JP2002205332A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
二軸配向ポリエステルフィルムInfo
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Abstract
少なく、走行耐久性および保存安定性などに優れた二軸
配向ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 フィルム長手方向のヤング率が6〜15
GPaの範囲であり、フィルム幅方向の温度膨張係数が
0〜12ppm/℃の範囲であり、かつ、tanδのピ
ーク温度が120〜180℃の範囲、ピーク値が0.1
0〜0.25の範囲である二軸配向ポリエステルフィル
ムとする。
Description
テルフィルムの改良に関し、特に高密度磁気記録媒体用
として好適な二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
れた熱的特性、寸法安定性および機械的特性から各種用
途に使用されており、特に磁気テープ用などのベースフ
ィルムとしての有用性は周知である。近年、磁気テープ
は機材の軽量化、小型化と長時間記録化のために、ベー
スフィルムの一層の薄膜化と高密度記録化が要求されて
おり、磁気テープとしたときの走行耐久性および保存安
定性の改善要求がますます強くなっている。しかしなが
ら、薄膜化すると機械的強度が不十分となってフィルム
の腰の強さが弱くなったり、長手方向に伸びやすく、幅
方向に縮みやすくなる為、例えば磁気テープ用途では、
トラックずれを起こしたり、ヘッドタッチが悪化し電磁
変換特性が低下するといったような問題点がある。
て、従来からアラミドフィルムが、強度、寸法安定性の
点から使用されている。アラミドフィルムは高価格であ
るためコストの点では不利であるが、性能面から代替し
得る品が無いため使用されているのが現状である。
強度化に関する従来技術としては、縦、横二方向に延伸
したフィルムを再度縦方向に延伸して縦方向に高強度化
する方法が知られている(例えば、特公昭42−927
0号公報、特公昭43−3040号公報、特公昭46−
1119号公報、特公昭46−1120号公報、特開昭
50−133276号公報、特開昭55−22915号
公報等)が、(1)使用時にテープが切断する、(2)幅方向
の剛性不足によりエッジダメージが発生する、(3)記録
トラックにずれが生じて記録再生時にエラーが発生す
る、(4)強度が不十分で薄膜対応が難しく、所望の電磁
変換特性が得られない、等の問題があり、大容量の高密
度磁気記録テープへの適用に際して、多くの課題が残さ
れているのが現状である。
の課題を解決し、フィルム加工時の寸法安定性が良好
で、磁気テープとしたときの記録トラックずれが起こり
にくく、走行耐久性、保存安定性、加工適性及び電磁変
換特性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムを提供す
ることにある。
手方向のヤング率が6〜15GPaの範囲であり、フィ
ルム幅方向の温度膨張係数が0〜12ppm/℃の範囲
であり、かつ、tanδのピーク温度が120〜180
℃の範囲、ピーク値が0.10〜0.25の範囲である
二軸配向ポリエステルフィルムとすることによって達成
される。
は、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸または脂
肪族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とするポ
リエステルである。芳香族ジカルボン酸としては例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−
ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジ
フェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテル
ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボ
ン酸等を用いることができ、なかでも好ましくは、テレ
フタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸
を用いることができる。脂環族ジカルボン酸としては例
えば、シクロヘキサンジカルボン酸などを用いることが
できる。脂肪族ジカルボン酸としては例えば、アジピン
酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を用
いることができる。これらの酸成分は一種のみ用いても
よく、二種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシ
エトキシ安息香酸などのオキシ酸等を一部共重合しても
よい。
レングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−
プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−
シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサン
ジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリ
アルキレングリコール、2,2’−ビス(4’−βーヒ
ドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用いることが
できる。なかでも好ましくは、エチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、ジエチレングリコール等であり、特に好まし
くは、エチレングリコールである。これらのジオール成
分は一種のみ用いてもよく、二種以上併用してもよい。
ピロメリット酸、グリセロール、ペンタエリスリトー
ル、2,4−ジオキシ安息香酸、ラウリルアルコール、
