JP2002198268A - 多孔質金属焼結体および固体電解コンデンサ用陽極素子の製造方法。 - Google Patents

多孔質金属焼結体および固体電解コンデンサ用陽極素子の製造方法。

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JP2002198268A
JP2002198268A JP2000397255A JP2000397255A JP2002198268A JP 2002198268 A JP2002198268 A JP 2002198268A JP 2000397255 A JP2000397255 A JP 2000397255A JP 2000397255 A JP2000397255 A JP 2000397255A JP 2002198268 A JP2002198268 A JP 2002198268A
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Wataru Suenaga
渉 末永
Minoru Moriyama
稔 森山
Akiko Miyamoto
昭子 宮本
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Kojundo Kagaku Kenkyusho KK
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Kojundo Kagaku Kenkyusho KK
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】残留有機分あるいは残留炭素を大幅に減少する
ため、焼結体形成用金属粉末と混合する樹脂量をできる
だけ少なくしても、成型時に崩れないで形状を維持させ
る剥離性基体の提供と多孔質金属焼結体用の多孔質金属
成型体の製造方法、とくにはタンタル電解コンデンサの
陽極素子の製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】少なくとも溶剤と溶剤可溶性バインダー樹
脂と焼結体形成用金属粉末とを含有する金属粉末分散液
を基体上に塗布し、該塗布物を焼結させる多孔質金属焼
結体の製造方法において、該基体に剥離層が設けられて
いる剥離性基体、及び該剥離性基体を用いた、焼結用の
多孔質金属成型体の形成方法、さらには該剥離性基体を
用いた塗布による、タンタルコンデンサ用陽極素子の製
造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質金属焼結体
の製造方法に関し、特には、固体電解コンデンサ用陽極
素子及びこれを用いた固体電解コンデンサに関するもの
であり、さらに、弁作用金属粉末分散液を塗布して固体
電解コンデンサ用陽極素子を製造する方法に関するもの
であり、特にその中でもタンタル電解コンデンサ用陽極
素子およびその製造方法、さらにはこれを用いたタンタ
ル電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電池用の電極、化学反応製造用の
触媒、など多孔質金属焼結体が多方面で盛んに使用され
ており、特に簡便で焼結時の残留不純物としての残留炭
素分の少ない多孔質金属焼結体の製造方法が求められて
いる。特に、表面実装デバイスの小型化技術が飛躍的に
進歩し、携帯電話、パソコン、デジタルカメラなど、電
子機器における部品基板への実装技術が高密度化してい
る。こうした中、電子部品であるコンデンサ素子におい
ても、その小型化、高容量化の要求に対して、種々研究
がなされている。
【0003】現在一般に使用されているコンデンサ素子
としては、積層セラミックコンデンサや、アルミ電解コ
ンデンサ、タンタル電解コンデンサ等の固体電解コンデ
ンサがその主流となっているが、特にタンタル電解コン
デンサがその特徴とする小型大容量化のため、さかんな
研究が行われている。タンタル金属と同じような特徴を
有する材料としては、いわゆる弁作用金属として、アル
ミニウム、ニオブ、チタン等の金属類の材料があげられ
るが、耐熱性、耐食性、誘電体皮膜形成性の点におい
て、タンタル金属が高い需要を得ている。
【0004】上記のタンタル金属を用いたタンタル電解
コンデンサの製造方法としては、通常、陽極金属として
タンタルを使用し、バインダーとしての役割を担う樹脂
とタンタル金属粉末とを金型に投入し、これらをプレス
加工してチップ化した素子を作製する。このときタンタ
ル金属粉末の粒子径、充填密度にばらつきが生じると電
気特性に影響を及ぼすため、上記材料の充填方法、プレ
