JP2002068982A - 徐放性組成物 - Google Patents

徐放性組成物

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JP2002068982A
JP2002068982A JP2001180061A JP2001180061A JP2002068982A JP 2002068982 A JP2002068982 A JP 2002068982A JP 2001180061 A JP2001180061 A JP 2001180061A JP 2001180061 A JP2001180061 A JP 2001180061A JP 2002068982 A JP2002068982 A JP 2002068982A
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JP2001180061A
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Yoshio Hata
善夫 畑
Yutaka Yamagata
豊 山縣
Yasutaka Igari
康孝 猪狩
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】(1)非ペプチド性生理活性物質の含量を高く
でき、かつその放出を制御あるいは加速することによ
り、確実な薬理効果を発揮することができる組成物、
(2)非ペプチド性生理活性物質が皮下刺激性を有する
場合、末端の強い酸性基によりその刺激性をうち消す作
用が期待される組成物、(3)高いガラス転移点を有
し、非常に安定である組成物の提供。 【解決手段】非ペプチド性生理活性物質および末端に2
個以上のカルボキシル基を有する生体内分解性ポリマー
またはその塩を含有してなる組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非ペプチド性生理
活性物質および末端に2個以上のカルボキシル基を有す
る生体内分解性ポリマーまたはその塩を含有してなる組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内分解性ポリマーにより、薬物を持
続放出させる製剤としては、例えば、以下の方法が報告
されている。 1)非ペプチド性骨形成促進作用物質と生体内分解性高
分子重合物とを含有してなる医薬組成物(特開平9−2
63545)。 2)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物等お
よび生体内分解性ポリマーを含有してなる徐放性製剤
(特開平11−315034)。 3)少なくとも1の有効なイオノゲン・アミンを含んで
なる生物学的に活性なポリペプチドとイオン結合した1
以上の遊離のCOOH基を含むポリエステルを含んでな
る組成物であって、その組成物中に存在するポリペプチ
ドの少なくとも50重量%がそのポリエステルにイオン
結合している組成物〔WO 94/15587(特表平
8−505395)〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】非ペプチド性生理活性
物質の放出を制御するシステムは検討されているもの
の、その放出速度を制御するには至っておらず、特にそ
の放出を加速させうる有効な手段は未だ得られていな
い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の問
題点を解決するため鋭意研究を進め、非ペプチド性生理
活性物質と末端に2個以上のカルボキシル基を有する生
体内分解性ポリマーまたはその塩とを含有または配合し
てなる組成物を初めて製造したところ、意外にも該非ペ
プチド性生理活性物質の放出を調整できる、特に該非ペ
プチド性生理活性物質が難水溶性であるときは放出を加
速することを見いだした。そしてこれらの知見に基づい
て、本発明を完成した。すなわち、本発明は、 (1)非ペプチド性生理活性物質および末端に2個以上
のカルボキシル基を有する生体内分解性ポリマーまたは
その塩を含有してなる組成物; (2)非ペプチド性生理活性物質および末端に2個以上
のカルボキシル基を有する生体内分解性ポリマーまたは
その塩を配合してなる組成物; (3)組成物のガラス転移点(Tg)が末端に2個以上
のカルボキシル基を有する生体内分解性ポリマーのガラ
ス転移点より約10℃以上高温であることを特徴とする
前記(2)記載の組成物; (4)末端に2個以上のカルボキシル基を有する生体内
分解性ポリマーが、末端にα,α−ジカルボキシル基ま
たはα,β,β'−トリカルボキシル基を有するポリマ
ーである前記(1)または(2)記載の組成物; (5)末端に2個以上のカルボキシル基を有する生体内
分解性ポリマーが、末端にα,α−ジカルボキシル基ま
たはα,β,β'−トリカルボキシル基を有するポリα
−ヒドロキシカルボン酸である前記(1)または(2)
記載の組成物; (6)ポリα−ヒドロキシカルボン酸が、直鎖状である
前記(5)記載の組成物; (7)末端に2個以上のカルボキシル基を有する生体内
分解性ポリマーが、末端にα,α−ジカルボキシル基ま
たはα,β,β'−トリカルボキシル基を有する乳酸−
グリコール酸重合体である前記(1)または(2)記載
の組成物; (8)末端に2個以上のカルボキシル基を有する生体内
分解性ポリマーが、ω残基がタルトロン酸またはクエン
酸である乳酸−グリコール酸重合体である前記(1)ま
たは(2)記載の組成物; (9)末端に2個以上のカルボキシル基を有する生体内
分解性ポリマーが、ω残基がタルトロン酸またはクエン
酸であるポリ乳酸である前記(1)または(2)記載の
組成物; (10)非ペプチド性生理活性物質が、難水溶性である
前記(1)または(2)記載の組成物; (11)徐放性である前記(10)記載の組成物; (12)非ペプチド性生理活性物質の分子量が、約1,
000以下である前記(11)記載の組成物; (13)非ペプチド性生理活性物質が、性腺刺激ホルモ
ン放出ホルモンアゴニストまたはアンタゴニストである
前記(11)記載の組成物; (14)非ペプチド性生理活性物質が、式
【化9】 〔式中、Xは炭素原子または窒素原子を、- - -は単結
合または二重結合を示す〕で表される部分構造を有する
化合物またはその塩〔以下、化合物(A)と略記するこ
ともある〕である前記(11)記載の組成物; (15)化合物(A)が、式
【化10】 〔式中、R1およびR2は、それぞれ水素原子、ヒドロキ
シ基、C1-4アルコキシ基、C1-4アルコキシ−カルボニ
ル基または置換基を有していてもよいC1-4アルキル基
を、R3は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基また
は置換基を有していてもよいC1-4アルコキシ基を示す
か、または隣接する2つのR3が連結してC1-4アルキレ
ンジオキシ基を形成してもよく、R4は水素原子または
1-4アルキル基を、R6は置換基を有していてもよいC
1-4アルキル基または式
【化11】 (式中、R5は水素原子を示すか、またはR4とR5とが
連結して複素環を形成してもよい)で表される基を、お
よびnは0〜5の整数を示す〕で表される化合物または
その塩〔以下、化合物(I)と略記することもある〕で
ある前記(14)記載の組成物; (16)化合物(A)が、5−(N−ベンジル−N−メ
チルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベンジ
ル)−6−[4−(3−メトキシウレイド)フェニル]
−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,
4(1H,3H)−ジオンまたはその塩である前記(1
4)記載の組成物; (17)化合物(A)が、式
【化12】 〔式中、R9は置換されていてもよいC1-7アルキル基、
置換されていてもよいC 3-7シクロアルキル基、置換さ
れていてもよいC1-6アルコキシアミノ基または置換さ
れていてもよいヒドロキシアミノ基を、R10は置換され
ていてもよいC1-7アルキル基または置換されていても
よいフェニル基をそれぞれ示し、R9が無置換のC1-7
ルキル基である場合、R10は置換されたC1-7アルキル
基または置換されたフェニルを示す〕で表される化合物
またはその塩〔以下、化合物(VIII)と略記することも
ある〕である前記(14)記載の組成物; (18)化合物(A)が、3−(N−ベンジル−N−メ
チルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−5−イソブチ
リル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−[4
−[(1−ヒドロキシシクロプロピル)カルボニルアミ
ノ]フェニル]−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリ
ジンまたはその塩である前記(14)記載の組成物; (19)注射用である前記(1)または(2)記載の組
成物; (20)徐放性マイクロカプセルである前記(1)また
は(2)記載の組成物; (21)非ペプチド性生理活性物質と末端に2個以上の
カルボキシル基を有する生体内分解性ポリマーまたはそ
の塩とを配合することを特徴とする組成物の製造法など
に関する。
【0005】本発明に用いられる「非ペプチド性生理活
性物質」、特に「難水溶性の非ペプチド性生理活性物
質」は、フリー体であっても塩であってもよい。該
「塩」としては、例えば金属塩、アンモニウム塩、有機
塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性また
は酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。金属塩の好適
な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などの
アルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリ
ウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩など
が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例
えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、
ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N
−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられ
る。無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭
化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられ
る。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢
酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石
酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスル
ホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩
の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オル
ニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好
適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸
などとの塩が挙げられる。
【0006】該「非ペプチド性生理活性物質」、特に
「難水溶性の非ペプチド性生理活性物質」は、薬理学的
に有用なものであればよく、好ましくは合成有機化合物
である。該「合成有機化合物」としては、例えば主とし
て第3級アミンを有する親水性の部分と、鎖状または環
状アルキル、芳香族基などの疎水性の高い部分を持つ化
合物またはその塩が挙げられる。具体例としては、塩基
性かつ両親媒性薬物〔CAD(cationic amphiphilic d
rug);ファルマコロジカル レビューズ(Pharmacologi
cal Reviews)、第42巻、4号、327−354頁、
1990年等〕などが挙げられる。該「非ペプチド性生
理活性物質」、特に「難水溶性の非ペプチド性生理活性
物質」としては、受容体作動または拮抗作用、酵素阻害
作用、運搬体促進または抑制作用を持つ物質などが挙げ
られる。該「非ペプチド性生理活性物質」、特に「難水
溶性の非ペプチド性生理活性物質」が、作動または拮抗
作用を示す受容体は、細胞表面または細胞内部にあって
もよい。該細胞表面受容体には、イオンチャンネル連結
型、Gタンパク質連結型および酵素連結型がある。該受
容体のリガンドの種類は、小型ペプチド、タンパク質、
アミノ酸、ヌクレオチド、ステロイド、脂肪酸誘導体、
一酸化窒素、一酸化炭素等がある。該受容体の例として
は、例えば黄体ホルモン放出ホルモン(LH−RH)受
容体、甲状腺刺激ホルモン分泌ホルモン(TRH)受容
体、コルチコトロピン分泌ホルモン(CRF)受容体、
エンドルフィン受容体、サブスタンスP受容体、ニュー
ロテンシン受容体、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容
体、催乳ホルモン(PRL)受容体、卵胞刺激ホルモン
(FSH)受容体、黄体ホルモン(LH)受容体、副腎
皮質刺激ホルモン(ACTH)受容体などがあげられ
る。
【0007】該「非ペプチド性生理活性物質」、特に
「難水溶性の非ペプチド性生理活性物質」が阻害作用を
示す酵素としては、血液凝固系酵素、線溶系酵素、消化
酵素、リン酸化酵素、代謝酵素、抗酸化酵素等がある。
該酵素としては、例えばモノアミン酸化酵素(MA
O)、アンジオテンシン変換酵素、HMG−CoA還元
酵素、コレステロールエステル化酵素(ACAT)、シ
クロオキシゲナーゼ(COX)、トリプシン、α−キモ
トリプシン、カリクレイン、β−ガラクトシダーゼ、エ
ラスターゼ、トロンボモジュリン、トロンビン、血液凝
固因子類(I因子−X因子)、プロテインC、プロテイ
ンS、プラスミン、プラスミノーゲン・アクティベータ
ー、ウロキナーゼ、プロテインキナーゼC、チロシンキ
ナーゼ、チトクロームp450類(3A4、1A、2
C、2D等)、スーパーオキシドディスミュターゼ(S
OD)などがある。該CADが阻害作用を示す酵素とし
ては、ヒト細胞、細菌、ファージまたはウイルス等に由
来するものが挙げられる。該阻害作用を示すCADは、
抗菌または抗ウイルス作用を持つことが期待される。該
酵素としては、架橋形成酵素トランスペプチダーゼ、ペ
ニシリン結合タンパク質(PBP−1A、PBP−1
B、PBP−2、PBP−3、PBP−4、PBP−
5、PBP−6)、ノイラミニダーゼ、アミノペプチダ
ーゼA、アミノペプチダーゼB、α−アミラーゼ、β−
ラクダマーゼ、逆転写酵素阻害剤等が挙げられる。
【0008】該「非ペプチド性生理活性物質」、特に
「難水溶性の非ペプチド性生理活性物質」が、促進また
は抑制を示す運搬体としては、受動的または能動的イオ
ンチャネル、グルコーストランスポーター、ペプチドト
ランスポーター、p−糖タンパク質等がある。該運搬体
としては、例えば、電位依存的ナトリウムチャネル、カ
ルシウム依存的ナトリウムチャネル、カリウム依存的カ
ルシウムチャネル、カリウムチャネル、クロルイオンチ
ャネル、胃粘膜プロトンポンプ(H+,K+−ATPas
e)、グルコーストランスポーター類(GLUT1、G
LUT2、GLUT3、GLUT4)、PEPT1、M
DR1、MDR2、MRP、cMOAT、ACT1等が
ある。
【0009】該「非ペプチド性生理活性物質」、特に
「難水溶性の非ペプチド性生理活性物質」としては、上
記の活性を有している物質であれば特に限定されない
が、例えば、解熱、鎮痛、消炎効果があるものとして、
スルピリン、インドメタシン、アトロピン、スコポラミ
ン、モルヒネ、ペチジンまたはその塩等が、精神安定作
用があるものとして、ジアゼパム、ロラゼパム等が、抗
菌作用があるものとして、グリセオフルビン等が、抗生
物質としての作用があるものとして、ジベカシン、カネ
ンドマイシン、リビドマイシン、トブラマイシン、アミ
カシン、フラジオマイシン、シソマイシン、テトラサイ
クリン、オキシテトラサイクリン、ロリテトラサイクリ
ン、ドキシサイクリン、アンピシリン、モキサラクタ
ム、チエナマイシン、スルファゼシン、アズスレオナル
またはその塩等が、抗腫瘍活性があるものとして、フメ
ギロール、マイトマイシンC、アドリアマイシン、フル
オロウラシル等が、抗高脂血症作用があるものとして、
クロフィブレート等が、鎮咳去たん作用があるものとし
て、エフェドリン、メチルエフェドリン、ノスカピン、
コデイン、ジヒドロコデイン、クロペラスチン、プロト
キロール、イソプロテレノール、サルブタモール、テレ
ブタリンまたはその塩等が、筋弛緩作用があるものとし
て、プリジノール、パンクロニウム等が、抗てんかん作
用があるものとして、アセタゾラミド、クロルジアゼボ
キシド等が、抗潰瘍作用があるものとして、メトクロプ
ラミド等が、抗うつ作用があるものとして、クロミプラ
ミン等が、抗アレルギー作用があるものとして、ジフェ
ンヒドラミン、トリペレナミン、ジフェニルピラリン、
メトキシフェナミン等が、強心作用があるものとして、
エチレフリン等が、不整脈治療効果があるものとして、
アルプレノロール、ブフェトロール、オクスプレノロー
ル等が、血管拡張作用があるものとして、オキシフェド
リン、バメタン等が、降圧利尿作用があるものとして、
ペントリニウム、メカミルアルミン、クロニジン等が、
糖尿治療効果があるものとして、グリブゾール等が、抗
結核作用があるものとして、エタンブトール等が、麻薬
拮抗作用があるものとして、レバロルファン、ナロルフ
ィン、ナロキソンまたはその塩等が、ホルモン作用を持
つものとして、エストロジェン、黄体形成ホルモン(L
H)類、デキサメサゾン、ヘキセストロール、ベタメサ
ゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンセトニド、
フルオシノロンアセトニド、プレドニゾロン、ヒドロコ
ルチゾン等が挙げられ、さらに、脂溶性ビタミンとし
て、ビタミンA類、ビタミンD類、ビタミンE類、ビタ
ミンK類、葉酸(ビタミンM)等も挙げられる。
【0010】該「非ペプチド性生理活性物質」、特に
「難水溶性の非ペプチド性生理活性物質」がCADとし
ての性質を有する例としては、例えば、アミロダロン、
プロメタジン、プロプラノロールなどの受容体拮抗作用
を示すもの、クロラムフェニコール、ゲンタマイシンな
どの酵素阻害作用を示すもの、アミトリプチリン、イミ
