JP2002136998A - スラリーの脱水方法 - Google Patents

スラリーの脱水方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、製鉄業で発生する酸化鉄や鉄化合
物を含む粉体から構成されるスラリーを効率的に脱水す
る方法および装置を提供するものである。 【解決手段】 平均粒径が1.5〜40ミクロンの鉄化
合物粉体を含有する粉体のスラリーを、循環移動するエ
ンドレスループ状の濾布上と当該濾布の上下に設置した
一対の圧搾ロールにて構成される脱水機で、圧搾して脱
水する方法において、スラリーが乗っている濾布面側の
圧搾ロールの回転数が毎分50回転以下の範囲で、か
つ、圧搾ロールの押し付け力が圧搾ロールと濾布の接す
る長さ1m当り9,000N以上の状態で脱水するスラ
リーの脱水方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製鉄業の還元、精
錬、圧延加工、酸洗工程などから発生する酸化鉄を含む
スラリーを脱水する方法に関するものである。特に、粒
径の小さい粉体で構成されるスラリーの脱水を容易にす
る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】製鉄業では、多量の鉄を高温雰囲気や化
学溶媒の中で扱うことから、酸化鉄などを含むダスト類
やスラジ類を大量に発生している。まず、高炉・転炉法
による一貫製鉄所での鉄鋼製造業は、鉄鉱石の焼結工
程、高炉の還元工程、転炉の製錬工程、熱間圧延工程、
鉄鋼製品の酸洗工程、メッキ工程などから構成されてい
る。これらの工程からは、酸化鉄を中心とするダストや
排水中の鉄化合物の沈殿物などが大量に発生している。
また、電気炉法による製鉄業においても、連続鋳造工
程、熱間圧延工程、その他の工程から、鉄分を含んだ沈
殿物が多量に発生している。
【0003】なお、これらの鉄化合物を含有する沈殿ピ
ットやシックナーから採取される水分を多く含み、水に
粉体が懸濁して流動状態にある混合物が発生する。これ
をスラリーと称しており、また、水分が比較的少なく、
流動性が小さい汚泥状の混合物をスラジと称する。ま
た、以下の文中では、鉄の酸化物や塩化物などを含む粉
体のスラリーを鉄スラリー、また、スラジを鉄スラジと
称する。
【0004】一般的に、これらの鉄スラリーの処理は、
沈殿ピット又はシックナーにて、鉄スラリーの粉体濃度
を上げた後に、各種の脱水機を用いて、水分を低下させ
て、鉄スラジとして、水処理の系外に出している。
【0005】これらの鉄スラリー中には、粉体の粒径が
特に小さいもの(つまり、粒径が40ミクロン以下のも
の)がある。これらは、特に、脱水後も汚泥状になりや
すく、一般的に脱水が困難である。この種ものには、高
炉ガスダストの湿式集塵分ダスト(高炉二次灰)、転炉
ガスダストの内の微粒分ダスト(転炉微粒ダスト)、鋼
板の酸洗工程の鉄イオンを含んだ廃液の中和沈殿物(酸
洗中和スラジ)、メッキ廃液の沈殿物(メッキスラ
ジ)、熱間圧延のスケールの貯留ピットの沈殿物(圧延
スラジ)、その他がある。これらは平均粒径が1.5〜
40ミクロンのものである。
【0006】これらの鉄スラリーの脱水処理には、スラ
リーの粉体濃度や粉体粒径等の物理的な条件に合わせた
脱水機の機種を選定して処理を行っている。例えば、高
炉二次灰や転炉微粒ダストを湿式で集塵したものをシッ
クナーで凝集させたスラリーの脱水には、プレス式の脱
水機を用いている。これらの場合では、水分が70〜8
0%のスラリーを含有水分が25〜30%まで脱水して
いる。また、酸洗中和スラジの脱水には、デカンタと呼
ばれる横置き型の遠心脱水装置を用いることが多い。こ
の脱水処理で、水分が約90%のスラリーを含有水分が
約50%の状態まで脱水している。このように、従来技
術では、鉄スラリーを脱水するために、プレス式の脱水
機、横置き型の遠心脱水装置、真空脱水機などを用いて
いる。
【0007】これらの鉄スラジは、脱水後も水分が25
〜50%あるため、その後の処理に手間がかかることか
ら、脱水後に他の乾燥ダストを混合して、産業廃棄物処
分場で最終処分することが多い。ただし、一部のものは
更に乾燥した後に、還元工程にリサイクルされることも
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】鉄スラリーの脱水に
は、スラリー内の粉体の物理特性に合わせた脱水機を用
いているが、粉体の粒径が小さいために、従来法で脱水
した後の含有水分は、前述したように、25〜50%あ
り、その性状は汚泥状である。
【0009】従来法での脱水後の水分は、一般に鉄スラ
ジの粉体粒径によって異なる。非常に細かい1.5〜1
0ミクロンの粒子から構成される、酸洗中和スラジや転
