JP2002119615A - ゴルフボールカバー材用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
ゴルフボールカバー材用熱可塑性樹脂組成物Info
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Abstract
弾性を有するゴルフボール用熱可塑性エラストマー組成
物を提供する。 【解決手段】芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物系
共重合体100重量部、ゴム用軟化剤0〜240重量
部、パーオキシド架橋型オレフィン系樹脂0〜100重
量部、パーオキシド分解型オレフィン系樹脂0〜100
重量部、液状ポリブタジエン0〜30重量部、不飽和グ
リシジル化合物0〜15重量部、不飽和カルボン酸0〜
15重量部、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステ
ル系化合物0〜15重量部、及び有機パーオキシド上記
の合計100重量部に対して0〜3.5重量部、更に、
ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリメチル
ペンテンから成る群から選ばれる少なくとも一つの化合
物0〜1500重量部を含むゴルフボールカバー材用熱
可塑性樹脂組成物。
Description
ル用カバー材の反発弾性、耐摩耗性等のゴルフボールに
必要な基本性能を維持したまま、射出成形性が向上した
ゴルフボールを得ることができるゴルフボールカバー材
用熱可塑性組成物に関する。
ランス−ポリイソプレン(バラタ)が使用されている。
しかしながら、バラタカバーボールはショットの際、カ
バー表面に傷が付きやすい欠点がある上、価格や成形性
に問題があった。
を改善すべく、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを用
いたカバー材が種々提案されている(米国特許第339
5109号、同第4248432号、同第444228
2号公報等参照、特開平11−9721等参照)。
が、スチレン・ブタジエン−ブロックポリマー(SB
S)、スチレン・イソプレン−ブロックポリマー(SI
S)等のポリスチレン系熱可塑性エラストマー及びこれ
らの水素添加物は、柔軟性に富み、常温で良好なゴム弾
性を有し、かつ、これらより得られる熱可塑性エラスト
マー組成物は加工性に優れている。しかしながら、これ
らによって成形されたゴルフボールは耐摩耗性や耐傷付
き性に劣ることがわかっている。
レタンエラストマーをカバー材として使用した場合、反
発弾性、耐摩耗性等のゴルフボール用カバー材に必要な
基本性能を維持したまま、バラタより射出成形性が向上
したゴルフボール用カバー材が得られるが、いまだ成形
性、特に射出成形時の成形サイクルや離型性、成形品表
面のヒケのコントロールの面で不十分である。特に特開
平11−9721号公報に見られる組成物は、射出成形
時の流動性が不足しており、かつ、離型性が悪い為に真
球が要求されるゴルフボールを効率的に製造することが
難しい。
耐摩耗性能および反発弾性等を維持したまま、従来の熱
可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とするカバー
材の射出成形性を更に大幅に上回る優れた作用効果を与
えることを目的とする。
解決するために、優れた耐摩耗性能および反発弾性等の
性能を維持したまま、射出成形性を飛躍的に向上させ
た、ゴルフボールカバー材用熱可塑性樹脂組成物を得る
べく鋭意検討を重ね、(a)芳香族ビニル化合物−共役
ジエン化合物共重合体、及び/又はその水素添加物から
選ばれる少なくとも1種 100重量部、(b)非芳香
族系のゴム用軟化剤0〜240重量部、(c)パーオキ
シド架橋型オレフィン系樹脂、及び/又はその共重合体
0〜100重量部、(d)パーオキシド分解型オレフィ
ン系樹脂、及び/又はその共重合体0〜100重量部、
(e)液状ポリブタジエン0〜30重量部、(f)不飽
和グリシジル化合物又はその誘導体0〜15重量部、
(g)不飽和カルボン酸又はその誘導体0〜15重量
部、(h)水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル
系化合物0〜15重量部、及び(j)有機パーオキシド
(a)〜(h)の合計100重量部に対して0〜3.5
重量部、更に、(i)ポリエステル重合体又はその共重
合体、ポリウレタン重合体又はその共重合体、ポリアミ
