JP2002080803A - 部材固定用シート - Google Patents

部材固定用シート

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JP2002080803A
JP2002080803A JP2000266488A JP2000266488A JP2002080803A JP 2002080803 A JP2002080803 A JP 2002080803A JP 2000266488 A JP2000266488 A JP 2000266488A JP 2000266488 A JP2000266488 A JP 2000266488A JP 2002080803 A JP2002080803 A JP 2002080803A
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Japan
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adhesive layer
ultraviolet
curing
sensitive adhesive
pressure
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Application number
JP2000266488A
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English (en)
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Tomomichi Takatsu
知道 高津
Hiroyuki Uchida
弘之 内田
Kiichi Araki
紀一 荒木
Masanobu Kutsumi
正信 九津見
Masashi Kume
雅士 久米
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Kagaku Co Ltd
Original Assignee
Toyo Kagaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】チッピングを防止する手段として、ダイシング
前に予め粘着剤を熱硬化又は紫外線硬化させる手段があ
る。しかし、この手段には、硬化を十分にさせてしまう
と粘着力が落ちて部材保持力が落ちダイシング時のチッ
プ飛びが生じてしまうため、微妙な硬化制御が必要とな
り、制御が難しい。 【解決手段】半導体ウエハ固定用シートを、シート状の
支持体と、支持体の表面に積層された紫外線硬化型又は
加熱硬化型の粘着剤層で形成する。粘着剤層の23℃に
おける動的弾性率を0.1〜10N/cm2とし、粘着
剤層の粘着力で固定された部材を切断する時における粘
着剤層の温度域での動的弾性率を1.0〜1.0×10
5N/cm2とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粘着剤層の粘着力で
固定された半導体ウエハ等の部材をダイシング(チップ
状に切断)する部材固定用シートに係り、特にチッピン
グ(切削抵抗によるチップとブレードの干渉によってチ
ップの一部が欠けてしまう現象)を防止し、該ダイシン
グのブレードの摩耗が少ないと共にブレードにより掻き
上げられた粘着剤がダイシングされたチップ側面に付着
せず、さらに再貼り合わせ時の粘着剤の移行がない部材
固定用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体ウエハ等の部材をダイシン
グ(チップ状に切断)する際、その部材背面に部材固定
用シートが粘着されてからダイシングされる。
【0003】このダイシングには、チッピング(切削抵
抗によるチップとブレードの干渉によってチップの一部
が欠けてしまう現象)やブレードにより掻き上げられた
粘着剤がチップ側面に付着するという問題があった。
【0004】本出願人は、チッピングを防止する部材固
定用シートとして、支持体と粘着剤層の間にチッピング
防止層を積層してチッピング防止効果を持たせた手段を
開示している(特願平11―88512号、特願平11
―88513号)。これら手段は、チッピング防止効果
を有する優れた発明である。
【0005】しかしながら、これら発明にあっては積層
数が増えるため、製品の構成数及び製造工程が増えると
いう新たな課題が生じた。
【0006】また、チッピングを防止する他の手段とし
て、ダイシング前に予め粘着剤を熱硬化又は紫外線硬化
させる手段がある。しかし、この手段には、硬化を十分
にさせてしまうと粘着力が落ちて部材保持力が落ちダイ
シング時のチップ飛びが生じてしまうため、微妙な硬化
制御が必要となり、制御が難しいという課題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、発明の構成を最小限に抑えつつ半導体ウエハ等
の部材をダイシングしてもチッピングが生じず、ブレー
