JP2002098799A - 放射線発光パネル - Google Patents

放射線発光パネル

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JP2002098799A
JP2002098799A JP2000290175A JP2000290175A JP2002098799A JP 2002098799 A JP2002098799 A JP 2002098799A JP 2000290175 A JP2000290175 A JP 2000290175A JP 2000290175 A JP2000290175 A JP 2000290175A JP 2002098799 A JP2002098799 A JP 2002098799A
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radiation
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JP2000290175A
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Hiroshi Ogawa
博 小川
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線発光パネルを初期画質が良好で、画質
劣化の少ないものとする。 【解決手段】 支持体3上に気相堆積法により蛍光体を
堆積されてなる蛍光体層1を設け、この蛍光体層1上
に、波長300nmから1000nm において光吸収がなくかつガ
スバリア性を有する無機物質を蒸着して保護層を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝尽性蛍光体を利
用する放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネ
ルや、蛍光体によって透過放射線を可視光および/また
は紫外放射線に変換するためのX線写真用増感パネル等
の放射線発光パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代わる方法とし
て、たとえば特開昭55-12145号に記載されているような
輝尽性蛍光体を用いる放射線像変換方法が知られてい
る。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線像変換
パネル(蓄積性蛍光体シート)を利用するもので、被写
体を透過した、あるいは被検体から発せられた放射線を
パネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、そののちに輝尽性蛍
光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系
列的に励起することにより、輝尽性蛍光体中に蓄積され
ている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光光)として放
出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号を得、
次いで得られた電気信号に基づいて被写体あるいは被検
体の放射線画像を可視像として再生するものである。読
取りを終えたパネルは、残存する画像の消去が行なわれ
た後、次の撮影のために備えられる。すなわち、放射線
像変換パネルは繰返し使用されるものである。
【0003】この放射線像変換方法によれば、従来の放
射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放射線写
真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で
情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利
点がある。さらに、従来の放射線写真法では一回の撮影
ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、この
放射線像変換方法では放射線像変換パネルを繰り返し使
用するので資源保護、経済効率の面からも有利である。
【0004】放射線像変換方法に用いられる放射線像変
換パネルは、基本構造として、無機または有機の支持体
とその表面に設けられた輝尽性蛍光体層とからなるもの
である。蛍光体層の輝尽性蛍光体はX線などの放射線を
吸収したのち励起光の照射を受けると輝尽発光を示す性
質を有するものであるから、被写体を透過したあるいは
被検体から発せられた放射線は、その放射線量に比例し
て放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層に吸収され、パ
ネルには被写体あるいは被検体の放射線像が放射線エネ
ルギーの蓄積像として形成される。この蓄積像は、上記
励起光を照射することにより輝尽発光光として放出させ
ることができ、この輝尽発光光を光電的に読み取って電
気信号に変換することにより放射線エネルギーの蓄積像
を画像化することが可能となる。
【0005】輝尽性蛍光体層の表面(支持体に面してい
ない側の表面)には通常、保護膜が設けられていて、蛍
光体層を吸湿等の化学的な変質あるいは物理的な汚染か
ら保護している。保護膜には、透明な有機高分子物質を
適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の上に塗
布することで形成されたもの、あるいはポリエチレンテ
レフタレートなどの有機高分子フィルムや透明なガラス
板などの保護膜形成用シートを別に形成して蛍光体層の
表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あるいは無機
化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜したものな
どが知られている。これらは、特許2715189号の他、特
開昭62-15498号、特開昭62-209400号、特開昭62-245200