ス条件等を厳密に管理しなければならない。
【0005】このように作製されたチップ化素子に、陽
極の役割を担う部材(通常はタンタルリード線)を設け
るが、この陽極部材は、金型内に植立させてタンタル金
属粉末を加圧成形するプレス加工時に設けても良いし、
後述する樹脂蒸発除去工程後に溶着して設けてもよい
し、あるいは、用途に応じてリード線を設けなくても良
い。上記工程により得られた素子は、真空中において高
温加熱処理することにより、素子中の不要な樹脂を分解
除去する工程を経る。この工程により、タンタル金属粉
末間に存在していた樹脂が分解除去され、かつ、タンタ
ル金属粉末同士の接触点における融着により、多孔質体
の形態をなすタンタル電解コンデンサ用陽極素子が得ら
れる。
【0006】このようにして得られたタンタル電解コン
デンサ用陽極素子を電解液槽中に入れ、所定の直流電圧
を加えて化成処理を行ってタンタル金属粉末表面に酸化
タンタル皮膜を形成させた後、素子を硝酸マンガン液中
に浸漬させて、酸化タンタル皮膜表面に二酸化マンガン
または機能性高分子を付着させる。この後、さらにカー
ボン、銀ペースト陰極層処理を施して樹脂外装して、最
終的なタンタル電解コンデンサを得る。
【0007】図1にタンタル電解コンデンサの代表的な
構造の模式図を示す。リード線が設けられたタンタル電
解コンデンサ用陽極素子1と、陰極端子2と、陽極端子
3からなり、これらは樹脂4で外装されている。陽極素
子1と陰極端子2は、導電性接着剤5により接触した状
態となっており、また、リード線に二酸化マンガンを付
着させないために樹脂リング6が設けられ、リード線は
溶接点7を介して陽極端子3と接触した状態となってい
る。
【0008】以上の工程において、真空中で高温加熱処
理したタンタル電解コンデンサ素子の残留有機分あるい
は残留炭素分は漏れ電流の原因となると考えられ、その
含有量はコンデンサの特性に大きく影響を与える。しか
し、従来、加熱処理する前の成形物の形状を維持するた
め、バインダー樹脂を用いる。その結果、一般的には必
ず残留炭素分は残ることが多かった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、残留
炭素分の少ない多孔質金属焼結体を得ることであり、焼
結用の多孔質金属成形体中の結着樹脂を低減させること
のできる、多孔質金属焼結体の形成用の多孔質金属成形
体の製造方法を得ることであり、特には弁作用金属粉を
用いた残留炭素の少ない固体電解コンデンサ用陽極素子
を得ることである。
【0010】特に弁作用金属粉の中でも、タンタル金属
粉を用いて、タンタル電解コンデンサ用の陽極素子を焼
結によって形成する場合、タンタル電解コンデンサとし
ての静電容量を向上させるためには、タンタル金属粉末
の粒子径を細かくし、また、素子中のタンタル金属粉末
の量を増やすことが有効である。すなわち、単位体積中
のタンタル金属粉の表面積を大きくすることが有効にな
る。しかし、タンタル金属粉末の粒子径が小さくなる
と、陽極素子の残留炭素量が増加する傾向にある。同時
に残留炭素分が増加すると、漏れ電流が大きくなると考
えられ、携帯用端末のバッテリーが消耗しやすく、その
耐久時間が短くなり、コンデンサそのものの製品特性の
ばらつきが増えるなど、コンデンサにした場合の種々の
問題点の発生が考えられる。本発明が解決しようとする
課題は、この残留有機分あるいは残留炭素を大幅に減少
することである。このため、タンタル金属粉末と混合す
る樹脂量をできるだけ少なくしても、成形時に崩れない
で形状を維持させることのできる多孔質金属成形体の形
成方法の提供を目的とするものである。
【0011】特に近年、素子の小型化が進み、焼結用成
形体の小型化、薄膜化の要請が強い、その中で、成形体
中の樹脂を減らしてもこれら小型、薄膜の成形体を破壊
することなく安定に取り扱いうる多孔質金属成形体の形
成方法が望まれている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記実情
に鑑み鋭意検討を行った結果、金属粉末を溶剤と溶剤可
溶性樹脂の塗料中に分散させた金属粉末分散液を作製
し、この分散液を剥離性基体上に塗布し、塗布物を基材
より剥離して焼結処理することで、焼結前の成形体の形
状を維持して、破壊せずにそのまま多孔質金属焼結体を
形成することができることを見出した。また、剥離性基
体としては、基体上に剥離層が形成されたものを用いる
ことができることを見出した。さらに、該剥離層に用い
られる樹脂として、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビ
ニルアセタール樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂よ
りなる群から選ばれた1種以上の樹脂を用いることが好
ましいことを見出した。
【0013】さらに発明者らは、上記方法が、タンタル
金属粉を用いたタンタル電解コンデンサ用陽極素子の製
造方法において、残留炭素分の少ない陽極素子用の焼結
体を形成する際に特に好適に使用できることを見出し
た。さらにまた発明者らは、金属粉末分散液を塗布する
基体が、PETフィルムであると、PETフィルムと上
記剥離層との接着性、剥離性とも良好であり、上記剥離
工程を含む多孔質金属焼結体の製造により好適であるこ
とを見出した。
【0014】すなわち本発明は、焼結後に残留炭素分が
ほとんど無くなるように、樹脂量を少なくした金属粉
末、特には弁作用金属粉末、さらにはタンタル金属粉末
の分散液から形成した塗布成形体の形状を維持でき、基
材より容易に剥離できる樹脂層を塗設した剥離性基体を
用いた、多孔質金属焼結体、特には固体電解コンデンサ
用陽極素子、さらにはタンタル電解コンデンサ用陽極素
子の製造方法、もしくは該製造方法に使用する剥離性基
体を提供するものである。また、この剥離性基材を所定
の寸法にピロー成形して、浅いトレー状の成形物にして
タンタル金属粉末分散液をトレー内に盛り、乾燥後、乾
燥した成形体を基材より剥離してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明に用いる金属粉の純度は99.5%
以上のものが好ましく、平均一次粒子径は0.01〜
5.0μmであることが好ましく、特に0.01〜1.
0μmであることが好ましい。また本発明で好適に用い
られるタンタル金属と同じような特徴を有する材料とし
ては、いわゆる弁作用金属として、アルミニウム、ニオ
ブ、チタン等の金属類の材料があげられる。
【0017】金属粉末の分散液に適する樹脂としては、
ポリビニルブチラール樹脂、塩化ビニル樹脂、ホルマー
ル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロー
ス樹脂、ポリエステル樹脂、ポリサルホン樹脂、スチレ
ン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、ポ
リビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、
エーテル系樹脂等の熱可塑性樹脂、或いは、シリコン樹
脂、シリコン−アルキット樹脂、ホルムアルデヒド樹
脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることがで
き、これらの樹脂は疎水性でも親水性でも良い。
【0018】これら樹脂はここに挙げたものに限定され
るものではなく、その使用に際しては単独、或いは2種
類以上混合して用いることができる。
【0019】金属粉末の分散液に適する溶剤は、たとえ
ば、シクロヘキサノン、メチルセルソルブ、アニソー
ル、キシレン、ベンジルアルコール、ジエチレングリコ
ールなどがあげられる。使用できる溶剤は前記の高沸点
溶剤の他に水、あるいはメタノール、IPA、ベンジル
アルコール、ジエチレングリコール等のアルコール類、
メチルセルソルブ等のセルソルブ類、アセトン、メチル
エチルケトン、イソホロン等のケトン類、N,N−ジメ
チルホルムアミド等のアミド類、酢酸エチル等のエステ
ル類、ジオキサン、アニソール等のエーテル類、塩化メ
チル等の塩素系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族系
炭化水素類等が挙げられる。
【0020】これら溶剤はここに挙げたものに限定され
るものではなく、その使用に際しては単独、或いは2種
類以上混合して用いることができる。
【0021】金属粉末の分散液に適する分散剤として
は、チタン、シリコン、アルミニウム、ジルコニウム等
を含有するカップリング剤、HLB値が6以上で好まし
くは8以下のアニオン系、カチオン系、両性又は非イオ
ン系界面活性剤、大豆レシチン、ソルスパーズ、等の各
種分散剤を挙げることができる。
【0022】これら分散剤はここに挙げたものに限定さ
れるものではなく、その使用に際しては単独、或いは2
種類以上混合して用いることができる。
【0023】上記のような、金属粉と、溶剤と、分散剤
と、および樹脂とを所望の割合で混合して、分散手段に
より分散させたタンタル金属粉の分散液を得ることがで
きるが、金属粉の分散液中の固形分濃度の範囲は、0.
