JP2002098800A - 放射線発光パネル - Google Patents

放射線発光パネル

Info

Publication number
JP2002098800A
JP2002098800A JP2000290174A JP2000290174A JP2002098800A JP 2002098800 A JP2002098800 A JP 2002098800A JP 2000290174 A JP2000290174 A JP 2000290174A JP 2000290174 A JP2000290174 A JP 2000290174A JP 2002098800 A JP2002098800 A JP 2002098800A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
protective film
phosphor layer
radiation
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000290174A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Ogawa
博 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000290174A priority Critical patent/JP2002098800A/ja
Publication of JP2002098800A publication Critical patent/JP2002098800A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
  • Radiography Using Non-Light Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 保護膜と蛍光体層の不均一な接着に起因する
放射線発光パネルの画質低下を防止する。 【解決手段】 厚さ1mm未満の保護膜2上に、気相堆積
法により蛍光体を堆積させて蛍光体層1を形成する。保
護膜2上に形成された蛍光体層1を、保護膜2よりも厚
い支持体3上に、蛍光体層1と支持体3が接するように
合わせて放射線発光パネルの側面を封止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝尽性蛍光体を利
用する放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネ
ルや、蛍光体によって透過放射線を可視光および/また
は紫外放射線に変換するためのX線写真用増感パネル等
の放射線発光パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代わる方法とし
て、たとえば特開昭55-12145号に記載されているような
輝尽性蛍光体を用いる放射線像変換方法が知られてい
る。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線像変換
パネル(蓄積性蛍光体シート)を利用するもので、被写
体を透過した、あるいは被検体から発せられた放射線を
パネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、そののちに輝尽性蛍
光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系
列的に励起することにより、輝尽性蛍光体中に蓄積され
ている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光光)として放
出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号を得、
次いで得られた電気信号に基づいて被写体あるいは被検
体の放射線画像を可視像として再生するものである。読
み取りを終えたパネルは、残存する画像の消去が行なわ
れた後、次の撮影のために備えられる。すなわち、放射
線像変換パネルは繰り返し使用されるものである。
【0003】この放射線像変換方法によれば、従来の放
射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放射線写
真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で
情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利
点がある。さらに、従来の放射線写真法では一回の撮影
ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、この
放射線像変換方法では放射線像変換パネルをくり返し使
用するので資源保護、経済効率の面からも有利である。
【0004】放射線像変換方法に用いられる放射線像変
換パネルは、基本構造として、無機または有機の支持体
とその表面に気相堆積法で設けられた輝尽性蛍光体層と
からなるものである。蛍光体層の輝尽性蛍光体はX線な
どの放射線を吸収したのち励起光の照射を受けると輝尽
発光を示す性質を有するものであるから、被写体を透過
したあるいは被検体から発せられた放射線は、その放射
線量に比例して放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層に
吸収され、パネルには被写体あるいは被検体の放射線像
が放射線エネルギーの蓄積像として形成される。この蓄
積像は、上記励起光を照射することにより輝尽発光光と
して放出させることができ、この輝尽発光光を光電的に
読み取って電気信号に変換することにより放射線エネル
ギーの蓄積像を画像化することが可能となる。
【0005】輝尽性蛍光体層の表面(支持体に面してい
ない側の表面)には通常、保護膜が設けられていて、蛍
光体層を吸湿等の化学的な変質あるいは物理的な汚染か
ら保護している。保護膜には、透明な有機高分子物質を
適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の上に塗
布することで形成されたもの、あるいはポリエチレンテ
レフタレートなどの有機高分子フィルムや透明なガラス
板などの保護膜形成用シートを別に形成して蛍光体層の
表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あるいは無機
化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜したものな
どが知られている。これらは、特許2715189号の他、特
開昭62-15498号、特開昭62-209400号、特開昭62-245200
号、特開平8-043598号、特開平8-201598号、特公平4-76
440号、特公平7-13680号等に記載されている。
