JP2004285509A - 極細繊維及びこれを用いた不織布 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の極細繊維は繊維径が4μm以下、かつ融点の点で異なる3種類以上のポリオレフィン系樹脂成分のみからなる。好ましくは、低密度ポリエチレン及び/又は高密度ポリエチレンに加えて、ポリプロピレンとポリメチルペンテンとを含んでいるか、低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンに加えて、ポリプロピレン及び/又はポリメチルペンテンを含んでいる。本発明の不織布は前記極細繊維を含んでいる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は極細繊維及びこれを用いた不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】
不織布はその多孔性、分離性、ろ過性、保形性、伸縮性、隠蔽性、遮断性など、各種性能を有するものであるため、各種用途に適用されている。特に不織布構成繊維が細いと、前記性能に優れているため、細い繊維を用いた不織布が好適である。
【0003】
このような好適な不織布構成繊維として、本願出願人は、「融点が166℃以上の高融点ポリプロピレンを含み、繊維径が5μm以下の極細繊維を発生可能である極細繊維発生可能繊維」(特許文献1)を提案した。この極細繊維発生可能繊維からは繊維径が5μm以下の極細繊維を発生できるため、前記性能に優れる不織布を製造することができる。また、前記極細繊維は低融点のポリマーを含んでいることができるため、この低融点のポリマーによって融着できるものである。
【0004】
同様に、不織布構成繊維として、本願出願人は、「ポリメチルペンテンを含み、繊維径が5μm以下の極細繊維を発生可能である極細繊維発生可能繊維」(特許文献2)を提案した。この極細繊維発生可能繊維からは繊維径が5μm以下の極細繊維を発生できるため、前記性能に優れる不織布を製造することができる。また、前記極細繊維は低融点のポリマーを含んでいることができるため、この低融点のポリマーによって融着できるものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−160432号公報(特許請求の範囲、段落番号0013〜0015)
【特許文献2】
特開2000−192335号公報(特許請求の範囲、段落番号0011〜0013)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の極細繊維を使用した不織布は、分離性、ろ過性、隠蔽性、遮断性などの各種特性に優れているため、これらの特性を必要とする用途に好適に使用できるものであった。しかしながら、このような極細繊維を使用した不織布であっても、不十分な場合があった。例えば、更に高度な遮断性が必要である用途に適用できない場合があった。
【0007】
より具体的には、従来の極細繊維を使用した不織布をリチウムイオン二次電池用のセパレータとして使用した場合、セパレータには、電気絶縁性、耐電解液性、及び厚さの薄いことが要求されると同時に、電池の外部短絡等により異常な大電流が流れたときに電池温度が著しく上昇して、可燃性ガスの発生や電池の破裂や発火を防ぐために、その熱によってセパレータの開孔を閉塞してイオン透過性を遮断する機能(シャットダウン機能)を兼ね備えている必要があるが、前記不織布はシャットダウン機能が不十分であるため、リチウムイオン二次電池用のセパレータとして使用することが困難であった。
【0008】
本発明は上述のような問題点を解決するためになされたもので、各種用途に適用できる極細繊維、及びこれを用いた不織布を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1にかかる発明は、「繊維径が4μm以下、かつ融点の点で異なる3種類以上の樹脂成分からなることを特徴とする極細繊維」である。このように、繊維径が4μm以下と細いことによって、薄くても地合いの優れる不織布を製造することができ、また融点の異なる3種類以上の樹脂成分を含んでいることによって各種特性に更に優れる不織布を形成できる。例えば、熱による溶融が段階的に生じ、その溶融の際に溶融しない樹脂成分によって収縮もしないため、温度に対応した遮断性を発揮できる不織布を製造することができる。
【0010】
本発明の請求項2にかかる発明は、「最も融点の高い樹脂成分以外の樹脂成分の極細繊維全体に対する質量百分率が75%以上、95%以下であることを特徴とする、請求項1記載の極細繊維」である。このように、最も融点の高い樹脂成分以外の樹脂成分の割合が高い、つまり融着に関与できる樹脂成分量が多いため、優れた機械的強度を有する不織布を製造することができる。
【0011】
本発明の請求項3にかかる発明は、「前記極細繊維がポリオレフィン系樹脂のみからなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の極細繊維」である。このように、ポリオレフィン系樹脂のみからなると、耐薬品性に優れているため、各種用途に適用できる不織布を製造することができる。
