JP2002107658A - 画像観察光学系 - Google Patents
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Abstract
用いることができる程度に小型化することができ、か
つ、倍率色収差を抑えて高精細化、広画角化することが
できる画像観察光学系を提供する。 【解決手段】画像表示素子5と、画像表示素子5により
形成された画像を虚像として観察できるように観察者の
眼球中心位置に中間像を形成することなく導く接眼光学
系とを有し、接眼光学系が、該光学系をコンパクト化す
るために反射面を用いて光軸を折り曲げて構成されてい
て、光軸が一つの平面内にあり、光学系が該平面に対称
に形成され、入射面33と複数の曲面反射面31,32と
射出面31とを持つプリズム3を有し、反射面32に体積
型ホログラム(HOE)4を備えている。
Description
関し、特に、観察者の頭部又は顔面に保持することがで
き、また、携帯電話や携帯情報端末に付加することがで
きる画像表示装置に用いる画像観察光学系に関するもの
である。
を目的として、画像表示装置、特に、頭部や顔面に装着
するタイプの画像表示装置の開発が盛んになされてい
る。また、近年、携帯電話の普及や携帯情報端末の普及
に伴い、携帯電話や携帯情報端末の画像や文字データを
大画面で見たいというニーズが高まっている。画像表示
装置に用いる従来の画像観察光学系としては、特開平7
−333551号や特開平8−234137号に記載の
ものがある。これらのものは、反射作用を有する面に例
えば、アナモルフィック面やトーリック面、さらには自
由曲面などの回転非対称な面形状を持つプリズムを使用
して、像の歪み、像面歪曲、非点収差を補正している。
プリズムを用いて画像表示装置を高精細化、広画角化す
ると、プリズム自体の倍率色収差が大きくなり、結像性
能が劣化してしまうという問題がある。
帯電話や携帯情報端末に用いることができる程度に小型
化することができ、かつ、倍率色収差を抑えて高精細
化、広画角化することができる画像観察光学系を提供す
ることを目的とする。
像観察光学系は、画像表示素子と、前記画像表示素子に
より形成された画像を虚像として観察できるように観察
者の眼球中心位置に中間像を形成することなく導く接眼
光学系とを有し、前記接眼光学系が、該光学系をコンパ
クト化するために反射面を用いて光軸を折り曲げて構成
されていて、光軸が一つの平面内にあり、光学系が該平
面に対称に形成され、入射面と複数の曲面反射面と射出
面とを持つ光学素子を有し、少なくとも1つの反射面に
体積型ホログラム(HOE)を備えたことを特徴として
いる。ここで、好ましくは、光学素子の屈折率が1.7
を超えているとよい。素子の屈折率が高くなると、同じ
パワーを得たときに、収差の発生量が小さくなるからで
ある。
つプリズムとHOEを有し、かつ、対称面と画像表示面
との交線における線分の中心の像位置をF0、線分の両
端の像位置のうちHOEが無いときには倍率色収差の大
きい方の像位置をFb、小さい方の像位置をFaとした
とき、次の条件式(1),(2)を同時に満足することが好ま
しい。 −1<φy(HOE、Fa)/φy(Total)<2 ……(1) −1<φy(HOE、Fb)/φy(Total)<1 ……(2) ただし、φy(HOE、Fa)はHOEの像位置Faに
おけるy方向のパワー、φy(HOE、Fb)はHOE
の像位置Fbにおけるy方向のパワー、φy(Tota
l)は全系のy方向のパワーである。
プリズム光学系において、前記HOEがパワーの対称面
を1面又は2面有し、該パワーの対称面が前記HOEを
備えている基板形状の対称面と一致することが好まし
い。
用いて光軸を折り曲げた光学系を構成することでコンパ
クト化を達成している。この光学系としては、正の屈折
力を持つプリズムを用いる。
化、高画角化すると、倍率色収差が大きくなるという問
題がある。本件出願人は、プリズムより発生する倍率色
収差を、それとは逆の倍率色収差の作用を回折素子に持
たせてキャンセルさせることを着想した。そして、先
ず、回折素子としてレリーフ型ホログラム(DOE)を
用いた、プリズムより発生する倍率色収差の補正につい
て検討した。
持つことなく設けられており、例えば、図33に示すよ
うに、その面内におけるパワーの分布が部位により異な
っている。そして回折素子のパワーの変化に伴い倍率色
収差も変化するので、例えば、プリズムの所定の面上に
プリズムの倍率色収差とは逆向きに倍率色収差が生じる
ようなパワー分布の回折素子を設ければ、光学系を大型
化することなく、プリズムの倍率色収差を補正すること
が可能である。また、回折素子をプリズムに一体化すれ
ば、プリズムと回折素子との位置ずれが生じない。
OE)と体積型ホログラム(HOE)とがある。DOE
は、入射角選択性や波長選択性が小さく、特定の入射
角、波長の光を回折して必要次数光として結像させる
が、それ以外の入射角、波長の光についても、回折効率
が低下した状態で回折し、不要次数光として結像させて
しまうという性質を有する。一方、HOEは入射角選択
性や波長選択性が高く、特定の波長、入射角の光のみを
回折して必要次数光として結像させ、それ以外の光につ
いては殆どを0次光として透過させ、不要次数光を結像
させ難いという特性を有している。
作成するのが効率的である。この場合には、DOEは、
必然的に回転対称となる。このため、プリズムが図34
に示すような自由曲面など回転非対称な面を有している
ような場合に生じる倍率色収差を補正することができな
い。また、レリーフ型ホログラムを用いた場合には、必
要とする回折次数光以外に、不要次数光(0次光、2次
光)が発生し、画像の悪化をもたらし観察の妨げにな
る。
反射型のHOEを用いた、プリズムより生じる倍率色収
差の補正ついて検討した。HOEは、図35(a)に示す
ように、パワー分布を回転非対称に構成することができ
るので、自由曲面を持つプリズムに対して、そのプリズ
ムより生ずる倍率色収差を打ち消す作用が働くように構
成することが可能である。また、一般にHOEを反射面
に用いた場合、不要次数光としては、0次光のみしか発
生しない。しかも、例えば、図1に示すような観察者の
眼とは反対側に位置する面にHOEを配置すれば、わず
かに発生する0次光が観察者の眼には届かない方向へ放
出されるので、観察の妨げにならない。このため、本発
明のように回折素子としてHOEを用いれば、不要次数
光による像ブレの発生を防ぐことができ、鮮明な観察画
像を得ることができる。
に、プリズムのある光学面B(例えば反射面)に貼る。
ここで、貼るとは、シート状のHOEを光学系の面に接
着剤などで貼る場合はもちろんのこと、光学系の面の表
面に機械的なキザミをつけたり、表面の屈折率を縞状に
変化させる場合も含む。例えば、図35(a)の場合にお
いて、軸L1に対し、光学面Bの面形状が対称になって
いるものとする。これをHOEのパワーについて考える
と、図35(c)に示すように、横からみると、HOEの
パワーは上下非対称となり、図35(d)に示すように、
上からみるとHOEのパワーは左右対称になる。これに
対し旋盤で加工したDOEの場合は、横からみても、上
からみても、対称になるので、回転非対称(即ち、上
下、左右の少なくともいずれかが対称でない)面を有す
る光学部材の倍率色収差を補正することができない。
分で偏心収差を補正していた偏心プリズムを備えた画像
観察光学系において、その面にカラーHOEを配置す
る。その際に、図1に示すように、HOEを設けるプリ
ズム3の基板面(B面)の形状を球面とし、偏心収差を
主に補正していた面(B面)の自由曲面成分をカラーH
OEのXY多項式パワー成分、A面の自由曲面成分、C
面の自由曲面成分の3箇所に負担させる。これにより、
従来どおりのプリズムの偏心補正能力を維持することが
でき、かつ、HOEのパワーにより、プリズムの持つ面
の形状より発生する倍率色収差を補正することが可能と
なる。
差補正のためのパワーを大きく負担させると、却って大
きな倍率色収差の発生を招くことになる。そこで、図1
に示すように、両面がほぼ平面で、かつ平行でない面か
らなる光学素子5(くさび型プリズム、ウェッジプリズ
ム)を配置して、HOE面で分散された光束をくさび型
プリズムの持つ分光作用でキャンセルして、光学系全体
で倍率色収差を補正するようにするとよい。なお、一つ
のHOEにプリズムの倍率色収差補正のためのパワーを
大きく負担させすぎると、くさび型プリズムの持つ分光
作用を介しても倍率色収差を十分にキャンセルすること
ができない。
て説明する。瞳の中心から、各像位置に至る光線を考え
(これを主光線と呼ぶ)、この光線位置における各面の
パワーを計算する。例えば、図1に示す画像観察光学系
では、光軸が、一つの平面内にあり、プリズム光学系
は、この平面に対称になっている。ここで、本発明の説
明においては、対称面に平行(即ち、図1においては紙
面に平行)な方向をY方向、各面のローカル座標面上で
これと直交する方向をX方向とする。なお、パワーは、
方位角に依存するので、X方向のパワーと、Y方向のパ
ワーとを別々に計算する。
と、画像表示面の交線において、線分の中心の像位置を
F0、線分の両端の像位置をFa,Fbとする。HOE
が無いと、偏心光学系の影響で、FaとFbの倍率色収
差の出方に非対称性が出る。この時、倍率色収差が大き
