JP2002067909A - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

車両用ブレーキ装置

Info

Publication number
JP2002067909A
JP2002067909A JP2000259848A JP2000259848A JP2002067909A JP 2002067909 A JP2002067909 A JP 2002067909A JP 2000259848 A JP2000259848 A JP 2000259848A JP 2000259848 A JP2000259848 A JP 2000259848A JP 2002067909 A JP2002067909 A JP 2002067909A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
brake device
braking force
electric
brake
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000259848A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3927357B2 (ja
Inventor
Takayuki Yamamoto
貴之 山本
Naoki Sawada
直樹 沢田
Seiichi Kojima
誠一 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd, Denso Corp, Toyota Motor Corp filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2000259848A priority Critical patent/JP3927357B2/ja
Publication of JP2002067909A publication Critical patent/JP2002067909A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3927357B2 publication Critical patent/JP3927357B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/26Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force characterised by producing differential braking between front and rear wheels
    • B60T8/266Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force characterised by producing differential braking between front and rear wheels using valves or actuators with external control means
    • B60T8/267Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force characterised by producing differential braking between front and rear wheels using valves or actuators with external control means for hybrid systems with different kind of brakes on different axles

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用ブレーキ装置において、液圧式ブレー
キ装置と電動式ブレーキ装置の協調及び的確な利用を図
る。 【解決手段】 左右前輪FL,FRに液圧式ブレーキ装
置HBを適用するとともに、左右後輪RL,RRに電動
式ブレーキ装置EBを適用する。液圧式ブレーキ装置H
Bに異常が発生した場合、電動式ブレーキ装置EBによ
る左右後輪RL,RRの制動力を増加させて左右前輪F
L,FRの制動力の不足を補ったり、対角位置の車輪に
のみ制動力を付与して制動力による車両の回転モーメン
トの発生を抑制する。また、車両が極低速走行状態又は
停止状態にあるとき、又はパーキングブレーキが作動状
態にあるとき、電動式ブレーキ装置EBの作動を停止又
は抑制して、電力消費を抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、各輪に制動トルク
を付与して車両を制動する車両用ブレーキ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば特開平1−16465
8号公報及び特開平1−164662号公報に示されて
いるように、車両の前後左右輪位置にホイールシリンダ
を駆動源とする液圧ブレーキをそれぞれ配設して、ブレ
ーキペダルの踏み込み操作に応じて各ホイールシリンダ
に供給されるブレーキ油圧によって液圧ブレーキを作動
させて、各輪にそれぞれブレーキ油圧に応じた制動力を
付与するよるようにした車両用ブレーキ装置はよく知ら
れている。また、近年、例えば特開平11−43041
号公報に示されているように、車両の前後左右輪位置に
電動モータを駆動源とする電動ブレーキを配設して、ブ
レーキペダルの踏み込み操作に応じて電動モータを回転
させることにより電動ブレーキを作動させ、各輪にそれ
ぞれ電動モータの回転に応じた制動力を付与するように
した車両用ブレーキ装置もよく知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記前者の車
両用ブレーキ装置にあっては、液圧ブレーキしか備えて
おらず、油圧系統に失陥が発生すると、ブレーキペダル
の踏み込み操作時に、運転者はブレーキペダルの踏み込
み量と減速感との間に違和感を感じる。上記後者の車両
用ブレーキ装置にあっても、電動ブレーキしか備えてお
らず、電気系統に失陥が発生すると、ブレーキペダルの
踏み込み操作時に、運転者は前記違和感を感じる。ま
た、ブレーキペダルによる車両停止中には、車輪を制動
するための大きな制動トルクを必要としないにもかかわ
らず、電動モータには不必要に大きな電流が流れて、電
力が無駄に消費されるとともに、電動モータの発熱、破
損などの原因にもなっていた。
【0004】
【発明の概略】本発明は、上記問題に対処するためにな
されたもので、その目的は、液圧式ブレーキ装置と電動
式ブレーキ装置の協調を図った車両用ブレーキ装置を提
供するとともに、同液圧式ブレーキ装置と電動式ブレー
キ装置の的確な利用を図った車両用ブレーキ装置を提供
することにある。
【0005】前記目的を達成するために本発明の構成上
の特徴は、複数の車輪のうちで第1グループに属する車
輪に適用され、ブレーキ操作に応じて同第1グループに
属する車輪に作動液圧による制動力を付与する液圧式ブ
レーキ装置と、前記複数の車輪のうちで前記第1グルー
プとは異なる第2グループに属する車輪に適用され、ブ
レーキ操作に応じて同第2グループに属する車輪に電力
による制動力を付与する電動式ブレーキ装置とを備えた
ことにある。この場合、例えば、液圧式ブレーキ装置に
あっては液圧シリンダなどの液圧アクチュエータによ
り、電動式ブレーキ装置にあっては電動モータなどの電
動アクチュエータにより、制動部材(摩擦部材)を車輪
と共に回転する被制動部材に押しつけることにより、制
動部材を被制動部材との摩擦力によって車輪を制動する
ようにするとよい。
【0006】上記のように構成した本発明においては、
液圧及び電気という異なるブレーキ装置を混在させたこ
とにより、各種配管の液漏れ、ブースタの負圧失陥時な
どの液圧系統の異常時にも、各種センサの異常、バッテ
リ電圧の低下などの電気系統の異常時にも、いずれか一
方の系統の制動力を用いて車両を停止させることができ
るようになり、すなわち第1及び第2グループのいずれ
か一方のグループに属する車輪に対する制動力の付与に
よって車両を停止させることができるようになり、運転
者はブレーキ操作に対応した減速感を得ることができる
とともに、車両の走行安全性が良好に確保される。ま
た、液圧式及び電動式ブレーキ装置は、低温時などの液
圧式ブレーキ装置の応答遅れなどの互いの弱点を補いな
がら車両を制動できるので、制動の制御特性を良好にも
できる。
【0007】また、前記車両用ブレーキ装置において、
前記液圧式ブレーキ装置による制動力と前記電動式ブレ
ーキ装置による制動力との配分を、車両の状態に応じて
変更制御する液圧−電動配分制御手段を設けるとよい。
そして、例えば、車輪に対する制動力の付与状態に異常
が発生したとき、前記液圧−電動配分制御手段が、前記
液圧式ブレーキ装置による制動力と前記電動式ブレーキ
装置による制動力との配分を前記異常が発生しないとき
と比べて変更するようにするとよい。具体的には、液圧
式ブレーキ装置に異常が発生していれば、第2グループ
に属する車輪に対する制動力の配分を大きくし、電動式
ブレーキ装置に異常が発生していれば、第1グループに
属する車輪に対する制動力の配分を大きくする。
【0008】これによれば、第1及び第2グループの一
方のグループにおいて車輪に対する制動力の付与に異常
が発生すると、同一方のグループに属する車輪の制動力
は減少するが、他方のグループに属する車輪の制動力の
配分が増加する結果、前記一方のグループに属する車輪
の制動力の減少を他方のグループに属する車輪の制動力
で補うことができる。したがって、このような場合で
も、車両を的確に停止させることができ、車両の走行安
定性が確保される。
【0009】また、例えば、前記複数の車輪は前輪及び
後輪で構成されていて、前記第1グループの属する車輪
は前輪及び後輪のうちのいずれか一方であるとともに前
記第2グループに属する車輪は前輪及び後輪のうちの他
方である場合、前記液圧−電動配分制御手段は、前記液
圧式ブレーキ装置による制動力と前記電動式ブレーキ装
置による制動力との配分をブレーキ操作に応じて要求さ
れる制動力の大きさに応じて変更するようにするとよ
い。これによれば、前輪と後輪の制動力の配分を理想的
な配分に近づけて制御することができるようになり、車
輪のロック、特に後輪のロックを回避することができ
て、車両の走行安定性を確保することができる。また、
この場合、前記制動力の理想的な配分は、例えば車両の
前後輪の荷重に応じて変化するものであるので、後輪に
対する荷重を検出して同荷重をも考慮して、前記制動力
の配分を決定するようにするとよい。
【0010】また、前記のように第1グループに属する
車輪の制動力と第2グループに属する車輪の制動力との
配分を制御する場合、すなわち液圧式ブレーキ装置によ
る制動力と電動式ブレーキ装置による制動力との配分を
制御する場合、第2グループに属する車輪の制動力すな
わち電動式ブレーキ装置による制動力を制御するように
するとよい。電動式ブレーキ装置を電気的に制御するこ
とは、液圧式ブレーキ装置を電気的に制御することに比
べて簡単であるので、第1グループに属する車輪の制動
力と第2グループに属する車輪の制動力との配分が簡単
に制御できるようになる。
【0011】また、第1グループに属する車輪に液圧式
ブレーキ装置を適用するとともに、第2グループに属す
る車輪に電動式ブレーキ装置を適用した車両用ブレーキ
装置において、前記第1グループ及び第2グループの少
なくともいずれか一方のグループは左輪及び右輪を含む
ように構成されており、前記液圧式ブレーキ装置又は前
記電動式ブレーキ装置を車両の状態に応じて制御して、
前記一方のグループに属する左輪と右輪に付与される各
制動力の配分を制御する左右配分制御手段を設けるよう
にするとよい。この場合、例えば、前記左右配分制御手
段は、前記車輪に対する制動力の付与状態に異常が発生
したとき、前記左輪及び右輪に付与される制動力の配分
を、前記制動力の付与状態に異常が発生した車輪の位置
に応じて変更するようにするとよい。
【0012】これによれば、一つの車輪に対する制動力
付与に異常が発生して、同一つの車輪のみの制動力が不
足した場合は、同異常が発生した左右同じ側の一つの車
輪に対する制動力を、左右反対側の一つの車輪に対する
制動力よりも増加させるように制御することができる。
その結果、左右方向にアンバランスな制動力付与による
車両の回転モーメントを抑制できて、車両の走行安定性
を確保した状態で、車両を停止させることができる。
【0013】また、前記に加えて、前記左右配分制御手
段は、車両の走行状態にも依存させて、前記左輪及び右
輪に付与される制動力の配分を変更するようにするとよ
い。車両の走行状態量としては、例えば車速、操舵角な
どであり、これにより、車両の走行速度、旋回状態など
にも依存して、前記左輪及び右輪に付与される制動力の
配分が決定される。その結果、車両の走行安定性をより
良好に確保した状態で、車両を停止させることができ
る。
【0014】また、前記第2グループが左輪及び右輪を
含むように構成されている場合、前記電動式ブレーキ装
置を左輪及び右輪に独立に制動力を付与する一対の電動
アクチュエータで構成して、前記左右配分制御手段が、
同一対の電動アクチュエータを異なる態様で制御するよ
うにすればよい。この場合も、電動アクチュエータを電
気的に制御するだけでよいので、左輪と右輪の制動力の
配分が簡単に制御できるようになる。
【0015】また、第1グループに属する車輪に液圧式
ブレーキ装置を適用するとともに、第2グループに属す
る車輪に電動式ブレーキ装置を適用した車両用ブレーキ
装置において、車両の状態に応じて前記電動式ブレーキ
装置の作動を停止又は抑制する停止抑制手段を設けると
よい。この場合、例えば、車両が極低速走行状態又は停
止状態にあるとき、又はパーキングブレーキが作動状態
にあるとき、前記電動式ブレーキ装置の作動を停止又は
抑制するようにするとよい。
【0016】これによれば、大きな制動力が不要である
が、長時間の制動力の付与が必要となる可能性のある車
両の停止中、渋滞時などの極低速走行中又はパーキング
ブレーキが作動中である場合には、電動式ブレーキ装置
の作動が停止又は抑制されるので、連続通電による電動
式ブレーキ装置の発熱、破損、無駄な電力の消費などを
防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明すると、図1は、同実施形態に係る車両用ブ
レーキ装置の全体を概略的に示している。
【0018】この車両用ブレーキ装置は、左右前輪F
L,FRに制動力を付与するための液圧式ブレーキ装置
HBと、左右後輪RL,RRに制動力を付与するための
電動式ブレーキ装置EBとからなる。また、この車両用
ブレーキ装置は、サービスブレーキ用のブレーキ操作部
材としてのブレーキペダル11と、パーキングブレーキ
用のブレーキ操作部材としてのパーキングペダル12と
