JP2002103304A - クロムの酸化物または酸窒化物の皮膜および該皮膜を形成した切削工具 - Google Patents

クロムの酸化物または酸窒化物の皮膜および該皮膜を形成した切削工具

Info

Publication number
JP2002103304A
JP2002103304A JP2000300946A JP2000300946A JP2002103304A JP 2002103304 A JP2002103304 A JP 2002103304A JP 2000300946 A JP2000300946 A JP 2000300946A JP 2000300946 A JP2000300946 A JP 2000300946A JP 2002103304 A JP2002103304 A JP 2002103304A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chromium
film
color
cutting tool
oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000300946A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4884583B2 (ja
Inventor
Toyotada Hirano
豊忠 平野
Katsuaki Soga
勝明 曽我
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanefusa Corp
Original Assignee
Kanefusa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanefusa Corp filed Critical Kanefusa Corp
Priority to JP2000300946A priority Critical patent/JP4884583B2/ja
Publication of JP2002103304A publication Critical patent/JP2002103304A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4884583B2 publication Critical patent/JP4884583B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 PVD処理により硬質皮膜を施した切削工具
に、干渉色を呈するクロムの酸化物または酸窒化物の皮
膜を形成することで、硬質被覆処理が施されている旨を
ユーザーに覚知させる。 【解決手段】 刃部の母材が工具鋼、超硬合金その他サ
ーメットの何れかよりなる切削工具であって、刃部にP
VD処理することで刃部表面に層状に形成され、クロム
またはクロムの窒化物、炭化物、炭窒化物の何れか1つ
若しくは2つ以上からなる硬質皮膜層と、PVD処理に
際して窒素および酸素の流量比が0:10〜4:1の範
囲になるよう制御することで切削工具に形成され、自然
光における分光色の一部または全部が縞状に分布する干
渉色を呈するクロムの酸化物または酸窒化物の皮膜とか
らなり、クロムの酸化物または酸窒化物の皮膜が呈する
干渉色をもって、硬質被覆処理が施されている旨をユー
ザーに覚知させ得るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、PVD処理によ
り形成されるクロムの酸化物または酸窒化物の皮膜と、
PVD処理により硬質皮膜を施した切削工具において、
干渉色を呈するクロムの酸化物または酸窒化物の皮膜を
該工具に形成することで、硬質被覆処理が施されている
旨をユーザーに覚知させ得るようにした切削工具とに関
するものである。
【0002】
【従来技術】木材や木質材料系の複合材料を切削加工す
るのに使用される丸鋸等の回転切削用工具その他プレー
ナ用平刃等の平削り用工具は、その刃部の母材として、
例えば高速度工具鋼や高クロム合金工具鋼等の工具鋼、
超硬合金その他サーメットを材料として選択的に採用し
ている。そしてこれらの切削工具では、切れ味の更なる
改善や切削寿命の持続と向上を目的として、その刃部に
各種の硬質皮膜を施す処理が広く実施されている。
【0003】例えば、刃部に硬質皮膜を施す手段とし
て、特願平1−75889号(特公平6−69681号)
や、特願平2−257864号(特許第2665565
号)に開示される技術が知られている。これらの発明で
は、高速度工具鋼や高クロム合金工具鋼その他超硬合金
等を母材とする木材切削用の切削工具において、その刃
部の逃げ面またはすくい面の何れか一方の面にクロム窒
化物からなる硬質被覆層を形成することで刃先の経時的
な摩耗を抑制するものであって、従来の被覆層を施して
ない切削工具に比較して、切れ味の持続性や耐久性の点