【0006】ところが、上記保護層を設けることにより
得られた放射線発光パネルの画質が保護層を設けられて
いないパネルの画質に比べて低下することが多かった。
この画質低下の原因としては保護層表面や内面で光が反
射することも一因としてあげられるが、さらに大きな原
因として保護層と蛍光体層が均一に接着していないた
め、保護層と蛍光体層との間で光の乱反射が起こってい
ることが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】保護層は、一般に、支
持体上に形成された蛍光体層の上に保護層用塗布液を塗
布することにより、あるいは別に作成した保護膜を接着
することにより設けられる。後者の場合、さらに保護層
と蛍光体層の間にバインダー層を設けて保護層と蛍光体
層を均一に接着し、保護層内面および蛍光体層表面での
光の反射を防止することも考えられる。しかし、蛍光体
層上に薄い保護層を設ける方法により保護層と蛍光体層
の接着を均一に行うには限界がある。
【0008】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、保護層を設けても画質の低下が少ない放射線像変換
パネルを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の放射線発光パネ
ルは、厚さ1mm未満の透明保護膜上に、気相堆積法によ
り蛍光体を堆積させて蛍光体層を形成した後、該保護膜
付き蛍光体層を支持体上に封止してなることを特徴とす
るものである。
【0010】放射線発光パネルとは、輝尽性蛍光体を含
有する放射線像変換パネルの他、輝尽性でない蛍光体を
用いて透過放射線を可視光および/または紫外放射線に
変換するためのX線写真用増感パネルなども含む広い概
念である。
【0011】前記支持体は、保護膜よりも厚いことが好
ましい。前記保護膜の厚さは1mm未満、好ましくは500
μm以下、より好ましくは100μm以下、さらには10μm以
下であることが望ましい。
【0012】前記蛍光体層と前記支持体との間には、接
着層が設けられていることが好ましい。封止とは、支持
体上に保護膜付きの蛍光体層をのせ、少なくとも蛍光体
層の側面を保護膜で包み込んだり、あるいは別の封止材
で蛍光体層の側面を包みこむことを意味し、支持体も蛍
光体層とともに封止されていてもよい。
【0013】前記蛍光体は柱状形態であることが好まし
い。柱状形態とは、保護膜面上に蛍光体の短軸面が接し
て蛍光体が保護膜面上に柱状に立っていることを意味す
る。前記蛍光体は輝尽性蛍光体であってもよい。
【0014】
【発明の効果】本発明の放射線発光パネルは、厚さ1mm
未満の透明保護膜上に、気相堆積法により蛍光体を堆積
させて蛍光体層を形成した後、この保護膜付き蛍光体層
を支持体上に封止したので、画質低下の少ない放射線発
光パネルとすることができる。
【0015】すなわち、通常の放射線発光パネルは、支
持体上に蛍光体層を設けた後、蛍光体層上に保護膜を形
成するが、本発明の放射線発光パネルは、保護膜上に気
相堆積法により蛍光体を堆積させて蛍光体層を形成した
後、この保護膜付き蛍光体層の蛍光体層面を支持体上に
封止したので、保護膜と蛍光体層間の接着が均一とな
り、保護膜と蛍光体層間で光の乱反射が起こりにくいた
め、画質の良好な放射線発光パネルとすることができ
る。
【0016】また、本発明の放射線発光パネルは、保護
膜付き蛍光体層を支持体上に封止するので、蛍光体層が
大気に曝されることがなく、湿気などによって側面から
蛍光体層が変質するといったことがないため、放射線発
光パネルの耐久性の向上を図ることができる。なお、保
護膜付き蛍光体層を保護膜よりも厚い支持体上に封止す
る場合には、さらに上記効果を高めることができる。
【0017】また、蛍光体層と支持体との間に接着層が
設けられている場合には、放射線発光パネルの強度の向
上を図ることができる。
【0018】X線画像を読み出すには保護膜面からレー
ザ光を照射するが、蛍光体が柱状形態である場合には、
柱状蛍光体の端部から光が入り蛍光体層内で光が広がり
にくいのでより鮮明なX線画像を取り出すことができ
る。
【0019】なお、本発明は輝尽性でない蛍光体を用い
て透過放射線を可視光および/または紫外放射線に変換
するためのパネル、例えばX線写真用増感パネル等の蛍
光体層の画質向上にも有用であるが、輝尽性蛍光体を用
いた放射線像変換パネルにおいて極めて有用である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は本発明の一の実施の
形態を示す放射線発光パネルの作成工程を示す概略模式
図、図2は本発明の第一の実施の形態を示す放射線発光
パネルの断面図、図3は本発明の第二の実施の形態を示
す放射線発光パネルの断面図である。
【0021】図1に示すように本発明の放射線発光パネ
ルは、透明保護膜2上に、気相堆積法により蛍光体を堆
積させて蛍光体層1を形成した後、この保護膜2付きの
蛍光体層1を、蛍光体層1の面を支持体3上に封止して
なるものである。
【0022】なお、特公平 7-27078号には保護層上に輝
尽性蛍光体を形成した後、支持体を設ける手順をとって
も良いとの記載があるが、これはあくまでも製造工程順
の一例を示したに過ぎず、保護層上に直接蛍光体層を設
けた方が画質が向上することについて何ら示唆している
ものではない。
【0023】放射線発光パネルの側面の封止は、図2に
示すように保護膜2によって行ってもよいし、図3に示
すように封止材4により別途行ってもよい。
【0024】図4は本発明の第三の実施の形態を示す放
射線発光パネルの断面図であるが、このように蛍光体層
1と支持体3との間に接着層5が設けられていてもよ
い。
【0025】図5は柱状形態の蛍光体で構成された蛍光
体層と保護膜を模式的に表した断面図であるが、このよ
うに蛍光体層は蛍光体11の短軸面が保護膜2上に接し、
蛍光体11が柱状形態をなし蛍光体層を形成していること
が好ましい。蛍光体が球状粒子の蛍光体層の場合には、
蛍光体層内でレーザ光が拡散してX線画像がぼやける場
合があるが、柱状の蛍光体の場合には、柱状蛍光体の端
部から光が入り蛍光体層内で光が拡散することが少ない
ので、より鮮明なX線画像を取り出すことが可能とな
る。
【0026】本発明の放射線発光パネルについて、以下
にさらに詳細に述べる。
【0027】まず、本発明の放射線像変換パネルの蛍光
体層を構成する輝尽性蛍光体について述べる。輝尽性蛍
光体は、先に述べたように放射線を照射した後、励起光
を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的な
面からは波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって
300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体であるこ