【0012】
本発明の請求項4にかかる発明は、「前記極細繊維が低密度ポリエチレン及び/又は高密度ポリエチレンに加えて、ポリプロピレンとポリメチルペンテンとを含んでいることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の極細繊維」である。このような3種類の樹脂を含んでいると、耐薬品性に優れていることに加えて、メチルペンテン系樹脂は融点が高いため、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレンが溶融したとしても、収縮しない、耐熱性の優れる不織布を製造できる。
【0013】
本発明の請求項5にかかる発明は、「前記極細繊維が低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンに加えて、ポリプロピレン及び/又はポリメチルペンテンを含んでいることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の極細繊維」である。このような樹脂成分を含んでいると、耐薬品性に優れていることに加えて、比較的低融点で融着することができるため、不織布製造上、エネルギー的に有利である。また、熱による溶融が比較的低温で生じるため、比較的低温での遮断性を発揮できる不織布を製造することができる。
【0014】
本発明の請求項6にかかる発明は、「請求項1〜請求項5のいずれかに記載の極細繊維を含む不織布」である。そのため、各種特性に更に優れる不織布である。例えば、熱による溶融が段階的に生じ、その溶融の際に溶融しない樹脂成分によって収縮もしない、温度に対応した遮断性を発揮できる不織布である。より具体的には、この不織布をリチウムイオン二次電池用セパレータとして使用した場合、過電流による異常な発熱があったとしても、最も融点の低い樹脂成分が溶け出して繊維間の微孔を閉塞することができ、更に想定した温度以上の異常発熱があったとしても、2番目に融点の低い樹脂成分が溶け出して、残存している微孔を閉塞することができるため、安全の信頼性が向上する。しかも最も融点の高い樹脂成分によって不織布形状を保持することができるため、シャットダウン機能と形状保持性の両方を兼ね備えている。
【0015】
本発明の請求項7にかかる発明は、「少なくとも一方向における引張り強度が50N/5cm幅以上であることを特徴とする、請求項6に記載の不織布」である。このように、繊維径が4μm以下の極細繊維を含んでいるにもかかわらず、少なくとも一方向における引張り強度が50N/5cm幅以上の、優れた機械的強度を有するのが好ましい。
【0016】
本発明の請求項8にかかる発明は、「アルカリ二次電池用セパレータ又はリチウムイオン二次電池用セパレータとして用いることを特徴とする、請求項6又は請求項7記載の不織布」である。本発明の不織布をアルカリ二次電池用セパレータとして用いると、薄くても地合いの優れる不織布であるため短絡防止性に優れており、しかも異常発熱が生じたとしても熱による段階的な溶融によって、イオン透過性を抑制することができ、リチウムイオン二次電池用セパレータとして用いると、前述の通り、シャットダウン機能と形状保持性の両方を兼ね備えている。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の極細繊維は、薄くても地合いの優れる不織布を製造することができるように、また分離性、ろ過性、隠蔽性、遮断性などの各種特性に優れる不織布を製造できるように、繊維径が4μm以下である。好ましい繊維径は3μm以下であり、より好ましい繊維径は2μm以下である。なお、極細繊維の繊維径の下限は不織布の適用用途に適合する機械的強度を有すれば良く、特に限定するものではない。本発明における「繊維径」は、繊維の横断面形状が円形である場合にはその直径をいい、繊維の横断面形状が非円形である場合には同じ面積を有する円の直径を繊維径とする。
【0018】
本発明の極細繊維は均一な孔径を有する不織布を形成できるように、極細繊維は繊維軸方向において、実質的に同じ直径を有しているのが好ましい。このような繊維軸方向において実質的に同じ直径を有する極細繊維は、例えば、紡糸口金部で海成分中に口金規制して島成分を押し出して複合する複合紡糸法で得た海島型繊維の海成分を除去し、島成分を残留させて形成することができる。なお、一般的に混合紡糸法といわれる、島成分を構成する樹脂と海成分を構成する樹脂とを混合した後に紡糸する方法によって得た海島型繊維の海成分を除去する方法や、メルトブロー法によっては、繊維軸方向において実質的に同じ直径を有する極細繊維を得ることは困難である。
【0019】