プラミン、トリミプラシンなどの運搬体拮抗作用を示す
ものなどが挙げられる。
【0011】該「非ペプチド性生理活性物質」、特に
「難水溶性の非ペプチド性生理活性物質」としては、分
子量が約1,000以下、好ましくは約900以下、さ
らに好ましくは約800以下、特に好ましくは約700
以下の物質が好ましい。該「難水溶性の非ペプチド性生
理活性物質」の溶解度は、例えば0.1%(W/V)以
下、好ましくは0.01%(W/V)以下である。ここ
で溶解度とは、日本薬局方記載の第2液〔0.2Mリン
酸緩衝液(pH 約6.8)〕に、薬物を過剰に添加
後、例えば Recipro Shaker(モデルSR
−I、大洋科学工業(株))を用いて一分間に100回
以上の振とうを、室温(約15〜約25℃)にて、30
分以上施した後、溶け残りの薬物を遠心分離して得られ
る上清中の薬物濃度を示す。該「非ペプチド性生理活性
物質」、特に「難水溶性の非ペプチド性生理活性物質」
として、好ましくは、性腺刺激ホルモン放出ホルモン
(GnRH(Gonadotropin releasing hormone))アゴ
ニスト(作動薬)またはアンタゴニスト(拮抗薬)、さ
らに好ましくはGnRHアンタゴニストが挙げられる。
かかるGnRHは、黄体形成ホルモン放出ホルモン:L
H−RH(Luteinizing hormone-releasing hormone)
様作用を有する。該「GnRHアンタゴニスト」として
は、GnRH拮抗作用を有する化合物であればいずれで
もよく、例えば、式
【化13】 〔式中、Xは炭素原子または窒素原子を、- - -は単結
合または二重結合を示す〕で表される部分構造(基本骨
格)を有する化合物またはその塩、より具体的には、前
記化合物(I)、化合物(VIII)などが挙げられる。
【0012】上記式(I)中の各置換基の定義を以下に
記す。R1またはR2で示される「C1-4アルコキシ基」
としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
イソプロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシなどが挙げ
られる。このうち、C1-3アルコキシ基が好ましい。さ
らに好ましくはメトキシである。R1またはR2で示され
る「C1-4アルコキシ−カルボニル基」としては、例え
ば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポ
キシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシ
カルボニル、tert-ブトキシカルボニルなどが挙げられ
る。このうち、C1-3アルコキシ−カルボニル基が好ま
しい。さらに好ましくはメトキシカルボニルである。R
1またはR2で示される「置換基を有していてもよいC
1-4アルキル基」の「C1-4アルキル基」としては、例え
ば直鎖状C1-4アルキル基(例、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチルなど)、分枝状C3-4アルキル基(例、イ
ソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルな
ど)などが挙げられる。このうち、C1-3アルキル基が
好ましい。とりわけ、エチルが好ましい。
【0013】R1またはR2で示される「置換基を有して
いてもよいC1-4アルキル基」の「置換基」としては、
例えば(i)ヒドロキシ、(ii)C1-7アシルオキシ
(例、アセトキシ、プロピオニルオキシなどのC1-6
ルキル−カルボニルオキシ)、(iii)ベンゾイルオキ
シ、(iv)C1-6アルコキシ−カルボニル(例、メトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカ
ルボニルなど)、ベンジルオキシカルボニル、C1-4
シル(例、アセチル、プロピオニルなどのC1-3アルキ
ル−カルボニルなど)、C1-4アルキル(例、メチル、
エチル、プロピル、ブチルなど)およびC1-3アルキル
スルホニル(例、メタンスルホニルなど)などから選ば
れる置換基を1または2個有していてもよいアミノ基
(例、アミノ、ジメチルアミノ、メトキシカルボニルア
ミノ、エトキシカルボニルアミノ、tert−ブトキシカル
ボニルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、アセ
チルアミノ、メタンスルホニルアミノなど)、(v)C
1-10アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、tert−ブトキシなど)、(vi)C3-7シクロアルキ
ルオキシカルボニルオキシ−C1-3アルコキシ(例、シ
クロヘキシルオキシカルボニルオキシ−1−エトキシな
ど)、(vii)C1-3アルコキシ−C1-3アルコキシ
(例、メトキシメトキシ、メトキシエトキシなど)など
が挙げられる。このうち、ヒドロキシが好ましい。R1
またはR2で示される「置換基を有していてもよいC1-4
アルキル基」の「C1-4アルキル基」は、例えば上記置
換基を、置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1
ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場
合、各置換基は同一または異なっていてもよい。R1
よびR2は、どちらか一方が水素原子、他方がC1-3アル
コキシ基が好ましい。
【0014】R3で示される「ハロゲン原子」として
は、例えば、フッ素、塩素、臭素、よう素が挙げられ
る。このうち塩素が好ましい。R3で示される「置換基
を有していてもよいC1-4アルコキシ基」の「C1-4アル
コキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシ
などが挙げられる。このうち、メトキシが好ましい。R
3で示される「置換基を有していてもよいC1-4アルコキ
シ基」の「置換基」としては、前記R1またはR2で示さ
れる「置換基を有していてもよいC1-4アルキル基」の
「置換基」と同様のものが挙げられる。このうちC1-4
アルコキシ基が好ましい。該C1-4アルコキシ基は、例
えば上記置換基を、置換可能な位置に1ないし5個、好
ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2
個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよ
い。隣接する2つのR3が連結して形成する「C1-4アル
キレンジオキシ基」としては、例えばメチレンジオキ
シ、エチレンジオキシなどが挙げられる。R3は、水素
原子が好ましい。
【0015】R4で示される「C1-4アルキル基」として
は、例えば直鎖状C1-4アルキル基(例、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチルなど)、分枝状C3-4アルキル基
(例、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-
ブチルなど)などが挙げられる。このうちC1-3アルキ
ル基が好ましい。とりわけ、メチルが好ましい。R6
示される「置換基を有していてもよいC1-4アルキル
基」としては、R1またはR2で示される「置換基を有し
ていてもよいC1-4アルキル基」が挙げられる。
【0016】R4とR5とが連結して形成される「複素
環」としては、5または6員含窒素複素環基があげられ
る。R4とR5とが連結するとき、式
【化14】 で表される基としては、例えば、式
【化15】 で表される基などが挙げられる。このうち、式
【化16】 で表される基が好ましい。
【0017】R6は、式
【化17】 〔式中、R5は前記と同意義を示す〕で表される基が好
ましい。R4はC1-3アルキル基およびR5は水素原子が
好ましい。nは0〜2の整数が好ましい。
【0018】化合物(I)中、好ましい化合物として
は、R1がヒドロキシ基、メトキシ基またはC1-3アルキ
ル基;R2が水素原子またはC1-3アルキル基;R4がC
1-3アルキル基;R6がベンジル基;およびnが0である
化合物またはその塩などが挙げられる。中でも好ましく
は、R1がメトキシ基;R2およびR5がそれぞれ水素原
子;R4がC1-3アルキル基;R6がベンジル基;および
nが0である化合物またはその塩などが挙げられる。化
合物(I)の具体例としては、5−(N−ベンジル−N
−メチルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベ
ンジル)−6−[4−(3−メトキシウレイド)フェニ
ル]−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−
2,4(1H,3H)−ジオン、5−(N−ベンジル−N
−メチルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベ
ンジル)−6−[4−(3−ヒドロキシウレイド)フェ
ニル]−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン
−2,4(1H,3H)−ジオン、5−(N−ベンジル−
N−メチルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロ
ベンジル)−6−[4−(3−メチルウレイド)フェニ
ル]−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−
2,4(1H,3H)−ジオン、5−(N−ベンジル−N
−メチルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベ
ンジル)−6−[4−(3−エチルウレイド)フェニ
ル]−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−
2,4(1H,3H)−ジオンまたはこれらの塩が挙げら
れる。なかでも、5−(N−ベンジル−N−メチルアミ
ノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベンジル)−6
−[4−(3−メトキシウレイド)フェニル]−3−フ
ェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,
3H)−ジオンまたはその塩が好ましい。
【0019】上記式(VIII)中の各置換基の定義を以下
に記す。R9で示される「置換されていてもよいC1-7
ルキル基」の「C1-7アルキル基」としては、例えば直
鎖C1-7アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、
ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルなど)、分枝C
3-7アルキル基(例、イソプロピル、イソブチル、sec-
ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、ネオペンチルな
ど)などが挙げられる。このうち、分枝C3-7アルキル
基が好ましい。とりわけ、イソプロピルが好ましい。R
9で示される「置換されていてもよいC1-7アルキル基」
の「置換基」としては、例えば(i)ヒドロキシ基、(i
i)C1-7アシルオキシ(例、アセトキシ、プロピオニル
オキシなどのC1-6アルキル−カルボニルオキシ;ベン
ゾイルオキシなど)、(iii)C1-6アルコキシ−カルボ
ニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、
tert−ブトキシカルボニルなど)、ベンジルオキシカル
ボニル、C1-3アシル(例、アセチル、プロピオニルな
どのC1-2アルキル−カルボニルなど)、C1-3アルキル
スルホニル(例、メタンスルホニルなど)およびC1-3
アルキル(例、メチル、エチルなど)などから選ばれる
置換基を1または2個有していてもよいアミノ(例:ア
ミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニル
アミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ、ベンジルオ
キシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、メタンスルホ
ニルアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノなど)、
(iv)C3-7シクロアルキルオキシカルボニルオキシ
(例、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシなど)お
よびC1-3アルコキシ(例、メトキシ、エトキシなど)
から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC
1-10(好ましくはC1-4)アルコキシ(例、メトキシ、
エトキシ、プロポキシ、tert−ブトキシ、シクロヘキシ
ルオキシカルボニルオキシ−1−エトキシ、メトキシメ
トキシ、エトキシメトキシなど)、(v)C1-6アルコキ
シ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカ
ルボニル、プロポキシカルボニルなど)などが挙げられ
る。このうちヒドロキシ基が好ましい。該「C1-7アル
キル基」は、例えば上記置換基を、置換可能な位置に1
ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよ
く、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または
異なっていてもよい。
【0020】R9で示される「置換されていてもよいC
3-7シクロアルキル基」の「C3-7シクロアルキル基」と
しては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙
げられる。このうち、好ましくは、シクロプロピルが挙
げられる。R9で示される「置換されていてもよいC3-7
シクロアルキル基」の「置換基」としては、前記R9
示される「置換されていてもよいC1-7アルキル基」の
「置換基」と同様のものが1ないし3個挙げられる。置
換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっ
ていてもよい。R9で示される「置換されていてもよい
1-6アルコキシアミノ基」の「C1-6アルコキシアミノ
基」としては、例えば、モノ−またはジ−C1-6アルコ
キシアミノ基(例、メトキシアミノ、エトキシアミノ、
ジメトキシアミノ、ジエトキシアミノ、エトキシメトキ
シアミノなど)が挙げられる。このうち、モノ−C1-3
アルコキシアミノ基(例、メトキシアミノなど)が好ま
しい。R9で示される「置換されていてもよいC1-6アル
コキシアミノ基」の「置換基」としては、前記R9で示
される「置換されていてもよいC1-7アルキル基」の
「置換基」と同様のものが同個数挙げられる。置換基数
が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていて
もよい。該「置換基」は、C1-6アルコキシアミノ基の
「C1-6アルコキシ基」または「アミノ基」を置換して
いてもよい。該「置換されていてもよいC1-6アルコキ
シアミノ基」の具体例としては、メトキシアミノ、N−
メチル−N−メトキシアミノ、N−エチル−N−メトキ
シアミノ、エトキシアミノ、ジメトキシアミノ、ジエト
キシアミノ、エトキシメトキシアミノなどが挙げられ
る。好ましい例としては、C1-3アルコキシアミノ基、
N−C1-3アルキル−N−C1-3アルコキシアミノ基など
が挙げられる。
【0021】R9で示される「置換されていてもよいヒ
ドロキシアミノ基」の「置換基」としては、ヒドロキシ
アミノ基の「ヒドロキシ基」または「アミノ基」を置換
していてもよく、該「ヒドロキシ基」上の置換基として
は、(i)C1-7アシル基(例、アセチル、プロピオニル
などのC1-6アルキル−カルボニル;ベンゾイルな
ど)、(ii)C1-6アルコキシ−カルボニル(例、メト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシ
カルボニルなど)、ベンジルオキシカルボニル、C 1-3
アシル(例、アセチル、プロピオニルなどのC1-2アル
キル−カルボニルなど)、C1-3アルキルスルホニル
(例、メタンスルホニルなど)およびC1-3アルキル
(例、メチル、エチルなど)などから選ばれる置換基を
1または2個有していてもよいアミノ基(例:アミノ、
メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミ
ノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ、ベンジルオキシ
カルボニルアミノ、アセチルアミノ、メタンスルホニル
アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノなど)、(ii
i)C3-7シクロアルキルオキシカルボニルオキシ(例、
シクロヘキシルオキシカルボニルオキシなど)およびC
1-3アルコキシ(例、メトキシ、エトキシなど)から選
ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC
1-10(好ましくはC1-4)アルキル基(例、メチル、エ
チル、プロピル、tert−ブチル、シクロヘキシルオキシ
カルボニルオキシ−1−エチル、メトキシメチル、エト
キシメチルなど)などが挙げられ、該「アミノ基」上の
置換基としては、上記(i)〜(iii)記載の基などが挙
げられる。ヒドロキシアミノ基の「ヒドロキシ基」また
は「アミノ基」の各置換基は同一または異なっていても
よい。「置換されていてもよいヒドロキシアミノ基」の
好ましい例としては、N−C 1-6アルキル−N−ヒドロ
キシアミノ基(例、N−メチル−N−ヒドロキシアミ
ノ、N−エチル−N−ヒドロキシアミノなど)などが挙
げられる。さらに好ましくはN−C1-3アルキル−N−
ヒドロキシアミノ基などである。
【0022】R10で示される「置換されていてもよいC
1-7アルキル基」の「C1-7アルキル基」としては、例え
ば直鎖または分枝C1-7アルキル基(例、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、se
c-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネ
オペンチル、ヘキシル、ヘプチルなど)などが挙げられ
る。このうちC1-3アルキル基(例、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピルなど)が好ましい。特に好まし
くはイソプロピルである。R10で示される「置換されて
