JP2000094156A - 摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合装置 - Google Patents

摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合装置

Info

Publication number
JP2000094156A
JP2000094156A JP10263265A JP26326598A JP2000094156A JP 2000094156 A JP2000094156 A JP 2000094156A JP 10263265 A JP10263265 A JP 10263265A JP 26326598 A JP26326598 A JP 26326598A JP 2000094156 A JP2000094156 A JP 2000094156A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
joining
probe
friction stir
members
stir welding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10263265A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4008593B2 (ja
JP2000094156A5 (ja
Inventor
Mitsuo Hattori
光男 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Aluminum Can Corp
Original Assignee
Showa Aluminum Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Aluminum Corp filed Critical Showa Aluminum Corp
Priority to JP26326598A priority Critical patent/JP4008593B2/ja
Publication of JP2000094156A publication Critical patent/JP2000094156A/ja
Publication of JP2000094156A5 publication Critical patent/JP2000094156A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4008593B2 publication Critical patent/JP4008593B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K20/00Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating
    • B23K20/12Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding
    • B23K20/122Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding using a non-consumable tool, e.g. friction stir welding
    • B23K20/1245Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding using a non-consumable tool, e.g. friction stir welding characterised by the apparatus
    • B23K20/126Workpiece support, i.e. backing or clamping

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合不良を生じさせないで高速で接合するこ
とのできる摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合装置を提供
すること。 【解決手段】 突合せ状態に配置した2個のアルミニウ
ム材からなる接合部材1、2の突合せ部3に、仮付接合
用接合工具20の回転体21の周縁部21aのみを押し
付ける。そして、周縁部21aとの接触部を摩擦熱にて
軟化させ撹拌しながら、周縁部21aを押付け状態で突
合せ部3に沿って相対的に移動させることにより、接合
部材1、2を突合せ部3において仮付接合する。こうし
て仮付接合された接合部材1、2の突合せ部3に、本接
合用の接合工具10のプローブ12を回転させながら挿
入し、プローブとの接触部を摩擦熱にて軟化させ撹拌し
ながら、プローブ12を挿入状態で突合せ部3に沿って
相対的に移動させることにより、突合せ部3を接合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばアルミニ
ウム材(アルミニウム合金材を含む)等の金属材の接合
に用いられる摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】固相接合法の一つである摩擦撹拌接合法
として、次のような方法が提案されている。即ち、図4
に示すように、径大の円柱状回転子(61)の端部軸線
上に、周面にネジ山状の撹拌用凸部(図示せず)が形成
された径小のピン状プローブ(62)が突出して一体に
設けられた接合工具(60)を用い、前記回転子(6
1)を回転させつつ、突き合わされた2枚の平板状の接
合部材(51)(52)の突合せ部(53)に前記プロ
ーブ(62)を挿入する。このプローブ(62)の挿入
は、一般には、回転子(61)のプローブ側平坦面から
なる肩部(61a)が接合部材(51)(52)に当接
するまで行う。そして、プローブ挿入状態のまま、突合
せ部(53)に沿ってプローブ(62)を移動させる。
あるいは、図示していないが、突合せ部(53)がプロ
ーブ(62)を順次通過するように接合部材(51)
(52)を移動させても良い。
【0003】すると、プローブ(62)の回転により発
生する摩擦熱、あるいは更に回転子(61)の肩部(6
1a)と接合部材(51)(52)との摺動に伴い発生
する摩擦熱により、プローブ(62)との接触部分近傍
において接合部材(51)(52)は軟化し、かつこの
軟化部分がプローブ(62)の回転により撹拌されると
ともに、プローブ(62)の移動に伴って、あるいは接
合部材(51)(52)の移動に伴って、軟化撹拌部分
がプローブ(62)の通過溝を埋めるように塑性流動し
たのち摩擦熱を急速に失って冷却固化される。この現象
がプローブ(62)の移動に伴って、あるいは接合部材
(51)(52)の移動に伴って、順次繰り返されてい
き、最終的に接合部材(51)(52)が突合せ部(5
3)において接合されるものである。同図において、
(54)はこの摩擦撹拌接合によって形成された接合ビ
ード部で、突合せ部(53)に沿って形成されている。
【0004】このような摩擦撹拌接合法によれば、固相
接合であるため、接合部材である金属材の種類に限定を
