JP2007009035A - 液状硬化性組成物及びその硬化膜 - Google Patents

液状硬化性組成物及びその硬化膜 Download PDF

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Abstract

【課題】 分散粒径が小さく分散安定性に優れるアルミニウム含有酸化亜鉛粒子分散液を用いた液状硬化性組成物及びその硬化膜を提供する。
【解決手段】 (A)アルミニウム含有酸化亜鉛粒子、(B)分子内に3以上の重合性不飽和基を有する化合物、(C)光重合開始剤、(D)下記式(1)又は(2)
【化10】
Figure 2007009035

(式中、Rは、C2q+1−CHO−(CHCHO)−CHCHO−を示す。pは8〜10、qは12〜16、xは1〜3であり、xが2以上の場合、複数存在するRは互いに同一でも異なっていてもよい。)
【化11】
Figure 2007009035

(式中、mとnは、式(2)の化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めたポリスチレン換算数平均分子量が10,000〜40,000となるように選択される数である。)で表される分散剤、及び(E)溶剤を含有することを特徴とする液状硬化性組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アルミニウム含有酸化亜鉛粒子を含有する液状硬化性組成物に関する。さらに詳しくは、各種基材[例えば、プラスチック(ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボルネン系樹脂等)、金属、木材、紙、ガラス、スレート等]の表面に、高硬度、高屈折率及び導電性を有するとともに耐擦傷性並びに基材及び低屈折率層との密着性に優れた塗膜(被膜)を形成し得る光硬化性組成物及びその硬化膜に関する。
近年、各種基材表面の傷付き(擦傷)防止や汚染防止のための保護コーティング材;各種基材の接着剤、シーリング材;印刷インクのバインダー材として、優れた塗工性を有し、かつ各種基材の表面に、硬度、耐擦傷性、耐摩耗性、低カール性、密着性、透明性、耐薬品性及び塗膜面の外観のいずれにも優れた硬化膜を形成し得る硬化性組成物が要請されている。
また、フィルム型液晶素子、タッチパネル、プラスチック光学部品等の反射防止膜の用途においては、上記要請に加えて、高屈折率の硬化膜を形成し得る硬化性組成物が要請されている。
このような硬化性組成物に、高屈折率、高硬度、導電性及び耐擦傷性を付与するために、酸化亜鉛粒子分散液が使用されている(例えば、特許文献1)。
特開2003−119207号公報
上記の酸化亜鉛粒子分散液は、分散粒径が小さく分散安定性に優れている必要がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、分散粒径が小さく分散安定性に優れるアルミニウム含有酸化亜鉛粒子分散液を用いた液状硬化性組成物及びその硬化膜を提供することを目的とする。
本発明によれば、以下の液状硬化性組成物、硬化膜及び硬化膜の製造方法を提供できる。
[1](A)アルミニウム含有酸化亜鉛粒子、
(B)分子内に3以上の重合性不飽和基を有する化合物、
(C)光重合開始剤、
(D)下記式(1)又は(2)
Figure 2007009035
(式中、Rは、C2q+1−CHO−(CHCHO)−CHCHO−を示す。pは8〜10、qは12〜16、xは1〜3であり、xが2以上の場合、複数存在するRは互いに同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2007009035
(式中、mとnは、式(2)の化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めたポリスチレン換算数平均分子量が10,000〜40,000となるように選択される数である。)で表される分散剤、及び
(E)溶剤
を含有することを特徴とする液状硬化性組成物。
[2]前記(A)アルミニウム含有酸化亜鉛粒子を60〜85%含有することを特徴とする上記[1]に記載の液状硬化性組成物。
[3]前記(A)アルミニウム含有酸化亜鉛粒子が、表面処理剤により表面処理されていることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の液状硬化性組成物。
[4]前記表面処理剤が、2以上の重合性不飽和基、下記式(3)に示す基、及びシラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を有する化合物であることを特徴とする上記[3]に記載の液状硬化性組成物。
−X−C(=Y)−NH− (3)
[式中、Xは、NH、O(酸素原子)又はS(イオウ原子)を示し、Yは、O又はSを示す。]
[5]上記[1]〜[4]のいずれかに記載の液状硬化性組成物を硬化してなることを特徴とする硬化膜。
[6]表面抵抗値が1×1012Ω/□以下であることを特徴とする上記[5]に記載の硬化膜。
[7]上記[1]〜[4]のいずれかに記載の液状硬化性組成物に放射線を照射して、該組成物を硬化せしめる工程を有することを特徴とする硬化膜の製造方法。
本発明によれば、分散粒径が小さく分散安定性に優れるアルミニウム含有酸化亜鉛粒子分散液を用いることにより、屈折率が高く、導電性(帯電防止性能)が高いと同時に、高硬度で、透明性、耐擦傷性に優れる硬化膜を与える液状硬化性組成物が提供できる。