ド重合体又はその共重合体、ポリメチルペンテン重合体
又はその共重合体から成る群から選ばれる少なくとも一
つの化合物0〜1500重量部から成る群から選ばれる
少なくとも一つの化合物0〜1500重量部からなる本
発明のゴルフボールカバー材用熱可塑性樹脂組成物を得
るに至った。
の各成分について、詳細に説明する。
合物共重合体及び/又はその水素添加物 本発明における成分(a)は、(a−1)芳香族ビニル
化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体、または
その水素添加物、(a−2)芳香族ビニル化合物と共役
ジエン化合物のランダム共重合体、または水素添加物か
らなる群より選ばれる少なくとも1種である。成分
(a)における芳香族ビニル化合物としては、例えばス
チレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェ
ニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルス
チレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなど
のうちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチ
レンが好ましい。また共役ジエン化合物としては、例え
ば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから
1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソ
プレンおよびこれらの組合せが好ましい。
/又はその水素添加物 本発明の成分(a−1)は、芳香族ビニル化合物を主体
とする重合体ブロックAの少なくとも1個と、共役ジエ
ン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1
個とからなるブロック共重合体又はこれを水素添加して
得られるもの、あるいはこれらの混合物であり、例え
ば、A−B、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A
−B−Aなどの構造を有する芳香族ビニル化合物−共役
ジエン化合物ブロック共重合体あるいは、これらの水素
添加されたもの等を挙げることができる。上記 (水
添)ブロック共重合体(以下、(水添)ブロック共重合
体とは、ブロック共重合体及び/又は水添ブロック共重
合体を意味する)は、芳香族ビニル化合物を5〜50重
量%、好ましくは、20〜40重量%含む。芳香族ビニ
ル化合物を主体とする重合体ブロックAは好ましくは、
芳香族ビニル化合物が50〜100重量%、好ましくは
70重量%以上である。共役ジエン化合物を主体とする
重合体ブロックBは好ましくは、共役ジエン化合物が5
0〜100重量%、好ましくは70重量%以上であっ
て、かつ水添されたものが好ましい。該共役ジエン化合
物中の脂肪族二重結合の少なくとも70%以上が水添さ
れてることが好ましい。芳香族ビニル化合物を主体とす
る重合体ブロックA或いは(水素添加された)共役ジエ
ン化合物を主体とする重合体ブロックBが2個以上ある
場合には、それぞれが同一構造であっても異なる構造で
あってもよい。
添)ブロック共重合体の重量平均分子量は好ましくは
5,000〜1,500,000、より好ましくは1
0,000〜550,000の範囲である。分子量分布
(重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比
(Mw/Mn))は好ましくは10以下、更に好ましく
は5以下、より好ましくは2以下である。(水添)ブロ
ック共重合体の分子構造は、直鎖上、分岐状、放射状あ
るいはこれらの任意の組合せのいずれであってもよい。
ては数多くの方法が提案されているが、代表的な方法と
しては、例えば特公昭40−23798号公報に記載さ
れた方法により、リチウム触媒またはチーグラー型触媒
を用い、不活性溶媒中にてブロック重合させて得ること
ができる。水添ブロック共重合体は、上記方法により得
られたブロック共重合体を、不活性溶媒中で触媒の存在
下にて水素添加することにより得ることができる。
しては、SBS、SIS、SEBS、SEPS、SIB
S及びその水添物等を挙げることができる。本発明にお
いて、特に好ましい(水添)ブロック共重合体は、スチ
レンを主体とする重合体ブロックAと、イソプレンを主
体としかつイソプレンの70〜100重量%が1,4−
ミクロ構造を有し、かつ該イソプレンに基づく脂肪族二
