JP2000337444A - 歯付ベルト及び歯付ベルト伝動装置並びに事務用機器 - Google Patents

歯付ベルト及び歯付ベルト伝動装置並びに事務用機器

Info

Publication number
JP2000337444A
JP2000337444A JP11128707A JP12870799A JP2000337444A JP 2000337444 A JP2000337444 A JP 2000337444A JP 11128707 A JP11128707 A JP 11128707A JP 12870799 A JP12870799 A JP 12870799A JP 2000337444 A JP2000337444 A JP 2000337444A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tooth
belt
pulley
toothed
tooth groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11128707A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Ochiai
政喜 落合
Kyotaro Yanagi
京太郎 柳
Hideaki Kawahara
英昭 川原
Ryuichi Kido
隆一 城戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP11128707A priority Critical patent/JP2000337444A/ja
Priority to US09/673,259 priority patent/US6485384B1/en
Priority to EP00911327A priority patent/EP1083365A4/en
Priority to PCT/JP2000/001798 priority patent/WO2000058644A1/ja
Priority to TW089105546A priority patent/TW461942B/zh
Priority to SG200005430A priority patent/SG104929A1/en
Publication of JP2000337444A publication Critical patent/JP2000337444A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J19/00Character- or line-spacing mechanisms
    • B41J19/005Cable or belt constructions for driving print, type or paper-carriages, e.g. attachment, tensioning means
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J19/00Character- or line-spacing mechanisms
    • B41J19/18Character-spacing or back-spacing mechanisms; Carriage return or release devices therefor
    • B41J19/20Positive-feed character-spacing mechanisms
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G1/00Driving-belts
    • F16G1/28Driving-belts with a contact surface of special shape, e.g. toothed
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/02Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members with belts; with V-belts
    • F16H7/023Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members with belts; with V-belts with belts having a toothed contact surface or regularly spaced bosses or hollows for slipless or nearly slipless meshing with complementary profiled contact surface of a pulley

