JP2002188874A - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置

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JP2002188874A
JP2002188874A JP2000384215A JP2000384215A JP2002188874A JP 2002188874 A JP2002188874 A JP 2002188874A JP 2000384215 A JP2000384215 A JP 2000384215A JP 2000384215 A JP2000384215 A JP 2000384215A JP 2002188874 A JP2002188874 A JP 2002188874A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置にお
いて、圧縮機の吸入側と吐出側で冷媒の温度や圧力を検
出する複数のセンサのうち、一つを補完できるようにす
る。 【解決手段】 圧縮機の吸入側と吐出側の冷媒の状態値
(圧縮機吸入温度、圧縮機吸入圧力、圧縮機吐出温度、
圧縮機吐出圧力)に基づいて求められるポリトロープ指
数と上記状態値の3つの値とから残る一つの値を求める
ことができるようにして、センサが故障したときなどに
そのセンサを補完する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍サイクルを行
う冷凍装置に関し、特に、圧縮機の吸入側と吐出側にお
ける冷媒の状態値の補完技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、空調機などの冷凍装置には、
例えば特開平10−300292号公報に記載されてい
るように、蒸気圧縮式冷凍サイクルが用いられている。
この蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置の冷媒回路
は、圧縮機と、熱源側熱交換器と、膨張弁(膨張機構)
と、利用側熱交換器とを主要な機器として、これらを冷
媒配管により順に接続することにより構成されている。
【0003】この種の空調機は、一般に、冷媒回路にお
ける冷媒の循環方向を反転させて、冷房運転と暖房運転
とを切り換えるように構成されている。
【0004】そして、冷房運転時には、利用側熱交換器
である室内熱交換器が蒸発器となる冷却動作を行う。こ
の冷房運転時において、圧縮機から吐出された冷媒は、
熱源側熱交換器である室外熱交換器で凝縮し、膨張弁で
減圧されて室内熱交換器で蒸発した後、圧縮機に吸入さ
れる。
【0005】また、暖房運転時には、室内熱交換器が凝
縮器となる加熱動作(ヒートポンプ動作)を行う。この
暖房運転時において、圧縮機から吐出された冷媒は、室
内熱交換器で凝縮し、さらに膨張弁で減圧した後に室外
熱交換器で蒸発して、圧縮機に吸入される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、空調機を含
め、冷凍サイクルを行う冷凍装置には、一般に、圧縮機
吸入温度を検出する吸入温度センサと、圧縮機吸入圧力
を検出する低圧圧力センサと、圧縮機吐出温度を検出す
る吐出温度センサと、圧縮機吐出圧力を検出する高圧圧
力センサとが設けられている。そして、これらのセンサ
により圧縮機の吸入側と吐出側における冷媒の状態値
(温度と圧力)を検出し、その検出値を使って運転制御
を行うようにしている。
【0007】しかし、このような運転制御においては、
どこか1カ所のセンサが壊れると運転不能となる。この
ため、センサが故障してからその補修が完了するまでは
冷凍装置の運転が継続できず、例えば空調機の場合には
室内の快適性を保つことができなくなってしまう。
【0008】また、上記の例では圧縮機の前後に必ず4
つのセンサが必要であることから、その他のセンサも含
めた合計のセンサ数が多く、その設置や配線などに多く
の時間やコストを要する問題もあった。
【0009】本発明は、このような問題点に鑑みて創案
されたものであり、その目的とするところは、圧縮機の
吸入側や吐出側のセンサの一つが故障した場合に少なく
とも応急的な運転を行えるようにするとともに、センサ
の一つを省略することもできるようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧縮機の吸入
側と吐出側における冷媒の状態値の一つを、他の状態値
を用いて補完するようにしたものである。
【0011】具体的に、本発明が講じた第1の解決手段
は、圧縮機(41,42) と熱源側熱交換器(22)と膨張機構(2
4,62,67)と利用側熱交換器(61,66) とが主要機器として
順に接続されて構成された冷凍装置(10)を前提としてい
る。そして、この冷凍装置(10)は、少なくとも圧縮機吸
入温度と圧縮機吸入圧力と圧縮機吐出温度と圧縮機吐出
圧力とを含む複数の冷媒の状態値の一つを、他の状態値
に基づいて導出する状態値補完手段を備えた構成とした
ものである。状態値の補完は、例えば、後述するように
関数を利用して行うことも可能であるし、すべての状態
値の関係を予めメモリに記憶し、このメモリを利用して
行うことも可能である。
【0012】上記構成においては、状態値補完手段(90)
が、少なくとも圧縮機(41,42) の吸入側の温度及び圧力
と、圧縮機(41,42) の吐出側の温度及び圧力とを含む複
数の状態値の一つを、他の状態値から導出するように構
成されているため、その状態値の一つがセンサの故障な
どで求められない場合や、センサの一つを省略した場合
でも、そのセンサに対応した状態値を導出できる。この
ため、他の状態値から導出した状態値を含めたすべての
状態値に基づいて運転制御を行えるため、運転の継続が
可能となる。
【0013】本発明が講じた第2の解決手段は、前提と
する構成が上記第1の解決手段と同じ冷凍装置におい
て、状態値補完手段(90)を、少なくとも圧縮機吸入温度
と圧縮機吸入圧力と圧縮機吐出温度と圧縮機吐出圧力と
を含む複数の冷媒の状態値を変数とする関数と、予め該
関数から求められた値とに基づいて、上記状態値の一つ
を他の状態値から導出するように構成したものである。
