JP2002176792A - ベクトル制御装置 - Google Patents

ベクトル制御装置

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JP2002176792A JP2000374897A JP2000374897A JP2002176792A JP 2002176792 A JP2002176792 A JP 2002176792A JP 2000374897 A JP2000374897 A JP 2000374897A JP 2000374897 A JP2000374897 A JP 2000374897A JP 2002176792 A JP2002176792 A JP 2002176792A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数台の誘導電動機の位置同期制御が簡単に
実現でき、そのシステム全体のコストを抑え、しかも制
御性能の優れたベクトル制御装置を提供する。 【解決手段】 モータ回転速度の指令値に比例した速度
指令パルス信号を発生するパルス発生回路(1)と、速
度指令パルス信号とモータ回転速度に対応して検出され
たパルス信号との偏差を検出する偏差カウンタ(12)
と、偏差を零とするように新たな回転速度指令値を演算
する位置調節器(13)と、速度指令パルス信号を外部
に出力可能な同期運転用端子(18)を備え、速度指令
パルス信号を同期運転用端子(18)から他のベクトル
制御装置に供給することにより、複数台のモータを位置
同期運転する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、モータ回転速度
を検出してフィードバックすることにより所望のトルク
でモータ回転速度を制御するベクトル制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来のベクトル制御装置を示す
ブロック図である。この図において、1は交流電源、2
は交流電源1と接続されたインバータである。3は誘導
電動機(モータ)、4は誘導電動機3と接続された負
荷、5は誘導電動機3の回転速度を検出するパルスエン
コーダである。また、6は速度設定器であり、速度指令
演算回路7を介して制御回路8に接続されている。9は
誘導電動機3の各相電流を検出する電流センサであっ
て、制御回路8と接続されている。
【0003】交流電源1からの交流電力は、インバータ
2により所定の電圧と周波数の交流電力に変換され、誘
導電動機3を所望のトルクで運転する。負荷4はこの誘
導電動機3により駆動されるものであって、パルスエン
コーダ5によって負荷4を駆動する誘導電動機3の回転
速度が検出される。
【0004】速度設定器6は、誘導電動機3により運転
される負荷4の速度設定値ωr#を設定するものであ
る。この速度設定値ωr#に基づいて、速度指令演算回
路7では速度指令値ωr*が演算される。この速度指令
値ωr*は、予め定められた加速度により変化するよう
に演算され、最終的には速度設定値ωr#で負荷4を運
転するように制御回路8に対して指令される。さらに、
この制御回路8には、パルスエンコーダ5からのフィー
ドバック信号と電流センサ9により検出された相電流信
号が供給されている。この制御回路8からインバータ2
に三相電圧指令値が出力され、誘導電動機3のトルク・
速度制御が実現される。
【0005】図7は、従来のベクトル制御装置を用いて
2台のモータの位置同期制御を行う場合のブロック図で
ある。ここでは、図6のベクトル制御装置の各構成ブロ
ックと対応する部分に対応する符号を付け、さらに一方
の制御装置については添え字aを、他方の制御装置につ
いては添え字bを加えている。
【0006】2台の誘導電動機3a,3bは、それぞれ
独立の制御装置によって上述した図5のものと同様に制
御可能であるが、ここでは2台を位置同期制御するため
に、一方のパルスエンコーダ5aで検出されたモータ回
転速度信号が、信号線10を介して他方の制御装置に設
けた加算器11に供給されている。さらに、この加算器
11には他方のパルスエンコーダ5bで検出されたモー
タ回転速度信号も供給され、2つの回転速度信号の偏差
が演算される。
【0007】12は偏差カウンタであり、ここで2台の
誘導電動機3a,3bに接続されたパルスエンコーダ5
a,5bからのパルス信号の偏差が積算される。この偏
差カウンタ12で積算された偏差信号は位置調節器13
に入力され、偏差カウンタ12で積算された偏差信号が
零になるように、2台の誘導電動機3a,3bの位置同
