JP2002098196A - 歯付ベルト及び歯付ベルト伝動装置並びに事務用機器 - Google Patents

歯付ベルト及び歯付ベルト伝動装置並びに事務用機器

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JP2002098196A JP2000290916A JP2000290916A JP2002098196A JP 2002098196 A JP2002098196 A JP 2002098196A JP 2000290916 A JP2000290916 A JP 2000290916A JP 2000290916 A JP2000290916 A JP 2000290916A JP 2002098196 A JP2002098196 A JP 2002098196A
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belt
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arc
toothed belt
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Hideaki Kawahara
英昭 川原
Masaki Ochiai
政喜 落合
Ryuichi Kido
隆一 城戸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリンタや複写機の事務用機器等に用いられ
る歯付ベルト伝動装置の歯付ベルト8の速度むらを可及
的に低減し、事務用機器の印字精度や画像品質の向上等
を図る。 【解決手段】 ベルト歯部13を、歯幅方向中心線C2
に対し対称に配置された円弧面からなる歯元部12,1
2と、歯元部12,12に連続して歯幅方向中心線C2
に対し対称に設けられた凸形状円弧面からなる歯側面部
15,15と、歯先部16とで構成し、歯先部16は、
両歯側面部15,15の円弧面と連続しかつ歯幅方向中
心線C2上に中心点O2Bを持つ1つの円弧面で構成す
る。そして、ベルト8のピッチラインPLは歯側面部1
5の円弧面の円弧中心O1Bよりも歯先側に配置し、ベ
ルト歯部13がベルトピッチラインPL上でベルト走行
方向前側の歯元付近に対応する点Oを回動中心として回
動しながらプーリ歯溝部3に噛み込む際、ベルト歯部1
3の歯側面部15の歯先側の回動軌跡をプーリ歯溝部3
の歯溝側面部5から離してそれと干渉し難くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯付ベルト及び歯
付ベルト伝動装置並びにそれを用いた事務用機器に関
し、特に、ベルトの速度むら(速度変動)を低減させる
ための技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の歯付ベルトとして
は、ベルト歯部の形状が台形状であるものが一般的に用
いられていたが、より一層の高負荷を伝達したり、騒音
をより一層低減したりするという目的で、凸形状の側面
を有する歯部形状のベルトが提案され、現在では主流と
なっている。その歯形の1つが特開昭50―42252
号公報に示されるいわゆるSTPD歯形と呼ばれるもの
であり、他の1つが特開昭59―89852号公報に示
されたいわゆるHTD−II歯形と呼ばれるものである。
前者のSTPD歯形は、例えばバンドー化学(株)の商
品名「スーパートルクシンクロベルト」として、また後
者のHTD−II歯形は、ユニッタ(株)の商品名「パワ
ーグリップGTベルト」としてそれぞれ実用化されてい
る。
【0003】また、この他、事務用機器における可動部
の精密な位置決め駆動を目的として、特開昭64―74
341号公報に示される歯付ベルトも提案されている。
このものでは、図19に示すように、ベルト10′にお
ける本体11′のランドラインLL上に複数のベルト歯
部13′,13′,…(1つのみ示す)を一定ピッチで
設け、この各ベルト歯部13′は、歯幅方向中心線C2
に対し対称に配置された円弧面からなる歯元部14′,
14′と、この歯元部14′,14′に連続してかつ上
記歯幅方向中心線C2に対し対称に設けられた凸形状の
円弧面からなる歯側面部15′,15′と、この歯側面
部15′,15′に連続してかつ上記歯幅方向中心線C
2に対し対称に設けられた円弧面からなる円弧面部1
7′,17′とを備え、これら円弧面部17′,17′
同士は1つの平面からなる平面部18′により接続され
ている。そして、この歯付ベルト10′の歯付プーリ
1′との静的噛合い状態において、各ベルト歯部13′
の歯元部14′がプーリ歯溝部3′の歯頂円弧部4′と
略接触し、ベルト歯部13′のプーリ歯溝部3′でのバ
ックラッシュがベルト歯部13′の歯元から歯先にかけ
て漸次増大し、プーリ歯溝部3′の深さがベルト歯部1
3′の高さ以上になるように構成されている。
【0004】このものでは、プーリ歯溝部3′とのバッ
クラッシュをベルト歯部13′の歯元部14′でなくす
一方、そのプーリ歯溝部3′とのバックラッシュをベル
ト歯部13′の歯元から歯先にかけて漸増させてベルト
歯部13′を歯先に向かって細くし、このことでベルト
歯部13′とプーリ歯溝部3′の歯頂円弧部4′との噛
合い干渉を抑制して、この噛合い干渉に起因するベルト
ピッチラインPLの変動を低減するようにしている。
尚、図19中、5′はプーリ歯溝部3′における凹形状
の歯溝側面部、6′は歯溝底部である。また、ベルト1
0′のピッチラインPLはプーリ1′のピッチ円PCと
一致している。また、理解を容易にするために、図19
ではプーリ1′の外周部をベルト10′と共に展開して
示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プリンタや
複写機に代表される事務用機器においては、歯付ベルト
伝動装置を利用した印字装置(画像印刷も含む)が一般
的に用いられている。この印字装置では、インクやハン
マ等の印字機構を装着したキャリッジを歯付ベルトに取
り付けて、この歯付ベルトを歯付プーリ間に掛け渡し、
プーリを正逆転させてキャリッジを往復動作させるよう
になっている。
【0006】そして、上記キャリッジによる印字精度や
画像品質を高めるために、歯付ベルトの走行時の速度む
ら(速度変動)を可能な限り低減することが要求され
る。特に、プリンタにおいては、近年、カラー印刷やそ
の高速化・高画質化が急速に進んでおり、歯付ベルトの
噛合振動(噛合いによる速度むら)が印字むらや画像む
らを引き起こすことがあるので、歯付ベルトの噛合速度
むらの低減が強く要求されている。
【0007】これらプリンタ等の事務用機器には、上記
STPD歯形やHTD−II歯形で歯部ピッチが3mm以
下(例えば3mm、2mm、1.5mm等)の歯付ベル
トが一般的に用いられており、その歯部の形状は8mm
ピッチや5mmピッチ等、比較的大きい歯部ピッチの歯
形をそのまま略相似的に縮小した形状が採用されてい
る。
【0008】しかしながら、これらの歯形は本来、高負
荷伝達の用途を目的として開発されたものであり、この
ため、上記速度むらを低減する要求については何等考慮
されていない。
【0009】尚、上記した特開昭64―74341号公
報に示される歯付ベルトは、速度むらの低減をある程度
考慮して提案されたものではあるが、その速度むらの低
減に最適な歯形とはなり得ておらず、速度むらを可及的
に低減するのに不十分であった。
【0010】すなわち、このように、歯付ベルトの速度
むら低減のための歯形状の研究等については、従来から
殆ど行われていないのが実情である。
【0011】本発明は斯かる諸点に鑑み、本発明者が上
記の如き事務用機器等に用いられる歯付ベルトの歯形状
を構成する種々の因子について解析及び実験を鋭意重ね
ることでなされたものであり、その目的は歯付ベルトの
速度むらを可及的に低減することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明者による研究の結果、ベルト歯部の側面を
凸形状の円弧面とした歯付ベルトにおいては、プーリに
巻き付いてベルト歯部が回動しながらプーリの歯溝部に
噛み合うとき、そのベルト歯部はベルトのピッチライン
上の点を中心として回動することに着目し、その回動中
心となるベルトピッチラインの位置をベルト歯部側面の
円弧中心よりも歯先側にずらすことにより、ベルト歯部
のプーリ歯溝部との噛合時の干渉をさらに有効に抑制す
ることとした。
【0013】具体的には、請求項1の発明では、歯付ベ
ルトとして、ピッチライン上に抗張体が埋設されたベル
ト本体と、このベルト本体のランドライン上に一定ピッ
チで設けられた複数のベルト歯部とを備えている。そし
て、上記各ベルト歯部は、歯幅方向中心線に対し対称に
配置された略円弧面からなる歯元部と、この歯元部に連
