JP2002092687A

JP2002092687A - 紙葉類収納装置

Info

Publication number: JP2002092687A
Application number: JP2000274831A
Authority: JP
Inventors: Koji Iwai; 晃二岩井; Atsushi Takayama; 敦高山
Original assignee: Sanden Corp
Current assignee: Sanden Corp
Priority date: 2000-09-11
Filing date: 2000-09-11
Publication date: 2002-03-29
Also published as: US20020060405A1; US6540225B2

Abstract

(57)【要約】【課題】装置の前後方向寸法を大きくすることなく、
紙葉類の収納可能枚数を増すことのできる紙葉類収納装
置を提供する。【解決手段】各駆動シャフト１２を上下方向に駆動す
るようにしたので、アームの中央付近に前後方向に移動
するシャフトを設けた従来の紙葉類収納装置に比べ、各
駆動シャフト１２の移動に要する前後方向のスペースが
小さくなり、紙葉類を収納する部分の前後方向寸法を十
分に確保することができる。従って、装置の前後方向寸
法を大きくすることなく、紙葉類の収納可能枚数を増す
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、紙幣、商品券、葉
書等の紙葉類を収納する紙葉類収納装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の紙葉類収納装置として、
箱状に形成された紙幣収納装置本体と、装置本体の前面
に設けられた紙幣の挿入口と、挿入された紙幣を搬送路
を通じて搬送する搬送手段と、搬送路内の紙幣を検知す
る紙幣検知手段と、前記搬送手段により搬送された紙幣
を積層して収納する紙幣収納部とを備えたものが一般的
に知られており、この紙幣収納部に正貨紙幣を収納して
いる。また、前記紙幣収納部を、搬送された紙幣の左右
両側に位置し紙幣を挿入可能な一対のレールと、紙幣の
背面側に位置し前方へ付勢されたカセットプレートと、
紙幣の前面側に位置し紙幣の前後方向に移動可能なリフ
ティングプレートとから構成し、リフティングプレート
を移動させる移動手段を設け、この移動手段の操作によ
りリフティングプレートをカセットプレートに向かって
移動し紙幣を収納している。この移動手段の構成は、リ
フティングプレートに連接してＸ状に交差し前後方向に
伸縮自在のパンタグラフアームと、このパンタグラフア
ームの交差部に設けられた駆動シャフトと、この駆動シ
ャフトと当接し駆動シャフトを前後方向に移動させるカ
ム体と、カム体を駆動する駆動モータとからなり、駆動
モータの駆動によりパンタグラフアームを前後に伸縮さ
せ、カセットプレートとレールの間に紙幣を挟み込むよ
うにして収納している。（例えば、特開平５−１０８９
２５号）。

【０００３】この紙幣収納装置では、搬送手段により紙
幣が紙幣収納部の各レール間に搬送されると、移動手段
が駆動してリフティングプレートを後方へ移動し、紙幣
をリフティングプレートの背面と当接させ、紙幣を後方
に移動してレールから抜くようになっている。紙幣が各
レールの後方へ移動した後、リフティングプレートを前
方へ移動して元の位置に戻し、紙幣はカセットプレート
前面と各レールの背面に狭圧されて収納される。即ち、
駆動シャフトをカム体を介して前後方向に移動させてリ
フティングプレートを往復する前述の動作を繰り返すこ
とにより、紙幣収納部内に紙幣が前後方向に積層して収
納される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記紙
幣収納装置ではリフティングプレートを往復する際に、
駆動シャフトをカム体を介して前後方向、即ちリフティ
ングプレートに対して略面直方向に移動させるため、駆
動シャフトの移動ストロークをとるカム体の前後方向寸
法が大きくなる。従って、カム体の前後方向の寸法分だ
け、紙幣を収納する部分の前後方向寸法が小さくなり、
紙幣の収納可能枚数が少なくなるという問題点があっ
た。これにより、この装置が備えられる自動販売機等で
は、頻繁に収納紙幣を回収しなければならず、紙幣回収
作業者の負担が大きなものとなっている。

【０００５】また、紙幣の収納枚数を増すために装置の
前後方向寸法を大きくすることが考えられるが、この場
合、装置が備えられる自動販売機等の他の装置の前後方
向寸法を小さくする必要が生じ、実用に際して極めて不
利となる。

