JP2002028810A - 小型ドリル - Google Patents

小型ドリル

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JP2002028810A
JP2002028810A JP2000211829A JP2000211829A JP2002028810A JP 2002028810 A JP2002028810 A JP 2002028810A JP 2000211829 A JP2000211829 A JP 2000211829A JP 2000211829 A JP2000211829 A JP 2000211829A JP 2002028810 A JP2002028810 A JP 2002028810A
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small
drill
margin
chip discharge
cutting edge
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JP2000211829A
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English (en)
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Masashi Matsuura
政司 松浦
Takeshi Yoshida
毅 吉田
Kazuhiro Kaneko
和弘 金子
Jiro Kotani
二郎 小谷
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い剛性をもち、切り屑排出性が良好で、穴
位置精度が高い 【解決手段】 刃部の側面に1条の切屑排出溝15を設
ける。切刃16のすくい面15aの外周側が外周の接線
A方向となす外周側すくい角θを90゜≦θ≦145゜
の範囲に設定する。刃部の切屑排出溝15を除く外周面
に対してマージン17の設けられている比率α/βを1
0〜100%に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてプリント
基板に小径深穴の孔部を穿設するのに用いられる小型ド
リル等の切削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に小型ドリルは、穿孔すべき穴がき
わめて小径であり、ドリル本体の先端に例えば直径0.
1〜3.175mm程度の小径棒状の刃先部が設けら
れ、後端側にドリル本体を工作機械の回転軸に把持する
ための比較的大径のシャンク部が刃先部と一体にまたは
ろう付けや締まり嵌め等で接続されて設けられている。
刃先部の材質は、通常、超硬合金が採用され、シャンク
部は超硬合金やスチール等の鋼材等が採用されている。
従来の小型ドリルでは、軸線周りに回転される小型ドリ
ルの刃先部の側面に、刃先部の先端から基端側に向けて
軸線周りにねじれる2条の切屑排出溝が対向して形成さ
れている。このような2条の切屑排出溝が設けられた従
来の小型ドリルでは、穴径Dが1mm以下、かつ穴深さ
Lと穴径Dとの比L/Dが5以上のような小径深穴加工
の場合、切り屑つまりが発生し、それに起因して穴内壁
面精度が低下する。また、一対の切屑排出溝によって芯
厚が薄くなり小型ドリルの剛性が低くなるので、穴曲が
りによる穴位置精度低下、刃先部の折損が発生する。そ
れらを解決する方法の一つにステップ送りがあるが、穴
明け速度が極端に低下して生産性が大幅に低下する。
【0003】上記のような問題を解決するために、US
P5584617に開示されているような小型ドリルが
ある。この小型ドリル10は、図7に示すように、刃先
部1とシャンク部2とを備えており、刃先部1の先端か
ら基端側に向けて回転軸線Oの周りにねじれる1条の切
屑排出溝3が設けられており、なおかつ切屑排出溝3の
ねじれ角γを刃先部1の先端から基端に向かうにしたが
い連続的に大きくさせて、切り屑の排出処理を向上させ
る点に特徴がある。この小型ドリル10では、切屑排出
溝3が1条のみであるため、刃先部1の芯厚を薄くする
ことがなく、剛性を高く保つことができ、前記のような
問題はある程度解決される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、切り屑が生成
される切刃やマージンの形状に関しては何ら吟味されて