本発明の極細繊維は上述のような繊維径であることに加えて、融点の点で異なる3種類以上の樹脂成分から構成されていることによって、各種特性に更に優れる不織布を形成できる。例えば、熱による溶融が段階的に生じ、その溶融の際に溶融しない樹脂成分によって収縮もしないため、温度に対応した遮断性を発揮できる不織布を製造することができる。また、融点の異なる3種類以上の樹脂成分からなることによって、最も融点の低い樹脂成分の融着(場合によっては最も融点の高い樹脂成分、最も融点の低い樹脂成分以外の樹脂成分も融着)と、最も融点の高い樹脂成分による極細繊維の繊維形態維持作用によって、優れた機械的強度を有する不織布を製造することができる。
【0020】
本発明の極細繊維を構成する樹脂成分は融点の点で異なれば良く、その融点差は特に限定するものではないが、融点の近接する樹脂成分間の融点差は、温度に応じた遮断性を発揮できるように、また不織布製造時における融着を所望樹脂成分のみに対して実施して、不織布の機械的強度を低下させないように、10℃以上あるのが好ましく、20℃以上あるのがより好ましい。本発明における「融点」は示差走査熱量計を用い、昇温温度10℃/分で、室温から昇温して得られる融解吸熱曲線の極大値を与える温度をいう。なお、極大値が2つ以上ある場合には、最も高温の極大値を融点とする。
【0021】
本発明の極細繊維においては、極細繊維の最も融点の高い樹脂成分以外の樹脂成分の極細繊維全体に対する質量百分率が75%以上、95%以下であるのが好ましい。75%未満であると、温度に応じた遮断性に劣り、また不織布製造時に融着に関与できる樹脂成分量が少なく、不織布の機械的強度が弱くなる傾向があり、特に、本発明の極細繊維を用いた不織布をリチウムイオン二次電池用セパレータとして使用した場合には、発熱により溶融する樹脂成分量が少なく、繊維間の間隙孔を閉塞するのが困難になる傾向があるためである。他方、95%を超えると、最も融点の高い樹脂成分の量が少なくなりすぎて、最も融点の高い樹脂成分以外の樹脂成分の溶融時に、不織布としての形状を維持することが困難になる傾向があるためである。極細繊維の最も融点の高い樹脂成分以外の樹脂成分の極細繊維全体に対する質量百分率は、より好ましくは77〜93%であり、更に好ましくは79〜91%である。
【0022】
本発明の極細繊維は融点の点で異なる3種類以上の樹脂成分から構成されていれば良く、その種類数は特に限定されるものではない。
【0023】
また、極細繊維を構成する樹脂成分も特に限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂を挙げることができる。これらの中でも、耐薬品性に優れるポリオレフィン系樹脂を含んでいるのが好ましく、ポリオレフィン系樹脂のみからなると、耐薬品性に特に優れており、各種用途に適用できる不織布を製造できるため好適である。例えば、本発明の極細繊維を使用した不織布をリチウムイオン二次電池用セパレータとして使用しても、電解液によって浸食されないため、長期間分離作用を奏することができる。
【0024】
より具体的には、好適なポリオレフィン系樹脂成分として、例えば、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン共重合体などのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン、メチルペンテン共重合体などのポリメチルペンテン系樹脂を挙げることができる。
【0025】
このようなポリオレフィン系樹脂成分を含む場合、(1)低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンを含む組合せ(特にはこれら樹脂のみからなる組合せ)、(2)低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンを含む組合せ(特にはこれら樹脂のみからなる組合せ)、(3)低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリメチルペンテンを含む組合せ(特にはこれら樹脂のみからなる組合せ)、(4)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンを含む組合せ(特にはこれら樹脂のみからなる組合せ)、(5)高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンを含む組合せ(特にはこれら樹脂のみからなる組合せ)、が好適である。これらの中でも、(1)及び(3)〜(5)の組合せのように、メチルペンテン系樹脂を含んでいると、メチルペンテン系樹脂は融点が高いため、エチレン系樹脂やポリプロピレンが溶融したとしても、収縮しない、耐熱性の優れる不織布を製造できるため好適である。特に、(4)又は(5)の組合せの場合、適度に融点が離れており、温度に応じた遮断性を発揮しやすく、また不織布製造時における融着を所望樹脂成分のみに対して実施しやすいため好適である。また、(1)〜(3)の組合せのように、低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとを含んでいると、熱による溶融が比較的低温で生じるため、比較的低温での遮断性を発揮できる不織布を製造することができるばかりでなく、比較的低温で融着できるため、不織布製造上、エネルギー的に有利である。このように、極細繊維がエチレン系樹脂を含んでいると、極細繊維を含む不織布をリチウムイオン二次電池用セパレータとして使用した場合、過電流による異常な発熱があったとしても、比較的低温でエチレン系樹脂が溶け出して繊維間の微孔を閉塞することができ、シャットダウン機能が優れているため好適である。
