JP3886596B2 - リブ付きアルミニウム製品の製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、リブ付きアルミニウム製品の製造法に係り、特に、アルミニウム材料の板状部にアルミニウム製のリブを摩擦攪拌接合せしめて、かかる板状部の板面上に該リブを一体的に立設せしめてなる構造のリブ付きアルミニウム製品を製造する方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、アルミニウム若しくはアルミニウム合金からなる所定形状のアルミニウム製品が、その優れた特性を利用して、各種の用途に用いられてきており、例えば、船舶や車両等の殻やフロアには、リブ付きのアルミニウム製品が使用されている。ところで、そのようなリブ付きアルミニウム製品は、一般に、押出等の手法にて形成されることとなるが、押出機等の装置の大きさには限度があるところから、アルミニウム製品としては、せいぜい、600mm幅のものが限界であり、それよりも大きな製品を得ることは困難であったのである。而して、近年における輸送機の軽量化や大型化が進むにつれて、広幅の製品が強く要求されるようになり、そのため、広幅の板状のアルミニウム材料を用意して、その板面の所定位置に、所定のリブ材を立設、配置せしめ、T字継手構造において、そのリブ材の配設部位を隅肉溶接(TIG、MIG等)せしめて、広幅のリブ付きアルミニウム製品と為すことが考えられたが、その溶接による歪みが大きく、そのような歪みの修正に、多大な手間と時間を要するという問題があった。
【0003】
要するに、アルミニウムやアルミニウム合金の、TIG、MIG等による溶接にあっては、その熱膨張係数が大きいことから、大きな歪みが発生し、それが溶接製品に内在することとなるのであり、また、溶融物が大気中の酸素と反応して生じる酸化皮膜が強固でもあるところから、シールドガスとしての不活性ガスの使用が不可欠とされているのである。そのような状況下、アルミニウムの溶接現場では、実際に、歪みや酸化皮膜の発生を防止し、或いはそれらを除去するために、不活性ガスを用いると共に、多大な工数と熟練技能が必要とされているのである。そのため、車両や船舶等の組立工程を出来るだけ楽にする上においても、アルミニウム製品は、素材の段階にて、出来るだけ大きくすることが望ましいのであったが、前述せるように、今までの押出等の製作手法においては、アルミニウム製品の大型化には、限界があったのである。
【0004】
なお、かかる従来の不活性ガスを用いたアーク溶接手法に代わる、アルミニウム若しくはアルミニウム合金の他の接合方法としては、摩擦圧接法、レーザー溶接法、機械的接合法、接着法等があるが、その施工性や信頼性の面から、或いは装置コストが高い等の理由から、それらが適用され得る分野が制限されているのが現状である。中でも、摩擦圧接は、古くから利用されている技術であって、接合する材料を相対的に高速回転させて擦り合わせ、発生する摩擦熱で接合部が融点に達した時点で、押し付けて回転を止める方法であり、バットのグリップの接合等において、実用化されている。しかしながら、そのような摩擦圧接法も、材料の形状が丸棒やパイプに限られており、アルミニウム材料のT字継手構造における接合には、利用され難いものであった。
【0005】
ところで、最近、上述の摩擦圧接法と同様に、摩擦熱を利用して板を突合せ接合する方法が、米国特許第5460317号明細書や特表平7−505090号公報等において明らかにされている。即ち、図1に示される如く、接合されるべき2枚の板材2a、2bよりも硬い材質のピン4を先端中心部に設けてなるロッド状の回転治具6を用い、この回転治具6を高速回転せしめつつ、その先端のピン4を、2枚の板材2a、2bの突合せ部8部位に差し込み、相対的に該突合せ部8に沿って移動せしめることにより、それら回転せしめられるピン4や回転治具6と板材2a、2bとの間に、摩擦熱を発生せしめ、そしてその摩擦熱にて、突合せ部8の周辺部位を塑性加工可能な状態と為し、更にピン4の高速回転による攪拌作用にて板材2a、2bの突合せ部位(8)の組織を入り交わらせ、以て溶融せしめることなく、2枚の板材2a、2bを接合せしめる、所謂摩擦攪拌接合 (Friction Stir Welding)なる方法である。