炉微粒ダストでは、開昭60−9518号公報に示され
る様な真空脱水機や横型遠心分離機を用いても、25〜
50%までしか脱水できなかった。また、比較的粗い1
0〜40ミクロンの粒子から構成される、高炉二次灰や
圧延スラジでは、プレス式脱水機を用いても、20〜3
5%までしか脱水できなかった。
【0010】その結果、従来の脱水方法では、鉄スラリ
ーの脱水後に生じるものは、粘着性の強い汚泥状のスラ
ジであった。この汚泥状のスラジをハンドリングするこ
とは、各種の問題点があった。つまり、粘着性の強いこ
とから、鉄スラジがベルトコンベアなどの搬送機器に居
付きを起こしたり、貯蔵ホッパーから排出できない現象
を起こすことが認められている。その結果、鉄スラジの
ハンドリングには、鉄スラジを壁で囲まれた土間に積み
上げて、これをクラブクレーンやショベルローダー等で
トラックに載せて、乾燥処理場や焼成処理設備まで輸送
している。
【0011】鉄スラジのもう一つのハンドリング上の問
題点としては、鉄スラジのハンドリングの際には、重機
を使用して、トラックなどに積み込む際に、こぼれや散
乱が生じやすいことがあった。その結果、設備の周囲が
スラジで汚れて、周囲に散乱したスラジが乾燥して、飛
散粉塵となり、環境汚染を起こす問題もあった。従っ
て、従来からも、脱水の後に、鉄スラジの水分を低下さ
せて、ハンドリングしやすくする試みがなされてきた。
【0012】鉄スラジの特性を説明すると、鉄スラジは
粉体の粒径の違いにより、粘着性の強い汚泥状態から、
粘着性の弱い比較的乾いた状態の変わる水分比率は異な
る。1.5〜10ミクロンのかなり細かい粒子から構成
されるスラジの場合は、水分が20〜30%程度以下で
比較的乾いた、粘着性が弱い状態になる。また、10〜
40ミクロンの比較的粗い粒子から構成されるスラジで
は、水分が15〜22%程度で比較的乾いた、粘着性が
弱い状態になる。
【0013】つまり、上記の水分含有率まで落とせれ
ば、鉄スラジをベルトコンベア等の連続的な搬送手段で
輸送できることから、輸送の費用の大幅な削減が可能と
なる。特に、製鉄所内のリサイクル工程、例えば、燒結
工場、ダストペレット製造設備、ロータリーキルン方式
や回転炉床方式の還元設備、で利用する際には、水分を
搬送できるまで低下させておくことは、これらの工程で
の搬送装置の安定稼動のてめにも有効である。
【0014】しかし、従来法の脱水方法では、脱水工程
単独では水分を十分に落とすことができないことから、
脱水後に、熱源を用いた乾燥を行って、水分を低下させ
る手段が用いられている。その結果、鉄スラリーの水分
除去工程は、脱水装置、乾燥装置、および、これらを結
合する搬送手段で構成され、工程が複雑となっていた。
また、脱水後の鉄スラジは汚泥状であり、これの乾燥工
程へのハンドリングにはクラブクレーンなどの重機が必
要であり、人手もかかることから、費用がかかってい
た。
【0015】一般には鉄スラジを脱水後に、乾燥工程で
水分を約10%低下させる必要がある。水分を10%低
下させるためには、鉄スラジ1トン当り約30万kJも
の熱量が必要であり、このための熱消費も大きく、省エ
ネルギーやコスト上の大きな問題であった。
【0016】更に、鉄鋼業で発生するスラリーの中には
油を含んだものがある。これは、圧延などの工程で、機
械油がスケールなどと混合してしまう結果である。スラ
リーの中に油が混合していると、プレス式の脱水機など
では、フィルターの目詰まりを起こすことの問題があっ
た。
【0017】以上に説明したように、従来技術では、鉄
スラリーを脱水する際には、脱水装置単独では、ハンド
リングを容易に行えるまでの低水分含有率にすることは
できなかった。従って、鉄スラリーを脱水機のみで、粘
着性が出ない含有水分まで低下させるための新しい鉄ス
ラリーの脱水方法が求められていた。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明のスラリーの脱水
方法の要旨は、次の(1)から(9)の通りである。
【0019】(1) 循環移動するエンドレスループ状
の濾布上にスラリーを注ぎ、当該濾布の上下に設置した
一対の圧搾ロールにて圧搾して脱水した後に、当該濾布
を洗浄する脱水機を用いる際において、スラリーが乗っ
ている濾布面側の圧搾ロールの回転数が毎分50回転以
下で、かつ、圧搾ロールの押し付け力が圧搾ロールと濾
布の接する長さ1m当り9,000N以上の状態で、粉
体の質量の1.0倍〜3.5倍の水分を含み、かつ、鉄
化合物粉体を含有する平均粒径が1.5〜40ミクロン
の粉体のスラリーを脱水することを特徴とするスラリー
の脱水方法。
【0020】(2) 循環移動するエンドレスループ状
の濾布上にスラリーを注ぎ、当該濾布の下方に設置して
ある真空吸引装置にてスラリーを吸引し、更に、当該真
空吸引装置の下流工程部に濾布の上下に設置した一対の