【0014】このように構成すると、後述のポリトロー
プ指数などの値を求める関数を用いて予めその値を算出
しておくと、複数の状態値の一つは、センサが故障した
場合などでも、予め求めておいた値と他の状態値とをこ
の関数に代入することで求めることができる。そして、
このようにして求められた状態値と他の状態値とに基づ
いて運転制御を行うと、運転を継続できる。
【0015】また、本発明が講じた第3の解決手段は、
上記第2の解決手段において、状態値補完手段(90)を、
上記関数と、装置の据付時に該関数から求められた値と
に基づいて、上記状態値の一つを他の状態値から導出す
るように構成したものである。
【0016】また、本発明が講じた第4の解決手段は、
上記第2の解決手段において、状態値補完手段(90)を、
上記関数と、圧縮機の製造時に該関数から求められた値
とに基づいて、上記状態値の一つを他の状態値から導出
するように構成したものである。
【0017】また、本発明が講じた第5の解決手段は、
上記第2の解決手段において、状態値補完手段(90)を、
上記関数と、据付後の所定時期に該関数から求められた
値とに基づいて、上記状態値の一つを他の状態値から導
出するように構成したものである。
【0018】以上のように構成すると、据付時や製造
時、または所定の時期に上記関数によって算出された値
を基準として、運転中の状態値の一つが求められる。つ
まり、圧縮機(41,42) の吸入側と吐出側の冷媒の状態
は、異常がない限りは殆ど変化しないため、求めるべき
一つの状態値を、据付時や製造時などに上記関数によっ
て予め算出された値と、計算が必要になったときの他の
状態値とを用いて、上記関数からほぼ正確に求めて、運
転制御を行うことが可能となる。
【0019】また、本発明が講じた第6の解決手段は、
上記第2の解決手段において、状態値補完手段(90)を、
上記関数と、該関数から求められる値として予め定めら
れた所定値とに基づいて、上記状態値の一つを他の状態
値から導出するように構成したものである。
【0020】このように構成すると、求めるべき上記状
態値の一つは、上記関数から求められる値として予め定
められた所定値と、計算が必要になったときの他の状態
値とを用いて、上記関数から算出される。この場合に
は、上記第4、第5及び第6の解決手段とは違って、基
準となる値を上記関数を使って機械毎に求めることは不
要であり、該基準値としては、圧縮機(41,42) の機種毎
に定められた値を用いることができる。
【0021】また、本発明が講じた第7の解決手段は、
上記第2ないし第6のいずれか1の解決手段において、
上記関数を、ポリトロープ指数を求める関数としたもの
である。
【0022】このように構成すると、圧縮機吸入温度
と、圧縮機吸入圧力と、圧縮機吐出温度と、圧縮機吐出
圧力とに基づいて、据付時や製造時にポリトロープ指数
が求められるか、予め圧縮機(41,42) の機種に応じたポ
リトロープ指数が定められる。そして、センサが故障し
たときなどには、このポリトロープ指数と、圧縮機吸入
温度と圧縮機吸入圧力と圧縮機吐出温度と圧縮機吐出圧
力のうちの3つの状態値とから、ポリトロープ指数を求
める関数を使って冷媒の状態値の一つが算出される。ポ
リトロープ指数が圧縮行程の前後の冷媒の状態が一定で
ある限りは変化しない値であるため、この値と、上記状
態値の3つとが分かっていれば、残った状態値はほぼ正
確に求められる。
【0023】また、本発明が講じた第8の解決手段は、
上記第1ないし第7のいずれか1の解決手段において、
圧縮機吸入温度を検出する吸入温度検出手段(73)と、圧
縮機吸入圧力を検出する低圧圧力検出手段(74)と、圧縮
機吐出温度を検出する吐出温度検出手段(75)と、圧縮機
吐出圧力を検出する高圧圧力検出手段(76)とを備えた構
成としたものである。
【0024】このように構成すると、通常は各検出手段
(73〜76)で4つの状態値が求められる一方、検出手段(7
3〜76)の一つが故障した場合は、予め求められた、また
は予め定められたポリトロープ指数などの値と他の検出
手段(73〜76)の検出値とから、ポリトロープ指数などの
値を求める関数を用いてその値を算出することができ
る。
【0025】また、本発明が講じた第9の解決手段は、
上記第8の解決手段において、状態値補完手段(90)を、
上記検出手段(73〜76)のいずれか一つが故障したとき
に、その検出手段に対応する冷媒の状態値を他の検出手
段により検出した状態値から導出するように構成したも
のである。
【0026】このように構成すると、検出手段(73〜76)
の一つが故障したときに、ポリトロープ指数などの値を
求める関数を用いてその検出手段(73〜76)を補完できる
ので、運転を確実に継続することが可能となる。
【0027】また、本発明が講じた第10の解決手段
は、上記第9の解決手段において、上記検出手段(73〜7
6)のいずれか一つが故障したことを出力する故障出力手
段(90)を備えた構成としたものである。
【0028】このように構成すると、検出手段(73〜76)
のいずれか一つが故障したことは、例えばユーザーに対
して表示することも可能であるし、複数の空調機を集中
管理する空調システムを備えたビルなどの建物で、該シ
ステムの管理者に表示することも可能となる。また、イ
ンターネットやその他の通信網を介して複数の冷凍装置
を接続したシステムを構築する場合などには、そのシス
テムの管理者に対して出力することも可能となる。この
ようにして管理者に直接表示すると、検出手段(73〜76)
を早期に補修することが容易になる。
【0029】なお、このようなシステムを構築する場合
においては、状態値補完手段(90)は、冷凍装置(10)の外
部(管理者サイド)に設けてもよい。つまり、冷凍装置
(10)から状態値の補完に必要なデータを送信し、管理者
側で冷媒の状態値を補完して冷凍装置(10)に送り返す構
成とすることができる。このため、冷凍装置(10)と管理
者側には、例えば、信号を送受するための送信部と受信
部を設けるとよい。
【0030】また、本発明が講じた第11の解決手段
は、上記第1ないし第7のいずれか1の解決手段におい
て、圧縮機吸入温度を検出する吸入温度検出手段(73)
と、圧縮機吸入圧力を検出する低圧圧力検出手段(74)
