JP2001323146A - 2軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
2軸配向ポリエステルフィルムInfo
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Abstract
子の脱落などが少ない、特に、磁気記録媒体用として、
電磁変換特性、耐削れ性、耐傷付き性などに優れた高品
質の2軸配向ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステル(ポリマーA)と、ポリエ
ステル以外の耐熱性熱可塑性樹脂(ポリマーB)とを樹
脂成分とし、平均粒径が0.001〜1.5μmの不活
性粒子を0.01〜3重量%含有し、かつ、補外ガラス
転移温度(Tg-onset)が90〜150℃である2軸配
向ポリエステルフィルム。
Description
テルフィルムに関する。
子の脱落が少なく、例えば、磁気記録媒体用、コンデン
サー用、熱転写リボン用、あるいは感熱孔版印刷原紙用
などの各種の工業材料用フィルム、特にデジタル記録用
のカセットテープなどに用いられる高密度磁気記録媒体
用ベースフィルムとして非常に適した2軸配向ポリエス
テルフィルムに関するものである。
からは得られないような大面積のフィルムの連続生産が
可能であり、その強度、耐久性、透明性、柔軟性、表面
特性の付与が可能などの特長を有するので、これら特長
を活かして、磁気記録媒体用、コンデンサー用、熱転写
リボン用、感熱孔版印刷用原紙用などの各種工業材料
用、農業用、包装用、建材用などの大量に需要のある各
種分野で用いられている。
有させたポリエステルフィルムは、表面設計の観点など
から様々な分野で利用されていて、特に磁気記録媒体用
ベースフィルムとして有用である。ポリエステルフィル
ムは、機械特性、熱的特性、電気特性などの向上のため
に2軸延伸フィルムにして利用されることが多い。磁気
記録媒体用において、特に、近年は、機材の軽量化、小
型化と長時間記録化のために、記録信号の小型化が要求
されている。記録信号の小型化、高密度化のためには、
フィルム表面、特に磁性面側のフィルム表面の平滑化が
要求される。これらの要求を満足するために、ベースフ
ィルムとしては、表面の突起高さを低くすることによる
平坦性が要求される。
ンドリング性が低下し、製膜、加工工程において、ロー
ルとの摩擦が大きくなり、フィルム表面に傷が付きやす
くなるという問題が生じる。近年、高密度磁気記録媒体
用ベースフィルムにおいては、高弾性率化を目的とし
て、再縦・再横延伸をもちいて製膜されることが多いた
め、再縦延伸ロールとの摩擦による工程傷の問題は一層
深刻なものとなっている。また、ベースフィルムの片側
表面に強磁性金属薄膜層を設けて磁気記録媒体とする場
合は、超平坦な表面に強磁性金属薄膜層を設けることと
なるが、強磁性薄膜層の厚さは通常0.04〜0.5μ
m程度と非常に薄いため、ベースフィルムの表面がその
まま強磁性薄膜の表面形状となる。このため、フィルム
製膜工程や加工工程における、フィルム表面の微小な傷
でさえ、磁気テープの記録特性などの品質を低下させる
大きな欠陥となり、ベースフィルムにはより一層の傷低
減が要求される。
起が無く、均一でかつ微細な突起を高密度に有し平坦性
と易滑性を両立するだけではなく、従来よりも傷付きに
対して強い表面を有することが求められる。
は、従来、微細な粒子を添加しフィルム表面に突起を設
けたベースフィルムや(例えば特開昭59−17162
3号公報)、表面突起形成のための粒子を含有する薄層
を基層に積層したポリエステルフィルムや(例えば特開
平2−77431号公報)、微粒子を含んだ不連続被膜
をフィルム表面にコーティングする手法(例えば特開平
3−208639号公報)等が知られている。
合、粒子の粒径が小さくなるに従って、表面エネルギー
が著しく増大するで、凝集を抑制するためには粒子表面
を水溶性ポリマーにより被覆するなどの処理などが必要
であり、例えば特開平9−300563号公報記載の処
理方法などが知られている。しかし、被覆膜の熱劣化の
問題や生産性の低下、コストの増加を招くなどの問題が
ある。また、これらの手法を用いたとしても、粒子濃度
がある程度以上高くなれば、凝集による粗大突起の形成
は避けられず、フィルム製膜工程や加工工程において、
この粗大突起が搬送ロール上に脱落しフィルムに傷を付
けるという問題、さらに磁気テープとした時、電磁変換
特性の低下や繰り返し走行などによる傷や削れ粉が発生
するという問題がある。
子を用いずに表面に均一で微細な突起を形成する手法が
知られている(例えば特開平7−1696号公報)。し
かし、この手法では、予熱工程において表層部を結晶化
した未延伸フィルムを延伸するので、延伸ロールにおけ
る工程傷が問題となり、高密度磁気記録テ−プ用のフィ
ルムへの適用に際してはさらに改良が望まれている。
合した組成物の物性検討はいくつかの文献に記載されて
いる。例えば、ポリエステルとしてポリエチレンテレフ
タレート(PET)を用い、一方、熱可塑性樹脂として
ポリエーテルイミド(PEI)を用いて、その重量分率
の増加に伴ってガラス転移温度が上昇することが示され
ている(例えば、「JOURNAL of APPLI
ED POLYMERSCIENCE」1993年,4
8巻,935−937頁、「Macromolecul
es」1995年,28巻,2845−2851頁、
「POLYMER」1997年,38巻,4043−4
048頁」等)。しかしながら、このPETとPEIの
混合樹脂を用いてフィルムを製造することまでは検討さ
れておらず、ましてや、該フィルムの表面特性について
は全く検討されていない。
ルム表面に粗大突起が無く、均一微細な突起を高密度に
有し、さらに、粒子と良好な親和性を示すことにより粒
子脱落が少なく、そのために、特に磁気記録媒体用ベー
スフィルムとして使用したときに、表面の耐傷付き性に
優れ、電磁変換特性が向上した磁気記録媒体を得ること
ができる2軸配向積層ポリエステルフィルムを提供する
ことである。
A)と、ポリエステル以外の耐熱性熱可塑性樹脂(ポリ
マーB)とを樹脂成分とし、平均粒径が0.001〜
1.5μmの不活性粒子を0.01〜3重量%含有し、
かつ、補外ガラス転移温度(Tg-onset)が90〜15
0℃である2軸配向ポリエステルフィルムである。
ィルムを構成するポリマーは、ポリエステル(ポリマー
A)と、ポリエステル以外の耐熱性熱可塑性樹脂(ポリ
マーB)とからなる。
あっては、これを構成するフィルム層の少なくとも1層
が2軸に配向している必要がある。全ての層が無配向や
1軸配向では本発明の特性を満足させることができな
い。
A)は、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸また
は脂肪族ジカルボン酸などの酸成分とジオール成分から
構成されるポリエステル単位を70重量%以上含有する
ポリエステルである。
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4―ナフタ
レンジカルボン酸、1,5―ナフタレンジカルボン酸、
2,6―ナフタレンジカルボン酸、4,4'―ジフェニル
ジカルボン酸、4,4'―ジフェニルエーテルジカルボン
酸、4,4'―ジフェニルスルホンジカルボン酸等を用い
ることができ、なかでも好ましくは、テレフタル酸、フ
タル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸を用いること
ができる。脂環族ジカルボン酸としては、例えば、シク
ロヘキサンジカルボン酸等を用いることができる。脂肪
