JP2002144123A - ドリル - Google Patents
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Abstract
位置精度が高い 【解決手段】 切屑排出溝12の溝深さMを刃先部11
の基端側に向かうにしたがい小さくするとともに、溝幅
を大きくする。刃先部11の先端から距離Xだけ、切屑
排出溝12が回転軸線Oを含むようにする。距離Xは刃
先部11の最大外径Dよりも小さく設定する。
Description
のに用いられるドリルに関し、例えば、プリント基板
や、微少な金属部品、プラスティック等の被削材に小径
深穴の孔部を穿孔するのに用いられる小型ドリルに関す
る。
わめて小径であり、ドリル本体の先端側に例えば直径
0.05〜3.175mm程度の小径棒状の刃先部が設
けられ、後端側にドリル本体を工作機械の回転軸に把持
するための比較的大径のシャンク部が刃先部と一体にま
たはろう付けや締まり嵌め等で接続されて設けられてい
る。刃先部の材質は、通常、超硬合金が採用され、シャ
ンク部は超硬合金やスチール等の鋼材等が採用されてい
る。
転される小型ドリルの刃先部の周面に、刃先部の先端か
ら基端側に向けて回転軸線周りにねじれる2条の切屑排
出溝が対向して形成されているが、このような2条の切
屑排出溝が設けられた従来の小型ドリルでは、2条の切
屑排出溝によって芯厚が薄くなりドリルの剛性が低くな
るという問題があり、これを解決するために特許第28
79238号に記載されたような小型ドリルが提案され
ている。この小型ドリルは、刃先部の周面に形成された
2条の切屑排出溝の溝深さが刃先部の基端側に向かうに
したがい小さくされることで、刃先部の芯厚を基端側に
向かうにしたがい厚くしてドリルの剛性を高く保つこと
が狙われている。
いても、刃先部に2条の切屑排出溝が設けられているた
めに、刃先部の先端部分ではその芯厚を十分に大きく確
保することができず、ドリルの剛性が不十分であり、し
かも、切屑排出溝の溝深さが刃先部の基端側に向かうに
したがい小さくなっているために、刃先部の基端側部分
で切り屑を逃がすためのスペースを十分に確保すること
ができず、とくに深穴の孔部を穿孔する場合に、切り屑
つまりが発生しやすく、切屑排出性が不十分であるとい
う問題があった。
するために、USP5584617に開示されているよ
うな図6に示す小型ドリル1がある。この小型ドリル1
は、刃先部2とシャンク部とを備えており、その刃先部
2は先端から基端側に向けて回転軸線O周りにねじれ
て、ほぼ全長にわたって所定の溝深さをもつ1条の切屑
排出溝3が設けられており、なおかつ切屑排出溝3のね
じれ角αを刃先部2の先端から基端側に向かうにしたが
い連続的に大きくさせて、切り屑の排出処理を向上させ
る点に特徴がある。このような小型ドリル1では、切屑
排出溝3が1条のみであるため、刃先部2の芯厚dを薄
くすることがなく、剛性を高く保つことができ、前記の
ような剛性についての問題はある程度解決される。
おいて芯厚の割合d/D(刃先部2の芯厚dが刃先部2
の外径Dに対してなす割合d/D)で示すように、刃先
部2の芯厚dがほぼ全長に亘って一定とされているため
に、特に穿孔する穴の穴径と穴深さとの比が10以上と
なるような深穴加工になると、穴曲がりが発生しやすく
穴加工精度が悪化するという問題が残ってしまう。
リルの剛性を高く保ち、良好な切り屑排出性を得ること
ができ、穴位置精度の高い小径深穴加工に用いられるド
リルを提供することを目的とする。
ルは、刃先部の周面に該刃先部の先端から基端側に向け
て回転軸線周りにねじれる切屑排出溝が形成され、該切
屑排出溝の回転方向を向く壁面の先端側領域をすくい面
とし、該すくい面と先端逃げ面との交差稜線部に切刃が
形成されたドリルにおいて、前記刃先部の周面に形成さ
れる切屑排出溝が1条のみであり、前記刃先部の先端か
ら基端側に向かうにしたがい、前記切屑排出溝の溝深さ
が小さくなるとともに、前記切屑排出溝の溝幅が大きく
なることを特徴とする。
れる切屑排出溝が1条のみであるため、刃先部に2条の
切屑排出溝が設けられた従来のドリルに比べて芯厚が厚