圧搾ロールにて圧搾して脱水した後に、当該濾布を洗浄
する脱水機を用いる際において、スラリーが乗っている
濾布面側の圧搾ロールの回転数が毎分50回転以下で、
かつ、圧搾ロールの押し付け力が圧搾ロールと濾布の接
する長さ1m当り9,000N以上の状態で、粉体の質
量の1.0倍〜5.5倍の水分を含み、かつ、鉄化合物
粉体を含有する平均粒径が1.5〜40ミクロンの粉体
のスラリーを脱水することを特徴とするスラリーの脱水
方法。
【0021】(3) 鉄化合物を含有する粉体のスラリ
ーとして、高炉ガスダストの湿式集塵機シックナースラ
リー、転炉ガスダストの湿式集塵機シックナースラリ
ー、酸洗工程で発生した鉄イオンの中和沈殿物スラリ
ー、メッキ工程の水処理スラリー、熱間圧延工程で発生
するスケールの沈殿ピットの微粒スケールを単独のスラ
リーもしくは混合スラリーを用いることを特徴とする上
記(1)又は(2)記載のスラリーの脱水方法。
【0022】(4) 粒径が10ミクロン以上の粉体を
10質量%以上含む酸化金属を含む粉体のスラリーを用
いることを特徴とする上記(1)又は(2)記載のスラ
リーの脱水方法。
【0023】(5) 油分を含むスラリーを脱水する場
合に、一対の圧搾ロールにて圧搾した後に、当該濾布を
界面活性剤を含んだ洗浄水で洗い、その後に、再度洗浄
することを特徴とする上記(1)又は(2)記載のスラ
リーの脱水方法。
【0024】(6)前出(1)〜(5)のいずれかに記
載の方法で、濾布上で脱水したスラジを、当該濾布の上
に設置してある圧搾ロールに転着させて、当該スラジを
スクレーパーで掻き落とすことにより、スラジを回収す
る脱水方法において、当該スクレーパーと当該圧搾ロー
ルの間隔を0.1〜2mmの範囲とすることを特徴とす
るスラリーの脱水方法。
【0025】(7) 10ミクロン以下の粒子の比率が
30質量%以上である粉体を含むスラリーに、凝集剤を
添加した後に、脱水する(1)から(6)のいずれか記
載のスラリーの脱水方法。
【0026】(8) 凝集剤として、ポリアクリルアミ
ド系ポリマー、アクリル酸系ポリマー、又は、アクリル
酸系カチオンポリマーをスラリースラリー中粉体1kgに
対して30〜300ミリグラムの比率で添加する(7)
記載のスラリーの脱水方法。
【0027】(9) スラリーに凝集剤水溶液を添加し
た後に、沈殿槽を用いて、粉体濃度を増したスラリーを
脱水する(7)又は(8)記載のスラリーの脱水方法。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明に基づく、鉄スラリーの脱
水方法を行うを装置を図1に示し、これを用いて本発明
の方法を説明する。図1には、本発明を実施した設備で
ある、鉄スラリーの沈殿用シックナー、スラリー輸送装
置、双ロール式脱水機、スラジ輸送コンベア、および、
スラジ保管場所からなる設備を示した。
【0029】まず、鉄スラリーは製鉄所の鉄スラリー発
生工程、例えば、高炉二次灰の集塵用ベンチュリースク
ラバーからの集塵水や鋼板の酸洗工程の鉄イオンを含ん
だ廃液の中和槽、から、沈殿用シックナー1に濃度の薄
い鉄スラリーが送られる。沈殿用シックナー1では、重
力により、鉄スラリー中の粒子を沈殿させて、底部に粒
子濃度の高い鉄スラリーを作る。この粒子濃度の高い鉄
スラリーを沈殿用シックナー1の底から抜いて、スラリ
ーポンプ2を用いて、スラリー配管3を経由して、脱水
機4に送られる。ここで、鉄スラリーは脱水されて、所
定の水分含有率となり、ベルトコンベア5にて、スラジ
保管場所6に送られる。
【0030】脱水の詳細な方法を説明するために、脱水
機4の詳細図を図2に示す。本発明の脱水機において
は、スラリー供給口7から、鉄スラリーがループ状に設
置された濾布8に注がれる。濾布8は繊維で編み込まれ
た布や不撚布であるフェルトで構成されるものであり、
例えばナイロンやテトロン(登録商標名)で作られたも
のである。スラリーの水分の吸収のよいフェルトを用い
た濾布が特に望ましい。濾布8は定常速度で、濾布の上
下に設置されている一対の圧搾用ロール9、10に向か
って移動して、一対の圧搾ロール9と10は定常速度で
回転しながら、濾布8とその上の鉄スラリー11を上下
から圧搾して、水分を絞る。粉体は水分が低下した状態
で、ロールの下流側に送られる。鉄スラリーに含有され
てた水分の多くは、圧搾ロール9、10に押されて、濾
布8の下側に押し出される。また、脱水後の鉄スラジ
は、濾布8が圧搾ロール10で下方に曲がる部分で、濾
布から分離させる。ただし、多くの鉄スラジは濾布8と
上側の圧搾ロール9に付着するので、これをスクレーパ
ー12にて殺ぎ落とす。
【0031】脱水が終了して、鉄スラジを分離した後の
濾布8には、鉄化合物の粉体が付着している。このま
ま、次の脱水サイクルで使用すると更に粉体の付着が増
