JP2002036457A - 積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
積層フィルムおよびその製造方法Info
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Abstract
擦傷性を改善し、低反射でかつ可撓性に優れた反射防止
フィルムとして好適に用いられる積層フィルムとその製
造方法を提供する。 【解決手段】基材フィルムの少なくとも片面に、無機微
粒子を含有する導電層を1層以上設け、かつ該導電層上
に下記式Aで示される含フッ素化合物および下記式Bで
示される多官能(メタ)アクリレートを反応させた硬化物
からなる屈折率1.5以下の樹脂層を1層以上設けてな
ることを特徴とする積層フィルム。 式A:(CH2=CX−COO)a −Y 式B:(Q1−O)b−Z−(O−Q2)c
Description
プレー表示面またはその偏光板などの表面に適用される
反射防止フィルム等に用いられる積層フィルムとその製
造方法に関するものである。
ィスプレーの表示装置では、太陽光や蛍光灯等の外光が
表面に反射ならびに映り込むため、表示画像の視認性が
悪くなるという問題があった。この問題を解決するため
に、表面に凹凸を設け外光を乱反射させたり、低屈折率
と高屈折率の薄膜を交互に積層して光の反射を防止する
方法が行なわれている。
は、ディスプレイ上の画像がぼやけて見えるため、画像
の視認性向上の点で十分であるとはいえない。また、特
開平4−355401公報や特開平11−92750公
報や特開平11−174971公報で提案のように、表
層に低屈折率の含フッ素系重合体を設ける方法では、含
フッ素系重合体の表面硬度が低く、耐擦傷性が十分でな
いため、該ディスプレー表面の清掃時に徐々に傷が入り
画像の視認性が低下するという問題があった。
は、低屈折率層の表面硬度を高めることで表面の耐擦傷
性を改善し、低反射でかつ可撓性に優れた反射防止フィ
ルムとして好適に用いられる積層フィルムとその製造方
法を提供することにある。
解決するために、次のような手段を採用する。
フィルムの少なくとも片面に、無機微粒子を含有する導
電層を1層以上設け、かつ該導電層上に下記式Aで示さ
れる含フッ素化合物および下記式Bで示される多官能
(メタ)アクリレートを反応させた硬化物からなる屈折率
1.5以下の樹脂層を1層以上設けてなることを特徴と
する積層フィルムによって達成される。 式A:(CH2=CX−COO)a −Y (式中Xは、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基
を示し、Yは、炭素数1〜100個のフッ素含有アルキ
ル基であって、エーテル結合あるいはエステル結合を1
個以上含んでいてもよい。aは1〜4の整数である。) 式B:(Q1−O)b−Z−(O−Q2)c (式中、Zは、直鎖状ペプチド結合、分岐鎖状ペプチド
結合、環状ペプチド結合、ウレタン結合、アミド結合、
イミド結合を1個以上含む炭素数1〜100のアルキル
基を示す。また、Q1およびQ2は、(メタ)アクリロ
イル基を示し、bおよびcは、1〜3の整数である。)
ィルムの少なくとも片面に、無機微粒子を含有する導電
層を1層以上積層し、その導電層上に含フッ素化合物お
よび多官能(メタ)アクリレートを反応させた硬化物から
なる樹脂層を1層以上設けてなるものである。
800nmでの光線透過率が好ましくは40%以上、よ
り好ましくは60%、かつヘイズが好ましくは5%以
下、より好ましくは3%以下の基材フィルムである。該
光線透過率が前記範囲に満たない場合、あるいはヘイズ
が前記範囲より大きい場合は、表示部材として用いたと
き、鮮明性に欠ける傾向がある。また、このような効果
を発揮する点で、光線透過率の上限値は99.5%程度
まで、またヘイズの下限値は0.1%程度までが実用的
な範囲である。
ものではなく、公知のプラスチック基材フィルムの素材
の中から適宜選択して用いることができる。このような
プラスチック基材フィルムの素材として、例えば、ポリ
エステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ジア
セテート系、トリアセテート系、ポリスチレン系、ポリ
カーボネート系、ポリメチルペンテン系、ポリスルフォ
ン系、ポリエーテルエチルケトン系、ポリイミド系、フ