続して歯部側面に位置しかつ上記歯幅方向中心線に対し
対称に設けられた凸形状の略円弧面からなる歯側面部
と、この両歯側面部の円弧面の歯先側延長線よりも歯元
側に位置し、両歯側面部同士を連続するように設けられ
た歯先部とで構成され、上記ピッチラインは上記歯側面
部の円弧面の円弧中心よりも歯先側(ベルト内周面側)
に位置していることを特徴としている。
【0014】ベルトがプーリに巻き付くときには、ベル
トのランド部がプーリ外径部(歯頂部)に円弧状に巻き
付き、このランド部が巻き付いた後にベルト歯部がプー
リ歯溝部へ噛み込むが、このとき、ベルト歯部は、ベル
ト本体のピッチライン上においてベルト走行方向前側の
歯元付近における歯頂円弧部(プーリ歯溝部の走行方向
前側端部)に対応する点を回動中心(支点)として回動
しながらプーリ歯溝部に噛み込む。従って、この回動中
心となるベルトピッチラインがベルト歯部における歯側
面部の円弧中心よりも歯先側に位置していることで、同
ベルトピッチラインがベルト歯部における歯側面部の円
弧中心と同じか又はそれよりも歯元側(ベルト外周面
側)に位置している構造と比べ、ベルト歯部の歯側面部
の歯先側の回動半径が小さくなり、そのベルト歯部の回
動に伴う軌跡がプーリ歯溝部の歯溝側面部から離れるよ
うになって該歯溝側面部と干渉し難くなり(図4参
照)、ベルト歯部がプーリ歯溝部に滑らかに滑り込む。
このため、干渉に伴って発生するプーリからの反力によ
りベルトのピッチラインが押し上げられてベルトピッチ
ラインが変動するのを低減でき、噛合い干渉に起因する
ベルトの速度むらを小さくすることができる。
【0015】ここで、上記ベルト歯部の歯側面部は、1
つの円の弧面で構成されていることが好ましいが、実質
的に略円弧面で近似できる凸状の曲面であれば、楕円の
一部や放物線の一部等、他の曲線からなる曲面であって
もよく、いずれにしても略円弧面で近似できる凸状の曲
面であれば、本発明の効果が発揮される。
【0016】また、ベルト歯部において、両歯側面部同
士を連結する歯先部は、両歯側面部の円弧面の歯先方向
への延長線よりも歯元側に位置するように設けさえすれ
ばよく、上記本発明の効果を発揮できる。
【0017】請求項2の発明では、上記請求項1の歯付
ベルトにおけるランドライン上での歯元幅をWとしたと
き、上記ベルト歯部の歯側面部においてランドラインか
ら歯高さ方向に0.3W離れた基準位置での圧力角(以
後、0.3W圧力角とも記す)が26〜39°であるこ
とを特徴としている。こうすると、ベルトの速度むらを
さらに低減できて好ましい。
【0018】すなわち、ベルト歯部の側面を凸形状とし
た歯付ベルトにおいては、その側面の基準位置での圧力
角が速度むらに極めて大きな影響を与える。この理由
は、ベルト歯部側面の凸形状の歯側面部が通常0.6W
前後の歯高さを有するので、その歯高さの中央となる基
準位置での「0.3W圧力角」が凸形状歯形の圧力角と
して実質的に有効な指標となるからである。
【0019】従来のSTPD歯形やHTD−II歯形を有
する歯付ベルトでは、高負荷伝動を目的としているの
で、高負荷時のベルトの歯飛び(ジャンピング)を避け
るために、歯部側面の上記0.3W圧力角は小さく設定
される。例えば歯部ピッチが1.5〜3.0mmのST
PD歯形では上記0.3W圧力角は25.1〜25.3
°の範囲に、また1.5〜3.0mmピッチのHTD−
II歯形では0.3W圧力角は20.8〜21.1°の範
囲にそれぞれ設定されている。これに対し、事務用機器
の用途に用いられる歯付ベルトは、軽負荷伝動条件下で
駆動されるものであるので、上記の如きベルトの歯飛び
を考慮する必要は殆どない。そして、発明者の研究の結
果、歯部側面の0.3W圧力角を26〜39°とするこ
とで、ベルトの速度むらを大きく低減できる。そして、
ベルトのスパン(プーリに巻き付いていない部分)でベ
ルトピッチラインがベルトスパンと直交する方向に上下
動することにより、噛合い速度むらが発生する。上記ピ
ッチラインの上下動量は、ベルト歯部がプーリ歯溝部に
滑り込む際に発生する反力と、その反力によってベルト
が上側に押し上げられたときに発生するベルト張力の分
力とによって決まる。このため、接触位置がベルト歯部
とプーリ歯溝部との完全噛合位置から離れるほどベルト
張力の分力が小さくなり、ピッチラインの押上げ量が大
きくなる。換言すれば、ベルト歯部のプーリ歯溝部への
接触が早期になされるほど速度むらが大きくなるのであ
る。
【0020】それ故、従来の歯部形状のように0.3W
圧力角が小さいと、ベルト歯部の側面がプーリ歯溝部の
側面に早く接触する(図5(b)参照)のに対し、本発
明のように0.3W圧力角が従来のものよりも大きい
と、ベルト歯部のプーリ歯溝部側面との接触は遅くなり
(図5(a)参照)、このことによってベルトの速度む
らを低減することができる。
【0021】一方、上記0.3W圧力角を無闇に大きく
することはできず、それが大き過ぎると、却って速度む
らが増大する。すなわち、上記のとおり、ベルト歯部の
側面はプーリ歯溝部の側面と接触した後に滑り込む反力
とベルト張力の分力とによってベルトスパンの移動量が
決まるが、そのとき、0.3W圧力角が大き過ぎると、
ベルト歯部がプーリ歯溝部に滑り込む際に発生する反力
の垂直方向(ベルトスパンと直交する方向)の成分が大
きくなり過ぎ、容易に滑り込めなくなってベルトピッチ
ラインが押し上げられるためである。
【0022】したがって、上記0.3W圧力角は、上記
の如く26〜39°にあれば最適の許容範囲が得られる
こととなり、従来の圧力角(例えば25.1〜25.3
°)を有するものに比べてベルトの速度むらの低減に極
めて有効である。
【0023】請求項3の発明では、上記ベルト歯部の歯
側面に位置する歯側面部の円弧半径RBは、ランドライ
ン上での歯元幅Wに対し、RB=0.7W〜1.5Wと
する。すなわち、上記のように、0.3W圧力角を大き
くすることによって、ベルト歯部のプーリ歯溝部への噛
込み時にベルト歯部のプーリ歯溝部への接触が遅くな
り、これにより速度むらを小さくすることができるが、
同じ0.3W圧力角を有する歯形であっても、その歯形
の歯側面部の円弧半径によってベルト歯部のプーリ歯溝
部への滑込み易さが異なるため、速度むらに影響する。
つまり、上記のように、ベルト歯部がプーリ歯溝部へ噛
み込むときに、ベルト歯部はベルト走行方向前側の歯元
付近におけるピッチライン上の点を回動中心としてプー
リ歯溝部に噛み込むが、このとき、歯側面部の円弧半径
RBが大き過ぎる場合、ベルト歯部の歯先付近がプーリ
歯溝側面に干渉しながら(図7(b)参照)、また歯側
面部の円弧半径RBが小さ過ぎる場合は、ベルト歯部側
面がプーリ歯頂円弧付近に干渉しながら(図7(c)参
照)それぞれ滑り込む。こうしてベルト歯部の歯先付近
又は側面が干渉しながら滑り込むことによって、噛込み
時に発生するプーリからの反力が大きくなり、ピッチラ
インが押し上げられて速度むらが大きくなる。
【0024】これに対し、ベルト歯部の歯側面部の円弧
半径RBがベルト歯元幅Wと略等しくてR=0.7W〜
1.5Wの範囲にあれば、上記の如き干渉は殆ど発生せ
ず(図7(a)参照)、滑らかに滑り込むことができる
ため、速度むらが小さくなる。つまり、半径RBが歯元
幅Wに対し、RB=0.7W〜1.5Wの範囲であれ
ば、滑らかに滑り込むことができ、速度むらの低減に有
効である。
【0025】請求項4の発明では、上記歯付ベルトにお
けるベルト歯部の歯ピッチPBは、上記歯元幅Wに対
し、PB=1.37W〜1.47Wとする。すなわち、
従来のSTPD歯形やHTD−II歯形を有する歯付ベル
トでは、高負荷伝動時のベルトランド部の摩耗を考慮し
て、PB=1.56W〜1.64Wとされていた。この
理由は、ベルト歯ピッチPBをこれよりも小さくする
と、ベルトランド部の面積が小さくなり過ぎて高負荷伝
動時の面圧が上がり、ランド部が摩耗してベルトが早期
破損に至る危険性があるためであるが、歯ピッチ1.5
〜3mmの軽負荷用途のものについても、単に相似設計
としているので、上記のとおりPB=1.56W〜1.
64Wとされている。
【0026】これに対し、速度むらを低減させるために
は、ベルト歯ピッチはできるだけ小さい方が有利であ
る。例えば、ベルトにキャリッジを取り付け、往復運動
をさせるプリンタの場合、PB=1.6Wの歯付ベルト
で歯数14の駆動プーリを駆動させる駆動装置につい
て、その歯付ベルトをPB=1.4Wのものに置き換え
た場合、キャリッジ速度及びプーリ径を合わせるのに、
歯数16の駆動プーリを使用することができる。
【0027】そして、プーリ歯数が多い方が多角形効果
が小さい(より一層円に近くなる)ので、歯ピッチが小
さい方が有利である。PB=1.47W以下であれば、
従来のものに比べて上記の効果があり、速度むらが小さ
くなる。但し、たとえ軽負荷用途とはいえ、PB=1.