いないため、発生切り屑の形状制御が不十分となり、そ
の結果、特に穴径Dが0.5mm以下、かつ穴深さLと
穴径Dとの比L/Dが10以上となるような極小径深穴
加工になると、切り屑排出不良が発生するようになり、
昨今のより小径、より深穴の要求には十分応えられな
い。
【0005】本発明は、上述のような課題に鑑みて、ド
リルの剛性を高く保ち、良好な切り屑排出性を得ること
ができ、穴位置精度の高い小径深穴加工用の小型ドリル
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる小型ドリ
ルは、穿孔する穴の穴径Dが1mm以下、かつ穴深さL
と穴径Dとの比L/Dが5以上である小径深穴加工に用
いられ、刃先部とシャンク部とを備え、刃先部の側面に
該刃先部の先端から基端側に向けて回転軸線周りにねじ
れる切屑排出溝が形成され、該切屑排出溝の回転方向を
向く壁面をすくい面とし、該すくい面と先端逃げ面との
交差稜線部に切刃が形成されている小型ドリルにおい
て、刃先部の側面に形成される切屑排出溝が1条のみで
あり、切刃の外周側のすくい面は外周の接線方向となす
外周側すくい角θが90゜≦θ≦145゜の範囲に設定
され、刃先部の切屑排出溝を除く外周面に対してマージ
ンの設けられている比率が10〜100%の範囲に設定
されていることを特徴とした。
【0007】小型ドリルの刃先部に設けられる切屑排出
溝が1条のみであるため、刃先部に2条の切屑排出溝が
設けられた従来の小型ドリルに比べて芯厚が厚くなり、
高いドリル剛性が得られる。また、逆に切り屑を排出す
るための切屑排出溝を深くとることができるので、良好
な切り屑排出性が得られる。外周側すくい角θは発生す
る切り屑の形状と排出方向に影響を及ぼし、外周側すく
い角θが90゜より小さくなると、切り屑は分断されに
くくなるため長さが延びて絡みやすくなり切り屑排出性
が低下する。一方、外周側すくい角θが145゜より大
きくなると切刃にかかる切削抵抗が大きくなり過ぎて、
ドリルの曲がりが大きくなって穴位置精度が大幅に低下
する。ここで、切り屑の長さや形状と切削抵抗のバラン
スから、外周側すくい角θは100゜≦θ≦130゜の
範囲に設定されるのが好ましい。前記マージンは切削中
に加工穴の内壁と接触してバリ取りの効果を有するとと
もに、切刃部分が径方向外側に引っ張られる力を相殺す
ることと刃先部を案内して小型ドリルの直進性を向上さ
せる働きがある。従って、マージン幅が10%より小さ
くなるとドリルの直進性が損なわれ、十分な穴位置精度
が得られなくなる。マージン比率は大きければ大きいほ
ど好ましく、マージン比率が30%以上になると特に穴
位置精度が向上する。
【0008】また、前記小型ドリルの刃先部の切屑排出
溝を除く外周面に設けられたマージンが複数に分別して
設けられていてもよい。この場合、加工穴の内壁に接触
するマージンが複数存在することになり、安定したドリ
ルの直進性が得られる。さらに、複数に分別して設けら
れた前記マージンのうち、少なくとも一対以上のマージ
ンが小型ドリルの回転軸線を中心としてほぼ対称な位置
に設けられていてもよい。マージンは加工穴の内壁から
小型ドリルの回転軸線に向かうような応力を受けるの
で、回転軸線を中心としてほぼ対称な位置に設けられた
一対以上のマージンはそれぞれ互いに向きの異なる力を
受けて相殺するように働き、より安定したドリルの直進
性が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を用いて説明する。図1は本発明の第一実施形態に
よる小型ドリルの側面図、図2は図1に示す小型ドリル
の先端面図である。
【0010】図1に示すように、本発明の第一実施形態
による小型ドリル20は、例えば直径0.1〜1mmの
小径で略円柱状とされ例えば超硬合金素材からなる刃先
部としてのドリル部11と、比較的大径(外径は例えば
2〜6mm)で略円柱状の例えばSUSやスチールから
なるシャンク部12とを有している。
【0011】シャンク部12は、その先端面12aにシ
ャンク部12と同軸状に略円柱状の孔部13が先端面1
2aからシャンク部12内に向けて穿孔されている。シ
ャンク部12の孔部13の開口部は面取りされておら
ず、先端面12aの外周縁は孔部13との間に肩部12
bを残して面取りされている。また、後端部がテーパ状
に面取り加工されて面取り部12cが形成されている。
【0012】刃先部11は、その後部に、常温でシャン
ク部12の孔部13の内径よりも若干大きい(例えば1