ッ素系、ナイロン系およびポリメタクリル系などの樹脂
が挙げられる。これらの樹脂の中で、ポリエステル系樹
脂、トリアセテート系樹脂およびポリメタクリレート系
樹脂が、光学的および強度的な観点から、また均一性に
も優れており好ましく用いられる。
アセチルセルロースおよびポリメチルメタクリレート樹
脂が透明性に優れ、かつ光学的に異方性がない点で好ま
しく、さらには、光学特性と機械特性の点から、ポリエ
ステルフィルムを用いることが特に好ましい。
しては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)
エタン−4,4′−ジカルボキシレート等が挙げられ
る。また、これらポリエステルには、さらに他のジカル
ボン酸成分やジオール成分が20モル%以下共重合され
ていてもよい。
以上併用してもいずれでも良いが、中でも品質、経済性
等を総合的に判断すると、ポリエチレンテレフタレート
が特に好ましい。
は、その少なくとも片面に導電層を設ける前に、各種表
面処理(例えば、コロナ放電処理、グロー放電処理、火
炎処理、エッチング処理、あるいは粗面化処理など)を
施したものでもよい。または、接着促進のための表面コ
ーティング(例えば、ポリウレタン系、ポリエステル
系、ポリエステルアクリレート系、ポリウレタンアクリ
レート系、ポリエポキシアクリレート系、チタネート系
化合物など)を行なってもよい。特に、親水基含有ポリ
エステル樹脂にアクリル系化合物をグラフト化させた共
重合体で架橋結合剤からなる組成物を下塗りした基材フ
ィルムは、接着性を向上し、耐熱性、耐水性などの耐久
性に優れているため、基材フィルムとして好ましく用い
られる。
厚みは特に限定されるものではないが、機械的強度と熱
伝導性の点から、通常5〜800μm、好ましくは10
〜250μmである。また、2枚以上のフィルムを公知
の方法で貼り合わせたものでもよい。
機樹脂とで基本的に構成されている。 本発明で用いら
れる無機微粒子としては、Na、K、Mg、Ca、B
a、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、
Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Ta、Ag、Si、
B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、Pb、Au、Ni
から選ばれた金属または金属酸化物を1種類以上含有す
る無機微粒子が挙げられ、平均1次粒子径(球相当径:
BET法)が0.001〜0.2μmの無機微粒子が好
適に使用されるが、さらに好ましくは、0.005〜
0.1μmの粒子径の無機微粒子が用いられる。該平均
1次粒子径が、前記範囲を超えると生成被膜(導電層)
の透明性を低下させる傾向があり、厚膜化が困難になる
傾向がある。また該平均1次粒子径が、前記範囲未満で
は、該無機微粒子が凝集し易く生成被膜(導電層)のヘ
イズが増大する傾向がある。
と導電性の点から、無機微粒子として、アンチモンをド
ープした酸化錫(ATO)、アンチモンをドープした酸
化亜鉛、インジウムを含む酸化錫(ITO)、酸化亜鉛
/酸化アルミニウム、酸化アンチモン等が特に好まし
く、更に好ましくはアンチモンをドープした酸化亜鉛が
用いられる。
与されるためには、該導電層の表面抵抗値が低いことが
必要である。該導電層の表面抵抗値は1011Ω/□以下
の層であることが好ましく、更に好ましくは108Ω/
□以下である。
の点から、全光線透過率が好ましくは40%以上、さら
に好ましくは50%以上の層である。
ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの
脂肪族多価アルコール多官能(メタ)アクリレート、ま
たはグリシジル(メタ)アクリレートと多価アルコール
もしくは多価カルボン酸との反応生成物、(メタ)アク
リレート類でかつ未反応の水酸基を有している化合物の
アルキルエーテル化物、アルケニルエーテル化物、カル
ボン酸エステル化物、リン酸エステル化物、ウレタン化
物などが挙げられる。この中でも特に、硬化後の表面硬
度の点から脂肪族多価アルコール多官能(メタ)アクリ
レートが好ましい。さらには、多官能(メタ)アクリレー
ト中に該ウレタン結合などの極性の高い結合を有してい
ると無機微粒子の分散性がよくなり特に好ましい。