い方の像位置をFbとし、倍率色収差が小さい方の像位
置をFaとする。
よるパワーと、HOEによるパワーとを分けて考える。
HOE反射面におけるHOEだけが持つパワーを各像位
置での主光線の位置で計算してφy(HOE,Fb),
φy(HOE、Fa),を計算する。その場合、次の条
件式(1),(2)を同時に満たすことが好ましい。 −1<φy(HOE、Fa)/φy(Total)<2 ……(1) −1<φy(HOE,Fb)/φy(Total)<1 ……(2) ただし、φy(HOE、Fa)はHOEの像位置Faに
おけるy方向のパワー、φy(HOE、Fb)はHOE
の像位置Fbにおけるy方向のパワー、φy(Tota
l)は全系のy方向のパワーである。
ムで発生する倍率色収差を補正するHOEの倍率色収差
補正能力が不足し、倍率色収差が補正不足になる。条件
式(1),(2)の上限を超えると、プリズムで発生する倍率
色収差を補正するHOEの倍率色収差補正能力が大きく
なりすぎ、倍率色収差が補正過剰になる。
足するとより好ましい。 0<φy(HOE、Fa)/φy(Total)<1 ……(3) −0.5<φy(HOE,Fb)/φy(Total)<0.5 ……(4) ただし、φy(HOE、Fa)はHOEの像位置Faに
おけるy方向のパワー、φy(HOE、Fb)はHOE
の像位置Fbにおけるy方向のパワー、φy(Tota
l)は全系のy方向のパワーである。
満足するとより一層好ましい。 0.005<φy(HOE、Fa)/φy(Total)<0.4 ……(5) −0.2<φy(HOE,Fb)/φy(Total)<0.2 ……(6) ただし、φy(HOE、Fa)はHOEの像位置Faに
おけるy方向のパワー、φy(HOE、Fb)はHOE
の像位置Fbにおけるy方向のパワー、φy(Tota
l)は全系のy方向のパワーである。
OEのX方向のパワーがすべて正(局所領域におけるパ
ワーが負にならないこと)であることが望ましい。プリ
ズム全体が正のパワーを持つため、HOEのパワーとし
ても全面正のパワーを持つことが倍率色収差を補正する
上で望ましいからである。
ムが反射面を1面以上持ち、HOEが前記プリズムの面
上に形成されているとよい。
ムが、反射面を1面以上持ち、HOEが、画像表示素子
と観察者の眼との間に、回転非対称な倍率の色収差を補
正するように回転非対称なパワーで形成されているとよ
い。
じて倍率色収差発生量が増加する傾向にある。そして、
プリズム光学系で発生する倍率色収差が大きい場合、そ
れを補正するためのパワーを1枚のHOEに負担させる
と、HOEにより発生する倍率色収差が大きくなってし
まう。そこで、本発明は、正の屈折力を持つプリズムを
有し、かつ、画像表示素子から射出瞳位置までの間に、
少なくとも2枚のHOEを用い、次の条件式(7)を満足
することが好ましい。 |φy(HOE、F0)/φy(Total)|≦0.25 ……(7) ただし、φy(HOE、F0)はHOEの像位置F0に
おけるy方向のパワー、、φy(Total)は全系の
y方向のパワーである。
第2のHOEを、第1のHOEが発生する倍率色収差と
は逆向きの倍率色収差が発生するように構成することが
でき、第2のHOEが持つ倍率色収差の作用で、第1の
HOEが持つ倍率色収差をキャンセルすることができ
る。
るとより好ましい。 |φy(HOE、F0)/φy(Total)|≦0.10 ……(8) ただし、φy(HOE、F0)はHOEの像位置F0に
おけるy方向のパワー、、φy(Total)は全系の
y方向のパワーである。
するとより一層好ましい。 |φy(HOE、F0)/φy(Total)|≦0.025 ……(9) ただし、φy(HOE、F0)はHOEの像位置F0に
おけるy方向のパワー、、φy(Total)は全系の
y方向のパワーである。
補正するために、正の屈折力を持つプリズムと、HOE
に加えて、さらにクサビ型プリズム(ウェッジプリズ
ム)のような、両面がほぼ平面で、かつ平行でない面か
らなる光学素子を加えて構成してもよい。なお、上述の
ように、クサビ型プリズムの代わりに、HOEをさらに
設けて複数のHOEでプリズムの倍率色収差補正のため
のパワーを分担させれば、クサビ型プリズムを設ける場
合に比べて、省スペース、軽量化を図ることができる。
なお、その場合、複数のHOEのいずれもプリズムの面
に貼りつければ、より省スペース化を図ることができ
る。
るプリズムが偏心プリズムであり、前記画像表示素子か
ら射出された光束をプリズム内に入射させる入射面と、
前記光束をプリズム内で反射させる複数の反射面と、前
記光束をプリズム外に射出させる射出面とを有してい
る。
中心を通過して像面の中心に到達する光線を軸上主光線
としたとき、少なくとも1つの反射面が軸上主光線に対
して偏心していないと、軸上主光線の入射光線と反射光
線が同一の光路を通ることとなり、軸上主光線が観察光
学系中で遮断されてしまう。その結果、中心部が遮光さ
れた光束のみで像を形成することになり、中心が暗くな
ったり、中心では全く像を結ばなくなったりしてしま
う。
に対して偏心させた場合、本発明で用いられるプリズム
を構成する面のうち、少なくとも1つの面は回転非対称
な面であることが望ましい。その中でも、特に、プリズ
ム部材の少なくとも1つの反射面を回転非対称な面にす
ることが収差補正上は好ましい。また、本発明で用いら
れるHOEのパワー分布は、回転非対称である。なお、
HOEを設けるベース面は、シリンドリカル面、球面、
非球面、アナモルフィック面、トーリック面、対称面を
1面のみ有する面、面対称自由曲面形状のいずれの形状
に形成されていてもよい。
アナモルフィック面、トーリック面、対称面を1面のみ
有する面対称自由曲面で構成することができる。なお、
好ましくは、対称面を1面のみ有する自由曲面で構成す
るとよい。
は、軸上主光線を、射出瞳中心を通り画像表示素子の中
心に到達する光線で定義する。そして、軸上主光線が射
出瞳の中心から最初の光学系の面に交差するまでの直線
によって定義される光軸をZ軸と定義し、また、このZ
軸と直交し、かつ、第1群のプリズム部材を構成する各
面の偏心面内の軸をY軸と定義し、さらに、Z軸と直交
し、かつ、各面のローカル座標面上でY軸と直交する軸
をX軸と定義する。また、射出瞳の中心を本発明の観察
光学系における座標系の原点とする。また、本発明にお
いては、上述のように射出瞳から画像表示素子に向かう
逆光線追跡で面番号をつけることとし、軸上主光線が射
出瞳から画像表示素子に至る方向をZ軸の正方向、画像
表示素子に向かうY軸の方向をY軸の正方向、Y軸とZ
軸と右手系を構成するX軸の方向をX軸の正方向とそれ
ぞれ定義する。ここで、本発明で使用する自由曲面は、
次式(10)により定義する。なお、その定義式のZ軸が自
由曲面の軸となる。
である。また球面項中、Cは頂点の曲率、kはコーニッ
ク定数(円錐定数)、r=√(X2+Y2)である。
とができる。 ……(11) ただし、Cj(jは2以上の整数)は係数である。
Y−Z面ともに対称面を持つことはないが、本発明で
は、Xの奇数次項を全て0にすることによって、Y−Z
面と平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。
このような自由曲面は、例えば、上記定義式(11)におい
ては、C2、C5、C7、C9、C12、C14、C16、C18、
C20、C23、C25、C27、C29、C31、C33、C35・・
・の各項の係数を0にすることによって達成することが
可能である。
よって、X−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自
由曲面となる。このような自由曲面は、例えば、上記定
義式(11)においては、C3、C5、C8、C10、C12、C
14、C17、C19、C21、C23、C25、C27、C30、
C32、C34、C36・・・の各項の係数を0にすることに
よって達成することが可能である。
面とし、それに対応する方向の偏心、例えば、Y−Z面
と平行な対称面に対して光学系の偏心方向はY軸方向
に、X−Z面と平行な対称面に対しては光学系の偏心方
向はX軸方向にすることで、偏心により発生する回転非
対称な収差を効果的に補正しながら同時に製作性も向上
させることが可能となる。
つの例として示したものであり、上記定義式(10)以外の
他のいかなる定義式に対しても同様の効果が得られるこ
とは言うまでもない。
射面の形状を、唯一の対称面を1面のみ有した面対称自
由曲面形状にて構成することができる。
(12)により定義される。なお、面形状の原点を通り、光
学面に垂直な直線がアナモルフィック面の軸となる。 Z=(Cx・X2+Cy・Y2)/[1+{1−(1+Kx)Cx2・X2 −(1+Ky)Cy2・Y2}1/2] +ΣRn{(1−Pn)X2 +(1+Pn)Y2}(n+1) ……(12)
ると、上記式(12)は、展開したとき、次式(13)で表わす
ことができる。 Z=(Cx・X2+Cy・Y2)/[1+{1−(1+Kx)Cx2・X2 −(1+Ky)Cy2・Y2}1/2] +R1{(1−P1)X2+(1+P1)Y2}2 +R2{(1−P2)X2+(1+P2)Y2}3 +R3{(1−P3)X2+(1+P3)Y2}4 +R4{(1−P4)X2+(1+P4)Y2}5 ……(13) ただし、Zは面形状の原点に対する接平面からのずれ