と、圧縮機吐出温度を検出する吐出温度検出手段(75)
と、圧縮機吐出圧力を検出する高圧圧力検出手段(76)の
うち、3つの検出手段を備えた構成としたものである。
【0031】このように構成すると、予め定められたポ
リトロープ指数などの値と上記3つの検出手段の検出値
とから、ポリトロープ指数などの値を求める関数を用い
て残る一つの状態値を求めることができる。したがっ
て、検出手段(73〜76)の一つを補完できるため、従来は
圧縮機(41,42) の吸入側と吐出側で4つ用いられていた
検出手段(73〜76)を3つにしても運転を継続できる。
【0032】
【発明の効果】上記第1の解決手段によれば、圧縮機(4
1,42) の吸入側の温度及び圧力と、圧縮機(41,42) の吐
出側の温度及び圧力とを含む状態値のうち一つが、他の
状態値に基づいて導出されるので、圧縮機(41,42) の吸
入側と吐出側で冷媒の状態値を検出する検出手段(73〜7
6)の一つを補完できる。したがって、その状態値の一つ
が検出手段(73〜76)の故障などで求められない場合や、
検出手段(73〜76)の一つを元々省略した場合でも運転を
継続できる。このように上記状態値の一つを補完できる
ので、検出手段(73〜76)が故障した場合に少なくとも応
急的な運転を行えるとともに、検出手段(73〜76)の一つ
を省略することも可能となる。
【0033】また、上記第2の解決手段によれば、圧縮
機吸入温度と圧縮機吸入圧力と圧縮機吐出温度と圧縮機
吐出圧力とを含む複数の冷媒の状態値のうちの一つが、
ポリトロープ指数などの値を求める関数に基づいて、こ
の関数から予め求められた値と、他の状態値とから求め
られる。このように所定の関数を用いると、冷媒の状態
値を容易に求めることができ、検出手段(73〜76)の故障
時などに運転を継続する装置を容易に実用化できる。
【0034】また、上記第3、第4及び第5の解決手段
によれば、上記関数と、該関数から求められる値の各装
置毎の基準値(据付時の値や製造時などの値)に基づい
て、運転中の状態値を求めることができる。そして、異
常がない限りは圧縮機(41,42) の吸入側と吐出側の冷媒
の状態値がほぼ一定であることから、上記関数を利用し
て必要な状態値をほぼ正確に求めることができるので、
適正な運転を継続できる。
【0035】また、上記第6の解決手段によれば、上記
関数と、該関数から求められる値として予め定められた
所定値に基づいて、上記状態値の一つを他の状態値から
導出するようにしているので、圧縮機(41,42) の機種毎
に基準値を設定しておけばよく、基準値を装置毎に個別
に求めなくてもよい。このため、制御が容易となる。
【0036】また、上記第7の解決手段によれば、ポリ
トロープ指数を求める関数を用いて上記状態値を算出す
るようにしている。そして、ポリトロープ指数が圧縮機
吸入温度と圧縮機吸入圧力と圧縮機吐出温度と圧縮機吐
出圧力の4つの状態値から求められる値であり、本来は
時間が経過しても変化しない値であることから、これら
の状態値の3つに基づいて、残る一つの状態値がほぼ正
確に求められる。したがって、適正な運転を継続するこ
とが可能となる。
【0037】また、上記第8の解決手段によれば、圧縮
機(41,42) の吸入側と吐出側とで冷媒の温度と圧力を検
出する4つの検出手段(73〜76)を設け、そのうちの3つ
の状態値から残る一つの状態値を求められるようにして
いるので、検出手段(73〜76)の一つが故障した場合に対
応する状態値を正確に求め、運転を継続できる。
【0038】また、上記第9の解決手段によれば、検出
手段(73〜76)のいずれか一つが故障したときに、その検
出手段(73〜76)に対応する冷媒の状態値を、他の検出手
段(73〜76)により検出した状態値から導出するようにし
ているので、検出手段(73〜76)の一つが故障したときの
対応を確実にできる。
【0039】また、上記第10の解決手段によれば、上
記検出手段(73〜76)のいずれか一つが故障したことを出
力する故障出力手段を備えているので、ユーザーや管理
者が検出手段(73〜76)の故障を早期に認識して、該検出
手段(73〜76)を早期に補修できる。
【0040】また、上記第11の解決手段によれば、圧
縮機吸入温度を検出する吸入温度検出手段(73)と、圧縮
機吸入圧力を検出する低圧圧力検出手段(74)と、圧縮機
吐出温度を検出する吐出温度検出手段(75)と、圧縮機吐
出圧力を検出する高圧圧力検出手段(76)のうち、3つの
検出手段を備えており、この3つの検出手段で求めた状
態値と、予め求められたポリトロープ指数などの基準値
とから、残る一つの状態値を求められるので、圧縮機(4
1,42) の吸入側と吐出側の検出手段(73〜76)を3つにし
た冷凍装置を実用化でき、構成の簡素化やコストの低減
が可能となる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。本実施形態は、本発明を空調
機(10)に適用した例である。この空調機(10)は、冷房運
転と暖房運転とを切り換えて行うように構成されてい
る。
【0042】図1に示すように、上記空調機(10)は、1
台の室外機(11)と2台の室内機(12,13) とを備え、いわ
ゆるマルチ型に構成されている。また、上記空調機(10)
は、冷媒回路(15)とコントローラ(状態値補完手段、故
障出力手段)(90)とを備えている。なお、本実施形態で
は室内機(12,13) を2台としたが、これは一例であり、
室外機(11)の能力や用途に応じて室内機(12,13)の台数
を適宜定めればよい。
【0043】上記冷媒回路(15)は、熱源側回路である1
つの室外回路(20)と、利用側回路である2つの室内回路
(60,65) と、液側連絡管(16)と、ガス側連絡管(17)とに
より構成されている。室外回路(20)には、液側連絡管(1
6)及びガス側連絡管(17)を介して、2つの室内回路(60,
65)が並列に接続されている。
【0044】上記室外回路(20)は、室外機(11)に収納さ
れている。室外回路(20)には、圧縮機ユニット(40)、四
路切換弁(21)、室外熱交換器(22)、室外膨張弁(24)、レ
シーバ(23)、液側閉鎖弁(25)、及びガス側閉鎖弁(26)が
設けられている。
【0045】上記圧縮機ユニット(40)は、第1圧縮機(4
