JP2002071017A - シンクロメッシュ式トランスミッションのための変速装置 - Google Patents

シンクロメッシュ式トランスミッションのための変速装置

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JP2002071017A
JP2002071017A JP2000258476A JP2000258476A JP2002071017A JP 2002071017 A JP2002071017 A JP 2002071017A JP 2000258476 A JP2000258476 A JP 2000258476A JP 2000258476 A JP2000258476 A JP 2000258476A JP 2002071017 A JP2002071017 A JP 2002071017A
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transmission
drive signal
gear
rotation speed
control
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JP2000258476A
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Ryuji Choshi
竜二 調子
Mitsutoshi Kamiya
充俊 神谷
Yoshie Miyazaki
剛枝 宮崎
Yoshiyuki Aoyama
義幸 青山
Yoshihiro Ichikawa
義裕 市川
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Aisin AI Co Ltd
Original Assignee
Aisin AI Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気的に制御されるアクチュエータによりシン
クロメッシュ式のトランスミッションの変速比を変化さ
せる変速装置において、一回の同期に実際に費やされる
時間が複数回の同期の間において安定するようにアクチ
ュエータを制御する。 【解決手段】同期のためにアクチュエータに逐次供給す
べき駆動信号Sを、同期制御中の各時期におけるトラン
スミッションのインプットシャフトの回転数である入力
回転数Ninの目標値である目標入力回転数N
in と、それと実質的に同じ各時期における入力回転
数Ninの実際値である実際入力回転数Nin との差
である入力回転数差ΔNinに基づき、その後における
入力回転数差ΔN が0に近づくように決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気的に制御され
るアクチュエータによりシンクロメッシュ式のトランス
ミッションの変速比を変化させる技術に関するものであ
り、特に、そのアクチュエータの制御に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車両において動力源の回転を駆動車輪に
伝達するトランスミッションの形式としてシンクロメッ
シュ式が既に存在する。この形式のトランスミッション
においては、動力源から駆動車輪までの力伝達系に滑り
要素が存在しない。そのため、この形式のトランスミッ
ションには、オートマチック式のトランスミッションと
は異なり、運転者のアクセル操作に対して駆動車輪が敏
感に応答し、応答性の高い運転フィーリングが得られる
という利点や、燃料消費量が減少し、省エネに貢献する
という利点がある。
【0003】それらの利点を享受するとともに、運転者
による変速操作を従来のマニュアル式トランスミッショ
ンにおけるより簡単なものにするために、電気的に制御
されるアクチュエータによりシンクロメッシュ式のトラ
ンスミッションの変速比を変化させる技術が既に提案さ
れている。その一例を採用した変速装置が本出願人の特
開2000−46176号公報に開示されている。
【0004】この変速装置と共に使用されるトランスミ
ッションは、各ギヤ対が常時噛み合わされるとともにギ
ヤ比が互いに異なる複数のギヤ対のいずれかを有効ギヤ
対として選択するために同期装置を備えている。その同
期装置は、ギヤ対の一方が遊動ギヤとして相対回転可能
に装着されたシャフトに対して相対回転不能かつ軸方向
に相対移動可能なスリーブと、遊動ギヤに対して相対回
転可能かつ軸方向に相対移動可能なシンクロナイザリン
グとを備えている。同期装置は、作動状態では、スリー
ブを軸方向に移動させてそのスリーブをシンクロナイザ
リングに当接させ、それにより、そのシンクロナイザリ
ングを、遊動ギヤに対して相対回転不能な摩擦面に押し
付けてその遊動ギヤとスリーブとの同期を行うととも
に、その同期が完了するまで、スリーブに対して相対回
転不能なクラッチが遊動ギヤに対して相対回転不能なク
ラッチに噛み合うことを邪魔するボークを行う。
【0005】そして、この変速装置は、外部からの信号
に応じて電気的に制御されることにより、スリーブを軸
方向に移動させるために荷重を発生させるアクチュエー
タと、車両の運転者の意思とその車両の状態とトランス
ミッションの状態との少なくとも一つに基づいてそのト
ランスミッションの変速比を変化させるためにアクチュ
エータに駆動信号を供給して制御する制御装置とを備え
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この種の変速装置にお
いては、車両走行中にトランスミッションの変速作動が
運転者に違和感を生じさせない状態で行われることが要
望される。そして、この要望を満たすための一対策とし
て、トランスミッションにおいて一回の同期が開始して
から完了するまでの経過時間である同期時間を精度よく
制御し、それにより、複数回の同期の間において実際の
同期時間を安定させることが考えられる。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】このよ
うな知見に基づき、本発明は、一回の同期に実際に費や
される時間が複数回の同期の間において安定するように
アクチュエータを制御することを課題としてなされたも
のであり、本発明によって下記各態様が得られる。各態
様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付
し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載す
る。これは、本明細書に記載の技術的特徴のいくつかお
よびそれらの組合せのいくつかの理解を容易にするため
であり、本明細書に記載の技術的特徴やそれらの組合せ
が以下の態様に限定されると解釈されるべきではない。
【0008】(1) 車両において動力源の回転を駆動車
輪に伝達するシンクロメッシュ式トランスミッションで
あって、各ギヤ対が常時噛み合わされるとともにギヤ比
が互いに異なる複数のギヤ対のいずれかを有効ギヤ対と
して選択するために同期装置を備えており、かつ、その
同期装置が、(a)前記ギヤ対の一方が遊動ギヤとして
相対回転可能に装着されたシャフトに対して相対回転不
能かつ軸方向に相対移動可能なスリーブと、前記遊動ギ
ヤに対して相対回転可能かつ軸方向に相対移動可能なシ
ンクロナイザリングとを備え、かつ、(b)作動状態で
は、前記スリーブを軸方向に移動させてそのスリーブを
前記シンクロナイザリングに当接させ、それにより、そ
のシンクロナイザリングを、前記遊動ギヤに対して相対
回転不能な摩擦面に押し付けてその遊動ギヤと前記スリ
ーブとの同期を行うものであるトランスミッションと共
に使用され、そのトランスミッションの変速比を変化さ
せる変速装置であって、外部からの信号に応じて電気的
に制御されることにより、前記スリーブを前記軸方向に
移動させるために荷重を発生させるアクチュエータと、
前記車両の運転者の意思とその車両の状態と前記トラン
スミッションの状態との少なくとも一つに基づいてその
トランスミッションの変速比を変化させるために前記ア
クチュエータに駆動信号を供給して制御する制御装置で
あって、前記同期のための同期制御中の各時期における
前記遊動ギヤと前記スリーブとの相対回転数の目標値で
ある目標相対回転数と、それと実質的に同じ各時期にお
ける前記相対回転数の実際値である実際相対回転数との
差である相対回転数差に基づき、その後における相対回
転数差が0に近づくように前記駆動信号を逐次決定する
駆動信号決定手段を有するものとを含むシンクロメッシ
ュ式トランスミッションのための変速装置[請求項
1]。トランスミッションにおいては、同期が進行する
につれて、遊動ギヤとスリーブとの相対回転数が0に接
近し、0に一致したときに同期が完了する。したがっ
て、同期が開始してから完了するまでの経過時間である
同期時間の目標値が実現されるように、同期制御中の各
時期において遊動ギヤとスリーブとの相対回転数が取る
ことが適当である値を目標相対回転数として決定するこ
とが可能である。さらに、このようにして決定された目
標相対回転数が実現されるようにアクチュエータを制御
すれば、同期時間の実際値が目標値に精度よく一致する
ことになる。このように、同期制御中の各時期における
相対回転数に着目することにより、同期時間を精度よく
制御することが可能なのである。このような知見に基づ
き、本項に係る変速装置においては、同期制御中の各時
期における目標相対回転数と、それと実質的に同じ各時