重結合の少なくとも70%が水素添加された重合体ブロ
ックBとからなる重量平均分子量が50,000〜55
0,000の水添ブロック共重合体である。更に好まし
くは、イソプレンの90〜100重量%が1,4−ミク
ロ構造を有する上記水添ブロック共重合体である。
又はその水素添加物 本発明の成分(a−2)ランダム共重合体、及び/又は
その水素添加物としては、共役ジエン化合物と芳香族ビ
ニル化合物50重量%以下とのランダム共重合体であっ
て、数平均分子量が5,000〜1,000,000で
あり、多分散度(Mw/Mn)の値が10以下であり、
且つ、その共役ジエン部の1,2結合あるいは3,4結
合などのビニル結合含有量が5%以上であり、好ましく
は20〜90%である。5%未満では得られる成形品の
感触が硬くなり、本発明の目的に添わない。ここで、成
分(a−2)を構成する芳香族ビニル化合物の含有量
は、50重量%以下、好ましくは、5〜35重量%であ
る。50重量%を超えると得られる成形品の感触が硬く
なり、本発明の目的に添わない。成分(a−2)におけ
る芳香族ビニル化合物としては、前記成分(a−1)と
同様のものが用いられる。該芳香族ビニル化合物は、ラ
ンダムに結合しており、コルソフ[I.M.Kolth
off,J.Polymer Sci.,Vol1
p.429(1946)]の方法によりブロック状の芳
香族ビニル化合物含量が全結合芳香族ビニル化合物中1
0重量%以下、好ましくは5重量%以下である。また、
共役ジエン化合物も、前記成分(a−1)と同様のもの
が用いられ、例えばブタジエン、イソプレン、2,3−
ジメチルブタジエン、ペンタジエンなどが挙げられる。
かつ該共役ジエン化合物に基づく脂肪族二重結合の少な
くとも90%が水素添加されたものが好ましい。
は液状もしくは低分子量の合成軟化剤を用いることがで
きる。
香族系ゴム用軟化剤はパラフィン系またはナフテン系ま
たはそれらの混合物である。芳香族系の軟化剤は、その
使用により成分(a)が可溶となり、架橋反応を阻害
し、得られる組成物の物性の向上が図れないので好まし
くない。成分(b)としては、パラフィン系のものが好
ましく、更にパラフィン系の中でも芳香族環成分を含ま
ないものが特に好ましい。
は、37.8℃における動的粘度が20〜500cS
t、流動点が−10〜−15℃、引火点(COC)が1
70〜300℃を示す。
重量部に対して、上限は240重量部。下限は特にな
い。上限を越える配合は、軟化剤のブリードアウトを生
じやすく、最終製品に粘着性を与えるおそれがあり、機
械的性質も低下せしめる。
ン系樹脂、及び/又はその共重合体 パーオキシド架橋型オレフィン系樹脂、及び/又はその
共重合体としては、高密度ポリエチレン(低圧法ポリエ
チレン)、低密度ポリエチレン(高圧法ポリエチレ
ン)、線状低密度ポリエチレン(エチレンと少量の好ま
しくは1〜10モル%のブテン−1、ヘキセン−1、オ
クテン−1などのα−オレフィンとのコポリマー)など
のポリエチレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エ
チレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸
エステルコポリマーなどの中から選ばれた1種又は2種
以上が好ましく用いられる。特に好ましいのはメタロセ
ン触媒(シングルサイト触媒)を用いて製造された、密
度0.90g/cm3以下のエチレン・オクテン・コポ
リマー又は密度0.90g/cm3以上のエチレン・ヘ
キセン・コポリマーである。
成分(a)100重量部に対して、上限が100重量部
である。上限を越えると、ゴム用軟化剤(b)のブリー
ドアウトが生じ易くなる。
ィン系樹脂及び/又はその共重合体 成分(d)のパーオキサイド分解型オレフィン系樹脂及
び/又はその共重合体としては、一般にホモポリマー、
ブロックコポリマー、ランダムコポリマーなどからなる
ポリプロピレン化合物のいずれも使用することが出来
る。例えば、プロピレンと他の少量のα−オレフィン例
えばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル
−1−ペンテン等との共重合体が好ましい。
のゴム分散を良好にし、成形品の外観を良好にする効果
を有する。成分(d)の配合量は、上限が成分(a)1
00重量部に対して100重量部。下限は特にない。1
00重量部を越えた場合は、得られるエラストマー組成
物の柔軟性及びゴム弾性が悪化する。
あって1,2−結合、トランス1,4−結合、シス1,
4−結合からなる、室温において透明な液状の重合体で
ある。ここで、1,2−結合は30重量%以下であるこ