いてもよいC1-7アルキル基」の「置換基」としては、
前記R9で示される「置換されていてもよいC1-7アルキ
ル基」の「置換基」と同様のものが同個数挙げられる。
置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異な
っていてもよい。R10で示される「置換されていてもよ
いフェニル基」の「置換基」としては、例えばハロゲン
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-3アル
キル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル
など)、C1-3アルコキシ基(例えば、メトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシなど)が挙げられ
る。中でもハロゲン(好ましくはフッ素)が好ましい。
該「フェニル基」は、例えば上記置換基を、置換可能な
位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有してい
てもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一
または異なっていてもよい。
【0023】R9は、好ましくは、置換された分枝C3-7
アルキル基または置換されたC3-7シクロアルキル基、
さらに好ましくは、ヒドロキシ基で置換された分枝C
3-7アルキル基またはヒドロキシ基で置換されたC3-7
クロアルキル基である。このうち、ヒドロキシ基で置換
されたC3-7シクロアルキル基が好ましい。また、ヒド
ロキシ基で置換されていてもよいC1-3アルキル基、ヒ
ドロキシ基で置換されていてもよいC3-7シクロアルキ
ル基、モノ−C1-3アルコキシアミノ、N−C1- 3アルキ
ル−N−ヒドロキシアミノ基、ヒドロキシアミノ基など
も好ましい。R9は、特に好ましくは、ヒドロキシ基で
置換されていてもよいシクロプロピル基またはメトキシ
アミノ基などである。最も好ましくは、ヒドロキシ基で
置換されたシクロプロピル基である。R10は、好ましく
は、置換されていてもよいC1-7アルキル基である。さ
らに好ましくは、ヒドロキシ基で置換されていてもよい
1-3アルキル基などである。特に好ましくはイソプロ
ピルである。また、フェニルも好ましい。化合物(VII
I)の好ましい例としては、R9が、ヒドロキシ基で置換
されていてもよいC1-3アルキル基、ヒドロキシ基で置
換されていてもよいC3-7シクロアルキル基またはモノ
−C1-3アルコキシアミノ基;R10が、C1-3アルキル基
またはフェニル基である化合物またはその塩などが挙げ
られる。さらに好ましくは、R9が(1)1または2個の
ヒドロキシ基で置換されたC1-3アルキル基、(2)ヒド
ロキシ基で置換されたC3-7シクロアルキル基、または
(3)C1-3アルコキシアミノ基;R10がイソプロピル基
またはフェニルである化合物またはその塩などが挙げら
れる。
【0024】化合物(VIII)の具体例としては、3−
(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−
ジヒドロ−5−イソブチリル−7−(2,6−ジフルオ
ロベンジル)−2−(4−シクロプロパンカルボニルア
ミノフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリ
ジン、5−ベンゾイル−3−(N−ベンジル−N−メチ
ルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジ
ル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−2−[4−(3
−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニルアミノ)フェニ
ル]チエノ[2,3−b]ピリジン、5−(4−フルオ
ロベンゾイル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミ
ノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−
4,7−ジヒドロ−4−オキソ−2−(4−シクロプロ
パンカルボニルアミノフェニル)チエノ[2,3−b]
ピリジン、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチ
ル)−4,7−ジヒドロ−5−イソブチリル−7−
(2,6−ジフルオロベンジル)−2−[4−(3−ヒ
ドロキシ−2−メチルプロピオニルアミノ)フェニル]
−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、3−(N
−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒ
ドロ−5−イソブチリル−7−(2,6−ジフルオロベ
ンジル)−2−(4−N'−メトキシウレイドフェニ
ル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、3−
(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−
ジヒドロ−5−イソブチリル−7−(2,6−ジフルオ
ロベンジル)−2−[4−[(1−ヒドロキシシクロプ
ロピル)カルボニルアミノ]フェニル]−4−オキソチ
エノ[2,3−b]ピリジン、(R)−4,7−ジヒド
ロ−2−[4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオ
ニルアミノ)フェニル]−7−(2,6−ジフルオロベ
ンジル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチ
ル)−5−イソブチリル−4−オキソチエノ[2,3−
b]ピリジン、4,7−ジヒドロ−2−[4−(2−ヒ
ドロキシ−2−メチルプロピオニルアミノ)フェニル]
−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−3−(N−ベ
ンジル−N−メチルアミノメチル)−5−イソブチリル
−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、4,7−
ジヒドロ−2−[4−(3−ヒドロキシ−3−メチルブ
チリルアミノ)フェニル]−7−(2,6−ジフルオロ
ベンジル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメ
チル)−5−イソブチリル−4−オキソチエノ[2,3
−b]ピリジン、(R)−4,7−ジヒドロ−2−[4
−(2,3−ジヒドロキシプロピオニルアミノ)フェニ
ル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−3−(N
−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−5−イソブチ
リル−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、3−
(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−5−ベン
ゾイル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7
−ジヒドロ−2−[4−[(1−ヒドロキシシクロプロ
ピル)カルボニルアミノ]フェニル]−4−オキソチエ
ノ[2,3−b]ピリジンまたはそれらの塩などが挙げ
られる。なかでも、3−(N−ベンジル−N−メチルア
ミノメチル)−4,7−ジヒドロ−5−イソブチリル−
7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−[4−
[(1−ヒドロキシシクロプロピル)カルボニルアミ
ノ]フェニル]−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリ
ジンまたはその塩が好ましい。
【0025】化合物(I)および化合物(VIII)の塩と
しては、生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。こ
のような塩としては、例えば無機酸(例、塩酸、臭化水
素酸、硝酸、硫酸、リン酸など)との塩、または有機酸
(例、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シ
ュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リ
ンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸など)との塩などが用いられる。化
合物(I)が酸性基を有している場合は、無機塩基
(例、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウ
ムなどのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属、アン
モニアなど)または有機塩基(例、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジ
シクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジ
アミンなど)と生理学的に許容される塩を形成してもよ
い。
【0026】化合物(I)は、自体公知の方法、例え
ば、特開平9−169768号公報、WO 96/24
597号公報に記載の方法またはこれらに準ずる方法に
より製造することができる。具体例として、以下の製造
法1および製造法2が挙げられる。反応式中の化合物は
塩を形成している場合も含み、該塩としては、例えば化
合物(I)の塩と同様のものなどが挙げられる。
【化18】 上記式中、Lは脱離基を、その他の各記号は前記と同意
義を示す。Lで示される「脱離基」としては、例えば1
−イミダゾリル、ハロゲン原子、置換基を有していても
よいアルコキシ基などが挙げられる。該「置換基を有し
ていてもよいアルコキシ基」としては、1ないし3個の
ハロゲン原子(例、塩素、臭素等)を有していてもよい
1-4アルコキシ基(例、2,2,2−トリクロロエト
キシ基)などが挙げられる。
【0027】化合物(II)は、特開平9−169768
号公報に記載の方法またはこれに準ずる方法により得ら
れる。化合物(II)とカルボニルジイミダゾール(N,
N'−カルボニルジイミダゾール;CDI)またはホス
ゲン(二量体および三量体も含む)等とを反応させ、化
合物(IV)を得、次いで化合物(III)を反応させ、化
合物(I)を得る。化合物(IV)は単離せずに反応を続
けてもよく、また、単離して次工程に使用してもよい。
また、化合物(IV)は、化合物(II)とクロロぎ酸エス
テル化合物(例、クロロぎ酸2,2,2−トリクロロエ
チル、クロロぎ酸1−クロロエチル等)などとを反応さ
せても得られる。
【0028】化合物(II)とカルボニルジイミダゾール
またはホスゲン等との反応において、カルボニルジイミ
ダゾールまたはホスゲン等の使用量は、化合物(II)1
モルに対し、それぞれ約1〜3モルである。本反応は、
通常反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒中で行われ
る。該溶媒としては、例えば、エーテル類(例、エチル
エーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、テトラヒド
ロフランなど)、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、ト
ルエンなど)、アミド類(例、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミドなど)、ハロゲン化炭化水素類
(例、クロロホルム、ジクロロメタンなど)等が用いら
れる。反応温度は、通常、約0〜約150℃、好ましく
は、室温下(約15〜約25℃)である。反応時間は通
常約1〜約36時間である。本反応は、必要に応じ、塩
基の存在下に行われる。該「塩基」としては、例えば、
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化タリウムなどの無機塩基、あるいはトリエチ
ルアミン、ピリジンなどの有機塩基が用いられる。該
「塩基」の使用量は、化合物(II)1モルに対し、約2
モル〜20モル、好ましくは、約5モル〜12モルであ
る。次いで行われる化合物(III)との反応条件は、化
合物(II)とカルボニルジイミダゾールまたはホスゲン
とを反応させる条件と同様に行えばよい。化合物(II
I)の使用量は、化合物(II)または化合物(IV)1モ
ルに対し、約2〜20モル、好ましくは、約5〜10モ
ルである。反応温度は、通常、約0〜150℃であり、
好ましくは室温下(約15〜25℃)である。反応時間
は、通常約1〜6時間である。また、カルボニルジイミ
ダゾールまたはホスゲンと化合物(III)とは、同時に
化合物(II)と反応させてもよい。
【0029】
【化19】 上記式中、R7は水素原子またはアルキル基を、R8はア
ルキル基を、その他の各記号は前記と同意義を示す。R
7またはR8で示される「アルキル基」としては、R1
たはR2で示される「置換基を有していてもよいC1-4
ルキル基」の「C1-4アルキル基」と同様のものが挙げ
られる。
【0030】化合物(V)は、自体公知の方法、例えば
p−ニトロフェニルアセトン、シアノ酢酸エステル誘導
体および硫黄を反応させ(例、Chem. Ber., 99巻,94-1
00頁,1966年等)、得られる2−アミノ−4−メチル−
5−(4−ニトロフェニル)チオフェンを、特開平9−
169768号、WO 96/24597号公報等に記
載の方法またはこれに準ずる方法に付すことにより得ら
れる。
【0031】R7が水素原子の場合、化合物(V)を、
縮合試薬の存在下、式
【化20】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合
物またはその塩(以下、化合物(VI)と略記する)と反
応させ、化合物(VII)を得、次いで閉環反応に付し、
化合物(I)を得る。該「縮合試薬」としては、例え
ば、ベンゾトリアゾ−ル−1−イルオキシトリピロリジ
ノホスフォニウム ヘキサフルオロホスフェート(benz
otriazol-1-yloxytripyrrolidinophosphonium hexafluo
rophosphate:PyBOP)などが挙げられる。該「縮合試
薬」の使用量は、化合物(V)1モルに対し、約1〜3
モルである。本反応は、通常反応に悪影響を及ぼさない
適当な溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えば、ア
ルコール類(例、エタノール、メタノールなど)、芳香
族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエンなど)、アミド
類(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
など)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジ
クロロメタンなど)等が用いられる。反応温度は、通
常、約0〜約150℃、好ましくは、室温下(約15〜
約25℃)である。反応時間は通常約1〜約36時間で
ある。生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次
の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合
物から単離することもできる。
【0032】化合物(VII)を塩基の存在下、閉環反応
に付す。該「塩基」としては、例えば、ナトリウムメト
キシド、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カ
リウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化タリウムなどの無機塩基、あるいはト
リエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基が用いられ
る。該「塩基」の使用量は、化合物(VII)1モルに対
し、約2モル〜20モル、好ましくは、約5モル〜12
モルである。本反応は、通常反応に悪影響を及ぼさない
適当な溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えば、ア
ルコール類(例、エタノール、メタノールなど)、芳香
族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエンなど)、アミド
類(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
など)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジ
クロロメタンなど)等が用いられる。反応温度は、通
常、約0〜約150℃、好ましくは、室温下(約15〜
約25℃)である。反応時間は通常約1〜約36時間で
ある。
【0033】R7がアルキル基の場合、化合物(V)
を、活性化された化合物(VI)と反応させ、化合物
(I)を得る。活性化された化合物(VI)は、自体公知
の方法に従い製造でき、例えば、反応に悪影響を与えな
い適当な溶媒中、有機アルミニウム試薬と化合物(VI)
とを反応させることにより得られる。該「有機アルミニ
ウム試薬」としては、例えば、トリメチルアルミニウ
ム、ジメチルアルミニウムクロライドなど、またはこれ
らを含有する溶液などが挙げられる。該「有機アルミニ
ウム試薬」の使用量は、化合物(VI)1モルに対し、1
〜5モル、好ましくは1モルである。該溶媒としては、
例えばハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジク
ロロメタンなど)が好ましい。反応温度は、通常、約0
〜150℃、好ましくは室温下(約15〜25℃)であ
る。反応時間は、通常約1〜6時間である。化合物
(V)を、活性化された化合物(VI)と反応させること
により、閉環反応が行われ、化合物(I)が得られる。
該「化合物(V)」の使用量は、化合物(VI)および有
機アルミニウム試薬の混合物に対し、約1/5量が好ま
しい。本反応は、通常反応に悪影響を及ぼさない適当な
溶媒中で行われる。該溶媒としては、活性化された化合
物(VI)を得る反応に用いられた溶媒が好ましい。反応
温度は、通常、約0〜150℃、好ましくは室温下(約
15〜25℃)である。反応時間は、通常約1〜48時
間である。
【0034】化合物(I)は、自体公知の分離手段、例
えば再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどにより単