ドにより掻き上げられた粘着剤がダイシングされたチッ
プの側面に付着せず、該ダイシング時のブレードの摩耗
が少なく再貼り合わせ時における粘着剤の移行がない部
材固定用シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記に鑑み
鋭意検討を行った結果、該支持体の表面に積層された紫
外線硬化型又は加熱硬化型の粘着剤層を有し、該粘着剤
層の粘着力で固定された部材を切断する部材固定用シー
トにおいて、上記粘着剤層の23℃における動的弾性率
を0.1〜10N/cm2とし、前記部材切断時におけ
る粘着剤層の温度域での動的弾性率を1.0〜1.0×
105N/cm2としたことによって、上記課題を解決で
きることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、上記動的弾性率
を「部材切断時における粘着剤層の温度域」で特定した
のは、部材切断時のブレード摩擦熱で粘着剤を硬化させ
ることによりダイシング時の切削抵抗を抑制しチップと
ブレードの干渉を抑えて上記チッピングを防止すると共
にチップ側面への糊の付着を抑制するものである。ま
た、この時の値を1.0〜1.0×105N/cm2に限
定したのは、あまりに低いと粘着剤が柔らかくなってダ
イシング時にチップ側面へのブレードによる糊の掻き上
げが生じ、あまりに高いと粘着剤が硬くなってダイシン
グ時に使用するブレードの磨耗量が増し経済的でないた
めである。該動的弾性率は、測定機RDA−II(レオメ
トリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)に
よって、周波数1Hzの条件下で温度を変化させて測定
したものである。なお、「部材切断時における粘着剤層
の温度域」は、粘着剤の種類やダイシングされる部材の
熱伝導率、ダイシング時に使用される冷却水の量等によ
って個々に異なるため、一概に言えないが、例えば、7
0〜150℃がある。
【0010】本発明にかかる部材固定用シートの粘着剤
として、23℃での弾性率を0.1〜10N/cm2
したのは、部材を固定する際に必要な特性であり、この
時の動的弾性率があまりに低いと再貼り合わせ時に該部
材に粘着剤の移行が生じ、あまりに高いと被着体として
の部材への濡れが進行しないため、チップを保持するた
めの十分な接着力が得られないためである。
【0011】本発明における粘着剤が紫外線硬化型又は
加熱硬化型であるのは、ダイシングした後の部材をピッ
クアップする前にその粘着力を低下させる必要があるた
めであり、また、ダイシング時に受ける熱によって上記
動的弾性率を得ることができる素材だからである。な
お、加熱硬化型のみならず紫外線硬化型をも採用してい
るのは、ダイシング時に受ける熱によって紫外線硬化型
開始剤でも粘着剤全体を硬化することができるためであ
る。
【0012】本発明で採用される粘着剤としては、ベー
スポリマ、紫外線硬化性化合物又は加熱重合性化合物、
紫外線硬化開始剤又は加熱重合開始剤等を配合したもの
が採用され、該ベースポリマとしては、一般に知られて
いるアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等を用いることが
できる。
【0013】該アクリル系粘着剤には、従来公知のアク
リル系粘着剤を適宜選択して使用でき、一般的には、ア
クリル酸エステル系を主たる構成単量体単位とする単独
重合体(主モノマ)及びコモノマとの共重合体から選ば
れたアクリル系共重合体、その他の官能性単量体(官能
基含有モノマ)との共重合体及びこれら重合体の混合物
がある。ここで、上記主モノマとしては、例えばエチル
アクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート等があり、上記コモノマとしては、酢酸
ビニル、アクリルニトリル、アクリルアマイド、スチレ
ン、メチルメタクリレート、メチルアクリレート等があ
る。また、上記官能基含有モノマとしては、メタクリル
酸、アクリル酸、イタコン酸、ヒドロキシエチルメタク
リレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、アクリルアマイド、メ
チロールアクリルアマイド、グリシジルメタクリレー
ト、無水マレイン酸等がある。
【0014】上記ゴム系粘着剤としては、例えば、天然
ゴム、合成イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、
スチレン・ブタジエンブロツク共重合体、スチレン・イ
ソプレンブロツク共重合体、ブチルゴム、ポリイソブチ
レン、ポリブタジエン、ポリビニルエーテル、シリコー
ンゴム、ポリビニルイソブチルエーテル、クロロプレン
ゴム、ニトリルゴム、クラフトゴム、再生ゴム、スチレ
ン・エチレン・ブチレン・ブロツクコポリマ、スチレン
・プロピレン・ブチレン・ブロツクコポリマ、スチレン
・イソプレン・ブロツクポリマ、アクリロニトリル・ブ