1)と第2圧縮機(42)を並列に接続したものである。これ
ら圧縮機(41,42) は、何れも密閉型のスクロール圧縮機
である。つまり、これら圧縮機(41,42) は、圧縮機構と
該圧縮機構を駆動する電動機とを、円筒状のハウジング
に収納して構成されている。なお、圧縮機構及び電動機
は、図示を省略している。
【0046】第1圧縮機(41)は、電動機が常に一定回転
数で駆動される一定容量の圧縮機である。第2圧縮機(4
2)は、電動機の回転数が段階的に又は連続的に変更され
る容量可変の圧縮機である。そして、上記圧縮機ユニッ
ト(40)は、第1圧縮機(41)の発停や第2圧縮機(42)の容
量変更によって、ユニット全体の容量が可変となってい
る。具体的には、圧縮機ユニット(40)に要求される能力
が所定値を越えるまでは、第2圧縮機(42)の容量を調整
しながら1台で運転し、その所定値を越えると第1圧縮
機(41)も起動した状態として2台で運転を行いながら第
2圧縮機(42)の容量を調整する。
【0047】上記圧縮機ユニット(40)は、吸入管(43)及
び吐出管(44)を備えている。吸入管(43)は、その端が四
路切換弁(21)の第1のポートに接続され、その出口端が
2つに分岐されて各圧縮機(41,42) の吸入側に接続され
ている。吐出管(44)は、その入口端が2つに分岐されて
各圧縮機(41,42) の吐出側に接続され、その出口端が四
路切換弁(21)の第2のポートに接続されている。また、
第1圧縮機(41)に接続する吐出管(44)の分岐管には、吐
出側逆止弁(45)が設けられている。この吐出側逆止弁(4
5)は、第1圧縮機(41)から流出する方向への冷媒の流通
のみを許容する。
【0048】また、上記圧縮機ユニット(40)は、油分離
器(51)、油戻し管(52)、及び均油管(54)を備えている。
油分離器(51)は、吐出管(44)の途中に設けられている。
この油分離器(51)は、圧縮機(41,42) の吐出冷媒から冷
凍機油を分離するためのものである。油戻し管(52)は、
その一端が油分離器(51)に接続され、その他端が吸入管
(43)に接続されている。この油戻し管(52)は、油分離器
(51)で分離された冷凍機油を、圧縮機(41,42) の吸入側
へ戻すためのものであって、油戻し電磁弁(53)を備えて
いる。均油管(54)は、その一端が第1圧縮機(41)に接続
され、その他端が吸入管(43)における第2圧縮機(42)の
吸入側近傍に接続されている。この均油管(54)は、各圧
縮機(41,42) のハウジング内に貯留される冷凍機油の量
を平均化するためのものであって、均油電磁弁(55)を備
えている。
【0049】上記四路切換弁(21)は、その第3のポート
がガス側閉鎖弁(26)と配管接続され、その第4のポート
が室外熱交換器(22)の上端部と配管接続されている。四
路切換弁(21)は、第1のポートと第3のポートが連通し
且つ第2のポートと第4のポートが連通する状態(図1
に実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが
連通し且つ第2のポートと第3のポートが連通する状態
(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。この四路切
換弁(21)の切換動作によって、冷媒回路(15)における冷
媒の循環方向が反転する。
【0050】上記レシーバ(23)は、円筒状の容器であっ
て、冷媒を貯留するためのものである。このレシーバ(2
3)は、流入管(30)及び流出管(33)を介して、室外熱交換
器(22)と液側閉鎖弁(25)とに接続されている。
【0051】流入管(30)は、その入口端側が2つの分岐
管(30a,30b) に分岐され、その出口端がレシーバ(23)の
上端部に接続されている。流入管(30)の第1分岐管(30
a) は、室外熱交換器(22)の下端部に接続されている。
この第1分岐管(30a) には、第1流入逆止弁(31)が設け
られている。第1流入逆止弁(31)は、室外熱交換器(22)
からレシーバ(23)へ向かう冷媒の流通のみを許容する。
流入管(30)の第2分岐管(30b) は、液側閉鎖弁(25)に接
続されている。この第2分岐管(30b) には、第2流入逆
止弁(32)が設けられている。第2流入逆止弁(32)は、液
側閉鎖弁(25)からレシーバ(23)へ向かう冷媒の流通のみ
を許容する。
【0052】流出管(33)は、その入口端がレシーバ(23)
の下端部に接続され、その出口端側が2つの分岐管(33
a,33b) に分岐されている。流出管(33)の第1分岐管(33
a) は、室外熱交換器(22)の下端部に接続されている。
この第1分岐管(33a) には、上記室外膨張弁(24)が熱源
側膨張機構として設けられている。流出管(33)の第2分
岐管(33b)は、液側閉鎖弁(25)に接続されている。この
第2分岐管(33b)には、流出逆止弁(34)が設けられてい
る。流出逆止弁(34)は、レシーバ(23)から液側閉鎖弁(2
5)へ向かう冷媒の流通のみを許容する。
【0053】熱源側熱交換器である室外熱交換器(22)
は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交
換器により構成されている。この室外熱交換器(22)で
は、冷媒回路(15)を循環する冷媒と室外空気とが熱交換
を行う。
【0054】上記室外回路(20)には、更にガス抜き管(3
5)と均圧管(37)とが設けられている。ガス抜き管(35)
は、その一端がレシーバ(23)の上端部に接続され、その
他端が吸入管(43)に接続されている。このガス抜き管(3
5)は、レシーバ(23)のガス冷媒を各圧縮機(41,42)の吸
入側へ導入するための連通路を構成している。また、ガ
ス抜き管(35)には、ガス抜き電磁弁(36)が設けられてい
る。このガス抜き電磁弁(36)は、ガス抜き管(35)におけ
るガス冷媒の流れを断続するための開閉機構を構成して
いる。
【0055】上記均圧管(37)は、その一端がガス抜き管
(35)におけるガス抜き電磁弁(36)とレシーバ(23)の間に
接続され、その他端が吐出管(44)に接続されている。ま
た、均圧管(37)には、その一端から他端に向かう冷媒の
