JP2002093796A - 低誘電率シリカ系被膜付半導体基板および低誘電率シリカ系被膜の形成方法 - Google Patents
低誘電率シリカ系被膜付半導体基板および低誘電率シリカ系被膜の形成方法Info
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Abstract
ジを与えることなく、比誘電率が3以下と小さく、しか
も低水分吸着性であり高被膜強度を有するという優れた
特性を有する低誘電率シリカ系被膜が形成された半導体
基板を提供する。 【解決手段】 シリコン基板と、シリコン基板上の多層
の配線層と、低誘電率シリカ系被膜とからなる低誘電率
シリカ系被膜付半導体基板であって、低誘電率シリカ系
被膜がシリコン基板上、多層配線構造の配線層間、素子
表面および/またはPN接合部分に設けられてなり、か
つ、低誘電率シリカ系被膜が、外殻層を有し、内部が気
体で充填された空洞であるか、あるいは気体と多孔質物
質とからなる多孔質となっている無機化合物粒子を、含
む低誘電率シリカ系被膜付半導体基板。
Description
た金属配線にダメージを与えることなく、比誘電率が3
以下と小さく、しかも低水分吸着性と高被膜強度の特性
を有する低誘電率シリカ系被膜を備えた半導体基板およ
びこのような特性を有する低誘電率シリカ系被膜該被膜
を半導体基板上に形成する方法に関する。
層配線を有する0.25ミクロンルール以下の半導体装
置においては、金属配線間隔が狭くなるため、静電誘導
による金属配線のインピーダンスが増大し、応答速度の
遅れ、消費電力の増大等が懸念されている。このため、
半導体基板とアルミニウム配線層などの金属配線層との
間、あるいは金属配線層間に設けられる層間絶縁膜の比
誘電率をできるだけ小さくすることが必要とされてい
る。
縁膜は、一般にCVD法などの気相成長法または被膜形
成用塗布液を用いて絶縁膜を形成する塗布法によって半
導体基板上に形成されている。しかしながら、CVD法
などの気相成長法では、得られるシリカ系被膜の比誘電
率がフッ素ドープシリカ膜の3.5が限界と言われてお
り、比誘電率が3以下のシリカ系被膜を形成することは
難しいという問題がある。また、ポリアリール樹脂、フ
ッ素添加ポリイミド樹脂やフッ素系樹脂などのCVD被
膜やこれらの塗布液を用いて形成される被膜は、比誘電
率が2前後となるが、被塗布面との密着性が悪く、また
微細加工に用いるレジスト材料との密着性も悪く、さら
には耐薬品性、耐酸素プラズマ性等に劣るなどの問題が
ある。
コキシシランまたはハロゲン化シランの部分加水分解物
または加水分解物を含むシリカ系被膜形成用塗布液で
は、比誘電率が2.5前後の被膜が得られるが、被塗布
面との密着性が悪いという問題がある。本発明者らは、
これらの問題を解決するため鋭意研究を行ったところ、
次に示すような低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液を用
いれば、比誘電率が3以下と小さく、しかも被塗布面と
の密着性、機械的強度、耐アルカリ性などの耐薬品性や
耐クラック性に優れ、さらには耐酸素プラズマ性やエッ
チング加工性などのプロセス適合性にも優れた被膜を形
成できることを見い出し、これらを以下の発明1〜3と
して出願している。 (1)発明−1(特開平9−315812号公報参
照)。
化シランまたはこれらの加水分解物と、シリカ微粒子と
の反応物を含む低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液。 (2)発明−2(国際出願PCT/JP99/0405
1公報参照) アルコキシシランおよび/またはハロゲン化シランまた
はこれらの加水分解物と、500℃以下の温度で分解ま
たは揮散する易分解樹脂とを含む低誘電率シリカ系被膜
形成用塗布液。 (3)発明−3(国際出願PCT/JP99/0405
0公報参照) アルコキシシランおよび/またはハロゲン化シランまた
はこれらの加水分解物とシリカ微粒子との反応物である
ポリシロキサンと、500℃以下の温度で分解または揮
散する易分解樹脂とを含む低誘電率シリカ系被膜形成用
塗布液。
従来公知の被膜形成法を用いて種々の半導体基板上に低
誘電率シリカ系被膜を形成する試験を繰り返し行ったと
ころ、前記の特性を有する被膜は得られるものの、比誘
電率が3以下であって水分吸着性が低く、被膜強度が高
いという優れた特性を有する被膜を安定的に形成するこ
とは難しいことを知った。そこで、本発明者らは、鋭意
研究を続けたところ、以下に詳述する条件下で半導体基
板上に低誘電率シリカ系被膜を形成すれば、この問題は
容易に解決できることを見い出し、本発明を完成するに
至った。
ようとするものであって、半導体基板上に配設された金
属配線にダメージを与えることなく、比誘電率が3以下
と小さく、しかも低水分吸着性であり高被膜強度を有す
るという優れた特性を有する低誘電率シリカ系被膜が形
成された半導体基板およびこのような低誘電率シリカ系
被膜を半導体基板上に安定的に形成する方法を提供する
ことを目的としている。
基板は、シリコン基板と、シリコン基板上の多層の配線
層と、低誘電率シリカ系被膜とからなる低誘電率シリカ
系被膜付半導体基板であって、低誘電率シリカ系被膜が
シリコン基板上、多層配線構造の配線層間、素子表面お
よび/またはPN接合部分に設けられてなり、かつ、低
誘電率シリカ系被膜が、外殻層を有し、内部が気体で充
填された空洞であるか、あるいは気体と多孔質物質とか
らなる多孔質となっている無機化合物粒子を含むことを
特徴としている。
100nmの範囲にあることが好ましい。前記無機化合
物粒子は、外殻層の厚さが1nm〜50nmの範囲にあ
る無機化合物粒子であることが好ましい。前記無機化合
物粒子の外殻層が、シリカを主成分とする無機化合物粒
子であることが好ましい。
外の無機化合物からなり、シリカをSiO2で表し、シリ
カ以外の無機化合物を酸化物(MOx)で表したときの
モル比MOx/SiO2が、0.0001〜1.0の範囲に
あることが好ましい。本発明に係る低誘電率シリカ系被
膜の形成方法は下記工程(a)〜工程(c)からなるこ
とを特徴としている。
が気体で充填された空洞であるか、あるいは気体と多孔
質物質とからなる多孔質となっている無機化合物粒子
を、含む低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液を塗布する
工程 (b)得られた被膜を250℃以下の温度にて加熱処理す
る工程 (c)該被膜を350〜450℃の温度にて焼成処理する
工程。
00nmの範囲にあることが好ましい。前記無機化合物