タジエン共重合体、アクリロニトリル・アクリルエステ
ル共重合体、メチル・メタアクリレート・ブタジエン共
重合体、ポリイソブチレン・エチレン・プロピレン共重
合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリイソブチレン
・シリコンゴム、ポリビニルイソブチルエーテル・クロ
ロプレン等があり、これらの単独物のみならず混合物で
あってもよい。
【0015】前記ゴム系粘着剤には粘着力を高めるた
め、粘着付与樹脂を加えることが好ましい。この粘着付
与樹脂としては、あまりに少ないとエラストマを主成分
とする粘着剤の粘着効果が出ず、あまりに多いと軟らか
くなりすぎて加熱をされても粘着力が低下しなくなるた
め、主剤(ゴム系粘着剤)100重量部に対して5〜1
00重量部配合するのが好ましく、さらに好ましくは1
0〜30重量部配合するのがよい。
【0016】該粘着付与樹脂としては、ロジン系樹脂、
テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹
脂、水添石油樹脂、クロマン・インデン樹脂、スチレン
系樹脂、アルキルフエノール樹脂、キシレン樹脂等の単
独物又は混合物があり、エラストマとの相溶性を考慮す
るとテルペン系樹脂が好ましい。上記ロジン系樹脂とし
ては、ロジン、重合ロジン、水添ロジン、ロジンエステ
ル、水添ロジンエステル、ロジン変成フエノール樹脂等
があり、上記テルペン系樹脂としては、テルペン樹脂、
テルペンフエノール樹脂、芳香族変成テルペン樹脂、ロ
ジンフエノール樹脂等がある。また、上記水添石油樹脂
としては、芳香族系のもの、ジシクロペンンタジエン系
のもの、脂肪族系のもの等がある。
【0017】上記紫外線硬化性化合物としては、具体的
には2個以上の官能基を有する官能性の紫外線及び加熱
硬化物がよく、例えばアクリレート系化合物、ウレタン
アクリレート、ウレタンアクリレート系オリゴマ及び/
又はモノマ、エポキシアクリレート、ポリエステルアク
リレート等の単体又は混合系がある。
【0018】前記アクリレート系化合物としては、例え
ばトリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメ
チロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリト
ールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラア
クリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペ
ンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポ
リエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステル
アクリレート等がある。
【0019】前記ウレタンアクリレートとしては、例え
ばポリエステルウレタンアクリレート、ポリエーテルウ
レタンアクリレート、4官能ウレタンアクリレート、6
官能ウレタンアクリレート等がある。
【0020】前記ウレタンアクリレート系オリゴマは、
炭素−炭素二重結合を少なくとも二個以上有する紫外線
及び加熱硬化性化合物であり、例えばポリエステル型又
はポリエーテル型等のポリオール化合物と、多価イソシ
アネート化合物例えば2,4−トリレンジイソシアナー
ト、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシ
リレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシ
アナート、ジフエニルメタン4,4−ジイソシアナート
等を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプ
レポリマに、ヒドロキシル基を有するアクリレートある
いは、メタクリレート例えば2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレ
ート、ポリエチレングリコールメタクリレート等を反応
させて得られるものがある。
【0021】また、前記ウレタンアクリレート系オリゴ
マを採用する場合、特に限定するわけではないが、分子
量300〜30000のものを粘着剤層に用いると、半
導体ウエハ表面が粗くてもチツプのピツクアツプ時に粘
着剤がチツプに付着することがない。
【0022】上記エポキシアクリレートとしては、エポ
キシ基とアクリル酸又はメタクリル酸との反応によって
合成されるものであり、ビスフェノールA型、ビスフェ
ノールS型、ビスフェノールF型、エポキシ油化型、フ
ェノールノボラック型、脂環型等がある。
【0023】上記ポリエステルアクリレートとしては、
ジオール、ポリオールと2塩基酸より合成したポリエス
テル骨格に残ったOH基に、アクリル酸を縮合してアク
リレートにしたものであり、例えば無水フタル酸/プロ
ピレンオキサイドジオール/アクリル酸、アジピン酸/