を備えている。ブレーキペダル11が操作されれば、液
圧式ブレーキ装置HB及び電動式ブレーキ装置EBが作
動して、左右前輪FL,FR及び左右後輪RL,RRに
同ペダル11の操作量(又は操作力)Fに対応した制動
力が付与される。なお、このブレーキペダル11は図示
しないスプリングにより基準位置に付勢されている。
【0019】パーキングペダル12が操作されれば、電
動式ブレーキ装置EBが作動して、左右後輪RL,RR
に同ペダル12の操作量(又は操作力)に対応した制動
力が付与されて維持される。ただし、このパーキングペ
ダル12の操作に対応した制動力の付与は、電気的に制
御されるわけではなく、同ペダル12の組み付けられた
パーキングブレーキ機構13によるパーキングブレーキ
ケーブル14a,14bを介した機械的な引っ張り力に
より制御される。パーキングブレーキ機構13には解除
レバー15も組み付けられており、同レバー15の操作
により前記パーキングペダル12の操作が解除されて、
前記左右後輪RL,RRの制動力も解除されるようにな
っている。
【0020】液圧式ブレーキ装置HBは、左右前輪F
L,FRにそれぞれ制動力を付与するための液圧ブレー
キ21a,21bを備えている。これらの液圧ブレーキ
21a,21bは、車体側部材であるマウンティングブ
ラケットに回転不能に保持された摩擦係合部材としての
ブレーキパッドをホイールシリンダ22a,22bの作
動により車輪と共に回転するディスクロータに摩擦係合
させることによって、車輪の回転を抑制する。各ホイー
ルシリンダ22a,22bには、ブレーキペダル11の
踏み込み操作量(又は操作力)Fに対応したブレーキ油
圧がタンデムマスタシリンダ23の各液室23a,23
bから供給されるようになっている。これらの液室23
a,23bは、ブレーキ油を蓄えたオイルタンク24に
それぞれ連通している。
【0021】なお、本実施形態では、ディスク式の液圧
ブレーキ21a,21bを採用したが、同ディスク式の
液圧ブレーキ21a,21bをドラム式の液圧ブレーキ
でそれぞれ置換することも可能である。この場合も、ド
ラム式の液圧ブレーキは、ホイールシリンダをそれぞれ
内蔵しており、同ホイールシリンダへのブレーキ油圧の
供給により左右前輪FL,FRに制動力を付与する。
【0022】タンデムマスタシリンダ23の各液室23
a,23bと各ホイールシリンダ22a,22bとの各
間には、電磁バルブ25a,25bがそれぞれ介装され
ている。電磁バルブ25a,25bは、それぞれ非通電
時に図示連通状態に保たれ、通電により非連通状態に切
換えられる。これらの電磁バルブ25a,25bには、
リターン用のチェックバルブ26a,26bが並列にそ
れぞれ接続されている。チェックバルブ26a,26b
は、それぞれ電磁バルブ25a,25bが非連通状態に
あるとき、ブレーキペダル11の踏み込み操作解除に応
答してホイールシリンダ22a,22bへの供給ブレー
キ油圧を解除する。
【0023】また、ホイールシリンダ22a,22bに
は、電磁バルブ27a,27b及びリザーバ28a,2
8bがそれぞれ直列に接続されている。電磁バルブ27
a,27bは、それぞれ非通電時に図示非連通状態に保
たれてホイールシリンダ22a,22bからリザーバ2
8a,28bへのブレーキ油の流失を禁止し、通電によ
り連通状態に切換えられて前記ブレーキ油の流出を許容
する。リザーバ28a,28bには、それぞれ電動モー
タ31により駆動されるポンプ32a,32bが接続さ
れている。ポンプ32a,32bは、リザーバ28a,
28b内のブレーキ油を汲み上げて、電磁バルブ25
a,25bの上流側に供給する。
【0024】次に、液圧式ブレーキ装置HBの電気制御
装置について説明する。この電気制御装置は、液圧ブレ
ーキコントローラ40を備えている。液圧ブレーキコン
トローラ40は、CPU,ROMおよびRAMを含むコ
ンピュータ41を主体として構成されている。液圧ブレ
ーキコントローラ40のコンピュータ41は、ROMに
記憶された後述するプログラムの実行により、液圧式ブ
レーキ装置HBの異常を検出するとともに、電磁バルブ
25a,25b,27a,27b及び電動モータ31を
制御してホイールシリンダ22a,22bに供給される
ブレーキ油圧をブレーキペダル11の操作に応じて又は
同ペダル11の操作とは無関係に制御する。液圧ブレー
キコントローラ40の入力側には、操作量センサ51、
ブレーキペダルスイッチ52、油圧センサ53a,53
b,54a,54b、車速センサ55、及び車輪速セン
サ56a,56bが接続されている。
【0025】操作量センサ51は、ブレーキペダル11
の踏み込み操作量(又は操作力)Fを検出する。なお、
この操作量Fは、ブレーキペダル11が図示しないスプ
リングによって基準位置に付勢されているので、同ペダ
ル11に加えらた操作力に対応するものである。なお、
この操作量センサ51を、ブレーキペダル11に付与さ
れる実際の操作力Fを検出するもので置換してもよい
し、タンデムマスタシリンダ23内の油圧値から前記操
作量(又は操作力)Fを検出するようにしてもよい。
【0026】ブレーキペダルスイッチ52は、ブレーキ
ペダル11の操作に応じて切換えられるもので、同ペダ
ル11の非操作状態にてオフしていて、操作状態にてオ
ンするものである。油圧センサ53a,53bは、タン
デムマスタシリンダ23の両液室23a,23bのブレ
ーキ油圧(MP1,MP2)をそれぞれ検出するもので
ある。油圧センサ54a,54bは、ホイールシリンダ
22a,22b内のブレーキ油圧をそれぞれ検出するも
のである。車速センサ55は、変速機の出力軸の回転を
検出することにより、車速Vを検出するものである。車
輪速センサ56a,56bは、左右前輪FL,FRにそ
れぞれ設けられ、左右前輪FL,FRの車輪速Vw1,V
w2を検出するものである。
【0027】電動式ブレーキ装置EBは、左右後輪R
L,RRにそれぞれに制動力を付与するために、電動モ
ータ61a,61bを含む電動ブレーキ60a,60b
をそれぞれ備えている。本実施形態においては、電動モ
ータ61a,61bはDCモータとされているが、超音
波モータとしてもよい。また、本実施形態では、電動ブ
レーキ60a,60bとして詳しくは後述するドラム式
のものを採用したが、ドラム式の電動ブレーキ60a,
60bに代えてディスク式の電動ブレーキを用いること
もできる。
【0028】ここで、本実施形態で用いる電動ブレーキ
60a,60bについて詳しく説明しておく。これらの
電動ブレーキ60a,60bは、図2に示すようにデュ
オサーボ型のものである。電動ブレーキ60a,60b
は、同一に構成されており,ほぼ円板状を成したバッキ
ングプレート200と、そのバッキングプレート200
に設けられ、概して円弧状を成した一対のブレーキシュ
ー202a,202bと、内周面に摩擦面204を備え
て車輪と共に回転するドラム206と、一対のシュー2
02a,202bの一端部同士を拡開させる電動アクチ
ュエータ207とを含む。バッキングプレート200は
図示しない車体側部材に回転不能に取り付けられる。
【0029】一対のブレーキシュー202a,202b
は、それぞれ、互いに対向する一端部において、バッキ
ングプレート200に固定されたアンカピン208に係
合させられることによって、ドラム206と共に回転す
ることを防止された状態で回動可能に保持される。ま
た、他端部同士がストラット210によって連結され
る。ストラット210によって一方のシューに作用する
力が他方のシューに伝達されるのである。なお、一対の
ブレーキシュー202a,202bは、シューホールド
ダウン装置212a,212bによってバッキングプレ
ート200にそれの面に沿って移動可能とされている。
【0030】一対のブレーキシュー202a,202b
の他端部同士は、図に示すように、スプリング214に
より互いに接近する向きに付勢されており、一端部には
各シューリターンスプリング215a,215bにより
アンカピン208に向かって付勢されている。また、一
端部には、ストラット216、リターンスプリング21
8も設けられている。
【0031】各ブレーキシュー202a,202bの外
周面には、それぞれ、摩擦係合部材としてのブレーキラ
イニング219a,219bが保持され、それら一対の
ブレーキライニング219a,219bがドラム206
の内周面204に摩擦係合させられることにより、ブレ
ーキライニング219a,219bとドラム206との
間に摩擦力が発生する。本実施形態においては、ストラ
ット210がアジャスト機構を備えたものであり、ブレ
ーキライニング219a,219bの摩耗に応じてブレ
ーキライニング219a,219bとドラム内周面20
4との隙間を調整する。
【0032】各ブレーキシュー202a,202bは、
それぞれリム224a,224bとウェブ222a,2
22bとを含み、ウェブ222a,222bに、それぞ
れ、レバー230a,230bの一端部がピン232
a,232bを介して回動可能に設けられている。レバ
ー230a,230bとウェブ222a,222bとの
互いに対向する部分には、それぞれ、切欠が設けられて
おり、これら切欠に、前記ストラット216が、両端が
レバー230a,230b、ウェブ222a,222b
に係合させられた状態で設けられている。
【0033】レバー230aの他端部には、電動モータ
61a(又は61b)を含む電動アクチュエータ207
が連結され、レバー230bの他端部には、パーキング
ブレーキケーブル14a(又は14b)の一端部が連結
されている。サービスブレーキ用のブレーキペダル11
が操作されると、電動モータ61a又は61b(電動ア
クチュエータ207)の駆動によってレバー230aが
回動させられ、ストラット216により、一対のブレー
キシュー202a,202bが拡開させられる。また、
パーキングペダル12が操作されると、レバー230b
が回動させられ、ストラット216により、一対のブレ
ーキシュー202a,202bが拡開させられる。な
お、レバー230bの他端部とバッキングプレート20
0との間には、リターンスプリング244がパーキング
ブレーキケーブル14a(又は14b)と同軸に配設さ
れている。
【0034】電動アクチュエータ207は、上記電動モ
ータ61a(又は61b)の他に、減速機,運動変換機
構を含む。電動モータ61a(又は61b)の出力軸の
回転が減速機によって減速させられ、その回転運動がボ
ールねじ機構によって直線運動に変換されるのであり、
そのボールねじ機構の出力部材にレバー230aの他端
部が連結されるのである。
【0035】パーキングブレーキケーブル14a(又は
14b)は、前述のように、その他端部にてパーキング
ブレーキ機構13に連結されていて、パーキングペダル
12の操作力(操作量)に応じた引っ張り力が付与され
る。この引っ張り力により、一対のブレーキシュー20
2a,202bが拡張する向きにレバー230bが回動
される。
【0036】次に、電動式ブレーキ装置EBの電気制御
装置について説明する。この電気制御装置は、電動ブレ
ーキコントローラ70を備えている。電動ブレーキコン
トローラ70も、CPU,ROMおよびRAMを含むコ
ンピュータ71を主体として構成されている。電動ブレ
ーキコントローラ70のコンピュータ71は、ROMに
記憶された後述するプログラムの実行により、電動式ブ
レーキ装置EBの異常を検出するとともに、電動モータ
61a,61bを制御して左右後輪RL,RRをブレー
キペダル11の操作に応じて制動制御する。この電動ブ
レーキコントローラ70は、液圧ブレーキコントローラ
40に接続されていて信号の授受を行うとともに、その
入力側には、パーキングブレーキスイッチ81、制動ト
ルクセンサ82a,82b、車輪速センサ83a,83
b、モータ電流センサ84a,84b、舵角センサ85
及び変速位置センサ86が接続されている。また、この
電動ブレーキコントローラ70には、前述した操作量セ
ンサ51、ブレーキペダルスイッチ52及び車速センサ
55も接続されている。
【0037】パーキングブレーキスイッチ81は、パー
キングブレーキ機構に組み付けられた切換えスイッチで
構成されて、通常オフ状態に保たれており、パーキング
ペダル12の踏み込み操作によりパーキング用の制動力
が付与されるとオン状態に切換えられる。制動トルクセ
ンサ82a,82bは、電動ブレーキ60a,60bの
アンカピン208に取り付けられた歪みセンサで構成さ
れて、アンカピン208の歪みに基づいて各電動ブレー
キ60a,60bにより発生される制動トルクを検出す
る。なお、ドラム式の電動ブレーキ60a,60bに代
えて電動ディスクブレーキを採用した場合には、制動ト
ルクセンサ82a,82bは、マウンティングブラケッ
トに取り付けられた歪みセンサによって構成される。
【0038】車輪速センサ83a,83bは、左右後輪
RL,RRにそれぞれ設けられ、左右後輪RL,RRの
車輪速Vw3,Vw4を検出するものである。モータ電流セ
ンサ84a,84bは、ドライブ回路62に組み込まれ
ており、電動ブレーキ60a,60bの電動モータ61
a,61bのコイルに流れる実電流Iを検出する。舵角
センサ85は、ハンドルシャフトに組み付けられ、ハン
ドルの回転角を検出することにより左右前輪FL,FR
の操舵角θfを検出する。ただし、この操舵角θfは、左
右前輪FL,FRの中立位置にて「0」を表し、右方向
の操舵を正で表し、左方向の操舵を負で表している。変
速位置センサ86は、変速機に組み付けられて、シフト
レバーの位置(特に、パーキング位置)を検出する。
【0039】一方、電動ブレーキコントローラ70の出
力側には、前記ドライブ回路62が接続されている。ド
ライブ回路62は、電動ブレーキコントローラ70から
の指令信号に応じてバッテリ63から電動モータ61
a,61bに電流を供給する。本実施形態においては、
電動ブレーキコントローラ70からドライブ回路62に
はデューティ比を表す指令信号が出力され、電動モータ
61a,61bには前記デューティ比に従つた電流が供
給される。
【0040】なお、本明細書においては詳しい説明は省
略するが、図1に破線で示すように、電動ブレーキ60
a,60b内に位置センサ89a,89bを設けるよう
にしてもよい。これらの位置センサ89a,89bは、
例えば電動モータ61a,61bの回転角を測定するこ
とにより、ブレーキシュー202a,202bのドラム
206に対する相対的位置を検出して出力するものであ
る。そして、これらの位置センサ89a,89bは、ブ
レーキライニング219a,219bがドラム206の
内周面204に接触するまで電動モータ61a,61b
を高速で回転させて制動トルクの発生の応答性を向上さ
せたり、左右後輪RL,RRに対する制動力付与の制御
精度の向上に用いられたり、また制動トルクセンサ82
a,82bなどの制動力付与制御に用いるセンサの異常
時に同センサの代替えとして用いる。
【0041】以下、上記のように構成した車両用ブレー
キ装置の動作を説明する。まず、液圧式ブレーキ装置H
B及び電動式ブレーキ装置EBも正常である場合につい