流通のみを許容する均圧用逆止弁(38)が設けられてい
る。この均圧管(37)は、空調機(10)の停止中に外気温が
異常に上昇してレシーバ(23)の圧力が高くなりすぎた場
合に、ガス冷媒を逃がしてレシーバ(23)が破裂するのを
防止するためのものである。従って、空調機(10)の運転
中において、均圧管(37)を冷媒が流れることはない。
【0056】上記室内回路(60,65)は、各室内機(12,13)
に1つずつ設けられている。具体的には、第1室内回路
(60)が第1室内機(12)に収納され、第2室内回路(65)が
第2室内機(13)に収納されている。
【0057】第1室内回路(60)は、第1室内熱交換器(6
1)と第1室内膨張弁(62)とを直列に接続したものであ
る。利用側膨張弁である第1室内膨張弁(62)は、第1室
内熱交換器(61)の下端部に配管接続されている。第2室
内回路(65)は、第2室内熱交換器(66)と第2室内膨張弁
(67)とを直列に接続したものである。利用側膨張弁であ
る第2室内膨張弁(67)は、第2室内熱交換器(66)の下端
部に配管接続されている。
【0058】利用側熱交換器である第1及び第2室内熱
交換器(61,66) は、クロスフィン式のフィン・アンド・
チューブ型熱交換器により構成されている。各室内熱交
換器(61,66) では、冷媒回路(15)を循環する冷媒と室内
空気とが熱交換を行う。
【0059】上記液側連絡管(16)は、その一端が液側閉
鎖弁(25)に接続されている。この液側連絡管(16)は、他
端側で2つに分岐されており、その一方が第1室内回路
(60)における第1室内膨張弁(62)側の端部に接続され、
他方が第2室内回路(65)における第2室内膨張弁(67)側
の端部に接続されている。上記ガス側連絡管(17)は、そ
の一端がガス側閉鎖弁(26)に接続されている。このガス
側連絡管(17)は、他端側で2つに分岐されており、その
一方が第1室内回路(60)における第1室内熱交換器(61)
側の端部に接続され、他方が第2室内回路(65)における
第2室内熱交換器(66)側の端部に接続されている。
【0060】上記室外機(11)には、室外ファン(70)が設
けられている。この室外ファン(70)は、室外熱交換器(2
2)へ室外空気を送るためのものである。一方、第1,第
2室内機(12,13) には、それぞれ室内ファン(80)が設け
られている。この室内ファン(80)は、室内熱交換器(61,
66) へ室内空気を送るためのものである。
【0061】上記空調機(10)には、温度や圧力のセンサ
等が設けられている。具体的に、室外機(11)には、室外
空気の温度を検出するための外気温センサ(71)が設けら
れている。室外熱交換器(22)には、その伝熱管温度を検
出するための室外熱交換器温度センサ(72)が設けられて
いる。吸入管(43)には、圧縮機(41,42) の吸入冷媒温度
を検出するための吸入温度センサ(吸入温度検出手段)
(73)と、圧縮機(41,42) の吸入冷媒圧力を検出するため
の低圧圧力センサ(低圧圧力検出手段)(74)とが設けら
れている。吐出管(44)には、圧縮機(41,42) の吐出冷媒
温度を検出するための吐出温度センサ(吐出温度検出手
段)(75)と、圧縮機(41,42) の吐出冷媒圧力を検出する
ための高圧圧力センサ(吐出圧力検出手段)(76)と、高
圧圧力スイッチ(77)とが設けられている。
【0062】各室内機(12,13)には、室内空気の温度を
検出するための内気温センサ(81)が1つずつ設けられて
いる。各室内熱交換器(61,66) には、その伝熱管温度を
検出するための室内熱交換器温度センサ(82)が1つずつ
設けられている。各室内回路(60,65) における室内熱交
換器(61,66) の上端近傍には、室内回路(60,65) を流れ
るガス冷媒温度を検出するためのガス側温度センサ(83)
が1つずつ設けられている。
【0063】上記コントローラ(90)は、上記のセンサ類
からの信号やリモコン等からの指令信号を受けて空調機
(10)の運転制御を行うものである。具体的に、コントロ
ーラ(90)は、室外膨張弁(24)及び室内膨張弁(62,67) の
開度調節や、四路切換弁(21)の切換、更にはガス抜き電
磁弁(36)、油戻し電磁弁(53)、及び均油電磁弁(55)の開
閉操作を行う。また、コントローラ(90)は、圧縮機ユニ
ット(40)の容量制御も行う。
【0064】さらに、コントローラ(90)は、吸入温度セ
ンサ(73)によって検出される圧縮機(41,42) の吸入冷媒
温度と、低圧圧力センサ(74)によって検出される圧縮機
(41,42) の吸入冷媒圧力と、吐出温度センサ(75)によっ
て検出される圧縮機(41,42)の吐出冷媒温度と、高圧圧
力センサ(76)によって検出される圧縮機(41,42) の吐出
冷媒圧力との4つの状態値に基づいて、所定の時期(例
えば据付から所定期間が経過する毎)にポリトロープ指
数nを算出しながら、これらのセンサ(73〜76)の一つが
故障したときには、残る3つのセンサの検出値と直前に
求めたポリトロープ指数nとから、故障したセンサによ
って検出すべき状態値を導出するとともに、センサが故
障していることを出力する。
【0065】−運転動作− 上記空調機(10)の運転時には、冷媒回路(15)において冷
媒が相変化しつつ循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが
行われる。また、空調機(10)は、冷房運転と暖房運転と
を切り換えて行う。
【0066】《冷房運転》冷房運転時には、室内熱交換
器(61,66)が蒸発器となる冷却動作が行われる。この冷
房運転時において、四路切換弁(21)は、図1に実線で示
す状態となる。室外膨張弁(24)は全閉とされ、第1,第
2室内膨張弁(62,67)はそれぞれ所定の開度に調節され
る。ガス抜き電磁弁(36)は閉鎖状態に保持され、油戻し
電磁弁(53)及び均油電磁弁(55)は適宜開閉される。これ
ら弁の操作は、コントローラ(90)により行われる。
【0067】圧縮機ユニット(40)の圧縮機(41,42)を運
転すると、これら圧縮機(41,42)で圧縮された冷媒が吐
出管(44)へ吐出される。この冷媒は、四路切換弁(21)を
通って室外熱交換器(22)へ流入する。室外熱交換器(22)