【0026】
本発明の極細繊維の最も融点の高い樹脂成分以外の樹脂成分は、温度に応じた遮断性を発揮できるように、また融着に関与できるように、更には、極細繊維を含む不織布をリチウムイオン二次電池用セパレータとして使用する場合には、容易に溶け出して繊維間の微孔を閉塞できるように、極細繊維表面の少なくとも一部を占めているのが好ましい。
【0027】
本発明の極細繊維の繊維長は特に限定するものではないが、繊維長が短いほど繊維の自由度が高く、地合いの優れる不織布を製造できるため、繊維長は0.5〜30mmであるのが好ましく、1〜20mmであるのがより好ましい。また、切断された極細繊維であるのが好ましい。本発明における「繊維長」は、JISL 1015(化学繊維ステープル試験法)B法(補正ステープルダイヤグラム法)により得られる長さをいう。
【0028】
本発明の極細繊維は実質的にフィブリル化していないことが好ましい。地合いに優れ、より薄い不織布を製造できるためである。また、極細繊維の横断面形状は、不織布の地合いを向上させることができるように、円形であるのが好ましい。
【0029】
本発明の極細繊維は機械的強度の優れる不織布を製造できるように、延伸状態にあるのが好ましい。この「延伸状態」とは、紡糸工程とは別の延伸工程(例えば、延伸ねん糸機による延伸工程)により延伸されていることをいい、例えば、メルトブロー法のように溶融押し出した樹脂に対して熱風を吹き付けて繊維化した繊維は、紡糸工程と延伸工程が同じであるため、延伸状態にはない。また、海島型繊維から極細繊維を発生させる場合には、極細繊維を発生させた後に延伸工程を経る必要はなく、極細繊維を発生させる前に海島型繊維が延伸工程を経ていれば、極細繊維は延伸状態にある。
【0030】
このような本発明の極細繊維は、例えば、常法の複合紡糸法により海島型繊維を紡糸する際に、極細繊維を構成する3種類以上の樹脂を混合又は複合した樹脂を、島成分を押し出す口金へ供給して、3種類以上の樹脂が混合又は複合した状態で存在する島成分を備えた海島型繊維を紡糸した後に、海成分を除去することにより、前記島成分からなる極細繊維を製造することができる。
【0031】
本発明の不織布は上述のような極細繊維を含むものである。そのため、各種特性に更に優れる不織布である。例えば、熱による溶融が段階的に生じ、その溶融の際に溶融しない樹脂成分によって収縮もしない、温度に対応した遮断性を発揮できる不織布である。より具体的には、本発明の不織布をリチウムイオン二次電池用セパレータとして使用した場合、過電流による異常な発熱があったとしても、最も融点の低い樹脂成分が溶け出して繊維間の微孔を閉塞することができ、更に想定した温度以上の異常発熱があったとしても、2番目に融点の低い樹脂成分が溶け出して、残存している微孔を閉塞することができる、安全の信頼性の高いものである。しかも最も融点の高い樹脂成分によって不織布形状を保持することができるため、シャットダウン機能と形状保持性の両方を兼ね備えたものである。
【0032】
本発明の不織布において、極細繊維は地合いの優れる不織布であることができるように、束の状態にはなく、個々の極細繊維が分散した状態にあるのが好ましい。
【0033】
また、極細繊維は均一な孔径を有する不織布を形成できるように、極細繊維間の繊維径はほぼ同じであるのが好ましい。つまり、極細繊維の繊維径分布の標準偏差値(σ)を、極細繊維の平均繊維径(d)で除した値(σ/d)が0.2以下(好ましくは0.18以下)であるのが好ましい。なお、全ての極細繊維の繊維径が同じである場合には標準偏差値(σ)が0になるため、前記値(σ/d)の下限値は0である。この「平均繊維径(d)」は、極細繊維の電子顕微鏡写真を撮影し、この電子顕微鏡写真における100本以上(n本)の極細繊維の繊維径を計測し、その計測した繊維径の算術平均値をいう。また、極細繊維の「標準偏差値(σ)」は、計測した繊維径(χ)をもとに、次の式から算出される値をいう。
標準偏差={(nΣχ2−(Σχ)2)/n(n−1)}1/2
ここでnは測定した極細繊維の本数を意味し、χはそれぞれの極細繊維の繊維径を意味する。
【0034】
本発明の不織布においては、前述のような極細繊維量が多ければ多い程、薄くても地合いが均一で、温度に対応した遮断性を発揮でき、しかも融着力に優れ、優れた機械的強度を有する不織布であることができるため、極細繊維は不織布構成繊維中、60mass%以上を占めているのが好ましく、70mass%以上を占めているのがより好ましく、80mass%以上を占めているのが更に好ましく、90mass%以上を占めているのが更に好ましく、100mass%極細繊維からなるのが最も好ましい。