とが望ましい。本発明の放射線像変換パネルに用いられ
る輝尽性蛍光体の例としては、特公平7-84588号等に記
載されている 一般式 (M1-f・Mf I)X・bMIIIX3″:cA(I) で表される輝尽性蛍光体が好ましい。輝尽発光輝度の点
から一般式(I)における Mとしては、Rb,Csおよ
び/またはCsを含有したNa、同Kが好ましく、特にRbお
よびCsから選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属が好
ましい。MIII としてはY,La,Lu,Al,GaおよびInか
ら選ばれる少なくとも一種の三価金属が好ましい。X″
としては、F,ClおよびBrから選ばれる少なくとも一種
のハロゲンが好ましい。MIIIX3″の含有率を表すb値は
0≦b≦10-2の範囲から選ばれるのが好ましい。
【0028】一般式(I)において、賦活剤Aとしては
Eu,Tb,Ce,Tm,Dy,Ho,Gd,Sm,TlおよびNaから選ば
れる少なくとも一種の金属が好ましく、特にEu,Ce,S
m,TlおよびNaから選ばれる少なくとも一種の金属が好
ましい。また、賦活剤の量を表すC値は10-6<C<0.1
の範囲から選ばれるのが輝尽発光輝度の点から好まし
い。
【0029】また、さらに以下の輝尽性蛍光体も用いる
ことができる。
【0030】米国特許第3,859,527号明細書に記載され
ているSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、ThO2:Er、およびLa2O2S:
Eu,Sm、特開昭55-12142号に記載されている ZnS:Cu,P
b、BaO・xAl2O3:Eu(ただし、0.8≦x≦10)、および、M
IIO・xSiO2 :A(ただし、MIIはMg,Ca,Sr,Zn,Cd、ま
たはBaであり、AはCe,Tb,Eu,Tm,Pb,Tl,Biまたは
Mnであり、xは0.5≦x≦2.5である)、特開昭55-12143
号に記載されている (Ba1-X-y ,MgX ,Cay )FX:aEu
2+(ただし、X はClおよびBrのうちの少なくとも一種で
あり、xおよびyは、0<x+y≦0.6、かつxy≠0であ
り、aは、10-6≦a≦5×10-2である)、特開昭55-1214
4号に記載されている LnOX:xA(ただし、LnはLa,Y,G
d、およびLuのうちの少なくとも一種、XはClおよびBrの
うちの少なくとも一種、AはCeおよびTbのうちの少なく
とも一種、そして、xは、0<x<0.1である)、特開
昭55-12145号に記載されている(Ba1-X,M2+ X)FX:yA(た
だし、M2+はMg,Ca,Sr,Zn、およびCdのうちの少なく
とも一種、XはCl,BrおよびIのうちの少なくとも一
種、AはEu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,YbおよびEr
のうちの少なくとも一種、そしてxは0≦x≦0.6、y
は0≦y≦0.2である)、特開昭55-160078号に記載され
ているMIIFX・xA:yLn(ただし、MIIはBa,Ca,Sr,Mg,
ZnおよびCdのうちの少なくとも一種、AはBeO,MgO,Ca
O,SrO,BaO,ZnO,Al2O3,Y2O3,La2O3,In2O3,Si
O2,TiO2,ZrO2,GeO2,SnO2,Nb2O5,Ta2O5およびThO
2 のうちの少なくとも一種、LnはEu,Tb,Ce,Tm,Dy,
Pr,Ho,Nd,Yb,Er,SmおよびGdのうちの少なくとも一
種、XはCl,BrおよびIのうちの少なくとも一種であ
り、xおよびyはそれぞれ 5×10-5≦x≦0.5、および0<
y≦0.2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭56
-116777号に記載されている(Ba1-X,MII X)F2・aBaX2:yEu,
zA(ただし、MIIはベリリウム,マグネシウム,カルシ
ウム,ストロンチウム,亜鉛およびカドミウムのうちの
少なくとも一種、Xは塩素,臭素およびヨウ素のうちの
少なくとも一種、Aはジルコニウムおよびスカンジウム
のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびz
はそれぞれ 0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6≦y≦2
×10-1、および0<z≦10-2である)の組成式で表わさ
れる蛍光体、特開昭57-23673号に記載されている(B
a1-X,MII X)F2・aBaX2:yEu,zB(ただし、M II はベリリウ
ム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,亜鉛
およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素,
臭素およびヨウ素のうちの少なくとも一種であり、a、
x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦
1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦10-2である)
の組成式で表わされる蛍光体、特開昭57-23675号に記載
されている(Ba1-X,MII X)F2・aBaX2:yEu,zA(ただし、M
IIはベリリウム,マグネシウム,カルシウム,ストロン
チウム,亜鉛およびカドミウムのうちの少なくとも一
種、Xは塩素,臭素およびヨウ素のうちの少なくとも一
種、Aは砒素および硅素のうちの少なくとも一種であ
り、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、
0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦5×10
-1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭58-692
81号に記載されている MIIIOX:xCe(ただし、MIIIはP
r,Nd,Pm,Sm,Eu,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびBi
からなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であ
り、XはClおよびBrのうちのいずれか一方あるいはその
両方であり、xは0<x<0.1である)の組成式で表わ
される蛍光体、特開昭58-206678号に記載されているBa
1-XMX/2X/2FX:yEu2+(ただし、MはLi,Na,K,Rbお
よびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカ
リ金属を表わし;Lは、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,S