で優れた効果が発揮される。
【0004】また特願平4−187077号(特許第2
816511号)には、前記と同じく高速度工具鋼や高
クロム合金工具鋼その他超硬合金等を母材とする木材切
削用刃物において、該刃物の逃げ面またはすくい面の何
れか一方または両方にクロム窒化物の中間層を設け、こ
の中間層の上にクロム(Cr)の表面層を設けることで、
切れ味が持続して寿命が向上することが開示されてい
る。更に特願平5−259323号(特許第26736
55号)には、逃げ面の粗さをRmax1〜10μmに
仕上げた側面刃における回転方向の逃げ角が10゜以下
である回転切削工具に関して、その逃げ面にクロムまた
はクロムの窒化物、炭化物、炭窒化物のうち何れかを被
覆することで、従来の切削工具に比べて10倍以上の長
寿命化が達成される旨が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように切削工具の
刃部にクロムまたはクロムの窒化物、炭化物、炭窒化物
の如きクロム系硬質皮膜(以下「クロム系皮膜」という)
を形成することで、該刃部における切れ味の持続性およ
び刃先の長寿命化を図ることが従来より行なわれてい
る。勿論、この硬質皮膜処理が施された切削工具であっ
ても、使用に伴ない経時的に切れ味は低下するので刃先
を再研磨する必要があるが、その場合は硬質皮膜を施し
た個所を外して再研磨しなければならない。しかし前記
刃部に施されたクロム系皮膜が呈する色(色合い、色調)
は、一般に白色、灰白色、灰色或いはその中間色の単一
色であって、切削工具における母材の金属光沢色と簡単
に区別することが困難であり、従って硬質皮膜の処理が
なされているか否かを識別し難いのが現状である。
【0006】一例として、木材の長さ方向の端面にフィ
ンガ状の継ぎ手部を加工するフィンガカッタで前述の硬
質皮膜処理を施したものでは、その加工形状の精度を維
持するためにすくい面だけを再研磨する必要がある。し
かるに硬質皮膜は先に述べたクロム系皮膜であるため
に、該被覆が施されているか否かを視覚で識別すること
は難く、誤って外周刃逃げ面を再研磨してしまう畏れが
あった。このときは、フィンガカッタに要求される加工
形状の精度は維持し得なくなってしまう。
【0007】また製材から木質系ボードの加工まで種々
の切断加工を行なうチップソーの切れ味が低下したとき
は、刃部のすくい面と外周刃逃げ面の両方を再研磨する
のが一般的である。しかし前記硬質皮膜処理の施された
チップソーに関しては、すくい面および外周刃逃げ面の
両方を再研磨すると皮膜全体が除去されてしまい、切れ
味の持続性および刃先の長寿命化が図られなくなってし
まう。従って硬質皮膜の施されたチップソーでは、すく
い面または外周刃逃げ面の何れか一面だけを再研磨する
ことになっている。しかるに前記硬質皮膜はクロム系皮
膜であるため、被覆処理の有無をユーザーが視覚により
識別することが同じく困難で、再研磨してはならない部
位(すくい面または外周刃逃げ面)を誤って研磨してしま
い、刃部の耐久性を低下させる畏れがあった。
【0008】このように硬質皮膜が施された切削工具の
再研磨に際して、該硬質皮膜が形成されている部位の有
無を視覚で識別することが困難な事実に鑑み、刃部にク
ロム系皮膜を処理した後に、更なる別工程でクロム(C
r)以外の蒸発金属を用いて別の色調、例えば金色を呈
する窒化チタン(TiN)や黄緑色を呈する窒化バナジウ
ム(VN)等の上層を被覆形成する技術が特開平2−25
2501号公報に記載されている。この技術によれば、
硬質皮膜の上に金色や黄緑色を呈する窒化膜等が被覆さ
れるために、該硬質皮膜の形成部位を視覚により容易に
判別し得る利点がある。しかしPVD処理により前記硬
質皮膜を形成する場合は、チャンバ中に存在させるべき
蒸発金属を、クロムから例えば窒化チタンや窒化バナジ
ウム等の他の金属物質に交換しなければならない。すな
わちクロム系硬質皮膜を形成するためのPVD処理バッ
チとは別工程として、該硬質皮膜の上に色調判別用の窒
化膜等を形成するPVD処理バッチが必要となり、製造
コストおよび手間が大幅に嵩んでしまう難点がある。
【0009】
【発明の目的】本発明は、前述した課題を好適に解決す
るために提案されたものであって、PVD処理により形
成されるクロムの酸化物または酸窒化物の皮膜を提供す
ることを目的とする。また本発明の別の目的は、PVD
処理により硬質皮膜を施した切削工具に関して、干渉色
を呈するクロムの酸化物または酸窒化物の皮膜を該工具
に形成することで、硬質被覆処理が施されている旨をユ
ーザーに覚知させ得るようにした切削工具を提供するこ
とにある。本発明の更に別の目的は、従来は別バッチの
PVD処理によらざるを得なかったためにコスト高とな
っていたところを改善して、チャンバー中の蒸発金属を
交換する必要をなくし、コストおよび手間が嵩む難点を