では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換
器(22)で凝縮した冷媒は、流入管(30)の第1分岐管(30
a)へ流入し、第1流入逆止弁(31)を通過してレシーバ(2
3)へ流入する。その後、冷媒は、レシーバ(23)から流出
管(33)へ流入し、流出逆止弁(34)を通過して液側連絡管
(16)へ流入する。
【0068】液側連絡管(16)へ流入した冷媒は、二手に
分流されて、一方が第1室内回路(60)へ流入し、他方が
第2室内回路(65)へ流入する。各室内回路(60,65)で
は、流入した冷媒が室内膨張弁(62,67)で減圧された後
に室内熱交換器(61,66)へ流入する。室内熱交換器(61,6
6)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。つま
り、室内熱交換器(61,66)では、室内空気が冷却され
る。
【0069】各室内熱交換器(61,66)で蒸発した冷媒
は、ガス側連絡管(17)へ流入し、合流した後に室外回路
(20)へ流入する。その後、冷媒は、四路切換弁(21)を通
過し、吸入管(43)を通って圧縮機ユニット(40)の圧縮機
(41,42)に吸入される。これら圧縮機(41,42)は、吸入し
た冷媒を圧縮して再び吐出する。冷媒回路(15)では、こ
のような冷媒の循環が繰り返される。
【0070】《暖房運転》暖房運転時には、室内熱交換
器(61,66)が凝縮器となる加熱動作が行われる。この暖
房運転時において、四路切換弁(21)は、図1に破線で示
す状態となる。室外膨張弁(24)、及び第1,第2室内膨
張弁(62,67)は、それぞれ所定の開度に調節される。油
戻し電磁弁(53)及び均油電磁弁(55)は、適宜開閉され
る。ガス抜き電磁弁(36)は、加熱動作が行われている間
は常に開放状態に保持される。これら弁の操作は、コン
トローラ(90)により行われる。
【0071】そして、冷媒が冷媒回路(15)内を冷房運転
時とは基本的に逆方向に流れることによって、冷媒が室
内空気に放熱して凝縮し、室外空気から吸熱して蒸発す
るサイクルで冷媒回路を循環し、室内が加熱される。こ
こでは、冷媒の流れの詳細については省略する。
【0072】《センサの補完運転》本実施形態では、据
付当初から所定の期間が経過する毎にポリトロープ指数
nを算出し、このポリトロープ指数を用いて、センサ(7
3〜76)の故障に対応するようにしている。そこで、セン
サ(73〜76)の一つが故障したときの動作について、図2
及び図3に基づいて説明する。
【0073】まず、蒸気圧縮式冷凍サイクルでは、図2
のモリエル線図(圧力−エンタルピ線図)に示すよう
に、冷媒は、圧縮行程においてA点からB点まで圧縮さ
れた後、凝縮行程においてC点まで冷却され、さらに膨
張行程においてD点まで減圧され、蒸発行程においてA
点まで加熱される作用を受けて、冷媒回路(15)を循環す
る。
【0074】この冷凍サイクルにおいて、圧縮機(41,4
2) の圧縮効率は、ポリトロープ指数nによって表され
る。ポリトロープ指数nは、圧縮機(41,42) の吸入側と
吐出側の冷媒の状態から求められる値で、冷媒が圧縮さ
れるときの圧力と比体積の関係を表す。このポリトロー
プ指数nは、冷凍サイクルを構成している圧縮機に固有
の値であり、この値によって圧縮行程のカーブ(図では
近似的に直線としている)が決定される。
【0075】例えば圧縮機(41,42) が劣化して該圧縮機
(41,42) 内で高圧側から定圧側へ冷媒の漏れ量が大きく
なるような事態が生じると、圧縮行程のカーブの傾きが
変化して、ポリトロープ指数nの値が変化する(大きく
なる)が、短期的には殆ど変化することはない。
【0076】本実施形態では、このポリトロープ指数n
を所定の期間が経過する毎に求めながら、一つのセンサ
が故障したときには、他のセンサの検出値と直前のポリ
トロープ指数とから、故障したセンサに対応する冷媒の
状態値を算出し、その値に基づいて応急運転を行うよう
にしている。
【0077】具体的には、図3のフローチャートにおい
て、まずステップST1でポリトロープ指数nが算出され
る。ポリトロープ指数nは、圧縮機(41,42) の吸入側と
吐出側の冷媒の圧力及び温度から求められる。
【0078】つまり、吸入温度センサ(73)で検出された
圧縮機(41,42) の吸入冷媒温度T1と、低圧圧力センサ
(74)で検出された圧縮機(41,42) の吸入冷媒圧力P1
と、吐出温度センサ(75)で検出された圧縮機(41,42) の
吐出冷媒温度T2 と、高圧圧力センサ(76)で検出された
圧縮機(41,42) の吐出冷媒圧力P2 は、ポリトロープ指
数nを用いて表すと、次の(1)式の関係を有する。
【0079】
【数1】
【0080】この(1)式を変形すると、以下の(2)式のよ
うに表すことができる。
【0081】
【数2】
【0082】また、(2)式は、以下の(3)式のように表す
ことができる。
【0083】
【数3】
【0084】そして、(3)式は以下の(4)式のように表す
ことができるので、この(4)式において圧力P1 ,P2
と温度T1 ,T2 の値を代入すると、ポリトロープ指数
nを求めることができる。
【0085】
【数4】
【0086】次に、ステップST2においてタイマをスタ
ートさせ、ステップST3で所定時間が経過したかどうか
を判別する。そして、所定時間が経過していない場合は
ステップST4へ進み、センサのどれかに異常があるかど
うかを判別する。センサの異常は、検出値が急激に変化
したり、逆に殆ど変化しなくなったりすることから検出
できる。センサに異常がなければステップST3へ戻り、
所定時間が経過するまでセンサの異常を検出する動作を
連続して行う。
【0087】一方、この動作を繰り返すうち、ステップ
ST3で所定時間が経過したことを検知すると、ステップ
ST5でポリトロープ指数をリセットし、ステップST1以
降の動作を繰り返す。つまり、一旦ポリトロープ指数を
リセットした後、ポリトロープ指数を新たに算出し直す
動作を行う。
【0088】このようにしてステップST1からステップ
ST5の動作を行う間にセンサの異常をステップST4で検
出すると、ステップST6へ進み、異常のあったセンサに
対応する冷媒の状態値を算出する。例えば、吸入温度セ