イソシアン酸フェニル等の多官能化合物を、ポリマーが
実質的に線上である範囲内で共重合させてもよい。
レンテレフタレート(以後PETと略称)、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(以後PE
Nと略称)、またはこれらの共重合体、および変性体が
特に好ましい。
限定されないが、フィルム製造の安定性の観点から、
0.55〜2.0(dl/g)の範囲であることが好ま
しく、さらに好ましくは0.65〜1.5(dl/g)
である。
に、ポリイミドを5重量%以上含有させると、フィルム
のガラス転移温度やtanδピーク温度が上昇し、温度
に対する寸法安定性が向上するため好ましい。また延伸
による強度が高く、フィルムの結晶性を大きくする観点
から、ポリイミドの含有率は30重量%以下であること
が好ましい。ポリイミドのより好ましい含有量は、7〜
25重量%の範囲であり、さらに好ましい含有量は、1
0〜20重量%の範囲である。ポリエステルとポリイミ
ドの溶融粘度は大きく異なるため、ポリイミドの含有量
が5重量%未満であれば、押出機にて十分な混練を得て
互いに相溶することが困難なことがあったり、本発明の
効果が十分に得られなかったりすることがある。また、
ポリイミドの含有量が30重量%を超える量であれば、
成形加工が困難になることがある。用いられるポリイミ
ドとしては、環状イミド基を繰り返し単位として含有す
るポリマーであり、溶融成形性を有するポリマーであれ
ば、特に限定されない。例えば、米国特許第41419
27号明細書、特許第2622678号、特許第260
6912号、特許第2606914号、特許第2596
565号、特許第2596566号、特許第25984
78号の公報に記載されたポリエーテルイミド、特許第
2598536号、特許第2599171号、特開平9
−48852号、特許第2565556号、特許第25
64636号、特許第2564637号、特許第256
3548号、特許第2563547号、特許第2558
341号、特許第2558339号、特許第28345
80号の公報に記載されたポリマーがある。本発明の効
果を阻害しない範囲内であれば、ポリイミドの主鎖に環
状イミド以外の構造単位、例えば、芳香族、脂肪族、脂
環族エステル単位、オキシカルボニル単位等が含有され
ていても良い。
れる。
基であり、Rは6〜30個の炭素原子を有する2価の芳
香族基、2〜30個の炭素原子を有する脂肪族基、4〜
30個の炭素原子を有する脂環族基からなる群より選択
された2価の有機基である。
ば、
内で、1種あるいは2種以上一緒にポリマー鎖中に存在
してもよい。
が、ポリエステルとの溶融成形性や取り扱い性などの点
から好ましい例として、例えば、下記一般式で示される
ように、ポリイミド構成成分中にエーテル結合を含有す
る構造単位、からなるポリマーであるポリエーテルイミ
ドを挙げることができる。
る2価の芳香族または脂肪族基、脂環族基からなる群よ
り選択された2価の有機基である。
に示される芳香族基
下、より好ましくは250℃以下のポリエーテルイミド
が好ましく、下記式で示される構造単位を有する、2,
2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フ
ェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミンま
たはp−フェニレンジアミンとの縮合物が、ポリエステ
ルとの相溶性、コスト、溶融成型性等の観点から最も好
ましい。このポリエーテルイミドは、「Ultem」
(登録商標)の商標名で、General Elect
ric社より入手可能である。
れないが、ポリエステルとの溶融成形性や取り扱い性な
どの点から、他の好ましい例として、前記一般式中のA
rが、
造することができる。例えば、上記Arを誘導すること
ができる原料であるテトラカルボン酸および/またはそ
の酸無水物と、上記Rを誘導することができる原料であ
る脂肪族一級ジアミンおよび/または芳香族一級ジアミ
ンよりなる群から選ばれる一種もしくは二種以上の化合
物を脱水縮合することにより得られ、具体的には、ポリ
アミド酸を得て、次いで、加熱閉環する方法を例示する
ことができる。または、酸無水物とピリジン、カルボジ
イミドなどの化学閉環剤を用いて化学閉環する方法、上
記テトラカルボン酸無水物と上記Rを誘導することので
きるジイソシアネートとを加熱して脱炭酸を行って重合
する方法などを例示することができる。
しては、例えば、ピロメリット酸、1,2,3,4―ベ
ンゼンテトラカルボン酸、3,3',4,4'―ビフェニ
ルテトラカルボン酸、2,2',3,3'―ビフェニルテ
トラカルボン酸、3,3',4,4'―ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸、2,2',3,3'―ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸、ビス(2,3―ジカルボキシフェニ
ル)メタン、ビス(3,4―ジカルボキシフェニル)メ
タン、1,1' ―ビス(2,3―ジカルボキシフェニ
ル)エタン、2,2'―ビス(3,4―ジカルボキシフ
ェニル)プロパン、2,2'―ビス(2,3―ジカルボ
キシフェニル)プロパン、ビス(3,4―ジカルボキシ
フェニル)エーテル、ビス(2,3―ジカルボキシフェ
ニル)エーテル、ビス(3,4―ジカルボキシフェニ
ル)スルホン、ビス(2,3―ジカルボキシフェニル)
スルホン、2,3,6,7―ナフタレンテトラカルボン
酸、1,4,5,8―ナフタレンテトラカルボン酸、
1,2,5,6―ナフタレンテトラカルボン酸、2,
2'―ビス[(2,3―ジカルボキシフェノキシ)フェニ
ル]プロパン等および/またはその酸無水物等が用いら
れる。
ン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエ
タン、ジアミノジフェニルプロパン、ジアミノジフェニ
ルブタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフ
ェニルスルホン、ジアミノジフェニルベンゾフェノン、
o,m,p―フェニレンジアミン、トリレンジアミン、
キシレンジアミン等およびこれらの例示した芳香族一級
ジアミンの炭化水素基を構造単位に有する芳香族一級ジ
アミン等や、エチレンジアミン、1,2−プロパンジア
ミン、1,3−プロパンジアミン、2,2−ジメチル−
1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジ
アミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノ
ナメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミ
ン、1,11−ウンデカメチレンジアミン、1,12−
ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキ
サメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメ
チレンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、
1,4−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキ
サンジメチルアミン、2−メチル−1,3−シクロヘキ
サンジアミン、イソホロンジアミン等およびこれらの例
示した脂肪族および脂環族一級ジアミンの炭化水素基を
構造単位に有する脂肪族および脂環族一級ジアミン等を
例示することができる。
5〜30重量%含有するポリエステル樹脂組成物は、ポ
リエステルとポリイミドを含有するものであり、相溶さ
せるものである。ここでいう相溶とは、得られたチップ
のガラス転移温度(Tg)が単一であることを意味す
る。このように両者が相溶した場合のTgは、ポリエス
テルのTgとポリイミドのペレットのTgの間に存在す
ることが一般的に知られている。本発明でいうガラス転
移温度は、示差走査熱分析における昇温時の熱流束ギャ
ップからJIS K7121に従って求めることができ
る。示差走査熱分析による方法のみで判定しにくい場合
には、動的粘弾性測定あるいは顕微鏡観察などの形態学
的方法を併用してもよい。また、示差走査熱分析によっ
てガラス転移温度を判定する場合は、温度変調法や高感
度法を使用することも有効である。該組成物が2つ以上
のガラス転移温度を有する場合は、組成物中でポリエス
テルとポリイミドが相溶していない。
合、ポリイミドをポリエステルに添加する時期は、特に
限定されないが、ポリエステルの重合前、例えば、エス
テル化反応前に添加してもよいし、重合後かつ溶融押出
前に添加してもよい。中でも、溶融押出前に、ポリエス
テルとポリイミドをペレタイズして、マスターチップに
することが溶融成形性の観点から好ましい。該ペレタイ
ズには、ポリエステルとポリイミドを二軸混練押出機に
供給して溶融押出するのが、ポリエステルとポリイミド
を相溶化させ、本発明のポリエステル組成物やそれから
なる中空成形体を得る上で、特に好ましい。
ば、分散径を制御できるため好ましい。この場合、相溶
化剤の種類は、ポリマーの種類によって異なるが、添加
量は0.01〜10重量%が好ましい。
は、不活性粒子を含有することが好ましい。不活性粒子
としては、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸
カルシウム、カオリン、タルク、湿式または乾式シリ
カ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、ケイ酸アルミニウム、アルミナおよびジルコニア等
の無粒子、アクリル酸、スチレン等を構成成分とする有
機粒子、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等によ
って析出する、いわゆる内部粒子等を挙げることができ
る。この中でも、高分子架橋粒子、アルミナ、球状シリ
カ、ケイ酸アルミニウムが特に好ましく例示される。
は、単層でも2層以上の積層構造でもよい。特に限定さ
れないが、2層以上の積層構造である方がより好まし
い。単層であると、例えば、磁気記録媒体用として用い
る場合、粒子を含有させると、表面の突起がそろわず、
電磁変換特性や走行性が悪化する場合がある。さらに、
3層の場合に本発明の効果がより一層良好となり好まし
い。最外層の厚みは、特に限定されないが、最外層に含
有された粒子の平均径の0.1〜10倍であることが、
本発明の効果がより一層良好となり好ましい。なぜなら
ば、この範囲の下限値を下回ると、電磁変換特性の不良
となる恐れがあり、一方、この範囲の上限値を超えると
走行性の不良の恐れがあるからである。
は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、その他の各種
添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワ
ックスなどの有機滑剤などを添加することもできる。
含有される不活性粒子の平均粒径は0.001〜2μm
が好ましく、より好ましくは0.005〜1μm、さら
に好ましくは0.01〜0.5μmである。0.001
μmより小さい場合は、フィルム表面突起としての役割
を果たさないので好ましくなく、2μmより大きい場合
には、粗大突起として脱落しやすくなるため好ましくな
い。
含有される不活性粒子の含有量は、0.01〜3重量%
が好ましく、より好ましくは0.02〜1重量%、さら
に好ましくは0.05〜0.5重量%である。0.01
重量%より少ない場合は、フィルムの走行特性等の改善
効果が不十分であるので好ましくなく、3重量%より多
い場合には、凝集して粗大突起となり脱落しやすくなる
ため好ましくない。
は、単層であっても良いし、2層以上の積層構造であっ
ても良い。本発明では、フィルムの基層部の片側にフィ
ルムの走行性やハンドリング性を良化させる役割を担う
フィルム層を薄膜積層した2層構造をとるものが特に好