【0006】
このような摩擦攪拌接合手法によれば、従来の溶接手法とは異なり、溶加材やシールドガス、開先加工が不要となるのであり、また、酸化皮膜の除去も不要であると共に、溶融接合ではなく、固相接合と考えられるものであるところから、接合部、更にはその周りの組織変化が少なく、低歪みである特徴を有し、このため、歪みの修正作業も必要でない等の利点を有している。
【0007】
しかしながら、この摩擦攪拌接合手法にて、アルミニウム材料の板状部に対して、リブ材を、T字継手構造において隅肉溶接することは、回転治具の移動方向における接合部後方で、表面に流動するアルミニウムを押さえることが、構造上において困難であるところから、そのような隅肉溶接操作は、未だ、実現されてはいないのである。
【0008】
このため、かかる摩擦攪拌接合手法にて、T字継手の接合を行なう際には、リブ材をアルミニウム材料の板状部の一方の側に配置すると共に、板状部の他方の側から回転治具のピンを差し込み、重ね接合する手法の採用が考えられ、これによって、所定のリブ材がアルミニウム材料の板状部の任意の位置に立設して設けられることとなり、押出による場合のように、高価なダイス工具を新たに作製することなく、所定のリブ付きアルミニウム製品を得ることが出来、また、隅肉溶接によりリブ材を接合する場合に比べ、熟練技術や多大な工数を要する歪み補修が不要であって、接合部の組織変化や軟化が少ない等の利点を享受することが出来るものの、板状部とリブ材との接合面に、融合不良等が発生し易く、健全な接合部を得難いことに加えて、材料の寸法精度や拘束状態にバラツキがある場合、接合面の凹凸やトンネル状の融合不良等により、静的及び疲労強度に影響を及ぼすことが懸念されるのである。しかも、従来のアーク溶接(TIG、MIG)では、通常、溶加材が用いられるために、T字の隅肉溶接では、同じ板厚の素材であっても、接合部に余盛が形成されることによって、ある程度の脚長が得られ、そして、この脚長によって接合部の強度が補償されているのであるが、摩擦攪拌接合による場合にあっては、そのような溶加材が用いられるものではないところから、接合部には、有効な余盛が形成されず、そのために、接合部の強度が充分でないという問題も内在しているのである。
【0009】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、上述の如き摩擦攪拌接合手法を利用して、接合部の欠陥がなく、且つ強度に優れたT字継手構造のリブ付きアルミニウム製品を、有利に製造する方法を提供することにあり、また他の課題とするところは、リブが板状部の任意の位置に設けられ、押出による場合の如く、高価なダイス工具を新たに作製することなく、また隅肉溶接にて、リブを接合する場合に比べ、熟練技術や多大な工数を要する歪み補修が不要で、接合部の組織変化や軟化が少ない、リブ付きアルミニウム製品を製造し得る方法を提供することにある。
【0010】
【解決手段】
そして、本発明は、かくの如き課題を解決するために、アルミニウム材料の板状部の板面上に、該板面に沿って一方向に延びるアルミニウム製のリブを立設、配置せしめる一方、かかるリブの配置部位に対応する該板状部の裏面側部位に対して、ロッド状の回転治具の先端に同心的に設けたピンを、該回転治具と共に回転させつつ、前記リブに達するように差し込み、相対的に移動させることにより、それらリブと板状部とを摩擦攪拌接合せしめて、該板状部の板面上に該リブが立設して接合されてなる構造のリブ付きアルミニウム製品を製造するに際して、前記リブの前記板状部に接合せしめられる側の脚部を、該板状部の板面に対して30度〜80度の角度を為すように傾斜した末広がり形状に構成すると共に、該リブの末広がり形状の脚部の先端部の幅:L、該末広がり形状の脚部の先端部と前記ピンとの間の間隔:W、前記リブへのピン突入深さ:h、及び前記板状部の板厚:tが、次の関係式:
0.1mm≦W≦2.0mm
W≦0.25L
0.1mm≦h≦2t
を満足するようにして、前記摩擦攪拌接合を行なうことを特徴とするリブ付きアルミニウム製品の製造法を、その要旨とするものである。
【0011】
すなわち、このような本発明に従うリブ付きアルミニウム製品の製造法によれば、摩擦攪拌接合手法にて、アルミニウム材料の接合を行なうものであるところから、従来のアーク溶接手法とは異なり、溶加材やシールドガス、開先加工が全く不要となるばかりでなく、酸化皮膜の除去作業も不要となることは勿論、歪みの小さなT字継手構造の製品が得られ、以て歪みの修正等の作業も全く必要でなくなったのであり、しかも、アルミニウム材料の板状部に対して摩擦攪拌接合せしめられるアルミニウム製のリブの接合側の端部が、所定の角度をもって傾斜した末広がり形状の脚部とされているところから、接合の後においては、そのような末広がり形状部が、そのまま、従来の如き脚長部(余盛)として機能することとなるのであり、それによって、接合部の強度が有利に確保され得ることとなるのである。
【0012】
また、かかる本発明に従う製造法においては、回転治具の先端に設けられたピンの先端部周辺の塑性流動の状態を考慮して、接合部の形状に適したピンとリブにおける末広がり形状の脚部との関係や、リブへのピン突入深さの関係等が設定されているところから、アルミニウム材料の板状部とリブとの接合面に融合不良等が発生することが効果的に抑制乃至は回避され、以て健全な接合部が実現され得たのであり、更に、材料の寸法精度や拘束状態にバラツキがある場合にあっても、トンネル状の融合不良等が惹起されることが効果的に阻止され得るものであり、以て静的及び疲労強度に影響を及ぼすような懸念も、全く解消されるに至ったのである。
【0013】
なお、本発明に従ってリブ付きアルミニウム製品を製造するに際しては、それを与えるアルミニウム材料やリブとして、熱処理型合金または加工硬化材からなるものが、有利に用いられることとなる。摩擦攪拌接合のために、被接合材の組織変化が少なく、従って熱処理型合金材や加工硬化材の材質変化を少なくして、特性に優れたT字継手構造の製品を得ることが出来ることとなるからである。
【0014】
【発明の実施の形態】
ところで、かかる本発明に従うリブ付きアルミニウム製品の製造法において、そのようなリブ付きアルミニウム製品を与えるアルミニウム材料やアルミニウム製のリブとしては、通常のアルミニウム若しくはアルミニウム合金からなる、一定の形状を有する材料であれば、如何なるものをも用いることが出来、公知の各種の手法にて製作された各種の形状のものが適宜に組み合わされて、目的とするリブ付きアルミニウム製品とされることとなるが、一般には、一定の形状が要求されるリブとしては、押出形材が有利に用いられる一方、そのようなリブが接合されるアルミニウム材料としては、かかるリブと同様に、押出形材が用いられる他、通常の板製造工程において得られるアルミニウム板材も、有利に用いられることとなる。なお、本発明においては、接合部の組織変化(材質変化)が少なく、且つ強度維持が有効に為され得るところから、Al−Cu−Mg系(2000系)、Al−Mg−Si系(6000系)、Al−Zn−Mg系(7000系)の熱処理型合金や加工硬化材からなるアルミニウム材料やリブを用いたリブ付きアルミニウム製品の製造に、本発明が有利に適用されることとなる。
【0015】