族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリ
ン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を用いることが
できる。これらの酸成分は1種のみを用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。好ましくは、テレフタル酸、
2,6―ナフタレンジカルボン酸等を用いることがで
き、特に好ましくは、テレフタル酸を用いることができ
る。これらの酸成分は1種のみを用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
チレングリコール、1,2ープロパンジオール、1,3―
プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3―
ブタンジオール、1,4―ブタンジオール、1,5―ペン
タンジオール、1,6―ヘキサンジオール、1,2―シク
ロヘキサンジメタノール、1,3―シクロヘキサンジメ
タノール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアル
キレングリコール、2,2'―ビス(4'―β―ヒドロキ
シエトキシフェニル)プロパン等を用いることができ、
なかでも好ましくは、エチレングリコール、1,4―ブ
タンジオール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、
ジエチレングリコール等を用いることができ、特に好ま
しくは、エチレングリコールを用いることができる。こ
れらのジオール成分は1種のみを用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
A)としては、上記の中でも、エチレンテレフタレート
を主たる構成単位とするポリエチレンテレフタレート
(PET)、及び/又は、エチレンー2,6−ナフタレ
ンジカルボキシレートを主たる構成単位とするポリ(エ
チレンー2,6−ナフタレンジカルボキシレート)(P
EN)が好ましく、特に上記ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)が好ましい。
トリメリット酸、ピロメリット酸、グリセロール、ペン
タエリスリトール、2, 4―ジオキシ安息香酸、ラウ
リルアルコール、イソシアン酸フェニル等の単官能化合
物等の他の化合物が共重合されていてもよい。さらに酸
成分、ジオール成分以外に、p−ヒドロキシ安息香酸、
m−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ
酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノ
フェノール、p−アミノ安息香酸などを本発明の効果が
損なわれない程度の少量であればさらに共重合せしめる
ことができる。
マーB)は、ポリエステル以外の耐熱性熱可塑性樹脂で
ある。ポリマーA、ポリマーBがともにポリエステルで
ある場合は、溶融押出時などにエステル交換反応が起こ
り、表面に微細な突起が形成されないため、本発明の効
果が得られない。
B)として用いられる熱可塑性樹脂としては、溶融成形
性及び、ポリエステルとの相溶性を有する耐熱性熱可塑
性樹脂であれば特に限定されず、ポリイミド系樹脂(ポ
リエーテルイミドを含む)、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテル
ケトン、ポリアリレートが例示される。
成形性等の点から、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホンから選ばれる熱可塑性樹脂が好ま
しい。即ち、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン、ポリエ
ーテルスルホンは、ガラス転移温度(Tg)が150℃
〜350℃であるので、溶融成形性が良好であり、本発
明の目的とする耐傷付き性、耐削れ性等の効果が得られ
易いからである。ポリマーBのガラス転移温度が150
℃より小さい場合には、表面が削れや傷付きに対して弱
く、本発明の効果が得られない場合がある。また、35
0℃を越える場合には、ポリマーAとポリマーアロイと
した場合の溶融成形性が悪化したり、溶融によってポリ
マーAと混練されず、表面突起が粗大となったりする。
良好な親和性を示すものであることが好ましい。ここで
いう良好な親和性を有するとは、例えば、ポリマーAと
ポリマーBからなるポリマーアロイを用い、未延伸また
は2軸延伸フィルムを作成し、該フィルム断面を透過型
電子顕微鏡で3万〜50万倍の倍率で観察した場合、外
部添加粒子などの添加物に起因しない直径200nm以
上の構造(例えば、分散不良のポリマードメインなど)
が観察されないことをいう。ただし、ポリマーAとポリ
マーBの親和性を判定する方法は特にこれに限定される
ものではなく、温度変調型DSC(MDSC)によって
単一のガラス転移点が観察される場合には良好な親和性
があると判定してもよい。
B)として用いられるポリイミド系樹脂は、例えば、下
記一般式で示されるような構造単位を含有するものが好
ましい。
化水素基から選ばれた1種もしくは2種以上の基を表し
て、また、式中のR2 は、
以上の基を表す。
は、テトラカルボン酸および/またはその酸無水物と、
脂肪族一級モノアミンおよび/または芳香族一級モノア
ミン、さらに/または脂肪族一級ジアミンおよび/また
は芳香族一級ジアミンよりなる群から選ばれる一種もし
くは2種以上の化合物を脱水縮合することにより得られ
た化合物を挙げることができる。
水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸、
1,2,3,4―ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタ
ンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、1,2,3,4―
ベンゼンテトラカルボン酸、3,3',4,4'―ビフェニ
ルテトラカルボン酸、2,2',3,3'―ビフェニルテト
ラカルボン酸、3,3',4,4'―ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸、2,2',3,3'―ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸、ビス(2,3―ジカルボキシフェニル)メタ
ン、ビス(3,4―ジカルボキシフェニル)メタン、1,
1'―ビス(2,3―ジカルボキシフェニル)エタン、
2,2'―ビス(3,4―ジカルボキシフェニル)プロパ
ン、2,2'―ビス(2,3―ジカルボキシフェニル)プ
ロパン、ビス(3,4―ジカルボキシフェニル)エーテ
ル、ビス(2,3―ジカルボキシフェニル)エーテル、
ビス(3,4―ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス
(2,3―ジカルボキシフェニル)スルホン、2,3,6,
7―ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8―ナフ
タレンテトラカルボン酸、1,2,5,6―ナフタレンテ
トラカルボン酸、2,3,6,7―アントラセンテトラカ
ルボン酸、1,2,7,8―フェナントレンテトラカルボ
ン酸、3,4,9,10―ペリレンテトラカルボン酸、4,
4'―(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸、4,4'