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)
  • Pulleys (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリンタや複写機の事務用機器等に用いられ
る歯付ベルト伝動装置の歯付ベルト8の速度むらを可及
的に低減し、事務用機器の印字精度や画像品質の向上等
を図る。 【解決手段】 ベルト歯部11を、歯幅方向中心線C2
に対し対称に配置された円弧面からなる歯元部12,1
2と、歯元部12,12に連続して歯幅方向中心線C2
に対し対称に設けられた凸形状円弧面からなる動力伝達
部13,13と、両動力伝達部13,13に連続してか
つ歯幅方向中心線C2に対し対称に設けられた円弧面か
らなる歯先部14,14と、両歯先部14,14同士を
連続する1つの略平面からなる歯先面15とで構成し、
動力伝達部13と歯元部12との接続部での最大圧力角
θBをθB=15〜25°とし、噛合時にベルト歯部1
1の側面をプーリ歯溝部3の側面に遅く接触させ、かつ
ベルト歯部11がプーリ歯溝部3に滑り込む際に発生す
る反力の垂直方向の成分を小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯付ベルト及び歯
付ベルト伝動装置並びにそれを用いた事務用機器に関
し、特に、ベルトの速度むら(速度変動)を低減させる
ための技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の歯付ベルトとして
は、ベルト歯部の形状が台形状であるものが一般的に用
いられていたが、より一層の高負荷を伝達したり、騒音
をより一層低減したりするという目的で、凸形状の側面
を有する歯部形状のベルトが提案され、現在では主流と
なっている。その歯形の1つが特開昭50―42252
号公報に示されるいわゆるSTPD歯形と呼ばれるもの
であり、他の1つが特開昭59―89852号公報に示
されたいわゆるHTD−II歯形と呼ばれるものである。
前者のSTPD歯形は、例えばバンドー化学(株)の商
品名「スーパートルクシンクロベルト」として、また後
者のHTD−II歯形は、ユニッタ(株)の商品名「パワ
ーグリップGTベルト」としてそれぞれ実用化されてい
る。
【0003】また、この他、事務用機器における可動部
の精密な位置決め駆動を目的として、特開昭64―74
341号公報に示される歯付ベルトも提案されている。
このものでは、図17に示すように、ベルト8′におけ
る本体9′のランドラインLL上に複数のベルト歯部1
1′,11′,…(1つのみ示す)を一定ピッチで設
け、この各ベルト歯部11′は、歯幅方向中心線C2に
対し対称に配置された円弧面からなる歯元部12′,1
2′と、この歯元部12′,12′に連続してかつ上記
歯幅方向中心線C2に対し対称に設けられた凸形状の円
弧面からなる動力伝達部13′,13′と、この動力伝
達部13′,13′に連続してかつ上記歯幅方向中心線
C2に対し対称に設けられた円弧面からなる歯先部1
4′,14′とを備え、これら歯先部14′,14′同
士が1つの平面からなる歯先面15′により接続されて
いる。そして、この歯付ベルト8′の歯付プーリ1′と
の静的噛合い状態において、各ベルト歯部11′の歯元
部12′がプーリ歯溝部3′の歯頂円弧部4′と略接触
し、ベルト歯部11′のプーリ歯溝部3′でのバックラ
ッシュがベルト歯部11′の歯元から歯先にかけて漸次
増大し、プーリ歯溝部3′の深さがベルト歯部11′の
高さ以上になるように構成されている。このものでは、
プーリ歯溝部3′とのバックラッシュをベルト歯部1
1′の歯元部12′でなくす一方、そのプーリ歯溝部
3′とのバックラッシュをベルト歯部11′の歯元から
歯先にかけて漸増させてベルト歯部11′を歯先に向か
って細くし、このことでベルト歯部11′とプーリ歯溝
部3′の歯頂円弧部4′との噛合い干渉を抑制して、こ
の噛合い干渉に起因するベルトピッチラインの変動を低
減するようにしている。尚、図17中、5′はプーリ歯
溝部3′における凹形状の歯溝側面部、6′は歯溝底
部、PLはベルト8′のピッチラインで、プーリ1′の
ピッチ円と一致している。また、理解を容易にするため
に、図18ではプーリ1′の外周部をベルト8′と共に
展開して示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プリンタや
複写機に代表される事務用機器においては、歯付ベルト
伝動装置を利用した印字装置(画像印刷も含む)が一般
的に用いられている。この印字装置では、インクやハン
マ等の印字機構を装着したキャリッジを歯付ベルトに取
り付けて、この歯付ベルトを歯付プーリ間に掛け渡し、
プーリを正逆転させてキャリッジを往復動作させるよう
になっている。
【0005】そして、上記キャリッジによる印字精度や
画像品質を高めるために、歯付ベルトの走行時の速度む
ら(速度変動)を可能な限り低減することが要求され
る。特に、プリンタにおいては、近年、カラー印刷やそ
の高速化・高画質化が急速に進んでおり、歯付ベルトの
噛合振動(噛合いによる速度むら)が印字むらや画像む
らを引き起こすことがあるので、歯付ベルトの噛合速度
むらの低減が強く要求されている。
【0006】これらプリンタ等の事務用機器には、上記
STPD歯形やHTD−II歯形で歯部ピッチが3mm
以下(例えば3mm、2mm、1.5mm等)の歯付ベ
ルトが一般的に用いられており、その歯部の形状は8m
mピッチや5mmピッチ等、比較的大きい歯部ピッチの
歯形をそのまま略相似的に縮小した形状が採用される。
【0007】しかしながら、これらの歯形は本来、高負
荷伝達の用途を目的として開発されたものであり、この
ため、上記速度むらを低減する要求については何等考慮
されていない。
【0008】尚、上記した特開昭64―74341号公
報に示される歯付ベルトは、速度むらの低減をある程度
考慮して提案されたものではあるが、その速度むらの低
減に最適な歯形とはなり得ておらず、速度むらを可及的
に低減するのに不十分であった。
【0009】すなわち、このように、歯付ベルトの速度
むら低減のための歯形状の研究等については、従来から
殆ど行われていないのが実情である。
【0010】本発明は斯かる諸点に鑑み、本発明者が上
記の如き事務用機器等に用いられる歯付ベルトの歯形状
を構成する種々の因子について解析及び実験を鋭意重ね
ることでなされたものであり、その目的は歯付ベルトの
速度むらを可及的に低減することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明者による研究の結果、これまでに全く考慮
されていなかった因子として、ベルト歯部の側面を凸形
状とした歯付ベルトにおいては、その側面の最大圧力角
が速度むらに極めて大きな影響を与えることが突き止め
られた。すなわち、従来のSTPD歯形やHTD−II歯
形を有する歯付ベルトでは、高負荷伝動を目的としてい
るので、高負荷時のベルトの歯飛び(ジャンピング)を
避けるために、歯部側面の最大圧力角は小さく設定され
る。例えば歯部ピッチが1.5〜3.0mmのSTPD
歯形では上記最大圧力角は14.2〜14.4°の範囲
に、また1.5〜3.0mmピッチのHTD−II歯形
では最大圧力角は7.5〜8.1°の範囲にそれぞれ設
定されている。これに対し、事務用機器の用途に用いら
れる歯付ベルトは、軽負荷伝動条件下で駆動されるもの
であるので、上記の如きベルトの歯飛びを考慮する必要
は殆どない。そして、発明者の研究の結果、歯部側面の
最大圧力角を15〜25°とすることで、ベルトの速度
むらを大きく低減できることが判明した。
【0012】具体的には、請求項1の発明では、歯付ベ
ルトとして、ピッチライン上に抗張体が埋設されたベル
ト本体と、このベルト本体のランドライン上に一定ピッ
チで設けられた複数のベルト歯部とを備えている。そし
て、上記各ベルト歯部は、歯幅方向中心線に対し対称に
配置された円弧面からなる歯元部と、この歯元部に連続
して歯部側面に位置しかつ上記歯幅方向中心線に対し対
称に設けられた凸形状の円弧面からなる動力伝達部と、
この動力伝達部に連続してかつ上記歯幅方向中心線に対
し対称に設けられた円弧面からなる歯先部と、これら両
歯先部同士を連続するように設けられた1つの略平面か
らなる歯先面とで構成され、上記ベルト歯部側面の動力
伝達部と歯元部との接続部での最大圧力角が15〜25
°であることを特徴としている。
【0013】歯付ベルトの歯部が駆動側の歯付プーリの
歯溝部に噛み込むとき、与えられる負荷トルクの影響に
よりベルト歯部はプーリ歯溝部の位置に対し若干遅れた
位置で噛み込むので、まず、ベルト歯部の走行方向後側
の歯部側面がプーリ歯溝部の側面に接触し、その後にベ
ルト歯部がプーリ歯溝部に滑り込む。このとき、ベルト
のスパン(プーリに巻き付いていない部分)でベルトピ
ッチラインがベルトスパンと直交する方向に上下動する
ことにより、噛合い速度むらが発生する。上記ピッチラ
インの上下動量は、ベルト歯部がプーリ歯溝部に滑り込
む際に発生する反力と、その反力によってベルトが上側
に押し上げられたときに発生するベルト張力の分力とに
よって決まる。このため、接触位置がベルト歯部とプー
リ歯溝部との完全噛合位置から離れるほどベルト張力の
分力が小さくなり、ピッチラインの押上げ量が大きくな
る。換言すれば、ベルト歯部のプーリ歯溝部への接触が
早期になされるほど速度むらが大きくなるのである。
【0014】それ故、従来の歯部形状のように最大圧力
角が小さいと、ベルト歯部の側面がプーリ歯溝部の側面
に早く接触する(図4(b)参照)のに対し、本発明の
ように最大圧力角が従来のものよりも大きいと、ベルト
歯部のプーリ歯溝部側面との接触は遅くなり(図4
(a)参照)、このことによってベルトの速度むらを低
減することができる。
【0015】一方、上記最大圧力角を無闇に大きくする
ことはできず、それが大き過ぎると、却って速度むらが
増大する。すなわち、上記のとおり、ベルト歯部の側面
はプーリ歯溝部の側面と接触した後に滑り込む反力とベ
ルト張力の分力とによってベルトスパンの移動量が決ま
るが、そのとき、最大圧力角が大き過ぎると、ベルト歯
部がプーリ歯溝部に滑り込む際に発生する反力の垂直方
向(ベルトスパンと直交する方向)の成分が大きくなり
過ぎ、容易に滑り込めなくなってベルトピッチラインが
押し上げられるためである。
【0016】したがって、上記最大圧力角は、本発明者
の解析結果によれば、上記の如く15〜25°にあれば
最適の許容範囲が得られることとなり、従来の圧力角
(例えば14.2〜14.4°)を有するものに比べて
ベルトの速度むらの低減に極めて有効である。
【0017】請求項2の発明では、上記請求項1の歯付
ベルトにおけるベルト歯部側面の動力伝達部と歯元部と
の接続部での最大圧力角を16〜23°とし、請求項3
の発明では、同最大圧力角を17〜22°とする。こう
すると、ベルトの速度むらをさらに低減できて好まし
い。
【0018】請求項4の発明では、歯付ベルトとして、
ピッチライン上に抗張体が埋設されたベルト本体と、こ
のベルト本体のランドライン上に一定ピッチで設けられ
た複数のベルト歯部とを備えている。そして、上記各ベ
ルト歯部は、歯幅方向中心線に対し対称に配置された円
弧面からなる歯元部と、この歯元部に連続して歯部側面
に位置しかつ上記歯幅方向中心線に対し対称に設けられ
た凸形状の円弧面からなる動力伝達部と、この両動力伝
達部同士を連続するように設けられ、上記歯幅方向中心
線上に中心点を持つ1つの円弧面からなる歯先端部とで
構成され、上記ベルト歯部側面の動力伝達部と歯元部と
の接続部での最大圧力角が15〜25°であることを特
徴としている。
【0019】この発明の構成によれば、上記請求項1の
発明と同様の作用効果が得られる。さらに、ベルト歯部
の歯先端部が1つの円弧面で構成されているので、最大
圧力角を大きくするのみ(図8仮想線参照)に比べ、ベ