【０００６】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、装置の前後方向寸法
を大きくすることなく、紙幣の収納可能枚数を増すこと
のできる紙葉類収納装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、請求項１では、挿入された紙葉類を搬送路
を通じて搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送
された紙葉類を積層して収納する紙葉類収納部とを備
え、前記紙葉類収納部は紙葉類の一方の面側に位置する
カセットプレートと、他方の面側に位置し紙葉類の略面
直方向に移動可能なリフティングプレートとを有し、リ
フティングプレートを移動させる移動手段を設けた紙葉
類収納装置において、前記移動手段は、一端側をリフテ
ィングプレートに連接されたアームと、このアームの他
端側に連接し、アームの他端側をリフティングプレート
に対し略平行に移動させる駆動手段とを有している。こ
れにより、駆動手段はアームの他端側に力を加えてリフ
ティングプレートに対し略平行に移動させるので、アー
ムの中央部に力を加えてリフティングプレートに対し略
面直に移動させる従来のものに比べ、アームの移動に要
する略面直方向のスペースを小さくすることができる。

【０００８】また、請求項２では、請求項１記載の紙葉
類収納装置において、前記駆動手段は、アームの他端側
に連接されリフティングプレートに対し略平行に移動す
る駆動シャフトを有している。これにより、請求項１の
作用に加え、駆動シャフトを移動させることにより、ア
ームの他端側が移動する。従って、例えば一の駆動シャ
フトに複数のアームを連接することにより、一の駆動シ
ャフトを移動して各アームを同時に、同距離だけ移動さ
せることができる。

【０００９】また、請求項３では、請求項２記載の紙葉
類収納装置において、前記駆動手段は、前記駆動シャフ
トと当接して駆動シャフトを移動させるカム体を有して
いる。これにより、請求項２の作用に加え、アーム及び
リフティングプレートを滑らかに移動させることができ
る。

【００１０】また、請求項４では、請求項２記載の紙葉
類収納装置において、前記駆動手段は、軸方向にねじ部
を有するねじシャフトと、このねじシャフトと螺合しね
じシャフトの軸方向に移動可能で、前記駆動シャフトに
連結された可動部とを有している。これにより、請求項
２の作用に加え、アーム及びリフティングプレートを滑
らかに移動させることができる。

【００１１】また、請求項５では、請求項１乃至４の何
れか１項記載の紙葉類収納装置において、前記リフティ
ングプレートを略面直方向に移動させる案内機構を設け
ている。これにより、請求項１乃至４の何れか１項の作
用に加え、リフティングプレートは略面直方向に確実に
移動する。

【００１２】また、請求項６では、請求項５記載の紙葉
類収納装置において、前記案内機構は、前記アームに設
けられたガイドシャフトと、このガイドシャフトを案内
する溝とからなっている。これにより、請求項５の作用
に加え、簡単な構成でリフティングプレートを略面直方
向に移動することができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１乃至図７は本発明の紙葉類収
納装置の第１の実施形態を示すもので、図１は紙葉類収
納装置の側面概略断面図、図２は紙葉類収納装置の平面
概略断面図、図３は紙葉類収納装置の要部説明斜視図、
図４及び図５は紙葉類収納装置の動作説明正面図、図６
及び図７は紙葉類収納装置の要部説明側面図である。

【００１４】この紙葉類収納装置は、図１及び図３に示
すように、箱形に形成された紙幣収納装置本体１と、紙
幣収納装置本体１の前面に設けられ長手方向端部から略
水平に紙幣Ｂが挿入される挿入口２と、挿入された紙幣
Ｂが案内され装置本体１内の上部に略Ｕ字状に形成され
た搬送路３と、搬送路３に沿って設けられた搬送ベルト
を有し、搬送路３内の紙幣Ｂを後述する商品収納部側へ
搬送する搬送装置４と、搬送路３内の紙幣Ｂを光学セン
サ等により検知する検知装置５と、装置本体１内の下部
に設けられ、搬送装置４により搬送された紙幣Ｂを積層
して収納する紙幣収納部６とを有している。また、紙幣
収納装置本体１は、その内部を前後に仕切り、後述する
リフティングプレートの前面側に設けられた仕切板１ａ
を有している。