離、精製することができる。化合物(I)が遊離体で得
られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる
方法によって目的とする塩に変換することができ、逆に
塩で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに
準ずる方法により、遊離体または、目的とする他の塩に
変換することができる。化合物(I)は、水和物であっ
てもよく、非水和物であってもよい。該水和物として
は、例えば、1水和物、1.5水和物および2水和物な
どが挙げられる。化合物(I)が光学活性体の混合物と
して得られる場合には、自体公知の光学分割手段により
目的とする(R)体または(S)体に分離することがで
きる。化合物(I)は同位元素(例、3H、14C、35S)
などで標識されていてもよい。
【0035】化合物(VIII)またはその塩は、自体公知
の方法、例えば、WO 95/28405号公報、WO
00/00493号公報に記載の方法またはこれに準ず
る方法により製造することができる。
【0036】本発明に用いられる「末端に2個以上のカ
ルボキシル基を有する生体内分解性ポリマー」として
は、末端に2個以上、好ましくは2または3個のカルボ
キシル基を有する生体内分解性ポリマーが挙げられる。
なかでも好ましくは、末端にα,α−ジカルボキシル基
またはα,β,β'−トリカルボキシル基を有する生体
内分解性ポリマーが挙げられる。上記「末端」とは、ポ
リマーを構成している最小繰り返し単位のうち、片側に
のみ隣の最小繰り返し単位と結合しているそれ(最小繰
り返し単位)を指す。また、ポリマー主鎖がヘテロ原子
を有する場合、最小繰り返し単位をヘテロ原子を優先に
左から表記した場合に、左側に生ずる末端をα残基とよ
び、右側に生ずる末端をω残基とよぶ。直鎖状ポリマー
は二つの末端を有し、枝分かれポリマーである櫛型ポリ
マー、星型ポリマーなどは、二つ以上の末端を有する。
【0037】該「末端に2個以上のカルボキシル基を有
する生体内分解性ポリマー」としては、例えば、ω残基
が、ヒドロキシポリカルボン酸(例、タルトロン酸、2
−ヒドロキシエチルマロン酸、リンゴ酸、クエン酸な
ど)であり、ω残基以外の部分が、脂肪族ポリエステル
〔例、α−ヒドロキシカルボン酸類(例、グリコール
酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸など)、α−ヒドロキシ
ジカルボン酸類(例、リンゴ酸など)、α−ヒドロキシ
トリカルボン酸(例、クエン酸など)等の1種または2
種以上から合成された重合物または共重合物など〕、ポ
リ(α−シアノアクリル酸エステル)、ポリアミノ酸
〔例、ポリ(γ−ベンジル−L−グルタミン酸)な
ど〕、無水マレイン酸系共重合体(例、スチレン−マレ
イン酸共重合体など)などであるポリマーが挙げられ
る。モノマーの結合様式としては、ランダム、ブロッ
ク、グラフトのいずれでもよい。また、上記α−ヒドロ
キシモノカルボン酸類、α−ヒドロキシジカルボン酸
類、α−ヒドロキシトリカルボン酸類が分子内に光学活
性中心を有する場合、D−、L−、DL−体のいずれを
用いてもよい。ω残基は、好ましくはタルトロン酸、ク
エン酸または2−ヒドロキシエチルマロン酸、さらに好
ましくはタルトロン酸またはクエン酸である。ω残基以
外の部分は、好ましくはポリα−ヒドロキシカルボン酸
である。なかでも直鎖状であるポリα−ヒドロキシカル
ボン酸が好ましい。
【0038】該「ポリα−ヒドロキシカルボン酸」の最
小繰り返し単位であるα−ヒドロキシカルボン酸として
は、例えば、乳酸、グリコール酸などが好ましい。該
「ポリα−ヒドロキシカルボン酸」としては、例えば、
乳酸、グリコール酸などのコポリマー〔以下、ポリ(ラ
クチド−co−グリコリド)、ポリ(乳酸−co−グリ
コール酸)または乳酸−グリコール酸重合体と称するこ
とがある。〕が挙げられれる。該「乳酸−グリコール酸
重合体」は、乳酸ならびにグリコール酸のホモポリマー
(重合体、ポリラクチドまたはポリグリコリド)および
コポリマー(共重合体)を意味する。該「乳酸−グリコ
ール酸重合体」における乳酸およびグリコール酸の組成
比(乳酸/グリコール酸;モル/モル%)は、本発明の
目的が達成される限り特に限定されないが、例えば、約
100/0〜約30/70、好ましくは約100/0〜
約40/60、さらに好ましくは約100/0〜約45
/55である。該「ポリα−ヒドロキシカルボン酸」の
最小繰り返し単位になるα−ヒドロキシカルボン酸が、
分子内に光学活性中心を有する場合は、D−体、L−体
およびD,L−体のいずれでもよい。例えば、D−体/
L−体(モル/モル%)が、約75/25〜約25/7
5、好ましくは約60/40〜約30/70であるα−
ヒドロキシカルボン酸が用いられる。該「末端に2個以
上のカルボキシル基を有する生体内分解性ポリマー」の
好ましい例としては、末端にα,α−ジカルボキシル基
またはα,β,β'−トリカルボキシル基を有する乳酸
−グリコール酸重合体が挙げられる。さらに好ましく
は、ω残基がタルトロン酸である乳酸−グリコール酸重
合体、またはω残基がクエン酸である乳酸−グリコール
酸重合体などが挙げられる。上記「乳酸−グリコール
酸」の好例は、ポリ乳酸などである。
【0039】該「末端に2個以上のカルボキシル基を有
する生体内分解性ポリマー」の重量平均分子量は、通
常、約200〜約100,000、好ましくは約300
〜約50,000、さらに好ましくは約500〜約1
0,000である。該「末端に2個以上のカルボキシル
基を有する生体内分解性ポリマー」の分散度(重量平均
分子量/数平均分子量)は、通常、約1.1〜約4.
0、好ましくは約1.2〜3.5である。該「末端に2
個以上のカルボキシル基を有する生体内分解性ポリマ
ー」のω残基がα,α−ジカルボキシル基である場合、
ポリマーの単位質量当たりの末端カルボキシル基量は、
通常、約30〜約20,000μmol/g、好ましく
は約60〜約5,000μmol/g、さらに好ましく
は約100〜約1,000μmol/gである。
【0040】上記の「重量平均分子量」、「数平均分子
量」および「分散度」とは、重量平均分子量が455,
645、354,000、98,900、66,43
7、37,200、17,100、9,830、5,8
70、2,500、1,303および504の11種の
単分散ポリスチレンを基準物質として、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリス
チレン換算の分子量および算出した分散度をいう。測定
は、高速GPC装置(東ソー製,HLC−8120GP
C)、GPCカラムKF804L×2(昭和電工製)を
使用し、移動相としてはクロロホルムを用いる。上記の
「末端カルボキシル基量」とは、ラベル化法による末端
基定量方法により求めたものをいう。具体的には、ω残
基がタルトロン酸であるポリマーの場合、生体内分解性
ポリマー(Wmg)を5N HCl/アセトニトリル
(v/v=4/96)混液(2ml)に溶解し、0.0
1Mのo−ニトロフェニルヒドラジン(ONPH)溶液
(5N HCl/アセトニトリル/エタノール=1.0
2/35/15)(2ml)および0.15M EDC
溶液(ピリジン/エタノール=4v/96v)(2m
l)を加え、40℃で30分反応させた後、溶媒を留去
する。残渣を水洗(4回)した後、アセトニトリル(2
ml)で溶解し、0.5mol/l エタノール性水酸
化カリウム溶液(1ml)を加え、60℃で30分反応
させる。反応液を1.5N NaOHで希釈してYml
とし、1.5N NaOHを対象として544nm吸光度
A(/cm)を測定する。一方、タルトロン酸水溶液を
基準物質として、その遊離カルボキシル基量(C mo
l/L)を、NaOH滴定で求め、また、ONPHラベ
ル化法でタルトロン酸ヒドラジドとしたときの544nm
吸光度をB(/cm)とするとき、ω残基がタルトロン
酸であるポリマーの遊離カルボキシル基量[COOH]
は以下の数式で求められる。 [COOH](mol/g)=(AYC)/(WB) また、生体内分解性ポリマーをトルエン−アセトン−メ
タノール混合溶媒に溶解し、フェノールフタレインを指
示薬としてこの溶液をアルコール性水酸化カリウム溶液
で滴定し、末端カルボキシル基量を算出することもでき
る。
【0041】本発明に用いられる「末端に2個以上のカ
ルボキシル基を有する生体内分解性ポリマー」の「塩」
としては、例えば、無機塩基(例、ナトリウム、カリウ
ム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のア
ルカリ土類金属など)との塩、有機塩基(例、トリエチ
ルアミン等の有機アミン類、アルギニン等の塩基性アミ
ノ酸類等)との塩、遷移金属(例、亜鉛、鉄、銅など)
との塩および錯塩などが挙げられる。
【0042】「末端に2個以上のカルボキシル基を有す
る生体内分解性ポリマーまたはその塩」は、自体公知の
方法またはこれに準ずる方法により製造される。例え
ば、ω端に2個以上のカルボキシル基を有する生体内分
解性ポリマーの場合、ω端に保護された2個以上のカル
ボキシル基を有する生体内分解性ポリマーを、以下の
(1)または(2)の方法に従って得た後、脱保護反応
に付す。 (1)カルボキシル基が保護されたヒドロキシポリカル
ボン酸誘導体の存在下、重合触媒を用いて環状エステル
化合物を重合反応に付し、ω端に保護された2個以上の
カルボキシル基を有するポリマーを得る。該「カルボキ
シル基が保護されたヒドロキシポリカルボン酸誘導体」
とは、例えば、カルボキシル基(−COOH)がアミド
(−CONH2)化またはエステル(−COOR11)化
されているヒドロキシポリカルボン酸誘導体などがあげ
られる。なかでも、カルボキシル基がエステル化されて
いるヒドロキシポリカルボン酸誘導体などが好ましい。
11は、例えば、C1-6アルキル基(例、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチルな
ど)、C3-8シクロアルキル基(例、シクロペンチル、
シクロヘキシルなど)、C6-12アリール基(例、フェニ
ル、α−ナフチルなど)、C7-14アラルキル基(例、ベ
ンジル、フェネチルなどのフェニル−C 1-2アルキル
基;α−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1-2
ルキル基など)である。なかでも、tert−ブチル基、ベ
ンジル基などが好ましい。該「カルボキシル基が保護さ
れたヒドロキシポリカルボン酸誘導体」の好ましい具体
例としては、タルトロン酸ジベンジル、2−ヒドロキシ
エチルマロン酸ジtert-ブチル、クエン酸トリベンジル
などが挙げられる。
【0043】該「重合触媒」としては、例えば、有機ス
ズ系触媒(例、オクチル酸スズ、ジラウリル酸ジ−n−
ブチルスズ、テトラフェニルスズなど)、アルミニウム
系触媒(例、トリエチルアルミニウムなど)、亜鉛系触
媒(例、ジエチル亜鉛など)などが挙げられる。このう
ちアルミニウム系触媒、亜鉛系触媒が好ましく、さらに
好ましくは亜鉛系触媒である。重合触媒の溶媒として
は、ベンゼン、ヘキサン、トルエンなどが用いられ、中
でもヘキサン、トルエンなどが好ましい。
【0044】該「環状エステル化合物」とは、例えば、
環内に少なくとも1つのエステル結合を有する環状化合
物をいう。具体的には、環状モノエステル化合物(ラク
トン類)および環状ジエステル化合物(ラクチド類)な
どが挙げられる。該「環状モノエステル化合物」として
は、例えば、4員環ラクトン(例、β−プロピオラクト
ン、β−ブチロラクトン、β−イソバレロラクトン、β
−カプロラクトン、β−イソカプロラクトン、β−メチ
ル−β−バレロラクトンなど)、5員環ラクトン(例、
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなど)、6員
環ラクトン(例、δ−バレロラクトンなど)、7員環ラ
クトン(例、ε−カプロラクトンなど)、p−ジオキサ
ノン、1,5−ジオキセパン−2−オンなどがあげられ
る。該「環状ジエステル化合物」としては、例えば、式
【化21】 〔式中、R12およびR13は、それぞれ同一または異なっ
て、水素原子またはC1- 6アルキル基(例、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル
など)を示す〕で表される化合物などが挙げられる。な
かでも、R12が水素原子およびR13がメチル基、または
12およびR13が水素原子である化合物などが好まし
い。具体的には、例えば、グリコリド、L−ラクチド、
D−ラクチド、DL−ラクチド、meso−ラクチド、
3−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン(光
学活性体も含む)などが挙げられる。
【0045】「重合反応」方法としては、反応物を融解
状態にして行う塊状重合法または反応物を適当な溶媒に
溶解して行う溶液重合法などが挙げられる。該「溶媒」
としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、デ
カリン、ジメチルホルムアミドなどが用いられ、このう
ちトルエン、キシレンなどが好ましい。重合温度は特に
限定されるものではないが、塊状重合の場合、反応開始
時に反応物を融解状態に至らしめる温度以上、通常10
0〜300℃であり、溶液重合の場合、通常室温〜15
0℃であり、反応温度が反応溶液の沸点を越えるとき
は、凝縮器を付けて還流するか、または耐圧容器内で反
応させればよい。重合時間は、重合温度、そのほかの反
応条件、目的とする重合体の物性などを考慮して適宜定
められるが、例えば10分〜72時間である。反応後
は、必要に応じ、反応混合物を適当な溶媒(例、アセト
ン、ジクロロメタン、クロロホルムなど)に溶解し、酸
(例、塩酸、無水酢酸、トリフルオロ酢酸など)で重合
を停止させた後、常法によりこれを目的物を溶解しない
溶媒(例、アルコール、水、エーテル、イソプロピルエ
ーテルなど)中に混合するなどして析出させ、ω端に保
護されたカルボキシル基を有するポリマーを単離すれば
よい。
【0046】(2)カルボキシル基が保護されたヒドロ
キシポリカルボン酸誘導体と、自体公知の方法(例、無
触媒脱水重縮合法等)により得られた生体内分解性ポリ
マーとを、所望により脱水剤および/または官能基の活
性化剤を用いて、縮合反応に付し、ω端に保護された2
個以上のカルボキシル基を有するポリマーを得る。該
「縮合反応」に関与するカルボキシル基は、公知の手段
で活性化しておいてもよく、縮合反応の際に、カルボキ
シル基の活性化を行ってもよい。活性化は、自体公知の
方法により行えばよく、例えば活性エステル〔例、置換
フェノール類(例、ペンタクロロフェノール、2,4,
5−トリクロロフェノール、2,4−ジニトロフェノー
ル、p−ニトロフェノール等)、N−置換イミド類
(例、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボキシイミド、N−ヒドロキシスクシンイミド、N
−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール等)等
とのエステルなど〕、原料のカルボン酸に対するカルボ
ン酸無水物、アジド等を形成させる方法、酸クロライド
法、酸化還元法(向山法)、混合酸無水物法、N,N’
−ジシクロヘキシルカルボジイミド法、N,N’−ジシ
クロヘキシルカルボジイミド−アディティブ法、ウッド
ワード試薬Kを用いる方法、ベンゾトリアゾール−1−
イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウ
ムヘキサフルオロホスフェイト(BOP試薬)を用いる
方法などが挙げられる。該「縮合反応」は、通常、反応
を阻害しない溶媒中で行われる。このような溶媒として
は、アミド類(例、ジメチルホルムアミド等)、エーテ
ル類(例、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ハロ
ゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム
等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド
等)、エステル類(例、酢酸エチル等)、N−メチルピ
ロリドン、N−メチルモルホリンなどが挙げられる。反
応温度は、好ましくは約−30℃〜約50℃、さらに好
ましくは約0〜約40℃である。反応時間は、例えば約
10分〜約24時間である。
【0047】上記(1)または(2)で得られた「ω端
に保護された2個以上のカルボキシル基を有する生体内
分解性ポリマー」を「脱保護反応」に付す方法として
は、自体公知の方法が挙げられる。ポリ(ヒドロキシカ
ルボン酸)のエステル結合に影響を与えずに保護基を除
去することが可能な方法であればよく、例えば還元反
応、酸分解反応などが挙げられる。該「還元反応」とし
ては、例えば、触媒(例、パラジウム炭素、パラジウム
黒、酸化白金など)を用いる接触還元、液体アンモニウ
ム中でのナトリウムによる還元、ジチオスレイトールに
よる還元などが挙げられる。例えば、ω端にベンジル基
で保護されたカルボキシル基を有するポリマーを接触還
元する場合、具体的には、かかるポリマーを、酢酸エチ
ル、ジクロロメタン、クロロホルムなどに溶解後、パラ
ジウム炭素を添加し、激しく攪拌しながら室温で水素を
約20分〜約4時間通気する。
【0048】該「酸分解反応」としては、例えば、無機
酸(例、フッ化水素、臭化水素、塩化水素など)、有機
酸(例、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸など)またはこれらの混合物な
どによる酸分解などが挙げられる。必要に応じ、酸分解
の際、カチオン・スカベンジャー(例、アニソール、フ
ェノール、チオアニソールなど)を適宜添加してもよ
い。例えば、ω端にtert-ブチル基で保護されたカルボ
キシル基を有するポリマーを酸分解する場合、具体的に
は、かかるポリマーを、ジクロロメタン、キシレン、ト
ルエンなどに溶解後、トリフルオロ酢酸を適当量加え、
またはかかるポリマーをトリフルオロ酢酸で溶解し、室
温で約1時間攪拌する。該酸分解反応は、好ましくは、
上記(1)の重合反応直後に行う。この場合、重合停止
反応を兼ねることができる。さらに、必要に応じ、上記
の脱保護反応によって得られたω端に遊離のカルボキシ
ル基を有する生体内分解性ポリマーを、酸加水分解反応
に付すことにより、該ポリマーの重量平均分子量、数平
均分子量または末端カルボキシル基量を目的に応じて調
節することができる。具体的には、例えば、EP−A−
0839525に記載の方法またはそれに準じた方法に
よって行えばよい。
【0049】本発明の「組成物」、特に「徐放性組成
物」中の「非ペプチド性生理活性物質」の含有量は、例
えば約0.1〜約90%(w/w)、好ましくは約0.