て説明する。液圧式ブレーキ装置HBにおいては、電磁
バルブ25a,25b,27a,27bが非通電によっ
て図示状態に保たれており、ブレーキペダル11が踏み
込み操作されなければ、ホイールシリンダ22a,22
bにはブレーキ油圧が供給されず、液圧ブレーキ21
a,21bによる制動力は左右前輪FL,FRに付与さ
れない。ブレーキペダル11が踏み込み操作されると、
タンデムマスタシリンダ23は、同ペダル11の踏み込
み操作量(又は操作力)Fに応じたブレーキ油圧をホイ
ールシリンダ22a,22bに供給する。したがって、
液圧ブレーキ21a,21bは、ブレーキペダル11の
操作量(又は操作力)Fに応じた制動力を左右前輪F
L,FRに付与する。なお、この場合においても、液圧
ブレーキコントローラ40は、図示しないプログラムを
実行して、液圧式ブレーキ装置HBの異常の検出処理を
行っている。
【0042】一方、電動式ブレーキ装置EBにおいて
は、電動ブレーキコントローラ70が、図3の後輪制動
プログラムを所定の短時間毎に繰り返し実行している。
このプログラムの実行は、ステップS10にて開始さ
れ、ステップS12にて、ブレーキペダルスイッチ52
からの信号に基づいてブレーキペダル11が踏み込み操
作されているか否かを判定する。ブレーキペダル11が
踏み込み操作されていなければ、ステップS12にて
「NO」と判定して、ステップS14にて電流「0」
(電流オフ)を表す指令信号をドライブ回路62に出力
する。したがって、この場合には、ドライブ回路62は
電動モータ61a,61bに電流を流さないので、電動
ブレーキ60a,60bによる制動力は左右後輪RL,
RRに付与されない。
【0043】ブレーキペダル11が踏み込み操作される
と、前記ステップS12にて「YES」と判定されて、
プログラムはステップS16に進められる。ステップS
16においては、詳しくは後述するように、液圧ブレー
キコントローラ40からの信号に基づいて、液圧式ブレ
ーキ装置HBが異常であるか否かを判定する。いま、液
圧式ブレーキ装置HBは正常であるので、ステップS1
6にて「NO」と判定して、ステップS18にて電動式
ブレーキ装置EBの作動抑制条件が成立しているか否か
を判定する。この作動抑制条件は、下記(1)〜(5)の判
定条件により、車両の停止中、渋滞時などの極低速走行
中及びパーキングブレーキが作動中であるか否かを判定
するものである。
【0044】(1)車速センサ55によって検出された車
速Vが、車両の停止状態を表すほぼ「0」であること。
なお、前記車速Vを、車輪速センサ56a,56b、8
3a,83bによって検出された車輪速Vw1,Vw2,
Vw3,Vw4を用いて計算するようにしてもよい。また、
前記条件(V=0)に、ブレーキペダル11の踏み込み
時間が所定時間よりも長いことを、AND条件として加
えるようにしてもよい。なお、ブレーキペダル11の踏
み込み時間は、ブレーキペダルスイッチ52がオンし続
けている時間をコンピュータ71内に設けたタイマなど
により計測することによって検出される。
【0045】(2)車速センサ55によって検出された車
速Vが、車両の極低速状態を表すVo以下であること。
また、この場合も、前記車速Vを、車輪速センサ56
a,56b、83a,83bによって検出された車輪速
Vw1,Vw2,Vw3,Vw4を用いて計算するようにして
もよい。
【0046】(3)操作量センサ51によって検出された
ブレーキペダル11の操作量(又は操作力)Fが、小さ
な所定値Fo以下であること。また、前記条件(F≦F
o)に、前記(2)の条件(V≦Vo)を、AND条件とし
て加えるようにしてもよい。
【0047】(4)パーキングペダル12が踏み込み操作
されていて、パーキングブレーキスイッチ81がオン状
態にあること。
【0048】(5)変速位置センサ86によって検出され
たシフトレバーがパーキング位置にあること。また、こ
の条件に、前記(4)の条件(パーキングブレーキスイッ
チ81がオン状態であること)を、AND条件として加
えるようにしてもよい。
【0049】前記(1)〜(5)の条件がいずれも成立して
いなければ、前記ステップS18にて「NO」すなわち
作動抑制条件が成立していないと判定して、ステップS
20にて電動ブレーキの通常制御処理を実行して、ステ
ップS26にてこの後輪制動プログラムの実行を一旦終
了する。
【0050】このステップS20の電動ブレーキの通常
制御処理においては、操作量センサ51によって検出さ
れたブレーキペダル11の操作量(又は操作力)Fに対
応した目標制動トルクT*が計算され、同計算された目
標制動トルクT*に制動トルクセンサ82a,82bに
よって検出された実制動トルクTがそれぞれ一致するよ
うに電動モータ61a,61bに流れる電流が制御され
る。この場合、前記電流を電動モータ61a,61bに
流すためのデューティ比を表す指令信号がドライブ回路
62に供給され、ドライブ回路62は前記指令信号によ
ってバッテリ63から電動モータ61a,61bに前記
電流を流す。
【0051】電動モータ61a,61bは、前記供給電
流に応じた駆動力でレバー230aを回動させる。スト
ラット216により、一対のシュー202a,202b
が拡開させられ、摩擦係合部材(ブレーキライニング2
19a,219b)がドラム206の内周面204に押
し付けられる。摩擦係合部材はドラム内周面204に摩
擦係合させられ、これらの間に摩擦力が発生させられ
る。したがって、車輪の回転が抑制され、車輪に制動ト
ルクが付与される。
【0052】一方のシュー202bにおいて生じた摩擦
力に基づくつれまわり力と、電動アクチュエータ207
による駆動力とが他端部からストラット210を介して
他方のシュー202aの他端部に伝達される。他方のシ
ュー202aは、このつれまわり力と拡開力との和によ
りドラム内周面204に押し付けられ、一方のシュー2
02bより大きな摩擦力が生じる。その結果、左右後輪
RL,RRには、電動ブレーキ60a,60bにより、
ブレーキペダル11の操作量(又は操作力)Fに対応し
た目標制動トルクT*に等しい制動トルクが付与され
る。このように、一方のシュー202bの出力が他方の
シュー202aの入力となり、しかも、二重のサーボ効
果が得られるため、デュオサーボ型ドラムブレーキにお
いては、大きな制動トルクを得ることができる。
【0053】この電動ブレーキコントローラ70による
左右後輪RL,RRへの制動トルクの付与制御につい
て、図4の機能ブロック図を用いて詳しく説明してお
く。ブロックB1において、運転者によるブレーキペダ
ル11の操作量(又は操作力)Fに基づいて目標制動ト
ルクT*が決定される。ブロックB2,B3において、
目標制動トルクT*と目標電流値I*との関係に従つて
目標電流値I*が求められ、目標電流値I*とデューテ
ィ比との関係に従つてデューティ比が求められ、それを
表す指令信号がドライブ回路62に出力される。一方、
電動ブレーキ60a,60bによって左右後輪RL,R
Rに制動トルクが付与されると、この制動トルクは制動
トルクセンサ82a,82bによって検出され、同検出
された実制動トルクTがフィードバックされる。そし
て、目標制動トルクT*と実制動トルクTとの偏差に対
応した制御信号が前記デューティ比を表す信号に加算さ
れて、同加算結果を表す指令信号がドライブ回路62に
出力されるようになる。
【0054】その結果、電動モータ61a,61bに流
れる電流は、目標制動トルクT*と実制動トルクTとの
偏差がなくなるように、フィードバック制御されること
になり、電動ブレーキ60a,60bは左右後輪RL,
RRを目標制動トルクT*に等しい制動トルクで制動す
ることになる。なお、この制動トルクのフィードバック
制御においては、実際の差に基づいて決定されるように
しても、差の微分値に基づいて決定されるようにして
も、積分値に基づいて決定されるようにしてもよく、実
際の差,微分値,積分値の2つ以上に基づいて決定され
るようにしてもよい。また、前述の目標制動トルクT*
と目標電流値I*との関係(摩擦係数を基本値μoとした
場合)を表すテーブル、目標電流値I*とデューティ比
との関係を表すテーブル、ブレーキ操作力Fと目標制動
トルクT*との関係を表すテーブルは、コンピュータ7
1内に設けたROMに格納されており、各々の値は、各
々のテーブルを利用して決定されるのであるが、各々の
値は演算により求められるようにすることもできる。
【0055】また、ステップS20の電動ブレーキの通
常制御処理においては、前記トルクフィードバック制御
に代えて、電動モータ61a,61bに流れる電流Iを
フィードバックして制御することも可能である。この電
流フィードバック制御について、前記と同様に制御機能
ブロック図を用いて説明すると、図5は同制御機能ブロ
ック図を示している。まず、ブロックB11に示すよう
に、ブレーキ操作力Fに基づいて目標ブレーキ作動力D
*が決定される。なお、このブレーキ作動力とは、電動
モータ61a,61bによって電動ブレーキ60a,6
0bにもたらされる力、具体的には電動モータ61a,
61bによってレバー230aにもたらされる力であ
る。次に、ブロックB12,B13に示すように、目標
ブレーキ作動力D*と目標電流値I*との関係に基づい
て目標電流値I*が決定され、目標電流値I*とデュー
ティ比との関係に基づいてデューティ比が決定される。
そして、この場合には、モータ電流センサ84a,84
bによって検出された実モータ電流Iがフィードバック
されて、前記決定した目標電流値I*と実モータ電流値
Iの差I*−Iに応じたフィードバック制御量が前記決
定されたデューティ比に加算されて指令信号としてドラ
イブ回路62に出力される。
【0056】これにより、ドライブ回路62は、前記指
令信号に制御されて、バッテリ63から電動モータ61
a,61bに目標電流値I*に等しい電流を流す。した
がって、電動ブレーキ60a,60bは、ブレーキペダ
ル11の操作量(又は操作力)Fに対応した目標ブレー
キ作動力D*を発生する。なお、上述の目標ブレーキ作
動力D*と目標電流値I*との関係を表すテーブル、目
標電流値I*とデューティ比との関係を表すテーブル、
ブレーキ操作量(又は操作力)Fと目標ブレーキ作動力
D*との関係を表すテーブル等は予めROMに記憶され
ている。このような制御によっても、電動ブレーキ60
a,60bを制御することも可能であるが、この制御
は、前述したトルクフィードバック制御に比べれば実制
動トルクTを用いていない点で必ずしも前記制御ほど正
確でないが、車両の停止中などの実制動トルクTの検出
精度が良好でない場合に利用するのに適している。
【0057】なお、前記電流制御においては、電動モー
タ61a,61bに実際に流れている電流Iをフィード
バックするようにしたが、同電流Iをフィードバックし
なくも電動ブレーキ60a,60bに所望の作動力を発
生させることができれば、この電流フィードバックを省
略してもよい。この場合、図5の電動モータ61a,6
1bの電流Iをフィードバックする経路を省略して、ブ
ロックB13にて決定されたデューティ比を表す指令信
号を直接ドライブ回路62に供給するようにすればよ
い。
【0058】一方、前記(1)〜(5)の条件のうちのいず
れかが成立すれば、前記ステップS18にて「YES」
すなわち作動抑制条件が成立していると判定して、ステ
ップS22にて電動ブレーキ禁止(抑制)処理を実行し
て、ステップS26にてこの後輪制動プログラムの実行
を一旦終了する。
【0059】ステップS22においては、電動モータ6
1a,61bに流れる電流をオフすなわち電動モータ6
1a,61bに電流が流れないようにする。したがっ
て、この場合には、電動ブレーキ60a,60bは、電
動モータ61a,61bの駆動力により、左右後輪R
L,RRを制動することはない。ただし、パーキングペ
ダル12が踏み込み操作されていて、パーキングブレー
キケーブル14a,14bに引っ張り力が付与されてい
る状態では、同ケーブル14a,14bが、一対のブレ
ーキシュー202a,202bが拡張する向きにレバー
230bを回動するので、左右後輪RL,RRには、パ
ーキングペダル12の踏み込み操作による制動力が付与
される。また、この状態でも、左右前輪FL,FRには
液圧ブレーキ21a,21bによる制動力が付与されて
いるとともに、パーキングブレーキの作動中には、左右
後輪RL,RRにもパーキングペダル12の操作による
電動ブレーキ60a,60bの制動力が付与されてい
る。
【0060】このように、大きな制動力が不要である
が、長時間の制動力の付与が必要となる可能性のある車
両の停止中、渋滞時などの極低速走行中又はパーキング
ブレーキが作動中である場合には、電動モータ61a,
61bに電流が流れないようにしたので、連続通電によ
る電動モータ61a,61bの発熱、コイルの破損、無
駄な電力の消費などを防止できる。
【0061】また、前記ステップS22の電動ブレーキ
禁止(抑制)処理においては、電動モータ61a,61
bに電流を全く流さないようにしたが、前記ステップS
20の電動ブレーキの通常制御処理による電流値よりも
少なくとも小さな電流を流すようにしてもよい。この場
合、予め定めた小さな所定電流を電動モータ61a,6
1bに流すようにすればよい。また、ブレーキペダル1
1が操作されている状態においては、前記ステップS2
0にて決定される目標制動トルクF*よりも予め定めた
所定量だけ小さな目標制動トルク、又は同目標制動トル
クF*に予め定めた「1」より小さな所定比率を乗じた
目標制動トルクを計算して、同計算した目標制動トルク
になるように電動モータ61a,61bに流れる電流を
制御して、同モータ61a,61bに流れる電流を制限
するようにしてもよい。また、前記ステップS20にて
電動モータ61a,61bに目標電流I*を流すように
制御する場合(図5の場合)には、前記目標制動トルク
F*の場合と同じ手法により目標電流値I*を同ステッ
プS20の場合よりも小さく設定するようにして、電動
モータ61a,61bに流れる電流を小さな電流値に制
限するようにすればよい。
【0062】その結果、これによっても、車両の停止
中、渋滞時などの極低速走行中又はパーキングブレーキ
が作動中である場合には、連続通電による電動モータ6
1a,61bの発熱、コイルの破損、無駄な電力の消費
などを防止できる。特に、前記条件(1)〜(5)中の(2)
の条件V≦Vo又は(3)の条件F≦Foの成立時において
は、電動モータ61a,61bに電流を流さないように
するよりも、同モータ61a,61bに流れる電流を小
さく抑えて電動ブレーキ60a,60bによる制動力を
小さく制限することが有効である。
【0063】次に、液圧式ブレーキ装置HB又は電動式
ブレーキ装置EBに異常が発生した場合について説明す
る。液圧ブレーキコントローラ40のコンピュータ41
は、図示しないプログラムの実行により、油圧センサ5
3a,53bからタンデムマスタシリンダ23の各液室
23a,23b内のブレーキ油圧及び油圧センサ54
a,54bからホイールシリンダ22a,22b内のブ
レーキ油圧を入力して、各ブレーキ油圧に応じて油圧失