号、特開平8-043598号、特開平8-201598号、特公平4-76
440号、特公平7-13680号等に記載されている。
【0006】放射線像変換方法の実施において、放射線
像変換パネルは、放射線の照射(放射線像の記録)、励
起光の照射(記録された放射線像の読出し)、消去光の
照射(残存する放射線像の消去)というサイクルで繰り
返し使用される。そして放射線像変換パネルの各ステッ
プへの移行はベルト、ローラーなどの搬送手段により行
なわれ、1サイクル終了後パネルは通常積層して保存さ
れる。ところが、上記のような、塗布によって形成され
た保護膜を有する放射線像変換パネルを、このように繰
り返し使用したり、長期間保存したりしていると蛍光体
層の吸湿により感度が低下し、画質が劣化する場合があ
る。特に気相堆積法で設けられた蛍光体層は蛍光体が結
合剤などで覆われていないため吸湿しやすい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】吸湿による放射線像変
換パネルの感度低下を防ぐことができる保護膜としては
透湿度の観点からガラスが最も好ましいが、ガラスの場
合にはパネル製造工程中の強度の面から一般的に厚みが
400μm以上必要となる。このためガラス保護膜の場合に
は光の拡散による画質の劣化(ボケ)が生じることがあ
り、初期画質において必ずしも満足できるものとは言え
なかった。
【0008】一方、透明な樹脂フイルムは厚みを100μm
以下と薄くしても、製造工程中の強度には問題がなく、
薄層であるため初期画質の点では好ましいが、耐湿性に
おいて劣り、高温高湿条件で保存すると蛍光体層の吸湿
により画質が劣化しやすかった。
【0009】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、初期画質が良好で画質劣化の少ない保護膜を有する
放射線発光パネルを提供することを目的とするものであ
る。
【0010】なお、特公平4-76440号には保護層の一般
的記載としてSiO2、SiC、SiN 等の無機物質層を真空蒸
着法、スパッタ法等により形成する方法が記載されてい
るが、ここにあげられている無機物質のうち SiCは暗緑
色で特定波長域に光吸収があり、SiNは光透過率が低い
ものであり、本発明のように波長300nmから1000nmにお
いて光吸収がなくかつガスバリア性を有する無機物質と
して認識されたものではなく、またこれを蒸着層として
用いる点については何ら記載されていない。
【0011】また、特許第 1999941号にも一般的記載と
して酸化アルミニウム、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素の
記載があるが、これらは粉末状の輝尽性蛍光体を結合材
中に分散して塗布により設けた蛍光体層の反射防止膜と
して用いられたものであり、気相堆積法により設けられ
た蛍光体層のガスバリア性を有する保護膜として認識さ
れたものではない。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の放射線発光パネ
ルは、支持体上に気相堆積法により蛍光体が堆積されて
なる蛍光体層と、保護層とをこの順に有する放射線発光
パネルにおいて、前記保護層が 波長300nmから1000nmに
おいて光吸収がなくかつガスバリア性を有する無機物質
を含む蒸着層であることを特徴とするものである。
【0013】放射線発光パネルとは、輝尽性蛍光体を含
有する放射線像変換パネルの他、輝尽性でない蛍光体を
用いて透過放射線を可視光および/または紫外放射線に
変換するためのX線写真用増感パネルなども含む広い概
念である。
【0014】波長300nmから1000nmにおいて光吸収がな
いとは、波長300nmから1000nmにおいて光透過率が90%
以上であることを意味する。
【0015】ガスバリア性とは、1気圧、20℃において
透湿度6g/m2 /24h以下、酸素透過度5cc/m2 /24h以
下であることを意味し、好ましくは透湿度2g/m2 /24
h以下、酸素透過度2cc/m2 /24h以下であることが望
ましい。
【0016】前記無機物質は、酸化アルミおよび/また
はケイ素酸化物であることが好ましい。酸化アルミおよ
びケイ素酸化物はそれぞれを単独で用いてもよいが、酸
化アルミおよびケイ素酸化物の両方を共に用いて保護層
とすることがより好ましい。
【0017】前記保護層上には、さらに樹脂層が設けら
れていることが好ましい。該樹脂層の厚みは、0.5μmか
ら20μm であることが好ましい。また、前記樹脂層中に
はシリコーンが含まれていることがより好ましい。
【0018】前記保護層の厚みは 0.01μmから0.5μmで
あることが好ましく、0.02μm から0.5μmであることが
より好ましい。
【0019】前記蛍光体は柱状形態であることが好まし
い。柱状形態とは、保護層面上に蛍光体の短軸面が接し
て蛍光体が保護層面上に柱状に立っていることを意味す
る。前記蛍光体は輝尽性蛍光体であってもよい。
【0020】
【発明の効果】本発明は、放射線発光パネルの保護層を
波長300nmから1000nmにおいて光吸収がなくかつガスバ
リア性を有する無機物質を含む蒸着層としたので、初期
画質が良好で、かつ画質劣化の少ない放射線発光パネル
とすることができる。
【0021】すなわち、本発明の放射線発光パネルに設
けられた保護層はガスバリア性を有する無機物質の蒸着
層であるため、薄層として形成することが可能であり、
薄層ゆえに光の散乱による画質のボケが生じることがな
く、初期画質が良好な放射線発光パネルとすることがで
きる。
【0022】また、波長300nmから1000nm において光吸
収がなくかつガスバリア性を有する無機物質を含むの
で、気相堆積法により設けられた蛍光体層を充分に吸湿
から保護することが可能であり、繰り返し使用する場合
の画質の劣化を抑制することができる。
【0023】また、保護層上に樹脂層を設けた場合に
は、放射線発光パネルの防汚性を向上させることができ
る。なお、この樹脂層にシリコーンが含まれている場合
には、さらに防汚性を高めることができる。