量、CxはX軸方向曲率、CyはY軸方向曲率、Kxは
X軸方向円錐係数、KyはY軸方向円錐係数、Rnは球
面項回転対称成分、Pnは非球面項回転非対称成分であ
る。なお、X軸方向曲率半径Rx、Y軸方向曲率半径R
yと曲率Cx,Cyとは、 Rx=1/Cx,Ry=1/Cy の関係にある。
Yトーリック面があり、それぞれ次式(14),(15)により
定義される。面形状の原点を通り、光学面に垂直な直線
がトーリック面の軸となる。Xトーリック面は、次式(1
4)で定義される。 F(X)=Cx・X2/[1+{1−(1+K)Cx2・X2}1/2] +AX4+BX6+CX8+DX10・・・・・・ Z=F(X)+(1/2)Cy{Y2+Z2−F(X)2} ……(14) Yトーリック面は、次式(15)で定義される。 F(Y)=Cy・Y2/[1+{1−(1+K)Cy2・Y2}1/2] +AY4+BY6+CY8+DY10・・・・・・ Z=F(Y)+(1/2)Cx{X2+Z2−F(Y)2} ……(15) ただし、Zは面形状の原点に対する接平面からのずれ
量、CxはX軸方向曲率、CyはY軸方向曲率、Kは円
錐係数、A,B,C,Dは非球面係数である。なお、X
軸方向曲率半径Rx、Y軸方向曲率半径Ryと曲率C
x,Cyとは、 Rx=1/Cx,Ry=1/Cy の関係にある。
は以下のように定義する。図36は本発明におけるHO
Eを定義するための原理図である。まず、HOE面に入
射し、さらに射出する波長λの光線追跡は、基準波長λ
0=HWLに対して定義されるHOE面上での光路差関
数Φ0を用いて、次式(16)で与えられる。 ndQd・N=niQi・N+m(λ/λ0)∇Ф0・N ……(16) ただし、NはHOE面の法線ベクトル、ni(nd)は入
射側(射出側)の屈折率、Qi(Qd)は入射(射出)ベ
クトル(単位ベクトル)である。また、m=HORは射
出光の回折次数である。
ち図36に示すような点P1=(HX1,HY1,HZ
1)を光源とする物体光、および点P2=(HX2,H
Y2,HZ2)を光源とする参照光の干渉によって製造
される(定義される)とすれば、 Φ0=Φ0 2P =n2・s2・r2−n1・s1・r1 となる。ただし、r1(r2)は点P1(点P2)からHO
E面の所定の座標までの距離(>0)、n1(n2)は製
造時(定義時)にHOEを置く媒質の、点P1(点P2)
を配置した側の屈折率であり、s1=HV1、およびs2
=HV2は光の進行方向を考慮する符号である。この符
号は光源が発散光源(実点光源)である場合に、REA
=+1、逆に光源が収束する光源(仮想点光源)の場合
にVIR=−1となる。なお、レンズデータ中における
HOEの定義として、製造時(定義時)にHOEを置く
媒質の屈折率n1(n2)は、レンズデータ中でHOE面
が接している媒質の、点P1(点P2)が存在する側の屈
折率とする。
光と物体光は球面波とは限らない。この場合のHOEの
光路差関数Φ0は、多項式で表した付加的な位相項Φ0
Poly(基準波長λ0における光路差関数)を加えて次式
(17)で表わすことができる。 Φ0=Φ0 2P+Φ0 Poly ……(17) ここで、多項式は、 であり、一般には j={(m+n)2+m+3n}/2 で定義することができる。ただし、Hjは各項の係数で
ある。
0を Φ0=Φ0 Poly のように付加項のみで表し、それによってHOEを定義
することもできる。例えば、2点光源P1(点P2)を一
致させると光路差関数Φ0の干渉による成分Φ0 2Pはゼロ
となるので、この場合は実質的に付加項(多項式)のみ
で光路差関数を表示したことに相当する。以上のHOE
に関する説明は、すべてHOE原点を基準とするローカ
ル座標に対するものである。
の例を示す。 面番号 曲率半径 間隔 物体面 ∞ ∞ 絞り ∞ 100 2 150 −75 HOE: HV1(s1)=REA(+1) HV2(s2)=VIR(−1) HOR(m) =1 HX1=0 ,HY1=-3.40×109 ,HZ1=-3.
40×109 HX2=0 ,HY2= 2.50×10 ,HZ2=-7.
04×10 HWL(λ0)=544 H1= -1.39×10-21, H2= -8.57×10-5, H
3= -1.50×10-4
説明する。図37は本発明におけるHOEのローカルパ
ワーを説明するための説明図である。HOEは屈折率n
→∞の超高屈折率レンズで表現することができる(Sw
eatt Model)。波長λ0における光路差関数
Φ0で定義されたHOEを、この超高屈折率レンズで表
現すれば、そのザグ量S(x,y)は、図37に示すよ
うな空気(n=1)との境界面で、 S(x,y)・(n(λ)−1)=m(λ/λ0)Φ0 である。
ーカル曲率Cx(面法線とx軸を含む面で切った曲率)
は、一般に、 Cx=(∂2S/∂x2)/[{1+(∂S/∂x)2+
(∂S/∂y)2}1/2・{1+(∂S/∂x)2}] であり、一方、そのときのパワー(x成分の屈折力)
は、 1/fx=−(n(λ)−1)・Cx と書けるから、n→∞とすることによりHOEのx成分
のパワーとして、 φx=1/fx=−m(λ/λ0)(∂2Φ0/∂x2) を得る。同様に、HOEのy成分のパワーとして、 φy=1/fy=−m(λ/λ0)(∂2Φ0/∂y2) を得る。
る。光学系全体にX方向に高さ0.01mmの光軸に平
行な光線を物体側から入射させ、結像面側で、光学系を
射出する光線のX方向の軸上主光線とのなす角を開口数
NAixとし、0.01/NAixをX方向の焦点距離FX
=1/φxとし、光学系全体にY方向に高さ0.01m
mの光軸に平行な光線を物体側から入射させ、結像面側
で、光学系を射出する光線のY方向の軸上主光線とのな
す角を開口数NAiyとし、0.01/NAiyをY方向の
焦点距離FY=1/φyとする。
うことが望ましい。HOEを外気にさらしておくと、H
OEが吸湿して膨張し、回折効率のピーク波長が変化し
てしまい、回折力に悪影響を及ぼしやすいので、それを
防ぐためである。なお、画像観察光学系全体を防塵部材
で覆ってもよい。防塵部材は、外部を覆う箱体と、該箱
体に光が入射又は出射するための透明カバーを備えてい
るのが好ましい。また、その場合、透明カバーは、ガラ
ス又はプラスチックなどを材料として形成された透明部
材で構成し、防塵部材の内側において、透明カバーの面
を基板にしてHOEを設けてもよい。このように構成す
れば、ゴミ等が拡大観察されてしまうのを防ぐことがで
きることに加えて、外部からの回折素子への水分の侵入
により回折素子が膨張して回折のピーク波長が変化して
しまうのを防ぐことができる。
明カバーを兼ねていると好ましい。さらに、その場合、
HOEがクサビ状の光学部材に貼りつけられていると好
ましい。また、HOEが2枚のクサビ状の光学部材の間
に挟まれていてもよい。なお、その場合には、HOEの
クサビ状の光学部材に挟まれていない面を接着剤等で封
止するとよい。
明の何れかの観察光学系を接眼光学系として配置した本
体部と、本体部を観察者の顔面に保持するために観察者
の側頭部に装着されるように構成された支持部材とを備
えて頭部装着型画像表示装置を構成することができる。
のレンズとを一体的に備えて頭部装着型画像表示装置を
構成してもよい。
ムに着脱可能となるように構成して頭部装着型画像表示
装置を構成してもよい。
並設して両眼視用の頭部装着型画像表示装置を構成する
ことができる。
例について説明する。各実施例においては、例えば図1
に示すように、軸上主光線2を、射出瞳1の中心(観察
者眼球の旋回中心位置)からプリズム3などの光学部
材、画像表示素子として設けられたLCD5の中心に至
る光線で定義する。そして、軸上主光線2が射出瞳1か
ら最初の光学部材であるプリズム3の入射面と交差する
までの直線によって定義される光軸をZ軸とし、このZ
軸と直交し、かつ、プリズム3を構成する各面の偏心面
内の軸をY軸と定義し、前記光軸と直交し、かつ、前記
Y軸と直交する軸をX軸と定義する。また、射出瞳1の
中心をこの座標系の原点とする。そして、軸上主光線2
が射出瞳1からLCD5に至る方向をZ軸の正方向、L
CD5に向かうY軸の方向をY軸の正方向、Y軸とZ軸
と右手系を構成するX軸の方向をX軸の正方向とそれぞ
れ定義する。
Y−Z平面内で偏心を行なっており、また、プリズム3
に設けられる各回転非対称な面の唯一の対称面をY−Z
面としている。
から、その面の面頂位置の偏心量(X軸方向、Y軸方
向、Z軸方向をそれぞれ、X,Y,Z)と、その面の中
心軸(自由曲面については、上記式(10)のZ軸)のX
軸,Y軸,Z軸のそれぞれを中心とする傾き角(それぞ
れα,β,γ(°))とが与えられている。なお、その
場合、αとβの正はそれぞれの軸の正方向に対して半時
計回りを、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意
味する。その他、球面の曲率半径、面間隔、媒質の屈折
率、アッベ数は慣用法によって与えるものとする。
形状は上記(10)式により定義し、その定義式のZ軸が自
由曲面の軸となる。
rnike多項式がある。この面の形状は次式(18)によ
り定義する。その定義式(18)のZ軸がZernike多
項式の軸となる。回転非対称面の定義は、X−Y面に対
するZ軸の高さの極座標で定義され、RはX−Y面内の
Z軸からの距離、AはZ軸周りの方位角でY軸から測っ