くなるのに加え、切屑排出溝の溝深さが刃先部の基端側
に向かうにしたがい小さくされていることで、これに伴
って芯厚がさらに厚くなってドリルの剛性を高く保つこ
とができる。しかも刃先部の基端側に向かうにしたがい
切屑排出溝の溝深さが小さくなるとともに、溝幅が大き
くなることから、切り屑を逃がすのに十分な空間を確保
できて切屑排出性を損なうことがない。
れる切屑排出溝が1条のみであり、前記刃先部の先端か
ら所定長さだけ前記切屑排出溝が回転軸線を含むように
形成され、前記所定長さは刃先部の最大外径より小さい
ことを特徴とする。
きな切削抵抗がかかる回転軸線付近に位置する切刃が存
在しないので、良好な切れ味が得られる。また、切屑排
出溝が回転軸線を含むように形成されている所定長さ
は、刃先部の最大外径よりも小さく設定されていること
から、必要以上に刃先部の剛性を低めることもない。
した図面を用いて説明する。図1は本発明の第一実施形
態による小型ドリルの刃先部の側面図及び芯厚の割合を
示す説明図、図2は同小型ドリルの刃先部の先端面図、
図3は同小型ドリルの刃先部の先端部分を切屑排出溝に
沿って見た仮想的な断面概略図、図4は図1に示す小型
ドリルの刃先部のA地点における断面図、図5は図1に
示す小型ドリルの刃先部のB地点における断面図であ
る。
0は刃先部11とシャンク部とから構成され、刃先部1
1は図1に示すように、例えば直径0.05〜1mmの
小径で略円柱状とされており、その先端から基端まで同
一の外径Dをもつようなストレートタイプとされてい
る。すなわち、刃先部11の外径Dは最大外径Dとされ
る。
に向けて、回転軸線Oを中心に螺旋状に一定のねじれ角
βでねじれて、外周面に開口する1条の切屑排出溝12
が設けられており、この切屑排出溝12の壁面13は、
図2、図4及び図5に示すように、平坦面13aと凹曲
面13bとで構成される。
先部11の先端から基端側に向かうにしたがい次第に小
さくなるように形成されている。ここで、本実施形態に
おける切屑排出溝12の溝深さMとは、刃先部11の軸
直交断面で、回転軸線Oを通り、かつ切屑排出溝12の
壁面13を構成する平坦面13aに直交する直線上にお
いて、刃先部11の外周面を円弧とする仮想の円から平
坦面13aまでの距離とした。
の先端面図で示すように切屑排出溝12の溝深さMはM
1とされ、刃先部11の長手方向の略中心部よりやや先
端側よりのA地点では、図4の断面図で示すように切屑
排出溝12の溝深さMがM2とされ、刃先部11の長手
方向の略中心部よりもやや基端側よりのB地点では、図
5の断面図で示すように切屑排出溝12の溝深さMがM
3とされており、それぞれの溝深さM1〜M3の相互関
係はM1>M2>M3とされている。なお、刃先部11
の先端部では、後述するように、溝深さM1と刃先部1
1の最大外径Dとの関係がM1>D/2となっている。
が刃先部11の先端から基端側に向かうにしたがい次第
に小さくなっているために、刃先部11の芯厚d(本実
施形態において、刃先部11の断面に内接する最大の円
の直径を示す)が、刃先部11の基端側に向かうにした
がい次第に大きくなっている。換言すれば、芯厚の割合
d/D(刃先部11の芯厚dが刃先部11の最大外径D
に対してなす割合d/D)が、図1に示すように、刃先
部11の先端から基端側に向かうにしたがい次第に大き
くなっている。
図4及び図5に示すように、刃先部11の先端から基端
側に向かうにしたがい次第に大きくなるように形成され
ている。ここで、本実施形態における切屑排出溝12の
溝幅Nとは、刃先部11の軸直交断面において、切屑排
出溝12の壁面13を構成する平坦面13aに直交する
方向から見たときに、壁面13と刃先部11の外周面と
が交差する2点間の距離とした。
に示すように切屑排出溝12の溝幅NはN1とされ、刃
先部11の長手方向の略中心部よりやや先端側よりのA
地点では、図4に示すように切屑排出溝12の溝幅Nが
N2とされ、刃先部11の長手方向の略中心部よりもや
や基端側よりのB地点では、図5に示すように切屑排出
溝12の溝幅NがN3とされており、溝幅N1〜N3の