合割合範囲は、多官能(メタ)アクリレートなどの有機樹
脂成分の合計量1重量部に対して好ましくは0.01〜
20倍重量部、より好ましくは0.05〜18倍重量
部、さらに好ましくは、0.5〜10倍重量部である。
電性の付与を目的としてポリピロールおよびポリアニリ
ン等の導電性ポリマー、金属アルコレートおよびキレー
ト化合物などの有機金属化合物、アルキルシリケート類
およびその加水分解物、コロイダルシリカ、乾式シリ
カ、湿式シリカ、酸化チタン等の無機微粒子、コロイド
状に分散したシリカゲル物等を含有させることができ
る。
素化合物および多官能(メタ)アクリレートを反応させた
硬化物からなるものである。
記式Aで示される化合物であり、(メタ)アクリル酸−
2,2,2−トリフルオロエチルなどの(メタ)アクリ
ロイル基を有する含フッ素一官能(メタ)アクリル酸エ
ステル、含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル、
そして、含フッ素アルキルビニルエーテルなどが挙げら
れる。また該フッ素化合物中に含フッ素アルコールやエ
ポキシ基、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基
などが含まれていても良い。(メタ)アクリロイル基を
有する含フッ素一官能(メタ)アクリル酸エステルを主
たる成分とする含フッ素化合物を用いると、塗工性を良
くするため好ましく、(メタ)アクリロイル基を有する
含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステルを主たる成
分とする含フッ素化合物を用いると、硬化後の樹脂層の
表面硬度が高くなり好ましい。そのため、本発明で用い
られる含フッ素化合物は、官能基数の異なる含フッ素
(メタ)アクリル酸エステルを2種以上含んでいても良
い。 式A:(CH2=CX−COO)a −Y (式中、Xは、水素原子または炭素数1〜3のアルキル
基を示し、Yは、炭素数1〜100個のフッ素含有アル
キル基であって、エーテル結合あるいはエステル結合を
1個以上含んでいてもよい。aは1〜4の整数であ
る。) 本発明における樹脂層は、前記式Aで示される含フッ素
化合物が、該樹脂層中に好ましくは40重量%以上、よ
り好ましくは50重量%含有していることが硬化後の被
膜強度を向上せしめる上で好ましい。該樹脂層は、前記
硬化前の含フッ素化合物を導電層の上に塗布と同時また
は塗布・加熱乾燥後に、熱あるいは紫外線、電子線等に
より硬化させることによって得られる。
液の粘度を低く保ち、かつ塗工性を良くするために、硬
化前の含フッ素化合物の分子量は、好ましくは3000
以下、より好ましくは1500以下である。また、硬化
前の含フッ素化合物中のフッ素含有アルキル基の炭素数
が100を超えると、該含フッ素化合物から主としてな
る硬化前の塗液の表面張力が極端に低下し、導電層への
塗工性が悪くなるため、好ましくはアルキル基の炭素数
は100以下である。
ートは、下記式Bで表される化合物であり、ジペンタエ
リスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの脂肪族
多価アルコール多官能(メタ)アクリレート、またはグ
リシジル(メタ)アクリレートと多価アルコールもしく
は多価カルボン酸との反応生成物、(メタ)アクリレー
ト類でかつ未反応の水酸基を有している化合物のアルキ
ルエーテル化物、アルケニルエーテル化物、カルボン酸
エステル化物、リン酸エステル化物、ウレタン化物など
が挙げられる。この中でも特に、硬化後の表面硬度の点
から脂肪族多価アルコール多官能(メタ)アクリレート
が好ましい。さらには、多官能(メタ)アクリレート中に
該ウレタン結合などの極性の高い結合を有していると塗
工性がよくなり特に好ましい。
重量%比で含フッ素化合物と同量、あるいはそれ以下
で、好ましくは該樹脂層の全量の0.01〜50重量%
が、更に好ましくは0.05〜10重量%が硬化後の樹
脂被膜の硬度を向上せしめる上で好ましい。 式B:(Q1−O)b−Z−(O−Q2)c (式中、Zは、直鎖状ペプチド結合、分岐鎖状ペプチド
結合、環状ペプチド結合、ウレタン結合、アミド結合ま
たはイミド結合を1個以上含む炭素数1〜100のアル
キル基を示す。また、Q1およびQ2は、(メタ)アク
