JP2004272198A - 反射防止積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 屈折率が低く且つ硬度が高い含フッ素低屈折率組成物のコーティング層を形成した反射防止積層体を提供する。
【解決手段】 光透過性を有する基材フィルムの少なくとも一面側に、直接、或いは他の層を介して内部、及び/又は表面にナノポーラス構造を有する低屈折率組成物をコーティングしてなる低屈折率層が形成された反射防止積層体であり、且つ、ナノポーラス構造を有する低屈折率組成物は、少なくとも、(A)分子中にフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物と、(B)塗工液に調製するための液状媒体中に分散させることが可能で且つ平均粒子径5nm〜300nmの微粒子とからなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、屈折率が低く且つ硬度が高い、分子中にフッ素原子を含む塗膜から得られる反射防止積層体に関する。
液晶ディスプレー(LCD)や陰極管表示装置(CRT)等の画像表示装置の表示面は、その視認性を高めるために、蛍光燈などの外部光源から照射された光線の反射が少ないことが求められる。
透明な物体の表面を屈折率の小さい透明皮膜で被覆することにより反射率が小さくなる現象が従来から知られており、このような現象を利用した反射防止膜を画像表示装置の表示面に設けて視認性を向上させることが可能である。反射防止膜は、表示面の上に屈折率の小さい低屈折率層を設けた単層構成、または、反射防止効果を更に良好にするために表示面の上に中〜高屈折率層を1乃至複数層設け、中〜高屈折率層の上に最表面の屈折率を小さくするための低屈折率層を設けた多層構成を有する。
単層型の反射防止膜は多層型と比べて層構成が単純なので、生産性やコストパフォーマンスに優れている。一方、多層型の反射防止膜は、層構成を組み合わせて反射防止性能を向上させることが可能であり、単層型と比べて高性能化を図り易い。
このような反射防止膜に含まれる低屈折率層を形成する方法は、一般に気相法と塗布法に大別され、気相法には真空蒸着法、スパッタリング法等の物理的方法と、CVD法等の化学的方法とがあり、塗布法にはロールコート法、グラビアコート法、スライドコート法、スプレー法、浸漬法、及び、スクリーン印刷法等がある。
気相法による場合には、高機能且つ高品質な透明薄膜を形成することが可能だが、高真空系での精密な雰囲気の制御が必要であり、また、特殊な加熱装置又はイオン発生加速装置が必要であり、そのために製造装置が複雑で大型化するために必然的に製造コストが高くなるという問題がある。また、気相法による場合には、透明薄膜を大面積化したり或いは複雑な形状を持つフィルム等の表面に透明薄膜を均一な膜厚に形成することが困難である。
一方、塗布法のうちスプレー法による場合には、塗工液の利用効率が悪く、成膜条件の制御が困難である等の問題がある。ロールコート法、グラビアコート法、スライドコート法、浸漬法及びスクリーン印刷法等による場合には、成膜原料の利用効率が良く、大量生産や設備コスト面での有利さがあるが、一般的に、塗布法により得られる透明薄膜は、気相法により得られるものと比較して機能及び品質が劣るという問題点がある。
塗布法としては、分子構造中にフッ素原子を含むポリマー(フッ素含有ポリマー)を含有する塗工液を支持体の表面に塗布し乾燥させるか、或いは、分子構造中にフッ素原子を含むモノマー(フッ素含有モノマー)を含有する塗工液を支持体の表面に塗布、乾燥した後、UV照射などによって硬化させて低屈折率層を形成することが知られている。フッ素原子を含むバインダーからなる塗膜は屈折率が低く、フッ素含有量が大きいほど屈折率が低くなる。また、塗膜のフッ素含有量が高くなると、汚れが付着し難くなって防汚性が向上するという効果もある。しかし、フッ素自身の分子間力が小さいので、フッ素原子を含む分子は柔らかくなり易く、塗膜中のフッ素原子含有量が高くなると塗膜の硬度や強度が低下するという問題がある。
低屈折率層は原理上、反射防止膜の最表面又は表面付近に設けられることが多いので、何らかの物品による接触、衝突または摩擦などの攻撃を本来的に受け易く、塗膜の屈折率を上げるためにフッ素含有量を高くし過ぎると、硬度の著しい低下を招いて傷付き易くなり、埃や汚れを拭き取るために強く擦っただけでも傷付いてしまう場合がある。
また、低屈折率層を、表面付近ではあるが中間層として設ける場合には、外部からの攻撃に対して若干傷付きにくくなるが、塗膜の屈折率を下げるためにフッ素含有量を高くし過ぎると、応力の集中により低屈折率層とこれに隣接する層との界面で剥離が生じ易くなり、塗膜強度の低下を招くという不都合があった。このようにフッ素原子を含む樹脂における屈折率低下させる要望と、該樹脂を用いて塗膜の強度を図る要望は、両立できない課題であった。
分子構造中におけるフッ素原子の含有量が高い低屈折率の樹脂組成物に、分子構造中にフッ素原子を含まない且つ硬度又は強度の高い樹脂組成物を混合してなるバインダー樹脂組成物を用いて低屈折率層を形成することによって、該低屈折率層の硬度や強度を向上させることが可能である。しかし、この場合には、フッ素原子を含まない、屈折率が高い樹脂が含まれることになり、低屈折率層の全体に占めるフッ素原子の含有割合が低くなるので、フッ素原子含有バインダーによる屈折率低下作用が損なわれ、屈折率を充分に下げることができない結果を招く。
特許文献1には、フッ素含有ポリマーからなる塗膜中に平均径200nm以下のミクロボイドを形成してなる非常に微小な多孔質構造を有する低屈折率層が開示されている。この公報に開示された低屈折率層は、塗膜中に多数のミクロボイドを形成することにより、塗膜の屈折率を空気の屈折率(すなわち屈折率1)に近づけることができるので、フッ素含有ポリマーのフッ素含有率を高くしないでも屈折率を下げることができる。しかし、この場合でも、塗膜の屈折率を下げるためにミクロボイドの量を多くし過ぎると、フッ素含有量を高くする場合と同様に塗膜の硬度や強度が低下する。
特開2000−64601号公報 特開平6−3501号公報 特開2002−311210号公報 特開2002−317152号公報 特開平7−133105号公報 特開2002−256004号公報 特開2000−267708号公報
本発明は上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、その目的は、屈折率が低く且つ硬度が高い含フッ素低屈折率組成物をコーティングしてなる低屈折率層を形成した反射防止積層体を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の反射防止積層体は、光透過性を有する基材の少なくとも一面側に、直接、或いは他の層を介して内部、及び/又は表面にナノポーラス構造を有する低屈折率組成物をコーティングしてなる低屈折率層が形成された反射防止積層体であって、前記ナノポーラス構造を有する低屈折率組成物が、少なくとも、(A)分子中にフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物と、(B)塗工液に調製するための液状媒体中に分散させることが可能で且つ平均粒子径5nm〜300nmの微粒子とからなることを特徴とする。
本発明の反射防止積層体におけるナノポーラス構造を有する低屈折率組成物をコーティングしてなる低屈折率層には、ナノポーラス構造が、平均粒子径5nm〜300nmの微粒子が集合体を形成した結果生じる、平均孔径が0.01nm〜100nmの空気を含有する独立した、及び/又は連続した孔である構造が挙げられる。
或いは、ナノポーラス構造を有する低屈折率組成物をコーティングしてなる低屈折率層には、ナノポーラス構造が、平均粒子径5nm〜300nmの微粒子自身の平均孔径0.01nm〜100nmの空気を含有する孔を有することにより形成される構造が挙げられる。
本発明において、ナノポーラスとは、粒子自身が持っている孔、或いは粒子同士が集合体を形成することによって生じる空隙、又は比表面積が大きい多孔質粒子に取り込まれた空気が塗膜形成の過程で粒子から塗膜中に拡散して生じる空気の孔のことを言い、所望の大きさの範囲内であれば、独立していても、連続していても良い。
一般的に、分子中にフッ素原子を含む樹脂組成物は屈折率が低い材料なので、屈折率の低い塗膜を形成できる長所を有するが、該樹脂組成物を塗布して形成された塗膜は、原子間力が小さいフッ素原子を含有しているため硬度及び強度が不足し易いという欠点を有する。これに対して、本発明の反射防止積層体は、塗膜中にそれ自身が空隙を有する、及び/又は集合体を形成することで空隙を有する、平均粒子径5nm〜300nmの微粒子を含有しているので、分子中にフッ素原子を含有する樹脂組成物を用いるにも関わらず、硬化した樹脂組成物中に分散している空隙を有する微粒子の凝集力及び硬さによって、形成された塗膜が引き締められる。したがって、フッ素原子の含有量を非常に大きくした場合でも塗膜の硬度及び強度の著しい低下を避けることができる。
特に、それ自身が空隙を有する微粒子は、微細な空隙を外部や内部に有しており、気体、例えば、屈折率1の空気が充填されているので、それ自身の屈折率が低い特徴があり、塗膜中に集合体を形成せずに均一に分散した場合でも、塗膜の屈折率を低下させることができるため好ましい。空隙を有する微粒子の好ましい例には、多孔質シリカ微粒子や中空シリカ微粒子が挙げられる。即ち、例えば、シリカを例にすると、内部に気体を有しない通常のコロイダルシリカ粒子(屈折率n=1.46程度)に比べると、シリカの空隙を有する微粒子の屈折率は1.20〜1.45と低い。或いは、空隙を有する微粒子の好ましい別の例には、多孔質ポリマー微粒子や中空ポリマー微粒子が挙げられる。
以上のことから、屈折率及び/又は添加量を選択した空隙を有する微粒子、好ましくは、平均孔径0.01nm〜100nmの空気を含有する孔を有する屈折率1.20〜1.45の微粒子、或いは、平均粒子径5nm〜300nmの微粒子が集合体を形成した結果生じる、平均孔径が0.01nm〜100nmの屈折率1.20〜1.45の空気を含有する独立した、及び/又は連続した孔を有する微粒子集合体をフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物に添加することにより得られる低屈折率組成物は、低屈折率として特徴のあるフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物の屈折率に影響を全く或いはごく僅かしか影響を及ぼさず、むしろ、屈折率を低下させることができ、しかも、前記したように空隙を有する微粒子の添加効果として塗膜の強度を上げる効果がある。特に、シリカの空隙を有する微粒子の場合には、コロイダルシリカを添加した場合と同程度或いはそれ以上の硬度を塗膜に与えることができる。
また、空隙を有する微粒子の平均粒子径が5nm〜300nmであるので塗膜の透明性にも優れている。また、これらの微粒子は塗膜中で凝集し、特に塗膜の最表面に可視光の波長以下程度の細かな凹凸を形成させることで、通常の平坦な膜となる樹脂のみに比べ、空気が取り込まれる構造が実現されるため、微粒子の持つ屈折率の効果以上の塗膜の屈折率低下が期待できる。
本発明に使用する低屈折率組成物は、フッ素原子を含有し、架橋結合により硬化している電離放射線硬化型樹脂からなる塗膜中に、平均粒子径が5nm〜300nmの空隙を有する微粒子が分散された構造をもっている。
本発明による反射防止積層体の低屈折率層は、さらに、分子中にフッ素原子を有する電離放射線硬化型樹脂組成物および微粒子の何れに対しても相溶性を有するフッ素系および/またはケイ素系化合物を含んでなることが好ましい。このようにフッ素系化合物等を含むことにより、最表面に用いられる塗膜表面の平坦化や反射防止積層体に必要とされる防汚性、耐擦傷性向上に効果がある滑り性を付与することができる。なお、「相溶性」とは、フッ素系および/またはケイ素化合物が分子中にフッ素原子を有する分子中にフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物や微粒子が存在する塗膜中に、添加効果が確認できる量を加えた場合でも、塗膜の白濁やヘイズの上昇などによる透明性の低下が確認できない程度の親和性を有することを意味する。
本発明においては、さらに、フッ素系および/またはケイ素化合物の少なくとも一部が、分子中にフッ素原子を有する電離放射線硬化型樹脂組成物と、化学反応により共有結合を形成して塗膜最表面に固定されていることが好ましく、これにより、反射防止積層体が製品化後に必要となる、長期に渡る防汚性や耐擦傷性の向上に効果がある滑り性を安定して保持することが可能となる。
本発明の反射防止積層体に用いられる低屈折率層は、前記したそれ自身が空隙を有する、或いは集合体を形成することで空隙を有する、微粒子が含まれているので、塗膜の強度を確保することができるため、用いるバインダー樹脂中のフッ素原子の含有率を大きくすることができ、且つ、低屈折率層の屈折率を1.50以下、好ましくは1.45以下と非常に小さくすることができ、しかも、実用に耐え得る硬度及び強度を有し、密着性及び透明性にも優れたものとなる。
具体的には、低屈折率層の表面を、#0000番のスチールウールを用いて10回擦ったときの、該低屈折率層のヘイズ値の変化が認められる最低荷重量が、200g以上である、高硬度の反射防止積層体を得ることが可能である。
好ましくは、平均粒子径5nm〜300nmの微粒子の添加量が、フッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物100重量部に対し1〜400重量部、より好ましくは5〜200重量部、最も好ましくは10〜100重量部の範囲であることが望ましい。
したがって、本発明の反射防止積層体は、反射防止フィルムに用いることができ、液晶表示装置やCRT等の表示面の反射防止に好適に適用される。
即ち、前記課題を解決する本発明の反射防止積層体は、光透過性を有する基材の少なくとも一面側に、直接或いは他の層を介して、内部、及び/又は表面にナノポーラス構造を有する低屈折率組成物をコーティングしてなる低屈折率層が形成された反射防止積層体であることを特徴とする。
本発明による反射防止積層体の層構成は、低屈折率層を最表層として所望の反射防止効果を得るために、低屈折率層単独、高屈折率層/低屈折率層、中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層のいずれかである。これら全ての層の膜厚は0.05〜0.15μmの範囲、好ましくは0.07〜0.12μmの範囲となる。膜厚が0.05以下や0.15μm以上の場合、充分な反射防止効果を得ることができない。
本発明の反射防止積層体によれば、低屈折率層は、それ自身が空隙を有する、或いは集合体を形成することで空隙を有する、微粒子が含まれているので、塗膜の強度を確保することができるため、用いるバインダー樹脂中のフッ素原子の含有率を大きくすることができ、且つ、低屈折率層の屈折率を1.50以下、好ましくは1.45以下と非常に小さくすることができ、しかも、実用に耐え得る硬度及び強度を有し、密着性及び透明性にも優れたものとなる。特に、本発明の反射防止積層体における低屈折率層は、屈折率を低くできる性質と、塗膜の硬度を高くすることができる性質の2つの性質を両立させることができる。
以下において本発明を詳しく説明する。
(A)成分:
本発明に用いる低屈折率組成物におけるバインダー成分には、フッ素原子を含み、且つ数平均分子量が2万以上の電離放射線で効果するポリマーと、1分子中に3個以上の電離放射線で効果する官能基を有するフッ素含有及び/又は非含有のモノマーが含まれることが望ましい。該樹脂組成物は、低屈折率組成物に成膜性(皮膜形成能)と低い屈折率を付与するためのバインダー成分である電離放射線硬化型のフッ素原子を含有するモノマー及び/又はポリマーを含む。本発明で使用するフッ素原子含有電離放射線硬化型樹脂組成物は、電離放射線で硬化する官能基(単に「電離放射線硬化性基」と呼ぶことがある)を有するか、或いは、電離放射線硬化性官能基を有することに加えて、熱により硬化する官能基(単に「熱硬化性基」と呼ぶことがある)も有するので、該樹脂組成物を含有する塗工液を被塗工体の表面に塗布し、乾燥し、電離放射線の照射、又は電離放射線の照射と加熱を行うと、塗膜内に架橋結合等の化学結合を形成し、塗膜を効率よく硬化させることができる。
前記(A)成分の、フッ素原子含有電離放射線硬化型樹脂組成物に含有される「電離放射線硬化性基」は、電離放射線の照射により重合又は架橋等の大分子量化反応を進行させて塗膜を硬化させることができる官能基であり、例えば、光ラジカル重合、光カチオン重合、光アニオン重合のような重合反応、或いは、光二量化を経て進行する付加重合又は縮重合等の反応形式により反応が進行するものが挙げられる。その中でも、特に、アクリル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合は、紫外線や電子線のような電離放射線の照射により直接、又は開始剤の作用を受けて間接的に光ラジカル重合反応を生じるものであり、光硬化の工程を含む取り扱いが比較的容易なので好ましい。
(A)成分中の、フッ素原子含有電離放射線硬化型樹脂組成物に含有されていてもよい「熱硬化性基」は、加熱によって同じ官能基同士又は他の官能基との間で重合又は架橋等の大分子量化反応を進行させて硬化させることができる官能基であり、例えば、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、等を例示することができる。
これらの官能基の中でも水素結合形成基は、(B)成分である、それ自身が空隙を有する、或いは集合体を形成することで空隙を有する微粒子が無機超微粒子である場合、(B)成分との親和性にも優れており、該無機超微粒子及びその集合体のバインダー中での分散性を向上させるので好ましい。水素結合形成基のうち、特に水酸基が、バインダー成分への導入が容易で、コーティング組成物の保存安定性や熱硬化により無機系の空隙を有する微粒子表面に存在する水酸基との共有結合を形成し、該空隙を有する微粒子が架橋剤として作用し、塗膜強度の更なる向上を図ることができるために特に好ましい。
塗膜の屈折率を充分に低くするためには、フッ素原子含有(A)成分の屈折率が1.50以下であることが好ましい。
(A)成分のうち分子中にフッ素原子を含有及び/又は非含有モノマー及び/又はオリゴマーは塗膜の架橋密度を高める効果が高いほか、分子量が小さいので流動性が高い成分であり、コーティング組成物の塗工適性を向上させる効果もある。
一方、(A)成分のうちフッ素原子含有ポリマーは、すでに分子量が大きいので、フッ素原子含有及び/又は非含有モノマー及び/又はオリゴマーと比べて成膜性が高い。このフッ素原子含有ポリマーに上記フッ素原子含有及び/又は非含有モノマー及び/又はオリゴマーと組み合わせると、流動性が高められるので塗工適性を改善することができ、また、架橋密度も高められるので塗膜の硬度や強度を向上させることができる。
エチレン性不飽和結合を有するフッ素原子含有モノマーとしては、例えば、フルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロブタジエン、パーフルオロ―2,2―ジメチル―1,3―ジオキソールなど)、アクリルまたはメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類(例えば下記式1又は下記式2で表される化合物)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類、完全または部分フッ素化ビニルエステル類、完全または部分フッ素化ビニルケトン類等を例示することができる。
エチレン性不飽和結合を有するフッ素原子非含有モノマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート等のジアクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート誘導体やジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、或いは、これらのラジカル重合性モノマーが重合したオリゴマーを例示することができる。これらのフッ素非含有モノマー及び/又はオリゴマーは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
互いに重合可能な重合性官能基を有するフッ素原子含有ポリマーとフッ素原子含有及び/又は非含有モノマーとを組み合わせる場合には、フッ素原子含有ポリマーによりコーティング組成物の成膜性が向上すると共に、フッ素原子含有及び/又は非含有モノマーにより架橋密度と塗工適性が向上し、両成分のバランスによって優れた硬度と強度を塗膜に付与することができるので好ましい。この場合、数平均分子量が20,000〜500,000のフッ素原子含有ポリマーと数平均分子量が20,000以下のフッ素原子含有及び/又は非含有モノマーを組み合わせて用いることにより、塗工適性、成膜性、膜硬度、膜強度などを含めた諸物性のバランスがとり易いので好ましい。
分子中にフッ素を含有するポリマーとしては、上記したようなフッ素原子含有モノマーから任意に選ばれた1又は2以上のフッ素原子含有モノマーの単独重合体又は共重合体、或いは、1又は2以上のフッ素原子含有モノマーと1又は2以上のフッ素非含有モノマーとの共重合体を用いることができる。
具体的には、ポリテトラフルオロエチレン;4−フルオロエチレン−6−フルオロプロピレン共重合体;4−フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体;4−フルオロエチレン−エチレン共重合体;ポリビニルフルオライド;ポリビニリデンフルオライド;アクリルまたはメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類(例えば、次式1又は次式2で表される化合物)の(共)重合体;フルオロエチレン−炭化水素系ビニルエーテル共重合体;エポキシ、ポリウレタン、セルロース、フェノール、ポリイミド、シリコーン等各樹脂のフッ素変性品などを例示することができる。
Figure 2004272198
(式中、R1 は水素原子、炭素数1ないし3のアルキル基またはハロゲン原子を表す。Rfは完全または部分フッ素化されたアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環またはアリール基を表す。R2 およびR3 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、ヘテロ環、アリール基または上記Rfで定義される基を表す。R1 、R2 、R3 およびRfはそれぞれフッ素原子以外の置換基を有していても良い。また、R2 、R3 およびRfの任意の2つ以上の基が互いに結合して環構造を形成しても良い。)
Figure 2004272198
(式中、Aは完全または部分フッ素化されたn価の有機基を表す。R4 は水素原子、炭素数1ないし3のアルキル基またはハロゲン原子を表す。R4 はフッ素原子以外の置換基を有していても良い。nは2乃至8の整数を表す。)
その他にも、旭硝子(株)製の商品名サイトップといった市販品を例示することができる。
この中で特に、下記一般式3で示されるポリビニリデンフルオライド誘導体が、屈折率が低く、硬化性官能基の導入が可能で、且つ他のバインダー成分や空隙を有する微粒子との相溶性に優れるために、特に好ましい。
Figure 2004272198
(式中、R1 は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又はハロゲン原子を表す。R2 は直接。或いは完全又は部分フッ素化されたアルキル鎖、アルケニル鎖、エステル鎖、エーテル鎖を介して、完全又は部分フッ素化されたビニル基、(メタ)アクリレート基、エポキシ基、オキセタン基、アリール基、マレイミド基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、アルコキシ基を示す。)
具体的には、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート等のジアクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート誘導体やジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、或いは、これらのラジカル重合性モノマーが重合したオリゴマーを例示することができる。これらのフッ素非含有モノマー及び/又はオリゴマーは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
上記した(A)成分に属するモノマー、オリゴマー、ポリマー、及び、(A)成分に属しないモノマー、オリゴマー、ポリマーを適宜組み合わせて、成膜性、塗工適性、電離放射線硬化の架橋密度、フッ素原子含有量、熱硬化性を有する極性基の含有量等の諸性質を調節することができる。例えば、モノマー、オリゴマーにより架橋密度と加工適性が向上し、ポリマーによりコーティング組成物の成膜性が向上する。
本発明においては、(A)成分の中から数平均分子量(GPC法で測定したポリスチレン換算数平均分子量)が20,000以下のモノマーと数平均分子量が20,000以上のポリマーを適宜組み合わせ、塗膜の諸性質を容易に調節することが可能である。
(B)成分:微粒子
(B)成分としての微粒子には、「空隙を有する微粒子」が好ましく使用される。「空隙を有する微粒子」とは、微粒子の内部に気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造をとった結果、或いは微粒子が集合体を形成した結果、気体が屈折率1.0の空気である場合、微粒子本来の屈折率に比べて微粒子中の空気の占有率に反比例して屈折率が低下した微粒子及びその集合体のことを言う。例えば、比表面積を大きくすることを目的として製造され、充填用のカラムや表面の多孔質部に各種化学物質を吸着させる除放材、触媒固定用に使用される多孔質微粒子や、断熱材や低誘電材に組み込むことを目的とする中空微粒子のうち、本発明に使用できる平均粒子径の範囲のものが好ましく使用できる。
無機の多孔質微粒子としては、例えば、市販品として日本シリカ工業株式会社製の商品名NipsilやNipgelの中から本発明で好ましく使用できる粒子径の範囲内のものを、また、無機の中空粒子としては、特開2001−233611号公報で開示されている技術を用いて調製した中空シリカ微粒子が好ましく用いられる。
集合体を形成する無機の微粒子としては、例えば、市販品として日本シリカ工業株式会社製の商品名NipsilやNipgelの中から多孔質シリカ微粒子の集合体や日産化学工業(株)製のシリカ微粒子が鎖状に繋がった構造を有するコロイダルシリカUPシリーズ(商品名)の中から本発明の好ましく使用できる粒子径の範囲内のものを用いることができる。本発明で使用される平均粒子径5nm〜300nmの微粒子は、一次粒子径5nm〜100nmの微粒子が鎖状に連なって形成されていてもよい。
有機のそれ自身が空隙を有する微粒子は、例えば、特開2002−256004号公報に示されるような、ポリマー層と孔充填層を有する多孔質粒子であって、該孔充填層がフュージティブ物質、置換気体、或いはそれらの組合せであり、一方、該ポリマー層のガラス転移温度が10℃〜50℃である多孔質粒子が挙げられる。
また、集合体を形成する有機の微粒子としては、例えば、市販品として総研化学株式会社製の機能性微粒子凝集体MP−300F(商品名、0.1μmのアクリル凝集粒子として市販されている。)等が好ましく使用できる。
これらのそれ自身が空隙を有する、或いは集合体を形成することで空隙を有する微粒子のうちで、無機成分、特にシリカの空隙を有する微粒子は製造が容易でそれ自身が硬いために、バインダー成分と組合せた時の膜強度も向上し、屈折率1.20〜1.45を達成できるため好ましく使用することが出来る。
(B)成分である空隙を有する微粒子の一次粒子径は、塗膜に優れた透明性を付与するためには、平均粒子径5nm〜300nmの範囲であることが好ましい。
他の成分
本発明による反射防止積層体の低屈折率層は、さらに、分子中にフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物および微粒子の何れに対しても相溶性を有するフッ素系および/またはケイ素系化合物を含んでなることが好ましい。このようにフッ素系化合物等を含むことにより、最表面に用いられる塗膜表面の平坦化や反射防止積層体に必要とされる防汚性、耐擦傷性向上に効果がある滑り性を付与することができる。
本発明においては、さらに、フッ素系および/またはケイ素化合物の少なくとも一部が、電離放射線硬化型樹脂組成物と、化学反応により共有結合を形成して塗膜最表面に固定されていることが好ましく、これにより、反射防止積層体が製品化後に必要となる、長期に渡る防汚性や耐擦傷性の向上に効果がある滑り性を安定して保持することが可能となる。
上記フッ素系化合物としては、Cd 2d+1 (dは1〜21の整数) で表されるパーフルオロアルキル基、−( CF2 CF2 ) g −(g は1〜50の整数) で表されるパーフルオロアルキレン基、またはF−(−CF(CF3 )CF2 O−)e −CF(CF3 )(ここで、eは1〜50の整数) で表されるパーフルオロアルキルエーテル基、ならびに、CF2 =CFCF2 CF2 −、(CF3 2 C=C(C2 5 )−、および((CF3 2 CF)2 C=C(CF3 )−等で例示されるパーフルオロアルケニル基を有することが好ましい。
上記の官能基を含む化合物であれば、フッ素系化合物の構造は特に限定されるものではなく、例えば、含フッ素モノマーの重合体、または含フッ素モノマーと非フッ素モノマーの共重合体等を用いることもできる。それらの中でも特に、含フッ素モノマーの単独共重合体、または含フッ素モノマーと非フッ素モノマーとの共重合体のいずれかで構成される含フッ素系重合体セグメントと、非フッ素系重合体セグメント、とから成るブロック共重合体またはグラフト共重合体が好ましく用いられる。このような共重合体においては、含フッ素系重合体セグメントが、主に防汚性・撥水撥油性を高める機能を有し、一方、非フッ素系重合体セグメントが、バインダー成分との相溶性が高いことから、アンカー機能を有する。したがって、このような共重合体を用いた反射防止積層体においては、繰り返し表面を擦られた場合にもこれらのフッ素系化合物が取り去られにくく、また、長期に渡り防汚性などの諸性能を維持できるという効果がある。
上記フッ素系化合物は市販の製品として入手することができ、例えば、日本油脂製モディパーFシリーズ(商品名)、大日本インキ化学工業社製ディフェンサMCFシリーズ(商品名)等が好ましく用いられる。
上記フッ素系または/およびケイ素系化合物は、下記一般式、
Figure 2004272198
(式中、Raはメチル基などの炭素数1〜20のアルキル基を示し、Rbは非置換、もしくはアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロアルキルエーテル基、または(メタ)アクリロイル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、またはポリエーテル変性基を示し、各Ra、Rbは互いに同一でも異なっていても良い。また、mは0〜200、nは0〜200の整数である。)
で示される構造を有することが好ましい。
上記一般式のような基本骨格を持つポリジメチルシリコーンは、一般に表面張力が低く、撥水性や離型性に優れていることが知られているが、側鎖あるいは末端に種々の官能基を導入することで、更なる効果を付与することができる。例えば、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、(メタ)アクリロイル基、アルコキシ基等を導入することにより反応性を付与でき、前記分子中にフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物との化学反応により共有結合を形成できる。また、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロアルキルエーテル基を導入することで、耐油性や潤滑性等を付与でき、さらに、ポリエーテル変性基を導入することで、レベリング性や潤滑性を向上させることができる。
このような化合物は、市販の製品として入手することができ、例えば、フルオロアルキル基をもつシリコーンオイルFL100(商品名:信越化学工業社製) や、ポリエーテル変性シリコーンオイルTSF4460 (商品名、GE東芝シリコーン社製) 等、目的に合わせて種々の変性シリコーンオイルを入手できる。
また本発明の好ましい態様として、フッ素系または/およびケイ素系化合物は下記一般式、
Rcn SiX4-n
(式中、Rcはパーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基、またはパーフルオロアルキルエーテル基を含む炭素数3〜1000の炭化水素基を示し、Xはメトキシ基、エトキシ基、もしくはプロポキシ基等の炭素数1〜3のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、もしくはメトキシエトキシ基等のオキシアルコキシ基、または、クロル基、ブロモ基もしくはヨード基等のハロゲン基等の加水分解性基であり、同一でも異なっていてもよく、nは1〜3の整数を示す。)
で示される構造であってもよい。
このような加水分解性基を含むことにより、特に無機成分の微粒子を用いた場合、微粒子表面の水酸基と共有結合や水素結合を形成し易く、密着性を保持できるという効果がある。
このような化合物として、具体的には、TSL8257(商品名:GE 東芝シリコーン社製)等のフルオロアルキルシランが挙げられる。
上記フッ素系および/またはケイ素系化合物は、分子中にフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物と微粒子の総重量に対して、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜3.0重量%の含有量であることが好ましい。含有量が0.01重量%未満であると、反射防止積層体に充分な防汚性や滑り性を付与することができず、また10重量%を超えると塗膜の強度を極端に低下させる。
これらフッ素系化合物やケイ素系化合物は、期待する効果の程度に応じて単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。これらの化合物を適宜組み合わせることにより、防汚性、撥水撥油性、滑り性、耐擦傷性、耐久性、レベリング性等の諸性質を調節し、目的とする機能を発現させることができる。
本発明による反射防止積層体を構成する低屈折率層は、必須成分として、上記の分子中にフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物成分および上記微粒子成分および上記フッ素系および/またはケイ素化合物を含有するが、さらに必要に応じて、上記したような分子中にフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物成分以外のバインダー成分も含まれていてよく、さらに、低屈折率層形成用塗工液には、溶剤、重合開始剤、硬化剤、架橋剤、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤、表面調整剤(レベリング剤)、あるいは、その他の成分が含まれていても良い。
重合開始剤は、本発明において必ずしも必要ではない。しかし、フッ素原子含有(A)成分、空隙を有する微粒子の(B)成分、及び、任意成分である他のバインダー成分の電離放射線硬化性基が、電離放射線照射によって直接重合反応を生じにくい場合がある。このような場合には、バインダー成分及び無機超微粒子の反応形式に合わせて、適切な開始剤を用いるのが好ましい。
例えば、フッ素原子含有(A)成分の電離放射線硬化性基がエチレン性不飽和結合である場合には、光ラジカル重合開始剤を用いる。光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、チウラム化合物類、フルオロアミン化合物などが用いられる。より具体的には、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケトン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン等を例示できる。これらのうちでも、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、及び、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンは、少量でも電離放射線の照射による重合反応を開始し促進するので、本発明において好ましく用いられる。これらは、いずれか一方を単独で、又は、両方を組み合わせて用いることができる。これらは市販品にも存在し、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンはイルガキュアー 184(Irgacure 184)の商品名でチバスペシャリティーケミカルズ(株)から入手できる。
光ラジカル重合開始剤を用いる場合には、フッ素原子含有成分を主体とするバインダー成分の合計100重量部に対して、光ラジカル重合開始剤を通常は3〜15重量部の割合で配合する。
硬化剤は、フッ素原子含有(A)成分の熱硬化性極性基の熱硬化反応を促進するために配合される。熱硬化性極性基が水酸基である場合には、硬化剤として、通常、メチロールメラミン等の塩基性基を有する化合物、金属アルコキシド等の加水分解により水酸基を発生する加水分解性基を有する化合物が配合される。塩基性基としては、アミン、ニトリル、アミド、イソシアネート基が好ましく用いられ、加水分解性基としては、アルコキシ基が好ましく用いられるが、後者の場合は特に、下記一般式で表されるアルミニウム化合物とその誘導体が水酸基との相性が良く、特に好ましく用いられる。
AlR3 … 式(4)
(上記一般式(4)は、アルミニウム化合物、および/またはそこから誘導されるオリゴマーおよび/または錯体や無機または有機酸のアルミニウム塩の中から選定することができる。ここで、残基Rは、同一でも異なってもよく、ハロゲン、炭素数10以下、好ましくは4以下のアルキル、アルコキシ、もしくはアシルオキシ、またはヒドロキシであり、これらの基は全部または一部がキレート配位子により置き換えられていてもよいものである。)
具体的には、アルミニウム-sec- ブトキシド、アルミニウム-iso- プロポキシド、及びそのアセチルアセトン、アセト酢酸エチル、アルカノールアミン類、グリコール類、及びその誘導体との錯体等を挙げることができる。
また、(A)成分の熱硬化性極性基がエポキシ基である場合には、コーティング組成物中に、硬化剤として、通常、多価カルボン酸無水物、又は、多価カルボン酸を用いる。
多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリントリストリメリテイトなどのエステル基含有酸無水物を挙げることができ、特に好ましくは、芳香族多価カルボン酸無水物を挙げることができる。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
また、本発明に用いられる多価カルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族多価カルボン酸、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸を挙げることができ、好ましくは芳香族多価カルボン酸を挙げることができる。
硬化剤を用いる場合には、フッ素原子含有成分を主体とするバインダー成分の合計100重量部に対して、硬化剤を通常は0.05〜30.0重量部の割合で配合する。
溶剤
フッ素原子含有バインダー成分として液状のフッ素原子含有モノマー及び/又はオリゴマーを比較的多量に用いる場合には、当該フッ素原子含有モノマー及び/又はオリゴマーが塗工液に調製するための液状媒体としても機能し得るので、溶剤を用いなくてもコーティング組成物の固形成分を溶解、分散、又は希釈して塗工液の状態に調製できる場合がある。従って、本発明において溶剤は必ずしも必要ではないが、固形成分を溶解分散し、濃度を調整して、塗工適性に優れた塗工液を調製するために溶剤を使用する場合が多い。
本発明で使用する低屈折率組成物の固形成分を溶解分散するために用いる溶剤は特に制限されず、種々の有機溶剤、例えば、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ハロゲン化炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;或いはこれらの混合物を用いることができる。
好ましくは、ケトン系の有機溶剤を用いるのがよい。その理由は、本発明で使用する低屈折率組成物をケトン系溶剤を用いて調製すると、基材表面に容易に薄く均一に塗布することができ、且つ、塗工後において溶剤の蒸発速度が適度で乾燥むらを起こし難いので、均一な薄さの大面積塗膜を容易に得ることができるからである。
反射防止膜の支持層であるハードコート層にアンチグレア層としての機能を付与するために当該ハードコート層の表面を微細凹凸に形成し、その上に、中屈折率層又は高屈折率層を介して又は介さずに本発明のコーティング組成物を塗布して低屈折率層を形成する場合がある。本発明のコーティング組成物をケトン系溶剤を用いて調製すると、このような微細凹凸の表面にも均一に塗工することができ、塗工むらを防止できる。
ケトン系溶剤としては、1種のケトンからなる単独溶剤、2種以上のケトンからなる混合溶剤、及び、1種又は2種以上のケトンと共に他の溶剤を含有しケトン溶剤としての性質を失っていないものを用いることができる。好ましくは、溶剤の70重量%以上、特に80重量%以上を1種又は2種以上のケトンで占められているケトン系溶剤が用いられる。
また、溶剤の量は、各成分を均一に溶解、分散することができ、調製後の保存時に凝集を来たさず、且つ、塗工時に希薄すぎない濃度となるように適宜調節する。この条件が満たされる範囲内で溶剤の使用量を少なくして高濃度のコーティングのための低屈折率組成物を調製し、容量をとらない状態で保存し、使用時に必要分を取り出して塗工作業に適した濃度に希釈するのが好ましい。固形分と溶剤の合計量を100重量部とした時に、全固形分0.5〜50重量部に対して、溶剤を50〜95.5重量部、さらに好ましくは、全固形分10〜30重量部に対して、溶剤を70〜90重量部の割合で用いることにより、特に分散安定性に優れ、長期保存に適した低屈折率組成物が得られる。
コーティングのための低屈折率組成物の調製
上記各成分を用いて本発明で使用するコーティングのための低屈折率組成物を調製するには、塗工液の一般的な調製法に従って分散処理すればよい。例えば、各必須成分及び各所望成分を任意の順序で混合し、得られた混合物にビーズ等の媒体を投入し、ペイントシェーカーやビーズミル等で適切に分散処理することにより、コーティングのための低屈折率組成物が得られる。
塗膜の形成
本発明で使用する低屈折率組成物を用いて塗膜を形成するには、(A)(B)成分及びその他の成分を含有するを塗工液を被塗工体の表面に塗布し乾燥し、電離放射線、及び/又は加熱により硬化させ、(A)成分及び(B)成分を主体として含有する皮膜の硬化物とする。
本発明で使用する低屈折率組成物の塗布法には、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビードコーター法等の各種方法で基材等の支持体上に塗布することができる。
低屈折率組成物を塗布する支持体は特に制限されない。好ましい基材としては、例えば、ガラス板;トリアセテートセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、ポリエーテルサルホン、アクリル系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリエステル;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテル;トリメチルペンテン;ポリエーテルケトン;(メタ)アクリロニトリル等の各種樹脂で形成したフィルム等を例示することができる。基材の厚さは、通常30μm〜200μm程度であり、好ましくは50μm〜200μmである。
前記低屈折率組成物の塗工液を基材等の被塗工体の表面に直接、或いはハードコート層や光透過性の防眩層等の他の層を介して塗布し、乾燥させることによって、熱硬化性を有する極性基の作用により被塗工体表面に対する密着性に優れた塗膜が得られる。
反射防止積層体
次に、本発明の反射防止積層体の具体例について説明する。本発明の反射防止積層体は、光透過性を有する基材の少なくとも一面側に、直接、或いは他の層を介して、光透過性を有し且つ互いに屈折率の異なる層(光透過層)を一層以上積層してなる、単層型又は多層型反射防止膜のうちの少なくとも一層を低屈折率層としたものである。該反射防止積層体は、反射防止フィルムとして用いることができる。なお、本発明においては、多層型反射防止膜の中で最も屈折率の高い層を高屈折率層と称し、最も屈折率の低い層を低屈折率層と称し、それ以外の中間的な屈折率を有する層を中屈折率層と称する。基材及び光透過層は、反射防止フィルムの材料として使用できる程度の光透過性を有する必要があり、できるだけ透明に近いものが好ましい。
本発明において得られる反射防止積層体において、前記他の層として、反射防止積層体に耐擦傷性、強度等のハード性能を与える目的でハードコート層を設けても良い。或いは、反射防止積層体に防眩性を与える目的で、他の層として、防眩層を設けても良い。
ハードコート層
本発明の反射防止積層体におけるハードコート層は、電離放射線硬化型樹脂組成物を使用して形成することが望ましい。尚、本明細書において、「ハードコート層」とは、JIS5600−5−4:1999で示される鉛筆硬度試験でH以上の硬度を示すものをいう。
ハードコート層を形成するのに好適な電離放射線硬化型樹脂組成物としては、好ましくはアクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエーテル樹脂、多価アルコール、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート誘導体やジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートなどの多官能化合物などのモノマー類やエポキシアクリレートやウレタンアクリレートなどのオリゴマーなどを使用することができる。
本発明の反射防止積層体におけるハードコート層は硬化後の膜厚が0.1〜100μm、好ましくは0.8〜20μmの範囲にあることが望ましい。膜厚が0.1μm以下の場合は充分なハードコート性能が得られず、100μm以上の場合は外部からの衝撃に対して割れやすくなるため好ましくない。
本発明の反射防止積層体におけるハードコート層の屈折率が1.57〜1.70であると、中屈折率層または高屈折率層の機能を兼ね備えることができ、反射防止積層体の反射防止性に好ましい。
防眩層
本発明の反射防止積層体におけるハードコート層は、次に説明する防眩性を有していてよもいし、ハードコート層とは別に防眩層を設けてもよい。
本発明の防眩層は電離放射線硬化型樹脂組成物と屈折率1.40〜1.60の樹脂ビーズを用いて構成することができる。樹脂ビーズを含むことで、ハードコート性に加えて、防眩性を付与することができる。電離放射線硬化型樹脂組成物としては、先のハードコート層に好ましく用いられるものの中から適宜選定することができる。
樹脂ビーズの屈折率がこのような範囲である好ましい理由は、電離放射線硬化型樹脂、特にアクリレートまたはメタクリレート系樹脂の屈折率は通常1.45〜1.55であることから、電離放射線硬化型樹脂の屈折率にできるだけ近い屈折率を持つ樹脂ビーズを選択すると、塗膜の透明性が損なわれずに、しかも、防眩性を増すことができるからである。電離放射線硬化型樹脂の屈折率に近い屈折率を持つ樹脂ビーズには、例えばポリメチルメタクリレートビーズ(1.49)、ポリカーボネートビーズ(1.58)、ポリスチレンビーズ(1.50)、ポリアクリルスチレンビーズ(1.57)、ポリ塩化ビニルビーズ(1.54)などがあるが、上記範囲にあるものはこれ以外のものでも使用することができる。
これらの樹脂ビーズの粒径は、3〜8μmのものが好適に用いられ、樹脂100重量部に対して2〜10重量部、通常4重量部程度用いられる。この塗料のような樹脂ビーズを混入させると、塗料使用時には容器の底に沈殿した樹脂ビーズを攪拌して良く分散させる必要がある。このような不都合を無くすために、前記の塗料に樹脂ビーズの沈降防止剤として粒径0.5μm以下、好ましくは0.1〜0.25μmのシリカビーズを含ませてもよい。なお、このシリカビーズは添加すればするほど有機フィラーの沈降防止に有効であるが、塗膜の透明性に悪影響を与える。したがって、樹脂100重量部に対して、塗膜の透明性を損なわない程度に、しかも沈降防止することができる範囲である0.1重量部未満程度が好ましい。
本発明の反射防止積層体における防眩層は硬化後の膜厚が0.1〜100μm、好ましくは0.8〜20μmの範囲にあることが望ましい。膜厚が0.1μm以下の場合は充分なハードコート性能が得られず、100μm以上の場合は外部からの衝撃に対して割れやすくなるため好ましくない。
帯電防止層
本発明の反射防止積層体には、静電気の発生がなくゴミの付着防止や液晶ディスプレイなどに組みこまれた際の外部からの静電気障害を受けない効果を付与するために必要に応じて帯電防止層を形成してもよい。この場合の帯電防止層の性能としては反射防止積層体形成後の表面抵抗が1012Ω/□以下となることが好ましい。しかし1012 Ω/□以上であっても、帯電防止層を設けていないものに比べて、埃付着性を防止することができる。
帯電防止樹脂組成物に含まれる帯電防止剤には、例えば、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性帯電防止剤、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオン系帯電防止剤、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性帯電防止剤、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性の帯電防止剤、スズやチタンのアルコキシドのような有機金属化合物やそれらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物などの各種界面活性剤型帯電防止剤、さらには上記の如き帯電防止剤を高分子量化した高分子型帯電防止剤等が挙げられ、また、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基、金属キレート部を有し電離放射線により重合可能なモノマーやオリゴマー、同じく電離放射線により重合可能な官能基を持つカップリング剤のような有機金属化合物などの重合性帯電防止剤も使用できる。
帯電防止樹脂組成物に含まれる他の帯電防止剤として、粒子径が100nm以下の超微粒子、例えば酸化スズ、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、インジウムドープ酸化亜鉛(AZO)、酸化アンチモン、酸化インジウムなどを用いることができる。特に、粒径が可視光線の波長以下の100nm以下とすることで、成膜後透明になり、反射防止フィルムの透明性を損なわないので好ましい。
上記帯電防止剤を、上記ハードコート層や防眩層を形成する塗料中に混合する事で、帯電防止性能とハードコート性の2つの性質、同様に帯電防止性能と防眩性の2つの性質を同時に改善する塗膜を得ることが可能となる。
高屈折率層乃至中屈折率層(屈折率1.46〜2.00の範囲の屈折率層)
ハードコート層と前記低屈折率層との間に、屈折率が1.46〜2.00の範囲で、かつ膜厚が0.05〜0.15μmの範囲である乃至高屈折率層が、少なくとも一層以上設けられることが反射防止性において望ましい。
本発明の反射防止積層体における中乃至高屈折率層は、主に、電離放射線硬化型樹脂と、粒子径100nm以下の中乃至高屈折率の超微粒子が含まれることで構成できる。中乃至高屈折率の超微粒子の例には、酸化亜鉛(屈折率1.90、以下数値は屈折率を示す)、チタニア(2.3〜2.7)、セリア(1.95)、スズドープ酸化インジウム(1.95)、アンチモンドープ酸化スズ(1.80)、イットリア(1.87)、ジルコニア(2.0)が挙げられる。超微粒子は、電離放射線硬化型樹脂バインダーよりも屈折率が高いものが好ましい。屈折率は屈折率層中の微粒子の含有率によって決まり、すなわち微粒子の含有量が多いほど屈折率が高くなるので、電離放射線硬化型樹脂と微粒子の構成比率を制御することで、屈折率を1.46〜2.00の範囲で自由に制御することができる。
これらの超微粒子が導電性を有するものであれば、該超微粒子を用いて形成された高屈折率層、および中屈折率層は帯電防止性を兼ね備えたものとなる。
また、中屈折率層および高屈折率層は、化学蒸着法(CVD)や物理蒸着法(PVD)などの蒸着法により形成した酸化チタンや酸化ジルコニウムのような屈折率の高い無機酸化物の蒸着膜としたり、あるいは、酸化チタンのような屈折率の高い無機酸化物微粒子を分散させた塗膜とすることができる。中屈折率層としては、屈折率1.46〜1.80の範囲の光透過層を使用し、また、高屈折率層としては屈折率1.65以上の光透過層を使用することができる。
防汚層
低屈折率層の基材側と反対の側の面に、低屈折率層の表面の防汚の目的で防汚層が設けられていてもよい。防汚層は、低屈折率層の基材側と反対の側の面に設けることで、反射防止膜の防汚性や耐擦傷性に効果があるものの、分子中にフッ素原子を有する電離放射線硬化型樹脂組成物への相溶性が低く、低屈折率層中に添加できないフッ素系および/またはケイ素化合物や、前記分子中にフッ素原子を有する電離放射線硬化型樹脂組成物および微粒子の何れに対しても相溶性を有するフッ素系および/またはケイ素系化合物を使用しても良く、低屈折率層の基材側と反対の側の面に設けることで、反射防止積層体に必要とされる防汚性、耐擦傷性の更なる性能向上が期待できる。
図3は、反射防止フィルムとしての本発明の反射防止積層体の一例の断面を模式的に示したものである。反射防止フィルム102は、光透過性を有する基材フィルム21の一面側に、高屈折率層22を形成し、さらに当該高屈折率層の上に本発明に使用する低屈折率組成物を塗布して低屈折率層23を設けたものである。この例では、互いに屈折率の異なる光透過層は高屈折率層と低屈折率層の二層だけだが、光透過層を三層以上設けてもよい。その場合には、低屈折率層だけでなく中屈折率層も、本発明に使用する低屈折率組成物を塗布して形成することができる。
画像表示装置
本発明の反射防止積層体は、特に、液晶表示装置(LCD)や陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)等の画像表示装置の表示面を被覆する多層型反射防止膜の少なくとも一層、特に低屈折率層を形成するのに好適に用いられる。
図1は、本発明の反射防止積層体を光透過層として含んだ多層型反射防止膜により表示面を被覆した液晶表示装置の一例(101)の断面を模式的に示したものである。液晶表示装置101は、表示面側のガラス基板1の一面にRGBの画素部2(2R、2G、2B)とブラックマトリックス層3を形成してなるカラーフィルター4を準備し、当該カラーフィルターの画素部2上に透明電極層5を設け、バックライト側のガラス基板6の一面に透明電極層7を設け、バックライト側のガラス基板とカラーフィルターとを、透明電極層5、7同士が向き合うようにして所定のギャップを空けて対向させ、周囲をシール材8で接着し、ギャップに液晶Lを封入し、背面側のガラス基板6の外面に配向膜9を形成し、表示面側のガラス基板1の外面に偏光フィルム10を貼り付け、後方にバックライトユニット11を配置したものである。
図2は、表示面側のガラス基板1の外面に貼り付けた偏光フィルム10の断面を模式的に示したものである。表示面側の偏光フィルム10は、ポリビニルアルコール(PVA)等からなる偏光素子12の両面をトリアセチルセルロース(TAC)等からなる保護フィルム(光透過性を有する基材フィルム)13、14で被覆し、その裏面側に接着剤層15を設け、その鑑賞側にハードコート層16と多層型反射防止膜17を順次形成したものであり、接着剤層15を介して表示面側のガラス基板1に貼着されている。
ここで、液晶表示装置等のように内部から射出する光を拡散させて眩しさを低減させるために、ハードコート層16は、当該ハードコート層の表面を凹凸形状に形成したり或いは当該ハードコート層の内部に無機や有機のフィラーを分散させてハードコート層内部で光を散乱させる機能を持たせた防眩層(アンチグレア層)としてもよい。また、ハードコート層は二層以上で構成しても良く、前記ハードコート層を適宜組合せて用いることができる。
多層型反射防止膜17の部分は、バックライト側から鑑賞側に向かって中屈折率層18、高屈折率層19、低屈折率層20が順次積層された3層構造を有している。多層型反射防止膜17は、高屈折率層19又は中屈折率層18と低屈折率層20が順次積層された2層構造であってもよい。なお、ハードコート層16の表面が凹凸形状に形成される場合には、その上に形成される多層型反射防止膜17も図示のように凹凸形状となる。
低屈折率層20は、高屈折率層19の上に本発明のコーティング組成物を塗布し、乾燥し、光硬化させて形成した塗膜であり、屈折率を1.45以下、好ましくは1.41以下とすることができ、1.20程度まで下げることが可能である。また、中屈折率層18及び高屈折率層19は、化学蒸着法(CVD)や物理蒸着法(PVD)などの蒸着法により形成した酸化チタンや酸化ジルコニウムのような屈折率の高い無機酸化物の蒸着膜としたり、或いは、酸化チタンのような屈折率の高い無機酸化物微粒子を分散させた塗膜とすることができ、中屈折率層18には屈折率1.46〜1.80の範囲の光透過層、高屈折率層19には屈折率1.65以上の光透過層が使用される。
さらに、帯電防止性あるいは静電性を付与する必要がある場合には、導電層を基材フィルム上に設けてもよく、またハードコート層中に導電性粒子を含有させてもよく、さらにまた、中屈折率層や高屈折率層に分散させる屈折率の高い無機酸化物微粒子自体に導電性を有するものを用いることによっても同様の性状を得ることができる。さらに所望の屈折率が得られる範囲であれば、有機成分からなる帯電防止剤を低屈折率層に直接加えたり、低屈折率層の最表面に帯電防止層を反射防止膜の性能に影響を与えない膜厚30nm以下の範囲で設けることでも同様の性状を得ることができる。
この反射防止膜の作用により、外部光源から照射された光の反射率が低減するので、景色や蛍光燈の映り込みが少なくなり、表示の視認性が向上する。また、外光がディスプレイ表面に映り込んだり、眩しく光ったりする状態であるのを、ハードコート層16の凹凸による光散乱効果によって外光の反射光が軽減し、表示の視認性がさらに向上する。
液晶表示装置101の場合には、偏光素子12と保護フィルム13、14からなる積層体に屈折率を1.46〜1.80の範囲で調節した中屈折率層18と屈折率を1.65以上に調節した高屈折率層19を形成し、さらに本発明に使用する低屈折率組成物を塗布して低屈折率層20を設けることができる。そして、反射防止膜17を含む偏光フィルム10を接着剤層15を介して鑑賞側のガラス基板1上に貼着することができる。
これに対し、CRTの表示面には配向板を貼着しないので、反射防止積層体を直接設ける必要がある。しかしながら、CRTの表示面に本発明のコーティング組成物を塗布するのは煩雑な作業である。このような場合には、本発明の反射防止積層体を含んでいる反射防止フィルムを作製し、それを表示面に貼着すれば反射防止膜が形成されるので、表示面に本発明に使用する低屈折率組成物を塗布しなくて済む。
以下に本発明の実施例および比較例を示すが、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。
低屈折率層用コーティング組成物の調製
下記組成の成分を配合して低屈折率層用コーティング組成物を調製した。
フッ素原子含有バインダー樹脂(オプスターJM5010:商品名、ジェイエスアール(株)製、屈折率1.41、固形分10重量%、メチルエチルケトン溶液) 14. 3質量部
光重合開始剤(イルガキュア907:商品名、チバスペシャリティーケミカルズ製) 0. 1質量部
多孔質シリカ微粒子(Nipsil SS50F:商品名、日本シリカ工業(株)製、一次粒子径20nm、屈折率1.38、比表面積82m2 /g) 1.43質量部
F3035(商品名、日本油脂(株)製) 0.4質量部
ハードコート層の形成
下記成分を混合してハードコート層形成用コーティング組成物を調製し、得られたハードコート層形成用コーティング組成物を透明基材上にバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量108mJ/cm2 で紫外線照射を行い、ハードコート層を硬化させて、膜厚2〜5μmの基材/ハードコートフィルムを得た。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 5質量部
光重合開始剤(イルガキュア184:商品名、チバスペシャリティーケミカルズ製) 0.25質量部
メチルイソブチルケトン 94.75質量部
低屈折率層の形成
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に,上記組成のハードコート層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後,紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株),光源Hパルプ)を用いて、照射線量100mJ/cm2 で紫外線照射を行い,ハードコート層を硬化させて、膜厚約5μmのハードコート層を有する、基材/ハードコート層フィルムを得た。
得られた基材/ハードコート層フィルム上に,上記の低屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることより溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて,照射線量200mJ/cm2 で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、基材/ハードコート層/低屈折率層の積層体を得た。
低屈折率層用コーティング組成物の調製
2−1 凝集粒子の微粒化処理
下記組成の成分を混合して三本ロールで凝集シリカ粒子を平均粒子径100nmになるまで粉砕した。粉砕後の凝集シリカ粒子の屈折率は1.36であった。 ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 0.72質量部
凝集シリカ微粒子(Nipsil E220A:商品名、日本シリカ工業(株)製、一次粒子径20nm、粒子径1.5μm、比表面積150m2/ g) 1.43質量部
2−2 低屈折率層用コーティング組成物の調製
上記工程で得られた凝集シリカを分散したモノマー溶液に対し、以下の成分を混合して低屈折率層用コーティング組成物を調製した。
フッ素原子含有バインダー樹脂(オプスターJM5010:商品名、ジェイエスアール(株)製、屈折率1.41、固形分10%、メチルエチルケトン溶液) 7.2質量部
光重合開始剤(イルガキュア907:商品名、チバスペシャリティーケミカルズ製) 0.1質量部
F3035(商品名、日本油脂(株)製) 0.4質量部
ハードコート層の形成
前記実施例1と同様にして透明基材上にハードコート層を形成した。
低屈折率層の形成
前記工程で得られた透明基材/ハードコートフィルム上に、前記で調製した低屈折率層用コーティング組成物を塗布し、前記実施例1と同様にして基材/ハードコート層/低屈折率層フィルムを得た。
実施例1において低屈折率層形成用組成物を、下記のように変更した以外は実施例1と同様にして、ハードコート層および低屈折率層を形成して、実施例3の積層体を得た。
フッ素原子含有バインダー樹脂(オプスターJM5010:商品名、ジェイエスアール(株)製、屈折率1.41、固形分10重量%、メチルエチルケトン溶液) 14.3質量部
光重合開始剤(イルガキュア907:商品名、チバスペシャリティーケミカルズ製) 0.1質量部
多孔質シリカ微粒子(Nipsil SS50F:商品名、日本シリカ工業(株)製、一次粒子径20nm、屈折率1.38、比表面積82m2 /g) 1.43質量部
F3035(商品名、日本油脂(株)製)0.4質量部
TSF4460(商品名、GE東芝シリコーン(株)製) 0.12質量部
帯電防止層形成用組成物の調製
下記組成の成分を混合して帯電防止層形成用組成物を調製した。
アンチモンドープ酸化スズ分散液
(固形分45%、ペルトロンC−4456S−7:商品名、日本ペルノックス製)
25質量部
HDDA(KS−HDDA:商品名、日本化薬製) 10.5質量部
イルガキュア184(商品名、チバスペシャルティケミカルズ製) 0.84質量部
酢酸ブチル 76.5質量部
シクロヘキサノン 32.8質量部
積層体(基材/帯電防止層/ハードコート層/低屈折率層)の作製
上記組成の帯電防止層形成用組成物をTACフィルム上にバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置を用いて照射線量約20mJ/cm2 で紫外線照射を行い,帯電防止層を硬化させて、膜厚約1μmの帯電防止層を作成した。
次に、得られた基材/帯電防止層フィルム上に、実施例1と同様にして、ハードコート層、および低屈折率層を形成し、実施例4の積層体を得た。
帯電防止性能の評価
(1)埃拭き取り試験
得られた積層体5の上に、ティッシュペーパーの埃をふりかけベンコットで表面を軽く拭いたところ、埃は容易に拭き取れた。
(2)帯電減衰測定
上記で得られた積層体5、および帯電防止層を設けない基材/ハードコート層フィルムの帯電減衰を、オネストメーター(シンド静電気(株)製)を用いて測定した。測定条件を以
下に示す。
印加電圧 :+10kV
プローブ位置 :20cm
測定時間 :5分間
結果を以下に示す。帯電防止層の効果が確認された。
Figure 2004272198
防眩層形成用組成物の調製
下記組成の成分を混合して防眩層形成用組成物を調製した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 25質量部
スチレンビーズ( 粒径3.5μm) 6質量部
トルエン 50質量部
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
積層体(基材/防眩層/低屈折率層)の作製
上記組成の防眩層形成用組成物をTACフィルム上にバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後,紫外線照射装置を用いて、照射線量100mJ/cm2 で紫外線照射を行い防眩層を硬化させて、膜厚約4μmの防眩層を有する基材/防眩層フィルムを得た。
次に、得られた基材/防眩層フィルム上に、実施例1と同様にして低屈折率層を形成し、実施例5の積層体を得た。
中屈折率ハードコート層形成用組成物の調製
下記組成の成分を混合して屈折率1.63の中屈折率ハードコート層形成用組成物を調製した。
KZ7973(商品名、JSR社製) 47質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 5質量部
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 1質量部
シクロヘキサノン 12質量部
積層体(基材/中屈折率ハードコート層/低屈折率層)の作製
上記組成の中屈折率ハードコート層形成用組成物をTACフィルム上にバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置を用いて、照射線量100mJ/cm2 で塗膜を硬化させて、膜厚約5μmの中屈折率ハードコート層を有する基材/中屈折率ハードコート層フィルムを得た。
次に、得られた基材/中屈折率ハードコート層フィルム上に、実施例2と同様にして低屈折率層を形成し、実施例6の積層体を得た。
防汚層形成用組成物の調製
下記組成の成分を混合して防汚層形成用組成物を調製した。
KP−801M(商品名、信越化学工業(株)製) 6.7質量部
FC−40(商品名、住友3M(株)製) 93.3質量部
積層体(基材/ハードコート層/低屈折率層/防汚層)の作製
実施例1と同様にして、基材上にハードコート層、低屈折率層を形成した。
その後、上記組成の防汚層形成用組成物をバーコーティングし、70℃で4分間熱硬化させることにより、実施例7の積層体を得た。
高屈折率層形成用組成物の調製
下記の成分を混合して屈折率1.90の高屈折率層形成用組成物を調製した。
ルチル型酸化チタン(商品名:MT−500HDM、テイカ社製) 10質量部
Disperbyk163 (商品名、ビックケミー・ジャパン製) 2質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 4質量部
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.2質量部
メチルイソブチルケトン 37.3質量部
中屈折率層形成用組成物の調製
上記屈折率1.90のチタニア分散液10質量部に対して、ジペンタエリスリトールペンタアクリルペースト(SR399E:商品名、日本化薬社製) を2.5質量部加え、屈折率1.76の中屈折率層形成用組成物を調製した。
積層体(基材/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層)の作製
実施例1と同様にして作製した基材/ハードコート層フィルム上に、上記組成の中屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置を用いて照射線量100mJ/cm2 で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて膜厚約80nmの中屈折率層を得た。
さらに、上記組成の高屈折率層形成用組成物を同条件にて塗工し、膜厚約60nmの高屈折率層を得た。
得られた積層体(基材/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層)上に、実施例1と同様にして低屈折率層を形成し、実施例8の積層体を得た。
高屈折率層形成用組成物の調製
下記の成分を混合して屈折率1.70の高屈折率層形成用組成物を調製した。
ルチル型酸化チタン(商品名:MT−500HDM、テイカ社製) 10質量部
Disperbyk163 (商品名、ビックケミー・ジャパン製) 2質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 7.5質量部
イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製 0.2質量部
メチルイソブチルケトン 37.3質量部
積層体(基材/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層)の作製
実施例1と同様にして作製した基材/ハードコート層フィルム上に、上記組成の高屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置を用いて照射線量100mJ/cm2 で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて膜厚約80nmの高屈折率層を得た。
得られた積層体(基材/ハードコート層/高屈折率層)上に、実施例1と同様にして低屈折率層を形成し、実施例9の積層体を得た。
比較例1
低屈折率層用コーティング組成物の調製
下記組成の成分を混合して低屈折率層用コーティング組成物を調製した。
フッ素原子含有バインダー樹脂(オプスターJM5010:商品名、ジェイエスアール(株)製、屈折率1.41、固形分10重量%、メチルエチルケトン溶液) 14.3質量部
光重合開始剤(イルガキュア907:商品名、チバスペシャリティーケミカルズ製) 0. 1質量部
ハードコート層の形成
下記成分を混合してハードコート層形成用コーティング組成物を調製し、得られたハードコート層形成用コーティング組成物を透明基材上にバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量108mJ/cm2 で紫外線照射を行い、ハードコート層を硬化させて、膜厚2〜5μmの基材/ハードコートフィルムを得た。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 5質量部
光重合開始剤(イルガキュア184:商品名、チバスペシャリティーケミカルズ製) 0.25質量部
メチルイソブチルケトン 94.75質量部
低屈折率層の形成
上記の基材/ハードコートフィルム上に、前記の低屈折率層用コーティング組成物を塗布し、基材/ハードコート層/低屈折率層フィルムを得た。
比較例2
実施例1において、シリカ微粒子として多孔質シリカ粒子の代わりに粒子径30nmのコロイダルシリカ(MEK−ST:商品名、日産化学工業(株)製、屈折率1.45、固形分30%メチルエチルケトン溶液)を2.34質量部加えた以外は全て実施例1と同様の手法で低屈折率層を形成することにより、基材/ハードコート層/低屈折率層フィルムを得た。
このようにして得られた各積層体について、反射率、耐擦過性、および防汚性の試験評価を行った。
反射率測定
島津製作所(株)製分光光度計(UV−3100PC)を用いて絶対反射率を測定した。なお、低屈折率層の膜厚は、反射率の極小値が波長550nm付近になるように設定した。用いた基材であるTACフィルム自体の反射率は4%程度であり、実施例の反射率は、すべて1%程度以下であり、反射防止膜として使用できる程度の低屈折率を有するものであった。
耐擦過性の評価
爪スクラッチ試験
耐爪スクラッチ性の評価は、得られた試料の表面を爪で擦り、シリカ薄膜が基材(ハードコート層)から剥離するかを目視により確認した。剥離したものを×、表面に傷が付いたが剥離しなかったものを△、傷が全く付かなかったものを○とした。
スチールウール試験
♯0000のスチールウールを用い、荷重200gで10往復と20往復したときの傷の有無を目視により確認した。剥離したものを×、表面に傷が付いたが剥離しなかったものを△、傷が全く付かなかったものを○とした。
これらの評価結果を以下の表2に示す。
Figure 2004272198
以上の評価結果から、本発明のナノポーラス構造を有する低屈折率組成物がコーティングされてなる低屈折率層が形成された反射防止積層体は、従来のフッ素樹脂組成物のみのものと比較して、最低反射率がより低く光学性能に優れ、かつ最表面でも使用可能な程度の耐擦過性を有するものであった。
本発明の反射防止積層体は、液晶ディスプレイ(LCD)や陰極環表示装置(CRT)等の画像表示装置に適用可能な、屈折率が低く且つ高度が高い含フッ素低屈折率組成物をコーティングしてなる低屈折率層を形成した反射防止フィルム等の反射防止積層体として有用である。
本発明の塗膜を光透過層として含んだ多層型反射防止膜により表示面を被覆した液晶表示装置の一例の断面を模式的に示した図である。 表示面側のガラス基板の外面に貼り付けた本発明の偏光フィルムの断面を模式的に示した図である。 本発明の塗膜を含んだ反射防止フィルムの一例の断面を模式的に示した図である。
符号の説明
1,6 ガラス基板
2 画素部
3 ブラックマトリックス層
4 カラーフィルター
5,7 透明電極層
8 シール材
9 配向膜
10 偏光フィルム
11 バックライトユニット
12 偏光素子
13,14 保護フィルム
15 接着剤層
16 ハードコート層
17 多層型反射防止膜
18 中屈折率層
19 高屈折率層
20 低屈折率層
21 基材フィルム
22 高屈折率層
23 低屈折率層
101 液晶表示装置
102 反射防止フィルム

Claims (24)

  1. 光透過性を有する基材の少なくとも一面側に直接、或いは他の層を介して内部、及び/又は表面にナノポーラス構造を有する低屈折率組成物をコーティングしてなる低屈折率層が形成された反射防止積層体であって、
    前記ナノポーラス構造を有する低屈折率組成物が、少なくとも、
    (A)分子中にフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物と、
    (B)塗工液に調製するための液状媒体中に分散させることが可能で且つ平均粒子径5nm〜300nmの微粒子と
    からなることを特徴とする反射防止積層体。
  2. 前記ナノポーラス構造が、平均粒子径5nm〜300nmの微粒子が集合体を形成した結果生じる、平均孔径が0.01nm〜100nmの空気を含有する独立した、及び/又は連続した孔であることを特徴とする請求項1の反射防止積層体。
  3. 前記ナノポーラス構造が、平均粒子径5nm〜300nmの微粒子自身の平均孔径0.01nm〜100nmの空気を含有する孔を有することにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の反射防止積層体。
  4. 前記平均孔径0.01nm〜100nmの空気を含有する孔を有する微粒子の屈折率が1.20〜1.45である請求項3に記載の反射防止積層体。
  5. 前記フッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物が、フッ素原子を含み、且つ数平均分子量が2万以上の電離放射線で硬化するポリマーと、1分子中に3個以上の電離放射線で硬化する官能基を有するフッ素含有及び/又は非含有のモノマーからなることを特徴とする請求項1に記載の反射防止積層体。
  6. 前記分子中にフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物は熱で硬化可能である請求項1又は4に記載の反射防止積層体。
  7. 前記平均粒子径5nm〜300nmの微粒子の添加量が前記フッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物100重量部に対し、1〜400重量部の範囲であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の反射防止積層体。
  8. 前記熱で硬化可能であるフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物に含まれる官能基の少なくとも一部が水酸基であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の反射防止積層体。
  9. 前記低屈折率層が、前記分子中にフッ素原子を含む電離放射線硬化型組成物および前記微粒子の何れに対しても相溶性を有するフッ素系および/またはケイ素系化合物を含んでなる、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の反射防止積層体。
  10. 前記フッ素系および/またはケイ素系化合物の少なくとも一部が、前記分子中にフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物と、化学反応により共有結合を形成してなる、請求項9に記載の反射防止積層体。
  11. 前記フッ素系化合物が、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロアルキルエーテル基、およびパーフルオロアルケニル基の少なくとも1つを有する化合物、ならびにそれらの化合物の混合物からなる群から選択されるものである、請求項9または10に記載の反射防止積層体。
  12. 前記フッ素系および/またはケイ素系化合物が、下記一般式、
    Figure 2004272198
    (式中、Raは炭素数1〜20のアルキル基を示し、Rbは非置換、もしくはアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロアルキルエーテル基、または( メタ) アクリロイル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、またはポリエーテル変性基を示し、各Ra、Rbは互いに同一でも異なっていても良い。また、mは0〜200、nは0〜200の整数である。)
    で表される化合物からなる、請求項9または10に記載の反射防止積層体。
  13. 前記フッ素系および/またはケイ素系化合物が、下記一般式、
    Rcn SiX4-n
    (ここで、Rcは、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロアルキルエーテル基を含む炭素数3〜1000の炭化水素基を示し、Xは炭素数1〜3のアルコキシ基、オキシアルコキシ基、ハロゲン基を示し、nは1〜3の整数を示す)
    で表される化合物からなる、請求項9または10に記載の反射防止積層体。
  14. 前記フッ素系および/またはケイ素系化合物が、前記分子中にフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物と前記シリカ微粒子との総重量に対して、0.01〜10重量%含まれてなる、請求項9乃至13のいずれか1項に記載の反射防止積層体。
  15. 前記低屈折率層の屈折率が1.45以下である、請求項1に記載の反射防止積層体。
  16. 前記他の層がハードコート層であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止積層体。
  17. 前記ハードコート層の屈折率が1.57〜1.70の範囲である、請求項16に記載の反射防止積層体。
  18. 前記ハードコート層が、防眩性能を有してなる、請求項15又は16に記載の反射防止積層体。
  19. 前記低屈折率層の基材側と反対の側の面に、防汚層が設けられてなる、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の反射防止積層体。
  20. 前記ハードコート層と前記低屈折率層との間に、屈折率が1.46〜2.00の範囲で、かつ膜厚が0.05〜0.15μmの範囲である中乃至高屈折率層が、少なくとも一層以上設けられてなる、請求項15乃至19のいずれか1 項に記載の反射防止積層体。
  21. 前記ハードコート層、前記中乃至高屈折率層、及び前記低屈折率層からなる群から選択される少なくとも一層が、帯電防止性能を有する、請求項15乃至20のいずれか1項に記載の反射防止積層体。
  22. 前記基材と前記ハードコート層との間に、帯電防止層が設けられてなる、請求項15乃至21のいずれか1項に記載の反射防止積層体。
  23. 前記低屈折率層の膜厚が、0.05〜0.15μmの範囲である、請求項1乃至22に記載の反射防止積層体。
  24. 前記低屈折率層の表面を、#0000番のスチールウールを用いて10回擦ったときの、該低屈折率層のヘイズ値の変化が認められる最低荷重量が、200g以上である、請求項1乃至23のいずれか1項に記載の反射防止積層体。
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