相互関係はN1<N2<N3とされている。
の小型ドリル10の回転方向Tを向く壁面13(平坦面
13a)の先端側領域をすくい面14とし、該すくい面
14と刃先部11の先端逃げ面15との交差稜線部には
切刃16が形成されている。先端逃げ面15は、切刃1
6の回転方向Tのすぐ後方に位置する第一逃げ面15a
と、第一逃げ面15aに連なって回転方向T後方側に位
置する第二逃げ面15bと、さらに、第二逃げ面15b
に連なって回転方向T後方側に位置する第三逃げ面15
cとで構成されている。
12を除く外周面は、図2に示すようにマージン17と
2番取り面18とで構成され、マージン17は切刃16
の回転方向Tのすぐ後方に位置する第一逃げ面15aに
連なる外周面に形成されており、2番取り面18は一定
の2番取り深さaをもち、マージン17の回転方向T後
方側に連続して、第二逃げ面15b及び第三逃げ面15
cに連なる外周面に形成されている。さらに、マージン
17及び二番取り面18は、切屑排出溝12と同様に刃
先部11の先端から基端側に向けて小型ドリル10の回
転方向Tの後方側にねじれて螺旋状に形成されている。
いて、図2及び図3に示すように、切屑排出溝12が回
転軸線Oを含むように形成されている。すなわち、図3
に示すように刃先部11の先端から回転軸線Oに沿って
所定長さ、例えば距離Xの地点まで、切屑排出溝12が
回転軸線Oを含んでいる、換言すれば、刃先部11の先
端から距離X(=0.9D)の地点まで、芯厚の割合d
/D(芯厚dが刃先部11の最大外径Dに対してなす割
合d/D)が50%より小さくなっており、先端逃げ面
15が形成されている刃先部11を除く部分X′の芯厚
の割合は例えば48%程度に設定されている。
が存在しないことから、その部分では被削材の切削が行
われず、切削されない被削材が残ってしまうことになる
が、残った被削材は極わずかの径をもつ円柱状をなすた
めその強度が弱く、刃先部11によって押しつぶされた
り、曲げられて折れたりするので問題にはならない。
含むように形成されている部分において、先端逃げ面1
5が形成されている刃先部11を除く部分X′の芯厚の
割合d/Dは、40%≦d/D<50%の範囲に設定さ
れるのが好ましい。この刃先部11の先端部の芯厚の割
合d/Dが40%より小さいと、回転軸線O付近に残る
円柱状の被削材の径が大きくなり、刃先部11によって
残存する被削材を押しつぶしたり、曲げたりすることが
困難になって、穴曲がりが発生するおそれが生じる。
ように形成された刃先部11の先端からの距離Xは、刃
先部の最大外径Dよりも小さく設定されており、本実施
形態では例えばX=0.9Dとされているが、これより
小さくても構わない。
は、刃先部11の最大外径Dが1mm以下、なおかつ、
刃先部11の有効刃長Lと最大外径Dとの比L/Dは5
以上となるように刃先部11が形成されている。換言す
れば、本実施形態による小型ドリル10は、穿孔する穴
の穴径が1mm以下、かつ穴深さと穴径との比が5以上
となるような小径深穴加工に用いられる。
は、その刃先部11の周面に形成された切屑排出溝が1
条のみであるため、従来の2条の切屑排出溝が設けられ
た小型ドリルよりも刃先部11の芯厚を厚くできること
に加え、刃先部11の先端から基端側に向けて切屑排出
溝12の溝深さMが小さくなるように形成されているた
めに、刃先部11の芯厚dを基端側に向かうにしたがい
さらに厚くすることができる。換言すれば、刃先部11
の芯厚dが刃先部11の最大外径Dに対してなす割合d
/D(図1における芯厚の割合d/D)が、刃先部11
の先端部分では50%近い値をもち、なおかつ刃先部1
1の先端から基端側に向けて次第に大きくなっていく。
これにより、ドリルの剛性を高く保って穴曲がりを防
ぎ、穴位置精度の低下やドリルそのものの折損を防止す
ることができる。
屑排出溝12の溝深さMが小さくされるとともに、同じ
く刃先部11の基端側に向かって切屑排出溝12の溝幅
Nが大きくされていることにより、切り屑を逃がすため
の空間を従来のように狭めることがないので、深穴の孔
部を穿孔する際でも、切り屑詰まりを防いで、良好な切
屑排出性を得ることができる。