リロイル基を示し、bおよびcは、1〜6の整数であ
る。) 本発明の積層フィルムに低反射性が付与されるには、樹
脂層の屈折率と厚さの関係は、その積が対象光線(通常
可視光線)の波長の1/4となることが好ましい。した
がって、樹脂層においては、該樹脂層の厚さdと該樹脂
層の屈折率nの積の4倍が380〜780nmの範囲に
あることが好ましい。すなわち、該樹脂層における屈折
率nと厚さdの関係は下記式(1)を満足する範囲内の
厚さであることが好ましい。 n・d=λ/4 ・・・式(1) (ここで、λは可視光線の波長範囲で、通常380nm
≦λ≦780nmの範囲となる。) さらに、本発明の積層フィルムに低反射性が付与される
ためには、樹脂層の屈折率は導電層の屈折率よりも小さ
いことが必要である。そのため該樹脂層の屈折率は実質
的には1.5以下であり、1.47以下であることが好
ましく、更に好ましくは1.35〜1.45である。屈
折率の測定方法は、アッベ屈折率計を使用し、日本工業
規格JIS K 7105に基づき測定した。
樹脂層の塗布液の塗工性が十分に得られず、また、前記
範囲より高いと低反射性が不十分になりやすい。
は0.01〜1μmであることが好ましく、更に好まし
くは0.09〜0.2μmである。
μmであることが好ましく、さらには0.05〜30μ
mが望ましい。導電層の厚さが、前記範囲より薄いと耐
擦傷性能が不十分になりやすく、また導電層の厚さが、
前記範囲より厚いとクラックが生じやすくなる。
ついて説明する。
少なくとも片面に、無機微粒子を含有する導電層を1層
以上形成し、次いで該導電層上に下記式Aで示される含
フッ素化合物および下記式Bで示される多官能(メタ)ア
クリレートを反応させた硬化物からなる屈折率1.5以
下の樹脂層を1層以上形成することにより製造すること
ができる。 式A:(CH2=CX−COO)a −Y (式中、Xは、水素原子または炭素数1〜3のアルキル
基を示し、Yは、炭素数1〜100個のフッ素含有アル
キル基であって、エーテル結合あるいはエステル結合を
1個以上含んでいてもよい。aは1〜4の整数であ
る。) 式B:(Q1−O)b−Z−(O−Q2)c (式中、Zは、直鎖状ペプチド結合、分岐鎖状ペプチド
結合、環状ペプチド結合、ウレタン結合、アミド結合ま
たはイミド結合を1個以上含む炭素数1〜100のアル
キル基を示す。また、Q1およびQ2は、(メタ)アク
リロイル基を示し、bおよびcは、1〜6の整数であ
る。) 本発明において導電層および樹脂層を形成するために
は、各構成成分を、好ましくは溶媒で分散させた塗布液
を調整し、その塗布液を基材フィルム上に塗布後、乾燥
・硬化させることによって形成することができる。
水、低級アルコール類、ケトン類、エーテル類、セロソ
ルブ類、酢酸n−ブチル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテルアセテートなどのエステル類、ハロゲン化
炭化水素類、炭化水素類などの非極性溶媒、フッ素系溶
剤、ジメチルイミダゾリジノン、N-メチルピロリドン、
ジメチルホルムアミド、ジグライム、γ-ブチルラクト
ン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチ
ルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒が挙げられ
る。特に、本発明の積層フィルムを製造する際には、金
属粒子の分散性の点から非プロトン性極性溶媒が好まし
い。また、基材フィルムが芳香族ポリカーボネートフィ
ルムの場合には、低級アルコール類、セロソルブ類、エ
ステル類、それらの混合物などが好ましい。
機微粒子および硬化前の多官能(メタ)アクリル系バイ
ンダーの混合物を、溶剤としてジメチルイミダゾリジノ
ン、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジグ
ライム、γ-ブチルラクトン、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルおよびジメチルスルホキシドから選ば
れる少なくとも1種を用いて分散してなる塗布液を、基
材フィルムの少なくとも片面に塗布後、乾燥・硬化せし
め導電層を形成することができる。
組成物の粘度、目的とする硬化被膜の厚さ、乾燥温度条
件などにより適宜変更できる。通常は、塗布液中の無機
