JP2002028701A - フランジを有する形鋼の圧延方法および圧延装置列 - Google Patents

フランジを有する形鋼の圧延方法および圧延装置列

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JP2002028701A
JP2002028701A JP2001137643A JP2001137643A JP2002028701A JP 2002028701 A JP2002028701 A JP 2002028701A JP 2001137643 A JP2001137643 A JP 2001137643A JP 2001137643 A JP2001137643 A JP 2001137643A JP 2002028701 A JP2002028701 A JP 2002028701A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法精度や表面性状の良好な複数の製品シリ
ーズのフランジを有する形鋼をロールの組み替えを行う
ことなく製造する。 【解決手段】 被圧延材のウェブ厚みに対するフランジ
厚みの比が製品のそれよりも小さい断面で粗圧延を終了
し、粗ユニバーサル圧延機でウェブ厚みとフランジ厚み
を圧下し、少なくとも粗圧延機に続く該粗ユニバーサル
圧延機に近接して、孔型深さを自在に調整できるエッジ
ャー圧延機により被圧延材のフランジ脚長の変化に応じ
てパスごとに孔型深さを調整してフランジ幅を圧下す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、H形鋼、I形鋼、
溝形鋼等のフランジを有する形鋼の圧延において、寸法
精度と表面性状の良好なフランジ幅の異なる製品を自在
に製造する圧延方法および圧延装置列に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】H形鋼を熱間圧延により製造する場合に
おいて、H形鋼の製造工程は、例えば、図7に示すよう
に、圧延素材を粗圧延する二重式粗圧延機1(以下、
「粗圧延機」と称する)、一対の上下水平ロール2aと
一対の左右竪ロール2bとで構成された粗ユニバーサル
圧延機2と、この粗ユニバーサル圧延機2に近接して配
設されたエッジャー圧延機33および仕上げユニバーサ
ル圧延機4からなる圧延装置列により圧延成形されるの
が一般的である。
【0003】H形鋼の素材としては、一般に連続鋳造で
製造されるスラブやブルーム、ビームブランクなどが用
いられる。スラブを素材とした場合、粗圧延機1におい
て、図8のようにロールに複数配置された孔型のうち、
まず孔型の中央部に突起を有する孔型11〜13により
順次、スラブの短辺部を上下から複数パスで圧下してフ
ランジ幅を生成させてドッグボーン状の中間鋼片51を
成形する。次に、この中間鋼片51を90°ないしは2
70°転回し、成型孔型15により複数パスでウェブ厚
みを圧下するとともにフランジを整形し、ウェブ厚みt
w 'に対するフランジ厚みtf 'の比tf '/tw 'および
ウェブ面からフランジ先端までの長さ(以下、「フラン
ジ脚長」と称する)L'が製品の厚み比tf /tw およ
びフランジ脚長Lとほぼ同等か近い粗形鋼片53にまで
圧延を行う。こうして得られた粗形鋼片53を粗ユニバ
ーサル圧延機2でウェブとフランジの圧下率をほぼバラ
ンスさせた状態で製品の厚みにほぼ等しくなるまで圧下
するとともに厚みを均一化する。その際、粗ユニバーサ
ル圧延機2に近接して配置したエッジャー圧延機33に
は製品のフランジ脚長Lよりもわずかに孔型深さDの小
さい孔型ロール3cを使用し、これによりフランジ幅を
圧下することで図9に示すようなフランジ62の幅中心
dからのウェブ61の中心cのずれ(以下、「ウェブ中
心偏り」と称する)が一定量以上に大きくならないよう
にしている。ここで、ウェブ中心偏り量eは上下のフラ
ンジ脚長a,bの関係からe=(a−b)/2と表され
る。こうしてほぼ製品寸法にまで整形された被圧延材に
対し、仕上げユニバーサル圧延機4でフランジをウェブ
に対して直角にし、厚みを最終寸法に仕上げる。
【0004】ところで、粗圧延機1において成形孔型1
5でウェブ厚みを圧下した際、ウェブからフランジへの
メタルフローが生じ、リバース圧延でこれが大きくなり
フランジ外面のメタルが孔型から噛み出すと、孔型側面
による圧下方向とロール周速方向が大きく異なるために
孔型で噛み出しをスリ下げてしまい、粗ユニバーサル圧
延時に竪ロールでこれを圧着させて図10(a)に示す
ような折れ込み疵7が製品に発生する。特に、長さ方向
の両端部の領域ではウェブ高さ方向へのメタルフローが
大きいために、孔型からの噛み出しが生じて疵が発生し
やすい。折れ込み疵が発生すると切り捨て量を長くした
り手入れをしなければならず、歩留や作業性が低下す
る。そこで、粗圧延機の成形孔型圧延の途中パスで噛み
出しが大きくなるまでに被圧延材を転回し、再び孔型1
3によりウェブ高さ方向に圧下することを複数回行い疵
発生を抑制している。しかし、これを頻繁に行うと圧延
時間が長くなり生産性を低下させるとともに、温度低下
が大きくなり以降の圧延負荷制約を回避したり、必要仕
上がり温度を確保するために加熱炉の抽出温度を高くす
る必要が生じる。また、従来法の成型孔型では総じてウ
ェブ厚のみの圧下が大きいため、長さ方向の両端部では
ウェブがフランジよりも先行したクロップが大きく生成
するので、粗ユニバーサル圧延の過程でクロップを切断
した際に歩留が大きく低下する。
【0005】また、近年、同一ウェブ高さを有する製品
シリーズにおいても、フランジ幅の異なる製品シリーズ
や図11のようにウェブ厚みによらずフランジ幅Bが一
定、すなわちフランジ脚長Lがウェブ厚みによって異な
る製品などが増え、少量多シリーズ・多サイズの生産と
なる傾向にある。これに対応するため、一般に製品フラ
ンジ幅シリーズごとに粗圧延機1およびエッジャー圧延
機33のロールを保有し、ロール交換を行って製造して
いる。そのために、ロールの保有数が増えるとともに、
ロール組み替え回数が増加し生産性の低下を招くという
問題がある。
【0006】粗圧延機のロール共用化を図る方法として
は、特開昭55−48403号公報、特開平7−885
01号公報に、粗圧延機で矩形鋼片を幅方向に圧下して
ドッグボーン状の粗形鋼片を成形した後、粗ユニバーサ
ル圧延機で圧延する方法が開示されている。粗圧延機の
成形孔型でのウェブ圧下を省略した場合には、粗圧延後
の粗形鋼片のウェブ厚みに対するフランジ厚みの比が製
品のそれに比べて非常に小さいために、粗ユニバーサル
圧延機でウェブ圧下率をフランジ圧下率に比べ非常に大
きく設定して圧延する必要がある。またこの場合、粗圧
延終了時のフランジ脚長は製品のフランジ脚長より通常
小さいために、粗ユニバーサル圧延でフランジ脚長を増
加させる必要が生じる。粗ユニバーサル圧延機2でウェ
ブ圧下率をフランジ圧下率に比べ非常に大きく設定して
圧延した場合、被圧延材形状あるいは圧延条件の若干の
非対称性に起因し、フランジ幅拡がりに非対称性が生じ
てウェブ中心偏りが発生することに加え、図12のよう
に蹴出し端63が粗ユニバーサル圧延機に噛み込む直前
にその入側断面における長手方向の応力分布により上下
反りが発生し、その状態で圧延機に噛み込むと、竪ロー
ル2bにフランジ62が拘束された状態で水平ロール2
aでウェブ61の位置がフランジ幅中心位置に対して上
下に付け替えられ、ウェブ中心偏りが発生することが明
らかとなった。このウェブ中心偏りを修正せずにリバー
ス圧延で粗ユニバーサル圧延を継続すると長さ方向両端
部のウェブ中心偏り量はますます増加し、噛み込み端が
圧延機から出た際にも反りが発生し、徐々に全長でウェ
ブ中心偏りが悪化して製品のウェブ中心偏りをJIS公
差内に収めることができなくなる。
【0007】前記特開昭55−48403号公報では、
エッジャー圧延機に孔型深さの異なる孔型をロール胴長
内に複数配置して、粗ユニバーサル圧延パスの段階に応
じてロールをシフトして孔型を使い分け、ウェブ中心偏
りが大きくならないようにしている。しかし、ロールに
配置できる孔型数に限界があるために、多くのパスでは
コーナーR部からウェブ面にかけてロール面との間に隙
間が生じ、ウェブ中心偏りは修正されない。加えて、フ
ランジ厚みに対するフランジ幅の比が小さいエッジャー
圧延の前半パスでは、フランジを圧下した際にフランジ
厚みがフランジ幅の中心近くまで増加するため、フラン
ジ下方部からコーナーR部付近に隙があるとフランジ内
側にも膨らみが生じ、次パスのユニバーサル圧延でこの
膨らみをスリ下げてしまい図10(b)のようにコーナ
ーR部に折れ込み疵8を発生させる。エッジャー圧延機
の孔型替えをパス間で行えば生産性を大きく低下してし
まうという問題点もある。
【0008】また、特開平7−88501号公報では竪
ロールでフランジ外側面を拘束し、水平ロールによりウ
ェブ圧下を行うことによりウェブ付け替えを抑制するこ
とにしているが、ウェブ厚みの総圧下量が大きいとウェ
ブ中心偏りの抑制に限界がある。また、ウェブ外法一定
のH形鋼ではウェブ厚みとフランジ厚みの比tf /tw
が1.3〜2.5程度と広範囲なサイズがあるが、粗ユ
ニバーサル圧延での総ウェブ圧下率が総フランジ圧下率
に比べ大きいために、竪ロールによるフランジ圧下量を
サイズに応じて調整しても、ウェブの延伸によりフラン
ジに対して圧延方向に引っ張り応力が作用してフランジ
が延ばされ、フランジ厚みがロール隙以上に小さくなる
結果、実質的に同一断面から制御できる厚み比tf /t
w に制約があり、特に厚み比の大きいサイズのフランジ
肉量確保が困難となって同一ロールから製造できるサイ
ズ範囲が限定されやすい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、フラン
ジ外側面における疵防止と複数シリーズにわたるロール
共用化を図るための圧延方法を実験により検討した結
果、粗圧延機の成形孔型におけるウェブ圧下量を小さく
すること、最も好ましくは、成形孔型でのウェブ圧下を
省略して粗ユニバーサル圧延機でウェブ厚を圧下するこ
とが効果的であることがわかった。また、粗ユニバーサ
ル圧延機の入側での上下反りを抑制するためには、圧延
機の前後に設置するガイドと鋼材との隙間を限りなく小
さく設定する方法が考えられるが、圧延前の被圧延材が
長さ方向に変化するウェブ中心偏りを有することや、反
りが発生した場合にガイドとの接触疵が発生することを
考えると、ガイドと被圧延材との隙間はそれほど小さく
できず、ウェブ中心偏りの悪化は十分に抑制できない。
したがって、各パスごとにウェブ中心偏りを修正し、常
に所定量以下にすることが重要であるという判断に至っ
た。
【0010】本発明は、上記知見を基にH形鋼およびこ
れに類似したフランジを有する形鋼の造形圧延におい
て、フランジ幅およびサイズの異なる複数の製品シリー
ズを、ロール組み替えを行わず同一ロールにより、ウェ
ブ中心偏りなどの寸法精度が良好で、フランジ内外面に
おけるスリ下げ疵を発生させることなく、効率的に製造
するための圧延方法および圧延装置列を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、スラブ、ブルームあるいはビームブラン
クを素材とし、粗圧延機と、粗ユニバーサル圧延機およ
びエッジャー圧延機からなる1組あるいは複数組の中間
圧延機群を用いてフランジを有する形鋼を圧延する方法
において、被圧延材のウェブ厚みに対するフランジ厚み
の比が製品のそれよりも小さい断面で粗圧延を終了し、
粗ユニバーサル圧延機でウェブ厚みとフランジ厚みを圧
下し、少なくとも粗圧延機に続く該粗ユニバーサル圧延
機に近接して配置した孔型深さを自在に調整できるエッ
ジャー圧延機により、被圧延材のフランジ脚長の変化に
応じてパスごとに孔型深さを調整してフランジ幅を圧下
するものである。
【0012】この際の粗圧延方法としては、複数の孔型
により順次そのウェブ高さ方向にのみ圧下を行うもの、
あるいは複数の孔型により順次そのウェブ高さ方向に圧
下を行いフランジを生成した後、長さ方向両端部のウェ
ブ厚みの膨らみを圧下するもの、あるいは複数の孔型に
より順次そのウェブ高さ方向に圧下を行いフランジを生
成した後、成形孔型によりウェブ厚みの圧下を行い、被
圧延材のウェブ厚みに対するフランジ厚みの比が製品の
それよりも小さい断面で粗圧延を終了するものである。
また、サイズの造り分けをより容易にし、広範囲でのロ
ール共用化を達成する場合には、粗圧延機で複数の孔型
により順次そのウェブ高さ方向に圧下を行い粗圧延終了
のウェブ高さを要求される製品サイズに応じて調整し、
それに合わせて粗ユニバーサル圧延機の竪ロール開度を
調整するものである。
【0013】さらには、エッジャー圧延機でのフランジ
幅の圧下量を増加させた場合でも、フランジ内側のスリ
下げを防止しつつウェブ中心偏りを抑制するために、前
記孔型深さを自在に調整できるエッジャー圧延機におい
て、少なくとも被圧延材のウェブ端部からコーナーR
部、フランジ内面の下方部にウェブ拘束ロールを接近さ
せつつフランジ幅を圧下するものである。また、粗圧延
機に続く前記粗ユニバーサル圧延機において、水平ロー
ル側面部のコーナーR寄りの領域をロール軸寄りの領域
よりも鉛直線に対する勾配が大きくなるように単数また
は複数の円弧あるいは直線で構成される形状とするか、
または水平ロール円周部のロール軸方向の中央付近から
コーナーRにかけての領域をコーナーRに近いほどロー
ル径が減少するような単数または複数の円弧あるいは直
線で構成される形状とするか、または前者と後者の両方
で構成される形状とするものである。
【0014】また、本発明は、粗圧延機と、粗ユニバー
サル圧延機およびエッジャー圧延機からなる1組あるい
は複数組の中間圧延機群により構成されるフランジを有
する形鋼の圧延装置列において、少なくとも粗圧延機に
続く粗ユニバーサル圧延機に近接して、フランジ脚長の
変化に応じて孔型深さを自在に調整できるエッジャー圧
延機を配置したことを特徴とする。加えて、前記粗圧延
機においてウェブ高さ方向に圧下を行う複数の孔型のみ
を配置したことを特徴する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明についてスラブを素材とし
たH形鋼の製造を例にして図1および図3(a)により
説明する。まず、二重式の粗圧延機1の第1孔型11で
スラブの短辺を上下からウェブ高さ方向に圧下し誘導用
の溝を付与する。次に第2孔型12で第1孔型で付けた
溝を案内にしつつ複数パスでウェブ高さ方向にスラブ幅
を圧下してフランジを生成する。次に第3孔型13で溝
をなだらかしてドッグボーン状の中間鋼片51を生成す
る。この中間鋼片51ではフランジ厚よりもウェブ厚の
方が通常大きい。粗圧延機1ではウェブ厚を圧下するこ
となく、粗圧延終了後の粗形鋼片5を次に粗ユニバーサ
ル圧延機2とエッジャー圧延機3からなる中間圧延機群
において、粗ユニバーサル圧延機2でウェブ厚みとフラ
ンジ厚みを圧下し、エッジャー圧延機3でフランジ幅を
圧下する。粗ユニバーサル圧延でのフランジ厚みの圧下
量は製品サイズにより異なるものの、粗形鋼片5ではウ
ェブ厚に対するフランジ厚みの比tf '/tw 'が製品の
それに比べかなり小さいため、いずれの場合もウェブ圧
下率がフランジ圧下率に対して非常に大きくなり、前述
のように圧延状態の若干の非対称性によっても上下反り
が発生しウェブ中心偏りが発生しやすい。そこで、エッ
ジャー圧延機3には、フランジ圧下ロール3aとウェブ
拘束ロール3bを備え、孔型深さ(フランジ圧下ロール
3aとウェブ拘束ロール3bの外周面の相対距離)を自
在に変更できる機構を有するもの(以下、「孔型深さ可
変式エッジャー圧延機」と称する)を適用し、例えば、
図1でD1、D2のように各パスごとに被圧延材フラン
ジ脚長に応じて孔型深さを調整してウェブ中心偏りを常
に一定量以下に抑制するように圧延する。説明ではロー
ル3bはウェブ拘束ロールとしたが、ウェブ中心偏りが
大きい場合にはウェブ拘束ロールによりウェブ厚みを圧
下することになる。
【0016】これにより、粗ユニバーサル圧延機でウェ
ブ圧下率をフランジ圧下率に対して大きくして圧下する
際に、蹴出し端が噛み込む直前に上下反りが発生しウェ
ブ付け替えによるウェブ中心偏りが発生したり、フラン
ジ幅拡がり量の非対称性によるウェブ中心偏りが発生し
ても、次のエッジャー圧延でウェブ中心偏りが修正され
るため、ウェブ中心偏りが大きく悪化することはない。
このエッジャー圧延機3としては、例えば特18287
92号公報に開示されているような、左右2分割式のフ
ランジ幅圧下ロールと、フランジ幅圧下ロールとは回転
自在に勘合した偏心リングの外周面に回転自在に装着さ
れたウェブ拘束リングロールからなるエッジャー圧延機
などを採用すればよい。
【0017】孔型深さ可変式エッジャー圧延機を使用す
れば、フランジ幅の異なる製品やフランジ幅が一定でウ
ェブ厚みに応じてフランジ脚長が異なる製品をロールの
組み替えを行うことなく製造できるので、生産性が高ま
り、ロール費用も削減できる。また、粗圧延機の成型孔
型を省略することにより、例えば図3(b)のようにロ
ール胴長内にウェブ高さ方向に圧下する孔底幅の異なる
孔型12aと12b、13aと13bを多数配置できる
ので、製品のフランジ幅や、ウェブ高さ、厚みに依存す
る粗ユニバーサル圧延以降でのフランジ成形特性に応じ
て使用する粗圧延機の孔型を選択することにより、ウェ
ブ高さの異なるシリーズにわたって粗圧延機のロールを
共用することも可能となる。粗圧延機に成形孔型を配置
した従来の粗圧延方法では、ウェブ高さとフランジ幅が
大きいH形鋼を製造する場合には、粗圧延機のロール胴
長の制約により必要な孔型数を配置できず、途中段階ま
で粗圧延を行い、粗圧延機のロールを交換した後再加熱
して製品まで圧延する2ヒート圧延を行わざるを得なか
った。しかし、本発明の圧延方法のように、粗圧延機に
ウェブ高さ方向の圧下を行う孔型のみを配置して粗圧延
を行い、粗ユニバーサル圧延と孔型深さ可変式エッジャ
ー圧延によりウェブ厚みとフランジ厚み、フランジ幅の
整形圧延を行えば、ウェブ高さには依存せず1ヒートで
の製造が可能となり、燃料原単位や生産性が大きく向上
する。
【0018】さらに、本発明の圧延方法では、粗ユニバ
ーサル圧延機2の竪ロール円周面でフランジ外面を厚み
方向に圧下するため、従来の成型孔型でフランジ外面に
発生していたスリ下げ疵を発生させずに良好な表面性状
のH形鋼が製造できる。加えて、孔型深さ可変式エッジ
ャー圧延機3で圧延する際、各パスごとに、ウェブの高
さ方向両端部はもちろんのこと、被圧延材のコーナーR
部からフランジ内面の下方部に該ウェブ拘束ロールを接
近させて圧延することにより、ウェブ中心偏りを効率的
に修正できることに加え、フランジ幅を大圧下した際に
フランジ内側へ大きくバルジングが生じるのを抑え、粗
ユニバーサル圧延でフランジ内面をスリ下げて折れ込み
疵を発生させるのを防止することができる。フランジ内
面のスリ下げ防止には、フランジ内面のできるだけフラ
ンジ先端側までウェブ拘束ロールが接近するようにロー
ル形状を設定することが好ましい。
【0019】しかし、フランジ内面のフランジ先端側ま
でウェブ拘束ロールを接近させることが構造上困難な場
合にフランジ幅を大きく圧下する必要が生じる場合に
は、粗ユニバーサル圧延機2の水平ロール形状を、例え
ば図6(a)に示すようにコーナーRr2とは別に、フ
ランジ内面の下方部に対応する水平ロール側面のコーナ
ーRr2寄りの領域を円弧r1で形成し、この部分の鉛
直線に対する勾配が、フランジ内面のフランジ先端側に
対応するロール軸寄りの領域の勾配に比べ大きくなるよ
うにする。円弧r1の代わりに勾配の大きな直線で構成
してもよい。
【0020】すなわち、フランジ先端付近でフランジ内
側へ大きなバルジングが生じた場合、通常の側面の勾配
が一定の水平ロールでは、フランジ先端側のバルジング
部に水平ロールのコーナーR部が接触し始め、ロールの
回転とともにバルジングをフランジ下方に徐々にスリ下
げていき、ウェブとフランジの境界部付近に折れ込みを
生じさせるが、水平ロール側面のコーナーR寄りの領域
の勾配が大きいとコーナーR部の胴幅が小さくなるため
にバルジング部をスリ下げない。また、粗ユニバーサル
圧延機の水平ロール側面が一定勾配の形状の場合、ウェ
ブ圧下率をフランジ圧下率よりも大きく設定して多パス
圧延を行うとフランジ内面が水平ロール側面から離れ、
圧下が進むにつれてフランジ内側が凹んだ状態になる
が、図6(a)のような形状にすれば凹みの発生を抑制
できフランジ内面の形状をなめらかにできるとともに、
ウェブ圧下に伴うフランジ肉量の減少量を低減させる効
果もある。
【0021】さらには図6(b)のように、特開平7−
284801号公報と同様に、水平ロール円周部のロー
ル軸方向の中央付近からコーナーRにかけての領域に、
コーナーRに近いほどロール径が減少するような単数ま
たは複数の円弧あるいは直線で構成される傾斜部を付与
することにより、粗ユニバーサル圧延でフランジ圧下率
に対してウェブ圧下率を相対的に大きくして圧延した際
に、ウェブからフランジへのメタルフローが増大しフラ
ンジ断面積の減少率が低減する。そのため、フランジ肉
量が確保し易くなるだけでなく、本発明の特徴である被
圧延材のウェブ厚みに対するフランジ厚みの比が製品の
それよりも小さい断面で粗圧延を終了し、粗ユニバーサ
ル圧延の初期パスからフランジ厚みを圧下することによ
り従来の圧延法に比べてウェブクロップの成長が著しく
抑制できるという大きな効果も得られる。この場合、孔
型深さ可変式エッジャーのウェブ拘束ロールの対応する
部位の形状を粗ユニバーサル圧延機の水平ロール形状と
ほぼ合わせることは言うまでもない。もちろん、図6
(c)に示すように水平ロールの円周部のロール軸方向
中央付近からコーナーR、さらには側面部にかけての領
域を複数の円弧または直線で構成することにより、フラ
ンジ先端のパルジングのスリ下げによる折れ込み疵発生
を抑制しつつ、フランジ断面積の十分な確保ができクロ
ップ削減効果も増大する。
【0022】本発明の圧延装置列を図2(a)〜(e)
に示す。いずれも粗圧延機に続く第1粗ユニバーサル圧
延機に近接したエッジャー圧延機を孔型深さ可変式エッ
ジャー圧延機としたことを特徴としている。(a)は二
重式の粗圧延機1、粗ユニバーサル圧延機2とこれに隣
接した孔型深さ可変式エッジャー圧延機3からなる中間
圧延機群、および仕上げユニバーサル圧延機4から構成
される圧延装置列である。(b)は二重式の粗圧延機
1、第1粗ユニバーサル圧延機21とこれに隣接した孔
型深さ可変式エッジャー圧延機31からなる第1中間圧
延機群、第2粗ユニバーサル圧延機22と第2エッジャ
ー圧延機32からなる第2中間圧延機群、および仕上げ
ユニバーサル圧延機4から構成される圧延装置列であ
る。この場合、第2エッジャー圧延機32を従来の一体
ロール式としても、孔型深さ可変式としてもよいが、後
者を採用すればよりウェブ中心偏り精度が向上すること
は言うまでもない。
【0023】(c)は二重式の粗圧延機1、第1粗ユニ
バーサル圧延機21、孔型深さ可変式エッジャー圧延機
3および第2粗ユニバーサル圧延機22をタンデムに配
置した中間圧延機群、および仕上げユニバーサル圧延機
4から構成される圧延装置列である。(d)は二重式の
粗圧延機1、粗ユニバーサル圧延機2、孔型深さ可変式
エッジャー圧延機3および仕上げユニバーサル圧延機4
をタンデムに配置した圧延装置列であり、(b)、
(c)に対してユニバーサル圧延機の数を少なくし、圧
延ラインの長さをコンパクトにできる。(e)は(d)
の二重式の粗圧延機1に代え竪ロール式圧延機9を配置
しており、二重式粗圧延機1でウェブ高さ方向に圧下す
る場合に必要となる鋼材の転回が省略できるようにな
り、設備がさらにシンプルとなる。
【0024】ここでは図示を省略したが、外法−定H形
鋼を製造するために、粗ユニバーサル圧延機と仕上げユ
ニバーサル圧延機の間に、例えば特許第1678507
号公報のようなウェブ内法拡幅圧延機を配置することを
当然排除したわけではない。その他、これら圧延装置列
を組み合わせたパターンなども考えられので、ここに列
挙した圧延装置列に限定されるものではない。また、そ
れぞれのケースで粗圧延機1にウェブ高さ方向に圧下を
行う孔型のみを複数配置した場合がロール共用化が最も
進んだ圧延装置列となる。これらの圧延装置列は要求す
る生産能力、設備コスト、寸法精度などを勘案し最適な
ものを選択することになる。
【0025】ところで、粗圧延機1でウェブ高さ方向に
圧下した場合、圧下量の増加とともに被圧延材の長さ方
向の両端部ではウェブ高さ中央部近傍のウェブ厚みが増
加するため、特に圧延装置列(b)のケースでは、粗圧
延機1においてドッグボーン成形後、長さ方向両端部の
ウェブ厚みの膨らみを従来の成形孔型あるいはこれに類
似の孔型で圧下し、第1中間圧延機群の孔型深さ可変式
エッジャー圧延機31に移送することが通材性の点から
はより好ましい。また、生産能率の点から、粗圧延工
程、中間圧延工程の圧延ピッチをバランスさせるため
に、図4のように粗圧延機1に成形孔型14を配置し、
ウェブ高さ方向の圧下が終了後、若干のウェブ厚みの圧
下を行ったのち、中間圧延工程で上述の圧延を行う方法
も有効である。
【0026】この場合、成形孔型14でのウェブ圧下量
の増大とともにフランジ外面に孔型からの噛み出しが発
生し始め大きくなるので、フランジ外面をスリ下げない
程度にウェブ圧下量を小さくすることが重要であり、従
来のように粗圧延でウェブ厚とフランジ厚の比が製品の
それに近くなるまでの圧下は行わず、粗ユニバーサル圧
延機でウェブ厚みの大きな圧下を行いつつ、フランジ脚
長に応じて孔型深さ可変式エッジャー圧延機の各パスで
孔型深さを調整しながらフランジを整形する。当然のこ
とながら、ここでの成形孔型14は複数のフランジ幅シ
リーズにも対応できる適正形状にする。図3(a)のよ
うにスラブをウェブ高さ方向に圧下した後に生成される
フランジ厚tf 'は、通常、スラブ厚みの半分よりやや
大きい程度であるので、ウェブ厚に対するフランジ厚み
の比はtf '/tw '<<1であり、引き続いて成形孔型
でウェブ厚みを多少圧下する場合も含めて、本発明で言
うところの粗圧延終了のウェブ厚みに対するフランジ厚
みの比の範囲はおおよそtf '/tw '<1であり、製品
の厚み比がtf '/tw '>1であることと比較して小さ
い。
【0027】粗圧延機でウェブ高さ方向の圧下を行った
後の粗形鋼片から、粗ユニバーサル圧延機と孔型深さ可
変式エッジャー圧延機により、前述のウェブ外法一定H
形鋼のようにウェブ厚みとフランジ厚みの比tf /tw
が広範囲なサイズや広範囲なフランジ幅シリーズの製品
を容易に製造するためには、図5に示すようにサイズや
シリーズに応じて粗圧延機1でウェブ高さ方向の圧下終
了時の粗形鋼片5のウェブ高さを調整することが好まし
い。つまり、粗圧延終了時では、ウェブ厚みが大きいた
め製品のフランジに相当する部位の大部分はウェブ部と
連続した領域5aに位置しており、粗ユニバーサル圧延
でウェブを圧下することによりフランジとして形成され
る。したがって、tf /tw が大きいサイズでは、粗圧
延終了のウェブ高さを標準より大きくし、それに対応し
て粗ユニバーサル圧延の初期パスの竪ロール2bの開度
を標準より大きく設定した状態で水平ロール2aにより
ウェブ厚みの圧下を行い、tf /tw が小さいサイズで
は、粗圧延終了のウェブ高さを標準より小さくし、それ
に対応して粗ユニバーサル圧延の初期パスの竪ロール開
度を標準より小さく設定して水平ロールによりウェブ厚
みの圧下を行う。
【0028】これにより、フランジ厚みのベースとなる
粗ユニバーサル圧延の初期のフランジ厚みtf0を調整で
きるとともに、ウェブ外法に対するウェブ内法の比を小
さくすれば、ユニバーサル圧延でのウェブ圧下に伴うフ
ランジ断面積の減少率が低下し、反対にウェブ外法に対
するウェブ内法の比を大きくすれば、ユニバーサル圧延
でのウェブ圧下に伴うフランジ断面積の減少率が増大し
て、フランジ肉量の制御量が拡大できサイズの造り分け
が容易になる。加えて、粗圧延終了のウェブ高さに応じ
てスラブ幅を変更すればさらに効果的である。
【0029】ここでは、スラブを素材とした例で説明し
たが、ブルームを素材とした場合も同様である。ビーム
ブランクを素材とした場合にはビームブランクを粗圧延
機1でウェブ高さ方向に圧下して製品に応じたウェブ高
さにまで成形した後、あるいは粗圧延機1でフランジ幅
を成形した後、粗ユニバーサル圧延機2と孔型深さ可変
式エッジャー圧延機3で同様に圧延すればよい。
【0030】また、説明はH形鋼の圧延について行った
が、I形鋼や溝形鋼などについても、図2に示す圧延装
置列において、粗圧延後、粗圧延機1に続く粗ユニバー
サル圧延機2に近接して配置された孔型深さ可変式エッ
ジャー圧延機3により、フランジ脚長に応じてパスごと
に孔型深さを調整してフランジ幅を圧下することにより
良好な寸法形状でフランジ幅や厚みの異なる製品を同一
ロールから製造できる。
【0031】
【実施例】H600mm×300mm ×12mm/19mm(ウェブ高さ×
フランジ幅×ウェブ厚み/フランジ厚みに対応)、H600
mm×250mm ×12mm/19mm、H600mm×200mm ×12mm/19mm
のH形鋼を、厚み250mm の連続鋳造スラブを素材として
図2(b)に示す圧延装置列で孔型深さ可変式エッジャ
ー圧延機を使用し同一ロールで製造した。粗圧延は図3
(b)に示すようなウェブ高さ方向に圧下する孔型のみ
を複数配置した孔型列により実施し、粗圧延終了時の寸
法はフランジ幅300mm シリーズと250mm シリーズでウェ
ブ高さ約860mm 、フランジ幅約480mm 、ウェブ厚約250m
m 、フランジ厚約150mm であり、フランジ幅200mm シリ
ーズでは孔底幅が孔型13bより70mm小さい孔型13a
を使用したので粗圧延終了時のフランジ幅は約410mm で
ある。エッジャー圧延機では各パスとも上下ウェブ拘束
ロールの間隙がウェブ厚に対して2mm 大きくなるように
孔型深さを変更して圧延を行った。比較として、エッジ
ャー圧延機に従来の一体ロールを使用した圧延も実施し
た。ただしこの場合、フランジ片幅最小サイズに対応さ
せるため、エッジャー圧延機の孔型深さDはD=(200
−12)/2 −1 =93mmで一定とした。製品の長さ方向に
1 mピッチで測定したウェブ中心偏り量の、先端部5m
と後端部5mおよび残りの中間部における絶対値平均を
表1と表2に示す。
【0032】本発明の圧延方法では、疵の発生もなく、
全長でウェブ中心偏りは1mm 以下に収まっているが、一
体ロール式エッジャー圧延機を使用した場合には、エッ
ジャー圧延機のロール円周面とウェブ面との間隙が最も
大きくなるフランジ幅300mmシリーズにおいて、長さ方
向先後端の広い範囲で3mm を越えるウェブ中心偏りが発
生し、中央部においても2mm を越えるウェブ中心偏りが
発生した。ウェブ外法一定H形鋼の場合ウェブ中心偏り
の公差は±2mmであるので、全長で寸法公差をはずれる
ことになる。また、一体ロール式エッジャー圧延機を使
用する場合には、フランジ幅250mm シリーズの製造でフ
ランジ幅を大圧下をした際、フランジ内面とロールとの
間に隙間があるため、フランジ内側にバルジングが大き
く張り出し、これを粗ユニバーサル圧延機でスリ下げ
て、製品のコーナーR部とウェブとの境界位置付近に折
れ込み疵を発生させた。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】さらに、上記製品に加え、H600mm×300mm
×12mm/28mmとH600mm×200mm ×9mm /12mmをそれぞれ
フランジ幅を呼称寸法どおりに製造した。この場合、H6
00mm×300mm ×12mm/28mmでは粗圧延終了のウェブ高さ
を上記条件に比べ30mm大きくし、H600mm×200mm ×9mm
/12mmでは粗圧延終了のウェブ高さを上記条件に比べ30
mm小さくして製造した。この結果、いずれもフランジ肉
量の過不足や疵の発生がなく良好な寸法形状の製品が製
造できた。
【0036】H900mm×300mm シリーズの製品を図2
(b)の圧延装置列で製造する場合、図3に示すウェブ
高さ方向にのみ圧下を行う粗圧延方法では、圧延負荷の
増大によって粗圧延工程よりも中間圧延工程の圧延ピッ
チが長くなることから、両者の圧延ピッチをバランスさ
せるために、図4に示す孔型配置の粗圧延機でウェブ高
さ方向に圧下を行った後、成形孔型でウェブ厚を200mm
まで圧下し、次に中間圧延工程で孔型深さ可変式エッジ
ャー圧延機を使用して圧延を行ったが、フランジ外面の
噛み出しによる折れ込み疵の発生もなく製品が製造でき
た。一方、従来のようにウェブ厚みとフランジ厚みの比
が製品とほぼ等しくなるようにサイズに応じてウェブ厚
み70mm〜120mm まで成形孔型で粗圧延を行った場合に
は、成形孔型圧延の断続した3回以上の途中パスにおい
て被圧延材を転回しウェブ高さ方向に圧下を行わないと
フランジ外面の折れ込み疵は完全に防止できなかった。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明の圧延装置列および
圧延方法により、フランジ幅の異なる製品についてもロ
ール組み替えを行うことなく、ウェブ中心偏りやフラン
ジ脚長の精度不良が小さく、フランジ内外面のスリ下げ
による折れ込み疵のない表面性状の良好なフランジを有
する形鋼製品を製造でき、ロール保有数を削減し、歩留
や作業性を向上させることができる。また、粗ユニバー
サル圧延過程で切断するクロップが削減し歩留りが向上
する。さらには、粗圧延機での転回回数やパス回数の削
減による圧延時間の短縮によって加熱温度を下げること
も可能となり燃料原単位の向上も図れる。ウェブ高さや
フランジ幅の大きな製品についても効率的に良好な品質
で製造可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧延方法および圧延装置列の概念図で
ある。
【図2】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は本
発明の圧延装置列の説明図である。
【図3】(a)、(b)は本発明におけるウェブ高さ方
向の圧下のみを行う粗圧延方法の説明図である。
【図4】本発明におけるウェブ厚み圧下を行う粗圧延方
法の説明図である。
【図5】本発明によるサイズ造り分けに関する圧延方法
の説明図である。
【図6】(a)、(b)、(c)は本発明による粗ユニ
バーサル圧延機の水平ロール形状の説明図である。
【図7】従来の圧延方法の説明図である。
【図8】従来の粗圧延方法の説明図である。
【図9】H形鋼のウェブ中心偏りの説明図である。
【図10】(a)はフランジ外面の折れ込み疵の説明図
で、(b)はフランジ内面の折れ込み疵の説明図であ
る。
【図11】H形鋼の製品の説明図である。
【図12】ユニバーサル圧延における蹴出し端圧延直前
の反りによるウェブ付け替えの説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 浩 大阪府堺市築港八幡町1番地 新日本製鐵 株式会社堺製鐵所内 Fターム(参考) 4E002 AC03 AC08 BA04 BB01 BB05 BC05 CA11 CB03 CB08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラブ、ブルームあるいはビームブラン
    クを素材とし、粗圧延機と、粗ユニバーサル圧延機およ
    びエッジャー圧延機からなる1組あるいは複数組の中間
    圧延機群を用いてフランジを有する形鋼を圧延する方法
    において、被圧延材のウェブ厚みに対するフランジ厚み
    の比が製品のそれよりも小さい断面で粗圧延を終了し、
    粗ユニバーサル圧延機でウェブ厚みとフランジ厚みを圧
    下し、少なくとも粗圧延機に続く該粗ユニバーサル圧延
    機に近接して配置した孔型深さを自在に調整できるエッ
    ジャー圧延機により、被圧延材のフランジ脚長の変化に
    応じてパスごとに孔型深さを調整してフランジ幅を圧下
    することを特徴とするフランジを有する形鋼の圧延方
    法。
  2. 【請求項2】 前記粗圧延機において、前記素材を複数
    の孔型により順次そのウェブ高さ方向にのみ圧下を行う
    ことを特徴とする請求項1記載のフランジを有する形鋼
    の圧延方法。
  3. 【請求項3】 前記粗圧延機において、前記素材を複数
    の孔型により順次そのウェブ高さ方向に圧下を行いフラ
    ンジを生成した後、長さ方向両端部のウェブ厚みの膨ら
    みを圧下することを特徴とする請求項1記載のフランジ
    を有する形鋼の圧延方法。
  4. 【請求項4】 前記粗圧延機において、前記素材を複数
    の孔型により順次そのウェブ高さ方向に圧下を行い粗圧
    延終了のウェブ高さを要求される製品サイズに応じて調
    整し、前記サイズに合わせて粗ユニバーサル圧延機の竪
    ロール開度を調整して圧延することを特徴とする請求項
    2あるいは3項記載のフランジを有する形鋼の圧延方
    法。
  5. 【請求項5】 前記粗圧延機において、前記素材を複数
    の孔型により順次そのウェブ高さ方向に圧下を行いフラ
    ンジを生成した後、成形孔型によりウェブ厚みの圧下を
    行い、被圧延材のウェブ厚みに対するフランジ厚みの比
    が製品のそれよりも小さい断面で粗圧延を終了すること
    を特徴とする請求項1記載のフランジを有する形鋼の圧
    延方法。
  6. 【請求項6】 前記孔型深さを自在に調整できるエッジ
    ャー圧延機において、少なくとも被圧延材のウェブ端部
    からコーナーR部、フランジ内面の下方部にウェブ拘束
    ロールを接近させつつフランジ幅を圧下することを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかの項に記載のフランジを
    有する形鋼の圧延方法。
  7. 【請求項7】 粗圧延機に続く前記粗ユニバーサル圧延
    機において、水平ロール側面部のコーナーR寄りの領域
    をロール軸寄りの領域よりも鉛直線に対する勾配が大き
    くなるように単数または複数の円弧あるいは直線で構成
    される形状とするか、または水平ロール円周部のロール
    軸方向の中央付近からコーナーRにかけての領域をコー
    ナーRに近いほどロール径が減少するような単数または
    複数の円弧あるいは直線で構成される形状とするか、ま
    たは前者と後者の両方で構成される形状とすることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載のフランジ
    を有する形鋼の圧延方法。
  8. 【請求項8】 粗圧延機と、粗ユニバーサル圧延機およ
    びエッジャー圧延機からなる1組あるいは複数組の中間
    圧延機群により構成されるフランジを有する形鋼の圧延
    装置列において、少なくとも粗圧延機に続く粗ユニバー
    サル圧延機に近接して、フランジ脚長の変化に応じて孔
    型深さを自在に調整できるエッジャー圧延機を配置した
    ことを特徴とするフランジを有する形鋼の圧延装置列。
  9. 【請求項9】 前記粗圧延機においてウェブ高さ方向に
    圧下を行う複数の孔型のみを配置したことを特徴とする
    請求項8記載のフランジを有する形鋼の圧延装置列。
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