―(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸、2,2'―ビ
ス[(2,3―ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロ
パン等および/またはその酸無水物等が用いられる。
炭素数2〜22の飽和または不飽和の直鎖、分岐または
脂環系のモノアミンが用いられ、具体的には、エチルア
ミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミ
ン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、
デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、ト
リデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルア
ミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オク
タデシルアミン、ノナデシルアミン、エイコシルアミ
ン、ヘネイコシルアミン、ドコシルアミン、シクロヘキ
シルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、ジメチルシ
クロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミンお
よびこれらの構造異性体などが用いられる。
非置換あるいは炭素数1〜22のアルキル置換の一級ア
ニリンが用いられ、具体的には、アニリン、トルイジ
ン、エチルアニリン、プロピルアニリン、ブチルアニリ
ン、ペンチルアニリン、ヘキシルアニリン、ヘプチルア
ニリン、オクチルアニリン、ノニルアニリン、デシルア
ニリン、ウンデシルアニリン、ドデシルアニリン、トリ
デシルアニリン、テトラデシルアニリン、ペンタデシル
アニリン、ヘキサデシルアニリン、ヘプタデシルアニリ
ン、オクタデシルアニリン、ノナデシルアニリン、エイ
コシルアニリン、ヘネイコシルアニリン、ドコシルアニ
リンおよびこれらの構造異性体等が用いられる。
素数1〜12のメチレン基で結合された一級ジアミンや
脂環基を有するジアミンが用いられ、具体的には、エチ
レンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジア
ミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、
ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、
1, 3―ビスアミノシクロヘキサン、ジアミノジシク
ロヘキシルメタン、m−キシレンジアミンおよびこれら
の構造異性体などが用いられる。
ンジジン、ジメチルベンジジン、ジアミノジフェニルメ
タン、ジアミノジトリルメタン、ジアミノジフェニルエ
タン、ジアミノジフェニルプロパン、ジアミノジフェニ
ルブタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフ
ェニルスルホン、ジアミノジフェニルベンゾフェノン、
o, m, p―フェニレンジアミン、トリレンジアミ
ン、キシレンジアミン等およびこれらの例示した芳香族
一級ジアミンの炭化水素基を構造単位に有する芳香族一
級ジアミン等が用いられる。
ステルとの溶融成形性や取り扱い性などの点から、例え
ば、下記一般式で示されるように、ポリイミド構成成分
にエーテル結合を含有するポリエーテルイミドが特に好
ましい。
する2価の芳香族または脂肪族残基;R4 は6〜30個
の炭素原子を有する2価の芳香族残基、2〜20個の炭
素原子を有するアルキレン基、2〜20個の炭素原子を
有するシクロアルキレン基、及び2〜8個の炭素原子を
有するアルキレン基で連鎖停止されたポリジオルガノシ
ロキサン基からなる群より選択された2価の有機基であ
る。) 上記R3 、R4 としては、例えば、下記式群に示される
芳香族残基
エステル(ポリマーA)との相溶性、コスト、溶融成形
性等の観点から、下記式で示される構造単位を有する、
2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキ
シ)フェニル]プロパン二無水物と、m−フェニレンジ
アミンまたはp−フェニレンジアミンとの縮合物が特に
好ましい。
の商標名で、ジーイープラスチックス社より入手可能で
ある。
B)として用いられるポリエーテルスルホンは、芳香族
環が1つのスルホニル基と、1つまたは2つのエーテル
基とで結合された、下記式(PES1)、(PES
2)、(PES3)の少なくとも1種を繰り返し単位と
するポリマーであるが、本発明の効果を阻害しない範囲
で、他の構造単位がある程度共重合されていてもよい。
その場合、共重合される他の構造単位は、0.1〜30
mol%が好ましい。
るポリスルホンは、下記式(PSF1)の繰り返し単位
を有するポリマーであるが、例えばアルキル基などの官
能基を含んでいてもよく、また本発明の効果を阻害しな
い範囲で、他の構造単位がある程度共重合されていても
よい。その場合、共重合される他の構造単位は、0.1
〜30mol%が好ましい。
を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。さらに、
必要に応じて、相溶化剤を併用すれば、分散径を制御で
きるため好ましい。この場合、相溶化剤の種類は、ポリ
マーの種類によって異なるが、添加量は0.01〜10
重量%が好ましい。
わせは、上記の中でも、ポリエチレンテレフタレートと
ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレートとポ
リスルホン、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボキシレート)とポリエーテルイミド、ポリ(エチレ
ン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)とポリス
ルホン、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボ
キシレート)とポリエーテルスルホンの組み合わせが特
に好ましい親和性を示す。さらにその中でも、溶融成形
性、溶融状態におけるアロイの安定性、2軸延伸した際
の突起形成性の観点から、ポリエチレンテレフタレート
とポリエーテルイミドが最も好ましい組み合わせとして
例示される。
補外ガラス転移開始温度(Tg-onset)は、90〜15
0℃である。より好ましくは95〜130℃、さらに好
ましくは100〜120℃の範囲内である。上記のポリ
エステルと耐熱性熱可塑性樹脂を用い、補外ガラス転移
開始温度がこの範囲内にある場合に、フィルム表面にポ
リマーAとポリマーBの微分散状態または微細な相分離
状態に起因すると考えられる非常に微細な突起が多数形
成され、この微細突起、または地肌のポリマーの削り取
られにくさに起因していると思われるが、フィルム表面
が傷に対して強くなる。また、ポリエステル単体で構成
する場合よりも、粒子の脱落による傷が低減される。補
外ガラス転移開始温度が90℃より小さい場合には、フ
ィルムを延伸する際のポリマーA、ポリマーBのドメイ
ンがともに延伸されやすいため、微細な突起が形成され
にくく、さらに、磁気テープとして使用する場合、熱に
よる寸法安定性が低下し、使用に耐えない。また、15
0℃より高い場合には、フィルムの延伸性や加工特性が
低下する。
ガラス転移温度(Tg)は特に限定されないが、単一で