ルト歯部のプーリ歯溝部への接触をさらに遅くすること
ができ(図8実線参照)、ベルトの速度むらをより一層
低減することができる。
【0020】請求項5の発明では、上記請求項4の歯付
ベルトにおける最大圧力角を16〜23°とし、請求項
6の発明では、同最大圧力角を17〜22°とする。こ
うすると、請求項4の歯付ベルトの速度むらをさらに低
減できる。
【0021】請求項7〜19の発明は、歯付ベルトと歯
付プーリとを組み合わせた歯付ベルト伝動装置に関する
発明であり、請求項7の発明では、上記請求項1〜3の
いずれか1つの歯付ベルトと、プーリ外径ライン上に一
定ピッチで設けられた複数のプーリ歯溝部を備えた歯付
プーリとを組み合わせてなる歯付ベルト伝動装置とし
て、上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し対
称に配置された円弧面からなる歯頂円弧部と、この歯頂
円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称に設けら
れた凹形状の円弧面からなる歯溝側面部と、この両歯溝
側面部同士を連続するように設けられた歯溝底部とで構
成されている。また、上記ベルト歯部の側面とプーリ歯
溝部の側面とと略相似形である。さらに、ベルトがプー
リに巻き付いてベルトに張力が付与された伝動状態(実
用状態)で、ベルト歯部及びプーリ歯溝部の各側面の歯
高さ方向の各位置でのベルト歯部側面の圧力角とプーリ
歯溝部側面の圧力角とが略等しくされ、かつベルトラン
ド部がプーリ外径部に接触するように構成されている。
【0022】上記の如く、最大圧力角を25°以下の範
囲(好ましくは17〜22°)で大きくすることによ
り、ベルト歯部側面がプーリ歯溝部側面に接触するのが
遅くなってベルトの速度むらが低減するが、この他、ベ
ルト歯部の圧力角は従来と同様に小さいままでも、プー
リ歯溝部の最大圧力角をベルト歯部の最大圧力角よりも
小さくすることで、低負荷トルク伝動時のプーリ歯溝部
のベルト歯溝部に対する遅れの範囲であれば、幾何学的
にベルト歯部側面のプーリ歯溝部側面への接触を遅くす
ることができる。このようにプーリ歯溝部の最大圧力角
をベルト歯部の最大圧力角よりも小さくすると、ベルト
歯部とプーリ歯溝部との間のバックラッシュが歯元部か
ら歯先側に向かって漸増し、これは従来例(特開昭64
―74341号公報)の構成そのものとなる。
【0023】しかしながら、本発明者の研究によれば、
プーリ歯溝部の最大圧力角をベルト歯部の最大圧力角よ
りも小さくした場合、ベルトの速度むらが増大すること
が判明した。すなわち、プーリ歯溝部の最大圧力角をベ
ルト歯部の最大圧力角よりも小さくすれば、確かにベル
ト歯部側面のプーリ歯溝部側面への接触は遅くなるもの
の、その反面、ベルト歯部の側面はプーリ歯溝部の側面
でなくて歯頂円弧部側に接触することとなる(図5
(b)参照)。斯かる接触に伴い、ベルト歯部はプーリ
歯溝部の歯頂円弧部に突き上げられる格好となり、プー
リ歯溝部にスムーズに滑り込むことができず、ベルトピ
ッチラインが押し上げられて速度むらが増大する。
【0024】これに対し、請求項7の発明の構成によれ
ば、ベルト歯部側面とプーリ歯溝部側面との歯高さ方向
の各位置での圧力角が略等しいため、ベルト歯部側面が
プーリ歯溝部の側面に対し均一に接触してベルト歯部が
プーリ歯溝部にスムーズに滑り込むこととなり(図5
(a)参照)、ベルトのピッチラインが押し上げられ
ず、このことでベルトの速度むらを極めて小さくなるよ
うに抑制できる。
【0025】請求項8の発明では、上記請求項7の歯付
ベルト伝動装置における歯付プーリのプーリ歯溝部の歯
溝底部を略平面からなるものとする。こうすれば、プー
リ歯溝部の歯溝底部をベルト歯部の歯先面と同じ略平面
とできて好ましい。尚、この歯溝底部はプーリ中心方向
に中心を持つ円弧面で形成してもよい。
【0026】請求項9の発明では、上記請求項4〜6の
いずれか1つの歯付ベルトと、プーリ外径ライン上に一
定ピッチで設けられた複数のプーリ歯溝部を備えた歯付
プーリとを組み合わせてなる歯付ベルト伝動装置であっ
て、上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し対
称に配置された円弧面からなる歯頂円弧部と、この歯頂
円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称に設けら
れた凹形状の円弧面からなる歯溝側面部と、この両歯溝
側面部同士を連続するように設けられた歯溝底部とで構
成され、上記ベルト歯部の側面はプーリ歯溝部の側面と
略相似形であり、ベルトがプーリに巻き付いてベルトに
張力が付与された伝動状態で、ベルト歯部及びプーリ歯
溝部の各側面の歯高さ方向の各位置でのベルト歯部側面
の圧力角とプーリ歯溝部側面の圧力角とが略等しくさ
れ、かつベルトランド部がプーリ外径部に接触するよう
に構成されている。この構成によっても上記請求項7の
発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0027】請求項10の発明では、上記請求項9の歯
付ベルト伝動装置において、歯付プーリのプーリ歯溝部
の歯溝底部は、歯溝幅方向中心線上に中心点を持ちかつ
ベルト歯部の歯先端部の円弧半径よりも大きい円弧半径
の1つの円弧面で構成されているものとする。すなわ
ち、ベルト歯部の歯先端部が円弧面である場合、プーリ
歯溝部の歯溝底部は略平面であってもよいが、請求項1
0の発明のようにベルト歯部の歯先端部の円弧面の半径
よりも大きい半径を持つ円弧面で形成すれば、ベルト歯
部がプーリ歯溝部により一層スムーズに滑り込むように
なるので好ましい。
【0028】請求項11の発明では、歯付ベルトと歯付
プーリとを組み合わせてなる歯付ベルト伝動装置とし
て、上記歯付ベルトは、ピッチライン上に抗張体が埋設
されたベルト本体と、このベルト本体に一定ピッチで設
けられた複数のベルト歯部と、これらベルト歯部間に設
けられたランド部とを備え、上記各ベルト歯部は、歯部
側面に位置しかつ歯幅方向中心線に対し対称に設けられ
た凸形状の円弧面からなる動力伝達部と、この動力伝達
部に連続してかつ上記歯幅方向中心線に対し対称に設け
られた円弧面からなる歯先部と、これら両歯先部同士を
連続するように設けられた1つの略平面からなる歯先面
とで構成されるものとする。一方、上記歯付プーリは、
プーリ外径ライン上に一定ピッチで設けられた複数のプ
ーリ歯溝部を備え、上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向
中心線に対し対称に配置された円弧面からなる歯頂円弧
部と、この歯頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対
し対称に設けられた凹形状の円弧面からなる歯溝側面部
と、この両歯溝側面部同士を連続するように設けられた
歯溝底部とで構成されておいるものとする。そして、上
記プーリ歯溝部の歯頂円弧部と歯溝側面部との接続部で
の最大圧力角を15〜25°とし、上記ベルト歯部の側
面とプーリ歯溝部の側面とは略相似形とする。また、ベ
ルトがプーリに巻き付いてベルトに張力が付与された伝
動状態で、ベルト歯部及びプーリ歯溝部の各側面の歯高
さ方向の各位置でのベルト歯部側面の圧力角とプーリ歯
溝部側面の圧力角とが略等しくされ、かつベルトランド
部がプーリ外径部に接触しないように構成されているも
のとする。
【0029】最大圧力角を大きくしてベルトの速度むら
を低減させることは、ベルトのランド部がプーリの外径
部と接触しない状態で使用される歯付ベルト伝動装置に
おいても有効である。しかしながら、その場合、ベルト
のランド部、歯部の歯元部、側面部のうち、プーリ外径
部よりも半径方向外側に位置する部分はベルト歯部の噛
合時の挙動に直接影響しない。従って、ベルト単体での
ベルト歯部の最大圧力角ではなく、プーリ歯溝部におけ
る歯頂円弧部と歯溝側面部との接続部での最大圧力角が
重要となる。そして、請求項11の発明では、上記プー
リ歯溝部における歯頂円弧部と歯溝側面部との接続部で
の最大圧力角を15〜25°としているので、上記と同
様の作用効果が得られる。
【0030】請求項12の発明では、上記請求項11の
歯付ベルト伝動装置において、歯付ベルトのランド部
は、歯幅方向中心線に対し対称に配置された円弧面から
なる歯元部によりベルト歯部側面と連続して接続された
略平面で構成されているものとする。
【0031】上記ベルトのランド部は、ベルトの速度む
らを考慮した場合の制約はなく、円弧面でもよいが、略
平面であるのが好ましい。すなわち、一般に、ポリウレ
タン製の歯付ベルトは、その歯部等の形状精度が優れて
いる特徴を有するために事務用機器に多用されており、
特に、ベルト歯部のピッチが1.5mm以下であると、
ゴム製のベルトは歯形状の精度が低くて要求を満たし得
ないことから、殆どポリウレタン製の歯付ベルトが用い
られる。このようなポリウレタン製の歯付ベルトでは、
心線をランドラインから離すための凹部をベルトランド
部に設けることが行われているが、ベルト歯部のピッチ
が1.5mm以下であるときには、上記凹部を形成する
ための寸法が極めて小さくなり、そのための金型の加工
が難しい。このため、上記の如き凹部を設けずに、ラン
ドライン上に直接心線を配設し、この心線がプーリの外
径部に接触して傷付けられないようにするために、ベル
トのランド部がプーリの外径部と接触しない状態で使用
する。その場合、請求項12の発明では、ベルトのラン
ド部が略平面であるので、この略平面のベルトランド部
により上記心線の位置を安定させることができる。
【0032】請求項13の発明では、上記請求項11又
は12の歯付ベルト伝動装置におけるプーリ歯溝部の歯
頂円弧部と歯溝側面部との接続部での最大圧力角を16
〜23°とし、請求項14の発明では、同最大圧力角を
17〜22°とする。こうすると、歯付ベルトの速度む
らをさらに低減できる。
【0033】請求項15の発明では、請求項11〜14
のいずれか1つの歯付ベルト伝動装置における歯付プー
リのプーリ歯溝部の歯溝底部を略平面からなるものとす
る。こうすると、ベルトがプーリに巻き付いたときに、
ベルト歯部の歯先端部をプーリ歯溝部の略平面からなる
広い面積の歯溝底部で受けることができ、プーリへの巻
付き時のベルトの心線位置(ピッチライン)を安定させ
て速度むらをさらに低減することができる。
【0034】請求項16の発明では、歯付ベルトと歯付
プーリとを組み合わせてなる歯付ベルト伝動装置とし
て、上記歯付ベルトは、ピッチライン上に抗張体が埋設
されたベルト本体と、このベルト本体に一定ピッチで設
けられた複数のベルト歯部と、これらベルト歯部間に設
けられたランド部とを備え、上記各ベルト歯部は、歯部
側面に位置しかつ歯幅方向中心線に対し対称に設けられ
た凸形状の円弧面からなる動力伝達部と、これら両動力
伝達部同士を連続するように設けられ、上記歯幅方向中
心線上に中心点を持つ1つの円弧面からなる歯先端部と
で構成される。一方、上記歯付プーリは、プーリ外径ラ
イン上に一定ピッチで設けられた複数のプーリ歯溝部を
備え、この各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し
対称に配置された円弧面からなる歯頂円弧部と、この歯
頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称に設け
られた凹形状の円弧面からなる歯溝側面部と、この両歯
溝側面部同士を連続するように設けられた歯溝底部とで
構成されている。そして、上記プーリ歯溝部の歯頂円弧
部と歯溝側面部との接続部での最大圧力角が15〜25
°で、上記ベルト歯部の側面とプーリ歯溝部の側面とは
略相似形であり、ベルトがプーリに巻き付いてベルトに
張力が付与された伝動状態で、ベルト歯部及びプーリ歯
溝部の各側面の歯高さ方向の各位置でのベルト歯部側面