本発明の硬化膜は、導電性(帯電防止性能)が高いので、帯電防止性を要求される用途に好適に用いることができる。
以下、本発明の液状硬化性組成物及び硬化膜の実施形態を具体的に説明する。
I.液状硬化性組成物
1.液状硬化性組成物
本発明の液状硬化性組成物(以下、「本発明の組成物」ということがある)は、
(A)アルミニウム含有酸化亜鉛粒子
(B)分子内に3以上の重合性不飽和基を有する化合物
(C)光重合開始剤
(D)特定の分散剤
(E)溶剤
を含有する。
以下、各成分について詳細に説明する。
(A)アルミニウム含有酸化亜鉛粒子
アルミニウム含有酸化亜鉛粒子の一次粒径は、通常、5nm〜100nmのものを使用できる。また、結晶構造も特に限定されないが、単斜晶系等を使用できる。
アルミニウム含有酸化亜鉛粒子の形状は球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、又は不定形状であり、好ましくは、球状である。
このようなアルミニウム含有酸化亜鉛粒子の市販品としては、ハクスイテック(株)製 商品名:パゼットAB、パゼットAK、パゼットCK、堺化学工業(株)製 商品名:SC−18等が挙げられる。
アルミニウム含有酸化亜鉛粒子は、以下のように表面変性されていることが好ましい。表面変性を行うことにより、アルミニウム含有酸化亜鉛粒子分散液を含有する本発明の組成物を硬化させて得られる硬化物の耐擦傷性を改善することができる。
表面変性は、公知の方法で用いることができる(例えば、特開2003−105034号公報参照)。具体的には、アルミニウム含有酸化亜鉛粒子を、分子内に、(メタ)アクリロイル基やビニル基等の重合性不飽和基及び下記式(3)
−X−C(=Y)NH− (3)
(式(3)中、Xは、NH、O(酸素原子)又はS(イオウ原子)を示し、Yは、O又はSを示す。)
に示す基を有する化合物(以下、「特定有機化合物」という。)と反応させることにより行うことができる。尚、この化合物は、分子内にシラノ−ル基又は加水分解によってシラノ−ル基を生成する基を有する化合物であることが好ましい。
前記式(3)に示す基は、具体的には、[−O−C(=O)−NH−]、[−O−C(=S)−NH−]、[−S−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=S)−NH−]、及び[−S−C(=S)−NH−]の6種である。これらの基は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、熱安定性の観点から、[−O−C(=O)−NH−]基を必須とし、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基のいずれか一方を併用することが好ましい。前記式(3)に示す基[−X−C(=Y)−NH−]は、分子間において水素結合による適度の凝集力を発生させ、硬化物にした場合、優れた機械的強度、基材との密着性及び耐熱性等の特性を付与せしめるものと考えられる。
本発明の組成物中における成分(A)の添加量は、表面変性の有無を問わず、組成物中の固形分全量を100重量%として、60〜85重量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは60〜80重量%である。成分(A)の添加量が60重量%未満であると、硬化膜の帯電防止性が不十分となる場合があり、85重量%を超えると透明性が劣る場合がある。
(B)分子内に3以上の重合性不飽和基を有する化合物
本発明に用いられる成分(B)は、得られる液状硬化性組成物を硬化させて得られる硬化被膜に優れた成膜性、透明性を付与する成分であり、分子内に3以上の重合性不飽和基を有する化合物である。このような成分(B)を用いることにより、優れた耐擦傷性、有機溶剤耐性を有する硬化物が得られる。
成分(B)の具体例としては、例えば、(メタ)アクリルエステル類が好ましく、多官能(メタ)アクリルエステル類(以下、「多官能(メタ)アクリレートモノマー」ということがある)がより好ましい。
多官能(メタ)アクリレートモノマーは、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーをいい、5官能以上の(メタ)アクリレートモノマーが特に好ましい。また、2種以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーの混合物を用いることもできる。
多官能(メタ)アクリレートモノマーの好ましい具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、及びこれらの出発アルコール類へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート類、分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)アクリレート類、オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、オリゴウレタン(メタ)アクリレート類、及びオリゴエポキシ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。この中では、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートモノマーの市販品としては、KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)、サートマーSR399E等を挙げることができる。