【0035】
本発明の不織布は上述のような極細繊維を含むものであるが、前述のような極細繊維以外の繊維を含んでいることができる。この極細繊維以外の繊維としては、例えば、(1)繊維径が4μmを超える太繊維、(2)繊維径が4μm以下であるものの融点の点で2種類以下の樹脂成分からなる繊維、などを挙げることができる。このような極細繊維以外の繊維を構成する樹脂も特に限定するものではないが、極細繊維と同様の樹脂(例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、或いはポリエステル系樹脂)から構成することができ、同様の理由で、ポリオレフィン系樹脂のみから構成されているのが好ましい。この好適であるポリオレフィン系樹脂も極細繊維と同様の樹脂を挙げることができ、比較的融点の低いポリエチレン系樹脂を含んでいるのが好ましい。なお、極細繊維以外の繊維の繊維長は特に限定するものではないが、地合いの優れる不織布を製造できるように、0.5〜30mmであるのが好ましく、1〜20mmであるのがより好ましい。また、切断された繊維であるのが好ましい。
【0036】
本発明の不織布は上述のような極細繊維を含み、場合によって前記のような繊維を含むものであるが、不織布はフィブリル化していない繊維のみから構成されているのが好ましい。この「フィブリル化していない」とは、複数の微細繊維が既に結合した繊維ではないことを意味し、例えば、一本の繊維から無数の微細繊維が枝分かれした状態の繊維(例えば、機械的に分割可能な分割性繊維をビーターなどによって叩解した繊維、パルプなど)や、複数の微細繊維が既に結合してネットワーク状態にある繊維(例えば、フラッシュ紡糸法により得られる繊維など)ではないことを意味する。
【0037】
本発明の不織布はどのようにして形態を維持していても良いが、薄いにもかかわらず、地合いが優れ、しかも機械的強度に優れているように、上述のような極細繊維の最も融点の高い樹脂成分以外の樹脂成分の融着により形態を維持しているのが好ましく、最も融点の低い樹脂成分の融着により形態を維持しているのがより好ましい。最も好ましい最も融点の低い樹脂成分の融着は、例えば、ヤンキードライヤー、キャンドライヤー、熱風循環式ドライヤーなどを用いて、最も融点の低い樹脂成分の軟化温度以上、かつ2番目に融点の低い樹脂成分の融点未満の温度を作用させて実施することができる。この「軟化温度」は、示差熱量計を用い、昇温速度10℃/分で室温から昇温して得られる融解吸熱曲線の開始点を与える温度をいう。
【0038】
本発明の不織布は実質的に繊維(特に極細繊維の最も融点の低い樹脂成分)の融着のみによって形態を維持しているのが好ましい。このように繊維の融着のみによって形態を維持していることによって、地合いの優れる不織布であることができるためである。例えば、融着以外に絡合もしていると、繊維同士を絡合させるための作用(例えば、水流などの流体流)によって、不織布の表面から裏面への貫通孔が形成されて、地合いが悪化する傾向があるが、融着のみによって形態を維持していると、繊維の配置が乱れないため地合いの優れる不織布であることができる。なお、不織布を製造する際に繊維同士が絡むことがある。例えば、湿式法により繊維ウエブを形成した場合に、繊維同士が絡合することがある。しかしながら、この絡合は不織布の地合いを乱すものではないため、実質的に絡合していないとみなすことができる。このように、「実質的に繊維の融着のみ」とは、繊維ウエブを形成した後における結合が融着のみによってなされていることをいう。
【0039】
本発明の不織布は機械的強度に優れているように、少なくとも一方向における引張り強さが50N/5cm幅以上であるのが好ましく、60N/5cm幅以上であるのがより好ましく、75N/5cm幅以上であるのが更に好ましい。この引張り強さはどの方向における値でも良いが、一般的には不織布の長さ方向、つまり不織布の生産(流れ)方向が前記値を満たすのが好ましい。なお、「引張り強さ」は幅5cm、長さ20cmに裁断した不織布サンプルを、引張り強さ試験機(オリエンテック製、テンシロンUTM−III−100)のチャック間(チャック間距離:10cm)に固定し、引張り速度300mm/min.で不織布サンプルを長手方向に引張り、不織布サンプルを破断するために要する力をいう。
【0040】
本発明の不織布は前述のような極細繊維を含んでいることによって、厚さの薄いものであることができる。より具体的には、厚さが3μm〜100μmであることができる。特に、不織布をリチウムイオン二次電池用のセパレータとして使用する場合には、4〜60μmであるのが好ましく、アルカリ二次電池用のセパレータとして使用する場合には、10〜100μmであるのが好ましい。なお、この「厚さ」はJIS B 7502:1994に規定されている外側マイクロメーター(0〜25mm)により測定した厚さをいう。
【0041】