粒子の外殻層の厚さは、1nm〜50nmの範囲にある
ことが好ましい。前記無機化合物粒子の外殻層は、シリ
カを主成分とすることが好ましい。
外の無機化合物からなり、シリカをSiO2で表し、シリ
カ以外の無機化合物を酸化物(MOx)で表したときの
モル比MOx/SiO2が、0.0001〜1.0の範囲で
あることが好ましい。前記低誘電率シリカ系被膜形成用
塗布液が、さらにマトリックス前駆体として下記一般式
(I)で示されるアルコキシシランおよび下記一般式(II)
で示されるハロゲン化シランからなる群から選ばれる少
なくとも1種のケイ素化合物の加水分解物および/また
は下記一般式(III)で示される繰り返し単位を有する
ポリシラザンの1種または2種以上を含むことが好まし
い。
8のアルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール基も
しくはビニル基を表し、Rは水素原子、または炭素数1
〜8のアルキル基、アリール基もしくはビニル基を表
し、X'はハロゲン原子を表す。また、nは0〜3の整
数である。)
れ独立した水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル
基である。) また、前記低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液が、さら
にマトリックス前駆体としての前記一般式(I)で示され
るアルコキシシランおよび前記一般式(II)で示されるハ
ロゲン化シランからなる群から選ばれる少なくとも1種
のケイ素化合物の加水分解物および/または前記一般式
(III)で表される繰り返し単位を有するポリシラザン
の1種または2種以上と、前記無機化合物粒子との反応
物を含むことが好ましい。
が、さらに、500〜50,000の数平均分子量(ポ
リスチレン換算)を有する易分解性樹脂を含んでいるこ
とが好ましい。前記易分解性樹脂は、ケイ素化合物の加
水分解物および/またはポリシラザン、またはポリシロ
キサンと分子鎖レベルで絡み合った相互貫入型ポリマー
組成物を構成していることが好ましい。
のケイ素化合物の加水分解物、ポリシラザン、ポリシロ
キサンおよび/または相互貫入型ポリマー組成物は、末
端にSi-H基を有することが好ましい。
被膜付半導体基板および低誘電率シリカ系被膜の形成方
法について具体的に説明する。 [低誘電率シリカ系被膜付半導体基板]本発明の低誘電率
シリカ系被膜付半導体基板は、シリコン基板と、シリコ
ン基板上の多層の配線層と、低誘電率シリカ系被膜とか
らなる低誘電率シリカ系被膜付半導体基板であって、低
誘電率シリカ系被膜がシリコン基板上、多層配線構造の
配線層間、素子表面および/またはPN接合部分に設け
られている低誘電率シリカ系被膜 本発明で、基板上に形成されるシリカ系被膜は無機化合
物粒子とマトリックスからなっている。
化合物粒子は、外殻層を有し、内部が気体で充填された
空洞であるか、あるいは気体と多孔質物質とからなる多
孔質となっている粒子である。無機化合物粒子内部の多
孔質または空洞は、後述する被膜中において、維持され
ている。
図1(a)〜(d)に示す。図1(a)〜(d)中、添字1は外殻層
であり、添字2は多孔質の物質であり、添字3は空洞を
示す。本発明で使用される無機化合物粒子は、図1(a)
に示されるように、外殻層内部に多孔質となっているも
のであっても、図1(b)に示されるように、外殻層内が
空洞となっているものであっても、さらに図1(c)およ
び(d)のように外殻層内に、多孔質の物質および空洞が
含まれていてもよい。
構成される。また空洞3内には、気体で充填されてい
る。このような無機化合物粒子の平均粒子径は5〜10
0nm、好ましくは5〜50nmの範囲にあることが望
ましい。使用される無機化合物粒子の平均粒子径は、形
成されるシリカ系被膜の厚さに応じて適宜選択すること
ができる。
の場合は、無機化合物粒子における外殻の割合が増加し
細孔あるいは空洞の割合が低下するために得られるシリ
カ系被膜の誘電率が充分低いものとならないことがあ
り、無機化合物粒子の平均粒子径が100nmを越える
と得られるシリカ系被膜の強度が弱くなることがある。
使用される無機化合物粒子の平均粒子径は、形成される
低誘電率被膜の厚さに応じて適宜選択される。
は2〜30nmの範囲にあることが望ましい。外殻層の
厚さが1nm未満の場合は、粒子を完全に被覆するされ
ていないことがあり、後述するマトリックスを形成する
ために使用される有機ケイ素化合物の加水分解物などが
容易に無機化合物子の内部に進入して内部の多孔性が減
少し、低誘電率化の効果が充分に得られないことがあ
る。また、外殻層の厚さが50nmを越えると、外殻層
の割合が高くなるために、粒子内部の多孔質物質や空洞
の割合が低下し、低誘電率の効果が充分に得られなくな
ることがある。
の場合、外殻層の厚さが1nm未満の場合は、粒子形状
を維持できないことがある。前記無機化合物粒子の外殻
層は、シリカを主成分とすることが好ましい。また無機
化合物粒子の外殻層にはシリカ以外の成分が含まれてい
てもよく、具体的には、Al2O3、B2O3、TiO2、Zr
O2、SnO2、CeO2、P2O5、Sb2O3、MoO3、Zn
O2、WO3からなる群から選ばれる酸化物が用いられ
る。
後、多孔質物質という)としては、シリカからなるも
の、シリカとシリカ以外の無機化合物とからなるもの、
CaF2、NaF、NaAlF6、MgFなどからなるものが
挙げられる。このうち特にシリカとシリカ以外の無機化
合物との複合酸化物からなるものが好適である。シリカ
以外の無機化合物としては、Al2O3、B2O3、Ti
O2、ZrO2、SnO2、CeO 2、P2O5、Sb2O3、Mo
O3、ZnO2、WO3からなる群から選ばれる1種以上を
挙げることができる。このような多孔質を構成する化合
物(多孔質物質)では、シリカをSiO2で表し、シリカ
以外の無機化合物を酸化物(MOx)で表したときのモ
ル比MOx/SiO2が、0.0001〜1.0、好ましく
は0.0001〜0.3の範囲にあることが望ましい。多
孔質物質のモル比MOx/SiO2が0.0001未満のも
のは得ることが困難であり、得られたとしてもさらに屈
折率が低いものを得ることはない。また、多孔質物質の
モル比MOx/SiO2が、1.0を越えると、シリカの
比率が少なくなるので、細孔容積が小さく、かつ誘電率
の低い粒子を得られないことがある。
mL/g、好ましくは0.2〜1.5mL/gの範囲に
あることが望ましい。細孔容積が0.1mL/g未満で
は、充分に誘電率の低下した粒子が得られず、また1.