切屑排出溝12が回転軸線Oを含むように形成されてい
ることにより、周速が小さいために切削抵抗が大きくて
欠損しやすくなっている回転軸線O付近に位置する切刃
が存在しない。これにより、切刃16の切れ味を良好に
保つことができる。
はその先端から基端まで一定の外径Dをもつストレート
タイプの小型ドリルについて説明したが、刃先部11
が、その先端部分に位置する第一刃先部と、第一刃先部
の後端側に位置し、第一刃先部の外径Dより小さい外径
をもつ第二刃先部とから構成されるようなアンダーカッ
トタイプのドリルでもよい。
の外径Dがその先端から基端まで一定とされたストレー
トタイプの小型ドリルについて説明したが、これに限定
されることなく、刃先部11の外径が先端から基端側に
向かうにしたがい、徐々に小さくなるようなバックテー
パを有する小型ドリルでもよい。この場合、刃先部11
の先端側部分の外径が最大外径Dとなる。
12の壁面13が平坦面13aと凹曲面13bとから構
成されているが、これに限定されることなく、凹曲面の
みで構成されていてもよい。
周りにねじれる切屑排出溝12のねじれ角βを刃先部1
1の先端から基端まで一定としたが、そのねじれ角βを
先端から基端側に向かうにしたがい連続的に変化させて
もよい。
大外径Dが1mm以下、かつ有効刃長Lと最大外径Dと
の比L/Dが5以上となるような小型ドリルについて説
明したが、この範囲に限定されることなく、これより大
きい最大外径Dをもつドリルや、L/Dが5より小さい
ドリルでも構わない。
3とし、これに加えて各種の構成を有する小型ドリル
(比較例1,2及び従来例1〜4)を用いて被削材の穴
明け試験を行った。
端部における芯厚の割合d/Dが、本発明における好ま
しい範囲(40%≦d/D<50%)に設定されたもの
であり、また、比較例1は、刃先部11の先端部におけ
る芯厚の割合d/Dが、本発明における好ましい範囲よ
りも小さく設定された小型ドリルであり、さらに、比較
例2は、刃先部11の先端部において、切屑排出溝12
が回転軸線Oを含まないように形成されたものである、
すなわち、刃先部11の先端部における芯厚の割合d/
Dが、本発明における好ましい範囲よりも大きく設定さ
れた小型ドリルである。
の切屑排出溝12,12が形成されており、その切屑排
出溝12,12の溝深さMが刃先部11の先端から基端
側に向かうにしたがい漸次小さくなっている(溝幅Nは
一定)小型ドリルであり、従来例2〜4は、刃先部2に
1条の切屑排出溝3が形成され、切屑排出溝3の溝深さ
及び溝幅が刃先部2の先端から基端まで一定とされてい
る小型ドリルである。
来例1は、その切屑排出溝12のねじれ角βが刃先部1
1の先端から基端まで一定の35゜とされており、これ
に対し、従来例2〜4は、その切屑排出溝3のねじれ角
αが刃先部2の先端で30゜とされ、基端側に向かうに
したがい、ねじれ角αが連続的に大きくなり基端側部分
で60゜とされている。以上のような小型ドリル(実施
例1〜3、比較例1,2及び従来例1〜4)を用いて行
った穴明け試験の試験条件と結果を表1に示す。
1〜4は共通して、刃先部11の外径Dが該刃先部11
の先端から基端まで一定の0.3mmであるストレート
タイプで、有効刃長Lが6mm、先端角が135゜であ
る。なお、実施例1〜3において、切屑排出溝12が回
転軸線Oを含むように形成されている刃先部11の先端
からの距離Xは0.27mm(=0.9D)とされてい
る。
較例1,2及び従来例1〜4)を用いて、被削材(厚み
0.2mmのBTレジンの両面板を4枚重ねたもの)に
あて板(厚み0.2mmのLE400)と敷板(厚み
1.6mmのベークライト樹脂板)をつけて、穴明け試
験を行った。ドリルの回転数は100000min
-1(rpm)、送り速度は0.020mm/rev.として
ステップ送りはせずに被削材の穴明け加工を行い、10
0穴ずつの平均穴位置精度を±50μmより小さい値に
維持しながら穿孔できた穴数を測定した。ここで表1に
おける寿命とは、平均穴位置精度が±50μmを越える
直前までに穿孔した穴数を示す。
施例1〜3では穿孔した穴数がどれも6700以上まで