期をとるための速度指令値が演算される。そして、速度
指令演算回路7bからの速度指令値に替えて、この速度
指令値が切り換え回路14から誘導電動機3bに対する
速度指令値ωr*として制御回路8bに入力される。
【0008】このように、速度設定器6bによる速度設
定値ωr#に基づく速度指令値が無効にされ、速度設定
器6aによる速度設定値ωr#に基づく速度指令値だけ
が2台のモータ速度を決定するようにしたことにより、
誘導電動機3bを誘導電動機3aと位置同期するように
制御回路8bで運転制御できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のベク
トル制御装置を複数台用いて位置同期運転のための制御
系を構成した場合、一方の誘導電動機3aに対して他方
の誘導電動機3bでは、位置制御系を構成する位置調節
器13における応答遅れによって位置誤差が生じる。す
なわち、誘導電動機3bは一方の制御装置により運転さ
れる誘導電動機3aとの間で、位置調節器13での応答
遅れ分だけ位置偏差が生じるという問題があった。
【0010】このような位置制御系における応答遅れを
解消する方法としては、つぎに説明するように、それぞ
れのベクトル制御装置により制御される負荷4a,4b
の速度設定値ωr#を、統一した速度設定器とパルス発
生回路によって設定するものが提案されている。
【0011】図8は、ベクトル制御装置の外部にパルス
発生回路16を備え、2台のモータの位置同期制御を行
うための構成を示す回路ブロック図である。ここでは、
2台のベクトル制御装置の外部に速度設定器15とパル
ス発生回路16を用意して、統一した速度設定値ωr#
でモータ速度を制御している。これにより、2台のベク
トル制御装置の位置制御系での応答遅れが等価であると
したならば、図7における位置同期制御と比較して、2
台の誘導電動機3a,3bの間での位置偏差を小さくす
ることができる。
【0012】しかし、位置同期制御を行うために、余分
な速度設定器15やパルス発生回路16を用意しなけれ
ばならないだけでなく、それらと各ベクトル制御装置と
を接続するための配線作業も必要になるので、システム
全体のコストが高くなるという問題があった。
【0013】この発明の目的は、複数台の誘導電動機の
位置同期制御が簡単に実現でき、そのシステム全体のコ
ストを抑え、しかも制御性能の優れたベクトル制御装置
を提供することにある。
【0014】また、この発明の他の目的は、誘導電動機
の実速度を検出するパルスエンコーダなどの信号検出系
に不具合が生じた場合でも、制御性能の自己チェックを
可能とするベクトル制御装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、モータ回転速度を検出してフィードバックすること
により所望のトルクでモータ回転速度を制御するベクト
ル制御装置が提供される。このベクトル制御装置は、前
記モータ回転速度の指令値に比例した速度指令パルス信
号を発生するパルス発生手段と、前記速度指令パルス信
号と前記モータ回転速度に対応して検出されたパルス信
号との偏差を零とするように新たな回転速度指令値を演
算する演算手段と、前記速度指令パルス信号を外部に出
力可能な同期運転用端子とから構成される。このベクト
ル制御装置によれば、前記速度指令パルス信号を前記同
期運転用端子から他のベクトル制御装置に供給すること
により、複数台のモータを位置同期運転することができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の2つの実施形態
について、図面を参照して説明する。 (第一の実施形態)図1は、この発明のベクトル制御装
置を示すブロック図である。ここでは、図7のものと同
様、2台の誘導電動機3a,3bの位置同期制御を行う
ためのベクトル制御装置19a、19bの構成を示して
いる。
【0017】1a,1bは交流電源、2a,2bはそれ
ぞれ交流電源1a,1bと接続されたインバータであ
る。4a,4bはそれぞれ誘導電動機3a,3bと接続
された負荷、5a,5bは誘導電動機3a,3bの回転
速度を検出するパルスエンコーダである。ベクトル制御
装置19a、19bはいずれも同一の構成であって、最
初にベクトル制御装置19aの構成について説明する。
【0018】速度設定器6は、誘導電動機3aにより運
転される負荷4aの速度設定値ωr#を設定するもので
ある。この速度設定値ωr#に基づいて、速度指令演算
回路7では速度指令値ωr*が演算される。この速度指
令演算回路7は、パルス発生回路17及び切り換え回路