陥などの液圧式ブレーキ装置HBの異常を判定する。
【0064】この異常の判定においては、操作量センサ
51からブレーキペダル11の操作量(操舵力)Fを入
力するとともに、ブレーキペダルスイッチ52からブレ
ーキペダル11の操作の有無を表す信号を入力して、前
記入力したブレーキ油圧がブレーキペダル11の操作に
対応した値を示しているか否かにより判定する。例え
ば、ブレーキペダルスイッチ52がブレーキペダル11
の操作を表しているにもかかわらず、油圧センサ53
a,54aからのブレーキ油圧が大気圧を示していれ
ば、左前輪FLのブレーキ系統に異常が発生していると
判定し、油圧センサ53b,54bからのブレーキ油圧
が大気圧を示していれば、右前輪FRのブレーキ系統に
異常が発生していると判定する。また、油圧センサ53
a,54aからのブレーキ油圧が操作量センサ51から
の操作量(又は操作力)Fに匹敵する油圧に比べて小さ
ければ、左前輪FLのブレーキ系統に異常が発生してい
ると判定し、油圧センサ53b,54bからのブレーキ
油圧が操作量センサ51からの操作量(又は操作力)F
に匹敵する油圧に比べて小さければ、右前輪FRのブレ
ーキ系統に異常が発生していると判定する。そして、こ
れらの異常検出時には、液圧ブレーキコントローラ40
のコンピュータ41から電動ブレーキコントローラ70
のコンピュータ71に、前記異常を表す信号が出力され
る。
【0065】電動ブレーキコントローラ70のコンピュ
ータ71は、前記図3の後輪制動プログラムの実行中、
ステップS16にて、「YES」すなわち液圧ブレーキ
系に異常が発生したと判定して、ステップS24の液圧
系異常ルーチンを実行して、ステップS26にてこの後
輪制動プログラムの実行を一旦終了する。
【0066】この液圧系異常ルーチンは、図6に詳細に
示されており、その実行がステップS30にて開始さ
れ、ステップS32にて目標制動トルクT*を計算す
る。この目標制動トルクT*の計算方法は、前記ステッ
プS20の電動ブレーキの通常制御処理の場合と同様に
操作量(又は操作力)Fに対応して決定される(図4の
ブロックB1参照)。次に、ステップS34にて、舵角
センサ85によって検出された操舵角θfを入力して、
同操舵角θfの絶対値|θf|が小さな所定値θf0以下で
あるかを判定することにより、車両が直進状態にあるか
を判定する。
【0067】車両がほぼ直進状態にあって操舵角θfの
絶対値|θf|が小さな所定値θf0以下であれば、ステ
ップS34にて「YES」と判定し、ステップS36に
て前記計算した目標制動トルクT*に正の所定値αを加
算して、左右後輪RL,RRの各目標制動トルクT*
(=T*+α),T*(=T*+α)をそれぞれ計算
する。そして、ステップS48にて、前記ステップS2
0の電動ブレーキの通常制御処理の場合と同様、電動ブ
レーキ60a,60bによって左右後輪RL,RRに付
与される制動トルクが前記目標制動トルクT*,T*
に等しくなるように、電動モータ61a,61bに流れ
る電流を制御する(図4のブロックB2,B3参照)。
これにより、左右後輪RL,RRには、前記ステップS
20の電動ブレーキの通常制御処理の場合に比べて所定
値αだけ大きな制動トルクがそれぞれ付与される。
【0068】一方、車両が旋回状態にあって操舵角θf
の絶対値|θf|が前記所定値θf0よりも大きければ、
ステップS34にて「NO」と判定し、プログラムをス
テップS38,S40に進める。ステップS38、S4
0においては、前記液圧ブレーキコントローラ40のコ
ンピュータ41からの異常を表す信号に基づいて、左右
前輪FL,FRのいずれのブレーキ系統に異常が発生し
ているかを判定する。
【0069】左前輪FLのブレーキ系統にのみ異常が発
生していれば、ステップS38にて「YES」と判定し
て、ステップS42にて前記計算した目標制動トルクT
*に正の所定値αを加算して左後輪RLの目標制動トル
クT*(=T*+α)を計算するとともに、同目標制
動トルクT*から正の所定値βを減算して右後輪RRの
目標制動トルクT*(=T*−β)を計算する。そし
て、ステップS48にて、前記と同様に、電動ブレーキ
60a,60bによって左右後輪RL,RRに付与され
る制動トルクが前記目標制動トルクT*,T*に等し
くなるように、電動モータ61a,61bに流れる電流
を制御する。これにより、左後輪RLには、前記ステッ
プS20の電動ブレーキの通常制御処理の場合に比べて
所定値αだけ大きな制動トルクが付与されるとともに、
右後輪RRには、前記ステップS20の電動ブレーキの
通常制御処理の場合に比べて所定値βだけ小さな制動ト
ルクが付与される。
【0070】また、車両が旋回状態にあり、右前輪FR
のブレーキ系統にのみ異常が発生していれば、ステップ
S40にて「YES」と判定して、ステップS44にて
前記目標制動トルクT*から正の所定値βを減算して左
後輪RLの目標制動トルクT *(=T*−β)を計算
するとともに、同目標制動トルクT*に正の所定値αを
加算して右後輪RRの目標制動トルクT*(=T*+
α)を計算する。そして、ステップS48にて、前記と
同様に、電動ブレーキ60a,60bによって左右後輪
RL,RRに付与される制動トルクが前記目標制動トル
クT*,T*に等しくなるように、電動モータ61
a,61bに流れる電流を制御する。これにより、前記
とは逆に、左後輪RLには、前記ステップS20の電動
ブレーキの通常制御処理の場合に比べて所定値βだけ小
さな制動トルクが付与されるとともに、右後輪RRに
は、前記ステップS20の電動ブレーキの通常制御処理
の場合に比べて所定値αだけ大きな制動トルクが付与さ
れる。
【0071】さらに、車両が旋回状態にあり、右右前輪
FL,FRの両ブレーキ系統に異常が発生していれば、
ステップS38,S40にて共に「NO」と判定して、
ステップS46にて、左右後輪RL,RRの各目標制動
トルクT*,T*を前記ステップS32の処理によっ
て計算した目標制動トルクT*にそれぞれ設定する。そ
して、ステップS48の処理により、電動ブレーキ60
a,60bによって左右後輪RL,RRに付与される制
動トルクが、前記ステップS20の電動ブレーキの通常
制御処理の場合と同じ目標制動トルクT*,T*にな
るように制御される。
【0072】図7は、前記液圧系異常ルーチンによる左
右後輪RL,RRの制動力制御をまとめて示すものであ
る。なお、図7中、○印は正常なブレーキ系統を表し、
×印は異常なブレーキ系統を表している。また、上向き
矢印は制動力の増加を表し、下向き矢印は制動力の減少
を表し、横向き矢印は制動力の増減なしを表している。
これからも理解できるように、車両がほぼ直進状態にあ
る状態で液圧式ブレーキ装置HBの一部に異常が発生し
た場合には、電動ブレーキ60a,60bによる左右後
輪RL,RRの両制動力が、左右前輪FL,FRの両方
のブレーキ系統が共に正常である場合に比べて大きく制
御される。このような左右前輪FL,FRに対する左右
後輪RL,RRの制動力配分比の変更により、左右前輪
FL,FRのための液圧式ブレーキ装置HBの制動力の
不足が、左右後輪RL,RRのための電動式ブレーキ装
置EBによって補われて、車両は良好に制動される。
【0073】また、車両の旋回中に、左右前輪FL,F
Rのいずれかのみのブレーキ系統に異常が発生した場合
には、異常が発生した前輪と左右同じ側にある左後輪R
L(又は右後輪RR)に対する電動ブレーキ60a(又
は電動ブレーキ60b)による制動力が、左右前輪F
L,FRの両方のブレーキ系統が共に正常である場合に
比べて大きく制御される。これと同時に、異常が発生し
た車輪と対角位置にある右後輪RR(又は左後輪RL)
に対する電動ブレーキ60b(又は電動ブレーキ60
a)による制動力が、左右前輪FL,FRの両方のブレ
ーキ系統が共に正常である場合に比べて小さく制御され
る。このような左右後輪RL,RRの制動力配分の変更
により、車輪に対する制動力付与に起因して車体に働く
垂直軸回りの回転モーメントの発生が抑制されて、走行
安定性を確保できる。また、所定値α,βの与え方によ
っては、左右後輪RL,RRに対する制動力が増加制御
され、左右前輪FL,FRのための液圧式ブレーキ装置
HBの制動力の不足が、左右後輪RL,RRのための電
動式ブレーキ装置EBによって補われて、車両は良好に
制動される。なお、車両の旋回中に、左右前輪FL,F
Rの両方のブレーキ系統に異常が発生した場合に、左右
後輪RL,RRの制動力を増加させないのは、車両のス
ピンを回避するためである。
【0074】次に、前記図6の液圧系異常ルーチンを図
8のように変形した変形例について説明する。この場合
も、ステップS60の実行開始後、ステップS62にて
前記図6の場合と同様に目標制動トルクT*を計算す
る。ただし、この場合には、左右後輪RL,RRの各目
標制動トルクT*,T*を前記計算した目標制動トル
クT*に一旦設定しておく。次に、ステップS64、S
66において、前記液圧ブレーキコントローラ40のコ
ンピュータ41からの異常を表す信号に基づいて、左右
前輪FL,FRのいずれのブレーキ系統に異常が発生し
ているかを判定する。
【0075】左前輪FLのブレーキ系統にのみ異常が発
生していれば、ステップS64にて「YES」と判定し
て、ステップS68にて、車速センサ55及び舵角セン
サ85から車速V及び操舵角θfを入力し、ROMに記
憶されたテーブルAを参照することにより、前記車速V
及び操舵角θfで決まる現在の車両の走行状態が右後輪
RRの制動力付与禁止領域にあるかを判定する。このテ
ーブルAは、図9(A)に示すように、車速Vと操舵角θ
fによって決まり、左前輪FLのブレーキ系統の異常時
に、右後輪RRに制動力を付与する領域と、同制動力の
付与を禁止する領域(図9(A)のハッチング領域)とを
規定するデータを記憶している。この場合、操舵角θf
が正の小さな所定値未満すなわち車両がほぼ直進又は左
旋回状態にあれば、車速Vが所定車速以上すなわち車両
の高速走行状態時に禁止領域とされ、操舵角θfが前記
所定値以上すなわち車両が右旋回状態にあれば、操舵角
θfが大きくなるに従って車速Vが小さくなっても禁止
領域とされる。
【0076】そして、前記ステップS68にて「YE
S」すなわち車両の走行状態が禁止領域にあると判定さ
れると、ステップS70にて右後輪RRの目標制動トル
クT*を「0」に変更する。また、前記ステップS6
8にて「NO」すなわち車両の走行状態が禁止領域にな
いと判定されると、右後輪RRの目標制動トルクT*
を前記ステップS62にて設定した値に保ったまま、プ
ログラムをステップS72に進める。
【0077】ステップS72においては、ROMに記憶
されたテーブルCを参照することにより、前記車速V及
び操舵角θfで決まる現在の車両の走行状態が左後輪R
Lの制動力増加許容領域にあるかを判定する。このテー
ブルCは、図9(C)に示すように、車速Vと操舵角θf
によって決まり、左前輪FL又は右前輪FRのブレーキ
系統の異常時に、異常が発生している前輪と左右同じ側
の後輪(ただし、左右前輪FL,FRの両方の異常時に
は左右後輪RL,RRの両方)に付与する制動力を増加
することを許容する領域(図9(C)のハッチング領域)
と、同制動力の増加を禁止する領域とを規定するデータ
を記憶している。この場合、操舵角θfの絶対値|θf|
が大きく、すなわち車両の旋回半径が小さくなるに従っ
て、車速が小さくなっても制動力の増加が禁止されるよ
うになっている。言いかえれば、車両の旋回半径が大き
くなって直進走行に近づくに従って、車速Vが大きくな
っても制動力の増加が許容される。
【0078】そして、前記ステップS72にて「YE
S」すなわち車両の走行状態が増加許容領域にあると判
定されると、ステップS74にて左後輪RLの目標制動
トルクT*を同トルクT*よりも正の所定値αだけ大
きな値T*+αに変更する。また、前記ステップS7
2にて「NO」すなわち車両の走行状態が増加許容領域
にないと判定されると、左後輪RLの目標制動トルクT
*を前記ステップS62にて設定した値に保ったま
ま、プログラムをステップS88に進める。ステップS
88においては、前記図6のステップS48の場合と同
様に、電動ブレーキ60a,60bによって左右後輪R
L,RRに付与される各制動トルクが、前記設定した目
標制動トルクT*,T*に等しくなるように制御され
る。
【0079】一方,右前輪FRのブレーキ系統にのみ異
常が発生していれば、ステップS66にて「YES」と
判定して、ステップS76にて、車速センサ55及び舵
角センサ85から車速V及び操舵角θfを入力し、RO
Mに記憶されたテーブルBを参照することにより、前記
車速V及び操舵角θfで決まる現在の車両の走行状態が
左後輪RLの制動力付与禁止領域にあるかを判定する。
このテーブルBは、図9(B)に示すように、車速Vと操
舵角θfによって決まり、右前輪FRのブレーキ系統の
異常時に、左後輪RLに制動力を付与する領域と、同制
動力の付与を禁止する領域(図9(B)のハッチング領
域)とを規定するデータを記憶している。この場合、操
舵角θfが絶対値の小さな負の所定値よりも大きいすな
わち車両がほぼ直進又は右旋回状態にあれば、車速Vが
所定車速以上すなわち車両の高速走行状態時に禁止領域
とされ、操舵角θfが前記所定値以下すなわち車両が左
旋回状態にあれば、操舵角θfが小さく(操舵角θfの絶
対値|θf|は大きく)なるに従って車速Vが小さくな
っても禁止領域とされる。
【0080】そして、前記ステップS76にて「YE
S」すなわち車両の走行状態が禁止領域にあると判定さ
れると、ステップS78にて左後輪RLの目標制動トル
クT*を「0」に変更する。また、前記ステップS7
6にて「NO」すなわち車両の走行状態が禁止領域にな
いと判定されると、左後輪RLの目標制動トルクT*
を前記ステップS62にて設定した値に保ったまま、プ
ログラムをステップS80に進める。
【0081】ステップS80においては、ROMに記憶
された前記テーブルCを参照することにより、前記車速
V及び操舵角θfで決まる現在の車両の走行状態が左後
輪RLの制動力増加許容領域にあるかを判定する。そし
て、前記ステップS80にて「YES」すなわち車両の
走行状態が増加許容領域にあると判定されると、ステッ
プS82にて右後輪RRの目標制動トルクT*を同ト
ルクT*よりも正の所定値αだけ大きな値T*+αに
変更する。また、前記ステップS80にて「NO」すな
わち車両の走行状態が増加許容領域にないと判定される
と、右後輪RRの目標制動トルクT*を前記ステップ
S62にて設定した値に保ったまま、プログラムを前記
ステップS88に進める。そして、ステップS88の処
理により、電動ブレーキ60a,60bによって左右後
輪RL,RRに付与される各制動トルクが、前記設定し
た目標制動トルクT*,T*に等しくなるように制御
される。
【0082】また,左前輪FLと右前輪FRの両ブレー
キ系統に異常が発生していれば、ステップS64,S6
6にて共に「NO」と判定して、ステップS84にて、
車速センサ55及び舵角センサ85から車速V及び操舵
角θfを入力し、ROMに設けた前述したテーブルCを