安定した穴位置精度を保つことができ、他の小型ドリル
(比較例1,2及び従来例1〜4)と比較して、顕著な
効果がみられた。
割合d/Dが35%とされ、本発明における好ましい範
囲よりも小さく設定されている比較例1では、回転軸線
O付近に残存する被削材の径が大きすぎて、穴曲がりが
発生し、穿孔した穴数が2100までしか穴位置精度が
安定しなかった。また、先端部における芯厚の割合d/
Dが55%とされ、切屑排出溝12が回転軸線Oを含ま
ないように形成されている比較例2は、穿孔した穴数が
3800の時点において、平均穴位置精度は±50μm
以下に保つことができていたものの、切削抵抗が大きく
なりすぎてバリが発生したので、この時点で寿命とし
た。
2,12が形成され、その切屑排出溝12,12の溝深
さMが刃先部11の先端から基端側に向けて小さくなっ
ているように形成された従来例1では、切り屑詰まりが
発生して、穿孔した穴数が900までしか穴位置精度が
安定しなかった。また、刃先部2に1条の切屑排出溝3
が形成されるが溝深さ及び溝幅が刃先部2の先端から基
端まで一定の従来例2〜4では、穴曲がりが発生し、穿
孔した穴数がどれも2600以下までしか穴位置精度が
安定しなかった。
は、刃先部11の先端部における芯厚の割合d/Dが、
本発明における好ましい範囲よりも外れている比較例
1,2や従来例1〜4と比較して、穴位置精度が安定し
たまま数多くの穴を穿孔できた。
ルによれば、刃先部に設けられる切屑排出溝が1条のみ
であるため、芯厚を厚くすることができ、さらに刃先部
の先端から基端側に向かうにしたがい切屑排出溝の溝深
さが小さくされているために、芯厚をより厚くすること
ができるので、高いドリル剛性を有し、刃先部の折損や
穴曲がりを防いで、安定した穴位置精度が得られる。ま
た、刃先部の基端側に向かうにしたがい切屑排出溝の溝
深さが小さくなるとともに、溝幅が大きくされているこ
とから、切り屑を逃がすのに十分な空間が確保されて、
切り屑詰まりを起こすことなく、良好な切屑排出性が得
られる。
排出溝が回転軸線を含むように形成されているから、周
速が小さくて切削抵抗が大きくなる回転軸線付近に位置
する切刃が存在せず、良好な切れ味が得られる。また、
切屑排出溝が回転軸線を含むように形成されている刃先
部の先端からの所定長さは刃先部の最大外径よりも小さ
く設定されているから、必要以上に芯厚の薄い部分をつ
くることなく、ドリルの剛性を低めることもない。
を示す側面図及び刃先部の芯厚を示す説明図である。
である。
屑排出溝に沿って見た仮想的な断面概略図である。
断面図である。
断面図である。
刃先部の芯厚を示す説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 刃先部の周面に該刃先部の先端から基端
側に向けて回転軸線周りにねじれる切屑排出溝が形成さ
れ、該切屑排出溝の回転方向を向く壁面の先端側領域を
すくい面とし、該すくい面と先端逃げ面との交差稜線部
に切刃が形成されたドリルにおいて、 前記刃先部の周面に形成される切屑排出溝が1条のみで
あり、 前記刃先部の先端から基端側に向かうにしたがい、前記
切屑排出溝の溝深さが小さくなるとともに、前記切屑排
出溝の溝幅が大きくなることを特徴とするドリル。 - 【請求項2】 刃先部の周面に該刃先部の先端から基端
側に向けて回転軸線周りにねじれる切屑排出溝が形成さ
れ、該切屑排出溝の回転方向を向く壁面の先端側領域を
すくい面とし、該すくい面と先端逃げ面との交差稜線部
に切刃が形成されたドリルにおいて、 前記刃先部の周面に形成される切屑排出溝が1条のみで
あり、 前記刃先部の先端から所定長さだけ前記切屑排出溝が回
転軸線を含むように形成され、前記所定長さは刃先部の
最大外径より小さいことを特徴とするドリル。 - 【請求項3】 請求項1に記載のドリルにおいて、 前記刃先部の先端から所定長さだけ前記切屑排出溝が回
転軸線を含むように形成され、前記所定長さは刃先部の
最大外径より小さいことを特徴とするドリル。
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