ンサ(73)に異常があったときは、直前に求めたポリトロ
ープ指数nと、正常な3つのセンサ(低圧圧力センサ(7
4)、吐出温度センサ(75)、及び高圧圧力センサ(76))の
検出値とから吸入冷媒温度T1 を検出する。具体的に
は、上記(1)式を変形した以下の(5)式において、吐出冷
媒温度T2 ,吸入冷媒圧力P1 ,吐出冷媒圧力P2 の値
と、ポリトロープ指数nを代入し、吸入冷媒温度T1
求める。
【0089】
【数5】
【0090】このようにして求められた吸入冷媒温度T
1 は、ほぼ正確な値と考えられる。つまり、圧縮機の異
常がない限りはポリトロープ指数nが短期間で急激に変
化することはないため、吐出冷媒温度T2 ,吸入冷媒圧
力P1 ,吐出冷媒圧力P2 の3つの値が分かっている
と、対応する吸入冷媒温度T1 の値がほぼ正確に導き出
せる。
【0091】上記ステップST4,5では、吸入温度セン
サ(73)に異常があったときの吸入冷媒温度T1 の算出に
ついて説明したが、他のセンサに異常があったときは、
対応する冷媒の状態値は以下のようにして求められる。
【0092】まず、吐出温度センサ(75)が故障したと
き、吐出冷媒温度T2 は、上記(1)式を変形した以下の
(6)式に、残る3つのセンサ(吸入温度センサ(73)、低
圧圧力センサ(74)、及び高圧圧力センサ(76))で検出さ
れた吸入冷媒温度T1 、吸入冷媒圧力P1 、及び吐出冷
媒圧力P2 の値と、直前のポリトロープ指数nを代入し
て求められる。
【0093】
【数6】
【0094】また、低圧圧力センサ(74)が故障したと
き、吸入冷媒圧力P1 は、上記(1)式を変形した以下の
(7)式に、残る3つのセンサ(吸入温度センサ(73)、吐
出温度センサ(75)、及び高圧圧力センサ(76))で検出さ
れた吸入冷媒温度T1 、吐出冷媒温度T2 、及び吐出冷
媒圧力P2 の値と、直前のポリトロープ指数を代入して
求められる。
【0095】
【数7】
【0096】さらに、高圧圧力センサ(76)が故障したと
き、吐出冷媒圧力P2 は、上記(1)式を変形した以下の
(8)式に、残る3つのセンサ(吸入温度センサ(73)、低
圧圧力センサ(74)、及び吐出温度センサ(75))で検出さ
れた吸入冷媒温度T1 、吸入冷媒圧力P1 、及び吐出冷
媒温度T2 の値と、直前のポリトロープ指数を代入して
求められる。
【0097】
【数8】
【0098】そして、必要な状態値を求めた後は、ステ
ップST7でセンサに異常があったことを外部に出力しな
がら、ステップST8では、ステップST6で求められた値
も用いて応急運転を行う。したがって、本実施形態で
は、吸入温度センサ(73)に異常が生じてもすぐに空調機
(10)の運転が停止することはなく、ある程度の時間は運
転を継続することが可能となる。
【0099】なお、ステップST7では、例えば、吸入温
度センサ(73)などに異常が生じていることを視覚的に表
示してもよいし、警告音を発してもよい。また、本実施
形態の空調機(10)をビル用の空気調和システムで複数設
置する場合などは、この出力を集中管理して、どの冷媒
回路(15)のセンサが劣化しているかを認識することで、
補修などの手続きを進めることができる。このようなシ
ステムをさらに発展させると、複数のビルの空調システ
ムを通信回線を介して接続して集中管理し、どのビルで
センサの補修が必要となっているかを管理者側で判断す
ることも可能となる。
【0100】なお、ステップST2,3でポリトロープ指
数を更新する期間は、ポリトロープ指数が本来は時間が
経過しても変化しない値であることから、数ヶ月ないし
1年程度の期間としても通常の運転には支障がない。た
だし、圧縮機が劣化して圧縮機内で高圧側から定圧側に
冷媒の漏れが生じるようになってきているような場合に
はポリトロープ指数が若干変化していくことも考えられ
るため、このような場合に備えて電源のオン/オフ毎に
ポリトロープ指数を更新するなど、そのインターバルを
短くすると、より正確な値を使って運転制御を行うこと
が可能となる。
【0101】−実施形態の効果− 本実施形態によれば、4つのセンサのうち一つが故障し
たときに、他の3つのセンサの値とポリトロープ指数と
から、故障したセンサに対応する冷媒の状態値を算出す
るようにしている。したがって、故障したセンサを補完
して応急運転を行えるので、装置がすぐに停止して室内
の快適性が低下するのを防止できる。
【0102】また、本実施形態ではポリトロープ指数を
所定の時期に更新するようにしているので、故障したセ
ンサに対応する冷媒の状態値をほぼ正確に算出すること
が可能となり、適正な運転を行える。
【0103】また、センサの一つが故障したときに応急
運転を行いながら、同時にセンサが故障していることを
出力するようにしているので、センサを早期に補修する
ことができる。
【0104】
【発明のその他の実施の形態】本発明は、上記実施形態
について、以下のような構成としてもよい。
【0105】例えば、上記実施形態は、空調機(10)にお
いて故障したセンサ(73〜76)を補完するようにした例で
あるが、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷凍装置であ
れば、空調機以外であっても本発明を適用してセンサ(7
3〜76)を補完することは可能である。
【0106】また、上記実施形態では、圧縮機の吸入側
と吐出側とで冷媒の温度と圧力を検出する4つのセンサ
を設け、ポリトロープ指数を算出しながら故障したセン
サを補完するようにしているが、他の関数を用いてセン
サを補完してもよいし、圧縮機(41,42) の吸入側と吐出
側の温度及び圧力の関係を予めメモリに記憶しておき、
その関係からセンサを補完するようにしてもよい。
【0107】また、上記実施形態ではポリトロープ指数
を所定のインターバルで更新しながら、センサが故障し
たときに、直前に求めたポリトロープ指数から該センサ
を補完するようにしているが、据付時や製造時のポリト
ロープ指数、あるいは圧縮機の機種に応じて予め定めら
れたポリトロープ指数を基準値として、これらの値を更
新せずにセンサを補完してもよい。この場合でも、ポリ
トロープ指数が基本的には時間が経過しても変化しない
値であるため、圧縮機の劣化の程度が大きくない限りは