受けないとか、接合時の熱歪みによる変形が少ない等の
利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この摩
擦撹拌接合法によれば、接合開始時や接合途中におい
て、プローブ(62)の挿入圧により接合部材(51)
(52)の突合せ部(53)が開いてしまう問題が生じ
る。このように突合せ部(53)が開いてしまうと、突
合せ部(53)に隙間が生じることとなるから、この隙
間の空気が摩擦撹拌接合時に軟化撹拌部分に巻き込まれ
てボイドを生じ、この部分において接合不良となってし
まう。
【0006】接合部材(51)(52)の突合せ部(5
3)を開かそうとする力は、プローブ(62)の移動速
度が速くなればなる程、大きくなるものであるため、プ
ローブ(62)の移動速度つまり接合速度を速くするに
は限界があり、従来では1000mm/min程度が接
合速度の限界速度であった。そのため、従来の摩擦撹拌
接合法は接合作業能率が悪いものであった。
【0007】この発明は、このような技術背景に鑑みて
なされたもので、接合不良を生じさせないで高速で接合
することのできる摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合装置
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係る摩擦撹拌接合法は、接合部材の接合
部に回転するプローブを挿入し、プローブとの接触部を
摩擦熱にて軟化させ撹拌しながら、プローブを挿入状態
で接合部に沿って相対的に移動させることにより、接合
部を接合する摩擦撹拌接合法において、前記接合部材
が、前記摩擦撹拌接合による接合前に接合部において仮
付接合されていることを特徴とする。
【0009】これによれば、接合部材が摩擦撹拌接合に
よる接合前に接合部において仮付接合されているから、
プローブの挿入圧を受けても、接合部は開かなくなり、
そのため接合不良を生じさせずにプローブを高速度で相
対的に移動させることができるようになって、接合作業
能率が向上する。
【0010】また、前記仮付接合は、接合部材の接合部
に回転する回転体の周縁部のみを押し付け、周縁部との
接触部を摩擦熱にて軟化させ撹拌しながら、周縁部を押
付け状態で接合部に沿って相対的に移動させることによ
り、接合部を接合する第2摩擦撹拌接合によって、行わ
れる場合には、仮付接合もまた摩擦撹拌接合で行うこと
ができ、そのため、接合部材である金属材の種類に限定
を受けることなく仮付接合を行うことができるようにな
るし、仮付接合時に生じる熱歪みによる変形も少なくす
ることができるようになる。その上、回転体の周縁部の
みを接合部に押し付けることにより、周縁部の接合部へ
の挿入深さが浅くなるので、仮付接合終端部に孔や凹部
等の接合痕が残らなくなる。また、周縁部の接合部への
挿入深さが浅いので、回転体の周縁部を高速度で相対的
に移動させることができるようになり、そのため仮付接
合作業もまた接合作業能率が向上することとなる。
【0011】また、前記回転体は、接合部材の接合部に
おいて、接合方向における前記プローブの前方側に配置
されるとともに、プローブとともに相対的に移動するも
のとなされている場合には、接合部材の接合部は、上記
第2摩擦撹拌接合により仮付接合されるとともに、その
直後に摩擦撹拌接合されることとなり得て、摩擦撹拌接
合と仮付接合とを同一の接合作業ラインで連続して行う
ことができるようになり、その結果、接合作業能率が飛
躍的に向上する。
【0012】また、この発明に係る摩擦撹拌接合装置
は、接合部材の接合部に回転するプローブを挿入し、プ
ローブとの接触部を摩擦熱にて軟化させ撹拌しながら、
プローブを挿入状態で接合部に沿って相対的に移動させ
ることにより、接合部を摩擦撹拌接合するものとなされ
た摩擦撹拌接合装置において、接合方向における前記プ
ローブの前方側に、周縁部のみが接合部材の接合部に押
し付けられる回転体を有するとともに、周縁部との接触
部を摩擦熱にて軟化させ撹拌しながら、周縁部を押付け
状態で接合部に沿って前記プローブとともに相対的に移
動させることにより、接合部を仮付接合する仮付接合用
接合工具が、配置されていることを特徴とする。
【0013】これによれば、接合部材の接合部は、仮付
接合用接合工具により仮付接合されるとともに、その直
後に摩擦撹拌接合されるものとなり、そのため摩擦撹拌
接合と仮付接合とを同一の接合作業ラインで連続して行
うことができるようになって、接合作業能率が飛躍的に
向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0015】図1及び図2は、この発明の第1実施形態
を示すものである。この第1実施形態は、2個の長尺な
板状接合部材(1)(2)の突合せ接合を行うことによ
って、床材、壁材、天井材、足場材等として用いられる
大型突合せ接合品を製作しようとするものである。
【0016】図1に示すように、これら接合部材(1)
(2)は、互いに同形・同寸で、帯状平板部(1a)
(2a)と、その片面側の幅方向中間部において長さ方
向に沿って垂設された脚片部としてのリブ部(1b)
(2b)とを有するアルミニウム押出形材からなる。そ
して、前記平板部(1a)(2a)の幅方向の一端面同
士が突き合わされた状態になっている。この突合せ状態
において、両接合部材(1)(2)の平板部(1a)
(2a)の表面は面一となっている。この実施形態は、
このように突合せ状態に配置した2個の接合部材(1)
(2)をその長さ方向の一方向側(矢印6の方向)に移
動させることにより、突合せ部(3)を摩擦撹拌接合す
る場合を示すものである。したがって、突合せ部(3)
が接合部材(1)(2)の接合部となる。
【0017】この実施形態の摩擦撹拌接合装置を説明す
ると次の通りである。
【0018】(10)は、接合部材(1)(2)の突合
せ部(3)を摩擦撹拌接合するための接合工具である。
この接合工具(10)は、径大の円柱状回転子(11)
と、該回転子(11)の端面軸線(P)上に一体に突設
された径小のピン状プローブ(12)とを有し、前記回
転子(11)を回転させることによりプローブ(12)
もこれと一体回転するものとなされている。また、前記
回転子(11)及びプローブ(12)は、両接合部材
(1)(2)よりも硬質でかつ接合時に発生する摩擦熱
に耐えうる耐熱材料によって形成されている。また、前
記プローブ(12)の周面には、ネジ山状の撹拌用凸部
(図示せず)が設けられている。なお、(11a)は前
記回転子(11)のプローブ側平坦面からなる肩部であ
る。
【0019】(31)は、前記接合工具(10)に対応
する円柱状の第1受けローラである。この第1受けロー
ラ(31)は、その周面を前記接合工具(10)のプロ
ーブ(12)に対向させて配置されるものである。さら
に、この受けローラ(31)は、回転駆動されるもので
あって、図示しない駆動装置を備え、両接合部材(1)
(2)を矢印(6)の方向に移動させる駆動ローラ(駆
動装置)としても機能するものとなされている。
【0020】(20)は、接合部材(1)(2)の突合
せ部(3)を仮付接合するための仮付接合用接合工具で
ある。この仮付用接合工具(20)は、円柱状の回転体
(21)と、図示しない回転駆動装置とを有しており、