本発明の組成物中における成分(B)の添加量は、組成物中の固形分全量を100重量%として、通常、0.5〜35重量%、好ましくは1〜30重量%である。成分(B)の添加量が0.5重量%未満であると、硬化膜の耐擦傷性が低下し、35重量%を超えると十分な帯電防止性能が得られない。
(C)光重合開始剤
成分(C)として用いる光重合開始剤としては、光照射により分解してラジカルを発生して重合を開始せしめるものであれば特に制限はなく、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)等を挙げることができる。
放射線(光)重合開始剤の市販品としては、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:イルガキュア 184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61、ダロキュア 1116、1173、BASF社製 商品名:ルシリン TPO、UCB社製 商品名:ユベクリル P36、フラテツリ・ランベルティ社製 商品名:エザキュアー KIP150、KIP65LT、KIP100F、KT37、KT55、KTO46、KIP75/B等を挙げることができる。
本発明の組成物中における成分(C)の配合量は、組成物の固形分全量を100重量%として、通常0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%である。成分(C)の配合量が0.01重量%未満では、硬化物としたときの硬度が不十分となることがあり、20重量%を超えると、内部まで硬化しないことがある。
(D)分散剤
分散剤は、下記式(1)及び(2)で表される化合物のうちのいずれか一方を用いる。
Figure 2007009035
(式中、Rは、C2q+1−CHO−(CHCHO)−CHCHO−を示す。pは8〜10、qは12〜16、xは1〜3であり、xが2以上の場合、複数存在するRは互いに同一でも異なっていてもよい。)
xが2又は3の場合、2つ又は3つ存在するRは、同一でも異なってもよいが、通常は同一である。
Figure 2007009035
(式中、mとnは、式(2)の化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めたポリスチレン換算数平均分子量が10,000〜40,000となるように選択される数である。)
式(1)で表される分散剤の市販品としては、楠本化成(株)製 商品名:PLAAD ED151、式(2)で表される分散剤の市販品としては、PLAAD ED211等が挙げられる。
本発明で用いる組成物中における成分(D)の添加量は、組成物中の溶剤を除く成分全量を100重量%として、0.01〜15重量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.05〜10重量%である。成分(D)の添加量が0.01重量%未満であると、粒子の分散安定性が損なわれる場合があり、15重量%を超えると十分な帯電防止性が発現しない場合がある。
(E)溶剤
溶剤は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類;ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類を用いることができる。中でも、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましく、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルがより好ましい。溶剤は一種又は二種以上を混合して用いることができる。
本発明で用いる組成物中における溶剤(E)の配合量は、特に制限されないが、組成物中の固形分全量を100重量部として、5〜100,000重量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは10〜10,000重量部である。
(F)単官能又は2官能のエチレン性不飽和基含有化合物
本発明の組成物は、上記の成分の他に、その特性を損なわない範囲において、単官能又は2官能のエチレン性不飽和基含有化合物を含むこともできる。
単官能又は2官能のエチレン性不飽和基含有化合物の具体例としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタム、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、エチレングルコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、及びこれらの出発アルコール類へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート類、分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)アクリレート類、オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、オリゴウレタン(メタ)アクリレート類、及びオリゴエポキシ(メタ)アクリレート類、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、下記式(4)で表される化合物等が挙げられる。