05%〜50%が好ましく、特に、0.1〜10%が好
ましい。
【0024】分散手段としては、例えば、二本ロール、
三本ロール、ボールミル、サンドミル、ペブルミル、ト
ロンミル、サンドグラインダー、セグバリアトライタ
ー、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度
衝撃ミル、ニーダー、ホモジナイザー、超音波分散機等
により、混練、分散することができる。
【0025】所定の大きさの成形体を作製するとき、種
々の塗布方法によりタンタル金属粉分散液の塗布物を打
ち抜いて形成することができる。塗布する方法は、例え
ば、公知のロール塗布方法等、具体的には、エアードク
ターコート、ブレードコート、ロッドコート、押し出し
コート、エアーナイフコート、スクイズコート、含侵コ
ート、リバースロールコート、トランスファーロールコ
ート、グラビアコート、キスコート、キャストコート、
スプレイコート等により基体上に塗布物を形成すること
ができる。
【0026】また、各種印刷方法を適用することも可能
である。具体的には、孔版印刷方法、凹版印刷方法、平
版印刷方法などを用いて基体上に所定の大きさに塗布物
を印刷することができる。特に、孔版印刷方法を使用す
ることは、成形物の形状を所望の形状、例えば直方体状
の形状、円柱状の形状、あるいは櫛の歯形状のように、
種々の形状に形成することができるので好ましい。ま
た、塗布物(印刷物)の厚さは、本発明においては、塗
布物の湿時厚さが10μm〜1mmの範囲が好ましい。
【0027】また、ピロー成形等により凹版状に所定の
寸法に形成された基材(鋳型)にタンタル金属粉分散液
を流し込む方法を適用することも可能である。成形物の
作製方法は、例えば鋳型にタンタル金属粉分散液を流し
込んだ後、タンタル金属粉末の粒子径の著しい変形を生
じない程度にプレスしてもよい。
【0028】基体として使用できる材料としては、例え
ば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、
ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィル
ム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリビニルア
ルコールフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム、ポリカーボネートフィルム、ナイロンフ
ィルム、ポリスチレンフィルム、エチレン酢酸ビニル共
重合体フィルム、エチレンビニル共重合体フィルム等か
らなるプラスチックフィルムまたはシート;若しくはア
ルミニウムなどの金属シート;紙、含浸紙;これらの各
材料からなる複合体が挙げられ、これら以外の材料であ
っても、必要な強度、構成等を備えていれば、特に制限
なく使用できる。
【0029】剥離層に用いる樹脂はポリビニルアルコー
ル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチラール樹脂、
アクリル樹脂が好適に使用できる。またこれらの樹脂
は、金属粉末の分散液に適用する樹脂と相溶すること
が、剥離層と金属粉末層とが接着し易くなるので好まし
い。。これら樹脂は、金属粉と併存して焼結されたとき
に時に、完全に燃焼する傾向があり残留炭素の少ない多
孔質金属焼結体を形成する。特に金属粉にタンタル金属
粉を用いて、タンタル電解コンデンサ用陽極素子を製造
するときには、残留炭素の少ない、漏れ電流の少ない陽
極素子を形成できるので好ましい。樹脂層の厚さは1μ
m〜20μmの範囲が好ましく、特に、1μm〜10μ
mの範囲が焼結後の残留炭素量が少なく、塗膜の強度を
適度に持たせるので好ましい。
【0030】剥離層を設けた基材を作製するとき、種々
の塗布方法により形成することができる。塗布する方法
は、例えば、公知のロール塗布方法等、具体的には、エ
アードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、
押し出しコート、エアーナイフコート、スクイズコー
ト、含侵コート、リバースロールコート、トランスファ