5mL/gを越えると、無機化合物粒子の強度が低下
し、得られる被膜の強度が低下することがある。なお、
このような多孔質物質の細孔容積は、外殻層形成前の無
機化合物粒子前駆体粒子を使用し、水銀圧入法によって
求めることができる。
化物換算で、10〜90重量%、好ましくは20〜80
重量%、さらに好ましくは30〜70重量%の範囲で含
まれていることが望ましい。被膜中の無機化合物粒子の
量が、10重量%未満の場合は、比誘電率が2.5以下
の被膜を得ることが困難であり、無機化合物粒子の量が
90重量%を越えると得られる被膜の強度が不充分とな
ることがある。
ば特開平7−133105号公報に開示された複合酸化
物コロイド粒子の調製方法が好適に採用される。具体的
に、無機化合物粒子が、シリカと、シリカ以外の無機化
合物とからなる場合、以下の第1〜第3工程により製造
される。
無機化合物原料のアルカリ水溶液を個別に調製するか、
または、シリカ原料とシリカ以外の無機化合物原料との
混合水溶液を調製しておき、この水溶液を目的とする複
合酸化物の複合割合に応じて、pH10以上のアルカリ
水溶液中に攪拌しながら徐々に添加して多孔質物質前駆
体粒子を調製する。
モニウムまたは有機塩基のケイ酸塩を用いる。アルカリ
金属のケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム(水ガラ
ス)や珪酸カリウムが用いられる。有機塩基としては、
テトラエチルアンモニウム塩などの第4級アンモニウム
塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミンなどのアミン類を挙げることができ
る。なお、アンモニウムのケイ酸塩または有機塩基のケ
イ酸塩には、ケイ酸液にアンモニア、第4級アンモニウ
ム水酸化物、アミン化合物などを添加したアルカリ性溶
液も含まれる。
ては、アルカリ可溶の無機化合物を用いられる。具体的
には、Al、B、Ti、Zr、Sn、Ce、P、Sb、Mo、
Zn、Wなどから選ばれる元素のオキソ酸、該オキソ酸
のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、アンモニ
ウム塩、第4級アンモニウム塩を挙げることができる。
より具体的には、アルミン酸ナトリウム、四硼酸ナトリ
ウム、炭酸ジルコニルアンモニウム、アンチモン酸カリ
ウム、錫酸カリウム、アルミノケイ酸ナトリウム、モリ
ブデン酸ナトリウム、硝酸セリウムアンモニウム、リン
酸ナトリウムが適当である。
時に、混合水溶液のpH値は変化するが、このpH値を
所定の範囲に制御するような操作は特に必要ない。水溶
液は、最終的に、無機酸化物の種類およびその混合割合
によって定まるpH値となる。このときの水溶液の添加
速度にはとくに制限はない。また、無機化合物粒子内部
の多孔質物質が、複合酸化物である場合、多孔質物質前
駆体粒子を製造するに際して、シード粒子の分散液を出
発原料と使用することも可能である。当該シード粒子と
しては、特に制限はないが、SiO2、Al2O 3、TiO2
またはZrO2等の無機酸化物またはこれらの複合酸化物
の微粒子が用いられ、通常、これらのゾルを用いること
ができる。さらに前記の製造方法によって得られた多孔
質物質前駆体粒子分散液をシード粒子分散液としてもよ
い。シード粒子分散液を使用する場合、シード粒子分散
液のpHを10以上に調整したのち、該シード粒子分散
液中に前記化合物の水溶液を、上記したアルカリ水溶液
中に攪拌しながら添加する。この場合も、必ずしも分散
液のpH制御を行う必要はない。このようにして、シー
ド粒子を用いると、調製する多孔質物質前駆体粒子の粒
径コントロールが容易であり、粒度の揃ったものを得る
ことができる。
はアルカリ側で高い溶解度を有する。しかしながら、こ
の溶解度の大きいpH領域で両者を混合すると、ケイ酸
イオンおよびアルミン酸イオンなどのオキソ酸イオンの
溶解度が低下し、これらの複合物が析出して微粒子に成
長したり、あるいは、シード粒子上に析出して粒子成長
が起こる。したがって、粒子の析出、成長に際して、従
来法のようなpH制御は必ずしも行う必要がない。
機化合物との複合割合は、無機化合物を酸化物(MOx)
に換算し、MOx/SiO2のモル比が、0.05〜2.
0、好ましくは0.2〜2.0の範囲内にあることが望ま
しい。この範囲内において、シリカの割合が少なくなる
程、多孔質物質の細孔容積が増大する。なお、MOx/
SiO2のモル比が2.0を越えても、多孔質物質の細孔
の容積はほとんど増加しない。他方、MOx/SiO2の
モル比が0.05未満の場合は、細孔容積が小さくな
る。無機化合物の外殻層内に空洞を形成する場合、MO
x/SiO2のモル比は、0.25〜2.0の範囲内にある
ことが望ましい。MOx/SiO2のモル比が、0.25未
満であると、次の第2工程で空洞が形成されるまでに至
らないことがある。
リカ以外の無機化合物の除去 第2工程では、前記第1工程で得られた多孔質物質前駆
体粒子から、シリカ以外の無機化合物(ケイ素と酸素以
外の元素)の少なくとも一部を選択的に除去する。具体
的な除去方法としては、多孔質物質前駆体粒子中の無機
化合物を鉱酸や有機酸を用いて溶解除去したり、あるい
は、陽イオン交換樹脂と接触させてイオン交換除去す
る。
体粒子は、ケイ素と無機化合物構成元素が酸素を介して
結合した網目構造の粒子である。このような多孔質物質
前駆体粒子から無機化合物(ケイ素と酸素以外の元素)
を除去することにより、いっそう多孔質でかつ細孔容積
の大きい多孔質粒子が得られ、この多孔質粒子が外殻層
内部の多孔質を構成する。
外の無機化合物を除去する量を多くすれば、外殻層内部
が空洞となっている粒子を調製することができる。ま
た、多孔質物質前駆体粒子からシリカ以外の無機化合物
を除去するに先立って、第1工程で得られる多孔質物質
前駆体粒子分散液に、シリカのアルカリ金属塩を脱アル
カリして得られるケイ酸液あるいは加水分解性の有機ケ
イ素化合物を添加して、多孔質物質前駆体粒子表面にシ
リカ保護膜を形成することが好ましい。シリカ保護膜の
厚さは0.5〜15nmの厚さであればよい。なおシリ
カ保護膜を形成しても、この工程で形成されるシリカ保
護膜は多孔質であり厚さが薄いので、多孔質物質前駆体
粒子から、前記したシリカ以外の無機化合物を、除去す
ることは可能である。
よって、粒子形状を保持したまま、前記したシリカ以外
の無機化合物を多孔質物質前駆体粒子から除去すること
ができる。また、シリカ保護膜を形成することによっ
て、後述するシリカ外殻層を形成する際に、多孔質粒子
の細孔がシリカ外殻層形成成分である加水分解性の有機
ケイ素化合物またはケイ酸液等によって閉塞されてしま
うことがなく、このため細孔容積を低下させることなく
後述するシリカ外殻層を形成することができる。
無機化合物の量が少ない場合は粒子が壊れることがない
ので必ずしも保護膜を形成する必要はない。また外殻層
内部が空洞となっている粒子を調製する場合は、このシ
リカ保護膜を形成しておくことがとくに望ましい。外殻
層内部が空洞となっている粒子を調製する際には、無機
化合物の除去によって、シリカ保護膜と、該シリカ保護
膜内の溶媒、未溶解のため残存する前記多孔質物質の一
部とからなる粒子前駆体が得られ、該粒子前駆体に後述
のシリカ外殻層を形成すると、形成されたシリカ保護膜
およびシリカ外殻層が、外殻層となり、内部に空洞が形
成された無機化合物粒子が得られる。
リカ源の量は、粒子形状を保持できる範囲で少ないこと
が好ましい。シリカ源の量が多すぎると、シリカ保護膜
が厚くなりすぎるので、多孔質物質前駆体粒子からシリ
カ以外の無機化合物を除去することが困難となることが
ある。シリカ保護膜の形成用に使用される加水分解性の
有機ケイ素化合物としては、一般式RnSi(OR')
4-n〔R、R':アルキル基、アリール基、ビニル基、ア
クリル基等の炭化水素基、n=0、1、2または3〕で
表されるアルコキシシランを用いることができる。特
に、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トライソプロポキシシラン等のテトラアルコキシシラン
が好ましく用いられる。
ラン、純水、およびアルコールの混合溶液に触媒として
の少量のアルカリまたは酸を添加した溶液を、前記多孔
質物質前駆体粒子の分散液に加え、アルコキシシランを
加水分解して生成したケイ酸重合物を多孔質物質前駆体
粒子の表面に沈着させる。このとき、アルコキシシラ
ン、アルコール、触媒を同時に分散液中に添加してもよ
い。アルカリ触媒としては、アンモニア、アルカリ金属
の水酸化物、アミン類を用いることができる。また、酸
触媒としては、各種の無機酸と有機酸を用いることがで
きる。
独、または有機溶媒に対する水の比率が高い場合には、
ケイ酸液を用いてシリカ保護膜を形成することも可能で
ある。ケイ酸液を用いる場合には、分散液中にケイ酸液
を所定量添加し、同時にアルカリを加えてケイ酸液を多
孔質物質前駆体粒子表面に沈着させる。なお、ケイ酸液
と上記アルコキシシランを併用してシリカ保護膜を作製
してもよい。
のシリカ以外の無機化合物を除去することによって多孔
質粒子の分散液または外殻層内部が空洞となっている粒
子の前駆体分散液が調製される。第3工程:シリカ外殻層の形成 第3工程では、第2工程で調製した多孔質粒子分散液
(空洞を形成する場合の粒子の前駆体分散液も含む)に
加水分解性の有機ケイ素化合物またはケイ酸液等を加え
ることにより、多孔質粒子(空洞を形成する場合の粒子
前駆体)の表面を加水分解性有機ケイ素化合物またはケ
イ酸液等の重合物で被覆してシリカ外殻層を形成する。
性の有機ケイ素化合物としては、前記したような一般式
RnSi(OR')4-n〔R、R':アルキル基、アリール
基、ビニル基、アクリル基等の炭化水素基、n=0、
1、2または3〕で表されるアルコキシシランを用いる
ことができる。特に、テトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、テトライソプロポキシシラン等のテトラ
アルコキシシランが好ましく用いられる。
アルコールの混合溶液に触媒としての少量のアルカリま
たは酸を添加した溶液を、前記多孔質粒子分散液に加
え、アルコキシシランを加水分解することで生成したケ
イ酸重合物を多孔質粒子の表面に沈着させて、外殻層を
形成する。このとき、アルコキシシラン、アルコール、
触媒を同時に分散液中に添加してもよい。アルカリ触媒
としては、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物、アミ
ン類を用いることができる。また、酸触媒としては、各
種の無機酸と有機酸を用いることができる。
子前駆体)の分散媒が水単独、または有機溶媒との混合
溶媒であって、有機溶媒に対する水の比率が高い混合溶
媒の場合には、ケイ酸液を用いて外殻層を形成してもよ
い。ケイ酸液とは、水ガラス等のアルカリ金属ケイ酸塩
の水溶液をイオン交換処理して脱アルカリしたケイ酸の
低重合物の水溶液である。
粒子(空洞を形成する場合では、粒子の前駆体)分散液
中に添加すると同時にアルカリを加えてケイ酸低重合物
を多孔質粒子表面に沈着させることによって、外殻層を
形成する。なお、ケイ酸液を上記アルコキシシランと併
用して外殻層形成用に使用してもよい。外殻層形成用に
使用される有機ケイ素化合物またはケイ酸液の添加量
は、多孔質粒子表面を充分に被覆できる程度であればよ
く、最終的に得られるシリカ外殻層の厚さが1〜50n
mとなるように量で、多孔質粒子分散液中で添加され
る。また前記シリカ保護膜を形成している場合はシリカ
保護膜とシリカ外殻層の合計の厚さが1〜50nmの範
囲となるような量で、有機ケイ素化合物またはケイ酸液
は添加される。
粒子の分散液を加熱処理する。加熱処理によって、形成
されたシリカ外殻層が緻密化する。このときの加熱処理
温度は、シリカ外殻層の微細孔を閉塞できる程度であれ
ば特に制限はなく、80〜300℃の範囲が好ましい。
加熱温度が溶媒の沸点以上の場合、オートクレーブなど
の耐圧容器を使用してもよい。加熱処理温度が80℃未
満ではシリカ外殻層の微細孔を閉塞して緻密化できない
ことがあり、また処理時間に長時間を要してしまうこと
がある。また加熱処理温度が300℃を越えて長時間処
理すると、外殻層内部が多孔質となっている場合には、
多孔質を構成する化合物(多孔質物質)物質が緻密化す
ることがあり、低誘電率化の効果が得られないことがあ
る。
孔質中または空洞内に含まれる液体(反応に使用した溶
媒)は除去される。また、外殻層によって内部(多孔質
または空洞)が充分に密閉されていないものは、乾燥し
て溶媒を除去してもよく、さらに乾燥後、大気圧下また
は減圧下、約400〜1200℃(シリカの融点の1/
3〜融点未満の温度)で加熱処理することによって、外
殻によって内部(多孔質粒子、空洞)を密封した無機化
合物粒子を得ることができる。
を完全に閉塞することができないことがあり、一方加熱
処理温度が1200℃を越えると無機化合物粒子が互い
に融着したり、球状を保持できないことがある。このよ
うにして得られた無機化合物粒子は、内部が気体または
気体と多孔質物質とからなり、溶媒が存在していないた
め、このような粒子を用いて得られる被膜は2.5以上
の低誘電率を有している。またこの無機化合物粒子は粒
子強度が高く、このため得られる被膜は、耐酸素プラズ
マ性、エッチング加工性、研磨性特性などのプロセス適
合性にも優れている。
マトリックスとして下記一般式(I)で示されるアルコキ
シシランおよび下記一般式(II)で示されるハロゲン化シ
ランからなる群から選ばれる1種以上のケイ素化合物の
加水分解物および/または下記一般式(III)で示され
る繰り返し単位を有するポリシラザンの1種または2種
以上に由来するシリカ系成分を含んでいる。
8のアルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール基も
しくはビニル基を表し、Rは水素原子、または炭素数1
〜8のアルキル基、アリール基もしくはビニル基を表
し、X'はハロゲン原子を表す。また、nは0〜3の整
数である。)
れ独立した水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル
基である。) 前記一般式(I)で示されるアルコキシシランの具体例と
しては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルト
リメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチル
トリイソプロポキシシラン、オクチルトリメトキシシラ
ン、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメト
キシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリメトキ
シシラン、トリエトキシシラン、トリイソプロポキシシ
ラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジ
エトキシシラン、ジメトキシシラン、ジエトキシシラ
ン、ジフルオロジメトキシシラン、ジフルオロジエトキ
シシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、ト
リフルオロメチルトリエトキシシランなどが挙げられ
る。
ンの具体例としては、トリクロロシラン、トリブロモシ
ラン、ジクロロシラン、フルオロトリクロロシラン、フ
ルオロブロモシラン、メチルトリクロロシラン、エチル
トリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビニル
トリクロロシランなどが挙げられる。前記一般式(II
I)で示されるポリシラザンとしては、R1、R2および
R3がアルキル基の場合、メチル基、エチル基およびプ
ロピル基から選ばれる1種が好ましい。このようなアル
キル基を有していると低誘電率のシリカ系被膜が得られ
る。また、R1、R2およびR3がいずれも水素原子であ
る場合は緻密なシリカ系被膜が得られる。
単位を有するポリシラザンは、直鎖状のポリシラザンで
あっても、環状のポリシラザンであってもよく、これら
の混合物であってもよい。このようなポリシラザンの数
平均分子量(ポリスチレン換算)は、500〜10,0
00、好ましくは1,000〜4,000の範囲にあるこ
とが好ましい。分子量が500未満では、加熱硬化時の
収縮率が大きいなど製膜性が低下することがある。一
方、分子量が10,000を越えると、塗布液の流動性
が低下するために製膜性が低下することがある。また、
ポリシラザンの数平均分子量が上記範囲にない場合は、
得られるシリカ系被膜の表面が平坦にならない傾向があ
る。
を含んでいると、耐熱性に優れ高被膜強度を有する比誘
電率が3.0以下の低誘電率シリカ系被膜が得られる。
このようなマトリックスは、低誘電率シリカ系被膜中
に、SiO2換算で、10〜90重量%、好ましくは20
〜80重量%、さらに好ましくは30〜70重量%の量
で含まれていることが望ましい。
このような前記一般式(I)で示されるアルコキシシラン
および前記一般式(II)で示されるハロゲン化シランから
なる群から選ばれる1種以上のケイ素化合物の加水分解
物および/または前記一般式(III)で示される繰り返
し単位を有するポリシラザンの1種または2種以上のシ
リカ系成分と前記した無機化合物粒子とが反応して反応
物を形成していてもよい。
との反応物を被膜中に酸化物(SiO2)換算で5〜90
重量%の範囲で含んでいることが好ましい。さらに好ま
しくは20〜80重量%の範囲である。シリカ系成分と
無機化合物粒子との反応物を前記範囲で含んでいると、
被膜の比誘電率が3.0以下で、耐熱性、強度等に優れ
たシリカ系被膜を得ることができる。
合物粒子表面のOH基とシリカ形成成分(末端SiOH
基など)とが反応したものであり、単なる混合物とは相
違したものである。本発明に係る低誘電率シリカ系被膜
付半導体基板では、以上のような無機化合物粒子とマト
リックスとを含む低誘電率シリカ系被膜が、シリコン基
板上に設けられている。
に直接形成されていてもよいが、多層配線構造の配線層
間、素子表面および/またはPN接合部分に設けられて
いてもよい。このような低誘電率シリカ系被膜は、たと
えば、低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液を、基材表面
に、塗布したのち、加熱処理することによって形成する
ことができる。具体的には以下に示す低誘電率シリカ系
被膜の形成方法によって低誘電率シリカ系被膜を形成す
ることができる。
ず、本発明に係る形成方法で使用される低誘電率シリカ
系被膜形成用塗布液について説明する。低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液 本発明に係る形成方法では、前記した無機化合物粒子を
含む低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液であればとくに
制限なく使用することは可能であるが、以下に示す低誘
電率シリカ系被膜形成用塗布液(塗布液−A、塗布液−
B、塗布液−C)を用いて半導体基板上に低誘電率シリ
カ系被膜を形成することが望ましい。 (1)塗布液−A 塗布液−Aは、下記一般式(I)で示されるアルコキシシ
ランおよび下記一般式(II)で示されるハロゲン化シラン
からなる群から選ばれる1種以上のケイ素化合物を有機
溶媒に混合して、触媒および水の存在下でこれを部分加
水分解または加水分解して得られる反応物および/また
は下記一般式(III)で示される繰り返し単位を有する
ポリシラザンの1種または2種以上と有機溶媒との混合
物と前記無機化合物粒子とを含む低誘電率シリカ系被膜
形成用塗布液である。
8のアルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール基も
しくはビニル基を表し、Rは水素原子、または炭素数1
〜8のアルキル基、アリール基もしくはビニル基を表
し、X'はハロゲン原子を表す。また、nは0〜3の整
数である。)
れ独立した水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル
基である。) 前記一般式(I)で示されるアルコキシシランの具体例と
しては、前記したと同様のアルコキシシランを挙げるこ
とができる。前記一般式(II)で示されるハロゲン化シラ
ンの具体例としては、前記したと同様のハロゲン化シラ
ンを挙げることができる。
返し単位を有するポリシラザンとしては前述したと同様
のものを用いることができる。アルコキシシランおよび
ハロゲン化シランを用いる場合の有機溶媒としては、ア
ルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、炭化
水素類などが挙げられ、より具体的には、たとえばメタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの
アルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンなどのケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブ、プロピレングリコールモノプロピルエーテルな
どのグリコールエーテル類、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコ
ール類、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エ
チルなどのエステル類、ヘキサン、シクロヘキサン、オ
クタンなどの炭化水素類やトルエン、キシレン、メシチ
レンなどの芳香族炭化水素類が挙げられる。
ては、たとえば、シクロヘキサン、トルエン、キシレ
ン、へキシレン等の炭化水素、塩化メチレン、塩化エチ
レン、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、エチ
ルブチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられる。触媒と
しては、塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸、酢酸、シュウ
酸、トルエンスルホン酸などの有機酸、または金属セッ
ケンなどの水溶液中で酸性を示す化合物が挙げられる。
ランを構成するSi-OR基、またはハロゲン化シランを
構成するSi-X'基1モル当たり、通常、0.1〜5モ
ル、好ましくは0.1〜2モルの量で用いられる。ま
た、触媒は、通常、アルコキシシランまたはハロゲン化
シラン1モル当たり0.001〜1モル、好ましくは
0.005〜0.5の量で添加される。
を加水分解する場合には、通常、反応温度が80℃以
下、好ましくは5〜60℃で、反応時間が攪拌条件下で
10時間以下、好ましくは0.5〜5時間である。ま
た、ハロゲン化シランを加水分解する場合には、通常、
反応温度が50℃以下、好ましくは5〜20℃で、反応
時間が攪拌条件下で20時間以下、好ましくは1〜10
時間である。さらに、アルコキシシランとハロゲン化シ
ランを同時に加水分解する場合には、通常、ハロゲン化
シランの加水分解条件が採用される。
部分加水分解物の数平均分子量(ポリスチレン換算)
は、500〜10000、好ましくは1000〜500
0の範囲にあることが望ましい。 (2)塗布液−B 塗布液−Bは、上記一般式(I)で示されるアルコキシシ
ランおよび上記一般式(II)で示されるハロゲン化シラン
からなる群から選ばれる1種以上のケイ素化合物の加水
分解物および/または上記一般式(III)で示される繰
り返し単位を有するポリシラザンの1種または2種以上
のシリカ系成分と、前記無機化合物粒子との反応物を含
む低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液である。
応物は、前記無機化合物粒子と上記一般式(I)で示され
るアルコキシシランおよび上記一般式(II)で示されるハ
ロゲン化シランからなる群から選ばれる1種以上のケイ
素化合物を有機溶媒に混合し、水および触媒の存在下で
加水分解し、これに必要に応じて下記一般式(III)で
示される繰り返し単位を有するポリシラザンの1種また
は2種以上の有機溶媒との混合物を混合することにより
得られる。
との反応物は、本出願人らによって出願された前記発明
−1(特開平9−315812号)または前記発明−3
(国際出願PCT/JP99/04050)などの公報
に記載された方法に準じて調製することができる。 (3)塗布液−C 塗布液−Cは、前記塗布液−Aに含まれるシリカ系成
分、または前記塗布液−Bに含まれるシリカ系成分と無
機化合物粒子との反応物とともに、易分解性樹脂を含む
低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液である。易分解性樹
脂とは、500〜50,000程度の数平均分子量(ポ
リスチレン換算)を有し、かつ500℃以下の温度で熱
処理、あるいは紫外線、赤外線、電子線、X線を照射す
るか酸素プラズマを照射することにより分解または揮散
するものである。
〜50,000、好ましくは5,000〜30,000の
数平均分子量(ポリスチレン換算)を有するセルロース
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アク
リル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ポリオール系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられ
る。
性樹脂が前記加水分解物および/または前記ポリシラザ
ンまたは前記シリカ系成分と無機化合物粒子との反応物
と分子鎖レベルで絡み合った相互貫入型ポリマー組成物
を構成していることが好ましい。このような相互貫入型
ポリマー組成物の数平均分子量(ポリスチレン換算)
は、500〜50,000、好ましくは1,000〜3
0,000の範囲にあることが望ましい。
製方法については、本出願人らによって出願された発明
−2(国際出願PCT/JP99/04051)または
前記発明−3(国際出願PCT/JP99/0405
0)の公報に、その詳細が記載されているので、これを
参照されたい。本発明の方法で使用される低誘電率シリ
カ系被膜形成用塗布液としては、前記ケイ素化合物の加
水分解物、前記ポリシラザン、前記シリカ系成分と無機
化合物粒子との反応物および/または前記相互貫入型ポ
リマー組成物は末端にSi-H基を有していることが望ま
しい。
において、該雰囲気中に微量に含まれる酸素濃度によっ
ては、たとえば約100〜1000容量ppm程度にあ
れば、Si-H→SiOH→SiO2の順に酸化され、Si-
O-Siのネットワークを構成しやすくなるため、このよ
うな塗布液を用いると、低水分吸着性および高被膜強度
を有する比誘電率3以下の低誘電率シリカ系被膜を容易
に形成することができる。
いる場合には、上記に示す前記加水分解物、前記ポリシ
ラザン、前記無機化合物粒子、前記シリカ系成分と無機
化合物粒子との反応物、前記易分解性樹脂を含む組成物
および/または前記相互貫入型ポリマー組成物などの固
形分を、有機溶媒中に5〜35重量%、好ましくは10
〜30重量%の量で含有していることが望ましい。
類、グリコールエーテル類、ケトン類、エーテル類、エ
ステル類、炭化水素類、芳香族炭化水素類などから選択
される。なお、本発明では、アルコキシシランおよびハ
ロゲン化シランからなる群から選ばれる1種以上のケイ
素化合物を有機溶媒に混合して、触媒および水の存在下
でこれを部分加水分解または加水分解して得られる反応
物および/または下記一般式(III)で示される繰り返
し単位を有するポリシラザンなどの固形分を含む溶液を
そのまま塗布液として使用してもよいが、有機溶媒層成
分を分離し、ロータリーエバポレーターなどを用いて再
度、メチルイソブチルケトンやプロピレングリコールモ
ノプロピルエーテルなどと溶媒置換を行って、前記加水
分解反応で生成したアルコールや残存している水、酸触
媒などを除去した後、固形分濃度を上記の範囲に調製し
て使用することが望ましい。
上記のような低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液を半導
体基板上に塗布し(塗布工程)、(b)得られた被膜を2
50℃以下の温度にて加熱処理した後(加熱処理)、
(c)該被膜を350〜450℃の温度にて焼成処理(焼
成処理)することにより行われる。
ー法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコー
ト法、転写印刷法などが採用されているが、本発明方法
においても、このような従来公知の方法を用いて低誘電
率シリカ系被膜形成用塗布液を半導体基板上に塗布する
ことができる。
0℃以下、好ましくは50〜200℃の温度にて加熱処
理される。この加熱は、被膜の膜厚などによっても異な
るが、1〜10分、好ましくは2〜5分をかけて行うこ
とが望ましい。この加熱処理は、窒素などの不活性ガス
雰囲気下で行ってもよいが、空気雰囲気下で行うことが
好ましい。加熱処理は、250℃以下という比較的、低
い温度条件下で短時間行われるので、たとえ酸素を比較
的多量に含んでいる空気雰囲気下で加熱処理しても半導
体基板上に配設された金属配線が酸化することはないの
で、高価な窒素ガスの使用量を削減できる。また膜内部
にSi−Hが残存しても、前記したように適度な酸素濃
度下で加熱処理できるので、Si−O−Siのネットワー
ク(すなわちSiO2)が構成・生成されやすくなり、こ
のため、低水分吸着性と高被膜強度を有する低誘電率シ
リカ系被膜を形成し易くなる。
って、被膜中に含まれる有機溶媒が蒸発し、また一方で
は固形成分の重合が進んで硬化するとともに、加熱の過
程で重合体の溶融粘度が低下して被膜のリフロー性が増
大し、得られる被膜の平坦性が向上する。このようにし
て形成される低誘電率シリカ系被膜の膜厚は、被膜を形
成する半導体基板やその目的によっても異なるが、たと
えば、半導体装置におけるシリコン基板上では通常、
1,000〜2,500Å程度であり、多層配線の配線層
間の場合は通常、1,000〜10,000Åである。
雰囲気下、350〜450℃の温度にて焼成処理(キュ
ア)される。なお、焼成処理は必ずしも行う必要はな
く、加熱処理で硬化した被膜が得られているのであれば
行う必要はない。また、塗布液中に易分解性樹脂が含ま
れている場合には、焼成処理をすることが好ましい。
ることが望ましく、さらに必要に応じて、これに酸素ガ
スまたは空気を加えて、少量の酸素を含む不活性ガスと
して用いてもよい。不活性ガス中に含まれる酸素量とし
ては、1000ppm程度以下であればよい。前記の焼
成温度は、塗布液中に含まれるSi含有化合物(シリカ
系成分)の性状によっても異なるが、350〜450℃
の温度範囲から選択される。たとえば、易分解樹脂を含
む塗布液を用いた場合には、この易分解性樹脂が分解ま
たは揮散する以上の温度で焼成処理を行うことが必要で
あり、これによりマトリックスが平均空孔径5nm以下
の径の空孔を有する、低密度かつ高強度の低誘電率シリ
カ系被膜が形成される。
膜の膜厚などによっても異なるが、10〜60分をかけ
て行うことが好ましい。ここで、焼成処理の温度が35
0℃未満であると、十分な被膜強度を有する被膜が得ら
れず、また焼成処理の温度が450℃を越えると、半導
体基板を構成するアルミニウム配線や銅配線などが酸化
されたり、溶融したりして、該配線層に損傷を与えるこ
とがあるので、当該温度は350〜450℃の範囲に保
つことが好ましい。
リコン基板上、多層配線構造の配線層間、素子表面およ
び/またはPN接合部分に、上記低誘電率シリカ系被膜
を形成されてなる半導体装置用部品である。この半導体
基板上に形成された被膜は、無機化合物粒子を含んでい
るので比誘電率が3以下と小さく、しかも被塗布面との
密着性、耐アルカリ性などの耐薬品性や耐クラック性に
優れ、さらには耐酸素プラズマ性やエッチング加工性な
どのプロセス適合性も備えているばかりでなく、著しく
低い水分吸着性と十分に高い被膜強度を有している。
基板は、シリコン基板上、多層配線構造の配線層間、素
子表面および/またはPN接合部分に、低誘電率シリカ
系被膜が形成されてなり、該低誘電率シリカ系被膜中に
特定の無機化合物粒子が含まれているので、比誘電率が
3.0以下と小さく、被塗布面との密着性、耐アルカリ
性などの耐薬品性や耐クラック性に優れ、さらには耐酸
素プラズマ性やエッチング加工性などのプロセス適合性
も備えているとともに、著しく低い水分吸着性(すなわ
ち耐湿性が高い)と、十分に高い被膜強度とを有してい
る。
によれば、半導体基板上に配設された金属配線などにダ
メージを与えることなく、上記のような優れた特性を備
えた低誘電率シリカ系被膜を有する半導体基板を提供す
ることができる。
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
100gと純水1900gの混合物を80℃に加温し
た。この反応母液のpHは10.5であり、同母液にS
iO2として1.17重量%の珪酸ナトリウム水溶液9
000gとAl2O3として0.83重量%のアルミン酸
ナトリウム水溶液9000gとを同時に添加した。その
間、反応液の温度を80℃に保持した。
昇したが、その後、ほとんど変化しなかった。添加終了
後、反応液を室温まで冷却し、限外濾過膜で洗浄して固
形分濃度20重量%のSiO2・Al2O3多孔質粒子前
駆体の分散液を調製した。この多孔質粒子前駆体の分散
液500gに純水1,700gを加えて98℃に加温
し、この温度を保持しながら、珪酸ナトリウム水溶液を
陽イオン交換樹脂で脱アルカリして得られた珪酸液(S
iO2濃度3.5重量%)3,000gを添加して多孔
質粒子前駆体表面にシリカ保護膜を形成した。
外濾過膜で洗浄して固形分濃度13重量%に調整した