14を介して制御回路8と接続されている。また、速度
指令値ωr*は、予め定められた加速度により変化する
ように、かつ最終的には速度設定値ωr#で負荷4を運
転するような指令値として演算される。さらに制御回路
8には、パルスエンコーダ5aからのフィードバック信
号と電流センサ9により検出された相電流信号が供給さ
れるとともに、制御回路8からインバータ2aに三相電
圧指令値が出力され、誘導電動機3aのトルク・速度制
御が実現される。
【0019】パルス発生回路17のパルス信号は、同期
運転用端子18及び加算器11に供給され、加算器11
にはパルスエンコーダ5aで検出されたモータ回転速度
信号が供給されている。なお、パルス発生回路17は速
度指令演算回路7の出力に比例した周波数のパルス信号
を出力するものであるが、速度設定器6から速度指令演
算回路7の出力を零に設定することによって、パルス発
生回路17からのパルス信号が抑制可能に構成されてい
る。
【0020】加算器11では、パルス発生回路17から
速度指令値として供給されたパルス信号と誘導電動機3
aに接続されたパルスエンコーダ5aで検出されたパル
ス信号との間で回転速度の偏差が演算され、これらの偏
差が偏差カウンタ12で積算される。この偏差カウンタ
12で積算された偏差信号は位置調節器13に入力さ
れ、偏差カウンタ12で積算された偏差信号が零になる
ように誘導電動機3aの速度指令値が演算される。切り
換え回路14では、速度指令演算回路7からの速度指令
値に替えて、位置調節器13で演算された速度指令値が
選択され、制御回路8に誘導電動機3aに対する速度指
令値ωr*として入力され、インバータ2aが制御され
る。
【0021】ベクトル制御装置19a,19bの同期運
転用端子18は互いに信号線20によって接続され、イ
ンバータ2aを制御するベクトル制御装置19aと、イ
ンバータ2bを制御するベクトル制御装置19bとでそ
れぞれ2台の誘導電動機3a,3bを位置同期制御して
いる。
【0022】以上では、ベクトル制御装置19aの構成
を中心にして説明したが、ベクトル制御装置19bの構
成も同一であって、対応する部分には同一の符号を付け
てある。つぎに、これらのベクトル制御装置19a,1
9bを互いに信号線20で接続して実行される2台の誘
導電動機3a,3bの位置同期制御について説明する。
【0023】ベクトル制御装置19aでは、パルス発生
回路17が速度指令演算回路7の出力に比例した周波数
のパルス信号を出力しているが、上述したように速度設
定器6が速度指令演算回路7の出力を零とするように速
度設定されていれば、パルス発生回路17からのパルス
信号を抑制できる。そこで、いまベクトル制御装置19
bのパルス発生回路17からのパルス信号を抑制するよ
うに、速度設定器6の設定値を零とする。
【0024】ベクトル制御装置19bの加算器11に
は、ベクトル制御装置19aのパルス発生回路17から
同期運転用端子18を介してパルス信号が供給されてい
る。すなわち、ベクトル制御装置19a,19bの各加
算器11には、一方のベクトル制御装置19aのパルス
発生回路17から同じパルス信号が速度指令値として供
給される。したがって、ベクトル制御装置19a,19
bはそれぞれの位置調節器13での応答遅れ分が等しく
なって、2台の誘導電動機3a,3bが正確に位置同期
制御されることになる。
【0025】このように、インバータ2a,2bを制御
するベクトル制御装置19a,19bの少なくとも一方
にパルス発生回路17が内蔵されていれば、同期運転用
端子18を信号線20で互いに接続するだけで、2台の
誘導電動機3a,3bの位置同期制御が簡単に実現でき
る。また、位置同期運転を行わない場合には、切り換え
回路14を切り換えて、速度指令演算回路7の速度指令
値ωr*が制御回路8に入力されるように構成すればよ
い。しかも、ベクトル制御装置19a,19bをそれぞ
れ単独で使用して誘導電動機の速度制御を実行する場合
には、パルス発生回路17のパルス信号を外部に出力す
ることなく、制御装置内部での信号処理が可能になる。
【0026】以上述べたように、第一の実施形態では位
置同期制御システム自体の構成は、図7に示す構成と等
価のものではあるが、パルス発生回路17がベクトル制
御装置19に内蔵されているので、システム全体のコス
トを抑え、かつ制御性能の優れたシステムを提供するこ
とができる。
【0027】つぎに、ベクトル制御装置19a,19b
の制御回路8の構成について説明する。図2は、誘導電
動機3のトルク・速度を制御する制御回路の一例を示す
ブロック図である。
【0028】図2において、21は速度演算器、22は