参照することにより、前記車速V及び操舵角θfで決ま
る現在の車両の走行状態が左右後輪RL,RRの制動力
増加許容領域にあるかを判定する。そして、前記ステッ
プS84にて「YES」すなわち車両の走行状態が増加
許容領域にあると判定されると、ステップS86にて左
右後輪RL,RRの目標制動トルクT*,T*を同ト
ルクT*,T*よりも正の所定値γだけそれぞれ大き
な値T*+γ,T*+γに変更する。また、前記ステ
ップS84にて「NO」すなわち車両の走行状態が増加
許容領域にないと判定されると、左右後輪RL,RRの
目標制動トルクT*,T*を前記ステップS62にて
設定した値に保ったまま、プログラムを前記ステップS
88に進める。そして、ステップS88の処理により、
電動ブレーキ60a,60bによって左右後輪RL,R
Rに付与される各制動トルクが、前記設定した目標制動
トルクT*,T*に等しくなるように制御される。
【0083】したがって、この変形例によれば、車速V
があまり大きくなく、かつ操舵角θfの絶対値|θf|が
あまり大きくない状態で、左右前輪FL,FRの一方又
は両方のブレーキ系統に異常が発生した場合には、異常
が発生している前輪と左右同じ側の後輪(ただし、左右
前輪FL,FRの両方が異常である場合には、左右後輪
RL,RRの両方)の制動力が、左右前輪FL,FRの
両方のブレーキ系統が共に正常である場合に比べて大き
く制御される。このような左右前輪FL,FRに対する
左右後輪RL,RRの制動力配分比の変更により、左右
前輪FL,FRのための液圧式ブレーキ装置HBによる
制動力の不足が、左右後輪RL,RRのための電動式ブ
レーキ装置EBによって補われて、車両は良好に制動さ
れる。また、車速Vが大きく、又は操舵角θfの絶対値
|θf|が大きな状態で、左右前輪FL,FRの一方又
は両方のブレーキ系統に異常が発生した場合には、前記
左右後輪RL,RRの制動力の増加が禁止されるので、
制動力の増加に伴う車輪のロックが未然に防止され、車
両の走行安定性が確保される。
【0084】また、車速Vがある程度大きく、かつ操舵
角θfの絶対値|θf|が大きい状態で、左右前輪FL,
FRの一方のブレーキ系統に異常が発生した場合には、
異常が発生した側と左右反対側の左右後輪RL,RRへ
の制動力の付与が禁止される。このような左右後輪R
L,RRの制動力配分の変更により、車輪に対する制動
力付与に起因した車体に働く垂直軸回りの回転モーメン
トの発生が抑制されて、走行安定性を確保できる。
【0085】なお、この変形例においては、ステップS
70,S78の処理により、異常が発生した前輪と左右
反対側の後輪の制動力を「0」にするようにしたが、こ
れに代え、前記後輪の制動トルクを前記ステップS62
にて設定した目標制動トルクT*,T*よりも小さな
値に抑制することにより、制動力による車両の回転モー
メントの発生を抑制するようにしてもよい。さらに、こ
の後輪への制動力の抑制においても、車速Vが大きくな
るに従って、及び/又は操舵角θfの絶対値|θf|が大
きくなるに従って目標制動トルクT*,T*を小さな
(「0」に近づく)値に設定するようにしてもよい。
【0086】次に、左右後輪RL,RRのための電動式
ブレーキ装置EBに異常が発生した場合について説明す
る。電動ブレーキコントローラ70のコンピュータ71
は、前記図3の後輪制動プログラムと並行して、ROM
に記憶されている図10の電気系異常プログラムを繰り
返し実行している。
【0087】この電気系異常プログラムは、ステップS
100にて開始され、ステップS102にて、コンピュ
ータ71及び操作量センサ51の異常を判定する。この
コンピュータ71の異常は、図示しないウォッチドッグ
タイマなどによって検出されるコンピュータ71の暴走
などを意味している。また、操作量センサ51の異常
は、同センサ51周りの断線、短絡などを検出するもの
である。コンピュータ71及び操作量センサ51に異常
が発生していて、前記ステップS102にて「YES」
と判定されると、プログラムをステップS104に進め
て同ステップS104の処理後、ステップS116にて
この電気系異常プログラムの実行を一旦終了する。
【0088】ステップS104においては、電動ブレー
キ60a,60bの作動停止を制御する。この電動ブレ
ーキ60a,60bの作動停止は、前述した図3の後輪
制動プログラムの実行停止を意味する。これにより、ブ
レーキペダル11が踏み込み操作されても、左右後輪R
L,RRに電動ブレーキ60a,60bによる制動力が
付与されなくなる。その結果、左右後輪RL,RRに対
する誤った制動力の付与が回避され、車両の走行安定性
が確保される。
【0089】一方、コンピュータ71及び操作量センサ
51に異常が発生していなければ、前記ステップS10
2にて「NO」と判定され、プログラムはステップS1
06に進められる。ステップS106においては、制動
トルクセンサ82a,82b周りの断線、短絡などの異
常発生が判定される。制動トルクセンサ82a,82b
に異常が発生していなければ、ステップS106にて
「NO」と判定して、プログラムをステップS112に
進める。ステップS112においては、車輪速センサ8
3a,83b周りの断線、短絡などの異常が判定され
る。車輪速センサ83a,83bに異常が発生していな
ければ、ステップS112にて「NO」と判定して、ス
テップS116にてこの電気系異常プログラムの実行を
終了する。この状態では、前記図3の後輪制動プログラ
ムが前述したように実行され、ブレーキペダル11の踏
み込み操作に応じて左右後輪RL,RRに電動ブレーキ
60a,60bによる制動力が前述の態様で付与され
る。
【0090】一方、制動トルクセンサ82a,82bに
異常が発生している場合には、ステップS106におけ
る「YES」との判定のもとに、ステップS108,S
110の処理を実行する。ステップS108の処理は、
図3の後輪制動プログラムによる電動モータ61a,6
1bの制御態様の切り換えを指示するものである。制動
トルクセンサ82a,82bに異常が発生している状態
では、図3のステップS20の電動ブレーキの通常制御
処理及びステップS24の液圧系異常ルーチンにおける
検出実制動トルクTを用いたトルクフィードバック制御
(図4の機能ブロック図の制御)を行うことができな
い。したがって、この場合には、前述した電流フィード
バック制御又は電流オープンループ制御(図5の機能ブ
ロック図の制御)などの実制動トルクTを用いない制御
を行う必要がある。前記のように、ステップS108の
処理により、電動モータ61a,61bの制御態様の切
り換えが指示されると、前記図3のステップS20の電
動ブレーキの通常制御処理及びステップS24の液圧系
異常ルーチンの実行時に、電流フィードバック制御又は
電流オープンループ制御により電動モータ61a,61
bが駆動制御される。その結果、制動トルクセンサ82
a,82bに異常が発生しても、ブレーキペダル11の
踏み込み操作による左右後輪RL,RRへの制動力の付
与が確保される。
【0091】また、ステップS110の処理は、図3の
後輪制動プログラムによる電動モータ61a,61bの
制御のゲインの低下を指示するものである。これによ
り、電流フィードバック制御又は電流オープンループ制
御における電動モータ61a,61bの電流制御ゲイン
が低下し、すなわち図5の機能ブロック図におけるブレ
ーキペダル11の操作量(又は操作力)Fに対する目標
電流値I*が低く設定される。したがって、ブレーキペ
ダル11の踏み込み操作によって付与される左右後輪R
L,RRへの制動力が低く抑えられる、言い換えれば左
右前輪FL,FRに対する左右後輪RL、RRの制動力
配分率が低く保たれることになる。制動トルクセンサ8
2a,82bに異常が発生している状態では、左右後輪
RL,RRの制動トルクが精度よく制御されないことが
あるが、前記ゲイン制御により、左右後輪RL、RRの
ロックが未然に回避されて車両の走行安定性が確保され
る。
【0092】また、車輪速センサ83a,83bに異常
が発生している場合には、ステップS112における
「YES」との判定のもとに、ステップS114の処理
を実行する。ステップS114の処理は、図3の後輪制
動プログラムによる電動モータ61a,61bの制御の
ゲインの低下を指示するものである。これにより、図3
のステップS20,S24にて実行されるトルクフィー
ドバック制御(電流フィードバック制御又は電流オープ
ンループ制御の場合もある)における電動モータ61
a,61bの電流制御ゲインが低下し、すなわち図4
(又は図6)の機能ブロック図におけるブレーキペダル
11の操作量(又は操作力)Fに対する目標制動トルク
T*(又は図5の機能ブロック図におけるブレーキペダ
ル11の操作量(又は操作力)Fに対する目標電流値I
*)が低く設定される。したがって、この場合も、ブレ
ーキペダル11の踏み込み操作によって付与される左右
後輪RL,RRへの制動力が低く抑えられることにな
る。
【0093】この電動式ブレーキ装置EBにおいても、
図示しないプログラムの実行によってアンチロックブレ
ーキ制御(ABS制御)が行われて、左右後輪RL,R
Rのロックが回避されるようになっている。しかしなが
ら、車輪速センサ83a,83bに異常が発生した場合
には、左右後輪RL,RRのロックが検出され得ない。
したがって、前記ステップS114の処理によって、電
動モータ61a,61bの制御ゲインを下げておくこと
により、左右後輪RL、RRに大きな制動力が付与され
ない、言い換えれば左右前輪FL,FRに対する左右後
輪RL、RRの制動力配分が低く保たれて、左右後輪R
L、RRのロックが未然に回避されて車両の走行安定性
が確保される。
【0094】このように電動式ブレーキ装置EBの異常
時には、左右後輪RL,RRに対して制動力が付与され
ないか、同後輪RL,RRに対する制動力が低く抑えら
れる。一方、左右前輪FL,FRにおいては、前記左右
後輪RL,RRに対する制動力配分が増加し、車両は、
ブレーキペダル11の踏み込み操作に応じて前記制動力
配分に従った各輪に対する制動力によって制動される。
なお、左右前輪FL,FR用の液圧式ブレーキ装置HB
においても、液圧ブレーキコントローラ40のコンピュ
ータ41による図示しないアンチロックブレーキ制御
(ABS制御)により、左右前輪FL,FRのロックは
回避される。このアンチロックブレーキ制御は、車輪速
センサ56a,56bからの車輪速Vw1,Vw2に基づく
左右前輪FL,FRのロック検出時に、電磁バルブ25
a,25b,27a,27b及び電動モータ31を制御
することにより行われる。
【0095】また、前記図10の電気系異常ルーチンの
説明では触れなかったが、電動式ブレーキ装置EBの一
部又は全部に異常が発生した場合には、これらの異常を
表す情報は電動ブレーキコントローラ70のコンピュー
タ71から液圧ブレーキコントローラ40のコンピュー
タ41に供給される。これに応答して、液圧ブレーキコ
ントローラ40は、左右前輪FL,FRに対する制動力
付与の態様を変更して、液圧式ブレーキ装置HBにて対
処するようにしてもよい。
【0096】例えば、前記では説明しなかったが、電動
モータ61a,61bのいずれか一つのみに異常が発生
して左右後輪RL,RRの一方にしか制動力が付与され
ない場合、左右前輪FL,FRの一方の制動力を低下さ
せたり、同制動力の付与を停止したりして、正常側の後
輪と対角位置にある前輪とで車両を主に制動するように
して、車両に制動力による回転モーメントが作用しない
ようにするとよい。この場合、図6,8の液圧系異常ル
ーチンで説明した方法と同種の方法により、異常が発生
している後輪を示す情報、車速V及び操舵角θfに基づ
いて、電磁バルブ25a,25b,27a,27bを制
御することにより、異常が発生した後輪と左右反対側の
前輪に対応したホイールシリンダ22a,22bに供給
されるブレーキ油圧を停止又は減少させるようにすれば
よい。
【0097】上記実施形態においては、ブレーキペダル
11の操作量(又は操作力)Fに応じて目標制動トルク
F*又は目標電流値I*を計算して、同計算した目標制
動トルクF*又は目標電流値I*に応じて電動モータ6
1a,61bを駆動制御することにより、左右後輪R
L,RRに対して電動式ブレーキ装置EBによる制動力
を付与するようにした。しかし、この左右後輪RL,R
Rに対する制動力は、左右前輪FL、FRに付与される
制動力には依存しておらず、これでは、左右前輪FL、
FR用の液圧式ブレーキ装置HBと左右後輪RL,RR
用の電動式ブレーキ装置の協調が充分に図られているわ
けではない。以下、左右後輪RL,RRに対する制動力
を左右前輪FL、FRに付与される制動力に依存して決
めることにより、左右前輪FL、FR用の液圧式ブレー
キ装置HBと左右後輪RL,RR用の電動式ブレーキ装
置を充分に協調させた車両用ブレーキ装置の変形例を説
明する。
【0098】この変形例も、基本的には図1に示すよう
に構成されているが、この場合、電動ブレーキコントロ
ーラ70には、左右後輪RL,RRに作用する後輪荷重
Wrを検出する後輪荷重センサ88が接続されていると
ともに、油圧センサ53a,53bによって検出された
各ブレーキ油圧M1,M2が供給されるようになってい
る。そして、電動ブレーキコントローラ70のコンピュ
ータ71は、図3に代えて図11の後輪制動プログラム
を所定の短時間毎に繰り返し実行する。
【0099】この後輪制動プログラムの実行は、ステッ
プS120にて開始され、上述した図3の場合と同様
に、ブレーキペダル11が踏み込み操作されなければ、
ステップS122にて「NO」と判定して、ステップS
124にて電動モータ61a,61bの電流をオフし
て、電動ブレーキ60a,60bによる制動力が左右後
輪RL,RRに付与されないようにする。そして、ステ
ップS148にてこの後輪制動プログラムの実行を一旦
終了する。
【0100】ブレーキペダル11が踏み込み操作される
と、前記ステップS122にて「YES」と判定して、
ステップS126にて、上述した場合と同様に暴走など
によるコンピュータ71の異常を判定する。コンピュー
タ71に異常が発生していれば、前記ステップS126
にて「YES」と判定して、前述したステップS124
の処理を実行して、ステップS148にてこの後輪制動
プログラムの実行を一旦終了する。これにより、コンピ
ュータ71に異常が発生した場合には、ブレーキペダル
11が踏み込み操作されても、左右後輪RL,RRに電
動ブレーキ60a,60bによる制動力が付与されず、
誤った制動力の付与による車両の走行安定性の悪化が防
止される。なお、この場合に、液圧式ブレーキ装置HB
による左右前輪FL,FRの制動力によって車両が制動
される点については、上記実施形態の場合と同じであ
る。
【0101】一方、コンピュータ71に異常が発生して
いなければ、前記ステップS126にて「NO」と判定
し、ステップS128にて、油圧センサ53a,53b
からタンデムマスタシリンダ23の両液室23a,23
b内のブレーキ油圧MP1,MP2を入力するととも
に、後輪荷重センサ88から後輪荷重Wrを入力する。