5〜約80%(w/w)、より好ましくは約1〜70%
(w/w)である。本発明の「組成物」、特に「徐放性
組成物」中の「末端に2個以上のカルボキシル基を有す
る生体内分解性ポリマーまたはその塩」の含有量は、例
えば約10〜約99.9%(w/w)、好ましくは約2
0〜約95.5%(w/w)、より好ましくは約30〜
約99%(w/w)である。非ペプチド性生理活性物質
と末端に2個以上のカルボキシル基を有する生体内分解
性ポリマーまたはその塩との量比は、例えば非ペプチド
性生理活性物質1モルに対して、該ポリマーまたはその
塩が約1/20〜約100モル、好ましくは約1/10
〜約50モル、より好ましくは約1/5〜約10モルで
ある。
【0050】「末端に2個以上のカルボキシル基を持つ
生体内分解性ポリマー」は、末端がモノカルボキシル基
である生体内分解性ポリマーと混合して用いてもよい。
該「末端がモノカルボキシル基である生体内分解性ポリ
マー」としては、例えばポリα−ヒドロキシカルボン酸
などが挙げられる。該「ポリα−ヒドロキシカルボン
酸」としては、例えば、乳酸、グリコール酸などのホモ
ポリマー(重合体、ポリラクチドまたはポリグリコリ
ド)およびコポリマー(共重合体)などが挙げられる。
「末端に2個以上のカルボキシル基を持つ生体内分解性
ポリマー」および「末端がモノカルボキシル基である生
体内分解性ポリマー」の重量比は、例えば100:0〜
30:70、好ましくは100:0〜50:50であ
る。
【0051】本発明の「組成物」、特に「徐放性組成
物」は、公知の手段、例えば水中乾燥法、相分離法、噴
霧乾燥法またはこれらに準ずる方法などにより製造でき
る。以下に、組成物が、好ましい例である徐放性マイク
ロカプセル(マイクロスフェアと称する場合がある)で
ある場合の製造法について記述する。以下の製造工程
中、必要に応じ、薬物保持剤(例、ゼラチン、ヒドロキ
シナフトエ酸、サリチル酸など)を自体公知の方法によ
り添加してもよい。 (I)水中乾燥法 末端に2個以上のカルボキシル基を有する生体内分解性
ポリマーまたはその塩(以下、「生体内分解性ポリマ
ー」と略記する)を含有する有機溶媒溶液を得る。該有
機溶媒としては、沸点が120℃以下であるものが好ま
しく、例えば、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメ
タン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン、四塩化炭素等)、エーテル類(例、エチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル等)、脂肪酸エステル類
(例、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、芳香族炭化水素類
(例、ベンゼン、トルエン等)、アルコール類(例え
ば、エタノール、メタノール等)、アセトニトリル、ま
たはこれらの混合物などが用いられる。なかでもハロゲ
ン化炭化水素類が好ましく、ジクロロメタンがさらに好
ましい。該混合物としては、ハロゲン化炭化水素とアル
コール類との混液が好ましく、ジクロロメタンとエタノ
ールとの混液が好適である。該「生体内分解性ポリマー
を含有する有機溶媒溶液」中の、生体内分解性ポリマー
の濃度は、かかるポリマーの分子量、有機溶媒の種類に
よって異なるが、例えば、ジクロロメタンを有機溶媒と
して用いた場合、約0.5〜約80重量%、好ましくは
約1〜約70重量%、さらに好ましくは約2〜約60重
量%である。得られた有機溶媒溶液中に、非ペプチド性
生理活性物質(以下、「生理活性物質」と略記する)を
溶解または分散させる。生理活性物質:生体内分解性ポ
リマーの重量比の上限は、約1:0.2、好ましくは約
1:0.5である。
【0052】上記生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液
中に生理活性物質の溶解度を増加させる溶解補助剤を添
加してもよい。該「溶解補助剤」としては、例えば、酸
性で、かつ、ポリマーを含有する有機溶媒溶液に溶解す
る物質が挙げられる。このうち好ましくは、酢酸、ベン
ゼン環を有するヒドロキシカルボン酸類(例、サリチル
酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸、パモ酸など)などが挙げられる。中
でもサリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸などである。さらに好ま
しくは、サリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
などである。
【0053】次いで、得られた生体内分解性ポリマーお
よび生理活性物質を含有する組成物を含む有機溶媒溶液
を水相中に加え、O(油相)/W(水相)エマルション
を形成させた後、油相中の溶媒を蒸発させ、マイクロカ
プセルを調製する。この際の水相体積は、一般的には油
相体積の約1倍〜約10,000倍、好ましくは約5倍
〜約5,000倍、さらに好ましくは約10倍〜約2,
000倍である。上記の外、水相中には乳化剤を加えて
もよい。該「乳化剤」は、一般に安定なO/Wエマルシ
ョンを形成できるものであればいずれでもよい。具体例
として、アニオン性界面活性剤(例、オレイン酸ナトリ
ウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウ
ムなど)、非イオン性界面活性剤(例、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル〔ツイーン(Twee
n)80、ツイーン(Tween)60、アトラスパウ
ダー社〕、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体〔HCO
−60、HCO−50、日光ケミカルズ〕など)、ポリ
ビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシ
メチルセルロース、レシチン、ゼラチン、ヒアルロン酸
などが挙げられる。これら乳化剤は単独でまたは二種以
上を混合して使用してもよい。該「乳化剤」の濃度は、
例えば約0.01〜10重量%、好ましくは約0.05
〜約5重量%である。
【0054】上記の外、水相中には、浸透圧調節剤を加
えてもよい。該「浸透圧調節剤」としては、水溶液とし
た場合に浸透圧を示すものであればよく、例えば、多価
アルコール類、一価アルコール類、単糖類、二糖類、オ
リゴ糖およびアミノ酸類またはそれらの誘導体などが挙
げられる。該「多価アルコール類」としては、例えば、
グリセリン等の三価アルコール類、アラビトール、キシ
リトール、アドニトール等の五価アルコール類、マンニ
トール、ソルビトール、ズルシトール等の六価アルコー
ル類などが挙げられる。なかでも、六価アルコール類が
好ましく、マンニトールがさらに好ましい。該「一価ア
ルコール類」としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコールなどが挙げられ、このうち
エタノールが好ましい。該「単糖類」としては、例え
ば、アラビノース、キシロース、リボース、2ーデオキ
シリボース等の五炭糖類、ブドウ糖、果糖、ガラクトー
ス、マンノース、ソルボース、ラムノース、フコース等
の六炭糖類が挙げられ、このうち六炭糖類が好ましい。
該「オリゴ糖」としては、例えば、マルトトリオース、
ラフィノース糖等の三糖類、スタキオース等の四糖類な
どが挙げられ、このうち三糖類が好ましい。該単糖類、
二糖類およびオリゴ糖の「誘導体」としては、例えば、
グルコサミン、ガラクトサミン、グルクロン酸、ガラク
ツロン酸などが用いられる。該「アミノ酸類」として
は、L−体のものであればいずれも用いることができ、
例えば、グリシン、ロイシン、アルギニンなどが挙げら
れる。このうちL−アルギニンが好ましい。これらの浸
透圧調節剤は単独でまたは二種以上を混合して使用して
もよい。該「浸透圧調節剤」は、外水相の浸透圧が、生
理食塩水の浸透圧の約1/50〜約5倍、好ましくは約
1/25〜約3倍となる濃度で用いられる。
【0055】有機溶媒を除去する方法としては、自体公
知の方法またはそれに準じる方法が用いられる。例え
ば、プロペラ型撹拌機またはマグネチックスターラーな
どで撹拌しながら常圧もしくは徐々に減圧にして有機溶
媒を蒸発させる方法、ロータリーエヴァポレーターなど
を用いて真空度を調節しながら有機溶媒を蒸発させる方
法などが挙げられる。かくして得られたマイクロカプセ
ルは、遠心分離または濾過して分取した後、マイクロカ
プセルの表面に付着している遊離の生理活性物質、乳化
剤などを蒸留水で数回繰り返し洗浄し、再び蒸留水など
に分散して凍結乾燥する。
【0056】上記製造工程中、粒子同士の凝集を防ぐた
めに凝集防止剤を加えてもよい。該「凝集防止剤」とし
ては、例えば、マンニトール、ラクトース、ブドウ糖、
デンプン類(例、コーンスターチ等)などの水溶性多
糖、グリシンなどのアミノ酸、フィブリン、コラーゲン
などのタンパク質などが用いられる。なかでも、マンニ
トールが好ましい。凍結乾燥後、必要に応じ、減圧下、
マイクロカプセル同士が融着しない条件内で加温し、マ
イクロカプセル中の水分および有機溶媒の除去を行って
もよい。好ましくは、毎分10〜20℃の昇温速度の条
件下、示差走査熱量計で求めた生体内分解性ポリマーの
中間点ガラス転移温度よりも若干高い温度で加温する。
より好ましくは、生体内分解性ポリマーの中間点ガラス
転移温度から、これより約30℃高い温度範囲内で加温
する。例えば、生体内分解性ポリマーとして乳酸−グリ
コール酸重合体を用いる場合、その中間点ガラス転移温
度以上中間点ガラス転移温度より10℃高い温度範囲、
好ましくは、中間点ガラス転移温度以上中間点ガラス転
移温度より5℃高い温度範囲で加温する。加温時間はマ
イクロカプセルの量などにより異なるものの、一般的に
はマイクロカプセル自体が所定の温度に達した後、約1
2時間〜約168時間、好ましくは約24時間〜約12
0時間、特に好ましくは約48時間〜約96時間であ
る。加温方法は、マイクロカプセルの集合が均一に加温
できる方法であれば特に限定されず、例えば、恒温槽、
流動槽、移動槽またはキルン中で加温乾燥する方法、マ
イクロ波で加温乾燥する方法などが用いられる。このな
かで恒温槽中で加温乾燥する方法が好ましい。
【0057】(II)相分離法 前記(I)に記載した生理活性物質および生体内分解性
ポリマーを含有する組成物を含む有機溶媒溶液に、コア
セルベーション剤を、撹拌下、徐々に加えてマイクロカ
プセルを析出、固化させる。該「コアセルベーション
剤」としては、有機溶媒と混和する高分子系、鉱物油系
または植物油系の化合物等で生体内分解性ポリマーを溶
解しないものであれば特に限定はされない。具体例とし
ては、シリコン油、ゴマ油、大豆油、コーン油、綿実
油、ココナッツ油、アマニ油、鉱物油、n−ヘキサン、
n−ヘプタンなどが挙げられる。これらのコアセルベー
ション剤の一種または二種以上の混合物が用いられる。
該「コアセルベーション剤」の使用量は、油相体積の約
0.01〜1,000倍、好ましくは約0.05〜50
0倍、特に好ましくは約0.1〜200倍である。かく
して得られたマイクロカプセルを分取した後、(i)ヘ
プタン等で繰り返し洗浄し、生理活性物質および生体内
分解性ポリマーを含有する組成物以外の成分(コアセル
ベーション剤等)を除去し、減圧乾燥するか、または、
(ii)蒸留水で数回繰り返し洗浄し、再び蒸留水などに
分散して凍結乾燥、さらには加温乾燥する。
【0058】(III)噴霧乾燥法 前記(I)に記載した生理活性物質および生体内分解性
ポリマーを含有する組成物を含む有機溶媒溶液または分
散液を、ノズルを用いてスプレードライヤー(噴霧乾燥
器)の乾燥室内に噴霧し、極めて短時間内に微粒化液滴
内の有機溶媒を揮発させ、マイクロカプセルを調製す
る。該ノズルとしては、例えば、二流体ノズル型,圧力
ノズル型,回転ディスク型等がある。この後、必要であ
れば、前記(I)の水中乾燥法で記載と同様の方法で洗
浄を行った後に凍結乾燥、さらには加温乾燥してもよ
い。
【0059】組成物、特に徐放性組成物が、例えば微粒
子(マイクロパーティクル)である場合の製造法の例示
を以下に記述する。前記(I)に記載した生理活性物質
および生体内分解性ポリマーを含有する組成物を含む有
機溶媒溶液または分散液を、例えば、ロータリーエヴァ
ポレーターなどを用いて真空度を調節しながら有機溶媒
および水を蒸発させて乾固した後、ジェットミルなどで
粉砕して微粒子(マイクロパーティクル)を得る。さら
には、粉砕した微粒子を、前記(I)に記載と同様の方
法で洗浄を行った後、凍結乾燥、さらには加温乾燥して
もよい。
【0060】本発明の組成物、特に徐放性組成物の粒子
径は、例えば懸濁注射剤として使用する場合、その分散
度および通針性を満足する範囲であればよく、例えば、
平均粒子径として、約0.1〜300μm、好ましくは
約0.5〜150μm、さらに好ましくは約1〜100
μmである。該平均粒子径は、例えばレーザー解析式粒
度分布測定装置(SALD2000A:島津)などを用
いて、自体公知の方法により測定することが可能であ
る。本発明の組成物、特に徐放性組成物は、そのまま、
あるいは原料物質として種々の剤形に製剤化し、筋肉
内、皮下、臓器などへの注射剤または埋め込み剤、鼻
腔、直腸、子宮などへの経粘膜吸収剤、経口剤〔例、カ
プセル剤(例、硬カプセル剤、軟カプセル剤等〕、顆粒
剤、散剤等の固形製剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等の
液剤等)などとする。このうち好ましくは注射剤であ
る。例えば、本発明の組成物、特に徐放性組成物が注射
剤(注射用)である場合、組成物を分散剤〔例、ツイー
ン(Tween)80、HCO−60等の界面活性剤、
ヒアルロン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロー
ス、アルギン酸ナトリウム等の多糖類など〕、保存剤
(例、メチルパラベン、プロピルパラベンなど)、等張
化剤(例、塩化ナトリウム,マンニトール,ソルビトー
ル,ブドウ糖,プロリンなど)などと共に水性懸濁剤と
するか、またはゴマ油、コーン油などの植物油と共に分
散して油性懸濁剤として注射剤とする。本発明の組成
物、特に徐放性組成物を、無菌製剤とするためには、製
造全工程を無菌にする方法、ガンマ線で滅菌する方法、
防腐剤を添加する方法等が挙げられるが、特に限定され
ない。
【0061】本発明の組成物、特に徐放性組成物は、低
毒性であるので、哺乳動物(例、ヒト、牛、豚、犬、ネ
コ、マウス、ラット、ウサギ等)に対して安全な医薬な
どとして用いることができる。本発明の組成物、特に徐
放性組成物は、含有する生理活性物質の種類に応じて、
種々の疾患などの予防・治療剤として用いることができ
る。例えば、生理活性物質がGnRHアンタゴニストで