微粒子および硬化前の多官能(メタ)アクリル系バイン
ダーの混合物などの成分の合計量1重量部に対して好ま
しくは0.1〜30倍重量部、より好ましくは0.5〜
28倍重量部、さらに好ましくは1〜20倍重量部であ
る。
素化合物および多官能(メタ)アクリレートの混合物を、
溶剤としてフッ素系溶剤、ジメチルイミダゾリジノン、
N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジグライ
ム、γ-ブチルラクトン、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルおよびジメチルスルホキシドから選ばれる
少なくとも1種を用いて分散してなる塗布液を塗布後、
乾燥・硬化させ樹脂層を形成する。
の粘度、目的とする硬化被膜の厚さ、乾燥温度条件など
により適宜変更できる。通常は、塗布液中の含フッ素化
合物および多官能(メタ)アクリレートなどの成分の合計
量1重量部に対して好ましくは0.05〜100倍重量
部、より好ましくは0.1〜50倍重量部、さらに好ま
しくは、1〜40倍重量部である。
(メタ)アクリレートの硬化を進めるために開始剤を使
用してもよい。該開始剤としては、塗布液を、ラジカル
反応、アニオン反応、カチオン反応等による重合および
/または架橋反応を開始あるいは促進せしめるものが好
ましい。
する開始剤には、公知または周知のものを使用できる。
この場合、複数の光重合開始剤、熱重合開始剤を使用し
てもよい。熱重合開始剤の例としては、無機過酸化物、
アゾ化合物および有機過酸化物が挙げられる。また、光
重合開始剤の例としては、アリールケトン系光重合開始
剤、含硫黄系光重合開始剤、アシルホスフィンオキシド
系光重合開始剤、アミン系光増感剤などが挙げられる。
なお、前記塗液中における該開始剤の割合は、該塗布液
中の含フッ素化合物および多官能(メタ)アクリレートな
どの硬化前の成分の合計量100重量部に対して好まし
くは0. 01〜20重量部であり、特に0. 1〜10重
量部が好ましい。
ルム断面図)に模式的に示す積層構造のように、基材フ
ィルム1の片面側に導電層2を少なくとも1層設け、さ
らに、該導電層上に樹脂層3を少なくとも1層設けてな
る積層フィルムである。ただし、基材フィルムの表裏両
方に導電層を設けてもよいが、この場合、両導電層のう
ちの少なくとも一方の導電層の上に樹脂層を設けること
が好ましい。また、基材フィルムの片面側に複数の導電
層を設ける場合には、基材フィルムの同じ側に、最表面
が樹脂層となるようにして複数の樹脂層を設けることが
好ましい。さらに、基材フィルムと導電層の間に、ハー
ドコート層を設けてもよい。または、基材フィルムに対
して導電層とは反対側の面に、下塗り層、透明導電層を
設けてもよい。または、樹脂層の表面に、防湿層、保護
層を設けてもよい。該防湿層、該保護層の厚さは、反射
防止機能に影響しないようにするため、20nm以下で
あることが好ましい。
成する成分としては、1分子中に1個以上の(メタ)ア
クリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含
む化合物を重合および/または反応せしめてなる樹脂が
挙げられる。多官能(メタ)アクリレートの具体例に
は、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メチル
(メタ)アクリレート、n‐ブチル(メタ)アクリレー
ト、ポリエステル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、など
が挙げられる。これらの単量体は、1種または2種以上
を混合して使用してもよい。
宜選択されるが、通常1μm〜50μm、好ましくは2
μm〜30μmである。ハードコート層の厚さが、2μ
m未満では、表面硬度が不十分で傷が付きやすい。ま
た、50μmを超える場合は、硬化膜が脆くなりやす
く、表面硬度化フィルムを折り曲げたときにハードコー
ト層にクラックが入りやすい。
(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、
エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰
極線管表示装置(CRT)のような画像表示装置に好適
に適用することができる。その他、カーブミラー、バッ