m,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Al,Ga,Inおよ
びTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属
を表わし;X は、Cl,BrおよびIからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のハロゲンを表わし;そして、xは10
-2≦x≦0.5、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わ
される蛍光体、特開昭59-27980号に記載のBaFX・xA:yEu
2+(ただし、Xは、Cl,BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンであり;Aはテトラフル
オロホウ酸化合物の焼成物であり;そして、xは10-6
≦x≦0.1、yは0<y≦0.1 である)の組成式で表わ
される蛍光体、特開昭59-47289号に記載されているBaFX
・xA:yEu2+(ただし、Xは、Cl,BrおよびIからなる群
より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、ヘ
キサフルオロケイ酸,ヘキサフルオロチタン酸およびヘ
キサフルオロジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の
塩からなるヘキサフルオロ化合物群より選ばれる少なく
とも一種の化合物の焼成物であり;そして、xは10-6
x≦0.1、yは0<y≦0.1 である)の組成式で表わさ
れる蛍光体、特開昭59-56479号に記載されているBaFX・x
NaX′:aEu2+(ただし、XおよびX′は、それぞれCl、B
r、およびIのうちの少なくとも一種であり、xおよび
aはそれぞれ0<x≦2、および0<a≦0.2である)
の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59-56480号に記載
されているMIIFX・xNaX′:yEu2+:zA(ただし、MIIは、B
a,SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種
のアルカリ土類金属であり;X およびX′は、それぞれC
l,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種
のハロゲンであり;Aは、V,Cr,Mn,Fe,CoおよびNiよ
り選ばれる少なくとも一種の遷移金属であり;そして、
xは0<x≦2、yは0<y≦0.2、およびzは0<z
≦10-2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59
-75200号に記載されている MIIFX・aMIX′・bM′IIX″2
cMIIIX3・xA:yEu2+(ただし、MIIはBa,SrおよびCaから
なる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属
であり;MI はLi,Na,K,RbおよびCsからなる群より
選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;M′II
BeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二
価金属であり;MIII はAl,Ga,InおよびTlからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;Aは金属
酸化物であり;XはCl,BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンであり;X′,X″および
Xは、F,Cl,BrおよびIからなる群より選ばれる少な
くとも一種のハロゲンであり;そして、aは0≦a≦
2、bは0≦b≦10-2、cは0≦c≦10-2、かつa+b+c
≧10-6 であり;x は0<x≦0.5、yは0<y≦0.2
である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭60-84381
号に記載されている MII X2・aMIIX′2:xEu2+(ただ
し、MIIはBa,Srおよび Caからなる群より選ばれる少な
くとも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX′はC
l,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種
のハロゲンであって、かつ X≠X′であり;そしてaは
0.1≦a≦10.0、xは0<x≦0.2である)の組成式で表
わされる輝尽性蛍光体、特開昭60-101173号に記載され
ているMIIFX・aMI X′:xEu2+(ただし、MII Ba,Sr
およびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアル
カリ土類金属であり;MI はRbおよびCsからなる群より
選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl,
BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハ
ロゲンであり;X′はF,Cl,BrおよびIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてa
およびxはそれぞれ0≦a≦4.0および0<x≦0.2であ
る)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、特開昭62-251
89号に記載されているMI X:xBi( ただし、MI はRbおよ
びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ
金属であり;X はCl,BrおよびIからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x≦
0.2の範囲の数値である)の組成式で表わされる輝尽性
蛍光体、特開平2-229882号に記載のLnOX:xCe(但し、Ln
はLa,Y,GdおよびLuのうちの少なくとも一つ、XはC
l,BrおよびIのうちの少なくとも一つ、xは0<x≦0.2
であり、LnとXとの比率が原子比で0.500<X/Ln≦0.998
であり、かつ輝尽性励起スペクトルの極大波長λが550n
m<λ<700nm)で表わされるセリウム賦活希土類オキシ
ハロゲン化物蛍光体、などをあげることができる。
【0031】また、上記特開昭60-84381号に記載されて
いるMIIX2・aMIIX′2:xEu2+輝尽性蛍光体には、以下に