回転駆動装置を作動させることにより、前記回転体(2
1)がその軸線(Q)を中心に回転するものとなされて
いる。
【0021】前記回転体(21)の軸線方向の端面に
は、図2(b)に示すように、周縁部から中央部に向か
って徐々に凹んだ皿状の凹部(21b)が形成されてい
る。したがって、この回転体(21)の端面を接合部材
(1)(2)の突合せ部(3)に押し付けると、この端
面における中央部が接合部材(1)(2)の突合せ部
(3)に当接しないで、周縁部(11a)のみが接合部
材(1)(2)の突合せ部(3)に当接するものとな
り、このため、この回転体(21)は、その端面におけ
る周縁部(21a)のみを確実に接合部材(1)(2)
の突合せ部(3)に当接させることができるようになっ
ている。また、この回転体(21)は、接合部材(1)
(2)よりも硬質でかつ接合時に発生する摩擦熱に耐え
うる耐熱材料によって形成されている。
【0022】(32)は、前記仮付接合用接合工具(2
0)に対応する円柱状の第2受けローラである。この第
2受けローラ(32)は、その周面を前記仮付接合用接
合工具(20)の回転体(21)に対向させて配置され
るものである。さらに、この第2受けローラ(32)
は、前記第1受けローラ(31)と同形・同寸で、第1
受けローラ(31)と同じく回転駆動されるものであっ
て、図示しない駆動装置を備え、両接合部材(1)
(2)を矢印(6)の方向に移動させる駆動ローラ(駆
動装置)としても機能するものとなされている。また、
この第2受けローラ(32)の周速度は、前記第1受け
ローラ(31)の周速度と同じになるように設定されて
いる。
【0023】これら接合工具(10)と第1受けローラ
(31)、並びに仮付接合用接合工具(20)と第2受
けローラ(32)は、次のように配置されている。
【0024】すなわち、接合工具(10)は、両接合部
材(1)(2)の上方に、そのプローブ(12)を下方
に向ける態様にして配置されている。そして、両接合部
材(1)(2)の突合せ部(3)に上面からプローブ
(12)を突合せ部(3)の厚さ方向の略全部にわたっ
て挿入した状態になっている。
【0025】前記第1受けローラ(31)は、両接合部
材(1)(2)の下方に、突合せ部(3)を跨いで両接
合部材(1)(2)の長さ方向に直交する態様に、その
周面をプローブ(12)に対向させて配置されている。
そして、両接合部材(1)(2)の下面をその周面に当
接支持させた状態になっている。
【0026】前記仮付接合用接合工具(20)は、両接
合部材(1)(2)の突合せ部(3)において前記プロ
ーブ(12)による摩擦撹拌接合が進行する方向(矢印
6とは反対方向)の前方側の近傍に、その回転体(2
1)の端面を下方に向ける態様にして配置されている。
そして、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に上
面から回転体(21)の周縁部(21a)の一部を押し
付け、これにより該回転体(21)の周縁部(21a)
の一部を突合せ部(3)の表層部に挿入した状態になっ
ている。
【0027】前記第2受けローラ(32)は、両接合部
材(1)(2)の下方に、突合せ部(3)を跨いで両接
合部材(1)(2)の長さ方向に直交する態様に、その
周面を回転体(21)に対向させて配置されている。そ
して、前記第1受けローラ(31)と同じく、両接合部
材(1)(2)の下面をその周面に当接支持させた状態
になっている。
【0028】このように接合工具(10)と第1受けロ
ーラ(31)、並びに仮付接合用接合工具(20)と第
2受けローラ(32)とが配置されることによって、両
接合部材(1)(2)は、プローブ(12)と第1受け
ローラ(31)との間と、回転体(21)の端面周縁部
(21a)と第2受けローラ(32)との間とに介在さ
れて、突合せ部(3)に上面からプローブ(12)が挿
入されるとともに、下面が第1受けローラ(31)の周
面の当接支持された態様となされ、かつ突合せ部(3)
に上面から回転体(21)の周縁部(21a)が押し付
けられるとともに、下面が第2受けローラ(32)の周
面に当接支持された態様となされる。そして、これら両
接合部材(1)(2)は、この状態が保持されつつ、第
1受けローラ(31)及び第2受けローラ(32)の駆
動力によって、突合せ部(3)が順次回転体(21)の
周縁部(21a)及びプローブ(12)を通過するよう
に移動させられるものとなる。
【0029】さらに、接合工具(10)は、図2に示す
ように、接合部材(1)(2)の移動方向(6)側に僅
かに傾けられており、これにより、回転子(11)の肩
部(11a)における接合部材の移動方向側の部分が、
接合部材(1)(2)の突合せ部(3)の上面に接触し
た状態となる一方、回転子(11)の肩部(11a)に
おける両接合部材の移動方向反対側の部分が、両接合部
材(1)(2)の突合せ部(3)の上面から浮上した状
態となるものとなされている。
【0030】このように接合工具(10)を配置するこ
とにより、次のような作用を奏するものとなる。すなわ
ち、回転子(11)の肩部(11a)における接合部材
の移動方向側の部分が、接合部材(1)(2)の突合せ
部(3)の上面に接触した状態となることにより、接合
時に軟化部分の素材の飛散を防止し、さらに加圧して均
一な接合状態を実現し得るとともに、両接合部材(1)
(2)の突合せ部(3)と肩部(11a)との摺動によ
る摩擦熱を生ぜじめて、プローブ(12)との接触部あ
るいはその近傍の軟化を促進し、さらに両接合部材
(1)(2)の突合せ部(3)の上面の凹凸形成が防止
されて、接合ビード部(5)の上面が平坦になり得る。
一方、回転子(11)の肩部(11a)における両接合
部材の移動方向反対側の部分が、両接合部材(1)
(2)の突合せ部(3)の上面から僅かに浮上した状態
となることにより、両接合部材(1)(2)の移動の際
に、肩部(11a)における両接合部材(1)(2)の
移動方向反対側の部分のコーナー部が、両接合部材
(1)(2)の突合せ部(3)の上面に存在することの
ある微細な凹凸(図示せず)に引っ掛かってしまうこと
を防止し得て、プローブ(12)が両接合部材(1)
(2)の突合せ部(3)をスムーズに通過するように両
接合部材(1)(2)を移動させることができるように
なる。
【0031】同じく、前記仮付接合用接合工具(20)
は、接合部材(1)(2)の移動方向(6)側に僅かに
傾けられており、これにより、回転体(21)の周縁部
(21a)における接合部材の移動方向側の部分が、接
合部材(1)(2)の突合せ部(3)の上面に圧接した
状態となる一方、回転体(21)の周縁部(21a)に
おける接合部材の移動方向反対側の部分が、接合部材
(1)(2)の突合せ部(3)の上面から浮上した状態
となるものとなされている。こうすることにより、上記
接合工具(10)のときと同様に、接合部材(1)
(2)の移動の際に、回転体(21)の周縁部(21
a)における接合部材の移動方向反対側の部分のコーナ
ー部が、接合部材(1)(2)の突合せ部(3)の上面
に存在するこのある微細な凹凸に引っ掛かってしまうこ
とを防止し得て、回転体(21)の周縁部(21a)が
接合部材(1)(2)の突合せ部(3)をスムーズに通
