JP2002134255A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 調理中における被加熱物である鍋近傍におけ
る上昇気流の風量が少ないなどのため、調理時の煙や湯
気の一部が上方の換気扇まで届かずに、室内方向に洩れ
て、室内の温度を上げたり、使用者に不快な思いをさせ
たり、また、本体の内部へ吸い込まれ、本体の内部の冷
却効率が低下したり、本体の内部を汚染あるいは絶縁低
下をもたらす可能性があるなどの課題を解消する。 【解決手段】 冷却ファン７と排気ファン１０とを備
え、本体１の前面に吸気口８を設け、本体１の後部に上
方に開口した排気部９を設けた誘導加熱調理器におい
て、前記排気部９を複数の加熱部と略対応する如く複数
の排気口９ａ、９ｂ、９ｃで構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、誘導加熱調理器に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の誘導加熱調理器は、加熱コイルに
より発生する磁束により、絶縁板の上に置いた鍋に渦電
流を発生させ、鍋を加熱するものである。被加熱物であ
る鍋以外への放熱はガスなどの燃焼系の調理器に比べる
と少なく、熱効率も良好である。

【０００３】また、構成面では、加熱コイルや出力制御
基板等を冷却する冷却ファンを備えており、排気の方向
は本体の後部より上方向、若しくは本体前方へ向かうも
のがあり、ファンの数も一個あるいは複数のものがある
が、本体内の加熱コイル、及び出力制御基板等を効率よ
く冷却することが主な目的となっている。

【０００４】この従来例の一例を図５を用いて説明す
る。図５は従来例の誘導加熱調理器の概略上面図であ
る。

【０００５】図において、本体１の上面に誘導加熱部左
１１ａ、誘導加熱部右１１ｂ、その中間にヒータ加熱部
１１ｃを備え、後部右方に吸気口１０１、後部左方に排
気口１０２が設けられ、吸気口１０１近傍内部に吸気フ
ァン１０３、排気口１０２近傍内部に排気ファン１０４
を備えている。

【０００６】そして、吸気用と排気用の二つのファン１
０３、１０４を備えたことにより、給排気経路を強制的
に作り、本体１内の加熱コイルや出力制御基板（図示せ
ず）を冷却するものである。（特開平１１−３５４２６
４号広報など参照）。

【０００７】ところで、このような誘導加熱調理器は、
その上方に換気扇が設置されていて、調理時に発生する
煙や湯気は換気扇へ吸い込まれて室外へ排出されるよう
になっているが、鍋を右の誘導加熱部右１１ｂや中央の
ヒータ加熱部１１ｃで加熱する場合には、排気ファン１
０４や排気口１０２からやや離れており、吸気口１０１
に近いので、鍋から発生する煙や湯気が吸気ファン１０
３により吸気口１０１から内部へ吸い込まれたり、また
は室内方向へ洩れたりして、上方の換気扇まで届かない
場合がある。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来
の誘導加熱調理器は、排気ファン１０４の排気が本体１
内の加熱コイル及び出力制御基板等を冷却することが主
な目的となっているため、調理中における被加熱物であ
る鍋近傍における上昇気流の風量が少ない。

【０００９】このため、調理時の煙や湯気の一部が上方
の換気扇まで届かずに、室内方向に洩れて、室内の温度
を上げたり、使用者に不快な思いをさせてしまう。

【００１０】また、排気口１０２と誘導加熱部右１１
ｂ、ヒータ加熱部１１ｃとが離れているため、同様に調
理時の煙や湯気の一部が上方の換気扇まで届かない場合
がある。

【００１１】さらには、誘導加熱部右１１ｂが排気口１
０２より吸気口１０１と近いため、調理時の煙や湯気の
一部が上方の換気扇へ誘導されず、本体１の内部へ吸い
込まれ、本体１の内部の冷却効率が低下したり、本体１
の内部を汚染あるいは絶縁低下をもたらす可能性があ
る。

【００１２】本発明は前記不具合を解消するものであ
り、調理中の煙や湯気を本体１の内部に吸い込むこと等
なく、確実に上方にある換気扇まで誘導することを目的
とするものである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するために、本体の上面に被加熱物を載置する絶縁板
を備え、本体内に複数の加熱部と、出力制御基板と、こ
れらを冷却する冷却ファンと、排気ファンとを備え、本
体の前面に吸気口を設け、本体の後部に上方に開口した
排気部を設けた誘導加熱調理器において、前記排気部を
複数の加熱部と略対応する如く複数の排気口で構成した
ものである。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明は、誘導加熱調理器本体の
後部に開口した排気部を、本体内に設置した複数の加熱
部と略対応する如く複数の排気口で構成したものであ
る。

【００１５】これによって、本体の後部に上方に開口し
た複数の排気口から充分な風量の上昇気流が発生すると
ともに、どの加熱部を使用しても調理中の煙や湯気を本
体内部へ吸い込むことなく、または室内方向へ洩れたり
などせず、上方にある換気扇まで誘導することができ
る。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に従って説明
する。

【００１７】図１は本発明の要部断面図、図２は本発明
の外観斜視図、図３は本発明の概略上面図、図４は本発
明の排気等の流れを示す図である。

【００１８】図１において、１は誘導加熱調理器の本体
である。２は被加熱物を載置する絶縁板で、本体１の上
面に水平に設置されている。

【００１９】３は加熱コイルで絶縁板２の下部に位置し
て本体１内の左右に設けられ、夫々加熱部を構成してい
る。加熱コイル３の下には基板固定台４が設けられ、そ
の上に出力制御基板５を固定している。