た回転角で表わされる。
だし、Dm(mは2以上の整数)は係数である。
式(19)により定義することもできる。その定義式(19)の
Z軸が回転非対称面の軸となる。 Z=ΣnΣmCnmXnYn-m ……(19) ただし、ΣnはΣのnが0〜k、ΣmはΣのmが0〜nを
表わす。
有する回転非対称面)を、この回転非対称面を表わす式
(19)により定義する場合は、その対称面により生ずる対
称性をX方向に求める場合は、Xの奇数次項を0に(例
えばX奇数次項の係数を0にする)、その対称面により
生ずる対称性をY方向に求める場合は、Yの奇数次項を
0に(例えば、Y奇数次項の係数を0にする)すればよ
い。
より定義する。その定義式(20)のZ軸が回転対称非球面
の軸となる。 Z=(Y2/R)/[1+{1−P(Y2/R2)}1/2] +A4Y4+A6Y6+A8Y8+A10Y10・・・ ……(20) ただし、YはZに垂直な方向であり、Rは近軸曲率半
径、Pは円錐係数、A4、A6、A8、A10は非球面係数
である。
面形状を上記(10)式を用いて表現しているが、上記(18)
式、(19)式を用いても同様の作用効果が得られるのは言
うまでもない。
軸を含むY−Z断面図、及び横収差図を図1〜図8に夫
々示す。各実施例の画像観察光学系は、画像表示素子と
してLCD5と、LCD5により形成された画像を虚像
として観察できるように観察者の眼球中心位置に中間像
を形成することなく導いて射出瞳1を形成する接眼光学
系とを有している。接眼光学系は、正の屈折力を有する
プリズム3を有している。なお、各実施例の説明におい
て、光学系の面番号は原則として射出瞳1からLCD5
に至る順番で追跡(逆光線追跡)し、プリズム3におけ
る各面の順番も逆光線追跡に合わせて表すこととする。
また、各実施例の画像観察光学系の横収差を示す図にお
いて、夫々(a)はX方向画角がゼロ、Y方向画角がゼロ
を通る主光線のY方向の横収差、(b)はX方向画角がゼ
ロ、Y方向画角がゼロを通る主光線のX方向の横収差、
(c)はX方向画角がゼロ、Y負方向最大画角を通る主光
線のY方向の横収差、(d)はX方向画角がゼロ、Y負方
向最大画角を通る主光線のX方向の横収差、(e)はX正
方向最大画角、Y負方向最大画角を通る主光線のY方向
の横収差、(f)はX正方向最大画角、Y負方向最大画角
を通る主光線のX方向の横収差、(g)はX正方向最大画
角、Y方向画角がゼロを通る主光線のY方向の横収差、
(h)はX正方向最大画角、Y方向画角がゼロを通る主光
線のX方向の横収差、(i)はX正方向最大画角、Y正方
向最大画角を通る主光線のY方向の横収差、(j)はX正
方向最大画角、Y正方向最大画角を通る主光線のX方向
の横収差、(k)はX方向画角がゼロ、Y正方向最大画角
を通る主光線のY方向の横収差、(l)はX方向画角がゼ
ロ、Y正方向最大画角を通る主光線のX方向の横収差を
示している。その他、各実施例の画像観察光学系におい
ては、HOEが、R,G,Bの3層を貼り合わせて構成
されており、カラー像を観察することができるようにな
っている。
むY−Z断面図、図4は本実施例の画像観察光学系の横
収差図である。第1実施例の画像観察光学系は、接眼光
学系が、正の屈折力を有するプリズム3と、反射型のH
OE4とで構成されている。プリズム3は、第1面31
〜第3面33を備え、第1面31及び第3面33がそれぞ
れ回転非対称な自由曲面に、第2面32が球面に形成さ
れている。そして、第1面31が同一面上の異なる位置
に第1の反射面と射出面とを備えた面として、第2面3
2が第2の反射面として、第3面33が入射面としてそれ
ぞれ構成されている。HOE4は、プリズム3の第2面
32に貼り付けられている。
した光がプリズム3の第3面33よりプリズム内に入射
し、第1面31で反射した後、第2面32に貼られたHO
E4で回折されて反射し、第1面31よりプリズム外に
射出し、プリズム外に射出した後に途中で結像すること
なく射出瞳1の位置においた図示しない観察者の眼球の
網膜上に結像するように構成されている。なお、本実施
例では、LCDは、大きさが0.55インチタイプのも
のを使用している。また、観察画角は、水平画角30
°、垂直画角22.8°、瞳径4.0mmである。ま
た、観察波長範囲は、B:470nm、G:520n
m、R:630nmに対してそれぞれ±20nmであ
る。
値データ中、“FFS”は自由曲面を示している。な
お、FFSは以下の各実施例においても同じく自由曲面
を示している。
むY−Z断面図、図2は本実施例の画像観察光学系の横
収差図である。第2実施例の画像観察光学系では、接眼
光学系は、正の屈折力を有するプリズム3と、反射型の
HOE4と、クサビ型プリズム(ウェッジプリズム)6
とで構成されている。プリズム3は、第1面31〜第3
面33を備え、第1面31及び第3面33がそれぞれ回転
非対称な自由曲面に、第2面32が球面に形成されてい
る。そして、第1面31が同一面上の異なる位置に第1
の反射面と射出面とを備えた面として、第2面32が第
2の反射面として、第3面33が入射面としてそれぞれ
構成されている。HOE4は、プリズム3の第2面32
に貼り付けられている。クサビ型プリズム6は、両面が
平面で、かつ平行でない面に形成されており、LCD5
とプリズム3の第3面33との間に設けられている。
した光が、クサビ型プリズム6を経て屈折して、第3面
33よりプリズム内に入射し、第1面31で反射した後、
第2面32に貼られたHOE4で回折されて反射し、第
1面31よりプリズム外に射出し、プリズム外に射出し
た後に途中で結像することなく射出瞳1の位置においた
図示しない観察者の眼球の網膜上に結像するように構成
されている。なお、本実施例では、LCDは、大きさが
0.7インチタイプのものを使用している。また、観察
画角は、水平画角28°、垂直画角21.2°、瞳径
4.0mmである。また、観察波長範囲は、B:470
nm、G:520nm、R:630nmに対してそれぞ
れ±20nmである。
むY−Z断面図、図6は本実施例の画像観察光学系の横
収差図である。第3実施例の画像観察光学系では、接眼
光学系は、正の屈折力を有するプリズム3と反射型のH
OE4と、透過型のHOE7とで構成されている。プリ
ズム3は、第1面31〜第3面33を備え、第1面31及
び第3面33がそれぞれ回転非対称な自由曲面に、第2
面32が球面に形成されている。そして、第1面31が同
一面上の異なる位置に第1の反射面と射出面とを備えた
面として、第2面32が第2の反射面として、第3面33
が入射面としてそれぞれ構成されている。HOE4は、
プリズム3の第2面32に貼り付けられている。HOE
7は、射出瞳1とプリズム3の第1面31との間に設け
られている。
した光が、第3面33よりプリズム内に入射し、第1面
31で反射した後、第2面32に貼られたHOE4で回折
されて反射し、第1面31よりプリズム外に射出し、H
OE7で回折されて透過した後、途中で結像することな
く射出瞳1の位置においた図示しない観察者の眼球の網
膜上に結像するように構成されている。なお、本実施例
では、LCDは、大きさが0.55インチタイプのもの
を使用している。また、観察画角は、水平画角30°、
垂直画角22.8°、瞳径4.0mmである。また、観
察波長範囲は、B:470nm、G:520nm、R:
630nmに対してそれぞれ±20nmである。
むY−Z断面図、図8は本実施例の画像観察光学系の横
収差図である。第4実施例の画像観察光学系では、接眼
光学系は、正の屈折力を有するプリズム3と反射型のH
OE4と、透過型のHOE8とで構成されている。プリ
ズム3は、第1面31〜第3面33を備え、第1面31及
び第3面33がそれぞれ回転非対称な自由曲面に、第2
面32が球面に形成されている。そして、第1面31が同
一面上の異なる位置に第1の反射面と射出面とを備えた
面として、第2面32が第2の反射面として、第3面33
が入射面としてそれぞれ構成されている。HOE4は、
プリズム3の第2面32に貼り付けられている。HOE
8は、LCD5とプリズム3の第3面33との間に設け
られている。
E8で回折されて透過した後、第3面33よりプリズム
内に入射し、第1面31で反射し、第2面32に貼られた
HOE4で回折されて反射し、第1面31よりプリズム
外に射出した後、途中で結像することなく射出瞳31の
位置においた図示しない観察者の眼球の網膜上に結像す
るように構成されている。なお、本実施例では、LCD
は、大きさが0.55インチタイプのものを使用してい
る。また、観察画角は、水平画角30°、水平画角2
2.8°、瞳径4.0mmである。また、観察波長範囲
は、B:470nm、G:520nm、R:630nm
に対してそれぞれ±20nmである。
における断面図及び横収差図は、上記各実施例に準じて
いる。第1比較例 図9は本発明の第1比較例の画像観察光学系の光軸を含
むY−Z断面図、図10は本比較例の画像観察光学系の
横収差図である。第1比較例の画像観察光学系では、接
眼光学系は、正の屈折力を有するプリズム3だけで構成
されている。プリズム3は、第1面31〜第3面33を備
え、いずれの面もそれぞれ回転非対称な自由曲面に形成
されている。そして、第1面31が同一面上の異なる位
置に第1の反射面と射出面とを備えた面として、第2面
32が第2の反射面として、第3面33が入射面としてそ
れぞれ構成されている。