センサを概ね正確に補完しながら運転を継続することが
可能である。
【0108】また、上記実施形態は、圧縮機吸入温度を
検出する吸入温度センサ(73)と、圧縮機吸入圧力を検出
する低圧圧力センサ(74)と、圧縮機吐出温度を検出する
吐出温度センサ(75)と、圧縮機吐出圧力を検出する高圧
圧力センサ(76)の4つのセンサのうち、1つが故障した
場合にそのセンサを補完するようにしたものであるが、
4つのセンサのうちの一つを省略した場合に、そのセン
サを補完することも可能である。この場合は、例えば、
予め求めておいたポリトロープ指数をコントローラに入
力しておき、その値を基準として計算を行うとよい。な
お、この場合にも、ポリトロープ指数以外の値を求める
関数を用いることは可能である。このようにするとセン
サの個数を減らしても運転することが可能となり、構成
の簡素化やコストの低減が可能となる。
【0109】なお、上記実施形態では、空調機(10)に状
態値補完手段としてのコントローラ(90)を設ける例を説
明したが、本実施形態の空調機(10)をビル用の空気調和
システムで複数設置する場合や、複数のビルの空調シス
テムを通信回線を介して接続して集中管理するシステム
を構築する場合などは、状態値補完手段(90)を空調機(1
0)の外部の管理者サイドに設けてもよい。つまり、空調
機(10)から状態値の補完に必要なデータを管理者側に送
信し、管理者側で冷媒の状態値を補完して空調機(10)に
送り返す構成にすることができる。この場合、空調機(1
0)と管理者側には、信号を送受するための送信部と受信
部を設ければよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る空調機の冷媒回路図で
ある。
【図2】図1の空調機の運転動作を示すモリエル線図で
ある。
【図3】センサの補完運転を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
(10) 空調機(冷凍装置) (15) 冷媒回路 (22) 室外熱交換器(熱源側熱交換器) (24) 室外膨張弁(膨張機構) (41) 第1圧縮機(圧縮機) (42) 第2圧縮機(圧縮機) (61) 第1室内熱交換器(利用側熱交換器) (62) 第1室内膨張弁(膨張機構) (66) 第2室内熱交換器(利用側熱交換器) (67) 第2室内膨張弁(膨張機構) (73) 吸入温度センサ (74) 低圧圧力センサ (75) 吐出温度センサ (76) 高圧圧力センサ (90) コントローラ(状態値補完手段、故障出力手段)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機(41,42) と熱源側熱交換器(22)と
    膨張機構(24,62,67)と利用側熱交換器(61,66) とが順に
    接続されて構成された冷凍装置であって、 少なくとも圧縮機吸入温度と圧縮機吸入圧力と圧縮機吐
    出温度と圧縮機吐出圧力とを含む複数の冷媒の状態値の
    一つを、他の状態値に基づいて導出する状態値補完手段
    (90)を備えている冷凍装置。
  2. 【請求項2】 圧縮機(41,42) と熱源側熱交換器(22)と
    膨張機構(24,62,67)と利用側熱交換器(61,66) とが順に
    接続されて構成された冷凍装置であって、 少なくとも圧縮機吸入温度と圧縮機吸入圧力と圧縮機吐
    出温度と圧縮機吐出圧力とを含む複数の冷媒の状態値を
    変数とする関数と、予め該関数から求められた値とに基
    づいて、上記状態値の一つを他の状態値から導出するよ
    うに構成されている冷凍装置。
  3. 【請求項3】 上記状態値補完手段(90)は、上記関数
    と、据付時に該関数から求められた値とに基づいて、上
    記状態値の一つを他の状態値から導出するように構成さ
    れている請求項2記載の冷凍装置。
  4. 【請求項4】 上記状態値補完手段(90)は、上記関数
    と、製造時に該関数から求められた値とに基づいて、上
    記状態値の一つを他の状態値から導出するように構成さ
    れている請求項2記載の冷凍装置。
  5. 【請求項5】 上記状態値補完手段(90)は、上記関数
    と、所定時期に該関数から求められた値とに基づいて、
    上記状態値の一つを他の状態値から導出するように構成
    されている請求項2記載の冷凍装置。
  6. 【請求項6】 上記状態値補完手段(90)は、上記関数
    と、該関数から求められる値として予め定められた所定
    値とに基づいて、上記状態値の一つを他の状態値から導
    出するように構成されている請求項2記載の冷凍装置。
  7. 【請求項7】 上記関数は、ポリトロープ指数を求める
    関数である請求項2ないし6のいずれか1記載の冷凍装
    置。
  8. 【請求項8】 圧縮機吸入温度を検出する吸入温度検出
    手段(73)と、圧縮機吸入圧力を検出する低圧圧力検出手
    段(74)と、圧縮機吐出温度を検出する吐出温度検出手段
    (75)と、圧縮機吐出圧力を検出する高圧圧力検出手段(7
    6)とを備えている請求項1ないし7のいずれか1記載の
    冷凍装置。
  9. 【請求項9】 状態値補完手段(90)は、上記検出手段(7
    3〜76)のいずれか一つが故障したときに、その検出手段
    に対応する冷媒の状態値を他の検出手段(73〜76)により
    検出した状態値から導出するように構成されている請求
    項8記載の冷凍装置。
  10. 【請求項10】 上記検出手段(73〜76)のいずれか一つ
    が故障したことを出力する故障出力手段(90)を備えてい
    る請求項9記載の冷凍装置。
  11. 【請求項11】 圧縮機吸入温度を検出する吸入温度検
    出手段(73)と、圧縮機吸入圧力を検出する低圧圧力検出
    手段(74)と、圧縮機吐出温度を検出する吐出温度検出手
    段(75)と、圧縮機吐出圧力を検出する高圧圧力検出手段
    (76)のうち、3つの検出手段を備えている請求項1ない
    し7のいずれか1記載の冷凍装置。
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