次に、ステップS130にて、上記場合と同様に、制動
トルクセンサ82a,82bが正常であるか否かを判定
する。
【0102】制動トルクセンサ82a,82bが正常で
あれば、ステップS130にて「YES」と判定して、
プログラムをステップS132以降に進める。ステップ
S132においては、前記入力したブレーキ圧MP1,
MP2の平均値を計算することによってマスタシリンダ
圧MP(=(MP1+MP2)/2)を導出した後、RO
Mに記憶されている制動トルクテーブルを参照して、タ
ンデムマスタシリンダ23のマスタシリンダ圧MP及び
後輪荷重Wrに対応した目標制動トルクT*を計算す
る。制動トルクテーブルは、図12のグラフに実線で示
すように、後輪荷重Wrの種々の大きさに対して、マス
タシリンダ圧MPに対する目標制動トルクT*を規定し
たものである。この場合、マスタシリンダ圧MPは左右
前輪FL,FRの制動力に対応するもので、一方、目標
制動トルクT*は左右後輪RL,RRの制動力に対応す
るもので、図12のグラフは前後輪の理想制動力配分に
対応させたものである。したがって、前記ステップS1
32の処理により、ブレーキペダル11の踏み込み操作
量(又は操作力)Fに対する理想制動力配分に従った左
右後輪RL,RRの目標制動トルクT*が決定される。
【0103】前記ステップS132の処理後、ステップ
S134にて、上記場合と同様に、車輪速センサ83
a,83bに異常が発生しているかを判定する。車輪速
センサ83a,83bに異常が発生していなければ、前
記ステップS134にて「NO」と判定して、プログラ
ムをステップS138に進める。車輪速センサ83a,
83bに異常が発生していれば、前記ステップS134
にて「YES」と判定して、ステップS136にて前記
決定した目標制動トルクT*に予め決めた値(1−α)
を乗算して、目標制動トルクT*を値(1−α)・T*
に変更する。αは正の小さな所定値であり、この場合に
は、目標制動トルクT*は、図12に破線で示すよう
に、前記ステップS132により決定した値よりも少し
小さな値に変更される。
【0104】前記目標制動トルクT*の決定又は変更
後、ステップS138にて、上記実施形態の場合と同様
に、電動ブレーキ60a,60bによる左右後輪RL,
RRの制動トルクが前記決定又は変更した目標制動トル
クT*になるように電動モータ61a,61bが制御さ
れる。なお、この制御は、図4のブロックB1以外のブ
ロックB2,B3などの制御に相当する。そして、ステ
ップS148にて、この後輪制動プログラムが一旦終了
される。
【0105】一方、制動トルクセンサ82a,82bに
異常が発生していれば、ステップS130にて「NO」
と判定して、プログラムをステップS140以降に進め
る。ステップS140においては、ROMに記憶されて
いる電流テーブルを参照して、前記と場合と同じマスタ
シリンダ圧MP(=(MP1+MP2)/2)及び後輪荷
重Wrに対応した目標電流値I*を計算する。電流テー
ブルは、図13のグラフに示すように、後輪荷重Wrの
種々の大きさに対して、マスタシリンダ圧MPに対する
目標電流値I*を規定したものである。そして、図13
のグラフも、前後輪の理想制動力配分に対応させたもの
であるが、この場合には、制御精度の低下によって左右
後輪RL,RRのロックを回避するために、目標電流値
I*を、前後輪の理想制動力配分によって決定されるも
のから多少小さく設定しておくようにするとよい。した
がって、前記ステップS140の処理により、ブレーキ
ペダル11の操作量(又は操作力)Fに対する理想制動
力配分に従った左右後輪RL,RRの目標電流値I*が
決定される。
【0106】前記ステップS140の処理後、前記ステ
ップS134,S136の処理と同様なステップS14
2,S144の処理により、車輪速センサ83a,83
bに異常が発生していれば、目標電流値I*は、図13
に破線で示すように、前記ステップS140により決定
した値よりも多少小さな値(1−α)・I*に変更され
る。車輪速センサ83a,83bに異常が発生していな
ければ、目標電流値I*は、前記ステップS140によ
り決定した値に保たれる。
【0107】前記目標電流値I*の決定又は変更後、ス
テップS146にて、上記実施形態の場合と同様に、電
動モータ61a,61bに目標電流値I*に等しい電流
が流れるように同モータ61a,61bを制御する。こ
れにより、電動ブレーキ60a,60bは目標電流値I
*に対応した作動力を発生し、左右後輪RL,RRは前
記作動力に対応した制動力で制動される。なお、この制
御は、図5のブロックB11以外のブロックB12、B
13などの制御に相当する。そして、ステップS148
にて、この後輪制動プログラムが一旦終了される。な
お、この場合も、上述した場合と同様に、実電流値のフ
ィードバック制御を省略して、フィードフォワード制御
のみによって左右後輪RL,RRの制動力を制御するよ
うにしてもよい。
【0108】この図11の後輪制動プログラムによって
左右後輪RL,RRの制動力を制御する結果、ステップ
S132〜S138のトルクフィードバック制御によ
り、左右後輪RL,RRの制動力が前後輪の理想制動力
配分にしたがって制御され、すなわち左右前輪FL,F
Rの制動力との協調とのもとに制御されて、左右後輪R
L,RRのロックなどによる車両の走行安定性の悪化を
招く事態を未然に避けることができる。また、制動トル
クセンサ82a,82bに異常が発生した場合にも、ス
テップS140〜146からなる電流制御によって前記
左右前輪FL,FRとの協調制御が実現されるので、ト
ルクフィードバック制御の場合と同様に、左右後輪R
L,RRのロックを回避できる。
【0109】また、車輪速センサ83a,83bに異常
が発生した場合には、前記ステップS134,S13
6,S142,S144の処理によって目標制動トルク
T*又は目標電流値I*が下げられる。すなわち、ブレ
ーキペダル11の操作量(又は操作力)Fに対する電動
ブレーキ60a,60bの制御ゲインが下げられる。し
たがって、車輪速センサ83a,83bに異常が発生し
て、図示しないアンチロックブレーキ制御(ABS制
御)による左右後輪RL,RRのロックが回避されない
状態では、未然に左右後輪RL,RRの左右前輪FL,
FRに対する制動力配分が下げられて、左右後輪RL,
RRのロックが未然に防止されて車両の走行安定性が良
好に保たれる。
【0110】また、この変形例においては、左右前輪F
L,FRのための液圧式ブレーキ装置HBに異常が発生
した場合については説明しなかったが、この変形例の場
合にも、前記液圧式ブレーキ装置の異常時には左右後輪
RL,RRの左右前輪FL,FRに対する制動力配分を
増加させるようにするとよい。この場合、前記ステップ
S132にて決定される目標制動トルクT*及びステッ
プS140の処理によって決定される目標電流値I*を
所定量だけ増加させるようにすればよい。また、上記実
施形態の場合と同様に、左右前輪FL,FRのいずれか
一方のみの液圧ブレーキ系統に異常が発生して、一方の
前輪のみに制動力が付与されない状況下では、異常が発
生している側と左右同じ側の左右後輪RL,RRの制動
力を増加させるとともに、左右反対側の左右後輪RL,
RRの制動力を減少又はなくして、すなわち左右後輪R
L,RRの制動力配分を変更して、主に対角位置の車輪
の制動力によって車両を制動するようにするとよい。
【0111】また、この変形例においても、左右後輪R
L,RRに異常が発生した場合に、左右前輪FL,FR
の制動力を制御する点は、上述した場合と同じである。
【0112】上記実施形態及び変形例のように、左右前
輪FL,FRに液圧式ブレーキ装置HBを適用するとと
もに、左右後輪RL,RRに電動式ブレーキ装置EBを
適用するようにしたので、油圧系統の異常時にも、電気
系統の異常時にも、いずれか一方の制動力を用いて車両
を停止させることができるようになり、車両の走行安定
性が良好に確保される。また、液圧式ブレーキ装置HB
及び電動式ブレーキ装置EBの両者の採用により、低温
時の液圧式ブレーキ装置HBの応答遅れなどの両ブレー
キ装置HB,EBの各欠点が互い補われて、良好な車両
の制動特性を得ることができる。
【0113】なお、上記実施形態及び変形例において
は、左右前輪FL,FRに液圧式ブレーキ装置HBを適
用するとともに、左右後輪RL,RRに電動式ブレーキ
装置EBを適用するようにしたが、逆に、左右前輪F
L,FRに電動式ブレーキ装置EBを適用するととも
に、左右後輪RL,RRに液圧式ブレーキ装置HBを適
用するようにしてもよい。この場合も、液圧式ブレーキ
装置HBに異常が発生して左右後輪RL,RRの制動力
が減少する場合には、電動式ブレーキ装置EBを電気的
に制御することによって左右前輪FL,FRの制動力を
向上させ、すなわち左右前輪FL,FRの左右後輪R
L,RRに対する制動力配分を増加させて、不足した左
右後輪RL,RRの制動力を左右前輪FL,FRの制動
力で補うようにするとよい。これにより、ブレーキペダ
ル11の踏み込み操作に応じて車両を的確に停止させる
ことができるようになる。
【0114】また、液圧式ブレーキ装置HBのうちの左
右後輪RL,RRの一方にのみ異常が発生して、左右後
輪RL,RRの一方のみの制動力が不足した場合は、同
異常が発生した後輪と左右同じ側の前輪の電動式ブレー
キ装置EBによる制動力を増加させるとともに、左右反
対側の前輪の電動式ブレーキ装置EBによる制動力を減
少又はなくして、すなわち左右前輪FL,FRの制動力
配分を変更して、主に対角位置の車輪の制動力によって
車両を制動するようにするとよい。これにより、上述し
た場合と同様に、制動力による車両の回転モーメントの
発生を抑制できて、車両の走行安定性が良好となる。
【0115】また、この電動式ブレーキ装置EBを左右
前輪FL,FRに適用した変形例においても、電気系統
の異常によって左右前輪FL,FRの一方にのみ異常が
発生して、同一方の車輪の制動力が不足し又はなくなっ
た場合には、左右後輪RL,RRの液圧式のブレーキ装
置を制御して、異常の発生した前輪と左右反対側の後輪
の制動力を減少又はなくして、すなわち左右後輪RL,
RRの制動力配分を変更して、主に対角位置の車輪の制
動力によって車両を制動するようにするとよい。
【0116】さらに、本発明の実施にあたっては、液圧
式ブレーキ装置HBを左前輪FL及び右後輪RRに適用
するとともに、電動式ブレーキ装置EBを右前輪FR及
び左後輪RLに適用したり、液圧式ブレーキ装置HBを
右前輪FR及び左後輪RLに適用するとともに、電動式
ブレーキ装置EBを左前輪FL及び右後輪RRに適用し
たりしてもよい。すなわち、液圧式ブレーキ装置HB及
び電動式ブレーキ装置EBを左右前輪FL,FR及び左
右後輪RL,RRに対して「たすきがけ(クロス状)」
に適用するようにしてもよい。
【0117】また、本発明は、上述のような、6輪、8
輪などのように4輪よりも多くの車輪を有するトラッ
ク、トレーラ(牽引車)などにも適用される。この場合
も、複数の車輪のうちの一部の車輪に液圧式ブレーキ装
置HBを適用するとともに、残りの一部若しくは全部の
車輪に電動式ブレーキ装置EBを適用するとよい。そし
て、トレーラ(牽引車)などに本発明を適用する場合、
マスタシリンダから遠く離れて位置する車輪に関しては
電動式ブレーキ装置EBを適用するようにして、制動力
付与に配管による遅れが問題とならないようにするとよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態である車両用ブレーキ装置
の全体を示す概略図である。
【図2】 図1の電動ドラムブレーキを詳細に示す断面
図である。
【図3】 図1の電動ブレーキコントローラによって実
行される後輪制動プログラムのフローチャートである。
【図4】 図1の電動式ブレーキ装置による制御を表す
機能ブロック図である。
【図5】 同電動式ブレーキ装置による別の制御を表す
機能ブロック図である。
【図6】 図3の後輪制動プログラムの液圧系異常ルー
チンを詳細に示すフローチャートである。
【図7】 図6による制御に従った各輪の制動力の付与
状態を示す図である。
【図8】 図6の液圧系異常ルーチンの別の例を詳細に
示すフローチャートである。
【図9】 (A)〜(C)は、操舵角および車速に応じて変
化する左右後輪の制動力の制御態様を表すグラフであ
る。
【図10】 図1の電動ブレーキコントローラによって
実行される電気系異常プログラムのフローチャートであ
る。
【図11】 図1の電動ブレーキコントローラによって
実行される後輪制動プログラムの他の例を示すフローチ
ャートである。
【図12】 図11のプログラムの実行によって用いら
れるマスタシリンダ油圧に対する目標制動トルクの変化
特性グラフである。
【図13】 図11のプログラムの実行によって用いら
れるマスタシリンダ油圧に対する目標電流値の変化特性
グラフである。
【符号の説明】
HB…液圧式ブレーキ装置、EB…電動式ブレーキ装
置、11…ブレーキペダル、12…パーキングペダル、
21a,21b…液圧ブレーキ、22a,22b…ホイ
ールシリンダ、23…タンデムマスタシリンダ、40…
液圧ブレーキコントローラ、41…コンピュータ、51
…操作量センサ、52…ブレーキペダルスイッチ、53
a,53,54a,54b…油圧センサ、55…車速セ
ンサ、56a,56b…車輪速センサ、60a,60b
…電動ブレーキ、61a,61b…電動モータ、70…
電動ブレーキコントローラ、71…コンピュータ、81
…パーキングブレーキスイッチ、82a,82b…制動
トルクセンサ、83a,83b…車輪速センサ、84
a,84b…モータ電流センサ、85…舵角センサ、8
6…変速位置センサ、88…後輪荷重センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60T 17/18 B60T 17/18 (72)発明者 山本 貴之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 沢田 直樹 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 小島 誠一 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 Fターム(参考) 3D045 BB02 BB05 BB37 CC00 CC01 EE21 GG00 GG01 GG26 GG27 GG28 3D046 BB01 BB28 BB31 BB32 CC02 CC06 EE01 EE02 HH00 HH02 HH03 HH07 HH08 HH16 HH22 HH36 HH52 JJ01 JJ05 LL23 MM03 MM04 MM15 3D048 BB03 BB07 CC05 CC49 HH18 HH26 HH58 HH66 RR11 RR25 RR29 RR35 3D049 BB02 BB05 CC02 CC07 HH20 HH47 HH51 HH53 RR01 RR04 RR05 RR10 RR11 RR13