あることが好ましい。このようにガラス転移温度が単一
であることは、ポリエステルと耐熱性熱可塑性樹脂が互
いに相溶していることを示す。両者が相溶した場合のT
gは、ポリマーAのTgとポリマーBのTgの間に存在
することが一般的に知られている。なお、単一のガラス
転位点温度(Tg)を有するとは、理想的には文字通り
Tgが唯一1つのみ認められ、それ以外のTgないしは
それに相当するものが全く認められないことであるが、
前記Tgの熱流束のギャップ以外に熱流束のギャップ様
のものが認められたとしても、前記Tgの1/10以下
の熱流束のギャップである場合には、これを無視し、単
一のガラス転位点温度(Tg)を有するものとみなす。
また、ガラス転移温度付近に、5mJ/mg以下のショ
ルダーがあっても、単一のTgを有するものとみなす。
は、不活性粒子を含有してなる。不活性粒子としては一
般的なものが用いられ、特に限定されないが、例えば、
クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、湿式または乾式シリカ、コロイド状シリ
カ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニ
ウム、アルミナおよびジルコニア等の無機粒子、アクリ
ル酸類、スチレン、ジビニルベンゼン等を構成成分とす
る有機粒子、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等
によって析出する、いわゆる内部粒子などを挙げること
ができる。この中でも、高分子架橋粒子、アルミナ粒
子、球状シリカ粒子、ケイ酸アルミニウム粒子が特に好
ましい。さらに、ポリマーAとしてポリエチレンテレフ
タレートを用いる場合、高分子架橋粒子、アルミナ粒
子、ケイ酸アルミニウム粒子が特に耐削れ性、耐傷付き
性に優れるため好ましく、ポリマーAとしてポリ(エチ
レン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)を用い
る場合、高分子架橋粒子、アルミナ粒子、球状シリカ粒
子が好ましく例示される。
にも本発明の効果を発揮することができるが、アルミナ
粒子と高分子架橋粒子、または、アルミナ粒子とケイ酸
アルミニウム粒子を併用した場合に、特に優れた耐削れ
性、耐傷付き性を発揮する。
含有される不活性粒子の平均粒径は0.001〜1.5
μm、好ましくは0.005〜1μm、より好ましくは
0.01〜0.5μmである。0.001μm未満の場
合は、このような小粒径の不活性粒子の工業的製造が困
難であることに加え、フィルム表面突起形成としての役
割を果たさない。1.5μmを超える場合には、粗大突
起として脱落しやすくなったり、電磁変換特性を低下さ
せる。
含有される不活性粒子の含有量は、0.01〜3重量
%、好ましくは0.02〜1重量%、より好ましくは
0.05〜0.5重量%である。0.01重量%未満の
場合は、フィルムの走行特性、耐削れ性、耐傷付き性な
どに有効でない。3重量%を超える場合には、凝集して
粗大突起となり脱落しやすい。
熱性熱可塑性樹脂(ポリマーB)を添加する方法は、特
に限定されないが、ポリマーAの重合前、例えば、エス
テル化反応前に添加してもよいし、重合後に溶融押出前
に添加してもよい。また、ポリマーAとポリマーBを予
めペレタイズして使用してもよい。また、ペレタイズの
際に、一旦、ポリマーB1を高濃度(例えば、35〜6
5重量%、より好ましくは40〜60重量%)含有する
マスターペレットを作成してから、さらにポリマーAで
希釈して、所定の濃度に調整する方法を用いると、ポリ
マー同士の分散性が向上し、ポリマーアロイとしてより
好ましい分散状態を示し、補外ガラス転移開始温度を本
発明の範囲に制御し易いため特に好ましい。またポリマ
ーアロイをより好ましい分散状態に調整する他の方法と
しては、例えば、タンデム押出機を用いて混合する方
法、2種類以上のポリエステルを用いてポリマーBを微
分散させる方法、粉砕器でポリマーBを粉末状に粉砕し
た後に混合する方法、両者を溶媒に溶解し共沈させるこ
とにより混合する方法、一方を溶媒に溶かした溶液状と
した後に他方に混合する方法なども挙げられるが、この
限りではない。
は、単層であってもよいし、少なくとも2層以上の積層
構造であってもよい。積層構造をとる場合、本発明のフ
ィルム層を基層部として用いてもよいし、積層部として
用いてもよいが、少なくとも一方の表層は本発明のフィ
ルム層からなることが好ましい。中でも、本発明のフィ
ルム層を基層部(最もフィルム厚みの厚い層)として、
その片側にフィルムの走行性やハンドリング性を良化さ
せる役割を担うフィルム層を薄膜積層した2層構成が電
磁変換特性や耐傷付き性や耐削れ性が特に優れるため好
ましい。基層部のフィルム層の片側に走行性やハンドリ
ング性を良化させる役割を担うフィルム層を積層し、そ
の反対側の表層に電磁変換特性の良化などの役割を担う
ために本発明のフィルム層を薄膜積層したA/B/C型
3層積層構成の場合、2層積層構成と比較して、さらに
優れた電磁変換特性を得ることができるが、3台の押出
機を必要とするため、生産上のトラブルが多くなったり
するため、生産効率の点では劣る。また、上記積層構成
の場合、本発明の請求項を満たすフィルム層が2層以上
用いられていてもよいし、本発明のフィルム層のみから
構成されていてもよい。本発明のフィルム層の他の層に
用いられるポリマーは、特に限定されないが、本発明と
同様のポリエステルと耐熱性熱可塑性樹脂の中から選ば
れることが好ましい。ただし、ポリエステルと耐熱性熱
可塑性樹脂の含有比率は異なっていても構わない。本発
明のフィルム層と他の層のポリマーが同一であれば、積
層フィルムを延伸する場合、フィルム層間に延伸応力の
差が生じにくいため、ひび割れや、積層部の剥離が生じ
にくいため好ましい。
は、特に限定されないが、本発明の不活性粒子の平均粒
径d(nm)と積層厚さt(nm)との関係が0.2d
≦t≦10dである場合、均一な高さの突起が得られる
ため好ましい。
B)の含有量は、特に限定されないが、5〜50重量%
の範囲にあることが好ましい。さらに好ましくは、7〜
40重量%の範囲であり、より好ましくは、10〜30
重量%の範囲である。ポリエステル(ポリマーA)と耐
熱性熱可塑性樹脂(ポリマーB)の溶融粘度は大きく異
なるため、ポリマーAの含有量が5重量%未満であれ
ば、押出機にて十分な混練を得て互いに微分散すること
が困難なことがあり、また表面の耐傷付き性に対する効
果が小さいので好ましくない。また、ポリマーBの含有
量が50重量%を超える量であれば、押出成形加工や延
伸加工を施すことが困難であったり、微分散または相分
離によるポリマーBのドメインが大きくなりすぎて、粗
大突起が生成することがある。
長手方向のヤング率と幅方向のヤング率の和は、特に限
定されないが、10〜25GPaの範囲であることが好
ましく、より好ましくは12〜22GPa、さらに好ま
しくは14〜20GPaである。該ヤング率の和が10
GPa未満であれば、例えば、磁気記録媒体用などに用
いる場合、走行時の磁気記録ヘッドやガイドピンから受
ける張力のため、磁気テープに伸び変形が生じやすくな
り、さらに電磁変換特性(出力特性)に悪影響を与えた
りして、実用上使用に耐えないことがある。また、該ヤ
ング率の和が25GPaを越えるフィルムは工業的に製
造が困難であったり、フィルムの耐引裂性や寸法安定性
が著しく低下したりすることがある。
長手方向と幅方向の少なくとも一方向の温度100℃、
30分における熱収縮率は、特に限定されないが、テー
プの伸び変形性および保存性の観点から、0.01〜
2.0%であることが好ましい。より好ましくは、0.