ある場合、例えば、性ホルモン依存性ガン(例、前立腺
ガン、子宮ガン、乳ガン、下垂体腫瘍等)、性ホルモン
依存性ガンの骨転移、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内
膜症、思春期早発症、無月経症、月経前症候群、多房性
卵巣症候群、ニキビ、禿頭症、アルツハイマー病(アル
ツハイマー病、アルツハイマー型老年期痴呆症およびそ
れらの混合型)などの予防および(または)治療に有用
である。また、 本発明の組成物、特に徐放性組成物
は、雄性および雌性における生殖の調節(例、妊娠調節
剤、月経周期調節剤等)にも有用である。本発明の組成
物、特に徐放性組成物は、さらに男性および女性の避妊
薬として、さらに女性の***誘発剤として使用すること
ができる。 本発明の組成物、特に徐放性組成物は、そ
の休薬後のリバウンド効果を利用して、不妊症の治療に
使用することができる。また、性ホルモン非依存性でL
H−RH感受性である良性または悪性腫瘍などの予防・
治療剤としても用いることができる。さらに、 本発明
の組成物、特に徐放性組成物は畜産分野において動物の
発情の調節、食肉用の肉質の改善、動物の成長促進など
にも有用である。本発明の組成物、特に徐放性組成物
は、魚類の産卵促進剤としても有用である。
【0062】本発明の組成物、特に徐放性組成物は、酢
酸リュープロレリンなどのGnRH超作動薬の投与時に
認められる、一過性の血中テストステロン(雄性の場
合)濃度の上昇(フレアー現象)を抑制するために用い
ることができる。本発明の組成物、特に徐放性組成物
は、酢酸リュープロレリン(Leuprorelin)、ゴナドレ
リン(Gonadrelin)、ブセレリン(Buserelin)、トリ
プトレリン(Triptorelin)、ゴセレリン(Gosereli
n)、ナファレリン(Nafarelin)、ヒストレリン(Hist
relin)、デスロレリン(Deslorelin)、メテレリン(M
eterelin)、レシレリン(Lecirelin)などのGnRH
超作動薬(好ましくは酢酸リュープロレリン)と併用し
て用いることができる。また、 本発明の組成物、特に
徐放性組成物は、ステロイド性または非ステロイド性の
抗アンドロゲン剤または抗エストロゲン剤、化学療法
剤、ペプチド性GnRH拮抗薬、5α−レダクターゼ阻
害薬、α−受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、17β
−ヒドロキシステロイド脱水素酵素阻害薬、副腎系アン
ドロゲン産生阻害薬、りん酸化酵素阻害薬、ホルモン療
法剤、細胞増殖因子またはその受容体の作用を阻害する
薬剤などの少なくとも一種と併用することも有効であ
る。
【0063】該「化学療法剤」としては、イホスファミ
ド(Ifosfamide)、UFT、アドリアマイシン(Adriam
ycin)、ペプロマイシン(Peplomycin)、シスプラチン
(Cisplatin)、シクロフォスファミド(Cyclophospham
ide)、5−FU、UFT、メトレキセート(Methotrex
ate)、マイトマイシンC(Mitomycin C)、マイトキサ
ントロン(Mitoxantrone)、タキソール(Taxotere)など
があげられる。該「ペプチド性GnRH拮抗薬」として
は、セトロレリクス(Cetrorelix)、ガニレリクス(Ga
nirelix)、アバレリクス(Abarelix)などの非経口投
与ペプチド性GnRH拮抗薬があげられる。該「副腎系
アンドロゲン産生阻害薬」としては、例えばリアーゼ
(C17,20−lyase)阻害薬などがあげられる。該「りん
酸化酵素阻害薬」としては、例えばチロシンりん酸化酵
素などがあげられる。該「ホルモン療法剤」としては、
抗エストロゲン剤、黄体ホルモン剤(例、MPAな
ど)、アンドロゲン剤、エストロゲン剤、抗アンドロゲ
ン剤などがあげられる。
【0064】該「細胞増殖因子(growth factors)」と
は、細胞の増殖を促進する物質であればどのようなもの
でもよく、通常、分子量が20,000以下のペプチド
で、受容体との結合により低濃度で作用が発揮される因
子が挙げられ、具体的には、(1)EGF(epidermal g
rowth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有す
る物質(例、EGF、ハレグリン(HER2リガンド)
など)、(2)インシュリンまたはそれと実質的に同一
の活性を有する物質(例、インシュリン、IGF(insul
in-like growth factor)−1、IGF−2など)、
(3)FGF(fibroblast growth factor)またはそれ
と実質的に同一の活性を有する物質(例、αFGF、β
FGF、KGF(Keratinocyte Growth Factor)、HG
F(Hepatocyte Growth Factor)、FGF-10な
ど)、(4)その他の細胞増殖因子(例、CSF(colon
y stimulating factor)、EPO(erythropoietin)、
IL−2(interleukin-2)、NGF(nerve growth fac
tor)、PDGF(platelet-derived growth factor)、
TGFβ(transforming growth factorβ)など)など
があげられる。該「細胞増殖因子の受容体」としては、
上記の細胞増殖因子と結合能を有する受容体であればい
かなるものであってもよく、具体的には、EGF受容
体、ハレグリン受容体(HER2)、インシュリン受容
体−1、インシュリン受容体−2、 IGF受容体、FG
F受容体−1またはFGF受容体−2などがあげられ
る。上記細胞増殖因子の作用を阻害する薬剤としては、
ハーセプチン(HER2レセプター抗体)などがあげら
れる。上記細胞増殖因子またはその受容体の作用を阻害
する薬剤としては、例えば、ハービマイシン、PD15
3035(Science 265 (5175) p1093, (1994))などが
あげられる。
【0065】また、細胞増殖因子またはその受容体の作
用を阻害する薬剤としてHER2阻害剤もあげられる。
HER2阻害剤としては、HER2の活性(例、リン酸
化活性)を阻害する物質であれば、抗体、低分子化合物
(合成化合物、天然物)、アンチセンス、HER2リガ
ンド、ハレグリンまたはこれらの構造を一部修飾、改変
したものの何れであってもよい。また、HER2レセプ
ターを阻害することによりHER2活性を阻害する物質
(例、HER2レセプター抗体)であってもよい。HE
R2阻害作用を有する低分子化合物としては、例えば、
WO98/03505号に記載の化合物、具体的には1
−[3−[4−[2−((E)−2−フェニルエテニ
ル)−4−オキサゾリルメトキシ]フェニル]プロピ
ル]−1,2,4−トリアゾールなどがあげられる。前
立腺肥大症に対しては、GnRH超作動薬、抗アンドロ
ゲン剤、抗エストロゲン剤、ペプチド性GnRH拮抗
薬、5α−レダクターゼ阻害薬、α−受容体阻害薬、ア
ロマターゼ阻害薬、17β−ヒドロキシステロイド脱水
素酵素阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬、りん酸
化酵素阻害薬などの薬剤と本発明の組成物、特に徐放性
組成物との併用が挙げられる。
【0066】前立腺癌に対しては、GnRH超作動薬、
抗アンドロゲン剤、抗エストロゲン剤、化学療法剤
〔例、イホスファミド(Ifosfamide)、UFT、アドリ
アマイシン(Adriamycin)、ペプロマイシン(Peplomyc
in)、シスプラチン(Cisplatin)など〕、ペプチド性
GnRH拮抗薬、アロマターゼ阻害薬、17β−ヒドロ
キシステロイド脱水素酵素阻害薬、副腎系アンドロゲン
産生阻害薬、りん酸化酵素阻害薬、ホルモン療法剤
〔例、エストロゲン剤(例、DSB、EMPなど)、抗
アンドロゲン剤(例、CMAなど)など〕、細胞増殖因
子またはその受容体の作用を阻害する薬剤などの薬剤と
本発明の組成物、特に徐放性組成物との併用が挙げら
れる。乳癌に対しては、GnRH超作動薬、抗エストロ
ゲン剤、化学療法剤〔例、シクロフォスファミド(Cycl
ophosphamide)、5−FU、UFT、メトレキセート
(Methotrexate)、アドリアマイシン(Adriamycin)、
マイトマイシンC(Mitomycin C)、マイトキサントロ
ン(Mitoxantrone)など〕、ペプチド性GnRH拮抗
薬、アロマターゼ阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害
薬、りん酸化酵素阻害薬、ホルモン療法剤〔例、抗エス
トロゲン剤〔例、タモキシフェン(Tamoxifen)な
ど〕)、黄体ホルモン剤(例、MPAなど)、アンドロ
ゲン剤、エストロゲン剤など〕、細胞増殖因子またはそ
の受容体の作用を阻害する薬剤などの薬剤と本発明の組
成物、特に徐放性組成物との併用が挙げられる。上記の
薬剤は、本発明の組成物、特に徐放性組成物と同時にま
たは時間差をおいて同一対象に投与してもよい。さら
に、本発明の組成物、特に徐放性組成物は、酢酸リュー
プロレリンなどのGnRH超作動薬の投与前に投与し
て、フレアーを起こさずに治療を行うことも可能であ
る。
【0067】本発明の組成物、特に徐放性組成物の投与
量は、生理活性物質の種類と含量、剤形、生理活性物質
放出の持続時間、対象疾病、対象動物などによって種々
異なるが、生理活性物質の有効量であればよい。生理活
性物質の1回当たりの投与量としては、例えば、組成物
が1カ月製剤である場合、成人(体重60kg)一人当
たり、約0.01mg〜20mg/kg体重、好ましく
は約0.05mg〜5mg/kg体重である。本発明の
組成物、特に徐放性組成物の1回当たりの投与量は、成
人(体重60kg)1人当たり、約0.05mg〜50
mg/kg、好ましくは約0.1mg〜30mg/kg
である。投与回数は、数週間に1回、1ヶ月に1回、ま
たは数か月(例、3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月など)に1回
など、生理活性物質の種類と含量、剤形、生理活性物質
放出の持続時間、対象疾病、対象動物などによって適宜
選ぶことができる。本発明の組成物、特に徐放性組成物
からの生理活性物質の放出期間は、生理活性物質の種
類、組成物の剤型、投与量または投与部位により変わる
ため特に限定されないが、例えば、12時間〜1年、好
ましくは24時間〜8ヶ月、さらに好ましくは1週間〜
4ヶ月である。
【0068】本発明の組成物、特に徐放性組成物は、そ
のガラス転移点(Tg)が、末端に2個以上のカルボキ
シル基を有する生体内分解性ポリマーのガラス転移点と
比較すると約10℃以上高温であるものが安定性の面で
好ましく、より好ましくは約12℃以上、さらに好まし
くは約15℃以上高温であるものが好ましい。ここでガ
ラス転移点は示差走査熱量計(DSC7、パーキン・エ
ルマー社製)で測定されたものをいう。具体的にはガラ
ス転移点が約31〜42℃である生体内分解性ポリマー
(例えば、後述の参考例9または参考例10で得られる
末端タルトロン酸PLAなど)を用いて、安定性の優れ
たガラス転移点が約53〜58℃の本発明の組成物を得
ることができる。
【0069】また、本組成物は徐放性であるものが好ま
しい。すなわち、非ペプチド性生理活性物質が難水溶性
であるとき、非ペプチド性生理活性物質の放出速度を加
速するものが好ましい。
【0070】
【発明の実施の形態】以下に、参考例、実施例および実
験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これら
は本発明を限定するものではない。
【実施例】参考例1 2−アミノ−4−メチル−5−(4−ニトロフェニル)
チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル 4−ニトロフェニルアセトン(35.0g,195mm
ol)、シアノ酢酸エチル(23.8g,195mmo
l)、酢酸アンモニウム(3.1g,40mmol)お
よび酢酸(9.1ml,159mmol)の混合物を、
ディーンスターク装置で生成する水を除きながら、24
時間加熱還流した。冷後、反応液を減圧下濃縮し、残さ
をジクロロメタンと重曹水で分配した。有機層を食塩水
で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留去し
た。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
した。得られた油状物をエタノールに溶解させ、硫黄
(5.0g,160mmol)およびジエチルアミン
(16.0ml,160mmol)を加え60−70℃
で2時間かくはんした。冷後、反応液を減圧下濃縮し、
残さをジクロロメタンと重曹水で分配した。有機層を食
塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留
去した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製し、エーテル−へキサンから結晶化させて赤色板状
晶の標題化合物(22.2g,52%)を得た。 mp:168−170℃ (エーテル−へキサンより再
結晶). 1H−NMR(200MHz,CDCl3)δ:1.39
(3H,t,J=7.1Hz),2.40(3H,
s),4.34(2H,q,J=7.1Hz),6.2
7(2H,br),7.48(2H,d,J=8.7H
z),8.23(2H,d,J=8.7Hz). IR(KBr):3446,3324,1667,15
80,1545,1506,1491,1475,14
10,1332cm-1
【0071】参考例2 5−メチル−6−(4−ニトロフェニル)−3−フェニ
ルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3
H)−ジオン 参考例1で得られた化合物(5.00g,16.32m
mol)のピリジン(30ml)溶液に、フェニルイソ
シアネート(2.66ml,24.48mmol)を加
え、45℃で6時間かくはん後、反応液を減圧下濃縮し
て得られた残さをエタノール(6ml)溶液とした。こ
の溶液に28%ナトリウムメトキシド(7.86g,4
0.80mmol)を加え、反応液を室温で2時間かく
はんした後、2N塩酸(25ml,50mmol)を加
えエタノール溶媒を減圧下に留去した。得られた残さを
ろ過して水−エタノールで洗浄し、減圧下に乾燥後エタ
ノールから再結晶して、黄色粉末の標題化合物(6.0
9g,98%)を得た。 mp:>300℃. 元素分析値 C191334S・0.3H2Oとして C(%) H(%) N(%) 計算値: 59.30; 3.56; 10.92 実測値: 59.56; 3.52; 10.931 H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:2.