過するように接合部材(1)(2)を移動させることが
できるようになる。
【0032】また、回転体(21)の周縁部(21a)
の突合せ部(3)への挿入深さ(x)が1mm以下にな
るように、回転体(21)の周縁部(21a)を突合せ
部(3)に押し付けることが、望ましい。なぜならば、
かかる挿入深さ(x)が1mmを越えると、周縁部(2
1a)の挿入圧が大きくなって、これにより生じる接合
部材(1)(2)の突合せ部(3)の開きも大きくなる
ことから、接合部材(1)(2)の移動速度、つまり接
合速度を小さくしなければならなくなって、仮付接合の
作業能率が低下し、その結果、接合作業全体の作業能率
が低下する虞があるからであり、また仮付接合終端部に
接合痕が生じ易くなる、つまり仮付接合終端部に回転体
(21)の周縁部(21a)に対応する凹部が生じ易く
なるからである。特に前記挿入深さ(x)は、0.1m
m以上、0.6mm以下が好ましい。
【0033】そして、前記接合工具(10)は、図示し
ない昇降装置に取り付けられて接合部材(1)(2)の
突合せ部(3)に対しプローブ(12)を挿入・引抜き
方向に移動させ得るものとなされており、この昇降装置
を操作することによりプローブ(12)の先端から第1
受けローラ(31)の周面までの距離を微調節したり、
プローブ(12)の挿入・引抜き操作を行ったりするこ
とができるようになっている。また、同じく仮付接合用
接合工具(20)は、図示しない昇降装置に取り付けら
れて接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に対し周縁
部(21a)を押付け・引離し方向に移動させ得るもの
となされており、この昇降装置を操作することにより回
転体(21)の周縁部(21a)を接合部材(1)
(2)の突合せ部(3)に押し付けたり引き離したりす
ることができるようになっている。
【0034】また、図1に示すように、両接合部材
(1)(2)の移動方向(6)の両側におけるプローブ
(12)及び回転体(21)の前後には、両接合部材
(1)(2)を突合せ方向に加圧する、図示しない加圧
機構を備えた回転自在な各一対の案内ローラ(33)
(33)(34)(34)が、その周面を両接合部材
(1)(2)のリブ部(1b)(2b)の外側面に圧接
させる態様にして配置されている。これら前後の案内ロ
ーラ(33)(33)(34)(34)によって、両接
合部材(1)(2)は、その突合せ部(3)が回転体
(21)の周縁部(21a)及びプローブ(12)を通
過する位置に配置されるとともに、突合せ方向の加圧さ
れるものとなる。また、これら案内ローラ(33)(3
3)(34)(34)は、回転自在であることから、両
接合部材(1)(2)の移動に伴って、その周面をリブ
部(1b)(2b)の外側面に圧接させながら回転する
ものとなされている。
【0035】次に、上記摩擦撹拌接合装置を用いて摩擦
撹拌接合を行う場合について説明する。
【0036】まず、プローブ(12)及び回転体(2
1)を第1及び第2受けローラ(31)(32)の上方
離間位置に待機させた状態で、突合せ状態に配置した両
接合部材(1)(2)の長さ方向の一端部を、後側の案
内ローラ(34)(34)間に通し、第2受けローラ
(32)まで移動させる。このとき、両接合部材(1)
(2)は、案内ローラ(34)(34)により突合せ方
向に加圧されている。
【0037】そして、仮付接合用接合工具(20)の回
転体(21)を回転させながら下降させる。すると、回
転体(21)は僅かに傾斜していることから、その周縁
部(21a)における接合部材の移動方向側の部分が、
両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)の上面に接触
し、該接触部は摩擦熱によって軟化するため、更に回転
体(21)を下降させ、周縁部(21a)の突合せ部
(3)への挿入深さ(x)が1mm以下になるように回
転体(21)の周縁部(21a)を両接合部材(1)
(2)の突合せ部(3)の上面に押し付ける。次いで回
転体(21)の下降を停止して回転体(21)の位置を
固定する。
【0038】こうして、両接合部材(1)(2)を、回
転体(21)の周縁部(21a)と第2受けローラ(3
2)との間に介在させて、回転体(21)の周縁部(2
1a)の一部で突合せ部(3)が上面から押し付けられ
るとともに、下面が第2受けローラ(32)の周面に当
接支持された態様となす。なお、回転体(21)を予め
下降させておき、回転体(21)の周縁部(21a)と
第2受けローラ(32)との間に両接合部材(1)
(2)を強制的に通すことにより、このような状態にな
るようにしても良い。
【0039】次に、第2受けローラ(32)を駆動させ
る。突合せ部(3)が上面から回転体(21)の周縁部
(21a)の一部で押し付けられた両接合部材(1)
(2)は、第2受けローラ(32)から駆動力が付与さ
れ、この第2受けローラ(32)の駆動力によって、下
面が第2受けローラ(32)の周面に当接支持されると
ともに、突合せ部(3)が上面から回転体(21)の周
縁部(21a)の一部で押し付けられた状態で、突合せ
部(3)が順次、回転体(21)の周縁部(21a)を
通過するように移動しながら、プローブ(12)と第1
受けローラ(31)との間に通されていく。
【0040】こうして、回転体(21)の周縁部(21
a)の一部で突合せ部(3)を押し付けた状態で、両接
合部材(1)(2)を移動させることによって、回転体
(21)の周縁部(21a)の回転と両接合部材(1)
(2)との摺動に伴い発生する摩擦熱により、回転体
(21)の周縁部(21a)との接触部分において両接
合部材(1)(2)は軟化し、かつこの軟化部分が少し
だけ撹拌されるとともに、両接合部材(1)(2)の移
動に伴って、軟化撹拌部分が周縁部(21a)の通過溝
を埋めるように塑性流動したのち、摩擦熱を急速に失っ
て冷却固化される。この現象が両接合部材(1)(2)
の移動に伴って順次繰り返されていき、突合せ部(3)
の表層部において両接合部材(1)(2)は一体化され
順次接合されていく。(4)はこの摩擦撹拌接合(第2
摩擦撹拌接合)によって形成された接合ビード部で、突
合せ部(3)の表層部に、該突合せ部(3)に沿って形
成されている。
【0041】この回転体(21)の周縁部(21a)に
よる両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)の表層部
の接合が、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に
おける仮付接合となり、この仮付接合による接合固着力
と案内ローラ(34)(34)による加圧力とによっ
て、両接合部材(1)(2)の突合せ状態は堅く保持さ
れて突合せ部(3)が不本意に開かないものとなる。
【0042】そして、両接合部材(1)(2)の突合せ
部(3)における仮付接合部分が、第1受けローラ(3
1)の周面に到達したとき、両接合部材(1)(2)の
移動を一旦停止する。そして、接合工具(10)のプロ
ーブ(12)を回転させながら下降させる。回転するプ
ローブ(12)の先端が両接合部材(1)(2)の突合
せ部(3)の上面に接触すると、該接触部は摩擦熱によ
って軟化するため、更にプローブ(12)を下降させて