期における実際相対回転数との差である相対回転数差に
基づき、その後における相対回転数差が0に近づくよう
に駆動信号が決定される。したがって、この変速装置に
よれば、同期時間の実際値を目標値に精度よく一致させ
ることが容易になる。本項において「動力源」は、エン
ジン(内燃機関)としたり、電動モータとしたり、エン
ジンと電動モータとの双方とすることができる。本項に
おいて「制御装置」は、運転者の意思を検出するセンサ
のうち運転者の変速に関する意思を検出するセンサ、例
えば、シフトレバー等の変速操作部材の操作を検出する
センサからの出力信号を主体にアクチュエータを制御す
る形式とすることができる。さらに、「制御装置」は、
運転者の意思を検出するセンサのうち運転者の車両加減
速に関する意思を検出するセンサ、例えば、アクセルペ
ダル等の加速操作部材の操作を検出するセンサと、車両
の状態、例えば、車両速度、動力源の回転数を検出する
センサとからの出力信号を主体にアクチュエータを制御
する形式とすることができる。シンクロメッシュ式トラ
ンスミッションを備えた車両においては、一般に、それ
の動力源とそのトランスミッションとの間にそれらの断
続を行うクラッチが搭載される。このクラッチには、運
転者により直接に作動させられる手動式と、電気的に制
御されるアクチュエータにより作動させられる自動式と
がある。自動式のクラッチを採用する場合には、例え
ば、本項の「制御装置」を、スリーブを制御するアクチ
ュエータと連動してそのクラッチのアクチュエータをも
制御する形式とすることができる。本項において「同期
装置」は、同じトランスミッションにおいて少なくとも
一つ使用される。また、同じ「同期装置」は、一般に、
2つのギヤ対のいずれかを有効ギヤ対として選択するよ
うに構成される。さらに、本項において「アクチュエー
タ」は、モータ等、電気的な駆動源からの力を、その駆
動源またはそれに接続された制御機器を電気的に制御す
ることによって制御する電気的駆動源利用式としたり、
ポンプ、アキュムレータ等、圧力を発生させる圧力源か
らの圧力を、その圧力源またはそれに接続された電磁バ
ルブ等の制御機器を電気的に制御することによって制御
する圧力源利用式とすることができる。さらにまた、本
項に係る変速装置は、前記シャフトが前記駆動車輪に、
前記ギヤ対のうち前記遊動ギヤでない非遊動ギヤが前記
動力源にそれぞれ連結されるトランスミッションと共に
使用可能であり、また、シャフトが動力源に、非遊動ギ
ヤが駆動車輪にそれぞれ連結されるトランスミッション
と共に使用可能である。 (2) 前記駆動信号決定手段が、前記同期の開始時期
における前記相対回転数である初期相対回転数に基づ
き、前記同期制御中の各時期における前記目標相対回転
数を決定する目標相対回転数決定部を含む(1)項に記
載のシンクロメッシュ式トランスミッションのための変
速装置[請求項2]。同期制御中において実際相対回転
数が時間と共に変化すべきパターン、例えば、直線であ
るのか、特定の曲線であるのかを予め設定し、さらに、
同期時間の目標値を予め設定すれば、同期の開始時期に
おける相対回転数である初期相対回転数から、その同期
制御中において実際相対回転数が逐次取るべき値を取得
可能である。すなわち、同期制御中の各時期における目
標相対回転数を取得可能なのである。このような知見に
基づき、本項に記載の変速装置においては、初期相対回
転数に基づき、同期制御中の各時期における目標相対回
転数が決定される。 (3) 前記制御装置が、各回の同期制御において単位
制御を繰返し実行するものであり、前記駆動信号決定手
段が、その単位制御ごとに前記駆動信号を決定するため
に、初回の単位制御において、前記同期の開始時期にお
ける前記相対回転数である初期相対回転数と前記駆動信
号との間に設定された関係に従い、その初回の単位制御
において前記アクチュエータに供給すべき駆動信号を決
定する第1信号決定部と、2回目以後の各回の単位制御に
おいて、前回の単位制御において前記アクチュエータに
供給された駆動信号を、今回の単位制御の実行前におけ
る前記相対回転数差に基づき、その今回の単位制御の実
行によって相対回転数差が0に近づくこととなるように
補正することにより、その今回の単位制御において前記
アクチュエータに供給すべき駆動信号を決定する第2信
号決定部とを含み、かつ、前記制御装置が、さらに、そ
れら第1および第2信号決定部により決定された駆動信
号を前記アクチュエータに供給する駆動信号供給手段を
含む(1)または(2)項に記載のシンクロメッシュ式
トランスミッションのための変速装置[請求項3]。前
記(1)または(2)項に係る変速装置は、各回の同期
制御において単位制御が繰返し実行されるとともに単位
制御ごとに駆動信号が決定される場合に、各回の単位制
御における駆動信号を、前回の単位制御における駆動信
号の適否を反映した相対回転数差のみに基づいて決定す
る態様で実施することが可能である。ところで、一般の
シンクロメッシュ式トランスミッションにおいては、理
論的に、同期の開始時期における遊動ギヤとスリーブと
の相対回転数である初期相対回転数と、その同期が開始
してから完了するまでの経過時間である同期時間と、ア
クチュエータからスリーブに付与される荷重であるスリ
ーブ荷重との間に一定の関係が成立する。このことは
[発明の実施の形態]の欄において詳述する。したがっ
て、例えば、ある長さの同期時間を目標同期時間に選定
すれば、その条件のもとに、初期相対回転数に対応する
スリーブ荷重が決定され、ひいては、その決定されたス
リーブ荷重を実現するためにアクチュエータに供給する
ことが適当な駆動信号も決定される。このように、初期
相対回転数は、一回の同期制御全体における駆動信号の
基準値を適正に決定するために有効な物理量なのであ
る。このような知見に基づき、本項に係る変速装置にお
いては、相対回転数差のみならず、初期相対回転数にも
基づいて駆動信号が決定される。具体的には、初回の単
位制御においては、初期相対回転数と駆動信号との間に
設定された関係に従い、その初回の単位制御においてア
クチュエータに供給すべき駆動信号が決定される。2回
目以後の各回の単位制御においては、前回の単位制御に
おいてアクチュエータに供給された駆動信号が、今回の
単位制御の実行前における相対回転数差に基づき、その
今回の単位制御の実行によって相対回転数差が0に近づ
くこととなるように補正されることにより、その今回の
単位制御においてアクチュエータに供給すべき駆動信号
が決定される。したがって、この変速装置によれば、前
回の単位制御における駆動信号の適否を反映した相対回
転数差のみならず、一回の同期制御全体における駆動信
号の基準値を適正に決定するために有効な初期相対回転
数をも考慮して駆動信号が決定される。よって、この変
速装置によれば、初期相対回転数を考慮しないで相対回
転数差のみに基づいて駆動信号を決定してアクチュエー
タに供給する場合に比較して、同期制御中において実際
相対回転数をより迅速に目標相対回転数に追従させ得、
実際相対回転数の制御精度を容易に向上させ得る。 (4) 前記制御装置が、さらに、各回の同期制御に先
立ち、前回の同期制御における前記相対回転数差と前記
駆動信号との少なくとも一方に基づき、前記関係の補正
を、その補正後の関係に基づく駆動信号によって相対回
転数差が0に近づくように行う関係補正手段を含む
(3)項に記載のシンクロメッシュ式トランスミッショ
ンのための変速装置[請求項4]。前回の同期制御にお
ける相対回転数差は、その前回の同期制御における駆動
信号の誤差を反映し、また、その駆動信号は、その前回
の同期制御においてアクチュエータに実際に供給された
駆動信号を反映している。したがって、前回の同期制御
における相対回転数差と駆動信号との少なくとも一方を
考慮すれば、初期相対回転数と駆動信号との間に設定さ
れた関係の補正を、その補正後の関係に基づく駆動信号
によって相対回転数差が0に近づくように行い得る。こ
のような知見に基づき、本項に係る変速装置において
は、各回の同期制御に先立ち、前回の同期制御における
相対回転数差と駆動信号との少なくとも一方に基づき、
初期相対回転数と駆動信号との間に設定された関係の補
正が、その補正後の関係に基づく駆動信号によって相対
回転数差が0に近づくように行われる。したがって、こ
の変速装置によれば、各回の同期制御において駆動信号
の補正量の増加を回避しつつ実際相対回転数を目標相対
回転数に精度よく追従させることが容易になる。本項に
おいて「相対回転数差」は例えば、前回の同期制御全体
を代表する、その同期制御中のある時期における値とし
て取得したり、前回の同期制御全体における相対回転数
偏差の履歴として取得することができる。相対回転数偏
差の履歴は例えば、前回の同期制御における相対回転数
差の時間積分値または平均値として取得したり、前回の
同期制御において逐次取得された複数の相対回転数差の
合計値または平均値として取得することができる。ま
た、「駆動信号」は例えば、前回の同期制御全体を代表
する、その同期制御中のある時期における値として取得
したり、前回の同期制御全体における駆動信号の履歴と
して取得することができる。駆動信号の履歴は例えば、
前回の同期制御においてアクチュエータに供給された駆
動信号の値(またはレベル)の時間積分値または平均値
として取得したり、前回の同期制御においてアクチュエ
ータに逐次供給された複数の駆動信号の値(またはレベ
ル)の合計値または平均値として取得することができ
る。 (5) 前記関係補正手段が、各回の同期制御に先立