えて、濾布8の目詰まりが起きる。そこで、濾布洗浄を
行う。洗浄ノズル13にて、水を吹き付けて、洗浄槽1
4で粉体で汚れた水を流す。通常は、1段の洗浄で十分
であるため、図2の洗浄ノズル15と洗浄槽16は不要
である。しかし、油を含むスラリーを洗浄するために
は、図2に示されるように、2段の洗浄を行う。第一段
の洗浄では、洗浄ノズル13から界面活性剤を含んだ水
を吹き付けて、粉体を落とすとともに、油分を乳化して
落とす。第二段で、洗浄ノズル15にて水を吹き付け、
洗浄槽16にて、粉体を洗い落とす。洗浄の段数は任意
に決定できるので、限定されるものでない。
【0032】本発明の方法を実施することにより、ここ
で集められた鉄スラジは良好な脱水状態となる。この
際、平均粒径が10〜40ミクロンと比較的大きい粒子
のもので、含有水分が15〜22%となり、また、平均
粒径が10ミクロン未満と小さい粒子のもので、含有水
分が20〜30%となる。
【0033】上記の良好な含有水分の範囲では、含有さ
れている水分により粒子が擬似凝集したものが圧縮され
たフレーク状の鉄スラジとなる。このフレーク状の鉄ス
ラジは、比較的水分が低いため、粘着性が弱いことか
ら、ベルトコンベア5で搬送してもコンベアベルトへの
スラジの付着が少なく、容易に搬送できる。また、この
スラジはパイプコンベア等のベルトコンベア以外の搬送
手段でも容易に輸送できるものである。
【0034】本発明者らは、図2に示される脱水機で、
効率的に鉄化合物粉体を含有する鉄スラリーを脱水する
ための操業条件について種々の研究を重ね、以下の条件
で操業することにより、上記の良好な範囲の含有水分の
スラジを得ることができることを解明した。
【0035】まず、本発明の用いた鉄スラリーの粉体と
水分の質量の比率には適切な範囲が存在する。水分が少
なすぎる場合は、濾布上に注がれた鉄スラリーの流動が
十分に確保できずに、濾布上に乗った鉄スラリー量に極
端な濃淡ができてしまう。その結果、濾布上に均一な鉄
スラリー分布を作れずに、鉄スラリーの多い部分は、当
該部分の鉄スラリーが厚すぎて、圧搾が不十分となり、
水分が絞りきれない問題があった。酸化鉄等の鉄化合物
の粉体を含有する鉄スラリーを脱水する場合は、水分の
粉体に対する質量比率が1.0以下では、鉄スラリーの
輸送時に鉄スラリーの流動が悪くなる。その結果、管内
での流速が低下した場合に、スラリー配管3の内部で詰
まり現象を生ずる問題があり、この点からも水分の粉体
に対する質量比率が1.0以上であることが適正な脱水
操業の条件である。
【0036】また、水分が多すぎる場合は、鉄スラリー
を絞りきれずに、脱水後のスラジの水分が高すぎる問題
がある。本発明者らが、適正な鉄スラリー水分比率の上
限値を研究した結果を、鉄スラリーの水分と粉体の質量
比率と生産性(時間当り脱水量)の関係として、図3に
示す。なお、図3の例では、鉄スラリー中の粒子の径が
29ミクロンと比較的粗い高炉二次灰を用いた。
【0037】水分の比率が多くなると、脱水後のスラジ
の水分含有率を適正にする運転条件では、生産性が悪化
する傾向にある。特に、水分の粉体に対する質量比率が
3以上となると、スラリーの水分が増加に伴う、生産性
の悪化が出始める。高炉二次灰において、脱水後のスラ
ジが粘着性をあまり持たない状態である20%以下の含
有水分のスラジを得て、かつ、生産性が悪化しないため
には、水分の粉体に対する質量比率が3.5以下である
ことが脱水操業のための重要な条件であることを解明し
た。
【0038】以上述べたように、本発明に用いる図2の
脱水機においては、鉄スラリー原液の水分比率に制約が
ある。しかし、更に水分の高い鉄スラリーを脱水する場
合もある。この際には、ロールで圧搾する前に、濾布の
下方から、鉄スラリーを真空吸引する方法が有効であ
る。ただし、水分が多すぎると濾布を通過する水量が多
すぎて、濾布が目詰まりを起こす。本発明者らは各種の
実験を行い、鉄スラリー含有水分が粉体質量の4倍以下
であれば、脱水は効率的に行えることを解明した。つま
り、鉄スラリー原液の水分の粉体に対する質量比率が
1.0〜5.5の範囲の場合は、圧搾の前に真空吸引す
る方法が有効であり、上記の適正な含有水分比率まで脱
水できる。
【0039】更に、本発明者らは、鉄スラリー脱水時の
圧搾ロールの圧搾条件についても、適正な条件があるこ
とを解明した。脱水成績に影響する重要な圧搾ロールの
圧搾条件は、圧搾ロールの回転速度と押し付け圧力であ
る。圧搾ロールの回転速度が高すぎると、脱水が不十分
なままスラジが圧搾ロール下流側に送られてしまう。そ
の結果、脱水後のスラジが、粘着性をあまり持たない状
態の水分以上の含有水分を持ってしまう。また、圧搾ロ
ールの押し付け圧力が低すぎても、同様に、水分が落ち
きらない問題が生ずる。このように、本発明者らは、図