50(3H,s),7.31−7.46(5H,m),
7.78(2H,d,J=8.8Hz),8.32(2
H,d,J=8.8Hz),12.50(1H,s). IR(KBr):1715,1657,1593,15
10cm-1
【0072】参考例3 1−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−メチル−6
−(4−ニトロフェニル)−3−フェニルチエノ〔2,
3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン 参考例2で得られた化合物(52.54g,0.131
mol)のジメチルホルムアミド(1.0l)溶液に、
炭酸カリウム(19.00g,0.138mol)、ヨ
ウ化カリウム(22.90g,0.138mol)、
2,6−ジフルオロベンジルクロリド(22.40g,
0.138mol)を加え室温で2時間かくはんした。
反応液を濃縮して得られた残渣をクロロホルムと食塩水
で分配した。水層をクロロホルムで抽出し、抽出液をあ
わせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を減
圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製して淡黄色結晶の標題化合物(6
1.50g,93%)を得た。 mp:280−282℃. 1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:2.57
(3H,s),5.38(2H,s),6.94(2
H,d,J=8.1Hz),7.42−7.58(8
H,m),8.29(2H,d,J=8.8Hz). IR(KBr):1719,1669,1524,14
73cm-1
【0073】参考例4 5−ブロモメチル−1−(2,6−ジフルオロベンジ
ル)−6−(4−ニトロフェニル)−3−フェニルチエ
ノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3H)−
ジオン 参考例3で得られた化合物(30.34g,0.060
mol)、N−ブロモこはく酸イミド(12.81g,
0.072mol)、α,α’−アゾビスイソブチロニ
トリル(1.15g,0.007mol)およびクロロ
ベンゼン(450ml)の混合物を85℃で3時間かく
はんした。冷後反応液を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO
4)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残さを酢酸
エチルから再結晶して黄色針状晶の標題化合物(80.
21g,100%)を得た。mp:228−229℃.1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:4.77
(2H,s),5.38(2H,s),6.96(2
H,t,J=8.1Hz),7.29−7.58(6
H,m),7.79(2H,d,J=8.5Hz),
8.35(2H,d,J=8.5Hz). IR(KBr):1721,1680,1524,14
73,1348cm-1.FAB−Mass m/z 5
84(MH)+
【0074】参考例5 5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−1−
(2,6−ジフルオロベンジル)−6−(4−ニトロフ
ェニル)−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジ
ン−2,4(1H,3H)−ジオン 参考例4で得られた化合物(80.00g,0.119
mol)のジメチルホルムアミド(600ml)溶液
に、氷冷下、エチルジイソプロピルアミン(27.00
ml,0.155mol)およびベンジルメチルアミン
(18.45ml,0.143mol)を加えた。室温
で2時間かくはんした後、反応液を濃縮して得られる残
渣を酢酸エチルと飽和重曹水で分配した。水層を酢酸エ
チルで抽出し、有機層をあわせて乾燥(MgSO4
後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色油状物
(74.90g,100%)を得、酢酸エチルから再結
晶して黄色針状晶の標題化合物を得た。 mp:173−174℃. 1H−NMR(300MHz,CDCl3)[フリーアミ
ン]δ:1.31(3H,s),3.60(2H,
s),3.96(2H,s),5.39(2H,s),
6.95(2H,t,J=8.2Hz),7.18−
7.55(11H,m),8.02(2H,d,J=
9.0Hz),8.26(2H,d,J=9.0H
z).IR(KBr)[塩酸塩]:1719,167
8,1597,1520cm-1
【0075】参考例6 6−(4−アミノフェニル)−5−(N−ベンジル−N
−メチルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベ
ンジル)−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジ
ン−2,4(1H,3H)−ジオン 参考例5で得られた化合物(3.00g,4.80mm
ol)のギ酸(30ml)溶液に、氷冷下、1M塩化水
素−エーテル(14.4ml,14.4mmol)およ
び10%パラジウム炭素粉末(300mg)を加え、常
温常圧で2時間にわたりかくはんし水素添加した。反応
液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮して得られた残渣
をジクロロメタンおよび飽和重曹水で分配した。水層を
ジクロロメタンで抽出し、有機層をあわせて乾燥(Mg
SO4)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して白色結
晶の標題化合物(2.41g,84%)を得た。 mp:205−207℃. 元素分析値 C342842SF2・0.1AcOEt
・1.2H2Oとして 1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:2.05
(3H,s),3.56(2H,s),3.83(2
H,br),3.88(2H,s),5.36(2H,
s),6.70(2H,d,J=8.8Hz),6.8
8−6.94(2H,m),7.21−7.31(8
H,m),7.41−7.53(5H,m). IR(KBr):1715,1657,1628,15
37cm-1
【0076】参考例7 5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−1−
(2,6−ジフルオロベンジル)−6−[4−(3−メ
トキシウレイド)フェニル]−3−フェニルチエノ
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジ
オン 参考例6で得られた化合物(5.0g,8.41mmo
l)のジクロロメタン(120ml)溶液に、氷冷下、
トリエチルアミン(2.34ml,16.82mmo
l)を加えかくはんした。この反応液に、氷冷下、N,
N’−カルボニルジイミダゾール(2.73g,16.
82mmol)を加え、氷冷下から室温に戻して42時
間かくはんした。再度氷冷下に戻し、O−メチルヒドロ
キシルアミン塩酸塩(7.02g,84.08mmo
l)およびトリエチルアミン(11.7ml,84.0
8mmol)を加えた。反応液は氷冷下から室温に戻し
て3時間かくはんした。反応液をクロロホルムと飽和重
曹水で分配した。水層をクロロホルムで抽出し、抽出液
をあわせて食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)後、溶
媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製して淡黄色固体を得、クロ
ロホルム−エーテルから再結晶して白色結晶(4.52
g,80%)の標題化合物を得た。 mp:204−205℃. 1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:2.05
(3H,s),3.57(2H,s),3.82(3
H,s),3.90(2H,s),5.37(2H,
s),6.92(2H,d,J=8.2Hz),7.1
6−7.31(9H,m),7.42−7.57(5
H,m),7.63(1H,s),7.73(2H,
d,J=8.8Hz). IR(KBr):3338,3064,1717,16
69,1628,1591,1531,1470c
-1
【0077】参考例8 3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,
7−ジヒドロ−5−イソブチリル−7−(2,6−ジフ
ルオロベンジル)−2−[4−[(1−ヒドロキシシク
ロプロピル)カルボニルアミノ]フェニル]−4−オキ
ソチエノ[2,3−b]ピリジン 2−(4−アミノフェニル)−7−(2,6−ジフルオ
ロベンジル)−4,7−ジヒドロ−5−イソブチリル−
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4−
オキソチエノ[2,3−b]ピリジン(0.57g,
1.0mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液
に、ジイソプロピルエチルアミン(0.52g,4mm
ol)および2−ヒドロキシシクロプロパンカルボン酸
(0.204g,2mmol)を加え氷冷下攪拌した。
この溶液にベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス
ジメチルアミノホスホニウムヘキサフルオロホスフェー
ト(BOP試薬)(1.76g,4mmol)を加え
た。氷冷下1時間攪拌し、更に室温で4日間攪拌した。
反応液を減圧乾固し、得られた残さを水(50ml)と
クロロホルム(50ml)とに分配した。水層は再度ク
ロロホルム(10ml)で抽出した。抽出液をあわせて
食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下
に留去した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製し、エーテルから再結晶して黄色粉末
結晶を得た(0.27g,41%)。1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.16
−1.20(2H,m),1.18(6H,d),1.
48−1.51(2H,m),2.09(3H,s),
3.64(2H,s),3.95(1H,br s),
4.14(2H,s),4.12−4.19(1H,
m),5.20(2H,s),6.99(2H,t),
7.10−7.25(5H,m),7.34−7.46
(1H,m),7.57(2H,d),7.70(2
H,d),8.21(1H,s),8.82(1H,
s).