示すような添加物がMIIX2・aMIIX′2 1モル当り以下の割
合で含まれていてもよい。
【0032】特開昭60−166379号に記載されているbM
IX″(ただし、MIはRbおよびCsからなる群より選ばれる
少なくとも一種のアルカリ金属であり、X″はF,Cl,B
rおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハ
ロゲンであり、そしてbは0<b≦10.0である);特開
昭60-221483号に記載されているbKX″・cMgX2 ・dM
III X′3(ただし、MIII はSc,Y,La,Gdおよび Luか
らなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であ
り、X″、X およびX′はいずれもF,Cl,BrおよびIか
らなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
り、そしてb、cおよびdはそれぞれ、0≦b≦2.0、
0≦c≦2.0、0≦d≦2.0であって、かつ2×10-5≦b+c
+dである);特開昭60-228592号に記載されている yB
(ただし、yは2×10-4≦y≦2×10-1である);特開昭60
-228593号に記載されている bA(ただし、AはSiO 2 およ
びP2O5からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物
であり、そしてbは10-4 ≦b≦2×10-1 である);特開昭
61−120883号に記載されているbSiO(ただし、bは0<b
≦3×10-2 である);特開昭61−120885号に記載されて
いるbSnX″2 (ただし、X″はF,Cl,BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そ
してbは0<b≦10-3である);特開昭61-235486号に記
載されているbCsX″・cSnX2 (ただし、X″およびX はそ
れぞれF,Cl,BrおよびIからなる群より選ばれる少な
くとも一種のハロゲンであり、そしてbおよびcはそれ
ぞれ、0<b≦10.0 および10-6≦c≦2×10-2であ
る);および特開昭61-235487号に記載されているbCs
X″・yLn3+(ただし、X″はF,Cl,BrおよびIからなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、Lnは
Sc,Y,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb
およびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土
類元素であり、そしてbおよびyはそれぞれ、0<b≦
10.0および10 -6≦y≦1.8×10-1である)。
【0033】ただし、本発明に用いられる輝尽性蛍光体
は上述の蛍光体に限られるものではなく、放射線を照射
したのちに励起光を照射した場合に輝尽発光を示す蛍光
体であれば特に限定されるものではない。
【0034】また、本発明の放射線発光パネルが、輝尽
性ではない蛍光体を用いて透過性放射線を可視光および
/または紫外放射線に変換するためのパネル、たとえば
放射線増感スクリーンの場合、これに使用される蛍光体
としては、タングステン酸塩系蛍光体(CaWO4 、MgW
O4 、CaWO4 :Pbなど)、テルビウム賦活希土類酸硫化物
系蛍光体(Y2O2S:Tb、Gd2O2S:Tb、La2O2S:Tb、(Y,Gd)2O
2S:Tb、(Y,Gd)O2 S:Tb,Tmなど)、テルビウム賦活希土
類リン酸塩系蛍光体(YPO4 :Tb、GdPO4 :Tb、LaPO4 :Tb
など)、テルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍
光体(LaOBr:Tb、LaOBr:Tb,Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:Tb,T
m、LaOCl:Tb,Tm、LaOBr:Tb、GdOBr:Tb、GdOCl:Tbな
ど)、ツリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体
(LaOBr:Tm、LaOCl:Tmなど)、硫酸バリウム系蛍光体
(BaSO4 :Pb、BaSO4 :Eu2+、(Ba,Sr)SO4 :Eu2+など)、
2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属リン酸塩系蛍
光体(Ba3 (PO4)2:Eu2+、Ba3(PO4)2 :Eu2+など)、2価の
ユーロピウム賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物
系蛍光体(BaFCl:EU2+、BaFBr:Eu2+,BaFCl:EU2+,Tb、Ba
FBr:Eu2+,Tb、BaF2 ・BaCl2 ・KCl:Eu2+、(Ba・Mg)F2・BaCl
2・KCl:Eu 2+など)、ヨウ化物系蛍光体(CsI:Na、CsI:T
l、NaI、KI:Tlなど)、硫化物系蛍光体(ZnS:Ag、(Zn,C
d)S:Ag、(Zn,Cd)S:Cu、(Zn,Cd)S:Cu,Alなど)、リン酸
ハフニウム系蛍光体(HfP2O7 :Cuなど)、タンタル酸塩
系蛍光体(YTaO4 、YTaO4 :Tm、YTaO4 :Nb、(Y,Sr)TaO
4-x :Nb、LuTaO4、LuTaO4 :Nb、(Lu,Sr)TaO4-x :Nb、Gd
TaO4 :Tm、Gd2O3・Ta2O5・B2O3:Tbなど)を好ましくあげ
ることができる。但し本発明に用いられる蛍光体はこれ
らに限定されるものではなく、放射線の照射によって可
視または近紫外領域の発光を示す蛍光体であれば使用す
ることができる。
【0035】以下、放射線発光パネルのうち、輝尽性蛍
光体を利用する放射線像変換パネルの場合について説明
する。輝尽性蛍光体層は、上記輝尽性蛍光体を保護膜上
に気相堆積法により設ける。透明保護膜は、樹脂フイル
ムや透明なセラミックまたはガラスなどであることが好
ましい。
【0036】保護膜に使用される樹脂フイルムとして
は、透明で着色が無く、蒸着時に熱負けしない耐熱性を
有し、かつ透湿度が低いものが好ましく、具体的には3
フッ化塩化エチレン樹脂(ダイキン工業(株)製ネオフロ
ンCTFE)、パーフロロ環状共重合体樹脂(DuPont社製テ
フロンAF、旭硝子(株)製サイトップ)などの透明フッ素
系樹脂フイルム、ポリエチレンテレフタレート( PET)
フイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ塩化ビニリデ
ンフイルム等があげられる。
【0037】フッ素樹脂フイルムやポリプロピレンフイ
ルムを保護膜として用いる場合、直接蛍光体層を蒸着す
ると蛍光体層との接着が悪いことがあるが、この場合に