37W未満では、プーリ外径部が狭くなり過ぎ、プーリ
の強度や加工性に問題がある。このため、PB=1.3
7W〜1.47Wが実用的に有効な範囲である。
【0028】請求項5の発明では、上記ベルト歯部の歯
先部は、両歯側面部の円弧面と連続しかつ歯幅方向中心
線上に中心点を持つ1つの円弧面で構成されていること
を特徴とする。
【0029】上記のとおり、歯先部の構成は、両歯側面
部の円弧面の歯先方向への延長線上内側に位置するよう
に設けさえすればよいが、歯先部を1つの円弧面で構成
すれば、平面部を有するもの(図5(a)仮想線参照)
に比べ、ベルト歯部のプーリ歯溝部への接触をさらに遅
くすることができ(図5(a)実線参照)、ベルトの速
度むらをより一層低減できる利点がある。
【0030】請求項6の発明では、ベルト歯部の歯先部
は、両歯側面部の円弧面に連続するように設けられた略
円弧面からなる円弧面部と、両円弧面部を接続するよう
に設けられた略平面からなる1つの平面部とで構成され
ている。すなわち、プリンタの用途では、従動プーリ
(図3のプーリ2参照)を平プーリとして使用すること
があり、その場合、ベルト歯部の歯先部が平プーリ外径
部と直接接触して走行するので、このベルト歯先部が略
平面であれば広い面積で荷重を受け持つこととなり、ピ
ッチラインの位置を安定させることができ、これにより
ベルトの速度むらを抑えることができる。
【0031】請求項7及び8の発明は、歯付ベルトと歯
付プーリとを組み合わせた歯付ベルト伝動装置に関する
発明である。請求項7の発明では、上記請求項1〜6の
いずれか1つの歯付ベルトと、プーリ外径ライン上に一
定ピッチで設けられた複数のプーリ歯溝部を備えた歯付
プーリとを組み合わせてなる歯付ベルト伝動装置とし
て、上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し対
称に配置された略円弧面からなる歯頂円弧部と、この歯
頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称に設け
られた凹形状の略円弧面からなる歯溝側面部と、この両
歯溝側面部同士を接続するように設けられた歯溝底部と
で構成されている。そして、上記歯付ベルトのベルト歯
部の歯側面部とプーリ歯溝部の歯溝側面部とは略相似形
である。また、ベルトにプーリが巻き付いてベルトに張
力が付与された伝動状態において、ベルト歯部の歯側面
部及びプーリ歯溝部の歯溝側面部の歯高さ方向の各位置
での圧力角が略等しく構成されている。
【0032】上記のように、凸状円弧の歯側面部を有す
る歯付ベルトで、圧力角を適正範囲に大きく構成すれ
ば、プーリ歯溝部との接触を遅くすることができるた
め、ベルトそのものとして速度むらを低減させる効果を
有するが、プーリ歯溝形状との組合せにより、より一層
大きな効果を発揮できる。すなわち、ベルト歯形状とプ
ーリ歯溝形状の組合せにより速度むらの低減を狙った従
来技術として、上記した特開昭64―74341号公報
のものがある。このものは、前述のようにベルト歯部と
プーリ歯溝部との間のバックラッシュが歯先部から歯先
側に向かって漸増させる(つまりベルト歯側面の圧力角
よりも、プーリ歯溝側面の圧力角を小さくしたもの)こ
とにより、噛込み時のベルト歯のプーリ歯溝への干渉を
抑えることを狙ったものである(図19参照)。
【0033】しかし、この構成では、確かに無負荷の伝
動状態で干渉は殆ど起こらないが、現実には前述のよう
に通常の伝動状態で、与えられる負荷トルクの影響によ
り、ベルト歯部はプーリ歯溝部の位置に対し若干遅れた
位置で噛み込むので、ベルト歯部の走行方向後側の歯部
側面がプーリ歯溝部の側面に接触し、その後に滑り込
む。このとき、従来例のように、ベルト歯側面の圧力角
よりも、プーリ歯溝側面の圧力角を小さくすると、ベル
ト歯部側面はプーリ歯溝部の歯頂円弧部に接触し、ベル
ト歯部はプーリ歯溝部の歯頂円弧部に突き上げられなが
ら噛み込む(図6(b)参照)。これにより、プーリ歯
溝部にスムーズに滑り込むことができず、ベルトピッチ
ラインが押し上げられて速度むらが増大してしまう。実
際、有限要素法を用いた速度むら解析において、ベルト
とプーリの圧力角が同じものに対して、速度むらが悪化
する結果となる。
【0034】これに対し、請求項7の発明の構成によれ
ば、ベルト歯部の側面とプーリ歯溝部の歯溝側面との歯
高さ方向の各位置での圧力角が略等しいため、噛込み時
にベルト歯部側面がプーリ歯溝部側面に対し、均一に接
触してベルト歯部がプーリ歯溝部にスムーズに滑り込む
ようになり、ベルトピッチラインが押し上げられない
(図6(a)参照)。従って、ベルト歯部側面の圧力角
が従来よりも大きくベルト歯側面がプーリ歯溝側面との
接触が遅いことと相俟って、ベルトの速度むらを極めて
小さく抑えることができる。
【0035】請求項8の発明では、請求項1〜6のいず
れか1つの歯付ベルトと、プーリ外径ライン上に一定ピ
ッチで設けられた複数のプーリ歯溝部を備えた歯付プー
リとを組み合わせてなる歯付ベルト伝動装置であって、
上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し対称に
配置された略円弧面からなる歯頂円弧部と、この歯頂円
弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称に設けられ
た凹形状の略円弧面からなる歯溝側面部と、これら両歯
溝側面部同士を接続するように設けられた歯溝底部とで
構成されており、上記歯付ベルトのベルト歯部の歯側面
部とプーリ歯溝部の歯溝側面部とは略相似形とする。そ
して、ベルトにプーリが巻き付いてベルトに張力が付与
された伝動状態において、ベルト本体のランド部とプー
リ外径部とは非接触状態とする。
【0036】こうすると、ベルトのランド部がプーリ外
径部に円弧状に巻き付いた後にベルト歯部がプーリ歯溝
部へ噛み込む際、上記のように、ベルト歯部はベルト本
体のピッチライン上の点を回動中心として回動しながら
プーリ歯溝部に噛み込むが、そのピッチライン上の点の
回動中心は、ベルトランド部とプーリ外径部とが接触状
態にある場合のように、噛み込もうとする対象のプーリ
歯溝部のベルト走行方向前側の歯元付近における歯頂円
弧部に対応する点ではなくて、ベルトランド部とプーリ
外径部とが非接触状態であるが故に、上記対象のプーリ
歯溝部よりもベルト走行方向前側に位置するプーリ歯溝
部の後側歯元付近における歯頂円弧部に対応する点にず
れ、ベルト歯部はこの点を回動中心として回動しながら
対象のプーリ歯溝部に噛み込むようになる。このこと
で、上記ベルトランド部とプーリ外径部とが接触状態で
ある場合に比べて、ベルト歯部の回動半径が大きくな
り、その歯側面部の歯先側の回動軌跡の突出量が小さく
なってプーリ歯溝部の歯溝側面部と干渉し難くなり、ベ
ルト歯部はプーリ歯溝部に滑らかに滑り込んで、ベルト
歯部のプーリ歯溝部との噛合い干渉に起因するベルトの
速度むらをさらに小さくすることができる。
【0037】また、一般に、歯付ベルト伝動装置におけ
るプーリと歯付ベルトとの間の負荷の伝動は、プーリ歯
溝部及びベルト歯部間の噛合い伝動に加え、プーリ外径
部及びベルトランド部の間の摩擦伝動によってもなさ
れ、プーリの回転速度の変動がこれら2つの伝動態様に
よって歯付ベルトへ伝えられて、歯付ベルトの速度むら
が発生するが、ベルトランド部とプーリ外径部とが非接
触状態であると、上記プーリ及びベルト間の負荷伝動の
態様のうち、後者のプーリ外径部とベルトランド部との
摩擦伝動が取り除かれるので、このベルトランド部の摩
擦伝動によるプーリの回転速度変動のベルトへの伝達が
防止され、ベルト歯部のうち、ベルトのランドラインと
プーリの外径ラインとの間の部分がその弾性によりプー
リの回転速度変動を吸収するようになり、このプーリの
回転速度変動が上記噛合い伝動によってベルトへ伝達さ
れるのを抑制して、ベルトの速度むらをさらに小さくす
ることができる。
【0038】請求項9の発明では、事務用機器として、
上記歯付ベルト伝動装置が装備されていて、その歯付ベ
ルトにキャリッジが取り付けられているものとする。こ
のことで、歯付ベルト伝動装置の作動時に、キャリッジ
を移動させて印字等をするとき、ベルトの速度むらによ
るキャリッジの速度変動が小さくなるので、キャリッジ
による印字精度や画像品質を高めることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図3は本発明の実
施形態1に係る歯付ベルト伝動装置Aの全体構成を示
し、この伝動装置Aは、プリンタや複写機に代表される
事務用機器に装備されるものである。図3において、1
は歯付プーリからなる駆動プーリ、2は同様の従動プー
リで、これらプーリ1,2は例えば水平方向に対向して
配置されている。両プーリ1,2間には歯付ベルト10
が噛合い状態で巻き掛けられ、この歯付ベルト10の下
側スパンにはインクやハンマ等の印字機構(図示せず)
を装着したキャリッジ24が取付部24aにて移動一体
に取付固定されており、駆動プーリ1,2を正転又は逆
転させて歯付ベルト10を走行移動させることにより、
キャリッジ24をプーリ1,2間で往復動作させるよう