した光が、第3面33よりプリズム内に入射し、第1面
31、第2面32で反射した後、途中で結像することなく
射出瞳1の位置においた図示しない観察者の眼球の網膜
上に結像するように構成されている。なお、本比較例で
は、LCDは、大きさが0.7インチタイプのものを使
用している。また、観察画角は、水平画角28°、垂直
画角21.2°、瞳径4.0mmである。また、観察波
長範囲は435nm〜656nmである。
含むY−Z断面図、図12は本比較例の画像観察光学系
の横収差図である。第2比較例の画像観察光学系では、
接眼光学系は、正の屈折力を有するプリズム3とDOE
9とで構成されている。プリズム3は、第1面31〜第
3面33を備え、いずれの面もそれぞれ回転非対称な自
由曲面に形成されている。そして、第1面31が同一面
上の異なる位置に第1の反射面と射出面とを備えた面と
して、第2面32が第2の反射面として、第3面33が入
射面としてそれぞれ構成されている。DOE9は、LC
D5とプリズム3の第3面33との間に設けられてい
る。
した光が、DOE9で回折されて透過し、第3面33よ
りプリズム内に入射し、第1面31、第2面32で反射し
た後、途中で結像することなく射出瞳1の位置においた
図示しない観察者の眼球の網膜上に結像するように構成
されている。なお、本比較例では、LCDは、大きさが
0.7インチタイプのものを使用している。また、観察
画角は、水平画角28°、瞳径4.0mmである。ま
た、観察波長範囲は435nm〜656nmである。
リズムのみで接眼光学系を構成した場合は、図10に示
すように、大きな横収差が残存する。第2比較例のよう
に、DOEを付加した場合は、図12に示すように、横
収差量は第1実施例に比べて改善してはいるものの依然
として多く残存している。それに対し、本発明の第1〜
第4実施例の場合には、図2,4,6,8に示すよう
に、それぞれ各R(470±20nm)、G(520±
20nm)、B(470±20nm)の波長帯域内にお
いて良好に横収差が補正されており、しかも、各波長帯
域の主波長同士も良好に横収差が補正されていることが
わかる。
塵部材で覆われているとよい。また、図5の実施例のよ
うな構成の場合、図13に示すように、防塵部材10の
一部を構成するガラス、プラスチックなどの透明部材で
構成されたカバー部材11の内側にHOE7を貼りつけ
てもよい。また、図1の実施例のような構成に用いられ
るクサビ型プリズムは、射出瞳1とプリズム3との間に
配置してもよく、その場合は図14に示すように、クサ
ビ型プリズム6に防塵カバー11を兼用させてもよい。
さらに、本発明で用いるHOEは、プリズムに貼りつけ
る以外に、図15(a)に示すようにクサビ型プリズムの
面を平らに近づけて、そこに貼りつけてもよい。また、
図15(b)に示すように、HOEを2つのクサビ型プリ
ズムで挟んで上下を封止材で封着してもよい。
リズムは、上記実施例のタイプのものに限定されるもの
ではなく、図16〜図26に示すようなプリズムを用い
てもよい。
2と、第2面33と、第3面34とを備え、第1面32
が射出面として、第2面33が反射面として、第3面3
4が入射面としてそれぞれ構成されている。そして、プ
リズムPは、LCD36から射出した光が第3面34で
屈折してプリズム内に入射し、第2面33で反射し、第
1面32で屈折してプリズム外に射出し、射出瞳31の
位置においた図示しない観察者の眼球の網膜上に結像す
るように構成されている。
2と、第2面33と、第3面34とを備え、第1面32
が第1の反射面と射出面とを兼ね備えた面として、第2
面33が第3の反射面と入射面とを兼ね備えた面とし
て、第3面34が第2の反射面としてそれぞれ構成され
ている。そして、プリズムPは、LCD36から射出し
た光が第2面33で屈折してプリズム内に入射し、第1
面32で反射し、第3面34で反射した後、第2面33
で反射し、第1面32で屈折してプリズム外に射出し、
射出瞳31の位置においた図示しない観察者の眼球の網
膜上に結像するように構成されている。
2と、第2面33と、第3面34と、第4面35とを備
え、第1面32が射出面として、第2面33が第3の反
射面として、第3面34が入射面と第2の反射面とを兼
ね備えた面として、第4面35が第1の反射面としてそ
れぞれ構成されている。そして、プリズムPは、LCD
36から射出した光が第3面34で屈折してプリズム内
に入射し、第4面35で反射した後、第3面34で反射
し、第2面33で反射し、第1面32で屈折してプリズ
ム外に射出し、射出瞳31の位置においた図示しない観
察者の眼球の網膜上に結像するように構成されている。
2と、第2面33と、第3面34と、第4面35とを備
え、第1面32が射出面として、第2面33が同一面上
の異なる位置に第1の反射面と第3の反射面とを備えた
面として、第3面34が第2の反射面として、第4面3
5が入射面としてそれぞれ構成されている。そして、プ
リズムPは、LCD36から射出した光が第4面35で
屈折してプリズム内に入射し、第2面33に備わる第1
の反射面で反射し、第3面34で反射した後、第2面3
3に備わる第3の反射面で反射し、第1面32で屈折し
てプリズム外に射出し、射出瞳31の位置においた図示
しない観察者の眼球の網膜上に結像するように構成され
ている。
2と、第2面33と、第3面34と、第4面35とを備
え、第1面32が射出面として、第2面33が入射面と
第2の反射面とを兼ね備えた面と、第4の反射面とを同
一面上の異なる位置に備えた面として、第3面34が第
3の反射面として、第4面35が第1の反射面としてそ
れぞれ構成されている。そして、プリズムPは、LCD
36から射出した光が第2面33に備わる入射面で屈折
してプリズム内に入射し、第4面35で反射した後、第
2面33に備わる第2の反射面で反射し、第3面34で
反射した後、第2面33に備わる第4の反射面で反射
し、第1面32で屈折してプリズム外に射出し、射出瞳
31の位置においた図示しない観察者の眼球の網膜上に
結像するように構成されている。
2と、第2面33と、第3面34とを備え、第1面32
が第1の反射面と、第3の反射面と射出面とを兼ね備え
た面とを同一面上の異なる位置に備えた面として、第2
面33が第4の反射面として、第3面34が入射面と第
2の反射面とを兼ね備えた面としてそれぞれ構成されて
いる。そして、プリズムPは、LCD36から射出した
光が第3面34に備わる入射面で屈折してプリズム内に
入射し、第1面32に備わる第1の反射面で反射した
後、第3面34に備わる第2の反射面で反射し、第1面
32に備わる第3の反射面で反射し、第2面33で反射
した後、第1面32に備わる射出面で屈折してプリズム
外に射出し、射出瞳31の位置においた図示しない観察
者の眼球の網膜上に結像するように構成されている。
2と、第2面33と、第3面34とを備え、第1面32
が入射面と第2の反射面とを兼ね備えた面と、第4の反
射面と射出面とを兼ね備えた面とを同一面上の異なる位
置に備えた面として、第2面33が第5の反射面とし
て、第3面34が第1の反射面と第3の反射面とを兼ね
備えた面としてそれぞれ構成されている。そして、プリ
ズムPは、LCD36から射出した光が第1面32に備
わる入射面で屈折してプリズム内に入射し、第3面34
に備わる第1の反射面で反射した後、第1面32に備わ
る第2の反射面で反射し、第3面34に備わる第3の反
射面で反射した後、第1面32に備わる第4の反射面で
反射し、第2面33で反射した後、第1面32に備わる
射出面で屈折してプリズム外に射出し、射出瞳31の位
置においた図示しない観察者の眼球の網膜上に結像する
ように構成されている。
と、第2面33と、第3面34、第4面35とを備え、
第1面32が第2の反射面と射出面とを兼ね備えた面と
して、第2面33が第3の反射面として、第3面34が
第1の反射面として、第4面35が入射面としてそれぞ
れ構成されている。そして、プリズムPは、LCD36
から射出した光が第4面35で屈折してプリズム内に入
射し、第3面34で反射した後、第1面32に備わる第
2の反射面で反射し、第2面33で反射した後、第1面
に備わる射出面で屈折してプリズム外に射出し、射出瞳
31の位置においた図示しない観察者の眼球の網膜上に
結像するように構成されている。
ムP1と第2プリズムP2とで構成されている。第1プ
リズムP1は、第1面32と、第2面33と、第3面3
4と、第4面35とを備え、第1面32が第1プリズム
P1における第2の反射面と射出面とを兼ね備えた面と
して、第2面33が第1プリズムP1における第3の反
射面として、第3面34が第1プリズムP1における第
1の反射面として、第4面35が第1プリズムP1にお
ける入射面としてそれぞれ構成されている。また、第2
プリズムP2は、第1面41と、第2面42と、第3面
43とを備え、第1面41が第2プリズムP2における
第1の反射面と射出面を兼ね備えた面として、第2面4
2が第2プリズムP2における第2の反射面として、第
3面43が第2プリズムP2における入射面としてそれ
ぞれ構成されている。
出した光が第2プリズムP2の第3面43で屈折してプ
リズム内に入射し、第3面43に備わる第1の反射面で
反射し、第2面42で反射した後、第1面41で屈折し
てプリズム外に射出し、さらに、第1プリズムP1の第
4面35で屈折してプリズム内に入射し、第3面34で