とが好ましく、1,2−結合が30重量%を超えては、
得られる組成物の低温特性が低下するため好ましくな
い。
上限が好ましくは5,000、更に好ましくは4,00
0であり、下限が好ましくは1,000、更に好ましく
は3,000である。下限未満では、得られる組成物の
耐熱変形性が低下し、上限を超えては、得られる組成物
の相溶性が低下する。
基、水酸基、イソシアネート基、カルボキシル基から選
ばれる1種又は2種以上の基を有する共重合性化合物で
あることが好ましい。なかでも、水酸基と不飽和二重結
合とを有するものが特に好ましく、市販品としては、例
えば、出光石油化学株式会社製 R−45HT(商標)
が挙げられる。
重量部に対して、上限が30重量部である。下限は特に
ないが、上限を超えては組成物の機械的特性が悪化す
る。
の誘導体 不飽和グリシジル化合物又はその誘導体は変性剤として
使用されるものであり、好ましくは分子中にオレフィン
と共重合し得る不飽和基とグリシジル基とを有するグリ
シジル化合物が用いられ、特に好ましくはグリシジルメ
タクリレート(GMA)が使用される。該変性剤によ
り、好ましくは成分(a)における水添ブロック共重合
体のソフト成分、成分(c)のパーオキシド架橋型オレ
フィン系樹脂、及び/又はその共重合体、及び成分
(d)のパーオキシド分解型オレフィン系樹脂、及び/
又はその共重合体が変性されると考えられる。
重量部に対して、上限が15重量部である。下限は特に
ない。上限を超えては、組成物の耐熱変形性、機械特性
が悪化するばかりか、成分(i)を配合した際に、該成
分の相溶性を改良する効果が認められなくなる。
導体 不飽和カルボン酸又はその誘導体は変性剤として使用さ
れるものであり、好ましくはアクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、ジカルボン酸又はその誘導体例えば
酸、ハライド、アミド、イミド、無水物、エステル等が
挙げられる。特に好ましくは無水マレイン酸(MAH)
が用いられる。該変性剤により、好ましくは成分(a)
における水添ブロック共重合体のソフト成分、成分
(c)のパーオキシド架橋型オレフィン系樹脂、及び/
又はその共重合体、及び成分(d)のパーオキシド分解
型オレフィン系樹脂、及び/又はその共重合体が変性さ
れると考えられる。
重量部に対して、上限が15重量部。下限は特にない
が、上限を超えては、組成物に激しい黄変が生じるばか
りでなく、成分(i)を配合した際に、該成分の相溶性
を改良する効果が認められなくなる。
ル酸エステル系化合物 成分(h)水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル
系化合物は、成分(a)と(b)の相溶性を向上する効
果を有する。例として、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、
エチル−2−ヒドロキシエチルフマレート、2−ヒドロ
キシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリ
レートおよびこれからなる重合体、共重合体、あるいは
他の単量体との共重合体を用いることが出来る。ここで
共重合可能な単量体としてはエチレン、プロピレン、ス
チレン、酢酸ビニル、塩化ビニルを挙げることが出来
る。好ましくは2−ヒドロキシエチルメタクリレートが
使用される。
重量部に対して、上限値が15重量部である。下限値は
特にないが、前記上限値を越える量では、成形時に発生
されるガスが多い。
/又はその共重合体、又はポリアミド系重合体、及び/
又はその共重合体、又はポリウレタン系重合体、及び/
又はその共重合体、又はポリメチルペンテン系重合体、
及び/又はその共重合体 本発明の成分(i)として用いることができる、ポリエ
ステル系重合体及びその共重合体、ポリアミド系重合体
及びその共重合体、又はポリウレタン系重合体及びその
共重合体は、特に制限がなく、いずれの重合体又はその
共重合体も満足に使用できる。共重合体は、ブロック共
重合体、グラフト共重合体でありうる。エラストマー性
を有することが好ましい。市販の上記の重合体も満足に
使用できる。特に好ましくは、上記の共重合体である。
更に、上記重合体又は共重合体は、単独で用いても組み
合わせて用いても良い。例えば、ポリエステル系重合体
及びその共重合体としては、ハード成分がポリエチレン
テレフタレート又はポリブチレンテレフタレートでソフ
ト成分が脂肪族ポリエーテル又は脂肪族ポリエステル、
ハード成分がポリブチレンナフタレートでソフト成分が