クミラー、ゴーグル、窓ガラス、ポスター、広告塔、そ
の他種々の商業ディスプレイ等にも適用することもでき
る。本発明の積層体が透明支持体を有する場合は、透明
支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着する。
更に具体的に説明する。なお、文中「部」および「%」
とあるのは、特に断りのない限り重量基準である。ま
た、図1は、積層フィルムの模式断面図であり、積層フ
ィルムは、基材フィルム1の上に導電層2と樹脂層3が
積層されている。
ムを下記方法により作製した。
アンチモン酸亜鉛ゾル(固形分30.8%)225g、
ペンタエリスリトールトリアクリレート24g、ペンタ
エリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソ
シアネートウレタンプレポリマー6g、2−メチル−1
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリプロ
パン−1−オン1.8gを、75gのジヂメチルイミダ
ゾリジノンに溶解した。混合物を攪拌した後、厚み18
8μmのポリエステルフイルム188U42(基材フィ
ルム1:東レ(株)製)の一方の面上に、バーコーター
を用いて塗工し、80℃で乾燥後、紫外線480mJ/
cm2を照射して、塗工層を硬化させ、厚さ4μmの導
電層2を形成した。
テトラフロロプロピルメタクリレート0.3g、ペンタ
エリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソ
シアネートウレタンプレポリマー0.03g、2−メチ
ル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォ
リプロパン−1−オン0.02gをN−メチルピロリド
ン7.2gに溶解した。混合物を攪拌して得た塗布液
を、導電層2の面上にバーコーターを用いて塗工し、1
20℃で乾燥後、紫外線480mJ/cm2を照射し
て、塗工層を硬化させ、厚さ約0.1μm、屈折率1.
46の樹脂層3を形成した。得られた積層フィルムにつ
いて、450〜650nmの波長における反射率、密着
度および表面のスチールウール硬度を測定した。評価結
果を表1に示す。
ムについて、基材フィルム1と導電層2までは実施例1
と同様の方法で形成した。次いで、βー(パーフロロオ
クチル)エチル(メタ)アクリレート0.3g、ペンタ
エリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソ
シアネートウレタンプレポリマー0.03g、2−メチ
ル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォ
リプロパン−1−オン0.02g、ジメチルイミダゾリ
ジノン5.7gを混合した。混合物を攪拌して得た塗布
液を、導電層2の面上にバーコーターを用いて塗工し、
120℃で乾燥後、紫外線480mJ/cm2を照射し
て、塗工層を硬化させ、厚さ約0.1μm、屈折率1.
43の樹脂層3を形成した。評価結果は表1に示す。
アクリレート51部、ポリエステルアクリレート7部、
ヒドロキシプロピルアクリレート3部、及び、開始剤
“イルガキュア184”(チバスペシャリティケミカル
ズ(株)製)5部を、トルエン27部、メチルエチルケ
トン27部、イソプロピルアルコール18部、及び酢酸
ブチル18部の混合溶剤に溶解させハードコート塗布液
を調整した。このハードコート塗布液を、厚み188μ
mのポリエステルフィルム(東レ(株)製、ルミラー)
の片面に塗布し、硬化させて厚さ約5.0μmのハード
コート層を設けた。このハードコート層を設けたフィル
ムを基材フィルムとする。 (導電層2の形成)アンチモン酸亜鉛ゾル(固形分5
0.8%)265g、ペンタエリスリトールトリアクリ
レートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポ
リマー17g、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フ
ェニル]−2−モルフォリプロパン−1−オン8gを、
220gのジヂメチルイミダゾリジノンに溶解した混合
物を攪拌した後、該基材フィルムのハードコート層上
に、バーコーターを用いて塗工し、80℃で乾燥後、紫