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の車輪のうちで第1グループに属する
    車輪に適用され、ブレーキ操作に応じて同第1グループ
    に属する車輪に作動液圧による制動力を付与する液圧式
    ブレーキ装置と、 前記複数の車輪のうちで前記第1グループとは異なる第
    2グループに属する車輪に適用され、ブレーキ操作に応
    じて同第2グループに属する車輪に電力による制動力を
    付与する電動式ブレーキ装置とを備えたことを特徴とす
    る車両用ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】前記請求項1に記載した車両用ブレーキ装
    置において、 前記液圧式ブレーキ装置による制動力と前記電動式ブレ
    ーキ装置による制動力との配分を、車両の状態に応じて
    変更制御する液圧−電動配分制御手段を設けたことを特
    徴とする車両用ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】前記請求項2に記載した車両用ブレーキ装
    置において、 前記車両の状態とはブレーキ操作に応じた車輪に対する
    制動力の付与状態であり、前記液圧−電動配分制御手段
    は、いずれかの車輪に対する制動力の付与状態に異常が
    発生したとき、前記液圧式ブレーキ装置による制動力と
    前記電動式ブレーキ装置による制動力との配分を前記異
    常が発生しないときと比べて変更するものである車両用
    ブレーキ装置。
  4. 【請求項4】前記請求項2に記載した車両用ブレーキ装
    置において、 前記複数の車輪は前輪及び後輪で構成されていて、前記
    第1グループの属する車輪は前輪及び後輪のうちのいず
    れか一方であるとともに前記第2グループに属する車輪
    は前輪及び後輪のうちの他方であり、かつ前記車両の状
    態とはブレーキ操作に応じて要求される制動力の大きさ
    に関係したものであり、前記液圧−電動配分制御手段
    は、前記液圧式ブレーキ装置による制動力と前記電動式
    ブレーキ装置による制動力との配分を前記要求された制
    動力の大きさに応じて変更するものである車両用ブレー
    キ装置。
  5. 【請求項5】前記請求項2乃至請求項4のうちのいずれ
    か一つに記載した車両用ブレーキ装置において、 前記液圧−電動配分制御手段は、前記電動式ブレーキ装
    置による制動力を制御することによって前記制動力の配
    分の変更を実現する車両用ブレーキ装置。
  6. 【請求項6】前記請求項1に記載した車両用ブレーキ装
    置において、 前記第1グループ及び第2グループの少なくともいずれ
    か一方のグループは左輪及び右輪を含むように構成され
    ており、 前記液圧式ブレーキ装置又は前記電動式ブレーキ装置を
    車両の状態に応じて制御して、前記一方のグループに属
    する左輪と右輪に付与される各制動力の配分を制御する
    左右配分制御手段を設けたことを特徴とする車両用ブレ
    ーキ装置。
  7. 【請求項7】前記請求項6に記載した車両用ブレーキ装
    置において、 前記車両の状態とはブレーキ操作に応じた車輪に対する
    制動力の付与状態であり、前記左右配分制御手段は、前
    記車輪に対する制動力の付与状態に異常が発生したと
    き、前記左輪と右輪に付与される各制動力の配分を、前
    記制動力の付与状態に異常が発生した車輪の位置に応じ
    て変更するものである車両用ブレーキ装置。
  8. 【請求項8】前記請求項7に記載した車両用ブレーキ装
    置において、 前記左右配分制御手段は、車両の走行状態にも依存させ
    て、前記左輪と右輪に付与される制動力の配分を変更す
    るものである車両用ブレーキ装置。
  9. 【請求項9】前記請求項6乃至請求項8のうちのいずれ
    か一つに記載した車両用ブレーキ装置において、 前記第2グループは左輪及び右輪を含むように構成され
    ており、 前記電動式ブレーキ装置を前記左輪と右輪に独立に制動
    力を付与する一対の電動アクチュエータで構成し、前記
    左右配分制御手段は、前記一対の電動アクチュエータを
    異なる態様で制御することによって前記第2グループに
    属する左輪と右輪に付与される制動力の配分の変更を実
    現するものである車両用ブレーキ装置。
  10. 【請求項10】前記請求項1に記載した車両用ブレーキ
    装置において、 車両の状態に応じて前記電動式ブレーキ装置の作動を停
    止又は抑制する停止抑制手段を設けたことを特徴とする
    車両用ブレーキ装置。
  11. 【請求項11】前記請求項10に記載した車両用ブレー
    キ装置において、 前記車両の状態とは車両の極低速走行状態又は停止状態
    であり、前記停止抑制手段は、前記車両が極低速走行状
    態又は停止状態にあるとき、前記電動式ブレーキ装置の
    作動を停止又は抑制するものである車両用ブレーキ装
    置。
  12. 【請求項12】前記請求項10に記載した車両用ブレー
    キ装置において、 前記車両の状態とはパーキングブレーキの作動状態であ
    り、前記停止抑制手段は、前記パーキングブレーキの作
    動中、前記電動式ブレーキ装置の作動を停止又は抑制す
    るものである車両用ブレーキ装置。
JP2000259848A 2000-08-29 2000-08-29 車両用ブレーキ装置 Expired - Fee Related JP3927357B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000259848A JP3927357B2 (ja) 2000-08-29 2000-08-29 車両用ブレーキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000259848A JP3927357B2 (ja) 2000-08-29 2000-08-29 車両用ブレーキ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002067909A true JP2002067909A (ja) 2002-03-08
JP3927357B2 JP3927357B2 (ja) 2007-06-06