脂肪族ポリエーテルからなる(共)重合体を挙げること
ができ、ポリアミド系重合体及びその共重合体として
は、6−ナイロン、6,6−ナイロン、4,6−ナイロ
ン、6,10−ナイロンまたは6,12−ナイロンと、
ハード成分が6−ナイロン又は12−ナイロンからなり
ソフト成分がポリエーテル又はポリエーテルエステルよ
りなるブロックエラストマーを挙げることができ、ポリ
ウレタン系重合体及び共重合体としては、ラクトン系、
エステル系、またはエーテル系(共)重合体を挙げるこ
とができる。ポリメチルペンテン重合体又はその共重合
体としては、例えばポリ−4−メチルペンテン−1を挙
げることが出来る。
重量部に対して、下限値は特にない。上限値は1500
重量部以下である。1500重量部を越えると、得られ
るエラストマー組成物の柔軟性が低下し、ポリエステル
系重合体またはポリアミド系重合体またはポリウレタン
系重合体単体と大差がなくなる。成分(i)を配合する
ことにより、得られるエラストマー組成物の耐傷付き性
及び耐摩耗性が飛躍的に向上する。さらに、該ポリウレ
タン系重合体、ポリアミド重合体、ポリエステル重合
体、ポリメチルペンテン系重合体を配合したエラストマ
ーを、アイオノマー樹脂、ポリブタジエンのコア材から
なるゴルフボールにカバー材、中間層に用いれば、一括
粉砕してリサイクルできる。
用される。有機パーオキサイドとしては、例えば、ジク
ミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサ
イド、2,5−ジメチル−2,5− ジ−(tert−
ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,
5 −ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3
、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパ
ーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキ
シ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロ
ロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾ
イルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベン
ゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド
などを挙げることができる。
安定性の点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(te
rt−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシ
ン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイ
ソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
ドの添加時における成分(a)〜(h)からなる組成物
100重量部に対して、特に下限はないが、上限値は
3.5重量部以下である。3.5重量部を越えると架橋
が進みすぎて、架橋物の分散が悪くなる。
ことが好ましい。架橋助剤としては、ジビニルベンゼ
ン、トリアリルシアヌレートのような多官能性ビニルモ
ノマー、又はエチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレング
リコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジ
メタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリ
レート、アリルメタクリレートのような多官能性メタク
リレートモノマーが挙げられる。このような化合物を用
いることにより、均一かつ効率的な架橋反応が期待でき
る。なかでも、トリエチレングリコールジメタクリレー
トが、取り扱いやすく、分散助剤としても働くため、効
果的である。
イドの添加量の約2〜2.5倍の割合が好ましい。下限
値は特にないが、成分(a)〜(h)からなる組成物1
00重量部に対して、添加量が10重量部を越えると架
橋効率が低下する。
ほかに用途に応じて、各種のブロッキング防止剤、シー
ル性改良剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑
剤、結晶核剤、着色剤、無機充填剤、発泡剤(有機系、
無機系)等を含有することも可能である。場合により用
いられる酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−
p−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−
ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−
ブチルフェノール、4,4−ジヒドロキシジフェニル、
トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−
ブチルフェニル)ブタンなどのフェノール系酸化防止剤
と、ホスファイト系酸化防止剤とチオエーテル系酸化防
止剤などがある。中でも、フェノール系酸化防止剤とホ
スファイト系酸化防止剤は好ましいものである。
樹脂組成物は、例えば、以下の工程により製造すること
ができる。成分(a)〜(j)および任意成分を一括で
混練しても良いが、より好ましくは以下の方法による。
まず成分(i)以外の成分を加熱下で混練する。架橋す
る場合、好ましくは架橋助剤も添加する。混練方法とし
ては、ゴム、プラスチックなどで通常用いられる方法で
あれば満足に使用でき、例えば、一軸押出機、二軸押出
機、ロール、バンバリーミキサーあるいは各種のニーダ
ーなどが用いられる。この工程により、各成分が均一に
分散された組成物を得ることができる。
工程で得られた組成物に対し、成分(i)を加えて混練
する。混練は、一般に、一軸押出機、二軸押出機、ロー
ル、バンバリーミキサーあるいは各種のニーダーなどを
用いて行うことができる。この工程で、各成分の分散が
さらに進むと同時に、反応が完了する。成分(i)をサ
イドフィードして上記工程と連続的に行なうと好都合で
ある。また、成分(i)に対し、上記工程で得られた組
成物をドライブレンドし射出成形することも可能であ
る。
押出機やバンバリーミキサーを使用するとすべての工程
を連続的に行なうことができるので好ましい。また、例
えば、二軸押出機にて混練する場合、スクリューの回転
数は80〜350rpmの条件で行うと各成分が分散が
良好で、物性の良好なものを得ることができる。
説明する。表中の量は、特に断りがない限り重量部を意
味する。
を用いた。 成分(a−1−1):水添ブロック共重合体 クラレ社製 セプトン2002 スチレンの含有量:30重量% イソプレンの含有量:70重量% 数平均分子量(Mn):55,000 重量平均分子量(Mw):60,000 Mw/Mn:1.09 水素添加率:90%以上 成分(a−1−2):水添ブロック共重合体 クラレ社製 セプトン4077 スチレンの含有量:30重量% イソプレンの含有量:70重量% 数平均分子量(Mn):260,000 重量平均分子量(Mw):320,000 Mw/Mn:1.23 水素添加率:90%以上 成分(a−2):水添ランダム共重合体(SBR) JSR製、ダイナロン1320P(商標) スチレン含有量:10重量% 数平均分子量(Mn):300,000 Mw/Mn:1.1 水素添加率:90%以上
不飽和二重結合(1,4結合:80%)を持つ。数平均
分子量:2800 成分(f):グリシジルメタクリレート 関東化学株式会社製
ル系化合物 2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ラ
イトエステルH0(商標)、共栄社化学(株)製 成分(i):熱可塑性ポリウレタン樹脂 成分(i−1) ディーアイシーバイエルポリマー株式会社製 パンデックス T−8180(商標) 成分(i−2) ディーアイシーバイエルポリマー株式会社製 パンデックス T−7890(商標)
2,5−ジ(t−ブチルパーオキサイド)ヘキサン) 架橋助剤: 新中村化学社製 NKエステル IND(2−メチル−
1,8−オクタンジオールジメタクリレート(85
%)、1,9−ノナンジオールジメタクリレート(15
%)の混合物)
2.16kg):5g/10分 比較成分(2)SEBS タフテックH1051(商標) 旭化成工業(株)製 スチレンの含有量:40重量% ブタジエンの含有量:60重量% メルトフローレート(JIS K7210 230℃
2.16kg):0.8g/10分 このようにして得られた樹脂組成物を以下の方法で評価
した。
を使用した。反発弾性率60%以上が評価良好 2)テーバー摩耗量JIS K 7204に準拠 試験片は2mm厚プレスシートを用い、摩耗輪H−2
2、1000回転後の摩耗質量を測定した。テーバー摩