はコロナ放電処理等で保護膜表面を処理したり、さらに
他の軟質ポリエステルや軟質アクリルなどの透明樹脂を
接着層として10μm 以下の塗布厚で設けることが好まし
い。
【0038】保護膜として使用されるガラスの具体例と
してはセントラル硝子(株)製のFL0.7,FL0.85,FL1.0、
日本板硝子(株)製のUFF0.40,0.50,0.55,0.70、旭
硝子(株)製のRRQS40SXなどがあげられる。
【0039】保護膜の厚みは、どのような材質を選択す
るかによって異なるため一概には言えないが、1μm〜1
mmであることが好ましく、5μmから500μmとすることが
ハンドリングと画質の点からより好ましい。
【0040】保護膜が樹脂で可撓性であったり、薄すぎ
てハンドリングしにくい場合には仮支持体上に固定する
ことが好ましい。再剥離可能な接着剤等で固定された仮
支持体は最終的には保護膜から剥離される。
【0041】保護膜上には軟質ポリエステル、軟質アク
リルなどの接着剤層を設けて、蛍光体と保護膜の接着を
より強固にすることが好ましい。
【0042】保護膜は50%以下の範囲であればヘイズを
有していてもよく、励起・集光方法、画像処理方法、あ
るいは保護膜の厚みや材質に応じて適宜調整することが
好ましい。
【0043】蛍光体層は気相堆積法により形成され、た
とえば蒸着法、スパッタ法などの公知の方法により保護
膜上に形成することができる。
【0044】蒸着法においては、まず保護膜を蒸着装置
内に設置した後装置内を排気して 10-4Pa程度の真空度
とする。次いで、輝尽性蛍光体の少なくとも一つを抵抗
加熱法、エレクトロンビーム法等の方法で加熱蒸発させ
て保護膜表面に輝尽性蛍光体を所望の厚さに堆積させ
る。これにより結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層が形
成される。なお、蒸着工程では複数回に分けて輝尽性蛍
光体層を形成することも可能である。また、蒸着工程で
は複数の抵抗加熱器あるいはエレクトロンビームを用い
て共蒸着し、保護膜上で目的とする輝尽性蛍光体を合成
すると同時に輝尽性蛍光体層を形成することもできる。
さらに、蒸着時、必要に応じて被蒸着物(保護膜)を冷
却あるいは加熱してもよい。また、蒸着終了後、輝尽性
蛍光体層を加熱処理してもよい。
【0045】スパッタ法においては、蒸着法と同様に保
護膜をスパッタ装置内に設置した後装置内を一旦排気
し、10-4Pa程度の真空度とし、次いでスパッタ用ガスと
してAr,Ne等の不活性ガスをスパッタ装置内に導入して
10-1Pa程度のガス圧とする。
【0046】次に、輝尽性蛍光体をターゲットとして、
スパッタリングすることにより、保護膜表面に輝尽性蛍
光体を所望の厚さに堆積させる。蒸着法と同様にスパッ
タ工程においても複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成
することも可能であるし、また、それぞれ異なった輝尽
性蛍光体からなる複数のターゲットを用いて、同時ある
いは順次、ターゲットをスパッタリングして輝尽性蛍光
体層を形成することも可能である。また、必要に応じて
O2 ,H2 等のガスを導入して反応性スパッタを行っても
よい。さらに、蒸着法と同様に、スパッタ時、必要に応
じて被蒸着物(保護膜)を冷却あるいは加熱してもよ
い。また、スパッタ終了後、輝尽性蛍光体層を加熱処理
してもよい。
【0047】本発明の放射線像変換パネルの支持体は、
防湿性の観点から無機質膜が好ましいが、厚みが1mm
を越えて厚ければ透湿が実質的に無視できるのでプラス
チック板も使用可能である。具体的にはアルミ板、ステ
ンレス板等の金属板、ガラス板、セラミック板、塩ビ
板、メラミンフェノール樹脂板、PET板、FRP板、
GFRP板等を好ましく使用することができる。これら
支持体は片面励起・集光の場合には不透明なものを使用
したり、透明な支持体に遮光層や反射層を設けて使用す
ることもできる。一方、パネルの両面から励起したり集
光したりする場合には透明なものを使用することが好ま
しい。
【0048】支持体の厚みは放射線発光パネルの強度を
維持するため保護膜より厚く、1mm以上とすることが
好ましい。支持体の厚みが薄いとパネル作成工程や使用
中にパネルが変形して蛍光体層に亀裂が入ったり、保護
膜と蛍光体層間に隙間が出来たりして画質が悪化する場
合がある。
【0049】支持体には予め軟質アクリルや軟質ポリエ
ステル、ポリウレタン等で接着層を設け、蛍光体層と接
着し蛍光体をしっかりと支持することが好ましい。接着
層中には光吸収材や光反射材や導電材を含むことが好ま
しく、光吸収層や光反射層や導電層を接着層と別の層と
して設けることも出来る。接着層の厚みは 0.5μm以上
で100μm以下が好ましく、50μm以下が更に好ましい。
【0050】このように、接着層もしくは下塗層(およ
び/または光吸収層、光反射層、導電層)を設けた支持
体は接着層を保護膜上に設けられた蛍光体層と向かい合
わせた後、熱または圧力若しくはその両方により、両層
をムラがないように張り合わせる。なお、保護膜上に仮
支持体が有る場合には支持体を張り合わせた後に仮の支
持体を剥離除去する。
【0051】支持体と保護膜の側面はエポキシ樹脂やU
V硬化樹脂や金属(ソルダー)で封止する。封止は乾燥
した不活性ガスや疎水性の不活性ガス中で行うことが好
ましい。また、蛍光体層の吸湿による性能劣化を防ぐた
め、蒸着槽からの取り出しから保護膜の張り合わせまで
は真空あるいは乾燥した空気または不活性ガスや疎水性
の不活性ガス中で行うことがより好ましい。
【0052】以下、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明する。
【0053】
【実施例】(実施例1)保護膜として0.4mm厚の石英ガ
ラス板(日本板硝子(株)製のUFF0.40)を蒸着器中に設
置した。次に2つの白金ボート中にアルカリハライド輝
尽性蛍光体(Cs・Br)および(Eu)を入れ、蒸着器内を
排気して 2×10-4 Paの真空度とした。その後、白金ボ
ート中の輝尽性蛍光体に電子銃から 2.3kVの加速電圧の
電子線を30分間照射し、30μm/分の速度で石英ガラス上
に輝尽性蛍光体(Cs・Br:0.01Eu)を堆積させた。堆積
後、電子線の照射を止め、蒸着器中を乾燥した大気圧に
戻し、石英ガラス板を取り出した。石英ガラス板上には
太さ20μm、長さ900μm の柱状の輝尽性蛍光体が密に立
って堆積していた。
【0054】次いで、酸化ガドリニウム(Gd2 O3 )微細
粒子(全粒子中90重量%の粒子径が1〜5μm の範囲にあ
るもの)350g、結合剤として軟質アクリル樹脂(大日
本インキ化学工業(株)、クリスコートP-1018GS (20%ト
ルエン溶液))1800g、可塑剤としてフタル酸エステル
(大八化学(株)、#10)40g、導電剤としてZnOウィスカ