0μm)外径をもち、孔部13内に例えば焼き嵌め等で
嵌合されている略円柱状の軸部11bが設けられてい
る。刃先部11において軸部11bより先端側に位置す
る刃部11aには、その先端から基端側に向けて回転軸
線Oを中心に1条の切屑排出溝15が螺旋状に形成され
ている。切屑排出溝15の小型ドリル回転方向Tを向く
壁面の先端側領域をすくい面15aとし、該すくい面1
5aと刃部11aの先端逃げ面14との交差稜線部には
切刃16が形成されている。
【0013】刃部11aの切屑排出溝15を除く外周
面、すなわちランド19の外周面は、マージン17と二
番取り面18によって構成され、前記切屑排出溝15と
同様に刃部11aの先端から基端側に向けて小型ドリル
20の回転方向Tの後方側にねじれて螺旋状に形成され
ている。マージン17は回転方向Tにおいて切刃16の
すぐ後方に形成され、さらに、マージン17の後方に続
いて二番取り面18が形成されている。
【0014】ここで、図2に示すように、切刃16のす
くい面15aの外周側がマージン17と切屑排出溝15
の交差する外周上の点(後述の端部17a)における接
線A方向となす外周側すくい角θは90゜≦θ≦145
゜の範囲に設定されている(例えば、θ=110゜)。
また、マージン17の両端部17a,17bと軸線Oと
をそれぞれ結ぶ線BOC間の角度をαとし、二番取り面
18の切屑排出溝15に交差する端部18a、マージン
17の切屑排出溝15に交差する端部17aと軸線Oと
をそれぞれ結ぶ線BOD間の角度をβとすると、刃部1
1aの切屑排出溝15を除く外周面(ランド19の外周
面)に対するマージン17の設けられている比率α/β
(マージン比率)が10〜100%に設定されている
(例えばα=90゜,β=240゜としてマージン比率
α/β=37.5%)。
【0015】第一実施形態における小型ドリル20で
は、次のようにしてプリント基板等の被削材21の穴明
け加工が行われる。図3に示すように、小型ドリル20
が回転方向Tに回転することによって、切刃16が被削
材21を切削する。この際に生じた切り屑22は切屑排
出溝15に沿って刃部11aの基端方向に誘導され、加
工穴の外部に排出される。そして、刃部11aの外周面
に設けられたマージン17が加工穴の内壁のバリ取り等
の表面仕上げを行いながら、加工穴の内壁を案内するこ
とにより、小型ドリル20は刃部11aの先端側の軸線
O方向に切削しながら進行する。
【0016】ここで、刃部11aには切屑排出溝15が
1条のみ形成されているので、刃部11aの芯厚を薄く
することがなく、高いドリル剛性を有することから、穴
曲がりによる穴位置精度低下、ドリルそのものの折損を
防止することができる。また、逆に芯厚を薄くすること
がないということは、切屑排出溝15を深くとることが
できるので、切り屑排出性を良くすることができる。
【0017】また、外周側すくい角θは被削材21の切
削により発生する切り屑22の形状とその排出される方
向に影響を及ぼし、この外周側すくい角θが90゜より
小さくなると切り屑22は分断されにくくなるため、長
さが延びて絡みやすくなり切り屑排出性が悪化する。一
方、外周側すくい角θが145゜より大きくなると切刃
にかかる切削抵抗が大きくなりすぎて、ドリルの曲がり
が大きくなり穴位置精度が大幅に低下するようになる。
切り屑の長さや形状と切削抵抗のバランスから、この外
周側すくい角θは100゜≦θ≦130゜の範囲に設定
されるのがより好ましい。
【0018】また、マージン17は切削中に加工穴の内
壁と接触して、バリ取りの効果を有するとともに、刃部
11aを案内して小型ドリルの直進性を向上させる働き
があり、マージン比率が10%より小さくなるとマージ
ン17による案内性が損なわれ、回転軸線Oを中心とし
たドリルの回転バランスが崩れる。これによりドリルの
直進性が失われて、十分な穴位置精度が得られなくな
る。マージン比率は大きければ大きいほど好ましく30
%を越えると特に穴位置精度が安定する。また切削中に
は、図3に示すように、切刃16部分は被削材21の切
削により回転軸線Oから径方向外側に引っ張られるよう
な力Pを受け、マージン17は加工穴の内壁から回転軸
線Oに向かう方向に押される応力Qを受ける。ある程度
の幅をもつマージン17が設けられていると、マージン
17が受ける応力Qが大きくなって、切刃16部分が引
っ張られる力Pと相殺するように働きかけ、ドリルの曲
がりを防ぎ、より安定した小型ドリルの直進性を得て、
穴位置精度が安定する。
【0019】次に、図4に本発明の第二実施形態による
