JP2001524419A - 後軸アンチロック装置を有するブレーキシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 この発明は、後輪がロックするのを阻止するために後輪でのブレーキ圧力またはブレーキ力を制御し調整する（後軸アンチロック装置）ための自動車のブレーキシステムに関する。本発明によれば、前輪と後輪とは、速度センサー（Ｓ１からＳ４）が個別に装着されている。前輪と後輪へのブレーキ力の分配は、後輪をロックから阻止するための装置（後軸アンチロックシステム）を使用して、速度センサーからの信号に基づいて同様に制御されまたは調整される（電子的ブレーキ力分配）。前輪または第２の前輪の差し迫ったロックを運転者に知らせる表示および／または警報システムが、同様に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、回転速度センサーを有し、センサーの信号を評価しブレーキ圧力ま
たはブレーキ力制御信号を発生するための電子的回路を有し、後輪ブレーキにお
けるブレーキ圧力またはブレーキ力を制御または調整して後輪のロックを阻止す
る装置を備えた、アンチロック装置用の自動車用ブレーキシステムに関する。

【０００２】 アンチロック装置（ＡＢＳ）を有するブレーキシステムは、今日においてはほ
とんど標準として考えられている。しかしながら、アンチロック装置を後輪のみ
に設けることもまた従来から知られているが、それは、後輪のロックは、知られ
ているように、軌道を外れるリスクを有しているからであり、また、後軸の負荷
が、乗客の数または有用な負荷に依存して広い限度内で変更可能であるからであ
る。もちろん、制御システムを後輪に限定することは、すべての車輪に作用する
システムと比較してかなり経済的である（そしてこれが利点のすべてである）。
今日においても、中型および小型乗用車、軽トラックなどの製造におけるコスト
と効果は、ＡＢＳを装着するか、または装着しないかが決定的な理由である。

【０００３】 トラクションスリップ制御システム用として、簡単化しコストを低減するため
に、制御サイクルにおいて運転者を含めることが開示されている（ドイツ特許第
３５ ２７ ５３２号）。そのために、不安定性のリスクまたは高すぎる駆動ト
ルクは運転者に信号で知らされるが、それは、彼／彼女が、アクセルペダルに適
用された調整力を減少し、それによって調整または制御プロセスに機能的に干渉
することによって、車両エンジンの駆動トルクを減少できるようにするためであ
る。運転者による相互作用は、このタイプのシステムにおいて比較的批判的では
ない。それは、運転の開始のみが、高すぎる駆動トルクの場合においてより困難
であるのに対し、危険な状態が起きないからである。

【０００４】 本発明の目的は、運転者に面倒をかけず、または、システムの機能および／ま
たは車両の安全さえも危険に曝すことなく、上述したタイプの制御された自動車
のブレーキシステム用の製造経費を最小にすることである。 この目的は、添付した請求項に述べられた自動車のブレーキシステムによって
達成できることが発見された。その特別な態様において、前輪と後輪は、回転速
度センサーが個別に装備されていて、前軸と後軸の車輪へのブレーキ力の分配は
、回転速度信号に基づいて、また、後輪のロックを阻止する装置によって制御可
能でありまた調整可能であって、最後に前輪または第２の前輪の切迫したロック
信号を運転者に出す表示および／または警報装置の装備を有している。

【０００５】 このように、本発明は、完全なＡＢＳセンサーシステムすなわち３つまたは４
つの回転速度センサーを有する後軸アンチロック装置（略して後軸ＡＢＳ）を装
着することによって、さらに運転者に警告することによって、遅くとも第２の前
輪もまたロック傾向を示した場合、技術的に改良されたブレーキシステムが比較
的わずかな努力と構造で達成できるという知識に基づいている。その簡単な構造
および製造のわずかな努力にもかかわらず、このタイプのシステムは、ブレーキ
力分配の電子的制御（ＥＢＤ制御）用、および後輪のアンチロック制御用に、な
らびに、前輪の不安定性（または切迫したロック）と、操舵能力に関連する危険
性に関する警報用とによく適している。

【０００６】 本発明のブレーキシステムは、本質的には後輪のアンチロック装置（後軸ＡＢ
Ｓ）であって、完全な制御システムすなわちアンチロック装置およびＥＢＤ制御
を達成するために、前輪の回転状態を検知する２つの付加的なセンサーと、拡張
された電子的システムまたはソフトウェアによって、ならびに、光学的または音
響的警報装置によって補足されている。 本発明のブレーキシステムに備えられた３つまたは４つの回転速度センサーは
、各車輪の回転状態を感知し、分析し、そして比較することによって、全体的な
車両状態の分析を達成することを可能にする。分析の結果はついで制御に含まれ
る。このようにして処理され結合されたセンサーの信号に基づいて、例えば、で
こぼこ道路検知と同様、すなわち、それによって制御が関連する道路状態によく
適合する信号を得ることを実現することが可能になった。