【００１５】紙幣収納部６は、搬送された紙幣Ｂの左右
側にそれぞれ設けられた各レール７と、紙幣Ｂの前面側
に位置するリフティングプレート８と、紙幣Ｂの背面側
に位置するカセットプレート９とから構成される。各レ
ール７は上下方向に延びて形成され、左右内側に凹んだ
凹部７ａを上下にわたって有している。この各凹部７ａ
間の距離は紙幣Ｂの左右方向の長さとほぼ一致してお
り、搬送路３から搬送された紙幣Ｂはこの各凹部７ａに
より、略鉛直でその長手方向が上下方向となった状態で
紙幣収納部６内へ案内される。リフティングプレート８
は、各レール７の凹部７ａの前面側に位置し、紙幣Ｂに
対して略面直方向に移動可能となっている。また、リフ
ティングプレート８は各レール７間の距離と比べて左右
方向の寸法が短く形成され、各レール間７を通じて各レ
ール７の背面側まで移動可能となっている。カセットプ
レート９は、コイルばね１０により前方へ付勢され、各
レール７の背面側に当接している。

【００１６】また、リフティングプレート８の前面側に
はアーム１１の取付部８ａが設けられ、リフティングプ
レート８にアーム１１の一端側が回動自在に取り付けら
れている。本実施形態においてはアーム１１は計４つ備
えられ、リフティングプレート８の上方及び下方に左右
一対となるよう設けられ、上方の各アーム１１の他端側
が下方に向かい、下方の各アーム１１の他端側が上方に
向かうよう取り付けられている。また、仕切板１ａに
は、リフティングプレート８が移動した際に、各アーム
１１及び取付部８ａが仕切板１ａと接触することのない
ように形成された挿通穴１ｂが設けられるとともに、各
アーム１１を覆うカバー１ｃが前方に突出して設けられ
ている。本実施形態においては、左右一対のカバー１ｃ
が上下方向に延びて形成され、各カバー１ｃは上下２つ
のアーム１１を覆うようになっている。左右が対応する
各アーム１１の他端側は、左右方向に延びる駆動シャフ
ト１２によって連結され、本実施形態においては、駆動
シャフト１２は上側と下側に設けられている。各駆動シ
ャフト１２は、各カバー１ｃの側面に設けられた縦穴１
ｄに挿通され、上下方向に移動自在で、且つ各アーム１
１に対して回動自在となっている。即ち、各アーム１１
は一端側をリフティングプレート８に、他端側を駆動シ
ャフト１２に連接されている。また、各駆動シャフト１
２はカム１３と当接していて、カム１３の回転角に応じ
て上下方向に移動するようになっている。本実施形態に
おいては２つのカム１３が、それぞれ仕切板１ａにこれ
と略垂直に設けられた支軸に回転自在に支持されてい
る。

【００１７】各カム１３は左右方向に並設され外周面が
互いに噛み合っており、一方のカム１３が回転すると、
これに伴って他方のカム１３も回転する。また、各カム
１３はその前面側に円筒状に形成された一対の当接部１
３ａを有している。この各駆動シャフト１２と当接する
各当接部１３ａはカム１３の回転中心に対して対称に設
けられ、各当接部１３ａを連絡する部材とともに一体に
形成されている。

【００１８】さらに、上側の各アーム１１には駆動シャ
フト１２と平行してガイドシャフト１４が設けられてい
る。このガイドシャフト１４は、各カバー１ｃの側面に
湾曲して設けられた溝１ｅに案内され、各カム１３が回
転した際にリフティングプレート８が略平行に確実に移
動するようアーム１１を案内している。即ち、ガイドシ
ャフト１４及び溝１ｅで案内機構を構成している。尚、
前記案内機構は各アーム１１に案内溝を設け、各カバー
１ｃにガイドシャフト１４を設けた構成としてもよい。

【００１９】モータ１５は、装置本体１の下方にその駆
動軸１５ａが左右方向となるよう配置され、モータ１５
の駆動軸１５ａ上部には、左右方向に回転軸を有する第
１ギヤ１６の下部が噛み合っている。第１ギヤ１６の上
部には左右方向に回転軸を有する第２ギヤ１７の下部が
噛み合い、この第２ギヤ１７の上部には、左右方向に回
転軸を有する回転安定用の補助ギヤ１８が噛み合ってい
る。第２ギヤ１７の回転軸の一端側には円筒ウォームギ
ヤ１９が設けられ、この円筒ウォームギヤ１９には前後
方向に回転軸を有するウォームホイール２０が噛み合っ
ている。ウォームホイール２０には前後方向に回転軸を
有する最終ギヤ２１が噛み合い、最終ギヤ２１には一方
のカム１３が噛み合っている。即ち、カム１３と、モー
タ１５と、各ギヤ及びホイール１６〜２１により駆動手
段を構成している。