【0024】X線画像を読み出すためには、保護層面か
らレーザ光を照射するが、蛍光体が柱状形態である場合
には、柱状蛍光体の端部から光が入り、蛍光体層内で光
が広がりにくいのでより鮮明なX線画像を取り出すこと
ができる。
【0025】なお、本発明は輝尽性でない蛍光体を用い
て透過放射線を可視光および/または紫外放射線に変換
するためのパネル、例えばX線写真用増感パネル等の蛍
光体層の画質向上にも有用であるが、輝尽性蛍光体を用
いた放射線像変換パネルにおいて極めて有用である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は本発明の第一の実施
の形態を示す放射線発光パネルの断面図、図2は本発明
の第二の実施の形態を示す放射線発光パネルの断面図で
ある。
【0027】図1に示すように本発明の放射線発光パネ
ルは、支持体3上に気相堆積法により蛍光体が堆積され
てなる蛍光体層1と、この蛍光体層1の上にさらに保護
層2を積層してなるものである。
【0028】本発明の放射線発光パネルは、図2に示す
ように保護層2上にさらに樹脂層4が設けられていても
よい。
【0029】図3は柱状形態の蛍光体で構成された蛍光
体層と支持体を模式的に表した断面図であるが、このよ
うに蛍光体層は蛍光体11の短軸面が支持体3上に接し、
蛍光体11が柱状形態をなし蛍光体層を形成していること
が好ましい。蛍光体が球状粒子の蛍光体層の場合には、
蛍光体層内でレーザ光が拡散してX線画像がぼやける場
合があるが、柱状の蛍光体の場合には、柱状蛍光体の端
部から光が入り蛍光体層内で光が拡散することが少ない
ので、より鮮明なX線画像を取り出すことが可能とな
る。
【0030】本発明の放射線発光パネルについて、さら
に詳細に説明する。
【0031】まず、本発明の放射線像変換パネルの蛍光
体層を構成する輝尽性蛍光体について述べる。輝尽性蛍
光体は、先に述べたように放射線を照射した後、励起光
を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的な
面からは波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって
300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体であるこ
とが望ましい。本発明の放射線像変換パネルに用いられ
る輝尽性蛍光体の例としては、特公平7-84588号等に記
載されている 一般式 (M1-f・Mf I)X・bMIIIX3″:cA(I)で表される輝
尽性蛍光体が好ましい。輝尽発光輝度の点から一般式
(I)における Mとしては、Rb,Csおよび/またはC
sを含有したNa、同Kが好ましく、特にRbおよびCsから
選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属が好ましい。M
III としてはY,La,Lu,Al,GaおよびInから選ばれる
少なくとも一種の三価金属が好ましい。X″としては、
F,ClおよびBrから選ばれる少なくとも一種のハロゲン
が好ましい。MIIIX3″の含有率を表すb値は0≦b≦10
-2の範囲から選ばれるのが好ましい。
【0032】一般式(I)において、賦活剤Aとしては
Eu,Tb,Ce,Tm,Dy,Ho,Gd,Sm,TlおよびNaから選ば
れる少なくとも一種の金属が好ましく、特にEu,Ce,S
m,TlおよびNaから選ばれる少なくとも一種の金属が好
ましい。また、賦活剤の量を表すC値は10-6<C<0.1
の範囲から選ばれるのが輝尽発光輝度の点から好まし
い。
【0033】また、さらに以下の輝尽性蛍光体も用いる
ことができる。
【0034】米国特許第3,859,527号明細書に記載され
ているSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、ThO2:Er、およびLa2O2S:
Eu,Sm、特開昭55-12142号に記載されている ZnS:Cu,P
b、BaO・xAl2O3:Eu(ただし、0.8≦x≦10)、および、M
IIO・xSiO2 :A(ただし、MIIはMg,Ca,Sr,Zn,Cd、ま
たはBaであり、AはCe,Tb,Eu,Tm,Pb,Tl,Biまたは
Mnであり、xは0.5≦x≦2.5である)、特開昭55-12143
号に記載されている (Ba1-X-y ,MgX ,Cay )FX:aEu
2+(ただし、X はClおよびBrのうちの少なくとも一種で
あり、xおよびyは、0<x+y≦0.6、かつxy≠0であ
り、aは、10-6≦a≦5×10-2である)、特開昭55-1214
4号に記載されている LnOX:xA(ただし、LnはLa,Y,G
d、およびLuのうちの少なくとも一種、XはClおよびBrの
うちの少なくとも一種、AはCeおよびTbのうちの少なく
とも一種、そして、xは、0<x<0.1である)、特開
昭55-12145号に記載されている(Ba1-X,M2+ X)FX:yA(た
だし、M2+はMg,Ca,Sr,Zn、およびCdのうちの少なく
とも一種、XはCl,BrおよびIのうちの少なくとも一
種、AはEu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,YbおよびEr
のうちの少なくとも一種、そしてxは0≦x≦0.6、y
は0≦y≦0.2である)、特開昭55-160078号に記載され
ているMIIFX・xA:yLn(ただし、MIIはBa,Ca,Sr,Mg,
ZnおよびCdのうちの少なくとも一種、AはBeO,MgO,Ca
O,SrO,BaO,ZnO,Al2O3,Y2O3,La2O3,In2O3,Si
O2,TiO2,ZrO2,GeO2,SnO2,Nb2O5,Ta2O5およびThO
2 のうちの少なくとも一種、LnはEu,Tb,Ce,Tm,Dy,
Pr,Ho,Nd,Yb,Er,SmおよびGdのうちの少なくとも一
種、XはCl,BrおよびIのうちの少なくとも一種であ
り、xおよびyはそれぞれ 5×10-5≦x≦0.5、および0<
y≦0.2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭56