反射した後、第1面32に備わる第2の反射面で反射
し、第2面33で反射した後、第1面32に備わる射出
面で屈折してプリズム外に射出し、射出瞳31の位置に
おいた図示しない観察者の眼球の網膜上に結像するよう
に構成されている。
ムP1と第2プリズムP2とで構成されている。第1プ
リズムP1は、第1面32と、第2面33と、第3面3
4と、第4面35とを備え、第1面32が第1プリズム
P1における第2の反射面と射出面とを兼ね備えた面と
して、第2面33が第1プリズムP1における第3の反
射面として、第3面34が第1プリズムP1における第
1の反射面として、第4面35が第1プリズムP1にお
ける入射面としてそれぞれ構成されている。また、第2
プリズムP2は、第1面41と、第2面42と、第3面
43と、第4面44とを備え、第1面41が第2プリズ
ムP2における射出面として、第2面42が第2プリズ
ムP2における第2の反射面として、第3面43が第2
プリズムP2における第1の反射面として、第4面44
が第2プリズムP2における入射面としてそれぞれ構成
されている。
出した光が第2プリズムP2の第4面44で屈折してプ
リズム内に入射し、第3面43で反射し、第2面42で
反射し、第1面41で屈折してプリズム外に射出し、さ
らに、第1プリズムP1の第4面35で屈折してプリズ
ム内に入射し、第3面34で反射した後、第1面32に
備わる第2の反射面で反射し、第2面33で反射した
後、第1面32に備わる射出面で屈折してプリズム外に
射出し、射出瞳31の位置においた図示しない観察者の
眼球の網膜上に結像するように構成されている。
ムP1と第2プリズムP2とで構成されている。第1プ
リズムP1は、第1面32と、第2面33と、第3面3
4と、第4面35とを備え、第1面32が第1プリズム
P1における第2の反射面と射出面とを兼ね備えた面と
して、第2面33が第1プリズムP1における第3の反
射面として、第3面34が第1プリズムP1における第
1の反射面として、第4面35が第1プリズムP1にお
ける入射面としてそれぞれ構成されている。また、第2
プリズムP2は、第1面41と、第2面42と、第3面
43と、第4面44とを備え、第1面41が第2プリズ
ムP2における射出面として、第2面42が第2プリズ
ムP2における第2の反射面として、第3面43が第2
プリズムP2における第1の反射面として、第4面44
が第2プリズムP2における入射面としてそれぞれ構成
されている。
出した光が第2プリズムP2の第4面44で屈折してプ
リズム内に入射し、第3面43で反射し、第2面42で
反射し、第1面41で屈折してプリズム外に射出し、さ
らに、第1プリズムP1の第4面35で屈折してプリズ
ム内に入射し、第3面34で反射した後、第1面32に
備わる第2の反射面で反射し、第2面33で反射した
後、第1面32に備わる射出面で屈折してプリズム外に
射出し、射出瞳31の位置においた図示しない観察者の
眼球の網膜上に結像するように構成されている。なお、
図25と図26のプリズムとは、第2プリズムP2の第
3面と第4面とを結ぶ光路と第1面と第2面とを結ぶ光
路とが図25では、交差しないのに対し、図26では交
差するようになっている点で構成が異なっている。
光学系を具体化した画像表示装置の実施形態を以下に例
示する。
眼装着用の画像表示装置を観察者の頭部に装着した状態
を、図28にその断面図を示す。この構成は、本発明に
よる観察光学系を図28に示すように接眼光学系として
用いており、この接眼光学系100と画像表示素子5か
らなる組を左右一対用意し、それらを眼幅距離だけ離し
て支持することにより、両眼で観察できる据え付け型又
は頭部装着型画像表示装置のようなポータブル型の画像
表示装置102として構成されている。
上記のような観察光学系が接眼光学系100として用い
られ、その接眼光学系100が左右一対備えられ、それ
らに対応して像面に液晶表示素子からなる画像表示素子
5が配置されている。そして、画像表示装置本体102
には、図27に示すように、左右に連続して図示のよう
な側頭フレーム103が設けられ、画像表示装置本体1
02を観察者の眼前に保持できるようになっている。な
お、図28では、眼鏡用レンズを画像表示装置102本
体の内部に一体的に組み込んで構成していないが、眼鏡
用のレンズを組み込んで画像表示装置102を構成して
もよい。
04が付設されており、画像観察と共に立体音響を聞く
ことができるようになっている。このようにスピーカ1
04を有する表示装置本体102には、映像音声伝達コ
ード105を介してポータブルビデオカセット等の再生
装置106が接続されており、観察者はこの再生装置1
06を図示のようにベルト箇所等の任意の位置に保持し
て、映像音響を楽しむことができるようになっている。
図27の符号107は再生装置106のスイッチ、ボリ
ューム等の調節部である。なお、画像表示装置本体10
2の内部には映像処理、音声処理回路等の電子部品を内
蔵させてある。
て、既存のビデオデッキ等に取り付け可能としてもよ
い。さらに、TV電波受信用チューナーに接続してTV
鑑賞用としてもよいし、コンピュータに接続してコンピ
ュータグラフィックスの映像や、コンピュータからのメ
ッセージ映像等を受信するようにしてもよい。また、邪
魔なコードを排斥するために、アンテナを接続して外部
からの信号を電波によって受信するようにしてもよい。
光学系を左右何れか一方の眼前に配置した片眼用の頭部
装着型画像表示装置に用いてもよい。図29にその片眼
装着用の画像表示装置を観察者の頭部に装着(この場合
は、左眼に装着)した状態を示す。この構成では、接眼
光学系100と画像表示素子5からなる組1つからなる
表示装置本体102が前フレーム108の対応する眼の
前方位置に取り付けられ、その前フレーム108には左
右に連続して図示のような側頭フレーム103が設けら
れており、表示装置本体102を観察者の片眼前に保持
できるようになっている。その他の構成は図27,28
の場合と同様であり、説明は省く。
電子カメラ40の接眼光学系59に組み込んだ構成の概
念図を示す。この例の場合は、撮影光路上に配置された
撮影用対物光学系48により形成された物体像がフィル
ター51を経てCCD49の撮像面50上に形成され
る。このCCD49で受光された物体像は、処理手段5
2を介し、液晶表示素子(LCD)5上に電子像として
表示される。また、この処理手段52は、CCD49で
撮影された物体像を電子情報として記録する記録手段6
1の制御も行なう。LCD5に表示された画像は、接眼
光学系59を介して観察者の眼球Eに導かれる。この接
眼光学系59は、本発明の上記各実施例と同様の構成
(ここでは図1と同様の構成)を持つ偏心プリズム光学
系とその射出瞳側に配置されたカバーレンズ91とから
なる。またLCDの背後にはそれを照明するバックライ
ト92が配置されている。
用対物光学系48、接眼光学系59を少ない光学部材で
構成でき、高性能・低コスト化が実現できると共に、光
学系全体を同一平面上に並べて配置できるため、この配
置平面と垂直方向の厚みの薄型化が実現できる。
系を電子内視鏡の観察系の接眼光学系87に組み込んだ
構成の概念図を示す。この例の場合、接眼光学系87
は、本発明の上記各実施例と同様の形態(ここでは図1
と同様の形態)の光学系を用いている。この電子内視鏡
は、図31(a)に示すように、電子内視鏡71と、照明
光を供給する光源装置72と、その電子内視鏡71に対
応する信号処理を行なうビデオプロセッサ73と、この
ビデオプロセッサ73から出力される映像信号を表示す
るモニター74と、このビデオプロセッサ73と接続さ
れ映像信号等に記録するVTRデッキ75、及び、ビデ
オディスク76と、映像信号を映像としてプリントアウ
トするビデオプリンタ77と、例えば、図27に示した
ような頭部装着型画像表示装置(HMD)78と共に構
成されており、電子内視鏡71の挿入部79の先端部8
0と、その接眼部81は、図31(b)に示すように構成
されている。
トガイドファイバー束88を通って照明用対物光学系8
9により、観察部位を照明する。そして、この観察部位
からの光が、カバー部材85を介して、観察用対物光学
系82によって物体像として形成される。この物体像
は、ローパスフィルター、赤外カットフィルター等のフ
ィルター83を介してCCD84の撮像面上に形成され
る。さらに、この物体像は、CCD84によって映像信
号に変換され、その映像信号は、図31(a)に示すビデ
オプロセッサ73により、モニター74上に直接表示さ
れると共に、VTRデッキ75、ビデオディスク76中
に記録され、また、ビデオプリンタ77から映像として
プリントアウトされる。また、HMD78の画像表示素
子101(図28)に表示されHMD78の装着者に表
示される。同時に、CCD84によって変換された映像
信号は画像信号導伝手段93を介して接眼部81の液晶
表示素子(LCD)5上に電子像として表示され、その
表示像は本発明の画像観察光学系を構成する接眼光学系
87を経て観察者の眼球Eに導かれる。
学部材で構成することができ、高性能・低コスト化が実
現できる。
Eとして用いる回折素子とプリズムを配置するときの望
ましい構成を図32に示す。図中、偏心プリズムPは、
本発明の画像観察光学系中に含まれるプリズムである。
いま、回折素子の面Cが、図のように四角形を形成する