ましい。なお、基層部とは、層厚みにおいて、最も厚み
の厚い層のことであり、それ以外が積層部である。磁気
材料用途で重要とされる弾性率や寸法安定性等の物性
は、主に基層部の物性によって決定される。
子の平均粒径d(nm)と積層厚さt(nm)との関係
が、0.2d≦t≦10dである場合、均一な高さの突
起が得られるため好ましい。
は、長手方向のヤング率が6〜15GPaの範囲であ
り、幅方向の温度膨張係数が0〜12ppm/℃の範囲
であり、かつ、tanδのピーク温度が120〜180
℃の範囲、ピーク値が0.10〜0.25の範囲である
ことが必要である。
間記録化のためのベースフィルムの一層の薄膜化と高密
度記録化が要求されている。本発明では、その要求を満
たすための最も重要な特性として、磁気テープへの加工
工程や、磁気テープのドライブ内での温度、湿度、張力
等によるテープの長手方向および幅方向の寸法安定性に
着目した。その寸法安定性の指標として、ヤング率、温
度膨張係数、tanδのピーク温度およびピーク値を上
記範囲にすることによって、磁気テープへの加工工程や
磁気テープ使用環境の温度、湿度、張力に対する長手方
向および幅方向への変形が少なく、加工適性および磁気
テープとしたときのトラックずれ、走行耐久性、保存安
定性等に優れた高剛性の二軸配向ポリエステルフィルム
が得られることがわかった。
なると、テープドライブ内での長手方向への張力によ
り、長手方向の伸び変形による幅方向の収縮が生じ、記
録トラックのずれが発生する。さらにドロップアウトが
多発して、データの保存安定性が悪化したり、電磁変換
特性が悪化する。逆に15GPaより大きくなると、テ
ープ破断が起きやすくなったり、幅方向のヤング率が不
足し、エッジダメージの原因となる。より好ましくは
6.5〜14.5GPaの範囲、最も好ましくは7〜1
4GPaの範囲である。また、幅方向の温度膨張係数が
0ppm/℃より小さくなると、磁気テープへの加工工
程やドライブ内での温度上昇により幅方向に収縮してし
まい、トラックずれなどの原因となる。逆に12ppm
/℃より大きくなると、幅方向に膨張してしまい、加工
適性、保存安定性等が悪化する。より好ましくは1〜1
1ppm/℃の範囲、最も好ましくは2〜10ppm/
℃の範囲である。さらにtanδのピーク温度が120
℃より低くなると、ガラス転移温度も低下し、加工工程
などでの加熱により寸法変化する等、加工適性が悪化す
る。また180℃より高くなると、製膜性が悪化する。
また、tanδピーク値が0.25より大きくなると、
フィルムの結晶性が低くなり寸法安定性が悪化する。
0.10より小さくなると、分子の運動性が悪くなり、
延伸しにくくなる。より好ましくはピーク温度が125
〜170℃の範囲、ピーク値が0.12〜0.23の範
囲、さらに好ましくはピーク温度が130〜165℃の
範囲、ピーク値が0.14〜0.20の範囲である。
幅方向のヤング率は、エッジダメージの抑制やスリット
性を良くする観点から4.5GPa以上であることが好
ましく、長手方向のヤング率低下を抑制する観点から
9.0GPa以下であることが好ましい。より好ましく
は、5〜8.5GPaの範囲、さらに好ましくは5.5
〜8GPaの範囲である。
は、幅方向の100℃30分間での熱収縮率は、テープ
加工工程での熱履歴によるしわ発生抑制の観点からは0
%以上が好ましく、磁気テープと磁気記録ヘッドとの摩
擦熱や、テープ加工工程での熱履歴による幅方向の収縮
の抑制、フィルム表面の耐久性、データの保存安定性な
どの観点からは0.3%以下であることが好ましい。よ
り好ましくは0〜0.25%の範囲、最も好ましくは0
〜0.2%の範囲である。
は、一方のフィルム表面(A面)の表面粗さRaAは、
磁気ヘッドとの摩擦軽減の観点から、3nm以上である
ことが好ましく、電磁変換特性の観点から10nm以下
であることが好ましい。また、A面の反対側のフィルム
表面(B面)の表面粗さRaBは、加工工程でのハンド
リング性の観点から、5nm以上であることが好まし
く、テープとして巻いたときの押し圧による転写軽減の
観点から17nm以下であることが好ましい。より好ま
しくはRaAが3〜9nm、RaBが6〜12nmの範囲
であり、さらに好ましくはRaAが4〜8nm、RaBが
7〜10nmの範囲である。
は、磁気テープへの加工工程や、磁気テープの記録再生
時の高温条件下での寸法安定性の観点から、長手方向の
温度膨張係数(α)が、−10×10-6〜5×10
-6(/℃)の範囲にあることが好ましい。ここで、−
(マイナス)は、収縮することを示している。さらに好
ましくは、−8×10-6〜4×10-6(/℃)、最も好
ましくは、−6×10-6〜3×10-6(/℃)の範囲で
ある。
は、磁気テープへの加工工程や、磁気テープの記録再生
時の高湿条件下での寸法安定性の観点から、湿度膨張係
数(β)が、1×10-6〜12×10-6(/%RH)の
範囲にあることが好ましい。さらに好ましくは、2×1
0-6〜11×10-6(/%RH)、最も好ましくは、3
×10-6〜10×10-6(/%RH)の範囲である。
は、磁気記録テープ用、コンデンサー用、感熱転写リボ
ン用、感熱孔版印刷原紙用などに好ましく用いられる。
特に好ましい用途は、均一で微細な表面形態を必要とす
るデータストレージ用などの高密度磁気記録媒体であ
る。そのデータ記録容量としては、好ましくは30GB
(ギガバイト)以上、より好ましくは70GB以上、さ
らに好ましくは100GB以上である。また、該高密度
磁気記録媒体用ベースフィルムの厚みは、3〜7μmが
好ましい。より好ましくは3.5〜6.5μm、さらに
好ましくは4〜6μmである。
性層としては、強磁性金属薄膜や、強磁性金属微粉末を
結合剤中に分散してなる磁性層や金属酸化物塗布による
磁性層などが好適な例として挙げられる。強磁性金属薄
膜としては、鉄、コバルト、ニッケルやその他の合金等
が好ましい。また、強磁性金属微粉末としては、強磁性
六方晶フェライト微粉末や、鉄、コバルト、ニッケルや
その他の合金等が好ましい。結合剤としては、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂や、これらの混合物な