にしている。
【0040】図2に拡大して示すように、上記歯付プー
リからなる駆動又は従動プーリ1,2は、外周のプーリ
外径ライン上のプーリ外径部9に一定ピッチで設けられ
た複数のプーリ歯溝部3,3,…(1つのみ図示する)
を備えている。この各プーリ歯溝部3は、その歯溝幅方
向中心線C1に対し対称に配置された円弧半径r1Pの
円弧面からなる1対の歯頂円弧部4,4と、これら両歯
頂円弧部4,4に連続して上記歯溝幅方向中心線C1に
対し対称に設けられ、ピッチ円PCの近傍(後述の如く
プーリ1,2に噛み合うベルト10の歯部13における
歯側面部15の円弧面中心点O1Bと同じ位置)に中心
点O1Pを有しかつ後述するベルト歯部13の歯側面部
15の円弧半径RBよりも若干大きい円弧半径RP(>
RB)の凹形状の円弧面からなる1対の歯溝側面部5,
5と、これら両歯溝側面部5,5を連続するように設け
られた歯溝底部6とで構成され、この歯溝底部6は、両
歯溝側面部5,5同士を接続するように設けられた略円
弧面からなる円弧面部7,7と、該両円弧面部7,7同
士を接続するように設けられた略平面からなる1つの平
面部8とからなっている(尚、図2においては、理解を
容易にするためにプーリ1,2の外周をベルト10と共
に展開した状態で示している)。
【0041】一方、上記歯付ベルト10は、図1に拡大
して示すように、弾性材からなるベルト本体11を備え
ている。このベルト本体11はゴム製又はポリウレタン
製であるのが好ましく、その他、例えば合成樹脂系等の
材料でもよい。ゴム製の場合、クロロプレンゴムが用い
られる他、NBR、SBR、EPDM等でもよく、その
ゴムの硬度はJIS−Aで65〜85°程度のものがよ
い。ベルト本体11をポリウレタン製とする場合、その
ポリウレタンは熱硬化性でかつエーテル系のものが用い
られるが、熱可塑性やエステル系のものでもよい。
【0042】また、上記ベルト本体11のピッチライン
PL上に抗張体としての心線(図示せず)が埋設されて
いる。この心線は、ベルト本体11がゴム製又はポリウ
レタン製のいずれであっても、主としてガラス繊維、ア
ラミド繊維が用いられ、カーボンやPBO等の繊維でも
よい。また、事務用機器の消費電力を低減するために、
ロストルクが小さくなるように細径の心線が望ましい。
【0043】また、ベルト10の速度むらを低減する狙
いからみて、ベルト10のピッチラインPLを安定して
維持するために、ベルト10の曲げ剛性を低くする点、
また、負荷がかけられたときの歯ピッチPBの維持によ
り噛合干渉を低減し、事務用機器の起動時の速度変動を
素早く減衰させるために、ベルト10の引張弾性率を高
くする点を考慮すると、高弾性率の心線を用いるのがよ
い。
【0044】上記ベルト本体11のランドラインLL上
には、歯元幅W(ベルト歯部13の後述する両方の歯側
面部15,15の歯元方向の円弧延長線とランドライン
LLとの交差位置間の寸法)を有する複数の歯部13,
13,…(1つのみ図示する)がベルト長さ方向に一定
の歯ピッチPBで形成され、この歯部13,13間にあ
るベルト本体11の底面に、ランドラインLL上に位置
するランド部12が設けられている。上記ベルト歯部1
3のピッチPBは、上記歯元幅Wに対し、PB=1.3
7W〜1.47Wとするのが好ましい。
【0045】上記の如くベルト本体11がゴム製である
場合、その歯部13の表面に合成繊維製の織布(図示せ
ず)が貼り付けられる。その織布はポリアミド繊維が望
ましいが、ポリエステル繊維でもよい。織布は通常、R
F処理、エポキシ処理、RFL処理等の接着処理が施さ
れ、糊ゴムにより処理される。この糊ゴム処理は、織布
の表裏両面に行われることもあるが、特に事務用機器の
用途ではベルト10表面からのゴム粉の飛散を嫌い、し
かもベルト10の速度むらの低減という目的からみてベ
ルト10表面の摩擦係数を低くしておく必要があるため
に、歯部13の表面となる側にゴム処理を行わないのが
好ましい。
【0046】一方、ベルト本体11がポリウレタン製で
ある場合、歯部13の表面に織布は設けられておらず、
ベルト本体11に心線のみが埋め込まれたものとなる。
【0047】本発明の特徴は、上記各ベルト歯部13及
びプーリ歯溝部3の形状にある。すなわち、図1に示す
ように、各ベルト歯部13は、そのベルト長さ方向両側
に、ベルト歯部13の歯幅方向中心線C2(ベルト長さ
方向の中心線)に対し対称に位置しかつランド部12に
連続する所定半径r1Bの円弧面からなる1対の歯元部
14,14と、これらの歯元部14,14に連続して歯
部13の側面に位置しかつ上記歯幅方向中心線C2に対
し対称に設けられ、円弧半径RBの凸形状の円弧面から
なる1対の歯側面部15,15と、これら両歯側面部1
5,15の円弧面の円弧状の歯先側延長線15aよりも
歯元側(内側)に位置し、両歯側面部15,15同士を
連続するように設けられた歯先部16とで構成され、こ
の歯先部16は、上記ベルト歯部13の歯幅方向中心線
C2上に中心点O2Bを持つ円弧半径rTBの1つの円
弧面で構成されている。
【0048】そして、上記ベルト10のピッチラインP
Lは、上記各ベルト歯部13側面の歯側面部15の円弧
面の中心点O1B(円弧中心)よりも歯先側(ベルト内
周面側)に所定寸法d(例えばd=0.05mm)だけ
離れて位置している。
【0049】また、この各ベルト歯部13側面の歯側面
部15の円弧面の円弧半径RBは、RB=0.7W〜
1.5Wに設定するのがよく、特に、RB=0.8W〜
1.3W、さらにはRB=0.9W〜1.1Wとする好
ましい。
【0050】さらに、上記各ベルト歯部13側面の歯側
面部15においてランドラインLLから歯高さ方向に
0.3W離れた基準位置Dでの0.3W圧力角θBはθ
B=26〜39°とされ、望ましくはθB=28〜35
°であり、そのうちθB=29〜33°が好ましく、最
適値はθB=31°(図示例のもの)である。
【0051】また、図2に示す如く、上記ベルト歯部1
3の側面(歯幅方向の側面)とプーリ歯溝部3の側面
(歯溝幅方向の側面)とは互いに略相似形であり、ベル
ト10が各プーリ1,2に巻き付いてベルト10に張力
が付与された実際の伝動状態で、ベルト歯部13及びプ
ーリ歯溝部3の各側面の歯高さ方向の各位置でのベルト
歯部13側面の圧力角とプーリ歯溝部3側面の圧力角と
が略等しく構成され、かつベルト歯部13の歯先部16
とプーリ歯溝部3の歯溝底部6とが接触している。
【0052】この実施形態においては、歯付ベルト10
がプーリ1,2に巻き付くときには、まず、そのベルト
10のランド部12がプーリ外径部9に円弧状に巻き付
き、このランド部12が巻き付いた後にベルト歯部13
がプーリ歯溝部3へ噛み込むが、このとき、図4に示す
ように、ベルト歯部13は、ベルト本体11のピッチラ
インPL上においてベルト走行方向前側の歯元付近にお
ける歯頂円弧部4(プーリ歯溝部3の走行方向前側端
部)に対応する点Oを回動中心(支点)として回動しな
がらプーリ歯溝部3に噛み込む。そして、この回動中心
OとなるベルトピッチラインPLはベルト歯部13にお
ける歯側面部15の円弧中心点O1Bよりも歯先側に位
置しているので、同ベルトピッチラインPLがベルト歯
部13における歯側面部15の円弧中心点O1Bと同じ
か又はそれよりも歯元側に位置している構造(これらの
場合のベルト歯部13の噛込み状態をそれぞれ図4で一
点及び二点鎖線にて示している)と比べ、ベルト歯部1
3の歯側面部15の歯先側の回動半径が小さくなり、そ
のベルト歯部13の回動に伴う回動軌跡がプーリ歯溝部
3の歯溝側面部5から離れるようになって該歯溝側面部
5と干渉し難くなり、ベルト歯部13はプーリ歯溝部3
に滑らかに滑り込むことができる。このため、干渉に伴
って発生するプーリ1,2からの反力によりベルト10
のピッチラインPLが押し上げられて変動するのを低減
でき、噛合い干渉に起因するベルト10の速度むらを小
さくすることができる。
【0053】また、図5に示すように、歯付ベルト10
の各歯部13が歯付プーリからなる駆動プーリ1の各歯
溝部3に噛み込むとき、与えられる負荷トルクの影響に
よりベルト歯部13はプーリ歯溝部3の位置に対し若干
遅れた位置で噛み込むので、ベルト歯部13の走行方向
後側の歯部13側面がプーリ歯溝部3の側面に接触した
後にベルト歯部13がプーリ歯溝部3に滑り込むが、そ
のとき、ベルト10のスパン(プーリ1に巻き付いてい
ない部分)でベルトピッチラインPLがベルトスパンと
直交する方向に上下動することにより、噛合い速度むら
が発生し、上記ピッチラインPLの上下動量は、ベルト
歯部13がプーリ歯溝部3に滑り込む際に発生する反力
と、その反力によってベルト10が上側に押し上げられ
たときに発生するベルト張力の分力とによって決まるた
め、接触位置がベルト歯部13とプーリ歯溝部3との完
全噛合位置から離れるほどベルト張力の分力が小さくな
ってピッチラインPLの押上げ量が大きくなり、ベルト
歯部13のプーリ歯溝部3への接触が早期であると速度
むらが大きくなる。
【0054】そして、従来の歯付ベルト10では、図5
(b)に示すように、上記したベルト歯部13側面の
0.3W圧力角θBが小さい(θB=20.8〜25.