1,6−ヘキサンジオール/アクリル酸、トリメリツト
酸/ジエチレングリコール/アクリル酸等がある。
【0024】本発明におけるオリゴマ及び/又はモノマ
の配合比は、あまりに多いと熱や光に敏感になり環境温
度や日常の光で硬化してしまい保存安定性が悪く、さら
には製品製造時の乾燥工程だけで硬化してしまい製品と
しての要求品質を得られなくなり、また、あまりに少な
いと硬化が遅く粘着力低下効率が悪くなるため、好まし
くは5〜900重量部、さらに好ましくは20〜200
重量部がよい。
【0025】本発明における紫外線硬化開始剤は、ダイ
シングされたチップをピックアップする前に粘着剤層全
体を硬化させてその粘着力を低下させるためのものであ
り、その配合比はあまりに多いと熱に敏感になり環境温
度の変化で硬化してしまい保存安定性が悪く、さらには
製品製造時の乾燥工程だけで硬化してしまい製品として
の要求品質を得られなくなり、あまりに少ないと硬化が
遅く作業効率が悪いため、好ましくは0.1〜10重量
部、さらに好ましくは0.5〜5重量部がよい。
【0026】上記紫外線硬化開始剤としては、具体的に
は、クロロアセトフエノン、ジエトキシアセトフエノ
ン、ヒドロキシアセトフエノン、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフエニルケトン、α−アミノアセトフエノン、
2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フエニル)−2
−モルホリノープロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−
2−メチル−1−フエニルプロパン−1−オン、1−
(4−イソプロピルフエニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフエニ
ル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オ
ン、混合光開始剤、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
フエニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ア
リルケトン含有光開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチ
ルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイ
ソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、
ベンゾインエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベン
ゾフエノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸
メチル、4−フエニルベンゾフエノン、ヒドロキシベン
ゾフエノン、アクリル化ベンゾフエノン、4−ベンゾイ
ル−4’−メチルジフエニルサルフアイド、3,3’−
ジメチル−4−メトキシベンゾフエノン、メチル−O−
ベンゾイルベンゾエート、チオキサンソン、2−クロル
チオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−
ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソ
ン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチ
ルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサン
ソン、α−アシルオキシムエステル、α−アシロキシム
エステル、アシルホスフインオキサイド、メチルフエニ
ルグリオキシレート、グリオキシエステル、3−ケトク
マリン、2−エチルアンスラキノン、カンフアーキノ
ン、ベンジル、9,10−フエナンスレンキノン、アン
スラキノン、ジベンゾスベロン、4’,4’’−ジエチ
ルイソフタロフエノン、ミヒラーケトン、環状光開始
剤、テトラメチルチウラムモノサルフアイド、3,
3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボ
ニル)ベンゾフエノン等がある。上記クロロアセトフエ
ノンとしては、4−フエノキシジクロロアセトフエノ
ン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフエノン、4−t
−ブチル−トリクロロアセトフエノン等がある。
【0027】また、上記紫外線硬化開始剤には、必要に
応じて光開始助剤を配合しても良い。
【0028】該光開始助剤としては、主として脂肪族、
芳香族アミンがあり、具体的にはトリエタノールアミ
ン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノール
アミン、n−ブチルアミン、N−メチルジエタノールア
ミン、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ミヒラー
ケトン、4,4’−ジエチルアミノフエノン、4,4’
−ジエチルアミノベンゾフエノン、2−ジメチルアミノ
安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、
4−ジメチルアミノ安息香酸(nブトキシ)エチル、4
−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルア
ミノ安息香酸2−エチルヒキシル、重合性3級アミン、
トリエチルアミン、テトラエチルペンタアミン、ジメチ
ルアミノエーテル等がある。
【0029】紫外線硬化を開始するためには、紫外線照
射が必要になる。この紫外線照射量は、紫外線硬化開始
剤や紫外線硬化性化合物の種類によって異なるが、例え
ば20〜500mJ/cm2(365nm)の範囲が好
ましく、さらに好ましくは50〜150mJ/cm
2(365nm)の範囲がよい。これはあまりに少ない
と紫外線照射による凝集力向上が図れず、粘着力が低下
しないため切断されたチップをピックアップする際にピ
ックアップ不良を発生させることとなり、あまりに多い
と紫外線照射ラインの速度が遅くなり生産性が悪くなる
ためである。
【0030】一方、本発明における上記加熱重合性化合
物は、加熱された加熱重合開始剤によって三次元網状化
し、粘着剤全体の凝集力を高める(動的弾性率の値を高
める)ものである。三次元網状化しうる分子内に重合性
炭素−炭素二重結合を少なくとも二個以上有する低分子
量化合物が好ましく、具体的にはアクリレート系化合
物、ウレタンアクリレート、ウレタンアクリレート系オ
リゴマ及び/又はモノマ、エポキシアクリレート、ポリ
エステルアクリレートウレタン等の単体又は混合系があ
る。また、該加熱重合性化合物にあっては、特に限定す
るわけではないが、300〜30000の分子量のもの
がよい。
【0031】前記アクリレート系化合物としては、例え
ばトリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメ
チロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリト
ールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラア
クリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペ
ンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポ
リエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステル
アクリレート等がある。
【0032】前記ウレタンアクリレートとしては、例え
ばポリエステルウレタンアクリレート、ポリエーテルウ
レタンアクリレート、4官能ウレタンアクリレート、6
官能ウレタンアクリレート等がある。
【0033】該ウレタンアクリレート系オリゴマは、炭
素−炭素二重結合を少なくとも二個以上有する加熱重合
性化合物であり、例えば、ポリエステル型又はポリエー
テル型等のポリオール化合物と、多価イソシアネート化
合物、例えば(2,4−トリレンジイソシアナート、
2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレ
ンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナ
ート、ジフエニルメタン4,4−ジイソシアナート等)
を反応させて得られる端末イソシアナートウレタンプレ
ポリマに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるい
はメタクリレート(例えば2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレー
ト、ポリエチレングリコールメタクリレート等)を反応
させて得られるものがある。
【0034】上記エポキシアクリレートとしては、エポ
キシ基とアクリル酸又はメタクリル酸との反応によって
合成されるものであり、ビスフエノールA型、ビスフエ
ノールS型、ビスフエノールF型、エポキシ油化型、フ
エノールノボラツク型、脂環型等がある。
【0035】上記ポリエステルアクリレートは、ジオー
ル、ポリオールと2塩基酸より合成したポリエステル骨
格に残ったOH基に、アクリル酸を縮合してアクリレー
トにしたものであり、例えば無水フタル酸/プロピレン
オキサイドジオール/アクリル酸、アジピン酸/1,6
−ヘキサンジオール/アクリル酸、トリメリツト酸/ジ
エチレングリコール/アクリル酸等がある。
【0036】本発明における上記加熱重合開始剤は、加
熱を受けた際に上記加熱重合性化合物と反応点での結合
を増やすことにより粘着剤層全体の凝集力を高めるため