【００２０】また、ガイドシャフト１４に一端が固定さ
れ、下側の駆動シャフト１２に他端が固定されるコイル
ばね２２が設けられている。本実施形態においては、コ
イルばね２２は計２つ設けられ、各シャフト１２，１４
の両端側にそれぞれ配置されて、各シャフトを介してリ
フティングプレート８を前方に付勢している。

【００２１】以上のように構成された紙幣収納装置にお
いては、紙幣Ｂが紙幣収納部６の各レール７間に搬送さ
れると、モータ１５を作動させて各カム１３を回転す
る。ここで、初期状態として、図４及び図６に示すよう
に各カム１３は当接部１３ａが左右方向に並び、図２
（ａ）に示すようにリフティングプレート８が仕切板１
ａ側に位置している。各カム１３が回転すると、図５及
び図７に示すように、これに当接する各駆動シャフト１
２が各コイルばね２２の付勢力に抗して上下方向外側へ
移動し、これとともに各アーム１１の他端側が上下方向
外側へ移動する。これにより、各アーム１１の一端側が
背面側へ移動してリフティングプレート８が背面側へ移
動する。リフティングプレート８が背面側へ移動して紙
幣Ｂと当接すると、紙幣Ｂが各レール７から背面側へ押
し出され、図２（ｂ）に示すように、各レール７の凹部
７ａから紙幣Ｂの左右端部が抜けてカセットプレート９
に押し付けられる。この後、各カム１３が初期状態から
９０°を超えて回転すると、リフティングプレート８が
前方へ移動し、紙幣Ｂはリフティングプレート８と各レ
ール７の背面側とに狭圧されて収納される。各カム１３
が１８０°回転すると、各当接部１３ａが左右方向に並
んだ状態、即ち初期状態に復帰する。この一連の動作を
繰り返すことにより、紙幣Ｂは各レール７の背面側に積
層して収納される。

【００２２】このように、第１の実施形態の紙幣収納装
置によれば、各駆動シャフト１２を上下方向に駆動する
ようにしたので、アームの中央付近に前後方向に移動す
るシャフトを設けた従来の紙幣収納装置に比べ、各駆動
シャフト１２の移動に要する前後方向のスペースが小さ
くなり、紙幣を収納する部分の前後方向寸法を十分に確
保することができる。従って、装置の前後方向寸法を大
きくすることなく、紙幣の収納可能枚数を増すことがで
きる。

【００２３】また、本実施形態の紙幣収納装置によれ
ば、各アーム１１の一端側をリフティングプレート８に
取り付け、他端側を駆動シャフト１２に連結するように
したので、各アーム１１の他端側に駆動シャフト１２か
らの力が作用し、各アーム１１の長手方向の長さを短く
することができる。従って、例えばＸ状に形成され長手
方向に比較的長く、その交差部に略剪断方向の力が作用
するパンダグラフアームを用いた従来のもののように、
アームが撓んでリフティングプレートを正常に移動させ
ることができないといったことはない。さらには、駆動
シャフト１２からの力は各アーム１１の略軸方向に作用
し、各アーム１１に発生する剪断応力を小さくできるこ
とから、各アーム１１が塑性変形する恐れはないし、ま
た、装置を長期にわたって使用した際に繰り返し応力に
より各アーム１１が疲労破壊する恐れもない。

【００２４】また、本実施形態の紙幣収納装置によれ
ば、ガイドシャフト１４及び溝１ｅを設けたので、簡単
な構成でリフティングプレート８を略面直方向に確実に
移動することができ、実用に際して極めて有利である。

【００２５】また、本実施形態の紙幣収納装置によれ
ば、各カム１３により各駆動シャフト１２を駆動するよ
うにしたので、各アーム１１及びリフティングプレート
８を滑らかに移動させることができ、装置の各部に過大
な負荷が加わることはなく、実用に際して極めて有利で
ある。また、一の駆動シャフト１２が移動すると一対の
アーム１１が同時に同じ距離だけ移動することからも、
リフティングプレート８を滑らかに移動させることがで
きる。