ー(松下アムテック(株)、パナテトラA-1-1)120g、着
色剤として群青(第一化成工業(株)、SM-1)2g、溶剤
としてメチルエチルケトン(以下MEKと略す)3800gを
混合して作成した塗布液を、1mm厚のアルミ板に20μm
厚で塗布して接着層とし、反射剤、導電材、光吸収剤を
含む接着層を積層したアルミ板(支持体)を得た。
【0055】ガラス保護膜上に蒸着された蛍光体層を、
蛍光体層を上にして真空ボックスに置き、接着層が蛍光
体層に向き合うように上記アルミ板を置いた後、脱気し
て真空にし、ボックス内を 120℃で20分間加熱して、蛍
光体層と接着層をムラなく密着させた。ボックス内を室
温に戻した後、ボックス内に6フッ化エタンを吹き込ん
で大気圧に戻し、支持体が下になるように 180度反転し
た。その後、6フッ化エタン雰囲気中で保護膜と支持体
層の周辺部をエポキシ系の接着剤(日本チバガイギー
(株)製AV138+HV998)で接着し封止した。
【0056】このようにして得た放射線像変換パネルを
目視すると、保護膜と蛍光体層間に隙間がなく均一に密
着していた。また、蛍光体層と支持体の密着が良いため
パネルに力を加えても外観に何ら変化は生じなかった。
【0057】(実施例2)実施例1で使用した0.4mm厚
のガラス板に換えて35μm PETの仮支持体上に剥離性の
接着で固定された6μm厚の PETフイルムを保護膜として
使用した以外は同様にしてパネルを得た。
【0058】得られたPETフイルムから35μm PETの仮支
持体を剥離、除去し、保護膜上に防汚層を設けた。防汚
層は、フッ素系共重合体樹脂溶液(旭硝子(株)製:ルミ
フロンLF504X (30%キシレン溶液))40g、白色有機粉末
のメラミン−ホルムアルデヒド((株)日本触媒、エポス
ターS6)28.4g、分散剤としてアルミカップリング剤
(味の素(株)、プレンアクトAL-M)0.5gをMEK200gに入
れ混合液とし、3mmφのジルコニアボールを使用したボ
ールミルで20時間分散混合した後、ルミフロンLF504X
(30%キシレン溶液)360gを追加し、さらに4時間分散
後、シリコーンマクロモノマー(チッソ(株)製:サイラ
プレーンFM-DA26)1.5g、架橋剤としてポリイソシアネ
ート(住友バイエルウレタン(株)、スミジュールN3300
(固形分100%))22.2g、触媒としてジブチルチンジラウ
レート(共同薬品(株)、KS1260)1.4mg、MEKを800g入れ
てこれを塗布液とし、この塗布液を2μm厚になるように
塗布、乾燥硬化することにより設けた。
【0059】得られた防汚層付き放射線像変換パネルの
外観には特に問題なく、 PETフイルム保護膜と蛍光体層
は均一に密着していた。また、パネルに力を加えても外
観に何ら変化は生じなかった。
【0060】(実施例3)実施例1で使用した接着層を
有する1mm厚のアルミ板に換えて、以下の透明導電材を
含む接着層(下塗層)を有する1mm厚のガラス板を支持
体として用いた以外は同様にして放射線像変換パネルを
得た。
【0061】下塗層は、接着剤(東洋紡(株)製バイロン
300の15%MEK溶液)460g、導電材(石原産業(株)製:F
SS-10M(30%MEK溶液))260g、MEK 220gを混合して塗
布液とし、これをガラス板上に塗布、乾燥することによ
り設けた。
【0062】得られた放射線像変換パネルの外観は特に
問題なく、蛍光体層は保護膜およびガラス支持体と均一
に密着していた。また、パネルに力を加えても外観に何
ら変化は生じなかった。
【0063】(比較例1)実施例1の接着層を20μm 厚
に塗布した1mm厚のアルミ板を支持体として用い、これ
に実施例1と同様の方法で蛍光体層を蒸着した。得られ
た蛍光体層上に実施例1で使用した 0.4mm厚の石英ガラ
スに、バイロン30SS(東洋紡(株)製ポリエステル樹脂)
を 2g/m2 塗布し、蛍光体層とバイロン30SS塗布面を加
熱密着させて放射線像変換パネルを得た。
【0064】放射線像変換パネルを目視すると、保護膜
と蛍光体層間の隙間が不均一で虹のようなムラや縞模様
のムラが確認できた。また、パネルに力を加えると保護
膜ガラスが蛍光体層と密着していないためムラの位置が
変化した。
【0065】(比較例2)実施例2で使用した防汚層を
有する6μm PETを支持体として用い、これに実施例2と
同様の方法で蛍光体層を蒸着した。得られた蛍光体層上
に実施例1で使用した0.4mm厚の石英ガラスを保護膜と
して密着させ、さらに実施例2と同様に防汚層を設けて
放射線像変換パネルを得た。
【0066】得られたパネルは PET保護膜と蛍光体層が
密着していないため保護膜が浮いており外観が悪かっ
た。
【0067】(比較例3)実施例3で使用した接着層を
有する1mm厚のガラス板を支持体として用い、実施例3
と同様の方法でこの支持体に蛍光体層を蒸着し、得られ
た蛍光体層上に実施例1で使用した0.4mm厚の石英ガラ
スを保護膜として密着させ、さらに実施例3と同様に下
塗層を設けて放射線像変換パネルを得た。
【0068】得られた放射線像変換パネルを目視すると
比較例1と同様に、保護膜と蛍光体層間の隙間が不均一
で虹のようなムラや縞模様のムラが確認できた。また、
パネルに力を加えると保護膜ガラスが蛍光体層と密着し
ていないためムラの位置が変化した。
【0069】(評価実験)上記得られた放射線像変換パ
ネルに対し以下の評価実験を行った。結果を表1に示
す。
【0070】1.発光強度 放射線像変換パネルに、管電圧80kVpのX線を照射した
のち、He-Neレーザー光(632.8nm)で走査して蛍光体を
励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光して電
気信号に変換し、輝尽発光量を測定した。結果を表1に
示した。なお、発光量は実施例1を100%としたときの
相対値で表したものである。
【0071】2.画像の均一性 得られた放射線像変換パネルに10mRのX線を当てた後、
He-Neレーザー光(632.8nm)で走査して蛍光体を励起
し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光して電気信
号に変換し、これを画像再生装置によって画像として再
生して表示装置上に画像を得た。得られた蛍光体層像か
ら輝尽発光のムラを目視で評価した。
【0072】
【表1】 以上の実験結果から明らかなように、本発明の放射線像
変換パネルは外観、発光強度、発光ムラが良好で、支持
体上に蛍光体層を蒸着して得られる放射線像変換パネル
よりも優れていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施の形態を示す放射線発光パネ
ルの作成工程を示す概略模式図
【図2】本発明の第一の実施の形態を示す放射線発光パ
ネルの断面図
【図3】本発明の第二の実施の形態を示す放射線発光パ
ネルの断面図
【図4】本発明の第三の実施の形態を示す放射線発光パ
ネルの断面図