本発明の不織布の目付は特に限定するものではないが、前述のような極細繊維を含んでいることによって、低い目付でも地合いの優れる不織布であることができる。より具体的には、目付は4g/m2〜60g/m2であることができる。この「目付」はJIS P 8124(紙及び板紙−坪量測定法)に規定されている方法に基づいて得られる坪量を意味する。
【0042】
本発明の不織布は極細繊維を含んでいることによって、地合いの優れる不織布であることができるが、地合いが優れていることを示す指標として、「地合指数」を挙げることができる。この地合指数の値が0.15以内であると地合いが優れている。より好ましい地合指数は0.10以下である。この「地合指数」は特開2001−50902号公報に開示されている方法により得られる値をいう。つまり、次のようにして得られる値をいう。
(1)光源から不織布に対して光を照射し、照射された光のうち、不織布の所定領域において反射された反射光を受光素子によって受光して輝度情報を取得する。
(2)不織布の所定領域を画像サイズ3mm角、6mm角、12mm角、24mm角に等分割して、4つの分割パターンを取得する。
(3)得られた各分割パターン毎に等分割された各区画の輝度値を輝度情報に基づいて算出する。
(4)各区画の輝度値に基づいて、各分割パターン毎の輝度平均(X)を算出する。
(5)各分割パターン毎の標準偏差(σ)を求める。
(6)各分割パターン毎の変動係数(CV)を次の式により算出する。
変動係数(CV)=(σ/X)×100
ここで、σは各分割パターン毎の標準偏差を示し、Xは各分割パターン毎の輝度平均を示す。
(7)各画像サイズの対数をX座標、当該画像サイズに対応する変動係数をY座標とした結果得られる座標群を、最小二乗法により一次直線に回帰させ、その傾きを算出し、この傾きの絶対値を地合指数とする。
【0043】
本発明の不織布は一層構造からなるのが好ましい。一層構造からなることによって、不織布の厚さを薄くできるばかりでなく、不織布の製造を簡略化でき、安価に製造できるためである。
【0044】
本発明の不織布は地合い及び機械的強度が優れていることができ、しかも厚さが薄いことができるため、各種用途に適用することができる。例えば、リチウムイオン二次電池用セパレータ、リチウムポリマー電池用セパレータ又は支持体、アルカリ電池用セパレータ、電気二重層キャパシタ用セパレータ、ワイピング材、印刷用基材、脂取り紙、などに使用することができる。特に、リチウムイオン二次電池用セパレータ、リチウムポリマー電池用セパレータ又は支持体として使用した場合には、シャットダウン性能に優れている、という優れた効果を奏する。また、アルカリ二次電池用セパレータとして使用した場合には、短絡防止性に優れており、しかも異常発熱が生じたとしても熱による段階的な溶融によって、イオン透過性を抑制することができるという効果を奏する。
【0045】
このような本発明の不織布は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0046】
まず、前述のような極細繊維を用意する。必要により極細繊維以外の繊維も用意する。
【0047】
次いで、用意した繊維(特に極細繊維)から繊維ウエブを形成する。この繊維ウエブの形成方法は特に限定するものではないが、湿式法により形成することができる。この湿式法としては、従来公知の方法、例えば、水平長網方式、傾斜ワイヤー型短網方式、円網方式、又は長網・円網コンビネーション方式により形成できる。
【0048】
次いで、この繊維ウエブを構成する極細繊維の最も融点の高い樹脂成分以外の樹脂成分(好ましくは最も融点の低い樹脂成分のみ)を融着して不織布を製造できる。本発明の不織布は融着のみによって形態を維持しているのが好ましい。このように融着のみによって形態を維持していると、繊維の配置が乱れないため、地合いの優れる不織布を製造しやすいためである。
【0049】
この繊維ウエブを構成する極細繊維の最も融点の高い樹脂成分以外の樹脂成分(好ましくは最も融点の低い樹脂成分のみ)の融着は、無圧下で行なっても良いし、加圧下で行なっても良いし、或は無圧下で最も融点の高い樹脂成分以外の樹脂成分(好ましくは最も融点の低い樹脂成分のみ)を溶融させた後に加圧しても良い。なお、加熱温度はいずれの場合も、最も融点の低い樹脂成分の軟化温度以上の温度、かつ最も融点の高い樹脂成分の融点未満の温度(最も融点の低い樹脂成分のみを融着させる場合には、2番目に融点の低い樹脂成分の融点未満の温度)で行なうのが好ましい。また、加圧する場合の圧力は、必要な機械的強度を有する不織布を形成できる圧力であれば良く、特に限定するものではない。この圧力は実験を繰り返すことによって、適宜設定することができる。
【0050】
本発明の不織布は例えば上述のようにして製造することができるが、地合指数が0.15以下である不織布は、不織布を構成する繊維としてフィブリル化していないものを使用したり、繊維長が1〜20mm程度の短い極細繊維を使用したり、湿式法により繊維ウエブを形成したり、融着のみによって繊維同士を固定(絡合処理を施さない)するなど、これらの条件を適宜調整することによって製造することができる。