-116777号に記載されている(Ba1-X,MII X)F2・aBaX2:yEu,
zA(ただし、MIIはベリリウム,マグネシウム,カルシ
ウム,ストロンチウム,亜鉛およびカドミウムのうちの
少なくとも一種、Xは塩素,臭素およびヨウ素のうちの
少なくとも一種、Aはジルコニウムおよびスカンジウム
のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびz
はそれぞれ 0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6≦y≦2
×10-1、および0<z≦10-2である)の組成式で表わさ
れる蛍光体、特開昭57-23673号に記載されている(B
a1-X,MII X)F2・aBaX2:yEu,zB(ただし、M II はベリリウ
ム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,亜鉛
およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素,
臭素およびヨウ素のうちの少なくとも一種であり、a、
x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦
1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦10-2である)
の組成式で表わされる蛍光体、特開昭57-23675号に記載
されている(Ba1-X,MII X)F2・aBaX2:yEu,zA(ただし、M
IIはベリリウム,マグネシウム,カルシウム,ストロン
チウム,亜鉛およびカドミウムのうちの少なくとも一
種、Xは塩素,臭素およびヨウ素のうちの少なくとも一
種、Aは砒素および硅素のうちの少なくとも一種であ
り、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、
0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦5×10
-1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭58-692
81号に記載されている MIIIOX:xCe(ただし、MIIIはP
r,Nd,Pm,Sm,Eu,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびBi
からなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であ
り、XはClおよびBrのうちのいずれか一方あるいはその
両方であり、xは0<x<0.1である)の組成式で表わ
される蛍光体、特開昭58-206678号に記載されているBa
1-XMX/2X/2FX:yEu2+(ただし、MはLi,Na,K,Rbお
よびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカ
リ金属を表わし;Lは、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,S
m,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Al,Ga,Inおよ
びTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属
を表わし;X は、Cl,BrおよびIからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のハロゲンを表わし;そして、xは10
-2≦x≦0.5、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わ
される蛍光体、特開昭59-27980号に記載のBaFX・xA:yEu
2+(ただし、Xは、Cl,BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンであり;Aはテトラフル
オロホウ酸化合物の焼成物であり;そして、xは10-6
≦x≦0.1、yは0<y≦0.1 である)の組成式で表わ
される蛍光体、特開昭59-47289号に記載されているBaFX
・xA:yEu2+(ただし、Xは、Cl,BrおよびIからなる群
より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、ヘ
キサフルオロケイ酸,ヘキサフルオロチタン酸およびヘ
キサフルオロジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の
塩からなるヘキサフルオロ化合物群より選ばれる少なく
とも一種の化合物の焼成物であり;そして、xは10-6
x≦0.1、yは0<y≦0.1 である)の組成式で表わさ
れる蛍光体、特開昭59-56479号に記載されているBaFX・x
NaX′:aEu2+(ただし、XおよびX′は、それぞれCl、B
r、およびIのうちの少なくとも一種であり、xおよび
aはそれぞれ0<x≦2、および0<a≦0.2である)
の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59-56480号に記載
されているMIIFX・xNaX′:yEu2+:zA(ただし、MIIは、B
a,SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種
のアルカリ土類金属であり;X およびX′は、それぞれC
l,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種
のハロゲンであり;Aは、V,Cr,Mn,Fe,CoおよびNiよ
り選ばれる少なくとも一種の遷移金属であり;そして、
xは0<x≦2、yは0<y≦0.2、およびzは0<z
≦10-2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59
-75200号に記載されている MIIFX・aMIX′・bM′IIX″2