外線480mJ/cm2を照射して、塗工層を硬化さ
せ、厚み0.087μmの導電層2を形成した。 (樹脂層3の形成)2,2,3,3−テトラフロロプロ
ピルメタクリレート0.3g、ペンタエリスリトールト
リアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタ
ンプレポリマー0.03g、2−メチル−1[4−(メ
チルチオ)フェニル]−2−モルフォリプロパン−1−
オン0.02gをN−メチルピロリドン7.2gに溶解
した。混合物を攪拌して得た塗布液を、該導電層2の面
上にバーコーターを用いて塗工し、120℃で乾燥後、
紫外線480mJ/cm2を照射して、塗工層を硬化さ
せ、厚さ約0.1μm、屈折率1.46の樹脂層3を形
成した。得られた積層フィルムについて、450〜65
0nmの波長における反射率、密着度および表面のスチ
ールウール硬度を測定した。評価結果を表1に示す。
フィルム1と導電層2からなる積層体を形成した。評価
結果を表1に示す。
ロプロピルメタクリレート0.3g、ペンタエリスリト
ールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネート
ウレタンプレポリマー0.03g、2−メチル−1[4
−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリプロパン
−1−オン0.02gをN−メチルピロリドン7.2g
に溶解した。混合物を攪拌して得た塗布液を、基材フイ
ルム1の面上にバーコーターを用いて塗工し、120℃
で乾燥後、紫外線480mJ/cm2を照射して、塗工
層を硬化させ、厚さ約0.1μm、屈折率1.46の樹
脂層3を形成した。評価結果を表1に示す。
ムについて、基材フィルム1,導電層2までは実施例1
と同様の方法で形成した。次いで、2,2,2−トリフ
ロロエチルメタクリレート0.3g、2−メチル−1
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリプロ
パン−1−オン0.02g、N−メチルピロリドン5.
7gを混合した。混合物を攪拌して得た塗布液を、導電
層2の面上にバーコーターを用いて塗工し、120℃で
乾燥後、紫外線480mJ/cm2を照射して、塗工層
を硬化させた。厚さ0.1μm未満(屈折率測定不能)
の樹脂層3を形成した。評価結果を表1に示す。
チールウールを用いて、250gf/cm2の荷重をか
け10往復したときのキズの本数を観察した。傷のレベ
ルに応じて硬度を次の5段階に分類した(レベル5:傷
無し、 レベル4:1〜5本傷、 レベル3:5〜10
本傷、 レベル2:10本以上傷、 レベル1:全面
傷)。
る導電層と防汚層との付着力を評価する方法として、防
汚層表面を碁盤目状にカットし、その上にシリコーン系
またはエポキシ系またはアクリル系の粘着テープを張り
付け、180度方向に引き剥がし、100の升目のう
ち、剥離しなかった升目の数をカウントした。
製のHIRESTAを用いて表面抵抗値の測定を行なっ
た。
−3410を用いて測定を行なった。サンプルフィルム
は、320〜400の耐水サンドペーパーで裏面に均一
に傷を付け、黒色塗料を塗布して、裏面からの反射を完
全になくして測定した。入射光角度は、6〜10°、検
査波長領域は380nm≦λ≦780nmで行なった。
おいて良好な結果であった。これに対して比較例1は、
樹脂層を積層していないため、反射率が高く反射防止が
不十分であった。比較例2は、導電層を積層していない
ため、表面抵抗値が高く帯電防止性が不十分でああっ
た。比較例3は、樹脂層にアクリル樹脂を配合していな
いため、スチールウール硬度が全くなく、硬度が不十分
でああった。
らび特定の多官能(メタ)アクリレートからなる屈折率
1.5以下の樹脂層を、無機微粒子を含有する導電層上
に設けたことにより、反射率が低く、かつ防汚性、耐擦
過性にも優れた反射防止フィルムが得られる。また、こ
の積層フィルムは、耐電防止性が高く、積層フィルムの
可撓性にも優れており大画面の平面テレビ表面に適用さ
れる反射防止フィルムとして好適である。
である。
Claims (10)
- 【請求項1】 基材フィルムの少なくとも片面に、無機
微粒子を含有する導電層を1層以上設け、かつ該導電層
上に下記式Aで示される含フッ素化合物および下記式B