の圧力角とプーリ歯溝部側面の圧力角とが略等しくさ
れ、かつベルトランド部がプーリ外径部に接触しないよ
うに構成されている。
【0035】すなわち、この請求項16の発明は、上記
請求項11の発明において、ベルト歯部を請求項4の発
明と同様の構成に変えたものであり、請求項11の発明
と同様の作用効果が得られる。
【0036】請求項17の発明では、請求項16の歯付
ベルト伝動装置において、その歯付ベルトのランド部
は、歯幅方向中心線に対し対称に配置された円弧面から
なる歯元部によりベルト歯部側面と連続して接続された
略平面で構成されているものとする。このことで、上記
請求項12の発明と同様の効果が得られる。
【0037】請求項18の発明では、請求項16又は1
7の歯付ベルト伝動装置において、上記プーリ歯溝部の
歯頂円弧部と歯溝側面部との接続部での最大圧力角を1
6〜23°とする。また、請求項19の発明では、同最
大圧力角を17〜22°とする。この構成によれば、歯
付ベルトの速度むらをさらに低減できる。
【0038】請求項20の発明では、上記請求項16〜
19のいずれか1つの歯付ベルト伝動装置において、そ
の歯付プーリのプーリ歯溝部の歯溝底部は、歯溝幅方向
中心線上に中心点を持ちかつベルト歯部の歯先端部の円
弧半径よりも大きい円弧半径の1つの円弧面で構成され
ているものとする。このことで、上記請求項10の発明
と同様の効果が得られる。
【0039】請求項21の発明では、事務用機器とし
て、上記歯付ベルト伝動装置が装備されていて、その歯
付ベルトにキャリッジが取り付けられているものとす
る。このことで、歯付ベルト伝動装置の作動時に、キャ
リッジを移動させて印字等をするとき、ベルトの速度む
らによるキャリッジの速度変動が小さくなるので、キャ
リッジによる印字精度や画像品質を高めることができ
る。
【0040】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図3は本発明の実
施形態1に係る歯付ベルト伝動装置Aの全体構成を示
し、この伝動装置Aは、プリンタや複写機に代表される
事務用機器に装備されるものである。図3において、1
は歯付プーリからなる駆動プーリ、2は同様の従動プー
リで、これらプーリ1,2は例えば水平方向に対向して
配置されている。両プーリ1,2間には歯付ベルト8が
噛合い状態で巻き掛けられ、この歯付ベルト8の下側ス
パンにはインクやハンマ等の印字機構(図示せず)を装
着したキャリッジ19が取付部19aにて移動一体に取
付固定されており、駆動プーリ1,2を正転又は逆転さ
せて歯付ベルト8を走行移動させることにより、キャリ
ッジ19をプーリ1,2間で往復動作させるようにして
いる。
【0041】図2に拡大して示すように、上記歯付プー
リからなる駆動又は従動プーリ1,2は、外周のプーリ
外径ライン上に一定ピッチで設けられた複数のプーリ歯
溝部3,3,…(1つのみ図示する)を備えている。こ
の各プーリ歯溝部3は、その歯溝幅方向中心線C1に対
し対称に配置された円弧半径r1Pの円弧面からなる1
対の歯頂円弧部4,4と、これら両歯頂円弧部4,4に
連続して上記歯溝幅方向中心線C1に対し対称に設けら
れ、ピッチ円PCの近傍(後述の如くプーリ1,2に噛
み合うベルト8の歯部11における動力伝達部13の円
弧面中心点O1Bと同じ位置)に中心点O1Pを有しか
つベルト8の歯幅Wよりも大きい円弧半径RPの凹形状
の円弧面からなる1対の歯溝側面部5,5と、これら両
歯溝側面部5,5を連続するように設けられた略平面か
らなる歯溝底部6とで構成されている(尚、図2におい
ては、理解を容易にするためにプーリ1,2の外周をベ
ルト8と共に展開した状態で示している)。
【0042】一方、上記歯付ベルト8は、図1に拡大し
て示すように、弾性材からなるベルト本体9を備えてい
る。このベルト本体9はゴム製又はポリウレタン製であ
るのが好ましく、その他、例えば合成樹脂系等の材料で
もよい。ゴム製の場合、クロロプレンゴムが用いられる
他、NBR、SBR、EPDM等でもよく、そのゴムの
硬度はJIS−Aで65〜85°程度のものがよい。ベ
ルト本体9をポリウレタン製とする場合、そのポリウレ
タンは熱硬化性でかつエーテル系のものが用いられる
が、熱可塑性やエステル系のものでもよい。
【0043】また、上記ベルト本体9のピッチラインP
L上に抗張体としての心線(図示せず)が埋設されてい
る。この心線は、ベルト本体9がゴム製又はポリウレタ
ン製のいずれであっても、主としてガラス繊維、アラミ
ド繊維が用いられ、カーボンやPBO等の繊維でもよ
い。また、事務用機器の消費電力を低減するために、ロ
ストルクが小さくなるように細径の心線が望ましい。
【0044】また、ベルト8の速度むらを低減する狙い
からみて、ベルト8のピッチラインPLを安定して維持
するために、ベルト8の曲げ剛性を低くする点、また、
負荷がかけられたときの歯ピッチの維持により噛合干渉
を低減し、事務用機器の起動時の速度変動を素早く減衰
させるために、ベルト8の引張弾性率を高くする点を考
慮すると、高弾性率の心線を用いるのがよい。
【0045】上記ベルト本体9のランドラインLL上に
は、歯幅Wを有する複数の歯部11,11,…(1つの
み図示する)がベルト長さ方向に一定ピッチで形成さ
れ、この歯部11,11間にあるベルト本体9の底面
に、ランドラインLL上に位置するランド部10が設け
られている。この歯部11のピッチの制約は特にない
が、事務用機器の部品としては0.5〜3.0mmが採
用される。
【0046】上記の如くベルト本体9がゴム製である場
合、その歯部11の表面に合成繊維製の織布(図示せ
ず)が貼り付けられる。その織布はポリアミド繊維が望
ましいが、ポリエステル繊維でもよい。織布は通常、R
F処理、エポキシ処理、RFL処理等の接着処理が施さ
れ、糊ゴムにより処理される。この糊ゴム処理は、織布
の表裏両面に行われることもあるが、特に事務用機器の
用途ではベルト8表面からのゴム粉の飛散を嫌い、しか
もベルト8の速度むらの低減という目的からみてベルト
8表面の摩擦係数を低くしておく必要があるために、歯
部11の表面となる側にゴム処理を行わないのが好まし
い。
【0047】一方、ベルト本体9がポリウレタン製であ
る場合、歯部11の表面に織布は設けられておらず、ベ
ルト本体9に心線のみが埋め込まれたものとなる。
【0048】本発明の特徴は、上記各ベルト歯部11及
びプーリ歯溝部3の形状にある。すなわち、図1に示す
ように、各ベルト歯部11は、そのベルト長さ方向両側
に、ベルト歯部11の歯幅方向中心線C2(ベルト長さ
方向の中心線)に対し対称に位置しかつランド部10に
連続する所定半径r1Bの円弧面からなる1対の歯元部
12,12と、これらの歯元部12,12に連続して歯
部11の側面に位置しかつ上記歯幅方向中心線C2に対
し対称に設けられ、円弧半径RBの凸形状の円弧面から
なる1対の動力伝達部13,13と、これら両動力伝達
部13,13に連続してかつ上記歯幅方向中心線C2に
対し対称に設けられ、所定半径r2Bの円弧面からなる
1対の歯先部14,14と、これら両歯先部14,14
同士を連続するように設けられた1つの略平面からなる
歯先面15とで構成されている。
【0049】上記各動力伝達部13の円弧面の中心点O
1Bは、上記ベルト8のピッチラインPL上又はその近
傍、具体的には歯幅W(歯部11の幅)に対し、ランド
ラインLLからa=0.13〜0.42Wでベルト歯部
11の歯幅方向中心線C2からb=0.25〜0.81
Wの範囲に位置するのが望ましい。また、この各動力伝
達部13の円弧面の円弧半径RBは、歯幅Wに略等しい
かそれよりも大きく(RB≒W又はRB>W)、具体的
にはRB=1.0〜1.5Wに設定するのがよい。
【0050】そして、上記歯付ベルト8におけるベルト
歯部11側面の動力伝達部13と歯元部12との接続部
での最大圧力角θBはθB=15〜25°とされ、望ま
しくはθB=16〜23°であり、そのうちθB=17
〜22°が好ましく、最適値はθB=19.3°(図示
例のもの)である。
【0051】また、図2に示す如く、上記ベルト歯部1
1の側面(歯幅方向の側面)とプーリ歯溝部3の側面
(歯溝幅方向の側面)とは互いに略相似形であり、ベル
ト8が各プーリ1,2に巻き付いてベルト8に張力が付
与された実際の伝動状態で、ベルト歯部11及びプーリ
歯溝部3の各側面の歯高さ方向の各位置でのベルト歯部
11側面の圧力角とプーリ歯溝部3側面の圧力角とが略
等しくされ、かつベルト8のランド部10がプーリ外径
部に接触するように構成されている。
【0052】したがって、この実施形態においては、図
4に示すように、歯付ベルト8の各歯部11が歯付プー
リからなる駆動プーリ1の各歯溝部3に噛み込むとき、
与えられる負荷トルクの影響によりベルト歯部11はプ
ーリ歯溝部3の位置に対し若干遅れた位置で噛み込むの
で、ベルト歯部11の走行方向後側の歯部11側面がプ
ーリ歯溝部3の側面に接触した後にベルト歯部11がプ
ーリ歯溝部3に滑り込む。
【0053】そのとき、ベルト8のスパン(プーリに巻
き付いていない部分)でベルトピッチラインPLがベル
トスパンと直交する方向に上下動することにより、噛合
い速度むらが発生し、上記ピッチラインPLの上下動量
は、ベルト歯部11がプーリ歯溝部3に滑り込む際に発
生する反力と、その反力によってベルト8が上側に押し
上げられたときに発生するベルト張力の分力とによって
決まるため、接触位置がベルト歯部11とプーリ歯溝部
3との完全噛合位置から離れるほどベルト張力の分力が
小さくなってピッチラインPLの押上げ量が大きくな
り、ベルト歯部11のプーリ歯溝部3への接触が早期で
あると速度むらが大きくなる。
【0054】そして、従来の歯付ベルト8では、図4
(b)に示すように、上記したベルト歯部11側面の最
大圧力角θBが小さい(θB=14.2〜14.4°)
ので、ベルト歯部11の側面がプーリ歯溝部3の側面に
早く接触するのに対し、この実施形態では、図4(a)
に示す如く、上記最大圧力角θBがθB≧15°と従来
よりも大きいので、ベルト歯部11のプーリ歯溝部3側
面との接触は遅くなり、このことによってベルト8の速
度むらを低減することができる。
【0055】一方、このように、ベルト歯部11の側面
はプーリ歯溝部3の側面と接触した後に滑り込む反力と
ベルト張力の分力とによってベルトスパンの移動量が決
まり、そのときに、最大圧力角θBが大き過ぎると、ベ
ルト歯部11がプーリ歯溝部3に滑り込む際に発生する
反力の垂直方向(ベルトスパンと直交する方向)の成分
が大きくなり過ぎ、容易に滑り込めなくなってベルトピ
ッチラインPLが押し上げられ、却ってベルト8の速度
むらが増大するが、この実施形態では、上記最大圧力角
θBはθB≦25°であるので、ベルト歯部11がプー
リ歯溝部3にスムーズに滑り込むようになり、ベルト8
の速度むらの増大を抑えることができる。つまり、最大
圧力角θBの最適範囲をθB=15〜25°とすること
で、ベルト8の速度むらを可及的に低減することができ
る。
【0056】また、この実施形態では、ベルト歯部11
の側面とプーリ歯溝部3の側面との歯高さ方向の各位置
での圧力角が略等しいため、図5(a)に示すように、
ベルト歯部11の側面がプーリ歯溝部3の側面に対し均
一に接触してベルト歯部11がプーリ歯溝部3にスムー
ズに滑り込むこととなる。このため、図5(b)に示す
如く、プーリ歯溝部3の最大圧力角をベルト歯部11の
最大圧力角よりも小さくした場合のように、ベルト歯部
11の側面がプーリ歯溝部3の側面でなくて歯頂円弧部
4に接触してベルト歯部11がプーリ歯溝部3の歯頂円
弧部4に突き上げられることはなく、ベルト8の速度む
らをさらに抑制することができる。このようにベルト8
の速度むらが可及的に低減されることによって、事務用
機器の印字精度や画像品質の向上等を図ることができ
る。
【0057】また、上記プーリ1,2における各プーリ
歯溝部3の歯溝底部6が略平面であるので、プーリ歯溝