耗200以下が評価良好 3)成形性 120トンの射出成形機で300mm角×2mm厚シー
トを所定の条件で成形し、 3−1)転写性 転写性は、金型表面の転写性が ◎:非常に優れる ○:優れる △:ヒケが一部にある ×:成形品全体にヒケ等の不具合がある 3−2)離型性 離型性は130mm角の2mm厚シート12枚を成形し
た時に ◎:全ての成形品が射出成形機の突き出しピンで自然落
下した ○:10枚以上が自然落下した △:1〜9枚が自然落下した ×:全て自然落下しなかった 4)硬さ JIS K 7215に準拠 試験片は6.3mm厚プレスシートを用いた。
前記工程に従って、樹脂組成物を製造した。結果を表1
に示す。本発明の樹脂組成物は、反発弾性率、耐摩耗
性、成形性に優れる。
(i)のみでは、本発明の実施例(1、2)に対し成形
性、特に離型性に劣る。
発弾性率および耐摩耗性を得るには、本発明に従う成分
(i)の量を成分(a)100重量部に対し、100重
量部以上配合することが望ましい。
工程に従って、樹脂組成物を製造した。実施例3では、
成分(i)を実施例1、2の硬度HDA80のポリウレ
タン樹脂から硬度90へ変更した。結果を表2に示す。
本発明の樹脂組成物は、反発弾性率、耐摩耗性、成形性
に優れる。
工程に従って、樹脂組成物を製造した。結果を表2に示
す。本発明の樹脂組成物は、反発弾性率、耐摩耗性、成
形性に優れる。特に成分(f)、(g)の添加による相
溶性の向上により耐摩耗性の向上が著しい。
例3,4では成分(a)としてタフテックH1051と
M1913を使用した結果を表2に示す。実施例3、4
に対し、特に成形性に劣る。
ゴルフボール用カバー材の優れた耐摩耗性能および反発
弾性等の性能を維持したまま、射出成形性が向上したゴ
ルフボールカバー材用熱可塑性樹脂組成物を得ることが
できる。
Claims (4)
- 【請求項1】(a)芳香族ビニル化合物−共役ジエン化
合物共重合体、及び/又はその水素添加物から選ばれる
少なくとも1種 100重量部、(b)非芳香族系のゴ
ム用軟化剤0〜240重量部、(c)パーオキシド架橋
型オレフィン系樹脂、及び/又はその共重合体0〜10
0重量部、(d)パーオキシド分解型オレフィン系樹
脂、及び/又はその共重合体0〜100重量部、(e)
液状ポリブタジエン0〜30重量部、(f)不飽和グリ
シジル化合物又はその誘導体0〜15重量部、(g)不
飽和カルボン酸又はその誘導体0〜15重量部、(h)
水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル系化合物0
〜15重量部、及び(j)有機パーオキシド(a)〜
(h)の合計100重量部に対して0〜3.5重量部、
更に、(i)ポリエステル重合体、又はその共重合体、
ポリウレタン重合体、又はその共重合体、ポリアミド重
合体、又はその共重合体、ポリメチルペンテン重合体、
又はその共重合体から成る群から選ばれる少なくとも一
つの化合物0〜1500重量部を含むゴルフボールカバ
ー材用熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項2】成分(a)が、 (a−1)芳香族ビニル化合物含有量が50重量%以下
であり、数平均分子量(Mn)が5,000〜1,50
0,000であり、多分散度(Mw/Mn)が10以下
であるブロック共重合体、又はその水素添加物、並びに (a−2)芳香族ビニル化合物含有量が50重量%以下
であり、数平均分子量(Mn)が5,000〜1,00
0,000であり、多分散度(Mw/Mn)が10以下
でであるランダム共重合体、又はその水素添加物、から
なる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴と
する請求項1記載のゴルフボールカバー材用熱可塑性樹
脂組成物。 - 【請求項3】成分(a−1)が水添スチレン−イソプレ
ン・ブタジエン−スチレンブロック共重合体、及び/又
は水添スチレン−イソフレン−スチレンブロック共重合
体で、そのオレフィン性不飽和結合の少なくとも70%
が水素添加されたことを特徴とする請求項2記載のゴル
フボールカバー材用熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項4】成分(a−2)が水添スチレン−ブタジエ
ンランダム共重合体で、そのオレフィン性不飽和結合の
少なくとも70%が水素添加されたことを特徴とする請
求項2記載のゴルフボールカバー材用熱可塑性樹脂組成
物。
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