2に示される型式の脱水機を用いて、鉄スラリーのハン
ドリングに適切な水分含有率まで脱水使用する際には、
適切な圧搾ロールの回転速度と押し付け圧力の範囲が存
在することを見いだした。
【0040】スラリー側の圧搾ロール9の回転速度がス
ラジ含有水分に与える影響を調査した結果を図4に示
す。なお、図4の例では、やはり鉄スラリー中の粒子の
径が比較的粗い高炉二次灰を用い、圧搾ロールの押し付
け力は、圧搾ロールと濾布の接する長さ1m当り9,0
00Nで、濾布の上方に設置してあるスラリー側の圧搾
ロール9の直径は350mmである。回転速度が毎分5
0回転以下では、脱水後のスラジが粘着性をあまり持た
ない状態である20%以下の含有水分のスラジを得られ
る。更に、回転速度が毎分35回転以下では、含有水分
は、18%以下と良好な成績が得られた。
【0041】また、スラリー側の圧搾ロール9の直径を
500mmにした実験結果でも、圧搾ロール回転速度が
毎分50回転以下では良好な脱水成績が得られた。本発
明者らは、図2に示される型式の脱水機においては、圧
搾ロール9が濾布を押し付ける際の、圧搾ロールと濾布
の間隔の時間変化率が脱水結果に影響することが理由で
あることを解明した。つまり、スラリー側圧搾ロールの
径が大きい場合は、濾布の通過速度が大きくとも、ロー
ルと濾布の間隔の時間変化率は大きくならないため、脱
水成績は同等である。つまり、大径の圧搾ロールでは、
ロールの回転速度を一定とする条件を守れば、濾布速度
を大きくしても脱水成績が悪化しない。つまり、スラリ
ー側の圧搾ロール9の回転速度が脱水成績を決める重要
な条件であり、回転速度が毎分50回転以下では良好な
脱水成績が得られることから、これを本発明の範囲とし
た。
【0042】次に、圧搾ロールの押し付け圧力がスラジ
含有水分に与える影響を調査した結果を図5に示す。な
お、図5の例でも、鉄スラリー中の粒子の径が比較的粗
い高炉二次灰を用い、スラリー側の圧搾ロール9の回転
速度は毎分35回転である。圧搾ロールの押し付け力が
高いほど、脱水して生成した鉄スラジの水分が低い結果
であった。圧搾ロールの押し付け力が9,000N/m
以上では、含有水分が目標の20%以下となり、良好な
脱水成績が得られた。ただし、圧搾ロールの押し付け力
が50,000N/m以上では、スラジが圧搾ロールと
濾布に強力に付着してはがれづらい現象が起きていたた
め、圧搾ロールの押し付け力はあまり高すぎない方が望
ましい。なお、圧搾ロールと濾布の接する長さ1m当り
の押し付け力をN/mで表記する(Nはニュートンであ
る)。
【0043】以上の実験を、平均粒径が6ミクロンと小
さい粒子であるメッキスラジのスラリーでも行った。そ
の結果では、脱水後のスラジ含有水分が22〜25%と
高炉二次灰よりもやや高かったものの、上記に示した脱
水条件を守って操業を行えば、安定した脱水が行えた。
また、脱水後のスラジの含有水分が22〜25%であっ
ても、メッキスラジではフレーク状の脱水物となり、付
着性の弱いものであった。このように、粒径が小さい粒
子のスラジの場合は、粒子の比面積が大きいため、粒子
の大きいスラジよりも水分が数%高くとも、付着性など
の物性は同等である。
【0044】次に、本発明者らは、鉄スラリーの粒子径
の脱水成績への影響を調査した。鉄化合物の粒子からな
る鉄スラリーの脱水の際に、粒子径が小さい場合は、押
し付け圧力を大きくしても、脱水しづらくなる。粒子の
平均径が1.5ミクロンまでは、やや生産性が低下する
ものの、鉄スラリーを付着性の弱い適正な水分まで脱水
ができる。しかし、平均粒子径が1.5ミクロン以下と
なると、スラリー側の圧搾ロールの回転速度を毎分15
回転まで落としても、水分が30〜35%までしか脱水
できなかった。このスラジは粘着性を有しており、脱水
が不十分な状態である。つまり、鉄スラリー中の粒子の
平均粒径が1.5ミクロン以上であることが本発明の重
要な要件である。
【0045】本発明者らは、また、平均粒径が小さい場
合でも、やや大きい粒子が混在している場合は、脱水が
良好となることも解明した。鉄スラリーでの脱水実験を
繰り返し行った結果、粒径の比較的大きい10ミクロン
以上の粒子がある程度の比率で混合している場合は、脱
水しやすいことが分かった。10ミクロン以上の粒径の
粒子が10質量%以上の比率で混在していれば、平均粒
径が同一でも脱水の生産性が20%向上することも解明
した。これは、粒径の大きな粒子が混在していることに
より、その粒子の周囲の透水が良好となり、脱水しやす
くなることが理由である。従って、粒径の小さい粒子か
ら構成される鉄スラリーの脱水性能を良好とするために
は、粒径の粗い粒子から構成される鉄スラリーと混合し
て、10ミクロン以上の粒径の粒子を増加させて脱水す
ることは有効な手段である。
【0046】このように、スラリー中に含まれる粒子の