解消させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を達成するため本発明に係るクロムの酸化物また
は酸窒化物の皮膜は、PVD処理に際し窒素および酸素
の流量比が0:10〜4:1の範囲になるよう制御する
ことで、クロムの酸化物または酸窒化物の皮膜が呈する
色調を、自然光における分光色の一部または全部が縞状
に分布する干渉色となるようにしたことを特徴とする。
【0011】同じく前記課題を克服し、所期の目的を達
成するために本願の別の発明は、刃部の母材が工具鋼、
超硬合金その他サーメットの何れかよりなる切削工具で
あって、前記刃部にPVD処理することで刃部表面に層
状に形成され、クロムまたはクロムの窒化物、炭化物、
炭窒化物の何れか1つ若しくは2つ以上からなる硬質皮
膜層と、前記PVD処理に際して窒素および酸素の流量
比が0:10〜4:1の範囲になるよう制御することで
前記切削工具に形成され、自然光における分光色の一部
または全部が縞状に分布する干渉色を呈するクロムの酸
化物または酸窒化物の皮膜とからなり、前記クロムの酸
化物または酸窒化物の皮膜が呈する干渉色をもって、前
記硬質被覆処理が施されている旨をユーザーに覚知させ
得るようにしたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】次に本発明について、好適な実施
例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。本
願の発明者は、PVD処理により切削工具の刃部にクロ
ム系硬質皮膜を施した後に、クロム以外の蒸発金属から
なる呈色皮膜を更に施すことで該硬質皮膜の有無を判別
させようとする場合に、従来は別バッチのPVD処理に
よらざるを得なかったためにコスト高となっている現状
に鑑み、この難点を解消すべく様々な試験を行なった。
【0013】そして発明者は、PVD処理による切削工
具への硬質皮膜の形成に際し、蒸発金属をクロムに固定
すると共に、チャンバー中に供給される反応ガスの組成
を変化させる実験を繰り返した結果、クロム系硬質皮
膜の上層としてクロムの酸化物または酸窒化物の皮膜を
施すと共に、PVD処理中における窒素と酸素の流量
比を或る範囲に設定することで、該皮膜は透明膜にな
って自然光の分光色の一部または全部が縞状に分布する
干渉色を呈することを見い出したものである。そして得
られたクロムの酸化物または酸窒化物の皮膜が呈する色
調は金属光沢色と明らかに相違し、下地となっている硬
質皮膜処理の有無を瞬時に識別し得るものである。この
ようにPVD処理によりクロム系硬質皮膜を施した後
に、該皮膜の上層として呈色皮膜を形成する際に、この
呈色皮膜の成分となる蒸発金属を前記クロム系皮膜の成
分となる蒸発金属(クロム)と同じにすることで、チャン
バー中の蒸発金属を交換する必要がなくなる。すなわち
別バッチで呈色皮膜を形成する必要がないため、コスト
および手間が従来のPVD処理の単一バッチと殆ど変わ
ることがなく、従ってコストが嵩む難点を解消し得るも
のである。
【0014】ここでクロムの酸化物または酸窒化物の皮
膜をPVD処理により形成するに際して、該皮膜が呈す
る色調は皮膜中の窒素と酸素の流量比によって決定され
る。すなわち窒素と酸素の流量比が或る範囲に特定され
ると、前記皮膜が呈する色調は自然光の分光色(いわゆ
る虹色)の一部または全部が縞状に分布する干渉色にな
る。より具体的には、窒素と酸素の流量比を0:10〜
4:1の範囲に特定することが好適であり、酸素流量が
4:1より少ない場合は全体が窒化クロム(CrN)が呈
する色調である灰白色となる。また窒素と酸素の流量比
の上限は、好ましくは1:9の範囲にあり、酸素流量が
これより多い場合は、前記の流量比以外の条件の如何に
よって3酸化2クロム(Cr23)が成膜されて黒色を呈
してしまうことがある。
【0015】また、前述した処理条件の下で皮膜が干渉
色を呈する場合であっても、被処理物品の形状やチャン
バー内への装着方法の如何によっては、クロム金属から
蒸発したクロムイオンが該物品の一部へ殆ど到達し得な
い部分も出てくる。このようにクロムイオンが到達しな
かったり、またはクロムイオンが僅かしか到達しなかっ
たりした部分は成膜されず、その部分は表面が酸化され
て黒黄色を呈する。特に酸素流量が1:9よりも多い場
合は、より広い範囲で表面酸化が起き易く、商品価値の
見地から好ましくない場合がある。なお、装置の特性そ
の他の事情により、例えばアーク放電を安定化させる目
的でチャンバー内の圧力を上昇させる必要があるような
場合等においては、窒素と酸素の流量比を前述した範囲
内とし、アルゴン(Ar)等の不活性ガスを同時に流すこ
とができる。
【0016】なおクロムの酸化物または酸窒化物の膜厚
は、極力薄くした方が自然光の分光が略完全に発色し、
しかも透明度の高い鮮明な色を呈することになる。逆に
前記膜厚が大きくなるに従って、色合いが濃くなると共
に分光色の全てが識別され難くなる傾向を示す。そして
該膜厚が更に大きくなると、赤色等が僅かに認められる
程度となり、遂には全体の色調が濃灰色〜黒色を呈する
ようになってしまう。但し、本発明が企図している如
く、クロムの酸化物または酸窒化物の皮膜が呈する干渉
色をもって、切削工具に硬質被覆処理を施してあるか否
かを判別する目印として利用する場合には、前記皮膜の
厚みを大きくする必要はなく、例えば0.04〜1.3μ
mの範囲に納まっていればよい。このように硬質被覆処
理の判別用途に限って考えると、本発明で得られるクロ
ムの酸化物または酸窒化物の皮膜は非常に薄くてよいこ
とになる。
【0017】この点につき本願では、次のような測定方
法によって膜厚を推定した。先ず、後述する実験例1の
試料1における干渉色の分布と膜厚を測定した結果は、
図3に示す通りであった。一般に透明膜に対し略直角に
光が照射される場合を想定すると、干渉色を呈する膜厚
hは、h=λ(2m−1)/4nで表される。ここにλ=
波長、m=正整数、n=屈折率である。実験例1におい
て、中心孔近傍に確認された青色部分(最も膜が薄い部
分)の膜厚は実測で0.05μmであった。青色の波長λ
を450nmとし、この青色がm=1であるとするなら
ば、屈折率nは2.25となるが、同じようにm=2で
あるとするならば、屈折率nは6.75となって一般的
な屈折率の値から大きくずれてしまうので、この青色は
m=1であると推測される。なお、実験例1では最も膜
厚が薄い部分は青色であったが、膜厚分布がゆるやかで
ある実験例2では、最も膜厚が薄い部分で紫色が確認さ
れた。ここで屈折率n=2.25、紫色の波長λ=39
0nmとすれば、干渉色が最初に現れるこの紫色の部分
の膜厚(すなわち最小膜厚)は約0.04μmであると推
定される。すなわち最小膜厚は約0.04μmとなる。
また実験2の試料13において、干渉色を確認し得る限
界での膜厚は、実測値で1.3μmであった。何れにし
ても、クロムの酸化物または酸窒化物の膜厚が薄いほど
鮮明な色調(明るい虹色)になり、厚みが大きくなるほど
透明感のない混合色或いはくすんだ色調となるので、目
的用途に応じて適宜の膜厚が選択される。
【0018】なお、膜厚が厚目である場合や膜厚に均一
性が求められる場合は、皮膜に自然光の分光色全てが現
れるとは限らず、被処理物品の形状やチャンバーに供給
される反応ガスの分量等の制御パラメータの種類に依存
して分光色の一部だけが発色し、これにより様々の色調
を呈することになる。従って前記制御パラメータを可変
とすることで、分光色の呈色度合いを目的に応じて微妙
に変化させることができる。例えば、窒素と酸素の流量
比により皮膜の透明度を種々に変化させることができ、
その流量比を約3:1付近に設定することで最も透明度
のある膜が得られる。また、被処理物品の形状程度の如
何によっては、チャンバー中でのクロムイオンの到達度
に相違を生じ、同一物品であっても細部において膜厚が
異なるために色調分布が様々になることが判っている。
【0019】また、PVD処理による硬質皮膜の形成に
際しては、基板のクリーニングを目的としてボンバード
処理が一般的に実施されるが、このボンバード処理を前
述したクロムの酸化物または酸窒化物の皮膜処理後に行
なうと、該皮膜はコントラストの弱い色調を呈すること
になる。更に、クロム酸窒化物皮膜を処理した後、クロ
ム膜を極めて薄く被覆すると、クロムが呈する白色の下
に前記クロム酸窒化物の皮膜が呈する色が透けて見える
状態となって全体が白っぽくなる。
【0020】上層をなす前記クロムの酸化物または酸窒
化物の皮膜処理に際して、例えば中間層をなすクロム窒
化物皮膜の形成後に、チャンバー中を流れる窒素の流量
を減らしていき、逆に酸素の流量を増やしていけば、所
謂傾斜組成層とすることができる。すなわち中間層と上
層の間の積層体接合界面における高い応力集中は、層間
剥離を生じさせる原因になるが、この積層体接合界面を
傾斜組成とすることで物性値が急変する界面が存在しな
くなる。従って応力特異性がなくなり、応力緩和の発生
により切削中や再研磨中に上層が剥離して消失すること
がなく、長期間に亘って硬質被覆処理の有無を識別可能
になる。
【0021】
【実験例1】次に、実験例1により本発明の実施例を具
体的に説明する。ここでは、アーク放電型イオンプレー
ティング装置を使用してPVD処理法を実施し、これに
よりクロムの酸化物または酸窒化物の被覆層を超硬合金
の替刃に形成した。その際の処理条件は、以下の通りで
あった。 蒸発金属の種類 クロム(Cr) アーク放電電流値 150A 基板のバイアス電圧 −40V チャンバー内圧力 2.6Pa 導入ガスの流量(酸素、窒素共に) 350〜700sccm 処理時間 10分 試料として、超硬合金を材質とする替刃式カッターの替
刃を使用した。試料は矩形状板体であって、その寸法は
幅10mm、長さ20mm、厚み1.5mmであった。
またチャンバー内で該試料は、その被覆面が蒸発金属板
(ターゲット)の蒸発面と平行になるように取り付けた。
なお、この場合に試料は、その中央部に位置する直径
4.5mmの通孔を介してM4皿ビスで治具に取り付け
たので、その通孔周辺は前記皿ビスの頭の陰になる。
【0022】各被覆層の構成および結果を、表1に纏め
て示す。
【0023】
【表1】
【0024】試料に被覆されたクロムの酸化物または酸
窒化物の皮膜を、X線回折により測定した。そのX線回
折測定条件は、以下の通りであった。 測定装置 理学電気社製X線回折装置 (RINT Ultima+/2200PC) 管球ターゲット 銅(Cu) 管球出力 40KV 20mA スキャン方式 2θ−θ スキャン速度 2°/min ステップ幅 0.02° 検出器 シンチレーションカウンター 発散スリット 1° 散乱スリット 1° 受光スリット 0.03mm
【0025】表1において、試料1の色調は干渉色を呈
したが、試料2の色調は替刃全体が黒色を呈するに至っ
た。これらの試料をX線回折により測定したところ、図
1に示すように、試料2の超硬合金替刃には3酸化2ク
ロム(Cr23)の回折ピークが現れた。しかるに図2か
ら判明する如く、試料1の超硬合金替刃には3酸化2ク
ロムの回折ピークは現れなかった。すなわち、被覆面が
蒸発金属板(ターゲット)の蒸発面と平行になるように試
料を取り付けた実験例1において、試料2のように酸素
だけを流した場合は、3酸化2クロムが成膜されて干渉
色を呈しないことが判った。また同条件下において、試
料1のように窒素と酸素を同時に流すことで皮膜がアモ
ルファス化し、干渉色を呈することが判明した。図3
は、試料1に係る超硬合金の替刃が干渉色を呈している
ことを示している。すなわち外側から内側にかけて、緑
色、赤色、緑色、赤色、黄色、赤〜緑色、黄色、青色の
干渉色となっていることが確認された。
【0026】
【実験例2】次に、実験例2により本発明の実施例を更
に具体的に説明する。ここでは、アーク放電型イオンプ
レーティング装置を使用してPVD処理法を実施し、こ
れによりクロムの酸化物または酸窒化物の被覆層を丸鋸
状の円盤に形成した。その際の処理条件は、以下の通り
であった。 蒸発金属の種類 クロム(Cr) アーク放電電流値 150A 基板のバイアス電圧 −40V チャンバー内圧力 0.13〜2.6Pa 導入ガスの流量(酸素、窒素共に) 30〜700sccm 処理時間 3〜10分 フランジと試料との間隔 20mm フランジ直径 340mm マスキング直径 100mm
【0027】試料として、合金工具鋼(SK−5)を材質
とする丸鋸状の円盤を使用した。試料の寸法は外部直径
450mm、厚み2.0mmであった。図4に示すよう
に、半径225mmの円盤状試料10を、半径50mm
で厚み20mmの円形マスキング12,12で両側から
挟み、更に該マスキング12,12の両側を半径170
mmのフランジ14,14により挟むことでリング状の
マスキングを施した。このとき試料10、マスキング1
2,12およびフランジ14,14は、何れも中心軸を整
列させてある。この状態でPVD処理することで、試料
10の両側面には、前記マスキング12,12を外れた
外周付近のみに被覆層が形成される。
【0028】夫々の処理条件および得られた結果を、表
2に纏めて示す。
【0029】
【表2】
【0030】チャンバー内の圧力を2.6Paとして一
定に保ち、窒素と酸素の流量を各々変化させて3分間処
理した(試料3〜試料11)。これによれば、窒素と酸素
の流量比を10:0に設定した場合(試料3)は、全体が
窒化クロム(CrN)の色調である灰白色を呈して、干渉
色を呈するには至らなかった。また窒素と酸素の流量比
を9:1に設定した場合(試料4)は、全体が窒化クロム
の色調である灰白色を呈したものの、僅かに繰り返し回
数1(m=1)の干渉色が見られた。但し、この干渉色は
非常に暖昧な色調であった。また該干渉色が現れた外側
の位置では、窒化クロムの色調である灰白色を呈してい
た。
【0031】更に窒素と酸素の流量比を4:1〜0:1
0の範囲に設定した場合(試料5〜試料11)は、干渉色
が数回の繰り返しにより明瞭に見られ、特に窒素の流量
比が1:3の場合(試料8)が最も鮮明に現れた。この中
で、窒素と酸素の流量比が1:24および0:10の場
合(試料10および試料11)は、干渉色が現れる外側の
位置で該干渉色が重なり合って黒色を呈した。この黒色
部をX線回折した結果、3酸化2クロムは認められず、
これがアモルファスであることを確認した。すなわち被
覆面が蒸発金属板と直角をなす面であると、酸素流量比
が0:10であってもアモルファス化することが判明し
た。更に、クロムイオンが殆ど到達しない試料中央部の
マスキング付近は殆ど成膜がなされず、該試料の表面が
酸化して黒黄色となった。
【0032】次に、窒素と酸素の流量比は等分の1:1
としつつも流量を少なくし、チャンバー内の圧力を0.
13Paに保持して3分間処理した場合(試料12)は、
全体がクロムの色調である白色を呈して干渉色は見られ
なかった。また、窒素と酸素の流量比を1:3に設定
し、チャンバー内の圧力を2.6Paに保持して10分
間処理した場合(試料13)、干渉色の繰り返しは6回
(m=6)確認できた。この場合、干渉色の分布の範囲は
狭く、その外側の位置は干渉色が重なり合って黒灰色と
なった。このように、窒素と酸素の流量比を0:10〜
4:1の範囲内で夫々変化させることで、自然光の分光
色の一部または全部が縞状に分布する干渉色となり、識
別可能であることが判明した。この実験例2の結果によ
れば、窒素と酸素の流量比は好ましくは1:9〜4:1
であった。
【0033】
【実験例3】次に、実験例3により本発明の実施例を更
に具体的に説明する。ここでは、アーク放電型イオンプ
レーティング装置を使用してPVD処理法を実施し、こ
れによりクロムの酸化物または酸窒化物の被覆層を超硬
合金がろう付けされたチップソーに形成した。その際の
処理条件は、以下の通りであった。 蒸発金属の種類 クロム(Cr) アーク放電電流値 150A 基板のバイアス電圧 −40V チャンバー内圧力 0.6〜2.6Pa 導入ガスの流量(酸素、窒素共に) 35〜700sccm 処理時間 3分 試料間隔 10mm マスキング直径 230mm 試料として、超硬合金のチップを外周刃部にろう付けし
た刃数40のチップソーを使用した。試料の寸法は外部
直径305mm、刃厚3.0mmであった。試料におけ
る台金の中央部にリング状のマスキングを施し、試料を
10mm間隔で複数枚積み重ね、該マスキング以外の部
分(台金側面および刃部側面と外周面)に被覆層を形成す
る処理を行なった。前記のマスキングは、図4に示した
方法に準じて施した。
【0034】各被覆層の構成および結果を、表3に纏め
て示す。
【0035】
【表3】
【0036】試料21は、上層に窒化クロムを処理した
場合の比較例であって、台金の外周部と共に刃先部の色
調は灰白色を呈していた。また、同じく比較例としての
試料22はクロムを処理したものであって、その色調は
白色を呈していた。
【0037】この実験例3において、試料14〜試料1
9に示す如く、窒素と酸素のガス流量を夫々変化させ
た。この場合は全ての試料に関して、自然光の分光色の
一部または全部が縞状に分布する干渉色を良好に呈し、
硬質被覆処理の有無が容易に識別可能であった。但し、
窒素と酸素の流量比を0:10に設定した場合(試料1
9)は、試料の側面に干渉色が現れたものの、実験例1
の被覆面と同じく蒸発金属板に対して平行な面となる刃
部外周面は、3酸化2クロムの黒色を呈した。更にこの
場合は、図5に示すように、クロムイオンが試料に殆ど
到達せず、従って成膜が殆どなされないマスキング付近
はかなり広い幅で表面が酸化され、黒黄色を呈した。こ
のような事実から、酸素量が多過ぎると好ましくない場
合があることが判る。なお、試料20は窒素と酸素の流
量比を9:1に設定した比較例であって、これが呈する
色調は窒化クロムと略同色の灰白色となった。
【0038】以上の実験例3から、窒素と酸素の流量比
を0:10〜4:1の範囲内で夫々変化させることで、
クロムの酸化物または酸窒化物の皮膜が呈する色調は自
然光の分光色の一部または全部が縞状に分布する干渉色
となり、ユーザーが視覚により充分に識別可能であるこ
とが判った。すなわち、硬質被覆処理がなされた切削工
具であることの目印を低廉なコストで付し得るものであ
り、これにより硬質膜の維持が必要な面を再研磨により
除去してしまう可能性を確実に低減させ得るものであ
る。なお上層は、複数層からなるクロムの酸化物または
酸窒化物層の何れであってもよい。この実験例3では、
刃先部と共に台金外周部にもクロムの酸化物または酸窒
化物の皮膜を被覆したが、台金部分を全部マスキングす
ることで、刃先部だけを露出させて被覆処理するように
してもよい。更に、刃部が本体にろう付けされておらず
着脱自在な替刃である場合は、その替刃のみにクロムの
酸化物または酸窒化物が被覆される。また本発明は、前
述した実施例のみに限定されるものでなく、装飾その他
に広く応用可能である。
【0039】
【実験例4】次に、実験例4により本発明の実施例を更
に具体的に説明する。ここでは、アーク放電型イオンプ
レーティング装置を使用してPVD処理法を実施し、こ
れによりクロムの酸化物または酸窒化物の被覆層を、超
硬合金がろう付けされた成型面取りルータに形成した。
その際の処理条件は、以下の通りであった。 蒸発金属の種類 クロム(Cr) アーク放電電流値 150A 基板のバイアス電圧 −40V チャンバー内圧力 2.6Pa 窒素ガスの流量 350sccm 酸素ガスの流量 350sccm 処理時間 5分 試料として、外周刃部に刃先材料として超硬合金をろう
付けした刃数2の成型面取りルータを使用した。試料の
寸法は外径54mm、シャンク径16mm、全長67m
m、刃長23mmであった。
【0040】図6に示す如く、試料たる成型面取りルー
タの外周面は略均一の色調(緑色)を呈すると共に、細部
が自然光の分光色の一部または全部が縞状に分布する干
渉色を良好に呈していた。従って、該ルータの施したク
ロムの酸化物または酸窒化物の被覆の有無が容易に識別
可能であった。
【0041】
【発明の効果】以上に説明した如く本発明によれば、P
VD処理により形成されるクロムの酸化物または酸窒化
物の皮膜が提供される。またPVD処理により硬質皮膜
を施した切削工具に関して、干渉色を呈するクロムの酸
化物または酸窒化物の皮膜を該工具に形成することで、
硬質被覆処理が施されている旨をユーザーに覚知させる
ことができる。しかもクロム系硬質皮膜を施した後に、
クロム以外の蒸発金属からなる呈色皮膜を更に施すこと
で該硬質皮膜の有無を判別させようとする場合に、従来
は別バッチのPVD処理によらざるを得なかったために
コスト高となっていたが、本発明によれば呈色皮膜の成
分となる蒸発金属をクロム系皮膜の成分となる蒸発金属
と同じにすることで、チャンバー中の蒸発金属を交換す
る必要がなくなり、コストおよび手間が嵩む難点を解消
し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】表1の試料2に係る超硬合金の替刃をX線回折
測定した際のX線回折強度を示すグラフ図であって、3
酸化2クロムの回折ピークが現れている状態を示してい
る。
【図2】表1の試料1に係る超硬合金の替刃をX線回折
測定した際のX線回折強度を示すグラフ図であって、3
酸化2クロムの回折ピークが現れていない状態を示して
いる。
【図3】表1の試料1に係る超硬合金の替刃が、干渉色
を呈していることを示す説明平面図である。
【図4】試料に係る丸鋸状の円盤にマスキングを施した
状態を示す正面図であって、中心軸より上方だけを示し
てある。
【図5】試料としてのチップソーの部分側面図であっ
て、干渉色が良好に現れている状態を示している。
【図6】試料としての成型面取りルータの概略斜視図で
あって、干渉色が良好に現れている状態を示している。
【符号の説明】
10 試料(丸鋸状円盤) 12 マスキング 14 フランジ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PVD処理に際し窒素および酸素の流量
    比が0:10〜4:1の範囲になるよう制御すること
    で、クロムの酸化物または酸窒化物の皮膜が呈する色調
    を、自然光における分光色の一部または全部が縞状に分
    布する干渉色となるようにしたことを特徴とするクロム
    の酸化物または酸窒化物の皮膜。
  2. 【請求項2】 刃部の母材が工具鋼、超硬合金その他サ
    ーメットの何れかよりなる切削工具であって、 前記刃部にPVD処理することで刃部表面に層状に形成
    され、クロムまたはクロムの窒化物、炭化物、炭窒化物
    の何れか1つ若しくは2つ以上からなる硬質皮膜層と、 前記PVD処理に際して窒素および酸素の流量比が0:
    10〜4:1の範囲になるよう制御することで前記切削
    工具に形成され、自然光における分光色の一部または全
    部が縞状に分布する干渉色を呈するクロムの酸化物また
    は酸窒化物の皮膜とからなり、 前記クロムの酸化物または酸窒化物の皮膜が呈する干渉
    色をもって、前記硬質被覆処理が施されている旨をユー
    ザーに覚知させ得るようにしたことを特徴とするクロム
    の酸化物または酸窒化物の皮膜を形成した切削工具。
  3. 【請求項3】 硬質皮膜層およびクロムの酸化物または
    酸窒化物の皮膜は、前記刃部における逃げ面またはすく
    い面の何れかに形成される請求項2記載のクロムの酸化
    物または酸窒化物の皮膜を形成した切削工具。
JP2000300946A 2000-09-29 2000-09-29 干渉色を呈するクロムの酸化物または酸窒化物の呈色皮膜を形成した切削工具 Expired - Lifetime JP4884583B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000300946A JP4884583B2 (ja) 2000-09-29 2000-09-29 干渉色を呈するクロムの酸化物または酸窒化物の呈色皮膜を形成した切削工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000300946A JP4884583B2 (ja) 2000-09-29 2000-09-29 干渉色を呈するクロムの酸化物または酸窒化物の呈色皮膜を形成した切削工具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002103304A true JP2002103304A (ja) 2002-04-09
JP4884583B2 JP4884583B2 (ja) 2012-02-29

Family

ID=18782550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000300946A Expired - Lifetime JP4884583B2 (ja) 2000-09-29 2000-09-29 干渉色を呈するクロムの酸化物または酸窒化物の呈色皮膜を形成した切削工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4884583B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009067043A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Sulzer Metaplas Gmbh 切削工具及び切削工具の製造方法
WO2009131159A1 (ja) * 2008-04-25 2009-10-29 兼房株式会社 木材用刃物
EP2939806A1 (en) * 2012-12-28 2015-11-04 Kanefusa Kabushiki Kaisha Cutting tool

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01316159A (ja) * 1988-06-17 1989-12-21 Nisshin Steel Co Ltd 着色用ヘアーライン研削仕上げステンレス鋼帯の製造方法
JPH02252501A (ja) * 1989-03-28 1990-10-11 Kanefusa Hamono Kogyo Kk 木材回転切削用刃物
JPH05320979A (ja) * 1991-08-13 1993-12-07 Nippon Steel Corp 潤滑性に優れた薄クロムめっき鋼板
JPH06147318A (ja) * 1992-09-18 1994-05-27 Riken Corp 摺動材料およびピストンリング並びに摺動材料の製造方法
JPH11198107A (ja) * 1998-01-09 1999-07-27 Kanefusa Corp 溝加工用フライスカッタ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01316159A (ja) * 1988-06-17 1989-12-21 Nisshin Steel Co Ltd 着色用ヘアーライン研削仕上げステンレス鋼帯の製造方法
JPH02252501A (ja) * 1989-03-28 1990-10-11 Kanefusa Hamono Kogyo Kk 木材回転切削用刃物
JPH05320979A (ja) * 1991-08-13 1993-12-07 Nippon Steel Corp 潤滑性に優れた薄クロムめっき鋼板
JPH06147318A (ja) * 1992-09-18 1994-05-27 Riken Corp 摺動材料およびピストンリング並びに摺動材料の製造方法
JPH11198107A (ja) * 1998-01-09 1999-07-27 Kanefusa Corp 溝加工用フライスカッタ

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009067043A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Sulzer Metaplas Gmbh 切削工具及び切削工具の製造方法
WO2009131159A1 (ja) * 2008-04-25 2009-10-29 兼房株式会社 木材用刃物
CN102015229A (zh) * 2008-04-25 2011-04-13 兼房株式会社 木材用刀具
US8435651B2 (en) 2008-04-25 2013-05-07 Kanefusa Kabushiki Kaisha Wood cutting tool
JP5576788B2 (ja) * 2008-04-25 2014-08-20 兼房株式会社 木材用刃物
EP2939806A1 (en) * 2012-12-28 2015-11-04 Kanefusa Kabushiki Kaisha Cutting tool
EP2939806A4 (en) * 2012-12-28 2016-09-28 Kanefusa Knife & Saw CUTTING TOOL
US10201908B2 (en) 2012-12-28 2019-02-12 Kanefusa Kabushiki Kaisha Cutting tool

Also Published As

Publication number Publication date
JP4884583B2 (ja) 2012-02-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101167343B1 (ko) 날끝 교환형 절삭팁 및 그 제조 방법
KR102160349B1 (ko) 표면 피복 절삭 공구 및 그 제조 방법
KR101267180B1 (ko) 날끝 교환형 절삭 팁 및 그 제조 방법
JP4739321B2 (ja) 刃先交換型切削チップ
KR20070063576A (ko) 날끝 교환형 절삭팁 및 그 제조 방법
CN106457411B (zh) 切削工具
WO2007013392A1 (ja) 刃先交換型切削チップおよびその製造方法
Randhawa TiN‐coated high‐speed steel cutting tools
JP2009203489A (ja) 被覆部材
JP5084369B2 (ja) 切削工具
EP2939806B1 (en) Cutting tool
JP4884583B2 (ja) 干渉色を呈するクロムの酸化物または酸窒化物の呈色皮膜を形成した切削工具
CN107614168A (zh) 切削工具
JPH0669681B2 (ja) 木材回転切削用刃物
DE102021105903A1 (de) Beschichteter körper und verfahren zur beschichtung
DE10347981A1 (de) Verschleißschutzschicht für spanabhebende Werkzeuge, insbesondere für rotierende Zerspanungswerkzeuge
US6436546B1 (en) Method for coating foil comprised of nickel or nickel alloy
WO2020079952A1 (ja) 切削工具
JPH09267202A (ja) スローアウェイチップ
JPS6322922B2 (ja)
WO2023286411A1 (ja) 切削工具
JPH1043912A (ja) スローアウェイチップ
JP4653450B2 (ja) 刃先交換型切削チップおよびその製造方法
CN117529380A (zh) 涂层刀具和切削刀具
CN117545573A (zh) 涂层刀具和切削刀具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110118

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110830

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110906

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111130

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111207

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141216

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250