後、多孔質粒子前駆体の分散液500gに純水1,12
5gを加え、さらに濃塩酸(35.5%)を滴下してp
H1.0とし、脱アルミニウム処理を行った。次いで、
pH3の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外
濾過膜で溶解したアルミニウム塩等を分離し、次いで限
外濾過膜を用いて溶媒をメタノールに置換したのち、蒸
留法によってメチルイソブチルケトン(MIBK)に置
換して、固形分濃度20重量%のシリカ外殻層を形成し
た無機化合物粒子(P-1)の分散液を調製した。
保護膜を形成した多孔質粒子前駆体の分散液を得た後、
限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13重量%になったシ
リカ保護膜を形成した多孔質粒子前駆体の分散液500
gに純水1,125gを加え、さらに濃塩酸(35.5
%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を
行った。
5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩
等を分離し、シリカ保護膜を形成した多孔質粒子前駆体
の構成成分の一部を除去したSiO2・Al2O3多孔質
粒子の分散液を調製した。上記多孔質粒子分散液150
0gと、純水500g、エタノール1,750gおよび
28%アンモニア水626gとの混合液を35℃に加温
した後、エチルシリケート(SiO228重量%)10
4gを添加し、シリカ保護膜を形成した多孔質粒子の表
面をエチルシリケートの加水分解重縮合物で被覆してシ
リカ外殻層を形成した。
ールに置換したのち、蒸留法によってメチルイソブチル
ケトン(MIBK)に置換した固形分濃度20重量%の
無機化合物粒子(P-2)の分散液を調製した。無機化合物粒子(P-3)の調製 前記無機化合物粒子(P-2)の調製と同様にして、シリカ
保護膜を形成した多孔質粒子の表面をエチルシリケート
の加水分解重縮合物で被覆してシリカ外殻層を形成し
た。
量%まで濃縮した後、濃度15重量%のアンモニア水を
加えてpH10とし、オートクレーブで180℃、2時
間加熱処理し、乾燥後、メチルイソブチルケトン(MI
BK)に分散させて固形分濃度20重量%の無機化合物
粒子(P-3)の分散液を調製した。無機化合物粒子(P-4)の調製 前記無機化合物粒子(P-3)の分散液を乾燥し、次いで8
50℃で2時間加熱処理した後、メチルイソブチルケト
ン(MIBK)に分散させて固形分濃度20重量%の無
機化合物粒子(P-4)の分散液を調製した。
0.76重量%の珪酸ナトリウム水溶液と、Al2O3と
して1.25重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液とを
使用し、無機化合物粒子(P-2)と同様にして、シリカ保
護膜およびシリカ外殻層(シリカ保護膜は外殻層に含ま
れる)を形成した固形分濃度20重量%の無機化合物粒
子(P-5)の分散液を調製した。
1.5重量%の珪酸ナトリウム水溶液と、Al2O3とし
て0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液とを使用
し、無機化合物粒子(P-4)と同様にしてオートクレーブ
処理、乾燥および加熱処理をした後、メチルイソブチル
ケトン(MIBK)に分散させて固形分濃度20重量%
の無機化合物粒子(P-6)の分散液を調製した。
シリカ保護膜の厚さ、平均粒径、MOx/SiO2(モル
比)、および屈折率を表1に示す。ここで、平均粒径は
動的光散乱法により測定し、屈折率は標準屈折液として
CARGILL 製のSeriesA、AAを用い、以下の方法で測定
した。無機化合物粒子(P-1)〜(P-4)、(P-6)は、外殻層
内部が多孔質となっており、無機化合物粒子(P-5)は、
外殻層内部が空洞になっている。
タノール5300gとの混合液に、濃度28重量%のア
ンモニア水を添加し、35℃で24時間撹拌したのち、
限外濾過膜を用いて洗浄し、溶媒をメチルイソブチルケ
トン(MIBK)に置換して、固形分濃度20重量%の
多孔質シリカ粒子(P-7)の分散液を調製した。
分散媒を蒸発させる。 (2)これを120℃で乾燥し、粉末とする。 (3)屈折率が既知の標準屈折液を2、3滴ガラス板上
に滴下し、これに上記粉末を混合する。 (4)上記(3)の操作を種々の標準屈折液で行い、混
合液が透明になったときの標準屈折液の屈折率を微粒子
の屈折率とする。
エタノール183.33gの混合溶液を20℃に保持
し、これに0.05重量%濃度の硝酸含有水溶液21.8
2gを一度に加えて、150rpmの速度で攪拌しなが
ら、20℃の温度で約1時間、トリエトキシシランの加
水分解を行った。その後、10倍量のメチルイソブチル
ケトン(MIBK)を添加し、ロータリーエバポレータ
ーを用いて再度、メチルイソブチルケトンに溶媒置換し
て、加水分解反応により生成したアルコールや溶解した
水分(硝酸を含む)を完全に除去してシリカ濃度が20
重量%であるトリエトキシシラン加水分解物(マトリッ
クス前駆体)を得た。
ラン加水分解物のMIBK溶液125gに、アクリル樹
脂5gをMIBK溶液20gに溶解させたものを混合
し、ついでこれに上記で調製した無機化合物粒子(P-1)
の分散液125gを混合して被膜形成用塗布液(S-1)を
得た。このときのアクリル樹脂の数平均分子量は、2
2,190であった。
各々用いた以外は被膜形成用塗布液(S-1)と同様にして
被膜形成用塗布液(S-2)、(S-3)、(S-4)、(S-5)および(S
-6)を得た。被膜形成用塗布液(S-9)の調製 上記で調製した多孔質シリカ粒子(P-7)の分散液を用い
た以外は被膜形成用塗布液(S-1)と同様にして被膜形成
用塗布液(S-9)を得た。
6)の製造 上記のようにして調製した各被膜形成用塗布液(S-1)〜
(S-6)を、それぞれ8インチのシリコンウェハー(半導
体基板)にスピンコート法で塗布した。その後、これら
の基板を加熱処理工程に供して、空気雰囲気下で150
℃の温度にて3分間加熱した。この加熱処理では、被膜
中に含まれる有機溶媒などが蒸発してくるので、これを
系外に排気した。
式の焼成処理装置(東京エレクトロン社製ACT-8)のホ
ットプレート上に1枚ずつ設置して、以下の表1に示す
酸素濃度を有する不活性ガス(窒素ガスに酸素600p
pmを加えたもの)の雰囲気下で、さらに表1に示す温
度にて30分間、焼成処理を施しシリカ系被膜付半導体
基板(L-1〜L-6)を製造した。次に、これらを室温近く
の温度まで冷却して系外に取り出した。
ずれも5,000Åであった。次いで、これらのシリカ
系被膜の比誘電率(水銀プローブ法、周波数1MH
z)、酸素プラズマ照射前後の被膜の水分吸着量変化
(TDS法:Thermal Desorption Mass-Spectroscop
y)、被膜強度(セバスチャン強度試験機)および基板
上の金属配線に対する損傷の有無(テスターにより配線
抵抗値の変化を測定)を測定した。
被膜形成用塗布液(S-1)と同様にして被膜形成用塗布液
(S-7)を調製し、これを8インチのシリコンウェハー
(半導体基板)にスピンコート法で塗布した。
気雰囲気下で150℃の温度にて3分間加熱した。この
加熱処理では、被膜中に含まれる有機溶媒などが蒸発し
てくるので、これを系外に排気した。次いで、これらの
基板を上蓋を有する枚葉式の焼成処理装置(東京エレク
トロン社製ACT-8)のホットプレート上に設置して、不
活性ガス(酸素ガスを加えず)の雰囲気下で、表1に示
す温度にて30分間、焼成処理を施しシリカ系被膜付半
導体基板(L-7)を製造した。次に、これらを室温近くの
温度まで冷却して系外に取り出した。
5,000Åであった。次いで、実施例1と同様にシリ
カ系被膜の比誘電率、酸素プラズマ照射前後の被膜の水
分吸着量変化、被膜強度および基板上の金属配線に対す
る損傷の有無を測定した。結果を表1に示す。
度が20重量%であるトリエトキシシラン加水分解物
(マトリックス前駆体)を調製し、これを被膜形成用塗
布液(S-8)として用い、8インチのシリコンウェハー
(半導体基板)にスピンコート法で塗布した。なお塗布
液(S-8)には無機化合物粒子は含まれていない。
気雰囲気下で150℃の温度にて3分間加熱した。この
加熱処理では、被膜中に含まれる有機溶媒などが蒸発し
てくるので、これを系外に排気した。次いで、これらの
基板を上蓋を有する枚葉式の焼成処理装置(東京エレク
トロン社製ACT-8)のホットプレート上に設置して、不