どが好ましい。
硬化性、あるいは放射線硬化性などの結合剤と混練し、
塗布、乾燥を行う塗布法、金属または合金を蒸着法、ス
パッタリング法、イオンプレコーティング法などによ
り、基材フィルム上に直接磁性金属薄膜層を形成する乾
式法のいずれの方式も採用できる。
金属薄膜上に保護膜が設けられていてもよい。この保護
膜によって、さらに走行耐久性、耐食性を改善すること
ができる。保護膜としては、シリカ、アルミナ、チタニ
ア、ジルコニア、酸化コバルト、酸化ニッケルなどの酸
化物保護膜、窒化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素など
の窒化物保護膜、炭化ケイ素、炭化クロム、炭化ホウ素
等の炭化物保護膜、グラファイト、無定型カーボン等の
炭素からなる炭素保護膜があげられる。
パッタリング法等で作成したアモルファス構造、グラフ
ァイト構造、ダイヤモンド構造、もしくはこれらの混合
物からなるカーボン膜であり、特に好ましくは一般にダ
イヤモンドライクカーボンと呼ばれる硬質カーボン膜で
ある。
滑剤との密着をさらに向上させる目的で、硬質炭素保護
膜表面を酸化性もしくは不活性気体のプラズマによって
表面処理しても良い。
よび耐食性を改善するため、上記磁性膜もしくは保護膜
上に、潤滑剤や防錆剤を付与することが好ましい。
ムの製造方法について説明する。ただし、本発明は以下
の方法に限定されるものではない。
は、ポリエステル樹脂を溶融成形したシートを、長手方
向と幅方向に逐次二軸延伸または/および同時二軸延伸
により延伸配向を付与したフィルムであり、長手、幅方
向に一段階の二軸延伸を行った後、幅方向に多段階で微
延伸を行い、さらに長手、幅方向の延伸を行い、高度に
配向させることにより得られる。
テレフタレート(PET)フィルムの逐次二軸延伸の場
合を例として説明する。
180℃で3時間以上、真空乾燥した後、270〜30
0℃で溶融押出し、繊維焼結ステンレス金属フィルター
内を通過させた後、T型口金よりシート状に吐出する。
この溶融されたシートを、表面温度25〜30℃に冷却
されたドラム上に静電気力で密着させて冷却固化し、実
質的に無配向状態の未延伸ポリエステルフィルムを得
る。
二軸配向させる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ここでは、
数本のロールの配置された縦延伸機を用いて、ロールの
周速差を利用して縦方向に延伸し、続いてステンターに
より横延伸を行い、さらにロール縦延伸機で再縦延伸を
行い、再度ステンターにより横延伸を行う逐次二軸延伸
方法について説明する。
ロール群で加熱し、長手方向に1.1〜2.0倍、好ま
しくは、1.2〜1.9倍、さらに好ましくは1.3〜
1.8倍に予備延伸する(MD予備延伸)。延伸温度は
(Tg(ポリエステルのガラス転移温度)+20)〜
(Tg+100)℃の範囲が好ましく、より好ましくは
(Tg+30)〜(Tg+90)℃の範囲、さらに好ま
しくは(Tg+40)〜(Tg+80)℃の範囲であ
る。その後さらに長手方向に2〜5倍、好ましくは2.
5〜4.5倍、さらに好ましくは3〜4倍に延伸する
(MD延伸1)。延伸温度はTg〜(Tg+60)℃、
好ましくは(Tg+5)〜(Tg+55)℃、さらに好
ましくは(Tg+10)〜(Tg+50)℃の範囲であ
る。その後20〜50℃の冷却ロール群で冷却し、この
フィルムの両端部をクリップで把持して、テンターに導
き、幅方向の延伸を行う(TD延伸1)。延伸温度はT
g〜(Tg+80)℃が好ましく、より好ましくは(T
g+10)〜(Tg+70)℃、さらに好ましくは(T
g+20)〜(Tg+60)℃の範囲である。延伸倍率
は、2.0〜6.0倍が好ましく、より好ましくは3.
0〜5.0倍、さらに好ましくは3.5〜4.5倍の範
囲である。
長手方向に1.1〜2.5倍、好ましくは1.2〜2.
4倍、さらに好ましくは1.3〜2.3倍に再縦延伸し
(MD延伸2)、20〜50℃の冷却ロール群で冷却す
る。延伸温度はTg〜(Tg+100)℃の範囲が好ま
しく、より好ましくは(Tg+20)〜(Tg+80)
℃の範囲、さらに好ましくは(Tg+40)〜(Tg+
60)℃の範囲である。次に、ステンターを用いて再び
幅方向の延伸を行う(TD延伸2)。延伸温度はTg〜
250℃の範囲が好ましく、より好ましくは(Tg+2
0)〜240℃の範囲、さらに好ましくは(Tg+4
0)〜220℃の範囲である。延伸倍率は1.1〜2.
5倍の範囲が好ましく、より好ましくは1.15〜2.
2倍、さらに好ましくは1.2〜2.0倍である。この
延伸フィルムを緊張下または幅方向に弛緩しながら熱固
定する。好ましい熱固定温度は、150〜250℃、よ
り好ましくは170〜240℃、さらに好ましくは16
0〜220℃の範囲である。さらにこのフィルムを40
〜180℃の温度ゾーンで幅方向に弛緩しながら冷却す
るのが好ましい。弛緩率は、幅方向の熱収縮率を低下さ
せる観点から7%以上であることが好ましく、厚みむら
やシワの発生の抑制の観点から13%以下であることが
好ましい。より好ましくは7.5〜12.5%、さらに
好ましくは8〜12%の範囲である。この時、120〜
180℃の範囲と40〜120℃の範囲の2段階以上で
徐冷するのが好ましい。この後さらに、幅方向に微延伸
(TD微延伸)する。延伸温度は40〜75℃の範囲が
好ましく、延伸倍率は1.01〜1.05倍の範囲で行
うことが好ましい。この微延伸を行うことによって、幅
方向の配向度が向上し、構造が固定され、本発明の二軸
配向ポリエステルフィルムが得られやすいので、好まし
い。
に巻き取る。さらに必要に応じて、フィルムをコアに巻
いた状態(ロール状フィルム)で、熱風オーブン内で加
熱処理してもよい。好ましい処理温度は、(Tg−1
0)〜(Tg−60)℃の範囲、より好ましくは(Tg
−15)〜(Tg−55)℃の範囲、さらに好ましくは
(Tg−20)〜(Tg−50)℃の範囲である。好ま
しい処理時間は、10〜360時間の範囲、より好まし