とき、偏心プリズムPに配置された面対称自由曲面の対
称面Dが、この回折素子の面Cの四角形を形成する辺の
少なくとも1つと平行になるように配置することが、美
しい像形成の上で望ましい。
方形といった4つの内角がそれぞれ略90°にて形成さ
れている場合には、面対称自由曲面の対称面Dは、回折
素子の面Cの互いに平行関係にある2辺に対して平行に
配置され、この対称面Dが回折素子6の面Cを左右又は
上下対称にさせる位置に一致するように構成することが
好ましい。このように構成すれば、装置に組み込むとき
の組み込み精度が出しやすく、量産性に効果的である。
である第1面、第2面、第3面等の中、複数の面又は全
ての面が面対称自由曲面の場合には、複数の面又は全て
の面の対称面が同一面Dの上に配置されるように構成す
ることが、設計上も、収差性能上も望ましい。そして、
この対称面Dと回折素子のパワーの対称面との関係は、
上述と同様の関係にあることが望ましい。
学系は、特許請求の範囲に記載された特徴のほかに下記
に示すような特徴も備えている。
ることを特徴とする請求項2に記載の画像観察光学系。 0<φy(HOE、Fa)/φy(Total)<1 ……(3) −0.5<φy(HOE、Fb)/φy(Total)<0.5 ……(4) ただし、φy(HOE、Fa)はHOEの像位置Faに
おけるy方向のパワー、φy(HOE、Fb)はHOE
の像位置Fbにおけるy方向のパワー、φy(Tota
l)は全系のy方向のパワーである。
ることを特徴とする上記(1)に記載の画像観察光学
系。 0.005<φy(HOE、Fa)/φy(Total)<0.4……(5) −0.2<φy(HOE、Fb)/φy(Total)<0.2……(6) ただし、φy(HOE、Fa)はHOEの像位置Faに
おけるy方向のパワー、φy(HOE、Fb)はHOE
の像位置Fbにおけるy方向のパワー、φy(Tota
l)は全系のy方向のパワーである。
EのX方向のパワーがすべて正であることを特徴とする
請求項1〜3、上記(1),(2)のいずれかに記載の
画像観察光学系。
力を持つプリズムを有するとともに、前記HOEが該プ
リズムの面上に形成されていることを特徴とする請求項
1〜3、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像観
察光学系。
力を持つプリズムを有するとともに、前記HOEが前記
画像表示素子と観察者の瞳との間において回転非対称な
倍率の色収差を補正するように回転非対称なパワーで形
成されていることを特徴とする請求項1〜3、上記
(1)〜(4)のいずれかに記載の画像観察光学系。
とともに、前記画像表示素子と射出瞳位置との間に、少
なくとも2枚のHOEを有し、かつ、対称面と画像表示
面との交線における線分の中心の像位置をF0としたと
き、次の条件式(7)を満足することを特徴とする請求項
1〜3、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の画像観
察光学系。 |φy(HOE、F0)/φy(Total)|≦0.25 ……(7) ただし、φy(HOE、F0)はHOEの像位置F0に
おけるy方向のパワー、φy(Total)は全系のy
方向のパワーである。
徴とする上記(6)に記載の画像観察光学系。 |φy(HOE、F0)/φy(Total)|≦0.10 ……(8) ただし、φy(HOE、F0)はHOEの像位置F0に
おけるy方向のパワー、φy(Total)は全系のy
方向のパワーである。
徴とする上記(7)に記載の画像観察光学系。 |φy(HOE、F0)/φy(Total)|≦0.025 ……(9) ただし、φy(HOE、F0)はHOEの像位置F0に
おけるy方向のパワー、φy(Total)は全系のy
方向のパワーである。
つプリズムと、HOEと、両面がほぼ平面で、かつ平行
でない面からなる光学素子とを有することを特徴とする
請求項1〜3、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の
画像観察光学系。
でない面からなる光学素子が、前記画像表示素子と前記
正の屈折力を持つプリズムとの間に配置されていること
を特徴とする上記(9)に記載の画像観察光学系。
でない面からなる光学素子が、観察者の瞳と前記正の屈
折力を持つプリズムとの間に配置されていることを特徴
とする上記(9)に記載の画像観察光学系。
いることを特徴とする請求項1〜3、上記(1)〜(1
1)のいずれかに記載の画像観察光学系。
を収納する箱体と、画像観察光学系からの射出光を透過
させるカバーを備えていることを特徴とする上記(1
2)に記載の画像観察光学系。
に記載の前記両面がほぼ平面で、かつ平行でない面から
なる光学素子が上記(13)に記載のカバーを兼ねてい
ることを特徴とする画像観察光学系。
で、かつ平行でない面からなる光学素子に貼りつけられ
ていることを特徴とする上記(9)又は(14)に記載
の画像観察光学系。
ぼ平面で、かつ平行でない面からなる光学素子の間に挟
まれていることを特徴とする上記(9)又は(14)に
記載の画像観察光学系。
6)のいずれかに記載の前記画像観察光学系を備えた本
体部と、前記本体部を観察者の顔面に保持するために観
察者の側頭部に装着されるように構成された支持部材と
を備えたことを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
記(1)〜(17)のいずれかに記載の前記画像観察光
学系と、眼鏡用の光学系とを一体的に備えていることを
特徴とする頭部装着型画像表示装置。
ームに着脱可能に構成されていることを特徴とする上記
(17)に記載の頭部装着型画像表示装置。
1組ずつ並設され両眼視用に構成されていることを特徴
とする上記(17)〜(19)に記載の頭部装着型画像
表示装置。
して携帯電話や携帯情報端末に用いることができる程度
に小型化することができ、かつ、倍率色収差を抑えて高
精細化、広画角化することができる。
含むY−Z断面図である。
る。
含むY−Z断面図である。
る。
含むY−Z断面図である。
る。
含むY−Z断面図である。
る。
1比較例にかかる従来の画像観察光学系の光軸を含むY
−Z断面図である。
る。
第2比較例にかかる従来の画像観察光学系の光軸を含む
Y−Z断面図である。
である。
一例を示す断面図である。
一例を示す断面図である。
を用いる場合の変形例を示す要部説明図であり、(a)は
クサビ型プリズムの片面にHOEを貼りつけた形態、
(b)はHOEを2つのクサビ型プリズムで挟んだ形態を
示す。
用可能なプリズムの一例を示す図である。
能なプリズムの他の例を示す図である。
能なプリズムのさらに他の例を示す図である。
能なプリズムのさらに他の例を示す図である。
能なプリズムのさらに他の例を示す図である。
能なプリズムのさらに他の例を示す図である。
能なプリズムのさらに他の例を示す図である。
能なプリズムのさらに他の例を示す図である。
能なプリズムのさらに他の例を示す図である。
能なプリズムのさらに他の例を示す図である。
能なプリズムのさらに他の例を示す図である。
眼装着用の画像表示装置を観察者の頭部に装着した状態
を示す図である。
眼装着用の画像表示装置を観察者の頭部に装着した状態
を示す図である。
ラの概念図である。
鏡の概念図である。
きの望ましい構成を示す図である。
はプリズムに貼った状態、(b)は横方向からみたときの
パワー、(c)は上からみたときのパワーを示す。
図である。
明するための説明図である。
14)
を目的として、画像表示装置、特に、頭部や顔面に装着
するタイプの画像表示装置の開発が盛んになされてい
る。また、近年、携帯電話の普及や携帯情報端末の普及
に伴い、携帯電話や携帯情報端末の画像や文字データを
大画面で見たいというニーズが高まっている。画像表示
装置に用いる従来の画像観察光学系としては、特開平7
−333551号や特開平8−234137号に記載の
ものがある。これらのものは、反射作用を有する面に例
えば、アナモルフィック面やトーリック面、さらには自
由曲面などの回転非対称な面形状を持つプリズムを使用
して、像の歪み、像面彎曲、非点収差を補正している。
むY−Z断面図、図4は本実施例の画像観察光学系の横
収差図である。第1実施例の画像観察光学系は、接眼光
学系が、正の屈折力を有するプリズム3と、反射型のH
OE4とで構成されている。プリズム3は、第1面31
〜第3面33を備え、第1面31及び第3面33がそれぞ
れ回転非対称な自由曲面に、第2面32が球面に形成さ
れている。そして、第1面31が同一面上に第1の反射
面と射出面とを備えた面として、第2面32が第2の反
射面として、第3面33が入射面としてそれぞれ構成さ
れている。HOE4は、プリズム3の第2面32に貼り
付けられている。
むY−Z断面図、図2は本実施例の画像観察光学系の横
収差図である。第2実施例の画像観察光学系では、接眼
光学系は、正の屈折力を有するプリズム3と、反射型の
HOE4と、クサビ型プリズム(ウェッジプリズム)6
とで構成されている。プリズム3は、第1面31〜第3
面33を備え、第1面31及び第3面33がそれぞれ回転
非対称な自由曲面に、第2面32が球面に形成されてい
る。そして、第1面31が同一面上に第1の反射面と射
出面とを備えた面として、第2面32が第2の反射面と
して、第3面33が入射面としてそれぞれ構成されてい