速度調節器、23,24は演算回路、25,26は座標
変換器、27はT軸電流調節器、28はM軸電流調節
器、29はすべり周波数演算器、30はロータ周波数演
算器、31は積分器、32は磁束指令演算回路である。
【0029】速度演算器21は、パルスエンコーダ5か
らのフィードバック信号を演算処理することで誘導電動
機3の実速度ωrを検出するものである。速度調節器2
2では、速度指令値ωr*と実速度ωrとの偏差が入力
され、調節動作により偏差を零とするトルク指令値τ*
を出力する。演算回路23,24は、それぞれT軸電流
指令値IT*とM軸電流指令値IM*を演算する回路であ
る。
【0030】T軸電流指令値IT*は、モータ一次電流
の二次磁束に垂直な電流指令値であって、下記の式
(1)で演算される。 IT*=τ*/φ2* …(1) また、M軸電流指令値IM*は、モータ一次電流の二次
磁束に平行な電流指令値であって、下記の式(2)で演
算される。
【0031】IM*=1/Lm×φ2* …(2) ここで、Lmはモータ励磁インダクタンスである。25
は座標変換器であって、電流センサ9により検出された
相電流IU,IV,IWを一次電流の二次磁束と平行な
電流(以降、M軸電流検出値という。)IMと、垂直な
電流(以降、T軸電流検出値という。)ITとに変換す
る。
【0032】このうち、M軸電流検出値IMは下記の式
(3)で、T軸電流検出値ITは下記の式(4)で示さ
れる。ここでψ2はU相巻線とモータ二次磁束のなす角
度である。
【0033】 IM=sinψ2×IU+sin(ψ2−120°)×IV +sin(ψ2+120°)×IW …(3) IT=cosψ2×IU+cos(ψ2−120°)×IV +cos(ψ2+120°)×IW …(4) 座標変換器26は、T軸電圧指令値VT*とM軸電圧指
令値VM*とを入力して、三相電圧指令値Vu*、Vv*、V
w*をインバータ2に出力するもので、それぞれ以下の
式(5)(6)(7)の変換を実行する。
【0034】 Vu*=cosψ2×VM*+sinψ2×VT* …(5 ) Vv*=cos(ψ2−120°)×VM*+sin(ψ2−120°)×VT*…(6 ) Vw*=cos(ψ2+120°)×VM*+sin(ψ2+120°)×VT*…(7 ) T軸電流調節器27では、T軸電流指令値IT*とT軸
電流検出値ITとの偏差が入力され、調節動作により偏
差を零とするT軸電圧指令値VT*を出力する。
【0035】M軸電流調節器28では、M軸電流指令値
IM*とM軸電流検出値IMとの偏差が入力され、調節
動作により偏差を零とするM軸電圧指令値VM*を出力
する。
【0036】すべり周波数演算器29にはT軸電流指令
値IT*と二次磁束指令値φ2*が入力され、次の式
(8)に示すすべり周波数ωslが演算される。ここで、
R2はモータ二次時定数である。
【0037】 ωsl=R2×IT*/φ2* …(8) ロータ周波数演算器30は、誘導電動機3の回転速度信
号ωrに基づいて次の式(9)に示すロータ周波数ω2
を演算する。ここで、Pはモータポール数である。
【0038】 ω2=ωr×P/120 …(9) 積分器31では、すべり周波数ωslとロータ周波数ω2
の加算結果ω1が入力され、U相巻線とモータ二次磁束
とのなす角度ψ2を出力する。
【0039】磁束指令演算回路32は実速度ωrから二
次磁束指令値φ2*を演算する。ここでは、誘導電動機
3の実速度ωrが基底回転速度ωbまでは100%指
令、基底回転速度ωb以上では速度に反比例して二次磁
束指令値φ2*を下げる。 (第二の実施形態)図3は、セルフチェック機能を内蔵
したベクトル制御装置の一例を示すブロック図である。
この図では、図2の制御回路8の各構成ブロックと対応
する部分に対応する符号を付け、それらの詳細な説明を
省略する。
【0040】図2に示す制御回路では、パルスエンコー
ダ5から速度演算器21、ロータ周波数演算器30に至
る制御系に不具合が生じた場合に,正常なトルク・速度
制御が行えなくなる。一般に、その場合の故障診断で
は、ひとつにはパルスエンコーダ自体の故障、2つには
速度演算器21、ロータ周波数演算器30など、制御回
路内部の故障、3つにはパルスエンコーダ5から制御回
路8までの信号線に加わるノイズが原因であると考えら
れている。三つ目のノイズについては、制御系の試運転
を行うことで判明し、的確な対応が容易になされる。し
かし、最初の2つについては、制御系の稼動後しばらく
して発生する故障であって、一度正常なトルク・速度制
御が行えなくなると、その原因を区別して対処すること
が困難であった。