大きさが脱水機の性能に強く影響する。そこで、本発明
者らは、粒子を凝集させて、数十〜数千の微細な粒子が
集まったクラスターを形成することにより、脱水性能を
向上させることを発明した。鉄化合物、特に、酸化鉄や
水酸化鉄の微粒子を含むスラリーに適合した凝集剤を種
々検討した結果、ポリアクリルアミド系ポリマー、アク
リル酸系ポリマー、又は、アクリル酸系カチオンポリマ
ーが良いことを見い出した。これらの凝集剤を脱水前の
スラリーに混合して10ミクロン以下の微粒の粒子を凝
集させれば、見掛け粒子径が大きくなって、脱水性能が
向上する。具体的には、脱水機4の圧搾ロール9の長さ
1m当たりの処理速度が向上する。また、水分も低下す
る。粒径が10ミクロン以下の粒子の比率が30質量%
以上であると、凝集剤の効果は顕著である。また、凝集
材の添加量はスラリー中粉体1kgに対して30〜300
ミリグラムの比率が良い。ただし、凝集材は水溶液の形
態で添加するため、凝集剤添加を行うと、スラリー水分
が増加して、脱水機4の機能をやや低下する。そこで、
沈殿用シックナー1から脱水機4の間に沈殿槽を設置す
ることにより、この水分上昇分を元に戻すことにより、
脱水機4に入るスラリー水分を凝集剤添加前の状態に戻
すことは有効な方法である。
【0047】また、平均粒径が大きすぎる場合も脱水処
理に問題が生ずる。前述した様に、濾布8は繊維を編み
込んだものであることから、粒径の大きな粒子が多い
と、粒子が繊維の間に挟まり、濾布の目詰まりが生じた
り、繊維が損傷を受けることがある。鉄スラリーでの脱
水の場合、平均粒径が40ミクロンを超えると、濾布の
目詰まりが生じやすくなることが分かった。長時間の操
業の結果を比較すると、平均粒径が29ミクロンの場合
は、濾布が65日間もったのに対して、平均粒径が45
ミクロンの場合は、濾布を22日間で交換しなければな
らなかった。
【0048】酸化鉄などの鉄化合物は高硬度であり、脱
水機4の部品の磨耗が大きくなる。特に、圧搾ロール9
とスクレーパー12の磨耗が大きいため、本発明では、
圧搾ロール9とスクレーパー12を直接接触させない方
法で対応する。両者の間隔を0.1〜2mmとすること
により、圧搾ロール9とスクレーパー12の磨耗が少な
く、かつ、圧搾ロール9に付着しているスラジの剥離も
問題なくできる。
【0049】鉄鋼業で発生する油を含んだ鉄スラリーを
脱水する際にも、図2に記載された様な本発明の圧搾ロ
ールで搾る脱水方式は有効である。しかし、時間ととも
に、濾布8が油で汚れることから、濾布を界面活性剤で
洗浄することが有効である。本発明では、圧搾脱水を完
了した濾布を第一段の洗浄で濾布の油を界面活性剤で縣
濁した後に、第二段の洗浄で洗い流すことにより、総質
量の1%程度までの油が混在した鉄スラリーも長期間安
定して脱水できる。対象となる鉄スラリーは、高炉二次
灰、転炉微粒ダスト、酸洗中和スラジ、メッキスラジ、
圧延スラジ、および、その他の粉体の鉄スラリーであ
る。
【0050】
【実施例】本発明に基づく装置を用いて行った脱水の結
果を従来法による脱水方法と比較し表1に示した。本発
明による脱水機は図2に示されるもので、ロール径35
0mm、濾布幅が1.2mのものである。従来法による
比較例1として、プレス式の脱水機の脱水結果と図2に
示される脱水機であるものの、操業条件が本発明の範囲
を外れる脱水処理の例を比較例1として示す。鉄スラリ
ーはいずれも高炉二次灰のスラリーを用いた。スラリー
水分は粉体の質量の約2倍(67質量%)であり、粉体
の平均粒径は25ミクロンで、10ミクロン以下の粒子
比率は23%であった。
【0051】比較例1はフィルタープレス式の脱水機の
脱水結果であるが、脱水後のスラジ水分は52%と高
く、スラジも粘土状の固まりで、粘着性が強く、ハンド
リングが困難なものであった。比較例2は圧搾ロール式
の脱水機での操業であるが、圧搾ロールの回転速度が6
5回転/分と速かったので、脱水後のスラジ水分は31
%と高かった。性状も粘土状であった。また、比較例3
では、圧搾ロールの押し込み力が6000N/mと本発
明の範囲よりも弱い処理の例である。この処理の結果、
脱水処理速度が良好であったものの、脱水後のスラジの
水分は33%と高かった。
【0052】一方、本発明の実施例では、圧搾ロール式
の脱水機での操業であり、圧搾ロールの回転速度が35
回転/分、圧搾ロールの押し付け力も12,000N/
mと本発明での適正な処理範囲であったため、脱水後の
スラジ水分は23%と良好であった。このスラジの性状
は、フレーク状であり、粘着性の弱いものであった。こ
のように、本発明の条件で圧搾ロール式の脱水機を運転
すれば、ハンドリング特性に優れたスラジを作ることが
できた。
【0053】実施例2には、同じ高炉二次灰を用いた
が、スラリーの水分が粉体質量の約4.2倍(水分81