小型ドリル30の側面図を示す。ここで上述の第一実施
形態と同一または同様の部分には同一の符号を用いて説
明を省略する。第二実施形態による小型ドリルはその刃
先部11の刃部11aの先端から基端側に向けて回転軸
線Oを中心に1条の切屑排出溝15が螺旋状に形成さ
れ、切屑排出溝15の小型ドリル回転方向Tを向く壁面
の先端側領域をすくい面15aとし、該すくい面15a
と刃部11aの先端逃げ面14との交差稜線部には切刃
16が形成されている。
【0020】図5に示すように、切刃16のすくい面1
5aの外周側が第一マージン23と切屑排出溝15の交
差する外周上の点(後述の端部23a)における接線A
方向となす外周側すくい角θは90゜〜145゜の範囲
に設定されている(例えば、θ=110゜)。また、刃
部11aの切屑排出溝15を除く外周面、すなわちラン
ド19の外周面は、第一マージン23、第二マージン2
4と二番取り面18によって構成され、切屑排出溝15
と同様に刃部11aの先端から基端側に向けて小型ドリ
ル30の回転方向Tの後方側にねじれて螺旋状に形成さ
れている。第一マージン23は回転方向Tにおいて切刃
16のすぐ後方に形成され、さらに、第一マージン23
の後方に続いて二番取り面18が形成され、二番取り面
18の後方に続いて第二マージン24が形成されてい
る。また、第一マージン23と第二マージン24は回転
軸線Oを中心として互いにほぼ対称な位置に配されてい
る。
【0021】ここで、第一マージン23の両端部23
a,23bと軸線Oとをそれぞれ結ぶ線BOC間の角度
をα1とし、第二マージン24の両端部24a,24b
と軸線Oとをそれぞれ結ぶ線DOE間の角度をα2と
し、さらに第一マージン23の切屑排出溝15に交差す
る端部23a、第二マージン24の切屑排出溝15に交
差する端部24aと軸線Oとをそれぞれ結ぶ線BOD間
の角度をβとすると、刃部11aの切屑排出溝15を除
く外周面(ランド19の外周面)に対するマージン(第
二実施形態では第一マージン23と第二マージン24)
の設けられている比率α/β(第二実施形態ではα=α
1+α2)が10〜100%に設定されている(例えば
α1=45゜,α2=45゜,β=240゜として、マ
ージン比率α/β=37.5%)。
【0022】このような構成とされた第二実施形態によ
る小型ドリルは、前記の第一実施形態による小型ドリル
と同様の効果をもち、相違点は次に述べる通りである。
【0023】第一マージン23及び第二マージン24は
切削中に加工穴の内壁と接触して、バリ取りの効果を有
するとともに、刃部11aを案内して小型ドリルの直進
性を向上させる働きがあり、マージン比率が10%より
小さくなると第一マージン23及び第二マージン24に
よる案内性が損なわれ、回転軸線Oを中心としたドリル
の回転バランスが崩れる。これによりドリルの直進性が
失われて、十分な穴位置精度が得られなくなる。本第二
実施形態では2つのマージンが設けられているため安定
したドリルの直進性が得られ、穴位置精度が安定する。
マージン比率は大きければ大きいほど好ましく30%を
越えると特に穴位置精度が安定する。また切削時には、
図6に示すように、切刃16部分は被削材21の切削に
より回転軸線Oから径方向外側に引っ張られるような力
Pを受け、第一マージン23及び第二マージン24は加
工穴の内壁から回転軸線Oに向かう方向に押される応力
Q,Q′を受ける。ここで、回転方向Tで切刃16のす
ぐ後方に位置しているマージン(第一マージン23)が
押される応力Qが、切刃16部分が引っ張られる力Pと
相殺するように働きかけ、さらに、回転軸線Oを中心に
互いにほぼ対称に位置する第一マージン23及び第二マ
ージン24が内壁から受ける力Q,Q′も互いに相殺す
るように働くので、これらのことからドリルの曲がりを
防ぎ、より安定した小型ドリルの直進性を得て、穴位置
精度が安定する。
【0024】なお、本実施の形態においては、回転軸線
O周りにねじれる切屑排出溝15のねじれ角を刃部11
aの先端から基端まで一定としたが、そのねじれ角を先
端から基端側に向かうにしたがい連続的に大きくさせて
もよい。
【0025】また、本実施形態では二番取り面18が形
成されているような小型ドリルについて述べたが、マー
ジン比率α/βが100%、すなわち刃部11aの切屑
排出溝15を除く外周部に二番取り面がなく、マージン
のみが設けられていてもよい。また、本実施形態ではマ
ージンの数が一つあるいは二つに分別されて設けられた