突合せ部(3)に挿入する。このプローブ(12)の突
合せ部(3)への挿入に際し、両接合部材(1)(2)
は仮付接合されているので、プローブ(12)の挿入圧
により突合せ部(3)が開いてしまうことはない。そし
て、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)における
厚さ方向の略全部にわたってプローブ(12)が挿入さ
れたとき、プローブ(12)の下降を停止し、該プロー
ブ(12)の位置を固定する。
【0043】こうして、両接合部材(1)(2)を、回
転体(21)の周縁部(21a)と第2受けローラ(3
2)との間と、プローブ(12)と第1受けローラ(3
1)との間とに介在させて、回転体(21)の周縁部
(21a)の一部で突合せ部(3)が上面から押し付け
られるとともに、下面が第2受けローラ(32)の周面
に当接支持された態様となし、かつプローブ(12)が
突合せ部(3)にその上面から挿入されるとともに、下
面が第1受けローラ(31)の周面に当接支持された態
様となす。なお、プローブ(12)を予め下降させてお
き、プローブ(12)と第1受けローラ(31)との間
に両接合部材(1)(2)を強制的に通すことにより、
このような状態になるようにしても良い。
【0044】次に、第1及び第2受けローラ(31)
(32)を再駆動させる。突合せ部(3)が上面から回
転体(21)の周縁部(21a)の一部で押し付けられ
るとともに、突合せ部(3)に上面からプローブ(1
2)が挿入された両接合部材(1)(2)は、第2受け
ローラ(31)から駆動力が更に付与され、第1受けロ
ーラ(32)及び第2受けローラ(31)の駆動力によ
って、下面が第2受けローラ(32)の周面に当接支持
されるとともに、突合せ部(3)が上面から回転体(2
1)の周縁部(21a)の一部で押し付けられた状態
で、かつ下面が第1受けローラ(31)の周面に当接支
持されるとともに、突合せ部(3)に上面からプローブ
(12)が挿入された状態で、突合せ部(3)が順次、
回転体(21)の周縁部(21a)及びプローブ(1
2)を通過するように移動しながら、前側の案内ローラ
(33)(33)間に通されていく。そして、両接合部
材(1)(2)は、リブ(1b)(2b)の外側面が前
側の案内ローラ(33)(33)の周面で圧接されて、
突合せ方向に更に加圧された状態となる。また、接合工
具(10)は僅かに傾斜していることから、回転子(1
1)の肩部(11a)における両接合部材の移動方向側
の部分が、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)の
上面に接触した状態となるとともに、回転子(11)の
肩部(11a)における両接合部材の移動方向反対側の
部分が、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)の上
面から僅かに浮上した状態となる。
【0045】こうして、突合せ部(3)が順次、回転体
(21)の周縁部(21a)及びプローブ(12)を通
過するように両接合部材(1)(2)が移動することに
よって、プローブ(12)との接触部が摩擦熱にて順次
軟化撹拌されて両接合部材(1)(2)は突合せ部
(3)の厚さ方向の全部において接合一体化される。
【0046】すなわち、プローブ(12)の回転により
発生する摩擦熱、あるいは更に回転子(11)の肩部
(11a)の回転と接合部材(1)(2)の上面との摺
動に伴い発生する摩擦熱により、プローブ(12)との
接触部において、仮付接合された両接合部材(1)
(2)は軟化し、かつ軟化部分がプローブ(12)の回
転により撹拌されるとともに、両接合部材(1)(2)
の移動に伴って、軟化撹拌部分がプローブ(12)の通
過溝を埋めるように塑性流動したのち、摩擦熱を急速に
失って冷却固化される。この現象が両接合部材(1)
(2)の移動に伴って順次繰り返されていき、最終的に
両接合部材(1)(2)が突合せ部(3)の厚さ方向の
全部において接合一体化される。その結果、両接合部材
(1)(2)は強固に接合された突合せ接合品となる。
【0047】この摩擦撹拌接合法及び装置によれば、回
転体(21)の周縁部(21a)から第2受けローラ
(32)の周縁部までの距離は、第2受けローラ(3
2)が回転しても一定であり、またプローブ(12)の
先端から第1受けローラ(31)の周面までの距離は、
第1受けローラ(31)が回転しても一定であることか
ら、両接合部材(1)(2)は、回転体(21)の周縁
部(21a)と突合せ部(3)の下面との距離が常に一
定値を採るように、かつプローブ(12)の先端と突合
せ部(3)の下面との距離が常に一定値を採るように移
動するものとなる。したがって、接合部材(1)(2)
の突合せ部(3)には均質な接合ビード部(4)(5)
が形成されることとなり、従って高品位の突合せ接合品
を得ることができる。
【0048】また、両接合部材(1)(2)の突合せ部
(3)を摩擦撹拌接合するに際し、両接合部材(1)
(2)は、突合せ部(3)において仮付接合されている
ので、プローブ(12)の挿入圧に対して突合せ部
(3)が開き難くなっている。したがって、両接合部材
(1)(2)を高速で移動させることができる。さら
に、仮付接合は、回転体(21)の周縁部(21a)の
みを突合せ部(3)に押し付けることにより行われたも
のであることから、回転体(21)の周縁部(21a)
の突合せ部(3)への挿入深さは浅くなっている。した
がって、回転体(21)の周縁部(21)の挿入圧に伴
う突合せ部(3)の開きは殆ど生じず、そのため両接合
部材(1)(2)を高速で移動させることができる。つ
まり、仮付接合もまた高速で行うことができるようにな
っている。したがって、この摩擦撹拌接合法及び装置
は、高速で両接合部材(1)(2)を移動させることが
でき、つまり高速で接合することができるといった接合
作業能率が高いものとなっている。
【0049】実際に上記摩擦撹拌接合法及び装置によ
り、上記第1実施形態と同じ構造を有する接合部材
(1)(2)を突合せ部(3)において接合した場合に
ついて具体的に示すと、アルミニウム合金材A6063
−T6からなる接合部材(寸法:平板部の厚さ4mm×
幅200mm×長さ4000mm)を突合せ部(3)に
おいて接合する場合には、接合不良を生じさせることな
く摩擦撹拌接合することのできる接合部材の移動速度の
限界速度は、従来では1000mm/minであったの
に対し、この実施形態では2000mm/minであっ
た。したがって、この実施形態によると、従来の2倍の
接合速度で摩擦撹拌接合することができ、接合作業能率
を格段に向上させることができることが分かった。
【0050】さらに、この摩擦撹拌接合法及び装置は、
上述したように接合部材(1)(23)の突合せ部
(3)の開きが生じ難くなっていることから、両接合部
材(1)(2)を突合せ状態に拘束するための前記案内
ローラ(33)(33)(34)(34)等の拘束治具
を必ずしも用いる必要がなくなり、又は極めて簡素な構
造の拘束治具で両接合部材(1)(2)を拘束すること
ができるようになるし、また接合部材(1)(2)への
拘束力も小さくて済むから、設備投資費が安上がりに付
くという利点を有する。
【0051】さらにこの利点は、上記実施形態のように