%)のものを脱水した。このスラリーは水分が多いた
め、脱水機4の圧搾ロール9と10での脱水の前に、濾
布下方に設置してある真空吸引装置で事前脱水した。こ
の結果、スラリー水分が多いにもかかわらず、脱水後の
スラジ水分は25%と良好であった。
【0054】また、脱水前のスラリーに凝集剤を添加し
た脱水処理の例を実施例3として示す。実施例3では、
亜鉛メッキの廃液を処理したスラリーを用いた。これ
は、平均粒子径が4.3ミクロンであり、10ミクロン
以下の粒子の比率が87%と、非常に細かい粉体のスラ
リーであった。このスラリー中粉体1kgに対してアクリ
ル酸系ポリマーを44ミリグラム添加した。この結果、
粒子が凝集して、見掛けの平均粒径が11ミクロンとな
った。凝集剤を添加した後に、このスラリーの沈殿濃縮
操作を行った結果、水分は凝集剤添加前とほぼ同等とで
きた。この処理では、脱水後のスラジ水分は27%と細
かい粒子のスラジとしては非常に良好な水分であった。
一方、実施例4では、凝集剤なしでの脱水を行った。脱
水条件は同等であったが、脱水処理速度が実施例3に比
べると75%程度に低下して、また、スラジの水分は3
0%と高かったものの、適正に処理できた。なお、他形
式の脱水機では、このスラジの脱水後水分は45〜60
%であることに比べると実施例4での本発明の効果は認
められた。
【0055】油を1%含む、平均粒径が26ミクロンの
鋼材圧延工程で発生したスラジを処理した例を実施例5
に示す。脱水機4での洗浄ノズル13から界面活性剤を
含んだ水を吹き付けて、粉体を落とすとともに、油分を
乳化して落として脱水処理を行った。この結果、脱水後
の水分は18%と低く、また、1ヶ月間の連続脱水で
も、濾布が油で目詰まりすることはなかった。
【0056】表1には記載がないが、実施例6では、実
施例1と同じ高炉二次灰のスラリーを実施例1と同等の
条件で脱水した結果である。ただし、実施例6では、ス
クレーパー12を圧搾ロール9と接触させないことによ
る、圧搾ロール9とスクレーパー12の寿命の比較を行
った処理であり、実施例1ではこの対応を行わなかっ
た。実施例6では、脱水処理速度や脱水後のスラジ水分
は実施例1と同じであった。ただし、実施例6では1年
間は圧搾ロール9の研磨を行わずに脱水できた。また、
スクレーパー12の寿命は5ヶ月であった。一方、実施
例1では、圧搾ロール9とスクレーパー12を直接に接
触させたため、圧搾ロール9の研磨を6ヶ月毎に行う必
要があった。また、スクレーパー12の寿命は1ヶ月と
短かった。
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明の方法の操業範囲で、スラリーの
乗っている濾布を一対以上の圧搾ロールで圧搾して脱水
する型式の脱水機で、製鉄業の工程から発生する鉄化合
物を含有する粉体のスラリーを脱水して、低水分の脱水
物を製造できる。また、油等の混在する可能性のあるス
ラリーを脱水する脱水機による効果も発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を行う、脱水装置のシステム図であり、
スラリーを濃縮する沈殿用シックナーから、脱水機に送
り脱水する設備の図である。
【図2】圧搾ロールにて濾布上のスラリーを脱水する型
式の脱水機の詳細図である。
【図3】スラリーの水分と粉体の質量比が脱水の生産性
に与える影響を示した図である。
【図4】圧搾ロールの回転速度が脱水後のスラジ水分に
与える影響を示した図である。
【図5】スラリーを押し付ける側の圧搾ロールの押し付
け力が脱水後のスラジ水分に与える影響を示した図であ
る。
【符号の説明】
1 沈殿用シックナー 2 スラリーポンプ 3 スラリー配管 4 脱水機 5 ベルトコンベア スラジ保管場所 7 スラリー供給口 8 濾布 9 圧搾用ロール 10 圧搾用ロール 11 鉄スラリー 12 スクレーパー 13 洗浄ノズル 14 洗浄槽 15 洗浄ノズル 16 洗浄槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 33/44 B30B 9/24 J 33/58 B01D 33/36 B30B 9/20 9/24 (72)発明者 井村 章次 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君 津製鐵所内 (72)発明者 近藤 敏 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君 津製鐵所内 (72)発明者 安部 洋一 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 高橋 茂樹 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 