小型ドリルについて述べたが、これに限定されることな
く、三つ以上に分別されたマージンを有してもいてもよ
い。
【0026】また、刃先部11の材質は超硬合金に限ら
ず、サーメット等、シャンク部12より硬度の高い他の
適宜の材質を採用でき、シャンク部12の材質もSUS
やスチールに限らず、アルミニウム合金等、適宜の材質
を採用できる。なお、本実施の形態においては刃先部1
1とシャンク部12とを嵌合してなるコンポジットタイ
プであるが、刃先部11とシャンク部12とを一体に設
けてもよい。
【0027】
【実施例】本発明の一例による小型ドリルを実施例1〜
7とし(実施例1〜7のうち実施例3のみマージンが2
つに分別して設けられている)、上述した本発明の範囲
よりもマージン比率α/βの値が小さい小型ドリルを比
較例1、外周側すくい角θが大きい小型ドリルを比較例
2、外周側すくい角θが大きくマージン比率α/βが小
さい小型ドリルを比較例3とし、さらに従来例として刃
部11aに2条の切屑排出溝15が設けられている小型
ドリルを用いて被削材の穴開け試験を行った。試験条件
と結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】本実施例、比較例及び従来例では刃部11
aの直径が0.1mm、有効刃長が1.2mm、切屑排
出溝15のねじれ角が40゜である小型ドリルを用い
て、被削材(厚み0.2mmのBTレジンの両面板を2
枚重ねたもの)にあて板(厚み0.2mmのLE40
0)と敷板(厚み1.6mmのベークライト樹脂板)を
つけて、穴開け試験を行った。ドリルの回転数は160
000min-1(rpm)送り速度は0.010mm/
rev.としてステップ送りはせずに被削材の穴開け加工を
行い、100穴ずつの平均穴位置精度を±50μmより
小さい値に維持しながら穿孔できた穴数を測定した。こ
こで表1における加工穴数とは、平均穴位置精度が±5
0μmを越える直前までに穿孔した穴数を示す。表1に
示すように、外周側すくい角θが90゜≦θ≦145゜
の範囲に設定され、なおかつマージン比率α/βが10
〜100%の範囲に設定されている実施例1〜7では穿
孔した穴数がどれも4200以上まで安定した穴位置精
度を保つことができ、とくに外周側すくい角θが100
゜≦θ≦130゜の範囲に設定され、なおかつマージン
比率α/βが30〜100%の範囲に設定されている実
施例2〜5では穿孔した穴数がどれも4900以上まで
安定した穴位置精度を保つことができ、顕著な効果がみ
られた。また、マージン比率α/βが本発明の範囲より
も小さい比較例1はマージン幅が小さいためにドリルの
直進性が得られず、穴曲がりが発生して穿孔した穴数が
3100までしか穴位置精度が安定しなかった。また、
外周側すくい角θが本発明の範囲よりも大きい比較例2
は切刃にかかる切削抵抗が大きくなり、穴曲がりが発生
して穿孔した穴数が2800までしか穴位置精度が安定
しなかった。さらに、本発明の範囲よりも外周側すくい
角θが大きくマージン比率α/βが小さい比較例3で
は、切刃にかかる切削抵抗が大きいのに加え、マージン
幅が小さいためにドリルの直進性が得られず、穴曲がり
が発生して穿孔した穴数が2300までしか穴位置精度
が安定しなかった。さらに、刃部11aに2条の切屑排
出溝15が形成されている従来例では、芯厚が薄くドリ
ル剛性が低いために穿孔した穴数が1400の時点で刃
先が折損した。以上のように、外周側すくい角θが90
゜≦θ≦145゜の範囲に設定され、なおかつマージン
比率α/βが10〜100%の範囲に設定されている実
施例1〜7は、本発明の範囲よりもマージン比率α/β
の値が小さい比較例1、外周側すくい角θが大きい実施
例2、外周側すくい角θが大きくマージン比率α/βが
小さい実施例3や、刃部11aに2条の切屑排出溝15
が設けられた従来例に比べて、穴位置精度が安定したま
ま数多くの穴を穿孔できた。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の小型ドリ
ルによれば、小型ドリルの刃先部の側面に切屑排出溝が
1条のみ形成されているので、従来の切屑排出溝が2条
設けられている小型ドリルに比べ、高いドリル剛性が得
られて、良好な穴位置精度が得られる。さらに外周側す
くい角θが90゜≦θ≦145゜の範囲に設定されてい
るので、発生する切り屑の形状を十分に制御でき、良好
な切り屑排出性が得られる。さらに、マージン比率が1
0〜100%の範囲に設定されているので、刃先部を案