る。HOE4は、プリズム3の第2面32に貼り付けら
れている。クサビ型プリズム6は、両面が平面で、かつ
平行でない面に形成されており、LCD5とプリズム3
の第3面33との間に設けられている。
むY−Z断面図、図6は本実施例の画像観察光学系の横
収差図である。第3実施例の画像観察光学系では、接眼
光学系は、正の屈折力を有するプリズム3と反射型のH
OE4と、透過型のHOE7とで構成されている。プリ
ズム3は、第1面31〜第3面33を備え、第1面31及
び第3面33がそれぞれ回転非対称な自由曲面に、第2
面32が球面に形成されている。そして、第1面31が同
一面上に第1の反射面と射出面とを備えた面として、第
2面32が第2の反射面として、第3面33が入射面とし
てそれぞれ構成されている。HOE4は、プリズム3の
第2面32に貼り付けられている。HOE7は、射出瞳
1とプリズム3の第1面31との間に設けられている。
むY−Z断面図、図8は本実施例の画像観察光学系の横
収差図である。第4実施例の画像観察光学系では、接眼
光学系は、正の屈折力を有するプリズム3と反射型のH
OE4と、透過型のHOE8とで構成されている。プリ
ズム3は、第1面31〜第3面33を備え、第1面31及
び第3面33がそれぞれ回転非対称な自由曲面に、第2
面32が球面に形成されている。そして、第1面31が同
一面上に第1の反射面と射出面とを備えた面として、第
2面32が第2の反射面として、第3面33が入射面とし
てそれぞれ構成されている。HOE4は、プリズム3の
第2面32に貼り付けられている。HOE8は、LCD
5とプリズム3の第3面33との間に設けられている。
E8で回折されて透過した後、第3面33よりプリズム
内に入射し、第1面31で反射し、第2面32に貼られた
HOE4で回折されて反射し、第1面31よりプリズム
外に射出した後、途中で結像することなく射出瞳1の位
置においた図示しない観察者の眼球の網膜上に結像する
ように構成されている。なお、本実施例では、LCD
は、大きさが0.55インチタイプのものを使用してい
る。また、観察画角は、水平画角30°、水平画角2
2.8°、瞳径4.0mmである。また、観察波長範囲
は、B:470nm、G:520nm、R:630nm
に対してそれぞれ±20nmである。
における断面図及び横収差図は、上記各実施例に準じて
いる。第1比較例 図9は本発明の第1比較例の画像観察光学系の光軸を含
むY−Z断面図、図10は本比較例の画像観察光学系の
横収差図である。第1比較例の画像観察光学系では、接
眼光学系は、正の屈折力を有するプリズム3だけで構成
されている。プリズム3は、第1面31〜第3面33を備
え、いずれの面もそれぞれ回転非対称な自由曲面に形成
されている。そして、第1面31が同一面上に第1の反
射面と射出面とを備えた面として、第2面32が第2の
反射面として、第3面33が入射面としてそれぞれ構成
されている。
含むY−Z断面図、図12は本比較例の画像観察光学系
の横収差図である。第2比較例の画像観察光学系では、
接眼光学系は、正の屈折力を有するプリズム3とDOE
9とで構成されている。プリズム3は、第1面31〜第
3面33を備え、いずれの面もそれぞれ回転非対称な自
由曲面に形成されている。そして、第1面31が同一面
上に第1の反射面と射出面とを備えた面として、第2面
32が第2の反射面として、第3面33が入射面としてそ
れぞれ構成されている。DOE9は、LCD5とプリズ
ム3の第3面33との間に設けられている。
塵部材で覆われているとよい。また、図5の実施例のよ
うな構成の場合、図13に示すように、防塵部材10の
一部を構成するガラス、プラスチックなどの透明部材で
構成されたカバー部材11の内側にHOE7を貼りつけ
てもよい。また、図1の実施例のような構成に用いられ
るクサビ型プリズムは、射出瞳1とプリズム3との間に
配置してもよく、その場合は図14に示すように、クサ
ビ型プリズム6に防塵カバー11を兼用させてもよい。
さらに、本発明で用いるHOEは、プリズムに貼りつけ
る以外に、図15(a)に示すようにクサビ型プリズムの
平らな面に貼りつけてもよい。また、図15(b)に示す
ように、HOEを2つのクサビ型プリズムで挟んで上下
を封止材で封着してもよい。
2と、第2面33と、第3面34とを備え、第1面32
が、第1の反射面と第3の反射面と射出面とを兼ね備え
た面として、第2面33が第4の反射面として、第3面
34が入射面と第2の反射面とを兼ね備えた面としてそ
れぞれ構成されている。そして、プリズムPは、LCD
36から射出した光が第3面34に備わる入射面で屈折
してプリズム内に入射し、第1面32に備わる第1の反
射面で反射した後、第3面34に備わる第2の反射面で
反射し、第1面32に備わる第3の反射面で反射し、第
2面33で反射した後、第1面32に備わる射出面で屈
折してプリズム外に射出し、射出瞳31の位置においた
図示しない観察者の眼球の網膜上に結像するように構成
されている。
2と、第2面33と、第3面34とを備え、第1面32
が入射面と第2の反射面と、第4の反射面と射出面とを
兼ね備えた面として、第2面33が第5の反射面とし
て、第3面34が第1の反射面と第3の反射面とを兼ね
備えた面としてそれぞれ構成されている。そして、プリ
ズムPは、LCD36から射出した光が第1面32に備
わる入射面で屈折してプリズム内に入射し、第3面34
に備わる第1の反射面で反射した後、第1面32に備わ
る第2の反射面で反射し、第3面34に備わる第3の反
射面で反射した後、第1面32に備わる第4の反射面で
反射し、第2面33で反射した後、第1面32に備わる
射出面で屈折してプリズム外に射出し、射出瞳31の位
置においた図示しない観察者の眼球の網膜上に結像する
ように構成されている。
電子カメラ40の接眼光学系59に組み込んだ構成の概
念図を示す。この例の場合は、撮影光路上に配置された
撮影用対物光学系48により形成された物体像がフィル
ター51を経てCCD49の撮像面50上に形成され
る。このCCD49で受光された物体像は、処理手段5
2を介し、液晶表示素子(LCD)5上に電子像として
表示される。また、この処理手段52は、CCD49で
撮影された物体像を電子情報として記録する記録手段6
1の制御も行なう。LCD5に表示された画像は、接眼
光学系59を介して観察者の眼球Eに導かれる。この接
眼光学系59は、本発明の上記各実施例と同様の構成
(ここでは図1と同様の構成)を持つ偏心プリズム光学
系とその射出瞳側に配置されたカバーレンズ11とから
なる。またLCDの背後にはそれを照明するバックライ
ト92が配置されている。
トガイドファイバー束88を通って照明用対物光学系8
9により、観察部位を照明する。そして、この観察部位
からの光が、カバー部材を介して、観察用対物光学系8
2によって物体像として形成される。この物体像は、ロ
ーパスフィルター、赤外カットフィルター等のフィルタ
ー83を介してCCD84の撮像面上に形成される。さ
らに、この物体像は、CCD84によって映像信号に変
換され、その映像信号は、図31(a)に示すビデオプロ
セッサ73により、モニター74上に直接表示されると
共に、VTRデッキ75、ビデオディスク76中に記録
され、また、ビデオプリンタ77から映像としてプリン
トアウトされる。また、HMD78の画像表示素子10
1(図28)に表示されHMD78の装着者に表示され
る。同時に、CCD84によって変換された映像信号は
画像信号導伝手段93を介して接眼部81の液晶表示素
子(LCD)5上に電子像として表示され、その表示像
は本発明の画像観察光学系を構成する接眼光学系87を
経て観察者の眼球Eに導かれる。
Claims (3)
- 【請求項1】 画像表示素子と、前記画像表示素子によ
り形成された画像を虚像として観察できるように観察者
の眼球中心位置に中間像を形成することなく導く接眼光
学系とを有し、 前記接眼光学系が、該光学系をコンパクト化するために
反射面を用いて光軸を折り曲げて構成されていて、光軸
が一つの平面内にあり、光学系が該平面に対称に形成さ
れ、入射面と複数の曲面反射面と射出面とを持つ光学素
子を有し、少なくとも1つの反射面に体積型ホログラム
(HOE)を備えたことを特徴とする画像観察光学系。 - 【請求項2】 正の屈折力を持つプリズムとHOEを有
し、かつ、対称面と画像表示面との交線における線分の
中心の像位置をF0、線分の両端の像位置のうち倍率色
収差の大きい方の像位置をFb、小さい方の像位置をF
aとしたとき、次の条件式(1),(2)を同時に満足するこ
とを特徴とする請求項1に記載の画像観察光学系。 −1<φy(HOE、Fa)/φy(Total)<2 ……(1) −1<φy(HOE、Fb)/φy(Total)<1 ……(2) ただし、φy(HOE、Fa)はHOEの像位置Faに
おけるy方向のパワー、φy(HOE、Fb)はHOE
の像位置Fbにおけるy方向のパワー、φy(Tota
l)は全系のy方向のパワーである。 - 【請求項3】 2面以上の反射面を持つプリズム光学系
において、前記HOEがパワーの対称面を1面又は2面
有し、該パワーの対称面が前記HOEを備えている基板
形状の対称面と一致することを特徴とする請求項1又は
2に記載の画像観察光系。
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