で示される多官能(メタ)アクリレートを反応させた硬化
物からなる屈折率1.5以下の樹脂層を1層以上設けて
なることを特徴とする積層フィルム。 式A:(CH2=CX−COO)a −Y (式中、Xは、水素原子または炭素数1〜3のアルキル
基を示し、Yは、炭素数1〜100個のフッ素含有アル
キル基であって、エーテル結合あるいはエステル結合を
1個以上含んでいてもよい。aは1〜4の整数であ
る。) 式B:(Q1−O)b−Z−(O−Q2)c (式中、Zは、直鎖状ペプチド結合、分岐鎖状ペプチド
結合、環状ペプチド結合、ウレタン結合、アミド結合ま
たはイミド結合を1個以上含む炭素数1〜100のアル
キル基を示す。また、Q1およびQ2は、(メタ)アク
リロイル基を示し、bおよびcは、1〜6の整数であ
る。) - 【請求項2】 含フッ素化合物が、(メタ)アクリロイ
ル基、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基またはイソ
シアネート基のうちの少なくとも1つの基を含有するこ
とを特徴とする請求項1記載の積層フィルム。 - 【請求項3】 導電層が、無機微粒子と多官能(メ
タ)アクリル系バインダーからなることを特徴とする請
求項1または2記載の積層フィルム。 - 【請求項4】 無機微粒子がアンチモン酸亜鉛であるこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層フ
ィルム。 - 【請求項5】 導電層が、ウレタン結合を1個以上含む
多官能(メタ)アクリル系バインダーを含有しているこ
とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層フ
ィルム。 - 【請求項6】 基材フィルムがポリエステルフィルムで
あることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
積層フィルム。 - 【請求項7】 基材フィルムと導電層の間に、更にハー
ドコート層を有することを特徴とする請求項1〜6のい
ずれかに記載の積層フィルム。 - 【請求項8】 基材フィルムの少なくとも片面に、無機
微粒子を含有する導電層を1層以上形成し、次いで該導
電層上に下記式Aで示される含フッ素化合物および下記
式Bで示される多官能(メタ)アクリレートを反応させた
硬化物からなる屈折率1.5以下の樹脂層を1層以上設
けることを特徴とする積層フィルムの製造方法。 式A:(CH2=CX−COO)a −Y (式中、Xは、水素原子または炭素数1〜3のアルキル
基を示し、Yは、炭素数1〜100個のフッ素含有アル
キル基であって、エーテル結合あるいはエステル結合を
1個以上含んでいてもよい。aは1〜4の整数であ
る。) 式B:(Q1−O)b−Z−(O−Q2)c (式中、Zは、直鎖状ペプチド結合、分岐鎖状ペプチド
結合、環状ペプチド結合、ウレタン結合、アミド結合ま
たはイミド結合を1個以上含む炭素数1〜100のアル
キル基を示す。また、Q1およびQ2は、(メタ)アク
リロイル基を示し、bおよびcは、1〜6の整数であ
る。) - 【請求項9】 含フッ素化合物および多官能(メタ)アク
リレートの混合物を、溶剤としてフッ素系溶剤、ジメチ
ルイミダゾリジノン、N-メチルピロリドン、ジメチルホ
ルムアミド、ジグライム、γ-ブチルラクトン、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルおよびジメチルスル
ホキシドから選ばれた少なくとも1種を用いて分散して
なる塗布液を塗布後、乾燥・硬化させて樹脂層を形成す
ることを特徴とする請求項8記載の積層フィルムの製造
方法。 - 【請求項10】 無機微粒子および硬化前の多官能(メ
タ)アクリル系バインダーの混合物を、溶剤としてジメ
チルイミダゾリジノン、N-メチルピロリドン、ジメチル
ホルムアミド、ジグライム、γ-ブチルラクトン、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルおよびジメチルス
ルホキシドから選ばれた少なくとも1種を用いて分散し
てなる塗布液を、基材フィルムの少なくとも片面に塗布
後、乾燥・硬化せしめ導電層を形成することを特徴とす
る請求項8または9記載の積層フィルムの製造方法。
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