3°)ので、ベルト歯部13の側面がプーリ歯溝部3の
側面に早く接触するのに対し、この実施形態では、図5
(a)に示す如く、上記0.3W圧力角θBがθB≧2
6°と従来よりも大きいので、ベルト歯部13のプーリ
歯溝部3側面との接触は遅くなり、このことによってベ
ルト10の速度むらを低減することができる。
【0055】一方、このように、ベルト歯部13の側面
はプーリ歯溝部3の側面と接触した後に滑り込む反力と
ベルト張力の分力とによってベルトスパンの移動量が決
まり、そのときに、0.3W圧力角θBが大き過ぎる
と、ベルト歯部13がプーリ歯溝部3に滑り込む際に発
生する反力の垂直方向(ベルトスパンと直交する方向)
の成分が大きくなり過ぎ、容易に滑り込めなくなってベ
ルトピッチラインPLが押し上げられ、却ってベルト1
0の速度むらが増大するが、この実施形態では、上記
0.3W圧力角θBはθB≦39°であるので、ベルト
歯部13がプーリ歯溝部3にスムーズに滑り込むように
なり、ベルト10の速度むらの増大を抑えることができ
る。つまり、0.3W圧力角θBの最適範囲をθB=2
6〜39°とすることで、ベルト10の速度むらを可及
的に低減することができる。
【0056】また、この実施形態では、ベルト歯部13
の側面とプーリ歯溝部3の側面との歯高さ方向の各位置
での圧力角が略等しいため、図6(a)に示すように、
ベルト歯部13の側面がプーリ歯溝部3の側面に対し均
一に接触してベルト歯部13がプーリ歯溝部3にスムー
ズに滑り込むこととなる。このため、図6(b)に示す
如く、プーリ歯溝部3の圧力角をベルト歯部13の圧力
角よりも小さくした場合のように、ベルト歯部13の側
面がプーリ歯溝部3の側面でなくて歯頂円弧部4に接触
してベルト歯部13がプーリ歯溝部3の歯頂円弧部4に
突き上げられることはなく、ベルト10の速度むらをさ
らに抑制することができる。
【0057】また、上記ベルト歯部13の歯側面に位置
する歯側面部15の円弧半径RBは、ランドラインLL
上での歯元幅Wに対し、RB=0.7W〜1.5Wとさ
れているので、次の作用効果が得られる。すなわち、上
記のように、0.3W圧力角θBを大きくすることによ
って、ベルト歯部13のプーリ歯溝部3への噛込み時に
ベルト歯部13のプーリ歯溝部3への接触が遅くなり、
これにより速度むらを小さくすることができるが、同じ
0.3W圧力角θBを有する歯形であっても、その歯形
の歯側面部15の円弧半径RBによってベルト歯部13
のプーリ歯溝部3への滑込み易さが異なるため、速度む
らに影響する。つまり、上記の如く、ベルト10のプー
リ1,2への噛込みにおいて、ベルト10のランド部1
2がプーリ1,2の外径部9に円弧状に巻き付いた後に
ベルト歯部13がプーリ歯溝部3へ噛み込むときに、ベ
ルト歯部13は歯の走行方向前側の歯元付近におけるピ
ッチラインPL上の点Oを回動中心として、プーリ歯溝
部3に噛み込む。このとき、歯側面部15の円弧半径R
Bが大き過ぎると(例えばRB=1.6W)、図7
(b)に示すように、ベルト歯部13の歯先部16付近
がプーリ歯溝部3の側面に干渉しながら滑り込む一方、
逆に歯側面部15の円弧半径RBが小さ過ぎる場合(例
えばRB=0.65W)は、図7(c)に示す如く、ベ
ルト歯部13の側面がプーリ歯溝部3の歯頂円弧部4付
近に干渉しながら滑り込むこととなり、こうしてベルト
歯部13の歯先部16付近又は側面が干渉しながら滑り
込むことによって、噛込み時に発生するプーリ1,2か
らの反力が大きくなり、ピッチラインPLが押し上げら
れて速度むらが大きくなる。
【0058】しかし、この実施形態のように、ベルト歯
部13の歯側面部15の円弧半径RBがベルト歯元幅W
と略等しければ(RB=0.7W〜1.5W)、図7
(a)に例示するように、上記の如き干渉は殆ど発生せ
ず、滑らかに滑り込むことができて速度むらが小さくな
る。よって、歯側面部15の円弧半径RBが歯元幅Wに
対し、RB=0.7W〜1.5Wの範囲であれば、ベル
ト10の速度むらの低減に有効である。
【0059】また、歯付ベルト10の歯ピッチPBは、
歯元幅Wに対し、PB=1.37W〜1.47Wとされ
ているので、以下の作用効果を奏する。すなわち、ベル
ト10の速度むらを低減させるためには、ベルト10の
歯ピッチPBができるだけ小さくてプーリ歯数が多い方
が、多角形効果が小さく(より一層円に近く)なるの
で、有利であり、PB=1.47W以下であれば、従来
のものに比べて、速度むらが小さくなる。一方、PB=
1.37W未満では、プーリ外径部が狭くなり過ぎ、プ
ーリ1,2の強度や加工性に問題がある。このため、こ
の実施形態のように、PB=1.37W〜1.47Wと
することで、プーリ1,2の強度や加工性の問題を招く
ことなく、ベルト10の速度むらを低減することができ
る。
【0060】さらにまた、各ベルト歯部13の歯先部1
6が1つの円弧面で構成されているので、図5(a)で
実線にて示すように、ベルト歯部13のプーリ歯溝部3
への接触をさらに遅くすることができ、単に0.3W圧
力角θBを大きくするのみの後述の実施形態2の構造
(図5(a)に仮想線にて示す)に比べ、ベルト10の
速度むらをさらに有効に低減できる利点がある。
【0061】以上のようにベルト10の速度むらが可及
的に低減されることによって、事務用機器の印字精度や
画像品質の向上等を図ることができる。
【0062】尚、この実施形態1において、プーリ歯溝
部3の歯溝底部6のみを、プーリ中心方向に中心を持つ
円弧面で形成してもよい。
【0063】(実施形態2)図8及び図9は本発明の実
施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では図1及び図
2と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説
明は省略する)、この実施形態では、ベルト歯部13の
形状を変えたものである。
【0064】すなわち、この実施形態では、図9に示す
ように、プーリ1,2における各プーリ歯溝部3は、歯
溝幅方向中心線C1に対し対称に配置された円弧面から
なる歯頂円弧部4,4と、この歯頂円弧部4,4に連続
して歯溝幅方向中心線C1に対し対称に設けられた凹形
状の円弧面からなる歯溝側面部5,5と、これら両歯溝
側面部5,5同士を連続するように設けられた円弧面部
7,7及び平面部8からなる歯溝底部6とで構成されて
いる。
【0065】一方、図8及び図9に示すように、歯付ベ
ルト10の各ベルト歯部13は、そのベルト長さ方向両
側に、ベルト歯部13の歯幅方向中心線C2に対し対称
に位置しかつランド部12に連続する所定半径r1Bの
円弧面からなる1対の歯元部14,14と、この歯元部
14,14に連続して歯部13側面に位置しかつ上記歯
幅方向中心線C2に対し対称に設けられた円弧半径RB
の凸形状の円弧面からなる1対の歯側面部15,15
と、この両歯側面部15,15同士を連続するように設
けられた歯先部16とからなり、この歯先部16は、両
歯側面部15,15に連続してかつ上記歯幅方向中心線
C2に対し対称に設けられた所定半径r2Bの略円弧面
からなる円弧面部17,17と、これら両円弧面部1
7,17同士を連続するように設けられた1つの略平面
からなる平面部18とで構成されている。
【0066】そして、上記実施形態1と同様に、上記ベ
ルト10のピッチラインPLは、上記各ベルト歯部13
側面の歯側面部15の円弧面の中心点O1Bよりも歯先
側に所定寸法dだけ離れて位置している。また、各ベル
ト歯部13側面の歯側面部15の基準位置Dでの0.3
W圧力角θBはθB=26〜39°とされ、望ましくは
θB=28〜35°で、そのうちθB=29〜33°が
好ましく、最適値はθB=31°(図示例のもの)であ
る。
【0067】さらに、図9に示す如く、上記ベルト歯部
13側面とプーリ歯溝部3の側面とは略相似形で、ベル
ト10がプーリ1,2に巻き付いてベルト10に張力が
付与された伝動状態では、ベルト歯部13及びプーリ歯
溝部3の各側面の歯高さ方向の各位置でのベルト歯部1
3側面の圧力角とプーリ歯溝部3側面の圧力角とが略等
しく構成され、かつベルト歯部13の歯先部16とプー
リ歯溝部3の歯溝底部6とが接触している。その他の構
成は実施形態1と同様である。
【0068】したがって、この実施形態においても、上
記実施形態1と同様の作用効果が得られる。そのことに
加え、ベルト歯部13の歯先部16に略平面の平面部1
8が設けられている一方、プーリ歯溝部3の歯溝底部6
に略平面の平面部8が設けられているので、ベルト10
がプーリ1,2に完全に噛み合った状態では、ベルト歯
部13の歯先部16における平面部18全体をプーリ歯
溝部3の歯溝底部6における平面部8が広い面積で受け
ることになり、完全噛合い時のベルト10の心線位置