cMIIIX3・xA:yEu2+(ただし、MIIはBa,SrおよびCaから
なる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属
であり;MI はLi,Na,K,RbおよびCsからなる群より
選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;M′II
BeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二
価金属であり;MIII はAl,Ga,InおよびTlからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;Aは金属
酸化物であり;XはCl,BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンであり;X′,X″および
Xは、F,Cl,BrおよびIからなる群より選ばれる少な
くとも一種のハロゲンであり;そして、aは0≦a≦
2、bは0≦b≦10-2、cは0≦c≦10-2、かつa+b+c
≧10-6 であり;x は0<x≦0.5、yは0<y≦0.2
である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭60-84381
号に記載されている MII X2・aMIIX′2:xEu2+(ただ
し、MIIはBa,Srおよび Caからなる群より選ばれる少な
くとも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX′はC
l,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種
のハロゲンであって、かつ X≠X′であり;そしてaは
0.1≦a≦10.0、xは0<x≦0.2である)の組成式で表
わされる輝尽性蛍光体、特開昭60-101173号に記載され
ているMIIFX・aMI X′:xEu2+(ただし、MII Ba,Sr
およびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアル
カリ土類金属であり;MI はRbおよびCsからなる群より
選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl,
BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハ
ロゲンであり;X′はF,Cl,BrおよびIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてa
およびxはそれぞれ0≦a≦4.0および0<x≦0.2であ
る)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、特開昭62-251
89号に記載されているMI X:xBi( ただし、MI はRbおよ
びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ
金属であり;X はCl,BrおよびIからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x≦
0.2の範囲の数値である)の組成式で表わされる輝尽性
蛍光体、特開平2-229882号に記載のLnOX:xCe(但し、Ln
はLa,Y,GdおよびLuのうちの少なくとも一つ、XはC
l,BrおよびIのうちの少なくとも一つ、xは0<x≦0.2
であり、LnとXとの比率が原子比で0.500<X/Ln≦0.998
であり、かつ輝尽性励起スペクトルの極大波長λが550n
m<λ<700nm)で表わされるセリウム賦活希土類オキシ
ハロゲン化物蛍光体、などをあげることができる。
【0035】また、上記特開昭60-84381号に記載されて
いるMIIX2・aMIIX′2:xEu2+輝尽性蛍光体には、以下に
示すような添加物がMIIX2・aMIIX′2 1モル当り以下の割
合で含まれていてもよい。
【0036】特開昭60−166379号に記載されているbM
IX″(ただし、MIはRbおよびCsからなる群より選ばれる
少なくとも一種のアルカリ金属であり、X″はF,Cl,B
rおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハ
ロゲンであり、そしてbは0<b≦10.0である);特開
昭60-221483号に記載されているbKX″・cMgX2 ・dM
III X′3(ただし、MIII はSc,Y,La,Gdおよび Luか
らなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であ
り、X″、X およびX′はいずれもF,Cl,BrおよびIか
らなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
り、そしてb、cおよびdはそれぞれ、0≦b≦2.0、
0≦c≦2.0、0≦d≦2.0であって、かつ2×10-5≦b+c
+dである);特開昭60-228592号に記載されている yB
(ただし、yは2×10-4≦y≦2×10-1である);特開昭60
-228593号に記載されている bA(ただし、AはSiO 2 およ
びP2O5からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物
であり、そしてbは10-4 ≦b≦2×10-1 である);特開昭
61−120883号に記載されているbSiO(ただし、bは0<b
≦3×10-2 である);特開昭61−120885号に記載されて
いるbSnX″2 (ただし、X″はF,Cl,BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そ
してbは0<b≦10-3である);特開昭61-235486号に記
載されているbCsX″・cSnX2 (ただし、X″およびX はそ
れぞれF,Cl,BrおよびIからなる群より選ばれる少な
くとも一種のハロゲンであり、そしてbおよびcはそれ
ぞれ、0<b≦10.0 および10-6≦c≦2×10-2であ