そして、そのようなアルミニウム材料とリブとを組み合わせて、摩擦攪拌接合にて、目的とするリブ付きアルミニウム製品を得るために、本発明にあっては、図2に示される如く、所定のアルミニウム材料12とリブ材14とを用い、かかるアルミニウム材料12の板状部12aの一方の板面上に、該板面に沿って一方向に延びるように、リブ材14を当接させた状態下において立設、配置せしめて、それらを位置固定的に拘束、保持する一方、かかるリブ材14の配置部位に対応する板状部12aの反対側(裏面側)部位に対して、ロッド状の回転治具16の先端に同心的に設けたピン18を、回転治具16と共に高速回転させつつ差し込み、板状部12aを貫通させて、リブ材14の脚部に達するように為し、そしてリブ材14の配置方向(図2において紙面に垂直な方向)に相対的に移動せしめることにより、それら板状部12aとリブ材14とを摩擦攪拌接合せしめるのである。
【0016】
しかも、本発明にあっては、かくの如き摩擦攪拌接合操作に際して、リブ材14の脚部14a、換言すれば前記板状部12aの一方の側に接合せしめられる端部を、かかる板状部12aの板面に対して30度〜80度の角度(θ)を為すように傾斜した末広がり形状に構成すると共に、ピン18を差し込んで摩擦攪拌接合を行なう状態下において、図3に示される如く、リブ材14の末広がり形状の脚部14aの先端部の幅:Lと、かかる末広がり形状の脚部14aの先端部とピン18との間の間隔:Wと、リブ材14(具体的には脚部14a)へのピン18突入深さ:hと、板状部12aの板厚:tとが、次の関係式:0.1mm≦W≦2.0mm、W≦0.25L、及び0.1mm≦h≦2tを満足するようにして、摩擦攪拌接合を進行せしめるようにしたのである。
【0017】
このように、リブ材14の脚部14aを所定の末広がり形状と為すことによって、そのような脚部14aにおいて、アルミニウム材料12の板状部12aに摩擦攪拌接合されると、あたかも、従来の隅肉溶接における脚長部(余盛)が形成された場合と同様な形態となるのであり、これによって、接合部の強度が有利に確保されるのであり、また前記したW、L及びhの規定により、ピン18の先端部周辺の塑性流動が効果的に為され得ることとなることによって、板状部12aとリブ材14との接合面における融合不良等の発生が有利に回避され、健全な接合部を形成することが出来、更には板状部12aやリブ材14の寸法精度や拘束状態にバラツキがあっても、トンネル状の融合不良等の問題を惹起することがなく、以て静的及び疲労強度が影響を受けるようなことも、有利に回避され得るのである。
【0018】
なお、かかるリブ材14の脚部14aの末広がり形状において、その傾斜面12aの板面との為す角度:θが30度未満となると、ピン18の径を太くする必要が生じ、それによって接合時の負荷が大きくなる問題があり、一方、80度を越えるようになると、脚長が小さくなり、同じ板厚の素材をT字接合する場合に比べて、強度改善の効果が充分でない問題がある。また、脚部14aの末広がり形状の先端部とピン18との間の間隔:Wに関しても、それが、0.1mm未満となると、摩擦攪拌接合操作時にアルミニウム材料12やリブ材14を拘束する拘束治具に、かかる摩擦攪拌接合操作にて攪拌流動せしめられるアルミニウム金属(合金をも含む)が粘着して、接合後、外れ難い問題があり、一方、2.0mmを越えたり、或いは0.25Lよりも大きくなったりすると、接合面端部に融合不良等の欠陥が惹起される問題がある。更に、リブ材14(脚部14a)へのピン18の突入深さ:hに関しても、それが、0.1mm未満では、接合部がリブ材14側において充分に形成され得ず、従って接合強度が低くなる問題があり、一方、2tよりも深くなると、接合強度が飽和するようになると共に、いたずらに接合時の負荷を増大させるだけである。なお、板状部12aの板厚:tとしては、一般に、1〜15mm程度とされる。
【0019】
かくして、かくの如き本発明手法によれば、所定のアルミニウム材料12における板状部12aの任意の板面位置に、所定の脚部14aを設けてなるリブ材14を立設配置せしめ、それらを位置固定に拘束せしめた状態下において、ロッド状回転治具16を高速回転せしめつつ、その先端に設けられたピン18を、図2や図3に示される如く、リブ材14の配設側とは反対側の板状部12aから差し込み(突き刺し)、そしてリブ材14の延びる方向(図2、3において、紙面に垂直な方向)に相対的に移動せしめることにより、そのようなピン18、更には回転治具16の下部、所謂肩部(ショルダー部)との接触面において摩擦熱を発生させ、以てその周囲を可塑化せしめ、更にピン18の高速回転に伴う攪拌作用にて、板状部12aと脚部14aの組織を互いに入り混じり合わせ、以て健全な接合部が形成されることとなるのである。