【0041】これに対して、図3に示す制御回路9で
は、パルス発生回路33が内蔵されていて、速度指令値
ωr*に比例した速度指令パルス信号を発生し、切り換
え回路34を切り替えることによって、パルスエンコー
ダ5からのモータ回転速度信号に替えて、パルス発生回
路33からの速度指令パルス信号によってモータ回転速
度を制御するように構成している。
【0042】すなわち図2の制御回路と比較した場合、
図3のものではパルスエンコーダ5からの速度信号を使
用しないで、速度演算器21の動作確認ができる。した
がって、パルスエンコーダ5自体が故障してフィードバ
ック信号系に不都合が生じた場合には、パルスエンコー
ダ5からの速度信号に替えて、パルス発生回路33の速
度信号を速度演算器21に入力することによって、パル
スエンコーダ5、あるいは制御回路8内部のどちらに故
障が発生したかを直ちに判別することができる。
【0043】図4は、A,B二相のパルス信号FA,F
Bを発生するパルス発生回路33の一例を示すブロック
図である。33aは、予め設定されたパターンにしたが
って、速度指令値ωr*に基いた上限値信号Saに変換
する上限変換器である。33bはアップダウンカウン
タ、33c〜33eはいずれも2入力(A,B)の比較
器(コンパレータ)、33fはフリップフロップであ
る。カウンタ33bの上限値は、上限変換器33aの上
限値信号Saと比較器33cの出力信号Scにより書き
換えられるとともに、フリップフロップ33fの出力信
号Sfにより、アップカウントとダウンカウントとの切
り換えが行われる。カウンタ33bの出力信号Sbは、
比較器33c〜33eのB入力として出力され、上限値
信号SaがA入力となる比較器33cではB≧Aの条件
で信号Scを出力し、比較器33dでは上限値信号Sa
とは無関係にB=0の条件で信号Sdを出力し、上限値
信号SaがA入力となる比較器33eではB=A/2の
条件で信号Seを出力する。フリップフロップ33f
は、入力信号Sdのタイミングで立ち上がり、入力信号
Scのタイミングで立ち下がる矩形波信号Sfを出力す
る。
【0044】なお、33gはラッチ回路、33hは信号
反転器、33iは極性判別回路、33jは選択器であ
る。つぎに、このパルス発生回路33の動作を説明す
る。図5は、図4に示す各信号Sa〜Shを示す動作波
形図である。
【0045】上限変換器33aでは、速度指令値ωr*
に対応するように、アップダウンカウンタ33bに上限
値信号Saを出力する。このパルス発生回路33では、
速度指令値ωr*に比例して周波数の高いパルス信号を
出力するので、この上限値信号Saは速度指令値ωr*
が大きい程、小さな値となる。アップダウンカウンタ3
3bは、その入力信号Sa,Sc,Shの状態に従って
アップダウン動作を行い、アップダウン信号Sbを出力
する。比較器33c〜33eからは、それぞれの内部条
件に応じたタイミングでパルス信号Sc,Sd,Seが
出力される。
【0046】その結果、パルス信号Scはカウント値が
上限のときに、パルス信号Sdはカウント値が下限(=
0)のときに、パルス信号Seはカウント値が上下限の
センタのときにそれぞれ発生する。このうち、パルス信
号Sc,Sdをフリップフロップ33fのJ,K入力端
子にそれぞれ入力することで矩形波信号Sf(=FA)
が得られ、このパルス発生回路33からA相信号として
出力される。
【0047】ラッチ回路33gでは、この信号Sfをパ
ルス信号Seのエッジによりラッチすることで、1/4
周期ずれた矩形波信号Sgが得られる。矩形波信号Sg
は、信号反転器33hで反転された信号Shとともに、
選択器33jで選択される。すなわち、選択器33jは
極性判別回路33hで判別された速度指令値ωr*の極
性に応じて切り替えられ、速度指令値ωr*の極性がプ
ラスの場合、ラッチ回路33gからの矩形波信号Sgが
そのままB相信号(=FB)として出力される。しか
し、速度指令値ωr*の極性がマイナスの場合には、信
号反転器33hで極性反転された信号ShがB相信号
(=FB)として出力される。
【0048】以上の実施形態では、いずれもベクトル制
御装置はパルスエンコーダから誘導電動機の実速度をフ
ィードバックするものとして説明した。しかし、制御対
象のモータは例えば直流電動機、同期電動機であっても
よい。すなわち、実速度をフィードバックすることによ
り、一次電流を二次磁束と平行な成分と垂直な成分とに
分離して所望のトルクで速度制御を行うものであれば、
いずれの制御装置であっても本発明を適用することがで
きる。
【0049】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明のベク