接合部材(1)(2)のリブ部(1b)(2b)が薄肉
である場合や、平板部(1a)(2a)が薄肉である場
合に、特に有益である。すなわち、リブ部(1b)(2
b)や平板部(1a)(2a)が薄肉である場合には、
案内ローラ(33)(33)(34)(34)によりリ
ブ部(1b)(2b)や平板部(1a)(2a)を突合
せ方向に加圧して両接合部材(1)(2)を拘束する
と、リブ部(1b)(2b)や平板部(1a)(2a)
が屈曲してしまうことがある。これに対して、この摩擦
撹拌接合法及び装置によれば、上述したように接合部材
(1)(2)の突合せ部(3)の開きが生じ難くなって
いることから、案内ローラ(33)(33)(34)
(34)等の拘束治具による拘束力は僅かで済み、その
ため接合部材が拘束力により屈曲することが殆どない。
つまり、この摩擦撹拌接合法及び装置は、突合せ方向に
加圧したり拘束したりすることが困難な肉厚や形状を有
する接合部材であっても、これをしっかりと接合するこ
とができるという利点も有する。
【0052】さらに、この摩擦撹拌接合法は、次のよう
な利点を有する。
【0053】すなわち、図3(a)に示すように、例え
ば幅方向に大きく屈曲している2個の長尺な平板状接合
部材(1’)(2’)を、幅方向の端面同士を突き合わ
せて該突合せ部(3)において摩擦撹拌接合する場合に
あっては、接合部材(1’)(2’)の突合せ部(3)
には大きな隙間(7)が形成されることとなるから、摩
擦撹拌接合するときには、接合部材(1’)(2’)を
突合せ方向に加圧し、接合部材(1’)(2’)の幅方
向の端面同士を閉じ合わせ状態に保持しなければならな
い。しかしながら、このように突合せ部(3)の隙間
(7)が大きい場合には、接合部材(1’)(2’)を
閉じ合わせ状態に保持することはかなり困難である上、
接合部材(1’)(2’)にはプローブ(12)の挿入
圧といった大きな負荷が加わることから、いきなり接合
部材(1’)(2’)の突合せ部(3)を摩擦撹拌接合
すると、接合途中で、接合部材(1’)(2’)の突合
せ部(3)が不本意に開いたり突き合わされた端面がず
れたりし易い。
【0054】そこで、同図(b)に示すように、接合部
材(1’)(2’)を加圧ローラ(40)(40)によ
って突合せ方向に加圧し、接合部材(1’)(2’)を
閉じ合わせ状態に保持しておいて、まず接合部材
(1’)(2’)の仮付接合を行う。仮付接合時には、
接合部材(1’)(2’)に大きな負荷が加わらないか
ら、接合部材(1’)(2’)の突合せ部(3)が仮付
接合時に不本意に開いたり突き合わされた端面がずれた
りすることはなく、端面同士をぴったりと突き合わせた
状態で接合することができる。その後、仮付接合された
接合部材(1’)(2’)を突合せ部(3)において摩
擦撹拌接合する。こうすることにより、端面同士がぴっ
たりと突き合わされている高品位な突合せ接合品を得る
ことができる。つまり、この発明に係る摩擦撹拌接合法
は、突合せ部(3)等の接合部に大きな隙間(7)が存
在している接合部材(1’)(2’)であっても、高品
位な接合品を得ることができるという利点を有する。な
お、同図では、仮付接合は上記第1実施形態で示した仮
付接合用接合工具(20)により行われ、接合部材
(1’)(2’)の突合せ部(3)に回転体(21)の
周縁部(21a)の一部のみを押し付け、周縁部(21
a)を押付け状態で突合せ部(3)に沿って移動させる
ことにより、突合せ部(3)を仮付接合する場合を示し
ている。また、加圧ローラ(40)(40)は仮付接合
用接合工具(20)の回転体(21)とともに移動する
ようになっている。
【0055】以上、この発明の実施形態を説明したが、
この発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0056】例えば、仮付接合は、MIG、TIG等の
溶融接合により行っても良い。もとより、この発明は、
接合部材を突合せ接合する場合に限定されず、例えば重
ね接合する場合に適用しても良い。
【0057】
【発明の効果】上述の次第で、この発明に係る摩擦撹拌
接合法は、接合部材の接合部に回転するプローブを挿入
し、プローブとの接触部を摩擦熱にて軟化させ撹拌しな
がら、プローブを挿入状態で接合部に沿って相対的に移
動させることにより、接合部を接合する摩擦撹拌接合法
において、前記接合部材が、前記摩擦撹拌接合による接
合前に接合部において仮付接合されているものであるこ
とから、プローブの挿入圧を受けても接合部は開かなく
なり、このため接合不良を生じさせずにプローブを高速
度で相対的に移動させることができるようになって、接
合作業能率が向上するという効果を奏する。
【0058】また、仮付接合が、接合部材の接合部に回
転する回転体の周縁部のみを押し付け、周縁部との接触
部を摩擦熱にて軟化させ撹拌しながら、周縁部を押付け
状態で接合部に沿って相対的に移動させることにより、
接合部を接合する第2摩擦撹拌接合によって、行われる
場合には、仮付接合もまた摩擦撹拌接合で行うことがで
き、そのため、接合部材である金属材の種類に限定を受
けることなく仮付接合を行うことができるようになる
し、仮付接合時に生じる熱歪みによる変形も少なくする
ことができるようになる。その上、回転体の周縁部のみ
を接合部に押し付けることにより、周縁部の接合部への
挿入深さが浅くなるので、仮付接合終端部に孔や凹部等
の接合痕が残らなくなる。また、周縁部の接合部への挿
入深さが浅いので、回転体の周縁部を高速度で相対的に
移動させることができるようになり、そのため仮付接合
作業もまた接合作業能率が向上するという効果を奏す
る。
【0059】さらに、回転体が、接合部材の接合部にお
いて、接合方向における前記プローブの前方側に配置さ
れるとともに、プローブとともに相対的に移動するもの
となされている場合には、接合部材の接合部は、上記第
2摩擦撹拌接合により仮付接合されるとともに、その直
後に摩擦撹拌接合されることとなり得て、摩擦撹拌接合
と仮付接合とを同一の接合作業ラインで連続して行うこ
とができるようになり、その結果、接合作業能率が飛躍
的に向上するという効果を奏する。
【0060】また、この発明に係る摩擦撹拌接合装置
は、接合部材の接合部に回転するプローブを挿入し、プ
ローブとの接触部を摩擦熱にて軟化させ撹拌しながら、
プローブを挿入状態で接合部に沿って相対的に移動させ
ることにより、接合部を摩擦撹拌接合するものとなされ
た摩擦撹拌接合装置において、接合方向における前記プ
ローブの前方側に、周縁部のみが接合部材の接合部に押
し付けられる回転体を有するとともに、周縁部との接触
部を摩擦熱にて軟化させ撹拌しながら、周縁部を押付け
状態で接合部に沿って前記プローブとともに相対的に移
動させることにより、接合部を仮付接合する仮付接合用
接合工具が、配置されていることから、接合部材の接合
部は、仮付接合用接合工具により仮付接合されるととも
に、その直後に摩擦撹拌接合されるものとなり、そのた
め摩擦撹拌接合と仮付接合とを同一の接合作業ラインで
連続して行うことができるようになって、接合作業能率
が飛躍的に向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1中のII−II線断面図であって、(a)は全