くは24〜240時間の範囲、さらに好ましくは72〜
168時間である。また、このロール状フィルムでの加
熱処理を、上記温度および時間の範囲内で、温度、時間
を変更して2段階以上の多段階で行うこともできる。こ
のロール状加熱処理を行うことによって、クリープ特性
等の寸法安定性が改良されるので好ましい。
法]特性値の測定方法ならびに効果の評価方法は次の通
りである。
ンテック(株)製フイルム強伸度自動測定装置“テンシ
ロンAMF/RTA−100”を用いて、幅10mm、
試長100mmのサンプルを、温度23℃、湿度65%
RH、引張り速度200mm/分の条件で、5回測定を
行い、その平均値をとった。
なるように、真空理工(株)製TMA TM−3000
および加熱制御部TA−1500にセットした。0.5
gの荷重をフィルムにかけて、温度を室温(23℃)か
ら50℃まで上昇させた後、一旦、室温まで温度を戻し
た。その後、再度温度を室温から50℃まで上昇させ
た。その時の、30℃から40℃までのフィルムの変位
量(ΔLμm)を測定し、次式から温度膨張係数を算出
した。 温度膨張係数(/℃)={ΔL/(15×1000)}
/(40−30)
HEOVIBRON”DDV−II−EAを用いて、駆動
周波数3.5Hz、測定領域−120〜200℃、昇温
速度2℃/分で測定した。詳細な測定条件を下記に示
す。
(0〜0.30)、温度(−120〜200℃)を横軸
としたグラフを作成し、tanδの最大値とそのときの
温度を読み、ピーク値、ピーク温度とした。
mm、標線間隔約100mmのサンプルを、温度100
℃、荷重0.5g、で30分間熱処理した。その熱処理
前後の標線間隔を、(株)テクノニーズ製熱収縮率測定器
を用いて測定し、次式 熱収縮率(%)=[(L0−L)/L0]×100 L0:加熱処理前の標線間隔 L:加熱処理後の標線間隔 から熱収縮率を算出した。
て、触針先端半径0.5m、触針荷重5mg、測定長1
mm、カットオフ値0.08mmでの中心線平均粗さR
aを、フィルム幅方向に走査して、20回測定を行い、
その平均値をとった。
mになるように、大倉インダストリー製のテープ伸び試
験器にセットし、温度30℃、湿度40%RHに30分
保持し、その後10g荷重下で80%RHまで変化させ
30分保持した後、変位量(ΔL mm)を測定し、次
式 湿度膨張係数(/%RH)=(ΔL/200)/(80
−40) から湿度膨張係数を算出した。
JIS K7121に従ってガラス転移温度(Tg)を
決定した。
温度変調DSC 測定条件: 加熱温度:270〜570K(RCS冷却法) 温度校正:高純度インジウムおよびスズの融点 温度変調振幅:±1K 温度変調周期:60秒 昇温ステップ:5K 試料重量:5mg 試料容器:アルミニウム製開放型容器(22mg) 参照容器:アルミニウム製開放型容器(18mg) なお、ガラス転移温度(Tg)は下記式 ガラス転移温度=(補外ガラス転移開始温度+補外ガラ
ス転移終了温度)/2 により算出した。
から下式により計算される値を用いる。 ηsp/C=[η]+K[η]2・C ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶
媒100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/100m
l、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とす
る)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド
粘度計を用いて測定した。
安定性 二軸配向ポリエステルフィルムの表面に、下記組成の磁
性塗料と非磁性下層塗料とをエクストルージョンコータ
ーにより重層塗布(上層は磁性塗料で、塗布厚0.2μ
m、非磁性下層の厚みは適宜変化させた。)し、磁気配
向させ、乾燥させる。次いで反対面に、下記組成のバッ
クコート層を形成した後、小型テストカレンダー装置
(スチール/ナイロンロール、5段)で、温度85℃、
線圧200kg/cmでカレンダー処理した後、70℃
で、48時間キュアリングして、テープ原反を得た。上
記テープ原反を1/2インチ幅にスリットし、磁気テー
プとして、長さ670m分を、カセットに組み込んでカ
セットテープとした。
gstar3590 MODELB1A Tape D
riveを用い、100時間走行させ、次の基準 ○:テープ端面の伸び、折れ曲がりがなく、削れ跡が見
られない △:テープ端面の伸び、折れ曲がりはないが、一部削れ
跡が見られる ×:テープ端面の一部が伸び、ワカメ状の変形が見ら
れ、削れ跡が見られるでテープの走行耐久性を評価し
た。 また、上記作成したカセットテープをIBM製Mags
tar3590 MODEL B1A Tape Dr
iveを用い、データを読み込んだ後、カセットテープ
を60℃、80%RHの雰囲気中に100時間保存した
後、データを再生して次の基準 ○:テープ幅に異常がなく、トラックずれも無く、正常
に再生した △:テープ幅に異常が無いが、一部に読みとり不可が見
られる ×:テープ幅に変化があり、読みとり不可が見られる で、テープの保存安定性を評価した。
%RHの雰囲気中に24時間保存した後、テープ走行試
験機を用いて、下記の1〜5の条件で順番に走行させた
時の幅方向の寸法変化をレーザ寸法測定器で常時読みと
り、下記のとおり走行前後でのテープ幅変化を求めた。
条件1の温度、湿度、張力下で走行前のテープ幅の初期
値をL0(μm)、下記条件5で走行させた後のテープ
幅をL1(μm)として、以下の式よりテープ幅変化を
算出した。 条件1:20℃、50%RH、張力 85g 走行回数 3回 条件2:20℃、50%RH、張力140g 走行回数 3回 条件3:40℃、60%RH、張力140g 走行回数 100回 条件4:20℃、50%RH、張力140g 走行回数 3回 条件5:20℃、50%RH、張力 85g 走行回数 3回 テープ幅変化(μm)=|L0−L1|
ーから巻出しながら、搬送速度20m/分で、井上金属
工業株式会社製のオーブン処理装置に供給し、180℃