トル制御装置によれば、誘導電動機の回転速度指令に比
例した速度指令パルス信号を内部で発生するようにした
ので、同期運転用端子からの速度指令パルス信号を他の
ベクトル制御装置に供給することによって、複数台の誘
導電動機についての位置同期運転が可能になり、しかも
ローコスト化、省配線化が実現できる。
【0050】また、この発明のベクトル制御装置によれ
ば、内蔵したパルス発生手段により誘導電動機の回転速
度指令に比例した速度指令パルス信号を発生することに
よって、誘導電動機の実速度信号を用いないで速度演算
が実行可能になり、実速度信号の検出系に不具合が生じ
た場合でも、制御性能の自己チェックができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のベクトル制御装置を示すブロック図
である。
【図2】誘導電動機のトルク・速度を制御する制御回路
の一例を示すブロック図である。
【図3】セルフチェック機能を内蔵したベクトル制御装
置の一例を示すブロック図である。
【図4】A,B二相のパルス信号を発生するパルス発生
回路の一例を示すブロック図である。
【図5】図4に示す各信号Sa〜Shを示す動作波形図
である。
【図6】従来のベクトル制御装置を示すブロック図であ
る。
【図7】従来のベクトル制御装置を用いて2台のモータ
の位置同期制御を行う場合のブロック図である。
【図8】制御装置外部にパルス発生回路を備え、2台の
モータの位置同期制御を行うベクトル制御装置を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 交流電源 2 インバータ 3 誘導電動機(モータ) 4 負荷 5 パルスエンコーダ 6 速度設定器 7 速度指令演算回路 8 制御回路 9 電流センサ 10 信号線 11 加算器 12 偏差カウンタ 13 位置調節器 14 切り換え回路 15 速度設定器 16,17 パルス発生回路 18 同期運転用端子 19a,19b ベクトル制御装置 20 信号線 21 速度演算器 22 速度調節器 23,24 演算回路 25,26 座標変換器 27 T軸電流調節器 28 M軸電流調節器 29 すべり周波数演算器 30 ロータ周波数演算器 31 積分器 32 磁束指令演算回路 33 パルス発生回路 34 切り換え回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H572 CC05 DD03 EE01 GG02 GG04 HB08 HC07 JJ02 JJ13 JJ22 KK03 LL07 LL22 LL32 LL44 5H576 BB06 CC05 DD02 DD04 DD05 EE01 GG02 GG04 HB01 HB05 JJ05 JJ06 JJ12 JJ14 JJ19 JJ22 LL07 LL22 LL30 LL34 LL55 LL57

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ回転速度を検出してフィードバッ
    クすることにより所望のトルクでモータ回転速度を制御
    するベクトル制御装置において、 前記モータ回転速度の指令値に比例した速度指令パルス
    信号を発生するパルス発生手段と、 前記速度指令パルス信号と前記モータ回転速度に対応し
    て検出されたパルス信号との偏差を零とするように新た
    な回転速度指令値を演算する演算手段と、 前記速度指令パルス信号を外部に出力可能な同期運転用
    端子とを備え、 前記速度指令パルス信号を前記同期運転用端子から他の
    ベクトル制御装置に供給することにより、複数台のモー
    タを位置同期運転するようにしたことを特徴とするベク
    トル制御装置。
  2. 【請求項2】 モータ回転速度を検出してフィードバッ
    クすることにより所望のトルクでモータ回転速度を制御
    するベクトル制御装置において、 前記モータ回転速度の指令値に比例した速度指令パルス
    信号を発生するパルス発生手段と、 前記速度指令パルス信号と前記モータ回転速度に対応し
    て検出されたパルス信号とのいずれかを選択する切り換
    え手段とを備え、 故障診断時に、前記モータ回転速度に替えて前記パルス
    発生手段からの速度指令パルス信号によってモータ回転
    速度を制御するようにしたことを特徴とするベクトル制
    御装置。
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