【００２６】尚、前記実施形態においては、２つのカム
１３を設けたものを示したが、図８に示すように、１つ
のカム１３ｂにより各駆動シャフト１２を駆動するよう
にしてもよい。

【００２７】また、前記実施形態においては、各当接部
１３ａを有するカム１３を設けたものを示したが、図８
に示すように、前面側にその外周に沿って湾曲して形成
された当接部１３ｃを有するカム１３ｂを設けてもよ
い。この場合、外周面とカム１３ｂの回転中心との距離
に応じて各駆動シャフト１２が駆動する。

【００２８】また、前記実施形態においては、各アーム
１１をそれぞれ独立して設けたものを示したが、図９に
示すように、各アームがＸ状に交差し、この交差部に各
アームの連結ピン１１ｂを有し、交差部を支点として回
動するいわゆるパンタグラフタイプの各アーム１１ａを
設けてもよい。この場合、一方のアーム１１ａの他端側
がカム１３により駆動され、他方のアーム１１ａの他端
側はコイルばね２３により前方に付勢されている。ま
た、一方のアーム１１ａの他端側はリフティングプレー
ト８の取付部８ａに回動自在に取り付けられ、他方のア
ーム１１ａの一端側はリフティングプレート８の取付部
８ｂに、回動自在且つ上下方向に移動自在に取り付けら
れている。この場合においても、駆動シャフト１２の力
が、アーム１１ａの他端側からアーム１１ａの略軸方向
に作用するので、各アームの交差部に略剪断方向の力が
作用する従来のものに比べ、各アーム１１ａに発生する
剪断応力を小さくすることができる。

【００２９】また、前記実施形態においては、各駆動シ
ャフト１２が上下方向へ駆動するものを示したが、各駆
動シャフト１２が左右方向へ駆動するものであってもよ
い。

【００３０】また、前記実施形態においては、ガイドシ
ャフト１４及び溝１ｅを設けたものを示したが、これら
を設けない構成としてもよい。

【００３１】また、前記実施形態においては、紙幣を収
納するものを示したが、商品券、葉書等を収納するもの
であってもよい。

【００３２】図１０及び図１１は本発明の紙葉類収納装
置の第２の実施形態を示すもので、図１０は紙葉類収納
装置の要部説明正面図、図１１は紙葉類収納装置の要部
説明側面図である。この第２の実施形態においては、第
１の実施形態と駆動シャフトを駆動させる部分が異なっ
ている。その他の第１の実施形態と同様の部分は、第１
の実施形態の説明で用いた符号と同じ符号を用いて説明
する。

【００３３】図１０及び図１１に示すように、この紙葉
類収納装置は、アーム１１ｃに連接する各シャフト１２
の略中央上側及び下側にそれぞれ連結された可動部３０
と、各可動部３０と螺合する上下方向に延びるねじシャ
フト３１と、ねじシャフト３１を駆動する図示しないモ
ータとを有している。

【００３４】各可動部３０は箱形に形成され、内部に上
下方向に延びる雌ねじ部を有している。ねじシャフト３
１は周面に前記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部が形成さ
れ、上側と下側とでねじの向きが逆さとなっている。即
ち、ねじシャフト３１が一方の方向に回転すると、上側
の可動部３０は上方へ、下側の可動部３０は下方へ移動
し、ねじシャフト３１が他方の方向に回転すると、上側
の可動部３０は下方へ、下側の可動部３０は上方へ移動
する。ねじシャフト３１はその下方において、図示しな
いモータの駆動部と噛み合っている。