01〜1.5%であり、さらに好ましくは、0.01〜
1.0%である。温度100℃の熱収縮率が2.0%を
越える場合は、寸法安定性が損なわれやすくなることが
あり、例えば磁気記録媒体用においては、ベースフィル
ムの磁気層を塗布するなどのフィルム加工工程における
熱履歴や走行時の磁気テープと磁気記録ヘッドとの摩擦
熱による磁気テープの昇温時にテープの熱変形が起こり
やすくなったり、フィルム表面の耐久性が劣ったり、テ
ープの保存性が悪化することがある。また、温度100
℃の熱収縮率が0.01%未満の場合には、フィルムが
膨張して、しわが発生したりすることがある。
固有粘度は、特に限定されないが、フィルム成形加工の
安定性や寸法安定性などの観点から、0.50〜2.0
(dl/g)の範囲であることが好ましく、さらに好ま
しくは0.55〜1.0(dl/g)である。
は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、熱安定剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、
染料、脂肪酸エステル、ワックスなどの有機滑剤などが
添加されていてもよい。
用途は、特に限定されないが、コンデンサー用、感熱転
写リボン用、感熱孔版印刷原紙用などにも好ましく用い
られるが、特に好ましくは、均一で微細な表面を必要と
する磁気記録媒体用である。中でも、磁気記録媒体用で
は、高密度磁気記録用テープ、例えば、データストレー
ジ用のベースフィルムに適したものであり、該データ記
録容量としては、好ましくは30GB(ギガバイト)以
上、より好ましくは70GB以上、さらに好ましくは1
00GB以上である。
厚みは、特に限定されないが、1000μm以下が好ま
しく、さらに好ましくは0.5〜500μmの範囲であ
る。フィルム厚みは、用途、目的に応じて適宜決定すれ
ばよいが、通常磁気記録材料用では1〜15μm、デー
タ用またはデジタルビデオ用塗布型磁気記録媒体用では
2〜10μm、データ用またはデジタルビデオ用蒸着型
磁気記録媒体用では3〜9μmの範囲が好ましい。ま
た、コンデンサー用には、好ましくは0.5〜15μm
のフィルムが適用され、絶縁破壊電圧および誘電特性の
安定に優れたものとなる。熱転写リボン用途には、好ま
しくは1〜6μmのフィルムが適用され、印字する際の
しわがなく、印字むらやインクの過転写を生じることな
く、高精細な印刷が行うことができる。感熱孔版原紙用
途には、好ましくは0.5〜5μmのフィルムが適用さ
れ、低エネルギーでの穿孔性にも優れ、エネルギーレベ
ルに応じて穿孔径を変化させることが可能であり、複数
版でのカラー印刷を行う場合などの印刷性にもすぐれて
いる。
は、磁性層やインク類との易接着性の付与または微細な
表面突起を有する不連続被膜を形成することなどを目的
として、フィルム表面に、水溶性ポリエステルなどをコ
ーティグさせてもよい。
は、必要に応じて、熱処理、成形、表面処理、ラミネー
ト、印刷、エンボス加工、エッチングなどの任意の加工
を行ってもよい。また、磁気記録媒体として用いる場合
には、磁性層が形成される。
磁性金属薄膜や強磁性金属微粉末を結合剤中に分散して
なる磁性層や金属酸化物塗布による磁性層などが好適な
例として挙げられる。前記強磁性金属薄膜としては、
鉄、コバルト、ニッケルやその合金等が好ましい。ま
た、前記強磁性金属微粉末を結合剤中に分散してなる磁
性層に用いる強磁性金属微粉末としては、強磁性六方晶
フェライト微粉末や、鉄、コバルト、ニッケルやその合
金が好ましい。前記結合剤としては熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物などが好まし
い。
可塑性あるいは放射線硬化性などの結合剤と混練し塗
布、乾燥を行う塗布法、金属または合金を蒸着、スパッ
タリング、イオンプレーティング法などにより、基材フ
ィルム上に直接磁性金属薄膜層を形成する乾式法のいず
れの方式も採用できる。
金属薄膜上に保護膜が設けられていてもよく、この保護
膜によってさらに走行耐久性、耐食性を改善することが
できる。保護膜としては、シリカ、アルミナ、チタニ
ア、ジルコニア、酸化コバルト、酸化ニッケルなどの酸
化物保護膜、窒化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素など
の窒化物保護膜、炭化ケイ素、炭化クロム、炭化ホウ素
等の炭化物保護膜、グラファイト、無定型カーボンなど
の炭素からなる炭素保護膜があげられる。
パッタリング法等で作成したアモルファス、グラファイ
ト、ダイヤモンド構造、もしくはこれらの混合物からな
るカーボン膜であり、特に好ましくは一般にダイヤモン
ドライクカーボンと呼ばれる硬質カーボン膜である。
滑剤との密着をさらに向上させる目的で、硬質炭素保護
膜表面を酸化性もしくは不活性気体のプラズマによって
表面処理してもよい。
よび耐食性を改善するため、上記磁性膜もしくは保護膜
上に、潤滑剤や防錆剤を付与することが好ましい。
製造方法は、押出機を用いた溶融押出により口金から吐
出し、溶融ポリマーを冷却固化させてシート状に成形す
るフィルムの製造方法において、少なくとも1台はポリ
エステル(ポリマーA)と耐熱性熱可塑性樹脂(ポリマ
ーB)との混合溶融ポリマーを溶融押出により口金から
吐出し、溶融ポリマーを冷却固化させてシート状に成形
するものである。この際、特に限定されないが、押出機
にベント式2軸押出機を用いると、本発明の補外ガラス
転移温度に制御し易くなり好ましい。また、押出機から
口金までの吐出時間は30秒以上とすることが好まし
い。これ未満の場合、ポリマーAとポリマーBの分散性
が悪くなり、フィルム特性が低下する場合がある。
ないが、該シート状成型物を長手方向に1〜10倍、幅
方向に1〜10倍の倍率で延伸し、しかる後に150℃
〜250℃の温度で熱処理することが好ましい。
倍、幅方向に2〜9倍の倍率で延伸し、しかる後に17
0〜230℃の温度で熱処理することであり、さらに好
ましい条件は、長手方向に3〜8倍、幅方向に3〜8倍
の倍率で延伸し、しかる後に180〜220℃の温度で
熱処理することである。耐熱性熱可塑性樹脂(ポリマー
B)をポリエステル(ポリマーA)に添加する時期は、
特に限定されないが、ポリエステルの重合前、例えば、
エステル化反応前に添加してもよいし、重合後に溶融押
出前に添加してもよい。中でも、溶融押出前に、ポリエ
ステルと耐熱性熱可塑性樹脂をペレタイズして、マスタ
ーチップにすることが溶融成形性の観点から好ましい。
延伸形式としては、長手方向に延伸した後に幅方向に延
伸を行う方法などの一方向ずつの延伸を組み合わせた逐
次2軸延伸法や、同時2軸テンター等を用いて長手方向
と幅方向を同時に延伸する同時2軸延伸法、さらに、逐
次2軸延伸法と同時2軸延伸法を組み合わせた方法など
が包含される。
製造方法の例について説明するが、これに限定されるも
のではない。ここでは、ポリエステル(ポリマーA)と
して、ポリエチレンテレフタレートを用い、耐熱性熱可
塑性樹脂(ポリマーB)として、ポリエーテルイミド
“ウルテム”を用いた単層フィルムの例を示すが、用い
るポリエステルや耐熱性熱可塑性樹脂によって製造条件
は異なる。また、積層フィルムの際には、製造条件の詳
細は異なる。
ングリコールからエステル化し、または、テレフタル酸
ジメチルとエチレングリコールをエステル交換反応によ
り、ビスーβ―ヒドロキシエチルテレフタレート(BH
T)を得る。次にこのBHTを重合槽に移行しながら、
真空下で280℃に加熱して重合反応を進める。ここ
で、固有粘度が0.5程度のポリエステルを得る。得ら
れたポリエステルをペレット状で減圧下において固相重
合する。固相重合する場合は、あらかじめ180℃以下
の温度で予備結晶化させた後、190〜250℃で1m
mHg程度の減圧下、10〜50時間固相重合させる。