ーロールコート、グラビアコート、キスコート、キャス
トコート、スプレイコート等により基体上に塗布物を形
成することができる。
【0031】このようにして得られた塗布物を、公知の
方法で焼結を行うが、例えばタンタル金属粉の場合に
は、約60℃で約60〜120分乾燥し、次いで約30
0〜600℃の熱処理工程によって有機物質の除去を行
い、さらに約10〜30分間、約1200〜1600℃
の高温加熱処理を行って完全に有機物質の除去を行うと
ともに、タンタル金属粉末同士を融着させることによ
り、タンタル電解コンデンサ用陽極素子が得られる。
【0032】タンタル電解コンデンサ用陽極素子を形成
する場合には、得られたタンタル電解コンデンサ用陽極
素子は均一の多孔質体となり、これを電解液槽に入れ、
該素子に所定の直流電圧を加えることにより、該素子の
表面に酸化タンタル皮膜を形成させる。そして、酸化皮
膜の形成後、該素子を硝酸マンガン液中に浸漬させる
と、該素子表面の酸化タンタル皮膜表面上に、さらに半
導体となる二酸化マンガン皮膜を形成させることができ
る。
【0033】上述のようにして得られた素子を、例えば
樹脂成形加工による、あるいは、樹脂溶液中に浸漬させ
て形成させる、等の樹脂外装を施して、タンタル電解コ
ンデンサとするのであるが、本発明によればタンタル電
解コンデンサ用陽極素子自体が小型化、薄膜化が可能で
あるとともに、該素子1mg当たり0.1μF以上の静
電容量を有するコンデンサを得ることが可能である。
【0034】
【実施例】以下、実施例として主にタンタル金属粉末を
用いてタンタル電解コンデンサ用陽極素子を形成する場
合を例にとって、本発明を更に具体的に説明するが、本
発明はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。 (タンタル金属粉末の分散液の調整)平均1次粒子径
0.5μmのタンタル金属粉末50g、補助バインダー
樹脂としてアクリル樹脂「IB−30」(藤倉化成
(株)製)0.25g(固形分量)、キシレンとトルエ
ンの混合溶媒40g、および3mm径のスチールボール
100gを50ccのポリ瓶に入れて混合し、振とう機
(ペイントコンディショナー)を用いて1時間練肉し
て、タンタル金属粉末分散液Aを得た。
【0035】(実施例1)厚さが50μmのPETフィ
ルム上にアクリル樹脂「IB−30」(藤倉化成(株)
製)の溶液を#16のワイヤバーにて展色し、厚さ3μ
mの剥離層を設けた。次に、剥離層を設けたPETフィ
ルム上にタンタル金属粉末分散液Aを250μmの深さ
のアプリケータにて展色し、厚さ100μmのタンタル
金属粉末分散液Aの乾燥塗膜を得た。この乾燥塗膜のP
ETを剥離した後、直径8mmの円筒に2枚打ち抜い
て、タンタル線材を挟んだ後、400kg/cm2の圧
力でプレスした。次に、このタンタル金属粉末の成形体
を、5×10-5Torrの真空中で温度350℃、90
分間処理し、有機物質(バインダー樹脂)の分解、除去
をおこない、さらに1350℃、20分間の焼結処理を
おこなって、厚さが0.2mmのタンタル電解コンデン
サ用の陽極素子を得た。このとき、この素子の残留炭素
量は180ppmであった。
【0036】(実施例2)厚さが50μmのPETフィ
ルム上にビニルアセタール樹脂「KW−1」(積水化学
(株)製)の溶液を#32のワイヤバーにて展色し、厚
さ4μmの剥離層を設けた。次に、剥離層を設けたPE
Tフィルム上にタンタル金属粉末分散液Aを250μm
の深さのアプリケータにて展色し、厚さ100μmのタ
ンタル金属粉末分散液Aの乾燥塗膜を得た。この乾燥塗
膜のPETを剥離した後、直径8mmの円筒に2枚打ち
抜いて、タンタル線材を挟んだ後、400kg/cm2
の圧力でプレスした。次に、このタンタル金属粉末の成
形体を、5×10-5Torrの真空中で温度350℃、
90分間処理し、有機物質(バインダー樹脂)の分解、
除去をおこない、さらに1350℃、20分間の焼結処
理をおこなって、厚さが0.2mmのタンタル電解コン
デンサ用の陽極素子を得た。このとき、この素子の残留
炭素量は175ppmであった。
【0037】(比較例1)厚さが50μmのPETフィ