る);および特開昭61-235487号に記載されているbCs
X″・yLn3+(ただし、X″はF,Cl,BrおよびIからなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、Lnは
Sc,Y,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb
およびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土
類元素であり、そしてbおよびyはそれぞれ、0<b≦
10.0および10 -6≦y≦1.8×10-1である)。
【0037】ただし、本発明に用いられる輝尽性蛍光体
は上述の蛍光体に限られるものではなく、放射線を照射
したのちに励起光を照射した場合に輝尽発光を示す蛍光
体であれば特に限定されるものではない。
【0038】また、本発明の放射線発光パネルが、輝尽
性ではない蛍光体を用いて透過性放射線を可視光および
/または紫外放射線に変換するためのパネル、たとえば
放射線増感スクリーンの場合、これに使用される蛍光体
としては、タングステン酸塩系蛍光体(CaWO4 、MgW
O4 、CaWO4 :Pbなど)、テルビウム賦活希土類酸硫化物
系蛍光体(Y2O2S:Tb、Gd2O2S:Tb、La2O2S:Tb、(Y,Gd)2O
2S:Tb、(Y,Gd)O2 S:Tb,Tmなど)、テルビウム賦活希土
類リン酸塩系蛍光体(YPO4 :Tb、GdPO4 :Tb、LaPO4 :Tb
など)、テルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍
光体(LaOBr:Tb、LaOBr:Tb,Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:Tb,T
m、LaOCl:Tb,Tm、LaOBr:Tb、GdOBr:Tb、GdOCl:Tbな
ど)、ツリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体
(LaOBr:Tm、LaOCl:Tmなど)、硫酸バリウム系蛍光体
(BaSO4 :Pb、BaSO4 :Eu2+、(Ba,Sr)SO4 :Eu2+など)、
2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属リン酸塩系蛍
光体(Ba3 (PO4)2:Eu2+、Ba3(PO4)2 :Eu2+など)、2価の
ユーロピウム賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物
系蛍光体(BaFCl:EU2+、BaFBr:Eu2+,BaFCl:EU2+,Tb、Ba
FBr:Eu2+,Tb、BaF2 ・BaCl2 ・KCl:Eu2+、(Ba・Mg)F2・BaCl
2・KCl:Eu 2+など)、ヨウ化物系蛍光体(CsI:Na、CsI:T
l、NaI、KI:Tlなど)、硫化物系蛍光体(ZnS:Ag、(Zn,C
d)S:Ag、(Zn,Cd)S:Cu、(Zn,Cd)S:Cu,Alなど)、リン酸
ハフニウム系蛍光体(HfP2O7 :Cuなど)、タンタル酸塩
系蛍光体(YTaO4 、YTaO4 :Tm、YTaO4 :Nb、(Y,Sr)TaO
4-x :Nb、LuTaO4、LuTaO4 :Nb、(Lu,Sr)TaO4-x :Nb、Gd
TaO4 :Tm、Gd2O3・Ta2O5・B2O3:Tbなど)を好ましくあげ
ることができる。但し本発明に用いられる蛍光体はこれ
らに限定されるものではなく、放射線の照射によって可
視または近紫外領域の発光を示す蛍光体であれば使用す
ることができる。
【0039】以下、放射線発光パネルのうち、輝尽性蛍
光体を利用する放射線像変換パネルの場合について説明
する。輝尽性蛍光体層は、上記輝尽性蛍光体を支持体上
に気相堆積法により設ける。
【0040】支持体は、防湿性の観点から無機質膜が好
ましいが、厚みが厚ければ透湿が実質的に無視できるの
でプラスチック板も使用可能である。具体的にはアルミ
板、ステンレス板等の金属板、ガラス板、セラミック
板、塩ビ板、メラミンフェノール樹脂板、PET板、FRP
板、GFRP板などを好ましく使用することができる。支持
体の厚みは100μm〜5mm 程度であることが好ましい。こ
れら支持体は片面励起・集光の場合には不透明なものを
使用したり、透明な支持体に遮光層や反射層を設けて使
用することもできる。一方、パネルの両面から励起した
り集光したりする場合には透明なものを使用することが
好ましい。
【0041】蛍光体層は、蒸着法、スパッタ法など公知
の気相堆積法により支持体上に形成することができる。
蒸着法においては、まず支持体を蒸着装置内に設置した
後、装置内を排気して10-4 Pa程度の真空度とする。次
いで、輝尽性蛍光体の少なくとも一つを抵抗加熱法、エ
レクトロンビーム法等の方法で加熱蒸発させて支持体表
面に輝尽性蛍光体を所望の厚さに堆積させる。これによ
り結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層を形成することが
できる。蒸着工程を複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形
成することも可能である。また、蒸着工程では複数の抵
抗加熱器あるいはエレクトロンビームを用いて共蒸着
し、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体を合成すると同
時に輝尽性蛍光体層を形成することもできる。蒸着終了
後、輝尽性蛍光体層の支持体とは反対側に後述のように
保護層を設けることにより放射線画像変換パネルが製造
される。さらに、蒸着時には必要に応じて被蒸着物(保
護層)を冷却あるいは加熱してもよい。また、蒸着終了
後、輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。
【0042】スパッタ法においては、蒸着法と同様に支
持体をスパッタ装置内に設置した後装置内を一旦排気し
て10-4 Pa程度の真空度とし、次いでスパッタ用のガス