【図5】柱状形態の蛍光体で構成された蛍光体層と保護
膜を模式的に表した断面図
【符号の説明】
1 蛍光体層 2 保護膜 3 支持体 4 封止材 5 接着層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ1mm未満の透明保護膜上に、気相堆
    積法により蛍光体を堆積させて蛍光体層を形成した後、
    該保護膜付き蛍光体層を支持体上に封止してなることを
    特徴とする放射線発光パネル。
  2. 【請求項2】 前記支持体が前記保護膜よりも厚いこと
    を特徴とする請求項1記載の放射線発光パネル。
  3. 【請求項3】 前記蛍光体層と前記支持体との間に接着
    層が設けられていることを特徴とする請求項1または2
    記載の放射線発光パネル。
  4. 【請求項4】 前記保護膜の厚さが500μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1、2または3記載の放射線発光
    パネル。
  5. 【請求項5】 前記保護膜の厚さが100μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1、2または3記載の放射線発光
    パネル。
  6. 【請求項6】 前記保護膜の厚さが 10μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1、2または3記載の放射線発光
    パネル。
  7. 【請求項7】 前記蛍光体が柱状形態であることを特徴
    とする請求項1から6いずれか1項記載の放射線発光パ
    ネル。
  8. 【請求項8】 前記蛍光体が輝尽性蛍光体であることを
    特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の放射線発
    光パネル。
JP2000290174A 2000-09-25 2000-09-25 放射線発光パネル Pending JP2002098800A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000290174A JP2002098800A (ja) 2000-09-25 2000-09-25 放射線発光パネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000290174A JP2002098800A (ja) 2000-09-25 2000-09-25 放射線発光パネル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002098800A true JP2002098800A (ja) 2002-04-05

Family

ID=18773442

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000290174A Pending JP2002098800A (ja) 2000-09-25 2000-09-25 放射線発光パネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002098800A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008014859A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Fujifilm Corp 放射線像変換パネルおよび放射線像変換パネルの製造方法
JP2008175815A (ja) * 2006-12-21 2008-07-31 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 放射線画像変換パネル

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008014859A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Fujifilm Corp 放射線像変換パネルおよび放射線像変換パネルの製造方法
JP2008175815A (ja) * 2006-12-21 2008-07-31 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 放射線画像変換パネル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5055681A (en) Radiographic image storage panel and process for reading out a radiographic image
JPH0677079B2 (ja) 放射線画像情報読取装置
US5378897A (en) Radiation image storage panel
US6992304B2 (en) Radiation image storage panel
JP2540370B2 (ja) 放射線像変換パネル
JP2002098799A (ja) 放射線発光パネル
JP2004085367A (ja) 放射線像変換パネル
JP4323243B2 (ja) 放射線像変換パネル
JP2002098800A (ja) 放射線発光パネル
JP2002107495A (ja) 放射線発光パネル
JP2002148395A (ja) 放射線発光パネル
JP2715189B2 (ja) 放射線像変換パネル
JP2005195571A (ja) 放射線像変換パネル
JP2002131496A (ja) 放射線発光パネル
JP2002174697A (ja) 放射線発光パネル
US7235279B2 (en) Process for producing a radiation image storage panel
JP3989654B2 (ja) 放射線像変換パネル
JP2540363B2 (ja) 放射線像変換パネルおよびその製造法
JP2002116300A (ja) 放射線発光パネル
JP2514321B2 (ja) 放射線画像変換パネル
JP2002022895A (ja) 放射線像変換パネル
JP2549913B2 (ja) 放射線像変換パネル
JP2549912B2 (ja) 放射線像変換パネルの製造法
JP2769932B2 (ja) 放射線像変換パネル
JP2001349994A (ja) 放射線像変換パネル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050912

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070104

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070501