また、フィルムを構成するポリエステルに粒子を含有さ
せる方法としては、エチレングリコールに粒子を所定割
合にてスラリーの形で分散させ、このエチレングリコー
ルをテレフタル酸と重合させる方法が好ましい。粒子を
添加する際には、例えば、粒子を合成時に得られる水ゾ
ルやアルコールゾルを一旦乾燥させることなく添加する
と粒子の分散性がよい。また、粒子の水スラリーを直接
所定のポリエステルのペレットと混合し、ベント式2軸
混練押出機を用いて、ポリエステルに練り込む方法も有
効である。粒子の含有量、個数を調節する方法として
は、上記方法で高濃度の粒子のマスターを作っておき、
それを製膜時に粒子を実質的に含有しないポリエステル
や耐熱性熱可塑性樹脂またはその混合物で希釈して粒子
の含有量を調節する方法が有効である。
ペレットとポリエーテルイミドのペレットを、所定の割
合で混合して、270〜300℃に加熱されたベント式
の2軸混練押出機に供給して、溶融押出する。このとき
の剪断速度は50〜300sec-1が好ましく、より好
ましくは100〜200sec-1であり、滞留時間は
0.5〜10分が好ましく、より好ましくは1〜5分の
条件である。さらに、上記混練条件で相溶しない場合
は、得られたチップを再び2軸押出機に投入し相溶する
まで混練押出を繰り返してもよい。
ミド含有のポリエステルのペレットを、180℃で3時
間以上真空乾燥した後、固有粘度が低下しないように窒
素気流下あるいは真空下で280〜320℃に加熱され
た押出機に供給し、従来から行われている方法により製
膜する。また、異物や変質ポリマーを除去するために各
種のフィルター、例えば、焼結金属、多孔性セラミッ
ク、サンド、金網などの素材からなるフィルターを用い
ることが好ましい。また、必要に応じて、定量供給性を
向上させるためにギアポンプを設けてもよい。押出機を
用いて、溶融状態のポリエステルとポリエーテルイミド
の混合物のシートをスリット状のダイから押出し、キャ
スティングロール上で冷却して未延伸フィルムを作る。
2軸配向させる。延伸方法としては、逐次2軸延伸法ま
たは同時2軸延伸法を用いることができる。ここでは、
最初に長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次2軸延伸
法を用いる。延伸温度については、ポリエステルと耐熱
性熱可塑性樹脂の構成により異なり、また積層構成の場
合は大きく異なるが、例えば、ポリエチレンテレフタレ
ートとポリエーテルイミドの混合ポリマーからなる場合
を例示して説明する。未延伸フィルムを70〜150℃
の加熱ロール群で加熱し、長手方向に1〜10倍に1段
もしくは2段以上の多段で延伸し、20〜50℃の冷却
ロール群で冷却する。長手方向延伸速度は1000〜5
0000%/分の範囲で行うのが好ましいが、特に限定
されない。続いて、幅方向の延伸方法としては、例え
ば、テンターを用いる方法が一般的である。幅方向の延
伸倍率は1〜10倍、延伸速度は1000〜20000
%/分、温度は80〜150℃の範囲で行うのが好まし
いが、特に限定されない。さらに必要に応じて、再縦延
伸および/または再横延伸を行う。その場合の延伸条件
としては、長手方向の延伸は、温度80〜180℃、延
伸倍率1.1〜2.0倍、幅方向の延伸方法としてはテ
ンターを用いる方法が好ましく、温度80〜180℃、
延伸倍率1.1〜2.0倍で行うのが好ましいが、特に
限定されない。トータルの延伸倍率は、長手方向に1〜
10倍、幅方向に1〜10倍であることが好ましい。よ
り好ましくは、長手方向に2〜9倍、幅方向に2〜9倍
であり、さらに好ましくは、長手方向に3〜8倍、幅方
向に3〜8倍である。
幅方向に弛緩しながら熱処理する。この場合の熱処理温
度は、150℃〜250℃、好ましくは、170〜23
0℃、さらに好ましくは180〜220℃で、時間は
0.2〜30秒の範囲で行うのが好ましいが、特に限定
されない。
法] (1)補外ガラス転移開始温度(Tg-onset)、ガラス
転移温度(Tg) 下記装置および条件でフィルム試料について比熱測定を
行い、JIS K7121に従って決定した。
度+補外ガラス転移終了温度)/2なお、上記の測定に
おいて、2つ以上のガラス転移温度(または補外ガラス
転移開始温度)が観測される場合、最も低温側のガラス
転移温度(または補外ガラス転移開始温度)を採用す
る。
顕微鏡(TEM)を用い、1万倍以上の倍率で観察す
る。TEMの切片厚さは約100nmとし、場所を変え
て100視野以上測定する。粒子の平均粒径dは重量平
均径(等価円相当径)から求める。
子をポリマから遠心分離し、全体重量に対する粒子の比
率(重量%)を求める方法によって得られた値を粒子含
有量とする。
熱性熱可塑性樹脂(ポリマーB)の含有量 ポリマーA及びポリマーBの両者を溶解する適切な溶媒
(例えば、HFIP/重クロロホルム)に溶解し、1H
核のNMRスペクトルを測定する。得られたスペクトル
で、ポリマーAとポリマーBに特有の吸収(例えば、P
ETであればテレフタル酸の芳香族プロトン、PEIで
あればビスフェノールAの芳香族のプロトン)のピーク
面積強度をもとめ、その比率とプロトン数よりブレンド
のモル比を算出する。さらにポリマーの単位ユニットに
相当する式量より重量比を算出する。測定条件は、例え
ば、以下のような条件であるが、ポリマーA、ポリマー
Bの種類によって異なるため、この限りではない。
顕微赤外分光法)で組成分析を行ってもよい。その場
合、ポリエステル(ポリマーA)のカルボニル基に起因
するピークと、ポリエステル以外の物質に起因するピー
クの比から求める。なお、ピーク高さ比を重量比に換算
するために、あらかじめ重量比既知のサンプルで検量線
を作成してポリエステル(ポリマーA)とそれ以外の物
質の合計量に対するポリエステル(ポリマーA)比率を
求める。これと、粒子含有量より耐熱性熱可塑性樹脂
(ポリマーB)比率を求める。また、必要に応じてX線
マイクロアナライザーを併用してもよい。
速電圧100kVで、フィルム断面を、超薄切片法(R
uO4染色)で観察し、その界面をとらえ、その積層厚
さを求める。倍率は、判定したい積層厚さによって選ぶ
ことが通常であり、特に限定されないが、1万〜10万
倍が適当である。
合には、2次イオン質量分析装置(SIMS)を用い
て、表層から深さ3000nmの範囲のフィルム中の粒子
のうち最も高濃度の粒子に起因する元素、あるいはPE
Iに起因する元素と、ポリエステルの炭素元素の濃度比
(M+/C+)を粒子濃度とし、表面から深さ3000n
mまで厚さ方向の分析を行う。表層では表面という界面
のために粒子(あるいはPEIに起因する元素)濃度は
低く表面から遠ざかるにつれて粒子(あるいはPEIに
起因する元素)濃度は高くなる。本発明フィルムの場合
は一旦極大値となった粒子(あるいはPEIに起因する
元素)濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲線をも
とに表層粒子(あるいはPEIに起因する元素)濃度が
極大値の1/2となる深さ(この深さは極大値となる深
さよりも深い)を求め、これを積層厚さとする。条件は
次の通りである。
る粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定が難
しいので、表面からエッチングしながらXPS(X線光
電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様のデ
プスプロファイルを測定し積層厚みを求める。
ストロングタイプの引っ張り試験機を用いて、25℃、
65%RHにて測定した。
から下式から計算される値を用いる。
100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/100ml、
通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とする)