のものであり、この配合比はあまりに少ないと硬化が遅
く作業性に劣り、あまりに多いと未反応の開始剤が残り
汚染が生じてしまうため、好ましくは0.1〜10重量
部、さらに好ましくは1〜5重量部がよい。
【0037】該加熱重合開始剤としては、有機過酸化物
誘導体、アゾ系重合開始剤があり、アゾ系重合開始剤は
加熱時に窒素が発生するため有機過酸化物誘導体の方が
好ましい。該加熱重合開始剤の具体的な例としては、ケ
トンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパ
ーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパ
ーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカー
ボネート、アゾビスイソブチロニトリル等がある。ま
た、必要に応じてトリエチルアミン、テトラエチルペン
タアミン、ジメチルアミノエーテル等のアミン化合物を
重合促進剤として併用しても良い。
【0038】上記粘着剤層には、初期粘着力を任意に設
定するために、必要に応じて硬化剤を配合することがで
きる。該硬化剤の採用により、粘着剤として凝集力を高
め、紫外線照射前の状態でも貼り合わせ時の汚染(一旦
粘着させた半導体ウエハをシートから剥離した際に、該
半導体ウエハにシートの粘着剤が残る状態)が生じず、
再剥離性を得ることができる。また、該硬化剤は、あま
りに少ないと前記汚染防止機能を発揮し得ず、あまりに
多いと初期粘着力が低くなりダイシング時にチツプが飛
んだりするため、該硬化剤は0.05〜30重量部、好
ましくは1.0〜5.0重量部配合するのがよい。
【0039】該硬化剤としては、イソシアネート系、エ
ポキシ系、アジリジン系等のもの等があり、これらの単
独物のみならず混合物であってもよい。上記イソシアネ
ートとしては、多価イソシアネート化合物、例えば2,
4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイ
ソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、
1,4−キシレンジイソシアナート、ジフエニルメタン
−4,4’−ジイソシアナート、ジフエニルメタン−
2,4’−ジイソシアナート、3−メチルジフエニルメ
タンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、イソホロンジイソシアナート、ジシクロキシシルメ
タン−4,4’−ジイソシアナート、ジシクロヘキシル
メタン−2,4’−ジイソシアナート、リジンイソシア
ナート、フエニレンジイソシアネート、トリレンジイソ
シアネート、ジフエニルメタジイソシアネート、シクロ
ヘキサンジイソシアネート等がある。
【0040】本発明にかかる部材固定用シートで積層さ
れる粘着剤は、一般に3〜70μmの厚みで形成され
る。これはあまりに厚いと硬化が遅くなったり、硬化が
頭打ちになり、あまりに薄いと粘着力を高く設定できな
いためである。また、該粘着剤には従来公知の充填剤、
老化防止剤、軟化剤、安定剤若しくは着色剤などを適宜
選択して添加することができる。
【0041】本発明で採用されるシート状の支持体は、
部材固定用シートの支持体として使用される従来公知の
合成樹脂を採用でき、上記粘着剤層に紫外線硬化組成物
等を配合する場合には支持体側からの紫外線を粘着剤層
にまで届かせる必要があるため紫外線透過性のシートで
ある必要がある。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリブ
テン、ポリブタジエン、ポリウレタン、エチレン−酢酸
ビニルコポリマ、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等の単独層、複合層又は複数層
を採用できる。なお、該支持体の厚みは10〜500μ
mの範囲内から選択される。
【0042】本発明にかかる部材固定用シートは、必要
に応じて粘着剤上にポリエチレンラミネート紙、剥離処
理プラスチックフィルム等の剥離紙又は剥離シートを密
着させて保存される。
【0043】本発明にあっては、シート状の支持体と、
該支持体の表面に積層された紫外線硬化型又は加熱硬化
型の粘着剤層を有し、該粘着剤層の粘着力で固定された
部材を切断する部材固定用シートにおいて、上記粘着剤
層の23℃における動的弾性率を0.1〜10N/cm
2とし、前記部材切断時における粘着剤層の温度域での
動的弾性率を1.0〜1.0×105N/cm2としたこ
とを特徴とし、これにより半導体ウエハ等の該部材をダ
イシング(チップ状に切断)した際のブレード摩擦熱に
より粘着剤のダイシングラインのみを硬化させ、チッピ
ング(部材のチップに部分欠けを生じさせること)を防
止でき、歩留りの向上が図れた。
【0044】
【実施例】本発明にかかる部材固定用シートの各実施例
を比較例と比較しつつ表1を用いて詳細に説明する。