CH=C(R)−COO(RO)−Ph−R 式(4)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数2〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜12、好ましくは1〜9のアルキル基を示し、Phはフェニレン基を示し、pは0〜12、好ましくは1〜8の数を示す。)
単官能エチレン性不飽和基含有化合物の市販品としては、アロニックス M−101、M−102、M−111、M−113、M−114、M−117、M−120、M−150(以上、東亜合成(株)製);ビスコート LA、STA、IBXA、HEA、HPA、4−HBA、2−MTA、#192、#193(大阪有機化学(株)製);NK エステル AMP−10G、AMP−20G、AMP−60G、AM−30G、AM−90G(以上、新中村化学工業(株)製);ライトアクリレート L−A、S−A、IB−XA、PO−A、PO−200A、NP−4EA、NP−8EA、エポキシエステルM−600A(以上、共栄社化学(株)製);FA−511、FA−512A、FA−513A(以上、日立化成工業(株)製)等が挙げられる。
本発明の組成物中における(F)単官能又は2官能のエチレン性不飽和基含有化合物の配合量は、組成物中の固形分全量を100重量%として、0.1〜35重量%、好ましくは1〜30重量%である。
(G)非導電性粒子
本発明の組成物には、組成物が分離、ゲル化等の不具合を起こさない範囲で、非導電性粒子、又は非導電性粒子とアルコキシシラン化合物とを有機溶媒中で反応させて得られる粒子を併用してもよい。
非導電性粒子を(A)アルミニウム含有酸化亜鉛粒子と併用することにより、帯電防止機能、即ち、硬化膜としたときの表面抵抗として1012Ω/□以下の値を維持しながら、耐擦傷性を向上させることができる。
このような非導電性粒子としては、(A)アルミニウム含有酸化亜鉛粒子以外の粒子であれば特に制限されない。好ましくは、アルミニウム含有酸化亜鉛粒子以外の酸化物粒子又は金属粒子である。具体的には、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、酸化セリウム等の酸化物粒子、又はケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、及びセリウムよりなる群から選ばれる2種類以上の元素を含む酸化物粒子を挙げることができる。
非導電性粒子の1次粒子径は、乾燥粉末を透過型電子顕微鏡による観察によって求めた値として、好ましくは、0.1μm以下であり、さらに好ましくは、0.001〜0.05μmである。0.1μmを超えると、組成物中で沈降が発生したり、塗膜の平滑性が低下することがある。
非導電性粒子を本発明の組成物に配合する場合、非導電性粒子とアルコキシシラン化合物とを有機溶媒中で加水分解した後混合してもよい。この処理により、非導電性粒子の分散安定性が良好になる。非導電性粒子とアルコキシシラン化合物との有機溶媒中での加水分解処理は、前述の成分(A)の処理方法と同様にすることができる。
非導電性粒子の市販品として、例えば、酸化ケイ素粒子(例えば、シリカ粒子)としては、コロイダルシリカとして、日産化学工業(株)製 商品名:メタノ−ルシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等を挙げることができる。また粉体シリカとしては、日本アエロジル(株)製 商品名:アエロジル130、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600、アエロジルOX50、旭硝子(株)製 商品名:シルデックスH31、H32、H51、H52、H121、H122、日本シリカ工業(株)製 商品名:E220A、E220、富士シリシア(株)製 商品名:SYLYSIA470、日本板硝子(株)製 商品名:SGフレ−ク等を挙げることができる。
また、酸化アルミニウム(アルミナ)の水分散品としては、日産化学工業(株)製 商品名:アルミナゾル−100、−200、−520;酸化ジルコニウムの分散品としては、住友大阪セメント(株)製(トルエン、メチルエチルケトン分散のジルコニアゾル);酸化セリウム水分散液としては、多木化学(株)製 商品名:ニードラール;アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、等の粉末及び溶剤分散品としては、シーアイ化成(株)製 商品名:ナノテック等を挙げることができる。
本発明の組成物中における(G)非導電性粒子の配合量は、組成物中の固形分全量を100重量%として、0.1〜35重量%、好ましくは1〜30重量%である。
(H)添加剤
本発明の組成物には、この他の添加剤として、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、滑材、カップリング剤等を必要に応じて配合することができる。酸化防止剤としては、チバスペシャルティケミカルズ(株)製 商品名:イルガノックス1010、1035、1076、1222等、紫外線吸収剤としては、チバスペシャルティケミカルズ(株)製 商品名:チヌビン P234、320、326、327、328、213、329、シプロ化成(株)製 商品名:シーソーブ102、103、501、202、712等、光安定剤としては、チバスペシャルティケミカルズ(株)製 商品名:チヌビン292、144、622LD、三共(株)製 商品名:サノ−ルLS770、LS440、住友化学工業(株)製 商品名:スミソーブ TM−061等を挙げることができる。