【００２０】また、出力制御基板５は基板ケース６によ
って覆われており、全体で制御部を形成している。

【００２１】７は冷却ファンで、前記加熱部と制御部の
前方に備えられており、これらを冷却するものである。

【００２２】８は本体１の前面に設けた吸気口、９は本
体１の後部に上方に開口するように設けた排気部であ
る。

【００２３】１０は排気ファンで、排気部９の下方で前
記加熱部及び前記制御部の後方に設けられており、排気
部９へ風を送るものである。

【００２４】図２及び図３において、絶縁板２の前方左
部に加熱コイル３と対応した誘導加熱部左１１ａ、前方
右部に同じく加熱コイル３と対応した誘導加熱部右１１
ｂが配置され、後方ほぼ中央部にヒータ加熱部１１ｃが
配置されている。

【００２５】また、前記排気部９は排気ファン１０から
送風される排気を本体１の上方に排出するもので、誘導
加熱部左１１ａと略対応した第１の排気口９ａ、ヒータ
加熱部１１ｃと略対応した第２の排気口９ｂ、誘導加熱
部右１１ｂと略対応した第３の排気口９ｃ及びグリル排
気口１２で構成されている。第２の排気口９ｂと第３の
排気口９ｃの間には排気止め１３が設けられている。

【００２６】１４はグリル加熱部、１５は本体１の前面
に設けた操作部である。

【００２７】前記構成においてその動作を説明すると、
誘導加熱にて調理時、本体１の内部で発生した熱は、冷
却ファン７により冷却され、これによる熱気は排気ファ
ン１０により充分な風量をもって、後部の排気部９から
上方へ排気される。

【００２８】この排気部９は図２、図３及び図４に示す
ように、第１の排気口９ａ、第２の排気口９ｂ、第３の
排気口９ｃで構成されているので、各排気口９ａ、９
ｂ、９ｃからの三つの上昇する排気流２１が発生し、被
加熱物から出る煙や湯気２２は、この排気流２１に巻き
込まれる形で上方の換気扇に向かい、室内に洩れたり、
本体１の内部へ引き込まれたりすることなく、換気扇か
ら室外へ排出される。

【００２９】また、このとき、排気口が第１の排気口９
ａ、第２の排気口９ｂ、第３の排気口９ｃと複数に分散
されているので、被加熱物が誘導加熱部左１１ａ、誘導
加熱部右１１ｂ、ヒータ加熱部１１ｃのどの加熱部で加
熱されても、被加熱物から出る煙や湯気２２は、近傍の
排気流２１に巻き込まれる形で上方の換気扇に向かい、
室内に洩れたり、本体１の内部へ引き込まれたりするこ
となく、換気扇から室外へ排出される。

【００３０】さらに、第１の排気口９ａと第２の排気口
９ｂの間にはグリル排気口１２があり、第２の排気口９
ｂと第３の排気口９ｃの間には排気止め１３があって各
排気口の開口面積を制限しているので、各排気口９ａ、
９ｂ、９ｃから排出される排気流２１の風速が強めら
れ、被加熱物から出る煙や湯気２２を排気流２１によっ
て上方にある換気扇へ確実に誘導することができる。

【００３１】尚、実施例として、排気口を誘導加熱部左
１１ａ、誘導加熱部右１１ｂ、ヒータ加熱部１１ｃと略
対応した三つとして説明したが、二つでも三つ以上でも
よい。

【００３２】要は複数の加熱部から遠く離れることのな
いよう、複数の加熱部の配置や大きさなどに応じて適宜
設定することにより目的を達成できる。

【００３３】

【発明の効果】以上述べたように本発明の誘導加熱調理
器によれば、本体の上面に被加熱物を載置する絶縁板を
備え、本体内に複数の加熱部と、出力制御基板と、これ
らを冷却する冷却ファンと、排気ファンとを備え、本体
の前面に吸気口を設け、本体の後部に上方に開口した排
気部を設けた誘導加熱調理器において、前記排気部を複
数の加熱部と略対応する如く複数の排気口で構成したの
で、調理時の煙や湯気を本体上方の換気扇へ確実に誘導
でき、従来、排気流の片寄りや排気流の風量不足のた
め、調理時の煙や湯気の室内への洩れが生じて室内の温
度を上げたり、使用者に不快な思いをさせたりすること
がない。

【００３４】また、煙や湯気が本体内部へ引込まれて本
体内部の冷却効率が低下したり、本体内部を汚染あるい
は絶縁低下をもたらすなどの問題を解消できるという大
きな効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の要部断面図である。

【図２】本発明の外観斜視図である。

【図３】本発明の概略上面図である。

【図４】本発明の排気等の流れを示す図である。

【図５】従来例の概略上面図である。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 絶縁板 ３ 加熱コイル ４ 基板固定台 ５ 出力制御基板 ６ 基板ケース ７ 冷却ファン ８ 吸気口 ９ 排気部 ９a 第１の排気口 ９b 第２の排気口 ９c 第３の排気口 １０ 排気ファン １１a 誘導加熱部左 １１b 誘導加熱部右 １１c ヒータ加熱部 １２ グリル排気口 １３ 排気止め １４ グリル加熱部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体（１）の上面に被加熱物を載置する
   絶縁板（２）を備え、本体（１）内に複数の加熱部と、
   出力制御基板（５）と、これらを冷却する冷却ファン
   （７）と、排気ファン（１０）とを備え、本体（１）の
   前面に吸気口（８）を設け、本体（１）の後部に上方に
   開口した排気部（９）を設けた誘導加熱調理器におい
   て、前記排気部（９）を複数の加熱部と略対応する如く
   複数の排気口で構成したことを特徴とする誘導加熱調理
   器。