【0020】
このように、アルミニウム材料12に対してリブ材14を組み合わせて摩擦攪拌接合せしめ、目的とするリブ付きアルミニウム製品とすることによって、任意の位置にリブが立設せしめられてなるアルミニウム製品を容易に得ることが出来るのであり、また、歪みのない、若しくは歪みの少ない、そして組織変化の少ない、接合強度に優れたリブ付きアルミニウム製品が実現され得ることとなったのであり、更には摩擦攪拌接合の採用によって、従来の溶接法の如き溶加材やシールドガスが必要でなくなり、また開先加工や酸化皮膜の除去も不要となった他、歪みの修正作業も全く必要でない等の特徴を発揮するのである。
【0021】
なお、本発明に従う摩擦攪拌接合操作において用いられるピン18やロッド状の回転治具16の少なくとも下部は、従来と同様に、アルミニウム材料12やリブ材14に高速回転下に接触せしめられても、殆ど損耗することのない材質からなる非消費型の部材とされているのであり、また、そのような回転治具16の高速回転は、公知の各種の回転駆動装置を用いて実現されることとなる。
【0022】
また、例示の具体例では、アルミニウム材料12として、リブ付きアルミニウム製品におけるT字継手構造を為す板状部12a部分のみが例示されているが、その他の部分は良く知られているように、各種の形状において構成され得るものであり、リブの立設され得る板状部を有する限りにおいて、各種形状のアルミニウム材料を用いることが出来る。また、そのようなリブの立設される板状部を、二つのアルミニウム材料を突き合わせて構成することも可能であり、その場合には、二つのアルミニウム材料の突き合わせ接合と同時に、その接合部にリブを立設、接合せしめることが可能である。更に、そのようなリブを与えるリブ材14の形状にあっても、その脚部14aの構成が、本発明の条件を満たす限りにおいて、リブ材14の接合されない他端側の端部たる頭部の形状については、何等の限定もなく、各種形状のリブ材を用いることが出来る。
【0023】
【実施例】
以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的構成以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
【0024】
先ず、下記表1、2に示される如き各種板厚(t)を有する、幅:1200mm、長さ:2000mmのアルミニウム(6N01−T5)板材(12)を準備すると共に、下記表1、2に示される如き脚部先端部幅(L)及び脚部先端部の傾斜角度(θ)にて規定される各種末広がり形状の脚部(14a)を有するリブ材(14)を準備した。
【0025】
次いで、そのようなアルミニウム板材(12)とリブ材(14)とを種々組み合わせて、図2に示される如くT字型に組み付け、それらを拘束した状態下において、下記表1、2に示されるピン(18)の長さ(X)、ピン径(d)、回転治具径(肩部径)(D)、脚部先端とピンとの間隔(W)、接合時のピンの深さ(h)なる条件を満足するようにして、回転治具(16)を高速回転せしめつつ、かかる回転治具の先端部に設けたピン(18)を、図3に示されるように、リブ材(14)の立設、配置部位に対応するアルミニウム板材(12)の裏面側部位に対して差し込み、そしてリブ材(14)の立設方向に沿って移動せしめることにより、摩擦攪拌接合を行なった。なお、この摩擦攪拌接合操作において、回転数:1500rpm、接合速度:500mm/分の条件を採用した。
【0026】