部3の歯溝底部6をベルト歯部11の歯先面15と同じ
略平面形状とすることができる。尚、この歯溝底部6は
プーリ中心方向に中心を持つ円弧面で形成してもよい。
【0058】(実施形態2)図6及び図7は本発明の実
施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では図1及び図
2と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説
明は省略する)、この実施形態では、ベルト歯部11の
形状を変えたものである。
【0059】すなわち、この実施形態では、図7に示す
ように、各プーリ1,2における各プーリ歯溝部3は、
歯溝幅方向中心線C1に対し対称に配置された円弧面か
らなる歯頂円弧部4,4と、この歯頂円弧部4,4に連
続して歯溝幅方向中心線C1に対し対称に設けられた凹
形状の円弧面からなる歯溝側面部5,5と、これら両歯
溝側面部5,5同士を連続するように設けられた略平面
からなる歯溝底部6とで構成されている。
【0060】一方、図6及び図7に示すように、歯付ベ
ルト8の各ベルト歯部11は、そのベルト長さ方向両側
に、ベルト歯部11の歯幅方向中心線C2に対し対称に
位置しかつランド部10に連続する所定半径r1Bの円
弧面からなる1対の歯元部12,12と、この歯元部1
2,12に連続して歯部11側面に位置しかつ上記歯幅
方向中心線C2に対し対称に設けられた円弧半径RBの
凸形状の円弧面からなる1対の動力伝達部13,13
と、この両動力伝達部13,13同士を連続するように
設けられ、上記ベルト歯部11の歯幅方向中心線C2上
に中心点O2Bを持つ円弧半径rTBの1つの円弧面か
らなる歯先端部17とで構成されている。
【0061】そして、上記実施形態1と同様に、上記各
ベルト歯部11の側面の動力伝達部13と歯元部12と
の接続部での最大圧力角θBはθB=15〜25°とさ
れ、望ましくはθB=16〜23°で、そのうちθB=
17〜22°が好ましく、最適値はθB=19.3°
(図示例のもの)である。
【0062】さらに、上記ベルト歯部11の側面とプー
リ歯溝部3の側面とは略相似形で、ベルト8がプーリに
巻き付いてベルト8に張力が付与された伝動状態で、ベ
ルト歯部11及びプーリ歯溝部3の各側面の歯高さ方向
の各位置でのベルト歯部11側面の圧力角とプーリ歯溝
部3側面の圧力角とが略等しくされ、かつベルトランド
部10がプーリ外径部に接触するように構成されてい
る。その他の構成は実施形態1と同様である。
【0063】したがって、この実施形態においても、上
記実施形態1と同様の作用効果が得られる。そのことに
加え、各ベルト歯部11の歯先端部17が1つの円弧面
で構成されているので、図8で実線にて示すように、ベ
ルト歯部11のプーリ歯溝部3への接触をさらに遅くす
ることができ、最大圧力角を大きくするのみ(図8に仮
想線にて示す)に比べ、ベルト8の速度むらをさらに有
効に低減できる利点がある。
【0064】(実施形態3)図9は実施形態3を示し、
この実施形態では、歯付ベルト8における各ベルト歯部
11は、上記実施形態2と同様に、その先端部に、1つ
の円弧面からなる歯先端部17がベルト長さ方向両側の
両動力伝達部13,13同士を連続するように設けられ
ている。
【0065】これに対し、プーリ1,2における各プー
リ歯溝部3の歯溝底部6は、歯溝幅方向中心線C1上に
中心点O2Pを持ちベルト歯部11の歯先端部17の円
弧半径rTBよりも少し大きい円弧半径rTPの1つの
円弧面で構成されている。
【0066】この実施形態の場合、各プーリ歯溝部3の
歯溝底部6が各ベルト歯部11の歯先端部17の円弧面
の半径rTBよりも少し大きい半径rTPを持つ円弧面
で形成されているので、ベルト歯部11がプーリ歯溝部
3により一層スムーズに滑り込むようになり、ベルト8
の速度むらの増大をさらに効果的に抑えることができ
る。
【0067】(他の実施形態)尚、上記実施形態1にお
いては、ベルト8がプーリ1,2に巻き付いてベルト8
に張力が付与された伝動状態で、ベルトランド部10が
プーリ外径部に接触するようにしているが、図10に示
す如く、同じ状態でベルトランド部10がプーリ外径部
に接触しないようにしてもよく、その場合も、各プーリ
歯溝部3の歯頂円弧部4と歯溝側面部5との接続部での
最大圧力角θP(図2参照)をθP=15〜25°とす
る(θP=16〜23°としてもよく、好ましくはθP
=17〜22°がよい)。
【0068】このようにベルト8のランド部10がプー
リ1,2の外径部と接触しない状態で使用される歯付ベ
ルト伝動装置においては、ベルトランド部10、歯元
部、側面部のうち、プーリ外径部よりも半径方向外側に
位置する部分はベルト歯部11の噛合時の挙動に直接影
響しないので、ベルト8単体でのベルト歯部11の最大
圧力角θBではなく、プーリ歯溝部3における歯頂円弧
部4と歯溝側面部5との接続部での最大圧力角θPをθ
P=15〜25°とすることで、上記と同様にベルト8
の速度むらを低減することができる。
【0069】また、その場合、歯付ベルト8のランド部
10は、円弧面でもよいが、歯幅方向中心線C2に対し
対称に配置された円弧面からなる歯元部11,11によ
りベルト歯部11側面と連続して接続された略平面で構
成するのがよい。すなわち、ベルト本体9がポリウレタ
ン製である歯付ベルト8において、そのベルト歯部11
のピッチが1.5mm以下であるときには、心線をラン
ド部10から離すために設ける凹部の寸法が極めて小さ
く、金型の加工が難しいため、上記の如き凹部を設けず
に、ランド部10上に直接心線を配設しているが、この
心線がプーリ1,2の外径部に接触して傷付けられない
ようにすべく、ベルト8のランド部10がプーリ1,2
の外径部と接触しない状態で使用される。従って、上記
のようにベルト8のランド部10を略平面とすること
で、上記心線の位置を安定させることができる。
【0070】さらに、上記プーリ1,2の各プーリ歯溝
部3の歯溝底部6は略平面からなるものとしてもよい。
こうすると、ベルト8がプーリ1,2に巻き付いたとき
に、ベルト歯部11の歯先端部17をプーリ歯溝部3の
略平面からなる広い面積の歯溝底部6で受けることがで
き、プーリ1,2への巻付き時のベルト8の心線位置
(ピッチラインPL)を安定させてベルト8の速度むら
をさらに低減できる。
【0071】また、上記実施形態2又は3の構成におい
て、ベルト8がプーリ1,2に巻き付いてベルト8に張
力が付与された伝動状態で、ベルトランド部10がプー
リ外径部に接触しないようにし、その各プーリ歯溝部3
の歯頂円弧部4と歯溝側面部5との接続部での最大圧力
角θPをθP=15〜25°(又はθP=16〜23
°、θP=17〜22°)とすることもできる。
【0072】さらに、上記各実施形態は、プリンタや複
写機等の事務用機器に装備された歯付ベルト8及び伝動
装置Aについて説明しているが、本発明は、事務用機器
以外の歯付ベルト及び伝動装置に対しても適用できるの
はいうまでもない。
【0073】
【実施例】(FEM解析評価)次に、具体的に実施した
実施例について説明する。まず、歯付ベルトの速度むら
をFEM解析法を用いて解析した。このFEM解析で
は、汎用ソフトウェア「ABAQUS」を用いた2次元
の動的解析とした。解析モデルは2つのプーリと、内側
に歯部を有するエンドレスのベルトとをモデル化し、ベ
ルトに張力を付与した後にプーリを回転させるものとし
た。ベルト歯部及びプーリ歯溝部の各形状は上記実施形
態と同様の形状に合わせて形成した。ベルトの材料の各
定数は、歯ピッチが2.117mmのベルト及びその各
構成材料で実測して入力した(歯形状が変わっても材料
定数は変化しないものであるとした)。ベルト本体は四
角形の平面要素に、また心線は梁要素にそれぞれ設定
し、プーリと接触する表面は摩擦を考慮してインタフェ
ース要素とした。プーリ表面は剛表面でモデル化した。
そして、ベルトピッチライン上の1点の速度を出力して
速度むらのデータを得た。そのデータを図11に示す。
図11(a)は、ベルト歯部が、歯幅方向中心線に対し
対称に設けられた歯先部と、これら両歯先部同士を連続
するように設けられた1つの略平面からなる歯先面とを
備えていて、最大圧力角が15〜25°の本発明例(本
発明の実施形態1に相当するもの)のデータであり、ま
た、図11(b)は従来例(最大圧力角14.4°)の
データを示している。
【0074】また、このデータからベルト歯部の圧力角
と速度むら(ベルト速度の変動値)との関係を求めたと
ころ、図12に示す結果が得られた。図12において
は、ベルト速度の変動値は上記従来例を「1.0」とす
る指数で表している。また、図12中、実線はベルト歯
部が、歯先部と1つの略平面からなる歯先面とを備えた
もの歯部形状を持つものを示し、そのうち、最大圧力角
が15〜25°のものが本発明例となる。一方、破線は
ベルト歯部が、両動力伝達部同士を連続するように設け
られ、歯幅方向中心線上に中心点を持つ1つの円弧面か
らなる歯先端部とを備えた実施形態2に相当する本発明
例を示す。
【0075】(台上評価)一方、ベルト及びプーリから
なる伝動装置を作製して、そのベルトの速度むらを測定
装置で測定する台上試験をも行った。すなわち、本発明
例として、図6に示す実施形態2の構成で圧力角が異な
る(最大圧力角=17.6°,19.3°)2つの歯付
ベルトを作り(本発明例1,2)、従来例として図17
に示す構成の歯付ベルト(最大圧力角14.4°)を作
った。その各々の寸法は下記の表1のとおりである。
尚、寸法値はベルト歯部のピッチ(2.117mm)を
「1.0」とする指数で表している。
【0076】
【表1】
【0077】具体的には、歯付ベルトは歯ピッチ2.1
17mmの円弧歯形状の歯部を持つゴム製のもので、そ
のゴムは硬度70°のクロロプレンゴムで、心線は径
0.3mmのガラス繊維からなる。織布はポリアミドウ
ーリー加工糸からなり、RF処理と、裏面のみのゴム糊
処理とを施した。
【0078】そして、これらの歯付ベルトについて、実
際の走行時の速度むらを図13に示すベルト速度むら測
定装置により測定した。この測定装置は、試験用の歯付
ベルト40を巻き掛ける歯付プーリからなる駆動及び従
動プーリ41,42を備えており、その従動プーリ42
への静荷重DWによりベルト張力を付与しかつ従動プー
リ42を無負荷にした状態で駆動プーリ41を図で矢印
の方向に回転させ、そのときのベルト40の緩み側スパ
ンにおいて駆動プーリ41の軸心からd1=10mm離
れた部位に対し、その部位からベルト側方にd2=10
0±2mm離れた位置のプローブ43からレーザ光43
aを当て、そのプローブ43の出力信号に基づいて速度
むら測定器44によりベルト40の速度むらを測定し、
この速度むらの周波数をFFT45により解析してパソ
コン46に取り込み、そのデータをプリンタ47により
プリントするようにしたものである。この速度むら測定
装置の測定データを図14に、またベルトの速度むらの
周波数を分析したデータを図15にそれぞれ示す。ま
た、ベルトの速度むら測定データから得られたベルト歯
部の圧力角と速度むらとの関係を図16に示す。尚、こ
の図16におけるベルト速度の変動値も従来例(最大圧
力角14.4°)を「1.0」とする指数値である。
【0079】上記図12から明らかなように、ベルト歯
部側面の動力伝達部と歯元部との接続部での最大圧力角
を15〜25°とすれば、従来例のように最大圧力角を
14.4°とするのに比べ、ベルトの速度むらが低減し
ていることが裏付けられた。特に、最大圧力角を16〜
23°とし、さらには17〜22°とすれば、ベルトの
速度むらが大きく低減し、19.3°が最適値であるこ
とが判る。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1による
と、歯付ベルトの各ベルト歯部の円弧面からなる歯元部
と、凸形状の円弧面からなる動力伝達部と、円弧面から