(ピッチラインPL)をより安定させて、ベルト10の
速度むらをさらに低減することができる。
【0069】また、上記プーリ1,2における各プーリ
歯溝部3の歯溝底部6が略平面であるので、プーリ歯溝
部3の歯溝底部6をベルト歯部13の歯先部16と同じ
略平面形状とすることができる。
【0070】(実施形態3)図10は実施形態3を示
し、この実施形態では、歯付ベルト10における各ベル
ト歯部13は、上記実施形態1と同様に、その先端部
に、1つの円弧面からなる歯先部16がベルト長さ方向
両側の両歯側面部15,15同士を連続するように設け
られている。
【0071】これに対し、プーリ1,2における各プー
リ歯溝部3の歯溝底部6は、歯溝幅方向中心線C1上に
中心点O2Pを持ちベルト歯部13の歯先部16の円弧
半径rTBよりも少し大きい円弧半径rTPの1つの円
弧面で構成されている。その他は実施形態1と同様の構
成である。
【0072】この実施形態の場合、各プーリ歯溝部3の
歯溝底部6が各ベルト歯部13の歯先部16の円弧面の
半径rTBよりも少し大きい半径rTP(>rTB)を
持つ円弧面で形成されているので、ベルト10のプーリ
1,2への噛込み時、ベルト歯部13の側面がプーリ歯
溝部3の側面により一層滑らかに滑り込む。しかも、ベ
ルト歯部13の歯先部16が歯側面部15と連続的に設
けられた円弧面であり、またプーリ歯溝部3の歯溝底部
6が歯溝側面部5と連続的に設けられた円弧面であるの
で、ベルト10とプーリ1,2とが完全噛合い状態に至
る瞬間まで、ベルト歯部13の側面のみならず歯先部1
6までもがプーリ歯溝底部6に滑らかに滑り込むように
なる。これらの作用により、ピッチラインPLの上下量
が殆ど起こらず、ベルト10の速度むらを極めて小さく
できる利点がある。
【0073】また、プーリ歯溝部3の歯溝底部6はベル
ト歯部13の歯先部16の円弧半径rTBよりも若干大
きい半径rTPの円弧面で構成されているので、この場
合もやはり、ベルト歯部13の歯先部16円弧面の略全
体をプーリ歯溝部3における歯溝底部6の円弧面の広い
面積で受けることができ、完全噛合い時のベルト10の
心線位置を安定させて、ベルト10の速度むらを低減す
ることができる。
【0074】(実施形態4)図11は実施形態4を示
し、上記実施形態2においては、ベルト10がプーリ
1,2に巻き付いてベルト10に張力が付与された伝動
状態で、ベルトランド部12がプーリ外径部9に接触す
るようにしているのに対し、同じ状態でベルトランド部
12がプーリ外径部9に接触しないようにしたものであ
る。
【0075】すなわち、この実施形態では、図11に示
す如く、歯付ベルト10におけるベルト本体11のラン
ド部12は、歯幅方向中心線C2に対し対称に配置され
た円弧面からなる歯元部14,14によりベルト歯部1
3側面と連続して接続された略平面(円弧面でもよい)
で構成されている。そして、この歯付ベルト10のラン
ド部12とプーリ外径部9とは伝動状態で接触しないよ
うになっている。
【0076】したがって、この実施形態の場合、歯付ベ
ルト10のランド部12がプーリ外径部9に円弧状に巻
き付いた後にベルト歯部13がプーリ歯溝部3へ噛み込
む際、ベルト歯部13はベルト本体11のピッチライン
PL上の点Oを回動中心として回動しながらプーリ歯溝
部3に噛み込むが、そのピッチラインPL上の回動中心
は、ベルトランド部12とプーリ外径部9とが接触状態
にある場合のように、噛み込もうとする対象のプーリ歯
溝部3のベルト走行方向前側の歯元付近における歯頂円
弧部4に対応する点Oではなくて、上記対象のプーリ歯
溝部3よりもベルト走行方向前側に位置するプーリ歯溝
部3の後側歯元付近における歯頂円弧部4に対応する点
O′にずれ、ベルト歯部13はこの点O′を回動中心と
して回動しながらプーリ歯溝部3に噛み込むようにな
る。このことで、上記ベルトランド部12とプーリ外径
部9とが接触状態である場合に比べて、ベルト歯部13
の回動半径が大きくなり、その歯側面部15の歯先側の
回動軌跡の突出量が小さくなってプーリ歯溝部3の歯溝
側面部5と干渉し難くなり、ベルト歯部13はプーリ歯
溝部3に滑らかに滑り込むことができ、両者の噛合い干
渉に起因するベルト10の速度むらをさらに小さくする
ことができる。
【0077】また、一般に、プーリ1,2と歯付ベルト
10との間の負荷の伝動は、プーリ歯溝部3及びベルト
歯部13間の噛合い伝動に加え、プーリ外径部9及びベ
ルトランド部12の間の摩擦伝動によってもなされ、プ
ーリ1,2の回転速度の変動がこれら2つの伝動態様に
よって歯付ベルト10へ伝えられて、その歯付ベルト1
0の速度むらが発生するが、ベルトランド部12とプー
リ外径部9とが非接触状態であると、上記プーリ1,2
及びベルト10間の負荷伝動の態様のうち、後者のプー
リ外径部9とベルトランド部12との摩擦伝動が取り除
かれるので、このベルトランド部12の摩擦伝動による
プーリ1,2の回転速度変動のベルト10への伝達が防
止され、ベルト歯部13のうちベルト10のランドライ
ンLLとプーリ1,2の外径ラインとの間の部分の弾性
によりプーリ1,2の回転速度変動が吸収されるように
なり、このプーリ1,2の回転速度変動が上記噛合い伝
動によってベルト10へ伝達されるのを抑制して、ベル
ト10の速度むらをさらに小さくすることができる。
【0078】また、ベルト本体11がポリウレタン製で
ある歯付ベルト10において、そのベルト歯部13の歯
ピッチPBが1.5mm以下であるときには、心線をラ
ンド部12から離すために設ける凹部の寸法が極めて小
さく、金型の加工が難しいため、上記の如き凹部を設け
ずに、ランド部12上に直接心線を配設しているが、こ
の心線がプーリ外径部9に接触して傷付けられないよう
にすべく、ベルト10のランド部12がプーリ外径部9
と接触しない状態で使用される。そして、この実施形態
のようにベルト10のランド部12を略平面とすること
で、上記心線の位置を安定させることができる。
【0079】尚、この実施形態において、プーリ歯溝部
3の歯溝底部6及び/又はベルト歯部13の歯先部16
を上記実施形態3(図10参照)と同様に円弧面形状に
することもできる。
【0080】(他の実施形態)尚、上記各実施形態は、
プリンタや複写機等の事務用機器に装備された歯付ベル
ト10及び伝動装置Aについて説明しているが、本発明
は、事務用機器以外の歯付ベルト及び伝動装置に対して
も適用できるのはいうまでもない。
【0081】また、上記各実施形態では、ベルト歯部1
3の両歯側面部15,15同士を連結する歯先部16
は、先端に略平面からなる平面部18を有しかつこの平
面部18が各歯側面部15の円弧面に円弧面部17で連
続的に接続されるように形成し(図8参照)、或いは両
歯側面部15,15の円弧面と連続しかつ歯幅方向中心
線C2上に中心点を持つ1つの円弧面で構成している
(図1参照)が、その他の形状の歯先部を設けることが
できる。例えば図12(a)に示す如く、平面部18の
中央に突起部20を設けた歯先部16や、図12(b)
に示すように歯幅方向の中央に凹部21を形成した歯先
部16等でもよく、さらにその他の公知の歯先部のいず
れであっても本発明の効果が発揮される。要は、歯先部
16を両歯側面部15,15の円弧面の歯先方向への延
長線よりも歯元側(内側)に位置するように設けさえす
ればよいのである。
【0082】
【実施例】(FEM解析評価)次に、具体的に実施した
実施例について説明する。まず、歯付ベルトの速度むら
をFEM解析法を用いて解析した。このFEM解析で
は、汎用ソフトウェア「ABAQUS」を用いた2次元
の動的解析とした。図13に示すように、解析モデルは
駆動及び従動プーリの1,2の2つのプーリと、内側に
歯部13を有するエンドレスのベルト10とをモデル化
し、ベルト10に張力を付与した後にプーリ1,2を回
転させるものとした。ベルト歯部13及びプーリ歯溝部
3の各形状は上記実施形態と同様の形状に合わせて形成
した(図13では実施形態2の形状に合わせて形成した
モデルを例示している)。ベルトの材料の各定数は、歯
ピッチが2.117mmのベルト及びその各構成材料で
実測して入力した(歯形状が変わっても材料定数は変化
しないものであるとした)。ベルト本体は四角形の平面
要素に、また心線は梁要素にそれぞれ設定し、プーリ
1,2と接触する表面は摩擦を考慮してインタフェース
要素とした。プーリ表面は剛表面でモデル化した。尚、
図14はFEM解析法による解析途中で噛合状態にある
解析モデルの要部を例示している。
【0083】そして、ベルトピッチライン上の1点の速
度を出力して速度むらのデータを得たデータを図15に
例示する。また、本発明をFEM解析した歯付ベルト及
び歯付プーリの構成と解析結果とを表1に示す。尚、寸
法値はベルト歯部のピッチ(2.117mm)を「1.
