電形熱電半
    導体結晶および第2導電形熱電半導体結晶(12、1
    3)と、 それぞれが、前記隣接する第1導電形熱電半導体結晶と
    第2導電形熱電半導体結晶とに順次電流が流れるように
    前記隣接する第1導電形熱電半導体結晶と第2導電形熱
    電半導体結晶とを順番に接続する電極膜(14)と、該
    電極が被着されている可撓性のある樹脂フィルム基板
    (15)とを有し、可撓性を有する電子回路基板として
    形成されている2枚の電極基板(16)と、 前記2つの電極基板(16)の一方に装着された吸熱手
    段と、 前記2つの電極基板(16)の他方に装着された放熱手
    段と、 前記電極基板の電極膜に電流を供給する電源とを有す
    る、熱電半導体デバイスを用いた冷暖装置。
  9. 【請求項9】前記電極膜と前記樹脂フィルム基板とを接
    着する前記接着剤が、樹脂フィルム表面に形成された熱
    可塑性ポリイミドである請求項8記載の熱電半導体デバ
    イスを用いた冷暖装置。
  10. 【請求項10】可撓性があり熱的かつ電気的な絶縁基板
    (11)を製造し、 前記絶縁基板(11)に複数の開口部(111)を形成
    し、 前記複数の開口部(111)に、交互に第1導電形およ
    び第2導電形のペルチェ効果を示す熱電半導体結晶を嵌
    め込んで固定し、 前記絶縁基板(11)に嵌め込まれた前記第1導電形お
    よび第2導電形の熱電半導体結晶の両側に、前記第1導
    電形および第2導電形の熱電半導体結晶に順次電流が流
    れるように配置される電極膜(14)と、該電極膜を被
    着させた樹脂フィルム基板(15)からなり、可撓性電
    子回路として構成される電極基板(16)を形成し、 前記絶縁基板(11)の孔に嵌め込まれた前記第1導電
    形熱電半導体結晶と第2導電形熱電半導体結晶との両端
    部に、2枚の前記電極基板(16)を、前記隣接する第
    1導電形熱電半導体結晶と第2導電形熱電半導体結晶と
    を順番に電流が印加されるように、前記電極基板(1
    6)の電極膜(14)を接続する熱電半導体デバイスの
    製造方法。
  11. 【請求項11】前記可撓性を有する電極基板(16)
    を、電極膜(14)と樹脂フィルム基板(15)とを接
    着してなる導体基板に対し、前記導体薄膜を前記隣接す
    る第1導電形熱電半導体結晶と第2導電形熱電半導体結
    晶を接続する電極パターン形状にエッチングして形成す
    る請求項10記載の熱電半導体デバイスの製造方法。
  12. 【請求項12】前記可撓性を有する電極基板(16)
    は、メッキにより成長させた導体電極パターン(24)
    を樹脂フィルム基板(25)に転写して形成する請求項
    10記載の熱電半導体デバイスの製造方法。
  13. 【請求項13】前記可撓性を有する電極基板(16)
    は、電極パターン形状に打ち抜き加工した電極膜(3
    2)を樹脂フィルム基板(34)に接着して形成する請
    求項10記載の熱電半導体デバイスの製造方法。
  14. 【請求項14】前記可撓性を有する電極基板(16)
    は、樹脂基板(51)に導電性金属をスパッタリング
    し、形成されたスパッタリング層(52)を接着剤とし
    てその上にメッキ膜(54)を形成して形成する請求項
    10記載の熱電半導体デバイスの製造方法。
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