である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度
計を用いて測定する。
て中心線平均粗さRaを測定した。条件は下記のとおり
であり、フィルム幅方向に走査して20回測定を行った
平均値をもって値とした。 ・触針先端半径:0.5m ・触針荷重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値:0.08mm
N) 本発明のフィルムに連続真空蒸着装置を用いて、微量の
酸素の存在下にコバルト・ニッケル合金(Ni20重量
%)の厚み200nmの蒸着層を設けた。さらに、蒸着
層表面にカーボン保護膜を公知の手段で形成させた後、
8mm幅にスリットし、パンケーキを作成した。次い
で、このパンケーキから長さ200m分をカセットに組
み込み、カセットテープとした。
N比を求めた。S/N比の測定には、TV試験信号発生
器から信号を供給し、ビデオノイズメーターを用い、市
販のスタンダードHi8MEテープを0デシベル(d
B)として比較測定した。なお、走行条件は25℃、6
0%RHである。
比較して、0dB以上あれば、デジタル記録方式のVT
Rテープとして、十分使用できるレベルである。次の基
準で評価した。
る。
イドピン(材質:SUS、表面粗度Ra:40nm)上
に、1/2インチ幅のテープ状フィルムを角度:90゜
で巻き付け(入側張力:50g、走行速度:3.3cm
/秒、走行回数:1回)、摩擦係数μkを測定した。
リットしたものをテープ走行性試験機TBT−300型
((株)横浜システム研究所製)を使用し、25℃、6
5%RH雰囲気で走行させ、初期の摩擦係数を下記の式
より求めた(フィルム幅は1/2インチとした)。な
お、フィルムが積層構成の場合は、本発明のフィルム層
側の表面を測定面とした。 μK=(2/π)ln(T2/T1) ここでT1は入側張力、T2は出側張力である。この測
定によって得られたμK値はフィルムを蒸着型磁性層を
有する磁気記録媒体として用いた場合、磁気ヘッドの走
行性を左右する値であり、0.7以上でヘッドとの走行
性が不良となる。磁気ヘッドとの走行性は、磁気ヘッド
走行時のフィルムの傷付きと密接に関係する。
る耐傷付き性) 50℃相対湿度60%の雰囲気下で、外径6mmφのガ
イドピン(材質:SUS、表面粗度:0.2S)上に、
1/2インチ幅のテープ状フィルムを巻き付け角60゜
で巻き付け、入側張力35g、走行速度100m/分の
条件で、繰り返し走行(3分間×5回)させた。走行後
ガイドピン表面に付着した削れ粉を目視で観察し、また
フィルムに入った傷を顕微鏡で観察し、幅2μm以上の
傷がテープ幅あたり何本あるかを調べた。なお測定面
は、上記(10)の走行性を評価した面側と同一表面を
評価した。
工程における耐傷付き性) フィルムの測定面(100cm2)同士を2枚重ね合わ
せて静電気力(印加電圧5.4kv)で密着させた後、
2枚のフィルム間で粗大突起の光の干渉によって生じる
ニュートン環が1重環以上の粗大突起数を測定した。な
お、光源はハロゲンランプに564nmのバンドパスフ
ィルタをかけて用いた。この粗大突起の形状を光学顕微
鏡(x100)を用いて観察し、傷状の形状を有するも
のの個数をカウントし、以下の基準で評価した。
が2つ以上であり×がないものを◎、◎が1つ以下で×
のないものを○、1つでも×があるものを×とした。
る。
明する。
トをPET、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボキシレート)をPEN、ポリエーテルイミドをPE
I、ポリエーテルスルホンをPES、ポリスルホンをP
SF、ポリプロピレンをPPと略記する。ここで、PE
Iとしては、General Electric(G
E)社製の固有粘度0.68の“ウルテム”1010
を、PESとしては、前記式(PES1)を繰り返し単
位とするポリエーテルスルホンを、また、PSFとして
は、前記式(PSF1)を繰り返し単位とするポリスル
ホンを用いた。少なくとも2層以上の積層構成の場合に
は、それぞれのフィルム層にA層、B層、C層の符号を
付した。このうち、少なくともA層は本発明に該当する
フィルム層である。なお、層厚みにおいて、最も厚みの
厚い層が、上述に言う基層部であり、それ以外が積層部
である。
ペレット(50重量%)とGeneral Elect
ric(GE)社製の固有粘度0.68の“ウルテム”
1010(以下PEIと略す)(50重量%)を、29
0℃に加熱された同方向回転タイプのベント式2軸混練
押出機に供給して、“ウルテム”を50重量%含有した
ブレンドチップを作成した。
熱された押出機Aには、上記ペレタイズ操作により得た
ブレンドチップ20重量部と平均粒径0.04μmのア
ルミナ粒子を2重量%含有するPETチップ10重量部
と平均粒径0.3μmの高分子架橋粒子(架橋ジビニル
ベンゼン粒子)を1重量%含有するPETチップ8重量
部と実質的に粒子を含有しないPETチップ62重量部
を180℃で3時間真空乾燥した後に供給し、280℃
に加熱された押出機Bには、上記ペレタイズ操作により
得たブレンドチップ20重量部と平均粒径0.8μmの
球状シリカ粒子を2重量%含有するPETチップ2.5
重量部と平均粒径0.3μmの球状シリカ粒子を2重量
%含有するPETチップ30重量部と実質的に粒子を含
有しないPETチップ47.5重量部を180℃で3時
間真空乾燥した後に供給した。その後、Tダイ中で合流
させ(積層比12/1)、表面温度25℃のキャストド
ラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未
延伸フィルムを作成した。
長手方向に、温度97℃で3.2倍延伸し、次にテンタ
ーを用いて、幅方向に温度103℃で4.5倍延伸し、
さらにロール式延伸機にて長手方向に、温度155℃で
1.6倍再縦延伸し、テンターを用いて、幅方向に温度
195℃で1.1倍再横延伸した後、定長下で温度21
0℃で10秒間熱処理後、幅方向に2%の弛緩処理を行
い、厚さ6.5μmの積層2軸配向ポリエステルフィル
ムを得た。
ヤング率は長手方向は6.5GPa、幅方向は4.8G
Pa、熱収縮率は長手方向は1.5%、幅方向は0.5
%であった。
は、表2に示したとおり、電磁変換特性、耐削れ性、耐
傷付き性など磁気記録媒体用ベースフィルムとして優れ
た特性を有していた。
粒子含有量、延伸倍率などを変更し、押出機を1台用い
て単層とし、実施例1と同様にして2軸配向ポリエステ
ルフィルムを得た。
は、表2に示したとおり、電磁変換特性、耐削れ性、耐
傷付き性など磁気記録媒体用ベースフィルムとして優れ
た特性を有していた。
粒子含有量、延伸倍率などを変更し、押出機を3台用い
て3層積層とし、実施例1と同様にして2軸配向ポリエ
ステルフィルムを得た。
は、表2に示したとおり、電磁変換特性、耐削れ性、耐
傷付き性など磁気記録媒体用ベースフィルムとして優れ
た特性を有していた。
粒子含有量などを変更し、実施例1と同様にして、未延
伸フィルム(A/B/C型3層積層)を得た後、該未延
伸フィルムの両端部をクリップで把持して、リニアモー
ター方式の同時2軸延伸テンターに導き、フィルム温度
を103℃に加熱し、面積延伸倍率12.25倍(縦倍
率:3.5倍、横倍率:3.5倍)で同時2軸延伸す
る。続いて、フィルム温度を165℃にして、面積延伸
倍率2.56倍(縦倍率:1.6倍、横倍率:1.6
倍)で同時2軸で再延伸し、定長下で温度210℃で8
秒間熱処理後、縦横各方向に1.5%の弛緩処理を行
い、厚さ6.7μmの2軸配向ポリエステルフィルムを
得る。
は、表2に示したとおり、電磁変換特性、耐削れ性、耐
傷付き性など磁気記録媒体用ベースフィルムとして優れ
た特性を有していた。
ET90重量%のブレンドポリマー(平均粒径0.03
μmの高分子架橋粒子を0.03重量%と平均粒径0.