このようにして得られた本発明の組成物の粘度は、通常25℃において、1〜20,000mPa・sであり、好ましくは1〜1,000mPa・sである。
2.液状硬化性組成物の製造方法
本発明の組成物は、紫外線を遮蔽した容器中において、(A)アルミニウム含有酸化亜鉛粒子、(D)分散剤、(E)溶剤からなるアルミニウム含有酸化亜鉛粒子分散液に、(B)重合性不飽和基含有化合物、(C)光重合開始剤、及び必要に応じて、(F)単官能又は2官能(メタ)アクリレート化合物、(G)非導電性粒子、(H)添加剤、追加の(E)溶剤等を混合、撹拌することにより製造できる。
上記アルミニウム含有酸化亜鉛粒子分散液は、溶剤に、分散剤と共に、アルミニウム含有酸化亜鉛粒子を分散させて製造する。
アルミニウム含有酸化亜鉛粒子分散液における上記各成分の配合量は、用途に応じて適宜設定できるが、通常、(A)アルミニウム含有酸化亜鉛粒子8〜50重量%、(D)分散剤0.1〜12.5重量%、(E)溶剤37.5〜90重量%であり、好ましくは、(A)アルミニウム含有酸化亜鉛粒子15〜40重量%、(D)分散剤1.0〜6.15重量%、(E)溶剤53.85〜84重量%である。
また、アルミニウム含有酸化亜鉛粒子分散液中の固形分濃度は、通常8.6〜62.5重量%、好ましくは10〜50重量%である。
分散は、ペイントシェーカ、SCミル、アニュラー型ミル、ピン型ミル等を用いて通常周速5〜15m/sで、粒径の低下が観察されなくなるまで継続する。通常数時間である。分散の際に、ガラスビーズ等の分散ビーズを用いることが好ましい。ビーズ径は特に限定されないが、通常0.05〜1mm程度である。ビーズ径は、好ましくは0.05〜0.5mm、より好ましくは0.08〜0.5mm、特に好ましくは0.08〜0.2mmである。
このようにして得られるアルミニウム含有酸化亜鉛粒子分散液は、分散前には二次凝集をしていたアルミニウム含有酸化亜鉛粒子がより小さな粒径に分散している。好ましくはアルミニウム含有酸化亜鉛粒子のメジアン径が150nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。
また、均一に分散し分散安定性が高いアルミニウム含有酸化亜鉛粒子分散液を含んで調製した本発明の樹脂組成物を硬化した膜は、透明性が高い。
II.硬化膜
本発明の硬化膜は、上述の液状硬化性組成物を塗布、乾燥した後に、放射線を照射して、組成物を硬化させることにより得ることができる。
得られた硬化膜の表面抵抗は、1×1012Ω/□以下、好ましくは1×1010Ω/□以下、より好ましくは1×10Ω/□以下である。表面抵抗が1×1012Ω/□を越えると、帯電防止性能が十分でなく、埃が付着し易くなったり、付着した埃を容易に除去できない場合がある。
組成物の塗布方法としては特に制限はないが、例えば、ロールコート、スプレーコート、フローコート、ディッピング、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の公知の方法を適用することができる。
組成物の硬化に用いる放射線の線源としては、組成物を塗布後、短時間で硬化させ得るものである限り特に制限はない。
可視光線の線源としては、例えば、直射日光、ランプ、蛍光灯、レーザー等を、また、紫外線の線源としては、例えば、水銀ランプ、ハライドランプ、レーザー等を、また、電子線の線源としては、例えば、市販されているタングステンフィラメントから発生する熱電子を利用する方式、金属に高電圧パルスを通じて発生させる冷陰極方式及びイオン化したガス状分子と金属電極との衝突により発生する2次電子を利用する2次電子方式等を挙げることができる。
α線、β線及びγ線の線源としては、例えば、60Co等の核***物質を挙げることができ、γ線については、加速電子を陽極へ衝突させる真空管等を利用することができる。これら放射線は、1種単独で、又は2種以上を同時に照射してもよく、また、1種以上の放射線を、一定期間をおいて照射してもよい。
硬化膜の膜厚は、0.1〜20μmであることが好ましい。タッチパネル、CRT等の最表面での耐擦傷性を重視する用途では比較的厚く、好ましくは2〜15μmである。一方、光学フィルムの帯電防止膜として用いる場合、好ましくは0.1〜10μmである。
また、光学フィルムへ用いる場合、透明性が必要であり、全光線透過率が85%以上であることが好ましい。
本発明の硬化膜が適用される基材は、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木材、スレート等特に制限はないが、放射線硬化性という生産性の高い、工業的有用性を発揮できる材料として、例えば、フィルム、ファイバー状の基材に好ましく適用される。特に好ましい材料は、プラスチックフィルム、プラスチック板である。そのようなプラスチックとしては、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン/ポリメチルメタクリレート共重合体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、トリアセチルセルロース樹脂、ジエチレングリコールのジアリルカーボネート(CR−39)、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、環化ポリオレフィン樹脂(例えば、ノルボルネン系樹脂)等を挙げることができる。
本発明の硬化膜は、優れた耐擦傷性、密着性を有するため、ハードコートとして有用である。また、優れた帯電防止機能を有するため、フィルム状、板状、又はレンズ等の各種形状の基材に配設されることにより帯電防止膜として有用である。
本発明の硬化膜の適用例としては、例えば、タッチパネル用保護膜、転写箔、光デイスク用ハードコート、自動車用ウインドフィルム、レンズ用の帯電防止保護膜、化粧品容器等の高意匠性の容器の表面保護膜等主として製品表面傷防止や静電気による塵埃の付着を防止する目的でなされるハードコートとしての利用、また、CRT、液晶表示パネル、プラズマ表示パネル、エレクトロルミネッセンス表示パネル等の各種表示パネル用の帯電防止用反射防止膜としての利用、プラスチックレンズ、偏光フィルム、太陽電池パネル等の帯電防止用反射防止膜としての利用等を挙げることができる。
光学物品に反射防止機能を付与する場合、基材、又はハードコート処理された基材等に、低屈折率層を形成する方法、又は低屈折率層と高屈折率層との多層構造を形成する方法が有効であることが知られているが、本発明の硬化膜は、これを基材上に形成することにより、光学物品に反射防止機能を付与する帯電防止用積層体の一つの層構造として用いることも有用である。即ち、本発明の硬化膜をこれよりも低屈折率の膜と併用することで、反射防止性能を有する帯電防止積層体を形成することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下において、部及び%は、特に断らない限り、それぞれ重量部及び重量%を示す。
製造例1:アルミニウム含有酸化亜鉛粒子(A―1)分散液の調製
アルミニウム含有酸化亜鉛粒子(A―1)(ハクスイテック(株)製、パゼットCK(商品名)、一次粒径20〜40nm)、分散剤(楠本化成(株)製、PLAAD ED211(商品名):上記式(2)において、数平均分子量40,000の高分子ポリカルボン酸のアミドアミン塩、固形分量50%)、及びメチルエチルケトンを、27.6/4.8/67.6(重量比)の配合量で混合した。この分散液をアルミ皿に2g秤量後、175℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、30%であった。また、この分散液を磁性るつぼに2g秤量後、80℃のホットプレート上で30分予備乾燥し、750℃のマッフル炉中で1時間焼成した後の無機残渣より、固形分中の無機含量を求めたところ、27.6%であった。
ペイントシェーカの50mlポリ瓶に、ガラスビーズ40g(TOSHINRIKO製、BZ−01、ビーズ径0.1mm、体積約16ml)と上記混合液(30g)を入れて、5時間、及び8時間分散し、アルミニウム含有酸化亜鉛粒子(A―1)分散液を得た。
得られた分散液に分散しているアルミニウム含有酸化亜鉛粒子(A―1)のメジアン径を以下の条件で測定した。5時間及び8時間の分散において、メジアン径が150nmまで微粒径化でき、経時的に安定していることを確認した。
機器:(株)堀場製作所製 動的光散乱式粒径分布測定装置
測定条件: 温度 25℃
試料 サンプルを原液のまま測定
データ解析条件:粒子径基準 体積基準
分散粒子 アルミニウム含有酸化亜鉛粒子 屈折率1.95
分散媒 メチルエチルケトン 屈折率1.379
製造例2:特定有機化合物(Aa)の調製
乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメトキシシラン221部、ジブチル錫ジラウレート1部からなる溶液に対し、イソホロンジイソシアネート222部を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、70℃で3時間加熱攪拌した。これに新中村化学製NKエステルA−TMM−3LM−N(ペンタエリスリトールトリアクリレート60重量%とペンタエリスリトールテトラアクリレート40重量%とからなる。このうち、反応に関与するのは、水酸基を有するペンタエリスリトールトリアクリレートのみである。)549部を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で10時間加熱攪拌することで重合性不飽和基を有する有機化合物(特定有機化合物(Aa))を得た。生成物中の残存イソシアネート量をFT−IRで分析したところ0.1%以下であり、反応がほぼ定量的に終了したことを示した。生成物の赤外吸収スペクトルは原料中のメルカプト基に特徴的な2550カイザーの吸収ピーク及び原料イソシアネート化合物に特徴的な2260カイザーの吸収ピークが消失し、新たにウレタン結合及びS(C=O)NH−基に特徴的な1660カイザーのピーク及びアクリロキシ基に特徴的な1720カイザーのピークが観察され、重合性不飽和基としてのアクリロキシ基と−S(C=O)NH−、ウレタン結合を共に有するアクリロキシ基修飾アルコキシシランが生成していることを示した。以上により、この組成物には、下記式(5)及び式(6)で示される化合物が合計で773部含まれるほか、反応に関与しなかったペンタエリスリトールテトラアクリレート220部が混在している。
Figure 2007009035
Figure 2007009035
(式(5)及び式(6)中、Acrylは、アクリロイル基を示し、Meはメチル基を示す。)
製造例3:多官能アクリレート(B−1)の調製
攪拌機付きの容器内のイソホロンジイソシアネート18.8部と、ジブチル錫ジラウレート0.2部とからなる溶液に対し、新中村化学製NKエステルA−TMM−3LM−N(反応に関与するのは、水酸基を有するペンタエリスリトールトリアクリレートのみである。)93部を、10℃、1時間の条件で滴下した後、60℃、6時間の条件で攪拌し、反応液とした。
この反応液中の生成物について、製造例2と同様にして残存イソシアネート量をFT−IRで測定したところ、0.1重量%以下であり、反応がほぼ定量的に行われたことを確認した。また、分子内に、ウレタン結合、及びアクリロイル基(重合性不飽和基)とを含むことを確認した。
以上により、この組成物には、下記式(7)で示される化合物(B−1)75部が含まれるほか、反応に関与しなかったペンタエリスリトールテトラアクリレート37部が混在している。
Figure 2007009035
(式中、Acrylは、アクリロイル基を示す。)
製造例4:反応性アルミニウム含有酸化亜鉛粒子(A−2)分散液の調製
製造例1で調製したアルミニウム含有酸化亜鉛粒子分散液(アルミニウム含有酸化亜鉛濃度27.6%)289.86部、製造例2で製造した重合性不飽和基を含む有機化合物(Aa)を含む組成物2.08部(特定有機化合物(Aa)を1.62部含む)、イオン交換水0.08部、及びp−ヒドロキシフェニルモノメチルエーテル0.01部の混合液を、60℃、4時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル0.95部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで反応性アルミニウム含有酸化亜鉛粒子(A−2)分散液を得た。この分散液をアルミ皿に2g秤量後、175℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、30.7%であった。また、分散液を磁性るつぼに2g秤量後、80℃のホットプレート上で30分予備乾燥し、750℃のマッフル炉中で1時間焼成した後の無機残渣より、固形分中の無機含量を求めたところ、90%であった。
実施例1:液状硬化性組成物の調製
紫外線を遮蔽した容器中において、アルミニウム含有酸化亜鉛粒子(A―1)分散液289.86部(アルミニウム含有酸化亜鉛80部、分散剤6.96部を含む)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製 商品名 KAYARAD DPHA)9.04部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2.5部、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン1.5部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル30.43部、を50℃で2時間攪拌することで均一な溶液の液状硬化性組成物を得た。この組成物をアルミ皿に2g秤量後、170℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、30重量%であった。また、この組成物を磁性るつぼに2g秤量後、80℃のホットプレート上で30分予備乾燥し、750℃のマッフル炉中で1時間焼成した後の無機残渣より、固形分中の無機含量を求めたところ、80重量%であった。
実施例2〜4及び比較例1〜3:液状硬化性組成物の調製
下記表1に示す成分を表1に示す配合量で用いた以外は実施例1と同様にして液状硬化性組成物を得た。
実施例5:液状硬化性組成物の調製
紫外線を遮蔽した容器中において、反応性アルミニウム含有酸化亜鉛粒子(A―2)分散液253.35部(反応性アルミニウム含有酸化亜鉛71.39部、分散剤6.09部を含む)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製 商品名 KAYARAD DPHA)15.04部、製造例3の化合物(B−1)を含む組成物3.15部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2.5部、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン1.5部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル57.56部、を50℃で2時間攪拌することで均一な溶液の液状硬化性組成物を得た。この組成物をアルミ皿に2g秤量後、170℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、30重量%であった。また、この組成物を磁性るつぼに2g秤量後、80℃のホットプレート上で30分予備乾燥し、750℃のマッフル炉中で1時間焼成した後の無機残渣より、固形分中の無機含量を求めたところ、80重量%であった。
実施例6及び7:液状硬化性組成物の調製
下記表2に示す成分を表2に示す配合量で用いた以外は実施例5と同様にして液状硬化性組成物を得た。
実施例1〜7及び比較例1〜3で得られた液状硬化性組成物を用い、下記の硬化膜の作製方法によって得られた硬化膜の特性を下記のように評価した。
<硬化膜の作製>
ワイヤーバーコータを用いて、表面易接着処理が施されたポリエステルフィルムA4300(東洋紡績(株)製、膜厚188μm)上に塗工し、オーブン中、80℃、3分間の条件で乾燥し、塗膜を形成した。次いで、大気中、メタルハライドランプを用いて、1J/cm2の光照射条件で塗膜を紫外線硬化させ、膜厚3μmの硬化膜を形成した。
<硬化膜の評価>
得られた硬化膜の全光線透過率、ヘーズ及び表面抵抗を以下の基準で評価した。
(1)全光線透過率及びヘーズ
硬化膜の全光線透過率及びヘーズを、カラーヘーズメーター(スガ試験機(株)製)を用いて、JIS K7105に準拠して測定した。得られた結果を表1及び2に示す。
(2)表面抵抗
硬化膜の表面抵抗(Ω/□)を、ハイ・レジスタンス・メーター(アジレント・テクノロジー(株)製 Agilent4339B)、及びレジスティビティ・セル16008B(アジレント・テクノロジー(株)製)を用い、印加電圧100Vの条件で測定した。得られた結果を表1及び2に示す。
(3)鉛筆硬度
硬化膜の鉛筆硬度を、JIS K5600−5−4に従って試験を行い、H以上を○、それに満たないものを×とした。得られた結果を表1及び2に示す。
Figure 2007009035
Figure 2007009035
表1及び表2中の商品名、略号等は、下記のものを示す。
Disperbyk 2001:BYK Chemie社製分散剤(変性アクリル系ブロック共重合体)
Irgacure184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
Irgacure907:2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
表1の結果から、重合性不飽和基含有化合物として、それぞれ2個又は1個のアクリロイル基を有する化合物を用いた比較例1及び2では、表面抵抗は低いが、全光線透過率が低下している。
本発明の成分(B)である式(1)又は式(2)で示される化合物以外の分散剤を用いた比較例3では、表面抵抗は低いが、全光線透過率が低下し、ヘーズが高くなっている。
これに対し、比較例と同じ割合でアルミニウム含有酸化亜鉛粒子(A―1)を含有する実施例1、3及び4では、ヘーズが低く、全光線透過率が高く、かつ表面抵抗も低いことが分かる。
また、表2の結果から、反応性アルミニウム含有酸化亜鉛粒子(A−2)を用いた場合には、ヘーズがさらに低下することがわかる。
本発明の液状硬化性組成物は、例えば、プラスチック光学部品、タッチパネル、フィルム型液晶素子、プラスチック容器、建築内装材としての床材、壁材、人工大理石等の傷付き(擦傷)防止や汚染防止のための保護コーティング材;フィルム型液晶素子、タッチパネル、プラスチック光学部品等の反射防止膜;各種基材の接着剤、シーリング材;印刷インクのバインダー材等に用いられ、特に帯電防止膜を形成する硬化性組成物として好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. (A)アルミニウム含有酸化亜鉛粒子、
    (B)分子内に3以上の重合性不飽和基を有する化合物、
    (C)光重合開始剤、
    (D)下記式(1)又は(2)
    Figure 2007009035
    (式中、Rは、C2q+1−CHO−(CHCHO)−CHCHO−を示す。pは8〜10、qは12〜16、xは1〜3であり、xが2以上の場合、複数存在するRは互いに同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2007009035
    (式中、mとnは、式(2)の化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めたポリスチレン換算数平均分子量が10,000〜40,000となるように選択される数である。)で表される分散剤、及び
    (E)溶剤
    を含有することを特徴とする液状硬化性組成物。
  2. 前記(A)アルミニウム含有酸化亜鉛粒子を60〜85%含有することを特徴とする請求項1に記載の液状硬化性組成物。
  3. 前記(A)アルミニウム含有酸化亜鉛粒子が、表面処理剤により表面処理されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液状硬化性組成物。
  4. 前記表面処理剤が、2以上の重合性不飽和基、下記式(3)に示す基、及びシラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を有する化合物であることを特徴とする請求項3に記載の液状硬化性組成物。
    −X−C(=Y)−NH− (3)
    [式中、Xは、NH、O(酸素原子)又はS(イオウ原子)を示し、Yは、O又はSを示す。]
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液状硬化性組成物を硬化してなることを特徴とする硬化膜。
  6. 表面抵抗値が1×1012Ω/□以下であることを特徴とする請求項5に記載の硬化膜。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液状硬化性組成物に放射線を照射して、該組成物を硬化せしめる工程を有することを特徴とする硬化膜の製造方法。
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