体の断面図、(b)は仮付接合用接合工具を中心に示し
た要部断面図ある。
【図3】この発明の第2実施形態を示す斜視図である。
【図4】従来の摩擦撹拌接合を説明するための斜視図で
ある。
【符号の説明】
1、2…接合部材 3…突合せ部(接合部) 4、5…接合ビード部 10…接合工具 11…回転子 12…プローブ 20…仮付接合用接合工具 21…回転体 21a…周縁部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接合部材(1)(2)の接合部(3)に
    回転するプローブ(12)を挿入し、プローブとの接触部
    を摩擦熱にて軟化させ撹拌しながら、プローブ(12)を
    挿入状態で接合部(3)に沿って相対的に移動させるこ
    とにより、接合部(3)を接合する摩擦撹拌接合法にお
    いて、 前記接合部材(1)(2)が、前記摩擦撹拌接合による
    接合前に接合部(3)において仮付接合されていること
    を特徴とする摩擦撹拌接合法。
  2. 【請求項2】 前記仮付接合は、接合部材(1)(2)
    の接合部(3)に回転する回転体(21)の周縁部(21a
    )のみを押し付け、周縁部との接触部を摩擦熱にて軟
    化させ撹拌しながら、周縁部(21a )を押付け状態で接
    合部(3)に沿って相対的に移動させることにより、接
    合部(3)を接合する第2摩擦撹拌接合によって、行わ
    れる請求項1記載の摩擦撹拌接合法。
  3. 【請求項3】 前記回転体(21)は、接合部材(1)
    (2)の接合部(3)において、接合方向における前記
    プローブ(12)の前方側に配置されるとともに、プロー
    ブ(12)とともに相対的に移動するものとなされている
    請求項2記載の摩擦撹拌接合法。
  4. 【請求項4】 接合部材(1)(2)の接合部(3)に
    回転するプローブ(12)を挿入し、プローブとの接触部
    を摩擦熱にて軟化させ撹拌しながら、プローブ(12)を
    挿入状態で接合部(3)に沿って相対的に移動させるこ
    とにより、接合部(12)を摩擦撹拌接合するものとなさ
    れた摩擦撹拌接合装置において、 接合方向における前記プローブ(12)の前方側に、周縁
    部(21a )のみが接合部材(1)(2)の接合部(3)
    に押し付けられる回転体(21)を有するとともに、周縁
    部との接触部を摩擦熱にて軟化させ撹拌しながら、周縁
    部(21a )を押付け状態で接合部(3)に沿って前記プ
    ローブ(12)とともに相対的に移動させることにより、
    接合部(3)を仮付接合する仮付接合用接合工具(20)
    が、配置されていることを特徴とする摩擦撹拌接合装
    置。
JP26326598A 1998-09-17 1998-09-17 摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合装置 Expired - Fee Related JP4008593B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26326598A JP4008593B2 (ja) 1998-09-17 1998-09-17 摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26326598A JP4008593B2 (ja) 1998-09-17 1998-09-17 摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2000094156A true JP2000094156A (ja) 2000-04-04
JP2000094156A5 JP2000094156A5 (ja) 2005-10-27
JP4008593B2 JP4008593B2 (ja) 2007-11-14

Family

ID=17387067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26326598A Expired - Fee Related JP4008593B2 (ja) 1998-09-17 1998-09-17 摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4008593B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003106098A1 (en) * 2001-10-04 2003-12-24 Smith International, Inc. Method and apparatus for friction stir welding
EP1688206A1 (en) * 2005-02-01 2006-08-09 Hitachi, Ltd. Friction stir welding method with prior welding of a buildup bead by using a buildup member
JP2008087037A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Nippon Light Metal Co Ltd 接合方法
US7480992B2 (en) 2000-12-22 2009-01-27 Hitachi, Ltd. Cooling plate and manufacturing method thereof, and sputtering target and manufacturing method thereof
US7597237B2 (en) 2005-04-22 2009-10-06 Regents Of The University Of Michigan Rotatable multi-pin apparatus, and process for friction driven stitch welding and structural modification of materials
WO2011118299A1 (ja) * 2010-03-24 2011-09-29 公立大学法人大阪府立大学 摩擦加工用ツール、これを用いた摩擦加工装置及び摩擦加工方法
JP2015112622A (ja) * 2013-12-11 2015-06-22 株式会社日立製作所 両面摩擦撹拌接合方法及び両面摩擦撹拌接合装置
CN109570737A (zh) * 2019-01-16 2019-04-05 苏州市哈工万洲自动化有限公司 一种长焊缝搅拌摩擦焊设备及搅拌摩擦焊接方法
CN115091023A (zh) * 2022-07-14 2022-09-23 哈尔滨工业大学 一种连续焊接的两步式无匙孔搅拌摩擦点焊装置及方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10175089A (ja) * 1996-12-18 1998-06-30 Hitachi Ltd 溶接方法および溶接装置
JPH10193139A (ja) * 1997-01-17 1998-07-28 Showa Alum Corp 摩擦撹拌接合法