【００３５】以上のように構成された紙幣収納装置にお
いては、紙幣Ｂが紙幣収納部６の各レール７間に搬送さ
れると、モータを作動させてねじシャフト３１を回転す
る。ここで、初期状態として上側の可動部３０が下方
へ、下側の可動部３０が上方に位置した状態、即ちリフ
ティングプレート８が前方に位置した状態となってい
る。ねじシャフト３１が一方の方向に回転すると、各可
動部３０がそれぞれ上下方向外側に移動し、これととも
に各アーム１１ｃの他端側が上下方向外側へ移動する。
これにより、各アーム１１ｃの一端側が背面側へ移動し
てリフティングプレート８が背面側へ移動する。リフテ
ィングプレート８が背面側へ移動して紙幣Ｂと当接する
と、紙幣Ｂが各レール７から背面側へ押し出され、各レ
ール７の凹部７ａから紙幣Ｂの左右端部が抜けてカセッ
トプレート９に押し付けられる。この後、ねじシャフト
３１を逆転させ、リフティングプレート８を前方へ移動
し、紙幣Ｂはリフティングプレート８と各レール７の背
面側とに狭圧され収納される。この一連の動作を繰り返
すことにより、紙幣Ｂは各レール７の背面側に積層して
収納される。

【００３６】このように、第２の実施形態の紙幣収納装
置によれば、第１の実施形態のものと同様に、各駆動シ
ャフト１２を上下方向に駆動するようにしたので、各駆
動シャフト１２の移動に要する前後方向のスペースを小
さくすることができ、装置の前後方向寸法を小さくする
ことができる。また、リフティングプレート８を移動す
る各アーム１１ｃの一端側をリフティングプレート８に
取り付け、他端側を駆動シャフト１２に連結するように
したので、各アーム１１ｃの他端側に駆動シャフト１２
からの力を作用させ、且つ各アーム１１ｃの長手方向の
長さを短くすることができる。さらに、駆動シャフト１
２からの力は各アーム１１ｃの軸方向に作用し、各アー
ム１１ｃに発生する剪断応力を小さくできることから、
各アーム１１ｃが塑性変形する恐れはないし、また、装
置を長期にわたって使用した際に繰り返し応力により各
アーム１１ｃが疲労破壊する恐れもない。

【００３７】また、本実施形態の紙幣収納装置によれ
ば、ねじシャフト３１とこれに螺合する各可動部３０を
設け、ねじシャフト３１が回転すると各可動部３０が上
下方向に移動するようにしたので、各アーム１１ｃ及び
リフティングプレート８を滑らかに移動させることがで
き、装置の各部に過大な負荷が加わることはない。

【００３８】尚、前記実施形態においては、各アーム１
１ｃをそれぞれ独立して設けたものを示したが、図１２
に示すように、各アームがＸ状に交差し、この交差部に
各アームの連結ピン１１ｂｅを有し、交差部を支点とし
て回動するいわゆるパンタグラフタイプの各アーム１１
ｄを設けてもよい。図１２に示したものの場合、前記実
施形態と同様に可動部３０を上側及び下側に有し、各可
動部３０が前期実施形態と同様に上下方向に移動してリ
フティングプレート８を前後方向に移動させるようにな
っている。

【００３９】また、パンタグラフタイプの各アーム１１
ｄを設けた他の例として、図１３に示すように、一の可
動部３０が下側に設けられ、一方のアーム１１ｄの他端
側がこの可動部３０により駆動され、他方のアーム１１
ｄの他端側は固定部３２に回動自在に軸支されたものが
挙げられる。図１３に示したものの場合、ねじシャフト
３１ａは下側にのみ雄ねじ部が形成され、リフティング
プレート８の取付部８ｂには、各アーム１１ｄが回動自
在且つ上下方向に移動自在に取り付けられる。

【００４０】図１２、図１３に示した何れの場合も、駆
動シャフト１２の力が、各アーム１１ｄの他端側からア
ーム１１ｄの略軸方向に作用するので、各アームの交差
部に略剪断方向の力が作用する従来のものに比べ、各ア
ーム１１ｄに発生する剪断応力を小さくすることができ
る。

【００４１】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１記載の紙
葉類収納装置によれば、アームの移動に要する略面直方
向のスペースを小さくすることができるので、紙葉類を
収納する部分の略面直方向の寸法を十分に確保すること
ができる。従って、装置の面直方向寸法を大きくするこ
となく、紙葉類の収納可能枚数を増すことができる。

【００４２】また、請求項２記載の紙葉類収納装置によ
れば、請求項１の効果に加え、例えば一の駆動シャフト
に複数のアームを連接することにより、一の駆動シャフ
トを移動して各アームを同時に、同距離だけ移動させる
ことができ、リフティングプレートを滑らかに移動させ
ることができる。