の熱処理を施して、100mの長さで巻き取った。その
際に、蛇行などにより、巻き取ったフィルムの端部が1
0mmを超えて突出して不揃いとなったものを「×」、
端部の突出が5mm以上、10mm以下のもの、また、
5mm未満であるが加工中にしわが観測されたものを
「△」、端部の突出が5mm未満であり、かつ加工中に
しわが観測されなかったものを「○」とした。
し、パンケーキを作成した。次いで、このパンケーキか
ら長さ200m分をカセットに組み込んで、カセットテ
ープとした。
R(SONY社製 EV−BS3000)を用いて、7
MHz±1MHzのC/Nの測定を行った。このC/N
を市販されているHi8用MPビデオテープと比較し
て、次の通りランク付けした。
例、比較例を示す。
Aには、ポリエチレンテレフタレート(PET)−I
(固有粘度0.62、平均径0.3μmの球状シリカ粒
子0.4重量%配合)のペレットを180℃で3時間真
空乾燥した後に供給し、同じく280℃に加熱された押
出機Bには、PET−II(固有粘度0.62、平均径
0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子1.0重量%と
平均径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子0.1重
量%配合)のペレットを180℃で3時間真空乾燥した
後に供給した。溶融したPET−IおよびPET−IIを
Tダイ中で合流させ、表面温度25℃のキャストドラム
上に静電印加法により密着させて冷却固化し、積層厚み
の比がPET−I/PET−II=13/1の積層未延伸
フィルムを得た。この未延伸フィルムを表1に示す条件
で延伸を行った。まず、数本のロールの配置された縦延
伸機を用いて、ロールの周速差を利用して長手方向に1
20℃で1.7倍に予備延伸を行い、さらに105℃で
3.2倍に延伸し、冷却した。このフィルムの両端部を
クリップで把持して、テンターに導き、幅方向に延伸
し、さらにロール縦延伸機で再縦延伸後、ステンターに
より再横延伸、209℃の温度で熱固定を施し、140
℃の冷却ゾーンで幅方向に6.0%、さらに103℃の
ゾーンで幅方向に1.8%の弛緩率で弛緩処理した後、
60℃で1.02倍に微延伸を行った。そのフィルムを
室温まで徐冷して巻取り、二軸配向ポリエステルフィル
ムを得た。なお、フィルム厚みは押出量を調節して4.
5μmとした。
製膜条件を表1に、各物性を表2、表3に示す。このフ
ィルムは、表3に示したとおり、テープ幅変化が小さ
く、走行耐久性、保存安定性、加工適性及び電磁変換特
性に優れていた。
実施例1と同様の方法にて、厚さ4.8μmのポリエス
テルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフ
ィルムの各物性を表2、表3に示す。
た。該未延伸フィルムを、長手方向の予備延伸、再縦延
伸、再横延伸を行わず、延伸倍率、温度を表1に示した
条件に変更した以外は実施例1と同様に、延伸、熱固
定、弛緩処理、幅方向微延伸を行い、徐冷して巻き取
り、厚さ5.0μmのポリエステルフィルムを得た。得
られた二軸配向ポリエステルフィルムの各物性を表2、
表3に示す。
た。該未延伸フィルムを、表1に示した条件に変更した
以外は実施例1と同様に、延伸、熱固定を行った。その
後148℃の冷却ゾーンで幅方向に7.5%弛緩処理を
行い、さらに幅方向に65℃で1.04倍に微延伸を行
い、徐冷して巻き取り、厚さ5.0μmのポリエステル
フィルムを得た。得られたフィルムを、ロール状のまま
60℃に調節された熱風オーブン内で、72時間熱処理
を行った。
各物性を表2、表3に示す。このフィルムは、表3に示
したとおり、テープ幅変化が小さく、走行耐久性、保存
安定性、加工適性及び電磁変換特性に優れていた。
橋ポリスチレン粒子1.0重量%と平均径0.8μmの
球状架橋ポリスチレン粒子0.1重量%配合)のペレッ
トを180℃で3時間真空乾燥した後、押出機に供給
し、280℃にて溶融押出し、Tダイよりシート状に吐
出した。さらにこのシートを表面温度25℃のキャスト
ドラム上に静電印加法により密着させて冷却固化し、未
延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを再横延伸お
よび弛緩処理後の幅方向の微延伸、ロール状熱処理を行
わず、延伸条件を表1のように変更したこと以外は、実
施例1と同様に行った。得られた二軸配向ポリエステル
フィルムの各物性を表2、表3に示す。
ット(50重量%)とポリエーテルイミド(PEI)の
ペレット(”Ultem”1010(General
Electric社 登録商標))(50重量%)を2
80℃に加熱されたベント式の二軸混練押出機に供給し
て、滞留時間1分にて溶融押出し、PEIを50重量%
含有したペレット(I)を得た。押出機A、B2台を用
い、280℃に加熱された押出機Aには、得られたPE
I含有ペレット(I)とPET(固有粘度0.62、平
均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子0.4重量
%配合)のペレット(II)を20:80の重量比でドラ
イブレンドしたもの(PET/PEI−III)を180
℃で3時間真空乾燥した後に供給し、同じく280℃に
加熱された押出機Bには、PET(固有粘度0.62、
平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子0.7重
量%と平均径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子
0.1重量%配合)のペレット(IV)を180℃で3時
間真空乾燥した後に供給した。これらをTダイ中で合流
させ、表面温度25℃のキャストドラム上に、静電印加
法により密着させて冷却固化し、積層厚みの比が(PE
T/PEI−III)/PET−IV=18/1のPEI含
有の積層未延伸フィルムを得た。この得られたフィルム
を表1に示した条件で、実施例1と同様に延伸、熱固