JPH11179568A (ja) * 1997-12-24 1999-07-06 Nippon Light Metal Co Ltd 摩擦攪拌接合方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10175089A (ja) * 1996-12-18 1998-06-30 Hitachi Ltd 溶接方法および溶接装置
JPH10193139A (ja) * 1997-01-17 1998-07-28 Showa Alum Corp 摩擦撹拌接合法
JPH11179568A (ja) * 1997-12-24 1999-07-06 Nippon Light Metal Co Ltd 摩擦攪拌接合方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7480992B2 (en) 2000-12-22 2009-01-27 Hitachi, Ltd. Cooling plate and manufacturing method thereof, and sputtering target and manufacturing method thereof
WO2003106098A1 (en) * 2001-10-04 2003-12-24 Smith International, Inc. Method and apparatus for friction stir welding
EP1688206A1 (en) * 2005-02-01 2006-08-09 Hitachi, Ltd. Friction stir welding method with prior welding of a buildup bead by using a buildup member
US7597237B2 (en) 2005-04-22 2009-10-06 Regents Of The University Of Michigan Rotatable multi-pin apparatus, and process for friction driven stitch welding and structural modification of materials
JP2008087037A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Nippon Light Metal Co Ltd 接合方法
WO2011118299A1 (ja) * 2010-03-24 2011-09-29 公立大学法人大阪府立大学 摩擦加工用ツール、これを用いた摩擦加工装置及び摩擦加工方法
JP2015112622A (ja) * 2013-12-11 2015-06-22 株式会社日立製作所 両面摩擦撹拌接合方法及び両面摩擦撹拌接合装置
CN109570737A (zh) * 2019-01-16 2019-04-05 苏州市哈工万洲自动化有限公司 一种长焊缝搅拌摩擦焊设备及搅拌摩擦焊接方法
CN115091023A (zh) * 2022-07-14 2022-09-23 哈尔滨工业大学 一种连续焊接的两步式无匙孔搅拌摩擦点焊装置及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4008593B2 (ja) 2007-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3598204B2 (ja) 摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合装置
JPH11320127A (ja) 摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合装置
JP5183917B2 (ja) 堆積摩擦攪拌溶接方法およびアセンブリ
EP1808258B1 (en) Friction stir welding method, and method for manufacturing car body
JP3488594B2 (ja) 摩擦スター溶接する方法
EP1688206B1 (en) Friction stir welding method with prior welding of a buildup bead by using a buildup member
JP4467723B2 (ja) 摩擦撹拌接合法
JP5521241B2 (ja) 摩擦攪拌接合システムおよび摩擦攪拌接合方法
JP2000301360A (ja) 摩擦撹拌接合装置
JP6777226B2 (ja) 接合方法
JP2000094156A (ja) 摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合装置
JP4014289B2 (ja) 摩擦撹拌接合法
JP4008535B2 (ja) 摩擦撹拌接合装置及び摩擦撹拌接合方法
JP2003181654A (ja) 摩擦撹拌接合装置
JP3825140B2 (ja) 摩擦撹拌接合法
JPH11104860A (ja) 摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合装置
JP2002035964A (ja) 重ね継手の摩擦撹拌接合方法及び重ね継手の摩擦撹拌接合用工具
JP3993917B2 (ja) 摩擦撹拌接合装置及び摩擦撹拌接合法
JP3398135B2 (ja) スポット接合装置、付加材料、付加材料供給装置およびスポット接合方法
JP4033522B2 (ja) 摩擦撹拌接合装置及び摩擦撹拌接合法
JP2001162383A (ja) 摩擦撹拌接合法
JP4668437B2 (ja) 摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合装置
JP3974708B2 (ja) 突合せ継手構造
JP5050675B2 (ja) 接合方法
JP3971482B2 (ja) 摩擦撹拌接合法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050822

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050822

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070510

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070522

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070807

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070830

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 3

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130907

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees