JP2002100374A - 燃料電池用電極およびその製造方法 - Google Patents

燃料電池用電極およびその製造方法

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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高い触媒活性と、高い耐CO被毒性をもち、少
ない触媒金属量で高効率な燃料電池用電極を提供する。 【解決手段】陽イオン交換樹脂102とカーボン粒子1
01と触媒金属とを含む固体高分子電解質−触媒複合電
極において、その触媒金属を非晶質状態とする燃料電池
用電極。好ましくは、触媒金属の平均粒子径が1.5n
m以下であり、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路と
カーボン粒子表面との接触面に担持された触媒金属量が
全触媒金属量の80重量%以上である燃料電池用電極。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池用電極お
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体高分子形燃料電池(PEFC)は、
パーフルオロカーボンスルフォン酸膜等の固体高分子電
解質である陽イオン交換膜を電解質として備えており、
この固体電解質膜の両面にアノードとカソードとを接合
することによって構成され、水素と酸素をそれぞれアノ
ードとカソードに供給して電気化学的に反応させること
により発電する装置である。発電の際に各電極で生じる
電気化学反応を下記に示す。 アノード:H→2H+2e カソード:1/2O+2H+2e→HO 全反応: H+1/2O→HO この反応式から明らかなように、各電極の反応は、活物
質であるガス(水素または酸素)、プロトン(H)お
よび電子(e)の授受を同時に行うことができる三相
界面でのみ進行する。
【0003】このような機能を有する燃料電池用電極と
しては、陽イオン交換樹脂とカーボン粒子と触媒金属と
を含む固体高分子電解質−触媒複合電極がある。陽イオ
ン交換樹脂と、カーボン粒子と、酸素の還元反応および
水素の酸化反応に対して高い触媒活性を示す触媒金属と
を含む陽イオン交換樹脂−触媒複合電極の構造の例を図
9に示す。図9において、101は触媒金属が担持され
たカーボン粒子、102は陽イオン交換樹脂、103は
イオン交換膜、104は細孔である。
【0004】図9に示した電極は、触媒金属が担持され
たカーボン粒子101とイオン交換樹脂102とが混じ
り合って三次元に分布するとともに、その内部に複数の
細孔104が形成された多孔性の電極であって、触媒金
属の担体であるカーボンが電子伝導チャンネルを形成
し、陽イオン交換樹脂がプロトン伝導チャンネルを形成
し、細孔が酸素または水素および反応生成物である水の
供給排出チャンネルを形成している。そして、電極内に
は、これら3つのチャンネルが三次元的に広がり、ガ
ス、プロトン(H)および電子(e)の授受を同時
に行うことのできる三相界面が無数に形成されて、電極
反応の場が提供されている。
【0005】従来、このような構造を有する電極は、カ
ーボン粒子担体に白金などの触媒金属粒子を高分散に担
持させた触媒担持カーボン粒子とPTFE(ポリテトラ
フルオロエチレン)粒子分散溶液とからなるペーストを
高分子フィルムや導電性多孔質体のカーボン電極基材上
に製膜(一般に膜厚3〜30μm)して加熱乾燥した
後、陽イオン交換樹脂溶液をこの上から塗布、含浸後、
乾燥させる方法、または上記触媒担持カーボン粒子と陽
イオン交換樹脂溶液、そして必要に応じてPTFE粒子
とからなるペーストを高分子フィルムや導電性多孔質体
のカーボン電極基材上に製膜(一般に膜厚3〜30μ
m)した後、乾燥する方法等により作製されていた。
【0006】なお、陽イオン交換樹脂溶液としては、先
に述べたイオン交換膜と同じ組成からなるものをアルコ
ールで溶解し、液状にしたものが用いられ、PTFE粒
子分散溶液としては、粒子径約0.23μmのPTFE
粒子の分散溶液が用いられている。
【0007】しかし、上記に説明したような製造方法に
より作製された電極では、カーボンに担持された触媒金
属の利用率が低く、例えばわずかに10%程度であるこ
とが報告されている(Edson A.Ticiane
lli,J.Electroanal. Chem.,
251,275(1988)参照)。このことが、電極
全体の電極反応に対する活性をさらに低下させる原因と
なっている。
【0008】これは、これまでの製造方法が、あらかじ
めカーボン粒子に白金等の触媒金属粒子を担持させた
後、そのカーボン粒子と陽イオン交換樹脂とを混合する
方法を用いていることに起因するものである。
【0009】すなわち、H.L.Yeager等の報告
(J.Electrochem.Soc.,128,1
880,(1981))および、小久見等の報告(J.
Electrochem.Soc.,132,2601
(1985))にも記載されているように、陽イオン交
換樹脂の構造をミクロ的に捉えると、プロトンはもちろ
ん、反応活物質であるガス(水素または酸素)およびカ
ソードでの反応生成物である水は、陽イオン交換樹脂の
親水性の交換基とその対イオンとが水とともに集合した
クラスターと呼ばれるプロトン伝導経路を移動し、パー
フルオロアルキル基などからなる骨格部である疎水性の
部分は移動経路となり得ない。このため、燃料電池電極
としての反応の進行する三相界面は、陽イオン交換樹脂
のプロトン伝導経路とカーボン粒子表面との接面のみに
存在する。
【0010】しかし、従来の電極の製造方法には、先に
説明したように、あらかじめカーボン粒子に白金等の触
媒金属粒子を担持させた後、そのカーボン粒子と陽イオ
ン交換樹脂とを混合する方法が用いられており、あらか
じめカーボンに担持した白金等の触媒金属粒子が偶然に
陽イオン交換樹脂内のプロトン伝導経路に接することを
期待しているために、陽イオン交換樹脂とカーボン粒子
表面との接面に担持された白金はもちろん、陽イオン交
換樹脂とカーボン粒子表面との接面に担持されていて
も、その接面がパーフルオロアルキル基などからなる骨
格部である疎水性の部分である場合には、その白金は電
極反応に有効に働かない。これを、図10を用いて説明
する。
【0011】図10は、従来の電極における、陽イオン
交換樹脂と接触したカーボン粒子の表層の状態を示す概
念図である。図10において111はカーボン粒子、1
12は陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路、113は
陽イオン交換樹脂の骨格部、114および115は触媒
金属粒子である。
【0012】従来の電極では、例えばこの図10に示す
ように、カーボン粒子111の表層をプロトン伝導経路
112と骨格部113よりなる陽イオン交換樹脂が被覆
されており、カーボン粒子111表面に触媒金属粒子1
14、115が担持されている。そして、触媒金属粒子
115は、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路112
に位置しているために触媒として有効に作用するが、触
媒金属粒子114は、陽イオン交換樹脂の骨格部113
に位置しているために触媒として有効に作用しないと考
えられている。
【0013】また、図中のZの領域は、三相界面が形成
されている領域ではあるが、触媒金属粒子が存在しない
領域であって、触媒金属粒子が担持されていないために
反応に関与しない領域となっていると考えられる。すな
わち、このような電極においては、触媒金属粒子114
の存在は触媒金属の利用率の低下を、三相界面Zの存在
は電極の活性の低下を招いているのである。
【0014】固体高分子形燃料電池(PEFC)はコス
トが高く、そのことが実用化の大きな障壁となってい
る。特に、触媒金属として用いられる白金族金属のコス
トが高く、PEFCのコストを引き上げる主な要因とな
っているために、電極に担持される白金族金属の量をい
かに減らすかが技術開発の焦点となっていた。
【0015】そこで、本発明者は、陽イオン交換樹脂と
カーボン粒子と触媒金属とを含む固体高分子電解質−触
媒複合電極であって、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導
経路とカーボン粒子表面との接面に触媒金属を主に担持
することを特徴とする燃料電池用電極を製作し、触媒金
属の利用率を飛躍的に向上させることに成功した。その
電極の構造について、図11を参照しながら以下に説明
する。
【0016】図11は、その電極の陽イオン交換樹脂と
接触したカーボン粒子の表層の状態を示す概念図であ
る。図11において、121はカーボン粒子、122は
陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路、123は陽イオ
ン交換樹脂のパーフルオロアルキル基などからなる骨格
部、125は触媒金属粒子である。
【0017】この電極は、陽イオン交換樹脂とカーボン
粒子と触媒金属とを含む多孔性の電極であり、カーボン
粒子により形成された電子伝導チャンネル、陽イオン交
換樹脂により形成されたプロトン伝導チャンネル、多数
の細孔により形成された活物質および生成物の供給、排
出チャンネルを有するものである。例えば、図11に示
すように、この電極は、カーボン粒子121の表層をプ
ロトン伝導経路122と骨格部123よりなる陽イオン
交換樹脂が被覆し、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経
路122とカーボン粒子121の表面との接面に触媒金
属粒子125が担持された構造を有するものである。こ
のため、カーボン粒子表層に形成された三相界面に多く
の触媒が担持されていることとなって、触媒金属の利用
率が向上する。
【0018】この電極は、陽イオン交換樹脂とカーボン
粒子とを含む混合体の陽イオン交換樹脂に、その陽イオ
ン交換樹脂の対イオンと触媒金属元素を含む陽イオンと
のイオン交換反応により、触媒金属元素を含む陽イオン
を吸着させる第1の工程と、第1の工程で得られた混合
体中の触媒金属元素を含む陽イオンを、例えば180℃
の水素ガスで4時間還元する第2の工程とを経ることに
より製造することができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】現在、固体高分子形燃
料電池の実用化に際して、燃料に水素を用いることがで
きるのであるが、水素ガスはその体積当たりのエネルギ
ー密度が著しく小さいため、燃料としては不向きであ
る。そのため、燃料として炭化水素系の燃料、例えばメ
タノールを改質して得られる水素ガスと炭酸ガスとを含
む改質ガスを用いることが検討されている。
【0020】しかし、この改質ガスに微量ながら含まれ
るCOが白金を被毒することによって、PEFCの出力
を大きく低下させ、電極の寿命を著しく低下させること
になる。これを解決するには、白金とルテニウムとの合
金を触媒金属として用いることが提案されている。
【0021】そのような電極を得るためには、白金塩と
ルテニウム塩とをカーボン粒子に吸着させた後、400
℃の水素ガスで還元して、白金粒子とルテニウム粒子と
をカーボン粒子に担持させた後、800〜900℃の不
活性雰囲気中でエージングすることによって、白金元素
とルテニウム元素とが相互に拡散し、カーボン粒子に白
金とルテニウムとの合金を担持させることができるとさ
れている。
【0022】しかし、先に述べた本発明者が考案した、
陽イオン交換樹脂とカーボン粒子と触媒金属とを含む固
体高分子電解質−触媒複合電極であって、陽イオン交換
樹脂のプロトン伝導経路とカーボン粒子表面との接面に
触媒金属を主に担持させたことを特徴とする燃料電池用
電極は、陽イオン交換樹脂とカーボン粒子とを含む混合
体の陽イオン交換樹脂に吸着した触媒金属元素を含む陽
イオンを水素ガスを用いて還元するために、その還元温
度は陽イオン交換樹脂の分解温度である240〜280
℃以下でなくてはならず、これより高い還元温度を必要
とする合金を担持するのは困難であった。したがって、
このような本発明者が考案した電極は、改質ガスを用い
るPEFCには使えないという課題があった。
【0023】固体高分子形燃料電池の実用化のために
は、まず何よりも製造コストの低い固体高分子電解質−
触媒複合電極の開発が不可欠であり、そのためには、陽
イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボン粒子表面
との接面に触媒金属を主に担持させることにより触媒金
属の利用率を向上させることが重要である。さらに、こ
の固体高分子電解質−触媒複合電極の出力密度と寿命を
向上させるためには、触媒金属元素を含む陽イオンを、
陽イオン交換樹脂の分解温度以下の比較的低い温度で還
元しても、高い触媒活性と良好な耐CO被毒性を備えた
触媒金属とする必要がある。
【0024】改質ガスによるCO被毒を避けるには、触
媒金属に耐CO被毒性の良い白金にルテニウム等を含ん
だものを用いること考えられるが、陽イオン交換樹脂と
カーボン粒子の混合体に吸着させたこれらの合金成分
を、陽イオン交換樹脂の分解温度以下で還元し、少なく
とも触媒金属表面層の合金化を図るような手段が開発さ
れなくては、この触媒金属に十分な触媒活性と耐CO被
毒性を付与させることができない。
【0025】以上のような状況に鑑み、本発明は、陽イ
オン交換樹脂とカーボン粒子と触媒金属とを含む固体高
分子電解質−触媒複合電極であって、高い触媒活性を有
する触媒金属を効率良くカーボン粒子表面のプロトン伝
導経路接面に担持させ、出力電流密度が大きく、かつC
O被毒が少なくて寿命が長く、しかも製造コストが低い
燃料電池用電極を得ることを目的としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の燃料電池用電極
は、陽イオン交換樹脂とカーボン粒子と触媒金属とを含
む固体電解質―触媒複合電極であって、その触媒金属が
非晶質状態の場合に酸素の電気化学的還元に対して非常
に高い触媒活性を示すとともに、高い耐CO被毒性を示
すことと、その触媒金属の粒子径が1.5nm以下の場
合に非常に高い触媒活性を示すことを見出し、これらの
ことに着目してなされたものである。すなわち、このよ
うな高い触媒活性を有する触媒金属をカーボン粒子表面
とプロトン伝導経路との接面に主に担持させることによ
り、触媒金属の量が極めて少ない場合であっても、優れ
た性能を有する燃料電池用電極が得られることを見出し
たものである。
【0027】本願第1の発明は、陽イオン交換樹脂とカ
ーボン粒子と触媒金属とを含む固体高分子電解質−触媒
複合電極であって、その触媒金属が非晶質状態であるこ
とを特徴とするものである。
【0028】本願第1の発明によれば、固体高分子電解
質−触媒複合電極に高い触媒活性と良好な耐CO被毒性
を保持させることができる。これは、触媒金属を非晶質
状態とすることによって、その触媒金属の有している酸
素の電気化学的還元に対する触媒活性と耐CO被毒性と
を向上させることができるためである。
【0029】また、本願第2の発明は、陽イオン交換樹
脂とカーボン粒子と触媒金属とを含む固体高分子電解質
−触媒複合電極であって、その触媒金属の平均粒子径が
1.5nm以下であることを特徴としている。
【0030】従来の燃料電池用電極では、カーボンに担
持された白金族金属が触媒金属として用いられている
が、電極の活性は白金族金属の表面積に強く依存する。
そこで、白金族金属の粒子径を小さくして単位重量あた
りの表面積を大きくして、触媒活性を高くすればよいの
であるが、その粒子径が2.5〜3.5nmよりも小さ
くなると粒子サイズ効果により、かえって単位重量あた
りの触媒活性が低下することが報告されている(K.K
inioshita, J.Electrochem.
Soc., 137,845(1990)参照)。
【0031】本願第2の発明によれば、高い触媒活性を
得るためには、触媒金属の平均粒子径が1.5nm以下
であることが好ましく、さらには0.5nm以上1.5
nm以下であることが好ましい。この理由は明確でない
が、本発明の燃料電池用電極では粒子サイズ効果が現れ
ず、高い触媒活性を示す。
【0032】本願第3の発明は、陽イオン交換樹脂とカ
ーボン粒子と触媒金属とを含む固体高分子電解質−触媒
複合電極であって、その触媒金属が非晶質状態であり、
その触媒金属の平均粒子径が1.5nm以下であること
を特徴とする。
【0033】本願第3の発明によれば、触媒金属が非晶
質状態であることによって得られる触媒活性と耐CO被
毒性との向上の効果と、平均粒子径を小さくすることに
よって得られる高活性化の効果との相乗作用によって、
非常に高い性能を有する燃料電池用電極とすることがで
きる。
【0034】さらに、本願第4の発明は、陽イオン交換
樹脂のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子表面に担
持された触媒金属量が全触媒金属担持量の80wt%を
越えることを特徴としている。
【0035】本願第4の発明によれば、陽イオン交換樹
脂のプロトン伝導経路と接するカーボン粒子表面との接
面に担持された触媒金属量が多く、それだけ多くの触媒
金属が触媒反応に寄与することになり、したがって、出
力の高い燃料電池用電極を得ることが可能となる。特に
高い性能の電極を得るためには、この陽イオン交換樹脂
のプロトン伝導経路と接するカーボン粒子表面との接面
に担持された触媒金属量が全触媒金属担持量に対して8
0wt%を越えることが好ましく、さらに90wt%を
超えていることが好ましい。
【0036】次に、本願第5の発明は、触媒金属が白金
族金属元素を含むことを特徴としており、本願第6の発
明は、触媒金属が白金元素とルテニウム元素とを含むこ
とを特徴としている。そして、本願第7の発明は、触媒
金属がマグネシウム、アルミニウム、バナジウム、クロ
ム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀
およびタングステンとからなる群より選ばれた少なくと
も一つの元素を含むことを特徴としている。
【0037】本願第5の発明によれば、本発明の電極に
使用する触媒金属としては、白金、ロジウム、ルテニウ
ム、イリジウム、パラジウム、オスニウムなどの白金族
金属を含むものが、電気化学的な酸素の還元反応や水素
酸化反応に対する触媒活性が高いことから好ましい。本
願第6の発明によれば、微量のCOを含む改質ガスを用
いる燃料電池において、そのCOによる被毒の影響が極
めて少なくなることから、触媒金属として白金とルテニ
ウムとを含むことが好ましい。
【0038】さらに、本願第7の発明によれば、触媒金
属が、白金族金属以外にマグネシウム、アルミニウム、
バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅、亜鉛、銀またはタングステンとからなる群より
選ばれた少なくとも一つの元素を含むことによって、白
金族金属の使用量を低減して、耐CO被毒性や酸素の還
元反応に対して高い活性が得られることから好ましい。
【0039】本願第7の発明は、電極に含まれる触媒金
属が電極の単位面積当たり0.1mg/cm以下であ
ることを特徴とし、さらに、本願第8の発明は、電極に
含まれる白金族金属元素が電極の単位面積当たり0.0
5mg/cm以下であることを特徴とするものであ
る。
【0040】従来の燃料電池用の電極では、2.5〜4
nm程度の平均粒子径を持つ白金族金属をカーボンに高
分散担持して触媒金属として用いているために、実用に
際して十分な特性を得るため、カソードには0.4mg
/cm以上もの白金族金属を、アノードには0.1m
g/cm以上もの白金族金属を担持することが必要で
あった。
【0041】本願発明は、上にも述べたように、触媒金
属が陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路と接するカー
ボン粒子表面との接面に多く担持され、さらに、触媒金
属の平均粒子径が1.5nm以下であって、単位重量当
たりの表面積が大きく、高い触媒活性を示すことから、
少量の触媒担持量でも十分な触媒活性と良好な耐CO被
毒性をもつ燃料電池用の電極を得ることができる。この
ようなことから、本発明の燃料電池用電極にあっては、
電極に含まれる触媒金属量が電極の単位面積当たり0.
1mg/cm以下、さらには、白金族金属元素量が電
極の単位面積当たり0.05mg/cm以下であるこ
とが好ましい。触媒金属の担持量が0.1mg/cm
を越えても、あるいは白金族金属元素量が0.05mg
/cmを越えても、その過剰な触媒金属はあまり有効
に作用せず、コストの上昇をもたらすだけである。
【0042】以上に述べたような特徴を有する燃料電池
用電極の製造方法として、本願第10の発明は、陽イオ
ン交換樹脂とカーボン粒子とを含む混合体の陽イオン交
換樹脂に、金属元素を含む陽イオンをイオン交換反応に
より吸着させる第1の工程と、第1の工程で得られた混
合体中の金属元素を含む陽イオンを化学的に還元する第
2の工程とを経る燃料電池用電極の製造方法であって、
第2の工程が、その混合体を、水素ガスを含むガス雰囲
気下で10時間以上保持する工程を含むことを特徴とす
るものである。
【0043】この本願第10の発明において、第1の工
程では、陽イオン交換樹脂の対イオンと金属元素を含む
陽イオンとのイオン交換反応により、陽イオン交換樹脂
とカーボン粒子とを含む混合体の陽イオン交換樹脂に、
金属元素を含む陽イオンを吸着させる。本願第10の発
明の第1の工程によって、陽イオン交換樹脂のプロトン
伝導経路に優先的に金属元素を含む陽イオンを吸着させ
ることができる。
【0044】そして、第2の工程は、第1の工程で得ら
れた混合体中の金属元素を含む陽イオンを化学的に還元
するものであり、金属元素を含む混合体を、水素ガスを
含むガス雰囲気下で10時間以上保持する工程を含んで
なる。本願第10の発明の第2の工程によって、陽イオ
ン交換樹脂のプロトン伝導経路に優先的に吸着された金
属元素を含む陽イオンを還元して触媒金属を生成するこ
とができる。
【0045】このように、本願第10の発明によれば、
第1の工程を経た混合体を、水素ガスを含むガス雰囲気
下で10時間以上保持することにより、非晶質状態の金
属、また平均粒子径1.5nm以下の金属、または非晶
質状態で平均粒子径1.5nm以下の金属を形成するこ
とができる。
【0046】本願第11の発明は、前記本願第10の発
明の燃料電池用電極の製造方法において、第2の還元工
程が200℃以下で行われることを特徴とするものであ
り、このことにより、陽イオン交換樹脂の分解を招くこ
となく、触媒金属が非晶質状態を保ち、あるいは粒子成
長を引き起こすことなく、高い触媒活性と良好な耐CO
被毒性とを兼ね備えたものとすることができる。
【0047】本願第12の発明は、燃料電池用電極の製
造方法として、前記本願第10の発明の製造方法に加え
て、第1の工程と第2の工程とを1回以上行うことによ
って混合体に金属元素を担持させた後に、不活性ガスを
主成分とするガスの雰囲気下で、あるいは酸性またはア
ルカリ性の溶液中で混合体をエージングする第3の工程
を含むことを特徴としている。
【0048】本願第12の発明によれば、不活性ガスを
主成分とするガスの雰囲気下で、あるいは酸性またはア
ルカリ性の溶液中で混合体をエージングすることによ
り、本願第10の発明の場合と同様に、非晶質状態の金
属、また平均粒子径1.5nm以下の金属、または非晶
質状態で平均粒子径1.5nm以下の金属を形成するこ
とができる。
【0049】本願第13の発明は、前記本願第12の発
明の燃料電池用電極の製造方法において、第2の還元工
程と第3のエージング工程の少なくとも一方が200℃
以下で行われることを特徴とするものであり、このこと
により、陽イオン交換樹脂の分解を招くことなく、触媒
金属が非晶質状態を保ち、あるいは粒子成長を引き起こ
すことなく、高い触媒活性と良好な耐CO被毒性とを兼
ね備えたものとすることができる。
【0050】本願第14の発明は、このエージング工程
を10時間以上かけて行うことを特徴とするものであ
る。
【0051】本願第14の発明によれば、本願第11お
よび13の発明の場合と同様、陽イオン交換樹脂の分解
を招くことなく、触媒金属が非晶質状態を保ち、あるい
は粒子成長を引き起こすことなく、高い触媒活性と良好
な耐CO被毒性とを兼ね備えたものとすることができ
る。
【0052】本願第15の発明は、上記の燃料電池用電
極の製造方法において、陽イオン交換樹脂のイオン交換
容量が2.5meq/g以下であることを特徴としてい
る。
【0053】陽イオン交換樹脂としては、パーフルオロ
カーボンスルフォン酸型またはスチレン−ジビニルベン
ゼン系のスルフォン酸型陽イオン交換樹脂が好ましい。
なかでも、電極に含まれる陽イオン交換樹脂によるイオ
ン交換容量は、どのようなものでも本発明の効果がある
が、本願第15の発明によれば、活性の高い触媒金属が
得られることから、2.5meq/g以下であることが
好ましく、また、1.0meq/g以下であることがさ
らに好ましい。
【0054】本願第16の発明は、上記の本願第10〜
15の発明による製造方法において、第2の還元工程の
後に、陽イオンを無機酸により溶出する工程を含むこと
を特徴とするものである。
【0055】本願第16の発明によれば、還元工程で還
元されずに残った混合物中の陽イオンを溶出して、回収
することができ、このことにより、燃料電池用電極の製
造コストを下げることができる。
【0056】本願第17の発明は、第2の工程におい
て、混合体が2種以上の金属元素を含むことを特徴とす
るものである。たとえば、第1の工程で1種の金属元素
のみを含む陽イオンを吸着させた場合には、第2の工程
で化学的に還元した後、さらに、別種の金属元素を含む
陽イオンを吸着させる第1の工程を繰返しおこなうこと
によって、混合体に2種以上の金属元素を含ませること
ができる。この混合体を、水素ガスを含むガス雰囲気下
で還元する工程を経ることにより、2種以上の金属元素
を混合体に担持させることができる。
【0057】本願第18の発明は、上記の本願第10〜
16の発明による方法によって製造されることを特徴と
する燃料電池用電極である。
【0058】本願第19の発明は、上記の本願第1〜9
の発明による燃料電池用電極、または本願第10〜18
の発明による製造方法によって製造された燃料電池用電
極をアノードまたはカソードの少なくとも一方に用いた
ことを特徴とする固体高分子形燃料電池である。
【0059】
【発明の実施の形態】本発明の燃料電池用電極において
は、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路と接するカー
ボン粒子表面との接面に担持された触媒金属量の全触媒
金属担持量に対する割合は80wt%以上であることが
好ましいが、この値は80wt%以上であれば高いほど
好ましく、とくに90wt%を超えていることが好まし
い。
【0060】なお、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経
路とカーボン粒子表面との接面に担持された触媒金属量
は、次のように計算することができる。以下の計算で
は、電気化学的に活性な触媒粒子のみがプロトン伝導経
路とカーボン粒子表面との接面に担持されていると考え
て計算するものとする。
【0061】まず、例えば、サイクリックボルタンメト
リ法によって測定した水素の吸脱着の電荷量から電気化
学的に活性な触媒金属の表面積を得る。別に触媒金属の
粒子径を電子顕微鏡による観察により得る。そして、こ
の粒子径から1粒子当たりの表面積を計算する。また、
触媒金属に使用する金属の比重は予め決まっているか
ら、触媒金属1粒子当たりの重量を求めることができ
る。
【0062】そして、前述の電気化学的に活性な表面積
を1粒子当たりの表面積で割ることにより、電気化学的
に活性な粒子数を求めることができる。この粒子数に触
媒金属1粒子当たりの重量をかければ、電気化学的に活
性な触媒金属量を求めることができる。この触媒金属量
がプロトン伝導経路とカーボン粒子表面との接面に担持
されている触媒金属量である。そして、この触媒金属量
を、電極に担持されている全触媒金属量で割ることによ
り、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボン粒
子表面との接面に担持された触媒金属量の全触媒金属担
持量に対する割合を求めることができる。なお、触媒金
属の粒子径は、平均粒子径の値を用いることが計算上好
ましい。
【0063】本発明の製造方法は、まず、陽イオン交換
樹脂の対イオンと金属元素を含む陽イオンとのイオン交
換反応により、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に
優先的に金属元素を含む陽イオンを吸着させることが可
能であること、その吸着した金属元素を含む陽イオンを
還元して触媒金属を生成することが可能であること、お
よび、カーボン粒子が上記金属元素を含む陽イオンの還
元反応に触媒活性を示すことに着目し、つぎに、金属元
素を含む陽イオンを陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経
路とカーボン粒子表面との接面で水素ガスを含むガスの
雰囲気下で10時間以上還元することによって、あるい
は、還元した後に、不活性ガスを主成分とするガスの雰
囲気下、あるいは酸性の溶液中、あるいは、アルカリ性
の溶液中に10時間以上エージングするによって、非晶
質状態の金属となること、また1.5nm以下の平均粒
子径の金属となることに着目することでなされたもので
あり、上記の本発明の電極に限らず他の構造の燃料電池
用電極の製造方法としても用いることのできるものであ
る。
【0064】まず、陽イオン交換樹脂とカーボン粒子と
を含む混合体に、その陽イオン交換樹脂の交換基の対イ
オンと金属元素を含む陽イオンとのイオン交換反応によ
り、金属元素を含む陽イオンを陽イオン交換樹脂に吸着
させる第1の工程は、たとえば、水溶液中またはアルコ
ールを含む溶液中で金属元素を含む陽イオンを生成する
化合物を水またはアルコールを含む溶液などに溶解し、
陽イオン交換樹脂とカーボン粒子とを含む混合体をその
水またはアルコールを含む溶液に浸漬することでなされ
る。含まれる金属元素の異なる2種類以上の陽イオンを
混合体に吸着させるためには、混合体を、含まれる金属
元素の異なる2種類以上の陽イオンを含む溶液に浸漬し
てもよいし、金属元素を含む陽イオンを含む溶液に浸漬
した後にさらにそれとは異なる金属元素を含む陽イオン
含む溶液に浸漬してもよい。
【0065】つぎに、陽イオン交換樹脂とカーボン粒子
とを含む混合体に、その陽イオン交換樹脂の対イオンと
金属元素を含む陽イオンとのイオン交換反応により、金
属元素を含む陽イオンを陽イオン交換樹脂に吸着させた
後、その混合体中の金属元素を含む陽イオンを化学的に
還元する第2の工程では、量産に適した還元剤を用いる
化学的な還元方法を用いることが好ましく、とくに、水
素ガスまたは水素を含むガスによって気相還元する方法
またはヒドラジンを含む不活性ガスによって気相還元す
る方法が好ましい。ここで、水素ガスを含むガスとは、
水素ガスと窒素やヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス
との混合ガスであることが好ましく、水素ガスを10v
ol%以上含むことが好ましい。
【0066】ここで、第1の工程と第2の工程とを行っ
た後、さらに第1の工程と第2の工程とを1回以上繰り
返すことで、金属の担持量を増加させることができる。
また、繰り返すことによって、先に担持された触媒金属
を核としてさらに触媒金属を成長させることが可能であ
り、任意の大きさの触媒金属を担持させることができ
る。
【0067】さらに、第1の工程と第2の工程とを1回
以上行うことによって混合体に2つ以上の金属元素を担
持するためには、含まれる金属元素の異なる2種類以上
の陽イオンを混合体に吸着させる第1の工程を少なくと
も1回経ればよく、また、少なくとも1回の第1の工程
と第2の工程とを行うことによって混合体に金属元素を
担持した後にさらに別の金属元素を担持する第1の工程
と第2の工程とを少なくとも1回行えばよい。
【0068】また、混合体中の金属元素を含む陽イオン
を化学的に還元する第2の工程では、カーボン粒子が金
属元素を含む陽イオンの還元反応に対して触媒活性を示
すために、陽イオン交換樹脂単体に含まれる金属元素を
含む陽イオンが還元される温度よりも低い温度で還元す
ることによって、カーボン粒子表面近傍の金属元素を含
む陽イオンが陽イオン交換樹脂中の金属元素を含む陽イ
オンに比べて優先的に還元される。
【0069】そこで、第2の工程では、還元剤の種類、
還元圧力、還元剤濃度、還元時間、還元温度を適時調整
し、カーボン粒子表面の金属元素を含む陽イオンが陽イ
オン交換樹脂中の金属元素を含む陽イオンに比べてより
優先的に還元されるようにする。具体的には、陽イオン
交換樹脂単体に含まれる金属元素を含む陽イオンが還元
される温度よりも低い温度で還元して、陽イオン交換樹
脂のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子表面に担持
された触媒金属量が全触媒金属担持量の80wt%を越
えるようにするのが良い。
【0070】また、さらに、還元剤の種類、還元圧力、
還元剤濃度、還元時間、還元温度を調整し、触媒金属を
非晶質状態にすることが好ましい。この第2の工程で担
持される触媒金属は、イオン交換樹脂の骨格部によって
隔離されていることから、担持された触媒金属は、隣接
の触媒金属との相互作用が著しく少ないという極めて特
殊な状態にある。そのため、この工程では、触媒金属が
結晶構造を構成するよりも低い温度、高い圧力で還元す
ることによって、触媒金属を非晶質状態とするのがよ
い。
【0071】例えば、還元剤として水素を用い、その還
元温度を調整することでカーボン粒子表面の触媒金属元
素を含む陽イオンが陽イオン交換樹脂中の触媒金属元素
を含む陽イオンに比べて優先的に還元されるようにし、
主としてカーボン粒子と固体高分子電解質との接触面に
触媒金属が還元生成されるようにすることができる。
【0072】ここで、パーフルオロカーボンスルフォン
酸型陽イオン交換樹脂膜中に吸着した白金アンミン錯イ
オン[Pt(NH2+の水素による還元温度は
約300℃である(境 哲男,大阪工業技術試験所季
報、36,10(1985))が、交換基を修飾したカ
ーボン粒子(Denka Black,Denka Bl
ack, Vulcan XC−72, Black Pe
al 2000等)の表面に吸着した[Pt(NH
2+ のそれは180℃であることが報告されてい
る(K. Amine, M. Mizuhata, K.
Oguro, H.Takenaka,J. Che
m. Soc. Faraday Trans., 91
4451(1995))。
【0073】つまり、カーボン粒子として例えばVul
can XC−72を用い、触媒原料化合物として[P
t(NH]Clを用い、陽イオン交換樹脂とカ
ーボン粒子とを含む混合体をその[Pt(NH
Clの水溶液に浸漬させて、陽イオン交換樹脂の対イ
オン(H)とのイオン交換反応により、[Pt(NH
2+を陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に
吸着させた後、水素ガスによりその混合体を180℃で
還元することによって、陽イオン交換樹脂とカーボン粒
子と触媒金属とを含む固体高分子電解質−触媒複合電極
であって、触媒金属(白金)が陽イオン交換樹脂のプロ
トン伝導経路に接するカーボン粒子の表面に担持された
触媒金属量が全触媒金属担持量の80wt%を越えるこ
とを特徴とする燃料電池用電極の製造が可能となる。
【0074】このように、適当な金属元素を含む陽イオ
ンとカーボン粒子との組み合わせを選択して、例えば水
素ガスによる還元温度を制御することで、陽イオン交換
樹脂とカーボン粒子と触媒金属とを含む固体高分子電解
質−触媒複合電極であって、陽イオン交換樹脂のプロト
ン伝導経路に接するカーボン粒子表面に担持された触媒
金属量が全触媒金属担持量の80wt%を越えることを
特徴とする燃料電池用電極の製造が可能となる。また、
還元されずに電極内に残った金属元素を含む陽イオン
([Pt(NH2+)は、還元工程後に電極を
酸性水溶液に浸漬することにより電極内より溶出し、回
収することができる。
【0075】水素ガスを含むガスによる還元の工程の温
度は、陽イオン交換樹脂を劣化させないために、その分
解温度より低いことが好ましく、さらに、そのガラス転
移温度より低いことが望ましい。よって、カーボン粒子
と触媒原料との選択は、水素ガスによる触媒原料の還元
温度が固体高分子電解質の分解温度またはガラス転移温
度より低くなるように組み合わせることが好ましい。
【0076】燃料電池用電極で一般に用いられている固
体高分子電解質はパーフルオロカーボンスルフォン酸型
であり、その分解温度は280℃であることから、それ
より低い温度で還元することによって電極内の固体高分
子電解質の劣化を押さえることができる。十分に還元反
応が進行することから200℃以下であることが好まし
く、特に100℃以上、200℃以下であることが好ま
しい。このように、本発明の製造方法によれば、還元温
度が200℃以下の低温であるために、還元中に粒子成
長が生じず、結晶成長が起らない。また、触媒金属を二
種類以上の金属からなる合金とした場合、このような低
温で合金化が進行するのは、カーボン粒子の触媒作用に
よるところが大きいと推測される。
【0077】水素ガスを含むガスによる還元時間は、第
1の工程で吸着させられた金属元素を含む陽イオンが十
分に還元されるとともにその還元によって得られる金属
の触媒活性が著しく向上することから、10時間以上で
あることが好ましく、さらに200時間以上であること
が好ましい。
【0078】さらに、第1の工程と第2の工程とを1回
以上行うことによって混合体に2種以上の金属元素を担
持した後に、混合体を不活性ガスを主成分とするガスの
雰囲気下で、あるいは酸性またはアルカリ性の溶液中で
エージングする場合、そのエージングする工程は、混合
体が二種以上の金属元素を含んだ状態であればどの工程
の後に行ってもよいが、第2の工程の後に行うことが好
ましい。さらに、そのエージングする工程を最後に行う
第2の工程の後に行うことが、より高活性な触媒が得ら
れることから特に好ましい。
【0079】また、そのエージングする時間が10時間
以上であれば、本発明の効果が高いことから好ましく、
200時間以上では本発明の効果がより高くなることか
ら特に好ましい。
【0080】また、それぞれの製造方法において、エー
ジングする際の温度はどのようなものでも本発明の効果
があるが、200℃以下であることが好ましく、特に1
0℃以上、200℃以下であることが好ましい。また、
エージングする際の圧力は、どのような値で行われても
本発明の効果があり、例えば1気圧以下、さらには0.
1気圧以下の減圧下でも行うことができるが、1気圧以
下であることが好ましい。
【0081】本発明の製造方法において用いられる金属
元素を含む陽イオンは、その陽イオンが還元されること
で触媒金属となることが可能な陽イオンであって、その
触媒金属は触媒として機能すればその形状等はとくに問
わない。金属元素を含む陽イオンは、例えば還元により
電気化学的な酸素の還元反応、水素酸化反応に対する触
媒活性が高い、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウ
ム、パラジウム、オスニウムなどの白金族金属粒子を形
成するものが好ましい。そのために白金族金属を含む陽
イオンを吸着させる第1の工程を含むことが好ましい。
【0082】また、金属元素を含む陽イオンの形態はそ
の吸着特性に大きくかかわり、本発明に用いる金属元素
を含む陽イオンは、陽イオン交換樹脂が被覆されずに露
出しているカーボン表面には吸着し難く、陽イオン交換
樹脂の対イオンとのイオン交換反応により陽イオン交換
樹脂のプロトン伝導経路に優先的に吸着することが好ま
しい。そのような吸着特性を持つ白金族金属を含む陽イ
オンとして、白金族金属の錯イオン、とくに[Pt(N
2+や[Pt(NH4+などと表す
ことができる白金のアンミン錯イオン、または[Ru
(NH や[Ru(NH3+が好ま
しい。
【0083】さらに、マグネシウム、アルミニウム、バ
ナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅、亜鉛、銀またはタングステンとからなる群より
選ばれた少なくとも一つの元素と白金族金属とを含む合
金は、白金族金属使用量を低減できることと、耐CO被
毒性や酸素の還元反応に対して高い活性が得られること
が期待できることとから触媒金属として好ましい。
【0084】このことから、本発明の燃料電池用電極の
製造方法では、マグネシウム、アルミニウム、バナジウ
ム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、
亜鉛、銀またはタングステンとからなる群より選ばれた
少なくとも一つの元素を含む陽イオンと白金族金属を含
む陽イオンとを同時に吸着させる第1の工程を含むこと
が好ましく、または、マグネシウム、アルミニウム、バ
ナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅、亜鉛、銀またはタングステンとからなる群より
選ばれた少なくとも一つの元素を含む陽イオンを吸着さ
せると第1の工程と白金族金属を含む陽イオンを吸着さ
せる第1の工程とを含むことが好ましい。
【0085】カーボン粒子としては、金属元素を含む陽
イオンの還元反応に対して高い活性を示すカーボンブラ
ックが好ましく、例えば、、Denka Black、
Vulcan XC―72、Black Pearl 2
000等のカーボンブラックが特に好ましい。
【0086】陽イオン交換樹脂とカーボン粒子との混合
体は、固体状のもので、例えば、陽イオン交換樹脂とカ
ーボン粒子、必要に応じてPTFE粒子とが分散した多
孔体として用意されることが好ましい。特に、混合体
は、陽イオン交換樹脂とカーボン粒子とが均一に分散し
た多孔性の膜状形状を有することが好ましく、その膜の
厚さは3〜30μm、さらに好ましくは3〜20μmが
好ましい。
【0087】陽イオン交換樹脂とカーボン粒子との混合
体は、カーボン粒子、陽イオン交換樹脂溶液、さらに必
要に応じてPTFE粒子分散溶液とよりなるペーストを
高分子フィルム上に製膜(好ましくは膜厚3〜30μ
m)して乾燥して、または、カーボン粒子とPTFE粒
子分散溶液とよりなるペーストを高分子フィルム上に製
膜(好ましくは膜厚3〜30μm)して乾燥した後、陽
イオン交換樹脂溶液を塗布、含浸後乾燥させて、また
は、カーボン粒子、陽イオン交換樹脂溶液、さらに必要
に応じてPTFE粒子分散溶液とよりなるペーストを導
電性多孔質体のカーボン電極基材上に塗布、乾燥して、
または、カーボン粒子とPTFE粒子分散溶液とよりな
るペーストを導電性多孔質体のカーボン電極基材上に塗
布して、加熱乾燥した後、陽イオン交換樹脂溶液を塗
布、含浸、乾燥させて作製されるのが好ましい。さら
に、カーボン粒子と陽イオン交換樹脂溶液とよりなる混
合体をイオン交換膜の両面、または片面に接合した形態
としても良い。
【0088】ここで、不活性ガスとしては、たとえば一
般的に用いられるヘリウムガス、ネオンガス、アルゴン
ガス、窒素ガスなどを用いることができる。また、陽イ
オン交換樹脂またはカーボン粒子または触媒金属の性質
あるいは形状に大きな影響を及ぼさないガスであればよ
く、たとえば水素やヒドラジンなどを含んでもよい。
【0089】酸性溶液としては、硫酸、塩酸、硝酸、リ
ン酸、過塩素酸の群より選ばれた少なくとも一つの化合
物を含む溶液を用いることができ、それらの水溶液、ア
ルコール溶液、および水とアルコールとの混合溶液など
を用いることができる。
【0090】アルカリ性溶液としては、水酸基を有する
塩を含む化合物の溶液を用いることができ、特に水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムの群より選ばれた少なくと
も一つの化合物を含む溶液を用いることが好ましく、そ
れらの水溶液、アルコール溶液、および水とアルコール
との混合溶液を用いることができる。
【0091】このように製造された燃料電池用電極を用
いた固体高分子型燃料電池の構成の一例を次に説明す
る。本実施形態の燃料電池は、例えば、図1に示すよう
な構造である。固体高分子電解質膜1の片面にカソード
2a、他面にアノード2bが接合されており、このカソ
ード2a、アノード2bの固体高分子電解質膜1に接合
していない面には、それぞれ集電体3a,3bが当接さ
れている。そして、周囲にパッキン4を配すると共に、
集電体3a,3bにグラファイト正極板5aとグラファ
イト負極板5bを圧接してなるものである。
【0092】
【実施例】以下、本発明を好適な実施例を用いて説明す
る. [実施例1]陽イオン交換樹脂(アルドリッチ社製、ナ
フィオン5wt%溶液)とカーボン粒子(Vulcan
XC―72)とを混錬、加熱濃縮してペースト状に
し、高分子(FEP)フィルム上に製膜(膜厚約13μ
m)した後、室温で乾燥した。
【0093】上記陽イオン交換樹脂とカーボン粒子の混
合体を50mmol/lの[Pt(NH]Cl
水溶液中に24時間浸漬し、イオン交換反応により陽イ
オン交換樹脂のプロトン伝導経路に[Pt(N
2+を吸着(第1工程)させた後、精製水で
充分洗浄・乾燥後1気圧、180℃の水素雰囲気中で7
時間還元した(第2工程)。
【0094】引き続き、この陽イオン交換樹脂とカーボ
ン粒子との混合物を50mmol/lの[Ru(N
]Cl水溶液中に24時間浸漬し、イオン交
換反応により陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に
[Ru(NH3+を吸着させ(第1工程)、精
製水で充分洗浄・乾燥後、5気圧、200℃の水素雰囲
気中で24時間還元して(第2工程)、白金とルテニウ
ムとの合金を陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接
するカーボン粒子表面に優先的に担持させた。
【0095】さらに、0.5mol/lの硫酸に5時間
浸漬して還元工程で還元されなかった混合物中の不要な
[Pt(NH2+と[Ru(NH3+
とを溶出して実施例の電極Aを得た。別途行った分析に
より電極Aに担持された白金およびルテニウム量はそれ
ぞれ0.015mg/cm、0.008mg/cm
であることが、さらにTEM観察により、この触媒金属
粒子平均粒子径は1.0nmであることが確認されてい
る。ここで、電極AのX−ray回折パターンを図2−
aに示す。比較として、Pt−Ru担持カーボン(田中
貴金属製、Vulcan XC―72に白金を18.6
wt%、ルテニウムを14.4wt%担持)と陽イオン
交換樹脂(アルドリッチ社製、ナフィオン5wt%溶
液)とを白金およびルテニウムの担持量がそれぞれ0.
015mg/cm、0.008mg/cmとなるよ
うにカーボンペーパ上に塗布したのもののX−ray回
折パターンを図2−bに示す。
【0096】図2−bより、Pt−Ru担持カーボンを
使用して製作した電極では、2θの値が、35〜50°
の範囲、68°付近および83°付近にピークが見られ
た。これは、この電極では、Pt−Ru合金が結晶化し
ていることを示している(S.C.Thomas、X.
Ren、and S.Gottesfeld、Jour
nal of The Electrochemica
l Society、146、4354(199
9))。これに対して、本発明の電極Aでは、白金、ル
テニウム、それらの合金の結晶を示すピークが認められ
なかった。このことから、本発明の電極に担持された金
属が非晶質状態であることが判った。
【0097】[実施例2]陽イオン交換樹脂(アルドリ
ッチ社製、ナフィオン5wt%溶液)とカーボン粒子
(Vulcan XC―72)とを混錬、加熱濃縮して
ペースト状にし、高分子(FEP)フィルム上に製膜
(膜厚約13μm)した後、室温で乾燥した。
【0098】そして、上記陽イオン交換樹脂とカーボン
粒子の混合体を50mmol/lの[Pt(N
]Cl水溶液中に24時間浸漬し、イオン交
換反応により陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に
[Pt(NH2+を吸着(第1工程)させた
後、精製水で充分洗浄・乾燥後1気圧、180℃の水素
雰囲気中で7時間還元した(第2工程)。
【0099】引き続き、この陽イオン交換樹脂とカーボ
ン粒子との混合物を50mmol/lの[Ru(N
]Cl水溶液中に24時間浸漬し、イオン交
換反応により陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に
[Ru(NH3+を吸着させ(第1工程)、精
製水で充分洗浄・乾燥後、5気圧、200℃の水素雰囲
気中で7時間還元して(第2工程)、白金とルテニウム
との合金を陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接す
るカーボン粒子表面に優先的に担持させた。
【0100】さらに、0.5mol/lの硫酸に1時間
浸漬して還元工程で還元されなかった混合物中の不要な
[Pt(NH2+と[Ru(NH3+
とを溶出した。その後、100℃、0.1%の空気を含
むアルゴンガス雰囲気下で10時間エージングする(第
3工程)ことによって実施例の電極Bを得た。別途行っ
た分析により電極Bに担持された白金およびルテニウム
量はそれぞれ0.014mg/cm、0.008mg
/cmであることが、さらにTEM観察により、この
触媒金属粒子の平均粒子径は1.0nmであることが確
認された。
【0101】[実施例3]陽イオン交換樹脂(アルドリ
ッチ社製、ナフィオン5wt%溶液)とカーボン粒子
(Vulcan XC―72)とを混錬、加熱濃縮して
ペースト状にし、高分子(FEP)フィルム上に製膜
(膜厚約13μm)した後、室温で乾燥した。
【0102】そして、上記陽イオン交換樹脂とカーボン
粒子の混合体を38.3mmol/lの[Pt(N
]Clと12.8mmol/lの[Ru(N
]Clとを含む水溶液中に24時間浸漬し、
イオン交換反応により陽イオン交換樹脂のプロトン伝導
経路に[Pt(NH2+と[Ru(N
3+とを吸着させた(第1工程)後、精製水
で充分洗浄・乾燥後1気圧、200℃の水素雰囲気中で
7時間還元させる(第2工程)ことによって白金とルテ
ニウムとの合金を陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路
に接するカーボン粒子表面に優先的に担持させた。その
後、同様に第1の工程と第2の工程とをさらにもう一度
行った。
【0103】さらに、0.5mol/lの硫酸に1時間
浸漬して還元工程で還元されなかった混合物中の不要な
[Pt(NH2+と[Ru(NH3+
とを溶出した。その後、100℃、0.1%の空気を含
むアルゴンガス雰囲気下で10時間エージングする(第
3工程)ことによって実施例の電極Cを得た。別途行っ
た分析により電極Cに担持された白金およびルテニウム
量はそれぞれ0.015mg/cm、0.008mg
/cmであることが、さらにTEM観察により、この
触媒金属粒子の平均粒子径は1.0nmであることが確
認された。
【0104】[実施例4]陽イオン交換樹脂(アルドリ
ッチ社製、ナフィオン5wt%溶液)とカーボン粒子
(Vulcan XC―72)とを混錬、加熱濃縮して
ペースト状にし、高分子(FEP)フィルム上に製膜
(膜厚約13μm)した後、室温で乾燥した。
【0105】そして、上記陽イオン交換樹脂とカーボン
粒子の混合体を50mmol/lのNi(NO
溶液中に24時間浸漬し、イオン交換反応により陽イオ
ン交換樹脂のプロトン伝導経路にNi2+を吸着させた
(第1工程)後、精製水で充分洗浄・乾燥後30気圧、
180℃の水素雰囲気中で6時間還元した(第2工
程)。
【0106】引き続き、この陽イオン交換樹脂とカーボ
ン粒子との混合物を50mmol/lの[Pt(N
]Cl水溶液中に24時間浸漬し、イオン交
換反応により陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に
[Pt(NH2+を吸着させた(第1工程)
後、精製水で充分洗浄・乾燥後、1気圧、200℃の水
素雰囲気中で5時間還元して(第2工程)、白金とニッ
ケルとを陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接する
カーボン粒子表面に優先的に担持させた。
【0107】さらに上記混合物を再度50mmol/l
の[Pt(NH]Cl水溶液中に24時間浸漬
し、イオン交換反応により陽イオン交換樹脂のプロトン
伝導経路に[Pt(NH2+を吸着させた(第
1工程)後、精製水で充分洗浄・乾燥後、1気圧、20
0℃の水素雰囲気中で12時間還元(第2工程)して、
白金とニッケルとの合金を陽イオン交換樹脂のプロトン
伝導経路に接するカーボン粒子表面に優先的に担持させ
た。
【0108】さらに、0.5mol/lの硫酸に一昼夜
浸漬して還元工程で還元されなかった混合物中の不要な
Ni2+と[Pt(NH2+とを溶出して実施
例の電極Dを得た。別途行った分析により電極Dに担持
された白金量は約0.04mg/cmであることが、
さらにTEM観察により、この触媒金属粒子の平均粒子
径は1.2nmであることが確認された。
【0109】[実施例5]また、実施例2で製作した電
極Bを100℃、0.1Nの硫酸水溶液中で24時間エ
ージングし(第3工程)、電極E1を得た。さらに、実
施例2で製作した電極Bを100℃、0.1Nの水酸化
ナトリウム水溶液中で24時間エージングし(第3工
程)、電極E2を得た。
【0110】[実施例6]陽イオン交換樹脂(アルドリ
ッチ社製、ナフィオン5wt%溶液)30gとカーボン
粒子(Vulcan XC―72)2.8gとを混錬、
加熱濃縮してペースト状にし、高分子(FEP)フィル
ム上に製膜(膜厚約13μm)した後、室温で乾燥し
た。このようにして成形体を得た。上記陽イオン交換樹
脂とカーボン粒子の成形体0.75gを50mmol/
lの[Pt(NH]Cl水溶液100ml中に
24時間浸漬し、イオン交換反応により陽イオン交換樹
脂のプロトン伝導経路に[Pt(NH2+を吸
着させた後、精製水で充分洗浄・乾燥後1気圧、180
℃の水素雰囲気中で24時間還元した。このようにして
白金を陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボン
粒子表面との接面に優先的に担持させた。さらに、0.
5mol/lの硫酸に5時間浸漬して還元工程で還元さ
れなかった混合物中の不要な[Pt(NH2+
を溶出して実施例の電極Fを得た。別途行った分析によ
り電極Fに担持された白金量は0.015mg/c
、であることが、さらにTEM観察により、この触
媒金属粒子平均粒子径は1.0nmであることが確認さ
れた。
【0111】[比較例1]Pt−Ru担持カーボン(田
中貴金属製、Vulcan XC―72に白金を18.
6wt%、ルテニウムを14.4wt%担持)と陽イオ
ン交換樹脂(アルドリッチ社製、ナフィオン5wt%溶
液)とを混錬、加熱濃縮してペースト状にし、高分子
(FEP)フィルム上に製膜(膜厚約13μm)した
後、室温で乾燥して比較例の電極Gを得た。電極Gの白
金量が約0.05mg/cmとなるように、ペースト
作製時のPt−Ru担持カーボンの量を調整した。
【0112】[比較例2]白金担持カーボン(田中貴金
属製、 Vulcan XC―72に白金を30wt%担
持)と陽イオン交換樹脂(アルドリッチ社製、ナフィオ
ン5wt%溶液)とを混錬、加熱濃縮してペースト状に
して、高分子(FEP)フィルム上に製膜(膜厚約13
μm)したのち室温で乾燥して比較例の電極Hを得た。
電極Hの白金量は、約0.05mg/cmとなるよう
に、ペースト作製時の白金担持カーボンの量を調整し
た。
【0113】[比較例3]陽イオン交換樹脂(アルドリ
ッチ社製、ナフィオン5wt%溶液)とカーボン粒子
(Vulcan XC―72)とを混錬、加熱濃縮して
ペースト状にし、高分子(FEP)フィルム上に製膜
(膜厚約13μm)した後、室温で乾燥した。
【0114】上記陽イオン交換樹脂とカーボン粒子の混
合体を50mmol/lの[Pt(NH]Cl
水溶液中に24時間浸漬し、イオン交換反応により陽イ
オン交換樹脂のプロトン伝導経路に[Pt(N
2+を吸着させた(第1工程)後、精製水で
充分洗浄・乾燥後1気圧、180℃の水素雰囲気中で7
時間還元した(第2工程)。
【0115】引き続き、この陽イオン交換樹脂とカーボ
ン粒子との混合物を50mmol/lの[Ru(N
]Cl水溶液中に24時間浸漬し、イオン交
換反応により陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に
[Ru(NH3+を吸着させ(第1工程)、精
製水で充分洗浄・乾燥後、5気圧、200℃の水素雰囲
気中で7時間還元(第2工程)して、白金とルテニウム
との合金を陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接す
るカーボン粒子表面に優先的に担持させた。
【0116】さらに、0.5mol/lの硫酸に1時間
浸漬して還元工程で還元されなかった混合物中の不要な
[Pt(NH2+と[Ru(NH3+
とを溶出すことによって実施例の電極Iを得た。別途行
った分析により電極Iに担持された白金およびルテニウ
ム量はそれぞれ0.014mg/cm、0.008m
g/cmであることが、さらにTEM観察により、こ
の触媒金属粒子平均粒子径は1.0nmであることが確
認された。
【0117】実施例の電極A、B、C、E1、E2、
F、G、H、Iをアノードとし、電極Hをカソードとし
て、ホットプレス(140℃)にてイオン交換膜(デュ
ポン社製、ナフィオン、膜厚約50μm)の両面にそれ
ぞれ接合した後、撥水性を付与した導電性多孔質体のカ
ーボンペーパーを両電極の外側にホットプレスにて接合
し、単セルホルダーに組んで、それぞれセルA、セル
B、セルC、セルE1、セルE2、セルF、セルG、セ
ルH、セルIを得た。
【0118】また、実施例の電極Dをカソードとし、電
極Hをアノードとして、ホットプレス(140℃)にて
イオン交換膜(デュポン社製、ナフィオン、膜厚約50
μm)の両面にそれぞれ接合した後、撥水性を付与した
導電性多孔質体のカーボンペーパーを両電極の外側にホ
ットプレスにて接合し、単セルホルダーに組んで、セル
Dを得た。
【0119】セルAとセルHとの電気化学的な特性をサ
イクリックボルタンメトリ法を用いて評価した。各セル
の電極Aまたは電極Hの側を作用極、他方を対象極とし
た。作用極側に26℃で加湿した100ppmのCOを
含むアルゴンガス、対象極側に水素ガスをそれぞれ30
cc/min流し,300mV/RHEにて30分間保
持した後、作用極側のガスをアルゴンガスに切り替えて
さらに30分間保持した。
【0120】続いて、100mV/secにてそれぞれ
50〜800mV/RHE、50〜1000mV/RH
Eの範囲で作用極の電位を掃印した。測定は26℃一定
にておこなった。RHE電位は、開回路時の参照極に対
する対象極の電位とした。その結果を図3に示す。
【0121】図3より、各セルではCO脱離のピークが
観察できた。セルAの場合に観察されたCO脱離による
ピークの立ち上がり電位がセルHの場合に比べてより卑
であり、その形状はセルHの場合に比べてよりブロード
であった。この結果は、電極Aでは非晶質状態の触媒金
属が担持されていることを支持するものである。
【0122】次に、各セルについて、供給ガスに酸素
と、20ppmのCOを含む水素(2気圧、80℃)と
を用い、0.5Vのセル電圧で運転した際の電流密度の
経時変化を計測した。
【0123】セルAとGとについての結果を図4に示
す。本発明の電極Aをアノードに用いたセルAの出力電
流は、従来の電極Gをアノードの用いたセルGのものと
同等であり、本発明の電極Aは白金担持量が従来の電極
の1/3にもかかわらず、高い耐CO被毒性を有するこ
とが判った。
【0124】また、実施例1の電極製造過程における5
気圧200℃の水素雰囲気中での還元工程を行う時間を
0、1、3、5、10、30、50、100、250時
間でおこなった電極を製作し、それぞれを電極Aの場合
と同様に単セルに組んで20ppmのCOを含む水素
(2気圧、80℃)を用い、0.5Vのセル電圧で運転
した。
【0125】各セルの出力電流値から、出力電流密度に
対する還元工程を行う時間の変化の影響を調べた結果を
図5に示す。還元工程を行う時間が10時間以上の場合
に、高い耐CO被毒性能が得られることがわかった。
【0126】次に、セルA、B、C、E1、E2、F、
H、Iに酸素と20ppmのCOを含む水素とを供給
し、セル電圧0.5Vで運転した。運転温度は、セルA
〜E2及びIでは80℃、セルFとHでは90℃であっ
た。各セルの運転開始から120分後の出力電流値の値
を図6に示す。セルA〜E2は、セルIに比べて高い出
力を示し、セルFはセルHに比べ高い出力を示した。
【0127】また、セルD、Hに供給ガスとして酸素と
水素(2気圧、80℃)とを用い、0.5Vのセル電圧
で運転した際の電流密度の経時変化を計測した結果を図
7に示す。本発明の電極Dをカソードに用いたセルDの
出力電圧は、従来の電極Hをカソードの用いたセルHよ
り高く、本発明の電極Dは白金担持量が従来の電極と同
等であるにもかかわらず、酸素還元反応に対して高い活
性を有することが判った。
【0128】これらのことは、本発明の電極が、陽イオ
ン交換樹脂とカーボン粒子と金属元素を含む触媒金属と
を含み、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボ
ン粒子表面との接面に、触媒金属粒子が主に担持されて
いる固体高分子電解質−触媒複合電極であって、その触
媒金属が非晶質状態であることにより、また平均粒子径
が1.5nm以下であることにより、触媒金属の単位重
量あたりの触媒活性が向上したことによっている。
【0129】さらに、実施例1の電極製造方法過程にお
ける還元工程における圧力、還元温度、還元時間を調節
することによって、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経
路に接するカーボン粒子表面に担持された触媒金属量
が、全触媒金属担持量の25、30、50、70、8
0、90wt%であるような電極を製作した。それぞれ
を電極Aの場合と同様に単セルに組んで50ppmのC
Oを含む水素(2気圧、90℃)を用い、0.5Vのセ
ル電圧で運転し、各セルの出力電流値を測定した。
【0130】出力電流密度と、陽イオン交換樹脂のプロ
トン伝導経路に接するカーボン粒子表面に担持された触
媒金属量の全触媒金属担持量に対する割合との関係を図
8に示す。実施例1に示した方法で製作した本発明の電
極では、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接する
カーボン粒子表面に担持された触媒金属量の全触媒金属
担持量に対する割合が80wt%を越えたときに、特に
高い性能になることが判った。
【0131】
【発明の効果】本発明の燃料電池用電極によれば、活性
が高く、触媒利用率の大きい電極が得られ、安価で、耐
CO被毒特性またはメタノールの電気化学的酸化反応に
対する活性が高い高性能な燃料電池が可能となる。
【0132】また、本発明の燃料電池用電極の製造方法
によれば、カーボン粒子表層に形成される三相界面に触
媒金属が担持されるため、すべての触媒金属をその三相
界面で有効に働かせることが可能で、触媒金属の利用率
の向上はもちろん、電極の高活性化をはかることも可能
となる。そして、少ない触媒金属量で、高効率な燃料電
池用電極を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体高分子形燃料電池の一例の概略断面図。
【図2】本発明の電極と、Pt−Ru担持カーボンおよ
び陽イオン交換樹脂をカーボンペーパ上に塗布したもの
とのX−ray回折パターンの比較図。
【図3】セルAとセルHとのサイクリックボルタモグラ
ムを示す図。
【図4】セルAとセルGとの出力電流密度の経時変化を
示す図。
【図5】出力電流密度と第2の工程における還元時間と
の関係を示す図。
【図6】セルA、B、C、E1、E2、F、HおよびI
の出力電流密度を示す図。
【図7】セルDとセルHとの出力電流密度の経時変化を
示す図。
【図8】出力電流密度と、陽イオン交換樹脂のプロトン
伝導経路に接するカーボン粒子表面に担持された触媒金
属量の全触媒金属担持量に対する割合との関係を示す
図。
【図9】陽イオン交換樹脂−触媒複合電極の構造の例。
【図10】従来の電極の、カーボン粒子の表層の状態を
示す概念図。
【図11】本発明の電極の、カーボン粒子の表層の状態
を示す概念図。
【符号の説明】
1 固体高分子電解質膜 2a カソード 2b アノード 3a,3b 集 電 体 4 パッキン 5a 正 極 板 5b 負 極 板 101 カーボン粒子 102 陽イオン交換樹脂 103 イオン交換膜 104 細 孔 111、121 カーボン粒子 112、122 陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路 113、123 陽イオン交換樹脂の骨格部 114、115、125 触媒金属粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H018 AA06 AS02 AS03 BB05 BB17 EE02 EE03 EE04 EE05 HH01 HH05 HH08 HH10 5H026 AA06 BB03 BB10 EE02 EE05 HH01 HH05 HH08 HH10

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽イオン交換樹脂とカーボン粒子と触媒
    金属とを含む固体高分子電解質―触媒複合電極であっ
    て、その触媒金属が非晶質状態であることを特徴とする
    燃料電池用電極。
  2. 【請求項2】 陽イオン交換樹脂とカーボン粒子と触媒
    金属とを含む固体高分子電解質―触媒複合電極であっ
    て、触媒金属の平均粒子径が1.5nm以下であること
    を特徴とする燃料電池用電極。
  3. 【請求項3】 触媒金属の平均粒子径が1.5nm以下
    であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用電
    極。
  4. 【請求項4】 陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路と
    カーボン粒子表面との接面に担持された触媒金属量が全
    触媒金属担持量の80wt%を越えることを特徴とする
    請求項1〜3記載の燃料電池用電極。
  5. 【請求項5】 触媒金属が白金族金属元素を含むことを
    特徴とする請求項1〜4記載の燃料電池用電極。
  6. 【請求項6】 触媒金属が白金元素とルテニウム元素と
    を含むことを特徴とする請求項1〜5記載の燃料電池用
    電極。
  7. 【請求項7】 触媒金属がマグネシウム、アルミニウ
    ム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニ
    ッケル、銅、亜鉛、銀およびタングステンとからなる群
    より選ばれた少なくとも一つの元素を含むことを特徴と
    する請求項1〜6記載の燃料電池用電極。
  8. 【請求項8】 電極に含まれる触媒金属の量が電極の単
    位面積当たり0.1mg/cm以下であることを特徴
    とする請求項1〜7記載の燃料電池用電極。
  9. 【請求項9】 電極に含まれる白金族金属元素の量が電
    極の単位面積当たり0.05mg/cm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜8記載の燃料電池用電極。
  10. 【請求項10】 陽イオン交換樹脂とカーボン粒子とを
    含む混合体の陽イオン交換樹脂に、金属元素を含む陽イ
    オンをイオン交換反応により吸着させる第1の工程と、
    第1の工程で得られた混合体中の金属元素を含む陽イオ
    ンを化学的に還元する第2の工程とを経る燃料電池用電
    極の製造方法であって、第2の工程が、前記混合体を、
    水素ガスを含むガス雰囲気下で10時間以上保持する工
    程を含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  11. 【請求項11】 第2の工程が200℃以下の温度で行
    われることを特徴とする請求項10記載の燃料電池用電
    極の製造方法。
  12. 【請求項12】 陽イオン交換樹脂とカーボン粒子とを
    含む混合体に、金属元素を含む陽イオンをイオン交換反
    応により陽イオン交換樹脂に吸着させる第1の工程と、
    第1の工程で得られた混合体中の金属元素を含む陽イオ
    ンを化学的に還元する第2の工程とを経る燃料電池用電
    極の製造方法であって、第1の工程と第2の工程とを1
    回以上行った後に、不活性ガスを主成分とするガスの雰
    囲気下で、あるいは酸性またはアルカリ性の溶液中で混
    合体をエージングする第3の工程を含むことを特徴とす
    る燃料電池用電極の製造方法。
  13. 【請求項13】 第2の工程および第3の工程の少なく
    とも一方が200℃以下の温度で行われることを特徴と
    する請求項12記載の燃料電池用電極の製造方法。
  14. 【請求項14】 第3の工程が10時間以上かけて行わ
    れることを特徴とする請求項12または13記載の燃料
    電池用電極の製造方法。
  15. 【請求項15】 陽イオン交換樹脂のイオン交換容量が
    2.5meq/g以下であることを特徴とする請求項1
    0〜14記載の燃料電池用電極の製造方法。
  16. 【請求項16】 第2の工程の後に、陽イオンを無機酸
    により溶出する工程を含むことを特徴とする請求項10
    〜15記載の燃料電池用電極の製造方法。
  17. 【請求項17】 第2の工程において、混合体が2種以
    上の金属元素を含むことを特徴とする請求項10〜16
    記載の燃料電池用電極の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項10〜17記載の燃料電池用電
    極の製造方法により製造されること特徴とする請求項1
    〜9記載の燃料電池用電極。
  19. 【請求項19】 請求項1〜9記載の燃料電池用電極ま
    たは請求項10〜18記載の製造方法により製造された
    燃料電池用電極をアノードまたはカソードの少なくとも
    一方に用いたことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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