相崎 長 東京都中央区日本橋本町1−6−1 丸柏 ビル 株式会社ティーディーイー内 (72)発明者 千葉 浩彦 東京都中央区日本橋本町1−6−1 丸柏 ビル 株式会社ティーディーイー内 Fターム(参考) 4D026 BA03 BB03 BB05 BC12 BC33 BD05 BE05 BE06 BF06 BF11 BH07 4D059 AA03 AA11 AA30 BE09 BE14 BE15 BE31 BE57 BE58 BE59 CB17 CB18 DB11 DB24 EB01 EB07 EB11 EB20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 循環移動するエンドレスループ状の濾布
    上にスラリーを注ぎ、当該濾布の上下に設置した一対の
    圧搾ロールにて圧搾して脱水した後に、当該濾布を洗浄
    する脱水機を用いる際において、スラリーが乗っている
    濾布面側の圧搾ロールの回転数が毎分50回転以下で、
    かつ、圧搾ロールの押し付け力が圧搾ロールと濾布の接
    する長さ1m当り9,000N以上の状態で、粉体の質
    量の1.0倍〜3.5倍の水分を含み、かつ、鉄化合物
    粉体を含有する平均粒径が1.5〜40ミクロンの粉体
    のスラリーを脱水することを特徴とするスラリーの脱水
    方法。
  2. 【請求項2】 循環移動するエンドレスループ状の濾布
    上にスラリーを注ぎ、当該濾布の下方に設置してある真
    空吸引装置にてスラリーを吸引し、更に、当該真空吸引
    装置の下流工程部に濾布の上下に設置した一対の圧搾ロ
    ールにて圧搾して脱水した後に、当該濾布を洗浄する脱
    水機を用いる際において、スラリーが乗っている濾布面
    側の圧搾ロールの回転数が毎分50回転以下で、かつ、
    圧搾ロールの押し付け力が圧搾ロールと濾布の接する長
    さ1m当り9,000N以上の状態で、粉体の質量の
    1.0倍〜5.5倍の水分を含みかつ、鉄化合物粉体を
    含有する平均粒径が1.5〜40ミクロンの粉体のスラ
    リーを脱水することを特徴とするスラリーの脱水方法。
  3. 【請求項3】 鉄化合物を含有する粉体のスラリーとし
    て、高炉ガスダストの湿式集塵機シックナースラリー、
    転炉ガスダストの湿式集塵機シックナースラリー、酸洗
    工程で発生した鉄イオンの中和沈殿物スラリー、メッキ
    工程の水処理スラリー、熱間圧延工程で発生するスケー
    ルの沈殿ピットの微粒スケールを単独のスラリーもしく
    は混合スラリーを用いることを特徴とする請求項1又は
    2記載のスラリーの脱水方法。
  4. 【請求項4】 粒径が10ミクロン以上の粉体を10質
    量%以上含む酸化金属を含む粉体のスラリーを用いるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のスラリーの脱水方
    法。
  5. 【請求項5】 油分を含むスラリーを脱水する場合に、
    一対の圧搾ロールにて圧搾した後に、当該濾布を界面活
    性剤を含んだ洗浄水で洗い、その後に、再度洗浄するこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のスラリーの脱水方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の方法
    で、濾布上で脱水したスラジを、当該濾布の上に設置し
    てある圧搾ロールに転着させて、当該スラジをスクレー
    パーで掻き落とすことにより、スラジを回収する脱水方
    法において、当該スクレーパーと当該圧搾ロールの間隔
    を0.1〜2mmの範囲とすることを特徴とするスラリ
    ーの脱水方法。
  7. 【請求項7】 10ミクロン以下の粒子の比率が30質
    量%以上である粉体を含むスラリーに、凝集剤を添加し
    た後に、脱水することを特徴とする請求項1から6のい
    ずれかに記載のスラリーの脱水方法。
  8. 【請求項8】 凝集剤として、ポリアクリルアミド系ポ
    リマー、アクリル酸系ポリマー、又は、アクリル酸系カ
    チオンポリマーをスラリー中粉体1kgに対して30〜
    300ミリグラムの比率で添加することを特徴とする請
    求項7記載のスラリーの脱水方法。
  9. 【請求項9】 スラリーに凝集剤水溶液を添加した後
    に、沈殿槽を用いて、粉体濃度を増したスラリーを脱水
    することを特徴とする請求項7又は8記載のスラリーの
    脱水方法。
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