ち、前回の同期制御における前記入力回転数差と、その
前回の同期制御において前記アクチュエータに供給され
た実際の駆動信号と、前記第1信号決定部により前記初
期相対回転数と前記関係とに基づいて決定された駆動信
号との差との少なくとも一方に基づき、前記関係の補正
を、その補正後の関係に基づく駆動信号によって入力回
転数差が0に近づくように行うものである(4)項に記
載のシンクロメッシュ式トランスミッションのための変
速装置[請求項5]。この変速装置においては、各回の
同期制御に先立ち、前回の同期制御における入力回転数
差と、その前回の同期制御においてアクチュエータに供
給された実際の駆動信号と、前記第1信号決定部により
初期相対回転数と前記関係とに基づいて決定された駆動
信号との差(以下、「駆動信号の差」という。)との少
なくとも一方に基づき、前記関係が補正される。ここ
に、その駆動信号の差は、前回の同期制御における駆動
信号の誤差を表しており、同時に、前回の同期制御にお
いて前記第2信号決定部により駆動信号に対して加えら
れた補正の量、すなわち、フィードバック補正量をも表
している。したがって、この変速装置によれば、前回の
同期制御における入力回転数差と、前回の同期制御にお
ける駆動信号のフィードバック補正量との少なくとも一
方を考慮することにより、前記関係を精度よく補正し得
る。 (6) 前記シャフトが、前記駆動車輪に連結されてお
り、前記ギヤ対のうち前記遊動ギヤでない非遊動ギヤ
が、前記動力源に連結されており、前記駆動信号決定手
段が、前記同期制御中の各時期における前記遊動ギヤの
回転数の目標値である目標入力回転数と、それと実質的
に同じ各時期における前記遊動ギヤの回転数の実際値で
ある実際入力回転数との差である入力回転数差に基づ
き、その後における入力回転数差が0に近づくように前
記駆動信号を決定するものである(1)ないし(5)項
のいずれかに記載のシンクロメッシュ式トランスミッシ
ョンのための変速装置[請求項6]。前記(1)ないし
(5)項のいずれかに係る変速装置は、同期装置におけ
るシャフトが駆動車輪に連結されており、かつ、ギヤ対
のうち遊動ギヤでないギヤである非遊動ギヤが動力源に
連結されている状態でトランスミッションが使用される
態様で実施可能である。この実施態様においては、回転
の安定性という観点から駆動車輪と動力源とを対比すれ
ば、駆動車輪は定速回転させられる傾向が強いのに対
し、動力源はその傾向が弱い。したがって、駆動車輪に
は、スリーブに対して相対回転不能なシャフト、動力源
には、遊動ギヤと常時噛み合わされる非遊動ギヤがそれ
ぞれ連結されている場合には、スリーブと遊動ギヤとの
相対回転数の時間的変化は、遊動ギヤの時間的変化と一
致する傾向が強い。このような知見に基づき、本項に係
る変速装置においては、同期制御中の各時期における遊
動ギヤの回転数の目標値である目標入力回転数と、それ
と実質的に同じ各時期における遊動ギヤの回転数の実際
値である実際入力回転数との差である入力回転数差に基
づき、その後における入力回転数差が0に近づくように
駆動信号が決定される。したがって、この変速装置によ
れば、目標入力回転数、実際入力回転数および入力回転
数差で、前記(1)ないし(5)項のいずれかにおける
目標相対回転数、実際相対回転数および相対回転数差を
それぞれ代替することにより、前記(1)ないし(5)
項のいずれかに係る変速装置を実施可能である。 (7) 前記駆動信号決定手段が、前記初期相対回転数
に基づき、前記同期制御中の各時期における前記目標入
力回転数を決定する目標入力回転数決定部を含む(6)
項に記載のシンクロメッシュ式トランスミッションのた
めの変速装置。この変速装置によれば、目標入力回転数
で、前記(2)項における目標相対回転数を代替するこ
とにより、前記(2)項に係る変速装置を実施可能であ
る。 (8) 前記制御装置が、各回の同期制御において単位
制御を繰返し実行するものであり、前記駆動信号決定手
段が、その単位制御ごとに前記駆動信号を決定するため
に、初回の単位制御において、前記同期の開始時期にお
ける前記相対回転数である初期相対回転数と前記駆動信
号との間に設定された関係に従い、その初回の単位制御
において前記アクチュエータに供給すべき駆動信号を決
定する第1信号決定部と、2回目以後の各回の単位制御に
おいて、前回の単位制御において前記アクチュエータに
供給された駆動信号を、今回の単位制御の実行前におけ
る前記入力回転数差に基づき、その今回の単位制御の実
行によって入力回転数差が0に近づくこととなるように
補正することにより、その今回の単位制御において前記
アクチュエータに供給すべき駆動信号を決定する第2信
号決定部とを含み、かつ、前記制御装置が、さらに、そ
れら第1および第2信号決定部により決定された駆動信
号を前記アクチュエータに供給する駆動信号供給手段を
含む(6)または(7)項に記載のシンクロメッシュ式
トランスミッションのための変速装置。この変速装置に
よれば、入力回転数差で、前記(3)項における相対回
転数差を代替することにより、前記(3)項に係る変速
装置を実施可能である。 (9) 前記制御装置が、さらに、各回の同期制御に先
立ち、前回の同期制御における前記入力回転数差と前記
駆動信号との少なくとも一方に基づき、前記関係の補正
を、その補正後の関係に基づく駆動信号によって入力回
転数差が0に近づくように行う関係補正手段を含む
(8)項に記載のシンクロメッシュ式トランスミッショ
ンのための変速装置。この変速装置によれば、入力回転
数差で、前記(4)項における相対回転数差を代替する
ことにより、前記(4)項に係る変速装置を実施可能で
ある。 (10) 前記関係補正手段が、各回の同期制御に先立
ち、前回の同期制御における前記入力回転数差と、その
前回の同期制御において前記アクチュエータに供給され
た実際の駆動信号と、前記第1信号決定部により前記初
期相対回転数と補正前の前記関係とに基づいて決定され
た駆動信号との差との少なくとも一方に基づき、前記関
係の補正を、その補正後の関係に基づく駆動信号によっ
て入力回転数差が0に近づくように行うものである
(9)項に記載のシンクロメッシュ式トランスミッショ
ンのための変速装置。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な一
実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】図1には、本実施形態である変速装置のハ
ードウエア構成が概念的に示されている。この変速装置
は、動力源がエンジン(内燃機関)10である車両に搭
載されている。この車両においては、エンジン10のア
ウトプットシャフト(図示しない)がクラッチ12およ
びシンクロメッシュ式のトランスミッション14を経て
図示しない複数の駆動車輪に連結されている。
【0011】この車両は、それを加速させるために運転
者により操作されるアクセル操作部材としてのアクセル
ペダル20を備えている。この車両は、さらに、トラン
スミッション14を変速するために運転者により操作さ
れる変速操作部材としてのシフトレバー22を備えてい
る。
【0012】シフトレバー22は、トランスミッション
の変速が完全に手動により行われる車両においてその変
速のために運転者により操作されるシフトレバーと同じ
H字状パターンで操作されるように設計されている。し
たがって、シフトレバー22の変速操作は、車両前後方
向におけるシフト操作と、車両左右方向におけるセレク
ト操作とにより構成される。ただし、変速操作部材をそ
のようなシフトレバー22として構成することは本発明
を実施する際に不可欠なことではなく、例えば、運転者
により操作されるステアリングホイールに装着されたイ
ンクリメンタル式のスイッチとして構成することが可能
である。
【0013】トランスミッション14は、よく知られて
いるように、クラッチ12に接続されるインプットシャ
フト(図示しない)と、それと同軸のアウトプットシャ
フト26(図2参照)と、それらに平行に延びるカウン
タシャフト(図示しない)とを備えている。インプット
シャフトとカウンタシャフトとの間においては1つのギ
ヤ対により常時回転が伝達され、アウトプットシャフト
26とカウンタシャフトとの間においてはギヤ比が互い
に異なる複数のギヤ対のいずれかが有効ギヤ対として選
択されて回転が伝達される。その選択は複数の同期装置
により行われる。
【0014】図2には、1つの同期装置30が代表的に
示されている。この同期装置30は、イナーシャロック
型(ボーキング型ともいわれる)の一種であるボルグワ
ーナ式である。
【0015】同期装置30は、アウトプットシャフト2
6において、それと常時相対回転不能に装着されたクラ
ッチハブ32を備えている。そのクラッチハブ32の外
周部にはスリーブ34が、常時相対回転不能かつ軸方向
に移動可能に嵌合されている。スリーブ34の外周部に
は環状の溝36が形成されている。この溝36には図示
しない二股状のシフトフォークがスリーブ34を両側か
ら挟む姿勢で嵌合させられる。スリーブ34は、そのシ
フトフォークに対する相対回転が許容される状態でその
シフトフォークと共に軸方向に移動させられる。スリー
ブ34の内周部には複数の歯が周方向に並んで形成され
ている。それら複数の歯により、そのスリーブ34にお
いてクラッチ38が構成されている。
【0016】アウトプットシャフト26には、スリーブ
34を挟む2つの定位置においてそれぞれギヤAとギヤ
Bとが相対回転可能に装着されている。それらギヤAと
ギヤBとは共に、遊動ギヤとして機能するとともに、前
記カウンタシャフトに固定された各ギヤ(図示しない)
に常時噛み合わされている。
【0017】ギヤAの軸部のうちスリーブ34に近い部
分の外周部には、そのスリーブ34に近づくにつれて小
径となる円錐面を有するコーン42が形成されている。
すなわち、本実施形態においては、そのコーン42の円
錐面が請求項1における「摩擦面」の一例を構成してい
るのである。
【0018】そのコーン42には、それの円錐面を補完
する円錐面を有するシンクロナイザリング46が装着さ
れている。このシンクロナイザリング46の外周部には
複数の歯が周方向に並んで形成されている。それら複数
の歯は、スリーブ34のクラッチ38と選択的に噛み合
わされる。
【0019】ギヤAの軸部のうちコーン42に近い部分
の外周部にも複数の歯が形成されている。それら複数の
歯により、ギヤAにおいてクラッチ48が構成されてい
る。このクラッチ48は、スリーブ34のクラッチ38
と選択的に噛み合わされる。
【0020】クラッチハブ32とスリーブ34との間に
は複数のシフティングキー50が装着されている。それ
ら複数のシフティングキー50はクラッチハブ32の周
方向において互いに隔たった複数の定位置に保持されて
いる。シフティングキー50は、一定の幅を有してスリ
ーブ34の軸方向に延びている。シフティングキー50
は、それとクラッチハブ32との間に配置されたキース
プリング52により常時、スリーブ34の内周面に押し
付けられている。シフティングキー50はそれの外面に
形成された凸部において、スリーブ34の内面に形成さ
れた凹部に嵌合可能とされている。このような構造によ
り、スリーブ34が軸方向にスライドさせられる際、そ
のスリーブ34とシフティングキー50との間に作用す
る力が設定値を超えないために凹部が凸部の斜面を乗り
越えない状態では、それらスリーブ34とシフティング
キー50とが一体的に移動し、一方、上記力が設定値を
超えたために凹部が凸部の斜面を乗り越えた後には、シ
フティングキー50が置き去りにされてスリーブ34の
みが単独で移動させられる。
【0021】それら複数のシフティングキー50は常
時、シンクロナイザリング46にそれぞれ形成された複
数の凹部56に部分的に嵌り込んでいる。凹部56は、
一定の幅を有してシンクロナイザリング46の軸方向に
延びている。凹部56の幅寸法は、対応するシフティン
グキー50の幅寸法より少し長くされている。この寸法
設定により、スリーブ34とシンクロナイザリング46
との相対回転が一定範囲内で許容される。さらに、凹部
56の底面の位置は、スリーブ34もシンクロナイザリ
ング46も初期位置にある状態では、対応するシフティ
ングキー50の先端面との間にクリアランスが存在する
ように設定されている。このクリアランスは、シフティ
ングキー50がシンクロナイザリング46に接近するに
つれて減少し、やがて消滅する。この消滅状態では、シ
フティングキー50の軸力がシンクロナイザリング46
に伝達され、その結果、シンクロナイザリング46がコ
ーン42に押し付けられる。この押し付けにより、スリ
ーブ34とギヤAとの相対回転数が減少させられる。
【0022】シフティングキー50がシンクロナイザリ
ング46に当接した後にスリーブ34がさらに同じ向き
に移動させられれば、前述のように、スリーブ34のみ
が単独で移動させられ、それの歯の先端面においてシン
クロナイザリング46の歯の先端面に当接する。スリー
ブ34とギヤAとの相対回転数が実質的に0ではない状
態では、シフティングキー50と凹部56との幅方向ク
リアランスが消滅することにより、シンクロナイザリン
グ46がスリーブ34に対して自由に相対回転すること
が阻止される。そのため、スリーブ34のシンクロナイ
ザリング46へ向かう移動がそのシンクロナイザリング
46により邪魔される。スリーブ34がボーク状態にあ
るのである。しかし、それと同時に、スリーブ34がシ
ンクロナイザリング46をコーン42にさらに強く押し
付ける結果、やがてスリーブ34とギヤAとの相対回転
数が実質的に0に減少させられる。
【0023】その相対回転数が実質的に0である状態、
すなわち、同期完了状態においては、シンクロナイザリ
ング46とコーン42との間に摩擦力がほとんど発生せ
ず、そのため、シンクロナイザリング46がスリーブ3
4に対して自由に相対回転可能となる。したがって、そ
の後、スリーブ34の歯がシンクロナイザリング46の
歯を周方向に押し分けながら前進させられ、その結果、
スリーブ34の歯とシンクロナイザリング46の歯との
噛み合いが行われる。引き続いて、スリーブ34のクラ
ッチ38の歯がギヤAのクラッチ48の歯を周方向に押
し分けながら前進させられ、やがて、スリーブ34のク
ラッチ38がギヤAのクラッチ48に噛み合わされる。
【0024】ギヤAと同様に、ギヤBにも、コーン42
とクラッチ48とが形成されるとともに、そのコーン4
2にシンクロナイザリング46が装着されている。
【0025】そして、スリーブ34のクラッチ38の歯
がギヤA側のシンクロナイザリング46の歯とギヤAの
クラッチ48の歯とに噛み合わされている状態では、ギ
ヤAの回転がアウトプットシャフト26に伝達される。
この状態においては、ギヤAと、それと常時噛み合わさ
れた状態で前記カウンタシャフトと共に回転するギヤと
が「有効ギヤ対」を構成している。これに対して、スリ
ーブ34のクラッチ38の歯がギヤB側のシンクロナイ
ザリング46の歯とギヤBのクラッチ48の歯とに噛み
合わされている状態では、ギヤBの回転がアウトプット
シャフト26に伝達される。この状態においては、ギヤ
Bと、それと常時噛み合わされた状態で前記カウンタシ
ャフトと共に回転するギヤとが「有効ギヤ対」を構成し
ている。このように、ギヤAとギヤBとのうち回転がア
ウトプットシャフト26に伝達されるものがスリーブ3
4の移動に応じて変化させられ、その結果、トランスミ
ッション14の変速比も変化させられる。
【0026】この変速装置においては、トランスミッシ
ョン14の変速比の変化すなわち変速が自動的に行われ
る。この変速装置においては、複数の同期装置30の複
数のスリーブ34にそれぞれ係合させられる複数のシフ
トフォークが伝達機構を経てアクチュエータ装置に連結
されている。
【0027】アクチュエータ装置は、図1に示すよう
に、シフトレバー22のシフト操作に連動するシフトア
クチュエータ60と、セレクト操作に連動するセレクト
アクチュエータ62とを備えている。それらシフトアク
チュエータ60およびセレクトアクチュエータ62は、
前述の電気的駆動源利用式または圧力源利用式とするこ
とができる。
【0028】図3に示すように、伝達機構66は、複数
のスリーブ34の軸方向に平行に複数のシフトフォーク
から延びる複数のシフティングロッド68を備えてい
る。伝達機構66は、さらに、シフトアクチュエータ6
0の発生荷重をそれら複数のシフティングロッド68の
いずれかに伝達する伝達ロッド70を備えている。それ
ら複数のシフティングロッド68には複数の係合部72
がそれぞれ形成されており、それら複数の係合部72の
うち選択されたものに伝達ロッド70の係合部74が係
合させられる。係合部72の選択は、伝達ロッド70の
係合部74と複数のシフティングロッド68の複数の係
合部72との相対移動により行われ、その相対移動はセ
レクトアクチュエータ62により行われる。
【0029】クラッチ12は、よく知られた基本的な構
造により、エンジン10のアウトプットシャフトとトラ
ンスミッション14のインプットシャフトとを、それら
が互いに接続される接続状態と、互いに切断される切断
状態とに切り換える。この変速装置においては、そのク
ラッチ12の切換えも自動的に行われる。この自動切換
えは図1に示すクラッチアクチュエータ80により行わ
れる。クラッチアクチュエータ80も、シフトアクチュ
エータ60およびセレクトアクチュエータ62と同様
に、電気的駆動源利用式または圧力源利用式とすること
ができる。
【0030】それらクラッチアクチュエータ80、シフ
トアクチュエータ60およびセレクトアクチュエータ6
2は、図1に示す変速ECU(Electronic Control Uni
t)により制御される。その変速ECU82は、図4に
示すように、プロセッシングユニット(以下、「PU]
と略称する)84とリードオンリメモリ(以下、「RO
M」と略称する)86とランダムアクセスメモリ(以
下、「RAM」と略称する)88とがバス90により互
いに接続されたコンピュータ92を主体として構成され
ている。PU84は、ROM86に記憶されている複数
のプログラムを一括して一つのプロセッサにより実行す
る形式としたり、それら複数のプログラムを複数のプロ
セッサにより個々に実行する形式とすることができる。
【0031】図1に示すように、その変速ECU82の
入力部には、車両に対する運転者の意思を検出するため
の複数のセンサが接続されている。それら複数のセンサ
は、シフトレバー22の操作位置を検出するシフト位置
センサ94と、アクセルペダル20の操作位置を検出す
るペダル位置センサ96とを含んでいる。
【0032】変速ECU82の入力部には、さらに、ト
ランスミッション14の作動状態を検出するための複数
のセンサが接続されている。それら複数のセンサは、ス
リーブ34の移動位置を直接にまたは間接に検出する位
置センサ98(例えば、シフティングロッド68、伝達
ロッド70または前記シフトフォークの移動位置をスリ
ーブ34の位置として検出するセンサ)と、スリーブ3
4に作用するスリーブ荷重を直接にまたは間接に検出す
る荷重センサ100と、トランスミッション14のイン
プットシャフトの回転数である入力回転数Ninを検出
する入力回転数センサ102と、アウトプットシャフト
26の回転数である出力回転数Noutを検出する出力
回転数センサ104とを含んでいる。
【0033】一方、変速ECU82の出力部には、シフ
トアクチュエータ60とセレクトアクチュエータ62と
クラッチアクチュエータ80とが接続されている。変速
ECU82は、上述の複数のセンサからの信号に基づ
き、それらアクチュエータ60,62,80に供給する
電気エネルギーの関連値(例えば、瞬間電流、瞬間電
圧、積分電流、積分電圧等)を制御する。
【0034】ここで、変速ECU82とアクチュエータ
60,62,80との接続を詳細に説明すれば、変速E
CU82は、よく知られている手法により、電源(図示
しない)に接続されたドライバ(図示しない)を介して
それらアクチュエータ60,62,80に接続されてい
る。変速ECU82は、そのドライバへの指令信号を制
御することにより、そのドライバを経て電源からアクチ
ュエータ60,62,80に供給される電気エネルギー
の関連値を制御する。ただし、本実施形態においては、
ドライバへの指令信号に関する説明を省略するととも
に、変速ECU82の指令信号に応じてドライバがアク
チュエータ60,62,80に電気エネルギーを供給す
ることを、変速ECU82がアクチュエータ60,6
2,80に駆動信号を出力する(または供給する)こと
として説明する。
【0035】変速ECU82は、同じ車両を制御する他
のECUとの通信を行う。他のECUの一例は、エンジ
ン10を制御するエンジンECU106である。変速E
CU82は、それにとって必要な信号を他のECUから
受信したり、他のECUにとって必要な信号をそれに送
信する。
【0036】図4のROM86には、図5ないし図9に
それぞれフローチャートで概念的に表されているメイン
プログラム、セレクトアクチュエータ制御プログラム、
シフトアクチュエータ制御プログラム、クラッチアクチ
ュエータ制御プログラムおよびマップ補正プログラムを
始めとし、各種プログラムが記憶されている。以下、各
プログラムの内容を順に説明する。
【0037】まず、図5のメインプログラムの内容を説
明する。このメインプログラムは、コンピュータ92の
電源投入後、繰返し実行される。各回の実行時には、ま
ず、ステップS101(以下、単に「S101」で表
す。他のステップについても同じとする。)において、
シフト位置センサ94を含むセンサから信号が取り込ま
れる。次に、S102において、その取り込まれた信号
に基づき、トランスミッション14において今回選択さ
れるべき目標変速段が決定される。トランスミッション
14の変速段(変速比)を1段に変更するのか、2段に
変更するのか等が決定されるのである。決定された目標
変速段を表すデータはRAM88に記憶される。
【0038】その後、S103において、セット状態で
は変速要求が出されたことを示す一方、リセット状態で
は出されていないこと示す変速要求フラグがセットされ
る。この変速要求フラグは、RAM88に設けられてい
て、コンピュータ92の電源投入に伴ってリセットされ
るように設計されている。以上で、このメインプログラ
ムの一回の実行が終了する。
【0039】次に、図6のセレクトアクチュエータ制御
プログラムの内容を説明する。このプログラムも上記メ
インプログラムと同様に、繰返し実行される。各回の実
行時には、まず、S201において、変速要求フラグが
セットされているか否かが判定される。セットされてい
ない場合には、判定がNOとなり、直ちにこのプログラ
ムの一回の実行が終了する。これに対して、セットされ
ている場合には、判定がYESとなり、S202におい
て、RAM88から目標変速段が読み込まれ、続いて、
S203において、その目標変速段を選択するのに必要
な駆動信号がセレクトアクチュエータ62に出力され
る。その結果、伝達ロッド70の係合部74が、複数の
シフティングロッド68のうち目標変速段に対応するも
のの係合部72に係合させられる。以上で、このプログ
ラムの一回の実行が終了する。
【0040】次に、図7のシフトアクチュエータ制御プ
ログラムの内容を説明する。このプログラムも上記メイ
ンプログラムおよびセレクトアクチュエータ制御プログ
ラムと同様に、繰返し実行される。各回の実行時には、
まず、S301において、変速要求フラグがセットされ
ているか否かが判定される。セットされていない場合に
は、判定がNOとなり、直ちにこのプログラムの一回の
実行が終了する。
【0041】これに対して、変速要求フラグがセットさ
れている場合には、S301の判定がYESとなり、S
302において、RAM88から目標変速段が読み出さ
れ、続いて、S303において、その目標変速段を選択
するためにシフトアクチュエータ60を作動させること
が必要である方向が決定される。複数の同期装置30の
うちセレクトアクチュエータ62により選択されたもの
のスリーブ34のクラッチ38を、目標変速段を実現す
るギヤのクラッチ48に噛み合せるためにスリーブ34
を移動させる方向が決定されるのである。
【0042】その後、S304において、スリーブ34
の前進がシンクロナイザリング46により邪魔されるボ
ークの前段階であるか否かが判定される。この判定にお
いては例えば、前記公報に記載されているように、一回
の変速制御において、入力回転数センサ102により検
出された入力回転数Ninと出力回転数センサ104に
より検出された出力回転数Noutとの差の時間的変化
量の絶対値が未だしきい値を超えていないか、または超
えたことがあるかが判定される。未だ超えていないと判
定された場合には、スリーブ34がボーク前の状態にあ
ると判定される。
【0043】スリーブ34がボーク前の状態にあると判
定された場合には、S304の判定がYESとなり、S
305に移行する。このステップにおいては、スリーブ
34が、トランスミッション14において、現在変速段
実現のための位置から抜かれて目標変速段実現のための
位置に入れられるシフト抜き入れ状態にあると判断され
る。スリーブ34の抜き作動と入れ作動とは、同じ同期
装置30において行われる場合と、2つの同期装置30
においてそれぞれ行われる場合とがある。その後、S3
06において、スリーブ34に作用させることが要求さ
れる要求荷重F が、そのシフト抜き入れに適した大き
さを有するように決定される。続いて、S307におい
て、S303において決定された作動方向にスリーブ3
4を移動させるとともに、S306において決定された
要求荷重Fを実現するのに必要な駆動信号がシフトア
クチュエータ60に出力される。その後、S304に戻
る。
【0044】それらS304ないしS307の実行が繰
り返された結果、スリーブ34がシンクロナイザリング
46に当接し、それにより、スリーブ34がボークの状
態であると判定されるに至ると、S304の判定がNO
となり、S308に移行する。このステップにおいて
は、同期制御が行われる。
【0045】このS308の詳細が図10に同期制御ル
ーチンとしてフローチャートで概念的に表されている。
【0046】この同期制御ルーチンは、概念的に説明す
れば、スリーブ34がシンクロナイザリング46に当接
し始めるボーク開始時期から同期が実質的に完了する同
期完了時期までの間、一回の同期制御を行うために実行
される。さらに、この同期制御ルーチンは、一回の同期
制御中の各時期における入力回転数Ninの目標値であ
る目標入力回転数Nin と、それと実質的に同じ各時
期における入力回転数Ninの実際値である実際入力回
転数Nin との差である入力回転数差ΔN に基づ
き、その後における入力回転数差ΔNinが0に近づく
ように、シフトアクチュエータ60に供給すべき駆動信
号Sを逐次決定するために実行される。
【0047】ここに、「入力回転数Nin」は、目標変
速段に対応する前記遊動ギヤ(以下、「目標遊動ギヤ」
という)の回転数を意味し、その回転数は、前記インプ
ットシャフトの回転数(狭義の入力回転数Nin)と、
そのインプットシャフトからその目標遊動ギヤまでのギ
ヤ列の全ギヤ比との積により求められる。ただし、説明
の便宜上、特に断らない限り、その目標遊動ギヤの回転
数を入力回転数Ninで表すこととする。
【0048】さらに、この同期制御ルーチンは、同期の
開始時期における目標遊動ギヤとアウトプットシャフト
26との相対回転数Nである初期相対回転数Nr0
基づき、一回の同期制御中の各時期における目標入力回
転数Nin (i)を決定するために実行される。本実
施形態においては、同期制御中に実際入力回転数N
がそれの初期値から直線的に増加して、定速回転状態
にあると仮定されるアウトプットシャフト26の回転数
である出力回転数Noutに到達すると仮定されてお
り、この仮定を前提として、初期相対回転数Nr0
ら、一回の同期制御中の各時期における目標入力回転数
in (i)が決定されるのである。
【0049】一般のシンクロメッシュ式トランスミッシ
ョンにおいては、理論的に、ある回の同期における初期
相対回転数Nr0と、その同期が開始してから完了する
までの経過時間である同期時間Tsynと、シフトアク
チュエータ60からスリーブ34に付与される荷重であ
るスリーブ荷重Fとの間に一定の関係が成立する。この
ことを図11および図12を参照しつつ具体的に説明す
る。
【0050】目標遊動ギヤの一例であるギヤAおよびそ
れと一体的に回転する回転体の総合的な慣性モーメント