活性ガス(窒素ガスに酸素を加えたもの)の雰囲気下
で、表1に示す温度にて30分間、焼成処理を施しシリ
カ系被膜付半導体基板(L-8)を製造した。次に、これら
を室温近くの温度まで冷却して系外に取り出した。
5,000Åであった。次いで、実施例1と同様にシリ
カ系被膜の比誘電率、酸素プラズマ照射前後の被膜の水
分吸着量変化、被膜強度および基板上の金属配線に対す
る損傷の有無を測定した。結果を表1に示す。
にしてシリカ系被膜付半導体基板(L-9)を製造した。こ
のようにして得られた被膜の膜厚は5,000Åであっ
た。
比誘電率、酸素プラズマ照射前後の被膜の水分吸着量変
化、被膜強度および基板上の金属配線に対する損傷の有
無を測定した。結果を表1に示す。
Claims (15)
- 【請求項1】シリコン基板と、シリコン基板上の多層の
配線層と、低誘電率シリカ系被膜とからなる低誘電率シ
リカ系被膜付半導体基板であって、 低誘電率シリカ系被膜がシリコン基板上、多層配線構造
の配線層間、素子表面および/またはPN接合部分に設
けられてなり、 かつ、低誘電率シリカ系被膜が、 外殻層を有し、内部が気体で充填された空洞であるか、
あるいは気体と多孔質物質とからなる多孔質となってい
る無機化合物粒子を、 含むことを特徴とする低誘電率シリカ系被膜付半導体基
板。 - 【請求項2】前記無機化合物粒子が、平均粒子径が5〜
100nmの範囲にある請求項1に記載の低誘電率シリ
カ系被膜付半導体基板。 - 【請求項3】前記無機化合物粒子が、外殻層の厚さが1
nm〜50nmの範囲にある無機化合物粒子である請求
項1または2に記載の低誘電率シリカ系被膜付半導体基
板。 - 【請求項4】前記無機化合物粒子の外殻層が、シリカを
主成分とする請求項1〜3のいずれかに記載の低誘電率
シリカ系被膜付半導体基板。 - 【請求項5】前記無機化合物粒子が、シリカとシリカ以
外の無機化合物からなり、シリカをSiO2で表し、シリ
カ以外の無機化合物を酸化物(MOx)で表したときの
モル比MOx/SiO2が、0.0001〜1.0の範囲で
あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
低誘電率シリカ系被膜付半導体基板。 - 【請求項6】下記工程(a)〜工程(c)からなること
を特徴とする低誘電率シリカ系被膜の形成方法; (a)半導体基板上に、外殻層を有し、内部が気体で充填
された空洞であるか、あるいは気体と多孔質物質とから
なる多孔質となっている無機化合物粒子を含む低誘電率
シリカ系被膜形成用塗布液を塗布する工程 (b)得られた被膜を250℃以下の温度にて加熱処理す
る工程 (c)該被膜を350〜450℃の温度にて焼成処理する
工程。 - 【請求項7】前記無機化合物粒子が、平均粒子径が5〜
100nmの範囲にあることを特徴とする請求項6に記
載の低誘電率シリカ系被膜の形成方法。 - 【請求項8】前記無機化合物粒子が、外殻層の厚さが1
nm〜50nmの範囲にあることを特徴とする無機化合
物粒子である請求項6または7に記載の低誘電率シリカ
系被膜の形成方法。 - 【請求項9】前記無機化合物粒子の外殻層が、シリカを
主成分とすることを特徴とする請求項6〜8のいずれか
に記載の低誘電率シリカ系被膜の形成方法。 - 【請求項10】前記無機化合物粒子が、シリカとシリカ
以外の無機化合物からなり、シリカをSiO2で表し、シ
リカ以外の無機化合物を酸化物(MOx)で表したとき
のモル比MOx/SiO2が、0.0001〜1.0の範囲
にあることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載
の低誘電率シリカ系被膜の形成方法。 - 【請求項11】前記低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液
が、さらにマトリックス前駆体として下記一般式(I)で
示されるアルコキシシランおよび下記一般式(II)で示さ
れるハロゲン化シランからなる群から選ばれる少なくと
も1種のケイ素化合物の加水分解物および/または下記
一般式(III)で示される繰り返し単位を有するポリシ
ラザンの1種または2種以上を含むことを特徴とする請
求項6〜10のいずれかに記載の低誘電率シリカ系被膜
の形成方法。 XnSi(OR)4-n (I) XnSiX'4-n (II) (式中、Xは水素原子、フッ素原子、または炭素数1〜
8のアルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール基も
しくはビニル基を表し、Rは水素原子、または炭素数1
〜8のアルキル基、アリール基もしくはビニル基を表
し、X'はハロゲン原子を表す。また、nは0〜3の整
数である。) 【化1】 (ただし、R1、R2およびR3は、それぞれ独立した水
素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基である。) - 【請求項12】前記低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液
が、さらにマトリックス前駆体としての下記一般式(I)
で示されるアルコキシシランおよび下記一般式(II)で示
されるハロゲン化シランからなる群から選ばれる少なく
とも1種のケイ素化合物の加水分解物および/または下
記一般式(III)で表される繰り返し単位を有するポリ
シラザンの1種または2種以上と、前記無機化合物粒子
との反応物を含むことを特徴とする請求項6〜10のい
ずれかに記載の低誘電率シリカ系被膜の形成方法。 XnSi(OR)4-n (I) XnSiX'4-n (II) (式中、Xは水素原子、フッ素原子、または炭素数1〜
8のアルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール基も
しくはビニル基を表し、Rは水素原子、または炭素数1
〜8のアルキル基、アリール基もしくはビニル基を表
し、X'はハロゲン原子を表す。また、nは0〜3の整
数である。) 【化2】 (ただし、R1、R2およびR3は、それぞれ独立した水
素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基である。) - 【請求項13】前記低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液
が、さらに、500〜50,000の数平均分子量(ポ
リスチレン換算)を有する易分解性樹脂を含むことを特
徴とする請求項11または12に記載の低誘電率シリカ
系被膜の形成方法。 - 【請求項14】前記易分解性樹脂は、ケイ素化合物の加
水分解物および/またはポリシラザン、またはポリシロ
キサンと分子鎖レベルで絡み合った相互貫入型ポリマー
組成物を構成していることを特徴とする請求項13に記
載の低誘電率シリカ系被膜の形成方法。 - 【請求項15】前記低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液
中の、ケイ素化合物の加水分解物、ポリシラザン、ポリ
シロキサンおよび/または相互貫入型ポリマー組成物
は、末端にSi-H基を有することを特徴とする請求項1
1〜14のいずれかに記載の低誘電率シリカ系被膜の形
成方法。
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JP2006045352A (ja) * | 2004-08-04 | 2006-02-16 | Hitachi Chem Co Ltd | シリカ系被膜形成用組成物、シリカ系被膜及びその形成方法並びにシリカ系被膜を備える電子部品 |
JP2011046606A (ja) * | 2010-09-21 | 2011-03-10 | Jgc Catalysts & Chemicals Ltd | シリカ系微粒子、被膜形成用塗料および被膜付基材 |
KR20200036178A (ko) * | 2018-09-28 | 2020-04-07 | 세메스 주식회사 | 유전막 형성 방법 및 반도체 장치의 제조 방법 |
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- 2000-09-19 JP JP2000284106A patent/JP3883174B2/ja not_active Expired - Lifetime
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