としてAr,Ne等の不活性ガスをスパッタ装置内に導入し
て10-1 Pa程度のガス圧とする。
【0043】次に、輝尽性蛍光体をターゲットとして、
スパッタリングすることにより、保護層表面に輝尽性蛍
光体を所望の厚さに堆積させる。スパッタ工程において
も蒸着法と同様に、複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形
成することも可能であるし、また、それぞれ異なった輝
尽性蛍光体からなる複数のターゲットを用いて、同時あ
るいは順次、ターゲットをスパッタリングして輝尽性蛍
光体層を形成することも可能である。また、スパッタ法
においては、必要に応じて O2,H2やハロゲン等のガス
を導入して反応性スパッタを行ってもよい。スパッタ終
了後、蒸着法と同様に輝尽性蛍光体層の支持体側とは反
対側に保護層を設けることにより放射線画像変換パネル
が製造される。なお、スパッタ法においても蒸着法と同
様に、スパッタ時、必要に応じて被蒸着物(一次保護
層)を冷却あるいは加熱してもよい。また、スパッタ終
了後輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。
【0044】保護層は波長300nmから1000nm で光吸収が
なくかつガスバリア性を有する無機物質を蒸着した透明
な蒸着層である。波長300nmから1000nm で光吸収がない
無機物質としては、例えばケイ素酸化物、酸化アルミ、
酸化ジルコニウム、酸化スズ等があるが、このうち特に
酸化アルミ(Al2O3)やケイ素酸化物(SiOx 、x:1〜2)
は光透過率が高くかつガスバリア性が高い、すなわちク
ラックやマイクロポアが少なく緻密な膜を形成すること
ができるので特に好ましい。酸化アルミとケイ素酸化物
は単独で蒸着しても良いが、両方を共に蒸着するとガス
バリア性をより高くすることができるので、酸化アルミ
とケイ素酸化物の両方を蒸着することがより好ましい。
保護層の厚みは0.01μmから0.5μmであることが好まし
く、0.02〜0.5μmとすることがより好ましい。
【0045】保護層は50%以下の範囲であればヘイズを
有していても良く、励起・集光方法、画像処理方法、あ
るいは保護層の厚みや材質に応じて適宜調整することが
好ましい。
【0046】無機物質の蛍光体層への蒸着は、PVD法(P
hysical Vapor Deposition、物理蒸着法)または、CVD
法(Chemical Vapor Deposition、化学蒸着法)またはP
E-CVD(Plasma enhanced CVD )等の方法が使用でき
る。いずれの方法によっても、保護層の透明性、バリヤ
ー性は大きく変わらないので、適宜選択することが可能
である。
【0047】また、蒸着した保護層上にはさらに樹脂層
用塗布液を塗布したり、樹脂フィルムをラミネートする
ことにより樹脂層を設けてもよい。樹脂層の厚みは0.5
μmから20μmであることが好ましく、0.5μmから10μm
であることがより好ましく、さらには 1μmから5μmと
することがより好ましい。
【0048】樹脂層も保護層と同様に、波長300nmから1
000nm において光吸収がなく、できる限り透湿性が低い
ことが好ましい。具体的にはフッ素系樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、PET、塩酸ゴム、塩化ビニリデ
ン共重合体等であることが好ましく、特にフッ素系共重
合体を用いることがより好ましい。
【0049】樹脂層中にはシリコーンが含まれているこ
とが好ましく、またシリコーンは反応性シリコーン(シ
リコーンマクロモノマー)であることがより好ましい。
反応性シリコーンは、たとえばジメチルポリシロキサン
骨格を有するものを用いることができる。反応性シリコ
ーンや硬化剤を含む可溶性フッ素樹脂を塗布すると、放
射線像変換パネルにより高い防汚性が付与されるので好
ましい。
【0050】なお、蛍光体層の側面からの吸湿は、ガス
バリア性の蒸着保護層のみでは充分に防止することがで
きない場合があるため、エポキシ樹脂やUV硬化樹脂や
金属(ソルダー)等で封止することが好ましい。また、
蛍光体層の吸湿による性能劣化を防ぐため、蒸着槽(蒸
着器)からの取り出しから端面の封止までは、真空ある
いは乾燥した空気または不活性ガスや疎水性の不活性ガ
ス中で行うことが好ましい。
【0051】以下、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明する。
【実施例】(実施例1)支持体として1mm厚の石英ガラ
ス板(日本板硝子(株)製の UFF0.40)を蒸着器中に設置
した。次に2つの白金ボート中にアルカリハライド輝尽
性蛍光体(Cs・Br)および(Eu)を入れ、蒸着器内を排
気して2×10-4Pa の真空度とした。その後、白金ボー
ト中の輝尽性蛍光体に電子銃から 2.3kVの加速電圧の電
子線を30分間照射し、30μm/分の速度で石英ガラス板
上に輝尽性蛍光体(Cs・Br:0.02Eu)を柱状に堆積させ
た。蛍光体堆積後、アルミ入りの白金ボートをセット
し、酸素ガスを圧力10-1Paになるように蒸着器に導入し
ながらアルミを加熱し、0.05μmの厚さの酸化アルミニ
ウム保護層を形成した。
【0052】電子線の照射を止め、蒸着器中を乾燥した
大気圧に戻し、石英ガラス板を取り出した。石英ガラス
板上には太さ20μm、長さ 900μmの柱状の輝尽性蛍光体
が密に立って堆積しており、その表面には酸化アルミニ
ウムの保護層が形成されていた。
【0053】次いで、乾燥窒素ガスのチャンバー中で蛍
光体周辺部にエポキシ樹脂を塗布し、蛍光体層を封止し
て放射線像変換パネルを得た。
【0054】(実施例2)酸化アルミニウム保護層の厚
みを0.1μmとした以外は実施例1と同様にして放射線像
変換パネルを得た。
【0055】(実施例3)実施例2で形成したパネルの
酸化アルミニウム保護層の上に、2μm厚の防汚層(反射
防止白色粉末入り)を設けた。防汚層は、フッ素系共重
合体溶液(旭硝子(株)製:ルミフロンLF504(30%キシレ
ン溶液))40g、有機フィラーとしてメラミン−ホルムア