なる歯先部とをベルト歯部の歯幅方向中心線に対し対称
に配置し、両歯先部同士を連続する歯先面は1つの略平
面で構成し、ベルト歯部側面の動力伝達部と歯元部との
接続部での最大圧力角を15〜25°としたことによ
り、ベルト歯部のプーリ歯溝部への噛合時にベルト歯部
の側面をプーリ歯溝部の側面に遅く接触させるととも
に、ベルト歯部がプーリ歯溝部に滑り込む際に発生する
反力の垂直方向の成分を小さくして、容易に滑り込ませ
ることができ、よって歯付ベルトの速度むらを大幅に低
減して、プリンタに代表される事務用機器の印字精度や
画像品質の向上等を図ることができるという実用上優れ
た効果が得られる。
【0081】請求項2の発明では、上記歯付ベルトにお
けるベルト歯部側面の動力伝達部と歯元部との接続部で
の最大圧力角を16〜23°とした。また、請求項3の
発明では、同最大圧力角を17〜22°とした。これら
の発明によれば、ベルトの速度むらのより一層の低減を
図ることができる。
【0082】請求項4の発明によれば、歯付ベルトの各
ベルト歯部の円弧面からなる歯元部と、凸形状の円弧面
からなる動力伝達部と、円弧面からなる歯先部とをベル
ト歯部の歯幅方向中心線に対し対称に配置し、歯先端部
は歯幅方向中心線上に中心点を持つ1つの円弧面で形成
し、ベルト歯部側面の動力伝達部と歯元部との接続部で
の最大圧力角を15〜25°としたことにより、ベルト
歯部のプーリ歯溝部への接触をさらに遅くすることがで
き、歯付ベルトの速度むらのより一層の低減を図ること
ができる。
【0083】請求項5の発明では、上記請求項4の歯付
ベルトにおけるベルト歯部側面の動力伝達部と歯元部と
の接続部での最大圧力角を16〜23°とした。また、
請求項6の発明では、同最大圧力角を17〜22°とし
た。これらの発明によれば、請求項4の歯付ベルトの速
度むらをさらに低減できる。
【0084】請求項7の発明によると、請求項1〜3の
歯付ベルトと歯付プーリとを組み合わせてなる歯付ベル
ト伝動装置として、歯付プーリの各プーリ歯溝部の円弧
面からなる歯頂円弧部と、凹形状の円弧面からなる歯溝
側面部とを歯溝幅方向中心線に対し対称に配置し、上記
ベルト歯部の側面をプーリ歯溝部の側面と略相似形と
し、ベルトがプーリに巻き付いてベルトに張力が付与さ
れた状態で、ベルト歯部及びプーリ歯溝部の各側面の歯
高さ方向の各位置でのベルト歯部側面の圧力角とプーリ
歯溝部側面の圧力角とを略等しくし、かつベルトランド
部をプーリ外径部に接触させるようにしたことにより、
ベルト歯部側面をプーリ歯溝部の側面に対し均一に接触
させてベルト歯部をプーリ歯溝部にスムーズに滑り込ま
せることができ、ベルトのピッチラインの押上げを抑え
てベルトの速度むらを低減することができる。
【0085】請求項8の発明によると、上記歯付ベルト
伝動装置における歯付プーリのプーリ歯溝部の歯溝底部
を略平面からなるものとしたことにより、プーリ歯溝部
の歯溝底部をベルト歯部の歯先面と同じとすることがで
きる。
【0086】請求項9の発明によると、上記請求項4〜
6の歯付ベルトと歯付プーリとを組み合わせてなる歯付
ベルト伝動装置として、歯付プーリの各プーリ歯溝部の
円弧面からなる歯頂円弧部と、凹形状の円弧面からなる
歯溝側面部とを歯溝幅方向中心線に対し対称に配置し、
上記ベルト歯部の側面をプーリ歯溝部の側面と略相似形
とし、ベルトがプーリに巻き付いてベルトに張力が付与
された状態で、ベルト歯部及びプーリ歯溝部の各側面の
歯高さ方向の各位置でのベルト歯部側面の圧力角とプー
リ歯溝部側面の圧力角とを略等しくし、かつベルトラン
ド部をプーリ外径部に接触させるようにしたことによ
り、請求項7の発明と同様に、ベルト歯部をプーリ歯溝
部にスムーズに滑り込ませてベルトのピッチラインの押
上げを抑え、ベルトの速度むらを低減することができ
る。
【0087】請求項10の発明によると、上記請求項9
の歯付ベルト伝動装置における歯付プーリのプーリ歯溝
部の両歯溝側面部同士を連続する歯溝底部を、歯溝幅方
向中心線上に中心点を持ちベルトかつ歯部の歯先端部の
円弧半径よりも大きい円弧半径の1つの円弧面で構成し
たことにより、歯先端部が円弧面であるベルト歯部がプ
ーリ歯溝部により一層スムーズに滑り込むようになり、
ベルトの速度むらをさらに効果的に低減することができ
る。
【0088】請求項11の発明によれば、歯付ベルトと
歯付プーリとを組み合わせてなる歯付ベルト伝動装置と
して、上記歯付ベルトの各ベルト歯部の凸形状の円弧面
からなる動力伝達部と、円弧面からなる歯先部とをベル
ト歯部の歯幅方向中心線に対し対称に配置し、両歯先部
同士を連続する歯先面は1つの略平面で構成する一方、
上記歯付プーリの各プーリ歯溝部の円弧面からなる歯頂
円弧部と、凹形状の円弧面からなる歯溝側面部とをプー
リ歯溝部の歯溝幅方向中心線に対し対称に配置し、プー
リ歯溝部の歯頂円弧部と歯溝側面部との接続部での最大
圧力角を15〜25°とし、ベルト歯部の側面とプーリ
歯溝部の側面とを略相似形として、ベルトがプーリに巻
き付いてベルトに張力が付与された状態で、ベルト歯部
及びプーリ歯溝部の各側面の歯高さ方向の各位置でのベ
ルト歯部側面の圧力角とプーリ歯溝部側面の圧力角とを
略等しくし、かつベルトランド部をプーリ外径部に接触
しないようにしたことにより、歯付ベルトのランド部が
プーリの外径部と接触しない状態で使用される歯付ベル
ト伝動装置に対し、そのプーリ歯溝部における歯頂円弧
部と歯溝側面部との接続部での最大圧力角を大きくし
て、ベルトの速度むらを低減させることができ、上記請
求項1の発明と同様の作用効果が得られる。
【0089】請求項12の発明によると、上記請求項1
1の歯付ベルト伝動装置における歯付ベルトのランド部
を、歯幅方向中心線に対し対称に配置された円弧面から
なる歯元部によりベルト歯部側面と連続して接続された
略平面で構成したことにより、ベルトのランドライン上
に直接心線を配設して、ランド部がプーリ外径部と接触
しない状態で使用されるポリウレタン製の歯付ベルトで
あっても、略平面のベルトランド部により心線の位置を
安定させることができる。
【0090】請求項13の発明では、上記請求項11又
は12の歯付ベルト伝動装置におけるプーリ歯溝部の歯
頂円弧部と歯溝側面部との接続部での最大圧力角を16
〜23°とした。また、請求項14の発明では、同最大
圧力角を17〜22°とした。これらの発明によれば、
歯付ベルトの速度むらをさらに低減できる。
【0091】請求項15の発明によれば、上記請求項1
1〜14の歯付ベルト伝動装置における歯付プーリのプ
ーリ歯溝部の歯溝底部を略平面からなるものとしたこと
により、歯付ベルトが歯付プーリに巻き付いたときに、
ベルト歯部の歯先端部をプーリ歯溝部の略平面からなる
広い面積の歯溝底部で受けることができ、プーリへの巻
付き時のベルトの心線位置を安定させて速度むらをさら
に低減することができる。
【0092】請求項16の発明によれば、歯付ベルトと
歯付プーリとを組み合わせてなる歯付ベルト伝動装置と
して、歯付ベルトの各ベルト歯部の凸形状の円弧面から
なる動力伝達部をベルト歯部の歯幅方向中心線に対し対
称に配置し、歯先端部は歯幅方向中心線上に中心点を持
つ1つの円弧面で形成する一方、歯付プーリの各プーリ
歯溝部の円弧面からなる歯頂円弧部と、凹形状の円弧面
からなる歯溝側面部とをプーリ歯溝部の歯溝幅方向中心
線に対し対称に配置し、プーリ歯溝部の歯頂円弧部と歯
溝側面部との接続部での最大圧力角を15〜25°と
し、ベルト歯部の側面とプーリ歯溝部の側面とを略相似
形とし、ベルトがプーリに巻き付いてベルトに張力が付
与された状態で、ベルト歯部及びプーリ歯溝部の各側面
の歯高さ方向の各位置でのベルト歯部側面の圧力角とプ
ーリ歯溝部側面の圧力角とを略等しくし、かつベルトラ
ンド部をプーリ外径部に接触しないようにしたことによ
り、上記請求項11の発明と同様の作用効果が得られ
る。
【0093】請求項17の発明によると、上記請求項1
6の歯付ベルト伝動装置における歯付ベルトのランド部
を、歯幅方向中心線に対し対称に配置された円弧面から
なる歯元部によりベルト歯部側面と連続して接続された
略平面で構成したことにより、上記請求項12の発明と
同様の作用効果が得られる。
【0094】請求項18の発明では、請求項16又は1
7の歯付ベルト伝動装置におけるプーリ歯溝部の歯頂円
弧部と歯溝側面部との接続部での最大圧力角を16〜2
3°とした。また、請求項19の発明では、同最大圧力
角を17〜22°とした。この各発明の構成によれば、
歯付ベルトの速度むらをさらに低減できる。
【0095】請求項20の発明によれば、上記請求項1
6〜19の歯付ベルト伝動装置における歯付プーリのプ
ーリ歯溝部の両歯溝側面部同士を連続する歯溝底部を、
歯溝幅方向中心線上に中心点を持ちかつベルト歯部の歯
先端部の円弧半径よりも大きい円弧半径の1つの円弧面
で構成したことにより、上記請求項10の発明と同様の
作用効果が得られる。
【0096】請求項21の発明によると、上記歯付ベル
ト伝動装置が装備されていて、その歯付ベルトにキャリ
ッジが取り付けられている事務用機器としたことによ
り、その事務用機器のキャリッジの速度変動を小さくし
て印字精度や画像品質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における歯付ベルトの歯部
を拡大して示す断面図である。
【図2】実施形態1における歯付ベルト伝動装置の歯付
ベルトの歯部が歯付プーリに噛み合った状態を展開して
示す拡大断面図である。
【図3】歯付ベルト伝動装置の全体構成を概略的に示す
正面図である。
【図4】歯付ベルトの歯部が歯付プーリの歯溝部に噛み
合う状態を概略的に示す説明図である。
【図5】歯付ベルトの歯部側面と歯付プーリの歯溝部側
面との圧力角が略同じである場合の噛合状態を示す図4
相当図である。
【図6】本発明の実施形態2における歯付ベルトの歯部
を示す図1相当図である。
【図7】実施形態2を示す図2相当図である。
【図8】実施形態2において歯付ベルトの歯部が歯付プ
ーリの歯溝部に噛み合う状態を概略的に示す図4相当図
である。
【図9】実施形態3を示す図2相当図である。
【図10】ベルトに張力が付与された伝動状態でベルト
ランド部がプーリ外径部に接触しない構成の他の実施形
態を示す図2相当図である。
【図11】ベルトの速度むらをFEM解析法により解析
したデータを示す図である。
【図12】ベルトの速度むら解析データから得られたベ
ルト歯部の圧力角と速度むらとの関係を示す図である。
【図13】ベルトの速度むら測定装置を示す図である。
【図14】ベルトの速度むら測定装置の測定データを示
す図である。
【図15】ベルトの速度むらの周波数を分析したデータ
を示す図である。
【図16】ベルトの速度むら測定データから得られたベ
ルト歯部の圧力角と速度むらとの関係を示す図である。
【図17】従来の歯付ベルトの歯部が歯付プーリに噛み
合った状態を示す図2相当図である。
【符号の説明】
A 歯付ベルト伝動装置 1,2 プーリ 3 プーリ歯溝部 4 歯頂円弧部 5 歯溝側面部 6 歯溝底部 C1 歯溝幅方向中心線 θP プーリ歯溝部の歯頂円弧部と歯溝側面部との接続
部での最大圧力角 8 歯付ベルト 9 ベルト本体 10 ランド部 11 ベルト歯部 12 歯元部 13 動力伝達部 14 歯先部 15 歯先面 17 歯先端部 PL ピッチライン C2 歯幅方向中心線 O2B 歯先端部中心点 θB ベルト歯部側面の動力伝達部と歯元部との接続部
での最大圧力角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川原 英昭 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内 (72)発明者 城戸 隆一 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内 Fターム(参考) 3J049 AA03 BF02 BH04 BH10 CA10