0」とする指数で表している。
【0084】
【表1】
【0085】表1の所定寸法dは、ベルト歯側面円弧の
中心点からベルトランドラインまでの距離をS1とし、
ベルトPLD(ベルトピッチラインからランドラインま
での距離)をS2としたとき、下記の式で求められる寸
法であり、表1ではこの所定寸法dについても、ベルト
歯のピッチを「1.0」としたときの指数で表してい
る。
【0086】所定寸法d=S2−S1表1に示すとお
り、ベルトピッチラインを歯側面円弧の中心点よりも歯
先側にすることにより、ベルトの速度むらが小さくなる
ことがFEM解析で確認された。
【0087】(台上評価)一方、ベルト及びプーリから
なる伝動装置を製作して、そのベルトの速度むらを測定
装置で測定する台上試験を実施した。すなわち、本発明
例として、図1及び図2に示す実施形態1の構成で、ベ
ルトの0.3W圧力角を31.1°とし、上記所定寸法
dを0.05mmとした歯付ベルト及び歯付プーリを製
作した(本発明例)。また、従来例として、ベルトの
0.3W圧力角を25.3°とし、上記所定寸法dを−
0.082mmとした歯付ベルト及び歯付プーリを製作
した(従来例)。その各々の寸法は下記の表2のとおり
である。尚、寸法値はベルト歯部のピッチ(2.117
mm)を「1.0」とする指数で表している。
【0088】
【表2】
【0089】具体的には、歯付ベルトは歯ピッチ2.1
17mmの円弧歯形状の歯部を持つゴム製のもので、そ
のゴムは硬度70°のクロロプレンゴムで、心線は径
0.3mmのガラス繊維からなる。織布はポリアミドウ
ーリー加工糸からなり、RF処理と、裏面のみのゴム糊
処理とを施した。
【0090】そして、これらの歯付ベルトについて、実
際の走行時の速度むらを図16に示すベルト速度むら測
定装置により測定した。この測定装置は、試験用の歯付
ベルト10を巻き掛ける歯付プーリからなる駆動及び従
動プーリ1,2を備えており、その従動プーリ2への静
荷重DWによりベルト張力を付与しかつ従動プーリ2を
無負荷にした状態で駆動プーリ1を図で矢印の方向に回
転させ、そのときのベルト10の緩み側スパンにおいて
駆動プーリ1の軸心からd1=10mm離れた部位に対
し、その部位からベルト側方にd2=100±2mm離
れた位置のプローブ43からレーザ光43aを当て、そ
のプローブ43の出力信号に基づいて速度むら測定器4
4によりベルト40の速度むらを測定し、この速度むら
の周波数をFFT45により解析してパソコン46に取
り込み、そのデータをプリンタ47によりプリントする
ようにしたものである。この速度むら測定装置の測定デ
ータを図17に、またベルト10の速度むらの周波数を
分析したデータを図18にそれぞれ示す(図18(a)
は本発明例を、図18(b)は従来例をそれぞれ示して
いる)。また、それぞれの噛み合い周波数での速度変動
は、本発明例が0.01%であるのに対し、従来例が
0.13%であり、本発明の構成により、ベルトの速度
変動が著しく低減されることが裏付けられた。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1では、歯
付ベルトの各ベルト歯部の略円弧面からなる歯元部と、
凸形状の略円弧面からなる歯側面部とをベルト歯部の歯
幅方向中心線に対し対称に配置し、これら歯側面部同士
を連続する歯先部を歯側面部の円弧面の歯先側延長線よ
りも歯元側に配置し、ベルトのピッチラインをベルト歯
部の歯側面部の円弧中心よりも歯先側に配置したことに
より、ベルト歯部がベルトのピッチライン上においてベ
ルト走行方向前側の歯元付近に対応する点を回動中心と
して回動しながらプーリ歯溝部に噛み込む際、この回動
中心の位置が歯先側に位置している分だけ、ベルト歯部
における歯側面部の歯先側の回動軌跡をプーリ歯溝部の
歯溝側面部と離して干渉し難くでき、干渉に伴って発生
するプーリからの反力によりベルトのピッチラインが押
し上げられてベルトピッチラインが変動するのを低減し
て、噛合い干渉に起因するベルトの速度むらを大幅に低
減し、プリンタに代表される事務用機器の印字精度や画
像品質の向上等を図ることができるという実用上優れた
効果が得られる。
【0092】請求項2の発明によると、上記歯付ベルト
におけるランドライン上での歯元幅をWとしたとき、ベ
ルト歯部の歯側面部においてランドラインから歯高さ方
向に0.3W離れた基準位置での0.3W圧力角を26
〜39°としたことにより、ベルト歯部のプーリ歯溝部
への噛合時にベルト歯部の側面をプーリ歯溝部の側面に
遅く接触させるとともに、ベルト歯部がプーリ歯溝部に
滑り込む際に発生する反力の垂直方向の成分を小さくし
て、容易に滑り込ませることができ、歯付ベルトの速度
むらをさらに低減することができる。
【0093】請求項3の発明では、ベルト歯部の歯側面
部の円弧半径を0.7W〜1.5Wとしたことにより、
ベルトのプーリへの噛込み時に、ベルトのランド部がプ
ーリ外径部に巻き付いた後にベルト歯部がプーリ歯溝部
へ噛み込む際、ベルト歯部の歯先付近がプーリ歯溝側面
に、またベルト歯部側面がプーリ歯頂円弧付近にそれぞ
れ干渉するのを防いで、ベルト歯部をプーリ歯溝部へ滑
らかに滑り込ませることができ、ピッチラインの押上げ
を抑えてベルトの速度むらをさらに低減することができ
る。
【0094】請求項4の発明では、上記ベルト歯部の歯
ピッチを1.37W〜1.47Wとしたことにより、プ
ーリ歯数を多くして多角形効果によりベルトの速度むら
を低減しつつ、プーリの強度や加工性の確保を図ること
ができる。
【0095】請求項5の発明によると、ベルト歯部の歯
先部を、両歯側面部の円弧面と連続しかつ歯幅方向中心
線上に中心点を持つ1つの円弧面で構成したことによ
り、ベルト歯部のプーリ歯溝部への接触をさらに遅くし
て、ベルトの速度むらをより一層低減することができ
る。
【0096】請求項6の発明によると、ベルト歯部の歯
先部を、両歯側面部の円弧面に連続するように設けられ
た略円弧面からなる円弧面部と、両円弧面部を接続する
ように設けられた略平面からなる1つの平面部とで構成
したことにより、プリンタの用途で従動プーリを平プー
リとして使用し、ベルト歯部の歯先部を平プーリ外径部
と直接接触して走行させる場合、略平面のベルト歯先部
により広い面積で荷重を受け持たせてピッチラインの位
置を安定させることができ、歯付ベルトの速度むらの低
減を図ることができる。
【0097】請求項7の発明によれば、請求項1〜6の
歯付ベルトと歯付プーリとを組み合わせてなる歯付ベル
ト伝動装置として、歯付プーリの各プーリ歯溝部の円弧
面からなる歯頂円弧部と、凹形状の円弧面からなる歯溝
側面部とを歯溝幅方向中心線に対し対称に配置し、両歯
溝側面部同士を接続するように歯溝底部を設け、ベルト
歯部の歯側面部をプーリ歯溝部の歯溝側面部と略相似形
とし、ベルトがプーリに巻き付いてベルトに張力が付与
された伝動状態で、ベルト歯部及びプーリ歯溝部の各側
面の歯高さ方向の各位置でのベルト歯部側面の圧力角と
プーリ歯溝部側面の圧力角とを略等しくしたことによ
り、伝動状態でのベルト歯部のプーリ歯溝部への噛込み
時にベルト歯部側面がプーリ歯溝部側面に均一に接触し
てベルト歯部がプーリ歯溝部にスムーズに滑り込むよう
になり、ベルトピッチラインの押上げを抑えて、ベルト
の速度むらをさらに低減することができる。
【0098】請求項8の発明によると、請求項1〜6の
歯付ベルトと歯付プーリとを組み合わせてなる歯付ベル
ト伝動装置として、歯付プーリの各プーリ歯溝部の円弧
面からなる歯頂円弧部と、凹形状の円弧面からなる歯溝
側面部とを歯溝幅方向中心線に対し対称に配置し、両歯
溝側面部同士を接続するように歯溝底部を設け、ベルト
歯部の歯側面部をプーリ歯溝部の歯溝側面部と略相似形
とし、ベルトがプーリに巻き付いてベルトに張力が付与
された伝動状態で、ベルト本体のランド部とプーリ外径
部とを非接触状態としたことにより、ベルト歯部がプー
リ歯溝部へ噛み込む際に、噛み込もうとする対象のプー
リ歯溝部よりもベルト走行方向前側にあるプーリ歯溝部
の歯元付近における歯頂円弧部に対応するベルトピッチ
ライン上の点を回動中心として回動しながらプーリ歯溝
部に噛み込むようにして、ベルト歯部の歯側面部の歯先
側の回動軌跡をプーリ歯溝部の歯溝側面部から離してそ
れと干渉し難くすることができる。しかも、プーリ及び
ベルト間の負荷伝動の態様のうち、プーリ外径部とベル
トランド部との摩擦伝動を取り除いて、ベルトランド部
の摩擦伝動によるプーリの回転速度変動のベルトへの伝
達を防止し、ベルト歯部のベルトランドラインとプーリ
外径ラインとの間の部分の弾性によりプーリの回転速度
変動を吸収して、プーリの回転速度変動がベルトへ伝達
されるのを抑制することができる。よって、これらの相
乗効果により、ベルトの速度むらをさらに小さくするこ
とができる。
【0099】請求項9の発明によると、上記歯付ベルト
伝動装置が装備されていて、その歯付ベルトにキャリッ
ジが取り付けられている事務用機器としたことにより、
その事務用機器のキャリッジの速度変動を小さくして印
字精度や画像品質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における歯付ベルトの歯部
を拡大して示す断面図である。
【図2】歯付ベルトの歯部が歯付プーリに噛み合った状
態を展開して示す拡大断面図である。
【図3】歯付ベルト伝動装置の全体構成を概略的に示す
正面図である。
【図4】ベルト歯部が回動しながらプーリ歯溝部に噛み
合うときの回動中心の違いによる差を示す図である。
【図5】ベルト歯部がプーリ歯溝部に噛み合う状態を概
略的に示す説明図である。
【図6】ベルト歯部の側面とプーリ歯溝部の側面との圧
力角の相違に応じた噛合状態を示す図5相当図である。
【図7】ベルト歯部の歯側面部の円弧半径の大きさに応
じた噛合状態を示す図5相当図である。
【図8】本発明の実施形態2における歯付ベルトの歯部
を示す図1相当図である。
【図9】実施形態2を示す図2相当図である。
【図10】実施形態3を示す図2相当図である。
【図11】実施形態4を示す図2相当図である。
【図12】ベルト歯部の歯先部の変形例を概略的に示す
図である。
【図13】ベルトの速度むらをFEM解析法により解析
するための解析モデルの全体構成を示す図である。
【図14】解析モデルの要部を示す図である。
【図15】ベルトの速度むらをFEM解析法により解析
したデータを示す図である。
【図16】ベルトの速度むら測定装置を示す図である。
【図17】ベルトの速度むら測定装置の測定データを示
す図である。
【図18】ベルトの速度むらの周波数を分析したデータ
を示す図である。
【図19】従来の歯付ベルトの歯部が歯付プーリに噛み
合った状態を示す図2相当図である。
【符号の説明】
A 歯付ベルト伝動装置 1,2 プーリ 3 プーリ歯溝部 4 歯頂円弧部 5 歯溝側面部 6 歯溝底部 7 円弧面部 8 平面部 9 プーリ外径部 C1 歯溝幅方向中心線 O2P 中心点 rTP 円弧半径 10 歯付ベルト 11 ベルト本体 12 ランド部 13 ベルト歯部 14 歯元部 15 歯側面部 16 歯先部 17 円弧面部 18 平面部 D 基準位置 PL ピッチライン LL ランドライン C2 歯幅方向中心線 O2B 中心点 rTB 円弧半径 θB 0.3W圧力角 W 歯元幅 O,O′ ベルト歯部回動中心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 城戸 隆一 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内 Fターム(参考) 2C480 CA01 DA04 DA16 3J031 AA01 BB05 CA04 3J049 AA03 BF02 BF03 BH04 CA10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピッチライン上に抗張体が埋設されたベ
    ルト本体と、 上記ベルト本体のランドライン上に一定ピッチで設けら
    れた複数のベルト歯部とを備え、 上記各ベルト歯部は、歯幅方向中心線に対し対称に配置
    された略円弧面からなる歯元部と、 上記歯元部に連続して歯部側面に位置しかつ上記歯幅方
    向中心線に対し対称に設けられた凸形状の略円弧面から
    なる歯側面部と、 上記両歯側面部の円弧面の歯先側延長線よりも歯元側に
    位置し、両歯側面部同士を連続するように設けられた歯
    先部とで構成されており、 上記ピッチラインは上記歯側面部の円弧面の円弧中心よ
    りも歯先側に位置していることを特徴とする歯付ベル
    ト。
  2. 【請求項2】 請求項1の歯付ベルトにおいて、 ランドライン上での歯元幅をWとしたとき、ベルト歯部
    の歯側面部においてランドラインから歯高さ方向に0.
    3W離れた基準位置での圧力角が26〜39°であるこ
    とを特徴とする歯付ベルト。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の歯付ベルトにおいて、 ランドライン上での歯元幅をWとしたとき、ベルト歯部
    の歯側面部の円弧半径RBがRB=0.7W〜1.5W
    であることを特徴とする歯付ベルト。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つの歯付ベル
    トにおいて、 ランドライン上での歯元幅をWとしたとき、ベルト歯部
    の歯ピッチPBがPB=1.37W〜1.47Wである
    ことを特徴とする歯付ベルト。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つの歯付ベル
    トにおいて、 ベルト歯部の歯先部は、両歯側面部の円弧面と連続しか
    つ歯幅方向中心線上に中心点を持つ1つの円弧面で構成
    されていることを特徴とする歯付ベルト。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1つの歯付ベル
    トにおいて、 ベルト歯部の歯先部は、両歯側面部の円弧面に連続する
    ように設けられた略円弧面からなる円弧面部と、両円弧
    面部を接続するように設けられた略平面からなる1つの
    平面部とで構成されていることを特徴とする歯付ベル
    ト。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1つの歯付ベル
    トと、プーリ外径ライン上に一定ピッチで設けられた複
    数のプーリ歯溝部を備えた歯付プーリとを組み合わせて
    なる歯付ベルト伝動装置であって、 上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し対称に
    配置された略円弧面からなる歯頂円弧部と、 上記歯頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称
    に設けられた凹形状の略円弧面からなる歯溝側面部と、 上記両歯溝側面部同士を接続するように設けられた歯溝
    底部とで構成されており、 上記歯付ベルトのベルト歯部の歯側面部とプーリ歯溝部
    の歯溝側面部とは略相似形であり、 ベルトにプーリが巻き付いてベルトに張力が付与された
    伝動状態において、ベルト歯部の歯側面部及びプーリ歯
    溝部の歯溝側面部の歯高さ方向の各位置での圧力角が略
    等しく構成されていることを特徴とする歯付ベルト伝動
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1つの歯付ベル
    トと、プーリ外径ライン上に一定ピッチで設けられた複
    数のプーリ歯溝部を備えた歯付プーリとを組み合わせて
    なる歯付ベルト伝動装置であって、 上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し対称に
    配置された略円弧面からなる歯頂円弧部と、 上記歯頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称
    に設けられた凹形状の略円弧面からなる歯溝側面部と、 上記両歯溝側面部同士を接続するように設けられた歯溝
    底部とで構成されており、 上記歯付ベルトのベルト歯部の歯側面部とプーリ歯溝部
    の歯溝側面部とは略相似形であり、 ベルトにプーリが巻き付いてベルトに張力が付与された
    伝動状態において、ベルト本体のランド部とプーリ外径
    部とが非接触状態にあることを特徴とする歯付ベルト伝
    動装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8の歯付ベルト伝動装置が
    装着されていて、 歯付ベルトにキャリッジが取り付けられていることを特
    徴とする事務用機器。
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