を「J」、シンクロナイザリング46との摩擦によって
ギヤAにそれの回転軸線まわりに作用するトルクを
「Q」、時間を「t」でそれぞれ表すこととすれば、ト
ルクQについては、 Q=J(dNin/dt) なる式が成立する。この式は、次式に変形できる。 Qdt=JdNin
【0051】ここで、図12に示すように、同期中には
入力回転数Ninがほぼ直線的に増加し、最終的には出
力回転数Noutに到達すると仮定することが可能であ
る。一次近似が可能なのであり、この仮定によれば、上
記式は、 Nr0=Qdt/J なる式に変形できる。
【0052】一方、コーン42の円錐面の、ギヤAの回
転軸線に対する傾斜角を「θ」、ギヤAとコーン42と
の摩擦面の、ギヤAの回転軸線からの代表半径を「r」
でそれぞれ表すこととすれば、トルクQは、 Q=(F/sinθ)r なる式で表すことができる。この式を利用すれば、前記
式は、 Nr0=(Fr/sinθ)dt/J なる式に変形できる。
【0053】また、上記仮定(すなわち一次近似)によ
れば、その式において「dt」を同期時間Tsynで置
き換えることが可能である。よって、いずれの変数にも
依存しない定数αを導入することにより、 Nr0=αFTsyn なる式が誘導できる。
【0054】よって、初期相対回転数Nr0とスリーブ
荷重Fと同期時間Tsynとの間には、初期相対回転数
r0がスリーブ荷重Fと同期時間Tsynとの積に比
例するという関係が成立することが分かる。したがっ
て、同期時間Tsynを目標値に固定すれば、初期相対
回転数Nr0とスリーブ荷重Fとが1対1に対応する。
さらに、スリーブ荷重Fとシフトアクチュエータ60の
駆動信号Sとが1対1に対応する。
【0055】それらの知見に基づき、この同期制御ルー
チンにおいては、各回の同期制御において単位制御を繰
返し実行するとともに単位制御ごとに駆動信号S(i)
を決定するために、初回の単位制御においては、初期相
対回転数Nr0と駆動信号Sとの間に設定された関係に
従い、その初回の単位制御においてシフトアクチュエー
タ60に供給すべき初回の駆動信号S(0)が決定され
る。その設定された関係は、駆動信号決定マップとして
ROM86に記憶されている。ただし、正確には、RO
M86のうち書換え可能な不揮発性メモリとしての電気
的書換え可能ROM(EEPROM)に書換え可能に記
憶されている。
【0056】さらに、この同期制御ルーチンにおいて
は、2回目以後の各回の単位制御においては、前回の単
位制御においてシフトアクチュエータ60に供給された
駆動信号S(i−1)が、今回の単位制御の開始時期に
おける、実際入力回転数Nin (i)と目標入力回転
数Nin (i)との差である入力回転数差ΔNin(
i)に基づき、その今回の単位制御の実行によって入力
回転数差ΔNin(i)が0に近づくこととなるように
補正されることにより、その今回の単位制御においてシ
フトアクチュエータ60に供給すべき駆動信号S(i)
が決定される。すなわち、本実施形態においては、入力
回転数差ΔNinに基づき、シフトアクチュエータ60
に対してPID制御を含むフィードバック制御が行われ
るのである。
【0057】以上要するに、本実施形態においては、初
期相対回転数Nr0を利用したオープンループ制御的な
要素と、入力回転数差ΔNinを利用したフィードバッ
ク制御的な要素とがハイブリッドされているのである。
【0058】次に、具体的に説明すれば、この同期制御
ルーチンにおいては、まず、図10のS501におい
て、初期相対回転数Nr0が算出される。
【0059】具体的には、まず、現時点、すなわち、今
回の同期制御の開始時期に、入力回転数センサ102と
出力回転数センサ104とにより入力回転数Nin(狭
義)と出力回転数Noutとがそれぞれ検出される。次
に、入力回転数Nin(狭義)の検出値の換算値(その
検出値と、目標変速段に対応する前記全ギヤ比との積)
と、出力回転数Noutの検出値との差が初期相対回転
数Nr0として算出される。
【0060】初期相対回転数Nr0は、他の手法によっ
ても取得可能である。例えば、クラッチ12の接続状態
においては、エンジン10の回転数と入力回転数Nin
(狭義)とが互いに一致することに着目し、エンジン1
0の回転数を検出するエンジン回転数センサの検出値で
入力回転数センサ102の検出値を代替することによ
り、初期相対回転数Nr0を取得可能である。
【0061】さらに、クラッチ12の接続状態において
は、エンジン10の回転数から入力回転数Nin(狭
義)のみならず出力回転数Noutをも導出可能である
ことに着目し、エンジン回転数センサの検出値で入力回
転数センサ102の検出値のみならず出力回転数センサ
104の検出値をも代替することにより、初期相対回転
数Nr0を取得可能である。
【0062】以上のようにして初期相対回転数Nr0
算出されたならば、S502において、ROM86の駆
動信号決定マップを用いることにより、初期相対回転数
の算出値に対応する駆動信号Sが初回の駆動信号
(0)として決定される。図13には、その駆動信号
決定マップの一例がグラフで表されている。
【0063】駆動信号決定マップは、正確には、初期相
対回転数Nr0についての複数の代表値(離散値)と、
複数の駆動信号Sの値(離散値)との関係を定義してい
る。そして、今回の初期相対回転数Nr0が、それら複
数の代表値のいずれかに一致した場合には、今回の初期
相対回転数Nr0と一致する代表値に対応する駆動信号
Sが初回の駆動信号S(0)として決定される。これに
対して、今回の初期相対回転数Nr0が、それら複数の
代表値のいずれにも一致しない場合には、今回の初期相
対回転数Nr0に近い2つの代表値により規定される区
間において駆動信号Sが線形補間されることにより、初
回の駆動信号S(0)が決定される。決定された初回の
駆動信号S(0)はRAM88に記憶される。
【0064】その後、S503において、その決定され
た初回の駆動信号S(0)がシフトアクチュエータ60
に出力される。
【0065】続いて、S504において、ROM86か
ら目標同期時間Tsyn が読み出される。その後、S
505において、今回の同期制御において逐次実現され
るべき目標入力回転数Nin (i)(iは1以上n以
下の整数である)が決定される。具体的には、図14に
破線のグラフで示すように、同期開始時期における入力
回転数Ninである初期入力回転数Nin0と同期完了
予定時期、すなわち、同期開始時期から目標同期時間T
syn が経過した時期における出力回転数N out
をつなぐ直線を定義する関数式が決定される。この決定
された関数式に各回の単位制御の開始時期を代入すれ
ば、その各回の単位制御において実現すべき目標入力回
転数Nin (i)が得られる。決定された関数式はR
AM88に記憶される。
【0066】続いて、図10のS506において、単位
制御の回数を表す整数iが1にセットされる。その後、
S507において、今回の単位制御が、前回の単位制御
(すなわち、現時点においては、初回の単位制御)の開
始時期から制御周期Δtが経過した時期に開始されるこ
ととなるように、遅延が行われる。その後、S508に
おいて、現時点、すなわち、今回の単位制御の開始時期
における実際入力回転数Nin (i)が、入力回転数
センサ102の出力信号に基づいて取得される。
【0067】続いて、S509において、出力回転数セ
ンサ104の出力信号に基づき、現時点における実際出
力回転数Nout (i)が取得される。その後、S5
10において、実際入力回転数Nin (i)の取得値
と実際出力回転数Nout (i)の取得値との差が今
回の相対回転数Nr(i)として算出されるとともに、
その算出された相対回転数Nr(i)の絶対値が0に近
いしきい値Nrthより小さいか否かが判定される。今
回の同期が実質的に完了したか否かが判定されるのであ
り、しきい値Nrthより小さい場合には、判定がYE
Sとなり、直ちにこの同期制御ルーチンの今回の実行が
終了する。これに対して、算出された相対回転数N
r(i)の絶対値がしきい値Nrthより小さくはない
場合には、判定がNOとなり、S511に移行する。
【0068】このS511においては、RAM88に記
憶されている前記関数式を利用することにより、今回の
単位制御において実現すべき目標入力回転数Nin
(i)が取得される。さらに、その取得された目標入力
回転数Nin (i)と、S508において取得された
実際入力回転数Nin (i)との差が入力回転数差Δ
in(i)として取得される。その取得された入力回
転数差ΔNin(i)はRAM88に記憶される。
【0069】その後、S512において、その取得され
た入力回転数差ΔNin(i)が0に近づく向きに、そ
の入力回転数差ΔNin(i)の絶対値の大きさに対応
する量だけ、前回の駆動信号S(i−1)が補正され
る。入力回転数差ΔNin(i の絶対値の大きさと前
回の駆動信号S(i−1)の補正量との関係は、実験
値、設計値または経験値としてROM86に記憶されて
いる。その補正により、今回の駆動信号S(i)が決定
される。その決定された今回の駆動信号S(i)はRA
M88に記憶される。図15の上側には、実際入力回転
数Nin の時間的推移の一例が実線のグラフで表さ
れ、一方、下側には、それに応答する駆動信号Sの時間
的推移の一例が実線のグラフで表されている。続いて、
S513において、その決定された今回の駆動信号S
(i)がシフトアクチュエータ60に出力される。
【0070】その後、S514において、整数iが1だ