2μmのケイ酸アルミニウム粒子を0.12重量%含有
する)、B層のポリマーをPETに変更し、実施例1と
同様にしてA/B型2層配向ポリエステルフィルムを得
た。
は、表2に示したとおり、電磁変換特性、耐削れ性、耐
傷付き性など磁気記録媒体用ベースフィルムとして優れ
た特性を有していた。
EN85重量%のブレンドポリマー(平均粒径0.2μ
mの球状シリカ粒子を0.32重量%含有する)、B層
ポリマーをPESとPENのブレンドポリマーに変更
し、実施例1と同様にして、A/B型2層配向ポリエス
テルフィルムを得た。なお、再縦再横延伸は行わなかっ
た。
は、表2に示したとおり、電磁変換特性、耐削れ性、耐
傷付き性など磁気記録媒体用ベースフィルムとして優れ
た特性を有していた。
ES5重量%とPEN85重量%のブレンドポリマー
(平均粒径0.25μmの球状シリカ粒子を0.1重量
%と平均粒径0.02μmのアルミナ粒子0.5重量%
含有する)、B層のポリマーをPENに変更し、実施例
1と同様にして、A/B型2層配向ポリエステルフィル
ムを得た。なお、再縦再横延伸は行わなかった。
は、表2に示したとおり、電磁変換特性、耐削れ性、耐
傷付き性など磁気記録媒体用ベースフィルムとして優れ
た特性を有していた。
EI40重量%とのブレンドポリマー(平均粒径0.2
μmの球状シリカ粒子を0.2重量%含有する)、B層
のポリマーをPENに変更し、実施例6と同様にして、
A/B型2層配向ポリエステルフィルムを得た。なお、
再縦再横延伸は行わなかった。
は、表2に示したとおり、電磁変換特性、耐削れ性、耐
傷付き性など磁気記録媒体用ベースフィルムとして優れ
た特性を有していた。
し、実施例1と同様にして、A/B型2層配向ポリエス
テルフィルムを得た。
は、表2に示したとおり、電磁変換特性、耐削れ性、耐
傷付き性など磁気記録媒体用ベースフィルムとして優れ
た特性を有していた。
実施例1と同様にして積層未延伸フィルムを作成した。
次いで、実施例1と同様にして、逐次2軸延伸方式で厚
さ6.5μmの2軸配向ポリエステルフィルムを得た。
は、表2に示したとおり、磁気記録媒体用途のフィルム
として劣るものであった。
径、粒子種、含有量を変更し、単層構成として、逐次2
軸延伸法により、比較例1と同様にして2軸配向ポリエ
ステルフィルムを得た。
は、表2に示したとおり、磁気記録媒体用途のフィルム
として劣るものであった。
粒径、粒子種、含有量、B、C層のポリマー種や積層構
成を変更して、実施例1と同様にして、2軸配向ポリエ
ステルフィルムを得た。
に示したとおり、磁気記録媒体用途のフィルムとして劣
るものであった。
に、2軸配向ポリエステルフィルムを得た。
は、表2に示したとおり、磁気記録媒体用途のフィルム
として劣るものであった。
均粒径0.04のアルミナ粒子0.4重量%を含有す
る)とし、B層のポリマーをPETとして、再縦再横延
伸は行わずに、実施例1と同様にして、2軸配向ポリエ
ステルフィルムを得た。
は、表2に示したとおり、磁気記録媒体用途のフィルム
として劣るものであった。
子の粒子種、平均粒径および含有量などを変更して、A
/B型2層配向ポリエステルフィルムを得た。
に示したとおり、磁気記録媒体用途のフィルムとして劣
るものであった。
熱性熱可塑性樹脂のポリマーアロイを用い、含有する粒
子の平均粒径、含有量およびフィルムのガラス転移開始
温度を特定範囲内とした2軸配向ポリエステルフィルム
は、走行性、耐傷付き性の点でも優れたベースフィルム
であり、その工業的価値は極めて高い。
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリエステル(ポリマーA)とポリエス
テル以外の耐熱性熱可塑性樹脂(ポリマーB)とを樹脂
成分とし、平均粒径が0.001〜1.5μmの不活性
粒子を0.01〜3重量%含有し、かつ、補外ガラス転
移開始温度(Tg-onset)が90〜150℃である2軸
配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項2】 前記耐熱性熱可塑性樹脂(ポリマーB)
が、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルス
ルホンから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂であ
る請求項1に記載の2軸配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項3】 前記ポリエステル(ポリマーA)が、エ
チレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエチ
レンテレフタレートである請求項1または2に記載の2
軸配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項4】 前記耐熱性熱可塑性樹脂(ポリマーB)
の主成分がポリエーテルイミドである請求項1〜3のい
ずれかに記載の2軸配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項5】 前記耐熱性熱可塑性樹脂(ポリマーB)
がフィルム層中に5〜50重量%含まれる請求項1〜4
のいずれかに記載の2軸配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項6】 不活性粒子が、高分子架橋粒子、アルミ
ナ粒子、球状シリカ粒子、ケイ酸アルミニウム粒子から
選ばれた少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか
に記載の2軸配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項7】 請求項1〜6に記載のフィルムの層を基
層部とし、その他に少なくとも1層の積層部を有する2
軸配向積層ポリエステルフィルム。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の2軸配
向ポリエステルフィルムを用いてなる磁気記録媒体。
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