定、弛緩処理、微延伸を行い、室温まで徐冷して巻取っ
た。フィルム厚みは押出量を調節して5.1μmに合わ
せた。
各物性を表2、表3に示す。このフィルムは、表3に示
したとおり、テープ幅変化が小さく、走行耐久性、保存
安定性、加工適性及び電磁変換特性に優れていた。
実施例3と同様の方法にて、厚さ4.8μmのポリエス
テルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフ
ィルムの各物性を表2、表3に示す。
た。該未延伸フィルムを、表1に示した条件に変更した
以外は実施例3と同様にして、延伸、熱固定、弛緩処理
を行い、さらに幅方向に微延伸して、厚さ4.2μmの
ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムを、ロ
ール状のまま70℃に調節された熱風オーブン内で、9
0時間熱処理を行った。
各物性を表2、表3に示す。このフィルムは、表3に示
したとおり、テープ幅変化が小さく、走行耐久性、保存
安定性、加工適性及び電磁変換特性に優れていた。
ナフタレンジカルボキシレート(PEN)に変更したこ
と以外は、実施例1と同様にして、積層未延伸フィルム
を得た。該未延伸フィルムを、表1に示した条件に変更
した以外は実施例4と同様に、延伸、熱固定、弛緩処
理、幅方向微延伸、ロール状熱処理を行い、厚さ4.5
μmのポリエステルフィルムを得た。
各物性を表2、表3に示す。このフィルムは、表3に示
したとおり、テープ幅変化が小さく、走行耐久性、保存
安定性、加工適性及び電磁変換特性に優れていた。
ロール状熱処理を行わなかったこと以外は、実施例5と
同様に行った。得られた二軸配向ポリエステルフィルム
の各物性を表2、表3に示す。
Bを使用して作成した二軸配向ポリエステルフィルムの
例を示す。 (1)ポリイミドA イソホロンジイソシアネート200gを窒素雰囲気下で
N−メチルー2−ピロリドン(NMP)3000ml中
に添加しかくはんする。次いで、この溶液に無水ピロメ
リット酸196gを室温で添加した後、徐々に昇温す
る。その後、180℃で6時間加熱すると、二酸化炭素
の発生が終了したので加熱を止めた。このポリマー溶液
を水中に展開して洗浄した後、ここで得られたポリマー
を乾燥し、下記式で示す構造単位からなるポリイミドA
を得た。
147g(0.5mol)をN−メチル−2−ピロリド
ン(NMP)3000mlに投入した。この溶液に、ト
ランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン57g(0.
5mol)をNMP17.6gに溶解したものを滴下
し、室温で2時間、さらに50℃で4時間かくはんし、
ポリアミド酸溶液を得た。この溶液を冷却後、水500
mlに投入し、ポリマーを析出させた。析出したポリマ
ーを濾取し、窒素中、250℃で2時間熱処理し、下記
式で示す構造単位からなるポリイミドBを得た。
れをポリエーテルイミド“ウルテム”の代わりに使用し
た以外は実施例3と同様の方法で、積層未延伸フィルム
を得た。この得られたフィルムを表1に示した条件で、
延伸、熱固定、弛緩処理、微延伸を行い、室温まで徐冷
して巻取った。フィルム厚みは押出量を調節して5.0
μmに合わせた。実施例6で得られた二軸配向ポリエス
テルフィルムにおいて、ポリイミドAを含む層中におけ
るポリイミドAの含有量は10重量%であり、実施例7
で得られた二軸配向ポリエステルフィルムにおいて、ポ
リイミドBを含む層中におけるポリイミドBの含有量は
10重量%である。
各物性を表2、表3に示す。このフィルムは、表3に示
したとおり、テープ幅変化が小さく、走行耐久性、保存
安定性、加工適性及び電磁変換特性に優れていた。
て、長手方向のヤング率、幅方向の温度膨張係数、ta
nδのピーク温度およびピーク値を本発明の範囲内とす
ることにより、特に高密度磁気記録媒体のベースフィル
ムに適した特性を具備することができ、フィルム加工時
の寸法安定性が良好で、磁気テープとしたときの記録ト
ラックずれが起こりにくく、走行耐久性、保存安定性、
加工適性及び電磁変換特性に優れたものとなり、その工
業的価値は極めて高い。
Claims (7)
- 【請求項1】 フィルム長手方向のヤング率が6〜15
GPaの範囲であり、フィルム幅方向の温度膨張係数が
0〜12ppm/℃の範囲であり、かつ、tanδのピ
ーク温度が120〜180℃の範囲、ピーク値が0.1
0〜0.25の範囲であることを特徴とする二軸配向ポ
リエステルフィルム。 - 【請求項2】 フィルム幅方向のヤング率が4.5〜
9.0GPaである請求項1に記載の二軸配向ポリエス
テルフィルム。 - 【請求項3】 フィルム幅方向の100℃熱収縮率が0
〜0.3%の範囲である請求項1または請求項2に記載
の二軸配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項4】 一方のフィルム表面(A面)の表面粗さ
RaAが3〜10nmの範囲であり、A面の反対側のフ
ィルム表面(B面)の表面粗さRaBが5〜17nmで
ある請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向ポリエス
テルフィルム。 - 【請求項5】 ポリエステルがポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レート、またはこれらの共重合体または変性体である請
求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフ
ィルム。 - 【請求項6】 ポリイミドを5〜30重量%含有するポ
リエステル樹脂組成物からなる請求項5に記載の二軸配
向ポリエステルフィルム。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の二軸配
向ポリエステルフィルムをベースフィルムとして用いた
データテープ用磁気記録媒体。
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