ルムに剥離層を設けないこと以外は、実施例1と同様に
して厚さ100μmのタンタル金属粉末分散液Aの乾燥
塗膜を得た。この乾燥塗膜のPETを剥離した所、塗膜
が崩れ、タンタル金属粉末の成形体を形成することがで
きなかった。この崩れた塗膜を5×10-5Torrの真
空中で温度350℃、90分間処理し、有機物質(バイ
ンダー樹脂)の分解、除去をおこない、さらに1350
℃、20分間の焼結処理をおこなったときの残留炭素量
は170ppmであった。
【0038】(比較例2)厚さが50μmのPETフィ
ルムに剥離層を設けないこと以外は、実施例2と同様に
して厚さ100μmのタンタル金属粉末分散液Aの乾燥
塗膜を得た。この乾燥塗膜のPETを剥離した所、塗膜
が崩れ、タンタル金属粉末の成形体を形成することがで
きなかった。この崩れた塗膜を5×10-5Torrの真
空中で温度350℃、90分間処理し、有機物質(バイ
ンダー樹脂)の分解、除去をおこない、さらに1350
℃、20分間の焼結処理をおこなったときの残留炭素量
は180ppmであった。
【0039】この結果から明らかなように、実施例1か
ら2の本発明による剥離層を設けた基材を利用して、タ
ンタル電解コンデンサ用陽極素子を製造するとき、焼結
前の成形体の樹脂量が少なくともその形状を維持するこ
とができ、製造が容易になることがわかる。
【0040】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば焼結体形成用の金属粉成形体、特にはタンタル電解
コンデンサ用陽極素子の焼結前の成形体の形状維持がは
かれ、しかも薄膜化も容易であり、容易に陽極素子の製
造が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】タンタル電解コンデンサの模式図。
【符号の説明】
1:タンタル電解コンデンサ用陽極素子。 2:陰極端子。 3:陽極端子。 4:モールド樹脂。 5:導電性接着剤。 6:樹脂リング。 7:溶接点。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも溶剤と、溶剤可溶性バインダ
    ー樹脂と、金属粉末とを含有する金属粉末分散液を基体
    上に塗布し、該塗布物を剥離後に焼結する多孔質金属焼
    結体の製造方法において、該基体上に剥離層を有するこ
    とを特徴とする多孔質金属焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 剥離層がポリビニール樹脂、ポリビニル
    アセタール樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂の群か
    らなる樹脂のうち、1種以上を含有することを特徴とす
    る請求項1記載の多孔質金属焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属粉末が弁作用金属粉末であり、かつ
    多孔質金属焼結体が多孔質弁作用金属焼結体であること
    を特徴とする、請求項1もしくは請求項2のいずれかに
    記載の多孔質金属焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 多孔質金属焼結体が、固体電解コンデン
    サ用陽極素子として用いられるものであることを特徴と
    する請求項3記載の多孔質金属焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】 金属粉末がタンタル金属粉末であり、多
    孔質金属焼結体が多孔質タンタル焼結体であることを特
    徴とする、請求項3もしくは請求項4のいずれかに記載
    の多孔質金属焼結体の製造方法。
  6. 【請求項6】 金属粉末分散液を塗布する基体がPET
    フィルムであることを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5のいずれかに記載の多孔質金属焼結体の製造方
    法。
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