【０００７】 本発明の更なる詳細は、添付した図面に基づいた以下の説明から理解できる。
図面は象徴的に示されていて、本発明のタイプのブレーキシステムにおける基本
的な電子的構成部品を表わしていて、このタイプのブレーキの操作を説明するの
に役立つ。 開示された本発明の実施例において、各車両の車輪の回転状態は、各車輪個別
の３つまたは４つの回転速度センサーＳ１からＳ４によって感知される。車両が
後輪駆動である場合、複数の後輪センサーに替えて、単一の差動（ｄｉｆｆｅｒ
ａｎｃｉａｌ）センサーでも同様に十分である。

【０００８】 調整回路１で調整した後、信号は回路２において公知の方法で評価され、理論
的に結合されそして分析される。例えば、車両に関する速度ｖ_ＲＥＦ、スリップ
信号λ、車輪と車両の減速信号ｂ、さらに各信号の時間微分などが生成される。
各車輪の回転状態に見出されたこれらの信号に基づいて、例えば、即時的（ｉｎ
ｓｔａｎｔａｎｅｏｕｓ）運転の安定性、切迫した非安定性、および路面状態の
ような即時的車両の状態および運転状態の含みのある分析を導くことが可能であ
る。 図にブロック３で示されたでこぼこ道路検知も同様に可能である。 センサー信号の評価と分析の結果は、ついで、ブレーキ圧力制御信号を得る目
的で、簡単なまたは複雑なアルゴリズムに基づいて処理され、このブレーキ圧力
制御信号によって、各後輪の各１つにブレーキ圧力またはブレーキ力を影響させ
る液圧式バルブまたは他のアクチュエータ５、６が作動できる。最終的に、後輪
のロックは阻止され、そしてこのようにしてそれらの安定性が確立され、ＥＢＤ
制御がバルブまたは他のアクチュエータ５、６によって達成される。

【０００９】 さらに、図示した本発明の実施例によれば、表示装置および警報装置７、８が
評価および分析回路２に接続されている。装置７、８は、光学式または音響式警
報信号発生装置７と、車両状態表示装置８とを有している。警報信号発生装置７
は、第２の前輪（それゆえ：両方の前輪）がロックするかまたはロックしそうに
なると直ぐに音を出すか光を出す。各運転状態、即時的車両速度、または、異な
った方法で評価された各状態における切迫した危険に依存して、強度（警報信号
発生装置７の音量または照明力）を変更することは適切であり比較的わずかな努
力で実現できる。 上述した説明から理解できるように、本発明は、４つのすべての車輪に作用す
る従来の完全なＡＢＳシステムと比較して、後輪のロックのみを阻止する比較的
簡単で、高価ではない装置を達成することができるが、しかし、付加的な情報源
、すなわち、完全なセンサー装置によって、および前輪の切迫したロックのよう
な臨界状態の光学的信号手段によって、ならびに運転者の協力によって（ほとん
ど）完全なシステムが企画される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のタイプのブレーキシステムにおける基本的な電子的構成部品を象徴的
に示す図。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＪＰ，ＵＳ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転速度センサーを有し、センサーの信号を評価しブレーキ
   圧力またはブレーキ力制御信号を発生するための電子的回路を有し、後輪におけ
   るブレーキ圧力またはブレーキ力を制御または調整して後輪のロックを阻止する
   装置を備えていて、 前輪と後輪は、回転速度センサー（Ｓ１からＳ４）が個別に装備されていて、
   前軸と後軸の車輪へのブレーキ力の分配は、回転速度センサーの信号に基づいて
   、また、後輪のロックを阻止する装置によって制御可能でありまた調整可能であ
   って、前輪または第２の前輪の切迫したロック信号を運転者に出す表示および／
   または警報装置（７、８）の装備を備えたことを特徴とする自動車用ブレーキシ
   ステム。
2. 【請求項２】 後輪駆動の車両に、個別の後輪センサーに替わって、連結型
   差動センサーが設けられていることを特徴とする請求項１記載のブレーキシステ
   ム。
3. 【請求項３】 第２の前輪のロックは、光学的および／または音響的な信号
   で知らされ、信号の強さは、関連する運転状態、車両の速度等、または関連する
   リスク状態に依存して変更可能であることを特徴とする請求項１または２記載の
   ブレーキシステム。