【0078】参考例9 −78℃に冷却したタルトロン酸ジベンジル(2.40
g)に窒素雰囲気下で1.1Mジエチル亜鉛トルエン溶
液(3.6ml)を加え、その後室温で20分反応させ
た。これに、DL−ラクチド(7.04g)を窒素雰囲
気下で添加混合して130℃、2時間重合させた。次い
で重合反応の停止および脱保護のため、反応物をトリフ
ルオロ酢酸(10ml)で溶解し、チオアニソール
(5.64ml)を添加、−5℃で1時間攪拌した。メ
タンスルホン酸(20ml)を加えさらに40分攪拌し
た。そして反応液を冷イソプロピルエーテル(1.5
L)に混合してポリマーを析出回収、次いでジクロロメ
タン/冷イソプロピルエーテルで再沈殿精製を2回行っ
た。精製した沈殿をジクロロメタンで溶解し、中性にな
るまで水洗を繰り返した。次いで、ジクロロメタン溶液
を濃縮、真空乾燥(40℃、2日)してω残基がタルト
ロン酸であるポリ(DL−乳酸)を得た。1H−NMR
分析の結果、ベンジル基のフェニル水素のシグナルは完
全に消失しており、このことから脱保護を確認した。ま
た原子吸光測定の結果、亜鉛の残存は検出限界(10p
pm)以下であり、この方法で重合触媒が効果的に除去
できていることがわかった。GPC測定の結果、重量平
均分子量は3,600、分散度は1.41であった。さ
らに、このポリマーに末端基ラベル化定量法を適用した
ところ紫色の強い呈色を示し、脱保護によるカルボキシ
ル基の再生を確認した。また、タルトロン酸を基準物質
に用いて、ONPHラベル化法でタルトロン酸ヒドラジ
ドとしたときの吸光度との比較から、ポリマーのω残基
であるタルトロン酸量をジカルボキシル基量として求め
た結果は、378.9μmol/gであった。
【0079】参考例10 −78℃に冷却したタルトロン酸ジベンジル(2.00
g)に窒素雰囲気下で1.1Mジエチル亜鉛トルエン溶
液(3.0ml)を加え、その後室温で20分反応させ
た。これに、DL−ラクチド(19.20g)を窒素雰
囲気下で添加混合して130℃、2時間重合させた。次
いで重合反応の停止および脱保護のため、反応物をトリ
フルオロ酢酸(20ml)で溶解し、チオアニソール
(4.70ml)を添加、−5℃で1時間攪拌した。メ
タンスルホン酸(20ml)を加えさらに20分攪拌し
た。そして反応液を冷イソプロピルエーテル(1.5
L)に混合してポリマーを析出回収、次いでジクロロメ
タン/冷イソプロピルエーテルで再沈殿精製を2回行っ
た。精製した沈殿をジクロロメタンで溶解し、中性にな
るまで水洗を繰り返した。次いで、ジクロロメタン溶液
を濃縮、真空乾燥(40℃、2日)してω残基がタルト
ロン酸であるポリ(DL−乳酸)を得た。1H−NMR
分析の結果、ベンジル基のフェニル水素のシグナルは完
全に消失しており、このことから脱保護を確認した。ま
た原子吸光測定の結果、亜鉛の残存は検出限界(10p
pm)以下であり、この方法で重合触媒が効果的に除去
できていることがわかった。GPC測定の結果、重量平
均分子量は9,600、分散度は1.68であった。さ
らに、このポリマーに末端基ラベル化定量法を適用した
ところ紫色の強い呈色を示し、脱保護によるカルボキシ
ル基の再生を確認した。また、タルトロン酸を基準物質
に用いて、ONPHラベル化法でタルトロン酸ヒドラジ
ドとしたときの吸光度との比較から、ポリマーのω残基
であるタルトロン酸量をジカルボキシル基量として求め
た結果は、155.3μmol/gであった。
【0080】実施例1 参考例9で得られた末端タルトロン酸PLA(重量平均
分子量=3,600,数平均分子量=2,600)
(2.5g)を、ジクロロメタン(14ml)およびメ
タノール(2ml)の混液に添加し溶解させた。この溶
液に参考例7で得られた化合物(1.4g)を添加後、
ボルテックスミキサーで混合溶解し、有機溶媒溶液を得
た。この有機溶媒溶液を、あらかじめ18℃に調節して
おいた0.1%(w/v)ポリビニルアルコール(PV
A)(800ml)に注入し、タービン型ホモミキサー
を使用してo/w型エマルションとした。このo/w型
エマルションを室温で撹拌し、ジクロロメタンを揮散さ
せ、マイクロカプセルを調製した。得られたマイクロカ
プセルを遠心分離操作(約2,000rpm)により分
取した。次いで蒸留水(400ml)を用いて1回洗浄
後、マンニトール(450mg)を添加後、凍結乾燥
し、粉末状のマイクロカプセル(3.7g)を得た。
【0081】実施例2 参考例10で得られた末端タルトロン酸PLA(重量平
均分子量=9,600,数平均分子量=5,700)
(2.0g)を、ジクロロメタン(5ml)およびメタ
ノール(0.5ml)の混液に添加し、溶解させた。こ
の溶液に、参考例8で得られた化合物(1.0g)を添
加後、ボルテックスミキサーで混合溶解し、有機溶媒溶
液を得た。この有機溶媒溶液を、あらかじめ18℃に調
節しておいた0.1%(w/v)ポリビニルアルコール
(PVA)(800ml)に注入し、タービン型ホモミ
キサーを使用してo/w型エマルションとした。このo
/w型エマルションを室温で撹拌し、ジクロロメタンを
揮散させ、マイクロカプセルを調製した。得られたマイ
クロカプセルを遠心分離操作(約3,000rpm)に
より分取した。次いで、蒸留水(400ml)を用いて
1回洗浄後、マンニトール(500mg)を添加後、凍
結乾燥し、粉末状のマイクロカプセル(3.0g)を得
た。
【0082】実験例1 (1)マイクロカプセルA 末端モノカルボキシル基を持つ乳酸−グリコール酸ポリ
マー(乳酸/グリコール酸=50/50(モル%),重
量平均分子量=14,000)(6.0g)をジクロロ
メタン(20ml)およびメタノール(2ml)の混液
に添加し溶解させた。この溶液に、参考例7で得られた
化合物(1.9g)を添加後、ボルテックスミキサーで
混合溶解し、有機溶媒溶液を得た。この有機溶媒溶液
を、あらかじめ18℃に調節しておいた0.1%(w/
v)ポリビニルアルコール(PVA)(800ml)に
注入し、タービン型ホモミキサーを使用してo/w型エ
マルションとした。このo/w型エマルションを室温で
撹拌し、ジクロロメタンを揮散させ、マイクロカプセル
を調製した。得られたマイクロカプセルを遠心分離操作
(約2,000rpm)により分取した。次いで蒸留水
(400ml)を用いて1回洗浄後、マンニトール(4
50mg)を添加後、凍結乾燥し、粉末状のマイクロカ
プセルA(4.8g)を得た。
【0083】(2)マイクロカプセルB 末端モノカルボキシル基を持つ乳酸−グリコール酸ポリ
マー(乳酸/グリコール酸=75/25(モル%),重
量平均分子量=14,000)(6.5g)をジクロロ
メタン(20ml)およびメタノール(2ml)の混液
に添加し溶解させた。この溶液に、参考例7で得られた
化合物(1.8g)を添加後、ボルテックスミキサーで
混合溶解し有機溶媒溶液を得た。この有機溶媒溶液を、
あらかじめ18℃に調節しておいた0.1%(w/v)
ポリビニルアルコール(PVA)(800ml)に注入
し、タービン型ホモミキサーを使用してo/w型エマル
ションとした。このo/w型エマルションを室温で撹拌
し、ジクロロメタンを揮散させ、マイクロカプセルを調
製した。得られたマイクロカプセルを遠心分離操作(約
2,000rpm)により分取した。次いで蒸留水(4
00ml)を用いて1回洗浄後、マンニトール(450
mg)を添加後、凍結乾燥し粉末状のマイクロカプセル
B(7.1g)を得た。 (3)実施例1で得られたマイクロカプセル(マイクロ
カプセル1)、上記マイクロカプセルAおよびマイクロ
カプセルBを、参考例7で得られた化合物10mgに相
当する量を秤量し、0.5mlの分散媒(0.2%カル
ボキシメチルセルロース、0.1%ポリソルベート80
および5%マンニトールを溶解した蒸留水)に分散し、
6週齢雄性SDラットの背部皮下に、22G注射針で投
与した。投与から所定の時間後にラットを屠殺して投与
部位に残存するマイクロカプセルを取り出し、この中の
参考例7で得られた化合物を定量し、その初期含量で除
して求めた残存率を〔表1〕に示す。
【0084】 〔表1〕 マイクロカプセル1 マイクロカプセルA マイクロカプセルB 1日 101.2% 100.7% 96.9% 1週 91.9% 86.9% 89.9% 2週 71.9% 85.8% 83.3% 3週 54.8% 80.7% 77.1%4週 52.0% 79.7% 70.7% 〔表1〕の結果では、末端モノカルボキシル基を持つ乳
酸−グリコール酸ポリマーを用いて作製したマイクロカ
プセルAおよびBからは、難水溶性である参考例7で得
られた化合物の放出は著しく遅く、かつ通常放出速度に
影響を及ぼす乳酸/グリコール酸比に依存せず、該ポリ
マーでは放出制御が困難であることが示された。一方、
本発明のマイクロカプセル1からは、難水溶性である参
考例7で得られた化合物の放出が加速していることが明
らかである。
【0085】実験例2 マイクロカプセル1、マイクロカプセルAおよびマイク
ロカプセルBのガラス転移点(Tg)を、示差走査熱量
計(DSC7、パーキン・エルマー社製)にて測定した
ところ、マイクロカプセル1:58.0℃、マイクロカ
プセルA:43.7℃、マイクロカプセルB:45.4
℃であった。重量平均分子量が3,600の本発明のマ
イクロカプセル1は、末端がモノカルボキシル基では予
想できないような高いTgを示した。高いTgは製剤の
安定性に有利であることより、本発明の組成物は、安定
性に優れていることがわかる。
【0086】実験例3 (1)マイクロカプセルC 末端モノカルボキシル基を持つ乳酸−グリコール酸ポリ
マー(乳酸/グリコール酸=75/25(モル%),重
量平均分子量=12,000)(2.0g)をジクロロ
メタン(5ml)およびメタノール(0.5ml)の混
液に添加し溶解させた。この溶液に、参考例8で得られ
た化合物(1.0g)を添加後、ボルテックスミキサー
で混合溶解し有機溶媒溶液を得た。この有機溶媒溶液
を、あらかじめ18℃に調節しておいた0.1%(w/
v)ポリビニルアルコール(PVA)(800ml)に
注入し、タービン型ホモミキサーを使用してo/w型エ
マルションとした。このo/w型エマルションを室温で
撹拌し、ジクロロメタンを揮散させ、マイクロカプセル
を調製した。得られたマイクロカプセルを遠心分離操作
(約2,000rpm)により分取した。次いで蒸留水
(400ml)を用いて1回洗浄後、マンニトール(5
00mg)を添加後、凍結乾燥し粉末状のマイクロカプ
セルC(3.0g)を得た。 (2)実施例2で得られたマイクロカプセル(マイクロ
カプセル2)および上記マイクロカプセルCを、参考例
8で得られた化合物10mgに相当する量を秤量し、
0.5mlの分散媒(0.2%カルボキシメチルセルロ
ース、0.1%ポリソルベート80および5%マンニト
ールを溶解した蒸留水)に分散し、6週齢雄性SDラッ
トの背部皮下に、22G注射針で投与した。投与から所
定の時間後にラットを各群3匹ずつ屠殺してマイクロカ
プセルの皮下刺激性を目視により観察記録した。マイク
ロカプセル投与後、3匹中皮下刺激性が認められたラッ
トの個体数を〔表2〕に示す。 〔表2〕の結果では、末端モノカルボキシル基を持つ乳
酸−グリコール酸ポリマーを用いて作製したマイクロカ
プセルCでは、参考例8で得られた化合物の皮下刺激性
抑制は困難であることが示された。一方、本発明のマイ
クロカプセル2は、参考例8で得られた化合物の皮下刺
激性を完全に抑制していることが明らかとなった。
【0087】
【発明の効果】本発明の組成物は、非ペプチド性生理活
性物質の含量を高くでき、かつその放出を制御あるいは
加速することにより、確実な薬理効果を発現することが
できる。また、本発明の組成物は、非ペプチド性生理活
性物質が塩基性物質由来の皮下刺激性を有する場合、末
端の強い酸性基によりその刺激性をうち消す作用が期待
される。さらに、本発明の組成物は高いガラス転移点を
有し、非常に安定である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/34 A61K 47/34 A61P 5/06 A61P 5/06 C07D 495/04 105 C07D 495/04 105A 105Z Fターム(参考) 4C071 AA01 BB01 CC01 CC02 CC21 EE12 FF05 FF06 FF10 GG01 GG05 HH08 JJ01 LL01 4C076 AA11 AA61 AA94 BB11 CC30 EE24 FF31 FF33 4C084 AA27 DB09 DB10 DB25 DB71 4C086 AA01 AA02 CB29 MA05 MA17 MA38 MA66 NA12 ZC04

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非ペプチド性生理活性物質および末端に2
    個以上のカルボキシル基を有する生体内分解性ポリマー
    またはその塩を含有してなる組成物。
  2. 【請求項2】非ペプチド性生理活性物質および末端に2
    個以上のカルボキシル基を有する生体内分解性ポリマー
    またはその塩を配合してなる組成物。
  3. 【請求項3】組成物のガラス転移点(Tg)が末端に2
    個以上のカルボキシル基を有する生体内分解性ポリマー
    のガラス転移点より約10℃以上高温であることを特徴
    とする請求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】末端に2個以上のカルボキシル基を有する
    生体内分解性ポリマーが、末端にα,α−ジカルボキシ
    ル基またはα,β,β'−トリカルボキシル基を有する
    ポリマーである請求項1または2記載の組成物。
  5. 【請求項5】末端に2個以上のカルボキシル基を有する
    生体内分解性ポリマーが、末端にα,α−ジカルボキシ
    ル基またはα,β,β'−トリカルボキシル基を有する
    ポリα−ヒドロキシカルボン酸である請求項1または2
    記載の組成物。
  6. 【請求項6】ポリα−ヒドロキシカルボン酸が、直鎖状
    である請求項5記載の組成物。
  7. 【請求項7】末端に2個以上のカルボキシル基を有する
    生体内分解性ポリマーが、末端にα,α−ジカルボキシ
    ル基またはα,β,β'−トリカルボキシル基を有する
    乳酸−グリコール酸重合体である請求項1または2記載
    の組成物。
  8. 【請求項8】末端に2個以上のカルボキシル基を有する
    生体内分解性ポリマーが、ω残基がタルトロン酸または
    クエン酸である乳酸−グリコール酸重合体である請求項
    1または2記載の組成物。
  9. 【請求項9】末端に2個以上のカルボキシル基を有する
    生体内分解性ポリマーが、ω残基がタルトロン酸または
    クエン酸であるポリ乳酸である請求項1または2記載の
    組成物。
  10. 【請求項10】非ペプチド性生理活性物質が、難水溶性
    である請求項1または2記載の組成物。
  11. 【請求項11】徐放性である請求項10記載の組成物。
  12. 【請求項12】非ペプチド性生理活性物質の分子量が、
    約1,000以下である請求項11記載の組成物。
  13. 【請求項13】非ペプチド性生理活性物質が、性腺刺激
    ホルモン放出ホルモンアゴニストまたはアンタゴニスト
    である請求項11記載の組成物。
  14. 【請求項14】非ペプチド性生理活性物質が、式 【化1】 〔式中、Xは炭素原子または窒素原子を、- - -は単結
    合または二重結合を示す〕で表される部分構造を有する
    化合物またはその塩である請求項11記載の組成物。
  15. 【請求項15】式 【化2】 〔式中、Xは炭素原子または窒素原子を、- - -は単結
    合または二重結合を示す〕で表される部分構造を有する
    化合物またはその塩が、式 【化3】 〔式中、R1およびR2は、それぞれ水素原子、ヒドロキ
    シ基、C1-4アルコキシ基、C1-4アルコキシ−カルボニ
    ル基または置換基を有していてもよいC1-4アルキル基
    を、R3は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基また
    は置換基を有していてもよいC1-4アルコキシ基を示す
    か、または隣接する2つのR3が連結してC1-4アルキレ
    ンジオキシ基を形成してもよく、R4は水素原子または
    1-4アルキル基を、R6は置換基を有していてもよいC
    1-4アルキル基または式 【化4】 (式中、R5は水素原子を示すか、またはR4とR5とが
    連結して複素環を形成してもよい)で表される基を、お
    よびnは0〜5の整数を示す〕で表される化合物または
    その塩である請求項14記載の組成物。
  16. 【請求項16】式 【化5】 〔式中、Xは炭素原子または窒素原子を、- - -は単結
    合または二重結合を示す〕で表される部分構造を有する
    化合物またはその塩が、5−(N−ベンジル−N−メチ
    ルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベンジ
    ル)−6−[4−(3−メトキシウレイド)フェニル]
    −3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,
    4(1H,3H)−ジオンまたはその塩である請求項1
    4記載の組成物。
  17. 【請求項17】式 【化6】 〔式中、Xは炭素原子または窒素原子を、- - -は単結
    合または二重結合を示す〕で表される部分構造を有する
    化合物またはその塩が、式 【化7】 〔式中、R9は置換されていてもよいC1-7アルキル基、
    置換されていてもよいC 3-7シクロアルキル基、置換さ
    れていてもよいC1-6アルコキシアミノ基または置換さ
    れていてもよいヒドロキシアミノ基を、R10は置換され
    ていてもよいC1-7アルキル基または置換されていても
    よいフェニル基をそれぞれ示し、R9が無置換のC1-7
    ルキル基である場合、R10は置換されたC1-7アルキル
    基または置換されたフェニルを示す〕で表される化合物
    またはその塩である請求項14記載の組成物。
  18. 【請求項18】式 【化8】 〔式中、Xは炭素原子または窒素原子を、- - -は単結
    合または二重結合を示す〕で表される部分構造を有する
    化合物またはその塩が、3−(N−ベンジル−N−メチ
    ルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−5−イソブチリ
    ル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−[4−
    [(1−ヒドロキシシクロプロピル)カルボニルアミ
    ノ]フェニル]−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリ
    ジンまたはその塩である請求項14記載の組成物。
  19. 【請求項19】注射用である請求項1または2記載の組
    成物。
  20. 【請求項20】徐放性マイクロカプセルである請求項1
    または2記載の組成物。
  21. 【請求項21】非ペプチド性生理活性物質と末端に2個
    以上のカルボキシル基を有する生体内分解性ポリマーま
    たはその塩とを配合することを特徴とする組成物の製造
    法。
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