内するマージンの幅が大きくなり、小型ドリルの直進性
を向上できて穴位置精度が安定する。また、マージンが
複数に分別して設けられている場合は、複数のマージン
で刃先部を案内するので安定したドリル直進性が得ら
れ、穴位置精度が安定する。さらに、複数に分別して設
けられたマージンのうち少なくとも一対以上が回転軸線
を中心として互いにほぼ対称に配置されていると、ほぼ
対称に配置された一対以上のマージンがそれぞれ加工穴
の内壁から回転軸線方向に向かう応力を受けるのでドリ
ルの曲がりを防ぎ、より安定したドリル直進性が得られ
て、特に穴位置精度が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施形態による小型ドリルを示
す側面図である。
【図2】 図1に示す小型ドリルの先端面図である。
【図3】 本発明の第一実施形態による小型ドリルが被
削材を切削している様子を示す先端面図である。
【図4】 本発明の第二実施形態による小型ドリルを示
す側面図である。
【図5】 図4に示す小型ドリルの先端面図である。
【図6】 本発明の第二実施形態による小型ドリルが被
削材を切削している様子を示す先端面図である。
【図7】 従来の小型ドリルを示す側面図である。
【符号の説明】
11 刃先部 11a 刃部 12 シャンク部 14 先端逃げ面 15 切屑排出溝 15a すくい面 16 切刃 17 マージン 18 二番取り面 19 ランド 20,30 小型ドリル 21 被削材 22 切り屑 23 第一マージン 24 第二マージン
フロントページの続き (72)発明者 金子 和弘 茨城県結城郡石下町大字古間木1511番地 三菱マテリアル株式会社筑波製作所内 (72)発明者 小谷 二郎 茨城県結城郡石下町大字古間木1511番地 三菱マテリアル株式会社筑波製作所内 Fターム(参考) 3C037 AA09 BB08 DD01 DD03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穿孔する穴の穴径Dが1mm以下、かつ
    穴深さLと穴径Dとの比L/Dが5以上である小径深穴
    加工に用いられ、刃先部とシャンク部とを備え、刃先部
    の側面に該刃先部の先端から基端側に向けて回転軸線周
    りにねじれる切屑排出溝が形成され、該切屑排出溝の回
    転方向を向く壁面の先端側領域をすくい面とし、該すく
    い面と先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されてい
    る小型ドリルにおいて、 刃先部の側面に形成される切屑排出溝が1条のみであ
    り、 切刃の外周側のすくい面は外周の接線方向となす外周側
    すくい角θが90゜≦θ≦145゜の範囲に設定され、 刃先部の切屑排出溝を除く外周面に対してマージンの設
    けられている比率が10〜100%の範囲に設定されて
    いることを特徴とする小径深穴加工用の小型ドリル。
  2. 【請求項2】 前記刃先部の切屑排出溝を除く外周面に
    設けられたマージンが複数に分別して設けられているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の小型ドリル。
  3. 【請求項3】 複数に分別して設けられた前記マージン
    のうち、少なくとも一対以上のマージンが小型ドリルの
    回転軸線を中心としてほぼ対称な位置に設けられている
    ことを特徴とする請求項2に記載の小型ドリル。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6976812B2 (en) * 2000-11-14 2005-12-20 Mitsubishi Materials Corporation Small drill
JP2006136965A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Mitsubishi Materials Corp ドリル及び穴明け加工方法
CN107900419A (zh) * 2017-11-06 2018-04-13 无锡鹰贝精密轴承有限公司 高精度孔加工刀具
JP2019503794A (ja) * 2016-01-27 2019-02-14 ウニヴェルズィテート・ベルンUniversitat Bern 手術用ドリルビット

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