Family

ID=18747961

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000259848A Expired - Fee Related JP3927357B2 (ja) 2000-08-29 2000-08-29 車両用ブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3927357B2 (ja)

Cited By (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1352799A2 (en) * 2002-04-12 2003-10-15 Delphi Technologies, Inc. Hybrid brake system for a vehicle
EP1375283A2 (en) * 2002-06-19 2004-01-02 Delphi Technologies, Inc. Brake system for a vehicle having an integral precharge pump and back-flow protection
JP2005238960A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Toyota Motor Corp ブレーキ装置
US6959971B2 (en) 2002-11-08 2005-11-01 Nissan Motor Co., Ltd. Vehicle braking apparatus
WO2006046318A1 (ja) 2004-10-29 2006-05-04 Hitachi, Ltd. ブレーキ装置およびその制御装置
JP2006117128A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Toyota Motor Corp ブレーキシステム
JP2006160133A (ja) * 2004-12-09 2006-06-22 Toyota Motor Corp 車輌の制動力制御装置
JP2006240584A (ja) * 2005-03-07 2006-09-14 Honda Motor Co Ltd 電動ブレーキ装置
JP2007008198A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Honda Motor Co Ltd 車両用ブレーキ装置
EP1785324A1 (fr) 2005-11-14 2007-05-16 Delphi Technologies, Inc. Procédé de controle d'un systeme de freinage hybride
JP2007519568A (ja) * 2004-01-30 2007-07-19 ルーカス・オートモーティブ・ゲーエムベーハー 自動車のブレーキギアの作動方法
JP2008056074A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Hitachi Ltd ブレーキ制御システム
JP2008174114A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Fuji Heavy Ind Ltd ブレーキ装置
DE102008003380A1 (de) 2008-01-07 2009-07-09 Wabco Gmbh Bremsanlage für ein Fahrzeug
JP2009166843A (ja) * 2003-06-03 2009-07-30 Toyota Motor Corp 車輌の制動力制御装置
CN102256843A (zh) * 2008-12-18 2011-11-23 罗伯特·博世有限公司 用于汽车的制动装置及其控制方法
JP2012131263A (ja) * 2010-12-20 2012-07-12 Honda Motor Co Ltd 車両用ブレーキ装置
WO2013008298A1 (ja) * 2011-07-11 2013-01-17 トヨタ自動車株式会社 ブレーキシステム、アクチュエータ制御装置
US8602507B2 (en) 2008-12-18 2013-12-10 Robert Bosch Gmbh Method for controlling the activation of a hydraulic vehicle brake system and electromechanical brake booster
WO2015174314A1 (ja) * 2014-05-14 2015-11-19 Ntn株式会社 電動ブレーキ装置
JP2016043789A (ja) * 2014-08-22 2016-04-04 株式会社アドヴィックス 車両の操作特性調整装置
CN107082027A (zh) * 2016-02-16 2017-08-22 丰田自动车株式会社 车辆用制动***
CN107082064A (zh) * 2016-02-16 2017-08-22 丰田自动车株式会社 制动***
JP2017214047A (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 トヨタ自動車株式会社 車両用ブレーキシステム
JP2018052225A (ja) * 2016-09-27 2018-04-05 トヨタ自動車株式会社 車両用ブレーキシステム
JP2018114975A (ja) * 2018-03-08 2018-07-26 Ntn株式会社 電動ブレーキ装置
WO2019065380A1 (ja) * 2017-09-27 2019-04-04 日立オートモティブシステムズ株式会社 ブレーキ装置、車両の制御装置及び電動ブレーキ制御装置
RU2686253C2 (ru) * 2016-02-16 2019-04-24 Тойота Дзидося Кабусики Кайся Тормозная система транспортного средства

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6336273B2 (ja) 2013-12-24 2018-06-06 Ntn株式会社 車両用ブレーキ装置

Cited By (63)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1352799A3 (en) * 2002-04-12 2004-02-18 Delphi Technologies, Inc. Hybrid brake system for a vehicle
EP1352799A2 (en) * 2002-04-12 2003-10-15 Delphi Technologies, Inc. Hybrid brake system for a vehicle
EP1375283A2 (en) * 2002-06-19 2004-01-02 Delphi Technologies, Inc. Brake system for a vehicle having an integral precharge pump and back-flow protection
EP1375283A3 (en) * 2002-06-19 2004-03-24 Delphi Technologies, Inc. Brake system for a vehicle having an integral precharge pump and back-flow protection
US6959971B2 (en) 2002-11-08 2005-11-01 Nissan Motor Co., Ltd. Vehicle braking apparatus
JP2009166843A (ja) * 2003-06-03 2009-07-30 Toyota Motor Corp 車輌の制動力制御装置
JP2007519568A (ja) * 2004-01-30 2007-07-19 ルーカス・オートモーティブ・ゲーエムベーハー 自動車のブレーキギアの作動方法
JP4840775B2 (ja) * 2004-01-30 2011-12-21 ルーカス・オートモーティブ・ゲーエムベーハー 自動車のブレーキギアの作動方法
JP2005238960A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Toyota Motor Corp ブレーキ装置
JP2006117128A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Toyota Motor Corp ブレーキシステム
JP4701673B2 (ja) * 2004-10-22 2011-06-15 トヨタ自動車株式会社 ブレーキシステム
JP4700010B2 (ja) * 2004-10-29 2011-06-15 日立オートモティブシステムズ株式会社 ブレーキ装置およびその制御装置
US7552978B2 (en) 2004-10-29 2009-06-30 Hitachi, Ltd. Brake device and controller for the same
WO2006046318A1 (ja) 2004-10-29 2006-05-04 Hitachi, Ltd. ブレーキ装置およびその制御装置
JPWO2006046318A1 (ja) * 2004-10-29 2008-05-22 株式会社日立製作所 ブレーキ装置およびその制御装置
JP2006160133A (ja) * 2004-12-09 2006-06-22 Toyota Motor Corp 車輌の制動力制御装置
JP4507870B2 (ja) * 2004-12-09 2010-07-21 トヨタ自動車株式会社 車輌の制動力制御装置
JP2006240584A (ja) * 2005-03-07 2006-09-14 Honda Motor Co Ltd 電動ブレーキ装置
JP4495621B2 (ja) * 2005-03-07 2010-07-07 本田技研工業株式会社 車両用電動ブレーキ装置
JP2007008198A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Honda Motor Co Ltd 車両用ブレーキ装置
US7681961B2 (en) 2005-06-28 2010-03-23 Honda Motor Co., Ltd. Brake system for vehicle
JP4664749B2 (ja) * 2005-06-28 2011-04-06 本田技研工業株式会社 車両用ブレーキ装置
EP1785324A1 (fr) 2005-11-14 2007-05-16 Delphi Technologies, Inc. Procédé de controle d'un systeme de freinage hybride
JP2008056074A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Hitachi Ltd ブレーキ制御システム
JP2008174114A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Fuji Heavy Ind Ltd ブレーキ装置
US8702179B2 (en) 2008-01-07 2014-04-22 Wabco Gmbh Vehicle brake system
EP2078650A2 (de) 2008-01-07 2009-07-15 WABCO GmbH & CO. OHG Bremsanlage für ein Fahrzeug
DE102008003380A1 (de) 2008-01-07 2009-07-09 Wabco Gmbh Bremsanlage für ein Fahrzeug
EP2078650A3 (de) * 2008-01-07 2018-04-18 WABCO GmbH & Co. OHG Bremsanlage für ein Fahrzeug
CN102256843A (zh) * 2008-12-18 2011-11-23 罗伯特·博世有限公司 用于汽车的制动装置及其控制方法
JP2012512779A (ja) * 2008-12-18 2012-06-07 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 自動車のためのブレーキ装置並びにブレーキ装置を制御する方法
US8602507B2 (en) 2008-12-18 2013-12-10 Robert Bosch Gmbh Method for controlling the activation of a hydraulic vehicle brake system and electromechanical brake booster
US9592809B2 (en) 2008-12-18 2017-03-14 Robert Bosch Gmbh Brake system for a motor vehicle and method for controlling the same
JP2012131263A (ja) * 2010-12-20 2012-07-12 Honda Motor Co Ltd 車両用ブレーキ装置
US8959909B2 (en) 2010-12-20 2015-02-24 Honda Motor Co., Ltd. Vehicle brake system
WO2013008298A1 (ja) * 2011-07-11 2013-01-17 トヨタ自動車株式会社 ブレーキシステム、アクチュエータ制御装置
CN103648863A (zh) * 2011-07-11 2014-03-19 丰田自动车株式会社 制动***、致动器控制装置
JP5664782B2 (ja) * 2011-07-11 2015-02-04 トヨタ自動車株式会社 ブレーキシステム、アクチュエータ制御装置
WO2015174314A1 (ja) * 2014-05-14 2015-11-19 Ntn株式会社 電動ブレーキ装置
JP2015217697A (ja) * 2014-05-14 2015-12-07 Ntn株式会社 電動ブレーキ装置
CN106414191A (zh) * 2014-05-14 2017-02-15 Ntn株式会社 电动制动装置
US11420604B2 (en) 2014-05-14 2022-08-23 Ntn Corporation Electric brake device
JP2016043789A (ja) * 2014-08-22 2016-04-04 株式会社アドヴィックス 車両の操作特性調整装置
EP3354526A1 (en) * 2016-02-16 2018-08-01 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle brake system
RU2686253C2 (ru) * 2016-02-16 2019-04-24 Тойота Дзидося Кабусики Кайся Тормозная система транспортного средства
CN107082027A (zh) * 2016-02-16 2017-08-22 丰田自动车株式会社 车辆用制动***
EP3208162A1 (en) * 2016-02-16 2017-08-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle brake system
US10569657B2 (en) 2016-02-16 2020-02-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle brake system
CN107082064A (zh) * 2016-02-16 2017-08-22 丰田自动车株式会社 制动***
KR101930822B1 (ko) 2016-02-16 2018-12-19 도요타 지도샤(주) 차량용 브레이크 시스템
US10189454B2 (en) 2016-02-16 2019-01-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Brake system
CN107082027B (zh) * 2016-02-16 2020-02-18 丰田自动车株式会社 车辆用制动***
JP2017214047A (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 トヨタ自動車株式会社 車両用ブレーキシステム
JP2018052225A (ja) * 2016-09-27 2018-04-05 トヨタ自動車株式会社 車両用ブレーキシステム
WO2019065380A1 (ja) * 2017-09-27 2019-04-04 日立オートモティブシステムズ株式会社 ブレーキ装置、車両の制御装置及び電動ブレーキ制御装置
KR20200022025A (ko) 2017-09-27 2020-03-02 히다치 오토모티브 시스템즈 가부시키가이샤 브레이크 장치, 차량의 제어 장치 및 전동 브레이크 제어 장치
JPWO2019065380A1 (ja) * 2017-09-27 2020-04-09 日立オートモティブシステムズ株式会社 ブレーキ装置、車両の制御装置及び電動ブレーキ制御装置
CN111108028A (zh) * 2017-09-27 2020-05-05 日立汽车***株式会社 制动装置、车辆的控制装置以及电动制动控制装置
DE112018005541T5 (de) 2017-09-27 2020-06-25 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Bremsvorrichtung, Steuervorrichtung für Fahrzeug, und elektrische Bremssteuervorrichtung
JP2021107222A (ja) * 2017-09-27 2021-07-29 日立Astemo株式会社 ブレーキ装置、車両の制御装置及び電動ブレーキ制御装置
KR102333527B1 (ko) * 2017-09-27 2021-12-01 히다치 아스테모 가부시키가이샤 브레이크 장치, 차량의 제어 장치 및 전동 브레이크 제어 장치
CN111108028B (zh) * 2017-09-27 2022-08-19 日立安斯泰莫株式会社 制动装置、车辆的控制装置以及电动制动控制装置
JP2018114975A (ja) * 2018-03-08 2018-07-26 Ntn株式会社 電動ブレーキ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3927357B2 (ja) 2007-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002067909A (ja) 車両用ブレーキ装置
JP6073941B2 (ja) 車両用走行制御装置
JP3099675B2 (ja) 車両挙動制御システム
JP5672430B2 (ja) ブレーキ制御装置
JP2013028273A (ja) 電動倍力装置
US8210621B2 (en) Vehicle brake device
KR102357637B1 (ko) 전동 배력 장치 및 브레이크 제어 장치
EP2542454B1 (en) Brake equipment of vehicle with driver seat whose direction is changeable
JP5497742B2 (ja) 車両用ブレーキ装置
JPH114503A (ja) 車両用制動装置
JP2001158336A (ja) ブレーキ制御装置
JP5988560B2 (ja) 車体挙動安定化装置
US10773706B2 (en) Apparatus for controlling four-wheel drive vehicle
WO2012144065A1 (ja) ブレーキシステム
JP3541646B2 (ja) 制動力制御装置
JP5768352B2 (ja) 電動車両のブレーキ制御装置
Kumar et al. Nature based self-learning mechanism and simulation of automatic control smart hybrid antilock braking system
JPH10297462A (ja) 制動力制御装置
JP2006082809A (ja) ブレーキ制御装置
US20240075915A1 (en) Vehicle brake system
US20230278541A1 (en) Braking device for vehicle
JP2007015553A (ja) 車両用ブレーキ装置
JP2014094707A (ja) ブレーキ制御装置
US20230025963A1 (en) Braking control device
JP4978447B2 (ja) 車両運動制御システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070302

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100309

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110309

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110309

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120309

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120309

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130309

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130309

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140309

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees