JP2002001551A - 摩擦撹拌接合の仮付け方法 - Google Patents
摩擦撹拌接合の仮付け方法Info
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Abstract
ことなしに、連続摩擦撹拌接合における口開きを防止で
きるように、その仮付け方法を工夫すること。 【解決手段】板材の摩擦撹拌接合のための摩擦撹拌接合
による仮付け方法について、連続摩擦撹拌接合の終端側
から始端側に向かって仮付け摩擦撹拌接合を行うことで
あり、また、上記仮付け摩擦撹拌接合の接合工具を連続
摩擦撹拌接合の接合工具と同じものとし、仮付け摩擦撹
拌接合の接合工具の進行方向を連続摩擦撹拌接合の進行
方向と同じにしたことである。仮付けの開始点、終点
が、連続摩擦撹拌接合の開始点、終点とは反対になるの
で、連続摩擦撹拌接合による開先の拡大方向は仮付け摩
擦撹拌接合による拡大方向と反対になり、このため連続
摩擦撹拌接合時の開先の拡大がそれだけ抑制される。
Description
に摩擦撹拌接合のための仮接け方法に関するものであ
り、板材の突き合わせ面を所定ピッチの摩擦撹拌接合で
仮付けしてから連続して摩擦撹拌接合するときに口開き
を生じることを確実に抑制して、口開きによる接合部の
接合不良を防止するものである。
れているが、新幹線の車両、在来の特急車両の床板、側
板などに使用されるアルミ型材等の接合継手の長さは極
めて長い。他方、板材Pの摩擦撹拌接合は図1、図2に
示すようにアルミ板Pを支持板4上で突き合わせた状態
で行われ、突き合わせ面及び接合部の上面が接合工具T
のピン1及び工具本体2の肩部3との摩擦熱で軟化され
て、突き合わせ面が接合される。接合工具Tは硬質金属
部材であり、その先端に突設された比較的細いピン1が
前進方向の強い抵抗を受けながら高速で回転するもので
ある。ダブルスキンアルミ型材などのアルミ板は型成形
されるために、長尺のものほどその直線性が低下し、こ
れを突き合わせたとき開先に隙間ができてしまう。この
ため、支持板4上で突き合された板P,Pを万力などで
横方向に押し付けて開先の隙間を可及的に小さくしてお
いて、所定のピッチで仮付けしてから連続して摩擦撹拌
接合が行われる。また、上記仮付け方法としては種々の
接合方法を採用できるが、摩擦撹拌接合による方が接合
部の品質、仮付け作業の簡便化の観点から望ましい。他
方、摩擦撹拌接合装置のヘッドはXYZ座標軸の各軸方
向にその位置を制御されるものであり、接合工具Tが開
先を追跡するように制御される。また、アルミ板Pは、
摩擦撹拌接合時にその接合辺だけが加熱されるので、熱
歪みのため、接合が進行するに連れて開先隙間が徐々に
増大する傾向がある。また、摩擦撹拌接合で仮付けを行
う場合、従来はその開始点、終点を連続摩擦撹拌接合の
それと同じにして仮付け作業が行われる。
合を行い、その後連続して摩擦撹拌接合すると、当該連
続摩擦撹拌接合の進行につれて、未接合の開先が徐々に
開き、これが接合工具の直前にまで達して口開きを生じ
る。口開きが生じた状態で摩擦撹拌接合が行われると、
接合不良を生じる(図3(a)参照)。ダブルスキンア
ルミ型材などのように上下両面から同時に摩擦撹拌接合
を行う場合(図3(b)参照)は、ダブルスキンアルミ
型材の中空部が断熱空間になるので摩擦撹拌接合による
熱の放熱が妨げられ、接合部に与える熱的影響が大き
い。このために口開きxが大きくなる場合が少なくない
(図4参照)。上記のような連続した摩擦撹拌接合にお
ける口開きを可及的に防止するために、接合工具Tの直
ぐ後方の接合部を強制冷却する方法が採られている。こ
の強制冷却は、上下の噴射ノズル51,51により空気
と水との混合流体を高圧で噴射するものである。このよ
うに接合された直後に水と空気の混合流体を高圧で噴射
して強制冷却する(図5参照)ことによって、無冷却の
場合(図3の場合)に生じる口開きは抑制され、当該口
開きによる接合不良が防止される。しかし、図5の従来
の方法は接合工具Tの直ぐ後方の接合部を強制冷却する
ものであるので、接合直後の接合部が急冷されることに
より接合品質が低下することが懸念され、また、摩擦撹
拌接合装置に上記冷却装置を付設することになるのでこ
の点からも望ましくない。図5の従来技術は口開きを生
じる熱的影響を可及的に排除して、口開きを抑制するも
のであるが、連続摩擦撹拌接合の接合品質に悪影響を与
えない仮付け方法を工夫することで上記口開きを防止な
いしは抑制することが望まれる。
撹拌接合の品質に悪影響を与えることなしに、連続摩擦
撹拌接合における口開きを防止できるように、その仮付
け方法を工夫することをその課題とするものである。
講じた手段は、板材の摩擦撹拌接合のための摩擦撹拌接
合による仮付け方法について、連続摩擦撹拌接合の終端
側から始端側に向かって仮付け摩擦撹拌接合を行うこと
である。
って開先が開く方向に板材が変形し、未接合部分の開先
が徐々に拡大され、これによって口開きが生じるものと
推測される。また、このことは程度の差はあるが仮付け
の摩擦撹拌接合を行うときにも当てはまる。そして、仮
付けの開始点、終点が、連続摩擦撹拌接合の開始点、終
点とは反対になるので、連続摩擦撹拌接合による開先の
拡大方向は仮付け摩擦撹拌接合による拡大方向と反対に
なり、このため連続摩擦撹拌接合時の開先の拡大がそれ
だけ抑制される。実際にこのようにして仮付けを行う
と、連続摩擦撹拌接合時の口開きは極めて小さく、口開
きによって接合部の品質が損なわれることはない。
付け摩擦撹拌接合の接合工具を連続摩擦撹拌接合の接合
工具と同じものとし、仮付け摩擦撹拌接合の接合工具の
進行方向を連続摩擦撹拌接合における進行方向と同じに
したことである。
摩擦撹拌接合の終端から仮付けを開始し、この仮付け摩
擦撹拌接合工具の進行方向を連続摩擦撹拌接合における
進行方向と同じにすると、連続摩擦撹拌接合の終端から
開始端に向かっていわばバックステップしながら仮付け
摩擦撹拌接合作業が進められることになる。さらに言え
ば、例えば接合される板Pの右端から連続摩擦撹拌接合
を行うときは、図6における左端からピッチPで右側に
向かってバックステップしながら仮付け1、仮付け2・
・・とn箇所の仮付けがなされることになる。n番目の
仮付けに引き続いて、図6における右端から連続摩擦撹
拌接合を開始することができる。また、このバックステ
ップ方式で仮付けを行うことにより、口開きがさらに効
果的に抑制される。
の連続摩擦撹拌接合のための仮付けを上記解決手段また
は実施態様1によって行うことである。
おいて上記口開きが顕著であることは上記のとおりであ
るが、ダブルスキンアルミ型材の連続摩擦撹拌接合に先
だって、実施態様1で仮付けを行うことにより、その摩
擦撹拌接合における口開き抑制効果が顕著である。
する。この実施の形態は、ダブルスキンアルミ型材の表
裏両側から同時に連続摩擦撹拌接合するものにこの発明
を適用した例であり、このダブルスキンアルミ型材P
a,Pbは、そのスキン11の厚さt1が3.0mm、
型材厚さtが50mm、接合長さが1200mmのアル
ミ型材である。継ぎ手は図4に示す嵌め込み式の構造を
有するもので、摩擦撹拌接合熱の放熱条件が良くないも
のである。この実施の形態の接合工具のピン1の直径は
5.0mm、ピン1の長さは4.5mm、接合工具Tの
回転速度は1750rpm、前進速度は600mm/分
である。仮付け摩擦撹拌接合は連続摩擦撹拌接合の接合
工具と同じものを用い、またその接合工具の回転速度、
送り速度などの接合条件も連続摩擦撹拌接合と同じに
し、いわゆるバックステップ方式で図6の左端から開始
する。この仮付けのピッチPは600mmで、仮付け1
0の長さLは50mmである。そして、仮付け10の個
数nは2個であり、n回バックステップしたn+1のと
ころ(接合線の右端になる)での摩擦撹拌接合をそのま
ま継続して反対側まで連続して行う。以上のようにして
10本の接合線を摩擦撹拌接合して、そのときの口開き
の状態を確認した。その結果、接合線の中間部において
も、また終端部においても口開きxはほぼゼロであった
(図6参照)。ちなみに、同じ条件で無冷却の従来技術
による場合(図3参照)の口開きxは、接合線の終端部
においてほぼ1.5mmであり、また、同じ条件での図
5の従来技術による場合は、接合線の終端部においては
口開きxはほぼゼロであった。ダブルスキンアルミ型材
などのような中空パネルにおいて上記口開きが最も顕著
であるから、このものの摩擦撹拌接合にこの発明を適用
したとき、その効果が最も顕著である。
よってアルミ板材を仮付けするについて、この仮付け作
業を連続摩擦撹拌接合の終点から開始点に向かって行
い、また、仮付けの接合工具の前進方向を連続摩擦撹拌
接合の前進方向と同じにするという、極めて単純な手段
の付加によって、連続摩擦撹拌接合における口開きを顕
著に抑制することができ、口開きによる接合不良を防止
することができる。また、口開き防止のための特別な設
備を付加する必要は無いから、この発明を適用すること
による特別なコスト増はない。
た摩擦撹拌接合の平面図であり、(b)はその正面図で
ある。
である。
けした摩擦撹拌接合の平面図であり、(b)はその正面
図である。
平面図である。
面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】板材の摩擦撹拌接合のための摩擦撹拌接合
による仮付け方法において、連続摩擦撹拌接合の終端側
から始端側に向かって仮付け摩擦撹拌接合を行う、摩擦
撹拌接合の仮付け方法。 - 【請求項2】仮付け摩擦撹拌接合の接合工具を連続摩擦
撹拌接合の接合工具と同じものとし、仮付け摩擦撹拌接
合の接合工具の進行方向を連続摩擦撹拌接合における進
行方向と同じにした請求項1の摩擦撹拌接合の仮付け方
法。 - 【請求項3】上記板材がダブルスキンアルミ型材である
請求項1又は請求項2の摩擦撹拌接合の仮付け方法。
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2000
- 2000-06-19 JP JP2000182512A patent/JP3288678B2/ja not_active Expired - Fee Related
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