けインクリメントされ、その後、S507に戻る。それ
らS507ないしS514の実行が繰り返されることに
よって単位制御が繰り返され、その結果、相対回転数N
r(i)の絶対値がしきい値Nrthより小さくなれ
ば、今回の同期制御を終了させるべきであるとして、S
510の判定がYESとなり、以上で、この同期制御ル
ーチンの今回の実行が終了する。
【0071】その後、図7のS309において、スリー
ブ34が現在、押し分け状態にあると判定される。スリ
ーブ34と、目標変速段を実現する遊動ギヤとの同期が
完了した状態において、スリーブ34のクラッチ38の
歯が、シンクロナイザリング46の歯と、目標変速段を
実現する遊動ギヤのクラッチ48の歯とを押し分けなが
ら前進する状態にあると判定されるのである。続いて、
S310において、スリーブ34に作用させることが要
求される要求荷重Fが、スリーブ34の押し分けに適
した大きさを有するように決定される。
【0072】その後、S311において、S303にお
いて決定された作動方向にスリーブ34を移動させると
ともに、S310において決定された要求荷重Fを実
現するのに必要な駆動信号がシフトアクチュエータ60
に出力される。続いて、S312において、セット状態
では今回の変速制御が完了したことを示す一方、リセッ
ト状態では完了していないことを示す変速完了フラグが
セットされる。この変速完了フラグもRAM88に設け
られていて、コンピュータ92の電源投入に伴ってリセ
ットされるように設計されている。以上で、このシフト
アクチュエータ制御プログラムの一回の実行が終了す
る。
【0073】図8のクラッチアクチュエータ制御プログ
ラムも、以上説明したプログラムと同様に、繰返し実行
される。各回の実行時には、まず、S401において、
変速要求フラグがセットされているか否かが判定され
る。セットされていない場合には、判定がNOとなり、
直ちにこのプログラムの一回の実行が終了する。
【0074】これに対して、変速要求フラグがセットさ
れている場合には、S401の判定がYESとなり、S
402に移行する。このステップにおいては、クラッチ
12が接続状態から切断状態に移行するために必要な駆
動信号がクラッチアクチュエータ80に出力される。そ
の後、S403において、変速完了フラグがセットされ
るのが待たれる。セットされたならば、S404におい
て、クラッチ12が切断状態から接続状態に移行するた
めに必要な駆動信号がクラッチアクチュエータ80に出
力される。続いて、S405において、変速要求フラグ
と変速完了フラグとがリセットされる。以上で、このク
ラッチアクチュエータ制御プログラムの一回の実行が終
了する。
【0075】次に、図9のマップ補正プログラムの内容
を説明する。このマップ補正プログラムは、概念的に説
明すれば、各回の同期制御に先立ち、前回の同期制御に
おける入力回転数差ΔNinの履歴と駆動信号Sの履歴
との双方に基づき、前記駆動信号決定マップの補正が、
その補正後の駆動信号決定マップに基づく駆動信号Sに
よって入力回転数差ΔNinが0に近づくように行われ
る。
【0076】具体的には、このマップ補正プログラム
も、他のプログラムと同様に、繰返し実行される。各回
の実行時には、まず、S601において、変速完了フラ
グがセットされているか否かが判定される。セットされ
ていない場合には、判定がNOとなり、直ちにこのマッ
プ補正プログラムの今回の実行が終了する。これに対し
て、セットされている場合には、判定がYESとなり、
S602に移行する。
【0077】このS602においては、最後の同期制御
に関連してRAM88に記憶された複数の入力回転数差
ΔNin(1)ないしΔNin(n)がRAM88から
読み出される。さらに、読み出された複数の入力回転数
差ΔNin(1)ないしΔN in(n)の合計値ΣΔN
inが算出される。その後、S603において、最後の
同期制御に関連してRAM88に記憶された複数の駆動
信号S(0)ないしS (n)がRAM88から読み出さ
れる。さらに、読み出された複数の駆動信号S (0)
いしS(n)の平均値Smeanが算出される。
【0078】続いて、S604において、算出された合
計値ΣΔNinに応じ、現在の駆動信号決定マップにお
いて最後の初期相対回転数Nr0(最後の同期制御にお
ける初期相対回転数Nr0)に対応する駆動信号Sの第
1補正量Cが決定される。合計値ΣΔNinと第1補
正量Cとの関係が実験値、設計値または経験値として
ROM86に記憶されており、その関係を利用して第1
補正量Cが決定される。合計値ΣΔNinは、図15
の入力回転数Ninのグラフにおいて斜線のハッチング
で示される領域の面積に相当する。
【0079】その後、図9のS605において、算出さ
れた平均値Smeanに応じ、現在の駆動信号決定マッ
プにおいて最後の初期相対回転数Nr0に対応する駆動
信号Sの第2補正量Cが決定される。平均値S
meanと駆動信号Sの初期値(フィードバック補正が
行われない場合の駆動信号Sであって、補正前の駆動信
号決定マップに従って求められたもの)との差(駆動信
号Sの誤差と考えることも、フィードバック補正量と考
えることもできる)と第2補正量Cとの関係が実験
値、設計値または経験値としてROM86に記憶されて
おり、その関係を利用して第2補正量Cが決定され
る。平均値Smeanの一例が、図15の駆動信号Sの
グラフにおいて水平の一点鎖線により表されている。
【0080】続いて、図9のS606において、それら
決定された第1補正量Cと第2補正量Cとの平均値
がそれら第1および第2補正量C,Cの合成補正量
esとして算出されるとともに、その算出された合
成補正量Cresに基づいて現在の駆動信号決定マップ
が補正される。
【0081】具体的には、最後の初期相対回転数Nr0
が、現在の駆動信号決定マップにおいて初期相対回転数
r0に割り当てられている複数の代表値のいずれかに
一致する場合には、図16に示すように、その一致する
代表値に対応する駆動信号Sの値が合成補正量Cres
で補正される。
【0082】これに対して、最後の初期相対回転数N
r0が、上記複数の代表値のいずれにも一致しない場合
には、図17に示すように、現在の駆動信号マップにお
いて、それら複数の代表値のうち最後の初期相対回転数
r0に最も近い代表値Nro (j)と、それに対応す
る駆動信号S(j)と、それら複数の代表値のうち次に
近い代表値Nro(j−1)と、それに対応する駆動信
号S(j−1)とに着目される。さらに、現在の駆動信
号決定マップにおいて最後の初期相対回転数N に対
応する駆動信号Sが上記合成補正量Cresで補正さ
れ、それが基準駆動信号とされる。そして、駆動信号S
(j)の補正が、その補正後の駆動信号S j)と駆動
信号S(j−1)とをつなぐ直線上に上記基準駆動信号
が位置することとなるように行われる。
【0083】以上で、このマップ補正プログラムの今回
の実行が終了し、次回の同期制御においては、そのよう
にして補正された駆動信号決定マップに基づいて駆動信
号Sが決定される。
【0084】なお付言すれば、本実施形態においては、
前回の同期制御における合計値ΣΔNinに基づく第1
補正量Cと、前回の同期制御における平均値S
meanと駆動信号Sの初期値との差に基づく第2補正
量Cとの平均値として合成補正量Cresが取得され
るが、第1補正量Cと予め設定された重みωとの積
と、第2補正量Cと予め設定された重みωとの積と
の和として合成補正量Cre を取得するようにして本
発明を実施することが可能である。
【0085】さらに付言すれば、本実施形態において
は、それら第1補正量Cと第2補正量Cとの双方が
利用されて駆動信号決定マップが補正されるようになっ
ているが、このようにして本発明を実施することは不可
欠なことではない。例えば、第1補正量Cは利用しな
いで駆動信号決定マップを補正するようにして本発明を
実施したり、第2補正量Cは利用しないで駆動信号決
定マップを補正するようにして本発明を実施することが
可能なのである。
【0086】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、シフトアクチュエータ60が請求項1に
おける「アクチュエータ」の一例を構成し、変速ECU
82が同請求項における「制御装置」の一例を構成し、
その変速ECU82のうち図10のS504、S50
5、S508、S511およびS512を実行する部分
が同請求項における「駆動信号決定手段」の一例を構成
しているのである。
【0087】さらに、本実施形態においては、変速EC
U82のうち図10のS505を実行する部分が請求項
2における「目標相対回転数決定部」の一例を構成して
いるのである。
【0088】さらに、本実施形態においては、ROM8
6に記憶されている駆動信号決定マップが請求項3にお
ける「関係」の一例を構成し、変速ECU82のうち図
10のS501およびS502を実行する部分が同請求
項における「第1信号決定部」の一例を構成し、S50
8,S511およびS512を実行する部分が同請求項
における「第2信号決定部」の一例を構成し、S503
およびS513を実行する部分が同請求項における「駆
動信号供給手段」の一例を構成しているのである。
【0089】さらに、本実施形態においては、合計値Σ
ΔNinが請求項4における「相対回転数差」の一例を
構成し、平均値Smeanが同請求項における「駆動信
号」の一例を構成し、変速ECU82のうち図9のマッ
プ補正プログラムを実行する部分が同請求項における
「関係補正手段」の一例を構成しているのである。
【0090】さらに、本実施形態においては、合計値Σ
ΔNinが請求項5における「相対回転数差」の一例を
構成し、平均値Smeanと駆動信号Sの初期値との差
が同請求項における「駆動信号の差」の一例を構成し、
変速ECU82のうち図9のマップ補正プログラムを実
行する部分が同請求項における「関係補正手段」の一例
を構成しているのである。
【0091】以上、本発明の一実施形態を図面に基づい
て詳細に説明したが、これは例示であり、前記[課題を
解決するための手段および発明の効果]の欄に記載の態
様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、
改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるシンクロメッシュ式
トランスミッション14のための変速装置のハードウエ
ア構成を概念的に示す系統図である。
【図2】図1に示す変速装置が使用される同期装置30
を示す正面断面図である。
【図3】図1に示す変速装置における伝達機構66を示
す斜視図である。
【図4】図1における変速ECU82の構成を概念的に
示すブロック図である。
【図5】図4におけるメインプログラムを概念的に表す
フローチャートである。
【図6】図4におけるセレクトアクチュエータ制御プロ
グラムを概念的に表すフローチャートである。
【図7】図4におけるシフトアクチュエータ制御プログ
ラムを概念的に表すフローチャートである。
【図8】図4におけるクラッチアクチュエータ制御プロ
グラムを概念的に表すフローチャートである。
【図9】図4におけるマップ補正プログラムを概念的に
表すフローチャートである。
【図10】図7におけるS308の詳細を同期制御ルー
チンとして概念的に表すフローチャートである。
【図11】図2の同期装置30の構成を概念的に示す部
分正面断面図である。
【図12】図11の同期装置30において入力回転数N
inおよび相対回転数Nが時間と共に変化する様子を
説明するためのグラフである。
【図13】図4における駆動信号決定マップの内容を概
念的に表すグラフである。
【図14】図10のS505の内容を説明するためのグ
ラフである。
【図15】図9のマップ補正プログラムおよび図10の
同期制御ルーチンの内容を説明するためのグラフであ
る。
【図16】図9のマップ補正プログラムの内容を説明す
るための別のグラフである。
【図17】図9のマップ補正プログラムの内容を説明す
るためのさらに別のグラフである。
【符号の説明】
10 エンジン 14 トランスミッション 26 アウトプットシャフト 30 同期装置 34 スリーブ 46 シンクロナイザリング 60 シフトアクチュエータ 82 変速ECU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 59:42 F16H 59:42 59:44 59:44 (72)発明者 宮崎 剛枝 愛知県西尾市小島町城山1番地 アイシ ン・エーアイ株式会社内 (72)発明者 青山 義幸 愛知県西尾市小島町城山1番地 アイシ ン・エーアイ株式会社内 (72)発明者 市川 義裕 岐阜県岐阜市須賀3丁目11番11−202号 Fターム(参考) 3J067 AA04 AA21 AB11 AB23 BA52 BB02 BB11 CA02 CA06 CA23 CA31 DB02 DB32 DB35 EA06 FB42 FB71 GA01 3J552 MA04 MA13 NA01 NB01 PA20 PA59 SA26 SA30 SB31 SB38 VA32W VA32Y VA62Z VB01Z VC01Z VD01Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両において動力源の回転を駆動車輪に
    伝達するシンクロメッシュ式トランスミッションであっ
    て、各ギヤ対が常時噛み合わされるとともにギヤ比が互
    いに異なる複数のギヤ対のいずれかを有効ギヤ対として
    選択するために同期装置を備えており、かつ、その同期
    装置が、(a)前記ギヤ対の一方が遊動ギヤとして相対
    回転可能に装着されたシャフトに対して相対回転不能か
    つ軸方向に相対移動可能なスリーブと、前記遊動ギヤに
    対して相対回転可能かつ軸方向に相対移動可能なシンク
    ロナイザリングとを備え、かつ、(b)作動状態では、
    前記スリーブを軸方向に移動させてそのスリーブを前記
    シンクロナイザリングに当接させ、それにより、そのシ
    ンクロナイザリングを、前記遊動ギヤに対して相対回転
    不能な摩擦面に押し付けてその遊動ギヤと前記スリーブ
    との同期を行うものであるトランスミッションと共に使
    用され、そのトランスミッションの変速比を変化させる
    変速装置であって、 外部からの信号に応じて電気的に制御されることによ
    り、前記スリーブを前記軸方向に移動させるために荷重
    を発生させるアクチュエータと、 前記車両の運転者の意思とその車両の状態と前記トラン
    スミッションの状態との少なくとも一つに基づいてその
    トランスミッションの変速比を変化させるために前記ア
    クチュエータに駆動信号を供給して制御する制御装置で
    あって、前記同期のための同期制御中の各時期における
    前記遊動ギヤと前記スリーブとの相対回転数の目標値で
    ある目標相対回転数と、それと実質的に同じ各時期にお
    ける前記相対回転数の実際値である実際相対回転数との
    差である相対回転数差に基づき、その後における相対回
    転数差が0に近づくように前記駆動信号を逐次決定する
    駆動信号決定手段を有するものとを含むシンクロメッシ
    ュ式トランスミッションのための変速装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動信号決定手段が、前記同期の開
    始時期における前記相対回転数である初期相対回転数に
    基づき、前記同期制御中の各時期における前記目標相対
    回転数を決定する目標相対回転数決定部を含む請求項1
    に記載のシンクロメッシュ式トランスミッションのため
    の変速装置。
  3. 【請求項3】 前記制御装置が、各回の同期制御におい
    て単位制御を繰返し実行するものであり、前記駆動信号
    決定手段が、その単位制御ごとに前記駆動信号を決定す
    るために、 初回の単位制御において、前記同期の開始時期における
    前記相対回転数である初期相対回転数と前記駆動信号と
    の間に設定された関係に従い、その初回の単位制御にお
    いて前記アクチュエータに供給すべき駆動信号を決定す
    る第1信号決定部と、 2回目以後の各回の単位制御において、前回の単位制御
    において前記アクチュエータに供給された駆動信号を、
    今回の単位制御の実行前における前記相対回転数差に基
    づき、その今回の単位制御の実行によって相対回転数差
    が0に近づくこととなるように補正することにより、そ
    の今回の単位制御において前記アクチュエータに供給す
    べき駆動信号を決定する第2信号決定部とを含み、か
    つ、前記制御装置が、さらに、それら第1および第2信
    号決定部により決定された駆動信号を前記アクチュエー
    タに供給する駆動信号供給手段を含む請求項1または2
    に記載のシンクロメッシュ式トランスミッションのため
    の変速装置。
  4. 【請求項4】 前記制御装置が、さらに、各回の同期制
    御に先立ち、前回の同期制御における前記相対回転数差
    と前記駆動信号との少なくとも一方に基づき、前記関係
    の補正を、その補正後の関係に基づく駆動信号によって
    相対回転数差が0に近づくように行う関係補正手段を含
    む請求項3に記載のシンクロメッシュ式トランスミッシ
    ョンのための変速装置。
  5. 【請求項5】 前記関係補正手段が、各回の同期制御に
    先立ち、前回の同期制御における前記入力回転数差と、
    その前回の同期制御において前記アクチュエータに供給
    された実際の駆動信号と、前記第1信号決定部により前
    記初期相対回転数と前記関係とに基づいて決定された駆
    動信号との差との少なくとも一方に基づき、前記関係の
    補正を、その補正後の関係に基づく駆動信号によって入
    力回転数差が0に近づくように行うものである請求項4
    に記載のシンクロメッシュ式トランスミッションのため
    の変速装置。
  6. 【請求項6】 前記シャフトが、前記駆動車輪に連結さ
    れており、前記ギヤ対のうち前記遊動ギヤでない非遊動
    ギヤが、前記動力源に連結されており、前記駆動信号決
    定手段が、前記同期制御中の各時期における前記遊動ギ
    ヤの回転数の目標値である目標入力回転数と、それと実
    質的に同じ各時期における前記遊動ギヤの回転数の実際
    値である実際入力回転数との差である入力回転数差に基
    づき、その後における入力回転数差が0に近づくように
    前記駆動信号を決定するものである請求項1ないし5の
    いずれかに記載のシンクロメッシュ式トランスミッショ
    ンのための変速装置。
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