【0051】
本発明の少なくとも一方向における引張り強さが50N/5cm幅以上である不織布は、繊維を抄き上げるネットの移動速度とスラリー流量とを調節して繊維の配向が一方向に近い状態としたり、融着の程度を高くしたり、繊維長を長くするなど、これらの条件を適宜調整することによって製造することができる。
【0052】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0053】
【実施例】
(実施例1)
ポリ−L−乳酸からなる海成分中に、ポリメチルペンテンとポリプロピレンと高密度ポリエチレンとが混合した状態にある島成分が25個存在する、複合紡糸法により得た海島型複合繊維(繊度:1.65dtex、切断繊維長:2mm)を用意した。
【0054】
次いで、この海島型複合繊維を、温度80℃、10mass%水酸化ナトリウム水溶液からなる浴中に30分間浸漬し、海島型繊維の海成分であるポリ−L−乳酸を除去して、高密度ポリエチレンが繊維表面の一部を占め、高密度ポリエチレンとポリプロピレンとポリメチルペンテンとが混在した、混在極細繊維(繊維径:2μm、σ/d:0.083、高密度ポリエチレンの極細繊維全体に対する質量百分率:80%、ポリプロピレンの極細繊維全体に対する質量百分率:10%、ポリメチルペンテンの極細繊維全体に対する質量百分率:10%、高密度ポリエチレンの融点:135℃、ポリプロピレンの融点:172℃、ポリメチルペンテンの融点:235℃、切断繊維長:2mm、フィブリル化していない、延伸状態、横断面形状:円形、繊維軸方向において実質的に同じ直径を有する)を得た。
【0055】
次いで、この混在極細繊維を100%用い、分散させたスラリーから湿式法(水平長網方式)により繊維ウエブを形成した。この繊維ウエブにおいて個々の混在極細繊維は束の状態にはなく、分散した状態にあった。
【0056】
次いで、この繊維ウエブを温度128℃に設定された熱風循環式ドライヤーへ供給して、乾燥及び前記混在極細繊維の高密度ポリエチレン成分のみを融着させた後、温度60℃のロールプレス機で厚さを調整し、目付が10g/m2で、厚さが25μmの、実質的に一層構造からなる不織布(長さ方向における引張り強度:60N/5cm幅、地合指数:0.06)を製造した。
【0057】
この不織布を温度135℃に設定された熱風オーブン中で3分間放置した後、電子顕微鏡で観察したところ、繊維間の細孔が閉塞されていた。更に、温度180℃に設定された熱風オーブン中に3分間放置したが、収縮は起きなかった。そのため、リチウムイオン二次電池用セパレータとして使用した場合にはシャットダウン機能が有効に働くことが推定できた。
【0058】
(比較例1)
ポリ−L−乳酸からなる海成分中に、高密度ポリエチレンからなる島成分が25個存在する、複合紡糸法により得た海島型複合繊維(繊度:1.65dtex、切断繊維長:2mm)を用意した。次いで、この海島型複合繊維を、温度80℃、10mass%水酸化ナトリウム水溶液からなる浴中に30分間浸漬し、海島型繊維の海成分であるポリ−L−乳酸を除去して、高密度ポリエチレン極細繊維(繊維径:2μm、σ/d:0.083、高密度ポリエチレンの極細繊維全体に対する質量百分率:100%、高密度ポリエチレンの融点:135℃、切断繊維長:2mm、フィブリル化していない、延伸状態、横断面形状:円形、繊維軸方向において実質的に同じ直径を有する)を得た。
【0059】
次いで、この高密度ポリエチレン極細繊維を100%用いたこと以外は、実施例1と同様にして、目付が10g/m2で、厚さが25μmの、実質的に一層構造からなる不織布(長さ方向における引張り強度:75N/5cm幅、地合指数:0.06)を製造した。この不織布を、温度135℃に設定された熱風オーブン中で3分間放置したところ、収縮してしまい、不織布形態を保持できないものであった。
【0060】
(比較例2)
目付が10g/m2で、厚さ25μmの実質的に一層構造からなるポリエチレン製メルトブロー不織布(長さ方向における引張り強度:15N/5cm幅、地合指数:1.2)を製造した。
【0061】
この不織布を、温度135℃に設定された熱風オーブン中で3分間放置したところ、収縮してしまい、不織布形態を保持できないものであった。また、強度が弱いため、リチウムイオン二次電池用セパレータとして用いる場合には、電池構成時の張力に耐えられず、切断などによるショートを引き起こす危険があるものであった。
【0062】
(比較例3)
ポリ−L−乳酸からなる海成分中に、ポリプロピレンと高密度ポリエチレンとが混合した状態にある島成分が25個存在する、複合紡糸法により得た海島型複合繊維(繊度:1.65dtex、切断繊維長:2mm)を用意した。次いで、この海島型複合繊維を、温度80℃、10mass%水酸化ナトリウム水溶液からなる浴中に30分間浸漬し、海島型繊維の海成分であるポリ−L−乳酸を除去して、高密度ポリエチレンが繊維表面の一部を占め、高密度ポリエチレンとポリプロピレンとが混在した、混在極細繊維(繊維径:2μm、σ/d:0.083、高密度ポリエチレンの極細繊維全体に対する質量百分率:80%、ポリプロピレンの極細繊維全体に対する質量百分率:20%、高密度ポリエチレンの融点:135℃、ポリプロピレンの融点:172℃、切断繊維長:2mm、フィブリル化していない、延伸状態、横断面形状:円形、繊維軸方向において実質的に同じ直径を有する)を得た。