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピッチライン上に抗張体が埋設されたベ
    ルト本体と、 上記ベルト本体のランドライン上に一定ピッチで設けら
    れた複数のベルト歯部とを備え、 上記各ベルト歯部は、歯幅方向中心線に対し対称に配置
    された円弧面からなる歯元部と、 上記歯元部に連続して歯部側面に位置しかつ上記歯幅方
    向中心線に対し対称に設けられた凸形状の円弧面からな
    る動力伝達部と、 上記動力伝達部に連続してかつ上記歯幅方向中心線に対
    し対称に設けられた円弧面からなる歯先部と、 上記両歯先部同士を連続するように設けられた1つの略
    平面からなる歯先面とで構成されており、 上記ベルト歯部側面の動力伝達部と歯元部との接続部で
    の最大圧力角が15〜25°であることを特徴とする歯
    付ベルト。
  2. 【請求項2】 請求項1の歯付ベルトにおいて、 ベルト歯部側面の動力伝達部と歯元部との接続部での最
    大圧力角が16〜23°であることを特徴とする歯付ベ
    ルト。
  3. 【請求項3】 請求項1の歯付ベルトにおいて、 ベルト歯部側面の動力伝達部と歯元部との接続部での最
    大圧力角が17〜22°であることを特徴とする歯付ベ
    ルト。
  4. 【請求項4】 ピッチライン上に抗張体が埋設されたベ
    ルト本体と、 上記ベルト本体のランドライン上に一定ピッチで設けら
    れた複数のベルト歯部とを備え、 上記各ベルト歯部は、歯幅方向中心線に対し対称に配置
    された円弧面からなる歯元部と、 上記歯元部に連続して歯部側面に位置しかつ上記歯幅方
    向中心線に対し対称に設けられた凸形状の円弧面からな
    る動力伝達部と、 上記両動力伝達部同士を連続するように設けられ、上記
    歯幅方向中心線上に中心点を持つ1つの円弧面からなる
    歯先端部とで構成されており、 上記ベルト歯部側面の動力伝達部と歯元部との接続部で
    の最大圧力角が15〜25°であることを特徴とする歯
    付ベルト。
  5. 【請求項5】 請求項4の歯付ベルトにおいて、 ベルト歯部側面の動力伝達部と歯元部との接続部での最
    大圧力角が16〜23°であることを特徴とする歯付ベ
    ルト。
  6. 【請求項6】 請求項4の歯付ベルトにおいて、 ベルト歯部側面の動力伝達部と歯元部との接続部での最
    大圧力角が17〜22°であることを特徴とする歯付ベ
    ルト。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3のいずれか1つの歯付ベル
    トと、プーリ外径ライン上に一定ピッチで設けられた複
    数のプーリ歯溝部を備えた歯付プーリとを組み合わせて
    なる歯付ベルト伝動装置であって、 上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し対称に
    配置された円弧面からなる歯頂円弧部と、 上記歯頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称
    に設けられた凹形状の円弧面からなる歯溝側面部と、 上記両歯溝側面部同士を連続するように設けられた歯溝
    底部とで構成されており、 上記ベルト歯部の側面とプーリ歯溝部の側面とは略相似
    形であり、 ベルトがプーリに巻き付いてベルトに張力が付与された
    伝動状態で、ベルト歯部及びプーリ歯溝部の各側面の歯
    高さ方向の各位置でのベルト歯部側面の圧力角とプーリ
    歯溝部側面の圧力角とが略等しくされ、かつベルトラン
    ド部がプーリ外径部に接触するように構成されているこ
    とを特徴とする歯付ベルト伝動装置。
  8. 【請求項8】 請求項7の歯付ベルト伝動装置におい
    て、 歯付プーリのプーリ歯溝部の歯溝底部は略平面からなる
    ものであることを特徴とする歯付ベルト伝動装置。
  9. 【請求項9】 請求項4〜6のいずれか1つの歯付ベル
    トと、プーリ外径ライン上に一定ピッチで設けられた複
    数のプーリ歯溝部を備えた歯付プーリとを組み合わせて
    なる歯付ベルト伝動装置であって、 上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し対称に
    配置された円弧面からなる歯頂円弧部と、 上記歯頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称
    に設けられた凹形状の円弧面からなる歯溝側面部と、 上記両歯溝側面部同士を連続するように設けられた歯溝
    底部とで構成されており、 上記ベルト歯部の側面とプーリ歯溝部の側面とは略相似
    形であり、 ベルトがプーリに巻き付いてベルトに張力が付与された
    伝動状態で、ベルト歯部及びプーリ歯溝部の各側面の歯
    高さ方向の各位置でのベルト歯部側面の圧力角とプーリ
    歯溝部側面の圧力角とが略等しくされ、かつベルトラン
    ド部がプーリ外径部に接触するように構成されているこ
    とを特徴とする歯付ベルト伝動装置。
  10. 【請求項10】 請求項9の歯付ベルト伝動装置におい
    て、 歯付プーリのプーリ歯溝部の歯溝底部は、歯溝幅方向中
    心線上に中心点を持ちかつベルト歯部の歯先端部の円弧
    半径よりも大きい円弧半径の1つの円弧面で構成されて
    いることを特徴とする歯付ベルト伝動装置。
  11. 【請求項11】 歯付ベルトと歯付プーリとを組み合わ
    せてなる歯付ベルト伝動装置であって、 上記歯付ベルトは、ピッチライン上に抗張体が埋設され
    たベルト本体と、 上記ベルト本体に一定ピッチで設けられた複数のベルト
    歯部と、 上記ベルト歯部間に設けられたランド部とを備え、 上記各ベルト歯部は、歯部側面に位置しかつ歯幅方向中
    心線に対し対称に設けられた凸形状の円弧面からなる動
    力伝達部と、 上記動力伝達部に連続してかつ上記歯幅方向中心線に対
    し対称に設けられた円弧面からなる歯先部と、 上記両歯先部同士を連続するように設けられた1つの略
    平面からなる歯先面とで構成される一方、 上記歯付プーリは、プーリ外径ライン上に一定ピッチで
    設けられた複数のプーリ歯溝部を備え、 上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し対称に
    配置された円弧面からなる歯頂円弧部と、 上記歯頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称
    に設けられた凹形状の円弧面からなる歯溝側面部と、 上記両歯溝側面部同士を連続するように設けられた歯溝
    底部とで構成されており、 上記プーリ歯溝部の歯頂円弧部と歯溝側面部との接続部
    での最大圧力角が15〜25°であり、 上記ベルト歯部の側面とプーリ歯溝部の側面とは略相似
    形であり、 ベルトがプーリに巻き付いてベルトに張力が付与された
    伝動状態で、ベルト歯部及びプーリ歯溝部の各側面の歯
    高さ方向の各位置でのベルト歯部側面の圧力角とプーリ
    歯溝部側面の圧力角とが略等しくされ、かつベルトラン
    ド部がプーリ外径部に接触しないように構成されている
    ことを特徴とする歯付ベルト伝動装置。
  12. 【請求項12】 請求項11の歯付ベルト伝動装置にお
    いて、 歯付ベルトのランド部は、歯幅方向中心線に対し対称に
    配置された円弧面からなる歯元部によりベルト歯部側面
    と連続して接続された略平面で構成されていることを特
    徴とする歯付ベルト伝動装置。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12の歯付ベルト伝動
    装置において、 プーリ歯溝部の歯頂円弧部と歯溝側面部との接続部での
    最大圧力角が16〜23°であることを特徴とする歯付
    ベルト伝動装置。
  14. 【請求項14】 請求項11又は12の歯付ベルト伝動
    装置において、 プーリ歯溝部の歯頂円弧部と歯溝側面部との接続部での
    最大圧力角が17〜22°であることを特徴とする歯付
    ベルト伝動装置。
  15. 【請求項15】 請求項11〜14のいずれか1つの歯
    付ベルト伝動装置において、 歯付プーリのプーリ歯溝部の歯溝底部は略平面からなる
    ものであることを特徴とする歯付ベルト伝動装置。
  16. 【請求項16】 歯付ベルトと歯付プーリとを組み合わ
    せてなる歯付ベルト伝動装置であって、 上記歯付ベルトは、ピッチライン上に抗張体が埋設され
    たベルト本体と、 上記ベルト本体に一定ピッチで設けられた複数のベルト
    歯部と、 上記ベルト歯部間に設けられたランド部とを備え、 上記各ベルト歯部は、歯部側面に位置しかつ歯幅方向中
    心線に対し対称に設けられた凸形状の円弧面からなる動
    力伝達部と、 上記両動力伝達部同士を連続するように設けられ、上記
    歯幅方向中心線上に中心点を持つ1つの円弧面からなる
    歯先端部とで構成される一方、 上記歯付プーリは、プーリ外径ライン上に一定ピッチで
    設けられた複数のプーリ歯溝部を備え、 上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し対称に
    配置された円弧面からなる歯頂円弧部と、 上記歯頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称
    に設けられた凹形状の円弧面からなる歯溝側面部と、 上記両歯溝側面部同士を連続するように設けられた歯溝
    底部とで構成されており、 上記プーリ歯溝部の歯頂円弧部と歯溝側面部との接続部
    での最大圧力角が15〜25°であり、 上記ベルト歯部の側面とプーリ歯溝部の側面とは略相似
    形であり、 ベルトがプーリに巻き付いてベルトに張力が付与された
    伝動状態で、ベルト歯部及びプーリ歯溝部の各側面の歯
    高さ方向の各位置でのベルト歯部側面の圧力角とプーリ
    歯溝部側面の圧力角とが略等しくされ、かつベルトラン
    ド部がプーリ外径部に接触しないように構成されている
    ことを特徴とする歯付ベルト伝動装置。
  17. 【請求項17】 請求項16の歯付ベルト伝動装置にお
    いて、 歯付ベルトのランド部は、歯幅方向中心線に対し対称に
    配置された円弧面からなる歯元部によりベルト歯部側面
    と連続して接続された略平面で構成されていることを特
    徴とする歯付ベルト伝動装置。
  18. 【請求項18】 請求項16又は17の歯付ベルト伝動
    装置において、 プーリ歯溝部の歯頂円弧部と歯溝側面部との接続部での
    最大圧力角が16〜23°であることを特徴とする歯付
    ベルト伝動装置。
  19. 【請求項19】 請求項16又は17の歯付ベルト伝動
    装置において、 プーリ歯溝部の歯頂円弧部と歯溝側面部との接続部での
    最大圧力角が17〜22°であることを特徴とする歯付
    ベルト伝動装置。
  20. 【請求項20】 請求項16〜19のいずれか1つの歯
    付ベルト伝動装置において、 歯付プーリのプーリ歯溝部の歯溝底部は、歯溝幅方向中
    心線上に中心点を持ちかつベルト歯部の歯先端部の円弧
    半径よりも大きい円弧半径の1つの円弧面で構成されて
    いることを特徴とする歯付ベルト伝動装置。
  21. 【請求項21】 請求項7〜20のいずれか1つの歯付
    ベルト伝動装置が装備されていて、 歯付ベルトにキャリッジが取り付けられていることを特
    徴とする事務用機器。
JP11128707A 1999-03-25 1999-05-10 歯付ベルト及び歯付ベルト伝動装置並びに事務用機器 Pending JP2000337444A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11128707A JP2000337444A (ja) 1999-03-25 1999-05-10 歯付ベルト及び歯付ベルト伝動装置並びに事務用機器
US09/673,259 US6485384B1 (en) 1999-03-25 2000-03-23 Toothed belt, toothed belt power transmission apparatus, and business equipment employing the same
EP00911327A EP1083365A4 (en) 1999-03-25 2000-03-23 TIMING BELTS, TIMING BELT AND BÜROMASCHINEN
PCT/JP2000/001798 WO2000058644A1 (fr) 1999-03-25 2000-03-23 Courroie crantee, dispositif de transmission a courroie crantee et machines de bureau
TW089105546A TW461942B (en) 1999-03-25 2000-03-24 Toothed belt, toothed belt transmission device, and office appliances
SG200005430A SG104929A1 (en) 1999-03-25 2000-09-22 Toothed belt, toothed belt power transmission apparatus, and business equipment employing the same

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-80936 1999-03-25
JP8093699 1999-03-25
JP11128707A JP2000337444A (ja) 1999-03-25 1999-05-10 歯付ベルト及び歯付ベルト伝動装置並びに事務用機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000337444A true JP2000337444A (ja) 2000-12-05

Family

ID=26421897

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11128707A Pending JP2000337444A (ja) 1999-03-25 1999-05-10 歯付ベルト及び歯付ベルト伝動装置並びに事務用機器

Country Status (5)

Country Link
US (1) US6485384B1 (ja)
EP (1) EP1083365A4 (ja)
JP (1) JP2000337444A (ja)
TW (1) TW461942B (ja)
WO (1) WO2000058644A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015151974A1 (ja) * 2014-03-31 2015-10-08 三ツ星ベルト株式会社 歯付きベルト
KR20190126117A (ko) * 2017-03-07 2019-11-08 게이츠 코포레이션 이붙이 벨트-스프로킷 시스템

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3964725B2 (ja) * 2002-01-21 2007-08-22 本田技研工業株式会社 歯付きベルト伝動装置
US8932165B2 (en) * 2006-03-31 2015-01-13 The Gates Corporation Toothed power transmission belt
US20080258550A1 (en) * 2007-04-23 2008-10-23 Mr. TIMOTHY DAVID WEBSTER Hybrid Combination of Rubber Track with Road Wheels for a Vehicle
JP5343295B2 (ja) * 2009-06-23 2013-11-13 チェジアン キングランド トランスミッション インダストリー カンパニー リミテッド 摩擦伝動および噛合伝動を組み合わせたvベルト伝動システム
JP5931028B2 (ja) * 2013-08-30 2016-06-08 三ツ星ベルト株式会社 自転車用歯付ベルト駆動装置
GB2587297B (en) 2015-03-31 2021-08-04 Fisher & Paykel Healthcare Ltd A user interface and system for supplying gases to an airway
DE102016001972A1 (de) * 2016-02-22 2017-08-24 Contitech Antriebssysteme Gmbh Zahnriementrieb
CN109196246B (zh) * 2016-05-20 2019-09-24 阪东化学株式会社 带齿v带及使用了该带齿v带的传动***
US11015694B2 (en) 2016-06-09 2021-05-25 Contitech Antriebssysteme Gmbh Bushing and hub to prevent back-rotation
US10989293B2 (en) 2016-06-09 2021-04-27 Contitech Antriebssysteme Gmbh Non-metal sprocket and bushing apparatus
WO2018029638A1 (en) 2016-08-11 2018-02-15 Fisher & Paykel Healthcare Limited A collapsible conduit, patient interface and headgear connector
JP6773969B2 (ja) * 2016-09-02 2020-10-21 株式会社椿本チエイン チェーン伝動機構
JP6829388B2 (ja) * 2017-02-27 2021-02-10 株式会社椿本チエイン 歯付ベルト伝動装置
US10687468B1 (en) * 2018-12-18 2020-06-23 Contitech Antriebssysteme Gmbh Flexible synchronous toothed belt with narrow splice
US11585423B2 (en) 2020-10-03 2023-02-21 Contitech Antriebssysteme Gmbh Composite sprocket
JP7285374B2 (ja) * 2021-04-30 2023-06-01 バンドー化学株式会社 歯付ベルト

Family Cites Families (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3756091A (en) * 1970-02-19 1973-09-04 Uniroyal Inc Positive power transmission system
SE372917B (ja) * 1973-05-04 1975-01-20 C G R Ossbahr
GB1453716A (en) 1973-07-20 1976-10-27 Goodyear Tire & Rubber Circular side positive drive belt teeth
US4147069A (en) * 1976-10-01 1979-04-03 Fmc Corporation Geared belt for positive drive transmission
ZA786820B (en) * 1977-12-14 1979-11-28 Uniroyal Inc Mechanical power transmission system
JPS56141245U (ja) * 1980-03-26 1981-10-24
US4515577A (en) 1982-10-20 1985-05-07 Uniroyal, Inc. Low backlash-high-torque power transmission system and toothed belt used therein
IN162773B (ja) * 1983-10-12 1988-07-09 Mitsuboshi Belting Ltd
DE8622383U1 (de) * 1986-08-21 1987-08-20 Arnold Müller GmbH & Co KG, 73230 Kirchheim Einrichtung zur Erzeugung von Linearbewegungen
JPS63297838A (ja) * 1987-05-29 1988-12-05 Mitsuboshi Belting Ltd 歯付ベルトの駆動装置
JPS6474341A (en) * 1987-09-14 1989-03-20 Mitsuboshi Belting Ltd Driving device of toothed belt
JPH0621604B2 (ja) * 1988-01-27 1994-03-23 バンドー化学株式会社 歯付ベルトおよびそのベルトを使用する動力伝達装置
DE3808518A1 (de) * 1988-03-15 1989-09-28 Erich Wallich Mehrfachquerfoerderer
JPH01279135A (ja) * 1988-04-28 1989-11-09 Mitsuboshi Belting Ltd 歯付ベルト及びこれを用いた駆動装置
IT1229809B (it) * 1988-11-11 1991-09-13 Pirelli Transmissioni Ind Spa Cinghia dentata e relativa trasmissione.
IT1227627B (it) * 1988-11-29 1991-04-23 Pirelli Transmissioni Ind Spa Puleggia dentata e relativa trasmissione.
JPH0394272A (ja) * 1989-09-07 1991-04-19 Toshiba Corp 画像形成装置
JP2791719B2 (ja) 1991-08-14 1998-08-27 株式会社エース電研 遊技機用メダル体給送装置
US5405299A (en) * 1992-12-29 1995-04-11 Bridgestone Corporation Toothed belt and toothed belt-adapted pulley
JPH06307522A (ja) * 1993-02-24 1994-11-01 Bridgestone Corp 歯付ベルト用プーリー
IT1265351B1 (it) * 1993-11-26 1996-11-22 Dayco Pti Spa Trasmissione a cinghia dentata per il comando di alberi di equilibratura dinamica in motori endotermici

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015151974A1 (ja) * 2014-03-31 2015-10-08 三ツ星ベルト株式会社 歯付きベルト
JP2015200406A (ja) * 2014-03-31 2015-11-12 三ツ星ベルト株式会社 歯付きベルト
CN106170641A (zh) * 2014-03-31 2016-11-30 三之星机带株式会社 齿形带
EP3128205A4 (en) * 2014-03-31 2017-12-13 Mitsuboshi Belting Ltd. Toothed belt
KR101907156B1 (ko) * 2014-03-31 2018-10-12 미쓰보 시베루토 가부시키 가이샤 톱니 벨트
EP3792521A1 (en) * 2014-03-31 2021-03-17 Mitsuboshi Belting Ltd. Toothed belt
KR20190126117A (ko) * 2017-03-07 2019-11-08 게이츠 코포레이션 이붙이 벨트-스프로킷 시스템
KR102273747B1 (ko) * 2017-03-07 2021-07-05 게이츠 코포레이션 이붙이 벨트-스프로킷 시스템

Also Published As

Publication number Publication date
EP1083365A4 (en) 2006-06-07
TW461942B (en) 2001-11-01
US6485384B1 (en) 2002-11-26
EP1083365A1 (en) 2001-03-14
WO2000058644A1 (fr) 2000-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000337444A (ja) 歯付ベルト及び歯付ベルト伝動装置並びに事務用機器
JP4010551B2 (ja) ハス歯ベルト伝動装置
JP2007309488A (ja) ローラチェーン伝動装置
US20120058851A1 (en) Power transmitting toothed belt and power transmitting device
JPS591896B2 (ja) 歯付ベルトの伝動装置
RU2438053C1 (ru) Ремень
KR910010175B1 (ko) 치형벨트 구동장치
JP2002098202A (ja) 歯付ベルト伝動装置及び事務用機器
JP3859640B2 (ja) ハス歯ベルトの製造方法及びハス歯ベルト
JP4550985B2 (ja) 歯付ベルト伝動装置並びに事務用機器
KR100655193B1 (ko) 치형벨트 및 치형벨트 전동장치와 사무용기기
JP2002098201A (ja) 歯付ベルト伝動装置及び事務用機器
JP3838819B2 (ja) 歯付ベルト及び歯付ベルト伝動装置並びに事務用機器
JP2002098196A (ja) 歯付ベルト及び歯付ベルト伝動装置並びに事務用機器
JPS635626B2 (ja)
JP2000081092A (ja) 位置決め確認機能付歯付ベルト
JP2001065648A (ja) 歯付ベルト駆動装置
JPH01182652A (ja) 歯付ベルト及びこれを用いた駆動装置
JP3491565B2 (ja) Cvtベルトのエレメント周長測定方法および測定装置
JP7466074B1 (ja) 歯付プーリ及び伝動システム
JP2011144841A (ja) 車両用ベルト式無段変速機用の伝動ベルト
JP2005083428A (ja) はす歯ベルト駆動装置、および、これに用いるはす歯プーリ
JP2995021B2 (ja) 歯付プーリ群及び歯付プーリ並びにそれを用いた動力伝達装置
JPH10311378A (ja) 無段変速機の伝動vベルト
JP2001059548A (ja) 摩擦伝動ベルトの伝動能力評価方法及びベルト伝動装置の設計支援方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040310

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040406