かくして得られた各種のリブ付きアルミニウム製品について、その接合部の断面組織を観察し、その結果を、下記表1、2に併せて示した。また、比較のために、通常のMIG溶接を行なって得られた接合材の接合部についても、同様に評価して、その結果も、下記表2に示した。
【0027】
【表1】
Figure 0003886596
【0028】
【表2】
Figure 0003886596
【0029】
かかる表1、2の結果から明らかな如く、実施例1〜4に示される、本発明に従って得られるリブ付きアルミニウム製品にあっては、何れも、その断面組織に何等の欠陥も見出されず、健全な接合部が形成されていることを認めたが、比較例1〜5に示される、脚部先端部の傾斜角度(θ)や脚部先端とピンとの間隔(W)、接合時のピン深さ(h)が本発明の規定範囲から外れた条件下で、摩擦攪拌接合して得られたリブ付きアルミニウム製品にあっては、何れも、その接合部に欠陥が認められ、またMIG溶接にて得られたリブ付きアルミニウム製品にあっては、著しい歪みが内在していることが認められた。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に従うリブ付きアルミニウム製品の製造法によれば、歪みのない若しくは歪みの少ない、且つ組織変化の少ない、健全な接合部を有するリブ付きアルミニウム製品を、従来の溶接手法とは異なり、溶加材やシールドガス、更には開先加工や酸化皮膜の除去工程等を必要とすることなく、容易に得ることが出来ることとなったのであり、また、リブが板状部の任意の位置に取り付けられ、且つ押出による場合のように高価なダイス工具を新たに準備する必要もなくなり、更には、接合部の欠陥がなく、従来のMIG溶接のような歪みのない、接合強度に優れたT字継手構造のリブ付きアルミニウム製品を有利に実現し得たのであって、そこに、本発明の大きな技術的意義が存するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の摩擦攪拌接合方法を示す説明図である。
【図2】本発明に従う摩擦攪拌接合操作における接合材料と回転治具との配置関係を示す説明図である。
【図3】本発明に従うリブ付きアルミニウム製品の製造法における摩擦攪拌接合形態を示す断面説明図である。
【符号の説明】
12 アルミニウム材料
12a 板状部
14 リブ
14a 脚部
16 回転治具
18 ピン

Claims (3)

  1. アルミニウム材料の板状部の板面上に、該板面に沿って一方向に延びるアルミニウム製のリブを立設、配置せしめる一方、かかるリブの配置部位に対応する該板状部の裏面側部位に対して、ロッド状の回転治具の先端に同心的に設けたピンを、該回転治具と共に回転させつつ、前記リブに達するように差し込み、相対的に移動させることにより、それらリブと板状部とを摩擦攪拌接合せしめて、該板状部の板面上に該リブが立設して接合されてなる構造のリブ付きアルミニウム製品を製造するに際して、
    前記リブの前記板状部に接合せしめられる側の脚部を、該板状部の板面に対して30度〜80度の角度を為すように傾斜した末広がり形状に構成すると共に、該リブの末広がり形状の脚部の先端部の幅:L、該末広がり形状の脚部の先端部と前記ピンとの間の間隔:W、前記リブへのピン突入深さ:h、及び前記板状部の板厚:tが、次の関係式:
    0.1mm≦W≦2.0mm
    W≦0.25L
    0.1mm≦h≦2t
    を満足するようにして、前記摩擦攪拌接合を行なうことを特徴とするリブ付きアルミニウム製品の製造法。
  2. 前記アルミニウム材料及びアルミニウム製リブが、何れも、熱処理型合金または加工硬化材からなるものである請求項1記載の製造法
  3. 前記リブの末広がり形状の脚部に、前記ピンが突入せしめられて、該脚部内において前記摩擦攪拌接合が行なわれる一方、該リブが、前記ピンの直径よりも薄い厚さを有している請求項1または請求項2に記載の製造法。
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