【００４３】また、請求項３記載の紙葉類収納装置によ
れば、請求項２の効果に加え、カム体により駆動シャフ
トを駆動するようにしたので、アーム及びリフティング
プレートを滑らかに移動させることができ、装置の各部
に過大な負荷が加わることはなく、実用に際して極めて
有利である。

【００４４】また、請求項４記載の紙葉類収納装置によ
れば、請求項２の効果に加え、ねじシャフトとこれに螺
合する可動部を設け、ねじシャフトが回転すると可動部
が移動するようにしたので、アーム及びリフティングプ
レートを滑らかに移動させることができ、装置の各部に
過大な負荷が加わることはなく、実用に際して極めて有
利である。

【００４５】また、請求項５記載の紙葉類収納装置によ
れば、請求項１乃至４の何れか１項の効果に加え、案内
機構を設けたのでリフティングプレートを略面直方向に
確実に移動することができ、実用に際して極めて有利で
ある。

【００４６】また、請求項６記載の紙葉類収納装置によ
れば、請求項５の効果に加え、簡単な構成でリフティン
グプレートを略面直方向に移動することができ、実用に
際してさらに有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態を示す紙葉類収納装置
の側面概略断面図

【図２】紙葉類収納装置の平面概略断面図

【図３】紙葉類収納装置の要部説明斜視図

【図４】紙葉類収納装置の動作説明正面図

【図５】紙葉類収納装置の動作説明正面図

【図６】紙葉類収納装置の動作説明側面図

【図７】紙葉類収納装置の動作説明側面図

【図８】紙葉類収納装置の要部説明正面図

【図９】紙葉類収納装置の要部説明側面図

【図１０】本発明の紙葉類収納装置の第２の実施形態を
示す紙葉類収納装置の要部説明正面図

【図１１】紙葉類収納装置の要部説明側面図

【図１２】紙葉類収納装置の要部説明側面図

【図１３】紙葉類収納装置の要部説明側面図

【符号の説明】

１…紙葉類収納装置本体、１ｅ…溝、２…挿入口、３…
搬送路、４…搬送装置、５…検知装置、６…紙葉類収納
部、８…リフティングプレート、９…カセットプレー
ト、１１…アーム、１１ａ…アーム、１１ｃ…アーム、
１１ｄ…アーム、１２…駆動シャフト、１３…カム、１
３ｂ…カム、１４…ガイドシャフト、１５…モータ、３
０…可動部、３１…ねじシャフト、３１ａ…ねじシャフ
ト、Ｂ…紙幣。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】挿入された紙葉類を搬送路を通じて搬送
する搬送手段と、前記搬送手段により搬送された紙葉類
を積層して収納する紙葉類収納部とを備え、前記紙葉類
収納部は紙葉類の一方の面側に位置するカセットプレー
トと、他方の面側に位置し紙葉類の略面直方向に移動可
能なリフティングプレートとを有し、リフティングプレ
ートを移動させる移動手段を設けた紙葉類収納装置にお
いて、前記移動手段は、一端側をリフティングプレートに連接
されたアームと、このアームの他端側に連接し、アーム
の他端側をリフティングプレートに対し略平行に移動さ
せる駆動手段とを有することを特徴とする紙葉類収納装
置。
【請求項２】前記駆動手段は、アームの他端側に連接
し、リフティングプレートに対し略平行に移動する駆動
シャフトを有することを特徴とする請求項１記載の紙葉
類収納装置。
【請求項３】前記駆動手段は、前記駆動シャフトと当
接して駆動シャフトを移動させるカム体を有することを
特徴とする請求項２記載の紙葉類収納装置。
【請求項４】前記駆動手段は、軸方向にねじ部を有す
るねじシャフトと、このねじシャフトと螺合しねじシャ
フトの軸方向に移動可能で、前記駆動シャフトに連結さ
れた可動部とを有することを特徴とする請求項２記載の
紙葉類収納装置。
【請求項５】前記リフティングプレートを略面直方向
に案内する案内機構を設けたことを特徴とする請求項１
乃至４の何れか１項記載の紙葉類収納装置。
【請求項６】前記案内機構は、前記アームに設けられ
たガイドシャフトと、このガイドシャフトを案内する溝とからなることを特徴
とする請求項５記載の紙葉類収納装置。