ルデヒド((株)日本触媒、エポスターS6)28.4g、分散剤
としてアルミカップリング剤(味の素(株)、プレンアク
トAL-M)0.5g、メチルエチルケトン(MEK)200gを3mm
φのジルコニアボールを使用したボールミルで20時間分
散混合した後、ルミフロンLF504X(30%キシレン溶液)
360gを追加し、さらに4時間分散した。その後、シリコ
ーンマクロモノマー(チッソ(株)製:サイラプレンFM-D
A26)5.6g、架橋剤としてポリイソシアネート(住友バ
イエルウレタン(株)、スミジュールN3300(固形分100
%))22.2g、触媒としてジブチルチンジラウレート(共
同薬品(株)、KS1260)1.4mg、MEK 800gを追加混合して
防汚層塗布液とし、これを保護層の上に塗布し、乾燥、
硬化して放射線像変換パネルとした。
【0056】(実施例4)酸化アルミニウムに換えて、
0.1μm 厚さの酸化ケイ素(SiOx (0<x≦2))を保護層
として使用した以外は実施例3と同様にして放射線像変
換パネルを得た。
【0057】(比較例1)実施例1で酸化アルミニウム
保護層を設けなかった以外は同様にして放射線像変換パ
ネルを得た。
【0058】(比較例2)酸化アルミニウム保護層を設
けなかった以外は実施例3と同様にして放射線像変換パ
ネルを得た。
【0059】(評価実験)上記実施例1から4および比
較例1、2で得られた放射線像変換パネルに対し以下の
評価実験を行った。結果を表1に示す。
【0060】1.発光強度 放射線像変換パネルに、管電圧80kVpのX線を照射した
のち、He-Neレ−ザ−光(632.8nm)で走査して蛍光体を
励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光して電
気信号に変換し、輝尽発光量を測定した。発光量は実施
例1を 100%としたときの相対値として表した。
【0061】2.耐湿性 得られたパネルを60℃80%RHの高温高湿室に1週間置
いて、輝尽性発光の変化を調べ、以下の三段階の評価と
した。
【0062】 ○:低下5%未満 △:低下5%以上10%未満 ×:低下10%以上
【0063】3.マジック(登録商標)防汚性 保護層表面に黒マジックで線を引き、乾燥後キムワイプ
で乾拭きしてマジック線の消去程度を観察し、以下の三
段階の評価とした。
【0064】 ○:線の残り無し △:半分程度残り有り ×:全面残り有り
【0065】
【表1】 比較例1の放射線像変換パネルは耐湿性のチェック時に
蛍光体層が吸湿溶解した。
【0066】以上の実験結果から明らかなように、本発
明による放射線像変換パネルは初期画像が良好で、耐湿
性に優れていた。また、反応性シリコーンを含む樹脂層
を有する実施例3および実施例4では防汚性にも優れて
いた。
【0067】なお、実施例は放射線像変換パネルのみに
ついて記載したが、本発明の保護層はX線写真用増感パ
ネル等にも同様に用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示す放射線発光パ
ネルの断面図
【図2】本発明の第二の実施の形態を示す放射線発光パ
ネルの断面図
【図3】柱状形態の蛍光体で構成された蛍光体層と支持
体を模式的に表した断面図
【符号の説明】
1 蛍光体層 2 保護層 3 支持体 4 樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 11/61 CPF C09K 11/61 CPF G03B 42/00 G03B 42/00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に気相堆積法により蛍光体が堆
    積されてなる蛍光体層と、保護層とをこの順に有する放
    射線発光パネルにおいて、前記保護層が波長300nmから1
    000nm において光吸収がなくかつガスバリア性を有する
    無機物質を含む蒸着層であることを特徴とする放射線発
    光パネル。
  2. 【請求項2】 前記無機物質が酸化アルミおよび/また
    はケイ素酸化物であることを特徴とする請求項1記載の
    放射線発光パネル。
  3. 【請求項3】 前記保護膜上に樹脂層が設けられている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の放射線発光パ
    ネル。
  4. 【請求項4】 前記樹脂層の厚みが 0.5μmから20μmで
    あることを特徴とする請求項3記載の放射線発光パネ
    ル。
  5. 【請求項5】 前記樹脂層中にシリコーンが含まれてい
    ることを特徴とする請求項3または4記載の放射線発光
    パネル。
  6. 【請求項6】 前記保護層の厚みが 0.01μmから0.5μm
    であることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記
    載の放射線発光パネル。
  7. 【請求項7】 前記ガスバリア性が透湿度2g/m2 /24
    h以下、酸素透過度2cc/m2 /24h以下であることを特
    徴とする請求項1から6いずれか1項記載の放射線発光
    パネル。
  8. 【請求項8】 前記蛍光体が柱状形態であることを特徴
    とする請求項1から7いずれか1項記載の放射線発光パ
    ネル。
  9. 【請求項9】 前記蛍光体が輝尽性蛍光体であることを
    特徴とする請求項1から8いずれか1項記載の放射線発
    光パネル。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004138440A (ja) * 2002-10-16 2004-05-13 Konica Minolta Holdings Inc 放射線画像変換パネル
JP2005172800A (ja) * 2003-11-20 2005-06-30 Fuji Photo Film Co Ltd 放射線像変換パネル及びその製造方法
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