【0063】
次いで、この混在極細繊維を100%用いたこと以外は、実施例1と同様にして、目付が10g/m2で、厚さが25μmの、実質的に一層構造からなる不織布(長さ方向における引張り強度:60N/5cm幅、地合指数:0.06)を製造した。
【0064】
この不織布を温度135℃に設定された熱風オーブン中で3分間放置した後、電子顕微鏡で観察したところ、繊維間の細孔が閉塞されていた。更に、温度180℃に設定された熱風オーブン中に3分間放置したところ、収縮が生じた。そのため、リチウムイオン二次電池用セパレータとして使用した場合には、異常発熱によって、可燃性ガスの発生や電池の破裂や発火の可能性があることが推測できた。
【0065】
【発明の効果】
本発明の極細繊維は、薄くても地合いの優れる不織布を製造することができ、また各種特性に更に優れる不織布を形成できる。例えば、熱による溶融が段階的に生じ、その溶融の際に溶融しない樹脂成分によって収縮もしないため、温度に対応した遮断性を発揮できる不織布を製造することができる。
【0066】
本発明の不織布は、各種特性に更に優れる不織布である。例えば、熱による溶融が段階的に生じ、その溶融の際に溶融しない樹脂成分によって収縮もしない、温度に対応した遮断性を発揮できる不織布である。
Claims (8)
- 繊維径が4μm以下、かつ融点の点で異なる3種類以上の樹脂成分からなることを特徴とする極細繊維。
- 最も融点の高い樹脂成分以外の樹脂成分の極細繊維全体に対する質量百分率が75%以上、95%以下であることを特徴とする、請求項1記載の極細繊維。
- 前記極細繊維がポリオレフィン系樹脂のみからなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の極細繊維。
- 前記極細繊維が低密度ポリエチレン及び/又は高密度ポリエチレンに加えて、ポリプロピレンとポリメチルペンテンとを含んでいることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の極細繊維。
- 前記極細繊維が低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンに加えて、ポリプロピレン及び/又はポリメチルペンテンを含んでいることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の極細繊維。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の極細繊維を含む不織布。
- 少なくとも一方向における引張り強度が50N/5cm幅以上であることを特徴とする、請求項6に記載の不織布。
- アルカリ二次電池用セパレータ又はリチウムイオン二次電池用セパレータとして用いることを特徴とする、請求項6又は請求項7記載の不織布。
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JP2003078300A JP2004285509A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 極細繊維及びこれを用いた不織布 |
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Cited By (4)
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---|---|---|---|---|
JP2008190089A (ja) * | 2007-02-07 | 2008-08-21 | Mitsui Chemicals Inc | 合成パルプ、その製造方法及び合成パルプを含む不織布 |
JP2009095828A (ja) * | 2007-09-26 | 2009-05-07 | Toray Ind Inc | 分離膜支持体、並びにそれを用いた分離膜及び流体分離素子 |
JP2013163878A (ja) * | 2012-02-10 | 2013-08-22 | Japan Vilene Co Ltd | 不織布 |
JP2015109284A (ja) * | 2010-08-02 | 2015-06-11 | セルガード エルエルシー | 超高融点微多孔質リチウムイオン再充電可能電池セパレータおよび製造方法 |
-
2003
- 2003-03-20 JP JP2003078300A patent/JP2004285509A/ja active Pending
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