【0045】
【表1】
【0046】表1における「動的弾性率」は、周波数1H
zの条件下で測定機RDA−II(レオメトリック・サイ
エンティフィック・エフ・イー社製)で測定したもので
あり、徐々に加熱した際の各温度(23℃、130℃)
での値(単位;N/cm2)である。
【0047】表1の特性値における「チッピング」は部材
固定用シート上に直径6インチ、厚さ400μmのシリ
コンウエハを貼り付けてから20分後に3.8mm×
7.0mm角チップへフルカットしたチップを200倍
の顕微鏡で観察し、任意に抽出したサンプル30個すべ
てに15μm以上の大きさの欠けが1個も無かった場合
を〇、そうでない場合を×とした。
【0048】表1の特性値における「糊付着」は上記フル
カットしたチップの側面に糊が1つも付着していなかっ
た場合を○、そうでない場合を×とした。
【0049】表1の特性値における「チップ飛び」は、上
記フルカットしたダイシング時にチップ飛びが一つもな
いものを○、チップ飛びが一つでも発生したものを×と
した。
【0050】表1の特性値における「ブレード磨耗」は上
記フルカットした際のブレード磨耗量が30μm未満を
○、30μm以上を×とした。
【0051】表1の特性値における「再貼合時の糊残り」
は、一旦部材としての半導体ウエハを部材固定用シート
の粘着層に積層させてから剥がした際、該部材に該粘着
剤が移行したのを目視して見つけたのを×、そうでない
ものを○とした。
【0052】実施例1にかかる部材固定用シートは、厚
さ100μmのポリオレフィン製シート状支持体と、該
支持体上に積層された厚さ10μmの粘着剤層からなる
ものである。ここで、該粘着剤層は、ベースポリマにア
クリル系ポリマ100重量部の他、紫外線硬化性樹脂と
して6官能性ウレタンアクリレートオリゴマ100重量
部、紫外線硬化開始剤としてベンゾインイソプロピルエ
ーテル8重量部、硬化剤として2,4−トリレンジイソ
シアナート3重量部を備えたものであり、23℃におけ
る動的弾性率が5N/cm2、130℃における動的弾
性率が5×103N/cm2となるものである。
【0053】比較例1、2の部材固定用シートは、実施
例1の硬化剤を0重量部、40重量部とした以外は該実
施例1と同様に製造したものであり、比較例3、4の部
材固定用シートは、実施例1の紫外線硬化性樹脂として
6官能性ウレタンアクリレートオリゴマを4重量部、9
50重量部とした以外は該実施例1と同様に製造したも
のである。
【0054】23℃における動的弾性率があまりに低い
比較例1では再貼合時の糊残りが生じ、あまりに高い比
較例2ではチップ飛びが生じた。また、130℃におけ
る動的弾性率があまりに低い比較例3では糊付着が生
じ、あまりに高い比較例4ではブレード摩耗が生じた。
【0055】
【発明の効果】本発明にかかる半導体ウエハ固定用シー
トは、シート状の支持体と、該支持体の表面に積層され
た紫外線硬化型又は加熱硬化型の粘着剤層を有し、該粘
着剤層の粘着力で固定された部材を切断する部材固定用
シートにおいて、上記粘着剤層の23℃における動的弾
性率を0.1〜10N/cm2とし、前記部材切断時に
おける粘着剤層の温度域での動的弾性率を1.0〜1.
0×105N/cm2とし、これによりチッピング(切削
抵抗によるチップとブレードの干渉によってチップの一
部が欠けてしまう現象)を防止し、該ダイシングのブレ
ードの摩耗が少ないと共にブレードにより掻き上げられ
た粘着剤がダイシングされたチップ側面に付着せず、さ
らに再貼り合わせ時の粘着剤の移行がない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 九津見 正信 神奈川県鎌倉市台2丁目13番1号 東洋化 学株式会社内 (72)発明者 久米 雅士 神奈川県鎌倉市台2丁目13番1号 東洋化 学株式会社内 Fターム(参考) 4J004 AA05 AA07 AA10 AA13 AA14 AB05 AB07 CA04 CA05 CA06 CC03 FA05

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状の支持体と、該支持体の表面に
    積層された紫外線硬化型又は加熱硬化型の粘着剤層を有
    し、該粘着剤層の粘着力で固定された部材を切断する部
    材固定用シートにおいて、上記粘着剤層の23℃におけ
    る動的弾性率を0.1〜10N/cm2とし、前記部材
    切断時における粘着剤層の温度域での動的弾性率を1.
    0〜1.0×105N/cm2としたことを特徴とする部
    材固定用シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005229040A (ja) * 2004-02-16 2005-08-25 Denki Kagaku Kogyo Kk 半導体基盤固定用粘着シート

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